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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】スチーム発生装置
(51)【国際特許分類】
   F22B 1/28 20060101AFI20240424BHJP
   F22B 37/10 20060101ALI20240424BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
F22B1/28 Z
F22B1/28 A
F22B37/10 601C
H05B3/00 330Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023055433
(22)【出願日】2023-03-30
【審査請求日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】10-2023-0010931
(32)【優先日】2023-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523118060
【氏名又は名称】ジョンインテックウィン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JUNGINTECHWIN CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】103,784, Jungang-daero, Danwon-gu, Ansan-si, Gyeonggi-do, 15356 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヤンス
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨンギ
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-029991(JP,A)
【文献】特開平10-160249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 1/28
F22B 37/10
H05B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチーム発生装置であって、
互いに離隔された所定の長さの下部直線区間(30a)、上部直線区間(30b)、及び、これを連結する曲線区間(30c)から構成されるヒーター(30)と、
前記ヒーターと同じ形状であり、ヒーターの外部を取り囲むヒーター収容管(12)、前記ヒーター収容管の両側開放端部に取り付けられたカバープレート(11)、前記ヒーター収容管の下部直線区間と上部直線区間との間に配置される水平隔壁(13)、及び前記ヒーター収容管の少なくとも一部の区間に突出形成される放熱フィンを含むヒーティングモジュール(10)と、
前記ヒーティングモジュール(10)を取り囲み、前記カバープレート(11)と締結されるケース(20)と、
を含み、
前記カバープレート(11)に第1貫通口(111)及び第2貫通口(112)が形成され、第1貫通口(111)を通じて水を前記ケース(20)の内部空間に注入し、第2貫通口(112)を通じてスチームを外部に排出するように構成されることを特徴とする、スチーム発生装置。
【請求項2】
前記ケースの内部が、前記水平隔壁(13)によって下側及び上側に分けられた下部空間(S1)及び上部空間(S2)と、前記ヒーター収容管の曲線区間が位置するとともに前記下部空間と上部空間を連結する連結空間(S3)とに区画され、
第1貫通口(111)に注入された水が、下部空間(S1)、連結空間(S3)、及び上部空間(S2)を通過する流路に沿って移動しつつ加熱された後、第2貫通口(112)を通じて排出されることを特徴とする、請求項1に記載のスチーム発生装置。
【請求項3】
前記放熱フィンは、前記下部空間(S1)のヒーター収容管の表面から突出形成される複数の放熱フィン(15,16)を含むことを特徴とする、請求項2に記載のスチーム発生装置。
【請求項4】
前記放熱フィンは、前記上部空間(S2)のヒーター収容管の表面から突出形成された複数の放熱フィン(17,18)を含むことを特徴とする、請求項2に記載のスチーム発生装置。
【請求項5】
前記ヒーティングモジュール(10)が前記連結空間(S3)のヒーター収容管の表面より、前記流路の上流から下流方向へと長く突出形成された、1つ以上のガイド隔壁(125)を含むことを特徴とする、請求項2に記載のスチーム発生装置。
【請求項6】
前記ヒーター(30)が電気によって加熱される電気ヒーターであることを特徴とする、請求項1に記載のスチーム発生装置。
【請求項7】
ヒーター収容管(12)の表面から前記放熱フィン(17,18)の突出の高さが流路の下流側へと行くほど小さくなるように構成されたことを特徴とする、請求項4に記載のスチーム発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスチーム発生装置に関し、より詳しくは、水を加熱してスチームを発生させるスチーム発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スチーム発生装置は、ヒーターを用いてスチーム発生装置の外部から供給される水を加熱することによりスチーム(蒸気)を発生させる装置であって、例えば、洗濯機、乾燥器、衣類管理器、掃除機、洗浄装置、調理機器などの家庭用及び産業用で各種の分野において用いられている。
【0003】
従来におけるスチーム発生装置は、水を格納するタンク及び前記タンクの内部に設けられ、格納されている水と直接に接触して水を加熱するヒーターを含む構成を有する。しかし、このような従来のスチーム発生装置では、タンク内部の一部の空間にのみ水を満たして加熱し、タンクの残り空間はスチームを収容するが、ヒーターがタンクの全体の空間を加熱しなければならないことから、効率的でコンパクトな装置構造ではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態によれば、低温の水が、スチーム発生装置の内部空間を流れながら、次第に加熱された後スチームが発生するように構成し、スチームが低温の水によって再び凝縮されないように構成することで、不要なエネルギーの損失を防止し、コンパクトな装置構造を提供するスチーム発生装置を実現することを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、スチーム発生装置であって、(1) 互いに離隔された所定の長さの下部直線区間30a、上部直線区間30b、及びこれを連結する曲線区間30cから構成されるヒーター30と、(2) 前記ヒーターと同じ形状であり、ヒーターの外部を取り囲むヒーター収容管12、前記ヒーター収容管の両側開放端部に取り付けられたカバープレート11、前記ヒーター収容管の下部直線区間と上部直線区間との間に配置される水平隔壁13、及び前記ヒーター収容管の少なくとも一部の区間に突出形成される放熱フィンを含むヒーティングモジュール10と、(3) 前記ヒーティングモジュール10を取り囲み、前記カバープレート11と締結されるケース20とを含み、前記カバープレート11に第1貫通口111及び第2貫通口112が形成され、第1貫通口111を通じて水を前記ケース20の内部空間に注入し、第2貫通口112を通じてスチームを外部に排出するように構成されたスチーム発生装置を開示する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、低温の水が、スチーム発生装置の内部空間を流れながら次第に加熱されてからスチームが生成され、このように生成されたスチームが、低温の水によって再び凝縮されないようにすることで、不要なエネルギーの損失を防止し、装置のコンパクト化をなすことができる。
【0007】
また、本発明の一実施形態によれば、スチーム発生装置の内部で下流に行くほど放熱フィンの長さが次第に減少するように構成し、内部空間の体積が、下流に行くほど増加するようにすることで、スチームの圧力がスチーム発生装置の内部で上昇し過ぎないようにし、装置の耐久性及び安全性を高めるという技術的な利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るスチーム発生装置の斜視図である。
図2】一実施形態に係るスチーム発生装置の断面斜視図である。
図3】一実施形態に係るスチーム発生装置の分解斜視図である。
図4】一実施形態に係るヒーティングモジュールの斜視図である。
図5】一実施形態に係るケースの斜視図である。
図6】一実施形態に係るスチーム発生装置内の流体の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以上の本発明の目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面に関する以下の好適な実施形態によって、容易に理解されるであろう。しかし、本発明は、ここで説明される実施形態に限定されず、別の形態に具体化されてもよい。むしろ、ここで紹介される実施形態は、その開示内容が徹底かつ完全になるよう、そして、当業者に本発明の思想を十分に伝達可能にするために提供される。
【0010】
本明細書の図面において、構成要素の長さ、厚さ、広さなどの数値は、技術的な内容の効果的な説明のために誇張して表示されうる。本明細書において、単数形は、文言で特に言及しない限り、複数型も含む。明細書で使用される「~を含む」、「~から構成される」、及び「~からなる」という表現は、この表現にて言及されている構成要素の他に、1つ以上の異なる構成要素の存在又は追加を排除しない。
【0011】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。以下、特定の実施形態を記述することにおいて、様々な特定的な内容は、発明をより具体的に説明し、理解を助けるために作成された。しかし、本発明を理解するほどのこの分野の知識を有する者にとって様々な特定的な内容がなくても使用され得ることを認知することができる。場合に応じて、発明の記述において、周知であって発明との大きな関連のない部分は、本発明の説明に当たり、混沌・混乱を防止するために、記述しないということを予め言及しておく。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るスチーム発生装置の斜視図、図2は、スチーム発生装置の断面斜視図、図3は、スチーム発生装置の分解斜視図、そして、図4は、ヒーティングモジュールの斜視図をそれぞれ概略的に示した。そして、図5は、一実施形態に係るケースの斜視図であり、図6は、スチーム発生装置内の流体の流れを示す図である。
【0013】
図1図6を参照すると、一実施形態に係るスチーム発生装置は、ヒーター30、ヒーター30を収容しているヒーティングモジュール10、及びヒーティングモジュール10を取り囲むケース20から構成される。
【0014】
ケース20は、ヒーティングモジュール10を取り囲むとともに、ヒーティングモジュール10のカバープレート11と締結されており、これに伴い、ケース20の内部空間が外部から密閉されうる。ケース20の密閉力を高めるために、ケース20とカバープレート11との間にガスケット50が介在されうる。
【0015】
ケース20は、ヒーティングモジュール10を収容するために内部が空いている空間を有する形状であり、ケース20の一方の端部は、ヒーティングモジュール10を挿入するための開放端部21であり、これに対向している側は閉鎖端部22から構成される。閉鎖端部22は、ヒーティングモジュール10の形状に対応して曲面の形状に構成され得る。
【0016】
閉鎖端部22の側には、内部の水を外部に排出するための排出口24が形成されている。例えば、図1及び図2に示すように、ケース20が曲面の閉鎖端部22の側に排出口24が形成され、排出口24に水排出管43が連結されているため、スチーム発生装置の内部に流れる水の一部を、必要に応じて排出管43に排出することができる。
【0017】
ヒーター30は、熱源として動作し、概略的に「U」字状を有する部材である。図面では、U字状のヒーター30が90度倒されて、横倒U字状(⊂字状)に配置されているものと示されている。以下の説明では、ヒーター30が、横倒U字状(⊂字状)に配置されるものを基準にして、スチーム発生装置の構成について説明する。
【0018】
図2に示すように、ヒーター30は、上下方向に互いに離隔された所定の長さの下部直線区間30a及び上部直線区間30b、そして、これを連結している曲線区間30cから構成される。一実施形態において、ヒーター30は、電気によって加熱される電気ヒーターでありうる。代替的に、ヒーター30は、内部に空いている空間を有しており、この空間へと高温の熱媒体が流れることで熱を発生させることもできる。
【0019】
ヒーティングモジュール10は、ヒーター30を収容するとともに、複数の放熱フィンを備える部材である。一実施形態において、ヒーティングモジュール10は、カバープレート11、ヒーター収容管12、水平隔壁13、補助隔壁14、放熱フィン15,16,17,18、ガイド隔壁125などを含みうる。一実施形態において、ヒーティングモジュール10は、鋳造などの方式により、このような構成要素が一体に製造されることもありうるのであって、構成要素が、それぞれに製造された後に締結されて、ヒーティングモジュール10を形成することもできる。
【0020】
ヒーター収容管12は、ヒーター30の外部を取り囲むことでヒーター30を収容する部材である。一実施形態において、ヒーター収容管12は、内部が空いていて、ヒーター30と同一の「U」字状である部材でありうる。すなわち、ヒーター収容管12も、上下方向に互いに離隔された、所定の長さの下部直線区間及び上部直線区間、並びに、これを連結する曲線区間から構成されうる。
【0021】
ヒーター収容管12は、金属や合金などの熱伝導性材質から構成され、ヒーター30と熱的に結合されている。以下、本明細書において、「熱的に結合」されていることは、第1部材と第2部材とが、物理的に互いに直接的又は間接的に結合されて、第1部材の熱が第2部材に伝達されるように結合されていることを意味する。
【0022】
カバープレート11は、ヒーティングモジュール10の一側面に配置され、ヒーター収容管12の同じ方向に向かっている両側の開放端部を連結する部材である。すなわち、図2に示すように、横倒U字状(⊂字状)のヒーター収容管12の下部開放端部12aと上部開放端部12bとが、同一に、右側方向へと向いており、この開放端部12a,12bが、カバープレート11に一体に結合されている。カバープレート11に連結されている、ヒーター収容管12の各開放端部12a,12bは、カバープレート11を貫通した状態にて開放されており、したがって、図2に示すように、ヒーター30の両端部が、ヒーター収容管12の各開放端部12a,12bとカバープレート11とから僅かに突出している状態で、ヒーター収容部12に収容されて組み立てられうる。
【0023】
一実施形態において、カバープレート11は、第1貫通口111及び第2貫通口112をさらに含むことができる(図4及び6)。水注入管41が第1貫通口111に取り付けられ、水注入管41を通じて、外部から水をスチーム発生装置の内部へと注入することができる。スチーム排出管42が第2貫通口112に取り付けられ、スチーム発生装置の内部のスチームを、スチーム排出管42を通じて外部へと排出することができる。
【0024】
一実施形態において、カバープレート11は、1つ以上のセンサを収容するセンサ収容部117をさらに含みうる。センサ収容部117には、例えば、温度センサ又は過熱防止センサなどを設置することができ、このようなセンサを通じて、スチーム発生装置の内部の水温又はスチームの温度を測定することができる。
【0025】
好ましい一実施形態において、ヒーティングモジュール10は、スチーム発生装置の内部を下部空間S1と上部空間S2とに区画する水平隔壁13をさらに含む。水平隔壁13は、ヒーター収容管12の下部直線区間と上部直線区間との間に配置される。水平隔壁13の一端部(図面において左側端部)は、ヒーター収容管12の曲線区間、又はこの曲線区間の周辺に突出形成されているガイド隔壁125に一体に連結され、水平隔壁13の他端部(図面において右側端部)は、カバープレート11と一体に連結されて形成されるのでありうる。
【0026】
ここで、水平隔壁13がヒーター収容管12の曲線区間を貫通して形成されないため、下部空間S1と上部空間S2とがヒーター収容管12の曲線区間を取り囲む空間(以下、「連結空間」S3という)を介して連通する。すなわち、下部空間S1の流体が、連結空間S3を経て上部空間S2に流れるようになる。
【0027】
水平隔壁13の側面には、水平隔壁13の長手方向に沿って、所定の突出の高さの突出部131が形成されうる。突出部131は、図5に示したケース20の内部の凹溝25と噛み合わされて密閉される構造であり、したがって、ケース20内部にヒーティングモジュール10が挿入装着された状態で、内部の下部空間S1と上部空間S2との間に、流体が流れないようにすることで、2つの空間を確実に区画する役割を果たす。代替案的な一実施形態において、突出部131と凹溝25とが反対に設けられてもよい。すなわち、水平隔壁13の側面に沿って凹溝が形成され、ケース20の内面に、前記凹溝に対応する突出部が形成されてもよい。
【0028】
一方、一実施形態において、水平隔壁13の少なくとも一部の区間に沿って、水平隔壁13から上下方向へと所定の離隔距離をおいて、水平隔壁13に並行に、補助隔壁14がさらに形成されうる。補助隔壁14は、水平隔壁13の下側又は上側に所定の距離をおいて配置されうる。補助隔壁14の一端部は、水平隔壁13から上方又は下方へと延長形成された放熱フィン(15~18のいずれか1つ)に一体に連結され、補助隔壁14の他端部は、カバープレート11に一体に連結されて形成されうる。
【0029】
図示する実施形態において、補助隔壁14が水平隔壁13の下側に形成されており、補助隔壁14の一端部は、水平隔壁13から下方へと突出した放熱フィン15又は16に連結され、他端部はカバープレート11に連結されている。好ましくは、補助隔壁14は、カバープレート11からスタートして、水平隔壁13の概略1/3~1/2の間の長さを有するように構成される。
【0030】
このような補助隔壁14の存在により、水平隔壁13と補助隔壁14との間に離隔空間135が形成され、離隔空間135は、スチーム発生装置内における下部空間S1と上部空間S2とが直接に接しないように、緩衝領域を提供する。すなわち、補助隔壁14及びこれによって形成された離隔空間135は、上部空間S2の高温スチームが、下部空間S1の低温の水によって再び水に凝縮されることを防止する、熱伝導防止隔壁として機能する。
【0031】
一方、好ましい一実施形態において、ヒーティングモジュール10は、熱伝導率の向上のために、ヒーター収容管12における下部直線区間及び上部直線区間のそれぞれの少なくとも一部にわたって、上方及び下方へとそれぞれ突出形成されている複数の放熱フィン15~18、及び、ヒーター収容管12の曲線区間にて突出形成された1つ以上のガイド隔壁125を含むのであり、水注入管41を通じてスチーム発生装置の内部に注入された水が、複数の放熱フィン15~18とガイド隔壁125とに接触し、かつ、ぶつかるのであり、流れに沿って、ヒーター30から発熱される熱により加熱されて、スチームに変換され得る。
【0032】
より具体的に、ヒーター収容管12の下部直線区間にわたって、複数の、第1放熱フィン15と第2放熱フィン16とが、ヒーター収容管12の表面にて交互に突出形成されている。第1放熱フィン15は、ヒーター収容管12の表面から上方向及び下方向へと所定の長さに突出形成されているが、上端部15aは、水平隔壁13から(又は、補助隔壁14が形成された場合に補助隔壁14から)一定の間隔で離隔しており、第1放熱フィン15の下端部は、ケース20の内部表面に密着されうる。
【0033】
第2放熱フィン16は、ヒーター収容管12の表面から上方向及び下方向へと所定の長さで突出形成されているが、下端部16aは、ケース20の内部表面から一定の間隔で離隔しており、上端部は水平隔壁13(又は、補助隔壁14が形成されている場合に補助隔壁14)に密着されるか、又は一体に連結して形成されうる。
【0034】
ヒーター収容管12の上部直線区間には、複数の第1放熱フィン17と第2放熱フィン18とが、ヒーター収容管12の表面にて交互に突出形成されている。第1放熱フィン17は、ヒーター収容管12の表面から上方向及び下方向へと所定の長さで突出形成されるが、下端部17aは水平隔壁13から一定の間隔で離隔しており、第1放熱フィン17の上端部はケース20の内部表面に密着されうる。
【0035】
第2放熱フィン18は、ヒーター収容管12の表面から上方向及び下方向へと所定の長さで突出形成されているが、上端部18aは、ケース20の内部表面から一定の間隔で離隔しており、下端部は、水平隔壁13に密着されるか、又は一体に連結して形成されうる。
【0036】
ヒーティングモジュール10は、ヒーター収容管12の曲線区間にて突出形成されている1つ以上のガイド隔壁125をさらに含むことができる。ガイド隔壁125は、流体の流れを妨害せずに、ヒーター収容管12の表面から突出形成されうる。すなわち、図示する実施形態のように、複数のガイド隔壁125のそれぞれが、ヒーター収容管12の湾曲状(特には円弧状または楕円弧状)の曲線区間にて、流路の上流側から下流側へと向かって長く突出形成される。ここで、本明細書において「上流」及び「下流」は、流体の流れ方向による用語として、例えば、水注入管41を通じてスチーム発生装置の下部空間S1に注入された水が、連結空間S3を経て上部空間S2へと流れる。ここで、下部空間S1が上流であり、上部空間S2は下流であることが理解できるであろう。
【0037】
また、本発明の好ましい一実施形態において、上部空間S2に形成されている放熱フィン17,18についての、「開放端部」までの、ヒーター収容管12の表面からの突出の高さが、下流に行くほど低くなるように構成しうる。ここで、放熱フィン17,18の「開放端部」は、水平隔壁13やケース20の内部面と接触することなく、それから所定の距離だけ離隔した端部であって、第1放熱フィン17の開放端部は下端部17aであり、第2放熱フィン18の開放端部は上端部18aである。図2図4に示すように、上部空間S2の開放端部17a,18aは、上流から下流に行くほど、ヒーター収容管12の表面からの突出の高さが次第に減少するように構成することが好ましい。
【0038】
スチーム発生装置の内部に注入された水が、下流に行くほど次第に加熱されて、スチーム(蒸気)に変わるが、水の蒸気化により体積が急速に膨張することになる。しかし、本発明のように、スチーム発生装置の内部においても、上流から下流に行くほど放熱フィン17,18の長さが次第に減少するように構成することによって、内部空間の体積が下流に行くほど増加するようにしており、したがって、スチームの圧力がスチーム発生装置の内部で上昇し過ぎないようにすることで、装置の耐久性及び安全性を高めることができる。
【0039】
特に好ましい一実施形態において、横倒U字状(⊂字状)のヒーター30と、ヒーティングモジュール10と、一方の側端部に開口を有するケース20とからなり、ヒーティングモジュール10は、ヒーター30を収容する同様に横倒U字状(⊂字状)のヒーター収容管12と、ケース20の開口を塞ぐカバープレート11と、カバー20の内部について、他方の側端部(最奥部)の近傍を除き上下に仕切る水平隔壁13と、ヒーター収容管12の表面から突出形成される放熱フィン15~18と、カバー20の最奥部の近傍にて、複数の円弧状の流路を形成する複数のガイド隔壁125とを含み、カバープレート11は、水を内部空間に注入するための下方側にある第1貫通口111と、スチームを外部に排出するための上方側の第2貫通口112とを含む。
【0040】
上述したように、本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、このような明細書の記載から、様々な修正及び変形が可能であることを理解することができる。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されて決定されてはならず、特許請求の範囲のみならず、特許請求の範囲と均等なものなどによって定められなければならない。
【符号の説明】
【0041】
10:ヒーティングモジュール
11:カバープレート
12:ヒーター収容管
13:水平隔壁
14:補助隔壁
15、16、17、18:放熱フィン
20:ケース
30:ヒーター
【要約】
【課題】低温の水からスチームを発生させるスチーム発生装置において、不要なエネルギーの損失を防止しコンパクトな装置構造を実現する。
【解決手段】特に好ましい一実施形態において、横倒U字状(⊂字状)のヒーター30と、ヒーティングモジュール10と、一方の側端部に開口を有するケース20とからなり、ヒーティングモジュール10は、ヒーター30を収容する同様に横倒U字状(⊂字状)のヒーター収容管12と、ケース20の開口を塞ぐカバープレート11と、カバー20の内部について、他方の側端部(最奥部)の近傍を除き上下に仕切る水平隔壁13と、ヒーター収容管12の表面から突出形成される放熱フィン15~18と、カバー20の最奥部の近傍にて、複数の円弧状の流路を形成する複数のガイド隔壁125とを含み、カバープレート11は、水を内部空間に注入するための下方側にある第1貫通口111と、スチームを外部に排出するための上方側の第2貫通口112とを含む。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6