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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】ヘルメット内換気装置
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/28 20060101AFI20240425BHJP
   A42B 3/04 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A42B3/28
A42B3/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020089259
(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公開番号】P2021183736
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】592171005
【氏名又は名称】株式会社セフト研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 弘司
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特許第6029091(JP,B1)
【文献】登録実用新案第3225043(JP,U)
【文献】中国実用新案第203369423(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0143934(US,A1)
【文献】国際公開第2013/175932(WO,A1)
【文献】特表2014-523980(JP,A)
【文献】特開2003-119611(JP,A)
【文献】国際公開第2015/162695(WO,A1)
【文献】特開昭58-008109(JP,A)
【文献】特開2019-085658(JP,A)
【文献】特開2017-089060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B3/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットに装着して使用されるヘルメット内換気装置であって、
第一シートと第二シートを用いて上方が開放された開口部を有する袋状に形成された袋状体と、
前記第一シートの上端部に設けられた、前記袋状体を前記ヘルメットに取り付けるための取付手段と、
前記袋状体に取り付けられた、外部の空気を前記袋状体の内部に取り込んで前記開口部側に送出する送風手段と、
前記送風手段を駆動するための電源手段と、
前記開口部の前記第二シート側の縁には、前記ヘルメットを着用したユーザーの頭部に面接触する帯状シートと、
を備え、
前記第二シートが人体の側に位置し前記第一シートが外側に位置するように、前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記ヘルメットをユーザーが着用した状態で、前記開口部の前記第一シート側の縁が前記ヘルメットの外面に接触し、前記開口部の前記第二シート側の縁が前記ユーザーの頭部に接触するように構成されていることを特徴とするヘルメット内換気装置。
【請求項2】
ヘルメットに装着して使用されるヘルメット内換気装置であって、
第一シートと第二シートを用いて上方が開放された開口部を有する袋状に形成された袋状体と、
前記第一シートの上端部に設けられた、前記袋状体を前記ヘルメットに取り付けるための取付手段と、
前記袋状体に取り付けられた、外部の空気を前記袋状体の内部に取り込んで前記開口部側に送出する送風手段と、
前記送風手段を駆動するための電源手段と、
を備え、
前記第二シートが人体の側に位置し前記第一シートが外側に位置するように、前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記ヘルメットをユーザーが着用した状態で、前記開口部の前記第一シート側の縁が前記ヘルメットの外面に接触し、前記開口部の前記第二シート側の縁が前記ユーザーの頭部に接触するように構成され
前記取付手段は、前記ヘルメットの帽体の側部を略一周するように前記ヘルメットの鍔部に沿って配置される環状ベルト体と、
前記環状ベルト体に少なくとも1つ設けられており、前記鍔部に係着可能な係着具を備えた鍔側ベルト体と、を備えたことを特徴とするヘルメット内換気装置。
【請求項3】
前記開口部の前記第二シート側の縁には、前記第二シートを前記ヘルメットにおける前記袋状体とは反対側の位置に引き寄せるための引寄手段が設けられていることを特徴とする請求項に記載のヘルメット内換気装置。
【請求項4】
前記帯状シートにおける前記第二シートとは反対側の端部には、前記帯状シートを前記ヘルメットにおける前記袋状体とは反対側の位置に引き寄せるための引寄手段が設けられていることを特徴とする請求項に記載のヘルメット内換気装置。
【請求項5】
前記帯状シートは、吸水性を有するシート材で形成されていることを特徴とする請求項1又は4に記載のヘルメット内換気装置。
【請求項6】
前記帯状シートは、伸縮性を有するシート材で形成されていることを特徴とする請求項1、4、5のいずれか一項に記載のヘルメット内換気装置。
【請求項7】
前記第二シートには、前記ヘルメットを着用したユーザーに向けて、前記送風手段が前記袋状体内に取り込んだ空気を吹き出す吹出口が形成されていることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のヘルメット内換気装置。
【請求項8】
前記第二シートには、前記吹出口の開口率を調整するための開口率調整手段が設けられていることを特徴とする請求項に記載のヘルメット内換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルメットの着用時にそのヘルメット内に空気を送り込んでヘルメット内を換気するためのヘルメット内換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、安全規格を満たした既存の作業用ヘルメットに放熱機能を付加するため、ヘルメットに装着して使用されるヘルメット内換気装置が実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
このヘルメット内換気装置は、ファンなどの送風手段が取り付けられている袋状体をヘルメットに取り付け、ファンによって袋状体内に取り込んだ空気をその袋状体の開口部からヘルメット内に導入してヘルメット内を換気し、ヘルメット内の蒸れを防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6029091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のヘルメット内換気装置の場合、例えば、ヘルメットを着用した状態でヘルメットに取り付けられている袋状体の開口部にヘルメットのヘッドバンドが挿入されていないと、袋状体の開口部が塞がれてしまうことがあり、ヘルメット内に好適に空気を送り込むことができないことある。このように適正な状態で使用されていないときには、十分な換気を行えないことがある。
このようなことは、ヘルメット内換気装置の使用に不慣れなユーザーが起こしがちであるため、本発明者らは鋭意検討し、より使い勝手のよいヘルメット内換気装置を開発するに至った。
【0005】
本発明の目的は、ヘルメット内に好適に空気を送り込むことができるヘルメット内換気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
ヘルメットに装着して使用されるヘルメット内換気装置であって、
第一シートと第二シートを用いて上方が開放された開口部を有する袋状に形成された袋状体と、
前記第一シートの上端部に設けられた、前記袋状体を前記ヘルメットに取り付けるための取付手段と、
前記袋状体に取り付けられた、外部の空気を前記袋状体の内部に取り込んで前記開口部側に送出する送風手段と、
前記送風手段を駆動するための電源手段と、
前記開口部の前記第二シート側の縁には、前記ヘルメットを着用したユーザーの頭部に面接触する帯状シートと、
を備え、
前記第二シートが人体の側に位置し前記第一シートが外側に位置するように、前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記ヘルメットをユーザーが着用した状態で、前記開口部の前記第一シート側の縁が前記ヘルメットの外面に接触し、前記開口部の前記第二シート側の縁が前記ユーザーの頭部に接触するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
ヘルメットに装着して使用されるヘルメット内換気装置であって、
第一シートと第二シートを用いて上方が開放された開口部を有する袋状に形成された袋状体と、
前記第一シートの上端部に設けられた、前記袋状体を前記ヘルメットに取り付けるための取付手段と、
前記袋状体に取り付けられた、外部の空気を前記袋状体の内部に取り込んで前記開口部側に送出する送風手段と、
前記送風手段を駆動するための電源手段と、
を備え、
前記第二シートが人体の側に位置し前記第一シートが外側に位置するように、前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記ヘルメットをユーザーが着用した状態で、前記開口部の前記第一シート側の縁が前記ヘルメットの外面に接触し、前記開口部の前記第二シート側の縁が前記ユーザーの頭部に接触するように構成され、
前記取付手段は、前記ヘルメットの帽体の側部を略一周するように前記ヘルメットの鍔部に沿って配置される環状ベルト体と、
前記環状ベルト体に少なくとも1つ設けられており、前記鍔部に係着可能な係着具を備えた鍔側ベルト体と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項に記載のヘルメット内換気装置において、
前記開口部の前記第二シート側の縁には、前記第二シートを前記ヘルメットにおける前記袋状体とは反対側の位置に引き寄せるための引寄手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項に記載のヘルメット内換気装置において、
前記帯状シートにおける前記第二シートとは反対側の端部には、前記帯状シートを前記ヘルメットにおける前記袋状体とは反対側の位置に引き寄せるための引寄手段が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項又は4に記載のヘルメット内換気装置において、
前記帯状シートは、吸水性を有するシート材で形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1、4、5のいずれか一項に記載のヘルメット内換気装置において、
前記帯状シートは、伸縮性を有するシート材で形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載のヘルメット内換気装置において、
前記第二シートには、前記ヘルメットを着用したユーザーに向けて、前記送風手段が前記袋状体内に取り込んだ空気を吹き出す吹出口が形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項7に記載のヘルメット内換気装置において、
前記第二シートには、前記吹出口の開口率を調整するための開口率調整手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ヘルメット内に好適に空気を送り込むことができるヘルメット内換気装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ヘルメットに装着した本実施形態のヘルメット内換気装置を示す側面図である。
図2】ヘルメットに装着したヘルメット内換気装置を示す前面図(a)と後面図(b)である。
図3】本実施形態のヘルメット内換気装置をヘルメットに装着する手順の説明図(a)(b)(c)である。
図4】本実施形態のヘルメット内換気装置における送気に関する説明図(a)(b)である。
図5】ヘルメット内換気装置の引寄手段のバンド部材に設けられるクリップに関する説明図(a)(b)(c)である。
図6】第2の実施形態のヘルメット内換気装置を示す側面図である。
図7】第3の実施形態のヘルメット内換気装置をヘルメットに装着する手順の説明図(a)(b)(c)である。
図8】ヘルメット内換気装置の変形例を示す説明図(a)(b)(c)である。
図9】ヘルメット内換気装置の電源装置に関する説明図である。
図10】ヘルメット内換気装置の電源装置を示す正面図である。
図11】ヘルメット内換気装置の電源装置を示す上面図(a)(b)である。
図12】ヘルメット内換気装置の電源装置の変形例を示す正面図(a)(b)である。
図13】ヘルメット内換気装置の電源装置の変形例を示す正面図(a)(b)である。
図14】電源装置の変形例を示す正面図(a)と、その電源装置が配設されるヘルメットの正面図(b)と上面図(c)である。
図15図14(a)の電源装置がヘルメットに配設された状態を示す説明図である。
図16】電源装置が配設されるヘルメットの変形例を示す正面図(a)と上面図(b)である。
図17図14(a)の電源装置が、図16のヘルメットに配設された状態を示す説明図である。
図18】作業用のヘルメットを示す側面図(a)と、そのヘルメットの内側を示す下面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係るヘルメット内換気装置の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0018】
本実施形態のヘルメット内換気装置100は、ヘルメット1に装着して使用するものである。
【0019】
[ヘルメット]
まず、ヘルメット内換気装置100を装着するヘルメット1について説明する。
例えば、図18(a)(b)に示すように、ヘルメット1は、その周囲に鍔部2が設けられている帽体3と、ハンモック4と、ヘッドバンド5と、あご紐6等を備えている。
ハンモック4は、帽体3と着用者の頭部との間に一定の間隔を確保するために設けられている。
ヘッドバンド5とあご紐6は、ヘルメット1を着用者の頭部に固定するためのものである。このヘッドバンド5とあご紐6を長さ調整するなどして、ヘルメット1を頭部に固定する。ヘッドバンド5は着用者の後頭部に接するようになっている。
【0020】
[ヘルメット内換気装置]
そして、本実施形態のヘルメット内換気装置100は、例えば、図1図4に示すように、第一シート11と第二シート12を用いて上方が開放された開口部10aを有する袋状に形成された袋状体10と、第一シート11の上端部に設けられており、袋状体10をヘルメット1に取り付けるための取付手段20と、袋状体10に取り付けられており、外部の空気を袋状体10の内部に取り込んで開口部10a側に送出する送風手段であるファン30と、ファン(送風手段)30を駆動するための電源手段である電源装置40等を備えている。
【0021】
[袋状体]
袋状体10は、2枚のシート、すなわち第一シート11と第二シート12を縫合して袋状に形成した部材である。
第一シート11と第二シート12は、例えば、その横幅が下方ほど狭くなるような略台形状あるいは略三角形状を呈しており、それらシートを重ね合わせ、シートの上端部を縫合しないようにシートの周縁を縫合するようにして、上部に開口部10aを有する袋状の袋状体10が形成されている。
この第一シート11と第二シート12は同じサイズのシートではなく、第二シート12の方が第一シート11よりも上下に長く、袋状体10の開口部10aにおいて第二シート12の上端部が第一シート11の上端部よりも上方に延在するようになっている。
なお、本例の場合、袋状体10は、2枚のシートである第一シート11と第二シート12を縫合して袋状に形成した部材であるとしたが、1枚の長尺なシートを折り返して重ねた後に第一シート11側の面と第二シート12側の面を縫合して袋状に形成した部材であってもよい。また、縫製の仕方によっては3枚以上のシートを用いて袋状体を形成してもよい。
この袋状体10が取り付けられたヘルメット1をユーザーが着用した状態で、第二シート12が人体の側に位置し、第一シート11が外側に位置するようになる。
そして、第一シート11には、ファン30を取り付ける取付孔(図示省略)が設けられており、その取付孔にファン30が取り付けられている。
【0022】
[ファン]
ファン30は、袋状体10内に空気を送り込む送風を行う送風器である。
このファン30は、袋状体10の内部に空気を取り込み、その空気を開口部10aから放出するように送気する機能を有する。
このファン30には、電源ケーブルを介して電源装置40が接続されている。なお、図1図4にて電源装置40の図示は省略している。電源装置40は、ユーザーが所望する箇所に取り付ければよいが、ヘルメット1の外面に取り付けることが好ましい。この電源装置40については後述する。
【0023】
[取付手段]
また、袋状体10の開口部10aの第一シート11側の縁には、袋状体10をヘルメット1に取り付けるための取付手段20が縫着されている。
取付手段20は、ヘルメット1の帽体3の側部を一周するようにヘルメット1の鍔部2に沿って配置される環状ベルト体21と、環状ベルト体21に少なくとも1つ設けられている鍔側ベルト体22と、を備えている。
ここで、環状ベルト体21は、ヘルメット1の帽体3の側部を一周するようにヘルメット1の鍔部2に沿って配置されているとしたが、環状ベルト体21が帽体3の側部にフィットしていなくてもよく、環状ベルト体21が若干の余裕をもってヘルメット1の帽体3の側部を略一周するように配置されていてもよい。
本実施形態の取付手段20では、環状ベルト体21に鍔側ベルト体22が2つ設けられている。
環状ベルト体21と鍔側ベルト体22は、ともに伸縮性を有する弾性ベルトである。
また、鍔側ベルト体22の端部には、ヘルメット1の鍔部2に係着可能な係着具22aが設けられている。この係着具22aには、例えば、フック状部材を用いることができる。本実施形態の係着具22aの基部に、鍔側ベルト体22が取り付けられる第1突起が設けられており、その反対側の端部にヘルメット1の鍔部2に係着させるフックが設けられている。また、係着具22aの第1突起の近傍に、引寄手段14の係着部材14bが係着される第2突起が設けられている。
本実施形態では、2つの鍔側ベルト体22のうち、一方の鍔側ベルト体22の係着具22aをヘルメット1の鍔部2の後端に係着し、他方の鍔側ベルト体22の係着具22aをヘルメット1の鍔部2の前端に係着するようになっている。
なお、袋状体10(第一シート11)は、環状ベルト体21に縫着されている。
また、一方の鍔側ベルト体22は、環状ベルト体21における袋状体10側に設けられており、他方の鍔側ベルト体22は、その反対側(対向する側)に設けられている。
【0024】
また、袋状体10の開口部10aの第二シート12側の縁には、ヘルメット1を着用したユーザーの頭部に面接触する帯状シート13が設けられている。
この帯状シート13における第二シート12とは反対側の端部には、帯状シート13をヘルメット1における袋状体10とは反対側の位置に引き寄せるための引寄手段14が設けられている。
【0025】
[帯状シート]
帯状シート13は、例えばパイル地などの吸水性を有するシート材で形成されていてもよいし、例えばニット地などの伸縮性を有するシート材で形成されていてもよいし、さらには、吸水性と伸縮性を兼ね備えたシート材を用いて形成されていてもよい。
さらに、帯状シート13をメッシュ状シートにすると、髪の毛が空気流通を妨げるのを防ぐことができる。加えて、帯状シート13の後方部位に吸水性の布地を面状に加工した面状シート等を重ねて配置してもよい。
【0026】
[引寄手段]
引寄手段14は、例えば、一端が帯状シート13に縫着されたバンド部材14aと、そのバンド部材14aの他端に設けられており、ヘルメット1の鍔部2に係着可能な係着部材14bとを有している。
バンド部材14aの長さは、第二シート12がヘッドバンド5の外側に位置したときには、帯状シート13の撓みが足りずにヘルメットを十分な深さに被ることができないが、第二シート12がヘッドバンド5の内側に位置したときには、正常な深さに被ることができる長さとするとよい。
【0027】
次に、本実施形態のヘルメット内換気装置100をヘルメット1に装着して使用する態様について説明する。
【0028】
まず、図3(a)に示すように、ヘルメット内換気装置100の袋状体10がヘルメット1の後部に位置するように取り付ける。なお、袋状体10において、第二シート12が人体の側に位置し、第一シート11が外側に位置するように取り付ける。
このとき、袋状体10側の鍔側ベルト体22の係着具22aをヘルメット1の鍔部2の後端に係着した後、環状ベルト体21をヘルメット1の鍔部2に沿う位置に取り付け、もう一つの鍔側ベルト体22の係着具22aをヘルメット1の鍔部2の前端に係着するようにする。
なお、本実施形態では、ヘルメット1の鍔部2における係着具22aを取り付ける位置である鍔部2の前端と後端のそれぞれに切欠2aが設けられている。
この切欠2aによってヘルメット1に対する係着具22aの取付位置を保持することができる。また、切欠2aの形状は、例えば凹溝、二条のスリットから構成されるなど種々の構成を採用することができる。係着具22aの構成に対応して切欠2aの構成を決定すれば良いが、切欠2aは必ずしも設ける必要はない。
【0029】
次いで、図3(b)に示すように、帯状シート13をヘルメット1内に配置させるように、帯状シート13に取り付けられた引寄手段14の係着部材14bをヘルメット1の鍔部2の前端に係着する。
この引寄手段14をヘルメット1の鍔部2の前端に係着したことで、帯状シート13がヘルメット1の鍔部2の前端側に引き寄せられるようになる。
本実施形態では、ヘルメット1の鍔部2の前端に係着されている鍔側ベルト体22の係着具22aに引寄手段14の係着部材14bを係着するようにしている。
こうすることで、取付手段20によって袋状体10をヘルメット1に取り付けた後に、引寄手段14の係着部材14bをヘルメット1の鍔部2の前端に係着する手順が順守され易くなる。
なお、鍔側ベルト体22の係着具22aを介して引寄手段14の係着部材14bをヘルメット1の鍔部2の前端に係着することに限らず、切欠2aに係着具22aとともに係着してもよいし、引寄手段14の係着部材14bをヘルメット1の鍔部2の前端に直接係着するようにしてもよい。この場合、切欠2aのように、ヘルメット1の鍔部2の前端に係着部材14b専用の切欠(図示せず)を設けてもよい。さらに専用の切欠を設けなくとも、環状ベルト体21や、ハンモック4の前方、後述するヘルメット前方に配設した電源装置などに取り付けてもよい。
【0030】
また、引寄手段14の係着部材14bをヘルメット1の鍔部2の前端に係着するとき、ヘルメット1内に配置させる帯状シート13でヘッドバンド5を覆うようにする。
こうすることで、ヘッドバンド5を袋状体10の内側に配置させることができる。
ヘッドバンド5は、ヘルメット1の着用者の後頭部に接触する部材であるので、ヘッドバンド5が第二シート12をヘルメット1の着用者の後頭部に押し付けるようにして、袋状体10の開口部10aを広げるようになる。
【0031】
次いで、図3(c)に示すように、帯状シート13をヘルメット1内に押し込むようにして、帯状シート13をヘルメット1内のハンモック4に近付け、帯状シート13を広げるようにする。伸縮性を有する帯状シート13であれば広がり易い。
こうして、ヘルメット内換気装置100のヘルメット1への装着が完了する。
なお、引寄手段14の係着部材14bをヘルメット1の鍔部2の前端に係着して、帯状シート13をヘルメット1内に配置させた後、ヘルメット1を被るようにして、着用者の頭部で帯状シート13をヘルメット1内に押し込むようにしてもよい。伸縮性を有する帯状シート13であれば、着用者の頭部に倣うように伸びてハンモック4側に広がり易い。
【0032】
このようにして、本実施形態のヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1を着用した場合、図4(a)(b)に示すように、袋状体10の開口部aの第一シート11側の縁がヘルメット1の外面に接触し、袋状体10の開口部10aの第二シート12側の縁がユーザーの頭部に接触するようになっており、袋状体10の開口部10aが開いた状態を維持し易くなっている。
特に、袋状体10の開口部10aの第二シート12に繋がれている帯状シート13が、第二シート12の上縁をヘルメット1内に引き込むようにしているので、袋状体10の開口部10aが開いた状態を好適に維持することが可能になっている。
つまり、ファン30によって袋状体10の内部に取り込まれて開口部10aから放出される空気が、ヘルメット1内に送り込まれ易くなっている。
このように、本実施形態のヘルメット内換気装置100であれば、ヘルメット1内に好適に空気を送り込むことができるので、ヘルメット1内を好適に換気し、ヘルメット1内の蒸れを防止することができる。
【0033】
また、吸水性を有する帯状シート13を用いた場合、予め帯状シート13を水で濡らしておけば、水が蒸発する際の気化熱によってヘルメット1内を冷やすようにすることができる。
【0034】
また、例えば、図5(a)(b)(c)に示すように、引寄手段14のバンド部材14aに弛みを持たせるためのクリップ14cを設けるようにしてもよい。
このクリップ14cにバンド部材14aの折り返し部分を挟持させておくようにすれば、ヘルメット内換気装置100を装着したヘルメット1を着用するにあたり、ヘルメット1内のハンモック4と帯状シート13との間に空間があるためにヘルメット1を適正に被ることができないような場合、クリップ14cの位置調整を行うなどしてバンド部材14aの長さを調整するようにすれば、ハンモック4と帯状シート13の間を狭めて、ヘルメット1を適正に着用することが可能になる。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図6に示すように、帯状シート13をヘルメット1における袋状体10とは反対側の位置に引き寄せるための引寄手段14が設けられていないヘルメット内換気装置100であってもよい。
引寄手段14が設けられていない場合、そのヘルメット内換気装置100の袋状体10がヘルメット1の後部に位置するように取り付けた後、ヘルメット1の鍔部2の前端を下に向け、帯状シート13をヘルメット1の前部に向けて垂らした状態にして、その帯状シート13を頭部でヘルメット1内に押し込むように、そのヘルメット1を被るようにする。
こうすることで、帯状シート13をヘルメット1内のハンモック4と着用者の頭部とのに間に挟み込むことができる。
なお、引寄手段14が設けられていないヘルメット内換気装置100の場合、帯状シート13の長さは、その帯状シート13の自由端部が着用者の頭部前方に達する長さであることが好ましい。
【0036】
こうして、引寄手段14が設けられていないヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1をこのように着用して、帯状シート13をヘルメット1内のハンモック4と着用者の頭部とのに間に挟み込むようにした場合でも、袋状体10の開口部aの第一シート11側の縁がヘルメット1の外面に接触し、袋状体10の開口部10aの第二シート12側の縁がユーザーの頭部に接触するようになっており、袋状体10の開口部10aが開いた状態を維持し易くなっている。
つまり、ファン30によって袋状体10の内部に取り込まれて開口部10aから放出される空気が、ヘルメット1内に送り込まれ易くなっている。
このようなヘルメット内換気装置100であっても、ヘルメット1内に好適に空気を送り込むことができるので、ヘルメット1内を好適に換気し、ヘルメット1内の蒸れを防止することができる。
【0037】
また、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図7(a)(b)(c)に示すように、袋状体10の開口部10aの第二シート12側の縁に、第二シート12をヘルメット1における袋状体10とは反対側の位置に引き寄せるための引寄手段14が設けられているヘルメット内換気装置100であってもよい。このヘルメット内換気装置100には、帯状シート13が設けられていない。
ここでの引寄手段14には、例えば、紐状部材を用いており、引寄手段14としての紐状部材の両端部がそれぞれ第二シート12の縁に結合されている。紐状部材の両端部は、所定間隔あけて第二シート12の縁に結合されている。
【0038】
このヘルメット内換気装置100をヘルメット1に装着する場合、まず、図7(a)に示すように、袋状体10がヘルメット1の後部に位置するように取り付ける。
この袋状体10の取り付けは、前述と同様の手順で行うことができ、袋状体10側の鍔側ベルト体22の係着具22aをヘルメット1の鍔部2の後端に係着した後、環状ベルト体21をヘルメット1の鍔部2に沿う位置に取り付け、もう一つの鍔側ベルト体22の係着具22aをヘルメット1の鍔部2の前端に係着するようにする。
【0039】
次いで、図7(b)に示すように、引寄手段14をヘルメット1の鍔部2の前端に係着する。
この引寄手段14をヘルメット1の鍔部2の前端に係着したことで、第二シート12の縁がヘルメット1の鍔部2の前端側に引き寄せられるようになる。
本実施形態では、ヘルメット1の鍔部2の前端に係着されている鍔側ベルト体22の係着具22aに引寄手段14を係着するようにしている。ここでは、紐状部材の中央部分を係着具22aに係着するようにしている。
こうすることで、取付手段20によって袋状体10をヘルメット1に取り付けた後に、引寄手段14をヘルメット1の鍔部2の前端に係着する手順が順守され易くなる。
なお、鍔側ベルト体22の係着具22aを介して、引寄手段14をヘルメット1の鍔部2の前端に係着することに限らず、引寄手段14をヘルメット1の鍔部2の前端に直接係着するようにしてもよい。その場合、引寄手段14である紐状部材の中央部分に例えばフック状の係着部を設けるようにする。
【0040】
また、引寄手段14をヘルメット1の鍔部2の前端に係着するとき、第二シート12の縁でヘッドバンド5を覆うようにする。
こうすることで、ヘッドバンド5を袋状体10の内側に配置させることができる。
ヘッドバンド5は、ヘルメット1の着用者の後頭部に接触する部材であるので、ヘッドバンド5が第二シート12をヘルメット1の着用者の後頭部に押し付けるようにして、袋状体10の開口部10aを広げるようになる。
【0041】
次いで、図7(c)に示すように、引寄手段14をヘルメット1内に押し込むようにして、引寄手段14をヘルメット1内のハンモック4に近付け、第二シート12の縁をヘルメット1内に引き込むようにする。
こうして、ヘルメット内換気装置100のヘルメット1への装着が完了する。
なお、引寄手段14をヘルメット1の鍔部2の前端に係着した後、ヘルメット1を被るようにして、着用者の頭部で引寄手段14をヘルメット1内に押し込み、第二シート12の縁をヘルメット1内に引き込むようにしてもよい。
【0042】
このようにして、ヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1を着用した場合、袋状体10の開口部aの第一シート11側の縁がヘルメット1の外面に接触し、袋状体10の開口部10aの第二シート12側の縁がユーザーの頭部に接触するようになっており、袋状体10の開口部10aが開いた状態を維持し易くなっている。
つまり、ファン30によって袋状体10の内部に取り込まれて開口部10aから放出される空気が、ヘルメット1内に送り込まれ易くなっている。
このようなヘルメット内換気装置100であっても、ヘルメット1内に好適に空気を送り込むことができるので、ヘルメット1内を好適に換気し、ヘルメット1内の蒸れを防止することができる。
【0043】
また、ヘルメット1内に配置された引寄手段14としての紐状部材に、吸水性を有するシート材を取り付けたり、その紐状部材(引寄手段14)とハンモック4の間に吸水性を有するシート材を挟み込むようにしたりしてもよい。
そのシート材を予め水で濡らしておけば、水が蒸発する際の気化熱によってヘルメット1内を冷やすようにすることができる。
【0044】
また、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図8(a)に示すように、袋状体10の第二シート12に、ヘルメット1を着用したユーザーに向けて、ファン30が袋状体10内に取り込んだ空気を吹き出す吹出口12aが形成されていてもよい。
袋状体10の第二シート12は、ヘルメット1を着用したユーザーの後頭部や首部を覆う位置にあるので、第二シート12に吹出口12aが形成されていれば、その吹出口12aから吹き出す空気をユーザーの後頭部や首部に吹き付けることができる。
つまり、ヘルメット1を着用したユーザーの後頭部や首部に空気を吹き付けるようにして、ユーザーに清涼感を与えることが可能になる。
【0045】
特に、袋状体10の第二シート12に吹出口12aを形成する場合、図8(a)(b)(c)に示すように、吹出口12aの開口率を調整するための蓋シート12bを第二シート12に設けることが好ましい。
蓋シート12bは、回動可能に第二シート12に配設されており、第二シート12に設けられている貼着シート12cによって任意の位置に止着されるようになっている。
貼着シート12cは、例えば、面ファスナーである。貼着シート12cの面ファスナーには、蓋シート12bの裏面に貼着可能なオス型面ファスナー(面ファスナーのA面)を用いることができる。なお、蓋シート12bの裏面にオス型面ファスナーを貼着させることができない(あるいは貼着させても外れ易い)場合には、予め蓋シート12bの裏面にメス型面ファスナー(面ファスナーのB面)を接着しておくようにする
この蓋シート12bと貼着シート12cが、吹出口12aの開口率を調整するため開口率調整手段として機能する。
そして、蓋シート12bを貼着シート12cの任意の位置に止着するようにして、吹出口12aの開口率を100%から0%の値に調整することができる。
【0046】
次に、本実施形態のヘルメット内換気装置100の電源装置40について説明する。
【0047】
電源装置40は、ヘルメット内換気装置100を装着するヘルメット1の外面に配設するようにする。
電源装置40に内蔵されているバッテリー(例えば充電池)は、例えば、高温環境下に長時間さらされるなどすると破裂するおそれがあるので、電源装置40をヘルメット1の外面に配設しておけば、万一バッテリーが破裂しても、電源装置40の破片からの被害をヘルメット1によって防ぐことができる。
つまり、電源装置40をヘルメット1の外面に配設するようにすれば、バッテリーが破裂した場合でも、ヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1を着用したユーザーに、電源装置40の破片が当たらないようになる。
【0048】
そして、図9図10に示すように、電源装置40は、電源装置40をヘルメット内換気装置100の環状ベルト体21に取り付けるのに用いる一対の連結部41を有している。
また、この電源装置40は、ファン30のオン/オフを切り替えるためのスイッチ42と、ファン30のオン/オフを表示するためのランプ43と、ファン30の電源ケーブルを繋ぐための電源ジャック44と、充電ケーブルを繋ぐための充電ジャック45等を備えている。
なお、電源装置40には、電源装置40のバッテリー残量を表示する液晶表示部(図示省略)が設けられていてもよい。
【0049】
ここでの連結部41は、略J字形状を呈しており、環状ベルト体21に連結可能になっている。
具体的には、電源装置40の裏面に沿うように配した環状ベルト体21を、電源装置40と連結部41の間に通すようにして、連結部41を環状ベルト体21に連結し、電源装置40を環状ベルト体21に取り付けている。つまり、電源装置40は、環状ベルト体21を介してヘルメット1に配設されている。
なお、環状ベルト体21は、ヘルメット1の帽体3の側部を一周するようにヘルメット1の鍔部2に沿って配置されている。
【0050】
そして、ヘルメット内換気装置100の袋状体10は、ヘルメット1の後部側に取り付けられているので、この電源装置40は、ヘルメット1の前部側に配されている環状ベルト体21に取り付けるようにする。
ヘルメット1の後部側に取り付けられている袋状体10にはファン30が設けられているため、ヘルメット1の前部側に電源装置40を配設するようにすれば、前後の重量バランスが取れるので、ヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1を安定した姿勢で着用することができる。
【0051】
また、図11(a)に示すように、電源装置40の裏面はヘルメット1と接触する接触面40aであり、この接触面40aは、ヘルメット1の外面に密接可能な形状に形成されている。
この電源装置40の接触面40aは、ヘルメット1の凸状の曲面に密接するように、凹状の曲面に形成されている。
この接触面40aには、シリコンゴムシートなどの滑り止め手段46が設けられている。なお、滑り止め手段46は、シリコンゴムシートであることに限らず、例えば、エポキシ樹脂やウレタン樹脂の塗膜であったり、ブラスト加工によって形成された摩擦増大加工面であったりしてもよい。
【0052】
また、図11(b)に示すように、電源装置40の前面を凸状の曲面に形成するようにしてもよい。
電源装置40の前面を凸状の曲面に形成する場合、ヘルメット1の外面の曲率と同程度の曲面に形成することが好ましい。電池のセルとして、リチウムポリマーセル等を使用することにより、形状を自由に設計することもできる。
こうすることで、電源装置40を配設されたヘルメット1の見栄えがよく、そのヘルメット1の使用感が損なわれることがない。
【0053】
このように、ヘルメット1の外面に電源装置40を配設するようにしたヘルメット内換気装置100であれば、電源装置40に内蔵されたバッテリーが破裂した場合でも、ヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1を着用したユーザーに、電源装置40の破片が当たらないので、ヘルメット内換気装置100を安心して好適に使用できる。
特に、ファン30が設けられている袋状体10をヘルメット1の後部側に取り付け、ヘルメット1の前部側に電源装置40を配設するようにすれば、前後の重量バランスが取れるので、ヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1を安定した姿勢で着用することができる。
このようにして、ヘルメット内換気装置100の使用感や着用感を向上させることができる。
【0054】
なお、電源装置40は、上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図12(a)(b)に示すように、ヘルメット内換気装置100の取付手段20が、ヘルメット1の帽体3の側部を略一周する長さを有するベルト体23を備えている場合に、そのベルト体23の両方の端部がそれぞれ連結される一対の連結部41を有している電源装置40であってもよい。
このベルト体23の端部には、例えば、連結部材としてホック(スナップボタン)23aが設けられており、そのベルト体23の端部を連結部41に通してホック23aを留めるようにして、電源装置40をベルト体23に連結して、電源装置40をヘルメット1の外面に配設することができる。
ここでは、電源装置40がベルト体23に連結されたことで、電源装置40がベルト体(取付手段20)の一部を成し、電源装置40とベルト体23とで環状ベルト体を形成したような態様になっている。
つまり、電源装置40の一対の連結部41にベルト体23の両方の端部が連結された状態で、電源装置40とベルト体23とがヘルメット1の鍔部2に沿って配置されるようになる。
【0055】
また、電源装置40は、上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図13(a)(b)に示すように、ヘルメット内換気装置100の取付手段20が、ヘルメット1の帽体3の側部を略一周する長さを有するベルト体23を備えている場合に、そのベルト体23の両方の端部がそれぞれ連結される一対の連結部41を有している電源装置40であってもよい。
このベルト体23の端部には、その端部が折り返されて縫着されてなるループ23bが形成されており、そのベルト体23のループ23bに連結部41の連結棒41aを挿し込むようにして、電源装置40をベルト体23に連結して、電源装置40をヘルメット1の外面に配設することができる。
ここでは、電源装置40がベルト体23に連結されたことで、電源装置40がベルト体(取付手段20)の一部を成し、電源装置40とベルト体23とで環状ベルト体を形成したような態様になっている。
つまり、電源装置40の一対の連結部41にベルト体23の両方の端部が連結された状態で、電源装置40とベルト体23とがヘルメット1の鍔部2に沿って配置されるようになる。
【0056】
また、電源装置40は、上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図14(a)に示すように、電源装置40の下部に凸部47が設けられているものでもよい。
この電源装置40は、図14(b)(c)、図15に示すように、凸部47をヘルメット1の前面側の鍔部2に設けられている凹部7に挿入した状態で、ヘルメット1の外面に配設されるようになっている。
また、図14(b)(c)に示すように、このヘルメット1の帽体3の側部の前面側には一対の突起8が設けられており、図15に示すように、電源装置40は、一対の突起8に挟まれた状態で、ヘルメット1の外面に配設されるようになっている。
なお、ヘルメット1の一対の突起8は、電源装置40の幅(左右長)に対応させて設けられている。
このように、電源装置40の凸部47をヘルメット1の凹部7に挿入するとともに、その電源装置40がヘルメット1の一対の突起8に挟まれた状態で配設されていれば、その電源装置40がヘルメット1から外れ難くなっているので、ヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1を好適に着用することができる。
【0057】
また、電源装置40をヘルメット1に配設する態様は、上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図16(a)(b)に示すように、ヘルメット1の鍔部2に設けられている凹部7の上方に位置するように、ヘルメット1の帽体3の側部の前面側に突状部9が設けられている場合、図17に示すように、電源装置40の凸部47をヘルメット1の凹部7に挿入するとともに、突状部9を電源装置40の上部に当接させ、その電源装置40がヘルメット1の一対の突起8に挟まれた状態で配設されていれば、電源装置40がヘルメット1から外れ難くなっているので、ヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1を好適に着用することができる。
なお、ヘルメット1の突状部9と鍔部2との間の寸法が、電源装置40の上下長に対応する位置に突状部9が設けられている。
【0058】
また、電源装置40は、上記実施形態に限られるものではなく、ファン30の駆動を制御する処理を実行可能なものであってもよい。
例えば、電源装置40は、その電源装置40におけるバッテリー残量が所定値以下となった場合に、バッテリー残量が少なくなったことを報知するため、ファン30が通常とは異なる警報用の送風を行うように、ファン30を駆動させる制御を実行するようにしてもよい。
なお、ファン30による通常とは異なる警報用の送風とは、例えば、所定のリズムでファン30が間欠的に作動する送風や、ファン30が逆回転することによる送風などである。
ファン30によって、このような通常とは異なる送風が行われれば、ヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1の着用者は、電源装置40のバッテリー残量表示を視認することなく、電源装置40のバッテリー残量が所定値以下になったことを認識することができる。
このように、ファン30の駆動を制御する処理を実行する場合、電源装置40には、電源装置40のバッテリー残量を監視すること、電源装置40のバッテリー残量が所定値以下になったか否か判断すること、電源装置40のバッテリー残量が所定値以下になった場合にファン30に警報用の送風を行わせること、ができる制御手段(CPUなど)が備えられているものとする。
【0059】
以上のように、本実施形態のヘルメット内換気装置100であれば、ヘルメット内に好適に空気を送り込むことができる。そして、ヘルメット1内を好適に換気し、ヘルメット1内の蒸れを防止することができる。
また、本実施形態のヘルメット内換気装置100であれば、ファン30が設けられている袋状体10をヘルメット1の後部側に取り付け、ヘルメット1の前部側の外面に電源装置40を配設するようにすれば、前後の重量バランスが取れるので、ヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1を安定した姿勢で着用することができる。こうして、ヘルメット内換気装置100の使用感(着用感)を向上させることができる。
なお、前後の重量バランスを取ってヘルメット内換気装置100が装着されたヘルメット1を安定した姿勢で着用するには、ファン30の重量に対する電源装置40の重量が60%以上140%以下であるのが好ましい。
【0060】
なお、以上の実施の形態においては、取付手段20の環状ベルト体21の前後に1つずつ計2つの鍔側ベルト体22が設けられているとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、環状ベルト体21に鍔側ベルト体22が3つ設けられている取付手段20であってもよい。環状ベルト体21に3つの鍔側ベルト体22が等間隔に設けられていれば、より安定した取り付けが可能になる。
【0061】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
1 ヘルメット
2 鍔部
2a 切欠
3 帽体
4 ハンモック
5 ヘッドバンド
6 あご紐
7 凹部
8 突起
9 突状部
10 袋状体
10a 開口部
11 第一シート
12 第二シート
12a 吹出口
12b 蓋シート(開口率調整手段)
12c 貼着シート(開口率調整手段)
13 帯状シート
14 引寄手段
14a バンド部材
14b 係着部材
14c クリップ
20 取付手段
21 環状ベルト体
22 鍔側ベルト体
22a 係着具
23 ベルト体
23a ホック
23b ループ
30 ファン(送風手段)
40 電源装置(電源手段)
40a 接触面
41 連結部
41a 連結棒
42 スイッチ
43 ランプ
44 電源ジャック
45 充電ジャック
46 滑り止め手段
47 凸部
100 ヘルメット内換気装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14
図15
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