(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】漏れ防止を備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/44 20200101AFI20240424BHJP
A24F 40/485 20200101ALI20240424BHJP
A24F 40/30 20200101ALI20240424BHJP
【FI】
A24F40/44
A24F40/485
A24F40/30
(21)【出願番号】P 2022546124
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(86)【国際出願番号】 EP2021051491
(87)【国際公開番号】W WO2021151799
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-07-28
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ツィムーリス ダリア
(72)【発明者】
【氏名】サハラウィ アデラ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特許第3325028(JP,B2)
【文献】特表2019-505179(JP,A)
【文献】特表2022-531114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
第一の空気吸込み口および空気出口と、
液体エアロゾル形成基体を保持する液体貯蔵部分であって、液体出口を有する液体貯蔵部分と、
前記第一の空気吸込み口から前記液体出口を通り越して前記空気出口に至る気流通路と、
前記液体出口での前記気流通路内の圧力降下に応答して、前記液体貯蔵部分から液体を受容するように配設された前記気流通路中の芯と、
前記芯の前記液体を加熱するように位置付けられた第一の発熱体と、を備え、
前記芯が前記液体出口から距離を置いて配設されていて、
前記液体貯蔵部分が貯蔵部分の空気吸込み口をさらに備え、
前記空気が、前記貯蔵部分の空気吸込み口を介して前記液体貯蔵部分に入り、次に前記液体貯蔵部分を通って移動して、前記液体出口で前記液体貯蔵部分を出るように、前記気流通路が、前記第一の空気吸込み口から前記貯蔵部分の空気吸込み口を通り越して、かつ前記液体出口を通り越して前記空気出口に延びる、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記気流通路内の圧力降下に応答して、前記液体貯蔵部分の前記液体出口が開く、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記液体貯蔵部分を取り外し可能に受容するようにさらに構成されている、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記エアロゾル発生システムが、固体エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞をさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記固体エアロゾル形成基体を加熱するために前記空洞内に配設された第二の発熱体をさらに備える、請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記エアロゾル発生システムが、口側端部分および本体をさらに備え、前記空洞が前記口側端部分内に提供されていて、前記液体貯蔵部分が前記口側端部分と前記本体の間に配設されている、請求項4または請求項5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記固体エアロゾル形成基体を加熱するために前記空洞内に配設された第二の発熱体をさらに備え、前記本体が、前記第一の発熱体と前記第二の発熱体の両方に電力を供給するための電源を備える、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記第一の発熱体が前記口側端部分内に提供されている、請求項6または請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記第一の空気吸込み口が前記口側端部分内に提供されている、請求項6~8のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記貯蔵部分の空気吸込み口に流体接続されている第二の空気吸込み口をさらに備える、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記第二の空気吸込み口が前記本体内に配設されている、請求項10および請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記第一の発熱体がサセプタ材料を含み、これが、前記エアロゾル発生システム内に配設されたインダクタによって発生された交番磁界に応答して加熱する、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記エアロゾル発生システムが、固体エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞をさらに備え、前記固体エアロゾル形成基体を加熱するために前記空洞内に配設された第二の発熱体をさらに備え、前記第二の発熱体がサセプタ材料を含み、これが、前記エアロゾル発生システム内に配設されたインダクタによって発生された交番磁界に応答して加熱する、請求項5~12のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記エアロゾル発生システムが、固体エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞をさらに備え、前記固体エアロゾル形成基体を加熱するために前記空洞内に配設された第二の発熱体をさらに備え、前記インダクタが、前記第一の発熱体と前記第二の発熱体の両方を囲むらせん状コイルである、請求項12および請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパー(蒸気)を発生するためのエアロゾル発生システムを提供することは周知である。こうしたシステムは、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度にエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生システムの空洞(加熱チャンバーなど)の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生システムの加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配設されてもよい。エアロゾル形成物品に使用される固体エアロゾル形成基体に加えて、またはその代替として、液体基体を利用してもよい。発熱体は典型的に、芯の周りにコイル状に巻かれている金属コイルであり、そこで芯の二つの端は液体貯蔵部中の液体基体と接触している。このようにして、芯は常に、気化される準備ができている液体で飽和されている。芯の液体は、コイルに電流を発生させることによって加熱される時に、気化される。芯は液体貯蔵部中の液体基体と接触しているため、加熱コイルによって芯から気化される液体基体は、液体貯蔵部からの液体によって補充される。これはしばしば「ポンプ作用」と呼ばれ、原理的に大半の周知の電子たばこの仕組みである。これらの従来的なシステムの問題は、吸煙後に芯に吸い出される液体基体が、システムからその周辺部(ユーザーのポケットなど)に漏出し、システムが使用されていない時に仕舞われている衣服、バッグ、またはその他の場所を汚染しうることである。液体の漏れはまた、電子機器などのシステムの他の部分を汚染しうる。これらの従来的なシステムの別の問題は、ユーザーが次の吸煙をすることを選択する前に、液体エアロゾル形成基体が長時間にわたり芯の中にありうることである。従って、芯中の液体は、金属発熱体(典型的にコイル)と接触している可能性があり、気化する前に長時間にわたり周囲空気に曝露されうる。これは、一定時間の使用休止後の最初の吸煙での異味につながる可能性がある。
【0003】
従って、液体エアロゾル発生基体の漏出が防止または低減されたエアロゾル発生システムを提供することが望ましいであろう。また、システムの汚染が防止または低減されたエアロゾル発生システムを提供することも望ましいであろう。また、望ましくない異味が防止または低減されたエアロゾル発生システムを提供することも望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一実施形態によると、第一の空気吸込み口および空気出口を備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムは液体貯蔵部分をさらに備えてもよい。液体貯蔵部分は液体エアロゾル形成基体を保持してもよい。液体貯蔵部分は液体出口を有してもよい。エアロゾル発生システムは、第一の空気吸込み口から液体出口を通り越して空気出口に至る気流通路をさらに備えてもよい。エアロゾル発生システムは芯をさらに備えてもよい。芯は気流通路中に提供されてもよい。芯は、液体出口での気流通路内の圧力低下に応答して、液体貯蔵部分から液体を受容するように配設されてもよい。エアロゾル発生システムは、芯中の液体を加熱するように位置付けられた第一の発熱体をさらに備えてもよい。芯は液体出口から距離を置いて配設されてもよい。
【0005】
本発明の一実施形態によると、第一の空気吸込み口および空気出口を備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムは液体貯蔵部分をさらに備える。液体貯蔵部分は液体エアロゾル形成基体を保持する。液体貯蔵部分は液体出口を有する。エアロゾル発生システムは、第一の空気吸込み口から液体出口を通り越して空気出口に至る気流通路をさらに備える。エアロゾル発生システムは芯をさらに備える。芯は気流通路中に提供されている。芯は、液体出口での気流通路内の圧力降下に応答して、液体貯蔵部分から液体を受容するように配設されている。エアロゾル発生システムは、芯中の液体を加熱するように位置付けられた第一の発熱体をさらに備える。芯は液体出口から距離を置いて配設されている。
【0006】
芯と液体出口の間の距離は、0.1ミリメートル~4ミリメートル、好ましくは0.15ミリメートル~3.0ミリメートル、最も好ましくは0.20ミリメートル~0.25ミリメートルであってもよい。芯と液体出口の間の距離「d」は、芯の遠位端と液体出口の近位端との間で測定されうる。
【0007】
芯が液体出口から距離を置いて配設されていることは、芯が液体出口から間隔を置いてもよいことを意味する。芯は液体出口に接触しないように配設されてもよい。芯は液体出口に対して非接触で配設されてもよい。芯は液体貯蔵部分の中に延びないように配設されてもよい。それ故に芯は、貯蔵部分中に含有されている液体と接触しないように配設されてもよい。その結果、液体出口にて気流通路内で圧力降下がない場合、実質的にいかなる液体も液体貯蔵部分から芯に移動されない。液体出口にて気流通路内で圧力降下がない場合、液体貯蔵部分の外への液体漏れは低減または防止される。
【0008】
気流通路内の圧力降下は、ユーザーが空気出口を吸うことによって引き起こされうる。圧力降下は気流通路内に気流を引き起こしうる。それ故に圧力降下は、気流を介して液体貯蔵部分から液体出口を通り越して芯に液体を移動させうる。
【0009】
芯と液体貯蔵部分の分離によって、ユーザーが空気出口を吸う際に、芯は気流から液体のみを吸収してもよい。芯による液体の吸収は有利なことに制御される場合がある。また、芯による液体の過剰吸収が低減される場合もある。システムの使用休止中の芯による液体の吸収が低減されうる。それによって、望ましくない異味を防止または軽減しうる。液体エアロゾル発生基体の漏れを防止または軽減しうる。それ故にシステムの汚染が防止または軽減されうる。
【0010】
システムは、気流通路内の圧力降下がない場合、液体貯蔵部分の液体出口が閉じられているように適合されうる。液体貯蔵部分の液体出口は、気流通路内の圧力降下に応答して開いてもよい。これは、液体を液体貯蔵部分から芯に移動させることを可能にしうる。圧力降下に応答して液体出口を開くことによって、システムの使用休止中の液体貯蔵部分からの液体の漏れは有利なことに回避されうる。圧力降下に応答して液体出口を開くことによって、システムの使用休止中の芯による液体の吸収は有利なことに回避されうる。
【0011】
液体貯蔵部分は液体出口にて一方向弁を備えてもよい。一方向弁は、気流通路内の圧力降下に応答して開き、液体を液体貯蔵部分から芯に移動させることを可能にしうる。一方向弁は、液体出口を介してあらゆる残留物が液体貯蔵部分の中に入るのを妨げることによって、液体貯蔵部分の汚染をさらに防止する場合がある。
【0012】
気流通路は、第一の空気吸込み口から液体貯蔵部分の液体出口を通り越して空気出口に延びる。「液体出口を通り越して」とは、気流通路の一部分が液体出口に直接隣接していることを意味する。気流通路を通過する気流の少なくとも一部分は、液体出口の上に誘導される。気流は、液体出口を介して液体貯蔵部分を出る液滴を取り込みうる。
【0013】
気流通路は、液体貯蔵部分を通って、かつ液体出口を通って延びてもよい。液体貯蔵部分を通る気流は、液滴が液体出口を介して液体貯蔵部分を出るのを促進しうる。
【0014】
液体貯蔵部分は貯蔵部分の空気吸込み口を備えてもよい。気流通路は、第一の空気吸込み口から貯蔵部分の空気吸込み口を通り越して、かつ液体出口を通り越して空気出口に延びてもよい。周囲空気は、ユーザーが空気出口を吸う時に、第一の空気吸込み口を介して気流通路に入ってもよい。空気は貯蔵部分の空気吸込み口を介して液体貯蔵部分に入ってもよい。次に空気は液体貯蔵部分を通って移動し、液体出口にて液体貯蔵部分を出てもよい。これによって、液体は液体出口を通って液体貯蔵部分から出て、芯上に押し流されてもよい。
【0015】
エアロゾル発生システムは、貯蔵部分の空気吸込み口に流体接続されている第二の空気吸込み口をさらに備えてもよい。追加の貯蔵部分の気流通路は、第二の空気吸込み口から貯蔵部分の空気吸込み口に延びてもよい。周囲空気は、ユーザーが空気出口を吸う時に、第二の空気吸込み口を介して貯蔵部分の気流通路に入ってもよい。空気は貯蔵部分の空気吸込み口を介して液体貯蔵部分に入ってもよい。次に空気は液体貯蔵部分を通って移動し、液体出口にて液体貯蔵部分を出てもよい。貯蔵部分の気流通路および気流通路は、液体出口を通り越して組み合わさってもよい。これによって、液体は液体出口を通って液体貯蔵部分から出て、芯上に押し流されてもよい。
【0016】
第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口、ならびに貯蔵部分の空気吸込み口を備える実施形態において、気流通路は必ずしも、第一の空気吸込み口から、貯蔵部分の空気吸込み口を通り越して、かつ液体出口を通り越して空気出口に延びる必要はない。一部の実施形態において、気流通路は、第二の空気吸込み口から追加の貯蔵部分の気流通路を介して、貯蔵部分の空気吸込み口を通り越して、かつ液体出口を通り越して空気出口に延び、第一の空気吸込み口から空気出口に延びる気流通路は、液体貯蔵部分を通って移動しない。第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口、ならびに貯蔵部分の空気吸込み口を備える実施形態において、第二の空気吸込み口から貯蔵部分の空気吸込み口を通り越して、かつ液体出口を通り越して空気出口に延びる気流通路が、第一の空気吸込み口から貯蔵部分の空気吸込み口を通り越して、かつ液体出口を通り越して空気出口に延びる気流通路の代わりに存在してもよい。
【0017】
液体貯蔵部分は液体貯蔵部分の空気吸込み口を備えてもよく、液体貯蔵部分は液体貯蔵部分の空気吸込み口にて一方向弁を備えてもよい。一方向弁は、気流通路内の圧力降下に応答して開き、周囲空気が液体貯蔵部分に入ることを可能にしうる。一方向弁は、液体貯蔵部分の空気吸込み口を介して液体が液体貯蔵部分を出るのを妨げることによって、液体貯蔵部分の空気吸込み口からの液体の漏出をさらに防止しうる。本明細書において「液体貯蔵部分の空気吸込み口」および「貯蔵部分の空気吸込み口」という用語は同義で使用される。
【0018】
システムは、液体貯蔵部分を取り外し可能に受容するように構成されてもよい。これによって、液体貯蔵部分はユーザーによって容易に交換されうる。ユーザーは、空になった液体貯蔵部分を交換しうる。ユーザーは、異なる液体を保持する複数の異なる液体貯蔵部分のうちから選択しうる。異なる液体貯蔵部分は、ユーザーが複数の異なる液体貯蔵部分を簡単に区別しうるように、異なる色で色分けされてもよい。システムは、液体貯蔵部分が挿入されることなく使用されてもよい。
【0019】
エアロゾル発生システムは、固体エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞をさらに備えてもよい。
【0020】
エアロゾル発生システムの空洞は開放端を有してもよく、この開放端の中にエアロゾル発生物品が挿入される。開放端は近位端であってもよい。空洞は、開放端の反対側に閉鎖端を有してもよい。閉鎖端は空洞の基部であってもよい。閉鎖端は、基部内に配設された空気開口の提供を除いて閉鎖されていてもよい。空洞の基部は平坦であってもよい。空洞の基部は円形状であってもよい。空洞の基部は空洞の上流に配設されてもよい。開放端は空洞の下流に配設されてもよい。空洞は細長い延長を有してもよい。空洞は長軸方向中心軸を有してもよい。長軸方向は、長軸方向中心軸に沿って開放端と閉鎖端の間に延びる方向であってもよい。空洞の長軸方向中心軸は、エアロゾル発生システムの長軸方向軸と平行であってもよい。
【0021】
空洞は加熱チャンバーとして構成されてもよい。空洞は円筒形状を有してもよい。空洞は中空円筒形状を有してもよい。空洞は、空洞内に受容されるエアロゾル発生物品の形状に対応する形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。空洞は楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の外径に対応する内径を有してもよい。
【0022】
空洞は、空気が空洞を通って流れうるように適合されてもよい。液体貯蔵部分は、気流通路を介して空洞と流体接続されてもよい。気流通路は、空気吸込み口から液体出口と空洞を通り越して空気出口に延びてもよい。周囲空気は、エアロゾル発生システムの中に、および空洞の中に、およびユーザーに向かって引き出されてもよい。空洞の開放端は空気出口を備えてもよい。空洞の下流で、マウスピースが配設されてもよく、またはユーザーがエアロゾル発生物品を直接吸ってもよい。気流経路はマウスピースを通って延びてもよい。
【0023】
エアロゾル発生システムは、固体エアロゾル形成基体を加熱するために空洞内に配設された第二の発熱体をさらに備えてもよい。
【0024】
エアロゾル発生システムは、口側端部分および本体をさらに備えてもよく、空洞は口側端部分内に提供されていて、液体貯蔵部分は口側端部分と本体の間に配設されている。それによって、異なる動作モード、例えば三つの異なる動作モードを可能にするモジュール式エアロゾル発生システムが提供されうる。ユーザーは、異なる動作モードの中から選んでもよい。それ故に、ユーザーは各動作モードのために複数の異なるシステムを携行する必要がなく、一つのシステムのみを携行すればよい。また、ユーザーは複数の異なるシステムを購入する必要がなく、一つのシステムのみを購入すればよく、これは費用の節約になりうる。
【0025】
第一の動作モードによると、液体貯蔵部分はエアロゾル発生システム内に受容されていて、さらにエアロゾル発生物品は空洞内に受容されている。従って、吸入可能なエアロゾルは、液体貯蔵部分に由来する物質、およびさらに、エアロゾル発生物品に含まれるエアロゾル形成基体に由来する物質を含有してもよい。
【0026】
第二の動作モードによると、液体貯蔵部分はエアロゾル発生システム内に受容されていなく、口側端部分の遠位端は、本体の近位端に直接取り外し可能に取り付けられている。さらに、エアロゾル発生物品は空洞内に受容されている。従って、吸入可能なエアロゾルは、エアロゾル発生物品に含まれるエアロゾル形成基体に由来する物質のみを含有してもよい。
【0027】
第三の動作モードによると、液体貯蔵部分はエアロゾル発生システム内に受容されているが、エアロゾル発生物品は空洞内に受容されていない。随意に、マウスピースは空洞の開放端上に取り付けられてもよい。従って、吸入可能なエアロゾルは、液体貯蔵部分に由来する物質のみを含有してもよい。
【0028】
エアロゾル発生システムは、第一の発熱体に電力を供給するための電源を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、第一の発熱体と第二の発熱体の両方に電力を供給するための電源を備えてもよい。本体は、第一の発熱体に電力を供給するための電源を備えてもよい。本体は、第一の発熱体と第二の発熱体の両方に電力を供給するための電源を備えてもよい。
【0029】
電源は電池を備えてもよい。電源はリチウムイオン電池であってもよい。電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または発熱体の不連続的な起動を提供するのに十分な容量を有してもよい。
【0030】
電源は直流(DC)電源であってもよい。一実施形態において、電源は、2.5ボルト~4.5ボルトの範囲のDC供給電圧と、1アンペア~10アンペアの範囲のDC供給電流とを有するDC電源(2.5ワット~45ワットの範囲のDC電源に相当)である。エアロゾル発生システムは有利なことに、DC電源によって供給されたDC電流を交流電流に変換するための直流から交流への(DC/AC)インバータを備えてもよい。DC/ACコンバータは、クラスD、クラスCまたはクラスEの電力増幅器を備えてもよい。DC/ACコンバータのAC電力出力は、誘導コイルへと供給される。
【0031】
電源は、誘導コイルに電力を供給するように適合されてもよく、また高周波で動作するように構成されてもよい。高周波で動作するために、クラスEの電力増幅器が好ましい。本明細書で使用される「高周波振動電流」という用語は、500キロヘルツ~30メガヘルツの周波数を有する振動電流を意味する。高周波振動電流は、1メガヘルツ~30メガヘルツの周波数を有してもよく、1メガヘルツ~10メガヘルツの周波数を有することが好ましく、5メガヘルツ~8メガヘルツの周波数を有することがより好ましい。
【0032】
別の実施形態において、電力増幅器のスイッチング周波数は、より低いkHz範囲、例えば100kHz~400KHzであってもよい。クラスDまたはクラスCの電力増幅器が使用される実施形態において、より低いkHz範囲のスイッチング周波数は特に有利である。
【0033】
発熱体に関する以下の実施例および特徴は、第一の発熱体と第二の発熱体とのうちの一方または両方に適用されうる。発熱体は電気抵抗性材料を含んでもよい。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル白金、金、銀が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料中に包埋、断熱材料中に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可能である。
【0034】
発熱体は有利なことに、熱伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する。発熱体は基体、または基体が配置されている担体と、少なくとも部分的に接触してもよい。内部発熱体または外部発熱体のいずれかからの熱は、熱伝導性要素によって基体に伝導されてもよい。
【0035】
動作中、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生システム内に完全に包含されてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生システムのマウスピースを吸煙してもよい。動作中、エアロゾル形成基体を含有する喫煙物品は、エアロゾル発生システム内に部分的に包含されてもよい。その場合、ユーザーは喫煙物品を直接吸煙してもよい。
【0036】
発熱体は誘導加熱配設の一部であってもよい。誘導加熱配設は、誘導によって熱を発生するように構成されてもよい。誘導加熱配設は、誘導コイルおよびサセプタ配設を備えてもよい。単一の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ配設が提供されてもよい。単一の誘導コイルよりも多い誘導コイルが提供されていることが好ましい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ配設よりも多いサセプタ配設が提供されていることが好ましい。誘導加熱配設は、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設を含んでもよい。誘導コイルは、中央サセプタ配設と周辺サセプタ配設の両方を包囲してもよい。第一の誘導コイルは、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設の第一の領域を包囲してもよい。第二の誘導コイルは、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設の第二の領域を包囲してもよい。誘導コイルによって包囲された領域は、以下でより詳細に説明する通り、加熱ゾーンとして構成されてもよい。
【0037】
エアロゾル発生システムは磁束コンセントレータを備えてもよい。磁束コンセントレータは、高い透磁率を有する材料から作製されてもよい。磁束コンセントレータは、誘導加熱配設を包囲して配設されてもよい。磁束コンセントレータは、磁力線を磁束コンセントレータの内部に集中させてもよく、それによって誘導コイルによるサセプタ配設の加熱効果を増大させ、かつインダクタからの交番磁界が、周辺にある他の装置と干渉するのを防止してもよい。
【0038】
エアロゾル発生システムはコントローラを備えてもよい。コントローラは誘導コイルに電気的に接続されてもよい。コントローラは、第一の誘導コイルに、および第二の誘導コイルに電気的に接続されてもよい。コントローラは、誘導コイル(複数可)に供給された電流、およびそれ故に誘導コイル(複数可)によって発生された磁界強度を制御するように構成されてもよい。
【0039】
電源およびコントローラは、誘導コイルに接続されてもよい。
【0040】
コントローラは、DC/ACコンバータの入力側の電流供給をチョップすることができるように構成されてもよい。このようにして、誘導コイルに供給された電力は、負荷サイクル管理の従来の方法によって制御されてもよい。
【0041】
第一の発熱体は口側端部分内に提供されてもよい。第二の発熱体は口側端部分内に提供されてもよい。第一の発熱体と第二の発熱体の両方が口側端部分内に提供されてもよい。
【0042】
第一の空気吸込み口は口側端部分内に提供されてもよい。
【0043】
第二の空気吸込み口は本体内に提供されてもよい。
【0044】
芯は気流から液体を吸収する能力を有してもよい。芯は毛細管材料を含んでもよい。毛細管材料は繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は概して、液体をヒーターに運ぶように整列されてもよい。毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴またはチューブを形成し、それを通して液体を毛細管作用によって移動することができる。毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系または黒鉛系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、エチレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。液体は、毛細管作用によって液体が毛細管材料を通して移動されることを可能にする粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を有する。毛細管材料はエアロゾル形成基体を発熱体に運ぶように構成されてもよい。毛細管材料は発熱体内の隙間の中に延びてもよい。
【0045】
第一の発熱体はサセプタ配列を含む誘導加熱配設の一部であってもよい。第一の発熱体は、エアロゾル発生システム内に配設されたインダクタによって発生した交番磁界に応答して加熱するサセプタ材料を含んでもよい。インダクタは誘導コイルであってもよい。インダクタは、第一の発熱体を囲むらせん状コイルであってもよい。
【0046】
第二の発熱体はサセプタ配列を含む誘導加熱配設の一部であってもよい。第二の発熱体は、エアロゾル発生システム内に配設されたインダクタによって発生した交番磁界に応答して加熱するサセプタ材料を含んでもよい。インダクタは誘導コイルであってもよい。インダクタは、第二の発熱体を囲むらせん状コイルであってもよい。
【0047】
第一の発熱体と第二の発熱体の両方は誘導加熱配設の一部であってもよい。第一の発熱体と第二の発熱体の両方は、エアロゾル発生システム内に配設されたインダクタによって発生した交番磁界に応答して加熱するサセプタ材料を含んでもよい。インダクタは、第一の発熱体と第二の発熱体の両方を囲む一つ以上のらせん状コイル(複数可)であってもよい。
【0048】
第一の発熱体は、サセプタ材料を含む、かつ空洞内に中央に配設されている中央サセプタ配設を含んでもよい。第二の発熱体は、サセプタ材料を含む、かつ中央サセプタ配設から距離を置いてその周りに配設されている周辺サセプタ配設を含んでもよい。
【0049】
中央サセプタ配設は、中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、少なくとも二つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、三つ以上の中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、四つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、四つの中央サセプタから成ってもよい。中央サセプタ(複数可)のうちの少なくとも一つ、好ましくはすべては、細長くてもよい。
【0050】
中央サセプタは、空洞の長軸方向中心軸に平行に配設されてもよい。複数の中央サセプタが提供される場合、各中央サセプタは、空洞の長軸方向中心軸に平行に等距離で配設されてもよい。
【0051】
中央サセプタ配設の下流端部分は、丸みがあってもよく、好ましくは、空洞の中央長軸方向軸に向かって内向きに曲げられてもよい。中央サセプタの下流端部分は、丸みがあってもよく、好ましくは、空洞の中央長軸方向軸に向かって内向きに曲げられてもよい。複数の中央サセプタが提供される場合、好ましくは各中央サセプタの各下流端部分は丸みがあってもよく、好ましくは空洞の中央長軸方向軸に向かって内向きに曲げられてもよい。丸みのある端部分は、中央サセプタ配設にわたるエアロゾル発生物品の挿入を容易にしうる。丸みのある端部分の代わりに、端部分は、空洞の長軸方向中心軸に向かってテーパー状であってもよく、または面取りされてもよい。
【0052】
中央サセプタ配設は、空洞の中央長軸方向軸の周りに配設されてもよい。複数の中央サセプタが提供される場合、中央サセプタは、空洞の中央長軸方向軸の周りにリング形状の向きで配設されてもよい。エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている時、エアロゾル発生物品は、中央サセプタ配設の配設によって空洞内で中心に置かれてもよい。
【0053】
中央サセプタ配設は、中空であってもよい。中央サセプタ配設は、中央サセプタ間に中空空洞を画定する少なくとも二つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設の中空構成は、中空の中央サセプタ配設の中への気流を可能にしてもよい。気流通路は、中空の中央サセプタ配設を通って延びてもよい。芯は、中空の中央サセプタ配設内に提供されてもよい。本明細書に記載の通り、中央サセプタ配設は、少なくとも二つの中央サセプタを備えることが好ましい。間隙は、少なくとも二つの中央サセプタ間に提供されていることが好ましい。結果として、中央サセプタ配設を通る気流が可能である場合がある。気流は、空洞の長軸方向中心軸に平行な方向、またはそれに沿った方向で可能である場合がある。好ましくは、間隙によって、横方向の気流が可能である場合がある。横方向気流は、中央サセプタ間の間隙を通した、入ってくる空気と、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体との間の接触に起因して、エアロゾル発生を可能にする場合がある。中央サセプタ配設の加熱は、中空の中央サセプタ配設内の芯の加熱につながる場合がある。芯の加熱は、中空の中央サセプタ配設内のエアロゾル発生につながる場合がある。中央サセプタ配設の加熱は、エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている時に、中空の中央サセプタ配設内のエアロゾル発生をもたらしてもよい。中央サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の内部を加熱するように構成されてもよい。エアロゾルは、中空の中央サセプタ配設を通して下流方向に引き出されてもよい。
【0054】
中央サセプタ配設はリング形状の断面を有してもよい。中央サセプタ配設は、リング形状の断面を有する中空空洞を画定する少なくとも二つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は管状であってもよい。中央サセプタ配設が少なくとも二つの中央サセプタを備える場合、中央サセプタは管状中央サセプタ配設を形成するように配設されてもよい。気流は、中央サセプタ間の間隙を通して中央サセプタ配設を通して可能であることが好ましい。
【0055】
周辺サセプタ配設は、細長い、好ましくはブレード形状のサセプタ、または円筒形状のサセプタを備えてもよい。周辺サセプタ配設は、少なくとも二つのブレード形状のサセプタを備えてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞を包囲して配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞の長軸方向中心軸に平行に配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞の内部に配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている時にエアロゾル発生物品を保持するために配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、ブレード形状のサセプタの中へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にするために、裾が広がった下流端を有してもよい。空気は、ブレード形状のサセプタの間の空洞の中に流れてもよい。個別のブレード形状のサセプタの間に間隙が提供されてもよい。空気はその後、エアロゾル発生物品と接触してもよく、またはエアロゾル発生物品の中に入ってもよい。空気によるエアロゾル発生物品の均一な貫通は、このようにして達成されてもよく、それによってエアロゾル発生を最適化する。周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の外側を加熱するように構成されてもよい。
【0056】
周辺サセプタ配設は、少なくとも二つの周辺サセプタを備えてもよい。周辺サセプタ配設は、複数の周辺サセプタを備えてもよい。周辺サセプタのうちの少なくとも一つ、好ましくはすべては、細長くてもよい。周辺サセプタのうちの少なくとも一つ、好ましくはすべては、ブレード形状であってもよい。
【0057】
周辺サセプタ配設の下流端部分は、裾が広がっていてもよい。周辺サセプタのうちの少なくとも一つ、好ましくはすべては、裾が広がった下流端部分を有してもよい。
【0058】
周辺サセプタ配設は、空洞の中央長軸方向軸の周りに配設されてもよい。周辺サセプタ配設は、中央サセプタ配設の周りに配設されてもよい。周辺サセプタ配設が複数の周辺サセプタを備える場合、各周辺サセプタは、空洞の中央長軸方向軸に平行に等距離で配設されてもよい。
【0059】
周辺サセプタ配設は、周辺サセプタ配設と中央サセプタ配設の間に環状の中空円筒形状空洞を画定してもよい。環状の中空円筒形状空洞は、エアロゾル発生物品の挿入のための空洞であってもよい。中央サセプタ配設は、環状の中空円筒形状空洞内に配設されてもよい。環状の中空円筒形状空洞は、エアロゾル発生物品を受容するように構成されてもよい。
【0060】
周辺サセプタはリング形状の断面を有してもよい。周辺サセプタ配設は、リング形状の断面を有する中空空洞を画定する少なくとも二つの周辺サセプタを備えてもよい。周辺サセプタ配設は管状であってもよい。
【0061】
周辺サセプタ配設は、中央サセプタ配設の外径よりも大きい内径を有してもよい。周辺サセプタ配設と中央サセプタ配設の間に、環状の中空円筒形状空洞が配設されてもよい。
【0062】
中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設は、同軸に配設されてもよい。
【0063】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、固体形態であってもよく、または液体状であってもよい。
【0064】
エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部であってもよい。エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分内に保持された液体の一部であってもよい。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を含有してもよい。液体貯蔵部分は、固体エアロゾル形成基体を含有してもよい。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体と固体エアロゾル形成基体の両方を含有してもよい。例えば、液体貯蔵部分は、固体エアロゾル形成基体と液体の懸濁液を含有してもよい。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を含有することが好ましい。
【0065】
以下に記載のエアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分内に含有されたエアロゾル形成基体と、エアロゾル発生物品内に含まれたエアロゾル形成基体とのうちの一方または両方であってもよい。好ましくは、液体ニコチンまたは風味/風味剤含有エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分内で採用されてもよく、その一方で固体たばこ含有エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品内で採用されてもよい。
【0066】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。
【0067】
エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。特に好ましい一実施形態において、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。
【0068】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)である。エアロゾル形成体はグリセリンであることが好ましい。存在する場合、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5重量パーセント以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、また乾燥重量基準で5重量パーセント~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0069】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、システムの近位端またはユーザー端でマウスピースを吸うまたは吸煙するユーザーによって直接吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生システムの空洞の中に挿入可能であってもよい。
【0070】
エアロゾル発生物品とエアロゾル発生システムの空洞とは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生システムの空洞内に部分的に受容されるように配設されてもよい。エアロゾル発生システムの空洞とエアロゾル発生物品とは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生システムの空洞内に完全に受容されるように配設されてもよい。
【0071】
エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成セグメントはまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
【0072】
本明細書で使用される「液体貯蔵部分」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する液体エアロゾル形成基体を含む貯蔵部分を指す。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を貯蔵するための容器または貯蔵部として構成されてもよい。
【0073】
液体貯蔵部分は、エアロゾル発生システム内に永久的に配設されてもよい。液体貯蔵部分は、再充填可能であってもよい。液体貯蔵部分は、交換可能なカートリッジ、タンクまたは容器の一部であるか、または交換可能なカートリッジ、タンクまたは容器として構成されてもよい。液体貯蔵部分は、任意の適切な形状およびサイズであってもよい。例えば、液体貯蔵部分は、実質的に円筒状であってもよい。液体貯蔵部分の断面は、例えば実質的に円形、楕円形、正方形または長方形であってもよい。
【0074】
液体貯蔵部分はハウジングを備えてもよい。ハウジングは、基部と、基部から延びる一つ以上の側壁とを備えてもよい。基部および一つ以上の側壁は、一体的に形成されてもよい。基部および一つ以上の側壁は、相互に取り付けられている、または固定されている別個の要素であってもよい。液体貯蔵部分のハウジングは、液体貯蔵部分内に貯蔵された液体エアロゾル形成基体がハウジングを通してユーザーに見えてもよいように、透明または半透明の部分を備えてもよい。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内に貯蔵されたエアロゾル形成基体が周囲空気から保護されるように構成されてもよい。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内に貯蔵されたエアロゾル形成基体が光から保護されるように構成されてもよい。これは、基体の劣化のリスクを低減する場合があり、また高いレベルの衛生状態を維持する場合がある。
【0075】
本明細書で使用される「エアロゾル発生システム」という用語は、液体貯蔵部分に保持された液体エアロゾル形成基体を利用してエアロゾルを発生させるか、またはエアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生させるか、または液体エアロゾル形成基体を利用し、かつエアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生させるシステムを指す。
【0076】
エアロゾル発生システムは断熱要素を備えてもよい。断熱要素は、空洞を包囲して配設されてもよい。断熱要素は、エアロゾル発生システムのハウジングと空洞の間に配設されてもよい。断熱要素は管状であってもよい。断熱要素は、誘導加熱配設と同軸に整列されてもよく、好ましくは周辺サセプタ配設と同軸に整列されてもよい。
【0077】
エアロゾル発生システムは携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生システムは従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。システムは電気的に作動する喫煙システムであってもよい。システムは手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは、30ミリメートル~150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生システムは、5ミリメートル~30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0078】
エアロゾル発生システムはハウジングを備えてもよい。ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0079】
ハウジングは、少なくとも一つの空気吸込み口を備えてもよい。ハウジングは、二つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。
【0080】
本明細書で使用される「マウスピース」という用語は、システムの空洞内に受容されたエアロゾル発生物品から、および/または芯によって受容された液体から、エアロゾル発生システムによって発生されたエアロゾルを直接吸入するためにユーザーの口の中に入れられるエアロゾル発生システムの一部分を指す。
【0081】
加熱配設の動作は、吸煙検出システムによってトリガされてもよい。加熱配設は、オンオフボタンを押すことによってトリガされ、ユーザーの吸煙の持続時間にわたって保持されてもよい。吸煙検出システムはセンサーとして提供されてもよく、これは気流量を測定するための気流センサーとして構成されてもよい。気流量は、エアロゾル発生システムの気流経路を通してユーザーによって引き出される一回当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸煙の開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出されてもよい。開始はまた、ユーザーがボタンを起動後に検出されてもよい。
【0082】
センサーはまた、圧力センサーとして構成されてもよい。ユーザーがエアロゾル発生システムを吸う時、陰圧または真空がシステムの内部で発生し、圧力センサーによってこの陰圧が検出される場合がある。「陰圧」という用語は、周囲空気の圧力よりも低い圧力として理解される。言い換えれば、ユーザーがシステムを吸う時、システムを通して引き出される空気は、システムの外側の周囲空気の圧力よりも低い圧力を有する。
【0083】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生システムを起動するためのユーザーインターフェース、例えばエアロゾル発生システムの加熱を開始するボタン、またはエアロゾル発生システムまたはエアロゾル形成基体の状態を示すディスプレイを含んでもよい。
【0084】
エアロゾル発生システムは、例えば電気的に作動するまたは電気式のエアロゾル発生システム内の搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなど、追加的な構成要素を含んでもよい。
【0085】
本明細書で使用される「近位」という用語は、エアロゾル発生システムのユーザー端もしくは口側端、またはその一部もしくはその部分を指し、「遠位」という用語は、近位端の反対側の端を指す。空洞に言及する時、「近位」という用語は、空洞の開放端に最も近い領域を指し、また「遠位」という用語は、閉鎖端に最も近い領域を指す。
【0086】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生システムの使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に対する、エアロゾル発生システムの構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0087】
本明細書で使用される「サセプタ配設」は、交番磁界に供された時に加熱する要素を意味する。これはサセプタ配設内で誘発された渦電流、ヒステリシス損失、または渦電流とヒステリシス損失の両方の結果であってもよい。使用中に、サセプタ配設は、エアロゾル発生システム内に受容されたエアロゾル形成基体と熱的に接触して、または熱的に近接して位置する。このようにして、エアロゾル形成基体は、サセプタ配設によって加熱され、これによってエアロゾルが形成される。
【0088】
サセプタ材料は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料であってもよい。サセプタ配設に関する以下の実施例および特徴は、中央サセプタ配設と周辺サセプタ配設とのうちの一方または両方に適用されてもよい。サセプタ材料のために適切な材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合材料が挙げられる。好ましいサセプタ材料は金属または炭素を含む。有利なことに、サセプタ材料は、例えばフェライト鉄、強磁性合金(強磁性鋼またはステンレス鋼など)、強磁性粒子、フェライトなどの強磁性材料またはフェリ磁性材料を含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。適切なサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ材料は、5パーセント超の、好ましくは20パーセント超の、より好ましくは50パーセント超の、または90パーセント超の強磁性材料、フェリ磁性材料、もしくは常磁性材料を含んでもよい。好ましいサセプタ材料は、劣化することなく、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0089】
サセプタ材料は、単一の材料層から形成されてもよい。単一の材料層は、鋼層であってもよい。
【0090】
サセプタ材料は、非金属コア上に配置された金属層を有する非金属コアを備えてもよい。例えば、サセプタ材料は、セラミックコアまたは基体の外表面上に形成された金属トラックを備えてもよい。
【0091】
サセプタ材料はオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。ステンレス鋼の一つ以上の層は、オーステナイト鋼の層上に配設されてもよい。例えば、サセプタ材料は、その上面および下面の各々上にステンレス鋼の層を有するオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。サセプタ配設は、単一のサセプタ材料を含んでもよい。サセプタ配設は、第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と密接に物理的に接触して配置されてもよい。第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料は密接に接触して、分解できない単一のサセプタを形成してもよい。ある特定の実施形態において、第一のサセプタ材料はステンレス鋼であり、第二のサセプタ材料はニッケルである。サセプタ配設は二層構造を有してもよい。サセプタ配設はステンレス鋼層およびニッケル層から形成されてもよい。
【0092】
第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料の間の密接な接触は、任意の適切な手段によってなされてもよい。例えば、第二のサセプタ材料は、第一のサセプタ材料上にメッキ、堆積、被覆、クラッディング、または溶接されてもよい。好ましい方法としては、電気メッキ、亜鉛メッキ、およびクラッディングが挙げられる。
【0093】
一実施形態に関して記述される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0094】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例または実施形態の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0095】
実施例A:エアロゾル発生システムであって、
第一の空気吸込み口および空気出口と、
液体エアロゾル形成基体を保持する液体貯蔵部分であって、液体出口を有する液体貯蔵部分と、
第一の空気吸込み口から液体出口を通り越して空気出口に至る気流通路と、
液体出口での気流通路内の圧力降下に応答して、液体貯蔵部分から液体を受容するように配設された気流通路中の芯と、
芯の液体を加熱するように位置付けられた第一の発熱体と、を備え、
芯が液体出口から距離を置いて配設されている、エアロゾル発生システム。
【0096】
実施例B:気流通路内の圧力降下に応答して、液体貯蔵部分の液体出口が開く、実施例Aに記載のエアロゾル発生システム。
【0097】
実施例C:液体貯蔵部分が、貯蔵部分の空気吸込み口をさらに備える、実施例Aまたは実施例Bに記載のエアロゾル発生システム。
【0098】
実施例D:液体貯蔵部分を取り外し可能に受容するようにさらに構成されている、実施例1、実施例2または実施例3に記載のエアロゾル発生システム。
【0099】
実施例E:エアロゾル発生システムが、固体エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞をさらに備える、実施例A~Dのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0100】
実施例F:固体エアロゾル形成基体を加熱するために空洞内に配設された第二の発熱体をさらに備える、実施例Eに記載のエアロゾル発生システム。
【0101】
実施例G:エアロゾル発生システムが、口側端部分および本体をさらに備え、空洞が口側端部分内に提供されていて、液体貯蔵部分が口側端部分と本体の間に配設されている、実施例Eまたは実施例Fに記載のエアロゾル発生システム。
【0102】
実施例H:本体が、第一の発熱体と第二の発熱体の両方に電力を供給するための電源を備える、実施例Gに記載のエアロゾル発生システム。
【0103】
実施例I:第一の発熱体が口側端部分内に提供されている、実施例Gまたは実施例Hに記載のエアロゾル発生システム。
【0104】
実施例J:第一の空気吸込み口が口側端部分内に提供されている、実施例G~Iのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0105】
実施例K:貯蔵部分の空気吸込み口に流体接続されている第二の空気吸込み口をさらに備える、実施例C~Jのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0106】
実施例L:第二の空気吸込み口が本体内に配設されている、実施例Kおよび実施例Gに記載のエアロゾル発生システム。
【0107】
実施例M:第一の発熱体がサセプタ材料を含み、これが、エアロゾル発生システム内に配設されたインダクタによって発生された交番磁界に応答して加熱する、実施例A~Lのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0108】
実施例N:第二の発熱体がサセプタ材料を含み、これが、エアロゾル発生システム内に配設されたインダクタによって発生された交番磁界に応答して加熱する、実施例F~Mのいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0109】
実施例O:インダクタが、第一の発熱体と第二の発熱体の両方を囲むらせん状コイルである、実施例Mおよび実施例Nに記載のエアロゾル発生システム。
【0110】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態によるエアロゾル発生システムを概略的に図示する。
【
図2】
図2は、本発明のエアロゾル発生システムの一実施形態の液体貯蔵部分の近位部を有する口側端部分の断面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明のエアロゾル発生システムの一実施形態の液体貯蔵部分の近位部を有する口側端部分の断面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明のエアロゾル発生システムの一実施形態を示す。
【
図5】
図5は、本発明のエアロゾル発生システムの一実施形態の液体貯蔵部分を示す。
【
図6】
図6は、本発明のエアロゾル発生システムの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0112】
図1は、本発明のエアロゾル発生システム10の一実施形態を概略的に示す。システム10は、口側端部分20、液体貯蔵部分40、および本体50を備える。口側端部分20は、第一の空気吸込み口22および空気出口24を備える。
【0113】
液体貯蔵部分40は、液体エアロゾル形成基体を保持する。液体貯蔵部分は、液体出口42を備える。気流通路は、第一の空気吸込み口22から液体出口42を通り越して空気出口24に延びる。液体貯蔵部分40は、気流通路と流体接続している。液体貯蔵部分40の液体出口42は、ユーザーが空気出口24にて口側端部分を吸煙することによって引き起こされる、気流通路内の圧力降下に応答して開く。液体出口42は、液体貯蔵部分40から空気出口24に向かう方向に開く一方向弁を備える。液体貯蔵部分40は、貯蔵部分の空気吸込み口44をさらに備える。
【0114】
口側端部分20は、液体出口42での気流通路内の圧力降下に応答して、液体貯蔵部分40から液体を受容するように配設された気流通路中の芯26をさらに備える。図示した口側端部分20はまた、芯26中の液体を加熱するように位置付けられた第一の発熱体28を備える。芯26は液体出口42から距離dを置いて配設されている。
図1の実施形態において、芯26と液体出口42の間の距離dは、芯26の遠位端と液体出口42の近位端との間で測定される。
【0115】
図1に示す実施形態において、第一の発熱体は、芯26の周りに巻かれているコイルとして概略的に図示されている。しかしながら、第一の発熱体はまた、異なる形状であってもよい。発熱体28は、芯上の抵抗加熱コイルであってもよいが、誘導加熱サセプタ素子であってもよく、これは、インダクタコイル(図示せず)によって発生されうる交番磁界によって貫通された時に加熱する。
【0116】
本体50は、貯蔵部分気流通路54を介して貯蔵部分の空気吸込み口44に流体接続されている第二の空気吸込み口52を備える。それによって、液体貯蔵部分を通した追加の気流が提供されうる。液体出口42を介した液体貯蔵部分40からの液体の抜き取りが有利なことに促進されうる。
【0117】
貯蔵部分の空気吸込み口44は、第一の空気吸込み口22から液体出口42を通り越して空気出口24に延びる気流通路内の圧力降下に応答して開き、 これによって、ユーザーが口側端部分20を吸煙する時に、空気が第二の空気吸込み口52から、貯蔵部分の気流通路54を通って、液体貯蔵部分40の中に流れることを可能にし、従ってユーザーの吸煙動作に起因して芯26によって捕捉される、液体貯蔵部分40からの液体を抜き取る。貯蔵部分の空気吸込み口44は、第二の空気吸込み口52から液体貯蔵部分40に向かう方向に開く一方向弁を備える。
【0118】
図2は、本発明のエアロゾル発生システム10の一実施形態の液体貯蔵部分40の口側端部分20および近位部の断面図を示す。
図2の実施形態において、第一の発熱体28は口側端部分20内に提供されている。第一の発熱体28は、エアロゾル発生システム10内に配設されたインダクタ30によって発生した交番磁界に応答して加熱するサセプタ材料を含んでもよい。インダクタ30は図示した実施形態において、第一の発熱体28を囲むらせん状コイルである。また、インダクタ30のせん状コイルと第一の発熱体28の間に位置付けられた断熱材32も示されている。第一の発熱体28は芯26をさらに囲む。芯26は、第一の発熱体28内に配設されていて、第一の発熱体28と熱的に接触している。それ故に第一の発熱体28は、芯26の液体を加熱するように位置付けられている。図示した発熱体28はまた、芯26に沿って延びる長軸方向サセプタ要素の組立品から成ってもよく、そこには隣接するサセプタ要素間にエアギャップが提供されている。
【0119】
また
図2において、口側端部分20に取り付けられている液体貯蔵部分40の近位部が示されている。示された実施形態において、液体貯蔵部分40は液体出口42にて一方向弁を備える。芯26は液体出口42から距離dを置いて配設されている。
図2の実施形態において、芯26と液体出口42の間の距離dは、芯26の遠位端と液体出口42の近位端との間で測定される。気流通路は、第一の空気吸込み口22から液体出口42を通り越して空気出口24に延びる。ユーザーが空気吸込み口24にて口側端部分20を、またはマウスピース(図示せず)を吸煙することに起因する気流通路内の圧力降下に応答して、空気吸込み口22から空気出口24を通る気流通路に沿った気流が結果として生じる。さらに、液体貯蔵部分40の液体出口42は、気流通路内の圧力降下に応答して開く。その結果、気流通路中の気流は、液体出口42を出る液滴を取り込む。次いで、液滴は、気流通路中の気流を介して、液体出口42から芯26に移動される。液体は芯26に浸漬されている時、加熱され、気化される。この揮発性液体は、過飽和蒸気と空気の混合物を形成し、空気出口24に向かう途中で冷めることが可能である。蒸気と空気の混合物がこのように冷める間に、エアロゾルが形成され、吸煙を行うユーザーによって吸入される。
【0120】
図3は、本発明のエアロゾル発生システム10の一実施形態の液体貯蔵部分40の口側端部分20および近位部の断面図を示す。
図2の実施形態と異なり、
図3の実施形態は、第二の発熱体34を備える。第二の発熱体34は、インダクタ30によって発生した交番磁界に応答して加熱するサセプタ材料を含む。
【0121】
エアロゾル発生システムは、固体エアロゾル形成基体(
図3に図示せず)を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞36をさらに備える。空洞36は口側端部分20内に提供されている。第一の発熱体28は空洞36内に配設されている。芯26は発熱体28内に配設されている。第一の発熱体28は、芯26の液体を加熱するように配設されている。別の方法として、または追加的に、第一の発熱体28は、物品が空洞36に挿入されている時に、エアロゾル発生物品の中空円筒管の内部部分を加熱してもよい。空洞36の外壁は、第二の発熱体34のサセプタ材料によって形成されている。それ故に第二の発熱体34は、空洞36を囲んで配設されている。第一の発熱体28は、空洞36内に中央に配設された中央サセプタ配設を備える。第二の発熱体34は、中央サセプタ配設から距離を置いてその周りに配設された周辺サセプタ配設を備える。
【0122】
空洞の中に挿入されるエアロゾル発生物品は、その遠位端にて固体エアロゾル形成基体と備える中空の円筒状管と、その近位端にてマウスピースフィルターを含むマウスピースとを備えてもよい。エアロゾル発生物品の遠位端は、中空円筒管が第一の発熱体28のサセプタ材料と第二の発熱体34のサセプタ材料との間に配設されているように、空洞36の中に挿入されてもよい。それ故にエアロゾル発生物品は、中央サセプタ配設と周辺サセプタ配設の間に同軸に挟まれうる。エアロゾル発生物品は、第二の発熱体34によって加熱されてもよい。エアロゾル発生物品は、第一の発熱体28によって追加的に加熱されてもよい。
【0123】
随意のバイパス開口38が気流通路内に提供されている。バイパス開口38は、第二の発熱体34のサセプタ材料の開口を介して、空気出口24と流体接続されている。例えば、第二の発熱体34は、円筒状の構成で配設された複数の別個の加熱ブレードを備えてもよく、また隣接する加熱ブレード間の空間は、開口を画定してもよい。加熱ブレードはサセプタ材料を含んでもよい。バイパス気流通路は、バイパス開口38から、第二の発熱体34のサセプタ材料の開口を通って、エアロゾル発生物品の中に、およびさらに空気出口24に延びる。気流経路およびバイパス気流通路に沿った気流ルートは、
図6の曲がりくねった矢印によって例示されている。
【0124】
図4は、本発明の一実施形態によるエアロゾル発生システム10を示す。
図4の左側は、組み立てられた状態のエアロゾル発生システム10を示す。エアロゾル発生物品14は空洞36の中に挿入されている。
図4の真ん中は、分解組立図のエアロゾル発生システム10を示し、口側端20、液体貯蔵部分40、本体50は相互に取り付けられていない。エアロゾル発生システム10は、液体貯蔵部分40を取り外し可能に受容するように構成されている。本体50の近位端は、本体50を液体貯蔵部分40の貯蔵部分メインコネクタ(図示せず)に取り外し可能に取り付けるための本体コネクタ56を備える。口側端部分20の遠位端は、口側端部分20を液体貯蔵部分40の貯蔵部分口側端コネクタ46に取り外し可能に取り付けるための対応するコネクタ(図示せず)を備える。
図4の右側は、いかなるエアロゾル発生物品14も空洞36の中に挿入されていない時に、空洞36の開放端上に取り付けられうる随意のマウスピース12を示す。
【0125】
エアロゾル発生システム10は、三つの異なる動作モードを可能にしうる。
【0126】
図4の左側に示す第一の動作モードによると、液体貯蔵部分40はシステム10内に受容されていて、追加的にエアロゾル発生物品14は空洞36内に受容されている。従って、吸入可能なエアロゾルは、液体貯蔵部分40に由来する物質、および追加的に、エアロゾル発生物品14に含まれるエアロゾル形成基体に由来する物質を含有してもよい。
【0127】
第二の動作モードによると、液体貯蔵部分40は、エアロゾル発生システム10内に受容されていなく、口側端部分20の遠位端は、本体50の近位端に取り外し可能に直接取り付けられている。さらに、エアロゾル発生物品14は空洞36内に受容されている。従って、吸入可能なエアロゾルは、エアロゾル発生物品14に含まれるエアロゾル形成基体に由来する物質のみを含有してもよい。
【0128】
第三の動作モードによると、液体貯蔵部分40はシステム10内に受容されているが、エアロゾル発生物品14は空洞36内に受容されていない。随意に、マウスピース12は、空洞36の開放端上に取り付けられてもよい。従って、吸入可能なエアロゾルは、液体貯蔵部分40に由来する物質のみを含有してもよい。
【0129】
ユーザーは、異なる動作モードの中から選んでもよい。それによって、一つの単一のシステムにおいて三つの異なる動作モードを有利なことに可能にする、モジュール式エアロゾル発生システム10が提供されてもよい。それ故に、ユーザーは各動作モードのために三つの異なるシステムを携行する必要がなく、一つのシステムのみを携行すればよい。また、ユーザーは三つの異なるシステムを購入する必要がなく、一つのシステムのみを購入すればよく、これは費用の節約になりうる。
【0130】
図5は、本発明のエアロゾル発生システム10の一実施形態の液体貯蔵部分40を示す。液体貯蔵部分40は、液体出口42および貯蔵部分の空気吸込み口44を備える。液体貯蔵部分40は、液体貯蔵部分40を口側端部分20の遠位端に取り外し可能に取り付けるための貯蔵部分口側端コネクタ46をさらに備える。液体貯蔵部分40は、液体貯蔵部分40を本体50の近位端にて本体コネクタ56に取り外し可能に取り付けるための貯蔵部分メインコネクタ48をさらに備える。
図5の液体貯蔵部分40は、
図4の実施形態のエアロゾル発生システム10において使用されてもよい。
【0131】
図6は、本発明の一実施形態によるエアロゾル発生システム10を示す。エアロゾル発生システム10は、口側端部分20、液体貯蔵部分40、本体50を備える。エアロゾル発生物品(図示せず)を受容するための空洞36が、口側端部分20内に提供されている。液体貯蔵部分40は、口側端部分20と本体50の間に配設されている。第一の発熱体28は、口側端部分20内に提供されている。第二の発熱体34は、口側端部分20内に提供されている。第一の空気吸込み口22は、口側端部分20内に提供されている。
図6の口側端部分20は、
図3の実施形態の口側端部分20に対応する。
【0132】
本体50は、第二の空気吸込み口52を備え、本体コネクタ56によって液体貯蔵部分40に接続されている。本体50は、液体貯蔵部分40の潜在的な漏れを吸収するために、貯蔵部分の空気吸込み口44に近接して配設されている高保持材料58を含む。本体50は、第一の発熱体28と第二の発熱体34の両方に電力を供給するための電源60をさらに備える。電源60に電気的に接続された本体50は、電源60を制御するためのコントローラ62をさらに備える。加えて、エアロゾル発生システム10は、インダクタ30をコントローラ62および電源60に電気的に接続するための電気的接続手段64を備える。
【0133】
エアロゾル発生システム10は、貯蔵部分の空気吸込み口44に流体接続されている第二の空気吸込み口52をさらに備える。第二の空気吸込み口52は、本体50内に配設されている。
【0134】
エアロゾル発生システム10は、
図6の曲がりくねった矢印によって示す通り、気流のための異なるルートを提供する。気流の第一のルートおよび第二のルートは、
図3の実施形態に関して上述した通り、気流通路およびバイパス気流通路に沿って延びる。第三の気流ルートは、第二の空気吸込み口から貯蔵部分の空気吸込み口に延びる追加の貯蔵部分の気流通路を介して延びる。第三の気流ルートは、液体貯蔵部分40に包含された液体を通ってさらに延びる。第三の気流ルートによって、液体出口42を介した液体貯蔵部分40からの液体の抜き取りが有利なことに促進されうる。
【0135】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±5パーセントとして理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。