(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240424BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240424BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240424BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/33
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2022568216
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(86)【国際出願番号】 JP2021044085
(87)【国際公開番号】W WO2022124157
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2020203724
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】仲光 翔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 弘晃
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-183933(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0203235(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0265297(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0243371(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0026088(US,A1)
【文献】特開2019-028284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1343-1/1345
1/135-1/1368
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と側面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する基板と、
前記第1面上に位置する表示部と、
前記第2面上に位置し、前記表示部に電気的に接続される電極パッドと、
前記第2面上に位置する外部接続端子と、
前記第2面上に位置し、前記電極パッドと前記外部接続端子とを電気的に接続する第1配線と、
前記第2面上に位置し、前記電極パッドに電気的に接続される検査パッドと、を備え、
前記検査パッド
の少なくとも中心部が前記第1配線に重ならない部位に位置して
おり、
前記中心部は、前記検査パッドの中心を含むとともに、前記検査パッドの面積の10%以上70%以下の面積を有する表示装置。
【請求項2】
前記検査パッド
の前記中心部と間隔をあけて位置する前記検査パッドの縁部が
、前記第1配線に線状に接触している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記検査パッドは、前記第1配線における前記電極パッドよりも前記外部接続端子寄りの部位に接続されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
複数の前記検査パッドを備え、
それらは前記第1配線が延びる方向に沿って並んでいる、請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記検査パッドは、その全体が前記第1配線に重ならない部位に位置している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2面に位置し、一端部が前記外部接続端子に接続される第2配線を備え、
前記検査パッドは、前記第2配線の他端部に接続されている、請求項
5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記検査パッドは、前記外部接続端子に対して、前記電極パッドと反対側の部位に位置している、請求項
6に記載の表示装置。
【請求項8】
複数の前記検査パッドを備え、
それらは前記第2配線が延びる方向に沿って並んでいる、請求項
6または
7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2面に位置し、一端部が前記第1配線に接続される第3配線を備え、
前記検査パッドは、前記第3配線の他端部に接続されている、請求項
5に記載の表示装置。
【請求項10】
複数の前記検査パッドを備え、
それらは、前記第3配線が延びる方向に沿って並んでいる、請求項
9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記検査パッドは、前記第2面の中心部に位置して
おり、前記第2面の前記中心部は、前記第2面の中心を含み、前記第2面の周縁に達しない大きさを有するとともに、前記第2面の面積の10%以上70%以下の面積を有する、請求項
5~
10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記電極パッドは、前記第2面の周縁部に位置している、請求項1~
11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1面上に位置し、前記表示部に電気的に接続される他の電極パッドと、
前記第1面から前記側面を介して前記第2面にかけて位置し、前記電極パッドと前記他の電極パッドを接続する側面配線と、を備える、請求項1~
12のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記表示部は、マイクロ発光ダイオード素子を含む、請求項1~
13のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
第1面と側面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する基板と、
前記第1面上に位置する表示部と、
前記第2面上に位置し、前記表示部に電気的に接続される電極パッドと、
前記第1面から前記側面を介して前記第2面にかけて位置し、前記表示部と前記電極パッドを電気的に接続する側面配線と、
前記側面上に位置し、前記側面配線に電気的に接続される検査パッドと、を備え、
前記検査パッド
の少なくとも中心部が前記側面配線に重ならない部位に位置して
おり、
前記中心部は、前記検査パッドの中心を含むとともに、前記検査パッドの面積の10%以上70%以下の面積を有する表示装置。
【請求項16】
前記検査パッドは、その縁部が前記側面配線に線状に接触している、請求項
15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記検査パッドは、その幅が前記側面配線の幅よりも小さい、請求項
15または
16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記検査パッドは、前記第1面および前記第2面の少なくとも一方の側に延出する延出部を有する、請求項
15~
17のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)素子等の発光素子を備えたLED表示装置等の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された表示装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本開示の表示装置は、第1面と側面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する基板と、
前記第1面上に位置する表示部と、
前記第2面上に位置し、前記表示部に電気的に接続される電極パッドと、
前記第2面上に位置する外部接続端子と、
前記第2面上に位置し、前記電極パッドと前記外部接続端子とを電気的に接続する第1配線と、
前記第2面上に位置し、前記電極パッドに電気的に接続される検査パッドと、を備え、
前記検査パッドは、少なくとも中心部が前記第1配線に重ならない部位に位置している。
【0005】
本開示の表示装置は、第1面と側面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する基板と、
前記第1面上に位置する表示部と、
前記第2面上に位置し、前記表示部に電気的に接続される電極パッドと、
前記第1面から前記側面を介して前記第2面にかけて位置し、前記表示部と前記電極パッドを電気的に接続する側面配線と、
前記側面上に位置し、前記側面配線に電気的に接続される検査パッドと、を備え、
前記検査パッドは、少なくとも中心部が前記側面配線に重ならない部位に位置している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の目的、特色、および利点は、下記の詳細な説明と図面とからより明確になるであろう。
【
図1】本開示の一実施形態に係る表示装置の回路構成を示す平面図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る表示装置の回路構成を示す図であり、
図1とは反対側から見た平面図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る表示装置の部分断面図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る表示装置の要部の回路構成を示す平面図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る表示装置の要部の回路構成を示す平面図である。
【
図6】本開示の他の実施形態に係る表示装置の要部の回路構成を示す平面図である。
【
図7】本開示の他の実施形態に係る表示装置の要部の回路構成を示す平面図である。
【
図8】本開示の他の実施形態に係る表示装置の要部の回路構成を示す平面図である。
【
図9】本開示の他の実施形態に係る表示装置の要部の回路構成を示す平面図である。
【
図10】本開示の他の実施形態に係る表示装置の要部の回路構成を示す平面図である。
【
図11】本開示の他の実施形態に係る表示装置の回路構成を示す平面図である。
【
図12】本開示の他の実施形態に係る表示装置の回路構成を示す図であり、
図11とは反対側から見た平面図である。
【
図13A】
図6の回路構成における検査パッドの部位を拡大して示す拡大平面図である。
【
図13B】
図6の回路構成における検査パッドの部位を拡大して示す図であり、他の実施形態の拡大平面図である。
【
図13C】
図6の回路構成における検査パッドの部位を拡大して示す図であり、他の実施形態の拡大平面図である。
【
図13D】
図6の回路構成における検査パッドの部位を拡大して示す図であり、他の実施形態の拡大平面図である。
【
図14】
図6の回路構成における検査パッドの部位を拡大して示す図であり、他の実施形態の拡大平面図である。
【
図15】本開示の他の実施形態に係る表示装置の要部の部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の実施形態に係る表示装置が基礎とする構成について説明する。従来、液晶パネルとバックライトと備えた液晶表示装置、および発光ダイオード素子等の発光素子を備えた自発光型の表示装置が種々提案されている。表示装置は、製品出荷前に表示不良を検出するための検査が行われる。特許文献1は、表示装置に形成された検査パッドに、検査ユニットの検査素子を接触させ、検査ユニットの検査素子から検査パッドに検査信号を供給し、表示装置の点灯状態を観察することによって、検査を行うことを記載している。
【0008】
複数の表示装置を結合(タイリング)し、複合型かつ大型の表示装置(以下、マルチディスプレイともいう)を作製する技術が知られている。従来の表示装置は、検査パッドが表示領域の周辺領域(所謂、額縁領域)に設けられているため、マルチディスプレイを構成する際、額縁領域を狭額縁化することが難しかった。その結果、マルチディスプレイを構成したときに、表示装置間の境界部(額縁領域)が黒く視認される場合があった。
【0009】
また、1つの表示装置の表示部の額縁領域に最も近い画素(画素aとする)と、その表示装置にタイリングされる他の表示装置の表示部の額縁領域に最も近い画素であって画素aに隣接する画素(画素bとする)との間の画素ピッチが、表示部の額縁領域以外の部位に位置する画素の画素ピッチよりも大きくなる場合があった。即ち、表示装置間の境界部(額縁領域)で画像ピッチが変化することから、画素ピッチが周期的に不均一になり、視認者が画像に対して違和感を覚える場合があった。
【0010】
また、検査パッドが額縁領域の狭額縁化を阻害しないようにする目的で、検査パッドを表示装置の反表示面側(裏面側)に設けることも考えられる。しかしながら、この場合、プローブ端子等の検査素子を検査パッドに裏面側から正確に接触させることが難しくなり、検査素子が、検査パッドの近傍にある電極パッド、配線導体および外部接続端子等に圧接して、電極パッド、配線導体等が破損するおそれがあった。
【0011】
以下、添付図面を参照して、本開示の実施形態に係る表示装置について説明する。以下で参照する各図は、実施形態に係る表示装置の主要な構成部材等を示している。本実施形態に係る表示装置は、図示されていない回路基板、配線導体、制御IC、制御LSI等の周知の構成を備えていてもよい。また、以下で参照する各図は、模式的なものであり、表示装置の構成部材の位置、寸法比率等は、必ずしも正確に図示されたものではない。
【0012】
図1,2は、本開示の一実施形態に係る表示装置の回路構成を示す図であり、
図3は、本開示の一実施形態に係る表示装置の断面図であり、
図4,5は、本開示の一実施形態に係る表示装置の要部の回路構成を示す図である。
図6~10は、本開示の他の実施形態に係る表示装置の要部の回路構成を示す図であり、
図11,12は、本開示の他の実施形態に係る表示装置の回路構成を示す図であり、
図13A~13D,14は、
図6の回路構成における検査パッドの部位を拡大して示す図である。
図1,11は、基板の第1面側から見た平面図であり、
図2,12は、基板の第2面側から見た平面図である。第1面は表面、表示面でもあり、第2面は裏面、反表示面でもある。
図3は、基板の周縁部を含む部位の部分断面である。
図4~10は、基板の第2面側から見た平面図である。
図4~10では、図解を容易にするために、電極パッド、外部接続端子、検査パッド、側面配線にハッチングを付して示している。
図13A~13D,14は、基板の第2面側から見た平面図である。
図13A~13D,14では、図解を容易にするために、検査パッドにハッチングを付して示している。
【0013】
本開示の表示装置1は、基板2と、表示部3と、電極パッド4と、外部接続端子5と、第1配線6と、検査パッド7とを含んで構成される。表示部3は、複数の画素部3pを備え、複数の画素部3pはマトリクス状に配列されている。
【0014】
本開示の表示装置1は、第1面2aと側面2cと第1面2aとは反対側の第2面2bとを有する基板2と、第1面2a上に位置する表示部3と、第2面2b上に位置し、表示部3に電気的に接続される電極パッド4と、第2面2b上に位置する外部接続端子5と、第2面2b上に位置し、電極パッド4と外部接続端子5とを電気的に接続する第1配線6と、第2面2b上に位置し、電極パッド4に電気的に接続される検査パッド7と、を備え、検査パッド7は、少なくとも中心部7p(
図13Aおよび
図14に示す)が第1配線6に重ならない部位に位置している構成である。
【0015】
本開示の表示装置1は、上記の構成により以下の効果を奏する。検査パッド7が表示装置1の反表示面側に位置していることから、額縁領域を狭額縁化する、または額縁領域を無くすことができる。その結果、マルチディスプレイを構成したときに、表示装置1間の境界部が視認者に視認されることを抑えることができる。また、表示装置間の境界部で画素ピッチが変化することを抑えて、画素ピッチを均一にすることが容易になる。その結果、表示品位が向上した高精細のマルチディスプレイを提供することができる。また、検査パッド7は、少なくとも中心部7pが第1配線6に重ならない、第2面2b上の部位に位置していることから、検査プローブ端子等の検査部材が、検査パッド7の近傍にある電極パッド、配線導体および外部接続端子5等に接触、圧接等して、それらが破損することを抑えることができる。その結果、表示装置1の製造歩留まりが向上する。
【0016】
なお、電極パッド(第1電極パッドともいう)4は、表示部3に走査信号、画像信号、電源電圧信号等の、表示部3を制御する信号を中継し、表示部3に伝達するための中継電極パッドであってよい。また電極パッド4は、側面配線9に接続される側面配線接続用の電極パッドであってもよい。電極パッド4の形状は、正方形、長方形等の矩形、円形、楕円形、長円形、五角形等の多角形等の種々の形状であってもよい。
【0017】
検査部材は、検査プローブ端子等の細い棒状の検査探針、検査端子であってもよく、また複数の検査パッド7に一度に当接可能な凸型の検査電極パッド等を備えた検査治具等であってもよい。
【0018】
検査パッド7は、
図13A~13Dに示すように、中心部7p以外の周辺部が第1配線6に重なっていてもよい。この場合、検査パッド7が第1配線6に直接接続されることから、検査パッド7と第1配線6との接続抵抗が小さくなり、検査パッド7による検査を精度良く行うことができる。また、検査パッド7を配置するのに必要な部位の面積が小さくて済むことから、側面配線9および第1配線6の狭ピッチ化に対応することが容易になる。
【0019】
検査パッド7は、
図14に示すように、縁部が第1配線6に線状に接触している構成であってもよい。この場合、検査パッド7が第1配線6に直接接続されることから、検査パッド7と第1配線6との接続抵抗が小さくなり、検査パッド7による検査を精度良く行うことができる。また、プローブ端子等の検査部材が、検査パッド7の近傍にある第1配線6に接触、圧接等して、それが破損することを抑えることができる。上記構成において、線状の接触は、
図14に示すように、検査パッド7の幅の小さい縁部が第1配線6の幅の小さい縁部と重なっている構成を示す。線状に接触している縁部の幅は1μm~100μm程度であってもよいが、これらの値に限らない。なお、「~」は「乃至」を意味し、以下同様とする。
【0020】
検査パッド7の中心部7pは、検査パッド7の面積の10%以上の面積を有する構成であってもよい。10%未満では、第1配線6が、検査部材が接触または圧接する検査パッド7の中心7oに近くなり、検査部材が第1配線6を破損するおそれがある。検査部材は、検査パッド7の中心7oを含む広がりを有する領域に接触または圧接する場合がある。検査パッド7の中心部7pが検査パッド7の面積の10%以上の面積を有することで、中心7oに第1配線6が近接し過ぎないようにすることができ、検査部材が第1配線6を破損するおそれを低減できる。中心部7pの面積の検査パッド7の面積に対する比率の上限は、特には規定しないが、70%程度であってもよく、60%程度であってもよく、50%程度であってもよい。
【0021】
図13Bに示すように、検査パッド7は円形状であり、検査パッド7の中心部7pも円形状であってもよい。この場合、検査パッド7の面積を小さくすることができるとともに、検査パッド7及び中心部7pの形状が検査プローブ端子の先端部の形状と相似状となり、検査がしやすい。
【0022】
図13Cに示すように、検査パッド7は横方向(第1配線6が延びる方向と直交する方向)に長い楕円形状であり、検査パッド7の中心部7pも同様の楕円形状であってもよい。この場合、検査パッド7の面積を比較的小さくすることができるとともに、検査パッド7及び中心部7pの形状が検査プローブ端子の先端部の形状とほぼ相似状となり、検査がしやすい。
【0023】
図13Dに示すように、検査パッド7は横方向(第1配線6が延びる方向と直交する方向)に長い半円形状または半トラック形状であり、検査パッド7の中心部7pも同様の半円形状または半トラック形状であってもよい。この場合、検査パッド7の面積を比較的小さくすることができるとともに、
図13Aの構成と同様に、検査パッド7と第1配線6との接続面積を大きく保持することができる。また、検査パッド7及び中心部7pの形状が検査プローブ端子の先端部の形状と比較的相似状となり、検査がしやすい。
【0024】
検査パッド7の中心部7pは、検査パッド7と相似状の形状であってもよいが、検査部材である検査プローブ端子の先端部の形状と相似状の形状、例えば円形状、楕円形状等の形状であってもよい。この場合、検査パッド7の中心部7pに検査プローブ端子が当接したときに、中心部7pの外側に検査プローブ端子の先端部が当接することを抑えることができる。この目的を効果的に達成するために、検査パッド7の中心部7pの面積が検査プローブ端子の先端部の面積以上の大きさを有していてもよい。さらには、検査パッド7の中心部7pの面積が検査プローブ端子の先端部の面積よりも大きくてもよい。検査パッド7の中心部7pの面積は、検査プローブ端子の先端部の面積の1倍を超え10倍程度以下であってもよいが、これらの値に限らない。
【0025】
図2,4,5,9,10,12に示すように、検査パッド7は、その全体が第1配線6に重ならない部位に位置している構成であってもよい。この場合、検査部材が第1配線6に接触、圧接等して、それが破損することを確実に抑えることができる。
【0026】
基板2は、例えば、透明または不透明なガラス基板、プラスチック基板、セラミック基板等である。基板2は、第1面2a、第1面2aとは反対側の第2面2b、および第1面2aと第2面2bとを接続する側面2cを有している。また基板2は、それぞれ材料が異なる複数種の基板が積層された複合基板であってもよい。また基板2は、厚みが薄く撓むことが可能なプラスチック基板等の可撓性基板、所謂フレキシブル基板であってもよい。
【0027】
基板2は、その形状が、三角形板状、矩形板状、台形板状、五角形板状、六角形板状、円形板状、楕円形板状等であってもよく、その他の形状であってもよい。基板2の形状が、正三角形板状、矩形板状、正六角形板状の形状である場合、複数の表示装置1をタイリングして、マルチディスプレイを構成することが容易になる。本実施形態では、基板2の形状は、矩形板状とされている。
【0028】
画素部3pは、例えば、第1面2a上にマトリクス状に複数配設されている。画素部3pは、発光素子31と電極パッド32とを含んでいる。画素部3pは、発光素子31を駆動制御するための駆動回路をさらに含んでいる。駆動回路は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)および容量素子を含んでいてもよい。TFTは、例えば、アモルファスシリコン(a-Si)、低温多結晶シリコン(Low-Temperature Poly Silicon:LTPS)等から成る半導体膜(チャネルともいう)を有していてもよい。TFTは、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極の3端子を有していてもよい。TFTは、ゲート電極に印加される電圧に応じてソース電極とドレイン電極との間の導通と非導通とを切り替えるスイッチング素子として機能する。駆動回路は、化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法等の薄膜形成法を用いて形成されていてもよい。
【0029】
発光素子31は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro Luminescence:OEL)素子、半導体レーザ(Laser Diode:LD)素子等の自発光型の発光素子であってもよい。本実施形態では、発光素子31として、アノード電極31aおよびカソード電極31bを有する二端子素子である、発光ダイオード素子を用いる。発光素子31は、マイクロ発光ダイオード素子(マイクロLED素子ともいう)であってもよい。発光素子31がマイクロLED素子である場合、発光素子31は、第1面2a上に配設された状態で、一辺の長さが1μm程度以上100μm程度以下あるいは3μm程度以上10μm程度以下である矩形状の平面視形状を有していてもよい。
【0030】
発光素子31に接続されて駆動信号を発光素子31に供給する電極パッド32は、基板2の第1面2a上に位置している。電極パッド32は、アノードパッド32aとカソードパッド32bとを含む。アノードパッド32aおよびカソードパッド32bは、導電性材料から成る。アノードパッド32aおよびカソードパッド32bは、単一の金属層から成っていてもよく、複数の金属層が積層されて成っていてもよい。アノードパッド32aおよびカソードパッド32bは、例えば、Mo/Al/Mo、MoNd/AlNd/MoNd等から成っていてもよい。ここで、「Mo/Al/Mo」は、Mo層上にAl層が積層され、Al層上にMo層が積層された積層構造を示す。その他についても同様である。「MoNd」はMoとNdの合金であることを示す。その他についても同様である。アノードパッド32aの表面およびカソードパッド32bの表面は、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等から成る透明導電層32cによってそれぞれ被覆されていてもよい。
【0031】
発光素子31のアノード電極31aおよびカソード電極31bは、電極パッド32のアノードパッド32aおよびカソードパッド32bにそれぞれ電気的に接続されている。アノード電極31aおよびカソード電極31bは、例えば導電性接着剤、はんだ等の導電性接合材を介して、アノードパッド32aおよびカソードパッド32bにそれぞれ電気的に接続されていてもよい。
【0032】
画素部3pは、複数の発光素子31と、複数のアノードパッド32aと、カソードパッド32bとを含んで構成されていてもよい。複数のアノードパッド32aには、複数の発光素子31の複数のアノード電極31aがそれぞれ電気的に接続される。カソードパッド32bは共通カソードパッドであり、カソードパッド32bには、複数の発光素子31の複数のカソード電極31bが、共通的に電気的に接続される。1つの画素部3pに含まれる複数の発光素子31は、赤色光を発光する赤色発光素子と、緑色光を発光する緑色発光素子と、青色光を発光する青色発光素子とを含んでいてもよい。これにより、画素部3pは、フルカラーの階調表示が可能になる。画素部3pは、赤色発光素子の代わりに、橙色光、赤橙色光、赤紫色光、または紫色光を発光する発光素子を有していてもよい。また、画素部3pは、緑色発光素子の代わりに、黄緑色光を発光する発光素子を有していてもよい。
【0033】
電極パッド4は、第2面2b上に配設されている。電極パッド4は、平面視において、第2面2bの周縁部に位置していてもよい。周縁部の幅は30μm~150μm程度であってもよい。電極パッド4は、第1面2a上に配設された画素部3pと電気的に接続されている。電極パッド4は、画素部3pに含まれるTFTと電気的に接続されていてもよく、アノードパッド32aまたはカソードパッド32bと電気的に接続されていてもよい。
【0034】
電極パッド4は、導電性材料から成る。電極パッド4は、単一の金属層から成っていてもよく、複数の金属層が積層されて成っていてもよい。電極パッド4は、例えば、Al、Al/Ti、Ti/Al/Ti、Mo、Mo/Al/Mo、MoNd/AlNd/MoNd、Cu、Cr、Ni、Ag等から成っていてもよい。
図3では、電極パッド4が、単一の金属層から成り、第2面2b上に形成されている例を示している。電極パッド4は、SiO
2、Si
3N
4、アクリル樹脂等のポリマー材料等から成るオーバーコート層(図示せず)によって部分的に覆われていてもよい。
【0035】
外部接続端子5は、第2面2b上に配設されている。外部接続端子5は、画素部3pに発光制御信号Sigを供給するための電極パッドであってもよく、画素部3pに電源電圧を供給するための電極パッドであってもよい。発光制御信号Sigは、画素部3pの発光輝度を制御するための信号である。電源電圧は、発光素子31のアノード電極31aに供給する第1電源電圧Vddであってもよく、発光素子31のカソード電極31bに供給する、第1電源電圧Vddよりも低電圧の第2電源電圧Vssであってもよい。外部接続端子5には、画素部3pに供給する発光制御信号Sigまたは電源電圧Vdd,Vssを出力する回路基板を接続することができる。回路基板は、画素部3pの駆動制御を行うIC(Integrated Circuit)等の駆動素子、回路配線等を有するフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits:FPC)であってもよい。
【0036】
外部接続端子5は、導電性材料から成る。外部接続端子5の材料、層構造は、上述した電極パッド4と同様であってもよい。
【0037】
第1配線6は、第2面2b上に配設されている。第1配線6は、電極パッド4と外部接続端子5とを接続している。第1配線6は、平面視において、電極パッド4と外部接続端子5とを結ぶ直線状に形成されていてもよく、1つまたは複数の屈曲部を有して形成されていてもよい。
【0038】
第1配線6は、導電性材料から成る。第1配線6の材料、層構造は、上述した電極パッド4と同様であってもよい。第1配線6は、SiO2、Si3N4、アクリル樹脂等のポリマー材料等から成るオーバーコート層(図示せず)によって、少なくとも部分的に覆われていてもよい。
【0039】
検査パッド7は、第2面2b上に、少なくとも1つ配設されている。検査パッド7は、電極パッド4に電気的に接続されており、電極パッド4を介して画素部3pと電気的に接続されている。検査パッド7は、表示装置1の検査を行う際、検査装置の検査部材を当接させるためのパッドである。
【0040】
例えば、表示装置1の検査を以下のように実行してもよい。検査装置から出力される検査信号が、検査部材から検査パッド7に入力される。検査パッド7に入力された検査信号は、電極パッド4を介して画素部3pに入力される。そして、画素部3pにおいて検査信号に応じた輝度等が得られたか否かを検査することができる。また、検査を以下のように実行してもよい。外部接続端子5に接続された駆動素子から駆動信号を、第1配線6および電極パッド4を介して画素部3pに入力する。このとき、検査パッド7に検査部材を当接させて、第1配線6を伝送される駆動信号を検出する。そして、駆動信号が所定の強度(レベル)、周波数、タイミングとなっているか否か、また画素部3pにおいて駆動信号に応じた輝度等が得られたか否かを検査することができる。
【0041】
検査パッド7は、導電性材料から成る。検査パッド7の材料、層構造は、上述した電極パッド4と同様であってもよい。検査パッド7は、その平面視形状が、例えば、三角形状、矩形状、台形状、円形状、楕円形状、五角形状等の多角形状等であってもよく、その他の形状であってもよい。
【0042】
検査パッド7は、電極パッド4と電気的に接続されていればよい。換言すると、検査パッド7は、電極パッド4、外部接続端子5または第1配線6と直接接続されていてもよい。検査パッド7は、第2面2b上に配設されている第2配線11を介して、電極パッド4、外部接続端子5または第1配線6と接続されていてもよい。本実施形態では、例えば
図2,4に示すように、検査パッド7は、第2配線11を介して、外部接続端子5と接続されている。
【0043】
第2配線11の材料、層構造は、上述した電極パッド4と同様であってもよい。第2配線11は、平面視において、検査パッド7と外部接続端子5とを結ぶ直線状に形成されていてもよく、1つまたは複数の屈曲部を有して形成されていてもよい。
【0044】
表示装置1は、検査パッド7に発光制御信号Sigを模した検査信号を入力し、発光制御信号線の検査を行うように構成することができる。表示装置1は、検査パッド7に第1電源電圧Vddまたは第2電源電圧Vssを模した検査信号を入力し、電源電圧線の検査を行うように構成することもできる。
【0045】
表示装置1は、例えば
図3に示すように、第1面2a上に位置し、表示部3に電気的に接続される他の電極パッド(第2電極パッドともいう)8と、第1面2aから側面2cを介して第2面2bにかけて位置し、第1電極パッド4と第2電極パッド8を接続する側面配線9と、を備えていてもよい。
【0046】
第2電極パッド8は、表示部3の画素部3pと電気的に接続されている。第2電極パッド8は、平面視において、第1面2aの周縁部に位置していてもよい。周縁部の幅は30μm~150μm程度であってもよい。
【0047】
第2電極パッド8は、導電性材料から成る。第2電極パッド8の材料、層構造は、上述した電極パッド4と同様であってもよい。
図3では、第2電極パッド8が、金属層82と金属層88とが積層されて成り、第1面2a上に形成された絶縁層83,84上に配置されている例を示している。また、第2電極パッド8は、その裏面がTFT、発光素子31等に電気的に接続される接続配線81に接続される。
【0048】
第2電極パッド8が複数の金属層82,88を積層して成る場合、例えば
図3に示すように、金属層82,88の層間の一部に絶縁層87が配置されていてもよい。また、第2電極パッド8の内方側(
図3における右側)の端部に絶縁層85,86が配置されていてもよい。これにより、第2電極パッド8が、内方側に配置された配線導体等と短絡することを抑制できる。絶縁層83,84,85,86,87は、例えばSiO
2、Si
3N
4、アクリル樹脂等のポリマー材料等から成る。他の電極パッド8の表面側の金属層88は、ITO、IZO等から成る透明導電層であってもよい。
【0049】
図1に示すように、第2電極パッド8は、例えば、第1面2a上に形成された第1導体パターン10を介して、画素部3pと電気的に接続されていてもよい。第1導体パターン10は、例えば、Mo/Al/Mo、MoNd/AlNd/MoNd等から成っていてもよい。第1導体パターン10は、画素部3pに含まれる薄膜トランジスタと第2電極パッド8とを接続する、走査信号線、画像信号線、発光制御信号線等であってもよい。第1導体パターン10は、アノードパッド32aまたはカソードパッド32bと第2電極パッド8とを接続する、電源配線であってもよい。第1導体パターン10と接続されるアノードパッド32aまたはカソードパッド32bは、第1導体パターン10の一部として形成されていてもよい。第1導体パターン10は、線状の導体パターンであってもよく、面状の導体パターンであってもよい。例えば、第1導体パターン10が、カソードパッド32bと第2電極パッド8とを接続する、Vss用の電源配線である場合、面状の導体パターンであってもよい。
【0050】
側面配線9は、第1面2aから、側面2cを介して、第2面2bにかけて配設されている。側面配線9は、第1面2aに配設された第2電極パッド8と、第2面2bに配設された第1電極パッド4とを接続している。
【0051】
側面配線9は、Ag、Cu、Al、ステンレススチール等の導電性粒子、未硬化のエポキシ樹脂等の樹脂成分、エチルアルコール等のアルコール溶媒および水等を含む導電性ペーストを、側面2cから第1面2aおよび第2面2bにかけての所望の部位に塗布した後、加熱法、紫外線等の光照射によって硬化させる光硬化法、光硬化加熱法等の方法によって形成することができる。側面配線9は、メッキ、蒸着、CVD等の薄膜形成方法によっても形成することができる。また、側面2cにおける側面配線9を形成する部位に、溝を予め形成しておいてもよい。これにより、側面配線9と成る導電性ペーストが、側面における所望の部位に配置されやすくなる。
【0052】
第1電極パッド4が平面視で第2面2bの周縁部に位置し、第2電極パッド8が平面視で第1面2aの周縁部に位置している場合、第1電極パッド4と第2電極パッド8とは、平面視において重なっていてもよい。この場合、第1電極パッド4と第2電極パッド8とを接続する側面配線9の配線長を短くし、抵抗を小さくすることができる。また、側面配線9が表示装置1の他の配線パッド、配線導体等と接触して短絡することを抑えることができる。
【0053】
第1電極パッド4と第2電極パッド8は、第1面2aから第2面2bにかけて基板2を貫通する、スルーホール等の貫通導体を用いて接続することができる。第1電極パッド4と第2電極パッド8とを貫通導体を用いて接続する場合、例えば、基板2の端縁部に貫通導体を形成し得る領域を確保する必要があり、額縁領域の面積を削減することが難しい。第1電極パッド4と第2電極パッド8とを側面配線9を用いて接続することによって、額縁領域の面積が削減された表示装置1とすることが容易になる。
【0054】
側面配線9は、SiO2、Si3N4、アクリル樹脂等のポリマー材料等から成るオーバーコート層によって覆われていてもよい。この構成により、側面配線9がオーバーコート層によって保護され、側面配線9が傷つくこと、欠けること、剥がれること等を抑えることができる。また、オーバーコート層は、光吸収性材料(遮光性材料)を含有する光硬化性または熱硬化性の樹脂材料から成っていてもよい。光吸収性材料は、例えば、無機顔料であってもよい。無機顔料は、カーボンブラックなどの炭素系顔料、チタンブラックなどの窒化物系顔料、Cr-Fe-Co系、Cu-Co-Mn(マンガン)系、Fe-Co-Mn系、Fe-Co-Ni-Cr系等の金属酸化物系顔料等であってもよい。
【0055】
検査パッド7は、例えば
図2,4に示すように、第2面2b上に配設された第2配線11によって、外部接続端子5と接続されていてもよい。第2配線11は、一端部11dが外部接続端子5に接続され、他端部11eが検査パッド7に接続されていてもよい。この場合、検査部材が第1配線6、第2配線11および外部接続端子5に接触、圧接等して、それらが破損することをより確実に抑えることができる。また、検査パッド7の配置の自由度を高めることができ、例えば、検査パッド7を、第2面2b上に配設された他の配線パッド、配線導体等から十分に離隔し、検査部材を当接させ易い位置に配置することができる。その結果、表示装置1の信頼性を向上させることができる。またこの場合、検査パッド7は、少なくとも中心部が第2配線11の他端部に重ならない部位に位置している構成であってもよい。この構成の場合、検査プローブ端子等の検査部材が、検査パッド7の近傍にある第2配線11に接触、圧接等して、それが破損することを抑えることができる。
【0056】
検査パッド7は、例えば
図2,4に示すように、外部接続端子5に対して、第1電極パッド4と反対側の部位に位置していてもよい。この場合、検査パッド7を、第1電極パッド4、外部接続端子5および第1配線6から十分に離隔した位置に配置することができる。その結果、検査時に電極パッド4、外部接続端子5または第1配線6等を破損させることを効果的に抑えることができるので、表示装置1の信頼性をより向上させることができる。
【0057】
また、
図5に示すように、複数の検査パッド7が備わっており、複数の検査パッド7は第1検査パッド71と第2検査パッド72とを含んでいてもよい。第1検査パッド71および第2検査パッド72は、上述した線状の接触の形態により第2配線11に線状に接触するとともに、第2配線11が延びる方向に沿って並んでいてもよい。これにより、画素部3pに高電圧または大電流の検査信号を入力する場合であっても、2つの検査部材を第1検査パッド71および第2検査パッド72にそれぞれ当接させ、検査信号を第1検査パッド71および第2検査パッド72の両方から入力することによって、安定した検査信号を画素部3pに入力することが可能になる。なお、第2配線11の他端部11eの近傍に他の配線パッド、配線導体等が存在しない場合には、第1検査パッド71および第2検査パッド72は、第2配線11の他端部11eを挟んで対向するように配置されていてもよい。
【0058】
次に、
図6~10を参照して、本開示の他の実施形態に係る表示装置について説明する。
図6~10に示す表示装置は、
図1~5に示した表示装置に対して、検査パッドと電極パッドとの電気的接続の態様が異なり、その他については、同様の構成であるので、同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0059】
検査パッド7は、例えば
図6に示すように、上述した線状の接触等の形態により、第1配線6に直接接続されていてもよい。これにより、検査パッド7と第1電極パッド4との間における信号減衰、電圧降下等を低減できるため、検査精度を向上させることができ、ひいては表示装置1の信頼性を向上させることができる。
【0060】
また、検査パッド7が、第2配線11を介さずに、第1配線6に直接接続されている場合、高周波の検査信号を用いるときに、第2配線11の電気抵抗、第2配線11と表示装置1の他の配線導体との間の寄生容量等に起因する検査信号の遅延および検査信号の波形の鈍りを無くすことができる。これにより、直流電圧または低周波の検査信号だけでなく、高周波の検査信号を用いることが可能となるため、様々な種類の検査を行うことができ、ひいては、表示装置1の信頼性を向上させることができる。
【0061】
また、検査パッド7の形状が、三角形状、矩形状、正方形状等の多角形形状である場合、例えば
図6に示すように、検査パッド7の一辺全体が第1配線6に線状に接触していてもよい。この場合、検査パッド7と第1配線6との間の接触抵抗を低減することができるため、検査パッド7と電極パッド4との間における信号減衰、電圧降下等を効果的に低減できる。その結果、検査精度を向上させることができ、ひいては、表示装置1の信頼性を向上させることができる。
【0062】
検査パッド7は、例えば
図7に示すように、第1配線6における第1電極パッド4よりも外部接続端子5寄りの部位に直接接続されていてもよい。検査パッド7を、発光制御信号、電源電圧等が入力される外部接続端子5の近傍に配置することで、製品としての表示装置1の信号入力状態により近似した信号入力状態を、検査することができるため、表示装置1の信頼性をより向上させることができる。即ち、外部接続端子5から入力される各種の信号は、第1配線6を伝送されることにより、第1配線6の抵抗により若干の電圧降下が生じる。検査パッド7が、第1配線6における外部接続端子5よりも第1電極パッド4寄りの部位に接続されている場合、電圧降下した信号を検査することになる。また、電圧降下は個々の第1配線6の長さ、幅によって異なる。従ってこの場合、製品としての表示装置1の信号入力状態から若干離隔した信号入力状態を、検査することになる。
【0063】
また、
図8に示すように、
図7の構成であって、複数の検査パッド7が備わっており、それらが第1配線6が延びる方向に沿って並んでいてもよい。複数の検査パッド7は、第1検査パッド71と第2検査パッド72とを含んでいてもよい。第1検査パッド71および第2検査パッド72は、第1配線6に、上述した線状の接触等の形態により、直接接続されている。これにより、画素部3pに高電圧または大電流の検査信号を入力する場合であっても、2つの検査部材を第1検査パッド71および第2検査パッド72にそれぞれ当接させ、検査信号を第1検査パッド71および第2検査パッド72の両方から入力することによって、安定した検査信号を画素部3pに入力することが可能になる。その結果、検査精度を向上させることができ、ひいては、表示装置1の信頼性を向上させることができる。
【0064】
また、
図9に示すように、第2面2bに位置し、一端部12dが第1配線6に接続される第3配線12を備え、検査パッド7は、第3配線12の他端部12eに接続されている構成であってもよい。この場合、検査パッド7から、第3配線12および第1配線6を介して、電極パッド4に至る配線長と、外部接続端子5から、第1配線6を介して、電極パッド4に至る配線長と、を略等しくすることができる。その結果、上述したように、製品としての表示装置1の信号入力状態により近似した信号入力状態を、検査することができる。従って、表示装置1の信頼性をより向上させることができる。また、第3配線12は、一端部12dが第1配線6の中央部に接続されていてもよい。この場合、検査パッド7から、第3配線12および第1配線6を介して、電極パッド4に至る配線長と、外部接続端子5から、第1配線6を介して、電極パッド4に至る配線長と、をより等しくすることができる。第3配線12の一端部12dが接続される第1配線6の中央部は、第1配線6の一端から40%~60%程度の長さの部位であってもよく、45%~55%程度の長さの部位であってもよい。
【0065】
また
図9の構成において、検査パッド7は、少なくとも中心部が第3配線12の他端部に重ならない部位に位置している構成であってもよい。この構成の場合、検査プローブ端子等の検査部材が、検査パッド7の近傍にある第3配線12に接触、圧接等して、それが破損することを抑えることができる。
【0066】
また、
図10に示すように、
図9の構成であって、複数の検査パッド7が備わっており、それらは第3配線12が延びる方向に沿って並んでいる構成であってもよい。複数の検査パッド7は、第1検査パッド71と第2検査パッド72とを含んでいてもよい。第1検査パッド71および第2検査パッド72は、第3配線12を介して、第1配線6に接続されている。第1検査パッド71および第2検査パッド72は、第3配線12が延びる方向に沿って並んでいてもよい。これにより、画素部3pに高電圧または大電流の検査信号を入力する場合であっても、安定した検査信号を画素部3pに入力することが可能になる。また、第1検査パッド71から第1電極パッド4に至る配線長、および第2検査パッド72から第1電極パッド4に至る配線長と、外部接続端子5から第1配線6を介して第1電極パッド4に至る配線長と、を略等しくすることができる。その結果、上述したように、製品としての表示装置1の信号入力状態により近似した信号入力状態を、検査することができる。従って、表示装置1の信頼性をより向上させることができる。
【0067】
以下、
図11,12を参照して、本開示の他の実施形態に係る表示装置について説明する。以降の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、同じ参照符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0068】
表示装置1は、例えば
図11,12に示すように、基板2と、表示部3と、複数の第1電極パッド4と、複数の外部接続端子5と、複数の第1配線6と、複数の検査パッド7とを含んで構成されていてもよい。表示部3は、多数の画素部3pを含んで構成され、基板2の第1面2a上に配設されている。表示部3は、多数の画素部3pが第1方向(
図11における左右方向)D1および行方向に交差する第2方向(
図11における上下方向)D2に行列状に配列されて成る、マトリクス状の構成を有している。複数の第1電極パッド4は、基板2の第2面2b上に配設されている。複数の第1電極パッド4は、各々、表示部3の各列に含まれる複数の画素部3pと電気的に接続されている。各第1電極パッド4は、例えば
図11,12に示すように、側面配線9、第2電極パッド8および第1導体パターン10を介して、複数の画素部3pと電気的に接続されている。複数の第1電極パッド4は、平面視において、第2面2bの周縁部に位置し、第1方向D1に沿って並んでいてもよい。
【0069】
複数の外部接続端子5は、第2面2b上に配設されている。複数の外部接続端子5は、平面視において、第2面2bの中央部に位置している。複数の外部接続端子5は、第1所定方向に沿って並んでいてもよい。第1所定方向は、第1方向D1であってもよく、第1方向D1と交差する方向であってもよい。本実施形態では、各外部接続端子5に、該外部接続端子5と電気的に接続された複数の画素部3pに供給する発光制御信号Sigが入力される。
【0070】
複数の第1配線6は、第2面2b上に配設されている。複数の第1配線6は、平面視において、複数の第1電極パッド4と複数の外部接続端子5との間に位置し、複数の第1電極パッド4と複数の外部接続端子5とをそれぞれ接続している。
【0071】
複数の検査パッド7は、第2面2b上に配設されている。複数の検査パッド7は、複数の電極パッド4とそれぞれ電気的に接続されている。複数の検査パッド7は、複数の第1電極パッド4とそれぞれ電気的に接続されていればよい。複数の検査パッド7は、複数の第1電極パッド4とそれぞれ直接接続されていてもよく、複数の外部接続端子5とそれぞれ直接接続されていてもよく、複数の第1配線6とそれぞれ直接接続されていてもよい。各検査パッド7は、第2面2b上に配設される第2配線11を介して、該検査パッド7に対応する第1電極パッド4、外部接続端子5または第1配線6と接続されていてもよい。本実施形態では、例えば
図12に示すように、各検査パッド7は、第2面2b上に配設された第2配線11を介して、該検査パッド7に対応する外部接続端子5と接続されている。
【0072】
検査パッド7は、第2面2bの中心部2bpに位置している構成であってもよい。この場合、基板2の第2面2b側から検査部材を検査パッド7に当接させたときに、当接力を第2面2bの全体に均一に作用させることが容易になる。その結果、当接力によって検査時に基板2が傾くこと、撓むこと等の不具合が生じることを抑えることができる。中心部2bpの面積は第2面2bの面積の10%以上であってもよい。10%未満では、検査時に当接力が第2面2bの中心部2bpに集中して基板2が撓みやすくなる。中心部2bpの面積の第2面2bの面積に対する比率の上限は、特に規定しないが、70%程度であってもよく、60%程度であってもよく、50%程度であってもよい。
【0073】
表示装置1は、複数の検査パッド7に発光制御信号Sigを模した電気信号を入力することで、発光制御信号線の検査を行うことができる。
【0074】
複数の検査パッド7は、例えば
図12に示すように、複数の外部接続端子5に関して、複数の第1電極パッド4と反対側に位置していてもよい。換言すると、複数の検査パッド7は、第2面2b上における、複数の第1電極パッド4および複数の第1配線6が設けられていない領域であって、複数の第1電極パッド4および複数の第1配線6と複数の検査パッド7とによって、外部接続端子5を間に挟む領域に、配設されていてもよい。これにより、検査時に第1電極パッド4または第1配線6を破損させる虞をより低減できるので、表示装置の信頼性をより向上させ得る。
【0075】
複数の検査パッド7は、例えば
図12に示すように、千鳥状に配設されていてもよい。即ち、他端部に検査パッド7が接続された複数の第2配線11を、それらを互いに平行にして、配線長が長いものと短いものとを交互に配列する構成であってもよい。この場合、隣り合う検査パッド7同士の間隔を拡げることができるため、検査部材を個々の検査パッド7に接触させ易くなる。その結果、検査精度を向上させ、表示装置1の信頼性を向上させることができる。なお、各検査パッド7は、
図12に示した構成に限られず、
図4~10のいずれかに示した構成であってもよい。複数の第1電極パッド4の各々と、該第1電極パッド4と電気的に接続される複数の画素部3pとは、第2電極パッド8および側面配線9を介して、電気的に接続されていてもよい。また、第2電極パッド8と、該第2電極パッド8と電気的に接続される複数の画素部3pとは、第1導体パターン10を介して、電気的に接続されていてもよい。
【0076】
本実施形態の表示装置1によれば、複数の検査パッド7が、表示部3が配設された第1面2a上ではなく、第1面2aとは反対側の第2面2b上に配設されているため、額縁領域の面積を削減することができる。その結果、マルチディスプレイを構成する際、額縁領域が目立ちにくくなり、マルチディスプレイの画素ピッチを均一にすることができ、ひいては、表示品位が向上した高精細のマルチディスプレイを提供することができる。また、表示装置1では、複数の検査パッド7の位置、面積および形状の自由度を高めることができるため、検査部材を接触させ易い表示装置1を提供することができる。その結果、検査時に表示装置1の電極パッド、配線導体等を破損させる虞を低減することができ、ひいては、検査精度を向上させ、表示装置1の信頼性を向上させることができる。
【0077】
上記では、表示装置1が、発光制御信号線の検査を行うための構成を有する場合について説明したが、表示装置1は、電源電圧線の検査を行うための構成をさらに有していてもよい。表示装置1は、例えば
図11,12に示すように、複数の電極パッド4aと、複数の外部接続端子5aと、複数の第1配線6aと、複数の検査パッド7aとをさらに含んで構成されていてもよい。複数の電極パッド4aは、基板2の第2面2b上に配設されている。各電極パッド4aは、電極パッド4と同じ導電性材料を用いて、電極パッド4と同様に形成されていてもよい。複数の電極パッド4aは、各々、表示部3に含まれる多数の画素部3pと電気的に接続されている。各電極パッド4aは、例えば
図11,12に示すように、側面配線9a、第2電極パッド8aおよび第1導体パターン10aを介して、複数の画素部3pと電気的に接続されている。複数の電極パッド4aは、平面視において、第2面2bの周縁部に位置し、第2方向D2に沿って並んでいてもよい。
【0078】
複数の外部接続端子5aは、第2面2b上に配設されている。各外部接続端子5aは、外部接続端子5と同じ導電性材料を用いて、外部接続端子5と同様に形成されていてもよい。複数の外部接続端子5aは、平面視において、第2面2bの中央部に位置している。複数の外部接続端子5aは、第2所定方向に沿って並んでいてもよい。第2所定方向は、第2方向D2であってもよく、第2方向D2と交差する方向であってもよい。複数の外部接続端子5aは、少なくとも1つの第1外部接続端子5a1と、少なくとも1つの第2外部接続端子5a2とを含んでいる。第1外部接続端子5a1には、表示部3に供給する第1電源電圧Vddが入力され、第2外部接続端子5a2には、表示部3に供給する第2電源電圧Vssが入力される。第1電源電圧Vddは、例えば10V~15V程度のアノード電圧であってもよい。第2電源電圧Vssは、第1電源電圧Vddよりも低電圧であって、例えば0V~3V程度のカソード電圧であってもよい。
【0079】
複数の第1配線6aは、第2面2b上に配設されている。各第1配線6aは、第1配線6と同じ導電性材料を用いて、第1配線6と同様に形成されていてもよい。複数の第1配線6aは、平面視において、複数の電極パッド4aと複数の外部接続端子5aとの間に位置し、複数の電極パッド4aと複数の外部接続端子5aとをそれぞれ接続している。
【0080】
複数の検査パッド7aは、第2面2b上に配設されている。各検査パッド7aは、検査パッド7と同じ導電性材料を用いて、検査パッド7と同様に形成されていてもよい。複数の検査パッド7aは、複数の第1電極パッド4aとそれぞれ電気的に接続されている。複数の検査パッド7aは、複数の電極パッド4aとそれぞれ直接接続されていてもよく、複数の外部接続端子5a1,5a2とそれぞれ直接接続されていてもよく、複数の第1配線6aとそれぞれ直接接続されていてもよい。各検査パッド7aは、第2面2b上に配設される第2配線11aまたは第3配線12(
図9に記載)を介して、該検査パッド7aに対応する第1電極パッド4a、外部接続端子5aまたは第1配線6aと接続されていてもよい。本実施形態では、例えば
図12に示すように、各検査パッド7aは、第2面2b上に配設された第2配線11aを介して、該検査パッド7aに対応する外部接続端子5a1,5a2と接続されている。第2配線11aは、第2配線11と同じ導電性材料を用いて、第2配線11と同様に形成されていてもよい。
【0081】
表示装置1は、第1外部接続端子5a1と接続された検査パッド7aに第1電源電圧Vddを模した検査信号を入力し、第2外部接続端子5a2と接続された検査パッド7aに第2電源電圧Vssを模した検査信号を入力することで、電源電圧線の検査を行うことができる。
【0082】
なお、表示装置1は、発光制御信号Sigの書込みが行われる画素部3pを選択するための走査信号線の検査、画素部3pに画像信号を入力するための画像信号線の検査を行うように構成されていてもよい。
【0083】
次に、
図15~17を参照して、本開示の他の実施形態に係る表示装置について説明する。
図15は、本開示の他の実施形態に係る表示装置の要部の部分平面図であり、
図16は、
図15の表示装置の要部の部分側面図であり、
図17は、
図15の表示装置の要部の部分断面図である。
図16では、図解を容易にするために、検査パッドおよび側面配線にハッチングを付して示している。
【0084】
図15に示す本開示の表示装置1aは、第1面2aと側面2cと第1面2aとは反対側の第2面2bとを有する基板2と、第1面2a上に位置する表示部3と、第2面2b上に位置し、表示部3に電気的に接続される電極パッド4と、第1面2aから側面2cを介して第2面2bにかけて位置し、表示部3と電極パッド4を電気的に接続する側面配線9と、側面2c上に位置し、側面配線9に電気的に接続される検査パッド7cと、を備え、検査パッド7cは、少なくとも中心部7cp(
図16に記載)が側面配線9に重ならない部位に位置している構成である。
【0085】
本開示の表示装置1aは、上記の構成により以下の効果を奏する。検査パッド7cが基板2の側面2cに位置していることから、額縁領域を狭額縁化する、または額縁領域を無くすことができる。その結果、マルチディスプレイを構成したときに、表示装置1a間の境界部が視認者に視認されることを抑えることができる。また、表示装置1a間の境界部で画素ピッチが変化することを抑えて、画素ピッチを均一にすることが容易になる。その結果、表示品位が向上した高精細のマルチディスプレイを提供することができる。また、検査パッド7cは、少なくとも中心部7cpが側面配線9に重ならない、側面2c上の部位に位置していることから、検査プローブ端子等の検査部材が、検査パッド7cの近傍にある側面配線9に接触、圧接等して、側面配線9が破損することを抑えることができる。その結果、表示装置1aの製造歩留まりが向上する。
【0086】
検査パッド7cの中心部7cpは、検査パッド7cの面積の10%以上の面積を有する構成であってもよい。10%未満では、側面配線9が、検査部材が接触または圧接する検査パッド7cの中心7coに近くなり、検査部材が側面配線9を破損するおそれがある。検査部材は、検査パッド7cの中心7coを含む広がりを有する領域に接触または圧接する場合がある。検査パッド7の中心部7cpが検査パッド7の面積の10%以上の面積を有することで、中心7coに側面配線9が近接し過ぎないようにすることができ、検査部材が側面配線9を破損するおそれを低減できる。中心部7cpの面積の検査パッド7cの面積に対する比率の上限は、特には規定しないが、70%程度であってもよく、60%程度であってもよく、50%程度であってもよい。
【0087】
図16に示すように、検査パッド7cは、その縁部が側面配線9に線状に接触している構成であってもよい。この構成により、検査パッド7cが側面配線9に直接接続されることから、検査パッド7cと側面配線9との接続抵抗が小さくなり、検査パッド7cによる検査を精度良く行うことができる。また、プローブ端子等の検査部材が、検査パッド7cの近傍にある側面配線9に接触、圧接等して、それが破損することを抑えることができる。線状に接触している縁部の幅は1μm~100μm程度であってもよいが、これらの値に限らない。
【0088】
図16に示すように、検査パッド7cは、その幅7cwが側面配線9の幅9wよりも小さい構成であってもよい。この構成により、面積の小さい側面2cに検査パッド7cを配置することが容易になる。また、複数の側面配線9がある場合、それぞれの側面配線9に検査パッド7cを設けることが容易になる。また、画素ピッチが狭ピッチになると、側面配線9の隣接間隔も狭くなるが、或る側面配線9とそれに隣接する側面配線9が短絡することを抑えることができる。検査パッド7cは、その幅が側面配線9の幅(10μm~300μm程度)の30%以上100%未満であってもよいが、この範囲に限らない。
【0089】
検査パッド7cは、
図13B,13C,13Dの各構成と同様の構成であってもよい。これらの構成の場合、上述した各効果を奏する。
【0090】
図17に示すように、検査パッド7cは、第1面2aおよび第2面2bの少なくとも一方の側に延出する延出部7ceを有する構成であってもよい。この構成により、検査パッド7cと側面配線9との接触面積が増大することから、それらの接続抵抗が小さくなり、検査パッド7cによる検査をより精度良く行うことができる。また、検査パッド7cの側面2cに対する付着力を向上させることができる。延出部7ceの長さは、側面2cにある検査パッド7cの本体部の長さの0.1倍~2倍程度であってもよいが、この範囲に限らない。なお、側面配線9は、基板2の第1面2a側において第2電極パッド8に接続される接続線8cに接続され、基板2の第2面2b側において第1電極パッド4に接続される接続線4cに接続される。
【0091】
検査パッド7cは、側面2cにある本体部の厚さが延出部7ceの厚さよりも厚くてもよい。この場合、検査プローブ端子等の検査部材が、検査パッド7cの本体部に接触、圧接等しても、検査パッド7cの本体部が破損することを抑えることが容易になる。検査パッド7cの本体部の厚さは、延出部7ceの厚さの1倍を超え10倍以下であってもよいが、この範囲に限らない。
【0092】
検査パッド7cは、側面配線9と同様に、SiO2、Si3N4、アクリル樹脂等のポリマー材料等から成るオーバーコート層によって覆われていてもよい。この構成により、検査パッド7cがオーバーコート層によって保護され、検査パッド7cが傷つくこと、欠けること、剥がれること等を抑えることができる。なお、検査パッド7cを覆うオーバーコート層は、検査パッド7cによる検査が終了した後に形成してよい。また、検査パッド7cを覆うオーバーコート層は、側面配線9を覆うオーバーコート層と同じものであってもよい。この場合、オーバーコート層は、側面2cの全面を覆っていてもよい。
【0093】
基板2の第2面2b上に位置する検査パッド7も、オーバーコート層によって覆われていてもよい。検査パッド7を覆うオーバーコート層は、検査パッド7による検査が終了した後に形成してよい。
【0094】
以上、本開示の各実施形態について詳細に説明したが、また、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。上記各実施形態をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
【0095】
本開示の表示装置によれば、検査パッドが表示装置の反表示面側に位置していることから、額縁領域を狭額縁化する、または額縁領域を無くすことができる。その結果、マルチディスプレイを構成したときに、表示装置間の境界部(額縁領域)が視認者に視認されることを抑えることができる。また、表示装置間の境界部(額縁領域)で画像ピッチが変化することを抑えて、画素ピッチを均一にすることが容易になる。その結果、表示品位が向上した高精細のマルチディスプレイを提供することができる。また、検査パッドは、少なくとも中心部が第1配線に重ならない、第2面上の部位に位置していることから、検査プローブ端子等の検査部材が、検査パッドの近傍にある電極パッド、配線導体等に接触、圧接等して、電極パッド、配線導体および外部接続端子等が破損することを抑えることができる。その結果、表示装置の製造歩留まりが向上する。
【0096】
本開示の表示装置によれば、検査パッドが基板の側面に位置していることから、額縁領域を狭額縁化する、または額縁領域を無くすことができる。その結果、マルチディスプレイを構成したときに、表示装置間の境界部が視認者に視認されることを抑えることができる。また、表示装置間の境界部で画像ピッチが変化することを抑えて、画素ピッチを均一にすることが容易になる。その結果、表示品位が向上した高精細のマルチディスプレイを提供することができる。また、検査パッドは、少なくとも中心部が側面配線に重ならない、側面上の部位に位置していることから、検査プローブ端子等の検査部材が、検査パッドの近傍にある側面配線に接触、圧接等して、側面配線が破損することを抑えることができる。その結果、表示装置の製造歩留まりが向上する。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本開示の表示装置は、各種の電子機器に適用できる。その電子機器としては、自動車経路誘導システム(カーナビゲーションシステム)、船舶経路誘導システム、航空機経路誘導システム、自動車等の乗り物の計器用インジケータ、インスツルメントパネル、スマートフォン端末、携帯電話、タブレット端末、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子手帳、電子書籍、電子辞書、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム機器の端末装置、テレビジョン、商品表示タグ、価格表示タグ、産業用のプログラマブル表示装置、カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー、ファクシミリ、プリンタ、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、医療用表示装置、デジタル表示式腕時計、スマートウォッチ、駅または空港等に設置される案内表示装置等がある。
【符号の説明】
【0098】
1,1a 表示装置
2 基板
2a 第1面
2b 第2面
2bp 中心部
2c 側面
3 表示部
3p 画素部
31 発光素子
31a アノード電極
31b カソード電極
32 電極パッド
32a アノードパッド
32b カソードパッド
32c 透明導電層
4,4a 電極パッド(第1電極パッド)
4c 接続線
5,5a 外部接続端子
5a1 外部接続端子(第1外部接続端子)
5a2 外部接続端子(第2外部接続端子)
6,6a 第1配線
7,7a,7c 検査パッド
7o,7co 中心
7p,7cp 中心部
71 第1検査パッド
72 第2検査パッド
8,8a 他の電極パッド(第2電極パッド)
8c 接続線
81 接続配線
82 金属層
83,84,85,86,87 絶縁層
88 透明導電層
9,9a 側面配線
10,10a 第1導体パターン
11,11a 第2配線
11d 一端部
11e 他端部
12 第3配線
12d 一端部
12e 他端部