(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】作業車両用スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H01H 13/02 20060101AFI20240425BHJP
B60Q 1/14 20060101ALI20240425BHJP
B60Q 5/00 20060101ALI20240425BHJP
H01H 9/16 20060101ALI20240425BHJP
E02F 9/16 20060101ALI20240425BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H01H13/02 A
B60Q1/14 Z
B60Q5/00 610D
B60Q5/00 620B
B60Q5/00 690Z
H01H9/16 A
E02F9/16 Z
E02F9/26 A
(21)【出願番号】P 2021017431
(22)【出願日】2021-02-05
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】出口 貴司
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 侃杜
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-078989(JP,A)
【文献】特開2020-031547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/02
B60Q 1/14
B60Q 5/00
H01H 9/16
E02F 9/16
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両の操作に用いられる複数のスイッチと、
前記複数のスイッチのうち少なくとも一部の前記スイッチにそれぞれ対応する発光部とを備え、
前記一部のスイッチに対応する前記発光部は、それぞれ、点灯状態及び消灯状態を切替可能に構成され
、
前記複数のスイッチは、それぞれ、対応する機能に応じた機能表示を有し、
前記一部のスイッチに対応する前記機能表示は、対応する前記発光部の前記点灯状態及び前記消灯状態に応じて変化し、
前記複数のスイッチは、前記一部のスイッチとは異なる他のスイッチを更に有し、
前記他のスイッチに対応する前記発光部は、前記他のスイッチをまとめて、前記点灯状態及び前記消灯状態を切替可能に構成された、作業車両用スイッチ装置。
【請求項2】
前記他のスイッチに対応する前記機能表示は、前記一部のスイッチに対応する前記機能表示とは表示態様が異なる、請求項
1に記載の作業車両用スイッチ装置。
【請求項3】
前記一部のスイッチに対応する前記発光部と、前記他のスイッチに対応する前記発光部とは、異なる条件により前記点灯状態及び前記消灯状態が切り替る
、請求項
2に記載の作業車両用スイッチ装置。
【請求項4】
前記一部のスイッチに対応する前記発光部は、前記作業車両の起動に基づいて点灯する、請求項
3に記載の作業車両用スイッチ装置。
【請求項5】
前記他のスイッチに対応する前記発光部は、前記複数のスイッチのうち少なくともいずれか1つの前記スイッチのスイッチ操作に基づいて前記点灯状態及び前記消灯状態が切り替わる、請求項
3または請求項
4に記載の作業車両用スイッチ装置。
【請求項6】
作業車両の操作に用いられる複数のスイッチと、
前記複数のスイッチのうち少なくとも一部の前記スイッチにそれぞれ対応する発光部とを備え、
前記一部のスイッチに対応する前記発光部は、それぞれ、点灯状態及び消灯状態を切替可能に構成され、
前記複数のスイッチは、それぞれ、対応する機能に応じた機能表示を有し、
前記一部のスイッチに対応する前記機能表示は、対応する前記発光部の前記点灯状態及び前記消灯状態に応じて変化し、
前記スイッチは、複数の点灯領域を有し、
前記発光部は、前記複数の点灯領域ごとに設けられ
、
前記スイッチ装置は、対応する前記機能を発揮する第1モードと、前記第1モードと異なる第2モードとをモード切替可能に構成され、
前記第1モード及び前記第2モードに応じて、前記点灯状態及び前記消灯状態が切り替わる前記点灯領域が異なり、
前記スイッチ装置は、
前記第1モード時に前記点灯状態及び前記消灯状態を切り替え可能な第1点灯領域と、
前記第2モード時に前記点灯状態及び前記消灯状態を切り替え可能な第2点灯領域と
を有し、
前記第1モード時には前記一部のスイッチにおける前記第1点灯領域が点灯可能となり、前記第2モード時には前記複数のスイッチの全部の前記第2点灯領域が点灯可能となる、作業車両用スイッチ装置。
【請求項7】
前記発光部は、前記複数のスイッチに割り当てられた前記機能の状態に応じた発光色により点灯する、請求項
1から請求項
6のいずれか1項に記載の作業車両用スイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両用スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の照光式押し釦スイッチは、押し釦が配置されたケーシングと、押し釦の押下に応じてスイッチ接点を開閉動作させるスイッチ本体と、スイッチ本体と別体でケーシング内に収容される光源とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の押し釦スイッチは、複数の押し釦及びスイッチ本体がケーシングに配置される場合、対応する数の光源がケーシング内に収容され、一括で発光が制御される。
【0005】
全ての押し釦が一括で発光すると、例えば、配置された複数の押し釦のうち操作者にとって不要な押し釦がある場合、操作者が不要な押し釦を認識しにくくなり、利便性が低くなる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作者が不要なスイッチであるか否かを容易に認識することが可能な作業車両用スイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る作業車両用スイッチ装置は、複数のスイッチと、発光部とを備える。前記複数のスイッチは、作業車両の操作に用いられる。前記発光部は、前記複数のスイッチのうち少なくとも一部の前記スイッチにそれぞれ対応する。前記一部のスイッチに対応する前記発光部は、それぞれ、点灯状態及び消灯状態を切替可能に構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作者が不要なスイッチであるか否かを容易に認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】スイッチ装置のスイッチでの断面の模式図である。
【
図4】
図1に示すスイッチ装置において、機能スイッチに対応する発光素子が点灯状態に切替制御され、非機能スイッチに対応する発光素子が消灯状態に切替制御された状態を示す図である。
【
図5】変形例1に係るスイッチ装置を示すブロック図である。
【
図6】2つの点灯領域を有するスイッチを備えるスイッチ装置を示す図である。
【
図7】3つの点灯領域を有するスイッチを備えるスイッチ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
まず、第1実施形態において作業車両用スイッチ装置について説明した後、第2実施形態において作業車両用スイッチシステムについて説明し、第3実施形態において同スイッチ装置を備えた作業車両について説明する。
【0011】
[第1実施形態]
本実施形態に係る作業車両用スイッチ装置は、例えば、作業車両の運転室内に配置され、当該作業車両の操作に用いられるスイッチ装置である。
【0012】
このスイッチ装置は、作業車両に標準的に搭載される機能に関する標準スイッチと、選択的に搭載される機能に関するオプションスイッチを備える。便宜上、オプションスイッチのなかで、特定の機能が割り当てられ実際に使用されるスイッチを機能スイッチといい、特定の機能が割り当てられず実際には使用されないスイッチを非機能スイッチという。なお、「標準スイッチ」は本発明における「他のスイッチ」に相当し、「オプションスイッチ」は本発明における「一部のスイッチ」に相当する。
【0013】
本実施形態に係るスイッチ装置では、オプションスイッチについては、発光素子により点灯状態および消灯状態(以下、「点消灯状態」という場合がある)を切替可能に構成しており、機能スイッチと非機能スイッチを識別可能にしている。
【0014】
以下、本実施形態に係る作業車両用スイッチ装置について、いくつかの実施例を挙げて説明する。なお、以下の実施例では、複数のスイッチの一部をオプションスイッチとし、その他を標準スイッチとしているが、複数のスイッチの全てをオプションスイッチとしてもよい。
【0015】
[実施例]
本実施形態に係る作業車両用スイッチ装置の一実施例について、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は本実施例のスイッチ装置の概略構成を示す図であり、
図2は同スイッチ装置のブロック図である。
【0016】
本実施例に係るスイッチ装置10は、オプションスイッチにのみ発光素子13を配置したものである。スイッチ装置10は、
図1及び
図2に示すように、装置本体12、スイッチ11、発光素子13および制御部14を備える。スイッチ11、発光素子13および制御部14は配線16により接続されている。なお、「発光素子13」は本発明における「発光部」に相当する。
【0017】
装置本体12は、例えば、筐体若しくはパネル状に形成され、スイッチ11、発光素子13および制御部14を収容若しくは支持可能に構成されている。
【0018】
スイッチ11は、例えば、押ボタン式スイッチにより構成され、操作者からの操作を受け付ける。このスイッチ11では、操作者による操作により、スイッチが押下されたか否かを示す操作信号(オン情報又はオフ情報)が発生し、この操作信号が配線16を介して作業車両に出力される。これにより、作業車両は、当該スイッチに割り当てられた機能を発揮する。例えば、エンジンの回転数を調節するための機能が割り当てられたスイッチ11(後述するスイッチ11B)を操作者が押下すると、スイッチ11Bが押下されたことを示すオン情報が配線16を介して作業車両に出力される。作業車両は、オン情報を受けて、エンジンの回転数を上昇させる。また、スイッチ11Bが一度押下された状態(オン状態)で、再度、スイッチ11Bを押下すると、オフ情報が作業車両に出力される。作業車両は、オフ情報を受けて、エンジンの回転数を下降させる。
【0019】
スイッチ装置10では、例えば、装置本体12に6つのスイッチ11(スイッチ11A~11F)が設けられる。各スイッチ11A~11Fは、作業車両の各種操作に対応する機能を割り当て可能に構成されている。
図1に示す例では、スイッチ11Aには作業車両の前照灯の点消灯を切り替える機能が割り当て可能となっている。これと同様に、スイッチ11Bにはエンジンの回転数を調節するための機能、スイッチ11Cには音出力部(ブザー)に音を出力させるか否かを指示する機能、スイッチ11Dにはワイパーの動作を切り替える機能、スイッチ11Eにはワイパーのウォッシャーの動作を切り替える機能、および、スイッチ11Fには表示部(モニタ)の表示をカメラ映像に切り替える機能が割り当て可能となっている。なお、上記機能の割り当ては作業車両ごとに決定される。本実施例では、スイッチ11A~11Cが標準スイッチであり、スイッチ11D~11Fがオプションスイッチである。例えば、作業車両がキャビン型の作業車両であれば、ワイパーおよびウォッシャーが必要となり、作業車両にワイパー動作機能およびウォッシャー機能が搭載され、スイッチ11D,11Eは機能スイッチとなる。他方、作業車両が周辺監視用のカメラを備えていなければ、表示部の表示をカメラ画像に切り換える機能は搭載されず、スイッチ11Fは非機能スイッチとなる。なお、装置本体12に設けられるスイッチ11の数は、6つに限定されない。
【0020】
スイッチ11の上面には、機能表示Pが付されており、この機能表示Pにより、スイッチ11に割り当て可能な機能を識別可能に構成されている。
【0021】
図1に示す例では、スイッチ11Aには前照灯の点消灯を切り替える機能を示す機能表示PAが付されている。同様に、スイッチ11Bにはエンジンの回転数を調節するための機能を示す機能表示PB、スイッチ11Cには音出力部に音を出力させるか否かを指示する機能を示す機能表示PC、スイッチ11Dにはワイパーの動作を切り替える機能を示す機能表示PD、スイッチ11Eにはワイパーのウォッシャーの動作を切り替える機能を示す機能表示PE、および、スイッチ11Fには表示部の表示をカメラ映像に切り替える機能を示す機能表示PF、がそれぞれ付されている。
【0022】
次に、
図3を参照して、オプションスイッチの点消灯状態を説明する。
図3は、スイッチ装置のスイッチ11Dでの断面の模式図である。
【0023】
オプションスイッチ11D~11Fは、
図3に示すように、光を透過させない非透光性部材111と、光を透過させる透光性部材112により構成することができる。例えば、スイッチ11の上面(操作者により視認される面)を透光性部材112により構成することで、操作者は発光素子13の点消灯状態を視認可能となる。
【0024】
特に、機能表示Pを透光性部材112により構成することで、当該機能表示Pは発光素子13の点消灯状態に応じて視認性が変化する。すなわち、機能表示Pは、発光素子13が点灯した状態では操作者から視認可能となるが、発光素子13が消灯した状態では操作者から視認不能となる。例えば、スイッチ11全体の色彩をグレーとし、機能表示Pの色彩を透明度の高い白とすることで、機能表示Pとその他の部分とは、消灯状態においては色彩や明度の差がさほど大きくないが、点灯状態においては光の透過を受け色彩や明度の差が顕著となる。なお、ここでの視認性とは、操作者が表示内容を一見して容易に把握できるか否かを示すものであり、「視認不能」とは機能表示Pが全く見えなくなることを意味するものではない。
【0025】
なお、本実施例では、標準スイッチ11A~11Cについては、機能表示Pは非透光性部材111により構成され、他の部分とは異なる色彩となっている。例えば、スイッチ11全体がグレーに着色され、機能表示Pが白色に着色されている。これにより、操作者に対して機能表示Pの内容が認識可能となっている。
【0026】
図2に示すように、装置本体12に設けられた複数のスイッチ11のうち、オプションスイッチ11D~11Fについてはそれぞれ対応する発光素子13(13D~13F)が設けられる。発光素子13は例えばLED(light emitting diode)により構成され、点灯状態においてスイッチ11の裏面に向けて光を照射する。照射された光は、透光性部材112により構成されたスイッチ11の機能表示Pを透過する。一方、発光素子13は、消灯状態である場合、光を照射しない。この発光素子13は、それぞれ制御部14の制御に基づき個別に点消灯状態が切り替えられる。これにより、オプションスイッチ(機能スイッチ)11D,11Eに対応する発光素子13D,13Eが点灯状態になるとともに、オプションスイッチ(非機能スイッチ)11Fに対応する発光素子13Fが消灯状態になる。なお、スイッチ11の表面において機能表示Pが付された領域を点灯領域という場合がある。
【0027】
制御部14は、作業車両からの信号に基づいて発光素子13の点消灯制御を実行する。例えば、制御部14は、作業車両から動作信号としてキーオン状態となったことを示す起動信号を受信すると、対応機能情報に基づいて、機能スイッチ11D,11Eに対応する発光素子13D,13Eに対して、点灯制御を指示する制御信号Sを送信する。また、制御部14は、作業車両から動作信号としてキーオフ状態となったことを示す停止信号を受信すると、発光素子13D,13Eに対して、消灯制御を指示する制御信号Sを送信する。これにより、発光素子13は、点灯状態を示す制御信号Sを制御部から受けると光を照射し(点灯)、消灯状態を示す制御信号Sを制御部から受けると光を照射しない(消灯)。なお、対応機能情報は、スイッチ11と、そのスイッチ11に割り当てられた作業車両の機能との対応関係を示す情報であり、例えば、スイッチ11Aと前照灯の点消灯制御機能とが対応付けられている。この対応機能情報は、図示しない記憶部に記憶されている。
【0028】
(スイッチ装置の点灯制御および消灯制御)
次に、
図4を参照して、上記構成を有するスイッチ装置の点灯状態および消灯状態について説明する。
【0029】
図4は、
図3に示すスイッチ装置10において、機能スイッチ11D,11Eに対応する発光素子13D,13Eが点灯状態に切替制御され、非機能スイッチ11Fに対応する発光素子13Fが消灯状態に切替制御された状態を示す図である。以降の図では、標準スイッチ11A~11Cおよびオプションスイッチ11D~11Fにおける点灯状態を実線で示し、消灯状態を破線で示す。
【0030】
図4に示す例では、制御部14は、記憶部の対応機能情報を参照し、オプションスイッチ11D~11Fのうちスイッチ11D,11Eが機能スイッチであると認識し、発光素子13D,13Eを点灯状態に切替制御する。
【0031】
また、制御部14は、オプションスイッチ11D~11Fのうちスイッチ11Fが非機能スイッチであると認識し、発光素子13Fを点灯状態に切替制御しない。このように、機能スイッチ11D,11Eを点灯させ、非機能スイッチ11Fを点灯させないことで、機能スイッチ11D,11Eのみを操作者に提示し、操作者の判断を補助することができる。
【0032】
以上説明したように、本実施例のスイッチ装置10では、操作者によるスイッチ操作に基づいて発生した操作信号が、作業車両に出力される。これにより、作業車両は操作者の操作に応じて動作する。
【0033】
また、オプションスイッチ11D~11Fについては、発光素子13の点消灯状態を変化させることで、使用可能か否かが視認可能となる。
【0034】
これにより、作業車両の車種や仕様により搭載されるか否かが異なる機能をオプションスイッチ11D~11Fに割り当てることで、スイッチ装置10のハードウェア構成を変更することなく、作業車両の車種や仕様に応じたスイッチ装置を構成することができる。
【0035】
[変形例1]
次に、本実施形態に係るスイッチ装置の変形例について、
図5を参照して説明する。
図5は本変形例に係るスイッチ装置10aのブロック図である。
【0036】
本変形例のスイッチ装置は、オプションスイッチ11D~11Fについては個別に点消灯制御を可能とし、標準スイッチ11A~11Cについては一括して点消灯制御を可能とするものである。
【0037】
本変形例に係るスイッチ装置10aは、標準スイッチ11に対応する発光素子13を設ける点について、上述した実施例に係るスイッチ装置10とは異なる。以下、スイッチ装置10aについて、スイッチ装置10との相違点を中心に説明する。
【0038】
スイッチ装置10aにおいて、例えば、標準スイッチ11A~11Cの機能表示PA~PCの色は、明るい所で操作者が容易に視認できる「白」である。一方、オプションスイッチ11D~11Fの機能表示PD~PFの色は、明るい所で操作者が容易に視認できない「透明」である。
【0039】
また、本変形例のスイッチ装置10aは、オプションスイッチ11D~11Fに対応する発光素子13D~13Fに加えて、標準スイッチ11A~11Cに対応する発光素子13A~13Cを備える。
【0040】
発光素子13A~13Cは、標準スイッチ11A~11Cの内部にそれぞれ配置されており、標準スイッチ11A~11Cの内部から、標準スイッチ11A~11Cの裏面を照射可能に構成されている。
【0041】
この発光素子13A~13Cは、配線16を介して制御部14と接続されており、制御部14の制御により一括して点消灯状態が切り替えられる。
【0042】
なお、
図5の例では、発光素子13A~13Cを、標準スイッチ11A~11Cに個別に配置しているが、これには限定されず、例えば、一の発光素子13により標準スイッチ11A~11Cをまとめて照射するようにしてもよい。
【0043】
本変形例に係る標準スイッチ11A~11Cは、非透光性部材111と透光性部材112により構成される。機能表示PA~PCを構成する透光性部材112aは、上述した透光性部材112とは色彩や濃淡が異なり、例えば、光を透過できる程度に白く着色されている(半透明)。これにより、スイッチ11A~11Cの機能表示PA~PCは、発光素子13A~13Cが消灯状態であっても、日中の作業場等の明るい所であれば、操作者からは白く見え、認識されやすい。
【0044】
一方、発光素子13A~13Cが点灯状態である場合、
図3に示す例と同様に、発光素子13A~13Cから照射された光は、透光性部材112aを透過する。これにより、機能表示PA~PCは、夜間の作業場等の暗い所であっても、操作者からは発光素子13A~13Cの発光色に見える。例えば、発光素子13A~13Cの発光色が「白」である場合、機能表示PAは、明るい所及び暗い所で、操作者からは明るく白く見え、認識されやすい。
【0045】
制御部14は、標準スイッチ11A~11Cに対応する発光素子13A~13Cに対して、一括して、点消灯状態の切替を制御する。
【0046】
例えば、制御部14は、周囲の明るさに応じて、標準スイッチ11A~11Cに対応する発光素子13A~13Cを点灯状態に切替制御する。具体的には、作業車両には、周囲の明るさ(明度)を測定する図示しない照度センサーが設けられ、制御部14は、照度センサーによって測定された明度を取得し、明度に基づいて標準スイッチ11A~11Cに対応する発光素子13A~13Cを点灯状態に切替制御するか消灯状態に切替制御するかを決定する。
【0047】
例えば、制御部14は、照度センサーによって測定された明度が所定値未満である場合、発光素子13A~13Cを点灯状態に切替制御する。一方、制御部14は、照度センサーによって測定された明度が所定値以上である場合、発光素子13A~13Cを消灯状態に切替制御する。
【0048】
また、制御部14は、照度センサーによって測定された明度に基づいて、発光素子13A~13Cの点消灯状態を切替制御する以外に、所定のスイッチ11の操作に応じて発光素子13A~13Cを点灯状態に切替制御してもよい。具体的には、発光素子13A~13Cが消灯状態である状態において、例えば、作業車両の前照灯の点消灯を切り替える機能が割り当てられているスイッチ11Aが操作者によって押下されると、制御部14は、発光素子13A~13Cを点灯状態に切替制御する。
【0049】
他方、制御部14は、オプションスイッチ11D~11Fに対応する発光素子13D~11F対しては、上述のとおり、対応機能情報に基づいて、個別に点消灯状態を切替制御する。すなわち、制御部14は、作業車両がキーオンされると、オプションスイッチ11D~11Fのうち、機能が割り当てられた機能スイッチ11D,11Eに対応する発光素子13D,13Eを点灯制御する。
【0050】
このように、本変形例に係るスイッチ装置10aでは、制御部14は、標準スイッチ11A~11Cに対応する発光素子13A~13Cと、オプションスイッチ11D~11Fに対応する発光素子13D~13Fと、を異なる条件により点消灯制御する。
【0051】
以上説明したように、本変形例のスイッチ装置10aでは、標準スイッチ11A~11Cに対応する発光素子13A~13Cを設けることで、使用環境により、標準スイッチ11A~11Cの存在やその内容を認識することが困難となった場合にも、発光素子13A~13Cを点灯状態とすることで、一定の識別性が維持される。
【0052】
[変形例2]
次に、本実施形態に係る作業車両用スイッチ装置の他の変形例について、
図6及び
図7を参照して説明する。
図6及び
図7は本変形例のスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【0053】
本変形例に係るスイッチ装置10b,10cは、各スイッチ11毎に複数の点灯領域(機能表示)を設けたものであり、制御部14により、各点灯領域毎に点消灯状態を切替可能にした点において、上述した実施例に係るスイッチ装置10とは異なる。以下、スイッチ装置10b,10cについて、スイッチ装置10との相違点を中心に説明する。なお、本変形例においては、発光素子13が全てのスイッチ11に対応して配置されているものとして説明する。
【0054】
(1.点灯領域が2つの場合)
本変形例に係るスイッチ装置について、まず、
図6を参照して、各スイッチ11毎に点灯領域が2つ設けれたスイッチ装置10bの例を説明する。
【0055】
スイッチ装置10bにおいて、スイッチ11A~11Fは、第1機能に対応する第1点灯領域(機能表示PA1~PF1)と、第2機能に対応する第2点灯領域(機能表示PA2~PF2)との2つの点灯領域を有する。また、スイッチ装置10bは、各スイッチ11A~11F毎に、それぞれ、第1点灯領域(機能表示PA1~PF1)に対応して設けられる発光素子13A1~13F1と、第2点灯領域(機能表示PA2~PF2)に対応して設けられる発光素子13A2~13F2とを有する。なお、後述により詳説するが、第1機能とは、第1操作モード時に割り当て可能となる機能であり、第2機能とは、第2操作モード時に割り当て可能となる機能である。例えば、第1操作モードとは、作業車両の所定の機能を発揮させるモードであり、第2操作モードとは、各スイッチ11をいわゆるテンキーとして用いて数値を入力するモード(パスコード入力モード)である。
【0056】
次に、スイッチ11の構造についてスイッチ11Aを例に挙げて説明する。スイッチ11Aには、仕切り(不図示)が設けられ、発光素子13A1からの光が機能表示PA2(透光性部材112)を透過することを防止する。これにより、スイッチ11Aが第1機能スイッチとして機能する場合は、操作者からは機能表示PA1のみの発光が見える。操作者は、機能表示PA1の発光を見て、スイッチ11Aが第1機能スイッチとして機能していることを認識する。
【0057】
一方、スイッチ11Aが第2機能スイッチとして機能する場合、発光素子13A2が点灯状態に制御され、発光素子13A1が消灯状態に制御される。制御部14が発光素子13A2を点灯状態に制御している場合、発光素子13A2は、スイッチ11Aの裏面に向けて光を照射する。照射された光は、スイッチ11Aの機能表示PA2(透光性部材112)を透過し、仕切りにより、機能表示PA1(透光性部材112)を透過しない。これにより、スイッチ11Aが第2機能スイッチとして機能する場合は、操作者からは機能表示PA2のみの発光が見える。操作者は、機能表示PA2の発光を見て、スイッチ11Aが第2機能スイッチとして機能していることを認識する。
【0058】
スイッチ11Aに配置された発光素子13A1,13A2は、それぞれ配線16を介して制御部14に接続されており、発光素子13A1,13A2ごとにそれぞれ点消灯状態を切替可能となっている。
【0059】
制御部14は、発光素子13A1,13A2ごとに、点消灯状態を切り替える制御信号Sを送信可能に構成されている。これにより、スイッチ11Aでは、各点灯領域(機能表示PA1,PA2)毎に点消灯状態が切り替えられる。
また、制御部14は、各点灯領域毎に異なる制御信号Sを送信することができ、例えば、第1点灯領域(機能表示PA1)についてはオプションスイッチ11D~11Fごとに個別に点消灯状態を切り替えるとともに、第2点灯領域(機能表示PA2)については、全てのスイッチ11A~11Fを一括して点灯状態と消灯状態を切り替えることができる。
例えば、制御部14は、スイッチ11A~11Fを第2機能スイッチとして機能させる場合、機能表示PA2~PF2に対応する発光素子13A2~13F2の全てを点灯状態に切替制御する。
【0060】
なお、制御部14は、スイッチ11A~11Fを第1機能スイッチとして機能させる場合、機能表示PD1,PE1に対応する発光素子13D1,13E1を点灯状態に切替制御する。
【0061】
図6に示すように、各スイッチ11A~11Fにおける第1表示領域には、第1操作モードにおいて割り当て可能な機能を示す機能表示PA1~PF1が付されている。スイッチ装置10と同様、標準機能として、スイッチ11Aに前照灯の点消灯切替機能を示す機能表示PA1、スイッチ11Bにエンジンの回転数の調節機能を示す機能表示PB1及び音出力機能を示す機能表示PC1が付されている。また、オプション機能として、スイッチ11Dにワイパー機能を示す機能表示PD1、スイッチ11Eにウォッシャー機能を示す機能表示PE1及びスイッチ11Fにカメラ機能を示す機能表示PF1が付されている。
図6では、機能表示PA1~PF1は点灯状態又は消灯状態に関わらず実線で示されている。
【0062】
また、第2点灯領域においては、第2操作モードであるパスコード入力モードにおいて入力可能な数値が付されている。例えば、スイッチ11Aには、数字の「1」を作業車両の操作装置(モニタ)等に対して入力する機能が割り当てられている。なお、
図6では、上述した機能表示PA1~PF1と同様に、機能表示PA2~PF2は点灯状態又は消灯状態に関わらず実線で示されている。
【0063】
同様に、スイッチ11B~11Fの第2表示領域には、数字の「2」~「6」を操作装置等に対して入力する機能が割り当てられている。例えば、操作者は、スイッチ11A~11Fに第2モードに対応する機能が割り当てられていることを、機能表示PA2~PF2により認識する。
【0064】
上述のとおり、スイッチ11A~11Fは、操作モードに応じて割り当てられた機能を切り替え可能である。
【0065】
また、仮に、スイッチ11Fが非機能スイッチである場合、第1操作モードでは操作不能であるが、第2操作モードでは操作可能である。
【0066】
例えば、操作者が作業車両の操作装置に対して、スイッチ装置10bを第2操作モードに切り替える指示を入力すると、制御部14は、操作指示に従い、スイッチ11A~11Fが第2操作モードにおける機能を発揮するように制御する。これにより、スイッチ11A~11Fに応じた数値入力が可能となる。
【0067】
(2.表示領域が3つの場合)
次に、
図7を参照して、スイッチ11A~11Fが更に多くの点灯領域(機能表示P)を有するスイッチ装置10cについて説明する。
図7は、3つの点灯領域を有するスイッチ11A~11Fを備えるスイッチ装置10cを示す図である。
【0068】
スイッチ装置10cでは、スイッチ11A~11Fが、それぞれ、上記の機能表示PA1~PF1(第1点灯領域)および機能表示PA2~PF2(第2点灯領域)に加えて、機能表示PA3~PF3(第3点灯領域)を有する。また、スイッチ装置10cは、発光素子13A1~13F1,13A2~13F2に加えて、機能表示PA3~PF3に対応して設けられる発光素子13A3~13F3を有する。機能表示PA3~PF3は、例えば、長方形である。なお、機能表示PA3~PF3は、長方形に限らず、操作者が発光素子13A3~13F3の点灯又は消灯と発光色を認識可能な形状であればよい。
【0069】
発光素子13A3~13F3は、それぞれ、制御部14に接続されており、制御部14によって、上記発光素子13A1~13F1や発光素子13A2~13F2のように、スイッチ11に割り当てられた機能の状態に応じて個別に点灯又は消灯が制御される。
【0070】
また、スイッチ11A~11Fはそれぞれ制御部14と配線16を介して接続されており、操作者がスイッチ11A~11Fを操作すると、スイッチ操作を示す操作信号が制御部14に送信される。また、制御部14は操作信号に基づく制御信号Sを生成し、発光素子13A3~13F3に送信する。これにより、スイッチ11A~11Fの操作状態に応じて、発光素子13A3~13F3の点消灯状態を切り替え可能となっている。
【0071】
かかるスイッチ装置10cでは、機能表示PA3~PF3(第3点灯領域)の点消灯状態を切り替えることで、スイッチ11A~11Fの操作状態、すなわち、スイッチ11A~11Fの機能に対応する作業車両の動作状態が操作者に報知される。
【0072】
例えば、操作者によりスイッチ11Aが操作されると、スイッチ11Aを操作した旨の操作信号が制御部14に送信される。この操作信号を受信した制御部14により発光素子13A3に制御信号Sが送信される。これにより、スイッチ11Aの第3点灯領域(機能表示PA3)が点灯状態となり、作業車両の前照灯が点灯していることが操作者に報知される。
【0073】
[変形例3]
次に、本実施形態に係るスイッチ装置の他の変形例について説明する。本変形例に係るスイッチ装置は、スイッチ装置10を搭載する作業車両の状態に応じて、発光素子13の発光色や発光強度を変更可能にしたものである。本変形例における発光素子13は、例えば、複数の単色LEDが組み合わされ、制御部14が各単色LEDを点灯制御又は消灯制御することで、発光素子13の発光色や発光強度の切り替えが可能な構成となっている。
【0074】
制御部14は、各スイッチ11A~11Fと配線16介して接続されるとともに、作業車両の検知部と入出力部25を介して接続されている。この制御部14は、スイッチ11A~11Fからの操作信号と、作業車両の検知部による検知信号とを受信する。また、制御部14は、操作信号もしくは検知信号に基づいて、発光素子13の発光色もしくは発光強度を変化させる。以下、制御部14が、発光素子13の発光色または発光強度の変化させる制御について、例を挙げて説明する。
【0075】
(1.動作状態報知)
まず、発光素子13の発光色の変化で、スイッチ11に対応する機能(作業車両の機器の動作状態)を報知する例について説明する。例えば、機能スイッチ11Dは、作業車両が動作状態(キーオン状態)となると、発光素子13Dが点灯状態となり、機能表示PDは白色に発光する。これにより、操作者に機能スイッチ11Dに対応するワイパー機能が割り当てられていることが報知される。
【0076】
このとき、操作者が機能スイッチ11Dを操作すると、作業車両のワイパーが動作するとともに、発光素子13Dの発光色が青色に変化して、機能表示PEが青色に発光する。これにより、操作者にワイパーが動作中であることが報知される。
【0077】
具体的には、制御部14は、スイッチ11Dの操作信号もしくは、作業車両の機器の動作を検知する検知部の検知信号を受信して、作業車両のワイパーの動作状況を取得する。また、制御部14は取得した動作状況に基づいて、対応するスイッチ11Dに応じた発光素子13Dの発光色を切替制御する。
【0078】
また、スイッチ装置10では、スイッチ11に対応する機能(作業車両の機器の動作状態)が段階的に変化する場合には、発光強度を変えることで、動作レベルを報知できる。例えば、作業車両のワイパー動作の動作速度を変えられる場合には、スイッチ11Dを1度操作すると作業車両のワイパーが動作し、さらにもう一度操作するとワイパーの動作が速くなる。このように、機器の動作が段階的に変化する場合には、例えば、発光素子13Dの発光強度を変化させることで、ワイパーの動作速度を報知できる。なお、上記の例では、動作レベルを発光素子13の発光強度を変えることで表現しているが、これには限定されず、例えば、発光素子13の発光色を変えることで表現してもよい。
【0079】
(2.異常報知)
次に、発光素子13Dの発光色を変化させることで、スイッチ11に対応する機能(作業車両の機器)の異常状態を報知する例について説明する。
例えば、制御部14は、作業車両の所定の機能が正常に動作しているか否かを監視し、監視結果に基づいて、その機能が割り当てられたスイッチ11の発光素子13の発光色を制御する。例えば、制御部14は、スイッチ11Dに割り当てられたワイパーを動作させる機能に対応するワイパーが正常に動作しているか否かを監視し、ワイパーに異常がない場合、スイッチ11Dに応じた発光素子13Dの発光色を「白」に制御し、ワイパーに異常がある場合、発光素子13Dの発光色を「赤」に制御する。これにより、操作者にワイパーが正常もしくは異常であることが報知される。なお、異常状態の報知において、発光素子13の点灯状態を点滅状態に変えてもよい。
【0080】
(3.特性報知)
次に、発光素子13の発光色を変化させることで、スイッチ11に対応する機能(作業車両の機器)機能の特性を報知する例について説明する。例えば、制御部14は、スイッチ11に割り当てられられた作業車両の機能の特性に基づいて、発光素子13の発光色を制御する。例えば、制御部14は、対応機能情報を参照し、カメラ機能が割り当てられたスイッチ11Fについては、発光素子13Fの発光色を、注意を連想させる「赤」に制御する。これにより、操作者に、カメラ画像に注意を要することが報知される。
【0081】
このように、本変形例に係るスイッチ装置10では、発光素子13の発光色または発光強度を変更することで、スイッチに割り当てられた機能の状態等を報知することができる。これにより、上記のスイッチ装置bのように点灯領域(機能表示P)を複数設けられない場合にも、作業車両が備える機器の状態等を報知できる。
【0082】
以上、いくつかの実施例を挙げて本実施形態に係るスイッチ装置について説明したとおり、本実施形態に係るスイッチ装置によれば、オプションスイッチ11D~11Fについては、それぞれ、点消灯状態を切り替えることで、使用可能なスイッチ(機能スイッチ)と使用不可能なスイッチ(非機能スイッチ)とが識別可能となる。そのため、一つのスイッチ装置を、車種や仕様が異なる複数の作業車両に対応させることができ、製造コストを安価にすることができる。
【0083】
また、標準スイッチ11A~11Cについては、対応する発光素子13A~13Cを設けることで、使用環境に応じて、点消灯状態を切り替えることができる。特に、発光素子13A~13Cの点消灯状態を一括して切り替えることで、切換操作の煩雑さを解消させることができる。
【0084】
[第2実施形態]
次に、本実施形態に係る作業車両用スイッチシステムについて説明する。本実施形態に係るスイッチシステムは、作業車両操用のスイッチシステムであり、スイッチおよび発光素子を備えるスイッチ装置と、制御部を備える外部装置により構成される。この外部装置は例えば作業車両の主制御装置30である。
【0085】
本実施形態のスイッチシステム15は、
図8に示すように、スイッチ装置10dと外部装置により構成される。スイッチ装置10dは、装置本体12と、複数のスイッチ11とを備える。複数のスイッチ11の少なくとも一部はオプションスイッチ11D~11Fであり、他のスイッチは標準スイッチ11A~11Cである。オプションスイッチ11D~11Fにはそれぞれ対応する発光素子13D~13Fが配置されている。なお、スイッチシステム15においては、スイッチ11D,11Eを機能スイッチとし、スイッチ11Fを非機能スイッチとする。スイッチ11および発光素子13は、配線16を介して、外部装置に設けられた制御部32に接続されている。
【0086】
かかる構成を有するスイッチシステム15では、外部装置の制御部32は、作業車両の起動信号に基づいて、機能スイッチ11D,11Eに対応する発光素子13D,13Eに対して制御信号Sを送信する。発光素子13D,13Eは、制御信号Sを受信すると、点灯状態となる。
【0087】
このように、スイッチシステム15によれば、上記のスイッチ装置10と同様に、オプションスイッチ11D~11Fに対して個別に点消灯状態が切り替えられる。これにより、機能が割り当てられた機能スイッチ11D,11Eと、機能が割り当てられていない非機能スイッチ11Fとが視覚的に識別可能となる。
【0088】
また、制御部32をスイッチ装置10dと別体に設けられた外部装置内に配置することで、一般に市販されているスイッチ装置10dを用いて、スイッチシステム15を構成することができ、スイッチシステムの汎用性を向上させることができるとともに、製造コストを安価に抑えることができる。
【0089】
以上、本実施形態に係るスイッチシステム15について説明したが、これに限定されず種々の変更が可能である。例えば、標準スイッチ11A~11Cに発光素子13A~13Cを配置することで、作業車両の使用環境に応じて点消灯状態を切り替えることができる。
【0090】
また、各スイッチ11A~11F毎に、複数の点灯領域(機能表示P)を設けて、操作モード毎に点灯領域を切り替えてもよい。さらに、発光素子13の発光色もしくは発光強度を変更可能としてもよい。
【0091】
[第3実施形態]
次に、上記のスイッチシステムを備える作業車両について、
図9及び
図10を参照して説明する。
図9は本実施形態の作業車両の要部概略構成を示す図であり、
図10は作業車両のブロック図である。なお、本実施形態では、説明の便宜上、作業車両に第2実施形態のスイッチシステムを適用しているが、これには限定されず、第1実施形態のスイッチ装置を適用することもできる。
【0092】
本実施形態に係る作業車両は、例えば、建設機械や農業機械であり、本実施形態においては、建設機械としての油圧ショベルを例に説明を行う。まず、
図9を参照して、本発明の実施形態に係る作業車両を説明する。
図9は、作業車両100の操縦室205を示す斜視図である。
【0093】
図9に示すように、作業車両100は操縦室205を備える。操縦室205には、操作装置20、装置本体12、座席210、複数の操作レバー220、及び、配置部材230が配置される。座席210には、操作者が着座する。操作者は、作業車両100の操縦者である。複数の操作レバー220の各々は、操作者からの操作を受け付ける。操作レバー220は、作業車両100を操作するための操作部材である。
【0094】
操作装置20は、操作者からの操作を受け付けて、作業車両100の操作、作業車両100に対する各種情報の入力、及び、作業車両100に関する各種情報の表示を実行する。
【0095】
操作装置20は、各種情報を表示するとともに、操作者からの操作を受け付ける。操作装置20は、表示部22と、複数の押しボタン24を備える。表示部22は、作業車両100に関する各種情報を表示する。例えば、表示部22は、作業車両100の状態、GUI(Graphical User Interface)、又は、カメラ映像を表示する。表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ、又は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。表示部22は、タッチパネルを備えていてもよい。この場合、各押しボタン24は、GUIのウィジェットとして表示部22に表示されてもよい。
【0096】
操作装置20は、表示制御装置26と、音出力部28とを更に備える。表示制御装置26は表示部22を制御する。表示制御装置26は、例えば、ECUである。音出力部28は音を出力する。音出力部28は、例えば、スピーカー又はブザーである。
【0097】
具体的には、表示制御装置26は、制御部261と、記憶部263とを備える。制御部261は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。記憶部263は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部263は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び/又は、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部263は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部263は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。
【0098】
制御部261は、表示部22に表示された画面の操作に応じて入力又は設定された各種情報を主制御装置30に出力する。
【0099】
制御部261は、表示制御部265を備える。具体的には、制御部261のプロセッサーは、記憶部263の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することで、表示制御部265として機能する。表示制御部265は、表示部22を制御する。例えば、表示制御部265は、押しボタン24A~24Fが押下されたか否かを示す操作情報(オン情報又はオフ情報)に応じて、表示部22に表示される画面を制御する。
【0100】
主制御装置30は、スイッチ装置10d、操作装置20、及び、エンジン部500を制御する。主制御装置30は、例えば、ECUである。なお、主制御装置30は、第2実施形態のスイッチシステムにおける外部装置に相当する。
【0101】
具体的には、主制御装置30は、制御部32と、記憶部34とを備える。制御部32は、CPUのようなプロセッサーを含む。記憶部34は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。また、記憶部34は、例えば、スイッチ11A~11Fと、各スイッチ11に割り当てられた機能との対応関係を示す対応機能情報を記憶する。記憶部34のハードウェア構成は、例えば、記憶部263のハードウェア構成と同様である。対応機能情報は、例えば、作業車両100の製造時に登録される。
【0102】
制御部32は、表示制御装置26の制御部261から、表示部22に表示された画面の操作に応じて入力又は設定された各種情報を取得する。
【0103】
また、制御部32は、スイッチ装置10dから、スイッチ11A~11Fの操作情報を取得する。制御部32は、記憶部34の対応機能情報を参照し、取得した操作情報に応じた機能を制御する。
【0104】
他方、制御部32は、作業車両100の各種情報や動作状況を示す動作信号を、スイッチ装置10dに出力する。なお、各種情報とは、例えば、対応機能情報である。また、動作信号とは、例えば、作業車両100の起動(キーオン)を示す起動信号である。
【0105】
上述した構成を有する本実施形態に係る作業車両100は、操作者により起動されると、制御部32が起動信号を受信するとともに、スイッチ装置10dの発光素子13D,13Eに制御信号Sを送信する。これにより、機能スイッチ11D,11Eは操作可能な状態となるとともに、発光素子13D,13Eによりその旨が報知される。
【0106】
また、操作者によりスイッチ装置10dの標準スイッチ11A~11Cもしくは機能スイッチ11D,11Eが操作されると、これらのスイッチ11A~11Eにより出力された操作信号が、作業車両100の制御部32に送信される。これにより、作業車両100は操作者のスイッチ操作に応じて動作する。
【0107】
以上、図面(
図1~
図10)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、作業車両に設けられるスイッチ制御の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0109】
10 :スイッチ装置
11、11A~11F :スイッチ
12、12A~12C :装置本体
13、13A~13F :発光素子
15 :スイッチシステム
20 :操作装置
28 :音出力部
14、32 :制御部
100 :作業車両
PA~PF :機能表示