(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/56 20060101AFI20240424BHJP
B65H 3/66 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
B65H3/56 330S
B65H3/56 330F
B65H3/66
(21)【出願番号】P 2023534522
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 JP2021026494
(87)【国際公開番号】W WO2023286214
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】下坂 喜一郎
(72)【発明者】
【氏名】森川 修一
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-024484(JP,A)
【文献】特開2007-126226(JP,A)
【文献】特開2017-019606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 3/56
B65H 3/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置台と、
前記載置台に載置された媒体を給送する給送ローラと、
前記給送ローラの上方に、前記給送ローラと対向して配置される分離ローラと、
媒体給送前に、前記載置台に載置された媒体の下面と前記給送ローラの接触を制限する第1位置に配置され、媒体給送時に、前記載置台に載置された媒体の下面と前記給送ローラの接触を許容する第2位置に配置される下面ガイドと、
媒体給送前に、前記第1位置に配置された前記下面ガイドと係合し、前記載置台に載置された媒体の先端と前記分離ローラの接触を制限する第1ガイドと、
全体が前記分離ローラの媒体搬送方向の上流端と前記分離ローラの中心部との間に配置され、媒体給送時に、前記給送ローラと前記分離ローラのニップ部から所定距離だけ上方側に離れた位置において、媒体の先端を規制する第2ガイドと、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記第2ガイドは、媒体搬送方向と直交する方向から見て前記給送ローラと重ならないように配置される、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記第1ガイドは、前記下面ガイドに対して傾くように、前記第1位置に配置された前記下面ガイドと係合する、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記第1ガイドは、媒体搬送方向と直交する方向に、前記媒体搬送装置がサポートする最小媒体サイズ幅以下の間隔を空けて複数配置される、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記第2ガイドは、媒体搬送方向と直交する方向において、前記第1ガイドより外側に、且つ、前記分離ローラの近傍に配置される、請求項1~4の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記第2ガイドは、媒体の先端と当接する当接面が前記給送ローラと前記分離ローラのニップ面に対して傾くように配置される、請求項1~5の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記分離ローラを支持し、且つ、前記第2ガイドが設けられた支持部をさらに有し、
前記支持部は、媒体搬送方向において前記分離ローラの上流端より上流側に形成されたガイド面を有し、
前記ガイド面を延伸させた延伸面は、前記分離ローラの中心部を通過するように、又は、前記中心部より下方に位置するように配置される、請求項1~6の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
前記第2ガイドは、
前記ニップ部から前記所定距離だけ上方側に設けられた固定部と、
前記固定部と前記ニップ部の間に、給送される媒体の先端によって移動可能に設けられた移動部と、を含む、請求項1~7の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項9】
前記第2ガイドは、前記分離ローラと当接する媒体の高さが所定高さ以上である場合に、当該媒体によって移動可能に設けられる、請求項1~7の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項10】
前記載置台に載置された媒体の積載量又はサイズを検出する検出部と、
前記積載量又は前記サイズに応じて、前記第2ガイドを移動させる制御部と、をさらに有する、請求項1~7の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項11】
前記媒体搬送装置は、媒体を分離して給送する分離モードと、媒体を分離せずに給送する非分離モードと、を有し、
前記媒体搬送装置が前記非分離モードで動作する場合に、前記第2ガイドを退避させる制御部をさらに有する、請求項1~7の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項12】
前記第2ガイドの媒体の先端と当接する当接面において、所定位置より上方の領域の摩擦係数は、前記所定位置より下方の領域の摩擦係数より大きい、請求項1~11の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、媒体搬送装置に関し、特に、給送ローラ及び分離ローラを有する媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
相互に対向して配置された給送ローラ及び分離ローラを用いて複数の媒体を分離しながら給送し、撮像するスキャナ等の媒体搬送装置では、利用者の業務効率化を図るため、多数の媒体をまとめて載置台に載置して給送することが求められている。しかしながら、載置台にまとめて載置する媒体の量が多い程、媒体全体の重量が増大して媒体間の摩擦が大きくなり、給送対象の媒体とともに、その媒体に接触する媒体が給送されてしまい、媒体の重送が発生する可能性がある。例えば、多数の媒体が給送ローラ及び分離ローラのニップ部に進入しないように、ニップ部の手前にガイドを配置することにより、媒体の重送の発生を抑制できる。しかしながら、給送ローラ及び分離ローラのニップ部の手前にガイドを配置した場合、先端がカールした媒体が給送される際に、媒体の先端が給送ローラ及び分離ローラのニップ部に進入することがガイドによって妨げられる可能性がある。
【0003】
分離ローラと給送ローラとのニップ位置より上流側において媒体の給送方向と交差する方向である媒体幅方向に間隔を空けて複数設けられた規制部を備える媒体給送装置が開示されている(特許文献1を参照)。この規制部は、分離ローラの変形に拘わらず、媒体束のうち少なくとも最下位の媒体を除く上位の媒体の先端と接してその先端の分離ローラへの接触を規制する。
【0004】
分離ローラを弾性体で構成し、分離ローラの近傍にその弾性体の変形により相対的に突出するようにした搬送規制ガイドを設けたシート搬送分離装置が開示されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-89628号公報
【文献】特許第3711069号
【発明の概要】
【0006】
媒体搬送装置では、媒体を良好に給送することが求められている。
【0007】
媒体搬送装置の目的は、媒体を良好に給送することを可能とすることにある。
【0008】
実施形態の一側面に係る媒体搬送装置は、載置台と、載置台に載置された媒体を給送する給送ローラと、給送ローラの上方に、給送ローラと対向して配置される分離ローラと、媒体給送前に、載置台に載置された媒体の下面と給送ローラの接触を制限する第1位置に配置され、媒体給送時に、載置台に載置された媒体の下面と給送ローラの接触を許容する第2位置に配置される下面ガイドと、媒体給送前に、第1位置に配置された下面ガイドと係合し、載置台に載置された媒体の先端と分離ローラの接触を制限する第1ガイドと、分離ローラの媒体搬送方向の上流端と分離ローラの中心部との間に配置され、媒体給送時に、給送ローラと分離ローラのニップ部から所定距離だけ上方側に離れた位置において、媒体の先端を規制する第2ガイドと、を有する。
【0009】
本実施形態によれば、媒体搬送装置は、媒体を良好に給送することが可能となる。
【0010】
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
【
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図3】給送機構121について説明するための模式図である。
【
図4】給送機構121について説明するための模式図である。
【
図5】第1ガイド125等について説明するための模式図である。
【
図6】第1ガイド125等について説明するための模式図である。
【
図7】第2ガイド126について説明するための模式図である。
【
図8】第2ガイド126について説明するための模式図である。
【
図9】第2ガイド126の傾きについて説明するための模式図である。
【
図10】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図11】記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【
図12】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図13】他の第2ガイド226等について説明するための模式図である。
【
図14】他の第2ガイド226等について説明するための模式図である。
【
図15】さらに他の第2ガイド326等について説明するための模式図である。
【
図16】さらに他の第2ガイド326等について説明するための模式図である。
【
図17】さらに他の第2ガイド326等について説明するための模式図である。
【
図18】さらに他の第2ガイド326等について説明するための模式図である。
【
図19】さらに他の第2ガイド426等について説明するための模式図である。
【
図20】さらに他の第2ガイド426等について説明するための模式図である。
【
図21】他の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図22】他の処理回路550の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の一側面に係る媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、薄紙、厚紙、カード又はパスポート等である。カードは、ISO(International Organization for Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission)7810で規定されるID-1のIDカードを含む。また、カードは、ISO/IEC7811-1で規定されたエンボスを有するIDカードを含む。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0014】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
【0015】
図1において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。また、
図1において矢印A2は媒体搬送方向と直交する幅方向を示す。
【0016】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
【0017】
載置台103は、下側筐体101に係合し、給送及び搬送される媒体を載置する。載置台103は、上流側から下流側に向かって下方を向くように傾斜している。これにより、媒体搬送装置100は、媒体の自重を利用して、媒体を良好に搬送できる。排出台104は、上側筐体102に係合し、排出された媒体を載置する。なお、排出台104は、下側筐体101に係合してもよい。
【0018】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0019】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0020】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、積載量センサ111、媒体サイズセンサ112、媒体センサ113、給送ローラ114、分離ローラ115、第1搬送ローラ116、第2搬送ローラ117、撮像装置118、第1排出ローラ119及び第2排出ローラ120等を有している。
【0021】
なお、給送ローラ114、分離ローラ115、第1搬送ローラ116、第2搬送ローラ117、第1排出ローラ119及び/又は第2排出ローラ120のそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数の給送ローラ114、分離ローラ115、第1搬送ローラ116、第2搬送ローラ117、第1排出ローラ119及び/又は第2排出ローラ120は、それぞれ幅方向A2に間隔を空けて並べて配置される。
【0022】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド101aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド102aを形成する。
【0023】
積載量センサ111は、載置台103に載置されている媒体の積載量を検出するためのセンサであり、給送ローラ114及び分離ローラ115より上流側に配置される。積載量センサ111は、例えば赤外線の照射から反射までの時間差から、対向する位置に存在する物体までの距離を測定する赤外線近接距離センサである。積載量センサ111は、上側筐体102に設けられた発光器及び受光器を有する。発光器は、LED(Light Emitting Diode)等であり、載置台103に向けて光(赤外線)を照射する。一方、受光器は、フォトダイオード等であり、発光器により照射され、載置台103又は載置台103に載置された媒体により反射された光を受光し、受光した光に応じた電気信号である積載量信号を生成して出力する。積載量信号は、例えば発光器が光を照射してから受光器が光を受光するまでの時間を示す。媒体搬送装置100は、積載量信号に基づいて、載置台103に載置されている媒体の高さを、媒体の積載量として検出する。
【0024】
なお、積載量センサ111は、移動量センサ(アクチュエータ)でもよい。移動量センサは、載置台103に載置された媒体のうち最も上側に配置された媒体の上面に接触し且つ接触する媒体により上方に移動可能に設けられた接触部材を含み、接触部材の移動量を検出する。積載量センサ111は、検出した移動量に応じた電気信号である積載量信号を生成して出力する。媒体搬送装置100は、積載量信号に基づいて、載置台103に載置されている媒体の高さを媒体の積載量として検出する。
【0025】
また、積載量センサ111は、載置台103に載置された媒体の重さを検出するための重さセンサでもよい。重さセンサは、下側筐体101と載置台103の間に配置された感圧シート(導電被膜シート)を有し、積載量センサ111は、感圧シートが感知した圧力の大きさに応じた電気信号である積載量信号を生成して出力する。載置台103に載置された媒体の重さが大きいほど、載置台103が下側筐体101を押圧する力は大きくなり、感圧シートが感知する圧力は大きくなる。媒体搬送装置100は、積載量信号に基づいて、載置台103に載置されている媒体の重さを媒体の積載量として検出する。
【0026】
媒体サイズセンサ112は、媒体のサイズを検出するためのセンサであり、給送ローラ114及び分離ローラ115より上流側に配置される。媒体サイズセンサ112は、例えば幅方向A2に間隔を空けて並べて配置され、配置された各位置において媒体を検出する複数の光センサを含む。各光センサは、下側筐体101又は上側筐体102のうちの一方の筐体に設けられた発光器及び受光器と、下側筐体101又は上側筐体102のうちの他方の筐体の、発光器及び受光器と対向する位置に設けられた導光管とを含む。発光器は、LED等であり、導光管に向けて光を照射する。一方、受光器は、フォトダイオード等であり、発光器により照射され、導光管により導かれた光を受光する。各発光器及び受光器と対向する位置に媒体が存在するときは、発光器から照射された光は媒体により遮られるため、受光器は発光器から照射された光を検出しない。媒体サイズセンサ112は、各受光器が受光した光の強度に基づいて、各発光器及び受光器と対向する位置に媒体が存在するか否かを示す媒体サイズ信号を生成して出力する。
【0027】
なお、導光管の代わりに、ミラー等の反射部材が使用されてもよい。また、発光器及び受光器は、媒体搬送路を挟んで対向して設けられてもよい。
【0028】
また、媒体サイズセンサ112は、幅方向A2に間隔を空けて並べて配置され、配置された各位置において赤外線の照射から反射までの時間差から、対向する位置に存在する物体までの距離を測定する赤外線近接距離センサでもよい。その場合、媒体サイズセンサ112は、上側筐体102に設けられた発光器及び受光器を有する。発光器は、LED等であり、載置台103に向けて光(赤外線)を照射する。一方、受光器は、フォトダイオード等であり、発光器により照射され、載置台103又は載置台103に載置された媒体により反射された光を受光する。各発光器及び受光器と対向する位置に媒体が存在するときは、発光器から照射された光は媒体により反射するため、発光器が光を照射してから受光器が光を受光するまでの時間は、各発光器及び受光器と対向する位置に媒体が存在しないときより短い。媒体サイズセンサ112は、各発光器が光を照射してから各受光器が光を受光するまでの時間に基づいて、各発光器及び受光器と対向する位置に媒体が存在するか否かを示す媒体サイズ信号を生成して出力する。
【0029】
また、媒体サイズセンサ112は、幅方向A2に間隔を空けて並べて配置され、配置された各位置において、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサでもよい。媒体サイズセンサ112は、各接触検知センサに媒体が接触しているか否かにより、各接触検知センサと対向する位置に媒体が存在するか否かを示す媒体サイズ信号を生成して出力する。
【0030】
また、媒体サイズセンサ112は、二次元に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)又はCCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える撮像センサを有してもよい。媒体サイズセンサ112は、載置台103に載置されている媒体全体を撮像可能に配置される。その場合、媒体サイズセンサ112は、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とをさらに有する。媒体サイズセンサ112は、載置台103に載置された媒体を撮像して画像信号を生成し、媒体サイズ信号として出力する。
【0031】
媒体センサ113は、給送ローラ114及び分離ローラ115より上流側に配置される。媒体センサ113は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。媒体センサ113は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する媒体信号を生成して出力する。なお、媒体センサ113は接触検知センサに限定されず、媒体センサ113として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0032】
給送ローラ114は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に分離して給送する。分離ローラ115は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に、即ち給送ローラ114の上方に、給送ローラ114と対向して配置され、媒体給送方向の反対方向に回転する。
【0033】
第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ117は、給送ローラ114より下流側に、相互に対向して配置され、給送ローラ114及び分離ローラ115によって給送された媒体を撮像装置118に搬送する。第1搬送ローラ116は、下側筐体101に設けられ、第2搬送ローラ117は、上側筐体102に、第1搬送ローラ116の上側に設けられる。
【0034】
撮像装置118は、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ117より下流側に配置され、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ117によって搬送された媒体を撮像する。撮像装置118は、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置された第1撮像装置118a及び第2撮像装置118bを含む。第1撮像装置118aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置118aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置118aは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0035】
同様に、第2撮像装置118bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置118bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置118bは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0036】
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置118a及び第2撮像装置118bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCDによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0037】
第1排出ローラ119及び第2排出ローラ120は、撮像装置118より下流側に、相互に対向して配置され、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ117によって搬送され、撮像装置118によって撮像された媒体を排出台104に排出する。第1排出ローラ119は、下側筐体101に設けられ、第2排出ローラ120は、上側筐体102に、第1排出ローラ119の上側に設けられる。
【0038】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ114が
図2の矢印A3の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、下側ガイド101aと上側ガイド102aの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。媒体搬送装置100は、給送モードとして、媒体を分離して給送する分離モードと、媒体を分離せずに給送する非分離モードとを有する。給送モードは、利用者により操作装置105又は媒体搬送装置100と通信接続する情報処理装置を用いて設定される。給送モードが分離モードに設定されている場合、分離ローラ115は、媒体給送時、矢印A4の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ114及び分離ローラ115の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ114と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。一方、給送モードが非分離モードに設定されている場合、分離ローラ115は、矢印A4の反対方向、即ち媒体給送方向に回転する。
【0039】
媒体は、下側ガイド101aと上側ガイド102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ116と第2搬送ローラ117の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ117がそれぞれ矢印A5及び矢印A6の方向に回転することによって、第1撮像装置118aと第2撮像装置118bの間に送り込まれる。撮像装置118により読み取られた媒体は、第1排出ローラ119及び第2排出ローラ120がそれぞれ矢印A7及び矢印A8の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0040】
図3及び
図4は、媒体搬送装置100の給送機構121について説明するための模式図である。
図3は、給送機構121を上流側から見た模式図であり、
図4は、給送機構121を側方から(幅方向A2から)見た模式図である。
【0041】
図3及び
図4に示すように、媒体搬送装置100は、給送機構121として、給送ローラ114及び分離ローラ115に加えて、ガイド部材122、分離ローラカバー123、下面ガイド124、第1ガイド125及び第2ガイド126等を有する。
図3に示す例では、媒体搬送装置100は、給送ローラ114及び分離ローラ115を二つずつ有している。
【0042】
ガイド部材122は、板状の部材であり、媒体の搬送面122aを形成するように、下側筐体101の上面に設けられ、下側ガイド101aの一部を形成する。ガイド部材122は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2の中央部に開口部を有し、開口部内に給送ローラ114が配置される。
【0043】
分離ローラカバー123は、支持部の一例であり、分離ローラ115を覆い且つ支持する。分離ローラカバー123は、ばね又はゴム等の弾性部材(不図示)を介して上側筐体102に取り付けられ、その弾性部材により下方に向けて付勢される。これにより、分離ローラカバー123は、分離ローラ115が給送ローラ114を押圧するように分離ローラ115に付勢力を付与する。
【0044】
下面ガイド124は、媒体をセットするためのセットガイドである。下面ガイド124は、幅方向A2から見て給送ローラ114及び分離ローラ115と重なる位置に、即ち媒体搬送方向A1において給送ローラ114及び分離ローラ115と重なる位置に配置される。下面ガイド124は、不図示のモータからの駆動力に従って、下方(
図4の矢印A9の方向)に揺動(回転)可能に下側筐体101に設けられる。下面ガイド124は、媒体給送前に、載置台103に載置された媒体M1の下面と給送ローラ114の接触を制限する第1位置(
図4に示す配置位置)に配置され、支持面124aにおいて、載置台103に載置された媒体M1の下面を支持する。
【0045】
下面ガイド124は、プラスチック部材等の、摺動性の高い(媒体に対する摩擦力が小さい)部材で形成される。特に、下面ガイド124は、PPC用紙との間の摩擦力が、二つのPPC用紙間の摩擦力より小さい部材で形成される。
【0046】
給送ローラ114が媒体を良好に給送できるように、給送ローラ114の外周面は、媒体に対する摩擦力が大きいゴム部材等で形成される。そのため、載置台103に載置された媒体M1のうちの最も下側に配置された媒体と、給送ローラ114との間の摩擦力は、複数の媒体M1間の摩擦力より大きくなる。また、媒体搬送装置100では、媒体が自重によって搬送されやすくなるように、載置台103は下流側が下方に向かうように傾斜している。したがって、仮に媒体搬送装置が下面ガイドを有さない場合、媒体給送前に、最も下側に配置された媒体の先端より、その媒体の上側に配置された媒体の先端が先行してしまい(下流側に移動し)、媒体給送時に媒体の重送が発生しやすくなる。
【0047】
一方、媒体搬送装置100では、載置台103に載置された媒体M1のうちの最も下側に配置された媒体は、媒体給送前に下面ガイド124上を滑って第1ガイド125に突き当たる位置まで進入する。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の重送の発生を抑制することができる。
【0048】
第1ガイド125は、フラップであり、媒体給送前に媒体が給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部へ進入することを阻止するためのストッパである。第1ガイド125は、媒体搬送方向A1において下面ガイド124と対向する位置に配置される。第1ガイド125は、分離ローラカバー123内に格納された後述する給送アームに、下流側(
図4の矢印A10の方向)に揺動(回転)可能に設けられ、ねじりコイルばね等の弾性部材(不図示)により、上流側(矢印A10の反対方向)に向けて押圧される。第1ガイド125は、媒体給送前に、第1位置に配置された下面ガイド124と係合し、載置台103に載置された媒体M1の先端と分離ローラ115の接触を制限する。即ち、第1ガイド125は、媒体給送前に、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部への媒体の進入を阻止する。第1ガイド125は給送アームと連動するように設けられ、第1ガイド125が下面ガイド124と係合している場合、給送アームは第1ガイド125及び下面ガイド124に支持され、給送アームの下方への移動が阻止される。そのため、
図3及び
図4では、給送アームは、分離ローラカバー123内に収納されている。
【0049】
図4に示すように、第1ガイド125は、媒体給送前に、媒体搬送方向A1において、分離ローラ115の上流端より上流側に且つ分離ローラ115の近傍に配置される。そのため、媒体給送前に第1ガイド125に当接して停止している媒体の位置(高さ)と、媒体給送開始直後に分離ローラ115に当接して停止する媒体の位置(高さ)との差は小さく、その高さの差により発生する位置エネルギーの大きさは小さい。したがって、媒体給送開始直後に媒体が分離ローラ115に勢いよく当接し、分離ローラ115が媒体によって押し上げられ、媒体を分離する力が低減することが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の重送の発生を抑制し、複数の媒体を良好に分離することが可能となる。
【0050】
また、第1ガイド125は、下面ガイド124に対して傾くように、第1位置に配置された下面ガイド124と係合する。即ち、第1ガイド125の、媒体M1の先端と接触する接触面125aと、下面ガイド124の支持面124aとがなす角度θ1は、0°より大きく且つ90°より小さくなるように設定される。特に、角度θ1は、45°より大きく且つ90°より小さくなるように設定される。これにより、載置台103に複数の媒体が積載された場合に、媒体給送前に、下側の媒体ほど先端が下流側に配置されるため、媒体給送開始時に、最も下側に配置された媒体が給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部へ進入しやすくなる。したがって、媒体搬送装置100は、媒体給開始時に媒体をスムーズに給送することが可能となり、媒体給送に要する時間を低減させることが可能となる。
【0051】
図3及び
図4に示す例では、第1ガイド125及び下面ガイド124のセットは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2に間隔を空けて複数並べて配置され、各第1ガイド125は、媒体搬送方向A1において略同一位置に配置される。また、第1ガイド125及び下面ガイド124の各セットは、幅方向A2に媒体搬送装置100がサポートする最小媒体サイズ幅(例えばA8サイズの短手方向の長さ)以下の間隔を空けて配置される。これにより、媒体搬送装置100がサポートする最小媒体サイズ幅を有る媒体が給送される場合でも、媒体の先端は、媒体給送前に、各第1ガイド125によって少なくとも二点以上で位置決めされるため、媒体の先端が傾いて配置されることが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体給送前に媒体の先端の一部が分離ローラ115と接触することを抑制し、媒体のスキューが発生することを抑制できる。なお、第1ガイド125及び下面ガイド124の各セットは、幅方向A2に媒体搬送装置100がサポートする最小媒体サイズ幅より大きい間隔を空けて配置されてもよい。
【0052】
第2ガイド126は、給送される媒体の先端と当接する当接面126aを有する。第2ガイド126は、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部より上方に、分離ローラカバー123から突出するように、分離ローラカバー123上に設けられる。
図4に示すように、第2ガイド126は、媒体搬送方向A1において、分離ローラ115の媒体搬送方向A1の上流端と分離ローラ115の中心部Oとの間に配置される。
【0053】
また、
図3に示すように、第2ガイド126は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において、第1ガイド125より外側に、且つ、分離ローラ115の近傍に配置される。例えば、幅方向A2において、第2ガイド126の内側の端部は、分離ローラ115の外側の端部から30mm以内に配置される。これにより、第2ガイド126は、媒体の幅方向A2における中央部を規制することが可能となり、媒体を適切に停止させることが可能となる。特に、第2ガイド126は、小さいサイズの媒体が複数まとめて載置台103に載置されて給送される場合に、媒体の先端を良好に規制することができる。なお、第1ガイド125及び又は第2ガイド126は、幅方向A2において、二つの分離ローラ115の間に配置されてもよい。
【0054】
第2ガイド126は、当接面126aにおいて、所定位置より上方の第1領域126bの摩擦係数が、所定位置より下方の第2領域126cの摩擦係数より大きくなるように形成される。即ち、第2ガイド126は、第1領域126bと第2領域126cとで、表面の粗さが異なるように、又は、部材の摩擦抵抗が異なるように形成される。所定位置は、例えば当接面126aの上端位置と下端位置の間の中心位置に設定される。なお、所定位置は、当接面126a内の任意の位置に設定されてもよい。第1領域126bの摩擦係数は、例えば0.5以上に設定される。第1領域126bには、例えば凹凸形状が形成される。または、第1領域126bに、ゴム部材が貼り付けられてもよい。一方、第2領域126cの摩擦係数は、例えば0.5未満(例えば0.3程度)に設定される。第2領域126cは、例えば樹脂素材で形成される。これにより、第2ガイド126は、当接面126aの上側領域では媒体の先端を引っかけやすくして、媒体の下流側への進入を適切に妨げる。一方、第2ガイド126は、当接面126aの下側領域では媒体の先端をスムーズに落下させて、後述する押圧ローラにより媒体を給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部に良好に導かせる。
【0055】
図3及び
図4に示す例では、第2ガイド126は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2に間隔を空けて複数並べて配置され、各第2ガイド126は、媒体搬送方向A1において略同一位置に配置される。また、各第2ガイド126は、幅方向A2に媒体搬送装置100がサポートする最小媒体サイズ幅にマージン(例えば40mm)を加えた長さ以下の間隔を空けて配置される。これにより、媒体搬送装置100で主として給送される媒体(例えばA6サイズ以上の媒体)が給送される場合に、媒体の先端は、媒体給送前に、各第2ガイド126によって少なくとも二点以上で位置決めされる。そのため、媒体搬送装置100は、媒体の先端が傾いて配置されることを抑制し、媒体のスキューが発生することを抑制できる。
【0056】
図5は、媒体給送中の下面ガイド124及び第1ガイド125について説明するための模式図である。
図5は、媒体給送中の給送機構121を側方から見た模式図である。
【0057】
図5に示すように、給送機構121は、さらに給送アーム127を含む。上記したように、給送アーム127は、分離ローラカバー123内に、分離ローラカバー123に対して上下方向に移動可能に格納される。給送アーム127は、ばね又はゴム等の弾性部材(不図示)を介して分離ローラカバー123内に取り付けられ、その弾性部材により、分離ローラカバー123に対して下方に向けて付勢される。
【0058】
給送アーム127には、押圧ローラ127aが設けられる。押圧ローラ127aは、給送ローラ114と対向し、且つ、給送ローラ114及び分離ローラ115のニップ部より媒体搬送方向A1の上流側に配置される。押圧ローラ127aは、給送ローラ114により給送される媒体を、上方から給送ローラ114側に押圧する。押圧ローラ127aは、給送ローラ114との間で媒体を挟み込み、給送ローラ114により給送される媒体に搬送力を与える。これにより、媒体搬送装置100は、媒体を良好に給送することが可能となる。
【0059】
媒体給送開始時に、下面ガイド124は、ガイド部材122の搬送面122aより下方(矢印A9の方向)に揺動する。これにより、下面ガイド124は、媒体給送時に、載置台103に載置された媒体M1の下面と給送ローラ114の接触を許容する第2位置(
図5に示す配置位置)に配置され、載置台103に載置された媒体M1の下面から離間する。
【0060】
下面ガイド124が第2位置に配置されることにより、第1ガイド125と下面ガイド124の係合が解除される。これにより、第1ガイド125は、載置台103に載置された媒体M1の先端に押されて、下流側(矢印A10の方向)に揺動し、媒体M1は、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部へ進入可能となる。このように、第1ガイド125は、下面ガイド124が第2位置に配置された場合に、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部への媒体M1の進入を許容する。
【0061】
また、上記したように、給送アーム127は、弾性部材により下方に向けて付勢されているため、第1ガイド125と下面ガイド124の係合が解除されることにより、給送アーム127は、下方へ(給送ローラ114側へ)移動する。
図4及び
図5に示す例では、載置台103に載置された媒体M1の量は十分に小さい。この場合、まず、給送ローラ114が、載置台103に載置された媒体M1のうち最も下側に配置された媒体に接触し、その後、押圧ローラ127aが、載置台103に載置された媒体M1のうち最も上側に配置された媒体に接触する。即ち、押圧ローラ127aは、下面ガイド124が第1位置から第2位置に移動した時に、載置台103に載置された媒体の量が所定量未満である場合は、給送ローラ114より後に載置台103に載置された媒体に接触するように設けられる。
【0062】
載置台103に載置された媒体の量が小さい場合、押圧ローラ127aが媒体を押圧した状態で給送ローラ114の回転を開始させると、媒体の先端が上方に撓みやすくなり、媒体のジャムが発生しやすい。媒体搬送装置100は、媒体の量が所定量未満である場合に、押圧ローラ127aより先に給送ローラ114を媒体に接触させて媒体の給送を開始させることにより、媒体の先端が上方に撓んで媒体のジャムが発生することを抑制できる。
【0063】
図6は、載置台103に大量の媒体M2が載置されている場合の下面ガイド124及び第1ガイド125について説明するための模式図である。
図6は、載置台103に大量の媒体M2が載置されている場合の媒体給送開始直後の給送機構121を側方から見た模式図である。
【0064】
上記したように、媒体の給送が開始すると、下面ガイド124が第2位置に配置されて第1ガイド125と下面ガイド124の係合が解除され、給送アーム127が下方へ移動する。
図6に示すように、載置台103に大量の媒体M2が載置されている場合、下面ガイド124が下がりきる前に、給送アーム127が下がってくる。そのため、給送ローラ114が、載置台103に載置された媒体M2のうち最も下側に配置された媒体に接触する前に、押圧ローラ127aが、載置台103に載置された媒体M2のうち最も上側に配置された媒体に接触する。即ち、押圧ローラ127aは、下面ガイド124が第1位置から第2位置に移動した時に、載置台103に載置された媒体の量が所定量以上である場合は、給送ローラ114より前に載置台103に載置された媒体に接触するように設けられる。
【0065】
載置台103に載置された媒体の量が大きい場合、押圧ローラ127aが媒体を押圧した状態で給送ローラ114の回転を開始させることにより、給送ローラ114は、媒体を良好に繰り出すことができる。特に、載置台103に載置された媒体の量が大きい場合、媒体の量が小さい場合と比較して、弾性部材によって、より大きい付勢力が媒体に付与される。例えば弾性部材が圧縮ばねである場合、付勢力の大きさは、ばねの縮み量にばね定数を乗算した乗算値となる。載置台103に載置された媒体の量が大きい場合、ばねの縮み量が大きく、媒体には押圧ローラ127aによって大きい付勢力が付与されるため、給送ローラ114は、媒体を良好に繰り出すことができる。
【0066】
また、載置台103に載置された媒体の量が大きい場合、最も下側に存在する給送対象の媒体の先端は、その上に配置された媒体の重みによって押さえられるため、媒体の先端が上方に撓む可能性が低い。したがって、媒体搬送装置100は、載置台103に載置された媒体の量が大きく、媒体のジャムが発生する可能性が低い場合に、媒体の繰り出し性を優先させて、媒体を良好に給送させることが可能となる。
【0067】
図7は、載置台103に大量の媒体M3が載置されている場合の第2ガイド126について説明するための模式図である。
図7は、載置台103に大量の媒体M3が載置されている場合の媒体給送時の給送機構121を側方から見た模式図である。
【0068】
図7に示すように、第2ガイド126は、載置台103に大量の媒体M3が載置されて、その媒体M3によって分離ローラ115の上流端が下流側に押圧されて変形した場合に、媒体M3の先端に当接して、媒体M3の下流側への進入を阻止する。これにより、第2ガイド126は、媒体M3によって分離ローラ115が上昇して(浮き上がり)、媒体を分離する力が低減することを抑制できる。
【0069】
特に、第2ガイド126は、媒体給送時に、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部の延長面であるニップ面Nから所定距離Dだけ上方側に離れた位置において、媒体の先端を規制する。即ち、第2ガイド126は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て給送ローラ114と重ならないように配置される。これにより、第2ガイド126は、載置台103に載置された媒体M3のうち、上側に配置された媒体にのみ当接する。したがって、第2ガイド126は、下側に配置された媒体が給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部に進入することを許容しつつ、上側に配置された媒体が下流側に進入することを制限する。分離ローラ115には下側に配置された媒体しか当接しないため、第2ガイド126は、分離ローラ115が上昇して(浮き上がり)、媒体を分離する力が低減することを抑制できる。
【0070】
所定距離Dは、例えば媒体搬送装置100がサポートするIDカードの搬送可能数に基づいて設定される。例えば搬送可能数が3枚である場合、所定距離Dは、例えばISO/IEC7810で規定されるID-1のIDカードの厚さの3倍(0.76mm×3=2.28mm)以上の長さに設定される。これにより、第2ガイド126は、搬送可能数のIDカードが給送される場合に、各IDカードを通過させて給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部に進入させることができる。なお、所定距離Dは、例えばISO/IEC7811-1で規定されるエンボスを有するIDカードの厚さの3倍((0.76mm+0.48mm)×3=3.72mm)以上の長さに設定されてもよい。これにより、第2ガイド126は、搬送可能数のエンボスを有するIDカードが給送される場合に、各IDカードを通過させて給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部に進入させることができる。
【0071】
IDカードは、用紙等と比較して剛性が高く、変形しない。そのため、媒体搬送装置100が複数のIDカードを第2ガイド126の位置で分離させようとすると、給送ローラ114による搬送負荷が大きくなる。したがって、複数のIDカードを第2ガイド126の位置で分離させるためには、媒体搬送装置100は、分離ローラ115が給送ローラ114を押圧する力を大きくする必要がある。しかしながら、分離ローラ115が給送ローラ114を押圧する力を大きくし過ぎると、媒体搬送装置100は、用紙等の媒体を分離することが困難になる。第2ガイド126が複数のIDカードを通過可能に設けられることにより、各IDカードは給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部で適切に分離されるため、媒体搬送装置100は、IDカード及び用紙の両方を良好に分離しながら給送することが可能となる。
【0072】
また、IDカードのサイズは小さく、IDカードが給送される際には、サイドガイドがセットされない可能性が高い。さらに、IDカード同士の摩擦力は小さいため、複数のIDカードを第2ガイド126の位置で分離させようとすると、第2ガイド126の位置にとどまるIDカードが傾いてしまい、媒体のスキューが発生する可能性が高くなる。第2ガイド126が複数のIDカードを通過可能に設けられることにより、各IDカードは給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部で適切に分離されるため、媒体搬送装置100は、媒体のスキューの発生を抑制することが可能となる。
【0073】
一方、所定距離Dが大きすぎる場合、分離ローラ115に大量の媒体が当接し、分離ローラ115が上昇して、媒体を分離する力が低減する。所定距離Dを変更しながら、上質紙、コート紙、アート紙等の様々な厚さを有する複数種類の媒体を給送する実験を行った結果、所定距離Dが7mmより大きい場合に、分離ローラ115が浮き上がって媒体の重送が発生する頻度が急増した。したがって、所定距離Dは、7mm以下の長さに設定されることが好ましい。
【0074】
また、
図7に示すように、分離ローラカバー123は、媒体搬送方向A1において分離ローラ115の上流端より上流側に形成されたガイド面123aを有する。ガイド面123aを延長させた延長面Eは、分離ローラ115の中心部Oを通過するように配置される。即ち、ガイド面123aは、高さ方向において、分離ローラ115の中心部Oと同一位置に形成される。載置台103に大量の媒体が載置され、上側に載置された媒体が分離ローラ115の外周面の上側の位置に接触すると、分離ローラ115は、接触する媒体によって上側から押え付けられる。外周面上で媒体が接触する位置が高い程、媒体が分離ローラ115を押え付ける力は大きくなる。媒体が分離ローラ115を押え付ける力が大きい程、給送対象の媒体を給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部に進入させる際に分離ローラ115を持ち上げるための負荷が大きくなり、媒体を搬送させるために必要な給送力が大きくなる。特に、分離ローラ115の外周面において中心部Oより高い位置に媒体が接触する場合、媒体が適切に給送されない給送異常が発生する可能性がある。
【0075】
一方、媒体搬送装置100は、分離ローラカバー123により、載置台103に大量の媒体が載置された場合に、分離ローラ115と接触する位置まで進入する媒体の量を制限することができる。特に、ガイド面123aが分離ローラ115の中心部Oと同じ高さに配置されることにより、媒体搬送装置100は、分離ローラ115の外周面において中心部Oより高い位置に媒体が接触することを防止し、媒体の給送異常が発生することを抑制できる。
【0076】
なお、ガイド面123aを延長させた延長面Eは、分離ローラ115の中心部Oより下方に位置するように配置されてもよい。即ち、ガイド面123aは、高さ方向において、分離ローラ115の中心部Oより下方に形成されてもよい。ガイド面123aが分離ローラ115の中心部Oより低い位置に配置されることにより、媒体搬送装置100は、十分に小さい給送力で媒体を給送することが可能となる。
【0077】
図8は、載置台103に、載置台103に先端がカールした媒体M4が載置されている場合の第2ガイド126について説明するための模式図である。
図8は、載置台103に先端がカールした媒体M4が載置されている場合の媒体給送時の給送機構121を側方から見た模式図である。
図8では、視認性を高めるために、第1ガイド125及び給送アーム127の表示が省略されている。
【0078】
上記したように、分離モードにおいて、給送ローラ114と分離ローラ115の間に複数の媒体が進入した場合、分離ローラ115は、媒体給送方向の反対方向A4に回転して、給送ローラ114と接触していない媒体を押し戻す。一方、給送ローラ114と分離ローラ115の間に一枚の媒体が進入した場合、又は、給送ローラ114と分離ローラ115の間に媒体が存在しない場合、分離ローラ115は、給送ローラ114に連れ回り、媒体給送方向A9に回転する。
【0079】
仮に、第2ガイド126が分離ローラ115の媒体搬送方向A1の上流端より上流側に配置された場合、カールした媒体M4の先端の給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部への進入は、第2ガイド126によって阻止される。そのため、媒体M4は、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部に進入することなく、媒体のジャムが発生する。一方、媒体搬送装置100では、第2ガイド126は、分離ローラ115の媒体搬送方向A1の上流端より下流側に配置される。そのため、カールした媒体M4の先端は、第2ガイド126によって遮られずに分離ローラ115に接触し、媒体給送方向A9に回転する分離ローラ115に導かれて給送ローラ114と分離ローラ115の間に進入する。したがって、媒体搬送装置100は、先端がカールした媒体のジャムが発生することを抑制できる。
【0080】
図9は、第2ガイド126の傾きについて説明するための模式図である。
図9は、第2ガイド126を側方から見た模式図である。
図9では、視認性を高めるために、第1ガイド125及び給送アーム127の表示が省略されている。
【0081】
図9に示すように、第2ガイド126は、媒体の先端と当接する当接面126aが、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ面Nに対して傾くように配置される。即ち、第2ガイド126の当接面126aと、ニップ面Nとがなす角度θ2は、0°より大きく且つ90°より小さくなるように設定される。特に、角度θ2は、45°より大きく且つ90°より小さくなるように設定される。これにより、当接面126aと当接する媒体のうち、下側の媒体ほど先端が下流側に配置されるため、下側に配置された媒体が当接面126aから離間した時に給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部へ進入しやすくなる。したがって、媒体搬送装置100は、媒体給開始時に媒体をスムーズに給送することが可能となり、媒体給送に要する時間を低減させることが可能となる。
【0082】
また、給送ローラ114が媒体給送方向A3に回転した時に、分離ローラ115は、給送ローラ114とのニップ部において給送ローラ114によって引っ張られる。給送ローラ114によって引っ張られることにより、分離ローラ115のニップ部の下流側の端部が膨らみ、それに伴い分離ローラ115のニップ部の上流側の端部がへこむ。したがって、
図9に示すように、分離ローラ115の外周面の上流側且つ下側の部分には、凹み115aが形成される。第2ガイド126の当接面126aは、ニップ面Nに対して傾けられることにより、凹み115aと略平行に配置されるため、当接面126aに当接する各媒体の先端は、当接面126aに均一に当接する。これにより、第2ガイド126は、当接する各媒体に均等に負荷をかけて、各媒体の先端を適切に揃えることが可能となる。その結果、媒体搬送装置100は、媒体をより良好に給送することが可能となる。
【0083】
図10は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0084】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ131、インタフェース装置132、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
【0085】
モータ131は、一又は複数のモータを有し、処理回路150からの制御信号によって、給送ローラ114、分離ローラ115、第1搬送ローラ116、第2搬送ローラ117、第1排出ローラ119及び第2排出ローラ120を回転させて媒体を搬送させる。なお、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ117のうちの一方のローラは他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。また、第1排出ローラ119及び第2排出ローラ120のうちの一方のローラは、他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。また、モータ131は、処理回路150からの制御信号によって、第1位置と第2位置の間で下面ガイド124を移動させる。
【0086】
インタフェース装置132は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置132の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。通信部は、有線LAN等の通信プロトコルに従って、有線通信回線を通じて信号の送受信を行うための有線通信インタフェース装置を有してもよい。
【0087】
記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0088】
処理回路150は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0089】
処理回路150は、操作装置105、表示装置106、積載量センサ111、媒体サイズセンサ112、媒体センサ113、撮像装置118、モータ131、インタフェース装置132及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、媒体センサ113から受信した媒体信号に基づいて、モータ131の駆動制御、撮像装置118の撮像制御等を行い、撮像装置118から入力画像を取得し、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信する。
【0090】
図11は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【0091】
図11に示すように、記憶装置140には、制御プログラム141、画像取得プログラム142及び検出プログラム143等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路150は、制御部151、画像取得部152及び検出部153として機能する。
【0092】
図12は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0093】
以下、
図12に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。なお、
図12に示したフローチャートが実行される前、即ち媒体給送前に、下面ガイド124は第1位置に配置されている。
【0094】
最初に、制御部151は、利用者により操作装置105又は情報処理装置を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105又はインタフェース装置132から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0095】
次に、制御部151は、媒体センサ113から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部151は、一連のステップを終了する。
【0096】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部151は、モータ131を駆動して、下面ガイド124を第1位置から第2位置に移動させる。また、制御部151は、モータ131を駆動して、給送ローラ114、分離ローラ115、第1搬送ローラ116、第2搬送ローラ117、第1排出ローラ119及び/又は第2排出ローラ120を回転させて、媒体を搬送させる(ステップS103)。
【0097】
次に、画像取得部152は、撮像装置118に媒体を撮像させて、撮像装置118から入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信することにより出力する(ステップS104)。
【0098】
次に、制御部151は、媒体センサ113から受信する媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS105)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部151は、処理をステップS104へ戻し、ステップS104~S105の処理を繰り返す。
【0099】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部151は、給送ローラ114、分離ローラ115、第1搬送ローラ116、第2搬送ローラ117、第1排出ローラ119及び/又は第2排出ローラ120を停止させるように、モータ131を制御する。また、制御部151は、下面ガイド124を第2位置から第1位置に移動させるように、モータ131を制御し(ステップS106)、一連のステップを終了する。
【0100】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、媒体給送前に媒体の先端と分離ローラ115の接触を制限する第1ガイド125を有する。さらに、媒体搬送装置100は、分離ローラ115の上流端より下流側に配置され、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部から所定距離だけ上方側で媒体の先端を規制する第2ガイド126を有する。これにより、媒体搬送装置100は、第1ガイド125による制限が解除された媒体のうち、適切な量の媒体のみをニップ部に導き、他の媒体が分離ローラ115を押圧することを抑制する。これにより、媒体搬送装置100は、分離ローラ115が上昇して(浮き上がり)、媒体を分離する力が低減することを抑制することが可能となった。したがって、媒体搬送装置100は、複数の媒体を良好に分離することが可能となり、媒体の重送の発生を抑制することが可能となった。また、媒体搬送装置100は、先端がカールした媒体の給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部への進入が第2ガイド126によって阻止されることを抑制することが可能となった。したがって、媒体搬送装置100は、媒体を良好に給送することが可能となった
【0101】
一般に、載置台103に載置された媒体の量が大きくなるほど、媒体が分離ローラ115を押し込む力が大きくなり、媒体の重送が発生する可能性が高くなる。媒体搬送装置100は、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部から所定距離だけ上方側で媒体の先端を規制することにより、載置台103に載置された媒体の量にかかわらず、媒体の重送の発生を抑制し、媒体を安定して給送することが可能となった。
【0102】
また、媒体搬送装置100は、通常用紙、先端がカールしやすい薄紙、カード、厚紙、パスポート等、様々な種類の媒体を良好に給送することが可能となった。
【0103】
このように、媒体搬送装置100は、給送する媒体の数又は種類によらず、媒体を安定して給送することが可能となった。そのため、利用者は、給送する媒体の数又は種類に応じて媒体搬送装置100の設定を変更する必要がなくなり、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることが可能となった。それに伴い、媒体搬送装置100は、利用者による設定誤りの発生を抑制し、設定誤りによる誤動作の発生を抑制することが可能となった。また、媒体搬送装置100は、特殊な種類の媒体を給送するために、又は、大量の媒体を給送するために、特別な部品を設ける必要がなくなり、装置コストの増大を抑制することが可能となった。
【0104】
図13及び
図14は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における分離ローラカバー223及び第2ガイド226について説明するための模式図である。
図13は、分離ローラカバー223を上流側から見た模式図である。
図14は、分離ローラカバー223を側方から見た模式図である。
図13及び
図14では、視認性を高めるために、ガイド部材122の表示が省略されている。
【0105】
図13及び
図14に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、分離ローラカバー123及び第2ガイド126の代わりに分離ローラカバー223及び第2ガイド226を有する。
【0106】
分離ローラカバー223及び第2ガイド226は、分離ローラカバー123及び第2ガイド126と同様の構成を有する。但し、第2ガイド226は、固定部226a及び移動部226bを有する。固定部226aは、分離ローラカバー223に固定されるように設けられる。固定部226aは、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部の延長面であるニップ面Nから所定距離Dだけ上方側に設けられる。移動部226bは、固定部226aと、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部の間に、給送される媒体の先端によって移動可能に設けられる。移動部226bは、固定部226aの下端に、下流側(
図14の矢印A11の方向)に揺動(回転)可能に設けられ、ねじりコイルばね等の弾性部材(不図示)により、上流側(矢印A11の反対方向)に向けて押圧される。
【0107】
載置台103に複数の媒体が載置された場合、各媒体には給送ローラ114によって下流側に向かう力が付与され、分離ローラ115によって上流側に向かう力が付与される。弾性部材により移動部226bにかかる押圧力は、給送ローラ114と接触している媒体にかかる下流側に向かう力より小さく、且つ、給送ローラ114と接触していない媒体にかかる下流側に向かう力より大きくなるように設定される。これにより、載置台103に複数の媒体が載置された場合、給送対象の媒体を給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部に導きつつ、他の媒体がそのニップ部に進入することを阻止する。したがって、第2ガイド226は、給送対象の媒体(カード等を含む)を給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部に良好に導きつつ、媒体の重送の発生を抑制することができる。
【0108】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第2ガイド226が固定部226a及び移動部226bを有する場合も、媒体を良好に給送することが可能となった。
【0109】
図15及び
図16は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における分離ローラカバー323及び第2ガイド326について説明するための模式図である。
図15は、分離ローラカバー323を上流側から見た模式図である。
図16は、分離ローラカバー323を側方から見た模式図である。
図15及び
図16では、視認性を高めるために、ガイド部材122の表示が省略されている。
図15及び
図16は、媒体給送前(初期状態)の第2ガイド326を示す。
【0110】
図15及び
図16に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、分離ローラカバー123及び第2ガイド126の代わりに分離ローラカバー323及び第2ガイド326を有する。
【0111】
分離ローラカバー323及び第2ガイド326は、分離ローラカバー123及び第2ガイド126と同様の構成を有する。但し、第2ガイド326は、シャフト326a、当接部326b及びアーム326cを有する。
図15及び
図16に示す例では、第2ガイド326は、当接部326b及びアーム326cを二つずつ有している。
【0112】
シャフト326aは、幅方向A2に延伸する回転軸を中心に回転可能に分離ローラカバー323に設けられ、ねじりコイルばね等の弾性部材(不図示)により、上流側(矢印A12の反対方向)に向けて押圧される。
【0113】
当接部326bは、給送される媒体の先端と当接する第1当接面を有し、シャフト326a上に、シャフト326aの回転に従って回転(揺動)可能に設けられる。媒体給送前(初期状態)において、第1当接面は、媒体の先端と当接しない非当接位置(
図15及び
図16に示す配置位置)に配置される。当接部326bは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において、第1ガイド125より外側に、且つ、分離ローラ115の近傍に配置される。各当接部326bは、媒体搬送方向A1において略同一位置に配置される。また、各当接部326bは、幅方向A2に媒体搬送装置100がサポートする最小媒体サイズ幅にマージンを加えた長さ以下の間隔を空けて配置される。
【0114】
アーム326cは、給送される媒体の上面と当接する第2当接面を有し、アーム326cの移動(揺動)に伴ってシャフト326aを回転させるように、シャフト326a上に設けられる。アーム326cは、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において、当接部326bより外側に配置される。各アーム326cは、ISO/IEC7810で規定されるID-1のIDカードの長手方向の長さ(85.6mm)、又は、折りたたんだ状態のパスポートの長手方向の長さ(125mm)より大きい間隔を空けて配置される。各アーム326cは、媒体搬送方向A1において略同一位置に配置される。
【0115】
図17及び
図18は、当接部326bがセットされた状態の第2ガイド326について説明するための模式図である。
図17は、分離ローラカバー323を上流側から見た模式図である。
図18は、分離ローラカバー323を側方から見た模式図である。
図17及び
図18では、視認性を高めるために、ガイド部材122の表示が省略されている。
【0116】
図17及び
図18に示すように、載置台103に所定高さ以上の高さを有する媒体群が載置され、その媒体群の上面がアーム326cの第2当接面に当接すると、アーム326cはその媒体群によって押し上げられ、上方に移動する。アーム326cの上方への移動に伴って、シャフト326aは矢印A12の方向に回転し、シャフト326aの回転に伴って、当接部326bは矢印A12の方向に揺動する。これにより、当接部326bの当接面は、給送される媒体の先端と当接する当接位置(
図17及び
図18に示す配置位置)にセットされる。
【0117】
当接位置にセットされた当接部326bは、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部より上方に設けられ、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て給送ローラ114と重ならないように配置される。また、当接位置にセットされた当接部326bは、媒体搬送方向A1において、分離ローラ115の媒体搬送方向A1の上流端と分離ローラ115の中心部Oとの間に配置される。
【0118】
このように、第2ガイド326は、分離ローラ115と当接する媒体の高さが所定高さ以上である場合に、その媒体によって移動可能に設けられる。これにより、第2ガイド326は、二つのアーム326cの間の距離より長い幅を有し且つアーム326cと当接する高さを有する媒体群が載置台103に配置された場合に、その媒体群の先端に当接して、媒体群の下流側への進入を阻止する。したがって、第2ガイド326は、媒体群によって分離ローラ115が上昇して(浮き上がり)、媒体を分離する力が低減することを抑制できる。一方、アーム326cの配置間隔より短い幅を有するIDカード又はパスポート等の媒体が載置台103に載置された場合、アーム326cはその媒体に当接しないため、当接部326bは非当接位置に配置される。そのため、当接部326bは、IDカード又はパスポート等の厚みを有する媒体の給送を阻止することなく、媒体を良好に給送させることが可能となる。
【0119】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第2ガイド326が、媒体の高さに応じて移動可能に設けられる場合も、媒体を良好に給送することが可能となった。
【0120】
図19は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における分離ローラカバー423及び第2ガイド426について説明するための模式図である。
図19は、分離ローラカバー423を側方から見た模式図である。
図19では、視認性を高めるために、ガイド部材122の表示が省略されている。
図19は、媒体給送前(初期状態)の第2ガイド426を示す。
【0121】
図19に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、分離ローラカバー123及び第2ガイド126の代わりに分離ローラカバー423、第2ガイド426及びカム427を有する。
【0122】
分離ローラカバー423及び第2ガイド426は、分離ローラカバー123及び第2ガイド126と同様の構成を有する。但し、第2ガイド426は、分離ローラカバー423に、上流側(
図19の矢印A13の方向)に揺動(回転)可能に設けられ、ねじりコイルばね等の弾性部材(不図示)により、下流側(矢印A13の反対方向)に向けて押圧される。媒体給送前(初期状態)において、第2ガイド426は、媒体の先端と当接しない非当接位置(
図19に示す配置位置)に配置される。
【0123】
カム427は、分離ローラカバー423に、モータ131の駆動力によって
図19の矢印A14の方向に揺動(回転)可能に設けられる。媒体給送前(初期状態)において、カム427は、第2ガイド426と離間する位置に配置される。
【0124】
図20は、セットされた状態の第2ガイド426について説明するための模式図である。
図20は、分離ローラカバー423を側方から見た模式図である。
図20では、視認性を高めるために、ガイド部材122の表示が省略されている。
【0125】
図20に示すように、モータ131の駆動力によってカム427が矢印A14の方向に回転して第2ガイド426と当接すると、第2ガイド426は、カム427によって上流側(矢印A13の方向)に揺動する。これにより、第2ガイド426は、給送される媒体の先端と当接する当接位置(
図20に示す配置位置)にセットされる。
【0126】
当接位置において、第2ガイド426は、給送ローラ114と分離ローラ115のニップ部より上方に設けられ、媒体搬送方向と直交する幅方向A2から見て給送ローラ114と重ならないように配置される。また、当接位置にセットされた第2ガイド426は、媒体搬送方向A1において、分離ローラ115の媒体搬送方向A1の上流端と分離ローラ115の中心部Oとの間に配置される。
【0127】
第2ガイド426は、当接位置に配置された場合に、媒体の先端に当接して、媒体の下流側への進入を阻止しつつ、非当接位置に配置された場合に、媒体の給送を阻止することなく、媒体を給送させる。
【0128】
図21は、第2ガイド426及びカム427を有する媒体搬送装置の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0129】
以下、
図21に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図21に示したフローチャートは、
図12に示したフローチャートの代わりに実行される。
図21に示したフローチャートのステップS201~S203及びS211~S213の処理は、
図12に示したフローチャートのステップS101~S103及びS104~S106の処理と同様であるため説明を省略する。以下では、ステップS204~S210の処理についてのみ説明する。なお、
図21に示したフローチャートが実行される前、即ち媒体給送前に、第2ガイド426は非当接位置に配置されている。
【0130】
ステップS204において、制御部151は、給送モードが分離モードに設定されているか非分離モードに設定されているかを判定する(ステップS204)。
【0131】
給送モードが非分離モードに設定されている場合、制御部151は、モータ131を駆動して、第2ガイド426を非当接位置に配置し(ステップS205)、処理をステップS211へ移行する。このように、制御部151は、媒体搬送装置100が非分離モードで動作する場合に、第2ガイド426を退避させる。これにより、制御部151は、パスポートのように厚みを有する冊子が非分離モードで給送される場合に、第2ガイド426を退避させて、冊子を良好に給送することができる。なお、第2ガイド426が既に非当接位置に配置されている場合、制御部151は、特に処理を実行せずに、処理をステップS211へ移行する。
【0132】
一方、給送モードが分離モードに設定されている場合、検出部153は、積載量センサ111から積載量信号を受信し、受信した積載量信号に基づいて載置台103に載置された媒体の積載量を検出する(ステップS206)。媒体搬送装置100は、積載量信号の信号値と、媒体の積載量(高さ又は重さ)との関係を示すテーブルを予め記憶装置140に記憶しておく。検出部153は、そのテーブルを参照して、受信した積載量信号の信号値に対応する積載量を、載置台103に載置された媒体の積載量として特定する。
【0133】
次に、制御部151は、検出された積載量が所定量以上であるか否かを判定する(ステップS207)。所定量は、第2ガイド426による媒体の規制が必要な積載量に予め設定される。
【0134】
積載量が所定量未満である場合、制御部151は、モータ131を駆動して、第2ガイド426を非当接位置に配置し(ステップS205)、処理をステップS211へ移行する。なお、第2ガイド426が既に非当接位置に配置されている場合、制御部151は、特に処理を実行せずに、処理をステップS211へ移行する。
【0135】
一方、積載量が所定量以上である場合、検出部153は、媒体サイズセンサ112から媒体サイズ信号を受信し、受信した媒体サイズ信号に基づいて載置台103に載置された媒体のサイズを検出する(ステップS208)。媒体サイズ信号が、各発光器及び受光器と対向する位置に媒体が存在するか否かを示す場合、検出部153は、対向する位置に媒体が存在する発光器及び受光器のセットの中で最も外側に位置する二つのセットの配置間隔を媒体の幅方向A2のサイズとして検出する。媒体サイズ信号が、各接触検知センサと対向する位置に媒体が存在するか否かを示す場合、検出部153は、対向する位置に媒体が存在するセンサの中で最も外側に位置する二つのセンサの配置間隔を媒体の幅方向A2のサイズとして検出する。また、媒体サイズ信号が画像信号である場合、検出部153は、公知の画像処理技術を利用して、画像信号から媒体の媒体搬送方向A1及び/又は幅方向A2のサイズを検出する。
【0136】
次に、制御部151は、検出された媒体のサイズが所定サイズ以上であるか否かを判定する(ステップS209)。所定サイズは、例えばISO/IEC7810で規定されるID-1のIDカードの長手方向の長さ(85.6mm)、又は、折りたたんだ状態のパスポートの長手方向の長さ(125mm)にマージンを加えたサイズに設定される。検出部153により、媒体の媒体搬送方向A1及び幅方向A2のサイズが検出されている場合、制御部151は、検出された媒体のサイズのうち、長い方のサイズが所定サイズ以上であるか否かを判定する。なお、その場合、制御部151は、検出された媒体のサイズのうち、短い方のサイズが所定サイズ以上であるか否かを判定してもよい。
【0137】
媒体のサイズが所定サイズ未満である場合、制御部151は、モータ131を駆動して、第2ガイド426を非当接位置に配置し(ステップS205)、処理をステップS211へ移行する。なお、第2ガイド426が既に非当接位置に配置されている場合、制御部151は、特に処理を実行せずに、処理をステップS211へ移行する。
【0138】
一方、媒体のサイズが所定サイズ以上である場合、制御部151は、モータ131を駆動して、第2ガイド426を当接位置に配置する(ステップS210)。なお、第2ガイド426が既に当接位置に配置されている場合、制御部151は、特に処理を実行せずに、処理をステップS211へ移行する。
【0139】
このように、制御部151は、載置台103に載置された媒体の積載量に応じて、第2ガイド426を移動させる。これにより、制御部151は、媒体の積載量が大きい場合に、第2ガイド426をセットしつつ、媒体の積載量が小さい場合には、第2ガイド426を退避させることが可能となる。したがって、制御部151は、媒体の積載量が大きい場合に媒体を良好に分離しつつ、媒体の積載量が小さい場合には、第2ガイド426によって、先端がカールした媒体のジャムが発生することを抑制できる。
【0140】
また、制御部151は、載置台103に載置された媒体のサイズに応じて、第2ガイド426を移動させる。これにより、制御部151は、パスポート又はカードのように小型で且つ厚みを有する媒体が給送される場合に、第2ガイド426を退避させつつ、一般的な用紙等が給送される場合に、第2ガイド426をセットすることが可能となる。したがって、制御部151は、パスポート又はカードのように小型で且つ厚みを有する媒体を良好に給送しつつ、一般的な用紙等を良好に分離することが可能となる。
【0141】
なお、制御部151は、積載量が所定量以上であること、又は、媒体のサイズが所定サイズ以上であることのうち、少なくとも一方の条件が満たされた場合に、第2ガイド426を当接位置に配置してもよい。また、ステップS204の処理は省略されてもよい。また、ステップS206~S207及び/又はステップS208~S209の処理は省略されてもよい。
【0142】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第2ガイド426が、制御部151による制御に応じて移動可能に設けられる場合も、媒体を良好に給送することが可能となった。
【0143】
図22は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路550の概略構成を示す図である。処理回路550は、媒体搬送装置100の処理回路150の代わりに使用され、処理回路150の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路550は、制御回路551、画像取得回路552及び検出回路553等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0144】
制御回路551は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路551は、操作装置105又はインタフェース装置132から操作信号を、媒体センサ113から媒体信号を、検出回路553から、媒体の積載量及びサイズの検出結果を受信する。制御回路551は、受信した各情報に基づいてモータ131を制御する。
【0145】
画像取得回路552は、画像取得部の一例であり、画像取得部152と同様の機能を有する。画像取得回路552は、撮像装置118から入力画像を取得し、インタフェース装置132に出力する。
【0146】
検出回路553は、検出部の一例であり、検出部153と同様の機能を有する。検出回路553は、積載量センサ111から積載量信号を、媒体サイズセンサ112から媒体サイズ信号を受信する。検出回路553は、受信した各信号に基づいて、媒体の積載量及びサイズを検出し、検出結果を制御回路551に出力する。
【0147】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路550を用いる場合においても、媒体を良好に給送することが可能となった。
【符号の説明】
【0148】
100 媒体搬送装置、103 載置台、114 給送ローラ、115 分離ローラ、123 分離ローラカバー、123a ガイド面、124 下面ガイド、125 第1ガイド、126、226、326、426 第2ガイド、151 制御部、153 検出部、226a 固定部、226b 移動部