(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】紐締めシステムの張力部材ガイド
(51)【国際特許分類】
A43C 11/16 20060101AFI20240425BHJP
A43C 1/04 20060101ALI20240425BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A43C11/16
A43C1/04
A43B23/02 104
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022078186
(22)【出願日】2022-05-11
(62)【分割の表示】P 2019505463の分割
【原出願日】2017-08-02
【審査請求日】2022-06-10
(32)【優先日】2016-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512279729
【氏名又は名称】ボア テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(72)【発明者】
【氏名】ポラック,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ラベット,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】トルーデル,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン,コーディー
(72)【発明者】
【氏名】モーガン,クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ソダーバーグ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヘトマン,アンナ
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0059206(US,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0011520(KR,U)
【文献】特表2013-517843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43C 11/00 - 11/24
A43C 1/04
A43C 3/00
A43C 5/00
A43B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物と結合可能であり、前記履物の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るように構成されている張力部材ガイドであって、
材料本体であり、
近位端と、
遠位端と、
前記材料本体の前記近位端と前記遠位端との間に延伸する
複数のチャネルと
を有する、材料本体と、
前記材料本体を補強するために、前記材料本体の少なくとも1つのチャネル内に配置されている補強材料と
を備え、
前記材料本体は、中に前記張力部材が挿入可能なループまたはチャネルを形成するように前記近位端と前記遠位端との間で折り返され、前記材料本体は、中央部分と、前記中央部分の対向する両側に配置された2つの端部部分とを有
し、
前記複数のチャネルは、前記材料本体の前記2つの端部部分の間で壁によって分離または分割される、張力部材ガイド。
【請求項2】
前記補強材料は、前記材料本体の前記中央部分により近い位置にあるチャネルが、前記2つの端部部分により近い、または前記2つの端部部分に位置するチャネルよりも高い密度の前記補強材料を有するように、前記複数のチャネルの間に分散される、請求項
1に記載の張力部材ガイド。
【請求項3】
折り返された前記材料本体の前記ループまたはチャネルの内面が、低摩擦材料を含む、請求項1に記載の張力部材ガイド。
【請求項4】
前記低摩擦材料が、折り返された前記材料本体の前記ループまたはチャネルの前記内面に取り付けられている、請求項
3に記載の張力部材ガイド。
【請求項5】
前記材料本体が織物材料から形成されている、請求項1に記載の張力部材ガイド。
【請求項6】
前記補強材料が強化繊維または繊維束を含む、請求項
5に記載の張力部材ガイド。
【請求項7】
張力部材ガイドであって、
材料本体と、
前記材料本体を補強するために前記材料本体に結合された補強材料と
を備え、
前記材料本体は、張力部材が中に挿入可能であるループまたはチャネルを形成するために折り返され、
折り返された前記材料本体の前記ループまたはチャネルの内面が、
前記材料本体よりも低い摩擦係数を有する低摩擦材料を
備え、
前記低摩擦材料が、折り返された前記材料本体の前記ループまたはチャネルの前記内面に取り付けられている、張力部材ガイド。
【請求項8】
前記材料本体が内部に形成された複数のチャネルを含み、前記補強材料が、前記材料本体を補強するために、前記複数のチャネルのうちの1つまたは複数のチャネル内に配置される、請求項
7に記載の張力部材ガイド。
【請求項9】
前記補強材料は、前記複数のチャネル内の前記補強材料の密度が前記材料本体の中央部分に近いほど高くなるように、前記複数のチャネル間で分散される、請求項
8に記載の張力部材ガイド。
【請求項10】
前記材料本体の前記中央部分付近の前記補強材料の密度の増大は、前記張力部材の与張に応答して、前記張力部材ガイドが、前記材料本体の対向する端部部分に向かって増加した撓曲または湾曲を呈するようにする、請求項
9に記載の張力部材ガイド。
【請求項11】
前記材料本体が織物材料から形成されている、請求項
7に記載の張力部材ガイド。
【請求項12】
前記補強材料が強化繊維または繊維束を含む、請求項
11に記載の張力部材ガイド。
【請求項13】
張力部材ガイドを物品と結合する方法であって、
張力部材ガイドを提供することであり、前記張力部材ガイドは、
材料本体と、
前記材料本体を補強するために前記材料本体に結合された補強材料と
を備え、
前記材料本体は、張力部材が中に挿入可能であるループまたはチャネルを形成するために折り返され、
折り返された前記材料本体の前記ループまたはチャネルの内面が、
前記材料本体よりも低い摩擦係数を有する低摩擦材料を
備える、張力部材ガイドを提供することと、
前記張力部材ガイドを前記物品と結合することと
を含
み、
前記低摩擦材料が、折り返された前記材料本体の前記ループまたはチャネルの前記内面に取り付けられている、方法。
【請求項14】
折り返された前記材料本体に形成された前記ループまたはチャネル内に前記張力部材を挿入することをさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記物品が靴または履物である、請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
前記材料本体が複数のチャネルを含み、前記補強材料が前記複数のチャネル内に配置される、請求項
13に記載の方法。
【請求項17】
前記補強材料は、前記複数のチャネル内の前記補強材料の密度が前記材料本体の中央部分に近いほど、前記材料本体の対向する端部部分と比較して高くなるように、前記複数のチャネル間で分散される、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記材料本体が織物材料から形成されている、請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2016年8月2日に出願された「紐締めシステムの張力部材ガイド(Tension Member Guides of a Lacing System)」と題する米国仮特許出願第62/370,032号に対する優先権を主張する。当該仮特許出願の開示全体が、本明細書において全体を記載されているように、本明細書において、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本明細書に記載の実施形態は、概して、物品を閉鎖および/または締め付けるための閉鎖または締め付けシステム、装置、および方法に関する。これらの実施形態は、特に、物品の経路の周りで張力部材または紐を送るために使用されるガイドまたは構成要素に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]閉鎖または締め付けシステムは、一般的に物品を締め付けて閉じるために使用されている。例えば、リール式機構を使用して履物を閉じるまたは締め付けることができる。リール式機構のノブは、通常、ノブがユーザによって回転されるときにその周りに紐が巻かれるチャネルを含むスプールと結合される。リール式機構は、スプールおよび/またはノブの逆回転を防止する、係合する歯、または別のラチェット型機構を含むことができる。ユーザによるノブの回転が張力部材の与張を引き起こすように、張力部材は典型的にはリール式機構に取り付けられる。張力部材は、通常、従来の履物のアイレットなどの1つまたは複数のガイド部材を介して物品の経路に沿って送られる。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本明細書に記載の実施形態は、物品の経路の周りで、および、締め付け機構へまたは締め付け機構から張力部材または紐を方向付けるかまたは送るために利用され得る様々な張力部材ガイドを提供する。一態様によれば、張力部材ガイドは、本体とガイド部材とを含み得る。本体は、履物などの物品に結合可能であり得、一対のスリットまたは切り込みを含み得る。ガイド部材は、長手方向の長さに沿って折り返されて、中に張力部材が挿入され得るループまたはチャネルを形成し得る。ループ状ガイド部材は、中央部分と、中央部分の対向する両側に配置された2つの端部部分とを有することができる。ガイド部材は、2つの端部部分が中央部分から本体の対向する側に位置決めされるように、2つの端部部分の各端部部分が一対のスリットまたは切り込みのうちの一方のスリットまたは切り込みを通して挿入されるように、本体上に位置決めすることができる。本体は、2つの端部部分以外のガイド部材が本体の対向する側の間に位置決めされるようにガイド部材の上で折り返すことができる。補強部材を、本体およびガイド部材の近位端に取り付けることができる。
【0005】
[0005]張力部材ガイドが履物と結合されるとき、ガイド部材の2つの端部部分を、履物のアッパーの内側に位置決めすることができる。本体の表面または面は、張力部材ガイドを履物に容易に結合することを可能にするために、履物に熱溶接可能な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、本体は追加の一対のスリットまたは切り込みを含んでもよく、追加のガイド部材が、追加のガイド部材の対向する両端部部分が追加の一対のスリットまたは切り込みを通して挿入されるように、本体上に位置決めされてもよい。そのような実施形態では、追加のガイド部材の対向する両端部部分は本体の外面に位置決めされてもよく、ガイド部材の2つの端部部分は本体の内面に位置決めされてもよい。
【0006】
[0006]張力部材ガイドを靴または履物と結合する方法は、張力部材ガイドを提供することと、張力部材ガイドを履物と結合することとを含む。張力部材ガイドは、一対のスリットまたは切り込みを含む本体と、張力部材を中に挿入することができるループまたはチャネルを形成するように長手方向の長さに沿って折り返されるガイド部材とを含む。ガイド部材は、中央部分と、中央部分の対向する両側に配置される2つの端部部分とを有し、ガイド部材は、2つの端部部分が中央部分から本体の対向する側に位置決めされるように、2つの端部部分の各端部部分が一対のスリットまたは切り込みのうちの一方のスリットまたは切り込みを通して挿入されるように、本体上に位置決めすることができる。張力部材ガイドは、2つの端部部分が履物のアイステイ縁部の近くに位置決めされるように履物と結合することができる。
【0007】
[0007]方法はまた、ガイド部材のループまたはチャネルを通して張力部材を挿入すること、および/または、2つの端部部分以外のガイド部材が本体の両側の間に位置決めされるようにガイド部材の上で本体を折り返すことをも含むことができる。方法は、本体の表面または面を履物に熱溶接することをさらに含むことができる。張力部材ガイドはまた、本体およびガイド部材の近位端に取り付けられる補強部材を含むことができる。張力部材ガイドは、ガイド部材の2つの端部部分が履物のアッパーの内側に位置決めされるように、履物と結合することができる。本体はまた追加の一対のスリットまたは切り込みを含んでもよく、追加のガイド部材が、追加のガイド部材の対向する両端部部分が追加の一対のスリットまたは切り込みを通して挿入されるように、本体上に位置決めされてもよい。
【0008】
[0008]別の態様によれば、張力部材ガイドは第1の部材と第2の部材とを含む。第1の部材は長手方向の長さおよび横方向の幅を有し、第2の部材は長手方向の長さに沿って折り返されて中に張力部材が挿入され得るループまたはチャネルを形成する。ループ状の第2の部材は、中央部分と、中央部分の対向する両側に配置された2つの端部部分とを有する。第2の部材は第1の部材よりも低摩擦の材料から形成され、第2の部材は、第2の部材が第1の部材の片側の上に位置決めされるように、第1の部材と結合される。
【0009】
[0009]折り返された第2の部材は、張力部材ガイドの近位端が張力部材ガイドの遠位端よりも薄くなるように、第1の部材よりも長手方向に短くてもよい。第1の部材は、第2の部材のループ状端部の上で折り返されなくてもよい。第2の部材は、第2の部材の対向する長手方向端部が互いに長手方向にずれているように折り返すことができる。第1の部材は、物品に熱溶接可能な材料を含むことができる。第2の部材は、外側材料と内側材料とを含み、外側材料は構造的支持を提供するように構成され、内側材料は低摩擦面を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、張力部材ガイドはまた、第3の部材をも含み、第3の部材は、第2の部材の近位端が第1の部材と第3の部材との間に配置されるように、第2の部材の近位端の上に位置決めされる。
【0010】
[0010]張力部材ガイドを靴または履物のような物品と結合する方法は、張力部材ガイドを提供することと、張力部材ガイドを物品と結合することとを含む。張力部材ガイドは、長手方向の長さおよび横方向の幅を有する第1の部材と、長手方向の長さに沿って折り返されてループまたはチャネルを形成する第2の部材とを含む。ループ状の第2の部材は、中央部分と、中央部分の対向する両側に配置された2つの端部部分とを有する。第2の部材は第1の部材よりも低摩擦の材料から形成され、第2の部材は、第2の部材が第1の部材の片側の上に位置決めされるように、第1の部材と結合される。
【0011】
[0011]方法はまた、折り返された第2の部材のループまたはチャネルを通して張力部材を挿入すること、および/または第1の部材を物品に熱溶接することを含み得る。第1の部材は第2の部材のループ状端部の上で折り返されなくてもよく、かつ/または、張力部材ガイドはまた、第3の部材をも含むことができ、第3の部材は、第2の部材の近位端が第1の部材と第3の部材との間に配置されるように、第2の部材の近位端の上に位置決めされる。
【0012】
[0012]別の態様によれば、張力部材ガイドは、内部にチャネルが形成されている材料本体と、材料本体を補強するために材料本体のチャネル内に配置されている補強材料とを含む。材料本体が折り返されて、中に張力部材を挿入することができるループまたはチャネルが形成される。材料本体は織物材料から形成されてもよく、および/または、補強材料は強化繊維または繊維束を含んでもよい。
【0013】
[0013]材料本体は複数のチャネルを含むことができ、補強材料は、複数のチャネル内の補強材料の密度が材料本体の中央部分に近いほど高くなるように、複数のチャネル間に分散することができる。材料本体の中央部分付近の補強材料の密度が増加することによって、張力部材の与張に応答して、張力部材ガイドが、材料本体の対向する両端部部分に向かって増加した撓曲または湾曲を呈し得る。低摩擦材料を、折り返された材料本体のループまたはチャネルの内面に位置決めすることができる。
【0014】
[0014]張力部材ガイドを靴または履物のような物品と結合する方法は、張力部材ガイドを提供することと、張力部材ガイドを物品と結合することとを含むことができる。張力部材ガイドは、内部にチャネルが形成されている材料本体と、材料本体を補強するために材料本体のチャネル内に配置されている補強材料とを含むことができる。材料本体が折り返されて、中に張力部材を挿入することができるループまたはチャネルが形成され得る。方法はまた、折り返された材料本体に形成されたループまたはチャネル内に張力部材を挿入することを含むこともできる。
【0015】
[0015]材料本体は複数のチャネルを含むことができ、補強材料は、複数のチャネル内の補強材料の密度が材料本体の中央部分に近いほど、材料本体の対向する両端部部分と比較して高くなるように、複数のチャネル間に分散することができる。材料本体は、織物材料から形成されてもよい。
【0016】
[0016]本発明は添付の図面と関連して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】張力部材または紐を物品の経路の周りで送るまたは方向付けるために使用することができる紐ガイドを示す図である。
【
図1B】張力部材または紐を物品の経路の周りで送るまたは方向付けるために使用することができる紐ガイドを示す図である。
【
図2A】張力部材または紐を物品の経路の周りで送るまたは方向付けるために使用することができる追加の紐ガイドを示す図である。
【
図2B】張力部材または紐を物品の経路の周りで送るまたは方向付けるために使用することができる追加の紐ガイドを示す図である。
【
図2C】張力部材または紐を物品の経路の周りで送るまたは方向付けるために使用することができる追加の紐ガイドを示す図である。
【
図3A】靴のアッパーに取り付けられた
図2Aの紐ガイドを示す図である。
【
図3B】靴のアッパーに取り付けられた
図2Aの紐ガイドを示す図である。
【
図4A】紐ガイドと紐ガイドを通して挿入される紐との間の摩擦係合の低減を可能にするように構成された紐ガイドを示す図である。
【
図4B】紐ガイドと紐ガイドを通して挿入される紐との間の摩擦係合の低減を可能にするように構成された紐ガイドを示す図である。
【
図4C】紐ガイドと紐ガイドを通して挿入される紐との間の摩擦係合の低減を可能にするように構成された紐ガイドを示す図である。
【
図5】物品の所望の与張を達成するために利用され得る様々な紐ガイド構成を示す図である。
【
図6】それによって案内され方向付けられるように紐ガイドを通して紐が挿入されている、紐ガイドを示す図である。
【
図7】物品の紐経路に沿った紐と紐ガイドとの間の摩擦係合の効果を示す図である。
【
図8】設計された程度の伸張または弾性を有する紐ガイドを装着した物品の図である。
【
図9】紐の与張に起因して伸張または与張されている
図8の紐ガイドを示す図である。
【
図10A】物品に容易かつ迅速に取り付けられるように構成されている紐ガイドを示す図である。
【
図10B】物品に容易かつ迅速に取り付けられるように構成されている紐ガイドを示す図である。
【
図10C】物品に容易かつ迅速に取り付けられるように構成されている紐ガイドを示す図である。
【
図11A】紐の与張に応答して、設計された撓曲または伸張を呈する紐ガイドを示す図である。
【
図11B】紐の与張に応答して、設計された撓曲または伸張を呈する紐ガイドを示す図である。
【
図11C】紐の与張に応答して、設計された撓曲または伸張を呈する紐ガイドを示す図である。
【
図12】紐ガイドが迅速かつ容易に物品に取り付けられることを可能にする構成要素を示す図である。
【
図13A】
図12の構成要素を物品に取り付ける様々な実施形態を示す図である。
【
図13B】
図12の構成要素を物品に取り付ける様々な実施形態を示す図である。
【
図13C】
図12の構成要素を物品に取り付ける様々な実施形態を示す図である。
【
図13D】
図12の構成要素を物品に取り付ける様々な実施形態を示す図である。
【
図14】物品内のガイド部材の例示的な位置決めを示す図である。
【
図15A】物品のメッシュ材料に直接溶接または付着させることができるガイド構成要素を示す図である。
【
図15B】物品のメッシュ材料に直接溶接または付着させることができるガイド構成要素を示す図である。
【
図16A】ガイド構成要素の溶接領域が、所望の方法で物品のメッシュを締め付けるかまたは与張するために利用される実施形態を示す図である。
【
図16B】ガイド構成要素の溶接領域が、所望の方法で物品のメッシュを締め付けるかまたは与張するために利用される実施形態を示す図である。
【
図16C】ガイド構成要素の溶接領域が、所望の方法で物品のメッシュを締め付けるかまたは与張するために利用される実施形態を示す図である。
【
図16D】ガイド構成要素の溶接領域が、所望の方法で物品のメッシュを締め付けるかまたは与張するために利用される実施形態を示す図である。
【
図16E】ガイド構成要素の溶接領域が、所望の方法で物品のメッシュを締め付けるかまたは与張するために利用される実施形態を示す図である。
【
図17】靴のメッシュ材料と結合されたいくつかのガイド構成要素を示す図である。
【
図18A】2つの材料層の間にガイド部材を結合することによって形成されたガイド構成要素を示す図である。
【
図18B】2つの材料層の間にガイド部材を結合することによって形成されたガイド構成要素を示す図である。
【
図18C】2つの材料層の間にガイド部材を結合することによって形成されたガイド構成要素を示す図である。
【
図20A】物品の部分間の遷移を提供するために、および/または遷移構成要素の下に位置決めされたガイドを隠すために、物品に取り付けることができる遷移構成要素を示す図である。
【
図20B】物品の部分間の遷移を提供するために、および/または遷移構成要素の下に位置決めされたガイドを隠すために、物品に取り付けることができる遷移構成要素を示す図である。
【
図20C】物品の部分間の遷移を提供するために、および/または遷移構成要素の下に位置決めされたガイドを隠すために、物品に取り付けることができる遷移構成要素を示す図である。
【
図20D】物品の部分間の遷移を提供するために、および/または遷移構成要素の下に位置決めされたガイドを隠すために、物品に取り付けることができる遷移構成要素を示す図である。
【
図21A】ガイド部材を隠蔽しまたは隠すために、および/または物品の部分間の比較的円滑な遷移を提供するために使用され得る遷移構成要素の別の実施形態を示す図である。
【
図21B】ガイド部材を隠蔽しまたは隠すために、および/または物品の部分間の比較的円滑な遷移を提供するために使用され得る遷移構成要素の別の実施形態を示す図である。
【
図22A】ガイド部材を隠蔽しまたは隠すために、および/または物品の部分間の比較的円滑な遷移を提供するために使用され得る遷移構成要素の別の実施形態を示す図である。
【
図22B】ガイド部材を隠蔽しまたは隠すために、および/または物品の部分間の比較的円滑な遷移を提供するために使用され得る遷移構成要素の別の実施形態を示す図である。
【
図22C】ガイド部材を隠蔽しまたは隠すために、および/または物品の部分間の比較的円滑な遷移を提供するために使用され得る遷移構成要素の別の実施形態を示す図である。
【
図23A】物品の周りで張力部材を送るまたは案内するために使用され得る別のガイド部材を示す図である。
【
図23B】物品の周りで張力部材を送るまたは案内するために使用され得る別のガイド部材を示す図である。
【
図23C】物品の周りで張力部材を送るまたは案内するために使用され得る別のガイド部材を示す図である。
【
図23D】物品の周りで張力部材を送るまたは案内するために使用され得る別のガイド部材を示す図である。
【
図24A】物品の周りで張力部材を送るまたは案内するために使用され得る別のガイド部材を示す図である。
【
図24B】物品の周りで張力部材を送るまたは案内するために使用され得る別のガイド部材を示す図である。
【
図25A】紐ガイドを隠蔽しまたは隠すために、および/または紐ガイドと物品との結合を補強するために、紐ガイドの上に位置決めされ得るカバー部材を示す図である。
【
図25B】紐ガイドを隠蔽しまたは隠すために、および/または紐ガイドと物品との結合を補強するために、紐ガイドの上に位置決めされ得るカバー部材を示す図である。
【
図25C】紐ガイドを隠蔽しまたは隠すために、および/または紐ガイドと物品との結合を補強するために、紐ガイドの上に位置決めされ得るカバー部材を示す図である。
【
図25D】紐ガイドを隠蔽しまたは隠すために、および/または紐ガイドと物品との結合を補強するために、紐ガイドの上に位置決めされ得るカバー部材を示す図である。
【
図26A】
図25Aのカバー部材を靴のアッパーに取り付けるプロセスを示す図である。
【
図26B】
図25Aのカバー部材を靴のアッパーに取り付けるプロセスを示す図である。
【
図26C】
図25Aのカバー部材を靴のアッパーに取り付けるプロセスを示す図である。
【
図26D】
図25Aのカバー部材を靴のアッパーに取り付けるプロセスを示す図である。
【
図27A】物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るために物品と結合され得る、張力部材ガイドの様々な実施形態を示す図である。
【
図27B】物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るために物品と結合され得る、張力部材ガイドの様々な実施形態を示す図である。
【
図27C】物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るために物品と結合され得る、張力部材ガイドの様々な実施形態を示す図である。
【
図27D】物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るために物品と結合され得る、張力部材ガイドの様々な実施形態を示す図である。
【
図27E】物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るために物品と結合され得る、張力部材ガイドの様々な実施形態を示す図である。
【
図27F】物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るために物品と結合され得る、張力部材ガイドの様々な実施形態を示す図である。
【
図27G】物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るために物品と結合され得る、張力部材ガイドの様々な実施形態を示す図である。
【
図27H】物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るために物品と結合され得る、張力部材ガイドの様々な実施形態を示す図である。
【
図27I】物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るために物品と結合され得る、張力部材ガイドの様々な実施形態を示す図である。
【
図27J】物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るために物品と結合され得る、張力部材ガイドの様々な実施形態を示す図である。
【
図28A】張力部材の与張に応答して靴の異なる部分が屈曲、撓曲、または動くように編まれているかまたは織られている靴を示す図である。
【
図28B】張力部材の与張に応答して靴の異なる部分が屈曲、撓曲、または動くように編まれているかまたは織られている靴を示す図である。
【
図28C】張力部材の与張に応答して靴の異なる部分が屈曲、撓曲、または動くように編まれているかまたは織られている靴を示す図である。
【
図29A】所望の適合した靴のフィットを達成するために利用することができる靴の編物または織物区画の実施形態を示す図である。
【
図29B】所望の適合した靴のフィットを達成するために利用することができる靴の編物または織物区画の実施形態を示す図である。
【
図30A】材料の編物または織物区画をリール式与張装置に取り付ける様々な方法を示す図である。
【
図30B】材料の編物または織物区画をリール式与張装置に取り付ける様々な方法を示す図である。
【
図30C】材料の編物または織物区画をリール式与張装置に取り付ける様々な方法を示す図である。
【
図30D】材料の編物または織物区画をリール式与張装置に取り付ける様々な方法を示す図である。
【
図31A】材料の編物または織物区画を張力部材および/またはリール式与張装置に取り付ける様々な方法を示す図である。
【
図31B】材料の編物または織物区画を張力部材および/またはリール式与張装置に取り付ける様々な方法を示す図である。
【
図31C】材料の編物または織物区画を張力部材および/またはリール式与張装置に取り付ける様々な方法を示す図である。
【
図31D】材料の編物または織物区画を張力部材および/またはリール式与張装置に取り付ける様々な方法を示す図である。
【
図32】編物または織物材料区画および張力部材の遠位端が靴のソール内に配置されている、靴の正面断面図である。
【
図33A】編物または織物材料区画を張力部材に取り付ける様々な実施形態を示す図である。
【
図33B】編物または織物材料区画を張力部材に取り付ける様々な実施形態を示す図である。
【
図33C】編物または織物材料区画を張力部材に取り付ける様々な実施形態を示す図である。
【
図33D】編物または織物材料区画を張力部材に取り付ける様々な実施形態を示す図である。
【
図33E】編物または織物材料区画を張力部材に取り付ける様々な実施形態を示す図である。
【
図34A】張力部材を与張するために使用され得る代替的な締め付け機構を示す図である。
【
図34B】張力部材を与張するために使用され得る代替的な締め付け機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0051]
添付の図面において、類似の構成要素および/または特徴は、同じ参照数字ラベルを有することができる。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、類似の構成要素および/または特徴の間で区別する文字を参照ラベルに後続させることによって区別することができる。最初の参照数字ラベルのみが本明細書で使用される場合、説明は、添え文字に関係なく同じ最初の参照数字ラベルを有する類似の構成要素および/または特徴のいずれかに適用可能である。
【0019】
[0052]
以下の説明は、例示的な実施形態を提供するに過ぎず、本開示の範囲、適用性または構成を限定するようには意図されていない。むしろ、例示的な実施形態の以下の説明は、当業者に、1つまたは複数の例示的な実施形態を実施することを可能にする説明を提供する。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成に様々な変更を加えることができることが理解される。
【0020】
[0053]
本明細書に記載の実施形態は、履物などの物品の経路の周りで張力部材または紐を送るまたは方向付けるために使用することができるガイドまたは構成要素(以下、ガイド)の実施形態を提供する。張力部材は、締め付け機構の動作を介して与張可能な紐またはコードであってもよい。張力部材は、張力部材の与張が物品を閉じおよび/または締め付けるように、ガイドを介して物品の周りで送ることができる。具体的には、張力部材は、張力部材の与張が、物品を閉じて締め付けるために、開口の一方の側を開口の反対側に向けて付勢するように、物品の開口に沿って、および開口を横切って送ることができる。様々な形態の履物(例えば、靴、ブーツなど)が、そのような張力部材およびガイドの構成を含む。例えば、従来の靴およびブーツは、一般に、靴の舌革の周りで送られ、舌革の対向する両側を互いに向けて付勢してユーザの足の周りで靴/ブーツを閉じて締め付けるように与張される靴紐を利用する。
【0021】
[0054]
ガイドは一般に、アイステイの対向する両側などの物品の開口の近くに位置決めされ、開口に沿っておよび/または開口を横切って張力部材を方向付け、送り、または案内する。ガイドは、張力部材とガイドとの摩擦係合を最小にする低摩擦材料から作製することができる。本明細書に記載のガイドは、一般に、ループを形成するように折り返される生地またはウェビングタイプの材料から形成されている。張力部材はループ内に挿入され、ループは張力部材を経路の周りで案内または方向付けるように機能する。ガイド部材のさらなる詳細は、以下でさらに詳細に説明される。
【0022】
[0055]
簡潔に上述したように、紐は締め付け機構を介して与張される。特定の実施形態では、締め付け機構はリール式閉鎖システムである。リール式閉鎖システムは、紐を与張するためにユーザによって把持および回転され得るノブを含む。リール式閉鎖装置の例示的な実施形態は、それらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月29日に出願された「リール式紐締めシステム(Reel Based Lacing System)」と題する米国特許出願第13/098,276号明細書、2014年7月10日に出願された「増分放出機構を含む閉鎖装置およびその方法(Closure Devices Including Incremental Release Mechanisms and Methods Therefor)」と題する米国特許出願第14/328,521号明細書、および、2009年11月20日に出願された「リール式紐締めシステム(Reel Based Lacing System)」と題する米国特許出願第12/623,362号明細書にさらに記載されている。
【0023】
[0056]
別の実施形態では、締め付け機構は、張力部材または紐を与張する電動装置または機構である。紐を与張するために使用され得る電動機構の例示的実施形態は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年8月30日に出願された「医療用装具および装置のための電動与張システム(Motorized Tensioning System for Medical Braces and Devices)」と題する米国特許出願第14/015,807号明細書にさらに記載されている。
【0024】
[0057]
さらに他の実施形態では、締め付け機構は、紐を与張するためにユーザによって把持され引っ張られるように構成されているプルコード式装置であってもよい。例示的なプルコード装置は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年1月28日に出願された「紐固定アセンブリおよびシステム(Lace Fixation Assembly and System)」と題する米国特許出願第14/166,799号明細書にさらに記載されている。本明細書の様々な実施形態を簡単に説明するために、締め付け機構は一般に「リールアセンブリ」または「リール式閉鎖装置」として参照される。
【0025】
[0058]
ここで
図1A~
図1Bを参照すると、紐101を経路の周りで送るまたは方向付けるために使用され得る2つの紐ガイドが示されている。
図1Aは、従来の紐ガイド102を示す。紐ガイド102は、紐101が中に挿入されるループを形成するように後方に折り返される生地またはウェビング材料から形成される。紐ガイド102の生地またはウェビング材料は、単独または単一の生地材料である。紐101を与張すると、紐ガイド102の対向する両端部103が図示のように撓曲および屈曲する。紐ガイド102は単一のまたは単独の材料から作製されているため、紐101から紐ガイド102に加えられるまたは与えられる張力は、張力ベクトルTによって示されるように、両端部103の近くに集中する。図示されているように、張力Tは、紐ガイド102の両端部103において最大であり、紐ガイド102の中心に向かって減少する。張力Tは紐ガイド102の両端部103付近で最大であるため、紐ガイド102は両端部103付近で著しく多くの摩耗を経験する可能性がある。両端部103付近で受ける張力Tの増加はまた、図示のように、紐ガイド102を一定程度内向きに挟む、集める、または圧迫させる可能性がある。
【0026】
[0059]
図1Bに示されるように、紐ガイド108に付与される張力Tは、紐ガイド108が両端部103の間で変化する弾性を有するように形成される場合、より均一になり得る。様々な弾性は、様々な弾性材料または区画の紐ガイドを形成することによって達成され得る。具体的には、
図1Bは、中間材料または区画110(以下、中間区画110)、第1の端部材料または区画112(以下、第1の端部区画112)、および第2の端部材料または区画114(以下、第2の端部区画114)を有する紐ガイド108を示す。中間区画110の弾性は、第1の端部区画112および第2の端部区画114の一方または両方と異なる。典型的には、中間区画110は、第1の端部区画112または第2の端部区画114よりも弾性、伸張、または可撓性が少ない(すなわち、より剛性が高い)。言い換えれば、第1の端部区画112および第2の端部区画114は、中間区画110よりも弾性、可撓性、または伸縮性がある。このように、紐101が与張されると、第1の端部区画112および第2の端部区画114は、中間区画110よりも大きい程度まで伸張、撓曲、または他の様態で変形する。紐ガイド108の様々な弾性区画は、紐101の与張に応答して、紐ガイド108がより自然なU字型の曲線を形成することを可能にする。このようにして、第1の端部区画112および第2の端部区画114は、紐ガイド108の両端部103と中間区画110との間の緩衝領域または遷移領域として機能する。結果として、張力Tは、従来の紐ガイド102と比較して、紐ガイド108にわたってより均一であり、対向する両端部103に集中しにくい。均一な張力プロファイルは、紐ガイド108の摩耗を少なくし、寿命を長くする。
【0027】
[0060]
いくつかの実施形態では、紐ガイド108の中間区画110は、第1の端部区画112および第2の端部区画114の一方または両方とは異なる材料から作製されている。例えば、中間区画110は、第1の端部区画112または第2の端部区画114のいずれかまたは両方よりも著しく低い弾性を有する材料から作製されてもよい。第1の端部区画112および第2の端部区画114は、同様の弾性を有する材料から作製されてもよい。そのような実施形態では、第1の端部区画112および第2の端部区画114は、紐101の張力に応答して、同様の量でまたは同様の方法で撓曲、伸張、または変形することができる。他の実施形態では、第1の端部区画112は、第2の端部区画114とは異なる材料、および/または異なる弾性を有する材料から作製されてもよい。そのような実施形態では、第1の端部区画112の撓曲、伸張、または変形は、第2の端部区画114が呈するまたは経験するものとは異なり得る。例えば、中間区画110と第1の端部区画112とは同じより弾性の低い材料から作製されてもよく、一方、第2の端部区画114は弾性のより高い材料から作製されてもよい。そのような実施形態では、第2の端部区画114のみが、中間区画110よりも大きい程度まで伸張、撓曲、または変形し得る。中間区画110のための例示的な材料は、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを含む。第1の端部区画112および/または第2の端部区画のための例示的な材料は、Lycra(登録商標)、スパンデックス、エラステインなどと混合されているナイロン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、テフロン(登録商標)、加硫ゴムなどを含む。
【0028】
[0061]
第1の端部区画112、中間区画110、および第2の端部区画114は、紐ガイド108が互いに隣接して位置決めされた3つの別個のガイドまたは材料ではなく、単一のかつ単独のガイドとなるように形成される。単一のかつ単独の紐ガイド108は、第1の端部区画112および第2の端部区画114のより弾性の高い材料を、中間区画110のより弾性の低い材料とともに織ることによって形成することができる。このようにして、第1の端部区画112および第2の端部区画114の弾性材料を、中間区画110のより弾性の低い材料と一体的に形成することができる。他の実施形態では、第1の端部区画112および/または第2の端部区画114は、中間区画110とは別の材料層であってもよい。そのような実施形態では、別個の材料層は、熱圧着、RFまたは音波溶接などを介して共通の裏材と結合することができる。
【0029】
[0062]
さらに他の実施形態では、中間区画110、第1の端部区画112、および第2の端部区画114は、同じ材料から作製されていてもよい。第1の端部区画112および/または第2の端部区画114の増大した弾性は、材料の織り方またはパターンを変えることによって形成または構成することができる。例えば、中間区画110は比較的緊密な織り方またはパターンの材料を有してもよく、第1の端部区画112および/または第2の端部区画114は比較的緩慢な織り方またはパターンを有してもよい。これにより、紐ガイド108が完全に単一の材料から作製されていても、第1の端部区画112および/または第2の端部区画114をより大きく伸張または撓曲させることができる。
【0030】
[0063]
中間区画110はまた、紐ガイド108がガイドの中心に向かって集まるのを防ぐのを助けることができる。例えば、中間区画110の可撓性がより低い材料は、ガイド108を補強し、紐101を与張することに起因して対向する両端部103に及ぼされる内向きの力を打ち消すのを助けることができる。中間区画110は、設計された方法で材料を織ることによって、および/または圧縮力に耐えることができる適切な材料を選択することによって、そのような力を打ち消すように設計されてもよい。ガイド108が集まることが低減することによって、ガイド108にわたって横方向に均一な張力Tを維持するのを助けることができる。
【0031】
[0064]
ここで
図4A~
図4Cを参照すると、紐ガイド400と紐ガイドを通して挿入される紐との間の摩擦係合の低減を可能にするように構成された紐ガイド400の一実施形態が示されている。紐ガイド400は、
図1Aの紐ガイド102のような単一の材料から作製された紐ガイドであってもよく、または
図1Bの紐ガイド108のような複数の材料または区画から作製された紐ガイドであってもよい。
図4Aおよび
図4Bは、中間区画404、第1の端部区画402、および第2の端部区画406を有する紐ガイド400を示す。これらの区画の各々は、前述のように同じ材料または異なる材料から作製されてもよい。
【0032】
[0065]
図1Bの紐ガイド108のように、より弾性のある材料を使用することによって、弾性材料の変形または伸張が増大することに起因して、紐と紐ガイドとの摩擦係合が増大し得る。この増加した摩擦係合を打ち消すため、または単に任意の紐ガイドの摩擦係合を減少させるために、紐ガイド400は、中間区画404、第1の端部区画402、および第2の端部区画406にわたって横方向に位置決めされる低摩擦材料408を含む。いくつかの実施形態では、低摩擦材料408は、対向する両端部の間で紐ガイド400にわたって横方向に延伸することができる。他の実施形態では、低摩擦材料408は、紐ガイド400の対向する両端部から外向きに延伸してもよく、または対向する両端部の間で低摩擦材料408が紐ガイド400内に完全に囲まれるように、対向する両端部の手前で終端してもよい。
【0033】
[0066]
低摩擦材料408は、通常、紐ガイド400の長手方向全長に沿ってではなく、紐ガイド400の長手方向の長さの一部分のみに沿って(例えばX方向に)延伸している。言い換えれば、低摩擦材料408は、通常、紐ガイド400よりも長手方向に短い。この構成は、紐ガイドが靴に結合または取り付けられたときに紐ガイド400の全体の厚さを減らすことができる。例えば、
図4Cは、ガイド400がそれ自体の上に折り返されるとき、材料の対向する表面が接触するところまで(すなわち、点112の近くまで)低摩擦材料408が延伸しないことに起因して、厚さZが減少することを示す。この構成はまた、必要とされる低摩擦材料の量を減少させ、それによって製造コストが減少し、かつ/または製造可能性が増大し得る。他の実施形態では、低摩擦材料408は、所望に応じて紐ガイド400の長手方向全長に沿って延伸することができる。
【0034】
[0067]
任意の実施形態において、低摩擦材料408は通常、紐ガイド400の内面に取り付けられるかまたは結合される。
図4Cに示されるように、低摩擦材料408は、紐ガイド400に形成されたループ410内の中央に位置するように位置決めされる。低摩擦材料408は、紐ガイド400のループ410内に位置決めされた紐(図示せず)と直接接触するように、紐ガイド400に形成されたループ410の周りで実質的にまたはほぼ完全に延伸する。このようにして、紐は、中間区画404、第1の端部区画402、および/または第2の端部区画406に対して、およびそれらに沿ってではなく、低摩擦材料408に対して接触し、それに沿って摺動する。低摩擦材料408は、中間区画404、第1の端部区画402、または第2の端部区画406のいずれよりも低い摩擦係数を有するため、紐と紐ガイド400との摩擦係合は著しく減少する。低摩擦材料408に使用することができる例示的な材料は、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(Dyneema(登録商標))などを含む。
【0035】
[0068]
図4Cにさらに示されるように、低摩擦材料408は、紐ガイド400が履物または別の物品に取り付けられる線の点を表す、縫い目または結合線412の手前で終端する。このようにして、縫い目または結合線における紐ガイド400の厚さZは減少または最小化される。
【0036】
[0069]
ここで
図6を参照すると、それによって案内され方向付けられるように紐ガイド602を通して紐604が挿入されている、紐ガイド602が示されている。紐604が与張されたときに示されるように、力F
lace1が紐604の一方の端部に加えられ、力F
lace2が紐604の反対側の端部に加えられる。紐604を与張すると、紐604と紐ガイド602とが摩擦係合する。紐604と紐ガイド602との間に呈される摩擦力は、以下の要因、すなわち、紐張力、紐ガイド602の材料、紐ガイド602を通じた紐604の摺動、および他の様々な要因のうちの1つまたは複数に依存する動的な力であり得る。いくつかの例では、摩擦力は、2つの固体物体間で経験される従来の摩擦力よりも、摩擦抗力と同等であり得る。紐604と紐ガイド602との摩擦係合は、F
Dragとして示される。力F
lace2は、紐604および紐ガイド602の力F
lace1および摩擦係合F
Dragと本質的に同等である。
【0037】
[0070]
紐604と紐ガイド602との間の摩擦係合F
Dragは、紐締めシステムの遠位部分または端部における紐張力の「負荷」を引き起こし得る。例えば、
図7を簡単に参照すると、紐704が与張されると、紐704は、紐が対向する両側のアイステイをともに付勢するときに紐経路の上側部分に位置する紐ガイド706および708を通じて摺動することができる。紐704も同様に、紐経路の中間部分に位置決めされた紐ガイド710および712を通って摺動し、紐経路の下側部分に位置決めされた紐ガイド714および716を通じて摺動するが、紐704は、それぞれの紐ガイドとの摩擦係合の結果としての紐張力の損失に起因して、それぞれこれらの紐ガイドを通じてより低い程度までしか摺動しない。
【0038】
[0071]
ユーザが歩く、走る、屈むなどによって履物の中で自身の足を撓曲させると、履物の舌革は通常、前方に撓曲して、紐704の上側部分、すなわち、紐経路の上側部分内に位置決めされたガイド706および708の近くに配置されている紐704の部分と係合する。その結果、紐の張力が一時的に増加し、紐704が各ガイド706~716を通じて摺動する。いくつかの例では、紐経路の上側部分近くの対向するアイステイは外側に撓曲してもよく、一方、紐経路の下側部分近くの対向アイステイは内側に引っ張られ、その結果、対向するアイステイは、
図7に示すようにV字形または他の平行でない形状になり得る。
【0039】
[0072]
紐704と紐ガイド706~716との摩擦係合に起因して、紐経路に沿った紐張力は、均等化するおよび/または比較的均一な状態に戻ることができない可能性があり、したがって紐張力が履物の下側部分に閉じ込められまたは捕捉され得る。例えば、紐704と紐ガイド706~716との摩擦係合FDragは、紐張力の関数であるため、紐経路の下側部分の紐張力が一時的に増大すると、紐704と下側紐ガイド714および716との摩擦係合FDragは対応して増加する。紐704と下側紐ガイド714および716との増大した摩擦係合FDragは、紐の下側紐ガイド714および716内で摺動する能力に影響を及ぼし得、それによって、紐経路の他の部分に対して、紐経路の下側部分において増大した紐張力を係止または維持する。言い換えれば、一時的な紐張力の増加が、紐704が下側紐ガイド714および716内で上側紐経路および紐ガイドに向かって摺動する量Xを増大させる場合、紐704と下側紐ガイド714および716との摩擦係合FDragが増加する結果として、反対方向(すなわち、上側紐経路および紐ガイドから離れる方向)において下側紐ガイド714および716内を摺動する量XマイナスY(すなわちX-Y)がもたらされ得る。ここで、Yは何らかの公称非ゼロ量を表す。
【0040】
[0073]
その結果、下側紐ガイド714および716の間の紐Lの長さがYに対応する量だけ短縮され、その結果、下側紐ガイド714および716の間の紐張力が増大する。言い換えれば、長さLは、紐与張の増大に起因する下側紐ガイド714および716を通じて上側紐ガイド704および706に向かって摺動する紐の量(すなわち、X)と、紐張力が緩和されたときの下側紐ガイド714および716を通じて戻るまたは摺動する紐の量(すなわち、X-Y)との間の差を表す。張力が緩和されたときに紐704が下側紐ガイド714および716を通じて摺動し戻ることができないのは、紐704と下側紐ガイド714および716との摩擦係合FDragの増大に起因する。
【0041】
[0074]
足の走行、歩行、撓曲、屈曲などが繰り返されることに起因して上述のプロセスが繰り返されると、下側紐ガイド714と716との間の紐の長さLは減少し続け、その結果として、紐704のこの部分に隣接する紐張力および靴の締め付けが継続的に増加し得る。典型的にはそれほど劇的ではないが、同様の効果が中間紐ガイド710および712において生じる可能性があり、その結果として、
図7に示されるように、対向するアイステイが一定のV字構成または非平行形状を有することになり得る。
【0042】
[0075]
このプロセスの効果は、紐経路の上側部分と比較して、より大きい紐張力が紐経路の下側部分において係止、捕捉、または維持されることであり得る。例えば、
図7に示すように、紐経路の下側部分は、Zポンドの紐張力を経験し得、一方、紐経路の中間部分は、Yポンドの紐張力を経験し得、紐経路の上側部分は、Xポンドの紐張力を経験し得る。いくつかの事例では、Yポンドは、Xポンドに何らかの公称非ゼロ量を加えたものに等しくてもよく、Zポンドは、Yポンドに何らかの公称非ゼロ量を加えたものに等しくてもよい。他の例では、YポンドおよびXポンドは相対的に同じであってもよく、ZポンドはXポンドおよび/またはYポンドよりかなり大きくてもよい。
【0043】
[0076]
靴および他の履物において、上述のプロセスの結果として、一般に先芯の近くに位置決めされる、ユーザの足の周りの紐経路の下側部分が挟まれ、締め付けられ、または狭窄される。したがって、そのような靴または履物を着用するとき、ユーザは長期間の後に、ある程度の不快感を経験する可能性がある。
【0044】
[0077]
上記の問題は、設計された量の伸張を有する紐ガイドを利用することによって軽減または排除され得る。設計された伸張の結果として、ある程度の紐張力が、紐をガイドを通じて摺動させるのではなく、ガイドを長手方向に伸張させる。その結果、紐の一時的な与張に起因して、紐およびガイドシステムは、従来のガイドと比較して、ガイドを通じた紐のより少ない摺動および/またはガイドのより多くの伸張を経験することができる。これにより、先芯に隣接するなど、紐経路の下側部分における紐張力の係止を少なくすることができる。
【0045】
[0078]
図8は、設計された程度の伸張または弾性を有する紐ガイドを装着した靴の図を示す。具体的には、靴は、紐経路の上側部分に位置決めされた第1の紐ガイド対802a、紐経路の中間部分に位置決めされた第2の紐ガイド対802b、および紐経路の下側部分に位置決めされた第3の紐ガイド対802cを利用する。第1の紐ガイドセット802aは、(ばね要素804aによって表される)伸張S
aを有するかまたは呈するように構成または設計されている。第2の紐ガイドセット802bは、伸張S
b(ばね要素804bによって表される)を有するかまたは呈するように構成または設計され、第3の紐ガイドセット802cは、(ばね要素804cによって表される)伸張S
cを有するかまたは呈するように構成または設計される。
【0046】
[0079]
図9は、紐810の与張に起因して、設計された伸張(すなわちガイド802a~802c)が伸張されている紐ガイドを示す。紐810の与張は、紐がリール式装置または他の与張機構を介して最初に与張された後の、歩行、走行、ジャンプ、または他の様々な活動に起因する一時的な与張であり得る。一時的な与張は、足が靴の中で動くのに応答して、靴の舌革を開きまたは広げ得る。舌革の広がりまたは開きは、第1の紐ガイドセット802aにAポンドの負荷または与張を受けさせ、それによって、第1の紐ガイドセット802aが量ΔXだけ弾性的に伸張させられる。舌革の広がりまたは開きは同様に、第2の紐ガイドセット802bおよび第3の紐ガイドセット802cにそれぞれBポンドおよびCポンドの負荷または与張を受けさせ、それによって、それぞれのガイドがそれぞれ量ΔYおよびΔZだけ弾性的に伸張させられる。
【0047】
[0080]
第2の紐ガイドセット802bおよび/または第3の紐ガイドセット802cの弾性伸張は、通常、第1の紐ガイドセット802aの弾性伸張よりも小さいが、任意の紐ガイドの伸張は、所望の伸張を呈するように設計することができる。紐ガイド802a~802cの弾性伸張は、それぞれの紐ガイドを通じた紐810の滑りまたは摺動を著しく少なくする。紐がガイドを通じて摺動するのではなく、紐張力、特に瞬間的かつ一時的な紐張力が増加すると、紐ガイド802a~802cは弾性的に伸張する。このように、紐張力の動的変化は、前述の摩擦力FDragとしてではなく、ガイド内のばねまたは弾性エネルギーとして伝達されて蓄積される。
【0048】
[0081]
ユーザの足が靴内で動くことに応答してなど、紐張力が動的に調整されるときでも、紐ガイド802a~cの弾性伸張は、
図9に示されるように、より平行な紐経路をもたらす。紐ガイド802a~802cの弾性伸張はまた、一番下の紐ガイドセット(すなわち802c)を通じた紐の摺動を著しく少なくし、その結果、紐張力が先芯に隣接する紐経路の下側部分において係止または捕捉されにくくなる。これにより、ユーザが靴を履いているときの快適さが増す可能性がある。
【0049】
[0082]
例えば、第3の紐ガイドセット802cに隣接する紐経路の下側部分は、Zポンドの紐負荷または張力を経験し得、一方、第2の紐ガイドセット802bに隣接する紐経路の中間部分は、Yポンドの紐負荷または張力を経験し、第1の紐ガイドセット802aに隣接する紐経路の上側部分は、Xポンドの紐負荷または張力を経験する。紐負荷または張力Xポンド、Yポンド、およびZポンドは、従来の紐ガイドを利用する靴で経験されるものよりもより均一および/または類似であり得、したがって靴はより快適に着用され得る。
【0050】
[0083]
図9は、設計された伸張を有する3セットのガイドを利用する紐経路を示しているが、紐経路は所望に応じてより多いまたはより少ない紐ガイドセットを利用することができることを理解されたい。また、いくつかの実施形態では、所望の領域に紐張力を係止するために紐ガイドの伸張を利用することが可能であり得る。例えば、紐は、靴の一部分において所望の量だけ最初に与張することができ、紐張力は、紐ガイドの弾性伸張を介して靴のその部分において係止または維持することができる。例えば、所望の設計伸張を有する紐ガイドを靴の中間部分に利用して、靴の下側部分の紐張力を靴の上側部分から分離するために使用することができる。紐ガイドの伸張は、靴の上側部分の紐張力が靴の下側部分に伝達されないようにすること、およびその逆のことを保証することができる。伸縮性紐ガイドは、靴の任意の所望のフィットおよび/または性能を達成するために、所望に応じて非伸縮性紐ガイドを伴う様々な構成で利用され得る。
【0051】
[0084]
ここで
図2A~
図2Cを参照すると、靴に利用することができる紐ガイド200の実施形態が示されている。紐ガイド200は、より摩擦の少ない内面またはライナなどを利用することなどによって、本明細書に記載されたもののいずれかと同様であり得る。
図2Aに示すように、紐ガイド200は細長い本体を含む。細長い本体は、前述のように設計された伸張を有することができる。いくつかの実施形態では、設計された伸張は、紐202の近くでより柔軟であるかまたはより剛性であることなどによって、ガイド200の長手方向の長さに沿って変化し得る。
【0052】
[0085]
紐ガイド200は、設計された効果を達成するためにその長手方向の長さに沿って靴に取り付けられるように設計されている。例えば、紐ガイド200は、紐202の近くにある第1の点212a、靴のソールの近くにある第2の点212c、および/または第1の点212aと第2の点212cとの間に位置決めされる第3の点212bにおいて靴に取り付けることができる。これらまたは他の様々な点において紐ガイド200を取り付けることは、
図3A~
図3Bでさらに説明されるように、紐ガイド200が靴内でどのように機能するかに影響を及ぼす。
図2Bは、紐ガイド200の本体が靴のアッパー210の下に配置され、かつ、紐ガイド200の遠位端がアッパー210のスリットまたは開口214を通って突出するように、紐ガイド200が靴と結合され得ることを示す。
図2Cは、複数の紐ガイド200を
図2Bに示す方法で靴に取り付けることができることを示す。この構成は、紐ガイド200の大部分が視界から隠蔽されたままであるように利用され得る。
【0053】
[0086]
ここで
図3A~
図3Bを参照すると、靴のアッパー210に取り付けられた紐ガイド200が示されている。
図3Bは、アッパー210の内面と、紐ガイド200をアッパー210の内面に取り付けることができる様々な点とを示す。具体的には、
図3Bは、前述のように、第1の結合点212a、第2の結合点212c、および第3の結合点212bを示す。様々な点のうちの1つにおいて紐ガイド200を結合することは、紐ガイド200がどのように機能するかに影響を及ぼす。例えば、紐ガイドが第1の結合点212aにおいてアッパー210に取り付けられている場合、紐ガイド200の弾性伸張は減少し、および/または、アッパー210に対する紐ガイド200の力は靴の舌革のより近くで加えられる。対照的に、紐ガイド200が第2の紐結合点212bにおいてアッパー210に取り付けられている場合、紐ガイド200の弾性伸張は著しく大きくなり、および/または、アッパー210に対する紐ガイド200の力は靴のソールのより近くで加えられる。
【0054】
[0087]
図2Bの図解とは異なり、紐ガイド200は、
図3A~
図3Bにおいては、アッパー210の下に全体が配置されているものとして示されている。この構成では、紐202は紐ガイド200からアッパー210のスリット214を通って延伸する。
図3A~
図3Bの構成は、紐ガイド200が視界から完全に隠蔽されていることを保証する。これは視覚的に魅力的であるかまたは一部のユーザの間で所望され得る。
【0055】
[0088]
図5は、靴のような物品の所望の与張を達成するために利用され得る様々な紐ガイド構成を示す図である。例えば、最小の取り付けスペースが利用可能であるとき、かつ/または紐ガイドの伸張がほとんどまたはまったくないことが所望されるとき、比較的短い紐ガイド502を利用することができる。他の実施形態では、相当により大きい伸張が所望されるとき、かつ/または靴の長さに沿って閉じる力を分散させることが望ましいときは、細長い紐ガイド504を利用することができる。他の実施形態では、上側部分と比較してより広い底部分を有する紐ガイド506を利用することができる。この紐ガイド506は、閉じる力を靴の周り、特にガイド506の底部分の周りで横方向に分散させることが望ましい場合に利用することができる。さらに他の実施形態では、紐ガイド508は、上部区画または底部区画のいずれよりも広い中間区画を有する逆砂時計構成を有してもよい。この構成は、靴の中間部分を与張することが所望されるときに利用され得る。
【0056】
[0089]
ここで
図10A~
図10Cを参照すると、靴のような物品に容易かつ迅速に取り付けられるように構成され、かつ張力部材または紐を物品の経路の周りで方向付けるかまたは送るように構成されている張力部材ガイドまたは紐ガイド1000(以下、紐ガイド1000)の一実施形態が示されている。紐ガイド1000は、第1の材料部材または内側部材1004(以下、内側部材1004)、第2の材料部材または中間部材1006(以下、中間部材1006)、および第3の材料部材または外側部材1002(以下、外側部材1002)を含む。内側部材1004は、長手方向の長さ、横方向の幅、物品に対して位置決め可能な第1の面、および第1の面とは反対側の第2の面を含む。中間部材1006は、典型的には、外側部材1002と内側部材1004との間に位置決めされ、それらに結合されるが、いくつかの実施形態では、外側部材1002は省略されてもよい。中間部材1006は、紐(図示せず)と接触し、紐を物品の経路に沿って案内または送る紐ガイド1000の構成要素として機能する。中間部材1006は、紐に動作可能に接触または係合するため、中間部材1006は、典型的には、外側部材1002および内側部材1004と比較して、摩擦が少ない材料から作製される。
【0057】
[0090]
いくつかの実施形態では、中間部材1006は、
図4Aに示す構成と同様に、外側材料層と内側材料層とを備える。外側材料層は、内側材料層を補強または構造的に支持するために、内側材料層よりも硬いまたは剛性の材料であり得る。内側材料層は、紐と係合して直接紐と接触する低摩擦材料であり得る。例示的実施形態では、外側材料層はナイロン材料とすることができ、内側材料層はテフロン(登録商標)材料とすることができる。他の実施形態では、中間部材1006は、低摩擦であるとともに構造的に強固な単一材料層であり得る。例えば、中間部材1006はナイロン/テフロン(登録商標)混合材料層であってもよい。
【0058】
[0091]
任意の実施形態において、中間部材1006は、外側部材1002と内側部材1004との間に挟まれてそれらに結合されている。中間部材1006は、長手方向の長さに沿って折り返されて、中に紐が挿入され得るループまたはチャネルを形成する。ループ状中間部材1006は、中間部分と、横幅に沿った2つの端部部分とを有し、2つの端部部分は図示のように中央部分の対向する両側に配置されている。外側部材1002および内側部材1004と結合されたとき、中間部材1006は、図示のように長手方向において外側部材および内側部材よりも短い。この構成は、紐ガイド1000の近位端を紐ガイド1000の遠位端よりも薄くすることを可能にする。具体的には、
図10Cは、紐ガイド1000の側面プロファイルを示し、紐ガイド1000の近位端が、紐ガイド1000の遠位端の厚さT
2よりも相当に薄い厚さT
1を有することを示す。中間部材1006は、図示のように中間部材1006の対向する両端部が互いにずれているように、外側部材1002と内側部材1004との間に位置決めされてもよい。この構成は、より厚い遠位端T
2とより薄い近位端T
1との間の急激な遷移ではなく、漸進的な遷移をもたらす。図示のように、中間部材1006が内側部材1004と結合されると、中間部材1006は内側部材1004と長手方向に位置整合され、内側部材1004の第2の面の上に位置決めされる。
【0059】
[0092]
図10Bは、紐ガイド1000の組み立てられた構成要素を示す。図示のように、外側部材1002および内側部材1004は、通常、中間部材1006の上部またはループ状端部が露出されたままであるように、中間部材1006を越えて延伸せず、またはその上に折り返されない。この構成では、紐に直接接触して紐を案内する/送る紐ガイド1000の構成要素である中間部材1006は、外側部材1002および内側部材1004によって妨げられ得ない。したがって、紐が与張されているとき、中間部材1006は、紐に対して自由に撓曲、屈曲、調整、または適合することができる。そのような実施形態では、外側部材1002および内側部材1004は、主に中間部材1006を補強するために、および/または中間部材1006を物品に取り付けるために使用され得る。いくつかの例では、中間部材1006は、縫合1008を介して形成された結合線に沿って内側部材1004から外側に旋回可能であり得る。他の実施形態では、外側部材1002および内側部材1004は、所望に応じて、中間部材1006を部分的にまたは完全に被覆して延伸することができる。いくつかの実施形態では、外側部材1002の上端部は、中間部材1006の上部またはループ状端部の近位に位置決めされてもよい。内側部材1004の上端部は、中間部材1006の上部またはループ状端部と実質的に同じ高さであり得る。
【0060】
[0093]
紐ガイド1000はいくつかの構成要素から作製されているため、縫合1008を使用して最初に様々な構成要素をともに取り付けることができる。縫合1008は、外側部材1002および内側部材1004を通して、ならびに中間部材1006の近位部分を通して挿入されてもよい。他の実施形態では、様々な部材は、最初に、溶接(熱、RF、音波など)、接着剤接合、機械的締結、またはその他の既知の方法によって結合されてもよい。外側部材1002および内側部材1004の近位端は、縫合、溶接、接合などによって同様に取り付けることができる。
【0061】
[0094]
内側部材1004の内面1010は、物品と容易かつ迅速に結合するように構成されている。例えば、内側部材1004の内面1010は、内側部材1004が熱溶接、音波溶接、接着剤接合などを介して物品に迅速に付着することを可能にする接着剤層を含むことができる。特定の実施形態では、紐ガイド1000は、内側部材1004の内面1010をアッパーの内面に対して位置決めし、2つの内面をともに溶接することによって靴のアッパー(図示せず)の内面に取り付けることができる。具体的には、内面1010は、ガイド1000を物品の表面に熱溶接することを可能にするTPU材料を含み得る。
【0062】
[0095]
紐ガイド1000は、物品の周りで紐を送るまたは案内するための経路を形成するために物品に迅速かつ容易に取り付けることができる単一の構成要素である。いくつかの実施形態では、中間部材1006は、本明細書に記載されるように紐張力をより均一に分散させるように構成されてもよい。
【0063】
[0096]
紐ガイド1000を物品と結合する方法は、上述のような構成を有する紐ガイド1000を提供することと、紐ガイド1000を物品と結合することとを含む。この方法はまた、通常、中間部材1006に形成されたループまたはチャネルを通して張力部材を挿入することを含む。紐ガイド1000を物品と結合することは、内側部材1004を物品に熱溶接することを含み得る。
【0064】
[0097]
ここで
図11A~
図11Cを参照すると、設計された撓曲または伸張を呈する張力部材ガイドまたは紐ガイド1100(以下、紐ガイド1100)の一実施形態が示されている。紐ガイド1100は、張力部材または紐を物品の経路の周りで方向付けるかまたは送るように構成される。紐ガイド1100の設計された撓曲は、紐ガイド1100の本体に形成されている個々のチャネルまたは穴1102を介して形成される。個々のチャネルまたは穴1102は、紐ガイド1100の材料本体の近位端と遠位端との間に延伸する。紐ガイド1100は、材料本体内に個々のチャネルまたは穴1102を形成するように織られている。横糸または生地のより糸は生地本体に壁1104を形成し、これが個々のチャネル1102の各々を分離している。
図11A~
図11Cは、8つの別個のチャネル、すなわちチャネル1102a~1102hを有する紐ガイド1100を示すが、より多くのまたはより少ないチャネル1102を所望に応じて形成することができることを理解されたい。
【0065】
[0098]
図11Cに示すように、紐ガイド1100の材料本体は近位端と遠位端との間で折り返されて、中に張力部材または紐1110(以下、紐1110)が挿入され得るループまたはチャネルを形成する。材料本体のループ状端部は、中央部分と、図示のように中央部分の対向する両側に配置された対向する両端部または端部部分とを有する。紐ガイド1100は、紐ガイド1100の中央部分と比較して、対向する両端部に向かってまたは両端部においてより高い可撓性を有するように構成される。この構成は、紐が与張されるときに紐ガイド1100が湾曲して紐1110に適合することを可能にし、その結果として、紐ガイド1100の横幅にわたって紐張力がより均一に分散される。
【0066】
[0099]
対向する両端部の可撓性の増加は、紐ガイドの材料本体の少なくとも1つのチャネル1102、より一般的には様々なチャネル1102内に補強材料(例えば、繊維)を詰め込むか配置することによって達成される。補強材料は、補強が中に配置されている紐ガイド1100のチャネル1102を補強するように機能する。
図11Bは、繊維または繊維束1106が様々な程度で紐ガイドのチャネル1102の一部または全部の中に挿入されていることを示している。個々のチャネル1102の剛性は、チャネル内に挿入される繊維1106の数、すなわちチャネル内の繊維密度が増加するにつれて増加する。言い換えると、より多くの繊維1106がチャネル内に配置されるにつれて、個々のチャネルの可撓性が低下する。これは、挿入された繊維がそれぞれのチャネルを補強するように機能し、それによってそれぞれのチャネルの剛性が増し、可撓性が減少することに起因する。
図11Bに示されるように、紐ガイド1100は、中央チャネル(すなわちチャネル1102dおよび1102e)が最大密度の繊維1106(すなわち、チャネルとともに配置された最も多い繊維1106)を有するように形成されてもよい。中央チャネルに直に隣接する2つのチャネル(すなわち、チャネル1102cおよび1102f)はわずかに低い繊維密度を有することができ、次の2つの直に隣接するチャネル(すなわちチャネル1102bおよび1102g)はさらに低い繊維密度を有することができる。2つの外側チャネル(すなわち、チャネル1102aおよび1102g)は、全チャネルのうちで最も低い繊維密度を有することができる。このようにして、個々のチャネルの繊維密度は、紐ガイド1100の中央部分から横方向に漸進的に減少し得る。結果として、紐1110が与張されると、紐ガイド1100は、設計された方法で紐ガイド1100の中央部分から横方向外側に撓曲し、適合することができる。設計された撓曲または湾曲は、紐ガイド1100にわたって横方向に紐張力を均一に分散させるように設計することができ、これによってガイド上の紐の摩耗が大幅に低減し得る。
【0067】
[0100]
繊維1106は、通常、紐ガイド1100の製織中または形成中にチャネル1102内に位置決めされる。
図11Aは、紐ガイド1100内に位置決めされ得る繊維の代表的な実施形態を示す。具体的には、
図11Aは、4つの繊維または繊維束が2つの中央チャネル(1102dおよび1102e)内に位置決めされ得、3つの繊維/繊維束が直に隣接するチャネル(1102cおよび1102f)内に位置決めされ得、2つの繊維が次の横方向に隣接するチャネル(1102bおよび1102g)内に位置決めされ得、2つの横方向において最も外側のチャネル(1102aおよび1102h)はいかなる繊維も含まれ得ないことを示す。
図11Aの実施形態は例示のみを目的とし、紐ガイド1100をいかなる特定の構成に限定することも意図しない。むしろ、当業者が認識するように、紐与張に応答してガイドの所望の撓曲または湾曲を達成するために、チャネル配置および繊維密度を所望に応じて変化させることができる。
【0068】
[0101]
紐ガイド1100の中央部分に向かって繊維密度を増加させることはまた、ガイドの中央に向かって紐ガイド1100が集まるのを防ぐのを助ける。例えば、中央チャネルはより多くの繊維を「詰め込まれている」ため、これらのチャネルは、張力下で紐1110によって紐ガイド1100に及ぼされる内向きの圧縮力に、より容易に抵抗することができる。個々のチャネル1102a~1102h内の繊維密度は、内向きの圧縮力を打ち消すように、および/または所望に応じてガイドの湾曲もしくは撓曲をもたらすように設計することができる。ガイド1100が集まることが低減すること、および/または設計された撓曲/湾曲によって、ガイド1100にわたって横方向に均一な張力または負荷を維持するのを助けることができる。
【0069】
[0102]
いくつかの事例では、紐ガイド1100の内面は、紐1110と紐ガイド1100との摩擦係合を低減する低摩擦材料を含み得る。例えば、紐ガイド1100の内面は、低摩擦材料がガイド1100のループ状端部内に位置決めされている
図4A~
図4Cと同様の構成を有することができる。
【0070】
[0103]
紐ガイド1100を物品と結合する方法は、本明細書において説明されているような構成を有する紐ガイド1100を提供することと、紐ガイド1100を物品と結合することとを含む。方法はまた、通常、紐ガイド1100の折り返された材料本体に形成されたループまたはチャネル内に紐1110を挿入することをも含む。
【0071】
[0104]
ここで
図12を参照すると、紐ガイドが靴などの物品に迅速かつ容易に取り付けられることを可能にする構成要素1200の一実施形態が示されている。構成要素1200は、取り付け部材1202およびガイド部材1210を含む。ガイド部材1210は折り返されてループ1212を形成し、それを通して紐または張力部材(図示せず)が挿入される。ガイド部材1210の対向する両端部は、縫合1214、接着剤接合、溶接(例えば、RF、熱、音波など)を介して、またはその他の取り付け方法を介して取り付け部材1202に取り付けられる。取り付け部材の内面1204は、取り付け部材1202を物品と結合するのを助ける材料を含む。例えば、取り付け部材1202の内面1204は、TPUまたは取り付け部材1202を物品に熱溶接するのを助ける別の材料を含み得る。内面1204は同様に、構成要素1200を物品と結合するのを助ける感圧および/または感熱材料を含み得る。
【0072】
[0105]
取り付け部材1202は、より大きい表面積にわたってガイド部材1210に加えられる任意の力または負荷を分散させるより大きい表面積を提供し、これによって、構成要素1200が物品から外れないことを保証することが助けられる。いくつかの実施形態では、内面1204の反対側の面(すなわち、外面)が取り付け材料を含む。そのような実施形態では、内面1204は取り付け材料を含まなくてもよい。構成要素1200は、物品の周りで個々に位置決めされ、それと結合されて物品の周りで紐経路を形成することができる別個の個別のユニットとして製造することができる。
【0073】
[0106]
図13A~
図Cは、構成要素1200を靴などの物品に取り付ける様々な実施形態を示す。
図13Aは、構成要素1200が物品1300に取り付けられている一実施形態を示す。物品1300は、それを通して紐1304が挿入される一対の紐ポート1302を含む。構成要素1200は、物品の外部から見えないように物品1300の内面に位置決めされる。取り付け構成要素1202の内面1204は、ガイド部材1210が物品1300の内面と取り付け部材1202の内面1204との間に挟まれるように、物品1300の内面と結合されている。他の実施形態では、ガイド部材1210が物品1300の内面に接触しないように、取り付け部材1202の外面(番号なし)を物品の内面に取り付けることができる。
【0074】
[0107]
構成要素1200は、ループ状端部または縁部1220が物品1300の縁部1310から引っ込むように物品1300の周りで位置決めされる。理想的には、ループ縁部1220は、与張されたときに、紐1304の自然な湾曲によって、紐1304が図示のように紐ポート1302を通ってほぼ中央に位置決めされるように位置決めされる。このように構成要素1200を位置決めすると、紐1304と紐ポート1302との摩擦係合が減少する。具体的には、この構成は、紐1304が紐ポート1302の上縁、下縁、または側縁と擦れ合うことを低減または防止する。
【0075】
[0108]
図13Bは、ループ縁部1220が紐ポート1302により近いように物品1300内に位置決めされた構成要素1200を示す。具体的には、ループ縁部1220は、紐ポート1302の中心線1306に隣接するように位置決めされる。ループ縁部1220は、中心線1306から距離X
1だけオフセットすることができ、この距離は紐ポート1302の半径より小さくてもよい。他の実施形態では、ループ縁部1220は、紐ポート1302の中心線1306と実質的に一致してもよい。いくつかの実施形態では、ガイド部材1210の縁部またはコーナは、紐ポート1302を通して見えてもよい。いずれの実施形態でも、構成要素1200は、紐1304が与張されたときに紐1304が紐ポート1302内のほぼ中央に位置決めされるように、物品1300内に位置決めされるべきである。
図13Bの構成は、紐1304が非常に可撓性または屈曲可能であるときに特に有用であり得る。
【0076】
[0109]
図13Cは、ループ縁部1220が紐ポート1302の中心線1306から大きくオフセットされるように、構成要素1200が物品1300内に配置されている実施形態を示す。ループ縁部1220は、中心線1306から距離X
2だけオフセットされており、この距離は、構成要素が紐ポート1302から遠く離れるほど十分に大きい。前述の実施形態と同様に、構成要素1200は、理想的には、与張されたときに紐1304が紐ポート1302を通じてほぼ中央に位置決めされるように位置決めされる。
図13Cの構成は、可撓性がより少なく、したがって、ガイド部材1210を通じて撓曲、屈曲、または湾曲するためにより大きい距離を必要とする紐に特に有用であり得る。
【0077】
[0110]
図13Dは、構成要素1200が靴の外側から見えないように、靴1350の内面に位置決めされた取り付け構成要素1200を示す。構成要素1200の内面1204は、ガイド部材1210が靴1350の内面と取り付け構成要素1200の内面1204との間に挟まれるように、靴1350の内面と結合され得る。靴1350は、靴1350の周りの経路に沿って位置決めされる紐1304を案内するために靴1350の周りに配置された複数の取り付け構成要素1200を含む。
図13Dは、ループ縁部1220が紐ポート1302の中心線の近くに位置決めされている与張状態の紐1304を示している。この状態では、紐1304は、紐1304と紐ポート1302との摩擦係合が最小になるように、紐ポート1302を通じてほぼ中央に位置決めされる。与張されていない状態では、ループ縁部1220は、紐ポート1302の中心線から引っ込んでいてもよい。
【0078】
[0111]
ここで
図14を参照すると、物品1410内のガイド部材1402の理想的な位置決めが示されている。具体的には、ガイド部材1402は、紐1404が与張されたときにガイド部材1402の遠位縁部1406が紐ポート1412に対してほぼ中心になるように位置決めされる。例えば、紐ポート1412はYの開口幅を有してもよく、ガイド部材1402の遠位縁部1406は物品1410の上側材料に対してほぼY/2に位置決めされてもよい。この構成は、紐が与張されるときに紐1404を紐ポート1412を通ってほぼ中央に位置決めするのを助け、これによって、紐1404と紐ポート1412および物品1410との摩擦接触または係合が減少する。
【0079】
[0112]
ここで
図15A~
図15Bを参照すると、靴などの物品のメッシュ材料に直接溶接または取り付けることができるガイド構成要素1510の実施形態が示されている。
図15Aは、取り付け部材1514に取り付けられているガイド部材1512を含むガイド構成要素1510を示す。取り付け部材は通常、ガイド部材1512よりも大きい表面積を有する。取り付け部材1514は、物品のメッシュ1502に取り付けられ、紐(図示せず)の与張に起因してガイド部材1512に加えられる任意の負荷または力を分散させるのを助ける。他の実施形態と同様に、ガイド部材1512は、紐が挿入されるループを形成するように折り返され、ガイド部材1512は取り付け部材1514に取り付けられる。
【0080】
[0113]
取り付け部材1514はメッシュ1502に結合されている。取り付け部材1514は、典型的には、メッシュ材料1502に溶接(例えば、熱溶接、音波溶接、RF溶接など)されるが、接着剤接合などのような様々な他の形態の取り付けが可能である。取り付け部材1514がメッシュ1502に溶接されると、溶接領域が形成され、これは
図15Aのクロスハッチ区画1520によって示される(以下、溶接領域1520)。溶接は、溶接されていないメッシュ1502と比較して、溶接領域1520を著しくより硬くまたは剛性にする。溶接領域1520は、メッシュ1502の非伸張領域または部分を画定し、これは、本明細書で以下に記載されるように物品を与張するかまたは締め付けるために利用され得る。
【0081】
[0114]
図15Bは、ガイド構成要素1510の異なる実施形態を示す。ガイド構成要素1510は、ガイド構成要素1510が取り付け部材(すなわち、1514)を含まないことを除いて、
図15Aに示すものと同様である。そうではなく、ガイド構成要素は、メッシュ1502に直接結合されているガイド部材1512のみを含む。例示的な実施形態では、ガイド部材1512は溶接によってメッシュ1502に結合され、これによって、非伸縮性であり、所望の方法で物品のフィットまたは締め付けに影響を及ぼすために使用することができる溶接領域1520が形成される。
図15Bはまた、ガイド部材1512のループ状端部がスリットまたは開口部1506を通って位置決めされ得、それによって、ループ状端部がガイド部材1512の残りの部分からメッシュ1502の反対側にあることを示す。
【0082】
[0115]
ここで
図16A~
図16Eを参照すると、溶接領域1520を利用して所望の方法でメッシュ1502を締め付けまたは与張する実施形態が示されている。溶接領域1520が紐によって与張されると、溶接領域1520はメッシュ1502に影響を及ぼすと考えられる。具体的には、張力が溶接領域1520に加えられると、加えられる力と反対側に位置するメッシュ1502の領域または部分は、歪みまたは伸張され、一方、溶接領域1520および加えられる力に横方向に隣接して位置するメッシュ1502の部分は、歪まずまたは伸張されない。このように、溶接領域1520が与張されると、張力の大部分は、加えられる力とは反対側に位置するメッシュに伝達され、横方向に隣接するメッシュ1502には加えられない。この効果は、固有の方法で靴を与張するために利用することができる。
【0083】
[0116]
図16Aは、靴などの物品のメッシュ1502に溶接されているガイド構成要素1510を示している。溶接領域1610は、細長いUの形状でメッシュ1502上に形成される。溶接領域1610は、メッシュ1502がともに溶接されていない細長いUの対向する両側の間に隔離ゾーンまたは領域1612を形成する。溶接領域1610は、メッシュ1502の底部まで延伸してもよく、または所望に応じてそこから近位に終端してもよい。ガイド部材1510が与張されると、溶接領域1610が隔離ゾーン1612の与張および/または伸張を引き起こすと考えられる。溶接領域1610の横方向外側に位置するメッシュ1502の部分は、隔離ゾーン1612よりも著しく小さい与張または伸張を経験し、したがって、溶接領域1610は、メッシュ1502を与張可能部分と与張不能部分とに分割する分割部材と同様に機能する。そのような実施形態では、紐が与張されるとき、溶接領域1610および隔離ゾーン1612は独立したパネルと同様に機能する。
【0084】
[0117]
図16Bは、ガイド構成要素1510が、溶接領域1520を形成する溶接を介してメッシュ1502に溶接されている別の実施形態を示す。溶接領域1520は、ガイド部材1510と大きさおよび形状が類似している。
図16Cに示すように、紐1622を介したガイド構成要素1510の与張は、溶接領域1520のすぐ反対側に位置するメッシュ1502のゾーンまたは部分1620を与張する。
図16Dは、V字状溶接領域1630を画定するようにメッシュ1502に溶接されているガイド構成要素1510のさらに別の実施形態を示す。
図16Eに示すように、紐1622を介したガイド構成要素1510の与張は、溶接領域1630のすぐ反対側に位置するメッシュのゾーンまたは部分1620を与張すると考えられる。与張ゾーンまたは部分1620は、溶接領域1630の対向する両端部またはアームからメッシュを通じて下向きに延伸することができる。与張ゾーンまたは部分1620の外側に位置決めされているメッシュ材料1502は、与張ゾーンまたは部分1620内に位置決めされているメッシュ1502よりも大幅に小さく与張または伸張され得る。したがって、溶接領域1630を利用して、メッシュ材料1502を所望の方法で固有に与張することができる。
【0085】
[0118]
図16A~
図16Eの構成は例示に過ぎず、この概念をいずれか1つの特定の構成に限定するように意図するものではないことを理解されたい。むしろ、当業者であれば、メッシュ材料に所望の方法で与張するために他の様々な溶接領域構成を形成することができることを容易に認識するであろう。言い換えれば、メッシュ1502は、ガイド部材1510を取り付けるときに所望の溶接領域1520を形成することによって固有に与張することができ、これによって、メッシュ1502の所望の部分が選択的に与張される。
【0086】
[0119]
図17は、靴1700のメッシュ材料1704と結合されたいくつかのガイド構成要素1510を示す。具体的には、2つのガイド構成要素1510が靴1700の片側と結合しているように示されている。各ガイド構成要素1510はメッシュ1704に溶接されて、前述のように隔離領域1712を画定する細長いU字状溶接領域1710を形成する。
図17の構成は、各隔離ゾーン1712の比較的独立した与張または伸張をもたらし、それは、足を取り巻き、かつその周りでよりぴったりとフィットするようにメッシュ1704を引っ張るかまたは巻き付ける。隔離ゾーン1712は、機能的には、ユーザの足を取り巻いて緊密に引っ張られるであろう独立したストラップと同様であり得る。
【0087】
[0120]
各ガイド構成要素1510は、張力部材または紐1702と動作可能に結合され、張力部材または紐1702は、リール式締め付け機構1706と動作的に結合される。締め付け機構1706の動作(すなわち、ノブ構成要素の回転巻き)は、紐1702が与張されるようにし、これによって、ガイド構成要素1510および隔離ゾーン1712内のメッシュ材料1502の各々が与張される。
【0088】
[0121]
ここで
図18A~
図18Cを参照すると、2つの材料層の間にガイド部材1802を結合することによって形成されたガイド構成要素1810の一実施形態が示されている。ガイド部材1802は、それを通して紐が挿入される穴を有する管区画である。ガイド部材は、上側材料層1804と下側材料層1806との間に位置決めされている。ガイド部材1802は、通常、所望の半径または曲率に沿って紐を案内または送るように屈曲または湾曲している。特定の実施形態では、ガイド部材1802は織物シース材料から形成されてもよい。
【0089】
[0122]
上側材料層1804は、ガイド部材1802がそれらの間に固定的に位置決めされるように下側材料層1806に取り付けられる。上側材料層1804と下側材料層1806とは、接着剤接合、縫合などを介してともに結合されてもよい。例示的な実施形態では、上側材料層1804と下側材料層1806とは溶接(例えば、熱、音波、RFなど)を介して結合される。形成されると、ガイド構成要素1810は、紐経路を形成し、紐経路に沿って張力部材または紐を案内または送るために、靴などの物品に取り付けることができる。
【0090】
[0123]
図19は、靴1900に取り付けられた
図18A~
図18Cの複数のガイド構成要素1810を示す。ガイド構成要素1810は、靴1900の舌革の周りで紐経路を形成する。紐1902は、ガイド構成要素1810を介して紐経路に沿って送られまたは案内される。紐1902は、締め付け機構1904が操作されたときに紐1902を与張するようにリール式締め付け機構1904と動作可能に結合されている。
【0091】
[0124]
ここで
図20A~
図20Dを参照すると、靴のアッパーと舌革との間などの靴の部分間の遷移をもたらし、および/または、遷移構成要素2000の下に位置するガイドを隠しもしくは隠蔽するために、靴または物品に取り付けることができる遷移構成要素2000の実施形態が示されている。遷移構成要素2000は、アッパー2002の遠位縁部付近で靴のアッパー2002に取り付けられた近位部分2004を含む。遷移構成要素2000の近位端2004は、縫合2003、接着結合、溶接、またはその他の方法でアッパー2002と結合することができる。いくつかの実施形態では、近位端2004は、アッパー2002との結合点においてまたはその付近で折り返されてもよい。
【0092】
[0125]
遷移構成要素2000はまた、アッパー2002の反対側に位置決めされた遠位端2020も含む。遷移構成要素2000は、近位端2004と遠位端2020との間で折り返され得る(2010)(以後、折り返し端部2010)。いくつかの実施形態では、折り返し端部2010は、縫合2012、接着剤接合、溶接などを介してともに結合されてもよい。遠位端2020は、アッパー2002の下に位置決めされてそれに結合された紐ガイド2006を部分的にまたは完全に被覆するように、アッパー2002の下に位置決めされる。縫合2012、または他の結合は、遠位端2020をアッパー2002の下かつ紐ガイド2006の上の位置に維持するのを助けることができる。紐ガイド2006は、それを通して紐または張力部材が挿入されるループ状端部2008を含む。いくつかの実施形態では、遷移構成要素2000の遠位端2020は、遠位端2020がアッパー2002の下で自由に浮遊するように、アッパー2002から切り離されているかまたは取り付けられていない。
【0093】
[0126]
図20Bは、アッパー2002に結合された遷移構成要素2000の斜視図を示す。
図20Bは、ガイド部材2006のループ状端部2008を通じて位置決めされた紐2030を示す。
図20Cは、遷移構成要素2000の底面斜視図を示す。図示のように、遷移構成要素2000は、折り返し端部2010の近くに位置決めされた紐ポート2022を含む。紐2030は、遷移構成要素2000の下に位置決めされたガイド部材2006にアクセスできるように、紐ポート2022を通して挿入される。
【0094】
[0127]
図20Dは、靴2040と結合された遷移構成要素2000を示す。遷移構成要素2000は、靴の対向するアッパーと結合されており、靴の対向するアイステイに沿って横切るように位置決めされている。詳細図に示されるように、遷移構成要素2000の遠位端2020は、ガイド部材2006と靴の舌革2042との間に位置決めされる。遷移構成要素2000は、遷移構成要素2000の下に位置するガイド部材2006を隠蔽しまたは隠す。ガイド部材2006の隠蔽は、円滑な、継ぎ目のない、均一の、またはその他の様態で魅力的な見かけまたは外観をアッパーに提供し得る。遷移構成要素2000はまた、ガイド部材2006と舌革2042との間の比較的円滑な遷移を提供し得、それによって紐2030と舌革2042との間の摩擦係合を減少させ、および/またはこれらの構成要素間の摩耗を減少させる。
【0095】
[0128]
遷移は、紐2030が、ガイド部材2006から舌革2042への急激な遷移を経るのではなく、遷移構成要素2000内で紐ポート2022から外へ送られることによって達成される。遷移構成要素2000は、ガイド部材2006と舌革2042との間の円滑な遷移をさらにもたらすために低摩擦材料から作製されてもよい。遷移構成要素2000はまた、ガイド部材2006を視界から隠し、それによって、所望され得るアッパーのなめらかな外観を提供し得る。
図20A~
図20Dの遷移構成要素2000は、ガイド部材2006のループ状端部が、舌革2042とアッパー2002の内面との間に紐が挟まれ得るアイステイ縁部の内側に位置決めされる場合に特に有用である。
【0096】
[0129]
ここで
図21A~
図21Bを参照すると、遷移構成要素2100の別の実施形態が示されている。遷移構成要素2100は、遷移構成要素2100が近位端2004および遠位端2020を含むという点で、
図20A~
図20Dに示されたものと同様である。近位端2004は、前述のようにアッパー2002に結合されている。遷移構成要素2100はまた、紐2030が送られる紐ポート2022を含む。
図20A~
図20Dの遷移構成要素2000とは異なり、
図21A~
図21Bの遷移構成要素2100は折り返し端部2010を含まない。そうではなく、遠位端2020は、アッパー2002から横方向外側に延伸している。靴(図示せず)に取り付けられると、遷移構成要素2100の遠位端2020は靴の舌革の上に位置することになる。紐2030は、ガイド部材2006にアクセスするために遷移構成要素2100の上を摺動して紐ポート2022に入る。ガイド部材2006は、図示のようにアッパー2002の下に位置決めすることができ、または所望に応じてアッパー2002の上に位置決めされてもよい。
図21A~
図21Bの遷移構成要素2100は、ガイド部材2006のループ状端部がアイステイ縁部にまたはその近くに位置決めされている場合に特に有用である。
【0097】
[0130]
ここで
図22A~
図22Cを参照すると、ガイド部材を隠蔽しまたは隠すために、および/または靴の部分間の比較的円滑な遷移を提供するために使用され得る別の遷移構成要素2200が示されている。
図22Aに示されるように、遷移構成要素2200は、遷移構成要素2200が近位端2004と、遠位端2020と、近位端2004および遠位端2020の間に位置決めされる折り返しまたはループ状端部2010とを含むという点で、
図20A~
図20Dの遷移構成要素2000と同様である。近位端2004および遠位端2020は両方とも、ガイド部材2006が遷移構成要素2200内に完全に囲まれるように、アッパー2002に取り付けられている。折り返し端部2010は縫合またはその他の様態でともに結合されていなくてもよい。遠位端2020はアッパー2002の内面と結合され、したがって結合された折り返し端部2010によって定位置に保持または維持される必要がないため、折り返し端部2010の縫合または結合は不要であり得る。遠位端2020は、縫合2021、接着剤接合、溶接などを介してアッパー2002の内面に取り付けることができる。いくつかの事例では、結合2005が、アッパーの縁部付近でアッパー2002に近位端2004を取り付けることができる。
【0098】
[0131]
図22Bは、遷移構成要素2200の斜視図を示す。
図22Bは、紐ポート2015が遷移構成要素2200の折り返し端部2010に形成されていることを示している。紐ポート2015は、ガイド部材2006へのより直接的なまたは直線的なアクセスを提供する。
図22Cは、靴に取り付けられた遷移構成要素2200を示す。詳細図は、靴の舌革2042とガイド部材2006との間に位置決めされた遠位端2020を示す。縫合2021、またはその他の方法で結合された遠位端2020は、遠位端2020が舌革2042とガイド部材2006との間に位置決めされたままであることを確実にする。遷移構成要素2200は、ガイド部材2006を隠蔽するかもしくは隠し、および/または舌革2042とガイド部材2006との間の円滑な遷移を提供し、理想的には、ガイド部材2006へのより直接的な紐アクセスを必要とする構成に適し得る。
【0099】
[0132]
ここで
図23A~
図23Dを参照すると、紐または張力部材を靴の周りで送るまたは案内するために使用することができる別のガイド部材または構成要素2300が示されている。
図23A~
図23Bは、ガイド部材2300が、ループ状または折り返し材料ストリップ2304(以下、材料ガイド2304)を材料本体2302の窓または切り取り部分2306内に位置決めすることによって形成されることを示す。窓2306の大きさおよび形状が材料ガイド2304の大きさおよび形状に対応するように、窓2306を材料本体2302内に切り込むことができる。材料ガイド2304の近位端は、縫合2308、接着剤接合、溶接などを介して材料本体2302の内縁と結合されている。いくつかの事例では、材料ガイド2304の近位端は、材料ガイド2304を折り返しまたはループ構成に維持するために一時的な結合2310を有してもよい。材料ガイド2304は、図示のように材料ガイド2304の遠位端が材料本体2302の遠位端と整列するように、窓2306内に位置決めされ、材料本体2302と結合され得る。材料本体2302は、図示のように長手方向において材料本体に沿ってまたはその周りで位置決めされた複数のガイドを含むことができる。材料ガイド2404が材料本体2302の上に位置決めされないので、窓2306内に材料ガイド2304を位置決めすることによって、ガイド部材2300の全体の厚さが減少する。
【0100】
[0133]
図23Cは、ガイド部材2300および材料ガイド2304の上に位置決めされているカバー材料2312を示している。カバー材料2312は、材料ガイドがカバー材料2312の外部から見えないように材料ガイド2304を隠蔽しまたは隠す。カバー材料2312はまた、材料ガイド2304と材料本体2302との結合を補強し得る。カバー材料2312は、所望に応じてガイドを部分的に被覆してもよく(2314)、またはガイドを完全に被覆してもよい(2316)。
【0101】
[0134]
図23Dは、靴2320のアッパーに取り付けられたガイド部材2300を示す。いくつかの例では、靴のアッパーは材料本体2302として機能し、材料ガイド2304はアッパー内に形成された窓2306内に位置決めされる。このとき、カバー材料2312がアッパーおよび材料ガイド2304の上に位置決めされ得、アッパーに取り付けられて材料ガイド2304を被覆し隠すことができる。他の実施形態において、材料本体2302は靴2320の上側材料に取り付けられる。
【0102】
[0135]
ガイド部材2300は、ガイド部材2304が靴の舌革にわたる経路に沿って紐2322を案内または送ることができるように、靴2320の対向するアイステイに沿って位置決めされる。個々のガイド部材2304は、ガイド部材2300の上に位置決めされているカバー材料2312を介して視界から隠蔽または隠される。いくつかの事例では、カバー材料2312は靴のアイステイを包み込み、アッパーの外面および内面に取り付けられてもよい。
【0103】
[0136]
ここで
図24A~
図24Bを参照すると、紐を経路の周りで送るまたは案内するために使用され得るガイド部材2400の別の実施形態が示されている。ガイド部材2400は、外側材料本体2402と内側材料本体2406とを含み、それらの間にはループ状または折り返し材料ガイド2404が配置されている。材料ガイド2404は、材料ガイド2404の近位端が内側材料本体2406と外側材料本体2402との間に位置決めされるように、かつ、材料ガイド2404の遠位端が内側材料本体2406内のスロットまたはチャネル2408を通って突出するように、内側材料本体2406に対して位置決めされる。スロット2408を通じた材料ガイド2404の突出部は、紐(図示せず)が材料ガイド2404のループ状端部にアクセスし、当該ループ状端部によって案内また送られることを可能にする。いくつかの実施形態において、材料ガイド2404は、内側材料本体2406と外側材料本体2402とを結合する前に、内側材料本体2406に取り付けられてもよい(2410)。
【0104】
[0137]
材料ガイド2404の遠位端は、図示のように内側材料本体2406の遠位端から引っ込んでいてもよい。この構成は、ガイド部材2400が靴と結合されたときに材料ガイド2404を視界から完全に隠蔽しまたは隠すことを可能にし得る。使用時には、外側材料本体2402が靴のアッパーの内面に位置決めされるように、ガイド部材2400を靴に取り付けることができる。この構成では、内側材料本体2406は靴の内側に面し、材料ガイド2404は外側材料本体2402を介して靴の外側から隠蔽または隠される。いくつかの実施形態において、外側材料本体2402は靴の上側材料であり得、内側材料本体2406および材料ガイド2404はアッパーに直接取り付けられ得る。他の実施形態では、ガイド部材2400は、材料ガイド2404が靴の外側に面し、靴の外側から見えるように配置されてもよい。
【0105】
[0138]
ここで
図25A~
図25Dを参照すると、紐ガイドを隠蔽しまたは隠すために、および/または紐ガイドと靴との結合を補強するために、紐ガイドの上に位置決めされ得るカバー部材の実施形態が示される。
図25Aは、下側本体2502および上側本体2506を有するカバー部材2500を示す。以下により詳細に説明するように、上側本体2506は、カバー部材2500を紐ガイドの上で靴と結合する際に折り線2508の周りで折り返されるように構成される。いくつかの例では、カバー部材2500は、折り線2508においてカバー部材2500の対向する両側でわずかに切れ込みを入れられてもよい。場合によっては、カバー部材2500の材料は、折り線2508の周りでカバー部材2500を折り返すのを助けるように設計されてもよい。例えば、下側本体2502の周りで上側本体2506を折り返すのを助けるために、材料は、折り線2508に沿ってわずかに薄くされおよび/または折り線を付けられてもよい。下側本体2502は、材料内に一対の切り込み2504を含む。切り込み2504は、弓形または湾曲形状を有し、紐ガイドの対向する両端部がカバー部材2500内から突出することを可能にするように設計されている。
【0106】
[0139]
図25Bは、カバー部材の別の実施形態2500’を示し、カバー部材2500’は、カバー部材2500’が
図25Aのカバー部材2500よりも長い横方向長さLを有することを除いて、
図25Aのカバー部材2500とほぼ同一の構成を有する。
図25Bのカバー部材2500’は、紐ガイドが他の紐ガイドと比較してより長い横方向長さを有する場合に利用することができる。
【0107】
[0140]
図25Cは、複数の下側本体部材2522および上側本体部材2526を含むカバー部材2520を示す。カバー部材2520は、同じカバー部材によって複数の紐ガイドを被覆することが所望されるときに利用することができる。前述の実施形態と同様に、
図25Cのカバー部材2520は、折り線2528に沿って上側本体部材2526が下側本体部材2522の周りで半分に折り返されるように構成される。カバー部材2520は、折り線2528に沿って両側に刻み目を入れることができ、および/または折り線2528に沿って横方向長さに沿って中間に位置決めされた逃げ切り込み2532を含むことができる。逃げ切り込み2532は、下側本体部材2522の周りで上側本体部材2526を折り返すのを助けることができ、および/またはカバー部材2520内に閉じ込められた汚物および塵芥を逃がすことを可能にすることができる。
【0108】
[0141]
いくつかの例では、カバー部材2520は、上側本体部材2526と下側本体部材2522との間に位置決めされ、それぞれの本体部材へと内側に突出する追加の逃げ切り込み2530および/または2531を含み得る。逃げ切り込み2530および/または2531は、閉じ込められた汚物および塵芥がカバー部材2520内から逃げることができる追加の領域を提供することができる。逃げ切り込み2530および/または2531はまた、上側本体部材および下側本体部材を画定し得る。
【0109】
[0142]
下側本体部材2522は各々、弓状または湾曲形状を有する材料内の一対の切り込み2524を含む。切り込み2524は、紐ガイドの対向する両端部の形状に対応し、紐ガイドの対向する両端部がカバー部材2520から外向きに突出することを可能にするために使用される。下側本体部材2522の切り込み2524は、各切り込みの間に同様の横方向間隔を有してもよく、または、横方向間隔は異なる大きさおよび形状の紐ガイドの使用に適応するように変更されてもよい。同様に、下側本体部材2522および上側本体部材2526は、同様の横方向および/もしくは長手方向の長さ、または可変の横方向および/もしくは長手方向の長さを有してもよい。
【0110】
[0143]
図25Dは、
図25Cに示すものと同様の下側本体部材2522を含むが、細長い上側本体部材2542を含むカバー部材2540を示す。細長い上側本体部材2542は、
図27Dに示すように靴のアッパーの大部分を被覆することが望ましいときに利用することができる。図示のように、細長い上側本体部材2542の対向する両端部は、所望に応じて異なる大きさおよび/または形状を有することができる。細長い上側本体部材2542の形状および大きさは、靴のアッパーに対応することができ、および/または所望の視覚的外観を提供するように設計することができる。
【0111】
[0144]
ここで
図26A~
図26Dを参照すると、カバー部材2500を靴のアッパー2602に取り付けるプロセスが示されている。
図26Aは、一対のカバー部材2500が最初に広げられた状態で提供されることを示す。カバー部材2500は、対応する紐ガイド2600およびアッパー2602の内面と整列している。紐ガイド2600は、本明細書に記載されるように紐を挿入することができるループ状端部を画定する折り返し材料を含む。
図26Bでは、紐ガイド2600は、アッパー2602の内面に対して位置決めされ、縫合、接着剤接合、溶接(例えば、RF、音波など)、機械的締結などを介してそれと結合されている(2610)。図示されるように、紐ガイド2600は、通常、紐ガイド2600の遠位端がアッパー2602の遠位端から引っ込みまたはオフセットされるように、アッパー2602に取り付けられる。
【0112】
[0145]
図26Cでは、カバー部材2500は、紐ガイド2600がアッパー2602とカバー部材2500との間に位置決めされるように、紐ガイド2600およびアッパー2602に隣接して位置決めされている。カバー部材2500は、典型的には、それが紐ガイド2600を完全に被覆するように位置決めされる。次に、紐ガイド2600の対向する両端部2604は、カバー部材2500の下側本体部材2502の一対の切り込み2504を通じて引っ張られるか、またはその他の様態で位置決めされ、それによって対向する両端部2604はカバー部材2500の表面から外向きに突出する。このようにして、紐ガイドの対向する両端部2604、およびそれらの間に配置された紐の穴またはチャネルが露出され、紐にとってアクセス可能となる。切り込み2504の弓形または湾曲形状は、紐ガイド2600の対向する両端部2604が切り込み2504を通じて容易に引っ張られることを可能にする。
【0113】
[0146]
図26Dでは、カバー部材2500は、アッパー2602の遠位縁部上で折り線2508に沿って折り返される。その後、カバー部材2500は、紐ガイド2600がカバー部材2500の下に被覆されて隠された状態で、アッパー2602に堅固に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、下側本体部材2502を最初にアッパー2602に取り付けることができ、その後、上側本体部材2506をアッパー2602に取り付けることができる。他の実施形態では、上側本体部材2506および下側本体部材2502を同時にアッパー2602に取り付けることができる。カバー部材2500は、下側本体部材2502および紐ガイド2600が靴の内側に位置決めされるように位置決めされてもよく、またはこれらの構成要素が所望に応じて靴の外側に位置決めされるように位置決めされてもよい。
【0114】
[0147]
図27A~
図27Bは、
図23A~
図23Bのガイド部材2300を被覆するために利用されるカバー部材2520を示す。
図27Aは、材料本体2302の対応する窓2306内に位置決めされた一対の材料ガイド2304を有するガイド部材2300を示す。カバー部材2520は、ガイド部材の材料ガイド2304の位置に対応するように、下側本体部材2522の周りで位置決めされた複数対の切り込み2524を含む。カバー部材2520もまた、ガイド部材2300の形状および大きさに対応する形状および大きさである。前述のように、上側本体部材2526は、折り線2528に沿って下側本体部材2522の周りまたは上に折り重なるように構成される。
【0115】
[0148]
図27Bは、ガイド部材2300の上に位置決めされたカバー部材2520を示す。カバー部材2520の上側本体部材2526は、折り線2528の周りで折り返され、ガイド部材2300の反対側に位置決めされる。材料ガイド2304の対向する両側部2305は、対応する対の切り込み2524を通って突出するように位置決めされる。示されるように、材料ガイド2304は、カバー部材2520によって本質的に完全に被覆され、隠蔽され、隠される。
【0116】
[0149]
図27Cは、ガイド部材2300の上に位置決めされたカバー部材2520の斜視図を示す。
図27Cは、対向する両端部2305が対応する対の切り込み2524を通して挿入されることに起因して材料ガイド2304の対向する両端部2305がアクセス可能性であることを示す。紐は、対向する両端部2305およびそれらの間に配置されたチャネルまたは穴を通して挿入される。対向する両端部2305が一対の切り込み2524を通って挿入されることによって、材料2525のブリッジまたはストリップが材料ガイド2304のループ状端部の上に形成または画定される。カバー部材2520を使用して、材料ガイド2304を被覆して隠し、および/または材料ガイド2304とガイド部材2300の材料本体2302との取り付けを補強することができる。
【0117】
[0150]
図27Dは、カバー部材2540が靴の周りに配置された複数の紐ガイドを被覆するように、靴の周りで位置決めされているカバー部材2540を示す。カバー部材2540は、上側本体部材2542が下側本体部材の周りで折り返された状態で示されている。カバー部材2540は、靴のアッパーの内面に位置決めされている複数のガイド2722を被覆する。カバー部材2540はまた、靴のアッパーの外面に位置決めされている1つまたは複数の紐ガイド2720を被覆する。図示のように、カバー部材2540は、内側ガイド2722の対向する両端部のみがカバー部材2540から突出するように内側ガイド2722を被覆してもよい。いくつかの実施形態では、外部ガイド(複数可)2720が、
図24A~
図24Bに示すものと同様のスロットまたはチャネルを通って突出してもよい。細長い上側本体部材2542は、様々なガイドを隠すことと、靴に均一な見かけまたは外観を提供することの両方のために機能し得る。
【0118】
[0151]
図27E~
図27Jは、
図27A~
図27Dに示したものと同様の張力部材ガイド2750の一実施形態を示している。張力部材ガイド2750は、靴または他の履物などの物品と結合可能であり、物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るように構成される。張力部材ガイド2750は、第1の端部または近位端2751および第2の端部または遠位端2753を含む本体またはカバー部材2752(以下、カバー部材2752)を含む。近位端2751または近位部分は、靴または他の履物などの物品と結合可能であり得る。靴/履物と結合されると、カバー部材2752は通常、
図27Jに示すように靴/履物のアイステイに沿って位置決めされる。遠位端2753は、本体の、近位端2751とは反対の側に位置決めされ、いくつかの実施形態では、遠位端2753は、カバー部材2752が折り返される継ぎ目または線を表す。カバー部材2752はまた、カバー部材2752の遠位端2753の近くに位置決めされた一対のスリットまたは切り込み2754を含む。
【0119】
[0152]
張力部材ガイド2750はまた、縦方向の長さおよび横方向の幅を有するガイド部材2760を含む。ガイド部材2760は、長手方向長さに沿って折り返されて、中に張力部材2770が挿入されるループまたはチャネル2762を形成する(
図27I~
図27Jを参照)。折り返されたガイド部材2760は、前述の材料ガイド2304と類似している。ガイド部材2760は、本明細書に記載されているか、またはそうでなければ当該技術分野において既知の任意の材料から作製することができ、典型的には低摩擦材料から作製される。特定の実施形態では、ガイド部材2760は、本明細書の様々な実施形態で説明されているように、低摩擦内側材料と構造的に支持する外側層とを含む2層構造を有する。カバー部材2752は、典型的には、構造的に強く審美的に好ましい材料から作製されており、本明細書に記載されているかまたはそうでなければ当技術分野で既知の任意の材料を含み得る。
【0120】
[0153]
ガイド部材2760は、中央部分2761と、その横幅に沿った2つの端部部分2763とを有し、2つの端部部分2763は中央部分2761の対向する両側に配置されている。ガイド部材2760は、各端部部分2763が図示のようにスリットまたは切り込み2754のうちの1つを通して挿入されるようにカバー部材2752上に位置決めされる。このようにガイド部材2760がカバー部材2752に位置決めされると、2つの端部部分2763はカバー部材2752の、中央部分2761とは反対の側に位置決めされる。さらに、
図27Hに示すように、一対のスリットまたは切り込み2754の間に位置決めされているカバー部材2752の一部分は、張力部材ガイド2750が完全に組み立てられるおよび/または物品と結合されるときに、ガイド部材2760の中央部分を被覆するか、またはその上に配置または位置決めされる。
図27Hにおいて、参照符号2757は、ガイド部材2760の中央部分2761を被覆するカバー部材2752の部分を識別する。
【0121】
[0154]
図27Eに示すように、いくつかの実施形態では、ガイド部材2760は遠位端よりも広い近位端を有してもよく、これによってガイド部材2760をカバー部材2752の近位端に結合することが助けられる。いくつかの実施形態では、張力部材ガイド2750は、カバー部材2752内に位置決めされている単一のガイド部材2760のみを含み得る。他の実施形態において、カバー部材2752は、
図27Eに示すように、追加の一対のスリットまたは切り込み2754を含み得る。カバー部材は、同様に、三次対のスリットもしくは切り込み、四次対のスリットもしくは切り込み、または所望されるその他の数のスリットもしくは切り込みを含み得る。このような実施形態では、張力部材ガイド2750は、追加のガイド部材2760の両端部部分2763が、本明細書に記載されているように追加の対のスリットまたは切り込み2754を通じて挿入されるように、カバー部材2752上に位置決めされた追加のガイド部材2760(または三次ガイド部材、四次ガイド部材など)を含む。
【0122】
[0155]
図27Jに示されるように、張力部材ガイド2750が靴または他の履物2780と結合されると、1つまたは複数のガイド部材2760の2つの端部部分2763は履物2780のアッパー2782の内側に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、張力部材ガイド2750が履物2780と結合されると、1つのガイド部材2760の端部部分2763がアッパー2782の外面に位置決めされ得、一方、別のガイド部材2760の端部部分2763がアッパー2782の内面の上に位置決めされる。
【0123】
[0156]
図27Fに示すように、いくつかの実施形態では、補強部材2774がカバー部材2752およびガイド部材2760の近位端に取り付けられている。補強部材2774は、おおよそ長方形の形状であってもよく、熱またはRF溶接、接着剤接合、縫合、機械的締結などを介してガイド部材2760の近位端に取り付けられてもよい。補強部材2774は、ガイド部材2760とカバー部材2752との結合または取り付けを補強することによって、ガイド部材2760がカバー部材2752から分離するのを防ぐのを助ける。
【0124】
[0157]
図27Gに示すように、いくつかの実施形態では、カバー部材2752は継ぎ目または遠位端2753に沿ってかつガイド部材2760の上に折り返される。このような実施形態では、ガイド部材2760の大部分は、カバー部材2752の対向する両側の間に挟まれるかまたは配置される。
図27Iに示すように、カバー部材2752は次に、ガイド部材2760の大部分を被覆する対向する両側にともに結合され得る。張力部材ガイド2750を履物2780と結合する際に、カバー部材2752はまた、履物2780のアイステイ縁部の上に折り返されてもよい。
図27Iに示される張力部材ガイド2750の結合は、張力部材ガイド2750が履物2780または別の物品とどのように結合されるかを表すことができる。特に、カバー部材2752は、継ぎ目2753に沿って折り返され、次いで履物2780または他の物品上に位置決めされ得、その後、カバー部材2752は、ガイド部材2760の上でともに結合され得、同時に、張力部材ガイド2750が、履物2780または物品と結合される。さらに、
図27Iは縫合されている張力部材ガイド2750および/またはカバー部材2752を示しているが、他の実施形態では、張力部材ガイド2750および/またはカバー部材2752は、熱またはRF溶接、接着剤結合、機械的締結などを介してともにおよび/または履物2780もしくは物品に結合され得る。特定の実施形態では、カバー部材2752の表面または面(典型的にはアッパー2782と接触する面の内側表面)は履物2780に熱溶接可能な材料を含む。熱溶接可能材料は、カバー部材2752を履物2780に熱溶接させることができるようにカバー部材2752の表面または面上に位置決めされる薄いポリマー材料であってもよい。
【0125】
[0158]
張力部材ガイド2750を履物2780と結合する方法は、本明細書に記載の構成を有する張力部材ガイド2750を提供することと、2つの端部部分2763が履物2780のアイステイ縁部の近くに位置決めされるように、張力部材ガイド2750を履物2780と結合することとを含む。方法はまた、典型的には、ガイド部材2760のループまたはチャネル2762を通して張力部材2770を挿入することを含む。方法は、2つの端部部分2763以外のガイド部材2760がカバー部材2752の対向する両側の間に位置決めされるように、カバー部材2752をガイド部材2760上に折り返すことをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、張力部材ガイド2750を履物2780と結合することは、カバー部材2752の表面または面を履物2780に熱溶接することを含む。いくつかの実施形態では、張力部材2770、またはその大部分が外部から見えないように、張力部材2770はカバー部材2752の下に配置される。そのような実施形態では、張力部材2770およびガイド部材2760の視認性を最小限に抑えるか、またはほとんど存在しないようにすることができ、それによって、靴2780に相対的に余計なものがなく審美的に好ましい外観を与えることができる。
【0126】
[0159]
いくつかの実施形態では、リール式締め付け機構が操作されるときに、ユーザの足の周りでの靴のより適合するフィットが達成されるように靴を構成することが有益であり得る。本明細書で使用するとき、用語「より適合するフィット(more conforming fit)」は、足のアーチ付近など、靴の部分を引きまたは押してユーザの足と接触させることが困難である従来の靴に関して、ユーザの足の周りでの靴のフィットが増すことを意味する。足の周りでの靴のフィットを高めることを達成するように靴を構成する1つの手段は、材料が張力部材を介して与張されるときに、織りパターンが材料をユーザの足の形状に一致させるように材料を織ることによるものである。特に、織り方は、材料が、ユーザの足に適合するように設計され得る所望の方法で屈曲、撓曲、またはその他の様態で動くように選択され得る。材料の設計された動きを達成するために特定の材料の織り方を適用するという概念は、靴の種々の区画の各々において材料の固有の異なる動きが達成されるように、靴の様々な区画に適用され得る。このようにして、靴は、最初に靴の着用を容易にするように成形され、その後、靴の様々な区画が、張力部材の与張に応答して、固有に動き、屈曲し、撓曲し、またはその他の様態で使用者の足に適合することができる。
【0127】
[0160]
ここで
図28A~
図28Cを参照すると、張力部材の張力に応答して靴の種々の部分が種々の固有の方法で屈曲、撓曲、または動くように編まれまたは織られている靴2800または他の履物が示されている。具体的には、靴2800は、第1の編物または織物区画2802、第2の編物または織物区画2804、第3の編物または織物区画2806、および第4の編物または織物区画2808を含む。他の例では、靴2800は、所望に応じてより多くのまたはより少ない編物または織物区画を含んでもよい。編物または織物区画2802~2808の各々は、それぞれの区画における編まれたまたは織られた材料の伸張、屈曲、または撓曲が所望の設計された方法で張力に応答するように編まれまたは織られている。例えば、第1の編物または織物区画2802は先芯に隣接しているため、靴2800の他の区画またはゾーンと比較して、与張されると靴2800の区画またはゾーンDがより大きい可撓性または伸張を経験または達成することができるように、第1の編物区画2802を編みまたは編むことが所望される場合がある。これにより、靴2800がユーザの足の周りで締め付けられているときでも、つま先が比較的自由にかつ快適に動くことが可能になり得る。対照的に、第3の編物もしくは織物区画または第4の編物または織物区画2806および/または2808はかかとに隣接しているため、与張されたときに、それぞれの区画またはゾーンBおよび/またはAがより少ない伸張または可撓性およびより多くの支持を経験または達成するように、これらの区画を編みまたは織ることが望ましい場合がある。同様に、第2の編物または織物区画2804は、材料が与張されるときに、区画またはゾーンCが足の甲および/またはアーチとより強く接触するように引き込まれるように編まれまたは織られてもよい。これにより、靴2800を着用したときに足に対するさらなる支持および/またはより大きい快適感および/または向上した感覚を提供することができる。
【0128】
[0161]
増加した支持は、靴2800が不快にされることなくユーザの足に堅固にかつ安全に結合されたままであることを確実にすることができる。これらの区画のうちの1つまたは複数において提供される支持および/または快適さは、スポーツイベント(例えば、バスケットボール、サッカー、陸上競技など)への参加、野外活動(例えば、ハイキング、徒歩旅行、サイクリング、ランニングなど)に携わることなどのような、実行されている活動に基づいて設計され得る。各区画2802~2808の編物または織り方によって、個々の区画が所望のフィットを達成するように固有に屈曲、撓曲、伸張、動くようにすることができる。例えば、第2の編物または織物区画2804は、材料の与張に応答して区画またはゾーンCが靴の周りで内向きに引っ張られるように編まれまたは織られてもよく、それによって靴2800と足との接触が増大する。第1の編物または織物区画2802は、つま先が靴の中で集まらず、足に対してより自然な位置をとることができるように、材料の与張に応答していくらか平らになるかまたは広がることができる。第4の編物または織物区画2808および第3の編物または織物区画2806は、区画またはゾーンA内の材料が先芯に向かって前方に屈曲、撓曲、伸張、または動き、一方で、区画またはゾーンB内の材料がかかとに向かって後方に屈曲、撓曲、伸張、または動くように、構成することができ、これによって足首およびかかとを靴2800の中で緊密に固定することができる。これらのゾーンまたは区画(すなわちAまたはB)の一方または両方の材料は同様に、与張されたときに足首をより強く支持するように設計されてもよい。
【0129】
[0162]
個々の編物または織物区画2802~2808は各々、好ましい実施形態ではリール式装置2810である締め付け装置または機構と動作可能に結合されているが、
図34A~
図34Bに示されるものなどの他の締め付け機構が、代替的に、個々の編物または織物区画2802~2808を与張するために利用されてもよい。いくつかの実施形態では、リール式装置2810は、個々の編物または織物区画が比較的独立して与張されることを可能にする方法で、個々の編物または織物区画2802~2808と結合される。例えば、
図28Cに示すように、リール式装置2810の動作が独立して、より一般的には別様に、それぞれの区画を与張するように、個々の編物区画2802~2808をリール式装置2810と独立して結合することができる。具体的には、第1の編物または織物区画2802は、第1の張力部材または紐2822を介してリール式装置2810と結合されている。第2の編物または織物区画2804は第2の張力部材または紐2824を介してリール式装置2810と結合され、一方、第3の編物または織物区画2806および第4の編物区画2808は各々、それぞれ第3の張力部材または紐2826および第4の張力部材または紐2828を介してリール式装置2810と結合される。第1の張力部材、第2の張力部材、第3の張力部材、および第4の張力部材2822~2828は互いに独立しており、リール式装置2810と直接結合されている。リール式装置2810の動作により、独立した張力部材2822~2828が与張され、それによってそれぞれの編物区画2802~2808が独立して与張される。このとき、それぞれの編物または織物区画2802~2808は、それぞれの区画の与張が下にある足に異なるフィット、張力、または支持をもたらすように編まれ、または織られている。
【0130】
[0163]
図28Cの図示の実施形態では、独立した張力部材2822~2828の各々は、靴2800を終端する、または靴2800に動かないように固定されている遠位端を有する。例えば、第1の張力部材または紐2822は、靴2800に固定された遠位端2823を有し、一方、第2の張力部材または紐2824、第3の張力部材または紐2826、および第4の張力部材または紐2828は各々、靴2800に固定されたそれぞれの遠位端(すなわち、2825、2827、および2829)を有する。それぞれの張力部材2822~2828は、それぞれの張力部材をそれぞれの編物または織物区画に取り付けるために、編物または織物区画2802~2808のうちの1つまたは複数の部分とともにループを形成しまたは固定されてもよい。
図33A~
図33Eは、張力部材を編物または織物区画に取り付けることができる様々な手段を示す。
【0131】
[0164]
ここで
図29A~
図29Bを参照すると、靴の所望の適合するフィットを達成するために使用することができる区画の他の実施形態が示されている。
図29Aにおいて、靴2900は、複数の区画またはゾーン2902~2908を含むことができ、複数の区画またはゾーン2902~2908は、当該区画またはゾーンの与張に応答して固有にかつ別様に伸張、屈曲、撓曲、またはその他の様態で動くように構成されている。図示された区画またはゾーン2902~2908は、
図28Aのものと同様であるが、区画またはゾーン2902~2908内で使用される材料は、
図28Aの編物または織物材料とは異なり得る。例えば、当技術分野で知られているような弾性または伸縮性材料を使用することができ、材料が与張されたときに材料の所望の伸張、屈曲、または動きが達成されるように靴2900の周りで配向または配置することができる。区画またはゾーン2902~2908の配向および/または配置は、靴2900が与張されたときに所望の程度の支持および/または快適さを提供するように設計することができる。
【0132】
[0165]
図29Bは、靴2910の一部分のみが、材料の与張に応答して屈曲、撓曲、伸張、または動くように設計された材料を含む靴2910の一実施形態を示す。材料は、材料の与張に応答して設計されたフィットが所望される靴の一部分または区画の周りで配向または配置され得る。例えば、靴のアッパーの内側を引っ張って足のアーチと係合させるなど、靴2910と足との間の接触を増大させるように、靴2910の甲の周りに材料を配置することができる。他の実施形態では、足首の周りでカラーの狭窄を増大させるために、材料を靴2910のカラーの周りで配置することができる。材料は、編物もしくは織物材料、弾性の非編物もしくは織物材料、他の材料、またはそれらの何らかの組み合わせを含んでもよい。
【0133】
[0166]
図示の実施形態では、靴2910は、先芯の上端近くに位置決めされた第1の区画2912と、靴のカラー近くに位置決めされた第2の区画2922とを含む。第1の区画2912および第2の区画2922は両方とも、靴2910の爪革または甲を越えてソールまで延伸するが、いくつかの実施形態では、第1の区画2912および第2の区画2922のいずれかまたは両方がソールの手前で終端してもよい。図示の実施形態では、第1の区画2912および第2の区画2922は両方とも、靴のソールへと延伸する。第1の区画2912および/または第2の区画2922は、所望に応じて外側および/または内側でソールへと延伸することができる。第2の区画2922は、ソール近くに先細または狭い区画2924を含み、これはこの領域内に靴の張力および/または適合を集中させることができる。先細または狭い区画2924は、張力部材(図示せず)と動作可能に結合されている。対照的に、第1の区画2912は、靴のソール近くで第1のフィンガまたは突起2914および第2のフィンガまたは突起2916を広げて含む。広がった区画は、より広い領域にわたって靴の張力および/または適合を分散させることができる。第1のフィンガもしくは突起2914および/または第2のフィンガもしくは突起2916は、所望に応じて張力部材(図示せず)に動作可能に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、狭い区画および広い区画の配置は、
図29Bに示す配置とは逆にすることができる。第1の区画2912および/または第2の区画2922は、図示のように互いにゆるく取り付けまたは結合されてもよく、または互いに完全に分離されてもよい。
【0134】
[0167]
ここで
図30A~
図31Dを参照すると、材料区画をリール式装置に取り付けることができる様々な手段が示されている。
図30A~
図31Dに関連して使用される「材料区画」という用語は、上述され
図28A~
図29Bに示される編物または織物区画、弾性区画などの端部を指す。いくつかの実施形態では、材料区画はリール式装置と直接結合される張力部材に取り付けられてもよく、他の実施形態では、材料区画はリール式装置と間接的に結合される張力部材に取り付けられてもよい。図示された取り付け手段は、リール式装置が靴の複数の区画または部分を同時に与張するために利用される、本明細書に記載の任意の実施形態に利用することができる。ほとんどの実施形態では、材料区画の遠位端は靴のソール内に位置決めされ、張力部材は靴のソール内の材料区画に取り付けられるかまたは結合される。張力部材は、同様に、通常、靴のソール内のリール式装置へと送られ、したがって、材料区画および張力部材の遠位端は、通常、外から見ると隠蔽されている。しかしながら、他の実施形態では、材料区画および/または張力部材の遠位端は、靴のソール内以外の場所に位置決めおよび/または送られてもよい。
【0135】
[0168]
図30Aにおいて、第1の材料区画3002は第1の張力部材3003に取り付けられ、一方、第2の材料区画3004は第2の張力部材3005に取り付けられ、第3の材料区画3006は第3の張力部材3007に取り付けられる。各張力部材(3003、3005、および3007)は、リール式装置3009に送られて、それに直接取り付けられている。したがって、リール式装置3009の動作は、同時にかつ直接的に張力部材(3003、3005、および3007)の各々を与張し、張力部材はそれぞれの材料区画(3002、3004、および3006)を直接的に与張する。このようにして、リール式装置3009の動作はそれぞれの材料区画を直接的に与張する。
【0136】
[0169]
図30Bでは、各材料区画を与張するために単一の張力部材3010が利用される。単一の張力部材3010は、リール式装置および靴の各材料区画と動作可能に結合されている。単一の張力部材3010を各材料区画に取り付けるために、張力部材3010は、それぞれの材料区画に導かれるより小さい部分区画に分岐する。例えば、
図30Bに示されるように、単一の張力部材3010は、第1の部分区画3012、第2の部分区画3014、第3の部分区画3018、および第4の部分区画3021に分岐するが、所望に応じてより多いまたは少ない部分区画を利用することができる。第1の部分区画3012は、示されるように材料区画に導かれて取り付けられ、第2の部分区画3014、第3の部分区画3018、および第4の部分区画3021は各々、さらに二次部分区画に分岐または分割される。具体的には、第2の部分区画3014は二次部分区画3015および二次部分区画3016へとさらに分割または分岐され、それらは各々、図示されているように材料区画に導かれて取り付けられている。第3の部分区画3018は二次部分区画3019および二次部分区画3020へとさらに分割または分岐され、それらは各々、図示のように材料区画に導かれて取り付けられ、第4の部分区画3021は二次部分区画3022および二次部分区画3023へとさらに分割または分岐され、それらは各々、図示のように材料区画に導かれて取り付けられている。いくつかの例では、二次部分区画は三次部分区画へとさらに分割または分岐されてもよく、それは材料区画に導かれて取り付けられ、または必要に応じてさらに分割および分岐される。いくつかの実施形態では、単一の張力部材3010は、各々が、様々な部分区画、二次部分区画、三次部分区画などを形成するように分割または分離された張力部材の束を含むことができる。分割または分岐された張力部材によって、単一の張力部材3010が、リール式装置に取り付けられ、各材料区画に同時に与張するために利用されることが可能になる。この構成は、様々な張力部材のもつれなど、リール式装置に取り付けられる複数の張力部材に関連する問題を最小限に抑えるかまたは防止することによって、様々な材料区画を取り付けることをより実現可能にし得る。
【0137】
[0170]
図30C~
図30Dは、材料区画がリール式装置に間接的に取り付けられている実施形態を示す。
図30Cでは、各材料区画(例えば、3032、3034など)は、中央に位置決めされた与張ロッドまたは部材3050に接続するそれぞれの張力部材(例えば、3033、3035など)に取り付けられている。張力与張ロッド/部材3050は、リール式装置3042に動作可能に取り付けられている第2の張力部材3040に取り付けられている。与張ロッド/部材3050は、第2の張力部材3040がリール式装置3042を介して与張されると、与張ロッド/部材3050が靴のかかとに向かって摺動し、それによって、張力部材(例えば、3033、3035など)が、それらが取り付けられているそれぞれの材料区画(3032、3034など)を与張するように、靴のソール内に位置決めされる。張力部材(例えば、3033、3035など)は、材料区画を与張ロッド/部材3050に向かって内側に引っ張ることによって、それぞれの材料区画(3032、3034など)を与張する。このようにして、材料区画(3032、3034など)は、靴のソール内で与張ロッド/部材3050が摺動することに起因して、リール式装置3042によって間接的に与張される。
図30Cは、靴の片側のみが、与張ロッド/部材3050に動作可能に取り付けられている材料区画を含む実施形態を示す。
図30Dは、靴の両側(例えば、3052および3054)が与張ロッド/部材3050に動作可能に取り付けられている材料区画を含む実施形態を示す。
図30Dに示されるように靴の両側を与張ロッド/部材3050に結合することによって、与張ロッド/部材3050に及ぼされる力を平衡させることができ、これによってこの構成がより実現可能になり得る。
【0138】
[0171]
図31Aは、材料区画3102を張力部材3104と結合または取り付ける一実施形態を示す。図示の実施形態では、材料区画3102は様々な個々の繊維またはより糸から形成されており、これは材料区画3102が編物または織物材料から構成されている場合に一般的である。材料区画3102を形成する個々の繊維またはより糸は、張力部材3104を形成するためにともに束ねられるか、織られるか、または織りまぜられる。したがって、張力部材3104は、材料区画3102に取り付けられる別個の異なる構成要素ではなく、代わりに、材料区画3102の同じ繊維またはより糸から形成され、それによって、材料区画3102および張力部材3104は一体化されるか、または同じ材料の異なる形態である。別の言い方をすれば、張力部材3104はコードまたはロープ様材料であり、材料区画3102は張力部材3104の不織または織りまぜられていない繊維または糸である。このようにして材料区画3102と張力部材3104とを結合することにより、材料区画3102と張力部材3104との間の破損を排除もしくは最小化し、および/または張力部材3104の与張に起因する材料区画3102の応答性を高めることができる。
【0139】
[0172]
図31B~
図31Dは、材料区画3102および張力部材3104をリール式装置3110と動作可能に結合することができる様々な手段を示す。
図31Bでは、各々が個々にそれぞれの材料区画(すなわち3102a、3102b、および3102c)に取り付けられている複数の張力部材(すなわち、3104a、3104b、および3104c)がリール式装置3110と直接的に結合されている。このように、リール式装置の動作は、張力部材(すなわち、3104a、3104b、および3104c)の各々を同時にかつ直接的に与張し、張力部材はそれぞれの材料区画(すなわち、3102a、3102b、および3102c)を与張する。
図31Cでは、複数の張力部材(すなわち、3104a、3104b、3104c、および3104d)は各々、テンションロッド/部材3150に直接取り付けられ、テンションロッド/部材3150は、第2の張力部材3140を介してリール式装置3110に動作可能に結合される。したがって、それぞれの材料区画(すなわち、3102a、3102b、および3102c)は、リール式装置3110によって間接的に与張される。第2の材料区画3102bは、2つの張力部材3104bおよび3104cと結合されているように示されており、その構成は、所望に応じて、いずれの実施形態においても利用され得る。
【0140】
[0173]
図31Dは、複数の張力部材(すなわち、3104a、3104b、および3104c)が各々、結合構成要素3160を介して二次張力部材3162と個々に結合されていることを除いて、
図31Bと同様の実施形態を示す。結合構成要素3160は、フェルール、クランプ、ロックであってもよく、または、コード、ケーブル、より糸、ロープ、もしくは糸を別のコード、ケーブル、より糸、ロープ、もしくは糸に取り付けるのに有用なその他の装置もしくは構成要素であってもよい。次いで、二次張力部材3162は、リール式装置3110に取り付けられる。二次張力部材3162の使用は、より太い張力部材(すなわち3104a、3104b、および3104c)がリール式装置3110に直に取り付ける必要なしに、より太い張力部材(すなわち、3104a、3104b、および3104c)が使用されることを可能にし得る。むしろ、より細い二次張力部材3162がリール式装置3110に取り付けられており、これにより、張力部材(すなわち、3104a、3104b、および3104c)とリール式装置3110との結合が容易になり、かつ/またはリール式装置3110の操作が容易になり得る。いくつかの実施形態では、結合構成要素(複数可)3160は、張力部材(すなわち、3104a、3104b、および3104c)を単一の二次張力部材3162に取り付けることができる。
【0141】
[0174]
ここで
図32を参照すると、靴3200の正面断面図が示されており、これは靴3200のソール内に配置された材料区画3202および張力部材3204の遠位端を示している。具体的には、材料区画3202および張力部材3204は、靴3200のソールに形成されているチャネル3210内に位置決めされている。材料区画3202および張力部材3204はチャネル3210内で摺動または移動することができ、それにより、材料区画3202がチャネル3210内およびソールの外側の両方において、張力部材3202の与張に応答して与張されることが可能になる。本明細書で説明されるように、張力部材3204は、リール式装置に直接取り付けられてもよく、またはテンションロッド/部材などの何らかの中間構成要素を介してリール式装置に間接的に取り付けられてもよい。
【0142】
[0175]
ここで
図33A~
図33Eを参照すると、材料区画を張力部材に取り付けるために利用され得る様々な実施形態が例示されている。
図33Aでは、複数のループ状端部3206が、材料区画3202の遠位端内に編まれ、織られ、またはその他の様態で形成されている。張力部材3204は、ループ状端部3206を通って挿入され、それにより、張力部材3204の与張に応答して材料区画3202が与張される。
図33Bでは、張力部材3204は材料区画3202の遠位端を通して直に挿入されている。張力部材3204は、材料区画3202の遠位端を通して織られても送られてもよく、および/または、材料区画3202は複数の層を有してもよく、そして張力部材3204が複数の層の間に挿入されてもよい。
図33Cでは、グロメット3226が材料区画3202の遠位端に位置決めされている。張力部材3204は、グロメット3226内の開口部を通して挿入される。
図33Dでは、靴の周りで張力部材を案内または方向付けるために現在利用されているものと同様のガイド構成要素3236が、材料区画3202の遠位端内に織られ、編まれ、またはその他の様態で位置決めされる。張力部材3204はガイド構成要素3236を通して挿入される。
図33Eでは、管区画3246が材料区画3202の遠位端内に織られ、編まれ、またはその他の様態で位置決めされている。張力部材3204は管区画3246のチャネルまたは穴を通して挿入される。
【0143】
[0176]
図34A~
図34Bは、張力部材3303を与張するために利用され得る代替的な締め付け機構を示し、張力部材3303は、本明細書に記載されるようにそれぞれの材料区画を与張する。代替の締め付け機構は、張力部材を与張する力の供給源としてリール式装置に取って代わる。材料区画の構成および/または材料区画が締め付け機構に取り付けられる手段は、本明細書に記載の実施形態のいずれかと同じままであってもよい。
図34Aでは、プルコード部材3302が張力部材3303と結合されている。プルコード部材3302は、張力部材3303を与張するためにユーザによって引っ張ることができる。
図34Bでは、電動ユニット3304が靴および張力部材(図示せず)に取り付けられている。電動ユニット3304は、張力部材を与張するように構成される。制御装置3306を使用して電動ユニット3304を作動または操作することができる。
【0144】
[0177]
様々な構成要素のいくつかの実施形態および配置が本明細書に記載されているが、様々な実施形態に記載された様々な構成要素および/または構成要素の組み合わせが改変、再構成、変更、調整などされ得ることを理解されたい。例えば、記載された実施形態のいずれかにおける構成要素の配置は、調整もしくは再配置されてもよく、および/または、様々な記載された構成要素は、それらが現在記載または利用されていない実施形態のいずれかにおいて利用されてもよい。このように、様々な実施形態は、本明細書に記載された特定の構成および/または構成要素構造に限定されないことを理解されたい。
【0145】
[0178]
さらに、本明細書に開示された特徴および要素のいかなる実行可能な組み合わせも開示されていると考えられることが理解されるべきである。さらに、本開示の実施形態に関して特徴が論じられていないときはいつでも、当業者はこれによって、本発明のいくつかの実施形態がそのような特徴を暗黙的かつ具体的に排除し得、それによって、不利な特許請求項の限定に対する支持を提供することを通告される。
【0146】
[0179]
いくつかの実施形態を説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく、様々な修正、代替構成、および均等物を使用できることは、当業者には理解されるであろう。さらに、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、多くの周知のプロセスおよび要素は記載されていない。したがって、上記の説明は、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0147】
[0180]
ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限との間に、文脈上他に明確に指示されない限り、下限の単位の10分の1までの介在する各値も具体的に開示されることが理解される。記載された範囲内の任意の記載された値または介在する値と、その記載された範囲内のその他の記載または介在する値との間のより小さな各範囲が包含される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して範囲内に含まれまたは排除されてもよく、そのより小さい範囲内にいずれかの限度が含まれる、いずれの限度も含まれない、または両方の限度が含まれる各範囲も、記載された範囲内の任意の具体的に除外される限界に依存して、本発明の中に包含される。記載された範囲に一方または両方の限度が含まれる場合、それらの含まれる限度のいずれかまたは両方を除く範囲も含まれる。
【0148】
[0181]
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つのプロセス」への言及は複数のこのようなプロセスを含み、「そのデバイス」への言及は、1つまたは複数のデバイスおよび当業者に知られているその等価物への言及を含む、などである。
【0149】
[0182]
また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」および「含む(includes)」という用語は、記載された特徴、整数、構成要素またはステップの存在を指定することを意図するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、構成要素、ステップ、動作またはグループの存在または追加を排除するものではない。以下、本発明の例である。
(項目1)
物品の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るように構成されている張力部材ガイドであって、
前記物品に結合可能であり、一対のスリットまたは切り込みを含む本体と、
長手方向の長さに沿って折り返されて、中に前記張力部材が挿入可能であるループまたはチャネルを形成するガイド部材であり、前記ガイド部材は、中央部分と、前記中央部分の対向する両側に配置された2つの端部部分とを有する、ガイド部材と
を備え、
前記ガイド部材は、前記2つの端部部分が前記中央部分から前記本体の対向する側に位置決めされるように、前記2つの端部部分の各端部部分が前記一対のスリットまたは切り込みのうちの一方のスリットまたは切り込みを通して挿入され、前記本体上に位置決めされる、張力部材ガイド。
(項目2)
前記本体は、前記2つの端部部分以外の前記ガイド部材が前記本体の対向する側の間に位置決めされるように前記ガイド部材の上で折り返される、項目1に記載の張力部材ガイド。
(項目3)
前記本体および前記ガイド部材の近位端に補強部材が取り付けられる、項目1に記載の張力部材ガイド。
(項目4)
前記物品が履物である、項目1に記載の張力部材ガイド。
(項目5)
前記張力部材ガイドは、前記ガイド部材の前記2つの端部部分が前記履物のアッパーの内側に位置決めされるように、前記履物と結合されている、項目4に記載の張力部材ガイド。
(項目6)
前記本体は追加の一対のスリットまたは切り込みを含み、追加のガイド部材が、前記追加のガイド部材の対向する両端部部分が前記追加の一対のスリットまたは切り込みを通して挿入されるように、前記本体上に位置決めされる、項目1に記載の張力部材ガイド。
(項目7)
前記追加のガイド部材の前記対向する両端部部分は前記本体の外面に位置決めされ、前記ガイド部材の前記2つの端部部分は前記本体の内面に位置決めされる、項目6に記載の張力部材ガイド。
(項目8)
前記本体の表面または面は、前記履物に熱溶接可能な材料を含む、項目1に記載の張力部材ガイド。
(項目9)
履物と結合可能であり、前記履物の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るように構成されている張力部材ガイドであって、
本体であり、
前記本体が前記履物のアイステイに沿って位置決めされるように、前記履物と結合可能な第1の端部と、
前記本体の、前記第1の端部とは反対の側に位置決めされている第2の端部と、
前記本体の前記第2の端部付近にある、前記本体内の一対のスリットまたは切り込みと
を含む、本体と、
長手方向の長さおよび横幅を有するガイド部材であり、前記ガイド部材は、前記長手方向の長さに沿って折り返されて、前記張力部材が中に挿入可能なループまたはチャネルを形成し、前記ガイド部材は、前記横幅に沿って中央部分と、2つの端部部分とを有し、前記2つの端部部分は前記中央部分の対向する両側に位置決めされている、ガイド部材と
を備え、
前記ガイド部材は、前記2つの端部部分が前記中央部分から前記本体の対向する側に位置決めされるように、前記2つの端部部分の各端部部分が前記一対のスリットまたは切り込みのうちの一方のスリットまたは切り込みを通して挿入され、前記本体上に位置決めされ、前記張力部材ガイドが前記履物と結合されているとき、前記一対のスリットまたは切り込みの間の前記本体の一部分が、前記ガイド部材の前記中央部分を被覆する、張力部材ガイド。
(項目10)
前記本体は、前記ガイド部材の大部分が前記本体の対向する側の間に挟まれるように前記ガイド部材の上で折り返される、項目9に記載の張力部材ガイド。
(項目11)
前記本体が、前記履物のアイステイ縁部上にも折り返される、項目10に記載の張力部材ガイド。
(項目12)
前記本体および前記ガイド部材の近位端に補強部材が取り付けられる、項目9に記載の張力部材ガイド。
(項目13)
前記張力部材ガイドが前記履物と結合されているとき、前記ガイド部材の前記2つの端部部分が前記履物のアッパーの内側に位置決めされる、項目9に記載の張力部材ガイド。
(項目14)
前記本体が追加の一対のスリットまたは切り込みを含み、前記張力部材ガイドが、追加のガイド部材を含み、前記追加のガイド部材は、前記追加のガイド部材の対向する両端部部分が、前記本体の、前記追加のガイド部材の中央部分から反対の側に位置決めされるように、前記追加のガイド部材の対向する両端部部分が前記追加の一対のスリットまたは切り込みを通じて挿入されるように、前記本体の上に位置決めされている、項目9に記載の張力部材ガイド。
(項目15)
前記張力部材ガイドが前記履物と結合されているとき、前記追加のガイド部材の前記対向する両端部部分は前記履物のアッパーの外面に位置決めされ、前記ガイド部材の前記2つの端部部分は前記アッパーの内面に位置決めされる、項目14に記載の張力部材ガイド。
(項目16)
前記本体の表面または面は、前記履物に熱溶接可能な材料を含む、項目9に記載の張力部材ガイド。
(項目17)
張力部材ガイドを履物と結合する方法であって、
前記張力部材ガイドを提供することであり、前記張力部材ガイドは、
一対のスリットまたは切り込みを含む本体と、
長手方向の長さに沿って折り返されて、中に張力部材が挿入可能であるループまたはチャネルを形成するガイド部材であり、前記ガイド部材は、中央部分と、前記中央部分の対向する両側に配置された2つの端部部分とを有する、ガイド部材と
を含み、
前記ガイド部材は、前記2つの端部部分が前記中央部分から前記本体の対向する側に位置決めされるように、前記2つの端部部分の各端部部分が前記一対のスリットまたは切り込みのうちの一方のスリットまたは切り込みを通して挿入され、前記本体上に位置決めされる、前記張力部材ガイドを提供することと、
前記2つの端部部分が前記履物のアイステイ縁部付近に位置決めされるように、前記張力部材ガイドを前記履物と結合することと
を含む、方法。
(項目18)
前記ガイド部材の前記ループまたはチャネルを通して前記張力部材を挿入することをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記本体を、前記2つの端部部分以外の前記ガイド部材が前記本体の対向する側の間に位置決めされるように前記ガイド部材の上で折り返すことをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目20)
前記張力部材ガイドが、前記本体および前記ガイド部材の近位端に取り付けられている補強部材をさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目21)
前記張力部材ガイドは、前記ガイド部材の前記2つの端部部分が前記履物のアッパーの内側に位置決めされるように、前記履物と結合されている、項目17に記載の方法。
(項目22)
前記本体は追加の一対のスリットまたは切り込みを含み、追加のガイド部材が、前記追加のガイド部材の対向する両端部部分が前記追加の一対のスリットまたは切り込みを通して挿入されるように、前記本体上に位置決めされる、項目17に記載の方法。
(項目23)
前記本体の表面または面を前記履物に熱溶接することをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目24)
履物と結合可能であり、前記履物の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るように構成されている張力部材ガイドであって、
第1の材料部材であり、
長手方向の長さと、
横幅と、
前記履物に対して位置決め可能な第1の面と、
前記第1の面の反対側にある第2の面と
を有する、第1の材料部材と、
長手方向の長さと横方向の幅とを有する第2の材料部材であり、前記第2の材料部材は、前記長手方向の長さに沿って折り返されて、前記張力部材が中に挿入可能なループまたはチャネルを形成し、前記第2の材料部材は、前記横幅に沿って中央部分および2つの端部部分を有し、前記2つの端部部分は前記中央部分の対向する両側に配置されている、第2の材料部材と
を備え、
前記第2の材料部材は、前記第1の材料部材よりも低摩擦の材料から形成されており、
前記第2の材料部材は、前記第2の材料部材が前記第1の材料部材と長手方向に整列し、前記第2の材料部材が前記第1の材料部材の前記第2の面の上に位置決めされるように、前記第1の材料部材と結合されている、張力部材ガイド。
(項目25)
前記折り返された第2の材料部材は、前記張力部材ガイドの近位端が前記張力部材ガイドの遠位端よりも薄くなるように、前記第1の材料部材よりも長手方向に短い、項目24に記載の張力部材ガイド。
(項目26)
前記第1の材料部材は、前記第2の材料部材のループ状端部の上に折り返されていない、項目24に記載の張力部材ガイド。
(項目27)
前記張力部材ガイドは、第3の材料部材をさらに備え、前記第3の材料部材は、前記第2の材料部材の近位端が前記第1の材料部材と前記第3の材料部材との間に配置されるように、前記第2の材料部材の前記近位端の上に位置決めされている、項目24に記載の張力部材ガイド。
(項目28)
前記第1の材料部材の前記第1の面は、前記履物に熱溶接可能な材料を含む、項目24に記載の張力部材ガイド。
(項目29)
前記第2の材料部材は、前記第2の材料部材の対向する長手方向端部が互いに長手方向にずれているように折り返される、項目24に記載の張力部材ガイド。
(項目30)
前記第2の材料部材は、外側材料と内側材料とを備え、前記外側材料は構造的支持を提供するように構成され、前記内側材料は低摩擦面を提供するように構成される、項目24に記載の張力部材ガイド。
(項目31)
張力部材ガイドであって、
第1の部材であり、
長手方向の長さと、
横幅と
を有する、第1の部材と、
長手方向の長さに沿って折り返されて、中に張力部材が挿入可能なループまたはチャネルを形成する第2の部材であり、前記第2の部材は、中央部分と、前記中央部分の対向する両側に位置決めされた2つの端部部分とを有する、第2の部材と
を備え、
前記第2の部材は、前記第1の部材よりも低摩擦の材料から形成されており、
前記第2の部材は、前記第2の部材が前記第1の部材の一方の側の上に位置するように、前記第1の部材と結合されている、張力部材ガイド。
(項目32)
前記折り返された第2の部材は、前記張力部材ガイドの近位端が前記張力部材ガイドの遠位端よりも薄くなるように、前記第1の部材よりも長手方向に短い、項目31に記載の張力部材ガイド。
(項目33)
前記第1の部材は、前記第2の部材のループ状端部の上に折り返されていない、項目31に記載の張力部材ガイド。
(項目34)
前記張力部材ガイドは、第3の部材をさらに備え、前記第3の部材は、前記第2の部材の近位端が前記第1の部材と前記第3の部材との間に配置されるように、前記第2の部材の前記近位端の上に位置決めされる、項目31に記載の張力部材ガイド。
(項目35)
前記第1の部材は、物品に熱溶接可能な材料を含む、項目31に記載の張力部材ガイド。
(項目36)
前記第2の部材は、前記第2の部材の対向する長手方向端部が互いに長手方向にずれているように折り返される、項目31に記載の張力部材ガイド。
(項目37)
前記第2の部材は、外側材料と内側材料とを備え、前記外側材料は構造的支持を提供するように構成され、前記内側材料は低摩擦面を提供するように構成される、項目31に記載の張力部材ガイド。
(項目38)
張力部材ガイドを物品と結合する方法であって、
張力部材ガイドを提供することであり、前記張力部材ガイドは、
長手方向の長さと、横幅とを有する第1の部材と、
長手方向の長さに沿って折り返されて、ループまたはチャネルを形成する第2の部材であり、前記第2の部材は、中央部分と、前記中央部分の対向する両側に位置決めされた2つの端部部分とを有する、第2の部材と
を含み、
前記第2の部材は、前記第1の部材よりも低摩擦の材料から形成されており、
前記第2の部材は、前記第2の部材が前記第1の部材の一方の側の上に位置するように、前記第1の部材と結合されている、前記張力部材ガイドを提供することと、
前記張力部材ガイドを前記物品と結合することと
を含む、方法。
(項目39)
前記折り返された第2の部材の前記ループまたはチャネルを通して張力部材を挿入することをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記物品が靴または履物である、項目38に記載の方法。
(項目41)
前記第1の部材を前記物品に熱溶接することをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目42)
前記第1の部材は、前記第2の部材のループ状端部の上に折り返されていない、項目38に記載の方法。
(項目43)
前記張力部材ガイドは、第3の部材をさらに備え、前記第3の部材は、前記第2の部材の近位端が前記第1の部材と前記第3の部材との間に配置されるように、前記第2の部材の前記近位端の上に位置決めされる、項目38に記載の方法。
(項目44)
履物と結合可能であり、前記履物の経路の周りで張力部材を方向付けるかまたは送るように構成されている張力部材ガイドであって、
材料本体であり、
近位端と、
遠位端と、
前記材料本体の前記近位端と前記遠位端との間に延伸する少なくとも1つのチャネルと
を有する、材料本体と、
前記材料本体を補強するために、前記材料本体の前記少なくとも1つのチャネル内に配置されている補強材料と
を備え、
前記材料本体は、中に前記張力部材が挿入可能なループまたはチャネルを形成するように前記近位端と前記遠位端との間で折り返され、前記材料本体は、中央部分と、前記中央部分の対向する両側に配置された2つの端部部分とを有する、張力部材ガイド。
(項目45)
前記材料本体は、前記材料本体の前記近位端と前記遠位端との間に延伸する複数のチャネルを含み、前記複数のチャネルは、前記材料本体の前記2つの端部部分の間で壁によって分離または分割される、項目44に記載の張力部材ガイド。
(項目46)
前記補強材料は、前記材料本体の前記中央部分により近い位置にあるチャネルが、前記2つの端部部分により近い、または前記2つの端部部分に位置するチャネルよりも高い密度の前記補強材料を有するように、前記複数のチャネルの間に分散される、項目45に記載の張力部材ガイド。
(項目47)
前記材料本体の前記中央部分付近の前記補強材料の密度の増大は、前記張力部材の与張に応答して、前記張力部材ガイドが、前記中央部分に対して前記2つの端部部分に向かって増加した撓曲または湾曲を呈するようにする、項目46に記載の張力部材ガイド。
(項目48)
前記材料本体が織物材料から形成されている、項目44に記載の張力部材ガイド。
(項目49)
前記補強材料が強化繊維または繊維束を含む、項目48に記載の張力部材ガイド。
(項目50)
前記折り返された材料本体の前記ループまたはチャネルの内面に位置決めされている低摩擦材料をさらに備える、項目44に記載の張力部材ガイド。
(項目51)
張力部材ガイドであって、
内部にチャネルが形成されている材料本体と、
前記材料本体を補強するために前記材料本体の前記チャネル内に配置されている補強材料と
を備え、
前記材料本体は、張力部材が中に挿入可能であるループまたはチャネルを形成するために折り返される、張力部材ガイド。
(項目52)
前記材料本体が複数のチャネルを含む、項目51に記載の張力部材ガイド。
(項目53)
前記補強材料は、前記複数のチャネル内の前記補強材料の密度が前記材料本体の中央部分に近いほど高くなるように、前記複数のチャネル間に分散される、項目52に記載の張力部材ガイド。
(項目54)
前記材料本体の前記中央部分付近の前記補強材料の密度の増大は、前記張力部材の与張に応答して、前記張力部材ガイドが、前記材料本体の対向する端部部分に向かって増加した撓曲または湾曲を呈するようにする、項目53に記載の張力部材ガイド。
(項目55)
前記材料本体が織物材料から形成されている、項目51に記載の張力部材ガイド。
(項目56)
前記補強材料が強化繊維または繊維束を含む、項目55に記載の張力部材ガイド。
(項目57)
前記折り返された材料本体の前記ループまたはチャネルの内面に位置決めされている低摩擦材料をさらに備える、項目51に記載の張力部材ガイド。
(項目58)
張力部材ガイドを物品と結合する方法であって、
張力部材ガイドを提供することであり、前記張力部材ガイドは、
内部にチャネルが形成されている材料本体と、
前記材料本体を補強するために前記材料本体の前記チャネル内に配置されている補強材料と
を備え、
前記材料本体は、張力部材が中に挿入可能であるループまたはチャネルを形成するために折り返される、張力部材ガイドを提供することと、
前記張力部材ガイドを前記物品と結合することと
を含む、方法。
(項目59)
前記折り返された材料本体に形成された前記ループまたはチャネル内に前記張力部材を挿入することをさらに含む、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記物品が靴または履物である、項目58に記載の方法。
(項目61)
前記材料本体が複数のチャネルを含む、項目58に記載の方法。
(項目62)
前記補強材料は、前記複数のチャネル内の前記補強材料の密度が前記材料本体の中央部分に近いほど、前記材料本体の対向する端部部分と比較して高くなるように、前記複数のチャネル間に分散される、項目58に記載の方法。
(項目63)
前記材料本体が織物材料から形成されている、項目58に記載の方法。