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特許7478303CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システム及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システム及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20240424BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20240424BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20240424BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B34/20
A61B34/30
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023195554
(22)【出願日】2023-11-17
【審査請求日】2023-11-17
(31)【優先権主張番号】202310630508.9
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523435565
【氏名又は名称】中日友好医院(中日友好臨床医学研究所)
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 福強
(72)【発明者】
【氏名】孫 偉
(72)【発明者】
【氏名】劉 天洋
(72)【発明者】
【氏名】李 子榮
(72)【発明者】
【氏名】陳 娜
(72)【発明者】
【氏名】楊 旭
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112971981(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113382691(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111712210(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112292091(CN,A)
【文献】米国特許第11000334(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2021/322100(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
術前計画モジュールを含み、前記術前計画モジュールは、映像処理ユニット、分類診断ユニット、力学解析ユニット、案選択ユニット及び案計画ユニットを含み、
前記映像処理ユニットは、患者の股関節映像学情報を受け取り、映像の各断面の3つの柱の範囲と壊死病巣の範囲を画定し、前記各断面は、大腿骨頭の真ん中の断面を含み、前記3つの柱は、内側柱、中央柱及び外側柱を含み、
前記分類診断ユニットは、各断面の3つの柱の範囲及び壊死病巣の範囲に基づき、各断面の壊死率を計算し、3つの柱の境界線によって壊死病巣を分割し、各柱内の壊死率を計算し、各断面のうち最も壊死率の大きい断面及び前記大腿骨頭の真ん中の断面を選出し、それぞれをCJFH分類基準に従って分類し、
前記力学解析ユニットは、映像を医用映像制御システムに導入し、3次元再構成を行うことにより、大腿骨頭及び壊死病巣の3次元モデルをそれぞれ取得し、前記3次元モデルに基づき、コンピュータ支援設計ツールで3次元モデルの材質に値を割り当て、コンピュータ支援解析ツールで3次元モデルに荷重を与え、接触面を設定し後に応力計算を行うことにより、術前の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を取得し、
前記案選択ユニットは、治療案ガイドデータベース及び証拠医学データベースを含み、前記治療案ガイドデータベースは、異なるCJFH分類に対応する治療案を含み、前記治療案は、手術パラメータを含み、前記証拠医学データベースは、患者の性別、年齢、病因、映像学情報、CJFH分類、ARCOステージ、手術方法、術後ハリススコア差及び置換術の要否を含み、前記分類診断ユニットで得られた壊死率及び分類結果に基づき、それぞれ前記治療案ガイドデータベース及び前記証拠医学データベースと条件マッチングすることにより、対応する治療案及び予後データを取得し、
前記案計画ユニットは、前記案選択ユニットで得られた治療案及び予後データに基づき、コンピュータ支援設計ツールにより、3次元モデルの中の材質の値の割り当てを変更し及び/又はインプラントモデルを追加した後、コンピュータ支援解析ツールで計算することにより、異なる治療案条件での術後の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を取得し、各治療案条件での術後の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を比較し、大腿骨頭の各基準点の最も小さい平均応力値に対応する治療案を最適案とすることを特徴とするCJFH分類に基づく股関節温存手術治療システム。
【請求項2】
前記患者股関節映像学情報は、股関節MRI画像及び/又は股関節CT画像を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
手術モジュールを更に含み、前記手術モジュールは、手術ロボットユニットを含み、前記最適案に基づいて当該手術ロボットユニットの手術可能な範囲に適する案を選択し、
当該案の手術パラメータ及び関連する患者股関節映像学情報を抽出し、放射線装置で患者の股関節の実際の位置決め点を収集し、光学追跡装置でロボットアームの手術端の位置情報を取得し、手術計画ナビゲーション装置でロボットアームの手術端のナビゲーション情報を生成し、ロボットアームの動きを駆動するための命令を出力することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記案選択ユニットは、病棟内の患者の医療情報を記憶するために用いられる病棟データベースを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
プロセッサ、メモリ及びバスを含み、前記メモリは、プロセッサにより読み取り可能な命令及びデータを記憶し、前記プロセッサは、請求項1~4のいずれか1つに記載のシステムを実現するために、前記メモリの命令及びデータを呼び出し、前記バスは、各機能部材を接続して情報を伝達することを特徴とするCJFH分類に基づく股関節温存手術治療装置。
【請求項6】
前記プロセッサ、前記メモリ及び前記バスが取り付けられたホストコンピュータを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
ロボットアーム、光学追跡装置及び手術計画ナビゲーション装置を含む手術ロボットを更に含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
X線装置又はCT装置である放射線装置を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ベッド表面を手術領域に近づけたり遠ざけたりするための電動スライドレールが設置されている手術ベッドを更に含むことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
手術室を更に含み、前記手術室の中央には、前記手術ベッドが固定されており、前記手術ベッドの上方において手術ベッドの長さ方向に沿って横梁が設置されており、前記横梁の本体は、前記手術室の上部に固定されており、前記横梁の一端には、逆さまに設置された光学追跡装置が固定されており、前記横梁の中央には、逆さまに設置されたロボットアームが設置されており、前記ロボットアームは、横梁の長さ方向に沿って移動し且つある位置に固定されることができ、前記ロボットアームと前記光学追跡装置の間には、横梁の長さ方向に沿って移動可能な無影灯が設置されており、前記手術ベッドにおける前記光学追跡装置から離れた一端には、放射線装置が設置されており、前記手術ベッドの底部には、電動スライドレールが設置されており、前記手術ベッドの周囲には、移動可能な手術計画ナビケーション装置及びホストコンピュータが設置されており、前記ホストコンピュータは、前記光学追跡装置、前記ロボットアーム、前記放射線装置及び前記手術計画ナビケーション装置のそれぞれに電気的に接続することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器技術分野に関し、特に、CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の股関節温存手術(hip-preserving surgery)は、切り口が大きく、周囲の組織に対する損傷が大きいため、術後の回復に時間がかかる。また、病巣の位置を特定するとき、CT透視検査を繰り返して行う必要があるため、患者と操作者の放射線被ばく量が増加し、手術操作サイクルが延びてしまう。手術過程においては、キルシュナーワイヤーで繰り返して穿刺して位置を特定して穴を開ける必要があり、手術の難易度が高く、手術の創傷が更に増大し、患者の回復時間及び予後に重大な影響を与えてしまう。
【0003】
現在、手術ロボット(図1に示すように、手術計画ナビゲーションシステム、光学追跡システム及び可動6自由度ロボットアームシステムにより左から右へ順に構成されている)を用い、映像学及びガイドニードル等の技術と組み合わせることにより、例えば、CアームX線装置、専用コア減圧又は圧縮骨移植装置(中実トレフィン、中空トレフィン、圧縮骨移植装置)、ロボット手術用ガイドニードル、整形外科用牽引ベッド等により、支援股関節温存手術(図2に示すように)を行うことができる。
【0004】
具体的な操作ステップは、多くの場合、手術を準備するステップと、X線装置又はCT装置の正面及び側面の映像を計画ソフトウェアに導入し、位置決め点をマーキングし、術前のX線及びMRI画像に基づいて針の挿入方向を計画し、針の挿入長さを自動的に計算することにより、経路を計画するステップと、ロボットアームで位置を決め、先端が骨皮質に達するように皮膚切り口からスリーブを挿入し、計算長さを参考として、デプスゲージで実際の針挿入深さを測定し、挿入完了後、再度正面及び側面の透視でガイドニードルの位置を確認することにより、ロボット支援によりガイドニードルを挿入するステップと、多孔コア減圧を手動的に行うステップと、術後処置等を行うステップとを含む。
【0005】
上述した案は、正確な空間位置決め及び安定した挿入経路を提供することができ、手術の難易度をある程度軽減し、手術時間をある程度短縮することができるが、体系的な術前計画モジュールが依然として欠けており、術前の診断をサポートすることができず、治療の指導を提供することができず、異なる患者の病状に基づいて個別且つ精密な治療案を提供することができない。
【0006】
李子栄等の専門家は、3つの柱構造理論(即ち、ヘリングのレッグ・ペルテス病の3つの柱概念であり、大腿骨頭の冠状面を外側柱、中央柱、内側柱に分割し、外側柱が大腿骨頭の幅の30%を占め、中央柱が40%を占め、内側柱が30%を占め、図3に示すように)に基づき、中日友好病院(CJFH)大腿骨頭壊死分類を提案した。当該分類は、JIC分類を基に、ARCOステージのI~III期の大腿骨頭壊死の患者に対し、T1WI(TR/TE=550/18)冠状大腿骨頭の真ん中の断面MRI画像を用い、壊死病巣が3つの柱に及ぼす位置に従って大腿骨頭壊死を、M型(内側型)、C型(中央型)、L1型(次外側型)、L2型(極外側型)及びL3型(全大腿骨頭型)という5つの型(タイプ)に分類する。図4に示すように、前記M型は、壊死領域が内側柱に及ぼし、中央柱及び外側柱が残り、前記C型は、壊死領域が中央柱及び内側柱に及ぼし、外側柱が残り、前記L1型は、壊死領域が3つの柱に及ぼし、外側柱の一部が残り、前記L2型は、壊死領域が外側柱及び一部の中央柱に及ぼし、一部の中央柱及び内側柱が残り、前記L3型は、壊死領域が大腿骨頭の外側柱、中央柱及び内側柱の全体の皮質及び骨髄に浸透する。CJFH分類は、疾患の転帰を効果的に予測し、股関節温存治療を効果的に指導するだけでなく、従来のJIC分類に比べ、映像検査時の患者の体位に関する厳格な要求がない。また、CJFH分類は、大腿骨頭自身を参考系とし、ロボット支援による手術に応用されると、明らかな技術的利点が得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術に存在する上述した技術問題の少なくとも1つを解決するために、CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システム及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した技術問題を解決するために、本発明の第一の側面は、CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムを提供する。前記CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムは、術前計画モジュールを含み、前記術前計画モジュールは、映像処理ユニット、分類診断ユニット、力学解析ユニット、案選択ユニット及び案計画ユニットを含む。
【0009】
前記映像処理ユニットは、患者の股関節映像学情報を受け取り、映像の各断面(層面)の3つの柱と壊死病巣の範囲を画定し、前記各断面は、大腿骨頭の真ん中の断面を含み、前記3つの柱は、内側柱、中央柱及び外側柱を含む。
【0010】
前記分類診断ユニットは、各断面の3つの柱及び壊死病巣の範囲に基づき、各断面の壊死率を計算する。具体的な計算式は、壊死率=(壊死病巣面積/大腿骨頭面積)* 100%である。3つの柱の境界線によって壊死病巣を分割し、各柱内の壊死率を計算する。具体的な計算式は、上述した計算式と同じである。各断面のうち最も壊死率の大きい断面及び前記大腿骨頭の真ん中の断面を選出し、それぞれをCJFH分類基準に従って分類する。よって、大腿骨頭の陥没を予測する精度がより高くなる。また、当該2つの断面の壊死率及び分類結果を外に出すことにより、手術の参考とする。
【0011】
前記力学解析ユニットは、映像を医用映像制御システムに導入し、3次元再構成を行うことにより、大腿骨頭及び壊死病巣の3次元モデルをそれぞれ取得し、前記3次元モデルを外に出すことにより、壊死病巣の状況を3次元で表し、術前計画を支援し、前記3次元モデルに基づき、コンピュータ支援設計ツールで3次元モデルの材質に値を割り当て、コンピュータ支援解析ツールで3次元モデルに荷重を与え、接触面を設定し後に応力計算を行うことにより、術前の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を取得する。
【0012】
前記案選択ユニットは、治療案ガイドデータベース及び証拠医学データベースを含み、前記治療案ガイドデータベースは、異なるCJFH分類に対応する治療案等を含み、前記治療案は、手術パラメータ等を含み、前記証拠医学データベースは、患者の性別、年齢、病因、映像学情報、CJFH分類、ARCOステージ、手術方法、術後ハリススコア差及び置換術の要否等を含み、前記分類診断ユニットで得られた壊死率及び分類結果に基づき、それぞれ前記治療案ガイドデータベース及び前記証拠医学データベースと条件マッチングすることにより、対応する治療案及び予後データを取得する。よって、既存のロボット支援による股関節温存治療案の制限を回避し、異なる段階や異なる型の患者に適切な手術案を提供することができる。
【0013】
前記案計画ユニットは、前記案選択ユニットで得られた治療案及び予後データに基づき、コンピュータ支援設計ツールにより、3次元モデルの中の材質の値の割り当てを変更し及び/又はインプラントモデルを追加した後、コンピュータ支援解析ツールで計算することにより、異なる治療案条件での術後の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を取得し、各治療案条件での術後の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を比較し、大腿骨頭の各基準点の最も小さい平均応力値に対応する治療案を最適案とする。前記最適案及び相応する術前の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図、術後の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を外に出すことにより、当該案の期待される治療効果、応力分布状況を表示し、予後や応力の改善程度を判断するのに有利である。
【0014】
1つの実現可能な実施形態においては、前記患者股関節映像学情報は、股関節MRI画像及び/又は股関節CT画像を含み、前記MRIは、磁気共鳴画像を指し、前記CTは、コンピュータX線断層撮影を指す。
【0015】
1つの実現可能な実施形態においては、前記案計画ユニットの最適案は、外部入力パラメータに基づいて案を調整した後、コンピュータ支援設計ツールで3次元モデルの材質の値の割り当てを変更し及び/又はインプラントモデルを追加した後、コンピュータ支援解析ツールで計算することにより、当該案条件での術後の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を取得することをさらに含む。よって、案の修正及び比較が容易になる。
【0016】
1つの実現可能な実施形態においては、前記CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムは、手術モジュールを更に含み、前記手術モジュールは、手術ロボットユニットを含み、前記最適案に基づいて当該手術ロボットユニットの手術可能な範囲に適する案を選択し、当該案の手術パラメータ及び関連する患者股関節映像学情報を抽出し、放射線装置で患者の股関節の実際の位置決め点を収集し、光学追跡装置でロボットアームの手術端の位置情報を取得し、手術計画ナビゲーション装置でロボットアームの手術端のナビゲーション情報を生成し、ロボットアームの動きを駆動するための命令を出力する。よって、ロボット支援による手術操作を実現する。
【0017】
1つの実現可能な実施形態においては、前記案選択ユニットは、病棟データベースを更に含み、当該病棟データベースは、病棟内の患者の医療情報を記憶することにより、これらの情報を迅速に抽出・閲覧することができるので、患者の病状を把握し、手術案を決めることに寄与する。
【0018】
本発明の第二の側面は、同じ発明概念により、本願は、プロセッサ、メモリ及びバスを含む、CJFH分類に基づく股関節温存手術治療装置を更に提供する。前記メモリは、プロセッサにより読み取ることが可能な命令及びデータを記憶する。前記プロセッサは、上述した何れか1つのCJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムを実現するために前記メモリの命令及びデータを呼び出し、前記バスは、各機能部材を接続して情報を伝達する。
【0019】
1つの実現可能な実施形態においては、前記装置は、前記プロセッサ、前記メモリ及び前記バスが取り付けられたホストコンピュータを更に含む。
【0020】
1つの実現可能な実施形態においては、前記ホストコンピュータは、CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムの外に出す情報を表示し、人間とコンピュータのインターアクションを行うためのタッチスクリーンを更に含む。
【0021】
1つの実現可能な実施形態においては、前記装置は、患者の股関節の磁気共鳴画像を提供するために用いられるMRI装置を更に含む。
【0022】
1つの実現可能な実施形態においては、前記装置は、股関節温存手術の実施を支援するために用いられる手術ロボットを更に含む。
【0023】
1つの実現可能な実施形態においては、前記手術ロボットは、ロボットアーム、光学追跡装置及び手術計画ナビケーション装置を含む。
【0024】
1つの実現可能な実施形態においては、前記ロボットアームは6つの自由度があり、手術を柔軟に行うことができる。
【0025】
1つの実現可能な実施形態においては、前記光学追跡装置は、双眼赤外線カメラを含み、手術環境における、光線位置決め追跡システムに対する可視光の変化の影響を回避し、手術器具及び人員による遮光の問題を回避するために用いられる。
【0026】
1つの実現可能な実施形態においては、X線装置又はCT装置であり、前記手術計画ナビケーション装置が股関節の位置決め点をマークするために用いられる放射線装置を更に含む。
【0027】
1つの実現可能な実施形態においては、前記装置は、手術過程において患者の体位を維持するために用いられる手術ベッドを更に含む。
【0028】
1つの実現可能な実施形態においては、前記放射線装置は、C型構造であり、患者が寝ている姿勢の時の股関節の撮影が行われやすい。
【0029】
1つの実現可能な実施形態においては、前記手術ベッドには、ベッド表面を手術領域に近づけたり遠ざけたりするために用いられる電動スライドレールが設置されており、患者の手術ベッドへの移動を容易にする。
【0030】
1つの実現可能な実施形態においては、前記装置は、手術室を更に含み、前記手術室の中央には、前記手術ベッドが固定されており、前記手術ベッドの上方において手術ベッドの長さ方向に沿って横梁が設置されており、前記横梁の本体は、前記手術室の上部に固定されており、前記横梁の一端には、逆さまに設置された光学追跡装置が固定されており、前記横梁の中央には、逆さまに設置されたロボットアームが設置されており、前記ロボットアームは、横梁の長さ方向に沿って移動し且つある位置に固定されることができ、前記ロボットアームと前記光学追跡装置の間には、横梁の長さ方向に沿って移動可能な無影灯が設置されており、前記手術ベッドにおける前記光学追跡装置から離れた一端には、放射線装置が設置されており、前記手術ベッドの底部には、電動スライドレールが設置されており、前記手術ベッドの周囲には、移動可能な手術計画ナビケーション装置及びホストコンピュータが設置されており、前記ホストコンピュータは、前記光学追跡装置、前記ロボットアーム、前記放射線装置及び前記手術計画ナビケーション装置のそれぞれに電気的に接続する。これにより、ロボットアーム、手術ベッド、放射線装置等のデバイスを合理的且つ強固に統合することができ、手術の精度が向上し、手術が容易になり、それによって手術効率が向上する。
【発明の効果】
【0031】
上述した技術案を用いることで、本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0032】
本発明によるCJFH分類に基づく股関節温存手術治療システム及び装置は、映像学画像処理、CJFH分類診断、生体力学的解析、証拠医療、手術ガイド、手術ロボットシステム等を創造的に組み合わせ、より完全で直観的な術前情報を手術者に提供し、患者にインテリジェントで個別化された手術計画と手術治療を提供することができる。本発明により、大腿骨頭壊死症に対する股関節温存手術の安全性が向上し、手術の複雑さ及びリスクが軽減し、手術の精密化、個別化、低侵襲及び人道的な手術を同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介する。明らかに、以下において説明する図面は、本発明の幾つかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働せずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】整骨科手術ロボットの一例の図である。
図2】ロボット支援による股関節温存手術の一例の図である。
図3】大腿骨頭の3つの柱構造理論の説明図である。
図4】CJFH大腿骨頭壊死分類の説明図である。
図5】本発明の実施形態によるCJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムの図である。
図6】本発明の実施形態による手術室のレイアウトの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら、本発明の技術案をより明確且つ完全に説明する。明らかに、記載されている実施形態は、本発明の一部の実施形態に過ぎず、全ての実施形態ではない。本発明の実施形態を基に、当業者は、創造的な労働をせずに得られた全ての実施形態が何れも本発明の保護範囲に属する。
【0035】
なお、本発明の記載においては、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」という専門用語が示している向き又は位置関係は、図面に示された向き又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明するためまたは説明を簡略化するためのものに過ぎず、言及した装置又は素子が特定の向き、構造及び操作を有する必要があることを示唆又は暗示するものではないので、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。また、「第一」、「第二」、「第三」という技術用語は、説明の目的だけに使用されるが、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとして解釈されるべきではない。
【0036】
本発明の説明においては、他に明確な規定及び制限がない限り、「取り付ける」、「互いに接続する」、「接続する」という専門用語は、広い意味で理解されるべきであることに留意されたい。例えば、固定して接続しても良く、取り外し可能な接続であっても良く、一体的に接続しても良く、機械的に接続しても良く、電気的に接続しても良く、直接に接続しても良く、中間媒体を介して間接的に接続しても良く、2つの素子の内部の連通であっても良い。当業者にとっては、具体的な状況により、本発明における上述した専門用語の具体的な意味を理解することができる。
【0037】
本発明の実施形態を分かりやすく理解するために、まず、本発明の具体的な概念を以下の通り紹介する。
【0038】
本発明は、CJFH分類を元に、患者の術前の映像学検査、映像学画像処理、コンピュータ分類診断、生体力学解析、証拠医療、手術ガイド等の技術を用い、医師と患者が術前に一緒に手術案の科学的計画及び患者の予後の正確な予測を行い、手術過程において手術ロボットを用いて手術を行うことができることにより、股関節温存手術の精密化、個別化、低侵襲及び人道的な手術を実現することができ、股関節温存手術の安全性が向上し、股関節温存手術の複雑さ及びリストが軽減する。
【0039】
以下、具体的な実施形態を参照しながら、本発明を更に説明する。
【0040】
なお、以下の具体的な実施例又は具体的な実施形態は、本発明の具体的な発明内容を更に解釈するために挙げられた一連の最適化された設置方法であるが、これらの設置方法は、互いに組み合わせたり、連携したりすることができる。
【0041】
(実施例1)
図5に示すように、本実施例によるCJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムは、術前計画モジュールを含み、前記術前計画モジュールは、映像処理ユニット、分類診断ユニット、力学解析ユニット、案選択ユニット及び案計画ユニットを含む。
【0042】
前記映像処理ユニットは、患者の股関節映像学情報を受け取り、映像の各断面の3つの柱範囲と壊死病巣の範囲を画定し、前記各断面は、大腿骨頭の真ん中の断面を含み、前記3つの柱は、内側柱、中央柱及び外側柱を含む。
【0043】
前記分類診断ユニットは、各断面の3つの柱範囲及び壊死病巣の範囲に基づき、各断面の壊死率を計算し、具体的な計算式は、壊死率=(壊死病巣面積/大腿骨頭面積)*100%である。3つの柱の境界線によって壊死病巣を分割し、各柱内の壊死率を計算し、具体的な計算式は、上述した計算式と同じである。各断面のうち最も壊死率の大きい断面及び前記大腿骨頭の真ん中の断面を選出し、それぞれをCJFH分類基準に従って分類する。よって、大腿骨頭の陥没を予測する精度がより高くなる。また、当該2つの断面の壊死率及び分類結果を外に出すことにより、手術の参考とすることができる。例えば、映像の真ん中の断面において壊死病巣の範囲を画定した後、壊死病巣が同時に内側柱及び中央柱に現れたと判断されると、C型と判断される。
【0044】
前記力学解析ユニットは、映像を、Mimicsのような医用映像制御システムに導入し、3次元再構成を行う。具体的な過程は、以下の通りである。Dicomフォーマットの股関節映像を医用映像制御システムに導入し、カットオフ値(画定値)を自動的に計算して閾値範囲として選択し、冠状面のウィンドウで異なるグレースケール値を有する組織を選出し、層ごとに画像においてマスク編集及び穴処理を行うことにより、分離された骨組織と軟組織を取得し、大腿骨頭の任意の点を選択して領域生長を行うことにより、初期の大腿骨頭マスクを取得することができ、続いて、矢状面および横断面において各層の画像に対して層ごとに編集し、壊死病巣マスクを取得することができ、大腿骨頭マスク及び壊死病巣マスクを選出し、Calculate 3D(3次元計算)及びSmoothing(平滑化)機能を用いて大腿骨頭と壊死病巣に対して3次元再構築及び平滑化処理を行い、大腿骨頭及び壊死病巣の3次元モデルをそれぞれ取得し、3次元モデルを外に出すことにより、壊死病巣を3次元で表示し、術前計画を支援し、前記3次元モデルに基づき、例えばSolidworksのようなコンピュータ支援設計ツールで3次元モデルの材質に値を割り当て、例えばANSYSのようなコンピュータ支援解析ツールで3次元モデルに荷重を与え、接触面を設定し後に応力計算を行うことにより、術前の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を取得する。
【0045】
前記案選択ユニットは、治療案ガイドデータベース及び証拠医学データベースを含み、前記治療案ガイドデータベースは、異なるCJFH分類に対応する治療案等を含み、例えば、コア減圧術、圧縮骨移植術、タンタルロッド移植術、有茎/無茎腓骨移植術、経大腿骨頸部基底部回転骨切り術、細針減圧術等である。
【0046】
前記コア減圧術の治療案は、圧力値、実施位置等の手術パラメータを含む。
【0047】
前記圧縮骨移植術の治療案は、圧力値、実施位置、実施角度等の手術パラメータを含む。
【0048】
前記タンタルロッド移植術の治療案は、実施位置、実施角度、材質パラメータ等の手術パラメータを含む。
【0049】
前記有茎/無茎腓骨移植術の治療案は、実施位置、実施角度、材質パラメータ等の手術パラメータを含む。
【0050】
前記経大腿骨頸部基底部回転骨切り術の治療案は、実施位置、回転角度等の手術パラメータを含む。
【0051】
前記細針減圧術の治療案は、圧力値、実施位置、実施角度、材質パラメータ等の手術パラメータを含む。
【0052】
前記証拠医学データベースは、患者の性別、年齢、病因、映像学情報、CJFH分類、ARCOステージ、手術方法、術後ハリス(Harris)スコア差及び置換術の要否等を含み、前記分類診断ユニットで得られた壊死率及び分類結果に基づき、それぞれ前記治療案ガイドデータベース及び前記証拠医学データベースと条件マッチングすることにより、対応する治療案及び予後データ等を取得する。よって、従来のロボット支援による股関節温存手術治療案(コア減圧術および圧縮骨移植術をメインとする)の制限を回避し、異なるステージ、異なる型の患者に適切な手術案を提供することができる。
【0053】
前記案計画ユニットは、前記案選択ユニットで得られた治療案及び予後データに基づき、コンピュータ支援設計ツールにより、3次元モデルの中の材質の値の割り当てを変更し及び/又はインプラントモデルを追加した後、コンピュータ支援解析ツールで計算することにより、異なる治療案条件での術後の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を取得し、各治療案条件での術後の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を比較し、大腿骨頭の各基準点の最も小さい平均応力値に対応する治療案を最適案とする。前記最適案及び相応する術前の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図、術後の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を外に出すことにより、当該案の期待される治療効果、応力分布状況を表示し、予後や応力の改善程度を判断するのに有利である。例えば、圧縮骨移植術の場合、圧縮骨部分の材質パラメータを調整し、コンピュータ支援解析ツールで計算する。タンタルロッド移植術の場合、タンタルロッドモデルを追加し、タンタルロッドの材質パラメータを入力した後、コンピュータ支援解析ツールで計算する。有茎/無茎腓骨移植術の場合、腓骨モデルを追加し、腓骨の材質パラメータを入力した後、コンピュータ支援解析ツールで計算する。経大腿骨頸部基底部回転骨切り術の場合、回転後の大腿骨頭モデルを追加した後、コンピュータ支援解析ツールで計算する。
【0054】
また、前記患者股関節映像学情報は、股関節MRI画像及び/又は股関節CT画像を含み、前記MRIは、磁気共鳴画像を指し、前記CTは、コンピュータX線断層撮影を指す。
【0055】
また、前記案計画ユニットの最適案は、外部入力パラメータに基づいて案を調整した後、コンピュータ支援設計ツールで3次元モデルの材質の値の割り当てを変更し及び/又はインプラントモデルを追加した後、コンピュータ支援解析ツールで計算することにより、当該案条件での術後の大腿骨頭の生体力学的特性及び応力分布図を取得することをさらに含む。よって、案の修正及び比較が容易になる。
【0056】
また、前記CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムは、手術モジュールを更に含み、前記手術モジュールは、手術ロボットユニットを含み、前記最適案に基づいて当該手術ロボットユニットの手術可能な範囲に適する案を選択し、当該案の手術パラメータ及び関連する患者股関節映像学情報を抽出し、放射線装置で患者の股関節の実際の位置決め点を収集し、光学追跡装置でロボットアームの手術端の位置情報を取得し、手術計画ナビゲーション装置でロボットアームの手術端のナビゲーション情報を生成し、ロボットアームの動きを駆動するための命令を出力する。よって、ロボット支援による手術操作を実現する。
【0057】
また、前記案選択ユニットは、病棟データベースを更に含み、当該病棟データベースは、病棟内の患者の医療情報を記憶することにより、これらの情報を迅速に抽出・閲覧することができるので、患者の病状の把握し、手術案を決めることに寄与する。
【0058】
(実施例2)
本実施例は、プロセッサ、メモリ及びバスを含むCJFH分類に基づく股関節温存手術治療装置を提供する。前記メモリは、プロセッサにより読み取り可能な命令及びデータを記憶し、前記プロセッサは、上述したいずれか1つのCJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムを実現するために、前記メモリの命令及びデータを呼び出し、前記バスは、各機能部材を接続して情報を伝達する。
【0059】
本発明は、もう1つの実施形態では、デバイスの形で実現することができる。当該デバイスは、上述した実施形態における各ステップ又は複数のステップを実行するための対応するモジュールを含んでも良い。モジュールは、対応するステップを実行するために配置されている1つ又は複数のハードウェアモジュールであっても良く、対応するステップを実行するために配置されているプロセッサにより実現しても良く、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されてプロセッサによって実現するために用いられても良く、何らかの組み合わせにより実現しても良い。プロセッサは、上述したそれぞれの方法及び処理を実行する。例えば、本案におけるシステムの実施形態は、ソフトウェアプログラムとして実現しても良く、メモリのような機械読み取り可能な媒体に有形的に含まれている。幾つかの実施形態においては、ソフトウェアプログラムの一部又は全部は、メモリ及び/又は通信インターフェースを介してロード及び/又はインストールされても良い。ソフトウェアプログラムがメモリにロードされ、プロセッサにより実行される場合、上述した方法の1つ又は複数のステップを実行することができる。又は、他の実施形態においては、プロセッサは、他の任意の適切な方法(例えば、ファームウェアによって)で上述した方法の何れか1つを実行するように配置しても良い。当該デバイスは、バスアーキテクチャを利用して実現しても良い。バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続バスとブリッジを含んでも良く、ハードウェアの特定のアプリケーション及び全体的な設計制約により決まる。バスは、1つ又は複数のプロセッサ、メモリ及び/又はハードウェアモジュールの様々な回路を接続する。バスは、周辺機器、電圧レギュレータ、電源管理回路、外部アンテナ等の様々な回路を接続しても良い。バスは、業界標準アーキテクチャ構造(ISA、Industry Standard Architecture)バス、周辺機器相互接続(PCI、Peripheral Component)バス又は拡張業界標準アーキテクチャ構造(EISA、Extended Industry Standard Component)バス等であっても良く、バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等に分けても良い。
【0060】
また、前記装置は、ホストコンピュータを更に含み、前記ホストコンピュータは、前記プロセッサ、前記メモリ及び前記バスが取り付けられている。
【0061】
また、前記ホストコンピュータは、CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムの外に出す情報を表示し、人間とコンピュータのインターアクションを行うためのタッチスクリーンを更に含む。
【0062】
また、前記装置は、患者の股関節の磁気共鳴画像を提供するために用いられるMRI装置を更に含む。
【0063】
また、前記装置は、股関節温存手術の実施を支援するために用いられる手術ロボットを更に含む。
【0064】
また、前記手術ロボットは、ロボットアーム、光学追跡装置及び手術計画ナビケーション装置を含む。
【0065】
また、前記ロボットアームは、6つの自由度があり、手術を柔軟に行うことができる。
【0066】
また、前記光学追跡装置は、双眼赤外線カメラを含み、手術環境における、光線位置決め追跡システムに対する可視光の変化の影響を回避し、手術器具及び人員による遮光の問題を回避するために用いられる。
【0067】
また、前記装置は、放射線装置を更に含み、前記放射線装置は、X線装置又はCT装置であり、前記手術計画ナビケーション装置が股関節の位置決め点をマークするために用いられる。
【0068】
また、前記装置は、手術過程において患者の体位を維持するために用いられる手術ベッドを更に含む。
【0069】
また、前記放射線装置は、C型構造であり、患者が寝ている姿勢の時の股関節の撮影が行われやすい。
【0070】
また、前記手術ベッドは、患者の手術ベッドへの移動を容易にするために、ベッド表面を手術領域に近づけたり遠ざけたりするために用いられる電動スライドレールが設置されている。
【0071】
(実施例3)
図6に示すように、本実施例によるCJFH分類に基づく股関節温存手術治療装置は、手術室を更に含み、前記手術室の中央には、前記手術ベッド1が固定されており、前記手術ベッド1の上方において手術ベッド1の長さ方向に沿って横梁2が設置されており、前記横梁2の本体は、前記手術室の上部(天井部)に固定されており、前記横梁2の一端には、逆さまに設置された光学追跡装置3が固定されており、前記横梁2の中央には、逆さまに設置されたロボットアーム4が設置されており、前記ロボットアーム4は、横梁2の長さ方向に沿って移動し且つある位置に固定されることができ、前記ロボットアーム4と前記光学追跡装置3の間には、横梁2の長さ方向に沿って移動可能な無影灯5が設置されており、前記手術ベッド1における前記光学追跡装置3から離れた一端には、放射線装置6が設置されており、前記手術ベッド1の底部には、電動スライドレール11が設置されており、前記手術ベッド1の周囲には、移動可能な手術計画ナビケーション装置7及びホストコンピュータ8が設置されており、前記ホストコンピュータ8は、前記光学追跡装置3、前記ロボットアーム4、前記放射線装置6及び前記手術計画ナビケーション装置7のそれぞれに電気的に接続する。これにより、ロボットアーム4、手術ベッド1、放射線装置6等のデバイスを合理的且つ強固に統合することができ、手術の精度が向上し、手術が容易になり、それによって手術効率が向上する。
【0072】
最後に、上述した各実施例は、本発明の技術案を説明するためにのみ用いられ、本発明を限定するものではないことに留意されたい。上述した各実施形態を参照しながら、本発明を詳しく説明した。当業者は、上述した各実施例に記載の技術案を修正することができ、或いは、一部又は全部の技術特徴に対して等価に置き換えることができるが、これらの修正又は置き換えは、対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の範囲から逸脱させないと理解すべきである。
【0073】
(符号の説明)
1 手術ベッド
11 電動スライドレール
2 横梁
3 光学追跡装置
4 ロボットアーム
5 無影灯
6 放射線装置
7 手術計画ナビケーション装置
8 ホストコンピュータ
【要約】      (修正有)
【課題】CJFH分類に基づく股関節温存手術治療システムおよび装置を提供する。
【解決手段】システムは、術前計画モジュールを含み、具体的には、患者の股関節映像学情報を受け取り、3つの柱の範囲と壊死病巣の範囲を画定する映像処理ユニットと、各断面のうち最も壊死率が大きい断面及び前記大腿骨頭の真ん中の断面を選択し、それぞれCJFH分類基準に従って分類する分類診断ユニットと、大腿骨頭と壊死病巣の3次元モデルを再構築し、生体力学的特性及び応力分布図を再計算する力学解析ユニットと、壊死率及び分類結果に基づいてデータベースと照合して治療計画と予後データを取得する案選択ユニットと、それぞれの治療計画及び予後データから最適案を選出する案計画ユニットとを含む。本発明は、股関節温存手術の安全性を高め、手術の複雑さ及びリスクを低減することができる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6