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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置
(51)【国際特許分類】
   F28D 20/02 20060101AFI20240425BHJP
   F28F 9/013 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
F28D20/02 D
F28F9/013 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022540909
(86)(22)【出願日】2020-07-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 CN2020100022
(87)【国際公開番号】W WO2021139121
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】202010013867.6
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510033929
【氏名又は名称】南京工▲業▼大学
【氏名又は名称原語表記】NANJING UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】5 Xinmofan Road,Nanjing,Jiangsu,210009 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】凌祥
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲鎮▼
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0072339(US,A1)
【文献】特開平01-225897(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1464280(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D1/00-21/00
F28F1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置であって、入口管(1)、出口管(2)、管板(3)、バッフルプレート(4)、渦状コイルパイプ(5)、筒体(6)、中心管(7)、支持フレーム(8)、ヘッド(9)及びサドル(10)を含み、前記管板(3)は前記筒体(6)に固定接続され、前記管板(3)の下端位置と中心位置にそれぞれ開孔し、前記入口管(1)と出口管(2)はそれぞれ前記管板(3)の下端位置と中心位置の開孔に接続され、前記入口管(1)は前記筒体(6)と連通しており、前記バッフルプレート(4)と前記渦状コイルパイプ(5)は前記中心管(7)に取り付けられ、前記中心管(7)の一端は前記管板(3)に固定され、前記中心管(7)は前記出口管(2)と連通しており、前記中心管(7)の他端は筒体(6)に接続された支持フレーム(8)に挿通され、前記ヘッド(9)は前記筒体(6)に接続され、前記入口管(1)及び出口管(2)と反対する他側に設けられ、前記サドル(10)は前記筒体(6)の下方に設けられており前記中心管(7)はその内部に相変化材料を含む二重管構造であるか、および/または、前記渦状コイルパイプ(5)はその内部に相変化材料を含む、
ことを特徴とする渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項2】
前記バッフルプレート(4)はN個であり、N≧2であり、2つずつのバッフルプレート(4)の間にM個の渦状コイルパイプ(5)が取り付けられ、M≧4であり、前記バッフルプレート(4)の中心に開孔が設けられており、全体は弓形又は円盤-円環状を呈し、前記開孔のサイズは前記中心管(7)の直径に適合しており、前記中心管(7)は前記開孔に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項3】
前記渦状コイルパイプ(5)はパッドストリップ(17)、パッドリング(18)、支持リング(19)及びコイルパイプ(21)を含み、前記コイルパイプ(21)の径方向における周と周との間にパッドリング(18)が溶接され、前記コイルパイプ(21)の最も径方向内方の内周に4つのパッドリング(18)が前記コイルパイプ(21)の周方向に等間隔で固設されかつ前記支持リング(19)にスポット溶接され、前記コイルパイプ(21)の周方向において前記パッドリング(18)の間にパッドストリップ(17)が等間隔で設けられ、前記パッドリング(18)の数放射状に段階的に漸増し、パッドリング(18)の厚さは1~5mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項4】
前記コイルパイプ(21)の両端が封止され、内部に相変化材料が含有され、前記支持リング(19)と前記コイルパイプ(21)の最も径方向内方の内周との隙間にベースパッドストリップ(20)がパッキングされ、ベースパッドストリップ(20)の厚さは前記コイルパイプ(21)の外径に適応し、前記パッドストリップ(17)はストレート形であり、前記支持リング(19)の内径は中心管(7)の外径と同じであり、前記支持リング(19)の厚さは前記パッドストリップ(17)及びパッドリング(18)と同じであり、長さは前記コイルパイプ(21)の外径よりわずかに大きい、
ことを特徴とする請求項3に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項5】
前記中心管(7)は単管又は二重管構造であり、前記中心管(7)は二重管構造である場合、外管(11)、内管(12)、環状管板(13)及び内管(12)と外管(11)との間に嵌着されたフィン(14)を含み、前記環状管板(13)は、前記外管(11)内に配置されかつ前記内管(12)の外周面に取り付けられており、前記内管(12)と外管(11)との間に相変化材料が充填される、
ことを特徴とする請求項1に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項6】
前記フィン(14)は円形フィン、螺旋形フィン、波形フィン又は針状フィンである、
ことを特徴とする請求項5に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項7】
前記支持フレーム(8)はスリーブ(15)及び支持リブ(16)で構成され、前記支持フレーム(8)は前記筒体(6)内に配置されており、前記支持リブ(16)は前記筒体(6)に溶接されており、前記スリーブ(15)の直径は前記中心管(7)の直径よりわずかに大き前記中心管(7)の前記他端は前記スリーブ(15)に嵌着されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項8】
前記筒体(6)の外壁に保温材料で構成される保温層が被覆される、
ことを特徴とする請求項1に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項9】
前記コイルパイプ(21)の相変化材料は有機相変化材料、無機相変化材料又は複合相変化材料であり、前記有機相変化材料はカプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ドデシルアルコール、第三アミルアルコール、エチレングリコール、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン又はヘキサデカンであり、前記無機相変化材料はNaSO・10HO又はGeSbTeである、
ことを特徴とする請求項4に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項10】
前記渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置内の流体は低温流体であり、その入口温度は前記コイルパイプ(21)内の相変化材料の相変化温度より低い、
ことを特徴とする請求項9に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項11】
前記中心管(7)内の相変化材料は有機相変化材料、無機相変化材料又は複合相変化材料であり、前記有機相変化材料はカプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ドデシルアルコール、第三アミルアルコール、エチレングリコール、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン又はヘキサデカンであり、前記無機相変化材料はNaSO・10HO又はGeSbTeである、
ことを特徴とする請求項に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【請求項12】
前記渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置内の流体は低温流体であり、その入口温度は前記中心管(7)内の相変化材料の相変化温度より低い、
ことを特徴とする請求項11に記載の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温技術分野に属し、公共建築、空調蓄冷、冷蔵輸送等の面に応用されることができ、より具体的には、低温流体冷熱エネルギーの貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工業化の高速発展に伴い、エネルギー問題は徐々に経済発展を制約するキー要素となり、エネルギーをどのように効率的に貯蔵することは、既に工業において解決する必要があるキー問題となっている。蓄冷技術は作業物質の状態変化によって放出された顕熱又は潜熱を貯蔵し、それによりエネルギーが時間的及び空間的に不均一に分配されるという矛盾を解決し、既に国民経済の各分野において広く応用されている。
【0003】
現在、従来の蓄冷装置の大部分は氷蓄冷と水エネルギー貯蔵装置を主とし、これらの装置はシステムが複雑で、敷地面積が大きく、耐用年数が短く、効率が低く、経済性が低く、大きな制限性を有する。本装置は、材料の相変化潜熱を利用して蓄冷し、エネルギー貯蔵密度が大きく、温度が一定で、熱効率が高い等の利点を有する。同時に、相変化材料のエネルギー貯蔵密度が水の顕熱貯蔵システムより著しく高いため、該装置は構造がコンパクトで、熱損失が少なく、大きな応用の将来性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術に存在する不足に対して渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置を提供し、該装置は、高効率で確実であり、その利点は、バッフルプレートの影響を受け、低温流体がシェル側内を流れる時に、軸方向に沿って周期的な方向転換流れが発生し、それにより乱流程度を増加させ、熱交換係数を向上させることである。同時に、相変化材料は構造がコンパクトな渦状コイルパイプを採用して貯蔵し、充填量が大きいという特徴を有し、特殊な渦状構造も内部流体に二次流れを発生させ、管内流体と管壁との間の熱交換を強化する。また、相変化材料の由来が広く、比較的大きな相変化潜熱を有し、比較的良好な熱安定性と化学安定性を有し、環境に優しく、安全で確実であり、複数回繰り返して使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的問題を解決するために、本発明は以下の技術的解決手段により実現され、渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置であって、入口管、出口管、管板、バッフルプレート、渦状コイルパイプ、筒体、中心管、支持フレーム、ヘッド及びサドルを含み、前記管板は前記筒体に固定接続され、前記管板の下端位置と中心位置にそれぞれ開孔し、前記入口管と出口管はそれぞれ前記管板の下端位置と中心位置の開孔に接続され、前記バッフルプレートと渦状コイルパイプは前記中心管に取り付けられ、前記中心管の一端は前記管板に固定され、他端は筒体に接続された支持フレームに挿通され、前記ヘッドは前記筒体に接続され、前記入口管及び出口管と反対する他側に設けられ、前記サドルは前記筒体の下方に設けられる。
【0006】
前記バッフルプレートとバッフルプレートとの間に複数の渦状コイルパイプが取り付けられ、その個数は実際の蓄冷量に基づいて決定することができ、バッフルプレートはシェル側内の低温流体の流れ方向を変え、伝熱を強化することができ、前記バッフルプレートの中心に開孔し、全体は弓形又は円盤-円環状を呈し、前記バッフルプレートの間隔は媒体の性質、流量及び装置のサイズに基づいて決定することができ、一般的に円筒の長さの五分の一以上であり、中心開孔のサイズは中心管の直径に基づいて決定する。
【0007】
前記中心管は単管であってもよく、二重管構造であってもよい。前記中心管は二重管構造である場合、主に外管、内管、環状管板及び内管と外管との間に嵌着されたフィンを含み、前記内管と外管との間に相変化材料が充填される。
【0008】
前記フィンは、円形フィン、螺旋形フィン、波形フィン、針状フィン等であってもよい。
【0009】
前記支持フレームはスリーブと支持リブで構成され、リブの個数は実際の状況に応じて決定することができ、スリーブの直径は中心管の直径よりわずかに大きい。
【0010】
前記渦状コイルパイプはパッドストリップ、パッドリング、支持リング、ベースパッドストリップ及びコイルパイプで構成される。
【0011】
好ましくは、前記コイルパイプの外径はΦ19mm、Φ25mm、Φ32mm及び他の一般的な熱交換管のサイズであってもよい。
【0012】
前記コイルパイプの周と周との間にパッドリングがスポット溶接され、パッドリングの厚さは実際の状況に応じて決定することができ、一般的には1~5mmである。
【0013】
前記コイルパイプの内周が4つのパッドリングによって均一に分布して固定されかつ支持リングにスポット溶接され、続いてこれをベースとし、径方向に沿ってパッドリングを周回ごとに溶接し、コイルパイプが数回巻かれた後、パッドリングの間に周方向に沿って均一にパッドストリップを追加し、かつ増加のベースとし、次の周回からパッドリングを溶接し続け、前記パッドリングは最終的に平面に沿って段階的に漸増する放射状分布を呈する。
【0014】
前記パッドストリップの初期追加位置及び個数は渦状コイルパイプの全体寸法に基づいて決定することができ、前記パッドストリップはストレート形であり、厚さはパッドリングと一致する。
【0015】
前記支持リングの内径は中心管の外径と同じであり、前記支持リングの厚さはパッドリングと一致し、長さはコイルパイプの外径よりわずかに大きい。
【0016】
前記支持リングとコイルパイプの内周との隙間にベースパッドストリップをパッキングする必要があり、ベースパッドストリップの厚さはコイルパイプの外径に合わせて決定する必要がある。
【0017】
前記コイルパイプ内の相変化材料は応用される温度範囲に基づいて選択し、有機又は無機相変化材料であってもよく、複合相変化材料であってもよい。
【0018】
好ましくは、前記コイルパイプ内の相変化材料は主にカプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ドデシルアルコール、第三アミルアルコール、エチレングリコール、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン等の有機相変化材料又はNaSO・HO、GeSbTe等の無機相変化材料であり、2種又は2種以上の材料で構成される複合相変化材料であってもよい。
【0019】
前記シェル側内の流体は低温流体であり、その入口温度はコイルパイプ内の相変化材料の相変化温度より低い。
【0020】
好ましくは、低温流体媒体はアンモニアガス、メタン、窒素ガス等であってもよい。
【0021】
前記筒体の外壁に保温材料で構成される保温層が被覆されている。
【0022】
前記コイルパイプの管材とバッフルプレートの板材は、炭素鋼、ステンレス鋼、鋼及び鋼合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、銅及び銅合金ならびに他の特殊な金属を含む範囲で、一致しなくてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明は従来技術に比べて以下の利点を有する。
1、他の蓄冷媒体に比べ、潜熱型相変化材料の蓄冷密度が大きく、蓄冷温度が適切で、冷負荷変化への適応性に優れる。同じ温度範囲で、その蓄冷容量は水の顕熱より大きく、氷蓄冷と比べ、それは流動性を保持するという利点を有し、同時に、相変化材料の由来が広く、比較的良好な熱安定性と化学安定性を有し、安全で確実で、複数回繰り返して使用することができる。
【0024】
2、渦状コイルパイプは、構造がコンパクトで、取り付けやすく、従来の円管に比べ、その充填量が大きく、熱交換面積が大きく、かつその特殊な構造は内部に二次流れを発生させ、それにより管内流体と管壁との間の熱交換を強化し、冷熱量の利用率を向上させる。
【0025】
3、装置構造がシンプルで、製造しやすい。中心管はヘッドに近い側で支持フレームに挿通され、取り外し可能な構造であり、中心管を容易に筐体に挿入し又は引き出すことができる。同時に、相変化材料と低温流体との温度差が大きい場合、中心管は軸方向に沿って自由に伸縮することができ、温度差応力を完全に解消する。
【0026】
4、装置内にバッフルプレートが設けられ、流体の流れ方向を制御することができ、流体を軸方向に沿って絶えず方向を転換して流動させ、さらに乱流程度を増加でき、熱交換係数を向上させる。
【0027】
5、取り付け時にコイルパイプ群を単位とすることができ、取り付けやすい。同時に、必要なコイルパイプ数は実際の蓄冷量の需要に応じて増加又は減少することができ、適用範囲が広い。
【0028】
6、選択可能な管材及び板材が広く、主に炭素鋼、ステンレス鋼、鋼及び鋼合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、銅及び銅合金及び他の特殊金属を含む。
【0029】
7、低温流体は入口管から入り、軸方向に沿って方向を転換して運動した後、中心管のヘッド側に近い管口を介して還流し、かつ最終的に出口管から排出し、低温流体と相変化材料の蓄冷装置における熱交換時間を大幅に延長する。
【0030】
8、コイルパイプの周と周との間にパッドリングを用いて溶接し、一方でコイルパイプ全体を固定することができ、他方でパッドリングの厚さを調整することによって隣接するコイルパイプ間の間隔を制御することができ、コイルパイプのピッチと間隔を制御する効果的な手段である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明における渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置の平面概略図である。
図2】本発明における渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置の斜視概略図である。
図3】本発明における渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置のバッフルプレートの構造概略図である。
図4】本発明における渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置の中心管が二重管構造である場合の概略図である。
図5】本発明における渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置の支持フレームの構造概略図である。
図6】本発明における渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置の渦状コイルパイプの構造概略図である。
図7】本発明における渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置のパッドリングの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施例における図面を参照し、本発明の実施例における技術的解決手段を明瞭、完全に説明する。これらの図面はいずれも簡略化された概略図であり、概略的に本発明の基本構造を説明する。
【0033】
図1図2に示すように、本実施例の渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置は、入口管1、出口管2、管板3、筒体6、中心管7、支持フレーム8、ヘッド9、サドル10及び中心管7に取り付けられたバッフルプレート4と渦状コイルパイプ5を含み、バッフルプレート4とバッフルプレート4との間に複数の渦状コイルパイプ5が取り付けられ、その個数は実際の蓄冷量に基づいて決定することができ、バッフルプレート4はシェル側内の低温流体の流れ方向を変え、伝熱を強化することができ、管板3は筒体6に溶接され、かつ管板3の下端位置と中心位置にそれぞれ開孔し、かつ入口管1と出口管2を溶接し、低温流体の出入りに用いられ、低温流体媒体はメタン、アンモニア、窒素等であってもよく、その入口温度はコイルパイプ21内の相変化材料の相変化温度より低く、中心管7の一端は管板3に固定され、他端は筒体6に溶接された支持フレーム8に挿通され、中心管7は単管であってもよく、二重管構造であってもよい。
【0034】
図3に示すように、バッフルプレート4の中心に開孔し、全体は弓形又は円盤-円環状を呈し、バッフルプレート4の間隔は媒体の性質、流量及び装置のサイズに基づいて決定することができ、一般的に円筒の長さの五分の一以上であり、中心開孔のサイズは中心管7の直径に基づいて決定することができ、筒体6の外壁には保温材料で構成される保温層が被覆されている。
【0035】
図4に示すように、中心管7は二重管構造である場合、主に外管11、内管12、環状管板13及び内管12と外管11との間に嵌着されたフィン14を含み、内管12と外管11との間に相変化材料が充填され、フィン14は円形フィン、螺旋形フィン、波形フィン、針状フィン等であってもよい。低温流体は中心管7を介して還流し、相変化材料との蓄冷装置における熱交換時間を大幅に増加させ、熱交換効率を向上させる。
【0036】
図5に示すように、支持フレーム8はスリーブ15と支持リブ16で構成され、リブ16の個数は実際の状況に応じて決定することができ、スリーブ15の直径は中心管7の直径よりわずかに大きく、支持リブ16は筒体6に溶接され、中心管7を支持するために用いられ、中心管7のヘッド9に近い側はスリーブ15に嵌着され、取り外し可能な構造であり、中心管を容易に筐体に挿入し又は引き出すことができ、同時に、相変化材料と低温流体との温度差が大きい場合、中心管7は軸方向に沿って自在に伸縮することができ、温度差応力を完全に解消する。
【0037】
図6図7に示すように、渦状コイルパイプ5は、パッドストリップ17、パッドリング18、支持リング19、ベースパッドストリップ20及びコイルパイプ21で構成されている。コイルパイプ21の外径はΦ19mm、Φ25mm、Φ32mm及び他の一般的な熱交換管サイズであってもよく、コイルパイプ21の両端が封止され、内部に相変化材料が含有され、相変化材料は適用する温度範囲に応じて選択することができ、主にカプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ドデシルアルコール、第三アミルアルコール、エチレングリコール、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン等の有機相変化材料又はNaSO・10HO、GeSbTe等の無機相変化材料であり、二種又は二種以上の材料で構成される複合相変化材料であってもよい。相変化材料の蓄冷密度が大きく、蓄冷温度が適切で、冷負荷変化への適応性に優れ、かつ由来が広く、比較的優れた熱安定性と化学的安定性を有し、安全で確実で、複数回繰り返して使用することができる。コイルパイプ21の周と周との間にパッドリング18が溶接され、パッドリング18の厚さは実際の状況に応じて決定することができ、一般的には1~5mmである。
【0038】
コイルパイプ21の内周が4つのパッドリング18によって均一に分布して固定されかつ支持リング19にスポット溶接され、続いてこれをベースとし、径方向に沿ってパッドリング8を周回ごとに溶接し、コイルパイプ21が数回巻かれた後、パッドリング18の間にパッドストリップ17を均一に追加し、かつ増加のベースとし、次の周回からパッドリング18を継続的にスポット溶接し、パッドリング18は最終的に平面に沿って段階的に漸増する放射状分布を呈し、パッドストリップ17を追加する位置及び個数は渦状コイルパイプ5の全体寸法に基づいて決定することができる。前記パッドストリップ17はストレート形であり、厚さはパッドリング18と一致し、支持リング19の内径は中心管7の外径と同じであり、その厚さはパッドリング18と一致し、長さはコイルパイプ21の外径よりわずかに大きい。支持リング19とコイルパイプ21の内周との隙間にベースパッドストリップ20をパッキングする必要があり、ベースパッドストリップ20の厚さはコイルパイプ21の外径に合わせて決定する必要がある。管材及び板材は、炭素鋼、ステンレス鋼、鋼及び鋼合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、銅及び銅合金ならびに他の特殊な金属を含む範囲で、一致しなくてもよい。
【0039】
本発明の提供する渦状コイルパイプ付きの相変化蓄冷装置は、構造がコンパクトで、高効率で確実で、適用範囲が広い。低温流体がシェル側内を流れる時、バッフルプレートの影響を受け、流体は周期的な方向転換流れを発生し、それにより乱流程度を増加させ、熱交換係数を向上させる。同時に、渦状コイルパイプの特殊な構造は、相変化材料の充填量を向上させることができる一方、内部流体に二次流れを発生させ、管内流体と管壁との間の熱交換を強化する。また、低温流体は中心管を介して復路し、相変化材料との蓄冷装置における熱交換時間を大幅に増加させ、熱交換効率を向上させる。
【0040】
以上に記載の内容は、本発明の好ましい実施例だけであり、本発明を限定するものではなく、本発明の技術的実質に基づいて以上の実施例に対して行われたいかなる簡単な修正、変更及び等価構造変化は、いずれも本発明の技術的解決手段の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0041】
1…入口管、2…出口管、3…管板、4…バッフルプレート、5、渦状コイルパイプ、6…筒体、7…中心管、8…支持フレーム、9…ヘッド、10…サドル、11…外管、12…内管、13…環状管板、14…フィン、15…スリーブ、16…リブ、17…パッドストリップ、18…パッドリング、19…支持リング、20…ベースパッドストリップ、21…コイルパイプ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7