(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】冷却可能なマスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20240425BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
(21)【出願番号】P 2020120960
(22)【出願日】2020-07-14
【審査請求日】2023-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】522340129
【氏名又は名称】株式会社コンフィー
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】竹原 隆
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3101673(JP,U)
【文献】登録実用新案第3115228(JP,U)
【文献】特開2012-176169(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0098385(KR,A)
【文献】特開2015-109944(JP,A)
【文献】特開2011-125494(JP,A)
【文献】特開2017-197851(JP,A)
【文献】特開2004-230105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
含水ゲル層を備える冷却シートをマスク本体の鼻口側面に装着した冷却可能なマスクであって、
冷却シートは、
上下方向長さがマスク本体の上下方向長さより略半分より小さく、横方向長さがマスク本体の横方向長さ又は両側縁部間の長さと略同程度であり、
含水ゲル層と含水ゲル層を担持するシート部材と含水ゲル層の露出面の水分蒸発を防止する樹脂製のフィルム部材とで構成され、
該シート部材をマスク本体の鼻口側面に対向させて冷却シートの上縁部と両側縁部とをそれぞれマスク本体の上縁部と両側縁部とに固着し、マスク本体の鼻口側面に対して冷却シートの下縁部及びシート部材の間に隙間を設けた、冷却可能なマスク。
【請求項2】
前記冷却シートは、
前記シート部材の上縁部及び両側縁部を空けて前記含水ゲル層を積層し、シート部材の上縁部及び両側縁部まで到達する大きさの前記フィルム部材で含水ゲル層の露出面に貼り付けて被覆して構成し、
前記冷却シートのシート部材及びフィルム部材の上縁部及び両側縁部と前記マスク本体の上縁部及び両側縁部を圧着することで冷却シートとマスク本体とを固着する、請求項1に記載の冷却可能なマスク。
【請求項3】
前記マスク本体の上縁部の横方向にわたって弾性可能なワイヤ部材を内在させる、請求項1又は2に記載の冷却可能なマスク。
【請求項4】
含水ゲル層を備える冷却シートをマスク本体の鼻口側面に装着した冷却可能なマスクであって、
冷却シートは、
上下方向長さがマスク本体の上下方向長さより略半分より小さく、横方向長さがマスク本体の横方向長さ又は両側縁部間の長さと略同程度であり、
含水ゲル層と含水ゲル層を担持するシート部材と含水ゲル層の露出面の水分蒸発を防止する樹脂製のフィルム部材とで構成され、
該シート部材をマスク本体の鼻口側面に対向させて冷却シートの下縁部と両側縁部とをそれぞれマスク本体の下縁部と両側縁部とに固着し、マスク本体の鼻口側面に対して冷却シートの上縁部及びシート部材の間に隙間を設けた、冷却可能なマスク。
【請求項5】
前記冷却シートは、
前記シート部材の下縁部及び両側縁部を空けて前記含水ゲル層を積層し、シート部材の下縁部及び両側縁部まで到達する大きさの前記フィルム部材で含水ゲル層の露出面に貼り付けて被覆して構成し、
前記冷却シートのシート部材及びフィルム部材の下縁部及び両側縁部と前記マスク本体の下縁部及び両側縁部を圧着することで冷却シートとマスク本体とを固着する、請求項4に記載の冷却可能なマスク。
【請求項6】
前記マスク本体の下縁部の横方向にわたって弾性可能なワイヤ部材を内在させる、請求項4又は5に記載の冷却可能なマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含水ゲル層の冷却組成物を有する冷却シートを装着した冷却可能なマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染症の拡大等により抗菌・抗ウィルスに対するユーザ意識及び社会要請が飛躍的に高まり、患者や医療従事者、飲食業従事者等以外の通常の健常者が日常的に鼻口を覆う衛生マスクを着用することが一般的になりつつある。
【0003】
その一方、日常的に衛生マスクを着用することによる副次的な弊害も指摘されている。近年、特に夏期に野外活動中等における熱中症の多発が問題となっており、衛生マスクの着用は鼻口近傍に熱が滞留するため、熱中症をさらに誘発する要因となる。したがって、衛生マスクを着用しながら熱中症防止にもつながる対策の社会要請が高まっている。
【0004】
夏期の衣服の冷却としてはメントールを着用衣服に噴霧する方法があり、これを使用して衛生マスクにもメントールを噴霧する又は元々マスクにメントールに浸ておく例も存在する(特許文献1)。しかしながら、メントールは皮膚や粘膜上にある神経を刺激し、冷感を得るものに過ぎず、徐熱するものではないため熱中症の根本的な対策とはなり得ない。
【0005】
また、徐熱効果に優れているものとして、水分を多量・安定的に含有し、持続的徐熱効果を得るシート状冷却剤が存在する(特許文献2)。しかしながら、このシート状冷却剤は不織布にゲル状の冷却組成物を積層し、冷却組成物の粘着性により皮膚に貼りつけるものであり、そのままマスクに貼り付けることはできない。また、シート状冷却剤の冷却組成物は、水分を多量に含むためある程度重量があり、しっかりとマスクに接着・装着する必要がある。さらに、シート状冷却剤は気体の透過性が低いためマスクに貼り付けるとマスクの本来的目的である外気吸引の阻害要因となり、徐熱効果も発揮することができない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3066215号公報
【文献】特開2002-241746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような事情に鑑みて出願人は、含水ゲル層の冷却組成物を有する冷却シートをマスク本体の顔面側に簡単かつしっかりと装着して顔面の徐熱をしつつ、同時にマスク本体内の通気性が良好で、熱の滞留も防止した冷却可能なマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく創作された本発明は、
含水ゲル層を備える冷却シートをマスク本体の鼻口側面に装着した冷却可能なマスクであって、
冷却シートは、
上下方向長さがマスク本体の上下方向長さより略半分より小さく、横方向長さがマスク本体の横方向長さ又は両側縁部間の長さと略同程度であり、
含水ゲル層と含水ゲル層を担持するシート部材と含水ゲル層の露出面の水分蒸発を防止する樹脂製のフィルム部材とで構成され、
該シート部材をマスク本体の鼻口側面に対向させて冷却シートの上縁部と両側縁部とをそれぞれマスク本体の上縁部と両側縁部とに固着し、マスク本体の鼻口側面に対して冷却シートの下縁部及びシート部材の間に隙間を設けた。
【0009】
本冷却可能なマスクでは、通常、鼻側となるマスク本体の鼻口側面(裏面)の上部に上下方向にマスクの半分程度以下の大きさの含水ゲル層を積層した冷却シートを装着し、含水ゲル層が直接又は間接的に鼻近傍に接触することで鼻近傍を徐熱することができ、熱中症等を防止することができる。また、冷却シートはその上縁部と両側縁部をマスク本体の上縁部及び両側縁部に固着し、シート部材はマスク本体の裏面との間に隙間を設けて、下縁部で設けた開口から開放され、マスク内に熱気が滞留するわけでなく、マスク本体を通って入ってきた外気は、シート部材とマスク本体の裏面との間に隙間を通って口に到達することができる。
【0010】
また、前記冷却シートは、
前記シート部材の上縁部及び両側縁部を空けて前記含水ゲル層を積層し、シート部材の上縁部及び両側縁部まで到達する大きさの前記フィルム部材で含水ゲル層の露出面に貼り付けて被覆して構成し、
前記冷却シートのシート部材及びフィルム部材の上縁部及び両側縁部と前記マスク本体の上縁部及び両側縁部を圧着することで冷却シートとマスク本体とを固着する、ことが好ましい。
【0011】
本冷却可能なマスクでは、冷却シートのシート部材の縁部分だけ小さい含水ゲル層を積層し、その上にシート部材と同程度の樹脂製のフィルム部材を載せて含水ゲル層の水分蒸発を防止し、マスク本体の上縁部及び両側縁部、シート部材の上縁部及び両側縁部、フィルム部材の上縁部及び両側縁部を積層させて圧着することにより溶融しやすいフィルム部材によりマスク本体とシート部材とが固着されている。このように圧着することで簡単に冷却シートをマスク本体に固着できる。また、圧着されたフィルム部材を剥ぎ取ると圧着部分との境界線が切り取り線となってフィルム部材をキレイ且つ簡単に取り除くことができ、含水ゲル層の露出面を肌に貼り付けることが可能となる。また、フィルム部材を含水ゲル層の露出面を覆った状態でマスク本体と圧着されているため含水ゲル層が肌に接触することを望まないユーザもフィルム部材を剥がさずマスク着用でき、緩やかな徐熱を得ることができる。
【0012】
また、前記マスク本体の上縁部の横方向にわたって弾性可能なワイヤ部材を内在させる、ことができる。
【0013】
この本冷却可能なマスクでは、上縁部を横方向にわたって金属等製の弾性可能なワイヤ部材を挿入配設している。ワイヤ部材を折り曲げて鼻に合わせることで冷却シートの重みでマスク本体の上方が開いてしまうことを防止することを防止できる。また、本冷却可能なマスクは、ユーザが口元や頬部近傍の徐熱を望む場合、上下を逆さにし、下部に冷却シートが位置するように着用することもできる。このときワイヤ部材は下顎に沿ってマスク本体を担持する形になるため逆さになって下部に位置するようになった冷却シートの重みをワイヤ部材を介して下顎で受け止める形になりズレ落ちが防止される。
さらに、本冷却可能なマスクは、元々、冷却シートをマスク本体の下方に位置させて設計することも可能であり、ワイヤ部材も下縁部の横方向にわたって内在させることもある。具体的には、下記の構成を有する。
【0014】
他の実施形態の本冷却可能なマスクの場合、
含水ゲル層を備える冷却シートをマスク本体の鼻口側面に装着した冷却可能なマスクであって、
冷却シートは、
上下方向長さがマスク本体の上下方向長さより略半分より小さく、横方向長さがマスク本体の横方向長さ又は両側縁部間の長さと略同程度であり、
含水ゲル層と含水ゲル層を担持するシート部材と含水ゲル層の露出面の水分蒸発を防止する樹脂製のフィルム部材とで構成され、
該シート部材をマスク本体の鼻口側面に対向させて冷却シートの下縁部と両側縁部とをそれぞれマスク本体の下縁部と両側縁部とに固着し、マスク本体の鼻口側面に対して冷却シートの上縁部及びシート部材の間に隙間を設けている。
【0015】
また、前記冷却シートは、
前記シート部材の下縁部及び両側縁部を空けて前記含水ゲル層を積層し、シート部材の下縁部及び両側縁部まで到達する大きさの前記フィルム部材で含水ゲル層の露出面に貼り付けて被覆して構成し、
前記冷却シートのシート部材及びフィルム部材の下縁部及び両側縁部と前記マスク本体の下縁部及び両側縁部を圧着することで冷却シートとマスク本体とを固着することが好ましい。
【0016】
さらの前記マスク本体の下縁部の横方向にわたって弾性可能なワイヤ部材を内在させる、ことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の冷却可能なマスクでは、含水ゲル層の冷却組成物を有する冷却シートをマスク本体の顔面側に簡単かつしっかりと装着して顔面の徐熱をしつつ、同時にマスク本体内の通気性が良好で、熱の滞留も防止した冷却可能なマスクを提供している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の冷却可能なマスクの表面から見た写真図である。
【
図2】本発明の冷却可能なマスクを裏面(鼻口側面)から見た写真図である。
【
図3】(a)はマスク本体に冷却シートが装着された状態における
図1の略A-A断面図、(b)は該A-A断面で見た略図を示している。
【
図4】本冷却可能なマスクの他の実施形態を裏面から見た写真図である。
【
図5】
図4の冷却可能なマスクにおいて冷却シートとマスク本体との隙間を開けて理解しやすいようにした斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、本発明の冷却可能なマスクの一例を
図1~
図5を参照しつつ以下、説明する。
図1は、本冷却可能なマスク10(以下、単に「本マスク10」、「マスク10」とも称する)の表面から見た写真図であり、
図2は本マスク10を裏面(鼻口側面)から見た写真図である。
【0020】
この
図1~
図2に示すように、本マスク10は、汎用の衛生マスク同様にユーザの鼻口を含む顔面の下方を覆うマスク本体12と、ユーザの左右両耳に引っ掛けられるようマスク本体12の両側それぞれの上下に2箇所に装着する一対の引掛手段14とを備えている。マスク本体12は、吸引により外気を透過可能な不織布や紙、多孔性の樹脂材料で形成されている。
図1~
図2の例では、マスク本体12は表地と裏地とを重ねて外縁部を折り返して圧着している(圧着痕15参照)。この圧着工程で引掛手段14の両端を挟み込んで圧着することで引掛手段14をマスク本体12に固着している。
【0021】
また、マスク本体12は着用時に立体感を出し、内部に空気が滞留する空間を得るように上下に折り重ねた横方向に延びるプリーツ形状16(
図1のプリーツ16a、16b参照)をなしている。本マスク10のマスク本体12は紙製であり、立体感を出すためにプリーツ形状16をなしているが、他に樹脂製等の弾性部材を素材とする場合は、プリーツ形状18を採用せず、素材形状を立体的にしたり、弾性を利用した伸び縮みで着用時に立体形状にする場合も考えられる。
【0022】
また、
図1~
図2の例ではマスク本体12の鼻口側面(
図1)には含水ゲル層22を備える冷却シート20を装着している。
図3(a)はマスク本体12に冷却シート20が装着された状態における
図1の略A-A断面図、
図3(b)は該A-A断面で見た略図を示している。
図3(b)に示すように冷却シート20は、シート部材23表面に含水ゲル層22を貼り付けて、含水ゲル層22の露出面に保管時の水分蒸発を防止するフィルム部材23を貼り付けた積層形状をなしている。
【0023】
また、シート部材23は不織布等からなる。シート部材20上の含水ゲル層22は、貼付型の冷却剤であり、シート部材23の少なくとも両側や上端の縁部24を残してシート部材23の全面に貼り付けられ、徐熱を所望する箇所に含水ゲル層22の露出面を貼り付けるだけで直ぐに徐熱作用を発揮し、使い勝手が簡単であり、額からのズレ落ちを防止する。
【0024】
含水ゲル層22は、水分の気化熱を利用して皮膚温度を下げるというしくみを利用したものであり、このため冷却用(徐熱用)素材としては、多くの水を含有しながらも、自己保形性及び接着性を備えるものである。例えばトラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、マンナン、ゼラチン、ペクチンなどの天然水溶性高分子、またはポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸やその塩、カルボキシビニルポリマー(CVP)等の合成高分子等から調製される。
【0025】
シート部材23としては、含水ゲル層22を積層させて担持できるものであって、含水ゲル層22の放湿性(水分蒸発性)を妨げないように適度な透湿性を有するものであれば特に制限はなく、種々の織布、不織布及びフィルム等を使用することができる。具体的には綿、麻、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維、ナイロン、ビニロン、スチロール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル等の合成繊維、綿、麻、毛等の天然繊維等が挙げられる。また、スチロール、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等であっても良い。
【0026】
かかるシート部材23の上に塗布・展延されて積層されてなる粘着性冷却剤としての含水ゲル層22の厚みは、使用感、吸熱量等の観点から、通常10~10,000μ、好ましくは500~5,000μである。
【0027】
冷却シート20は上述するように徐熱性能を発揮する構成としては、シート部材23とその表面上に積層される含水ゲル層22とからなるが、含水ゲル層22の水分蒸発防止や取り扱い性や衛生上の観点から、使用時に剥離除去される(後述するように剥離除去しない場合もある)フィルム部材21を含水ゲル層22の表面全面を覆って積層する。
【0028】
かかるフィルム部材21としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどを使用することができる。
【0029】
冷却シート20は、その両側及び上側の縁部がマスク本体12の両側及び上側の縁部と圧着される(符号24参照)。このときマスク本体12とフィルム部材21とシート部材22との縦横寸法は略同じであり、含水ゲル層22の縦横寸法がシート部材22の縁部24を残して小さいためマスク本体12とシート部材22とフィルム部材21とを積層した状態で圧着している。圧着時にはフィルム部材21が溶融・冷却してフィルム部材21を介挿してシート部材22を固着している(圧着痕16参照)。
【0030】
ユーザはマスク10の使用時にフィルム部材21を圧着された縁部24と圧着されていない部分との境界が切断の案内箇所となって含水ゲル層22から剥ぎとられる。また、ユーザが化粧をしている等、含水ゲル層22の露出面が直接顔面に接触することを嫌う場合、徐熱性やシート部材22からの通気性は低下するがフィルム部材21を剥ぎ取らずにそのまま使用することも可能であり、各種ユーザのニーズに応じることができる。
【0031】
さらに、通気性を確保するために
図3(a)に示すように冷却シート20は縁部24以外は、マスク本体12と固着しておらず、使用時には隙間25を有している。これによりマスク10の着用時に立体的に形状変化させた際に、隙間25も拡大し、隙間25を通して外気がマスク本体12内に滞留し、熱が籠ることを防止することができる(後述する
図5も参照)。
【0032】
さらに、マスク本体12の上縁部には弾性又は可撓性を有するワイヤ部材26が横方向にわたって介挿されている。通常、このワイヤ部材26を鼻の形状に沿って湾曲(又は屈曲)させるが、マスク本体12を逆さに着用し、ワイヤ部材26を下側に位置させて着用することもできる。
【0033】
また、
図4には
図1~
図2のマスク本体12を上下逆さにした状態の着用を主として元々設計する場合の例としての冷却可能なマスク100を例示している。
図4は、本冷却可能なマスク100を裏面から見た写真図であり(
図1と同視点)、
図5は本冷却可能なマスク100において冷却シート120とマスク本体112との隙間を開けて理解しやすいようにした斜視図である。なお、
図4~
図5において
図1~
図3と下二けたが同じ参照番号の部材は同種部材を示している。
【0034】
以上、本発明の冷却可能なマスクについてその実施形態を例示説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書等の記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例や改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。
【符号の説明】
【0035】
10,100 冷却可能なマスク(マスク)
12,112 マスク本体
14,114 引掛手段
15 圧着痕
16 プリーツ形状
20,120 冷却シート
21 フィルム部材
22 含水ゲル層
23 シート部材
24 縁部
25,125 隙間
26,126 ワイヤ部材