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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】駐車支援装置および駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20240425BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20240425BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20240425BHJP
   B60L 53/38 20190101ALI20240425BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240425BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240425BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20240425BHJP
【FI】
B60W30/06
B60L5/00 B
B60L53/12
B60L53/38
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/90
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023096755
(22)【出願日】2023-06-13
(62)【分割の表示】P 2021204847の分割
【原出願日】2021-12-17
(65)【公開番号】P2023126711
(43)【公開日】2023-09-08
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】赤浦 勝太
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-084560(JP,A)
【文献】特開2015-214223(JP,A)
【文献】特表2013-530867(JP,A)
【文献】特開2011-217461(JP,A)
【文献】特開2021-124898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00~60/00
B60L 5/00
B60L 53/00~53/80
H02J 7/00
H02J 50/10
H02J 50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者による教師走行における走行経路の登録の操作を受け付けた場合に、前記教師走行の走行経路を登録する登録処理部と、
前記教師走行における車両の走行経路を記録する経路記録部と、
前記車両に非接触で給電可能な非接触給電装置の位置に関する情報を取得する取得部と、
前記運転者による前記教師走行によって記録された前記車両の前記走行経路を、前記非接触給電装置の位置に関する情報に基づいて、補正経路に補正する補正部と、
前記補正経路に基づいて、前記車両の自動走行を実行する走行制御部と、
を備え、
前記補正経路の駐車位置は、前記走行経路の駐車位置よりも、前記車両が備える受電装置と前記非接触給電装置との距離が近く、
前記取得部は、前記走行制御部による前記車両の自動走行の開始前に、前記非接触給電装置の位置に関する情報を取得し、
前記補正部は、前記車両の自動走行の開始前に、記憶部に保存された走行経路を、前記非接触給電装置の位置に関する情報に基づいて前記補正経路に補正する、
駐車支援装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記非接触給電装置から、前記非接触給電装置の絶対位置を表す絶対位置情報を、前記非接触給電装置の位置に関する情報として受信する、
請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記車両に設けられたカメラから前記車両の周囲を撮影した画像を取得し、当該画像から、前記車両から前記非接触給電装置までの距離および方向を、前記非接触給電装置の位置に関する情報として取得する、
請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記車両に設けられたカメラによって前記車両の周囲が撮影された画像、または、超音波または電磁波を送受信する送受波部により前記車両の周囲がセンシングされた結果から、前記車両の周囲の特徴点を抽出する抽出部、をさらに備え、
前記取得部は、前記車両の周囲の特徴点と前記非接触給電装置との相対的な位置関係を、前記非接触給電装置の位置に関する情報として取得する、
請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記補正部は、前記教師走行における前記走行経路の駐車位置において、前記車両の前記受電装置が、前記非接触給電装置と閾値より離れている場合に、前記補正経路の駐車位置において前記車両の前記受電装置と前記非接触給電装置との距離が閾値以下となるように、当該走行経路を前記補正経路に補正する、
請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項6】
前記教師走行により記録された前記走行経路を前記非接触給電装置の位置に関する情報に基づいて補正するか否かをユーザが選択可能な選択画面を表示部に表示させる表示制御部、をさらに備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項7】
前記取得部は、他の車両における教師走行の走行経路を取得し、
前記補正部は、前記非接触給電装置の位置に関する情報に基づいて、取得された前記走行経路を前記補正経路に補正する、
請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項8】
運転者による教師走行に基づいて走行経路を学習し、学習結果を利用して、駐車支援を行う駐車支援装置で実行される駐車支援方法であって、
登録処理部が、運転者による教師走行の走行経路の登録の操作を受け付けた場合に、前記教師走行の走行経路を登録する登録ステップと、
経路記録部が、運転者による教師走行における車両の走行経路を記録する経路記録ステップと、
取得部が、前記車両に非接触で給電可能な非接触給電装置の位置に関する情報を取得する取得ステップと、
補正部が、前記運転者による前記教師走行によって記録された前記車両の前記走行経路を、前記非接触給電装置の位置に関する情報に基づいて、補正経路に補正する補正ステップと、
走行制御部が、前記補正経路に基づいて、前記車両の自動走行を実行する走行制御ステップと、
を含み、
前記補正経路の駐車位置は、前記走行経路の駐車位置よりも、前記車両が備える受電装置と前記非接触給電装置との距離が近く、
前記取得部は、前記走行制御部による前記車両の自動走行の開始前に、前記非接触給電装置の位置に関する情報を取得し、
前記補正部は、前記車両の自動走行の開始前に、記憶部に保存された走行経路を、前記非接触給電装置の位置に関する情報に基づいて前記補正経路に補正する、
駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車支援装置および駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の駐車の際に自動運転により車両を移動させる駐車支援の技術が知られている。このような駐車支援の1つに、運転者による教師走行に基づいて走行経路を学習し、当該学習結果を利用して、駐車支援を行うホームゾーンパーキングの技術がある。当該技術は例えばユーザの自宅または勤務先等の駐車場など、決まった駐車位置への駐車を繰り返し行なう場合に利用される。
【0003】
また、走行駆動源として電動機を用いる電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車といった電動車両に搭載された蓄電装置へ、外部の電源から非接触充電を行う技術が知られている。車両に非接触給電をする非接触給電装置は、例えば、ユーザの自宅または勤務先等の駐車場に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6350312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ホームゾーンパーキングにおいて、教師走行に基づく車両の駐車位置が、非接触給電装置の設置位置から離れていると、充電効率が低くなる場合があった。
【0006】
本開示は、ホームゾーンパーキングによる車両の駐車位置と、非接触給電装置の設置位置との位置合わせを容易にすることができる駐車支援装置および駐車支援方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る駐車支援装置は、登録処理部と、経路記録部と、取得部と、補正部と、走行制御部とを備える。登録処理部は、運転者による教師走行における走行経路の登録の操作を受け付けた場合に、前記教師走行の走行経路を登録する。経路記録部は、教師走行における車両の走行経路を記録する。取得部は、車両に非接触で給電可能な非接触給電装置の位置に関する情報を取得する。補正部は、運転者による教師走行によって記録された車両の走行経路を、非接触給電装置の位置に関する情報に基づいて、補正経路に補正する。走行制御部は、補正経路に基づいて、車両の自動走行を実行する。補正経路の駐車位置は、走行経路の駐車位置よりも、車両が備える受電装置と非接触給電装置との距離が近い。また、取得部は、走行制御部による車両の自動走行の開始前に、非接触給電装置の位置に関する情報を取得する。また、補正部は、車両の自動走行の開始前に、記憶部に保存された走行経路を、非接触給電装置の位置に関する情報に基づいて補正経路に補正する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る駐車支援装置および駐車支援方法によれば、ホームゾーンパーキングによる車両の駐車位置と、非接触給電装置の設置位置との位置合わせを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る駐車支援装置を備える車両の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る車両の運転席近傍の構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る駐車支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る駐車支援装置が備える機能の一例を示すブロック図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る教師走行によって記憶された走行経路の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る補正経路の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る表示装置に表示された選択画面の一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る駐車支援装置で実行される走行経路の記録および補正の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第2の実施形態に係る表示装置に表示された選択画面の一例を示す図である。
図10図10は、第2の実施形態に係る駐車支援装置で実行される走行経路の補正およびの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る駐車支援方法および駐車支援装置の実施形態について説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る駐車支援装置100を備える車両1の一例を示す図である。図1に示すように、車両1は、車体12と、車体12に所定方向に沿って配置された2対の車輪13と、受電装置30と、バッテリ31とを備える。2対の車輪13は、1対のフロントタイヤ13f及び1対のリアタイヤ13rを備える。
【0012】
車両1は、車両1の外部から供給される電力によって走行用バッテリの充電を行う電気自動車(Electric Vehicle:EV)、またはプラグインハイブリッド自動車(Plug-in Hybrid Vehicle:PHV)等の外部充電車両である。
【0013】
バッテリ31は、車両1が走行するための電力を蓄電する蓄電池である。
【0014】
受電装置30は、車両1の外部に設けられた非接触充電装置から電磁誘導の原理によって伝達される電力を受電し、バッテリ31を充電する。より詳細には、非接触充電装置から非接触で電力を受電する受電コイルを備え、車両1の底部にて車外に露出するように設けられる。受電装置30が非接触充電装置から受電した電力は、電力回路によって直流電圧としてバッテリ31に出力され、バッテリ31が充電される。受電装置30とバッテリ31との間は、不図示のケーブルにより接続される。非接触充電装置は、例えば、ユーザの自宅または勤務先等の駐車場に設けられる。
【0015】
なお、車両1は、非接触充電の他にも、充電ケーブルを介してプラグイン充電装置からバッテリ31へ充電を行うことが可能であってもよい。この場合、車両1は、プラグイン充電装置のプラグを挿入可能なコネクタを備える。
【0016】
図1に示すフロントタイヤ13fは、本実施形態における第1の車輪の一例である。また、リアタイヤ13rは、本実施形態における第2の車輪の一例である。車両1の2つのフロントタイヤ13fと2つのリアタイヤ13rとを総称して車輪13という。なお、図1に示す車両1は、4つの車輪13を備えるが、車輪13の数はこれに限定されるものではない。例えば、車両1は2輪車であってもよい。
【0017】
車体12は、車輪13に結合され、車輪13によって移動可能である。この場合、2対の車輪13が配置される所定方向が車両1の走行方向となる。車両1は、不図示のギアの切り替え等により前進または後退することができる。また、車両1は、操舵により右左折することもできる。
【0018】
また、車体12は、フロントタイヤ13f側の端部である前端部Fと、リアタイヤ13r側の端部である後端部Rを有する。車体12は上面視で略矩形をしており、略矩形状の4つの角部を端部と呼ぶ場合もある。また、図1では図示を省略するが、車両1は、表示装置、スピーカ、マイク、および操作部を備える。
【0019】
車体12の前後端部F,Rであって、車体12の下端付近には1対のバンパー14が設けられている。1対のバンパー14のうち、フロントバンパー14fは車体12の下端部付近の前面全体と側面の一部を覆う。1対のバンパー14のうち、リアバンパー14rは車体12の下端部付近の後面全体と側面の一部を覆う。
【0020】
車体12の所定の端部には、超音波等の音波の送受波を行う送受波部15f,15rが配置される。例えば、フロントバンパー14fには1つ以上の送受波部15fが配置され、リアバンパー14rには1つ以上の送受波部15rが配置される。以下、送受波部15f,15rを特に限定しない場合には、単に送受波部15という。また、送受波部15の数および位置は、図1に示す例に限定されるものではない。例えば、車両1は、左右の側方に送受波部15を備えてもよい。
【0021】
本実施形態においては、超音波を使用したソナーを送受波部15の一例として説明するが、送受波部15は、電磁波を送受波するレーダーであってもよい。あるいは、車両1は、ソナーとレーダーの両方を備えてもよい。また、送受波部15を単にセンサと称してもよい。
【0022】
送受波部15は、音波または電磁波の送受結果に基づいて、車両1の周囲の障害物を検出する。また、送受波部15は、音波または電磁波の送受結果に基づいて、車両1の周囲の障害物と車両1との距離を計測する。
【0023】
また、車両1は、車両1の前方を撮影する第1の車載カメラ16a、車両1の後方を撮影する第2の車載カメラ16b、車両1の左側方を撮影する第3の車載カメラ16c、および車両1の右側方を撮影する第4の車載カメラを備える。第4の車載カメラは図示を省略する。
【0024】
以下、第1の車載カメラ16a、第2の車載カメラ16b、第3の車載カメラ16c、および第4の車載カメラを特に区別しない場合には単に車載カメラ16という。車載カメラの位置及び数は図1に示す例に限定されるものではない。例えば、車両1は、また、第1の車載カメラ16aおよび第2の車載カメラ16bの2台のみを備えてもよい。あるいは、車両1は、上述の例の他に、さらに他の車載カメラを有してもよい。
【0025】
車載カメラ16は、車両1の周囲の映像を撮影可能であり、例えば、カラー画像を撮影するカメラである。なお、車載カメラ16が撮影する撮影画像は、動画でもよいし、静止画でもよい。また、車載カメラ16は、車両1に内蔵されたカメラであってもよいし、車両1に後付けされたドライブレコーダのカメラ等であってもよい。
【0026】
また、車両1には、駐車支援装置100が搭載される。駐車支援装置100は、車両1に搭載可能な情報処理装置であり、例えば、車両1の内部に設けられたECU(Electronic Control Unit)、もしくはOBU(On Board Unit)である。あるいは、駐車支援装置100は、車両1のダッシュボード付近に設置された外付けの装置であってもよい。なお、駐車支援装置100はカーナビゲーション装置等を兼ねてもよい。
【0027】
本実施形態の駐車支援装置100は、運転者による教師走行に基づいて走行経路を学習し、当該学習結果を利用して、駐車支援を行う。このような駐車支援は、例えば運転者の自宅の車庫、集合住宅の契約駐車位置、または勤務先等の駐車場内の規定の駐車位置等、決まった駐車位置への駐車を繰り返し行なう場合に、運転者の駐車の手間を低減するために有効である。このような駐車支援は、ホームゾーンパーキングまたは経路記憶型自動駐車と呼ばれる。
【0028】
また、車両1は、図1に図示した構成の他に、不図示のジャイロセンサおよび車輪速センサ等の各種センサを備えてもよい。ジャイロセンサは、前後左右や旋回など車両1の回転挙動を計測する。また、車輪速センサは、車両1の各車輪13の車輪速を計測する。
【0029】
次に、本実施形態の車両1の運転席近傍の構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る車両1の運転席130a近傍の構成の一例を示す図である。
【0030】
図2に示すように、車両1は運転席130a、および助手席130bを備える。また、運転席130aの前方にはフロントガラス180、ダッシュボード190、ステアリングホイール140、表示装置120、および操作ボタン141が設けられる。
【0031】
表示装置120は、車両1のダッシュボード190に設けられたディスプレイである。表示装置120は、一例として、図2に示すようにダッシュボード190の中央に位置する。表示装置120は例えば液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。また、表示装置120は、タッチパネルを兼ねてもよい。表示装置120は、本実施形態における表示部の一例である。
【0032】
また、ステアリングホイール140は、運転席130aの正面に設けられ、運転者によって操作可能である。ステアリングホイール140の回転角度、つまり操舵角は、操舵輪であるフロントタイヤ13fの向きの変化と電気的または機械的に連動する。なお、操舵輪はリアタイヤ13rでもよいし、フロントタイヤ13fとリアタイヤ13rの両方が操舵輪であってもよい。
【0033】
操作ボタン141は、ユーザによる操作を受け付け可能なボタンである。なお、本実施形態においてユーザは、例えば車両1の運転者である。なお、操作ボタン141の位置は図2に示す例に限定されるものでなく、例えばステアリングホイール140に設けられてもよい。また、図2では1つの操作ボタン141を図示するが、複数の操作ボタン141が設けられてもよい。操作ボタン141は、操作部の一例である。また、表示装置120がタッチパネルを兼ねる場合は、表示装置120が操作部の一例であってもよい。
【0034】
次に、駐車支援装置100のハードウェア構成について説明する。
【0035】
図3は、第1の実施形態に係る駐車支援装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、駐車支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)11A、ROM11B、RAM11C、デバイスI/F(インタフェース)11D、CAN(Controller Area Network)I/F11E、NW(NetWork) I/F11F、HDD(Hard Disk Drive)11G等がバス11Hにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0036】
CPU11Aは、駐車支援装置100全体を制御する演算装置である。なお、CPU11Aは、本実施形態の駐車支援装置100におけるプロセッサの一例であり、他のプロセッサまたは処理回路がCPU11Aの代わりに設けられてもよい。
【0037】
ROM11B、RAM11C、およびHDD11Gは、記憶部として機能する。例えば、ROM11Bは、CPU11Aによる各種処理を実現するプログラム等を記憶する。RAM11Cは、例えば駐車支援装置100の主記憶装置であり、CPU11Aによる各種処理に必要なデータを記憶する。
【0038】
デバイスI/F11Dは、各種のデバイスと接続可能なインタフェースである。例えば、デバイスI/F11Dは、GPS装置11lと接続し、GPS装置11lから、車両1の現在位置を示すGPS位置情報を取得する。当該GPS位置情報は、例えば、車両1の絶対位置を示す緯度と経度の値である。
【0039】
GPS装置11lは、GPSアンテナ11Jが受信したGPS信号に基づいて車両1の位置を表すGPS座標を特定する装置である。GPSアンテナ11Jは、GPS信号を受信可能なアンテナである。
【0040】
また、デバイスI/F11Dは、車載カメラ16および送受波部15から画像および検知結果等を取得する。また、デバイスI/F11Dは、車両1に搭載された不図示のジャイロセンサおよび車輪速センサから計測結果を取得してもよい。
【0041】
CAN I/F11Eは、車両1内のCANを介して車両1に搭載された他のECUとの間で情報の送受信をするためのインタフェースである。なお、CAN以外の通信規格を採用してもよい。
【0042】
NW I/F11Fは、非接触充電装置と通信可能な通信装置である。NW I/F11Fは、例えば、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の公衆回線、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離通信等により、非接触充電装置との通信が可能である。なお、非接触充電装置と車両1との通信形式はこれらに限定されるものではない。
【0043】
なお、図1~3では、表示装置120は、駐車支援装置100とは別個の装置として図示しているが、表示装置120は駐車支援装置100に含まれてもよい。
【0044】
また、駐車支援装置100は、図3に示す構成の他に、不図示のスピーカおよびマイクを備えてもよい。あるいは、駐車支援装置100のデバイスI/F11Dは、駐車支援装置100とは別個の装置として車両1に備えられた不図示のスピーカおよびマイクとの間で音声データの入出力を行ってもよい。
【0045】
本実施形態の駐車支援装置100は、運転者による教師走行に基づいて走行経路を学習し、当該学習結果を利用して、駐車支援を行う。換言すれば、駐車支援装置100によって実行される駐車支援方法は、運転者による教師走行に基づいて、車両1の自動走行を行う方法である。このような駐車支援方法は、例えば運転者の自宅の車庫、集合住宅の契約駐車位置、または勤務先等の駐車場内の規定の駐車位置等、決まった駐車位置への駐車を繰り返し行なう場合に、運転者の駐車の手間を低減するために有効である。
【0046】
次に、本実施形態の駐車支援装置100の機能の詳細について説明する。図4は、第1の実施形態に係る駐車支援装置100が備える機能の一例を示すブロック図である。
【0047】
図4に示すように、本実施形態の駐車支援装置100は、受付部101、取得部102、抽出部103、経路記録部104、補正部105、画像生成部106、表示制御部107、音声出力部108、登録処理部109、推定部110、走行制御部111、および記憶部150を備える。
【0048】
記憶部150は、例えばROM11B、RAM11C、またはHDD11Gによって構成される。なお、図4では1つの記憶部150が駐車支援装置100に含まれるように記載したが、複数の記憶媒体が記憶部150として機能してもよい。
【0049】
記憶部150は、駐車支援装置100で実行される各種の処理で使用されるプログラムおよびデータを記憶する。例えば、本実施形態の駐車支援装置100で実行されるプログラムは、上述した各機能部(受付部101、取得部102、抽出部103、経路記録部104、補正部105、画像生成部106、表示制御部107、音声出力部108、登録処理部109、推定部110、および走行制御部111)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU11Aが記憶部150からプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM11C上にロードされ、受付部101、取得部102、抽出部103、経路記録部104、補正部105、画像生成部106、表示制御部107、音声出力部108、登録処理部109、推定部110、および走行制御部111がRAM11C上に生成されるようになっている。なお、駐車支援装置100の各機能部が実現する処理を、ステップともいう。
【0050】
本実施形態の駐車支援装置100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでフラッシュメモリ、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0051】
また、本実施形態の駐車支援装置100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の駐車支援装置100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、本実施形態の駐車支援装置100で実行されるプログラムを、ROM11B等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0052】
受付部101は、ユーザからの各種の操作を受け付ける。受付部101は、例えば、操作ボタン141またはタッチパネル上の画像ボタンが押下された場合に、ユーザによる教師走行の記録の開始および終了の操作を受け付ける。
【0053】
また、受付部101は、教師走行の終了後、当該教師走行の走行経路を、自動走行用の走行経路と、当該教師走行の走行経路が後述の補正部105により補正された補正経路のいずれを登録するかを指示するユーザの操作を受け付ける。
【0054】
また、受付部101は、例えば、走行経路が登録済みの状態で、操作ボタン141またはタッチパネル上の画像ボタンが押下された場合に、ユーザによる駐車支援の開始の操作を受け付ける。
【0055】
なお、受付部101がユーザの操作を受け付ける手段は特に限定されない。例えば、受付部101は、車両1に設けられたマイクから入力されたユーザの音声により、教師走行の記録の開始および終了、または駐車支援の開始の操作を受け付けても良い。
【0056】
取得部102は、車両1に非接触で給電可能な非接触給電装置の位置に関する情報を取得する。より詳細には、取得部102は、非接触給電装置から送信された非接触給電装置の位置に関する情報を、NW I/F11Fを介して取得する。
【0057】
本実施形態において、非接触給電装置の位置に関する情報は、例えば、非接触給電装置の絶対位置を表す絶対位置情報である。絶対位置情報は、例えば、非接触給電装置の緯度および経度を示す情報である。
【0058】
また、取得部102は、車両1の周囲を車両1の移動と共に時系列に撮影した複数の画像を、複数の車載カメラ16a~16cから取得する。なお、当該画像は、車両1の周辺を撮影した画像であるため、本実施形態において周辺画像という。
【0059】
また、取得部102は、車両1の周囲の物体と車両との距離に関する情報を取得する。車両1の周囲の物体と車両との距離に関する情報は、例えば、送受波部15によって検出された障害物の有無、および検出された車両1の周囲の障害物と車両1との距離の長さである。送受波部15によって検出された障害物の有無、送受波部15によって計測された車両1の周囲の障害物と車両1との距離、および周辺画像を、車両1の周囲の環境に関する環境情報と称してもよい。なお、環境情報は、これらの情報に限定されるものではない。
【0060】
また、取得部102は、デバイスI/F11Dを介してGPS装置11lからGPS位置情報を取得する。
【0061】
また、取得部102は、車両1の各種センサまたは他のECUから、車両1の車両情報を取得する。車両情報は、例えば、車両1の速度、操舵角、および制動動作に関する情報を含む。車両1の車両情報に含まれる各情報は、各情報が検出された時刻と対応付けられて記憶部150に記憶される。なお、車両1の車両情報は、さらに、車輪速または車輪13の回転数、ジャイロセンサ等で計測された車両1の加速度等を含んでもよい。
【0062】
抽出部103は、車載カメラ16によって車両1の周囲が撮影された周辺画像、または、送受波部15により車両1の周囲がセンシングされた結果から、車両1の周囲の特徴点を抽出する。抽出部103による特徴点の抽出の手法は特に限定されるものではなく、公知の手法を適用してよい。例えば、抽出部103は、FAST(Features from Accelerated Segment Test)またはORB(Oriented FAST and Rotated BRIEF)等の手法により特徴点を抽出する。また、抽出部103は、走行経路80の学習の際は、抽出した特徴点のうち、規定の条件を満たす特徴点を、優先的に記録してもよい。例えば、時系列で連続する複数の周辺画像のうち、撮影中に車両1が移動した距離が長いものから抽出された特徴点ほど、優先して特徴点として選定してもよい。
【0063】
経路記録部104は、運転者による教師走行における車両1の走行経路を記録する。経路記録部104は、例えば、抽出部103により抽出された特徴点の変化、および車両1の車両情報に基づいて、教師走行中の車両1の位置を推定し、当該位置の時系列の変化から、走行経路を特定する。
【0064】
より詳細には、経路記録部104は、教師走行中に撮影された複数の周辺画像から抽出された特徴点の時系列の変化に基づいて、車両1の位置の変化を特定する。また、経路記録部104は、特徴点から特定された車両1の位置を、取得された車両情報に基づいて補正してもよい。また、経路記録部104は、車両1のGPS位置情報に基づく車両1の絶対位置の変化から、教師走行中の車両1の位置を推定してもよい。
【0065】
本実施形態においては、自動走行用の走行経路および当該走行経路を走行する車両1の速度、操舵角、制動動作、および教師走行中に車両1の移動と共に撮影された複数の周辺画像から抽出された特徴点を時系列に対応付けた情報を、走行経路情報という。走行経路情報により車両1の走行経路が定義されるため、走行経路情報の収集の処理は、車両1の走行経路の記録処理である。経路記録部104は、走行経路情報を記憶部150に保存する。走行経路情報、あるいは当該走行経路情報が後述の補正部105により補正された補正経路情報は、後述の自動走行の際に、走行制御部111によって用いられる。なお、走行経路の記録手法、および走行経路情報の定義は当該例に限定されるものではない。
【0066】
また、経路記録部104は教師走行中に撮影された周辺画像から抽出された特徴点に基づいて車両1の周囲の環境を地図(マップ)情報として定義し、当該地図情報を記憶部150に記憶させる。なお、教師走行に基づく走行経路の記録処理を、学習処理と呼んでもよい。
【0067】
補正部105は、運転者による教師走行によって記録された車両1の走行経路を、取得部102によって取得された非接触給電装置の位置に関する情報に基づいて補正する。より詳細には、補正部105は、経路記録部104によって記録された教師走行における走行経路の駐車位置において、車両1の受電装置30が、非接触給電装置50と閾値より離れている場合に、駐車位置において車両1の受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値以下となるように、当該走行経路を補正する。本実施形態においては、補正後の走行経路を補正経路という。
【0068】
例えば、補正部105は、経路記録部104によって記録された走行経路の駐車位置における車両1の絶対位置と取得部102によって取得された非接触給電装置の絶対位置とに基づいて、駐車位置における車両1と非接触給電装置50の相対位置を求める。補正部105は、当該相対位置に基づいて、駐車位置における車両1と非接触給電装置50の距離を算出する。補正部105は、算出した距離が閾値より離れている場合に、車両1の受電装置30と非接触給電装置との距離が閾値以下となる補正量を求め、記録された走行経路に求められた補正量を反映した結果を、補正経路とする。経路の補正の手法は、特に限定されるものではない。
【0069】
なお、駐車位置における車両1と非接触給電装置50の距離の基準は、車両1の絶対位置と取得部102によって取得された非接触給電装置の絶対位置に限定されるものではない。
【0070】
車両1の受電装置30と非接触給電装置50の距離が最も短くなるのは、車両1の受電装置30が非接触給電装置50の上に位置する場合であり、当該位置が充電のために理想的な位置である。しかしながら、必ずしも当該理想的な位置でなくとも、受電装置30と非接触給電装置50の距離が規定の充電効率が維持される距離になる位置に車両1が駐車すればよい。本実施形態では、車両1の受電装置30と非接触給電装置50との間の距離が閾値以下である場合に、規定の充電効率が維持されるものとする。閾値の値は特に限定されるものではなく、受電装置30および非接触給電装置の装置特性に応じて異なる。
【0071】
ここで、図5図6を用いて、補正前後の走行経路について説明する。
【0072】
図5は、第1の実施形態に係る教師走行によって記憶された走行経路80の一例を示す図である。走行経路80は、教師走行の開始位置90から、駐車枠91内の駐車領域92まで、車両1が走行した経路である。
【0073】
駐車枠91は、駐車領域を定めた区画線であってもよいし、駐車領域92を定めた構造物であってもよい。駐車枠91は、例えば、ユーザの自宅または勤務先等の駐車場に設けられた駐車枠とするが、駐車枠91の設置場所はこれらに限定されない。また、駐車枠91が明示的に設けられていなくとも、車両1が駐車可能な大きさのスペースが存在すればよい。
【0074】
駐車領域92は、駐車枠91内で車両1が駐車可能な範囲である。
【0075】
また、図5に示すように、本実施形態の駐車領域92内には、非接触給電装置50が設けられる。
【0076】
非接触給電装置50は、非接触で電力を送電する送電コイルを備える。非接触給電装置50は、駐車枠91の地面上に、車両1の底部よりも低い高さとなるように設けられる。また、非接触給電装置50は、通信装置を備え、通信範囲内に位置する車両1の駐車支援装置100との間で無線通信を行う。非接触給電装置50は、例えば、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の公衆回線、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離通信等により、非接触充電装置との通信が可能である。なお、非接触充電装置50と車両1との通信形式はこれらに限定されるものではない。
【0077】
また、非接触給電装置50の表面には、非接触給電装置50であることを示すマーク51が付されていてもよい。なお、非接触給電装置50の形状およびマーク51の表示態様は図5に示す例に限定されるものではない。また、非接触給電装置50は、マーク51を有していなくともよい。
【0078】
車両1が駐車領域92に駐車した場合に、車両1の受電装置30と非接触給電装置50との距離が近いほど、非接触給電装置50から受電装置30への充電効率は高くなる。
【0079】
しかしながら、教師走行においては、運転者が手動で車両1を運転するため、車両1の受電装置30が駐車領域92に駐車した場合に、車両1の受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値よりも遠くなる場合がある。図5に示す例では、教師走行における車両1の走行経路では、車両1の駐車位置が充電に理想的な位置からずれているため、車両1の受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値よりも遠くなってしまっているものとする。
【0080】
図6は、第1の実施形態に係る補正経路81の一例を示す図である。図6に示す補正経路81では、図5に図示した走行経路80よりも、駐車位置における車両1の受電装置30と非接触給電装置50との距離が、近くなっている。このため、補正前の走行経路80で車両1が駐車する場合よりも、補正経路81で車両1が駐車する方が、非接触給電装置50から受電装置30への充電効率が向上する。
【0081】
本実施形態においては、補正部105は、教師走行の終了後に、経路記録部104によって記録された走行経路80を、非接触給電装置50の位置に関する情報に基づいて補正し、補正経路81を記憶部150に保存する。なお、補正部105が補正経路81を記憶部150に保存するのは、後述の選択画面において補正経路81がユーザに選択された場合とする。後述の選択画面において補正経路81がユーザに選択されなかった場合は、補正部105は補正経路81を記憶部150に保存しない。
【0082】
図4に戻り、画像生成部106は、経路記録部104により記録された走行経路80に基づいて、当該走行経路80を表す走行経路画像を生成する。また、画像生成部106は、補正部105により補正された補正経路81に基づいて、当該補正経路81を表す補正経路画像を生成する。
【0083】
走行経路画像は、例えば、走行経路80の開始位置90から終了位置までを、線で表す画像である。また、補正経路画像は、例えば、補正経路81の開始位置90から終了位置までを、線で表す画像である。走行経路画像および補正経路画像においては、例えば、車両1の車体12の中心の移動軌跡を基準として走行経路80を表す。また、走行経路画像および補正経路画像である線の先端は、車両1の進行方向を示す矢印形状とする。なお、走行経路画像の態様はこれらに限定されるものではない。
【0084】
また、画像生成部106は、駐車枠91、駐車領域92、および非接触給電装置50を描出した背景画像を生成する。画像生成部106は、例えば、車載カメラ16により車両の周囲が撮影された周辺画像に基づいて、背景画像を生成してもよい。背景画像は、例えば、走行経路80を含む範囲を上方視点で描出した俯瞰画像であるが、これに限定されるものではない。本実施形態においては、画像生成部106は、背景画像に走行経路画像を重畳した第1の俯瞰画像と、背景画像に補正経路画像を重畳した第2の俯瞰画像を生成する。
【0085】
なお、画像生成部106は、1つの俯瞰画像に走行経路画像と補正経路画像の両方を含めてもよい。この場合、走行経路画像と補正経路画像とをユーザが区別可能なように、走行経路画像と補正経路画像の色等の表示態様はそれぞれ異なるものとする。
【0086】
表示制御部107は、教師走行により記録された走行経路80を非接触給電装置50の位置に関する情報に基づいて補正するか否かをユーザが選択可能な選択画面を表示装置120に表示させる。
【0087】
音声出力部108は、車両1に設けられたスピーカに音または音声を出力させる。
【0088】
また、登録処理部109は、走行経路80および補正経路81のうち、ユーザによって選択された経路を、記憶部150に保存する。本実施形態においては、走行経路80または補正経路81を記憶部150に保存することを、走行経路80または補正経路81を登録する、という。
【0089】
図7は、第1の実施形態に係る表示装置120に表示された選択画面20の一例を示す図である。図7に示す例では、表示装置120はタッチパネルとして機能しているものとする。このため、選択画面20上でユーザが行う操作は、受付部101により受け付けられる。
【0090】
選択画面20は、例えば、図7に示すように、第1の俯瞰画像121と、第2の俯瞰画像122と、ユーザに操作を促すメッセージM1と、登録ボタン70と、キャンセルボタン71とを含む。
【0091】
第1の俯瞰画像121は、教師走行の走行経路80を示す走行経路画像800が背景画像に重畳された画像である。また、第2の俯瞰画像122は、補正経路81を示す補正経路画像810が背景画像に重畳された画像である。図7に示す例では、第1の俯瞰画像121および第2の俯瞰画像122は、駐車枠91を表す駐車枠画像910と、駐車領域92を表す駐車領域画像920と、非接触給電装置50を示す非接触給電装置画像500とを含む。非接触給電装置画像500内には、マーク51を表すマーク画像510が表示されてもよい。また、図7に示す例では、第1の俯瞰画像121および第2の俯瞰画像122は、さらに、車両1を示す車両画像1000を含む。車両画像1000は、例えば、走行経路80および補正経路81の開始位置90に相当する位置に表示される。また、車両画像1000内には、受電装置30を表す受電装置画像300が表示される。
【0092】
また、ユーザが理解しやすいように、表示制御部107は、第1の俯瞰画像121上に「あなたの走行経路」、第2の俯瞰画像122上に「充電に適した経路」等の説明を記載してもよい。
【0093】
メッセージM1は、走行経路80と補正経路81のいずれかを登録対象として選択する操作をユーザに促す内容とする。図7では、メッセージM1は、一例として「登録する経路を選択し、『登録』ボタンを押してください。」とするが、当該内容に限定されるものではない。また、メッセージM1は、音声出力部108により音声で出力されてもよい。
【0094】
また、登録ボタン70およびキャンセルボタン71は、ユーザが操作を入力可能な画像ボタンである。登録ボタン70は、走行経路80と補正経路81のいずれかを選択した上で登録対象として決定するユーザの操作が入力可能である。図7に示す例では、第1の俯瞰画像121および第2の俯瞰画像122が画像ボタンとして機能し、ユーザが第1の俯瞰画像121または第2の俯瞰画像122を押下した場合、受付部101は、押下された方の俯瞰画像に対応する経路に対する選択の操作を受け付ける。
【0095】
例えば、ユーザが第1の俯瞰画像121を押下した上で、登録ボタン70を押下した場合、受付部101は、ユーザによる走行経路80を登録対象として決定するユーザの操作を受け付ける。この場合、登録処理部109は、走行経路80を記憶部150に保存する。また、ユーザが第2の俯瞰画像122を押下した上で、登録ボタン70を押下した場合、受付部101は、ユーザによる補正経路81を登録対象として決定するユーザの操作を受け付ける。この場合、登録処理部109は、補正経路81を記憶部150に保存する。
【0096】
また、キャンセルボタン71は、ユーザによる教師走行に基づく走行経路80および補正経路81の登録処理のキャンセルの操作を入力可能な画像ボタンである。ユーザがキャンセルボタン71を押下した場合、受付部101は、ユーザによるキャンセル操作を受け付ける。この場合、登録処理部109は、走行経路80および補正経路81のいずれも保存しない。
【0097】
なお、図7に示す選択画面20の表示態様は一例であり、これに限定されるものではない。また、ユーザによる教師走行の走行経路80の登録の操作、補正経路81の登録の操作、およびキャンセル操作は、タッチパネル上の画像ボタンではなく、操作ボタン141等の物理ボタンから入力されてもよい。また、
【0098】
また、駐車支援装置100は、選択画面20の表示ではなく、音声による案内でユーザによる教師走行の走行経路80の登録の操作、補正経路81の登録の操作、およびキャンセル操作を促してもよい。例えば、音声出力部108は、走行経路80と補正経路81のいずれを選択するか、あるいはキャンセルをするかをユーザに問いかける音声を出力してもよい。この場合、受付部101は、ユーザの音声による走行経路80の登録の操作、補正経路81の登録の操作、およびキャンセル操作を受け付ける。
【0099】
図4に戻り、推定部110は、車両1が後述の走行制御部111により走行経路80または補正経路81に基づく自動走行をする際に、周辺画像に基づいて、車両1の位置および向きを推定する。
【0100】
例えば、推定部110は、教師走行の際に車載カメラ16により撮影された周辺画像の特徴点と、現在の周辺画像の特徴点とを比較することにより、車両1の位置を推定する。なお、推定部110による車両1の位置および向きの推定の手法は当該例に限定されるものではない。また、推定部110は、推定した車両1の位置を、車両1のGPS位置情報に基づく車両1の絶対位置に基づいて補正してもよい。
【0101】
走行制御部111は、走行経路80または補正経路81に基づく自動運転により、駐車枠91内の駐車領域92に車両1を移動させる。例えば、ユーザにより補正経路81が登録対象として選択された場合、走行制御部111は、駐車支援の実行の際に、補正経路81に基づいて車両1の自動走行を実行する。走行制御部111は、車両1の操舵、制動、および加減速を制御することにより、登録された走行経路80または補正経路81に沿って車両1を自動走行させる。このような走行制御の手法は、走行経路80または補正経路81を再生する、ともいう。
【0102】
また、走行制御部111は、自動走行中に、取得部102によって取得された車両1の車両情報、および環境情報に基づいて、車両1に教師走行とは異なる動作をさせてもよい。環境情報は、上述のように、車両1の周囲の有無、および車両1の周囲の障害物と車両1との距離を含む。例えば、自動運転中に他の車両等の障害物が接近した場合には、走行制御部111は、車両1を停止させる等の制御を実行する。
【0103】
なお、走行制御部111による自動走行中は、運転者が車両1の運転席130aに着座していてもよいし、車両1から降車していてもよい。
【0104】
また、走行制御部111は、自動走行中に車両1が走行経路80または補正経路81から外れた場合に、フィードバック制御により、車両1を走行経路80または補正経路81に戻すように移動させてもよい。例えば、走行制御部111は、推定部110により推定された車両1の位置と走行経路80または補正経路81との差異を特定し、当該差異を小さくするように車両1を走行させる。
【0105】
また、図4では駐車支援装置100が走行制御部111を備えるものとして図示しているが、走行制御部111は、駐車支援装置100とは異なる他のECUによって実現されてもよい。
【0106】
次に、以上のように構成された本実施形態の駐車支援装置100で実行される走行経路80の補正処理の流れについて説明する。本実施形態においては、走行経路80の補正は、教師走行による走行経路80の記録の後に行われる。
【0107】
図8は、第1の実施形態に係る駐車支援装置100で実行される走行経路80の記録および補正の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0108】
まず、受付部101は、ユーザによる教師走行の開始操作を受け付けたか否かを判定する(S101)。ユーザによる教師走行の開始操作を受け付けていない場合(S101“No”)、受付部101は、S101の処理を繰り返して待機する。
【0109】
受付部101がユーザによる教師走行の開始操作を受け付けた場合(S101“Yes”)、教師走行の記録の処理が開始する。また、運転者は、教師走行の開始操作をした後、車両1を手動で走行させて、駐車領域92へ移動させる。
【0110】
そして、運転者による教師走行中、取得部102は、GPS装置11lからGPS位置情報を取得する。また、取得部102は、複数の車載カメラ16a~16cから周辺画像を取得する。また、取得部102は、車両1の各種センサまたは他のECUから、車両1の速度、操舵角、制動動作を取得する。また、取得部102は、送受波部15から、車両1と周囲の障害物との間の距離の測距結果を取得する(S102)。
【0111】
そして、抽出部103は、取得された複数の周辺画像から特徴点を抽出する(S103)。
【0112】
そして、経路記録部104は、複数の周辺画像から抽出された特徴点の変化、速度、操舵角、制動動作、測距結果、およびGPS位置情報に基づいて、教師走行中の車両1の位置を推定し、当該位置の時系列の変化を、走行経路80として記録する(S104)。
【0113】
また、取得部102は、教師走行中に、非接触給電装置50の位置に関する情報を取得する。本実施形態においては、取得部102は、教師走行中に、非接触給電装置50の絶対位置情報を取得する(S105)。
【0114】
そして、受付部101は、教師走行の終了操作を受け付けたか否を判定する(S106)。ユーザによる教師走行の終了操作を受け付けていない場合(S106“No”)、受付部101は、S102~S106の処理を繰り返す。
【0115】
受付部101がユーザによる教師走行の終了操作を受け付けた場合(S106“Yes”)、補正部105は、教師走行の駐車位置における受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値以下であるか否かを判定する(S107)。
【0116】
教師走行の駐車位置における受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値より遠い場合(S107“No”)、補正部105は、駐車位置において車両1の受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値以下となるように走行経路80を補正することにより、補正経路81を生成する(S108)。
【0117】
そして、画像生成部106は、走行経路画像800、補正経路画像810、第1の俯瞰画像121、および第2の俯瞰画像122を生成する(S109)。
【0118】
そして、表示制御部107は、選択画面20を表示装置120に表示させる(S110)。
【0119】
そして、受付部101が、選択画面20においてユーザによる補正経路81の登録の操作を受け付けた場合(S111“補正経路の登録の操作”)、登録処理部109は、補正経路81を登録する(S112)。
【0120】
また、受付部101が、選択画面20においてユーザによる教師走行の走行経路80の登録の操作を受け付けた場合(S111“教師走行の走行経路の登録の操作”)、登録処理部109は、教師走行の走行経路80を登録する(S113)。例えば、ユーザが敢えて非接触給電装置50から離れた位置に車両1を駐車させる走行経路を車両1に学習させることを意図していた場合、ユーザは、教師走行の走行経路80の登録の操作をする。一例として、ユーザは、充電効率よりも、降車または乗車の際の利便性のよい位置に車両1を駐車させることを優先して教師走行を行う場合がある。
【0121】
また、受付部101が、選択画面20においてユーザによるキャンセル操作を受け付けた場合(S111“キャンセル操作”)、登録処理部109は、走行経路80および補正経路81のいずれも登録しない。例えば、ユーザが教師走行のやり直しを希望する場合、キャンセル操作をする場合がある。この場合、ユーザは、キャンセル操作によってこのフローチャートの処理の終了後、再度、手動運転によって開始位置90まで車両1を移動させてから、教師走行の開始操作を行ってもよい。ユーザが教師走行の開始操作を行うとS101から処理が再度実行される。
【0122】
また、教師走行の駐車位置における受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値以下の場合(S107“Yes”)、補正部105は、走行経路80を補正しない。この場合、画像生成部106は、走行経路画像800および第1の俯瞰画像121を生成する(S114)。
【0123】
そして、表示制御部107は、第1の俯瞰画像121を表示装置120に表示させる(S115)。第1の俯瞰画像121を表示する画面は、確認画面という。確認画面は、例えば、選択画面20と同様に登録ボタン70およびキャンセルボタン71を含む。当該確認画面では、ユーザによる走行経路80の登録の操作、または教師走行のキャンセル操作を受け付け可能である。受付部101が確認画面において教師走行の走行経路80の登録の操作を受け付けた場合(S116“教師走行の走行経路の登録の操作”)、登録処理部109は、教師走行の走行経路80を登録する(S113)。
【0124】
また、受付部101が、登録画面においてユーザによるキャンセル操作を受け付けた場合(S116“キャンセル操作”)、登録処理部109は、走行経路80を登録しない。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
【0125】
このように、本実施形態の駐車支援装置100では、非接触給電装置50の位置に関する情報を取得し、取得した非接触給電装置50の位置に関する情報に基づいて、教師走行によって記録された車両1の走行経路80を補正する。このため、本実施形態の駐車支援装置100によれば、車両1が充電に理想的な位置に駐車するように運転者が教師走行を何度も試行錯誤しなくとも、非接触給電装置50の位置に応じた駐車位置に車両1が駐車する補正経路81を生成できる。このような構成により、本実施形態の駐車支援装置100によれば、ホームゾーンパーキングによる車両1の駐車位置と、非接触給電装置50の設置位置との位置合わせを容易にすることができる。
【0126】
比較例として、非接触充電機能を備える車両が教師走行を使用せずに駐車の際に駐車経路を生成する技術では、駐車支援の度に、毎回、車両の受電装置と駐車場に設置された非接触給電装置との位置が合うように経路生成を行うため、多数のセンサの使用が必要となり、システムの複雑化しやすい。また、ホームゾーンパーキングの技術を用いる場合、非接触給電装置の位置に応じた補正を行わないと、車両が充電に理想的な位置に駐車するまで、運転者が教師走行を何度も実行する必要が生じる可能性がある。これに対して、本実施形態の駐車支援装置100では、上述のように、車両1が充電に理想的な位置に駐車するように運転者が教師走行を何度も試行錯誤しなくとも、非接触給電装置50の位置に応じた駐車位置に車両1が駐車する補正経路81を生成できる。
【0127】
また、本実施形態の駐車支援装置100では、非接触給電装置50から、非接触給電装置50の絶対位置を表す絶対位置情報を受信する。このため、本実施形態の駐車支援装置100によれば、当該絶対位置情報と車両1の受電装置30との位置が合うように、走行経路80を容易に補正することができる。
【0128】
また、本実施形態の駐車支援装置100では、教師走行における走行経路80の駐車位置において、車両1の受電装置30が、非接触給電装置50と閾値より離れている場合に、駐車位置において車両1の受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値以下となるように、当該走行経路80を補正する。このため、本実施形態の駐車支援装置100によれば、規定の充電効率が維持される位置に車両1を駐車させることができる。
【0129】
また、本実施形態の駐車支援装置100では、走行経路80を非接触給電装置50の位置に関する情報に基づいて補正するか否かをユーザが選択可能な選択画面20を表示装置120に表示させる。このため、本実施形態の駐車支援装置100によれば、ユーザが意図的に非接触給電装置50から離れた位置に駐車した場合等に、ユーザの意図に反した補正をすることを回避することができる。
【0130】
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、駐車支援装置100は、教師走行後に走行経路80を補正し、補正後の走行経路80を登録していた。この第2の実施形態では、駐車支援装置100は、駐車支援の際に、走行経路80を補正する。
【0131】
本実施形態の車両1は、図1、2で説明した第1の実施形態と同様の構成を備える。また、本実施形態の駐車支援装置100のハードウェア構成は、図3で説明した第1の実施形態と同様である。
【0132】
本実施形態の駐車支援装置100は、第1の実施形態と同様に、受付部101、取得部102、抽出部103、経路記録部104、補正部105、画像生成部106、表示制御部107、音声出力部108、登録処理部109、推定部110、走行制御部111、および記憶部150を備える。受付部101、抽出部103、経路記録部104、画像生成部106、音声出力部108、登録処理部109、推定部110、走行制御部111、および記憶部150は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0133】
本実施形態では、教師走行で記録された走行経路80が補正されずに、経路記録部104により記憶部150に保存されるものとする。
【0134】
本実施形態の取得部102は、第1の実施形態と同様の機能を備えた上で、走行制御部111による車両1の自動走行の開始前に、非接触給電装置50から、非接触給電装置50の位置に関する情報を取得する。
【0135】
本実施形態の補正部105は、第1の実施形態と同様の機能を備えた上で、車両1の自動走行の開始前に、記憶部150に保存された走行経路80を、非接触給電装置50の位置に関する情報に基づいて補正する。
【0136】
本実施形態の表示制御部107は、第1の実施形態と同様の機能を備えた上で、車両1の自動走行の開始前に、教師走行により記録された走行経路80を非接触給電装置50の位置に関する情報に基づいて補正するか否かをユーザが選択可能な選択画面を表示装置120に表示させる。
【0137】
図9は、第2の実施形態に係る表示装置120に表示された選択画面21の一例を示す図である。選択画面21は、例えば、図9に示すように、第1の俯瞰画像1211と、第2の俯瞰画像122と、ユーザに操作を促すメッセージM2と、実行ボタン72と、キャンセルボタン711とを含む。
【0138】
本実施形態の第1の俯瞰画像1211は、第1の実施形態と同様に、教師走行の走行経路80を示す走行経路画像800が背景画像に重畳された画像である。第2の俯瞰画像122は、第1の実施形態と同様に、補正経路81を示す補正経路画像810が背景画像に重畳された画像である。また、ユーザが理解しやすいように、表示制御部107は、第1の俯瞰画像1211上に「登録済みの経路」、第2の俯瞰画像122上に「充電に適した経路」等の説明を記載してもよい。
【0139】
メッセージM2は、走行経路80と補正経路81のいずれに従って車両1を自動走行させるかを選択する操作をユーザに促す内容とする。図9では、メッセージM2は、一例として「登録済みの経路よりも充電に適した経路があります。駐車に使用する経路を選択し、『実行』ボタンを押してください。」とするが、当該内容に限定されるものではない。また、メッセージM2は、音声出力部108により音声で出力されてもよい。
【0140】
また、実行ボタン72およびキャンセルボタン711は、ユーザが操作を入力可能な画像ボタンである。
【0141】
実行ボタン72は、走行経路80と補正経路81のいずれかを選択した上で実行対象として決定するユーザの操作が入力可能である。図9に示す例では、第1の俯瞰画像1211および第2の俯瞰画像122が画像ボタンとして機能し、ユーザが第1の俯瞰画像1211または第2の俯瞰画像122を押下した場合、受付部101は、押下された方の俯瞰画像に対応する経路に対する選択の操作を受け付ける。
【0142】
また、当該選択画面21において、キャンセルボタン711は、駐車支援のための経路の選択をキャンセルするユーザの操作を入力可能な画像ボタンである。例えば、ユーザがホームゾーンパーキングを使用することを中止して手動運転により駐車する場合、ユーザによりキャンセルボタン711が押下される。
【0143】
なお、図7で説明した第1の実施形態の選択画面20と、図9に示す第2の実施形態の選択画面21とを区別する場合、第1の実施形態の選択画面20を第1の選択画面20、第2の実施形態の選択画面21を第2の選択画面21と称してもよい。
【0144】
次に、以上のように構成された本実施形態の駐車支援装置100で実行される走行経路80の補正処理の流れについて説明する。本実施形態においては、走行経路80の補正は、駐車支援の実行の際に行われる。
【0145】
図10は、第2の実施形態に係る駐車支援装置100で実行される走行経路80の補正およびの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0146】
まず、受付部101は、ユーザによる駐車支援の開始操作を受け付けたか否かを判定する(S201)。ユーザによる駐車支援の開始操作を受け付けていない場合(S201“No”)、受付部101は、S201の処理を繰り返して待機する。
【0147】
受付部101がユーザによる駐車支援の開始操作を受け付けた場合(S201“Yes”)、取得部102は、車両1の絶対位置、周辺画像、速度、操舵角、制動動作、および測距結果を取得する(S202)。
【0148】
そして、抽出部103は、取得された複数の周辺画像から特徴点を抽出する(S203)。
【0149】
推定部110は、抽出された特徴点と、教師走行の際に車載カメラ16により撮影された周辺画像の特徴点とを比較することにより、車両1の位置を推定する自己位置推定処理を実行する(S204)。また、推定部110は、送受波部15から取得された測距結果、またはGPS装置11lから取得されたGPS位置情報等に基づいて、自己位置推定処理を実行してもよい。
【0150】
推定部110は、自己位置推定の結果に基づいて、車両1から規定の距離内に走行経路80の開始位置90があるか否かを判定する(S205)。車両1から規定の距離内に走行経路80の開始位置90がない場合(S205“No”)、S202の処理に戻る。規定の距離は、走行制御部111が車両1を自動走行させて走行経路80に合流させることが可能な距離である。例えば、車両1の現在位置が開始位置90からあまりに離れていると、走行制御部111が走行経路80に基づく自動走行を実行することが困難となる。規定の距離の具体的な値は特に限定されるものではない。なお、車両1から規定の距離内に走行経路80の開始位置90がない場合、表示制御部107は、車両1から規定の距離内に走行経路80の開始位置90がないことを通知する画面を表示装置120に表示させることにより、運転者に対して車両1の移動を促してもよい。また、この際、表示制御部107は、開始位置90を表す画像を、表示装置120に表示させることにより、ユーザに移動先を指示してもよい。
【0151】
また、車両1から規定の距離内に走行経路80の開始位置90がある場合(S205“Yes”)、取得部102は、非接触給電装置50の位置に関する情報を取得する。本実施形態においては、取得部102は、非接触給電装置50の絶対位置情報を取得する(S206)。
【0152】
そして、補正部105は、登録済みの走行経路80の駐車位置における受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値以下であるか否かを判定する(S207)。
【0153】
登録済みの走行経路80の駐車位置における受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値より遠い場合(S207“No”)、補正部105は、駐車位置において車両1の受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値以下となるように走行経路80を補正することにより、補正経路81を生成する(S208)。
【0154】
そして、画像生成部106は、走行経路画像800、補正経路画像810、第1の俯瞰画像1211、および第2の俯瞰画像122を生成する(S209)。
【0155】
そして、表示制御部107は、選択画面21を表示装置120に表示させる(S210)。
【0156】
そして、受付部101が、選択画面21においてユーザによる補正経路81の選択の操作を受け付けた場合(S211“補正経路の選択の操作”)、走行制御部111は、補正経路81に基づく駐車支援を実行する(S212)。具体的には、走行制御部111は、補正経路81に沿って車両1を駐車領域92まで自動走行させる。
【0157】
また、受付部101が、選択画面21においてユーザによる走行経路80の選択の操作を受け付けた場合(S211“登録済みの走行経路の選択の操作”)、走行制御部111は、記憶部150に記憶された登録済みの走行経路80に基づく駐車支援を実行する(S213)。
【0158】
また、受付部101が、選択画面21においてユーザによる駐車支援のキャンセルの操作を受け付けた場合(S211“キャンセル操作”)、走行制御部111は、駐車支援を実行せずに、このフローチャートの処理を終了する。
【0159】
また、登録済みの走行経路80の駐車位置における受電装置30と非接触給電装置50との距離が閾値以下の場合(S207“Yes”)、補正部105は、登録済みの走行経路80を補正しない。この場合、S213の処理に進み、走行制御部111は、記憶部150に記憶された登録済みの走行経路80に基づく駐車支援を実行する。
【0160】
このように、本実施形態の駐車支援装置100では、車両1の自動走行の開始前に、非接触給電装置50の位置に関する情報を取得し、記憶部150に保存された走行経路80を、非接触給電装置50の位置に関する情報に基づいて補正する。このため、本実施形態の駐車支援装置100によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏した上で、自動走行の開始の際に、車両1と非接触給電装置50の位置関係に応じて、登録済みの走行経路80を補正することができる。
【0161】
なお、本実施形態の駐車支援装置100においては、教師走行の際は走行経路80の補正をせずに登録するものとしたが、教師走行の際と、駐車支援の実行の際の両方に、補正処理を実行してもよい。あるいは、教師走行の後に表示制御部107により表示された選択画面20でユーザが教師走行の走行経路80の登録の操作をした場合に、車両1の自動走行の開始前に表示制御部107が選択画面21を表示させることにより、ユーザに再度補正の意思確認をしてもよい。
【0162】
(変形例1)
上述の第1、第2の実施形態では、駐車支援装置100の経路記録部104が教師走行に基づく走行経路80を記録していた。しかしながら、走行経路80を得る方法は、これに限定されない。
【0163】
例えば、駐車支援装置100の取得部102は、他の車両から、当該他の車両において記録された走行経路80を取得してもよい。他の車両との通信は、インターネット等のネットワークを介して行う構成とすればよい。また、駐車支援装置100が搭載された車両1と他の車両との間にサーバを介して通信してもよく、有線通信を利用してもよいし、無線通信を利用する構成としてもよい。また、駐車支援装置100の取得部102は、フラッシュメモリ等の記憶装置から、他の車両において記録された走行経路80を取得してもよい。
【0164】
より詳細には、取得部102は、走行経路80の記録のための教師走行が実行された他の車両の、教師走行中の移動と共に撮影された複数の周辺画像から抽出された特徴点を時系列に対応付けた走行経路情報を取得する。また、取得部102は、他の車両の車長、車高及び車幅等の車両サイズ情報、他の車両のメーカ及びモデルを含む車種情報、および、他の車両の最小旋回半径を含む車両性能を示す性能情報を取得してもよい。
【0165】
本変形例の補正部105は、取得部102によって取得された非接触給電装置50の位置に関する情報に基づいて、他の車両における運転者による教師走行によって記録された走行経路80を補正してもよい。あるいは、教師走行を実行した他の車両において、当該他の車両の駐車支援装置の補正部が、非接触給電装置50の位置に関する情報に基づいて走行経路80を補正してもよい。
【0166】
また、駐車支援装置100は、車両1における教師走行で記録した走行経路80、または補正経路81を、他の車両に送信する送信部を備えてもよい。
【0167】
例えば、営業車のように同型の複数の車両が駐車場を共用する場合、いずれか1台の車両で運転者が教師走行を実行し、その後、他の車両に当該教師走行で記録された走行経路80、または補正経路81を提供することにより、教師走行の実行回数を低減させることができる。
【0168】
(変形例2)
上述の第1、第2の実施形態では、非接触給電装置50の絶対位置を表す絶対位置情報を、非接触給電装置50の位置に関する情報の一例としたが、非接触給電装置50の位置に関する情報はこれに限定されるものではない。
【0169】
例えば、駐車支援装置100の取得部102は、車載カメラ16から車両1の周囲を撮影した周辺画像を取得し、当該周辺画像から、車両1から非接触給電装置50までの距離および方向を、非接触給電装置50の位置に関する情報として取得してもよい。また、この場合、取得部102は、非接触給電装置50に付されたマーク51を画像処理により認識することにより、非接触給電装置50の位置を推定してもよい。本変形例によれば、駐車支援装置100は、非接触給電装置50の緯度経度等の絶対位置を取得しなくとも、車両1と非接触給電装置50との位置関係が特定可能であるため、非接触給電装置50の位置に応じた走行経路80の補正が可能となる。
【0170】
(変形例3)
あるいは、駐車支援装置100の取得部102は、抽出部103によって抽出された車両1の周囲の特徴点と非接触給電装置50との相対的な位置関係を、非接触給電装置50の位置に関する情報として取得してもよい。この場合、取得部102は、駐車枠91の周囲のおける車両1の周囲の環境を示す地図上の非接触給電装置50の位置を取得する。本変形例においても、変形例2と同様に、非接触給電装置50の緯度経度等の絶対位置を取得しなくとも、車両1と非接触給電装置50との位置関係が特定可能であるため、非接触給電装置50の位置に応じた走行経路80の補正が可能となる。
【0171】
(変形例4)
また、駐車支援装置100の取得部102は、非接触給電装置50から送信された信号の信号強度により、車両1と非接触給電装置50との距離を取得してもよい。当該信号は、例えばWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の規格に準ずる信号とするが、これらに限定されるものではない。本変形例においては、非接触給電装置50から送信された信号の信号強度が、非接触給電装置50の位置に関する情報の一例となる。
【0172】
この場合、駐車支援装置100の取得部102は、例えば、教師走行中に複数回信号を取得する。取得部102は、各信号の信号強度に基づく車両1と非接触給電装置50との距離を複数回取得することにより、車両1と非接触給電装置50との相対的な位置関係を取得する。
【0173】
なお、第1、第2の実施形態、および変形例2~4のうちの2以上を組み合わせてもよい。つまり、駐車支援装置100の取得部102は、非接触給電装置50の位置に関する情報として複数の情報を取得してもよい。
【0174】
(変形例5)
また、上述の第1、第2の実施形態では、駐車支援装置100の取得部102は、非接触給電装置50から非接触給電装置50の位置に関する情報を取得するとしたが、非接触給電装置50の位置に関する情報の送信元は非接触給電装置50に限定されない。
【0175】
例えば、駐車枠91の周囲に設けられた発信装置が、非接触給電装置50の位置に関する情報を発信してもよい。この場合、駐車支援装置100の取得部102は、当該発信装置から、非接触給電装置50から非接触給電装置50の位置に関する情報を取得する。
【0176】
(変形例6)
上述の第1、第2の実施形態では、車両1に備えられた表示装置120を表示部の一例としたが、表示装置120はこれに限定されるものではない。例えば、不図示のタブレット端末またはスマートフォンのディスプレイが、表示部として用いられてもよい。あるいは、車両1のフロントガラス180またはフロントガラス180近傍の透明なプレートに投影されるヘッドアップディスプレイが、表示部として用いられてもよい。
【0177】
また、操作部についても、表示装置120または操作ボタン141に限定されるものではない。例えば、不図示のタブレット端末、スマートフォン、リモートコントローラ、または電子キー等の、車両1の外部から車両1に対して信号を送信可能な操作端末を、操作部の一例としても良い。なお、タブレット端末等と車両1の駐車支援装置100とが直接的に接続せず、サーバ装置またはクラウド環境を介してデータおよび制御信号を送受信してもよい。
【0178】
(変形例7)
また、上述の第1、第2の実施形態における駐車支援装置100の機能の一部が、車両1の外部に設けられた情報処理装置によって実行されてもよい。車両1の外部に設けられた情報処理装置とは、例えば、スマートフォン等のモバイル端末、PC、サーバ装置等である。なお、情報処理装置は、クラウド環境上に設けられてもよい。また、上述の第1、第2の実施形態における駐車支援装置100の機能が、複数の車載装置に分かれて実装されてもよい。
【0179】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0180】
1 車両
15,15f,15r 送受波部
16,16a~16c 車載カメラ
20 選択画面
21 選択画面
30 受電装置
31 バッテリ
50 非接触給電装置
51 マーク
70 登録ボタン
71,711 キャンセルボタン
72 実行ボタン
80 走行経路
81 補正経路
90 開始位置
91 駐車枠
92 駐車領域
100 駐車支援装置
101 受付部
102 取得部
103 抽出部
104 経路記録部
105 補正部
106 画像生成部
107 表示制御部
108 音声出力部
109 登録処理部
110 推定部
111 走行制御部
120 表示装置
121,1211 第1の俯瞰画像
122 第2の俯瞰画像
130a 運転席
130b 助手席
140 ステアリングホイール
141 操作ボタン
150 記憶部
M1,M2 メッセージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10