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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】ICタグ付き着装部材
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20240425BHJP
   G06K 19/04 20060101ALI20240425BHJP
   F16B 33/06 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
G06K19/077 220
G06K19/04 010
F16B33/06 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022505099
(86)(22)【出願日】2021-02-16
(86)【国際出願番号】 JP2021005628
(87)【国際公開番号】W WO2021177018
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】P 2020034836
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】520072361
【氏名又は名称】大阪螺子販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】田口 一仁
【審査官】土谷 慎吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0298758(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0240960(US,A1)
【文献】特開2011-241567(JP,A)
【文献】特開2014-238743(JP,A)
【文献】特開2006-333403(JP,A)
【文献】実開昭54-054771(JP,U)
【文献】国際公開第2006/054508(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
G06K 19/04
F16B 33/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状のインサート部と、当該インサート部の一端部を幅方向に突出した基盤部と、を有する軸状部と、
前記基盤部の表面に固定されるICタグと、
前記ICタグを封止するように前記基盤部の少なくとも表面側をモールドした樹脂製の頭部と、
を備え
前記基盤部は、外周面の一部に面取り部を有する円盤状に形成され、
前記頭部は、前記面取り部に接合する係止部を有している、
ICタグ付き着装部材。
【請求項2】
前記インサート部には、雄ネジが形成されている、
請求項1に記載のICタグ付き着装部材。
【請求項3】
前記頭部は、前記基盤部の裏面の周縁に回り込む折返し部を有している、
請求項1又は2に記載のICタグ付き着装部材。
【請求項4】
前記頭部は、外周面をローレット目とした円柱状に形成されている、
請求項1乃至のうちいずれか1項に記載のICタグ付き着装部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部を有するボルトや頭部を有するピンのような着装部材の頭部にICタグを内蔵したICタグ付き着装部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ICタグを備えたICタグ付き着装部材が種々提供されている。例えば、特許文献1には、ネジ部の一端部に設けられた頭部の頂面に穴が形成され、この穴をICタグの収容部としたボルトが記載されている。この収容部の底部には、板状の磁性体が配置される。磁性体の上には、電磁誘導方式の非接触型ICタグが載置される。磁性体とICタグとが配置された収容部内には、耐熱樹脂製の充填材が充填される。収容部の開口部は、セラミック製又は耐熱樹脂製の蓋体によって塞がれる。
【0003】
ボルトの外周面及び蓋体の外表面には、樹脂の被膜層が形成される。樹脂の被膜層は、ボルトの外周面及び蓋体の外表面に樹脂粉体を付着し、加熱することで樹脂粉体を溶融し、溶融した樹脂粉体樹脂を冷却することで形成される。溶融した樹脂粉体は、ボルトの収容部と蓋体及び充填材との隙間にも進入する。この隙間には、進入した樹脂によって埃や雨水などの異物が侵入しない。樹脂の被覆層で覆われ、ICタグを内蔵したボルトは、ICタグ取付構造として、装置や機械の情報を管理するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-238743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたICタグ取付構造は、ボルトの頭部にICタグを内蔵するため、頭部に形成された収容部内に板状の磁性体やICタグを載置したり、充填剤を充填したりするだけでなく、樹脂の被膜層を形成するため、樹脂粉体を付着し、加熱し、溶融し、さらに溶融した樹脂を冷却するというように、時間がかかる工程を多く含む。したがって、特許文献1に記載されたICタグ取付構造は、生産性が悪いことから、コスト高となる。
【0006】
また、特許文献1に記載されたICタグ取付構造は、収容部を塞ぐ蓋体以外のボルトの頭部がICタグを囲っている。ボルトは、一般的にアルミニウムやステンレス鋼のような金属製である。したがって、このICタグ取付構造は、このICタグが電磁誘導方式であっても、電波通信方式であっても、通信の指向性を有し、蓋体が通信対象と対向するように取付ける必要がある。すなわち、このICタグ取付構造は、取付けの向きに制約がある。
【0007】
本発明は、容易に製造することができ、取付けの向きに制約がないようにしたICタグ付き着装部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るICタグ付き着装部材は、
軸状のインサート部と、当該インサート部の一端部を幅方向に突出した基盤部と、を有する軸状部と、
前記基盤部の表面に固定されるICタグと、
前記ICタグを封止するように前記基盤部の少なくとも表面側をモールドした樹脂製の頭部と、
を備えた。
【0009】
前記本発明に係るICタグ付き着装部材において、
前記インサート部には、雄ネジが形成されている。
【0010】
前記本発明に係るICタグ付き着装部材において、
前記頭部は、前記基盤部の裏面の周縁に回り込む折返し部を有している。
【0011】
前記本発明に係るICタグ付き着装部材において、
前記基盤部は、外周面の一部に面取り部を有する円盤状に形成され、
前記頭部は、前記面取り部に接合する係止部を有している。
【0012】
前記本発明に係るICタグ付き着装部材において、
前記頭部は、外周面をローレット目とした円柱状に形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、容易に製造することができ、取付けの向きに制約がないようにしたICタグ付き着装部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のICタグ付き着装部材の一実施形態を示す断面正面図である。
図2】本発明のICタグ付き着装部材の一実施形態を示す正面図である。
図3】本発明のICタグ付き着装部材の一実施形態を示す概略斜視図である。
図4】本発明のICタグ付き着装部材の使用状態の一例を示す一部断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のICタグ付き着装部材の一実施形態について、図1乃至図4を参照しながら説明する。図1は、本発明のICタグ付き着装部材の一実施形態を示す断面正面図である。図2は、本発明のICタグ付き着装部材の一実施形態を示す正面図である。図3は、本発明のICタグ付き着装部材の一実施形態を示す概略斜視図である。図4は、本発明のICタグ付き着装部材の使用状態の一例を示す一部断面正面図である。
【0016】
このICタグ付き着装部材は、ボルトやビスのように雌ネジやナットに螺合する締結部材だけでなく、軸穴に挿入されるピンなども含む。ただし、この実施形態でのICタグ付き着装部材は、ボルトのような着装部材を一例とするため、以下、主として「ICタグ付きボルト」として説明する。図1に示すように、このICタグ付きボルトは、軸状部1と、ICタグ2と、頭部3と、を備えている。
【0017】
軸状部1は、インサート部11と基盤部12と、を有している。インサート部11は、軸状で、雄ネジが形成されている。ただし、インサート部11の一端部付近は、雄ネジが形成されず、縮径した首13とされている。インサート部11及び基盤部12は、金属によって形成されている。金属としては、例えば、アルミニウムやステンレス鋼などが使用されている。
【0018】
基盤部12は、インサート部11の一端部において幅方向に突出して設けられる。幅方向は、インサート部11の長さ方向と直交する方向である。雄ネジが形成されたインサート部11における幅方向は、径方向と言い換えられる。基盤部12は、円盤状に形成される。円盤状の基盤部12の中心と、インサート部11の径方向の中心とは、一致している。図3に示すように、基盤部12の外周面121の一部には、平坦状の面取り部122が形成されている。基盤部12の外周面121と表面123との境界部には、環状の面取り部124が形成されている。
【0019】
基盤部12の表面123にICタグ2が固定される。ICタグ2は、情報を記録するICチップと、無線通信するためのアンテナとを組み合わせた超小型(例えば、縦・横・厚さが2.5mm・2.5mm・2mm)のチップのような電子部品である。情報の読み書きには、RFID(Radio Frequenc Identification)リーダライタR(図4参照)が使用される。
【0020】
ICタグ2は、一般的にアクティブ型タグとパッシブ型タグとがある。アクティブ型タグは、バッテリーを搭載し、その電力で電波を発信する。パッシブ型タグは、バッテリーを内蔵せず、リーダライタRから電波を受けて、これを電源として駆動する。
【0021】
基盤部12の表面123に固定されるICタグ2は、パッシブ型タグである。ICタグ2は、アンテナが表面21側に位置するように、裏面22が基盤部12の表面123に固定される。誤って固定されないように、ICタグ2の裏面22は、他の面と異なる色に着色されている。ICタグ2は、裏面22にエポキシ樹脂接着剤23(図3参照)が塗布され、基盤部12の表面123に仮止めされる。
【0022】
基盤部12の表面123に仮止めされたICタグ2は、樹脂製の頭部3によってモールドされる。頭部3は、有底変形円筒状(図1図2では底部が上側に描かれている。)に形成された本体部31と、この本体部31の開口端において基盤部12の裏面の周縁に回り込む折返し部32と、を有している。図1に示すように、折返し部32の内周とインサート部11の首13との間には、環状溝部4が設けられている。
【0023】
本体部31は、両端縁を除いて全長に亘って同じ外径の有底円筒状に形成されている。図2に示すように、頭部3の外周面には、長さ方向に平目のようなローレット目が形成されている。本体部31の一方の端部の外周縁、すなわちICタグ2の表面21を覆う端面312の側面311aとの境界部には、アールが設けられている。
【0024】
図1に示すように、本体部31は、基盤部12の表面123であるICタグ2を覆う側面311aが厚肉に形成され、ICタグ2の表面21を覆う端面312が薄肉に形成されている。本体部31は、基盤部12の外周面121を覆う側面311bも薄肉に形成されている。基盤部12の外周面121の一部には、平坦状の面取り部122が形成されているため、本体部31の薄肉に形成された側面311bの内面は、この基盤部12の面取り部122に接合する係止部313(図4参照)を有している。
【0025】
このような頭部3は、図示しないが、キャビティ(空間部)を有する射出成型金型によって成形される。キャビティは、頭部3を象る空間部である。キャビティ内には、基盤部12をセットした後、溶融樹脂が注入される。溶融樹脂が固められることで、基盤部12の表面123上にICタグ2を樹脂モールドした頭部3が形成される。キャビティ内に溶融樹脂が注入されるときに、ICタグ2は、基盤部12の表面123上に仮固定されているため、位置ずれしない。
【0026】
このようにして製造されたICタグ付きボルトは、ICタグ2にデータが書き込まれることで、様々な分野において使用される。例えば、ICタグ付きボルトは、金型管理システムにおいて使用される。金型管理システムにおいて管理される金型(以下、「被管理金型」という。)M(図4参照)は、製品の生産が終了した後、例えば15年以上保管される。
【0027】
図4に示すように、被管理金型Mを管理するために使用されるICタグ付きボルトは、被管理金型Mの性能に悪影響を及ぼさない正面などの被着装部(採番せず)にねじ込まれる。被管理金型Mには、予めネジ穴が形成される。作業者が頭部3を摘まみ、頭部3を回すことで、インサート部11が被管理金型Mの被着装部にねじ込まれる。基盤部12に形成された面取り部122と頭部3に形成された係止部313とが接合しているため、頭部3は、回されると、空回りすることなく、インサート部11をネジ穴にねじ込まれる。ねじ込まれたICタグ付きボルトの頭部3は、被管理金型Mの表面から突出している。
【0028】
このICタグ付きボルトのICタグ2には、管理番号、製造年月日、使用回数、入出庫管理などの情報がリーダライタRによって書き込まれる。リーダライタRは、ICタグ付きボルトの頭部3の端面312と対向するように向けられる。図示したリーダライタRは、ICタグ付きボルトの頭部3と正対している。しかし、頭部3は、樹脂によって成形されているため、リーダライタRは、ICタグ付きボルトの斜め方向から向き合ってもICタグ2と通信することができる。また、基盤部12は金属製であるため、リーダライタRとICタグ2との通信において、アンテナとして機能する。そのため、ICタグ2とリーダライタRとの通信において、ICタグ2に内蔵されたアンテナ及び基盤部12がアンテナとして機能するため、より効率的な通信が可能となる。
【0029】
リーダライタRは、ICタグ2に書き込んだ情報をデータベースサーバに資産管理台帳として保存する。ICタグ付きボルトがねじ込まれた被管理金型Mは、倉庫などに保管される。ICタグ付きボルトは、バーコードシールのように剥離しないため、10年以上保管された被管理金型Mも確実に管理することができる。また、頭部3は、折返し部32が基盤部12の裏面125に回り込み、被管理金型Mの被着装部との間で挟まれるため、基盤部12から脱落しない。
【0030】
倉庫などに保管された被管理金型Mは、必要時において又は定期的に管理される。この管理において、被管理金型Mにねじ込まれたICタグ付きボルトにリーダライタRが向けられる。ICタグ付きボルトのICタグ2に書き込まれた情報は、リーダライタRと通信することによって読み取られる。この情報の読み取りは、一瞬にして行える。被管理金型Mが使用されたときは、使用状況などの情報がリーダライタRから通信されることによってICタグ2に追記される。この追記された情報は、データベースサーバの資産管理台帳にも追記される。
【0031】
被管理金型Mが廃棄されるときは、ICタグ付きボルトは被管理金型Mから外される。このとき、頭部3を引っ張る力が加えられても、頭部3は、折返し部32が基盤部12の裏面125に回り込んでいるため、軸状部1から分離しない。外されたICタグ付きボルトは、ICタグ2に書き込まれた情報が初期化され、別の被管理金型Mに再利用される。
【0032】
本発明に係るICタグ付きボルトの実施の形態は、前記内容に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で変形や改良などを含む。
【0033】
例えば、前記実施の形態では、インサート部11は雄ネジが形成された軸状であるとした。しかし、インサート部11は、雄ネジが形成されないピンであってもよいし、ピンは円柱状に限定されず、角柱状であってもよい。
【0034】
また、前記実施の形態では、基盤部12は円盤状に形成されるとした。しかし、基盤部12は、多角形状であってもよい。また、前記実施の形態では、基盤部12の外周面121は面取り部122を形成したものであり、頭部3は面取り部122に接合する係止部313を有するとした。しかし、基盤部12の外周面121は、面取り部122を形成せず、ローレット目とし、頭部3の内面がローレット目に入り込むようにしてもよい。また、基盤部12と頭部3とが固着一体化される場合は、基盤部12に面取り部122を形成せず、頭部3に係止部313を有さないようにしてもよい。
【0035】
また、前記実施の形態では、頭部3は基盤部12の裏面125の周縁に回り込む折返し部32を有しているとした。しかし、頭部3は、本体部31と基盤部12の表面123及び外周面121と固着一体化される場合は、折返し部32を有さず、ICタグ2を封止するように基盤部12の少なくとも表面123側をモールドすればよい。
【0036】
また、前記実施の形態では、インサート部11及び基盤部12は金属で形成されているとした。しかし、インサート部11及び基盤部12のいずれか一方又は両方が樹脂で形成されてもよい。
【0037】
また、前記実施の形態では、ICタグ2は、パッシブ型タグであるとした。しかし、特にICタグ付きボルトが大きければ、ICタグ2は、アクティブ型タグであってもよい。
【0038】
また、前記実施の形態では、ICタグ2は、無線通信するためのアンテナを組み合わせたものであるとした。しかし、ICタグ2は、アンテナを組み合わせたものでなくてもよい。アンテナを組み合わせていないICタグ2が使用される場合、基盤部12は金属製であることが望ましい。基盤部12が金属製である場合、基盤部12がICタグ2のアンテナとして機能する。一方、アンテナを組み合わせたICタグ2が使用される場合、基盤部12は金属製であっても樹脂製であってもよい。
【0039】
また、前記実施の形態では、頭部3の外周面は平目のローレット目が形成されているとした。しかし、ローレット目は、アヤ目や四角目などでもよい。あるいは、頭部3が滑りにくい材質で成形される場合や、角柱状に形成される場合は、ローレット目を形成しなくてもよい。
【0040】
また、前記実施の形態では、ICタグ付きボルトは被管理金型Mの管理において使用する場合について説明した。しかし、ICタグ付きボルトは、物流分野や鉄道分野や飲食業界などにおいても使用することができる。物流分野では、トラックやコンテナなどのボディにねじ込み、商品の流通を管理する。鉄道分野では、ボルトの緩みを検知する。このボルトは、被管理金型Mにねじ込む場合よりも大きなサイズが使用される。飲食業界では、回転寿司店において、皿にICタグ付きボルトを着装し、皿に載せられた寿司の経過時間を管理したり、個別注文した客席にダイレクトに配送されたりしてもよい。
【0041】
以上まとめると、本発明が適用されるICタグ付き着装部材は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態をとることができる。
【0042】
本発明に係るICタグ付き着装部材は、
軸状のインサート部11と、当該インサート部11の一端部を幅方向に突出した基盤部12と、を有する軸状部1と、
前記基盤部12の表面123に固定されるICタグ2と、
前記ICタグ2を封止するように前記基盤部12の少なくとも表面123側をモールドした樹脂製の頭部3と、
を備えた。
【0043】
このICタグ付き着装部材は、インサート部11が被着装部に挿入され、頭部3が被着装部から突出した状態とされる。基盤部12に固定されたICタグ2が頭部3によって封止されるが、頭部3が樹脂製とされることにより、ICタグ付きボルトは、容易に製造される。ICタグ付きボルトに備えられたICタグは、被着装部から突出している方向において通信の指向性が制約されない。ICタグ2と通信するリーダライタRは、ICタグ2に正対しなくても通信することができる。
【0044】
前記本発明に係るICタグ付き着装部材において、
前記インサート部11には、雄ネジが形成されている。
【0045】
このICタグ付き着装部材は、インサート部11に雄ネジが形成されていることにより、被着装部にねじ込むことができ、被着装部から脱落しにくいようにすることができる。
【0046】
前記本発明に係るICタグ付き着装部材において、
前記頭部3は、前記基盤部12の裏面125の周縁に回り込む折返し部32を有している。
【0047】
このICタグ付き着装部材は、頭部3が基盤部12の裏面125の周縁に回り込む折返し部32を有していることにより基盤部12から脱落しにくいようにすることができる。また、頭部3を引っ張る力が加えられても、頭部3は、折返し部32が基盤部12の裏面125に回り込んでいるため、軸状部1から分離しない。
【0048】
前記本発明に係るICタグ付き着装部材において、
前記基盤部12は、外周面121の一部に面取り部122を有する円盤状に形成され、
前記頭部3は、前記面取り部122に接合する係止部313を有している。
【0049】
このICタグ付き着装部材は、基盤部12が円盤状に形成されても、外周面121の面取りと頭部3の係止部313とが接合することにより、頭部3を回したときに空回りしないようにすることができる。
【0050】
前記本発明に係るICタグ付き着装部材において、
前記頭部3は、外周面をローレット目とした円柱状に形成されている。
【0051】
このICタグ付き着装部材は、頭部3が円柱状に形成されても、外周面がローレット目とされていることにより、頭部3を回すときに滑りにくいようにすることができる。
【符号の説明】
【0052】
1・・・・・軸状部
11・・・・インサート部
12・・・・基盤部
122・・・面取り部
123・・・表面
125・・・裏面
2・・・・・ICタグ
3・・・・・頭部
31・・・・本体部
32・・・・折返し部
313・・・係止部
図1
図2
図3
図4