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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】半導体素子および半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/872 20060101AFI20240425BHJP
   H01L 21/329 20060101ALI20240425BHJP
   H01L 29/47 20060101ALI20240425BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20240425BHJP
   H01L 29/24 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H01L29/86 301F
H01L29/86 301P
H01L29/86 301M
H01L29/86 301E
H01L29/86 301D
H01L29/48 M
H01L21/28 301B
H01L21/28 301R
H01L29/24
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020002604
(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公開番号】P2021111693
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】511187214
【氏名又は名称】株式会社FLOSFIA
(72)【発明者】
【氏名】菅野 亮平
(72)【発明者】
【氏名】今藤 修
(72)【発明者】
【氏名】則松 和良
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勇次
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-165468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/872
H01L 21/329
H01L 29/47
H01L 21/28
H01L 29/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を少なくとも含む半導体素子であって、前記電極が、コランダム構造を有し、さらにガリウムを含有することを特徴とする半導体素子。
【請求項2】
電極と半導体層を少なくとも含む半導体素子であって、前記電極が、コランダム構造を有し、前記半導体層が結晶性酸化物半導体を主成分として含むことを特徴とする半導体素子
【請求項3】
前記電極が、周期律表第4族金属を含有する請求項1または2に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記周期律表第4族金属が、チタンである請求項記載の半導体素子。
【請求項5】
前記結晶性酸化物半導体がコランダム構造を有する請求項記載の半導体素子。
【請求項6】
前記結晶性酸化物半導体が、アルミニウム、ガリウムおよびインジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む請求項またはに記載の半導体素子。
【請求項7】
縦型デバイスである、請求項1~のいずれかに記載の半導体素子。
【請求項8】
パワーデバイスである請求項1~のいずれかに記載の半導体素子。
【請求項9】
少なくとも半導体素子がリードフレーム、回路基板または放熱基板と接合部材によって接合されて構成される半導体装置であって、前記半導体素子が、請求項1~のいずれかに記載の半導体素子である半導体装置。
【請求項10】
パワーモジュール、インバータまたはコンバータである請求項記載の半導体装置。
【請求項11】
パワーカードである請求項または10に記載の半導体装置。
【請求項12】
半導体素子または半導体装置を備える半導体システムであって、前記半導体素子が、請求項1~のいずれかに記載の半導体素子であり、前記半導体装置が、請求項11のいずれかに記載の半導体装置であることを特徴とする半導体システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーデバイス等として有用な半導体素子、該半導体素子を用いた半導体装置および半導体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
酸化ガリウム(Ga)は、室温において4.8-5.3eVという広いバンドギャップを持ち、可視光及び紫外光をほとんど吸収しない透明半導体である。そのため、特に、深紫外光線領域で動作する光・電子デバイスや透明エレクトロニクスにおいて使用するための有望な材料であり、近年においては、酸化ガリウム(Ga)を基にした、光検知器、発光ダイオード(LED)及びトランジスタの開発が行われている(非特許文献1参照)。
【0003】
また、酸化ガリウム(Ga)には、α、β、γ、σ、εの5つの結晶構造が存在し、一般的に最も安定な構造は、β-Gaである。しかしながら、β-Gaはβガリア構造であるので、一般に電子材料等で利用する結晶系とは異なり、半導体素子への利用は必ずしも好適ではない。また、β-Ga薄膜の成長は高い基板温度や高い真空度を必要とするので、製造コストも増大するといった問題もある。また、非特許文献2にも記載されているように、β-Gaでは、高濃度(例えば1×1019/cm以上)のドーパント(Si)でさえも、イオン注入後、800℃~1100℃の高温にてアニール処理を施さなければドナーとして使えなかった。
【0004】
一方、α-Gaは、既に汎用されているサファイア基板と同じ結晶構造を有するため、光・電子デバイスへの利用には好適であり、さらに、β-Gaよりも広いバンドギャップをもつため、パワーデバイスに特に有用であり、そのため、α-Gaを半導体として用いた半導体素子が待ち望まれている状況である。
【0005】
特許文献1および2には、β-Gaを半導体として用い、これに適合したオーミック特性が得られる電極として、Ti層およびAu層からなる2層、Ti層、Al層およびAu層からなる3層、またはTi層、Al層、Ni層およびAu層からなる4層を用いた半導体素子が記載されている。
また、特許文献3には、β-Gaを半導体として用い、これに適合したショットキー特性が得られる電極として、Au、Pt、あるいはNiおよびAuの積層体のいずれかを用いた半導体素子が記載されている。
しかしながら、特許文献1~3に記載の電極を、α-Gaを半導体として用いた半導体素子に適用した場合、ショットキー電極やオーミック電極として機能しなかったり、電極が膜に接合しなかったり、半導体特性が損なわれたりするなどの問題があった。さらに、特許文献1~3に記載の電極構成は、電極端部からリーク電流が発生してしまうなど、半導体素子として実用上満足できるようなものを得ることができていなかった。
【0006】
特に、近年においては、酸化ガリウムを半導体として用いた場合に、オーミック電極として、Ti/Auが用いられているが(特許文献4~8)、良好な密着性を示すものの、オーミック特性においてまだまだ十分に満足のいくものではなく、オーミック特性に優れた酸化ガリウム半導体素子が待ち望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-260101号公報
【文献】特開2009-81468号公報
【文献】特開2013-12760号公報
【文献】特開2019-016680号公報
【文献】特開2019-036593号公報
【文献】特開2019-079984号公報
【文献】特開2018-60992号公報
【文献】WO2016-13554
【非特許文献】
【0008】
【文献】Jun Liang Zhao et al, “UV and Visible Electroluminescence From a Sn:Ga2O3/n+-Si Heterojunction by Metal-Organic Chemical Vapor Deposition”,IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL. 58, NO.5 MAY 2011
【文献】Kohei Sasaki et al, “Si-Ion Implantation Doping in β-Ga2O3 an d Its Application to Fabrication of Low-Resistance Ohmic Contacts”, Applied Physics Express 6 (2013) 086502
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、半導体特性に優れた半導体素子および半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、従来よりオーミック電極として、Ti/Auが用いられてきたが、Tiが拡散して電気特性に問題が生じることを知見し、さらに、Ni等のTi拡散防止膜を、Ti層とAu層との間に設けた場合、オーミック電極内において酸化物半導体の酸素が拡散して電気特性に問題が生じることを知見した。これに対し、本発明者らは、電極を少なくとも含む半導体素子であって、前記電極が、コランダム構造を有する半導体素子を作製したところ、良好なオーミック特性を奏し、電気特性に優れた半導体素子の創製に成功し、このような半導体素子が、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 電極を少なくとも含む半導体素子であって、前記電極が、コランダム構造を有することを特徴とする半導体素子。
[2] 前記電極が、周期律表第4族金属を含有する前記[1]記載の半導体素子。
[3] 前記周期律表第4族金属が、チタンである前記[2]記載の半導体素子。
[4] 前記電極が、周期律表第13族金属を含有する前記[1]~[3]のいずれかに記載の半導体素子。
[5] 前記周期律表第13族金属が、ガリウムである前記[4]記載の半導体素子。
[6] 結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体層を備えている前記[1]~[5]のいずれかに記載の半導体素子。
[7] 前記結晶性酸化物半導体がコランダム構造を有する前記[6]記載の半導体素子。
[8] 前記結晶性酸化物半導体が、アルミニウム、ガリウムおよびインジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む前記[6]または[7]に記載の半導体素子。
[9] 縦型デバイスである、前記[1]~[8]のいずれかに記載の半導体素子。
[10] パワーデバイスである前記[1]~[9]のいずれかに記載の半導体素子。
[11] 少なくとも半導体素子がリードフレーム、回路基板または放熱基板と接合部材によって接合されて構成される半導体装置であって、前記半導体素子が、前記[1]~[10]のいずれかに記載の半導体素子である半導体装置。
[12] パワーモジュール、インバータまたはコンバータである前記[11]記載の半導体装置。
[13] パワーカードである前記[11]または[12]に記載の半導体装置。
[14] 半導体素子または半導体装置を備える半導体システムであって、前記半導体素子が、前記[1]~[10]のいずれかに記載の半導体素子であり、前記半導体装置が、前記[11]~[13]のいずれかに記載の半導体装置であることを特徴とする半導体システム。
【発明の効果】
【0012】
本発明の半導体素子および半導体装置は、半導体特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の半導体素子の好適な一態様を模式的に示す断面図である。
図2図1の半導体素子の好適な製造方法の一態様を説明する図である。
図3図1の半導体素子の好適な製造方法の一態様を説明する図である。
図4図1の半導体素子の好適な製造方法の一態様を説明する図である。
図5図1の半導体素子の好適な製造方法の一態様を説明する図である。
図6】本発明の半導体素子の好適な一態様を模式的に示す断面図である。
図7】実施例におけるI-V測定の結果を示す図である。
図8】実施例における半導体素子(チップ)の外観写真と図9の断面TEMの分析箇所を示す図である。
図9】実施例における断面TEM像を示す図である。
図10図9におけるα-(TiGa1-X膜(式中、0<X<1)のTEM-EDS分析結果を示す図である。
図11図9におけるα-(TiGa1-X膜(式中、0<X<1)のTEM-EDS分析結果を示す図である。
図12】電源システムの好適な一例を模式的に示す図である。
図13】システム装置の好適な一例を模式的に示す図である。
図14】電源装置の電源回路図の好適な一例を模式的に示す図である。
図15】半導体装置の好適な一例を模式的に示す図である。
図16】パワーカードの好適な一例を模式的に示す図である。
図17】本発明の半導体素子の主要部である積層構造体を模式的に説明する図である。
図18】本発明の半導体素子の実施例品を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の半導体素子は、電極を少なくとも含む半導体素子であって、前記電極が、コランダム構造を有することを特長とする。本発明においては、前記電極が、周期律表第4族金属を含有するのが好ましい。また、本発明においては、前記電極が、周期律表第13族金属を含有するのも好ましい。前記周期律表第4族金属としては、例えば、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれる少なくとも1種の金属等が挙げられるが、本発明においては、チタンであるのが好ましい。前記周期律表第13族金属としては、例えば、アルミニウム、ガリウムおよびインジウムから選ばれる少なくとも1種の金属等が挙げられるが、本発明においては、ガリウムであるのが好ましい。前記電極は、コランダム構造を有する金属酸化膜からなるのが好ましい。前記電極の厚さは、特に限定されないが、本発明においては、5nm以上であるのが好ましく、10nm以上であるのが、電気特性をより優れたものとすることができるので、より好ましい。
【0015】
前記電極は、例えば、周期律表第4族から選ばれる第1の金属と、周期律表第13族から選ばれる第2の金属とを、酸化雰囲気下で熱反応させて膜状の第1の金属と第2の金属との酸化物を形成することにより得ることが可能である。前記電極の形成方法は特に限定されず、公知の方法であってよい。前記電極の形成方法としては、具体的には例えば、ドライ法やウェット法などが挙げられる。ドライ法としては、例えば、スパッタ、真空蒸着、CVD等が挙げられる。ウェット法としては、例えば、スクリーン印刷やダイコート等が挙げられる。前記電極の形成条件は、特に限定されず、通常、各金属種から酸化雰囲気下熱反応可能な条件が適宜設定される。
【0016】
以下、本発明の好ましい態様として、前記電極がコランダム構造を有する導電性金属酸化膜からなり、前記半導体素子がオーミック電極を備えており、前記導電性金属酸化膜を前記オーミック電極に用いた場合を説明する。好ましい態様の一例として、図17に示す半導体素子を用いて説明する。図17の半導体素子の主要部である積層構造体は、酸化物半導体膜からなる半導体層101上に、第1の金属酸化物層102aと、第2の金属層102bと、第3の金属層102cとが積層されており、第1の金属酸化物層102aとして、前記導電性金属酸化膜が用いられてさえいれば特に限定されない。
【0017】
前記酸化物半導体膜(以下、単に「半導体層」または「半導体膜」ともいう)は、酸化物を含む半導体膜であれば特に限定されないが、本発明においては、金属酸化物を含む半導体膜であるのが好ましく、結晶性酸化物半導体を含む半導体膜であるのがより好ましく、結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体膜であるのが最も好ましい。また、本発明においては、前記結晶性酸化物半導体が、周期律表第9族(例えば、コバルト、ロジウムまたはイリジウム等)および第13族(例えば、アルミニウム、ガリウムまたはインジウム等)から選ばれる1種または2種以上の金属を含有するのが好ましく、アルミニウム、インジウム、ガリウムおよびイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含有するのがより好ましく、少なくともガリウムまたはイリジウムを含むのが最も好ましい。前記結晶性酸化物半導体の結晶構造も、特に限定されない。前記結晶性酸化物半導体の結晶構造としては、例えば、コランダム構造、βガリア構造または六方晶構造(例えば、ε型構造)等が挙げられる。本発明においては、前記結晶性酸化物半導体が、コランダム構造を有するのが好ましく、コランダム構造を有しており、さらに主面がm面であるのが、より酸素等の拡散を抑制し、さらに電気特性をより優れたものとすることができるのでより好ましい。また、前記結晶性酸化物半導体はオフ角を有していてもよい。本発明においては、前記半導体膜が酸化ガリウムおよび/または酸化イリジウムを含むのが好ましく、α-Gaおよび/またはα-Irを含むのがより好ましい。なお、「主成分」とは、前記結晶性酸化物半導体が、原子比で、半導体層の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらにより好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよいことを意味する。また、前記半導体層の厚さは、特に限定されず、1μm以下であってもよいし、1μm以上であってもよいが、本発明においては、1μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。前記半導体膜の表面積は特に限定されないが、1mm以上であってもよいし、1mm以下であってもよいが、10mm~300cmであるのが好ましく、100mm~100cmであるのがより好ましい。また、前記半導体膜は、単結晶膜が好ましいが、多結晶膜または多結晶を含む結晶膜であってもよい。また、前記半導体膜は、少なくとも第1の半導体層と第2の半導体層とを含む多層膜であって、第1の半導体層上にショットキー電極が設けられる場合には、第1の半導体層のキャリア密度が、第2の半導体層のキャリア密度よりも小さい多層膜であるのも好ましい。なお、この場合、第2の半導体層には、通常、ドーパントが含まれており、前記半導体層のキャリア密度は、ドーピング量を調節することにより、適宜設定することができる。
【0018】
前記半導体層は、ドーパントが含まれているのが好ましい。前記ドーパントは、特に限定されず、公知のものであってよい。前記ドーパントとしては、例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウムまたはニオブ等のn型ドーパント、またはマグネシウム、カルシウム、亜鉛等のp型ドーパントなどが挙げられる。本発明においては、前記半導体層がn型ドーパントを含むのが好ましく、n型酸化物半導体層であるのがより好ましい。また、本発明においては、前記n型ドーパントが、Sn、GeまたはSiであるのが好ましい。ドーパントの含有量は、前記半導体層の組成中、0.00001原子%以上であるのが好ましく、0.00001原子%~20原子%であるのがより好ましく、0.00001原子%~10原子%であるのが最も好ましい。より具体的には、ドーパントの濃度は、通常、約1×1016/cm~1×1022/cmであってもよいし、また、ドーパントの濃度を例えば約1×1017/cm以下の低濃度にしてもよい。また、本発明の一態様によれば、ドーパントを約1×1020/cm以上の高濃度で含有させてもよい。また、前記半導体層の固定電荷の濃度も、特に限定されないが、本発明においては、1×1017/cm以下であるのが、前記半導体層により良好に空乏層を形成することができるので、好ましい。
【0019】
前記半導体層は、公知の方法を用いて形成されてよい。前記半導体層の形成方法としては、例えば、CVD法、MOCVD法、MOVPE法、ミストCVD法、ミスト・エピタキシー法、MBE法、HVPE法、パルス成長法またはALD法などが挙げられる。本発明においては、前記半導体層の形成方法が、ミストCVD法またはミスト・エピタキシー法であるのが好ましい。前記のミストCVD法またはミスト・エピタキシー法では、例えば、原料溶液を霧化し(霧化工程)、液滴を浮遊させ、霧化後、得られた霧化液滴をキャリアガスでもって基体上まで搬送し(搬送工程)、ついで、前記基体近傍で前記霧化液滴を熱反応させることによって、基体上に結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体膜を積層する(成膜工程)ことにより前記半導体層を形成する。
【0020】
(霧化工程)
霧化工程では、前記原料溶液を霧化する。前記原料溶液の霧化方法は、前記原料溶液を霧化できさえすれば特に限定されず、公知の方法であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化方法が好ましい。超音波を用いて得られた霧化液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能な霧化液滴(ミストを含む)であるので衝突エネルギーによる損傷がないため、非常に好適である。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは100nm~10μmである。
【0021】
(原料溶液)
前記原料溶液は、霧化が可能であり、半導体膜を形成可能な原料を含んでいれば特に限定されず、無機材料であっても、有機材料であってもよい。本発明においては、前記原料が、金属または金属化合物であるのが好ましく、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウムから選ばれる1種または2種以上の金属を含むのがより好ましい。
【0022】
本発明においては、前記原料溶液として、前記金属を錯体または塩の形態で有機溶媒または水に溶解または分散させたものを好適に用いることができる。錯体の形態としては、例えば、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体などが挙げられる。塩の形態としては、例えば、有機金属塩(例えば金属酢酸塩、金属シュウ酸塩、金属クエン酸塩等)、硫化金属塩、硝化金属塩、リン酸化金属塩、ハロゲン化金属塩(例えば塩化金属塩、臭化金属塩、ヨウ化金属塩等)などが挙げられる。
【0023】
また、前記原料溶液には、ハロゲン化水素酸や酸化剤等の添加剤を混合するのが好ましい。前記ハロゲン化水素酸としては、例えば、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸などが挙げられるが、中でも、異常粒の発生をより効率的に抑制できるとの理由から、臭化水素酸またはヨウ化水素酸が好ましい。前記酸化剤としては、例えば、過酸化水素(H)、過酸化ナトリウム(Na)、過酸化バリウム(BaO)、過酸化ベンゾイル(CCO)等の過酸化物、次亜塩素酸(HClO)、過塩素酸、硝酸、オゾン水、過酢酸やニトロベンゼン等の有機過酸化物などが挙げられる。
【0024】
前記原料溶液には、ドーパントが含まれていてもよい。原料溶液にドーパントを含ませることで、ドーピングを良好に行うことができる。前記ドーパントは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されない。前記ドーパントとしては、例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウムまたはニオブ等のn型ドーパント、またはMg、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Ca、Sr、Ba、Ra、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Ti、Pb、N、もしくはP等のp型ドーパントなどが挙げられる。前記ドーパントの含有量は、所望のキャリア密度に対するドーパントの原料中の濃度の関係を示す検量線を用いることにより適宜設定される。
【0025】
原料溶液の溶媒は、特に限定されず、水等の無機溶媒であってもよいし、アルコール等の有機溶媒であってもよいし、無機溶媒と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。本発明においては、前記溶媒が水を含むのが好ましく、水または水とアルコールとの混合溶媒であるのがより好ましい。
【0026】
(搬送工程)
搬送工程では、キャリアガスでもって前記霧化液滴を成膜室内に搬送する。前記キャリアガスとしては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01~20L/分であるのが好ましく、1~10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001~2L/分であるのが好ましく、0.1~1L/分であるのがより好ましい。
【0027】
(成膜工程)
成膜工程では、前記基体近傍で前記霧化液滴を熱反応させることによって、基体上に、前記半導体膜を成膜する。熱反応は、熱でもって前記霧化液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度(例えば1000℃)以下が好ましく、650℃以下がより好ましく、300℃~650℃が最も好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下(例えば、不活性ガス雰囲気下等)、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよいが、不活性ガス雰囲気下または酸素雰囲気下で行われるのが好ましい。また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、前記半導体膜の膜厚は、成膜時間を調整することにより、設定することができる。
【0028】
(基体)
前記基体は、前記半導体膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されない。
【0029】
前記基板は、板状であって、前記半導体膜の支持体となるものであれば特に限定されない。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、金属基板や導電性基板であってもよいが、前記基板が、絶縁体基板であるのが好ましく、また、表面に金属膜を有する基板であるのも好ましい。前記基板としては、例えば、コランダム構造を有する基板材料を主成分として含む下地基板、またはβ-ガリア構造を有する基板材料を主成分として含む下地基板、六方晶構造を有する基板材料を主成分として含む下地基板などが挙げられる。ここで、「主成分」とは、前記特定の結晶構造を有する基板材料が、原子比で、基板材料の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよい。
【0030】
基板材料は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のものであってよい。前記のコランダム構造を有する基板材料としては、例えば、α-Al(サファイア基板)またはα-Gaが好適に挙げられ、a面サファイア基板、m面サファイア基板、r面サファイア基板、c面サファイア基板や、α型酸化ガリウム基板(a面、m面またはr面)などがより好適な例として挙げられる。β-ガリア構造を有する基板材料を主成分とする下地基板としては、例えばβ-Ga基板、又はGaとAlとを含みAlが0wt%より多くかつ60wt%以下である混晶体基板などが挙げられる。また、六方晶構造を有する基板材料を主成分とする下地基板としては、例えば、SiC基板、ZnO基板、GaN基板などが挙げられる。
【0031】
本発明においては、前記成膜工程の後、アニール処理を行ってもよい。アニールの処理温度は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、通常、300℃~650℃であり、好ましくは350℃~550℃である。また、アニールの処理時間は、通常、1分間~48時間であり、好ましくは10分間~24時間であり、より好ましくは30分間~12時間である。なお、アニール処理は、本発明の目的を阻害しない限り、どのような雰囲気下で行われてもよい。非酸素雰囲気下であってもよいし、酸素雰囲気下であってもよい。非酸素雰囲気下としては、例えば、不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下)または還元ガス雰囲気下等が挙げられるが、本発明においては、不活性ガス雰囲気下が好ましく、窒素雰囲気下であるのがより好ましい。
【0032】
また、本発明においては、前記基体上に、直接、前記半導体膜を設けてもよいし、応力緩和層(例えば、バッファ層、ELO層等)、剥離犠牲層等の他の層を介して前記半導体膜を設けてもよい。各層の形成方法は、特に限定されず、公知の方法であってよいが、本発明においては、ミストCVD法が好ましい。
【0033】
本発明においては、前記半導体膜を、前記基体等から剥離する等の公知の方法を用いた後に、前記半導体層として半導体素子に用いてもよいし、そのまま前記半導体層として半導体素子に用いてもよい。
【0034】
前記オーミック電極は、前記半導体層とオーミック接触する第1の金属酸化物層と、第2の金属層と、第3の金属層とを少なくとも含み、該第2の金属層と該第3の金属層とは互いに異なる1種または2種以上の金属からそれぞれ構成されており、該第1の金属酸化物層と該第3の金属層との間に該第2の金属層が配置されている。本発明においては、前記オーミック電極の第1の金属酸化物層が前記導電性金属酸化膜であるのが好ましい。また、前記オーミック電極の第2の金属層および第3の金属層は、それぞれ、特に限定されず、公知のものであってよい。第2の金属層および第3の金属層としては、例えば、周期律表第4族~第11族から選ばれる少なくとも1種の金属等が挙げられる。周期律表第4族の金属としては、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)などが挙げられる。周期律表第5族の金属としては、例えば、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などが挙げられる。周期律表第6族の金属としては、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)などが挙げられる。周期律表第7族の金属としては、例えば、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)などが挙げられる。周期律表第8族の金属としては、例えば、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)などが挙げられる。周期律表第9族の金属としては、例えば、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)などが挙げられる。周期律表第10族の金属としては、例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などが挙げられる。周期律表第11族の金属としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)等が挙げられる。本発明においては、第2の金属層が、周期律表第4族の金属であるのが好ましく、チタンであるのがより好ましい。また、第3の金属層が、周期律表第10族の金属であるのが好ましく、ニッケルであるのがより好ましい。このような好ましい金属を用いることにより、前記導電性金属酸化膜の電気特性をより優れたものとすることができる。前記オーミック電極の第2の金属層および第3の金属層のそれぞれの厚さは、特に限定されないが、0.1nm~10μmが好ましく、1nm~1000nmがより好ましい。
【0035】
前記オーミック電極の形成方法は特に限定されず、公知の方法であってよい。前記オーミック電極の形成方法としては、具体的には例えば、ドライ法やウェット法などが挙げられる。ドライ法としては、例えば、スパッタ、真空蒸着、CVD等が挙げられる。ウェット法としては、例えば、スクリーン印刷やダイコート等が挙げられる。本発明においては、前記導電性金属酸化膜の形成方法が、ミストCVD法またはミスト・エピタキシー法であるのが好ましい。
【0036】
また、前記半導体素子は、ショットキー電極を含んでいてもよいし、ショットキー電極を含んでいなくてもよい。本発明においては、好適な態様の一つとして、前記半導体素子がショットキーバリアダイオードであるのが好ましい。前記ショットキー電極(以下、単に「電極層」ともいう)は、導電性を有しており、ショットキー電極として用いることができるものであれば、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。前記電極層の構成材料は、導電性無機材料であってもよいし、導電性有機材料であってもよい。本発明においては、前記電極の材料が、金属であるのが好ましい。前記金属としては、好適には、例えば、周期律表第4族~第10族から選ばれる少なくとも1種の金属等が挙げられる。周期律表第4族の金属としては、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)などが挙げられる。周期律表第5族の金属としては、例えば、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などが挙げられる。周期律表第6族の金属としては、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)などが挙げられる。周期律表第7族の金属としては、例えば、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)などが挙げられる。周期律表第8族の金属としては、例えば、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)などが挙げられる。周期律表第9族の金属としては、例えば、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)などが挙げられる。周期律表第10族の金属としては、例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などが挙げられる。本発明においては、前記電極層が、周期律表第4族、第6族および第9族から選ばれる少なくとも1種の金属を含むのが好ましく、周期律表第6族金属および第9族金属から選ばれる少なくとも1種の金属を含むのがより好ましく、Moおよび/またはCoを含むのが最も好ましい。前記電極層の層厚は、特に限定されないが、0.1nm~10μmが好ましく、5nm~500nmがより好ましく、10nm~200nmが最も好ましい。また、本発明においては、前記電極層が、互いに組成の異なる2層以上からなるものであるのが好ましい。前記電極層をこのような好ましい構成とすることにより、よりショットキー特性に優れた半導体素子を得ることができるだけでなく、リーク電流の抑制効果をより良好に発現することができる。
【0037】
前記電極層が第1の電極層および第2の電極層を含む2層以上からなる場合には、第2の電極層は、導電性を有しており、第1の電極層よりも導電率の高いものであるのが好ましい。第2の電極層の構成材料は、導電性無機材料であってもよいし、導電性有機材料であってもよい。本発明においては、第2の電極の材料が、金属であるのが好ましい。本発明においては、第2の電極の材料が、金属であるのが好ましい。前記金属としては、好適には、例えば、周期律表8族~第13族から選ばれる少なくとも1種の金属等が挙げられる。周期律表第8族~10族の金属としては、前記電極層の説明において周期律表第8族~10族の金属としてそれぞれ例示した金属などが挙げられる。周期律表第11族金属としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などが挙げられる。周期律表第12族の金属としては、例えば、亜鉛(ZN)、カドミウム(Cd)などが挙げられる。また、周期律表第13族の金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などが挙げられる。本発明においては、第2の電極層が、周期律表第11族および第13族金属から選ばれる少なくとも1種の金属を含むのが好ましく、銀、銅、金およびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含むのがより好ましい。なお、第2の電極層の層厚は、特に限定されないが、1nm~500μmが好ましく、10nm~100μmがより好ましく、0.5μm~10μmがもっとも好ましい。なお、本発明においては、前記電極層の外端部下における前記絶縁体膜の膜厚が前記開口部から1μmの距離に至るまでの前記絶縁体膜の膜厚よりも厚いのが、半導体素子の耐圧特性をより優れたものとすることができるので好ましい。
【0038】
また、本発明においては、前記ショットキー電極が第1の金属層と、第2の金属層と、第3の金属層とを少なくとも含み、該第1の金属層と該第2の金属層と該第3の金属層とは互いに異なる金属からそれぞれ構成されており、該第1の金属層と該第3の金属層との間に該第2の金属層が配置されており、該第1の金属層が該第3の金属層よりも前記半導体層側に位置しているのが好ましい。なお、前記ショットキー電極が第1の金属層と、第2の金属層と、第3の金属層とを含む場合には、該第1の金属層が周期律表第6族の金属を含む金属層または第9族の金属を含む金属層であり、該第2の金属層が周期律表第4族の金属を含む金属層であり、該第3の金属層が周期律表第13族の金属を含む金属層であるのがそれぞれ好ましく、該第1の金属層がCo層またはMo層であり、該第2の金属層がTi層であり、該第3の金属層がAl層であるのがそれぞれより好ましい。
【0039】
前記電極層の形成方法は特に限定されず、公知の方法であってよい。前記電極層の形成方法としては、具体的には例えば、ドライ法やウェット法などが挙げられる。ドライ法としては、例えば、スパッタ、真空蒸着、CVD等が挙げられる。ウェット法としては、例えば、スクリーン印刷やダイコート等が挙げられる。
【0040】
また、本発明の一態様においては、前記ショットキー電極が、前記半導体素子の外側に向かって膜厚が減少する構造を有するのが好ましい。この場合、前記ショットキー電極が、側面にテーパ領域を有していてもよいし、前記ショットキー電極が第1の電極層および第2の電極層を含む2層以上からなり、且つ、第1の電極層の外端部が、第2の電極層の外端部よりも外側に位置していてもよい。本発明の一態様において、前記ショットキー電極がテーパ領域を有している場合、かかるテーパ領域のテーパ角は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されないが、好ましくは、80°以下であり、より好ましくは、60°以下であり、最も好ましくは、40°以下である。前記テーパ角の下限も特に限定されないが、好ましくは、0.2°であり、より好ましくは、1°である。また、本発明の一態様においては、前記ショットキー電極の第1の電極層の外端部が、第2の電極層の外端部よりも外側に位置している場合、第1の電極層の外端部と第2の電極層の外端部との距離が1μm以上であるのが、よりリーク電流を抑制することができるので、好ましい。また、本発明の一態様においては、前記ショットキー電極の第1の電極層のうち、第2の電極層の外端部よりも外側に張り出している部分(以下、「張り出し部分」ともいう)の少なくとも一部が、前記半導体素子の外側に向かって膜厚が減少する構造を有しているのも、前記半導体素子の耐圧性をより優れたものとすることができるので、好ましい。また、このような好ましい電極構成と上記した好ましい前記半導体層の構成材料とを組み合わせることによって、より良好にリーク電流が抑制された、より低損失な半導体素子を得ることができる。
【0041】
前記半導体素子は、酸化物半導体層と、該酸化物半導体層の少なくとも側面を覆う誘電体膜とを含むのが好ましい。このように構成することにより、吸湿や大気中等の酸素等から酸化物半導体膜の半導体特性に支障を生じることを抑制することができる。なお、本発明の一態様においては、さらに、前記半導体層の側面をテーパ状とすることにより、前記誘電体膜との密着性等を向上させるだけでなく、応力緩和をより良好なものとすることができ、より信頼性等を向上させることができる。
【0042】
前記誘電体膜は、前記半導体層上に形成され、通常、開口部を有しているが、比誘電率等は特に限定されず、公知の誘電体膜であってよい。本発明の一態様においては、前記開口部から少なくとも1μm以上にわたって形成されている誘電体膜であって、比誘電率が5以下のものであるのが好ましい。「比誘電率」とは、膜の誘電率と、真空の誘電率との比である。本発明においては、前記誘電体膜がSiを含む膜であるのが好ましい。前記のSiを含む膜としては、酸化シリコン系の膜が好適な例として挙げられる。前記酸化シリコン系膜としては、例えば、SiO膜、リン添加SiO(PSG)膜、ボロン添加SiO膜、リンーボロン添加SiO膜(BPSG膜)、SiOC膜、SiOF膜等が挙げられる。前記誘電体膜の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、CVD法、大気圧CVD法、プラズマCVD法、ミストCVD法、熱酸化法等が挙げられる。本発明においては、前記誘電体膜の形成方法が、ミストCVD法または大気圧CVD法であるのが好ましい。
【0043】
また、本発明の一態様における半導体素子は、さらに、前記オーミック電極の第3の金属層に接触して多孔質層が配置されているのが好ましい。前記多孔質層は、特に限定されないが、導電性を有するのが好ましく、貴金属を含むのがより好ましい。本発明の一態様においては、前記多孔質層の空隙率が10%以下であるのが好ましい。このような好ましい空隙率とすることで、半導体特性を損なうことなく、反りや熱応力の集中等を緩和することができる。なお、前記多孔質層の空隙率を10%にする方法は、特に限定されず、公知の方法であってよく、焼結時間、圧力、焼結温度等の焼結条件を適宜設定することにより、容易に前記多孔質層の空隙率を10%にすることができ、例えば、加熱下での圧着(熱圧着)等によって空隙率を10%以下に調節する方法などが挙げられ、より具体的には、例えば、焼結の際に、一定の加圧下で通常よりも長い焼結時間で焼結したりすることなどが挙げられる。このような空隙率10%以下の多孔質層を半導体素子に用いることによって、半導体特性を損なうことなく、反りや熱応力の集中等をより緩和することができる。なお、ここで、「空隙率」とは、空隙によって生じる空間の体積が、多孔質層の体積(空隙を含む体積)に占める割合をいう。多孔質層の空隙率は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて撮影された断面写真に基づき、求めることができる。具体的には、多孔質層の断面写真(SEM像)を複数の位置で撮影する。次に、市販の画像解析ソフトを用いて、撮影したSEM像の2値化を行ない、SEM像における孔(空隙)に相当する部分(例えば黒色部)の割合を求める。複数の位置で撮影したSEM像から求めた黒色部の割合を平均化し、多孔質層の空隙率とする。なお、前記「多孔質層」は、連続した膜状の構造体である多孔質膜状だけでなく、多孔質の凝集体状を含む。
【0044】
また、本発明の半導体素子は、さらに、前記多孔質層上に基板が配置されているのが好ましい。なお、前記多孔質層上に前記基板が直接積層されていてもよいし、1種または2種以上の金属層(例えば上記例示した金属等)などの他の層を介して前記多孔質層上に前記基板が積層されていてもよい。
【0045】
本発明の態様において、半導体素子は、電流の流れる方向等特に限定されないが、前記酸化物半導体膜の第1面側にショットキー電極が配置されており、前記第1面側の反対側にある第2面側にオーミック電極が配置されているのが好ましく、縦型デバイスであるのがより好ましい。
【実施例
【0046】
以下、図面を用いて本発明の好適な実施の態様をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施の態様に限定されるものではない。
【0047】
図1は、本発明の好適な実施態様の一つである半導体素子として、ショットキーバリアダイオード(SBD)の主要部を示す。図1のSBDは、オーミック電極102、半導体層101、ショットキー電極103、誘電体膜104を備えている。オーミック電極102は、金属酸化物層(導電性金属酸化膜)102a、金属層102b、金属層102cを含んでいる。半導体層101は、第1の半導体層101a、第2の半導体層101bを含んでいる。ショットキー電極103は、金属層103a、金属層103b、金属層103cを含んでいる。第1の半導体層101aは、例えば、n-型半導体層であり、第2の半導体層101bは、例えば、n+型半導体層101bである。また、誘電体膜104(以下、「絶縁体膜」ということもある)は、半導体層101の側面(第1の半導体層101aの側面と第2の半導体層101bの側面)を覆って、半導体層101(第1の半導体層101a)の上面に位置する開口部を有しており、開口部は、第1の半導体層101aの一部と前記ショットキー電極103の金属層103cとの間に設けられている。誘電体膜104は、半導体層101の側面を覆って、半導体層101(第1の半導体層101a)の上面の一部を覆うように延設されていてもよい。図1の半導体素子は、誘電体膜104により、端部の結晶欠陥が改善され、空乏層がより良好に形成され、電界緩和もさらに一段と良好となり、また、リーク電流をより良好に抑制することができる。なお、多孔質層108および基板109が配置されているSBDの好適な一例を図18に示す。
【0048】
図6は、本発明の好適な実施態様の一つである半導体素子として、ショットキーバリアダイオード(SBD)の主要部を示す。図6のSBDは、図1のSBDに比べ、ショットキー電極103の側面にテーパ領域を有する点で異なる。図6の半導体素子は、第1の金属層としての金属層103bおよび/または金属層103cの外端部が、第2の金属層としての金属層103aの外端部よりも外側に位置しているので、リーク電流をより良好に抑制することができる。またさらに、金属層103bおよび/または金属層103cのうち、金属層103aの外端部よりも外側に張り出した部分が、半導体素子の外側に向かって膜厚が減少するテーパ領域を有しているので、より耐圧性に優れた構成となっている。
【0049】
金属層103aの構成材料としては、例えば、上記例示した金属などが挙げられる。また、金属層103bおよび金属層103cの構成材料としては、例えば、上記例示した金属などが挙げられる。図1の各層の形成方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知の方法であってよい。例えば、真空蒸着法やCVD法、スパッタ法、各種コーティング技術により成膜した後、フォトリソグラフィー法によりパターニングする方法、または印刷技術などを用いて直接パターニングを行う方法などが挙げられる。
【0050】
以下、図18のSBDの好ましい製造工程について説明するが、本発明は、これら好ましい製造方法に限定されるものではない。図2(a)は、上記したミストCVD法により、結晶成長用基板(サファイア基板)110上に応力緩和層を介して、第1の半導体層101a、第2の半導体層101bが積層されている積層体を示す。第2の半導体層101b上に、前記ドライ法または前記ウェット法を用いてオーミック電極として、金属酸化物層(導電性金属酸化膜)102a、金属層102bおよび金属層102cを形成し、図2(b)の積層体を得る。第1の半導体層101aは、例えば、n-型半導体層であり、第2の半導体層101bは、例えば、n+型半導体層101bである。また、図2(b)の積層体に貴金属からなる多孔質層108を介して基板109を積層して積層体(c)を得る。そして、図3に示すとおり、積層体(c)の結晶成長用基板110および応力緩和層111を、公知の剥離方法を用いて剥離し、積層体(d)を得る。そして、図4に示すとおり、積層体(d)の半導体層の側面をエッチングにてテーパ状とし、積層体(e)を得たのち、テーパ状の側面および半導体層の開口部以外の上面に絶縁膜104を積層して、積層体(f)を得る。次に、図5に示すとおり、積層体(f)の半導体層の上面開口部分に、前記ドライ法または前記ウェット法を用いてショットキー電極として、金属層103a、103bおよび103cを形成し、積層体(g)を得る。以上のようにして得られた半導体素子は、優れたオーミック特性を奏するとともに、端部の結晶欠陥が改善され、空乏層がより良好に形成され、電界緩和もさらに一段と良好となり、また、リーク電流をより良好に抑制することができる構成となっている。
【0051】
なお、本実施例として、図18に示す半導体素子を上記手順に基づき、試作した。実施例1の構成は、以下に示すとおりである。金属酸化物層(導電性金属酸化膜)102aとしてα-(TiGa1-X膜(式中、0<X<1)、金属層102bとしてTi、金属層102cとしてNiを用いている。また、本実施例1においては、応力緩和層111として、アンドープα-Ga層、第1の半導体層101aとして、スズドープα-Gaからなるn-型半導体層、第2の半導体層101bとして、スズドープα-Gaからなるn+型半導体層、金属層103aとしてAl、金属層103bとしてTi、金属層103cとして、Co、絶縁体膜104として、SiO、多孔質層108として、Agからなる多孔質層、基板109として、CuおよびMoを含む導電性基板を用いている。試作した実施例1の半導体素子の外観写真を図8に示す。また、図8の分析箇所における断面TEMの観察結果を図9に示し、TEM-EDSの分析結果を図10に示す。図9および図10から明らかなように、α-(TiGa1-X(式中、0.5<X<1)の結晶膜が良好に形成されていることが分かる。また、本実施例1の半導体素子のI-V特性を評価した。結果を図7に示す。図7に示すとおり、良好な半導体特性を有することがわかる。
【0052】
実施例2として、金属酸化物層(導電性金属酸化膜)102aの厚さを実施例1よりも厚くして厚さ10nm以上としたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体素子を試作した。試作した実施例2の半導体素子の外観写真を図8に示す。また、図8の分析箇所における断面TEMの観察結果を図9に示し、TEM-EDSの分析結果を図11に示す。図9および図11から明らかなように、α-(TiGa1-X(式中、0.5<X<1)の結晶膜が良好に形成されていることが分かる。また、本実施例2の半導体素子のI-V特性を評価した。結果を図7に示す。図7に示すとおり、金属酸化物層(導電性金属酸化膜)102aが十分な厚さを有するので、実施例1よりもさらに優れた半導体特性を有することがわかる。
【0053】
また、前記半導体素子は、縦型デバイスであるのが好ましく、また、とりわけ、パワーデバイスに有用である。前記半導体素子としては、例えば、ダイオード(例えば、PNダイオード、ショットキーバリアダイオード、ジャンクションバリアショットキーダイオード等)またはトランジスタ(例えば、MOSFET、MESFET等)などが挙げられるが、中でもダイオードが好ましく、ショットキーバリアダイオード(SBD)がより好ましい。
【0054】
本発明の半導体素子は、上記した事項に加え、さらに常法に基づき、リードフレーム、回路基板または放熱基板等に接合部材によって接合して半導体装置として好適に用いられ、とりわけ、パワーモジュール、インバータまたはコンバータとして好適に用いられ、さらには、例えば電源装置を用いた半導体システム等に好適に用いられる。前記半導体装置の好適な一例を図15に示す。図15の半導体装置は、半導体素子500の両面が、それぞれ半田501によってリードフレーム、回路基板または放熱基板502と接合されている。このように構成することにより、放熱性に優れた半導体装置とすることができる。なお、本発明においては、半田等の接合部材の周囲が樹脂で封止されているのが好ましい。
【0055】
また、前記電源装置は、公知の方法を用いて、配線パターン等に接続するなどすることにより、前記半導体装置からまたは前記半導体装置として作製することができる。図12は、複数の前記電源装置171、172と制御回路173を用いて電源システム170を構成している。前記電源システムは、図13に示すように、電子回路181と電源システム182とを組み合わせてシステム装置180に用いることができる。なお、電源装置の電源回路図の一例を図14に示す。図14は、パワー回路と制御回路からなる電源装置の電源回路を示しており、インバータ192(MOSFETA~Dで構成)によりDC電圧を高周波でスイッチングしACへ変換後、トランス193で絶縁及び変圧を実施し、整流MOSFET194(A~B’)で整流後、DCL195(平滑用コイルL1,L2)とコンデンサにて平滑し、直流電圧を出力する。この時に電圧比較器197で出力電圧を基準電圧と比較し、所望の出力電圧となるようPWM制御回路196でインバータ192及び整流MOSFET194を制御する。
【0056】
本発明の一態様においては前記半導体装置が、パワーカードであるのが好ましく、冷却器および絶縁部材を含んでおり、前記半導体層の両側に前記冷却器がそれぞれ少なくとも前記絶縁部材を介して設けられているのがより好ましく、前記半導体層の両側にそれぞれ放熱層が設けられており、放熱層の外側に少なくとも前記絶縁部材を介して前記冷却器がそれぞれ設けられているのが最も好ましい。図16は、本発明の好適な実施態様の一つであるパワーカードを示す。図16のパワーカードは、両面冷却型パワーカード201となっており、冷媒チューブ202、スペーサ203、絶縁板(絶縁スペーサ)208、封止樹脂部209、半導体素子を含む半導体チップ301a、金属伝熱板(突出端子部)302b、ヒートシンク及び電極303、金属伝熱板(突出端子部)303b、はんだ層304、制御電極端子305、ボンディングワイヤ308を備える。冷媒チューブ202の厚さ方向断面は、互いに所定間隔を隔てて流路方向に延在する多数の隔壁221で区画された流路222を多数有している。このような好適なパワーカードによればより高い放熱性を実現することができ、より高い信頼性を満たすことができる。
【0057】
半導体チップ301aは、金属伝熱板302bの内側の主面上にはんだ層304で接合され、半導体チップ301aの残余の主面には、金属伝熱板(突出端子部)302bがはんだ層304で接合され、これによりIGBTのコレクタ電極面及びエミッタ電極面にフライホイルダイオードのアノード電極面及びカソード電極面がいわゆる逆並列に接続されている。金属伝熱板(突出端子部)302bおよび303bの材料としては、例えば、MoまたはW等が挙げられる。金属伝熱板(突出端子部)302bおよび303bは、半導体チップ301aの厚さの差を吸収する厚さの差をもち、これにより金属伝熱板302bおよび303bの外表面は平面となっている。
【0058】
樹脂封止部209は例えばエポキシ樹脂からなり、これら金属伝熱板302bおよび303bの側面を覆ってモールドされており、半導体チップ301aは樹脂封止部209でモールドされている。但し、金属伝熱板302bおよび303bの外主面すなわち接触受熱面は完全に露出している。金属伝熱板(突出端子部)302bおよび303bは樹脂封止部209から図16中、右方に突出し、いわゆるリードフレーム端子である制御電極端子305は、例えばIGBTが形成された半導体チップ301aのゲート(制御)電極面と制御電極端子305とを接続している。
【0059】
絶縁スペーサである絶縁板208は、例えば、窒化アルミニウムフィルムで構成されているが、他の絶縁フィルムであってもよい。絶縁板208は金属伝熱板302bおよび303bを完全に覆って密着しているが、絶縁板208と金属伝熱板302bおよび303bとは、単に接触するだけでもよいし、シリコングリスなどの良熱伝熱材を塗布してもよいし、それらを種々の方法で接合させてもよい。また、セラミック溶射などで絶縁層を形成してもよく、絶縁板208を金属伝熱板上に接合してもよく、冷媒チューブ上に接合または形成してもよい。
【0060】
冷媒チューブ202は、アルミニウム合金を引き抜き成形法あるいは押し出し成形法で成形された板材を必要な長さに切断して作製されている。冷媒チューブ202の厚さ方向断面は、互いに所定間隔を隔てて流路方向に延在する多数の隔壁221で区画された流路222を多数有している。スペーサ203は、例えば、はんだ合金などの軟質の金属板であってよいが、金属伝熱板302bおよび303bの接触面に塗布等によって形成したフィルム(膜)としてもよい。この軟質のスペーサ203の表面は、容易に変形して、絶縁板208の微小凹凸や反り、冷媒チューブ202の微小凹凸や反りになじんで熱抵抗を低減する。なお、スペーサ203の表面等に公知の良熱伝導性グリスなどを塗布してもよく、スペーサ203を省略してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の半導体素子および半導体装置は、半導体(例えば化合物半導体電子デバイス等)、電子部品・電気機器部品、光学・電子写真関連装置、工業部材などあらゆる分野に用いることができるが、とりわけ、パワーデバイスに有用である。
【符号の説明】
【0062】
101 半導体層
101a 第1の半導体層
101b 第2の半導体層
102 オーミック電極
102a 金属酸化物層(導電性金属酸化膜)
102b 金属層
102c 金属層
103 ショットキー電極
103a 金属層
103b 金属層
103c 金属層
104 絶縁体膜
108 多孔質層
109 基板
110 結晶成長用基板
170 電源システム
171 電源装置
172 電源装置
173 制御回路
180 システム装置
181 電子回路
182 電源システム
192 インバータ
193 トランス
194 整流MOSFET
195 DCL
196 PWM制御回路
197 電圧比較器
201 両面冷却型パワーカード
202 冷媒チューブ
203 スペーサ
208 絶縁板(絶縁スペーサ)
209 封止樹脂部
221 隔壁
222 流路
301a 半導体チップ
302b 金属伝熱板(突出端子部)
303 ヒートシンク及び電極
303b 金属伝熱板(突出端子部)
304 はんだ層
305 制御電極端子
308 ボンディングワイヤ
500 半導体素子
501 半田
502 リードフレーム、回路基板または放熱基板

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16
図17
図18