(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20240424BHJP
H05K 7/12 20060101ALI20240424BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240424BHJP
【FI】
G03B17/56 A
H05K7/12 C
G03B30/00
(21)【出願番号】P 2022559309
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(86)【国際出願番号】 CN2021075396
(87)【国際公開番号】W WO2021196887
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】202010241344.7
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】于 水通
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0129466(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109862222(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110113455(CN,A)
【文献】特開2014-215507(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110839125(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107197133(CN,A)
【文献】特表2020-527916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
H05K 7/12
G03B 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が設けられる筐体と、
前記開口を通って前記筐体内に後退するか又は前記筐体外に伸長することが可能な機能モジュールと、
前記筐体内に設けられる駆動機構であって、駆動源、ねじ、ナットセット及びキャリパを含み、前記駆動源と前記ねじが駆動連結され、前記ナットセットは前記ねじとねじ係合する係合部を含み、前記キャリパの第1端が前記係合部と位置規制するように係合し、前記キャリパの第2端が前記機能モジュールに固定接続される駆動機構と、を含み、
前記係合部の断面形状は多角形であ
り、
前記ナットセットは弾性部材及び前記弾性部材を介して前記係合部に接続されるフラッパをさらに含み、前記フラッパは前記係合部の前記開口から離れる側に位置し、前記キャリパは前記係合部に対し摺動可能であり、前記キャリパは前記ねじに沿って移動し、前記キャリパと前記係合部が少なくとも部分的に分離される場合、前記弾性部材は前記キャリパと前記係合部が接触するように前記フラッパを連動する、電子機器。
【請求項2】
前記筐体内に設けられる検出部材であって、前記キャリパと前記係合部が少なくとも部分的に分離される場合、前記キャリパと前記係合部との間の相対距離を検出する検出部材と、
前記筐体内に設けられ、前記検出部材と前記駆動源とにそれぞれ電気的に接続される制御部材であって、前記検出部材の検出結果に基づいて前記駆動源を制御する制御部材と、をさらに含む、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記検出部材が前記係合部に取り付けられる、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記フラッパに前記ねじの一端を通す逃げ孔が設けられる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記弾性部材の数が複数であり、前記ねじの両側にそれぞれ位置する第1弾性部材と第2弾性部材を含み、前記第1弾性部材の一端と前記第2弾性部材の一端がいずれも前記フラッパに接続される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記ナットセットは前記係合部の前記開口に近接する一端に接続される接続板をさらに含み、前記第1弾性部材の一端と前記第2弾性部材の一端がいずれも前記接続板を介して前記係合部に接続される、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記キャリパは逃げ凹部を有し、前記弾性部材の少なくとも一部が前記逃げ凹部内にある、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記キャリパは前記係合部と位置規制するように係合する連動凹部を有する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記機能モジュールはカメラ、センサ、指紋認識モジュール、受話器、補光ランプのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2020年03月30日に中国特許局に提出された、出願番号202010241344.7、発明の名称「電子機器」の中国特許出願の優先権を主張し、その全てが参照によって本発明に組み込まれる。
【0002】
本発明は、通信の技術分野に関し、特に、電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器(例えば携帯電話、タブレット)の機能の多様化に伴い、電子機器上に配置される機能デバイスが増えており、電子機器の組み立てに大きな挑戦をもたらしている。ユーザの電子機器外観に対する要求が高まるにつれ、高スクリーン対ボディ比の電子機器がユーザに好まれるようになっている。
【0004】
カメラを例にとると、電子機器のスクリーン対ボディ比を向上させるために、従来の電子機器のカメラは、電子機器の筐体内に設けられる駆動機構により駆動されて、筐体を出入りする昇降式カメラである。ユーザが撮影しようとする時は、昇降式カメラを駆動して筐体外に伸長させるように駆動機構を制御して、撮影を行う。撮影が完了した後、昇降式カメラを駆動して筐体内に後退させるように駆動機構を制御し、カメラを隠す目的を達成する。このような電子機器はカメラのパネル空間の占有を回避することができ、電子機器のスクリーン対ボディ比が向上する。
【0005】
従来の電子機器では、電子機器内で伸縮運動する必要がある機能アセンブリはいずれも駆動機構による駆動を必要とする。駆動機構はモータを含み、該モータに複雑な伝動機構を配置する必要がある。該伝動機構は通常、機能アセンブリが移動するように駆動される過程でガイドの役割を果たし、機能アセンブリの電子機器内部での移動方向を規制するためのナットガイドや、ばねガイド等の構造を含む。しかし、これらのデバイスはいずれも電子機器内の空間を占有する必要があるため、駆動アセンブリは電子機器内で比較的大きな内部空間を占有してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電子機器の駆動機構の占有空間が大きい問題を解決するための、電子機器を開示する。
【0007】
上記問題を解決するために、本発明は下記の技術的解決手段を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開口が設けられる筐体と、前記開口を通って前記筐体内に後退するか又は前記筐体外に伸長することが可能な機能モジュールと、前記筐体内に設けられる駆動機構であって、駆動源、ねじ、ナットセット及びキャリパを含み、前記駆動源と前記ねじが駆動連結され、前記ナットセットは前記ねじとねじ係合する係合部を含み、前記キャリパの第1端が前記係合部と位置規制するように係合し、前記キャリパの第2端が前記機能モジュールに固定接続される駆動機構と、を含み、前記係合部の断面形状は多角形である、電子機器。
【0009】
本発明の技術的解決手段は以下の有益な効果を達成することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に開示される電子機器では、駆動機構は駆動源、ねじ、ナットセット及びキャリパを含み、キャリパの第1端が係合部と位置規制するように係合し、係合部の断面形状は多角形である。従って、係合部の回転がキャリパにより規制され、これにより係合部によってキャリパが単にねじに沿って移動し、ねじと共に回転することができないように連動することができる。従って、該構造はキャリパと係合部との係合によって、駆動力の伝達及び係合部の回転規制の目的を同時に実現することができ、該電子機器はガイドのための付加的な構造が省略可能となり、駆動機構の占有空間がより小さくなる。
本発明の実施例又は背景技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下において、実施例又は背景技術の記述に用いられる図面について簡単に説明するが、当然ながら、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面に想到し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に開示される電子機器の部分構造の模式図である。
【
図2】本発明の実施例に開示される電子機器の部分構造の斜視模式図である。
【
図3】本発明の実施例に開示される電子機器におけるねじ、係合部、弾性部材及びフラッパの係合模式図である。
【
図5】本発明の実施例に開示される電子機器における機能モジュールの部分構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明する。当然ながら、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本発明における実施例に基づいて創造的労動を行うことなく得た他の実施例は、全て本発明の保護範囲に属する。
【0013】
図1~
図5に示すように、本発明の実施例は、筐体100、機能モジュール200及び駆動機構を含む電子機器を開示する。
【0014】
筐体100は電子機器の本体構造とすることができ、電子機器の他の部品のための取り付け台を提供することができる。該筐体100には、機能モジュール200が筐体100を出入りすることを可能にする開口110が設けられる。選択的に、筐体100はベゼルを含んでもよく、開口110はベゼルに設けられてもよい。
【0015】
機能モジュール200は開口110を通って筐体100内に後退するか又は筐体100外に伸長することができる。選択的に、機能モジュール200はホルダ210及び該ホルダ210に設けられる機能デバイスを含んでもよい。機能モジュール200が開口を通って筐体100内に後退する場合、機能モジュール200は非作動状態であってもよく、この時機能モジュール200は筐体100内に隠される。機能モジュール200が開口110を通って筐体100外に伸長する場合、機能モジュール200は作動状態であってもよく、機能モジュール200の作動が完了すると、開口を通って筐体100内に後退することができる。このような機能モジュール200は電子機器の表示領域を占有しなくてもよく、従って電子機器のスクリーン対ボディ比を向上することができる。また、筐体100には機能モジュール200に対応して取り付け孔等の構造を設ける必要がないため、電子機器の外観の一様性がより高くなり、ユーザ体験がより良いものとなる。選択的に、機能モジュール200はカメラ、センサ、指紋認識モジュール、受話器、補光ランプのうちの少なくとも1つを含んでもよく、他のデバイスを含んでもよい。本発明の実施例はこれについて限定しない。
【0016】
駆動機構は筐体100内に設けられ、駆動源310、ねじ320、ナットセット及びキャリパ370を含む。駆動源310とねじ320が駆動連結される。ナットセットは、ねじ320とねじ係合する係合部330を含む。キャリパ370の第1端が係合部330と位置規制するように係合し、キャリパ370の第2端が機能モジュール200に固定接続される。係合部330の断面形状は多角形であり、キャリパ370の第1端の断面形状もそれに応じて多角形としてもよく、且つ両者の形状が適合している。この場合、キャリパ370は係合部330の回転を規制することができ、これによりキャリパ370の第1端と係合部330の位置規制的な係合がより確実になる。キャリパ370はスナップ嵌合によって係合部330と係合してもよく、これにより作用力の伝達が実現される。キャリパ370と機能モジュール200のホルダ210は別体で設けられてもよいし、一体成形されてもよい。相対的には、キャリパ370と機能モジュール200のホルダ210が一体成形されている場合、作用力は一層効率よく伝達し得る。
【0017】
選択的に、上記駆動源310は駆動モータとしてもよく、圧電素子等の駆動力を出力可能な構造としてもよく、該駆動源310は駆動力を出力してねじ320を回転するように駆動できればよい。従って、本発明の実施例は駆動源310の具体的な形態を限定しない。駆動機構の構造をよりコンパクトにするように、駆動源310は開口110と係合部330との間に設けられてもよい。また、係合部330の断面形状は三角形、矩形、五角形、六角形、八角形等としてもよく、これに応じて、キャリパ370の第1端の断面形状は三角形、矩形、五角形、六角形、八角形等としてもよい。当業者であれば、キャリパの形状と係合部330の形状が一致し得ること、即ち係合部330の形状が四角形であれば、キャリパ370の形状も四角形であることを理解することが可能である。他のいくつかの実施例において、キャリパ370の形状と係合部330の形状が異なっていてもよいが、係合部330のエッジを有する箇所がキャリパ370の対応するエッジと係合できることを保証すべきであり、且つ両者が離脱することを防止するように、2つのエッジ間の摩擦力を大きくする必要がある。本発明の実施例は係合部330の断面形状及びキャリパ370の第1端の断面形状について限定しない。説明すべきことは、ここの断面は電子機器の厚さ方向に平行であるとともに、機能モジュール200の移動方向に垂直である点である。
【0018】
上記解決手段を採用すると、駆動源310はねじ320を回転するように駆動することができる。ねじ320と係合部330がねじ係合し、且つキャリパ370が係合部330の回転を規制できるため、ねじ320の連動によって、係合部330はねじ320に沿って移動でき、また係合部330はキャリパ370を介して作用力を機能モジュール200に伝達することができる。従って、機能モジュール200は駆動機構の作用により筐体100に対し移動でき、さらに異なる状態間で切り替えることができる。
【0019】
本発明の実施例において、係合部330の断面形状は多角形である。従って、係合部330の回転がキャリパ370により規制されるため、係合部330によってキャリパ370が単にねじ320の延在方向に移動し、ねじ320と共に回転することができないように連動することができる。従って、該構造はキャリパ370と係合部330との係合によって駆動力の伝達及び係合部330の回転規制の目的を同時に実現することができる。該電子機器はガイドのための特定の装置が省略可能となり、駆動機構の占有空間がより小さくなる。また、該駆動機構の重量も減少しているため、電子機器の重量が減少され、電子機器の軽薄化設計により有利となる。
【0020】
さらなる実施例において、上記ナットセットは弾性部材350及び弾性部材350を介して係合部330に接続されるフラッパ360をさらに含む。フラッパ360は係合部330の開口110から離れる側に位置する。キャリパ370は係合部330に対し摺動可能であり、且つキャリパ370はねじ320に沿って移動する。キャリパ370と係合部330が少なくとも部分的に分離される場合、弾性部材350はキャリパ370と係合部330が接触するようにフラッパ360を連動する。まず、キャリパ370が係合部330の回転を規制すると同時に、係合部330に対し摺動可能であり、これにより両者の係合箇所に一定の動きしろが発生し得る。機能モジュール200を筐体100外に伸長する必要がある場合、ねじ320は係合部330を移動するように連動し、係合部330はフラッパ360を移動するように連動し、キャリパ370とフラッパ360が接触すると、フラッパ360はキャリパ370を移動するように連動して、機能モジュール200を移動するように連動することができる。次に、機能モジュール200は外力が作用すると、該外力がキャリパ370を介してフラッパ360に伝達され、フラッパ360は係合部330に対し移動し、この時、係合部330の移動量を小さくし、さらには係合部330が移動しないように、弾性部材350は変形してもよく、これにより機能モジュール200が受けた外力による駆動機構の損傷が防止される。
【0021】
選択的に、上記弾性部材350はばね又は他の弾性を有する部材であってもよい。
【0022】
機能モジュール200に外力が作用すると、キャリパ370はフラッパ360に接触してフラッパ360を移動するように連動する。機能モジュール200が受けた外力が大きいと、キャリパ370の移動幅が大きくなるため、キャリパ370が係合部330から容易に離脱するようになり、キャリパ370と係合部330との間の作用力の伝達経路が切断される。従って、これを防止するためには、一選択的な実施例において、電子機器は検出部材と制御部材をさらに含んでもよい。検出部材は筐体100内に設けられ、キャリパ370と係合部330が少なくとも部分的に分離される場合に、検出部材がキャリパと係合部との間の相対距離を検出するためにトリガされる。相対距離はキャリパの重心と係合部の重心との間の距離であってもよいし、キャリパの第1表面と係合部の第2表面との間隔の距離であってもよい。キャリパと係合部が分離されていない場合、キャリパの第1表面と係合部の第2表面が同一面になっている。制御部材は筐体100内に設けられ、検出部材と駆動源310とにそれぞれ電気的に接続される。検出部材がトリガされると、制御部材は検出部材の検出結果に基づいて、駆動源310を作動状態にするように制御する。この実施例において、キャリパ370と係合部330が少なくとも部分的に分離される状況が発生すると、検出部材が関連信号を送信するようにトリガされ得、制御部材は該信号に基づいて駆動源310を作動状態にするように制御して、係合部330を移動させることができ、これにより係合部330とキャリパ370が確実に係合できるようになる。さらに、制御部材は駆動源310を作動状態にするように制御した後、駆動源310はキャリパ370によって機能モジュール200を筐体100内に後退するように連動することができ、これにより機能モジュール200が外力を受け続けることが防止され、機能モジュール200を保護する目的が達成される。
【0023】
上記検出部材は係合部330及びキャリパ370に近接するように筐体100に取り付けられてもよく、これにより係合部330とキャリパ370の係合状態を正確に把握することができる。他のいくつかの実施例において、検出部材は係合部330に取り付けられてもよく、これにより検出部材と係合部330及びキャリパ370との間の距離をより小さくして、係合部330とキャリパ370の係合状態をより正確に把握し、機能モジュール200は外力が作用する状況により迅速に応答するようになる。
【0024】
説明すべきことは、上記検出部材は位置センサ、近接スイッチ等のデバイスとしてもよく、制御部材はコントローラ等のデバイスとしてもよく、本発明の実施例は検出部材及び制御部材の具体的な種類を限定しない点である。
【0025】
フラッパ360は全体がねじ320の上方に設けられるか、又はフラッパ360にねじ320の一端を通す逃げ孔が設けられてもよい。この場合、フラッパ360の寸法が大きく、フラッパ360とキャリパ370の接触面積を増大させることができ、両者間の作用力のより確実な伝達に有利となると共に、フラッパ360はねじ320の回転に影響することがない。選択的に、逃げ孔の形状はねじ320の構造に適合してもよく、例えば、逃げ孔は円形孔であってもよく、両者間に一定の間隙が形成できるように、該円形孔の孔径はねじ320の外径よりも大きくなってもよい。当然ながら、その形状は矩形、三角形等であってもよい。
【0026】
弾性部材350の作用をより確実に発揮させるために、弾性部材350の数を複数としてもよく、ねじ320の両側にそれぞれ位置する第1弾性部材351と第2弾性部材352を含み、第1弾性部材351の一端と第2弾性部材352の一端がいずれもフラッパ360に接続される。弾性部材350の数が増えるにつれて、フラッパ360と係合部330との接続点が増加し、これにより両者接続時の信頼性がより高くなり、構造がより安定になる。また、機能モジュール200に外力が作用すると、複数の弾性部材350であればより多くの外力を吸収でき、機能モジュール200及び駆動機構の損傷が防止される。
【0027】
弾性部材350は係合部330の開口110に近接する一端に接続されてもよく、このような構造を採用した場合、係合部330の開口110に近接する一端の寸法が小さいため、弾性部材350と係合部330との接続が不便になる。よって、選択的な実施例において、ナットセットは、係合部330の開口110に近接する一端に接続される接続板340をさらに含み、第1弾性部材351の一端と第2弾性部材352の一端がいずれも接続板340を介して係合部330に接続される。機能モジュール200を開口110を通して筐体100内に後退する必要がある場合、駆動源310はねじ320を介して係合部330を移動するように連動し、接続板340はそれに伴って移動し、キャリパ370を開口110から離れる方向に移動するように連動し、さらに機能モジュール200を筐体100内に移動するように連動する。
【0028】
接続板340の寸法を適宜増大させると、弾性部材350及びキャリパ370との接続をより確実にすることができると共に、弾性部材350の延在方向を機能モジュール200の移動方向に平行にすることがより容易になる。これにより弾性部材350は駆動力を一層効率よく伝達し、機能モジュール200が受けた外力をより効果的に吸収するようになる。
【0029】
選択的に、上記接続板340と係合部330は別体で設けられてもよく、即ち両者は別体として成形されてから一体に組み立ててもよく、あるいは、両者からなる構造の構造強度を向上するように、接続板340と係合部330は一体成形されてもよい。
【0030】
弾性部材350とキャリパ370の配置位置が集中しているため、両者間に干渉が発生しやすい。これに鑑み、一選択的な実施例において、キャリパ370は逃げ凹部372を有し、弾性部材350の少なくとも一部が該逃げ凹部372内にある。逃げ凹部372を設けると、キャリパ370と弾性部材350が干渉しにくいため、両者をより集中的に設置することができる。これにより機能モジュール200と駆動機構からなる構造がよりコンパクトになり、両者の占有空間がより小さくなり、電子機器内の部品の積み重ねに有利である。
【0031】
キャリパ370と係合部330が位置規制するように係合する場合、一選択的な解決手段において、キャリパ370に係合部330が係合可能な係合孔が設けられてもよい。別の選択的な解決手段において、キャリパ370は係合部330と位置規制するように係合する連動凹部371を有する。連動凹部371はまず、機能モジュール200の移動方向にキャリパ370を貫通してもよく、また該移動方向に垂直である方向にキャリパ370の表面まで延在してもよい。このような連動凹部371の構造は凹溝に類似し、相対的には、該連動凹部371によるキャリパ370の組み立て方向の制限がより少なく、従ってキャリパ370と駆動機構の組み立てが容易になり、電子機器の組み立て効率がより高くなる。
【0032】
本発明の実施例に開示される電子機器は、スマートフォン、タブレット、電子書籍端末、ウェアラブル機器(例えばスマートウォッチ)、電子ゲーム機等の機器であってもよく、本発明の実施例は電子機器の具体的な種類を限定しない。
【0033】
本発明の上記実施例についての説明は各実施例間の相違を重点としており、各実施例の異なる最適化特徴は矛盾しない限り、組み合わせてより好適な実施例とすることができる。記載を簡潔にする観点から、ここでは詳細な説明を省略する。
【0034】
以上は本発明の実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明に対して様々な変更と変化を行うことができる。本発明の精神及び原理内で行われるいかなる修正、等価置換、改良等も、全て本発明の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0035】
100:筐体、110:開口、200:機能モジュール、210:ホルダ、310:駆動源、320:ねじ、330:係合部、340:接続板、350:弾性部材、351:第1弾性部材、352:第2弾性部材、360:フラッパ、370:キャリパ、371:連動凹部、372:逃げ凹部