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特許7478482抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムおよびその作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムおよびその作動方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/12 20060101AFI20240425BHJP
   C07K 1/34 20060101ALI20240425BHJP
   C07K 16/00 20060101ALN20240425BHJP
【FI】
C12M1/12
C07K1/34
C07K16/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022555667
(86)(22)【出願日】2021-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 KR2021002834
(87)【国際公開番号】W WO2021194126
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0035263
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522364309
【氏名又は名称】プレスティージ バイオロジクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、チュ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シン、チャ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】オ、テ ヤン
【審査官】藤山 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-128780(JP,A)
【文献】特表2000-510766(JP,A)
【文献】特表2011-525142(JP,A)
【文献】特開昭61-277035(JP,A)
【文献】特開平06-043089(JP,A)
【文献】特開2017-009311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00- 3/10
C07K 1/00-19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムであって、
培地およびバッファーの中から選ばれる1種を準備する準備タンク(prepartion tank);前記準備タンクから培地またはバッファーを移送されて、これを貯蔵する貯蔵タンク(hold tank);前記準備タンクから排出された培地またはバッファーストリームが貯蔵タンクに流入するように設けられる移送パイプライン;精製および培養工程の中間過程で工程液を貯蔵する工程液貯蔵タンク;工程液が前記工程液貯蔵タンクに流入するように設けられる工程液移送パイプライン;前記移送パイプラインおよび工程液移送パイプラインの中から選ばれる1種以上のライン上に設けられる除菌フィルターカートリッジ;および制御部を含み、
前記除菌フィルターカートリッジは、フィルター滅菌(filter sterilization)、フィルターウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)、フィルター完全性テスト(integrity test)、エアバラスト(air ballasting)およびバリアー完全性テスト(barrier integrity test)の中から選ばれる1種以上を含む洗浄およびフィルターテスト工程のために、前記移送パイプラインおよび前記工程液移送パイプラインとは別の、前記除菌フィルターカートリッジに流入する第1パイプラインおよび除菌フィルターカートリッジから流出する第2パイプラインを含む、
抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム。
【請求項2】
前記除菌フィルターカートリッジに流入する第1パイプライン上に、完全性テスター(integrity tester)が設けられる、請求項1に記載の抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム。
【請求項3】
前記制御部は、フィルター完全性テスト(integrity test)の結果値によって、自動で前記準備タンクから貯蔵タンクに培地またはバッファーを移送する、及び/又は、貯蔵タンクに移送された培地またはバッファーを準備タンクに逆送する、請求項1に記載の抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム。
【請求項4】
前記制御部は、フィルター完全性テスト(integrity test)の結果値によって、自動で前記工程液を工程液貯蔵タンクに移送する、及び/又は、工程液貯蔵タンクに移送された工程液を工程液移送パイプラインに沿って逆送する、請求項1に記載の抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム。
【請求項5】
前記除菌フィルターシステムは、アバゴボマブ(abagovomab)、アブシキシマブ(abciximab)、アダリムマブ(adalimumab)、アデカツムマブ(adecatumumab)、アレムツズマブ(alemtuzumab)、アルツモマブ(altumomab)、アルツモマブペンテテート(altumomab pentetate)、アナツモマブ(anatumomab)、アナツモマブマフェナトクス(anatumomab mafenatox)、アルシツモマブ(arcitumomab)、アトリズマブ(atlizumab)、バシリキシマブ(basiliximab)、ベクツモマブ(bectumomab)、ベリムマブ(belimumab)、ベンラリズマブ(benralizumab)、ベバシズマブ(bevacizumab)、ブレンツキシマブ(brentuximab)、カナキヌマブ(canakinumab)、カプロマブ(capromab)、カプロマブペンデチド(capromab pendetide)、カツマキソマブ(catumaxomab)、セルトリズマブ(certolizumab)、クリバツズマブテトラキセタン(clivatuzumab tetraxetan)、ダクリズマブ(daclizumab)、デノスマブ(denosumab)、エクリズマブ(eculizumab)、エドレコロマブ(edrecolomab)、エファリズマブ(efalizumab)、エタラシズマブ(etaracizumab)、エルツマキソマブ(ertumaxomab)、ファノレソマブ(fanolesomab)、フォントリズマブ(fontolizumab)、ゲムツズマブ(gemtuzumab)、ギレンツキシマブ(girentuximab)、ゴリムマブ(golimumab)、イブリツモマブ(ibritumomab)、イゴボマブ(igovomab)、インフリキシマブ(infliximab)、イピリムマブ(ipilimumab)、ラベツズマブ(labetuzumab)、メポリズマブ(mepolizumab)、ムロモナブ(muromonab)、ムロモナブ(muromonab)-CD3、ナタリズマブ(natalizumab)、ネシツムマブ(necitumumab)、ニモツズマブ(nimotuzumab)、オファツムマブ(ofatumumab)、オマリズマブ(omalizumab)、オレゴボマブ(oregovomab)、パリビズマブ(palivizumab)、パニツムマブ(panitumumab)、ラニビズマブ(ranibizumab)、リツキシマブ(rituximab)、サツモマブ(satumomab)、スレソマブ(sulesomab)、イブリツモマブチウキセタン(ibritumomab tiuxetan)、トシリズマブ(tocilizumab)、トシツモマブ(tositumomab)、トラスツズマブ(trastuzumab)、ウステキヌマブ(ustekinumab)、ビジリズマブ(visilizumab)、ボツムマブ(votumumab)、ザルツムマブ(zalutumumab)、ブロダルマブ(brodalumab)、アンルキンズマブ(anrukinzumab)、バピネウズマブ(bapineuzumab)、ダロツズマブ(dalotuzumab)、デムシズマブ(demcizumab)、ガニツマブ(ganitumab)、イノツズマブ(inotuzumab)、マブリリムマブ(mavrilimumab)、モキセツモマブパスドトクス(moxetumomab pasudotox)、リロツムマブ(rilotumumab)、シファリムマブ(sifalimumab)、タネズマブ(tanezumab)、トラロキヌマブ(tralokinumab)、トレメリムマブ(tremelimumab)、ウレルマブ(urelumab)、アレファセプト(alefacept)、アフリベルセプト(aflibercept)、ラキシバクマブ(Raxibacumab)、エタネルセプト(etanercept)、リロナセプト(rilonacept)、ロミプロスチム(romiplostim)、およびアバタセプト(abatacept)からなる群から選ばれる1種以上の抗体医薬品製造工程で、培地、バッファーおよび工程液の中から選ばれる1種以上の移送に適用される、請求項1に記載の抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムを利用する除菌フィルターシステム作動方法であって、
前記第1パイプライン、フィルターカートリッジ、および第2パイプラインに沿って、自動弁を利用してフィルター滅菌(filter sterilization)、フィルターウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)、第1フィルター完全性テスト(integrity test)、エアバラスト(air ballasting)およびバリアー完全性テスト(barrier integrity test)を順次に行った後、培地、バッファーおよび工程液の中から選ばれる1種の移送が行われ、
前記培地、バッファーおよび工程液の中から選ばれる1種以上の移送が完了した後、自動弁を利用してウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)および第2フィルター完全性テスト(integrity test)を順次に行う、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法。
【請求項7】
前記フィルター完全性テストは、FFIT(forward flow integrity test)、BPT(bubble point test)およびPHT(pressure hold test)の中から選ばれる1種以上のテストを含む、請求項6に記載の抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法。
【請求項8】
制御部は、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、準備タンクから貯蔵タンクに培地またはバッファーを自動で移送するようにし、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、除菌フィルター交換アラームを送出する、請求項6に記載の抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法。
【請求項9】
制御部は、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、洗浄およびフィルターテスト工程を実行し続けるようにし、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、貯蔵タンクに移送された培地またはバッファーを準備タンクに逆送するようにする、請求項6に記載の抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法。
【請求項10】
制御部は、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、工程液移送パイプラインを通じて工程液を工程液貯蔵タンクに自動で移送するようにし、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、除菌フィルター交換アラームを送出する、請求項6に記載の抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法。
【請求項11】
制御部は、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、洗浄およびフィルターテスト工程を実行し続けるようにし、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、工程液貯蔵タンクに移送された工程液を工程液移送パイプラインに沿って逆送するようにする、請求項6に記載の抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムおよびその作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオ医薬品は、大きく、バイオ新薬、改良バイオ医薬品(バイオベター)、バイオシミラーに区分され、化学的合成医薬品と比較して、副作用が少なく、研究開発時に前臨床要求資料が少なく、製品効能と安全性の予測が容易であり、相対的に臨床成功確率が高いので、全世界的に積極的な技術開発が行われている。
【0003】
バイオ医薬品の製造過程は、初期候補物質および細胞株開発、培養工程(upstream processing,USP)、精製工程(downstream processing,DSP)、および製剤化工程の段階で構成され、特にバイオシミラー(biosimilar)製品生産の場合、培養工程(USP)および精製工程(DSP)での工程最適化(processing optimization)は、価格競争力に直結しているので、低費用、高純度および高収率でバイオシミラーを製造する工程最適化に対する関心が一層高まっている状況である。
【0004】
これらのうち、培養工程は、細胞株を解凍した後、初期1リットル未満のフラスコ段階から最終15,000リットル以上の生産バイオリアクター段階まで約6週間細胞分裂を通じて細胞の個体数を持続的に増やす過程に該当し、この際、使用される培養方法としては、回分式培養(batch culture)、流加式培養(fed-batch culture)、連続式培養(continuous culture)、かん流式培養(perfusion culture)などがある。
【0005】
また、精製工程は、多様なクロマトグラフおよびフィルターの操作使用を通じて細胞および細胞残屑が混在する培養液から医薬品に使用されるタンパク質を高純度、高効率で抽出する過程であり、この過程でクロマトグラフおよびフィルター使用を通じてカラム精製、ウイルス除去、限外/透析ろ過などの工程が行われる。
【0006】
一方、上記のような培養および精製工程で使用される構成および装置は、材質の観点から、ステンレススチール(Stainless Steel,SS)と使い捨てバッグまたはチューブを使用するシングルユース(Sigle-Use,SU)に区分され、これらのうち、ステンレススチール材質の装置構成を含むSS工程システムは、相対的に大きいスケール(large scale)の具現が容易であり、運転費用(operation cost)が安く、自動化(automation)が容易であるという利点があるが、初期設置費用が高くかかり、汚染に脆弱であり、バイオリアクター(bioreactor、生物反応器)の大規模スケール化による精製工程においてでのボトルネック現象(downstream bottleneck phenomenon)が発生しやすい。
【0007】
最近になって導入され始めたSU工程システムは、装置構成として、0.1から2,000リットルの間の体積を有する使い捨てバッグまたはチューブを利用して、SS工程システムに比べて相対的に低い初期設置費用、汚染時に当該部分だけを切り換えることができるので、相対的に汚染に強いという利点があるが、スケールアップ(scale up)に制限点があり、バッグの頻繁な切り換えによって持続的に発生する運転費用、装備の切り換え過程で多くの労働力が投入される点などが短所として指摘される。
【0008】
近年、バイオファーマ(biopharma)分野では、臨床試験、商業用医薬品を受託生産(Contract Manufacturing Organization,CMO)を提供する企業が増えていて、ひいては、細胞株開発から工程開発、スケールアップ、商業生産までワンストップで提供するサービスの改善も行われている。
【0009】
一方、精製および培養工程では、細胞培養、微生物培養のための栄養物質混合物である培地と、液状形態の緩衝剤かつ酸度調節剤であり、タンパク質を安定的に抽出するのに使用されるバッファーがそれぞれ使用され、前記培地とバッファーは、除菌工程を経た後に使用される。
【0010】
除菌工程は、除菌フィルターによって行われるが、ヨーロッパ(EU)GMPは、無菌工程で除菌フィルター(sterilization filter)に対して使用の前または後に対するフィルター完全性検査(filter integrity test)を要求していて、除菌フィルターに問題が生ずる場合、汚染源を適切にろ過することができないので、使用の前または後にフィルター完全性検査を行うことが必須である。
【0011】
一方、従来、除菌フィルターの完全性を検査するために、フィルターが入っているハウジング(housing)全体を分離して別途の場所でテストを行った後、これを元の位置に戻す方式で除菌フィルターの完全性検査を行った。この場合、培地、バッファーおよび工程液の移送回数によって上記の過程を数回繰り返し行うことになり、手動操作を要するので、多くの労働力が投入され、工程時間が遅れる問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような問題点に着目して、フィルターが入っているハウジング(housing)全体を分離して別途の場所でテストを行った後、これを元の位置に戻す方式で除菌フィルターの完全性検査を行った従来の技術とは異なって、除菌フィルターカートリッジをインライン(Inline)化し、制御部を通じて除菌フィルターの完全性テストをイン・サイチュ(In-situ)化し、完全性テストの結果値によって、準備タンクから貯蔵タンクに培地またはバッファーを移送するようにしたり、貯蔵タンクに移送された培地またはバッファーを準備タンクに逆送するように、装置構成およびシステムを設計することによって、フィルターカートリッジ交換および完全性テストによる時間を短縮し、培地およびバッファーの移送および逆送、ひいては、工程液の移送および逆送を自動化したシステムを具現することができるので、労働力を節減し、工程時間を短縮することができる、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムを提供しようとする。
【0013】
なお、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本明細書では、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムであって、培地およびバッファーの中から選ばれる1種を準備する準備タンク(prepartion tank);前記準備タンクから培地またはバッファーを伝達されて、これを貯蔵する貯蔵タンク(hold tank);前記準備タンクから排出された培地またはバッファーストリームが貯蔵タンクに流入するように設けられる移送パイプライン;精製および培養工程の中間過程で工程液を貯蔵する工程液貯蔵タンク;工程液が前記工程液貯蔵タンクに流入するように設けられる工程液移送パイプライン;前記移送パイプラインおよび工程液移送パイプラインの中から選ばれる1種以上のライン上に設けられる除菌フィルターカートリッジ;および制御部を含み、前記除菌フィルターカートリッジは、フィルター滅菌(filter sterilization)、ウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)、フィルター完全性テスト(integrity test)、エアバラスト(air ballasting)およびバリアー完全性テスト(barrier integrity test)の中から選ばれる1種以上を含む洗浄およびフィルターテスト工程のために、前記除菌フィルターカートリッジに流入する第1パイプラインおよび除菌フィルターカートリッジから流出する第2パイプラインを含む、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムを提供する。
【0015】
また、本明細書において、前記除菌フィルターカートリッジに流入する第1パイプライン上に、完全性テスター(integrity tester)が設けられる、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムを提供する。
【0016】
また、本明細書において、前記制御部は、フィルター完全性テスト(integrity test)の結果値によって、自動で前記準備タンクから貯蔵タンクに培地またはバッファーを移送したり、貯蔵タンクに移送された培地またはバッファーを準備タンクに逆送する、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムを提供する。
【0017】
また、本明細書において、前記制御部は、フィルター完全性テスト(integrity test)の結果値によって、自動で前記工程液を工程液貯蔵タンクに移送したり、工程液貯蔵タンクに移送された工程液を工程液移送パイプラインに沿って逆送する、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムを提供する。
【0018】
また、本明細書において、前記除菌フィルターシステムは、アバゴボマブ(abagovomab)、アブシキシマブ(abciximab)、アダリムマブ(adalimumab)、アデカツムマブ(adecatumumab)、アレムツズマブ(alemtuzumab)、アルツモマブ(altumomab)、アルツモマブペンテテート(altumomab pentetate)、アナツモマブ(anatumomab)、アナツモマブマフェナトクス(anatumomab mafenatox)、アルシツモマブ(arcitumomab)、アトリズマブ(atlizumab)、バシリキシマブ(basiliximab)、ベクツモマブ(bectumomab)、ベリムマブ(belimumab)、ベンラリズマブ(benralizumab)、ベバシズマブ(bevacizumab)、ブレンツキシマブ(brentuximab)、カナキヌマブ(canakinumab)、カプロマブ(capromab)、カプロマブペンデチド(capromab pendetide)、カツマキソマブ(catumaxomab)、セルトリズマブ(certolizumab)、クリバツズマブテトラキセタン(clivatuzumab tetraxetan)、ダクリズマブ(daclizumab)、デノスマブ(denosumab)、エクリズマブ(eculizumab)、エドレコロマブ(edrecolomab)、エファリズマブ(efalizumab)、エタラシズマブ(etaracizumab)、エルツマキソマブ(ertumaxomab)、ファノレソマブ(fanolesomab)、フォントリズマブ(fontolizumab)、ゲムツズマブ(gemtuzumab)、ギレンツキシマブ(girentuximab)、ゴリムマブ(golimumab)、イブリツモマブ(ibritumomab)、イゴボマブ(igovomab)、インフリキシマブ(infliximab)、イピリムマブ(ipilimumab)、ラベツズマブ(labetuzumab)、メポリズマブ(mepolizumab)、ムロモナブ(muromonab)、ムロモナブ(muromonab)-CD3、ナタリズマブ(natalizumab)、ネシツムマブ(necitumumab)、ニモツズマブ(nimotuzumab)、オファツムマブ(ofatumumab)、オマリズマブ(omalizumab)、オレゴボマブ(oregovomab)、パリビズマブ(palivizumab)、パニツムマブ(panitumumab)、ラニビズマブ(ranibizumab)、リツキシマブ(rituximab)、サツモマブ(satumomab)、スレソマブ(sulesomab)、イブリツモマブチウキセタン(ibritumomab tiuxetan)、トシリズマブ(tocilizumab)、トシツモマブ(tositumomab)、トラスツズマブ(trastuzumab)、ウステキヌマブ(ustekinumab)、ビジリズマブ(visilizumab)、ボツムマブ(votumumab)、ザルツムマブ(zalutumumab)、ブロダルマブ(brodalumab)、アンルキンズマブ(anrukinzumab)、バピネウズマブ(bapineuzumab)、ダロツズマブ(dalotuzumab)、デムシズマブ(demcizumab)、ガニツマブ(ganitumab)、イノツズマブ(inotuzumab)、マブリリムマブ(mavrilimumab)、モキセツモマブパスドトクス(moxetumomab pasudotox)、リロツムマブ(rilotumumab)、シファリムマブ(sifalimumab)、タネズマブ(tanezumab)、トラロキヌマブ(tralokinumab)、トレメリムマブ(tremelimumab)、ウレルマブ(urelumab)、レビフ(Rebif)、ベカプレルミン(becaplermin)、アルテプラーゼ(alteplase)、ラロニダーゼ(laronidase)、アレファセプト(alefacept)、アフリベルセプト(aflibercept)、ラキシバクマブ(Raxibacumab)、ダルベポエチンアルファ(darbepoetin alfa)、ベカプレルミン濃縮物(Becaplermin Concentrate)、インターフェロンベータ(interferon beta)-1b、ボツリヌス毒素タイプ(Botulinum Toxin Type)A、ラスブリカーゼ(rasburicase)、アスパラギナーゼ(asparaginase)、エポエチンアルファ(epoetin alfa)、エタネルセプト(etanercept)、アガルシダーゼベータ(agalsidase beta)、インターフェロンアルファコン(interferon alfacon)-1、インターフェロンアルファ(interferon alfa)-2a、アナキンラ(anakinra)、ボツリヌス毒素タイプ(Botulinum Toxin Type)B、ペグフィルグラスチム(pegfilgrastim)、オプレルベキン(oprelvekin)、フィルグラスチム(filgrastim)、デニロイキンジフチトクス(denileukin diftitox)、ペグインターフェロンアルファ(peginterferon alfa)-2a、アルデスロイキン(aldesleukin)、ドルナーゼアルファ(dornase alfa)、インターフェロンベータ(interferon beta)-1a、レテプラーゼ(reteplase)、インターフェロンアルファ(interferon alfa)-2、テネクテプラーゼ(tenecteplase)、ドロトレコギンアルファ(drotrecogin alfa)、リロナセプト(rilonacept)、ロミプロスチム(romiplostim)、メトキシポリエチレングリコール(methoxypolyethylene glycol)-エポエチンベータ(epoetin beta)、C1エステラーゼ(esterase)阻害剤、イデュルスルファーゼ(idursulfase)、アルグルコシダーゼアルファ(alglucosidase alfa)、アバタセプト(abatacept)、ガルスルファーゼ(galsulfase)、パリフェルミン(palifermin)およびインターフェロンガンマ(interferon gamma)-1bからなる群から選ばれる1種以上の抗体医薬品製造工程で、培地、バッファーおよび工程液の中から選ばれる1種以上の移送に適用される、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムを提供する。
【0019】
また、本明細書において、前記システムを利用する除菌フィルターシステム作動方法であって、前記第1パイプライン、フィルターカートリッジ、および第2パイプラインに沿って、自動弁を利用してフィルター滅菌(filter sterilization)、ウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)、第1フィルター完全性テスト(integrity test)、エアバラスト(air ballasting)およびバリアー完全性テスト(barrier integrity test)を順次に行った後、培地、バッファーおよび工程液の中から選ばれる1種の移送が行われ、前記培地、バッファーおよび工程液の中から選ばれる1種以上の移送が完了した後、自動弁を利用してウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)および第2フィルター完全性テスト(integrity test)を順次に行う、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法を提供する。
【0020】
また、本明細書において、前記フィルター完全性テストは、FFIT(forward flow integrity test)、BPT(bubble point test)およびPHT(pressure hold test)の中から選ばれる1種以上のテストを含む、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法を提供する。
【0021】
また、本明細書において、制御部は、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、準備タンクから貯蔵タンクに培地またはバッファーを自動で移送するようにし、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、除菌フィルター交換アラームを送出する、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法を提供する。
【0022】
また、本明細書において、制御部は、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、洗浄およびフィルターテスト工程を実行し続けるようにし、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、貯蔵タンクに移送された培地またはバッファーを準備タンクに逆送するようにする、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法を提供する。
【0023】
また、本明細書において、制御部は、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、工程液移送パイプラインを通じて工程液を工程液貯蔵タンクに自動で移送するようにし、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、除菌フィルター交換アラームを送出する、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法を提供する。
【0024】
また、本明細書において、制御部は、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、洗浄およびフィルターテスト工程を実行し続けるようにし、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、工程液貯蔵タンクに移送された工程液を工程液移送パイプラインに沿って逆送するようにする、抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明による除菌フィルターシステムおよび作動方法は、フィルターが入っているハウジング(housing)全体を分離して別途の場所でテストを行った後、これを元の位置に戻す方式でフィルターの完全性検査を行った従来の技術とは異なって、除菌フィルターカートリッジをインライン(Inline)化し、制御部を通じて除菌フィルターの完全性テストをイン・サイチュ(In-situ)化し、完全性テストの結果値によって、準備タンクから貯蔵タンクに培地またはバッファーを移送するようにしたり、貯蔵タンクに移送された培地またはバッファーを準備タンクに逆送するように、装置構成およびシステムを設計することによって、フィルターカートリッジ交換および完全性テストによる時間を短縮することができる。
【0026】
また、本発明による除菌フィルターシステムおよび作動方法は、制御部を利用して培地およびバッファーの移送および逆送、ひいては、工程液の移送および逆送を自動化したシステムを具現することができるので、労働力を節減することができ、工程時間を短縮することができる。
【0027】
したがって、抗体医薬品の製造において、前記除菌フィルターシステムを採用する場合、工程の経済性と効率性を向上させることができ、より効率的なスマートファクトリー(smart factory)の具現が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態によって具現された抗体医薬品製造工程の除菌フィルターシステムを概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態によって具現された抗体医薬品製造工程の除菌フィルターシステム作動方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書において使用される用語は、ただ例示的な実施形態を説明するために使用されるものであり、発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」、「具備する」または「有する」等の用語は、実施された特徴、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解すべきである。
【0030】
また、本発明において、各層または要素が各層または要素の「上に」または「の上に」形成されるものと言及される場合には、各層または要素が直接各層または要素の上に形成されることを意味したり、他の層または要素が各層間、対象体、基材上にさらに形成されることができることを意味する。
【0031】
発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるところ、特定の実施形態を例示し、下記で詳細に説明しようとする。しかしながら、これは、発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解すべきである。
【0032】
また、本発明において、明細書および請求範囲の全般で使用される用語「部」は、ソフトウェアまたはハードウェア構成要素を意味し、「部」は、所定の役割を行う。ところが、「部」は、ソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「部」は、アドレッシングすることができる保存媒体に位置するように構成されることもでき、一つまたはそれ以上のプロセッサを再生させるように構成されることもできる。したがって、一例として、「部」は、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素およびタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシーザー、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイおよび変数を含む。構成要素と「部」内で提供される機能は、さらに小さい数の構成要素および「部」に結合されるか、さらなる構成要素と「部」にさらに分離されることができる。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、「部」は、プロセッサおよびメモリで具現されることができる。用語「プロセッサ」は、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサー、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、制御器、マイクロ制御器、状態マシンなどを含むように広く解すべきである。いくつかの環境では、「プロセッサ」は、注文型半導体(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等を指すこともできる。用語「プロセッサ」は、例えば、DSPとマイクロプロセッサーの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサーの組み合わせ、DSPコアと結合した一つ以上のマイクロプロセッサーの組み合わせ、または任意の他のそのような構成の組み合わせのような処理デバイスの組み合わせを指すこともできる。
【0034】
用語「メモリ」は、電子情報を保存可能な任意の電子コンポーネントを含むように広く解すべきである。用語「メモリ」は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気または光学データ記憶装置、レジスターなどのようなプロセッサ-読み取り可能な媒体の多様な類型を指すこともできる。プロセッサがメモリから情報を読み出し/読み出すか、メモリに情報を記録できると、メモリは、プロセッサと電子通信状態にあると呼ばれる。プロセッサに集積されたメモリは、プロセッサと電子通信状態にある。
【0035】
以下、本発明の具体的な実施形態による抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムおよびその作動方法についてより詳細に説明する。
【0036】
抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム
本発明の一実施形態による抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステムは、培地およびバッファーの中から選ばれる1種を準備する準備タンク(prepartion tank);前記準備タンクから培地またはバッファーを伝達されて、これを貯蔵する貯蔵タンク(hold tank);前記準備タンクから排出された培地またはバッファーストリームが貯蔵タンクに流入するように設けられる移送パイプライン;精製および培養工程の中間過程で工程液を貯蔵する工程液貯蔵タンク;工程液が前記工程液貯蔵タンクに流入するように設けられる工程液移送パイプライン;前記移送パイプラインおよび工程液移送パイプラインの中から選ばれる1種以上のライン上に設けられる除菌フィルターカートリッジ;および制御部を含み、前記除菌フィルターカートリッジは、フィルター滅菌(filter sterilization)、ウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)、フィルター完全性テスト(integrity test)、エアバラスト(air ballasting)およびバリアー完全性テスト(barrier integrity test)の中から選ばれる1種以上を含む洗浄およびフィルターテスト工程のために、前記除菌フィルターカートリッジに流入する第1パイプラインおよび除菌フィルターカートリッジから流出する第2パイプラインを含むものであってもよい(図1参照)。
【0037】
一方、本発明の一実施形態において、前記準備タンクのうち培地準備タンクは、培地貯蔵タンクと連結されるものであってもよく、前記準備タンクのうちバッファー準備タンクは、バッファー貯蔵タンクと連結されるものであってもよい。
【0038】
より詳細に説明すると、抗体医薬品製造工程は、初期候補物質および細胞株開発、培養工程(USP)、精製工程(DSP)および製剤化工程の段階で構成される。
【0039】
これらのうち、培養工程(USP)は、細胞株を解凍した後、初期1リットル未満のフラスコ段階から最終15,000リットル以上の生産バイオリアクター段階まで約6週間細胞分裂を通じて細胞の個体数を持続的に増やす過程に該当する。
【0040】
本発明の一実施形態による、培養ユニット(cultivation unit)は、培養工程のための装置構成の集合として、培地を事前に準備する培地準備タンク(media preparation tank)と、培地準備タンクから培地を伝達されて、培地を貯蔵する培地貯蔵タンク(media hold tank)と、解凍した細胞および培地(culture media)を含むフィーディングストリーム(feeding stream)をバイオリアクターに流入させる供給ラインと、フィーディングストリームから解凍した細胞および培地を伝達され、細胞分裂を通じて細胞個体数を増やす、撹拌装置を具備する一つ以上のバイオリアクターと、前記バイオリアクターで培養された細胞を含む培養液が流出ストリーム(effluent stream)に排出される排出ラインと、を含んでもよい。
【0041】
また、本発明の一実施形態による、精製ユニット(purification unit)は、精製工程のための装置構成の集合として、バッファーを事前に準備するバッファー準備タンク(buffer preparation tank);前記バッファー準備タンクからバッファーを移送されて、バッファーを貯蔵するバッファー貯蔵タンク(buffer hold tank);前記培養ユニットから移送された培養液と、前記バッファー貯蔵タンクから移送されたバッファーを利用して培養液内に混在する不純物を除去して目的タンパク質の純度を高めるクロマトグラフ;および前記クロマトグラフによるクロマトグラフィー実行される前または後バッファー交換および濃縮を行う一つ以上のろ過装置(filtration system);を含んでもよい。
【0042】
また、前記培養および精製工程の中間過程では、工程液を貯蔵する工程液貯蔵タンクと、工程液が前記工程液貯蔵タンクに流入するように設けられる工程液移送パイプラインがさらに設けられてもよい。
【0043】
一方、前記培地およびバッファーの中から選ばれる1種の準備タンクおよび貯蔵タンク、培地、バッファーまたは工程液移送パイプラインは、ステンレススチール(stainless steel,SS)およびSU(Single-Use)使い捨てバッグ(bag)の中から選ばれる1種以上の材質からなってもよく、これらが混在するハイブリッドシステムであってもよい。
【0044】
一方、精製および培養工程では、細胞培養、微生物培養のための栄養物質混合物である培地と、液状形態の緩衝剤かつ酸度調節剤であり、タンパク質を安定的に抽出するのに使用されるバッファーがそれぞれ使用され、前記培地とバッファーは、除菌工程を経た後に使用される。
【0045】
除菌工程は、除菌フィルターによって行われるが、ヨーロッパ(EU)GMPは、無菌工程で除菌フィルター(sterilization filter)に対して使用の前または後に対するフィルター完全性検査(filter integrity test)を要求していて、除菌フィルターに問題が生ずる場合、培地内の汚染源を適切にろ過することができないので、使用の前または後にフィルター完全性検査を行うことが必須である。
【0046】
一方、従来、除菌フィルターの完全性を検査するために、フィルターが入っているハウジング(housing)全体を分離して別途の場所でテストを行った後、これを元の位置に戻す方式で除菌フィルターの完全性検査を行った。この場合、培地移送回数によって上記の過程を数回繰り返し行うことになり、手動操作を要するので、多くの労働力が投入され、工程時間が遅れる問題点があった。
【0047】
本発明者らは、フィルターが入っているハウジング(housing)全体を分離して別途の場所でテストを行った後、これを元の位置に戻す方式で除菌フィルターの完全性検査を行った従来の技術とは異なって、除菌フィルターカートリッジをインライン(Inline)化し、制御部を通じて除菌フィルターの完全性テストをイン・サイチュ(In-situ)化し、完全性テストの結果値によって、準備タンクから貯蔵タンクに培地またはバッファーを移送するようにしたり、貯蔵タンクに移送された培地またはバッファーを準備タンクに逆送するように、装置構成およびシステムを設計する場合、フィルターカートリッジ交換および完全性テストによる時間を短縮し、培地およびバッファーの移送および逆送を自動化したシステムを具現することができるので、労働力を節減し、工程時間を短縮することができるという点を確認し、本発明を完成するに至った。
【0048】
具体的に、本発明の一実施形態によれば、除菌フィルターを含む除菌フィルターカートリッジが培地またはバッファーの移送パイプラインおよび工程液移送パイプラインの中から選ばれる1種以上のライン上に設けられ、除菌フィルターカートリッジは、フィルター滅菌(filter sterilization)、ウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)、フィルター完全性テスト(integrity test)、エアバラスト(air ballasting)およびバリアー完全性テスト(barrier integrity test)の中から選ばれる1種以上を含む洗浄およびフィルターテスト工程のために、前記除菌フィルターカートリッジに流入する第1パイプラインおよび除菌フィルターカートリッジから流出する第2パイプラインを含んでもよい。
【0049】
本発明では、上記のように、除菌フィルターカートリッジを移送パイプラインおよび/または工程液移送パイプライン上に設置して、インライン化(Inline)することによって、フィルターカートリッジの着脱および移動による労働力を節減し、工程時間を短縮することができる。
【0050】
また、前記除菌フィルターカートリッジに流入する第1パイプライン上に、完全性テスター(integrity tester)が設けられてもよい(図1参照)。
【0051】
フィルター完全性テスターは、フィルターの損傷や欠陥などに因って汚染物質が漏れ出たり、フィルター本来の機能を行うことができないのを防止するために、フィルター膜に製造上の欠陥があるか否かを検査するための物理的、非破壊試験を行うための装置構成であり、前記装置構成を利用してFFIT(forward flow integrity test)、BPT(bubble point test)およびPHT(pressure hold test)の中から選ばれる1種以上のテストを行うことができる。
【0052】
具体的に、FFITテストは、ディフュージョンテスト(diffusion test)とも言い、バブルポイント以下の差圧で圧力を加える場合、圧縮空気や、窒素ガスがフィルターの気孔に保持する液体を拡散で通過するという現象に基礎を置くテストである。一方、BPTテストは、表面張力と毛細管力により液体がフィルターの気孔中に保持されるという現象に基礎を置くテストであり、バブルポイント検査では、表面張力と毛細管力を超過してメンブレンフィルターの気孔から液体を押し出すのに必要な最小圧力を測定する。一方、PHTテストは、圧力降下(pressure decay)または圧力減少(pressure drop)検査とも言い、フィルターを通過する気体の拡散や漏出によるフィルター上段部の圧力変化を監視する試験法であり、非常に精密な圧力計を活用する。
【0053】
一方、移送パイプラインおよび/または工程液移送パイプラインとは別に、本発明の除菌フィルターカートリッジに流入する第1パイプラインおよび除菌フィルターカートリッジから流出する第2パイプラインは、ウエッティング、エアバラストなどの工程を行うために設けられるものであり、前記第1および第2パイプラインを通じてCOA(Clean and Oil free Air)が除菌フィルターカートリッジ内に流入したりカートリッジ外部に流出することができる。
【0054】
一方、本発明の一実施形態によってインライン(Inline)化した除菌フィルターカートリッジは、フィルター滅菌(filter sterilization)、ウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)、フィルター完全性テスト(integrity test)、エアバラスト(air ballasting)およびバリアー完全性テスト(barrier integrity test)の中から選ばれる1種以上を含む洗浄およびフィルターテスト工程を経ることになり、具体的な工程の実行順序および包含の有無は、培地、バッファーおよび工程液の中から選ばれる1種の移送の前後に相異に選択できる。
【0055】
一例として、図1を参照すると、培養工程において、培地の移送前に、自動弁を利用してフィルター滅菌(filter sterilization)、ウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)、第1フィルター完全性テスト(integrity test)、エアバラスト(air ballasting)およびバリアー完全性テスト(barrier integrity test)を順次に行うことができ、培地の移送後に、自動弁を利用してウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)および第2フィルター完全性テスト(integrity test)を順次に行うものであってもよいが、これは、適切に設計変更可能である。
【0056】
一方、前記培地、バッファーおよび工程液の移送と洗浄およびフィルターテストは、制御部により制御できるが、前記制御部は、フィルター完全性テスト(integrity test)の結果値をあらかじめ設定された基準(基準値)と比較して、自動で前記準備タンクから貯蔵タンクに培地またはバッファーを移送するようにしたり、貯蔵タンクに移送された培地またはバッファーを準備タンクに逆送するように設けられる装置構成でありうる。
【0057】
また、前記制御部は、フィルター完全性テスト(integrity test)の結果値をあらかじめ設定された基準(基準値)と比較して、自動で前記工程液を工程液貯蔵タンクに移送するようにしたり、工程液貯蔵タンクに移送された工程液を工程液移送パイプラインに沿って逆送するように設けられる装置構成でありうる。
【0058】
具体的に、前記制御部は、プロセッサおよびメモリの中から選ばれる1種以上の装置構成を含むものであってもよく、プロセッサは、メモリに保存された命令語を行うものであってもよい。一方、プロセッサは、例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理デバイス(GPU)または両方を含むものであってもよく、一例として、前記制御部内のプロセッサおよびメモリによって前記工程運転が自動化(調節および制御)される形態でありうる。一例として、本発明の一実施形態による制御部は、PLC(Programmable Logic Controller)でありうる。
【0059】
一方、本発明の一実施形態による除菌フィルターシステムは、アバゴボマブ(abagovomab)、アブシキシマブ(abciximab)、アダリムマブ(adalimumab)、アデカツムマブ(adecatumumab)、アレムツズマブ(alemtuzumab)、アルツモマブ(altumomab)、アルツモマブペンテテート(altumomab pentetate)、アナツモマブ(anatumomab)、アナツモマブマフェナトクス(anatumomab mafenatox)、アルシツモマブ(arcitumomab)、アトリズマブ(atlizumab)、バシリキシマブ(basiliximab)、ベクツモマブ(bectumomab)、ベリムマブ(belimumab)、ベンラリズマブ(benralizumab)、ベバシズマブ(bevacizumab)、ブレンツキシマブ(brentuximab)、カナキヌマブ(canakinumab)、カプロマブ(capromab)、カプロマブペンデチド(capromab pendetide)、カツマキソマブ(catumaxomab)、セルトリズマブ(certolizumab)、クリバツズマブテトラキセタン(clivatuzumab tetraxetan)、ダクリズマブ(daclizumab)、デノスマブ(denosumab)、エクリズマブ(eculizumab)、エドレコロマブ(edrecolomab)、エファリズマブ(efalizumab)、エタラシズマブ(etaracizumab)、エルツマキソマブ(ertumaxomab)、ファノレソマブ(fanolesomab)、フォントリズマブ(fontolizumab)、ゲムツズマブ(gemtuzumab)、ギレンツキシマブ(girentuximab)、ゴリムマブ(golimumab)、イブリツモマブ(ibritumomab)、イゴボマブ(igovomab)、インフリキシマブ(infliximab)、イピリムマブ(ipilimumab)、ラベツズマブ(labetuzumab)、メポリズマブ(mepolizumab)、ムロモナブ(muromonab)、ムロモナブ(muromonab)-CD3、ナタリズマブ(natalizumab)、ネシツムマブ(necitumumab)、ニモツズマブ(nimotuzumab)、オファツムマブ(ofatumumab)、オマリズマブ(omalizumab)、オレゴボマブ(oregovomab)、パリビズマブ(palivizumab)、パニツムマブ(panitumumab)、ラニビズマブ(ranibizumab)、リツキシマブ(rituximab)、サツモマブ(satumomab)、スレソマブ(sulesomab)、イブリツモマブチウキセタン(ibritumomab tiuxetan)、トシリズマブ(tocilizumab)、トシツモマブ(tositumomab)、トラスツズマブ(trastuzumab)、ウステキヌマブ(ustekinumab)、ビジリズマブ(visilizumab)、ボツムマブ(votumumab)、ザルツムマブ(zalutumumab)、ブロダルマブ(brodalumab)、アンルキンズマブ(anrukinzumab)、バピネウズマブ(bapineuzumab)、ダロツズマブ(dalotuzumab)、デムシズマブ(demcizumab)、ガニツマブ(ganitumab)、イノツズマブ(inotuzumab)、マブリリムマブ(mavrilimumab)、モキセツモマブパスドトクス(moxetumomab pasudotox)、リロツムマブ(rilotumumab)、シファリムマブ(sifalimumab)、タネズマブ(tanezumab)、トラロキヌマブ(tralokinumab)、トレメリムマブ(tremelimumab)、ウレルマブ(urelumab)、レビフ(Rebif)、ベカプレルミン(becaplermin)、アルテプラーゼ(alteplase)、ラロニダーゼ(laronidase)、アレファセプト(alefacept)、アフリベルセプト(aflibercept)、ラキシバクマブ(Raxibacumab)、ダルベポエチンアルファ(darbepoetin alfa)、ベカプレルミン濃縮物(Becaplermin Concentrate)、インターフェロンベータ(interferon beta)-1b、ボツリヌス毒素タイプ(Botulinum Toxin Type)A、ラスブリカーゼ(rasburicase)、アスパラギナーゼ(asparaginase)、エポエチンアルファ(epoetin alfa)、エタネルセプト(etanercept)、アガルシダーゼベータ(agalsidase beta)、インターフェロンアルファコン(interferon alfacon)-1、インターフェロンアルファ(interferon alfa)-2a、アナキンラ(anakinra)、ボツリヌス毒素タイプ(Botulinum Toxin Type)B、ペグフィルグラスチム(pegfilgrastim)、オプレルベキン(oprelvekin)、フィルグラスチム(filgrastim)、デニロイキンジフチトクス(denileukin diftitox)、ペグインターフェロンアルファ(peginterferon alfa)-2a、アルデスロイキン(aldesleukin)、ドルナーゼアルファ(dornase alfa)、インターフェロンベータ(interferon beta)-1a、レテプラーゼ(reteplase)、インターフェロンアルファ(interferon alfa)-2、テネクテプラーゼ(tenecteplase)、ドロトレコギンアルファ(drotrecogin alfa)、リロナセプト(rilonacept)、ロミプロスチム(romiplostim)、メトキシポリエチレングリコール(methoxypolyethylene glycol)-エポエチンベータ(epoetin beta)、C1エステラーゼ(esterase)阻害剤、イデュルスルファーゼ(idursulfase)、アルグルコシダーゼアルファ(alglucosidase alfa)、アバタセプト(abatacept)、ガルスルファーゼ(galsulfase)、パリフェルミン(palifermin)およびインターフェロンガンマ(interferon gamma)-1bからなる群から選ばれる1種以上の抗体医薬品製造工程で、培地、バッファーおよび工程液の中から選ばれる1種以上の移送に適用されるものであってもよく、バイオ新薬、改良バイオ医薬品(バイオベター)およびバイオシミラーのような抗体医薬品製造工程の全般に多様に活用されることができる。
【0060】
抗体医薬品製造工程のための除菌フィルターシステム作動方法
一方、本発明の一実施形態による除菌フィルターシステム作動方法は、前記第1パイプライン、フィルターカートリッジ、および第2パイプラインに沿って、自動弁を利用してフィルター滅菌(filter sterilization)、ウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)、第1フィルター完全性テスト(integrity test)、エアバラスト(air ballasting)およびバリアー完全性テスト(barrier integrity test)を順次に行った後、培地、バッファーおよび工程液の中から選ばれる1種の移送が行われ、前記培地、バッファーおよび工程液の中から選ばれる1種以上の移送が完了した後、自動弁を利用してウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)および第2フィルター完全性テスト(integrity test)を順次に行うものであってもよい(図2参照)。
【0061】
一方、本発明の明細書および請求範囲の全般で使用される用語として「第1」および「第2」は、任意に順序を付与するためのものと理解すべきである。
【0062】
一方、前記フィルター完全性テストは、FFIT(forward flow integrity test)、BPT(bubble point test)およびPHT(pressure hold test)の中から選ばれる1種以上のテストを含んでもよいし、具体的なテスト方法は、上述したことと同じである。
【0063】
一方、本発明の一実施形態による除菌フィルターシステム作動方法において、制御部は、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、準備タンクから貯蔵タンクに培地またはバッファーを自動で移送するようにし、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、除菌フィルター交換アラームを送出するものであってもよい。
【0064】
また、本発明の他の一実施形態による除菌フィルターシステム作動方法において、制御部は、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、洗浄およびフィルターテスト工程を実行し続けるようにし、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、貯蔵タンクに移送された培地またはバッファーを準備タンクに逆送するようにするものであってもよい。
【0065】
また、本発明のさらに他の一実施形態による除菌フィルターシステム作動方法において、制御部は、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、工程液移送パイプラインを通じて工程液を工程液貯蔵タンクに自動で移送するようにし、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、除菌フィルター交換アラームを送出するものであってもよい。
【0066】
また、本発明のさらに他の一実施形態による除菌フィルターシステム作動方法において、制御部は、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、洗浄およびフィルターテスト工程を実行し続けるようにし、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、工程液貯蔵タンクに移送された工程液を工程液移送パイプラインに沿って逆送するようにするものであってもよい。
【0067】
一例として、本発明の一実施形態による制御部がPLC(Programmable Logic Controller)である場合、インライン化(Inline)化した除菌フィルターカートリッジ、ビルトイン(built-in)した完全性テスター(integrity tester)および自動弁などを利用して要求される工程を一連のプログラミングおよびロジック化して、ボタン操作だけで自動化したフィルター完全性テストを行うようにすることができる。
【0068】
一例として、制御部は、培地の移送前に、ステンレススチールハウジングに使い捨て除菌フィルターカートリッジを装着した後の過程として、インラインでフィルター滅菌(filter sterilization)、ウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)、工程用COAを利用した第1フィルター完全性テスト、エアバラスト(air ballasting)およびバリアー完全性テスト(barrier integrity test)を順次に行うようにし、ここで、第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、準備タンクから貯蔵タンクに培地を自動で移送するようにし、前記第1フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、除菌フィルター交換アラームを送出する。
【0069】
培地の移送が完了した後、制御部は、自動弁を利用してウエッティング(filter wetting)、フラッシング(flushing)および第2フィルター完全性テスト(integrity test)を順次に行うようにし、ここで、第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たす場合、次の工程のためにフィルターカートリッジを交換した後、上述した洗浄およびフィルターテスト工程をさらに開始することができるように次の段階に移行し、前記第2フィルター完全性テストの結果値があらかじめ設定された基準を満たさない場合、貯蔵タンクに移送された培地を準備タンクに逆送する。
【0070】
上述したように、制御部は、前記フィルター完全性テストの結果値をあらかじめ設定された基準値と比較して、培地、バッファーおよび工程液の移送または逆送を自動化するので、テストのための装備を移動することなく、現場ですぐにイン・サイチュ(In-situ)で工程を進行することができる。
【0071】
以上で説明した、本発明の除菌フィルターシステムおよび作動方法によれば、除菌フィルターカートリッジをインライン(Inline)化し、制御部を通じて除菌フィルターの完全性テストをイン・サイチュ(In-situ)化し、完全性テストの結果値によって、準備タンクから貯蔵タンクに培地またはバッファーを移送するようにしたり、貯蔵タンクに移送された培地またはバッファーを準備タンクに逆送するように、装置構成およびシステムを設計することによって、フィルターカートリッジ交換および完全性テストによる時間を短縮することができる。
【0072】
また、本発明の除菌フィルターシステムおよび作動方法は、制御部を利用して培地およびバッファーの移送および逆送、ひいては、工程液の移送および逆送を自動化したシステムを具現することができるので、労働力を節減することができ、工程時間を短縮することができる。
【0073】
これによって、抗体医薬品の製造において、前記除菌フィルターシステムを採用する場合、工程の経済性と効率性を向上させることができ、より効率的なスマートファクトリー(smart factory)の具現が可能になる。
【0074】
以上、本発明の特定の実施形態が説明され、図示されたが、本発明は、記載された実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱することなく、多様に修正および変形できることは、この技術の分野における通常の知識を有する者に自明であろう。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的思想や観点から個別的に理解するのではなく、変形された実施形態は、本発明の特許請求範囲に属すると言える。
図1
図2