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特許7478291情報処理システム、情報処理装置、プログラム、アプリケーションソフトウェア、端末装置及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、プログラム、アプリケーションソフトウェア、端末装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/14 20220101AFI20240424BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20240424BHJP
【FI】
H04L67/14
G06Q30/0251
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023129112
(22)【出願日】2023-08-08
【審査請求日】2023-09-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598125567
【氏名又は名称】ユーソナー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141427
【弁理士】
【氏名又は名称】飯村 重樹
(72)【発明者】
【氏名】福富 七海
(72)【発明者】
【氏名】吉川 大基
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-197861(JP,A)
【文献】特開2019-036974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/14
G06Q 30/0251
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閲覧者を個人として特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトにアクセス可能であって前記閲覧者に管理されるとともに、前記ウェブサイトのドメインと同一のドメインを有する前記ウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された前記閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて前記非個人情報を取得して該非個人情報に関連づけられた識別子を生成する端末装置と、
該端末装置が前記ウェブサイトにアクセスして前記ウェブサイト内においてウェブページを遷移するごとに取得する遷移する前のウェブページのアドレスが設定された前記識別子が前記端末装置によって送信される情報処理装置と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記非個人情報は、
前記閲覧者が業務として従事する事業者において前記閲覧者が所属する部門の名称及び前記閲覧者のメールドメインを含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記非個人情報は、
前記閲覧者が業務として従事する事業者において前記閲覧者が所属する部門の名称及び前記閲覧者のメールドメインを含み、
前記端末装置は、
前記入力フォームに入力された前記閲覧者属性に前記閲覧者の姓名が含まれる場合であって前記閲覧者の前記姓名に前記部門の名称と重複する任意の文字が含まれる場合は前記姓名を前記部門の名称として認識しない部門名称認識処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記非個人情報は、
前記閲覧者が業務として従事する事業者において前記閲覧者が所属する部門の名称及び前記閲覧者のメールドメインを含み、
前記情報処理装置は、
マスタとして予め登録された複数の前記部門における業務の属性に基づいて前記識別子を分類して格納する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記非個人情報は、
前記閲覧者が業務として従事する事業者において前記閲覧者が所属する部門の名称及び前記閲覧者のメールドメインを含み、
前記情報処理装置は、
企業の属性に関する企業情報が格納される記憶部を備え、
前記企業情報と顧客企業が保有する該顧客企業と関連を有する関連事業者の情報としての関連事業者情報とを照合して前記関連事業者情報に対応する前記企業情報を抽出して該企業情報に含まれるメールドメインと前記閲覧者の前記メールドメインとを突合させる突合処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記識別子を先行識別子とし、
前記ウェブサイトと異なる他のウェブサイトであって前記非個人情報を判別する処理を実行する前記他のウェブサイトにアクセス可能であって前記閲覧者に管理される前記端末装置によって前記他のウェブサイトを介してアクセスされた際に前記他のウェブサイトのドメインと同一のドメインを有する前記他のウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された前記閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて取得された前記非個人情報に関連づけられて生成された後行識別子と、前記先行識別子と、を関連づける処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記識別子を第1識別子とし、
前記ウェブサイトと異なる他のウェブサイトであって前記非個人情報を判別する処理を実行する前記他のウェブサイトにアクセス可能であって前記閲覧者と異なる他の閲覧者に管理される端末装置によって前記他のウェブサイトを介してアクセスされた際に前記他のウェブサイトのドメインと同一のドメインを有する前記他のウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された前記他の閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて取得された前記非個人情報に関連づけられて生成された第2識別子と、前記第1識別子と、を関連づける処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
閲覧者を個人として特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトにアクセス可能であって前記閲覧者に管理される端末装置によって生成される、前記ウェブサイトのドメインと同一のドメインを有する前記ウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された前記閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて取得された前記非個人情報に関連づけられた識別子を記憶する記憶部を備え、
前記端末装置が前記ウェブサイトにアクセスして前記ウェブサイト内においてウェブページを遷移するごとに取得する遷移する前のウェブページのアドレスが設定された前記識別子が前記端末装置によって送信される、
情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータによって実装される情報処理装置に、
閲覧者に管理される端末装置によって送信される、前記閲覧者を個人として特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトのドメインと同一のドメインを有する前記ウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された前記閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて取得された前記非個人情報に関連づけられた識別子であって前記端末装置が前記ウェブサイトにアクセスして前記ウェブサイト内においてウェブページを遷移する際に取得する遷移する前のウェブページのアドレスが設定された識別子を格納する格納処理、
を実行させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
閲覧者を個人として特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトにアクセス可能であって前記閲覧者に管理されるとともに、前記ウェブサイトのドメインと同一のドメインを有する前記ウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された前記閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて前記非個人情報を取得して該非個人情報に関連づけられた識別子を生成する識別子生成処理、
該識別子生成処理で前記識別子を生成した後に前記ウェブサイト内においてウェブページを遷移する際に取得する遷移する前のウェブページのアドレスが設定された前記識別子を情報処理装置に送信する識別子送信処理、
を実行させるアプリケーションソフトウェア。
【請求項11】
閲覧者を個人として特定しない非個人情報を取得する処理を実行するウェブサイトにアクセスした際に前記ウェブサイトのドメインと同一のドメインを有する前記ウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力した前記閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて取得された前記非個人情報に関連づけられた識別子を生成する識別子生成処理と、
該識別子生成処理で前記識別子を生成した後に前記ウェブサイト内においてウェブページを遷移する際に取得する遷移する前のウェブページのアドレスが設定された前記識別子を情報処理装置に送信する識別子送信処理と、
を実行する端末装置。
【請求項12】
コンピュータによって実装される情報処理装置が、
閲覧者に管理される端末装置によって送信される、前記閲覧者を個人として特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトのドメインと同一のドメインを有する前記ウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された前記閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて取得された前記非個人情報に関連づけられた識別子であって前記端末装置が前記ウェブサイトにアクセスして前記ウェブサイト内においてウェブページを遷移する際に取得する遷移する前のウェブページのアドレスが設定された識別子を格納する格納処理、
を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、プログラム、アプリケーションソフトウェア、端末装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブサイトを閲覧する閲覧者にウェブサイトを介して種々の情報を提供する場合に、閲覧者の識別情報やウェブサイトのアクセス履歴等が含まれたクッキーと称されるデータを閲覧者のブラウザに渡して、閲覧者を識別してアクセス履歴を特定し、特定したアクセス履歴に基づいて、閲覧者が関心を示しそうな情報を提供する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、インターネットを介してアクセスした者のブラウザに付与されたクッキーに基づいて、アクセスした者の特性を推測し、推測した特性に基づいて、アクセスした者にコンテンツを提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-36074公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、クッキーには、閲覧者がアクセスしているドメインのウェブサーバによって発行されるファーストパーティークッキーと、閲覧者がアクセスしているドメインとは異なるドメインのウェブサーバによって発行されるサードパーティークッキーとが存在する。
【0006】
このようなサードパーティークッキーに基づいて、閲覧者を識別してアクセス履歴を特定すれば、ファーストパーティークッキーを発行するウェブサーバのドメインとは異なるドメインへのアクセス履歴を特定することができることから、閲覧者がより関心を示しそうな情報を提供することができる。
【0007】
その一方で、サードパーティークッキーに基づいてアクセス履歴を特定すると、閲覧者のインターネット上の行動履歴を詳細に把握することができることから、個人情報を保護する観点から、サードパーティークッキーの配布が漸次規制される傾向にある。
【0008】
サードパーティークッキーの配布が規制されると、個人情報の保護は実現される可能性がある一方で、ファーストパーティークッキーを発行するウェブサーバのドメインとは異なるドメインへのアクセス履歴を特定することができなくなることから、閲覧者に有用な情報を提供することができなくなることが懸念される。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、閲覧者の個人情報を保護しながら閲覧者に有用な情報を提供することができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム、アプリケーションソフトウェア、端末装置及び情報処理方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理システムは、閲覧者を個人として特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトにアクセス可能であって閲覧者に管理されるとともに、ウェブサイトのドメインと同一のドメインを有するウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて非個人情報を取得して非個人情報に関連づけられた識別子を生成する端末装置と、端末装置がウェブサイトにアクセスしてウェブサイト内においてウェブページを遷移するごとに取得する遷移する前のウェブページのアドレスが格納された識別子が端末装置によって送信される情報処理装置と、を備えるものである。
【0011】
これによれば、ウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された閲覧者属性に基づいて取得した非個人情報に関連づけられた識別子を生成して閲覧者端末に格納する一方、ウェブサイト内のウェブページを遷移するごとに遷移前のウェブページのアドレスを識別子に格納して情報処理装置に送信する。
【0012】
したがって、情報処理装置において、閲覧者を個人として特定しない状態で閲覧者のインターネット上の行動特性を把握することができることから、把握した行動特性に基づいて、閲覧者の個人情報を保護しながら、例えば所属する部門等といった閲覧者属性を介した閲覧者に関する有用な情報を、例えばこの種の情報を要望する事業者に提供することができる。
【0013】
さらに、識別子を生成するに際しては、閲覧者に関する有用な情報を非個人情報として取得することから、任意の事業者がこの非個人情報に基づいて、例えば所属する部門等といった閲覧者属性を介した閲覧者に対して、閲覧者が関心をもちそうな広告の配信等を行うことができる。
【0014】
この情報処理システムで処理される非個人情報は、閲覧者が業務として従事する事業者において閲覧者が所属する部門の名称及び閲覧者のメールドメインを含むものである。
【0015】
この情報処理システムで処理される非個人情報は、閲覧者が業務として従事する事業者において閲覧者が所属する部門の名称及び閲覧者のメールドメインを含み、端末装置は、入力フォームに入力された閲覧者属性に閲覧者の姓名が含まれる場合であって閲覧者の姓名に部門の名称と重複する任意の文字が含まれる場合は姓名を部門の名称として認識しない部門名称認識処理を実行するものである。
【0016】
この情報処理システムで処理される非個人情報は、閲覧者が業務として従事する事業者において閲覧者が所属する部門の名称及び閲覧者のメールドメインを含み、情報処理装置は、マスタとして予め登録された複数の部門における業務の属性に基づいて識別子を分類して格納するものである。
【0017】
この情報処理システムで処理される非個人情報は、閲覧者が業務として従事する事業者において閲覧者が所属する部門の名称及び閲覧者のメールドメインを含み、情報処理装置は、企業の属性に関する企業情報が格納される記憶部を備え、企業情報と顧客企業が保有する顧客企業と関連を有する関連事業者の情報としての関連事業者情報とを照合して関連事業者情報に対応する企業情報を抽出して企業情報に含まれるメールドメインと閲覧者のメールドメインとを突合させる突合処理を実行するものである。
【0018】
この情報処理システムは、識別子を先行識別子とし、ウェブサイトと異なる他のウェブサイトであって非個人情報を取得する処理を実行する他のウェブサイトにアクセス可能であって閲覧者に管理される端末装置によって他のウェブサイトを介してアクセスされた際に他のウェブサイトのドメインと同一のドメインを有する他のウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて非個人情報に関連づけられて生成された後行識別子と、先行識別子と、を関連づける処理を実行するものである。
【0019】
この情報処理システムは、識別子を第1識別子とし、ウェブサイトと異なる他のウェブサイトであって非個人情報を取得する処理を実行する他のウェブサイトにアクセス可能であって閲覧者と異なる他の閲覧者に管理される端末装置によって他のウェブサイトを介してアクセスされた際に他のウェブサイトのドメインと同一のドメインを有する他のウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された他の閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて非個人情報に関連づけられて生成された第2識別子と、第1識別子と、を関連づける処理を実行するものである。
【0020】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理装置は、閲覧者を特定可能な個人情報を特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトにアクセス可能であって閲覧者に管理される端末装置によって生成される、ウェブサイトのドメインと同一のドメインを有するウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて取得された非個人情報に関連づけられた識別子を記憶する記憶部を備え、端末装置がウェブサイトにアクセスしてウェブサイト内においてウェブページを遷移するごとに取得する遷移する前のウェブページのアドレスが格納された識別子が端末装置によって送信されるものである。
【0021】
上記目的を達成するための本発明に係るプログラムは、コンピュータによって実装される情報処理装置に、閲覧者に管理される端末装置によって送信される、閲覧者を個人として特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトのドメインと同一のドメインを有するウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて取得された非個人情報に関連づけられた識別子であって端末装置がウェブサイトにアクセスしてウェブサイト内においてウェブページを遷移する際に取得する遷移する前のウェブページのアドレスが格納された識別子を格納する格納処理を実行させるものである。
【0022】
上記目的を達成するための本発明に係るアプリケーションソフトウェアは、コンピュータに、閲覧者を個人として特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトにアクセス可能であって閲覧者に管理されるとともに、ウェブサイトのドメインと同一のドメインを有するウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて非個人情報を取得して非個人情報に関連づけられた識別子を生成する識別子生成処理、識別子生成処理で識別子を生成した後にウェブサイト内においてウェブページを遷移する際に取得する遷移する前のウェブページのアドレスが格納された識別子を情報処理装置に送信する識別子送信処理、を実行させるものである。
【0023】
上記目的を達成するための本発明に係る端末装置は、閲覧者を個人として特定しない非個人情報を取得する処理を実行するウェブサイトにアクセスした際にウェブサイトのドメインと同一のドメインを有するウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力した閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて取得された非個人情報に関連づけられた識別子を生成する識別子生成処理と、識別子生成処理で識別子を生成した後にウェブサイト内においてウェブページを遷移する際に取得する遷移する前のウェブページのアドレスが格納された識別子を情報処理装置に送信する識別子送信処理と、を実行するものである。
【0024】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理方法は、コンピュータによって実装される情報処理装置が、閲覧者に管理される端末装置によって送信される、閲覧者を個人として特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトのドメインと同一のドメインを有するウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて取得された非個人情報に関連づけられた識別子であって端末装置がウェブサイトにアクセスしてウェブサイト内においてウェブページを遷移する際に取得する遷移する前のウェブページのアドレスが格納された識別子を格納する格納処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、閲覧者の個人情報を保護しながら、閲覧者に有用な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。
図2】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムのウェブサーバ、閲覧者端末、情報処理装置及び顧客端末を実装するコンピュータの構成の概略を説明するブロック図である。
図3】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで使用するウェブサイトの構成の概略を説明する図である。
図4】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの閲覧者端末の機能の概略を説明するブロック図である。
図5】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの閲覧者端末の機能の概略を説明する図である。
図6】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで生成される識別子の概略を説明する図である。
図7】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで識別子を生成する処理の概略を説明するフローチャートである。
図8】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで識別子を生成する処理の概略を説明する図である。
図9】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置の機能の概略を説明するブロック図である。
図10】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される識別子情報の概略を説明する図である。
図11】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される企業情報の概略を説明する図である。
図12】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置の処理の概略を説明するフローチャートである。
図13】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される識別子処理情報の概略を説明する図である。
図14】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの処理の概略を説明するブロック図である。
図15】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される識別子処理情報の概略を説明する図である。
図16】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの処理の概略を説明するブロック図である。
図17】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの顧客端末の機能の概略を説明するブロック図である。
図18】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの処理の概略を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、図1図18に基づいて、本発明の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理システム10は、ウェブサーバ20a~20n、端末装置である閲覧者端末30a~30n、情報処理装置40及び顧客端末50を主要構成として備え、これらがインターネット網等のネットワークNを介して互いに接続される。
【0029】
ウェブサーバ20a~20nは、任意の業務を行う事業者1a~1nに管理され、閲覧者端末30a~30nは、任意の企業に勤務する閲覧者2a~2nに保有され、情報処理装置40は、情報処理システム10を用いたサービスを提供するサービス事業者3に配備され、顧客端末50は、サービス事業者3が提供するサービスを利用する顧客企業4に保有される。
【0030】
サービス事業者3が提供するサービスは、本実施の形態では、閲覧者2a~2nが閲覧したウェブサイトの履歴等といった閲覧者2a~2nのオンライン上の行動履歴を介して、閲覧者2a~2nが所属する部門の関心事項等を情報として顧客企業4に提供したり、これらの情報を分析したりするサービスである。
【0031】
次に、情報処理システム10の各部の具体的な構成について説明する。
【0032】
ウェブサーバ20a~20n、閲覧者端末30a~30n、情報処理装置40及び顧客端末50は、本実施の形態では、ほぼ同様のハードウェア構成を具備するコンピュータ、例えばデスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される。
【0033】
図2は、コンピュータの構成の概略を説明するブロック図である。
【0034】
図示のように、コンピュータは、プロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104、及び入出力部105を主要構成として備え、これらが互いにバス106を介して電気的に接続される。
【0035】
プロセッサ101は、コンピュータの動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0036】
このプロセッサ101は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、次述するメモリ102に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0037】
メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置によって実装される。
【0038】
このメモリ102は、プロセッサ101の作業領域として使用される一方、コンピュータの起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0039】
ストレージ103は、アプリケーションプログラム等による各種の処理に用いられるデータ等が格納されている。
【0040】
送受信部104は、コンピュータをネットワークNに接続する。この送受信部104は、Wi-Fi等の無線通信規格に対応するものであってもよいし、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0041】
入出力部105には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。本実施の形態では、キーボード、マウス及びディスプレイがそれぞれ接続される。
【0042】
バス106は、接続したプロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104及び入出力部105の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0043】
図1で示すウェブサーバ20a~20nは、アプリケーションサーバ及びデータベースサーバとともにウェブシステムを構成して、図3で示すようなウェブサイトWをホスティングするものである。
【0044】
なお、本実施の形態では、このウェブシステムを便宜上、ウェブサーバ20a~20nと称する。
【0045】
これらウェブサーバ20a~20nでホスティングする任意のウェブサイトWは、本実施の形態では、閲覧者2a~2nが閲覧者端末30a~30nを介してアクセスすると、HTML上の記述でタグを読み込んで、閲覧者端末30a~30nにおいて後述する変数を定義する。
【0046】
図4は、閲覧者端末30a~30nの機能の概略を説明するブロック図である。図示のように、閲覧者端末30a~30nには、アプリケーションソフトウェアであるブラウザアプリケーション31が格納される。
【0047】
ブラウザアプリケーション31は、閲覧者2a~2nによって閲覧者端末30a~30nを介して入力される任意の検索条件に基づいて検索されたネットワークN上のウェブサイトの情報を、閲覧者端末30a~30nで閲覧することが可能なアプリケーションである。
【0048】
図5は、ブラウザアプリケーション31の機能の概略を説明するブロック図である。図示のように、ブラウザアプリケーション31は、非個人情報取得処理31、部門名称認識処理32、識別子生成処理33及び識別子送信処理34を実行する。
【0049】
非個人情報取得処理31は、本実施の形態では、例えば図3で示したような、同一のドメインを有する複数のウェブページA~nによって構成されるウェブサイトW内のウェブページ(例えばウェブページD)における入力フォームに、閲覧者端末30a~30nを介して入力した閲覧者2a~2nに関する閲覧者属性に基づいて閲覧者2a~2nの非個人情報を取得する処理を実行する。
【0050】
入力フォームに入力する閲覧者属性としては、例えば閲覧者2a~2nの姓名、住所、勤務先、所属部門、電話番号、メールアドレス等であることが想定されるが、これらに限られるものではない。
【0051】
一方、取得する非個人情報としては、本実施の形態では、閲覧者2a~2nが勤務する企業において閲覧者2a~2nが所属する部門の名称及びメールドメインが含まれる一方で、閲覧者2a~2nを特定することが可能な個人情報(例えば姓名やメールアドレス等)は含まれない。
【0052】
なお、部門単位のIPアドレスを非個人情報として取得してもよく、この場合のIPアドレスは、静的IPアドレス、動的IPアドレスあるいはデータセンタのIPアドレス等、いずれのIPアドレスであってもよい。
【0053】
部門名称認識処理32は、本実施の形態では、非個人情報取得処理31を実行する際に実行される処理であって、閲覧者属性に閲覧者の姓名が含まれる場合において、閲覧者2a~2nの姓名に部門の名称と重複するような任意の文字が含まれる場合は、その姓名を部門の名称として認識しない処理を実行する。
【0054】
本実施の形態では、例えば「部」の文字を含む氏(「阿部」、「矢部」、「宇部」等)や「室」の文字を含む氏(「安室」、「氷室」、「室井」等)等の任意の文字を含む姓名が姓名辞書として予め登録されており、登録された姓名が入力フォームに入力された場合には、その姓名を部門の名称として認識しないように処理をする。
【0055】
識別子生成処理33は、本実施の形態では、入力フォームに入力された閲覧者属性から取得した非個人情報に任意の識別コード(ID)を付与して、種々の非個人情報が記録されたファイルである識別子を生成する処理、及び生成した識別子を閲覧者端末30a~30nのストレージ103に格納する処理を実行する。
【0056】
図6は、識別子の概略を説明する図である。図示のように、識別子は、部門名及びメールドメイン等といった非個人情報とともに、これら非個人情報に付与されたIDが記録されることによって生成される。
【0057】
この非個人情報に付与されるIDは、任意の閲覧者(例えば閲覧者2a)が一のウェブサイトW内のウェブページにおける入力フォームに入力した閲覧者属性に基づいて取得された一の非個人情報に付与される場合と、同じく閲覧者2aが他のウェブサイトW内のウェブページにおける入力フォームに入力した閲覧者属性に基づいて取得された他の非個人情報に付与される場合とでは、同一のIDが付与される。
【0058】
さらに、非個人情報に付与されるIDは、閲覧者端末30a~30nを介して閲覧者属性を入力した閲覧者2a~2nが異なる場合であっても、部門名及びメールドメインが共通する場合は、同一のIDが付与される。
【0059】
すなわち、例えば、閲覧者2aと閲覧者2bとが同じ企業の同じ部門に所属し、かつメールドメインが共通であれば、閲覧者2aによる閲覧者属性の入力によって非個人情報に付与されるIDと、閲覧者2bによる閲覧者属性の入力によって非個人情報に付与されるIDとは、同一のIDとなる。
【0060】
一方、同じ閲覧者2aであっても、例えば時を違えて先に入力した閲覧者属性と異なる閲覧者属性を入力した場合(例えば先の入力で部門の名称を「営業1課」と入力し、後の入力で部門の名称を「営業2課」と入力したような場合。)は、先の入力によって非個人情報に付与されるIDと、後の入力によって非個人情報に付与されるIDとは、異なるIDとなる。
【0061】
図5で示す識別子送信処理34は、本実施の形態では、生成した識別子を後述する情報処理装置40に送信する処理を実行するものである。
【0062】
本実施の形態では、閲覧者端末30a~30nがウェブサーバ20a~20nにアクセスしてウェブサイト内でウェブページを遷移すると、ウェブページを遷移するごとに、遷移する前のウェブページのアドレスを識別子に格納して情報処理装置40に送信する。
【0063】
例えば図3で示すように、同一のドメインを有する複数のウェブページA~nによって構成されるウェブサイトWのウェブページAに閲覧者端末30a~30nがアクセスした後に、ウェブページBに遷移すると、識別子送信処理34では、ウェブページBに遷移する際にウェブページAのアドレスを識別子に格納して送信する。
【0064】
図7は、識別子を生成する処理の概略を説明するフローチャートであり、図8は、識別子を生成する処理の概略を説明する図である。まず、閲覧者2a~2nが閲覧者端末30a~30nを介してウェブサイトWの入力フォームがあるウェブページDにアクセスすると、図7で示すように、ステップS1において、変数を定義する。
【0065】
定義する変数は、図8で示すように、本実施の形態では、「IPアドレス」、「時間」、「URL(タイトル、ディスクリプションを含む)」、「リファラー(Ref)」、「メールドメイン」及び「部門」であって、「IPアドレス」から「リファラー(Ref)」までは、アクセスによって自動的に設定される。
【0066】
続いて、閲覧者2a~2nが閲覧者端末30a~30nを介して、閲覧者属性を入力フォームに入力し、入力した閲覧者属性に「@」が含まれていればメールアドレスであると認識して、図7で示すステップS2において、「@」以降のメールドメインを非個人情報として取得する。
【0067】
一方、入力した閲覧者属性に「部」、「室」、「チーム」あるいは「グループ」等といった文字や単語が含まれていれば部門の名称であると認識して、ステップS3において、部門の名称を非個人情報として取得する。
【0068】
このとき、本実施の形態では、姓名辞書に予め登録された姓名が入力フォームに入力された場合には、その姓名を部門の名称として認識しないように処理をする。
【0069】
続いて、ステップS4において、取得した非個人情報にIDを付与して識別子を生成して閲覧者端末30a~30nに格納する。
【0070】
図9は、情報処理装置40の機能の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理装置40は、第1記憶部41、記憶部である第2記憶部42、第3記憶部43、格納処理部44、突合処理部45、関連づけ処理部46及び関心度算出部47を備える。
【0071】
第1記憶部41、第2記憶部42及び第3記憶部43は、ストレージ103の記憶領域が区画されることによって実現される。本実施の形態では、第1記憶部41に識別子情報D1がデータベース化されて格納され、第2記憶部42に企業情報D2が格納され、第3記憶部43に識別子処理情報D3が格納される。
【0072】
図10は、識別子情報D1の概略を説明する図である。図示のように、識別子情報D1は、閲覧者端末30a~30nから送信された識別子に部門コード及びカテゴリが割り当てられて構成される。
【0073】
部門コードは、非個人情報として取得した部門名に基づいてその部門に割り当てられる部門の識別番号であり、カテゴリは、例えば「営業」、「総務」あるいは「人事」等のように、その部門において遂行される業務の属性ごとに分類したラベルである。
【0074】
このカテゴリにおいて、業務の属性ごとに分類して分類した属性ごとに付与されるラベルは、本実施の形態では、マスタとして予め登録される。
【0075】
図11は、企業情報D2の概略を説明する図である。企業情報D2は、複数の媒体から取得した企業に関する情報が集積されて、図示のように、集積された各種の情報から抽出された企業の属性である企業の名称、企業の従業者の氏名、所属する部門、役職及びメールドメインといった情報を含むとともに、企業の住所、企業の事業所、業種(業務内容)、売上高、従業員数、資本金、利益、決算月、業界情報、グループ会社、組織図、社屋の写真等といった各種のデータを含んで構成される。
【0076】
複数の媒体から取得した企業に関する情報としては、例えば、名刺、顧客データ、セミナーリスト、ウェブログあるいは顧客からの問い合わせといった各種の情報が想定される。
【0077】
この企業情報D2には、本実施の形態では、企業または事業部あるいは事業所のうちの少なくとも一を特定するとともに系列や事業所が互いに異なる同一の企業間を関連づける企業コードが付与される。
【0078】
識別子処理情報D3は、本実施の形態では、識別子第1処理情報及び識別子第2処理情報によって構成される。これら識別子第1処理情報及び識別子第2処理情報によって構成される識別子処理情報D3の概略については、後述する。
【0079】
図9で示す格納処理部44、突合処理部45、関連づけ処理部46及び関心度算出部47は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101で実行することによって実現される。
【0080】
格納処理部44は、本実施の形態では、閲覧者端末30a~30nから送信された識別子を受けつけて、識別子情報D1としてデータベース化して第1記憶部41に格納する処理を実行する(格納処理)。
【0081】
この格納処理部44は、受信した識別子が、非個人情報に付与されたIDに基づいて、これまで受信したことのない部門名及びメールドメインが非個人情報として記憶された識別子であると判断した場合は、識別子情報D1として第1記憶部41にデータベース化して格納する。
【0082】
さらに、格納処理部44は、本実施の形態では、マスタとして予め登録された、部門における業務の属性ごとに付与されるラベルに基づいて識別子を分類して、第1記憶部41に格納する。
【0083】
突合処理部45は、本実施の形態では、企業情報D2に含まれる任意の企業のメールドメインと、識別子情報D1に含まれる任意の識別子のメールドメインとを突合させる処理を実行し(突合処理)、識別子処理情報D3のうちの識別子第1処理情報を生成する。
【0084】
図12は、突合処理部45の処理の概略を説明するフローチャートである。突合処理部45の処理に先立って、まず、顧客企業4が保有している、顧客企業4と事業上の関連を有する関連事業者(例えば取引先等)に関する情報である後述する関連事業者情報を顧客企業4から取得する。
【0085】
関連事業者情報を顧客企業4から取得した後、図示のように、ステップS10において、関連事業者情報と第2記憶部42に格納された企業情報D2とを照合し、ステップS11において、関連事業者情報と企業情報D2との照合に基づいて、企業情報D2から関連事業者情報に対応する任意の企業に関する個別の企業情報を抽出する。
【0086】
さらに、ステップS12において、抽出した企業情報に含まれるメールドメインと、第1記憶部41に格納される識別子情報D1に含まれるメールドメインとを突合し、識別子第1処理情報を生成する。
【0087】
図13は、識別子第1処理情報の構成の概略を説明する図である。図示のように、識別子第1処理情報d31は、企業情報D2に含まれるメールドメインと識別子情報D1に含まれるメールドメインとを突合することによって判明する企業コード及び企業名を含んで構成される。
【0088】
すなわち、企業情報D2に含まれるメールドメインと識別子情報D1に含まれるメールドメインとを突合して、一致するメールドメインを含む識別子情報D1に含まれる部門名と企業情報D2に含まれる部門名とを対応づけることによって、企業コード及び企業名が判明する。
【0089】
図9で示す関連づけ処理部46は、本実施の形態では、例えば閲覧者2aが一のウェブサイトW内のウェブページにおける入力フォームに入力した閲覧者属性に基づいて取得された非個人情報に付与されるIDを含む識別子を先行識別子とし、同じ閲覧者2aが他のウェブサイトW内のウェブページにおける入力フォームに入力した閲覧者属性に基づいて取得された非個人情報に付与されるIDを含む識別子を後行識別子とした場合に、先行識別子と後行識別子とを関連づける処理を実行する(関連づけ第1処理)。
【0090】
さらに、関連づけ処理部46は、本実施の形態では、例えば閲覧者2aが一のウェブサイトW内のウェブページにおける入力フォームに入力した閲覧者属性に基づいて取得された非個人情報に付与されるIDを含む識別子を第1識別子とし、閲覧者2aと同じ企業の同じ部門に所属し、かつメールドメインが共通である他の閲覧者である閲覧者2bが任意のウェブサイトW内のウェブページにおける入力フォームに入力した閲覧者属性に基づいて取得された非個人情報に付与されるIDを含む識別子を第2識別子とした場合に、第1識別子と第2識別子とを関連づける処理を実行する(関連づけ第2処理)。
【0091】
関連づけ処理部46は、このように先行識別子と後行識別子とを関連づける処理(関連づけ第1処理)及び第1識別子と第2識別子とを関連づける処理(関連づけ第2処理)を実行することによって、識別子処理情報D3のうちの識別子第2処理情報を生成する。
【0092】
図14は、関連づけ処理部46の関連づけ第1処理の概略を説明するブロック図である。図示のように、閲覧者2aが閲覧者端末30aを介して、非個人情報を取得するウェブサイトW1にアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力すると、閲覧者端末30aにおいて先行識別子f1が生成されて格納される。
【0093】
続いて、閲覧者2aが閲覧者端末30aを介して、ウェブサイトW1から遷移して非個人情報を取得するウェブサイトW2にアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力すると、閲覧者端末30aにおいて後行識別子f2が生成されて格納されるとともに先行識別子f1にウェブサイトW1のアドレスが格納されて、図14において図示しない情報処理装置40に送信される。
【0094】
なお、先行識別子f1及び後行識別子f2は、本実施の形態では、同じ閲覧者である閲覧者2aが同じ閲覧者属性を入力することによって取得された非個人情報に基づいて生成されていることから、先行識別子f1に記憶されたIDと後行識別子f2に記憶されたIDとは、同一のIDである。
【0095】
その後、閲覧者2aが閲覧者端末30aを介して、ウェブサイトW2から遷移して非個人情報を取得するウェブサイトW3あるいは更にその後に非個人情報を取得する図示しないウェブサイトWnにアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力することによって閲覧者端末30aにおいて生成される識別子は、先行識別子f1に対していずれも後行識別子f2であると把握することができる。
【0096】
本実施の形態では、閲覧者2aが閲覧者端末30aを介して、ウェブサイトW2から遷移して非個人情報を取得するウェブサイトW3にアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力すると、閲覧者端末30aにおいて後行識別子f2が格納されるとともに後行識別子f2にウェブサイトW2のアドレスが格納されて、図14において図示しない情報処理装置40に送信される。
【0097】
更にその後、閲覧者2aが閲覧者端末30aを介して、ウェブサイトW3から遷移して非個人情報を取得する図示しないウェブサイトWnにアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力すると、閲覧者端末30aにおいて後行識別子f2が生成されるとともに後行識別子f2にウェブサイトW3のアドレスが格納されて、図14において図示しない情報処理装置40に送信される。
【0098】
このように、ウェブサイトW1のアドレスが格納された先行識別子f1とウェブサイトW2~Wnのアドレスが格納された後行識別子f2とが、情報処理装置40に送信されて格納されると、先行識別子f1が後行識別子f2に上書きされることから、先行識別子f1と後行識別子f2とが関連づけられて、識別子第2処理情報を生成する。
【0099】
図15は、識別子第2処理情報の構成の概略を説明する図である。図示のように、識別子第2処理情報d32は、例えば、図14で説明した閲覧者2aが閲覧者端末30aを介して閲覧した、アドレスが異なる複数のウェブサイトW(例えばウェブサイトW1~ウェブサイトW3)のURL(例えばURL1~URL3)が、識別子第1処理情報d31と関連づけられている。
【0100】
図16は、関連づけ処理部46の関連づけ第2処理の概略を説明するブロック図である。図示のように、閲覧者2aが閲覧者端末30aを介して、非個人情報を取得するウェブサイトW1にアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力すると、閲覧者端末30aにおいて先行識別子f1が生成される。
【0101】
続いて、閲覧者2aが閲覧者端末30aを介して、ウェブサイトW1から遷移して非個人情報を取得するウェブサイトW2にアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力すると、閲覧者端末30aにおいて後行識別子f2が生成されて格納されるとともに先行識別子f1にウェブサイトW1のアドレスが格納されて、図14において図示しない情報処理装置40に送信される。
【0102】
その後、閲覧者2aが閲覧者端末30aを介して、ウェブサイトW2から遷移して非個人情報を取得する図示しないウェブサイトWnにアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力すると、閲覧者端末30aにおいて後行識別子f2が生成されて格納されるとともに後行識別子f2にウェブサイトW2のアドレスが格納されて、図14において図示しない情報処理装置40に送信される。
【0103】
一方、閲覧者2aと同じ企業の同じ部門に所属し、かつメールドメインが共通である閲覧者2aとは異なる閲覧者2bがウェブサイトW3にアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力すると、閲覧者2bの閲覧者端末30bにおいて先行識別子f1が生成されて格納される。
【0104】
その後、閲覧者2bが閲覧者端末30bを介して、ウェブサイトW3から遷移して非個人情報を取得する図示しないウェブサイトWnにアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力すると、閲覧者端末30bにおいて図示しない後行識別子f2が生成されて格納される。
【0105】
ここで、閲覧者2aの閲覧者端末30aで生成される先行識別子f1と後行識別子f2を第1識別子F1とし、閲覧者2bの閲覧者端末20bで生成される先行識別子f1と後行識別子f2を第2識別子F2とすると、閲覧者2a以外の任意の閲覧者2b~2nが非個人情報を取得するウェブサイトW1~Wnにアクセスして入力フォームに閲覧者属性を入力することによって閲覧者端末30b~30nにおいて生成される識別子は、第1識別子F1に対していずれも第2識別子F2であると把握することができる。
【0106】
なお、第1識別子F1及び第2識別子F2は、本実施の形態では、同じ企業の同じ部門に所属し、かつメールドメインが共通する閲覧者2a及び閲覧者2bが入力した閲覧者属性に基づいて取得された非個人情報に基づいて生成されていることから、第1識別子F1に記憶されたIDと第2識別子F2に記憶されたIDとは、同一のIDである。
【0107】
このように、第1識別子F1及びウェブサイトW1~Wnのアドレスと第2識別子F2及びウェブサイトW1~Wnのアドレスとが、情報処理装置40に送信されて格納されると、第1識別子F1及び第2識別子F2が上書きされることから、第1識別子F1と第2識別子F2とが関連づけられて、図15で示したような識別子第2処理情報d32を生成する。
【0108】
図9で示す関心度算出部47は、本実施の形態では、任意のウェブサイト内のウェブページへの総アクセス数を、識別子が格納された閲覧者端末30a~30nを介した閲覧者2a~2nによるアクセス数で除した場合の割合を算出する、あるいは識別子が格納された閲覧者端末30a~30nを介した閲覧者2a~2nによるアクセス数が予め設定された閾値を超えた任意のウェブサイト内のウェブページに、閾値に応じて重みづけを行う等といった処理を実行するものである。
【0109】
これによって、例えば所属する部門等といった閲覧者属性を介して、閲覧者2a~2nが関心や興味を示しているウェブサイトの情報及びその関連情報、あるいはそのウェブサイトを運営している事業者1a~1nについての関心度を把握して分析することができる。
【0110】
このような分析に基づいて、閲覧者2a~2nが所属する企業別あるいは部門別にウェブサイトを介したオンライン広告の配信を行ったり、任意の情報に対する興味や関心を高く示している閲覧者2a~2nが所属する企業あるいは部門をリストとして抽出したりすることができる。
【0111】
図17は、顧客端末50の機能の概略を説明するブロック図である。図示のように、顧客端末50は、記憶部51及び情報処理部52を備える。
【0112】
記憶部51は、ストレージ103の記憶領域が区画されることによって実現される。本実施の形態では、記憶部51には関連事業者情報D4が格納される。
【0113】
関連事業者情報D4は、例えば、複数の媒体から取得した企業に関する情報が集積されて、集積された各種の情報から抽出された企業の属性である企業の名称、企業の従業者の氏名、所属する部門及び役職等といった情報を含むとともに、企業の住所、企業の事業所、業種(業務内容)、売上高、従業員数、資本金、利益、決算月、業界情報、グループ会社、組織図、社屋の写真等といった各種のデータを含んで構成される。
【0114】
複数の媒体から取得した企業に関する情報としては、例えば、名刺、顧客データ、セミナーリスト、ウェブログあるいは顧客からの問い合わせといった各種の情報が想定される。
【0115】
情報処理部52は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101で実行することによって実現されるものであって、本実施の形態では、情報処理装置40に関連事業者情報D4を送信したり、情報処理装置40から分析結果を受領したり等といった情報処理を実行するものでる。
【0116】
次に、本実施の形態の情報処理システム10の処理の概略を説明する。
【0117】
図18は、情報処理システム10の処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、まず、ステップS20において、閲覧者2a~2nが閲覧者端末30a~30nを介して非個人情報を取得する処理を実行するウェブサイトWにアクセスする。
【0118】
続いて、ウェブサイトW内のウェブページにおける任意の入力フォーム(例えば「お問い合わせ」や「資料請求」等)に遷移して、ステップS21において、閲覧者2a~2nが閲覧者端末30a~30nを介して閲覧者2a~2nに関する閲覧者属性を入力フォームに入力する。
【0119】
このような入力フォームに閲覧者属性を入力する閲覧者2a~2nは、ウェブサイトで提供している情報及びその関連情報、あるいはウェブサイトを運営している主体である事業者1a~1nに何かしらの興味や関心があると想定される。
【0120】
閲覧者2a~2nが閲覧者属性を入力フォームに入力すると、ステップS22において、閲覧者属性に基づいて閲覧者2a~2nの非個人情報を取得する処理を実行する(非個人情報取得処理)。
【0121】
非個人情報取得処理で取得する非個人情報は、本実施の形態では、閲覧者2a~2nが所属する部門の名称及びメールドメインを少なくとも含むものである。
【0122】
この非個人情報取得処理では、姓名辞書に予め登録された姓名が入力フォームに入力された場合には、その姓名を部門の名称として認識しないように処理をする(部門名称認識処理)。
【0123】
続いて、ステップS23において、取得した非個人情報にIDを付与して識別子を生成し(識別子生成処理)、生成した識別子を閲覧者端末30a~30nに格納する。
【0124】
識別子を閲覧者端末30a~30nに格納した後、ステップS24において、閲覧者2a~2nが閲覧者端末30a~30nを介してウェブページを遷移すると、遷移する前のウェブページのアドレスを取得して識別子に格納する。
【0125】
続くステップS25において、閲覧者端末30a~30nが、遷移する前のウェブページのアドレスを格納した識別子を情報処理装置40に送信する(識別子送信処理)。
【0126】
このように、情報処理システム10は、ウェブサイトW内のウェブページにおける入力フォームに入力された閲覧者属性に基づいて取得した非個人情報に関連づけられた識別子を生成して閲覧者端末30a~30nに格納する一方、ウェブサイトW内のウェブページを遷移するごとに遷移前のウェブページのアドレスを格納した識別子を情報処理装置40に送信する。
【0127】
したがって、情報処理装置40において、閲覧者2a~2nを個人として特定しない状態で閲覧者2a~2nのインターネット上の行動特性を把握することができることから、把握した行動特性に基づいて、閲覧者2a~2nの個人情報を保護しながら、例えば所属する部門等といった閲覧者属性を介した閲覧者2a~2nに関する有用な情報を顧客企業4に提供することができる。
【0128】
特に、本実施の形態では、非個人情報には、閲覧者2a~2nが業務として従事する企業において閲覧者2a~2nが所属する部門の名称が含まれることから、企業における部門ごとのインターネット上の行動特性を把握して、その部門において要望されている情報を顧客企業4に提供することによって、その部門に対して講じるマーケティング活動や営業活動等を支援することができる。
【0129】
さらに、企業情報D2に含まれる任意の企業のメールドメインと、識別子情報D1に含まれる任意の識別子のメールドメインとを突合させる処理を実行することによって、非個人情報として取得した部門の名称に対応する企業名が判明することから、その企業が有する潜在ニーズを検知する等のインサイト分析や、仮想的な顧客を設定して顧客ニーズを探るペルソナ分析等に活用することができる。
【0130】
一方、先行識別子と後行識別子とを関連づける関連づけ第1処理及び第1識別子と第2識別子とを関連づける関連づけ第2処理を実行することによって、複数のドメインに亘る閲覧者2a~2nのインターネット上の行動特性を把握することができることから、より精緻な分析を行うことができる。
【0131】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0132】
上記実施の形態では、閲覧者2a~2nが業務として従事する事業者が企業である場合を説明したが、企業に限られるものではなく、個人事業者や非営利団体
等といった種々の事業者であってもよい。
【0133】
上記実施の形態では、情報処理装置40がサービス事業者3に配備される場合を説明したが、情報処理装置40はクラウド環境で実装されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0134】
1a~1n 事業者
2a~2n 閲覧者
3 サービス事業者
4 顧客企業
10 情報処理システム
20a~20n ウェブサーバ
30a~30n 閲覧者端末(端末装置)
40 情報処理装置
【要約】
【課題】閲覧者の個人情報を保護しながら閲覧者に有用な情報を提供することができる情報処理システム、情報処理装置、端末装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】閲覧者を個人として特定しない非個人情報を判別する処理を実行するウェブサイトにアクセス可能であって閲覧者に管理されるとともに、ウェブサイトのドメインと同一のドメインを有するウェブサイト内のウェブページにおける入力フォームに入力された閲覧者に関する閲覧者属性に基づいて非個人情報を取得して非個人情報に関連づけられた識別子を生成する端末装置と、端末装置がウェブサイトにアクセスしてウェブサイト内においてウェブページを遷移するごとに取得する遷移する前のウェブページのアドレスが格納された識別子が端末装置によって送信される情報処理装置と、を備える。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18