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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】在庫管理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0836 20230101AFI20240425BHJP
【FI】
G06Q10/0836
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2019546194
(86)(22)【出願日】2018-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 US2018019537
(87)【国際公開番号】W WO2018156966
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】62/463,017
(32)【優先日】2017-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518129503
【氏名又は名称】ウォルマート アポロ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ラート ジョン ジー ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】フォスナイト ウィリアム ジェイ
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0087610(US,A1)
【文献】特開2002-160813(JP,A)
【文献】特表2013-522144(JP,A)
【文献】特開2012-079024(JP,A)
【文献】特開平09-175602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単品のエンドツーエンド追跡のための自動化された供給網であって、
メーカーから単品を受け取り、マーケットに前記単品を配送するための一または二以上の流通センターであって、個々の単品の出荷が第一のケースのセットから、異なるトートに分解されるデカンティングステーションを備える、前記一または二以上の流通センターと、
前記単品を輸送するためのパレット、第ニのケースのセットおよび前記トートのうち一または二以上であって、追跡システムを備え、前記第ニのケースのセットが前記第一のケースのセットを含む、前記一または二以上のパレット、ケースおよびトートと、
前記一または二以上の流通センターと前記マーケットとの間の出荷のために単品を分類するための前記一または二以上の流通センターにおける複数のロボットであって、前記単品は前記一または二以上の流通センターのうち一つの流通センターにおいて前記一または二以上のパレット、ケースおよびトート間を移動し、
前記複数のロボットが、単品のケースを備えるパレットを受け取るように構成されたロボットの第一のグループと、
前記マーケットへ商品を輸送するための注文を処理するため、または、前記マーケットへ商品を輸送する前記一または二以上の流通センターの他へ商品を輸送するための注文を処理するために、トート格納場所から前記単品を含む前記トートを選択的に回収するように構成されたロボットの第ニのグループと、を備える、前記複数のロボットと、
少なくとも一つのプロセッサおよびコンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つの非一過のメモリを備える統一コマースエンジン(UCE)であって、前記統一コマースエンジンは前記追跡システムから識別情報を受け取り、格納するように構成され、前記UCEは前記識別情報を使用して前記メーカーからの受け取りから前記マーケットへの配送まで前記一または二以上の流通センターの各々において前記パレット、ケースおよびトート内の単品の所在を追跡する、前記統一コマースエンジン(UCE)と、
を備える、
自動化された供給網。
【請求項2】
前記UCEが前記供給網に含まれた前記単品に関連する前記メーカーにデータを示すように構成され、前記データが供給網全体のあらゆる段階における前記所在、在庫レベル、在庫速度、販売レベルのうち少なくとも一つを備える、請求項1に記載の自動化された供給網。
【請求項3】
前記マーケットからの単品の注文が前記UCEに格納される、請求項1に記載の自動化された供給網。
【請求項4】
前記マーケットにおける単品の販売が前記UCEに格納される、請求項1に記載の自動化された供給網。
【請求項5】
前記品のサブセットが、別々のサブトートにデカントされる、請求項1に記載の自動化された供給網。
【請求項6】
前記複数のロボットのうち一または二以上が単品のケースをトートおよびサブトートのうち少なくとも一つまで分解するためのデカンティングロボットを備え、前記デカンティングロボットが前記デカンティングステーションに備えられる、請求項5に記載の自動化された供給網。
【請求項7】
前記一または二以上の流通センターが地域流通センターおよびマーケット流通センターを備え、単品が前記マーケット流通センターから前記マーケットに出荷される、請求項1に記載の自動化された供給網。
【請求項8】
前記一または二以上の流通センターがマーケット流通センターを備える、請求項1に記載の自動化された供給網。
【請求項9】
ーケットの注文に応答して混載された単品のサブトートを用いて注文トートを処理するように構成された、一または二以上のロボットの第三のグループを備え、注文トートは注文を処理するための単品を含むトートである、請求項に記載の自動化された供給網。
【請求項10】
前記マーケットが小売店および流通センターのうち一つを備える、請求項1に記載の自動化された供給網。
【請求項11】
単品のエンドツーエンド追跡のための自動化された供給網であって、
メーカーから単品を受け取り、マーケットに前記単品を配送するための複数の流通センターであって、個々の単品の出荷が第一のケースのセットから、異なるトートに分解されるデカンティングステーションを備える、前記一または二以上の流通センターと、
前記単品を輸送するためのパレット、第ニのケースのセットおよび前記トートのうち一または二以上であって、追跡システムを備える、前記一または二以上のパレット、ケースおよびトートと、
複数の流通センターにおけるロボットであって、前記複数の流通センター間および流通センターと前記マーケットとの間の出荷のために単品の全ての分類および輸送を取り扱い、前記単品は前記一または二以上の流通センターのうち一つの流通センターにおいて前記一または二以上のパレット、ケースおよびトート間を移動し、
前記複数のロボットが、単品のケースを備えるパレットを受け取るように構成されたロボットの第一のグループと、
前記マーケットへ商品を輸送するための注文を処理するため、または、前記マーケットへ商品を輸送する前記一または二以上の流通センターの他へ商品を輸送するための注文を処理するために、トート格納場所から前記単品を含む前記トートを選択的に回収するように構成されたロボットの第ニのグループと、を備える、前記複数のロボットと、
少なくとも一つのプロセッサおよびコンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つの非一過性のメモリを備える統一コマースエンジン(UCE)であって、前記統一コマースエンジンは前記複数の流通センターの各々にある前記追跡システムから識別情報を受け取り、格納するように構成される、前記統一コマースエンジン(UCE)と、
を備え、
前記UCEにより前記識別情報が使用されることで前記複数の流通センターのうち第一の流通センター内での受け取りから前記複数の流通センターのうち最後の流通センターまでの単品の所在の追跡が保証される、
自動化された供給網。
【請求項12】
前記UCEが前記単品のケースが出荷されるパレットからのデータをキャプチャすることにより単品に関する識別情報をキャプチャする、請求項11に記載の自動化された供給網。
【請求項13】
前記UCEが前記単品が出荷されるコンテナおよびサブトートのうち少なくとも一つからのデータをキャプチャすることにより単品に関する識別情報をキャプチャする、請求項11に記載の自動化された供給網。
【請求項14】
前記UCEが前記単品が出荷されるケースからのデータをキャプチャすることにより単品に関する識別情報をキャプチャする、請求項11に記載の自動化された供給網。
【請求項15】
前記一またはニ以上のパレットがそれぞれ単品の一品種のケースを備え、各々が単品の多品種のケースを備える一または二以上のパレットを形成するためにボットの第三のグループが前記パレットを分解する、請求項11に記載の自動化された供給網。
【請求項16】
識別子が前記単品の多品種のケースのうちの一または二以上のパレットの各々に割り当てられ、一または二以上の識別子が前記UCEにより追跡され、格納される、請求項15に記載の自動化された供給網。
【請求項17】
前記デカンティングステーションが単品の異種のケースの前記一または二以上のパレットを受け取るように構成され、単品を備える一または二以上のトートまたはサブトートを形成するために前記パレットを分解する、請求項15に記載の自動化された供給網。
【請求項18】
識別子が前記トートまたはサブトートの各々に割り当てられ、前記トートまたはサブトートの前記一または二以上の識別子が前記UCEにより追跡され、格納される、請求項17に記載の自動化された供給網。
【請求項19】
前記トートまたはサブトートへの前記単品の品揃えが前記マーケットの要求に基づいて設定される、請求項17に記載の自動化された供給網。
【請求項20】
前記メーカーが前記メーカーからの出発から前記マーケットでの顧客への販売まで前記単品の前記所在を追跡するように、前記UCEが前記メーカーによりアクセス可能である、請求項11に記載の自動化された供給網。
【請求項21】
前記複数の流通センターが地域流通センターおよびマーケットセンターを備える、請求項11に記載の自動化された供給網。
【請求項22】
単品が前記メーカーから前記地域流通センターまで、前記地域流通センターからマーケット流通センターまで、および前記マーケット流通センターから前記マーケットまで移動する、請求項21に記載の自動化された供給網。
【請求項23】
単品のエンドツーエンド追跡のための自動化された供給網であって、
メーカーから単品を受け取り、マーケットに前記単品を配送するための複数の流通センターであって、異なるトートに入れられた個々の単品の出荷が第一のケースのセットから分解されるデカンティングステーションを備える、前記複数の流通センターと、
前記単品を輸送するためのパレット、第ニのケースのセットおよび前記トートのうち一または二以上であって、追跡システムを備え、前記第ニのケースのセットが前記第一のケースのセットを含む、前記一または二以上のパレット、ケースおよびトートと、
前記トートを格納するように構成された前記流通センターのうち一または二以上にあるストレージラックと、
前記トートを受け取るように構成された前記流通センターのうち一または二以上におけるワークステーションと、
前記流通センターのうち一または二以上におけるワークステーションロボットおよびビジョン追跡システムのうち一つであって、前記ワークステーションロボットは前記ワークステーションにおいて前記トートの製品トートから前記トートの注文トートに単品を輸送するように構成され、前記ビジョン追跡システムは前記ワークステーションにおいて前記注文トートに前記製品トートを直接手動で輸送するように構成され、製品トートは前記ストレージラックに単品を格納するためのトートであり、注文トートは注文を処理するための単品を受け取るトートである、前記流通センターのうち一または二以上におけるワークステーションロボットおよびビジョン追跡システムのうち一つと、
前記複数の流通センターのうち一または二以上における複数のロボットであって、前記複数の移動型ロボットは前記複数の流通センターのうち一または二以上への、または前記複数の流通センターのうち一または二以上からの出荷のために単品を分類し、輸送するように構成され
前記複数のロボットが、単品のケースを備えるパレットを受け取るように構成されたロボットの第一のグループと、
前記マーケットへ商品を輸送するための注文を処理するため、または、前記マーケットへ商品を輸送する前記一または二以上の流通センターの他へ商品を輸送するための注文を処理するために、トート格納場所から前記単品を含む前記トートを選択的に回収するように構成されたロボットの第ニのグループと、を備える、前記複数のロボットと、
少なくとも一つのプロセッサおよびコンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つの非一過性のメモリを備える統一コマースエンジン(UCE)であって、前記UCEが前記メーカーからの単品の受け取りから前記マーケットにおける単品の販売および配送までの前記自動化された供給網において単品を追跡することにより前記自動化された供給網のあらゆる段階において単品を確保するように構成される、前記追跡システムと、
を備える、自動化された供給網。
【請求項24】
前記統一コマースエンジンがさらに前記自動化された供給網に含まれる前記単品に関連して前記メーカーにデータを示すように構成される、請求項23に記載の自動化された供給網。
【請求項25】
前記データが前記単品の所在、在庫レベル、在庫速度および販売レベルを備える前記統一コマースエンジンにより示される、請求項24に記載の自動化された供給網。
【請求項26】
前記統一コマースエンジンがさらに前記自動化された供給網に含まれる専用商品に関連するデータを分けて示すように構成され、前記データが供給網プロセス全体の内部およびあらゆる段階での前記自動化された供給網における所在、在庫レベル、在庫速度および販売レベルを備える、請求項23に記載の自動化された供給網。
【請求項27】
前記複数の流通センターが地域流通センターおよびマーケットセンターを備える、請求項23に記載の自動化された供給網。
【請求項28】
単品が前記メーカーから前記地域流通センターまで、前記地域流通センターからマーケット流通センターまで、および前記マーケット流通センターから前記マーケットまで移動する、請求項27に記載の自動化された供給網。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本出願は「INVENTORY MANAGEMENT SYSTEM AND METHOD」と題する、2017年2月24日に出願された米国仮特許出願第62/463,017号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
従来のセルフサービス店のチェーンでは、店舗の在庫を補充する最もコスト効率の高い方法は間違いなく「ケース(case)」によるもの、すなわち供給メーカーから受け取った製品の出荷ケースを店舗に供給することである。代わりとなるのは「単品(”each” or ”eaches”)」で補充すること、すなわちケースの数量に満たない個々の製品単位で店舗に供給する方法であるが、この方法は非常にコストがかかるため、スーパーマーケットおよびハイパーマーケットのような大型店においてはパレット出荷で出荷されたケースを主な単位として補充することが一般的である。
【0003】
従来の流通モデルでは小売店は流通センター(「DC」)でケースのパレットを受け取るが、その本質的な役割はその店舗で要求される(「注文」済みの)製品のケースの固有のセットを各店舗に定期的に出荷することにより店舗ネットワーク内の在庫を補充することである。DCの大部分では、それらの注文はケースのパレットを通路に並べ、人間のオペレータが一つの製品パレットから別の製品パレットに移動して店舗から注文された単品のケース数を移す手動のケースピッキングプロセスを使用して処理され、店舗に出荷するために注文パレットに選択されたケースを載せる。これらのシステムは人間が介在することにより在庫の欠品が発生する点で安全な(secure)ものではない。ある程度のオートメーションを有するシステムでさえもメーカーから顧客まで単品を追跡するための効果的な追跡システムを有していない。
【発明の概要】
【0004】
本開示技術は、概要を説明すると、追跡技術および統一コマースエンジン(UCE)との組み合わせで完全に自動化された供給網を備えるシステムに関する。このようなシステムにより全ての商品(または単品)の正確な所在をメーカーの施設から顧客のバッグまで追跡することが可能になる。一例によると、この供給網は一または二以上の入ってくる(incoming)パレットを引き取るように構成されたRDCロボティックオートメーションを備えた地域流通センターを有する注文処理システムおよび商品の各ケースが共通の単品を含んでいる共通の商品のケースを複数有する単品のパレット、さらに商品の共通のケースを取り出し、格納するように構成されたRDCロボティックオートメーション、さらに流通センターの注文に応答して一または二以上の出ていく(outgoing)パレットを提供するように構成されたRDCロボティックオートメーションおよび混載された商品のケースを複数有する単品の出ていくパレット、出ていくパレットのうち一または二以上を受け取るように構成されたMDCロボティックオートメーションを有するマーケット流通センターおよびさらに一または二以上の出ていくパレットから混載された商品のケースを取りだす用に構成されたMDCロボティックオートメーション、ならびにさらにMDCストレージシステム内の混載された商品のケースの各々から単品を取り出し、格納するように構成されたMDCロボティックオートメーションおよびさらにマーケットの注文に応答して注文トートを満たすように構成されたMDCロボティックオートメーションを備える。MDCロボティックオートメーションはさらにマーケットの販売速度に柔軟に一致する共通または異なる注文トートおよびサブトートを複数用いてマーケットの注文を処理するように構成される。
【0005】
別の例によると、完全に自動化された供給網により単品が顧客のバッグに到達するまでメーカーがその所有権を保持することができる委託モデルが可能になる。小売店がメーカーに対して単品の所在および安全を保証することができないために彼らが所有権を持つ現在のシステムとは対照的である。
【0006】
別の例によると、地域流通センターは複数のマーケット流通センターからの注文を処理する。
【0007】
別の例によると、地域流通センターおよびマーケット流通センターは統合された流通センターを備える。
【0008】
別の例によると、マーケット流通センターによりスケールがデカント(すなわち、ケースから様々なサイズのトート/サブトートへと移すこと)を自動化すること、およびパレット上のケースよりも密度の低いトート/サブトート内にある単品の出荷の輸送コストを最小化することが可能になる。例えば、混載されたケースはメーカーまたは地域流通センターからマーケット流通センターまでの長い運搬(例えば、数千マイル)のためにパレットで出荷され得る。マーケット流通センターでは、パレットはより密度が低いトートおよびサブトートに分解され、続いてマーケットに向けてより短い距離(例えば、数十マイル)を出荷される。
【0009】
別の例によると、一般にマーケット流通センターおよび自動化された供給網により単品をマーケットの販売速度に一致したトート/サブトートでマーケットに出荷することが可能になる。これによりマーケットが迅速な補充、最小限の在庫を活用し、より小規模な店舗でより多くの製品(SKU)を顧客に提供することが可能になる。これにより品揃えを制限するか、または店舗を大きくするかという現在のマーケットの重大な問題が解決される。品揃えが制限されると、彼らは顧客を失う。彼らが品揃えを増やす場合、ケースレベルで受け取った単品を格納するために店舗をより広くしなければならない。本技術を用いれば、マーケットは店舗を広げることなく品揃えを増やすことが可能である。
【0010】
さらなる例によると、メーカーが彼らの製品のサイズを顧客に合わせて最適化し、トートおよびサブトートを使用することが一般的になると、彼らはトートおよびサブトートの内側に効率的に合わせるために彼らのパッケージを最適化するようになると予想される。
【0011】
別の例によると、少なくとも一つのプロセッサおよびコンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つの非一過性のメモリが提供され、少なくとも一つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは少なくとも一つのプロセッサを用いて、近付いてくるパレットの取り込みからマーケット注文の配送まで実質的に常に商品のトレーサビリティを提供し、商品を自動的に確保および/または追跡するように構成される。
【0012】
別の例によると、トートはサブトートを含む共通のトートを備える。
【0013】
別の例によると、マーケットの注文は在庫の減少レベルに応答してマーケットからもたらされ、マーケットロボティックオートメーションは混載された単品を有する複数の注文トートにより処理されたマーケット注文を受け取るように構成され、マーケットロボティックオートメーションはさらにマーケットストレージ内の混載された単品を取り出し、格納するように構成され、マーケットロボティックオートメーションはさらにマーケットストレージシステムから単品を選択的に回収し、顧客の注文に応答して混載された単品についての複数の顧客の注文のうち一つの顧客の注文を処理するように構成される。
【0014】
別の例によると、マーケットは小売店である。
【0015】
別の例によると、マーケットは任意の好適な流通センターである。
【0016】
別の例によると、複数の顧客が注文した混載された単品は一または二以上の冷凍ストレージトート、チルドストレージトートまたは生鮮品ピッキングトートの注文の統合を含む。
【0017】
別の例によると、統一コマースエンジンは少なくとも一つのプロセッサおよびコンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つの非一過性のメモリを備え、統一コマースエンジンは一または二以上のマーケットの在庫ストレージ容量に基づいて一または二以上のマーケットに対して最も高い数のSKUを示すために一または二以上のマーケットのSKU速度を監視し、一または二以上のマーケットの在庫レベルを最適化するように構成される。
【0018】
別の例によると、統一コマースエンジンは少なくとも一つのプロセッサおよびコンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つの非一過性のメモリを備え、統一コマースエンジンはマーケットでの顧客の注文を通した地域流通センターでのケースレベルでの取り込みからの供給網プロセス全体のあらゆる段階で一または二以上の地域流通センターの在庫レベルおよび在庫速度ならびに一または二以上のマーケット流通センターへの補充および一または二以上のマーケットへの補充を監視し、最適化するように構成される。
【0019】
別の例によると、統一コマースエンジンは少なくとも一つのプロセッサおよびコンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つの非一過性のメモリを備え、統一コマースエンジンは自動化された供給網内で単品を確保し、販売のために地域流通センターでメーカーからパレットを受け取ることから顧客までの自動化された供給網内で単品を完全に追跡するように構成され、統一コマースエンジンはさらに供給網プロセス全体のあらゆる段階でメーカーが販売または配送の時点まで商品の所有権を維持し、メーカーが統一コマースエンジンを介して彼らの在庫をリアルタイムに見ることが可能な委託モデルが可能になるように構成される。
【0020】
別の例によると、統一コマースエンジンは少なくとも一つのプロセッサおよびコンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つの非一過性のメモリを備える。統一コマースエンジンは自動化された供給網内で単品を確保し、地域流通センターでメーカーからパレットを受け取ることから顧客への販売または配送までの自動化された供給網内で単品を完全に追跡するように構成される。統一コマースエンジンはさらに小売供給網内に含まれるメーカーの商品に関連するデータをメーカーに示すように構成され、データは所在、在庫レベル、在庫速度、販売レベルを含み、その他供給網プロセス全体の内部またはあらゆる段階の小売供給網内の商品に関連する。統一コマースエンジンはさらに小売供給網内に含まれる商品の全てに関連するデータを示すように構成され、データは所在、在庫レベル、在庫速度、販売レベルを含み、その他供給網プロセス全体の内部またはあらゆる段階の小売供給網内の商品に関連する。統一コマースエンジンはさらに小売供給網内に含まれる分離された商品に関連するデータを分けて示すように構成され、データは所在、在庫レベル、在庫速度、販売レベルを含み、その他供給網プロセス全体の内部またはあらゆる段階の小売供給網内の商品に関連し、分離された商品はマーケット別データ、メーカー別データ等の関係性等により分けられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態の態様に基づくステップを実施するための例示的なシステムである。
図2】プロセスフローダイアグラムである。
図2-1】プロセスフローダイアグラムである。
図3】例示的なシステムである。
図4】マーケット流通センターである。
図5】マーケットプロセスのための自動化された流通センターである。
図6】自動化されたデカントである。
図7】自動化されたデカントである。
図8】サブトートを移すためのシステムである。
図9】トートを移すためのシステムである。
図10】補充システムである。
図11】手動のデカンティングシステムである。
図12】サブトートを移すシステムである。
図13】サブトートを移すシステムである。
図14】単品のピッキングワークステーションである。
図15】単品のピッキングワークステーションである。
図16】完成した注文のストレージを示している。
図17】注文の統合を示している。
図18】注文の配送を示している。
図19】注文の配送を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照すると、本実施形態の態様に基づくステップを実行するための例示的なシステム10が示されている。本実施形態は例示の実施形態または図面中に示されている実施形態を参照して説明されるが、多くの代替となる形態によって実施することが可能になることを理解されるべきである。当業者においては、本発明の主旨および範囲を維持したまま、開示された実施形態のパラメータを変えるための異なる方法をさらに理解されるであろう。
【0023】
本開示の実施形態は、「Automated System for Transporting Payloads」と題する米国特許第9,139,363号、「Automated System for Transporting Payloads」と題する米国特許第9,598,239号、「Storage and Retrieval System」と題する2016年6月2日に出願された米国特許出願第15/171,802号、「Order Fulfillment System」と題する2017年5月10日に出願された米国特許出願第15/591,956号、「Order Fulfillment System」と題する2017年11月17日に出願された米国特許出願第15/816,832号、「System and Method of Robot Task Assignment and management」と題する2018年1月10日に出願された米国特許出願第15/867,373号、「Inventory Management System」と題する2017年11月29に出願された米国特許出願第15/826,045 号、「Automated Proxy Picker System for Non-Fungible Goods」と題する2018年1月31日に出願された米国特許出願第15/884,677号、および「Packing by Destination for Automated Fulfilled Goods」と題する2018年1月31日に出願された米国特許出願第15/884,938号に開示される装置および方法を活用し得る。
【0024】
本開示の実施形態によると、自動化された小売供給網によりマーケット在庫の低減、商品レベルでのトレーサビリティおよびメーカー委託が可能になる。ここで、マーケット速度(単品の販売レート)のサイズに一致したサブトートの迅速な補充により、マーケットが手元の在庫を減少させ、マーケットが彼らの店の速度に一致していないケースレベルまたはパックをばらしたレベルで単品を受け取るのとは対照的に、同じかまたはより小さな施設でより高い数のSKUを提供することが可能になる。ここで、単品は地域流通センター(RDC)でメーカーからのパレットの受け取りから注文バッグで顧客に販売するまでの完全なトレーサビリティを有する自動化された供給網内で確保される。このような自動化された供給網によりメーカーが販売または配送の時点まで商品の所有権を維持し得る委託モデルが可能になる。さらに、メーカーは供給網プロセス全体のあらゆる段階で統一コマースエンジンを介して彼らの在庫をリアルタイムに見ることが可能である。メーカーは顧客の傾向およびデータへアクセスすることができる。図1に見られるように、パレタイズされた商品のケース12は以下でさらに説明されるように、一または二以上の地域流通センター(RDC)14で受け取られ、地域流通センター(RDC)14はマーケット流通センター(MDC)18にパレタイズされた商品のケース16を供給し、マーケット流通センター(MDC)18は同様の単品を様々なサイズのサブトート24にデカントして格納し、混載された単品サブトート20、22が含まれているトートをマーケット26に供給する。別の方法として、出荷は、マーケット流通センターを備えていないか、または地域流通センターの機能とマーケット流通センターの機能とが組み合わせられ得る流通センターから直接、トートで店またはマーケットに対してなされる。マーケット流通センターにより、自動化されたデカンティングを行うのに十分なスケールが可能になるだけでなく、例えば大都市圏のような限られた地域へのトートおよびサブトートでの輸送コストが制限される。パレット上に密集したパックケースでの単品のより効率的な出荷は地域流通センターとマーケット流通センターとの間で維持することができる。マーケット流通センターはさらにマーケットに定期的に格納されてない次の迅速な補充配送でマーケットに配送するために顧客が注文する可能性のある商品の幅広い品揃えを格納するための性能を提供する。
【0025】
図2を参照すると、プロセスフローダイアグラム50が示されている。52において、メーカーは地域流通センター(RDC)に単品のケースを含んでいる一または二以上のパレットを出荷する。54において、パレットIDがケースデータと共に収集され、統一コマースエンジン(UCE)に格納される。パレット、ケースおよび商品のIDはバーコードラベル、RFIDタグ、または同等の追跡システムであり得る。56において、自動化されたストレージおよび回収システム(AS/RS)、アルファボットパレットボットを使用してパレットを受け取る。58において、マーケット流通センター(MDC)からケース補充の注文を受け取る。60において、ストレージからケースを含んでいるパレットが自動的に回収される。62において、ロボットが「多品種パレット(Rainbow Pallet)」を生成するためのケースの層または「混載パレット(Mixed Pallet)」を生成するための個々のケースをピッキングする。64において、多品種パレットまたは混載パレットのIDが生成され、ケースデータと共にUCEに格納される。66において、多品種ケースパレットまたは混載ケースパレットをMDCで受け取る。68において、供給されたマーケットの単品速度に基づいて、UCEによりサブトートあたりの単品の流通(サブトートサイズ)が計算される。70において、アルファボットシステムを用いてMDCのサブトートサイズおよびトートの流通にケースが自動的にデカントされる。72において、関連する元の(parent)ケースおよびパレットID、そしてサブトートIDおよびトートIDと共に単品のデータがUCEに格納される。74において、サブトートを含んでいるトートがアルファボットシステムに格納され、対応する所在がUCEに格納される。76において、マーケットからサブトート(単品)補充の注文を受け取る。78において、ボットがピッキングワークステーションにサブトートを含んでいる製品トート(Pトート)および空の注文トート(Oトート)を回収する。80において、PトートからOトートに自動的にサブトートが移される。82において、サブトートおよび単品の所在がUCEに格納される。82において、全ての上流の元のケースとパレットデータとの関係が保存される。決定84において、OトートはPトートでいっぱいか?Yes86の場合、次に90に進む。No88の場合、次に80に進む。90において、ボットが混載されたSKU Oトートをラックに輸送してそのラックにそのトートを積むか、あるいはパレットに積み重ねるためにロボットに示す。92において、トートパレットIDが生成され、トート、サブトート、単品および元のデータと共にUCEに格納される。決定94において、パレットはOトートでいっぱいか?Yes96の場合、次に100に進む。No98の場合、次に90に進む。100において、マーケットに出荷するためにラックあるいはOトートのパレットをトラックに積む。102において、マーケットでラックあるいはOトートのパレットを受け取り、トートがマーケットアルファボットシステムに自動的に移される。104において、全ての上流の元のケースとパレットデータとの関係が保存されているUCEにサブトートおよび単品の所在が格納される。106において、顧客の注文を受け取り、ピッキングのために予定が組まれる。108において、マテリアル制御システム(MCS)により注文バッグパッキング流通およびシーケンスが計算される。110において、ボットがピッキングワークステーションに注文された単品のサブトートを含んでいるPトートおよび空の注文バッグを含んでしているOトートを回収する。112において、マシンビジョン追跡を用いる自動化された方法または手動の方法のいずれかでPトートのサブトートからOトートの注文バッグに単品が移される。114において、全ての元のデータの関係が保存されているUCEに注文バッグ内の単品の所在が格納される。決定116において、全ての単品が注文バッグに移されたか?Yes118の場合、次に122に進む。No120の場合、次に110に進む。決定122において、顧客配送が予定されたか?Yes124の場合、次に132に進む。No126の場合、次に128に進む。128において、アルファボットシステムに注文バッグを含んでいる注文トートが格納される。130において、注文の所在、ならびに全ての単品および関連する元のデータがUCEに格納される。132において、顧客への配送時にボットが注文バッグを含んでいるOトートを回収し、顧客のカートまたは車に輸送する。134において、全ての元の所在データおよび履歴がその商品のメーカーに利用可能であるUCEに注文の完了(販売)が格納される。136において、小売店がメーカーに合意した小売マージンを差し引いて、販売された単品の支払いをする。本開示の方法では、供給されたマーケットの単品の速度に基づいて、UCEによりサブトートあたりの単品の流通(サブトートのサイズ)が計算される。UCEが縮小レートのモニタまたは速度変化の縮小レートのモニタを採用し得る場合、所与のSKUの速度の関数として単品の流通、補充用の透かしおよび補充レートがUCEによって修正され得る。ここで、所与のマーケットまたは店舗における所与のSKUの在庫レベルは速度の関数として可変である最適化された透かしにおいて維持され得るか、そうでなければストレージエリア等に基づいて最大数のSKUを示すために最適化し得る。
【0026】
メーカーが彼らの製造工場を出る時点から全ての単品の所在を認識していることに加え、顧客に配送されるまでは、メーカーは全ての所在における彼らの製品販売の速度、顧客の購買傾向およびデータを決定するためにUCEデータベースにアクセスし得る。メーカーは彼らの製造予定、出荷予定、地域別の製品提供、および例えばフレーバー、サイズ、バンドル等の製品属性を最適化するためにほぼリアルタイムのUCEのデータを活用し得る。
【0027】
図3を参照すると、例示的なシステム150が示されている。説明されるように、統一コマースエンジン152は在庫レベルおよび流通を一元的に管理し、追跡し得る。システム150はシステム、プロセス、および統合を識別する稼働マニュアル154を有し得る。モバイル上の顧客156にはUCE152または他のUI、例えばマーケットUIまたは店舗UIとインタフェースをとるアンビエントAI、電話UI、タブレットUI、およびPC UIまたは他の好適なUIが提供され得る。電話UI、商品リーダ、ラージスクリーンUI、スケール、チェックアウトキオスク、関連するUI、注文の分類(staging)および統合、手動ピッキングマネージャーの新しいSMART店舗MCS、およびアルファボットストレージシステムが提供され得る。アナリティクス160がさらに提供され得る。注文、顧客、在庫および製品162はUCE152とさらにインタフェースをとり得る。アルファボットストレージおよび回収システム、DC MCおよび新しい倉庫マネジメントシステム(WMS)を備えるMDC164はUCE152とさらにインタフェースをとり得る。RDC166および小売企業システム168はUCE152とさらにインタフェースをとり得る。
【0028】
図4を参照すると、マーケット流通センター200が示されている。ケースのパレット202はデカンティングステーション204でサブトートにデカントされる。ストレージ装置206はサブトートの有無にかかわらずトートを格納する。製品トートは注文トートステーション208に向かう製品トートにおいて注文を処理するためにピッカーに提示される。注文トートはトラックで輸送するため、そうでなければ注文を処理するためにポータブルラック210に積まれる。
【0029】
図5を参照すると、マーケットプロセスのための自動化されたマーケット流通センター250が示されている。このプロセスは受け取り252、注文処理254、および店舗への補充256の三つのエリアに分けられる。258において、供給トラックが自動化されたDCに到着する。260において、パレットIDのスキャンが実行される。262において、供給トラックから自動化されたデカントステーションにパレットを輸送する。264において、SKUが分かっているか?Yes268の場合、次に272に進む。No270の場合、次に274に進む。272において、MSRQ(最小安全補充数量)に基づいて最適なサブトート流通が決定される。274において、SKUおよびケース属性をキャプチャする。276において、可変サイズのサブトートの重なりからサブトートを選択する。278において、ケースを開ける。280において、全ての単品をケースからサブトートに移す。282において、空のケースを処分する。284において、サブトートを製品トートに配置する。決定286において、製品トートはいっぱいか?Yes288の場合、次に292に進む。No290の場合、次に264に進む。292において、(製品トート)Pトートをストレージ構造に納める。294において、自動化されたピッキングステーションにPトートを輸送する。296において、個々の店舗のSRQ(安全補充数量)に基づいてPトートから(注文トート)Oトートにサブトートを移す。298において、Pトートをストレージ構造に戻す。決定300において、Oトートはいっぱいか?Yes302の場合、次に306に進む。No304の場合、次に294に進む。決定306において、その注文は直ちに配送されるか?Yes308の場合、次に312に進む。No310の場合、次に314に進む。312において、移動型ストレージラックにOトートを輸送する。314において、ストレージ構造内にOトートを輸送する。決定316において、ストレージラックはいっぱいか?Yes318の場合、次に322に進む。No320の場合、次に312に進む。322において、配送トラックに移動型ストレージラックを輸送する。324において、配送トラックが自動化された店舗に到着する。326において、自動化された店舗で移動型ラックをストレージ構造に納める。
【0030】
図6を参照すると、マーケット流通センターにおける自動化されたデカントステーション350が示されている。また図7を参照すると、マーケット流通センターにおける自動化されたデカントステーション350が示されている。ケースを備えたパレット352が最初にデカントステーションに導入される。第一のロボットアーム354はケースをピッキングしてボックスカッター356を用いてそれらを配置し、ボックスカッター356は段ボールを取り出して単品358を露出させる。第二のロボットアーム360は段ボールコンベア362がボックスカッターからの段ボールを処理する間、単品をピッキングする。可変サイズのサブトート364は適切な数の単品が積まれ、製品トートとしてストレージ装置368に納められるトート366の内部に提供される。
【0031】
図8を参照すると、マーケットトートの注文をまとめるためのサブトートを移すためのシステムまたはステーション400が示されている。ここで、移動型ロボット402は製品トートおよび注文トート404をロボット406に移動させ、ロボット406は製品トートからサブトートをピッキングし、そのサブトートをマーケット注文トートに選択的に置く。
【0032】
図9を参照すると、マーケットDCからマーケットにロットを移すためのトートを移すためのシステム450が示されている。ラックが示されているが、その代わりにトートはラックを使用するのではなくトートベイルアームを使用してパレットに直接積み重ねることができる。ストレージ装置452は製品トートおよび注文トートを格納する。ポータブルラック456はマーケットの注文、例えばトートとサブトートとの組み合わせ458を作り上げるための注文トートを備える、移動型ロボット454によって積まれ得る。トラック460、462は手動で、または移動型ロボット464によって積まれ得るラックを輸送するために提供される。
【0033】
図10を参照すると、ラックから流通センターへの補充のための補充システムまたはステーション480が示されている。ラックが示されているが、その代わりにトートはラックを使用するのではなくトートベイルアームを使用してパレットに直接積み重ねることができる。トラック482はラック484、486を提供することができ、レール構造490上で動作している移動型ロボット488はストレージ構造492を補充するためにラックからトートをピッキングし得る。
【0034】
図11を参照すると、マーケットDCデカンティングを用いない別の実施形態として、マーケットでのケースの受け取りおよび手動デカンティングのための手動デカンティングシステムまたはステーション500が示されている。ここで、パレタイズされたケース502をオペレータ504がデパレタイズしてもよく、サブトート506にオペレータ508がデパレタイズしたケースから単品を積まれてもよい。サブトートはトート512に積まれてもよく、移動型ロボット510はストレージ装置514に納められるトート512をピッキングしてもよい。
【0035】
図12を参照すると、システムデフラグメンテーションのために自動化されたサブトートを移すためのサブトートを移すシステムまたはステーション530が示されている。別の態様では、このシステムはロボットの代わりにオペレータによる手動のシステムとすることができる。移動型ロボット530は輸送およびストレージ装置534からトート532を提供される。ロボット536はトートストレージのデフラグメンテーションのために空のサブトートをトートに統合するために提供され、システム内部のストレージ密度を上昇させる。
【0036】
図13を参照すると、ストレージ構造572内部のシステムデフラグメンテーションのために自動化されたサブトートを移すための別のサブトートを移すシステム570が示されている。ここで、移動型ロボット574はサブトート584をトートからトートに移すように適合されたデカルトピッキング(cartesian pick)および配置ロボット582を有するステーションにトート576、578、580を提供する。ロボット862はサブトートをピッキングまたはリリースし、Z、XおよびY軸に沿って動かすために選択的に作動させることのできるグリッパー586を有する。
【0037】
図14を参照すると、自動化された単品のピッキングワークステーション600が示されている。移動型ロボット602はレール604、606上および垂直面608上で移動可能に提供される。ロボット614は単品を有するトート610に選択的にアクセスし、このトートは輸送されてデッキまたはストレージ612内部に格納され、ロボット602によって選択的にアクセス可能である。
【0038】
図15を参照すると、手動での単品のピッキングワークステーション630が示されている。移動型ロボット632はレール634、636上および垂直面638上で移動可能に提供される。オペレータ644は単品648を有するトート640に選択的にアクセスし、このトートは輸送されて輸送デッキまたはストレージ642内部に格納され、ロボット632によって選択的にアクセス可能である。UI650および方向光ビーム652はオペレータまたはピッカー644に指示するために提供され得る。
【0039】
図16を参照すると、完成した注文ストレージシステム660が示されている。ストレージ構造662には移動型ロボット664、垂直面666を有するかまたは有しない輸送デッキ666、およびピッキングワークステーション668が提供される。
【0040】
図17を参照すると、注文の統合700が示されている。移動型ロボットは配送710のために生鮮品がピッキングされたトート704、アンビエント注文トートおよびチルド注文トート等のチルドストレージトート706、および冷凍注文トート等の冷凍ストレージトート708を統合する。
【0041】
図18を参照すると、カート742による注文の配送が示されている。ここで、移動型ロボット744はストレージ装置748からカート742にトート746を選択的に提供する。
【0042】
図19を参照すると、移動型ロボット772による注文の配送770が示されている。ここで、ストレージ構造からのレール774はロボット772によって活用され、トート780は例えば車両782によるピックアップのためにストレージから積み込みステーション776、778に配送される。
【0043】
本明細書で活用されるように、「備える(comprise)」および「備えている(comprising)」という用語は、排他的ではなく、包括的であると解釈されることを意図している。本明細書で活用されるように、「模範的な(exemplary)」、「例(example)」、および「例示的な(illustrative)」という用語は、「例(example)、実例(instance)、または例示(illustration)として役立つこと」を意味することを意図しており、他の構成に対して好ましいかもしくは有利な構成を示すもの、または示さないものとして解釈されるべきではない。本明細書で活用されるように、「約(about)」および「およそ(approximately)」という用語は、特性、パラメータ、サイズ、および寸法変動のような、主観的または客観的な値の上下限内に存在し得るバリエーションを網羅することを意図している。一つの非限定的な例では、「約」および「およそ」という用語は、プラス10パーセント以内、またはマイナス10パーセント以内を意味する。一つの非限定的な例では、「約」および「およそ」という用語は、含まれる関連分野における当業者が考えるものに十分に近いことを意味する。本明細書で活用されるように、「実質的に(substantially)」という用語は、当業者によって理解されるように行動、特徴、特性、状態、構造、商品、または結果の完全またはほぼ完全な範囲または程度を指す。例えば、「実質的に」円形のオブジェクトとはオブジェクトが数学的に決定可能な限界まで完全な円形であるか、または当業者によって認識または理解されるようなほぼ円形のいずれかであることを意味する。絶対的な完全性からの正確に許容される逸脱の程度は固有の文脈に依存する場合がある。しかしながら、一般に、完了の近さは絶対的かつ全体的な完了が達成されたかまたは得られたのと同じ全体的な結果を有するようになる。「実質的に」の使用は当業者によって理解されるように、行動、特徴、特性、状態、構造、商品、または結果の完全またはほぼ完全な欠陥を指すために否定的な意味合いで活用される場合には等しく適用可能である。
【0044】
さらに、「ロボット(robot)」および「ボット(bot)」という用語は、それらの従来の意味、具体的には有用なマシンまたはデバイス、すなわち、色々なタスク、割当て、指示等の能力のために様々なプログラムされた動作を通して材料、部品、道具、または特殊用途のデバイスを動かすことのできるプログラム可能で多機能なデバイス、および/または単純または複雑な一連の行動を実行することのできるマシンまたはデバイス、および/または他の方法で人の仕事である場合とそうでない場合があるタスクを実行することのできるマシンまたはデバイス、および/または人の相互作用の支援無しに、タスクを実行し、その環境に相互作用することのできるプログラム可能な機械的なデバイスであり得るマシンまたはデバイス、および自動的に動作するかまたはコンピュータによって制御することのできるマシンまたはデバイスに従って本明細書において交換可能に活用される。
【0045】
本明細書において特に注釈や定義がなされない限り、本開示および図面は従来のX、YおよびZの三次元座標軸システムに関連して説明され、X方向は一般に左-右または東-西であり、Y方向は一般に書類のページ面に対して内-外であり、Z方向は一般にページ上の上-下または北-南である。本明細書でさらに説明されるように、「水平の(horizontal)」および「垂直の(vertical)」という用語は、当業者によって理解されるように、そして一般に説明されまた以下で展開されるようにそれらの従来の定義に一致して活用される。例えば、物理学、工学、および建設の分野では、垂直であるとされる方向は通常は重力に応答して錘が垂れ下がるのに沿う。水平方向は垂直面に垂直または直行する線または平面に沿うとみなされる。そのため、水平方向に(水平に)動かすことは地球に沿って例えば前、後ろ、左、右等に動いて地球の表面を横断することに事実上等しく、一方、垂直方向に(垂直に)動かすことは上へ(地面から離れて)または下へ(地面に向かって、または地中へ)動かすことに事実上等しい。X、Y、Z座標アクセスを垂直および水平という用語と統合すると、Z軸は垂直方向にあり、XおよびY軸は水平面にあり、垂直なZ軸はそれに直交する。上記の説明の固有の表現によって曖昧さが生じる限り、そのような曖昧さは水平および垂直という用語の従来の解釈と一致して解釈および明確化され得ることが予想される。
【0046】
本発明の多数の修正および別の実施形態は上記の説明に鑑みて当業者に明らかになるであろう。したがって、この明細書は例示としてのみ解釈され、本発明を実行するための最良のモデルを当業者に教示する目的のためのものである。構造の詳細は本発明の精神から実質的に逸脱することなく変化する可能性があり、添付の特許請求の範囲内にある全ての修正の排他的な使用が留保される。本明細書内で、実施形態は明確かつ簡潔な明細書を書くことができる方法で説明されたが、実施形態は本発明から逸脱することなく様々に組み合わせ、または分離できることを意図しており、またそれを理解されたい。本発明は添付の特許請求の範囲および適用可能な法律の規則によって要求される範囲にのみ限定されることを意図している。
図1
図2
図2-1】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
図17
図18
図19