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特許7478513制御方法、サーバ、車載装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】制御方法、サーバ、車載装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20240425BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240425BHJP
   B60L 50/40 20190101ALI20240425BHJP
   B60L 50/50 20190101ALI20240425BHJP
   B60L 53/00 20190101ALI20240425BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20240425BHJP
   B60L 58/00 20190101ALI20240425BHJP
   G01R 31/367 20190101ALI20240425BHJP
   G01R 31/392 20190101ALI20240425BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20240425BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H01M10/48 P
B60L3/00 S
B60L50/40
B60L50/50
B60L53/00
B60L55/00
B60L58/00
G01R31/367
G01R31/392
G06Q10/00
H01M10/42 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019039734
(22)【出願日】2019-03-05
(65)【公開番号】P2019192630
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-09-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】62/663,407
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】添田 純一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 康介
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】稲葉 崇
【審判官】猪瀬 隆広
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-84199(JP,A)
【文献】特開2014-120821(JP,A)
【文献】特開2014-82923(JP,A)
【文献】特開2013-172476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-3//12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
G01R 31/36-31/44
G06Q 10/00-10/10
G06Q 30/00-30/08
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-99/00
G16Z 99/00
H01M 10/42-10/48
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの情報を取得する取得ステップと、
取得した前記情報に基づいてSOH(States Of Health)を算出し、算出した前記SOHから、前記バッテリの現在の劣化状態を指標化した前記バッテリの現在の残存価値を算出する現在算出ステップと、
学習済みの第1モデルを用いて、ユーザが前記バッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合における前記バッテリの劣化状態を指標化した残存価値である第1残存価値を算出する第1残存価値算出ステップと、
学習済みの第2モデルを用いて、前記バッテリの劣化を最小にするよう前記バッテリを最適に利用した場合における前記バッテリの残存価値である第2残存価値を算出する第2残存価値算出ステップと、
算出した前記現在の残存価値と前記第1残存価値と前記第2残存価値とに基づいて算出した評価値に従って、トークンを前記ユーザに対して発行するトークン発行ステップと、
を含み、
前記現在の残存価値と前記第1残存価値とは、ブロックチェーンに記録される、
制御方法。
【請求項2】
前記第1モデルは、複数の他のユーザにおけるバッテリ利用傾向に基づき、当該バッテリの劣化がどのように進むかを学習させることで得られ、前記第1残存価値を算出するのに用いられる、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記現在の残存価値と前記第1残存価値とは、ブロックチェーンに記録される、
請求項1または2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記トークンは、マイクロペイメント技術を用いて発行される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項5】
さらに、
前記第2残存価値と前記現在の残存価値との差分を算出し、前記差分に基づいて前記バッテリのユーザに対して、前記バッテリの利用に関する行動を促すアシスト表示を行う表示ステップを、含む、
請求項1~のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記第2モデルは、残量及び温度を含むバッテリの状態と、当該バッテリの駆動時又は充電時におけるSOH(States Of Health)の劣化状態との関係を学習させることで得られ、前記第2残存価値を算出するのに用いられる、
請求項に記載の制御方法。
【請求項7】
前記表示ステップでは、取得した前記情報から得た前記バッテリの劣化状態に基づき、前記劣化を最小にする前記バッテリの残量を導出し、取得した前記情報から得た前記バッテリの現在の残量と、前記ユーザの前記バッテリについての利用実態とから、前記行動として、導出した前記残量となる前記バッテリのタイミングであって充電すべきタイミングを示すアシスト表示を行う、
請求項またはに記載の制御方法。
【請求項8】
前記表示ステップでは、取得した前記情報から得た前記バッテリの劣化状態に基づき、前記劣化を最小にする前記バッテリの電流量を導出し、取得した前記情報から得た前記バッテリの現在の電流量と、前記ユーザの前記バッテリについての利用実態とから、前記行動として、導出した前記電流量と、前記現在の電流量との差を示す表示を行う、
請求項またはに記載の制御方法。
【請求項9】
前記表示ステップでは、取得した前記情報から得た前記バッテリの劣化状態に基づき、前記劣化を最小にする前記バッテリの温度環境を導出し、前記行動として、導出した前記温度環境で充電が可能な地点を地図に示す表示を行う、
請求項またはに記載の制御方法。
【請求項10】
前記トークン発行ステップでは、さらに、
算出した前記現在の残存価値が、前記第2残存価値を超えている場合、前記トークンとは別の、追加トークンを前記ユーザに対して発行する、
請求項のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項11】
バッテリの情報に基づいてSOHが算出され、算出された前記SOHから、算出された、前記バッテリの現在の劣化状態を指標化した前記バッテリの現在の残存価値と、学習済みの第1モデルを用いて算出された、ユーザが前記バッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合における前記バッテリの劣化状態を指標化した残存価値である第1残存価値と、学習済みの第2モデルを用いて算出された、前記バッテリの劣化を最小にするよう前記バッテリを最適に利用した場合における前記バッテリの残存価値である第2残存価値とに基づいて評価値を算出する評価部と、
前記評価部が算出した前記評価値に従って、トークンを前記ユーザに対して発行するトークン発行部を備え、
前記現在の残存価値と前記第1残存価値とは、ブロックチェーンに記録される、
サーバ。
【請求項12】
サーバとネットワークを介して接続可能な車載装置であって、
バッテリの情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記情報に基づいてSOHを算出し、算出した前記SOHから、前記バッテリの現在の劣化状態を指標化した前記バッテリの現在の残存価値を算出する現在残存価値算出部と、
学習済みの第1モデルを用いて、ユーザが前記バッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合における前記バッテリの劣化状態を指標化した残存価値である第1残存価値を算出する第1残存価値算出部と、
学習済みの第2モデルを用いて、前記バッテリの劣化を最小にするよう前記バッテリを最適に利用した場合における前記バッテリの残存価値である第2残存価値を算出する第2残存価値算出とを備え、
算出した前記現在の残存価値と前記第1残存価値と前記第2残存価値とに基づいて算出された評価値に従って、前記サーバによりトークンが前記ユーザに対して発行され、
前記現在の残存価値と前記第1残存価値とは、ブロックチェーンに記録される、
車載装置。
【請求項13】
バッテリの情報を取得する取得ステップと、
取得した前記情報に基づいてSOHを算出し、算出した前記SOHから、前記バッテリの現在の劣化状態を指標化した前記バッテリの現在の残存価値を算出する現在算出ステップと、
学習済みの第1モデルを用いて、ユーザが前記バッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合における前記バッテリの劣化状態を指標化した残存価値である第1残存価値を算出する第1残存価値算出ステップと、
学習済みの第2モデルを用いて、前記バッテリの劣化を最小にするよう前記バッテリを最適に利用した場合における前記バッテリの残存価値である第2残存価値を算出する第2残存価値算出ステップと、
算出した前記現在の残存価値と前記第1残存価値と前記第2残存価値とに基づいて算出した評価値に従って、トークンを前記ユーザに対して発行するトークン発行ステップと、を、
コンピュータに実行させ、
前記現在の残存価値と前記第1残存価値とは、ブロックチェーンに記録される、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御方法、サーバ、車載装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(充電式電池)において、充電状態を高精度に検知し、最適な充放電制御や安全制御を行うバッテリ・マネジメント・システム(Battery Management System:BMS)が知られている。例えば、非特許文献1では、ブロックチェーンを用いて電気自動車のバッテリ残存価値を評価する仕組みが提案されている。
【0003】
非特許文献1によれば、ブロックチェーンすなわち分散台帳管理技術を用いることで、バッテリ残存価値の真正性と非改ざん性とを担保することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】カウラ株式会社、中国上海市で開催されたWanxiang Global Blockchain Summit 国際コンテストで「ブロックチェーンを用いたEVバッテリ・フルライフサイクル管理」部門で入賞(URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000024621.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に開示される技術では、バッテリ残存価値の真正性と非改ざん性とを担保しているに過ぎない。換言すると、非特許文献1に開示される技術では、バッテリ残存価値を最大限効率的に利用するためのアクションを行った結果得たバッテリ残存価値の真正性と非改ざん性とを担保することができるものの、ユーザには当該アクションを行うインセンティブがない。したがって、非特許文献1に開示される技術では、ユーザがバッテリ残存価値の低減を抑制するような利用を行わないケースも発生する。
【0006】
そこで、本開示は、上述の事情を鑑みてなされたもので、バッテリ残存価値の低減をより抑制するようにバッテリを利用させることができる制御方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一形態に係る制御方法は、バッテリの情報を取得する取得ステップと、取得した前記情報に基づいて、前記バッテリの現在の残存価値を算出する現在算出ステップと、学習済みの第1モデルを用いて、ユーザが前記バッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合における前記バッテリの残存価値である第1残存価値を算出する第1残存価値算出ステップと、算出した前記現在の残存価値と前記第1残存価値とに基づいて算出した評価値に従って、トークンを前記ユーザに対して発行するトークン発行ステップと、を含む。
【0008】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータで読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の制御方法等によれば、バッテリ残存価値の低減をより抑制するようにバッテリを利用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態におけるシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、図1に示すBMS制御装置の詳細構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、図1に示すサーバの詳細構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、図3に示すBC制御部の詳細構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、図3に示すBMSトークン制御部の詳細構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、実施の形態におけるユーザ行動評価部が算出する評価値の算出方法の一例について説明するための図である。
図7図7は、実施の形態におけるユーザ行動評価部が算出する評価値の算出方法の別の一例について説明するための図である。実施の形態におけるサプライチェーンシステムの動作を概念的に説明するための図である。
図8図8は、実施の形態におけるユーザ行動評価部が算出する評価値の算出方法の別の一例について説明するための図である。
図9図9は、図8に示す評価値の算出方法において用いられる改善割合に対応付けられたポイントを示す図である。
図10図10は、図1に示す端末の詳細構成の一例を示すブロック図である。
図11図11は、実施の形態におけるシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施の形態におけるシステムの動作の別の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、実施の形態におけるシステムの動作のさらに別の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、図13に示す処理の詳細処理例を示す図である。
図15図15は、図13に示す処理の詳細処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の一形態に係る制御方法は、バッテリの情報を取得する取得ステップと、取得した前記情報に基づいて、前記バッテリの現在の残存価値を算出する現在算出ステップと、学習済みの第1モデルを用いて、ユーザが前記バッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合における前記バッテリの残存価値である第1残存価値を算出する第1残存価値算出ステップと、算出した前記現在の残存価値と前記第1残存価値とに基づいて算出した評価値に従って、トークンを前記ユーザに対して発行するトークン発行ステップと、を含む。
【0012】
これにより、ユーザの利用による現在の残存価値がバッテリを通常に利用した場合の第1残存価値よりも高いなど、算出した評価値がプラスであれば、トークンが発行される。つまり、ユーザに、バッテリ残存価値の低減をより抑制するようにバッテリを利用させることができる。さらに、これによれば、バッテリを長寿命化させることができるので、バッテリがリサイクルで使用されるなど有効活用され、省エネを図ることができる。
【0013】
ここで、例えば、前記第1モデルは、複数の他のユーザにおけるバッテリ利用傾向に基づき、当該バッテリの劣化がどのように進むかを学習させることで得られ、前記第1残存価値を算出するのに用いられる。
【0014】
これによれば、機械学習などにより学習された第1モデルを用いて第1残存価値を算出することができるので、精度良く第1残存価値を算出することができる。
【0015】
また、例えば、前記現在の残存価値と前記第1残存価値とは、ブロックチェーンに記録されるとしてもよい。
【0016】
これによれば、第1残存価値及び現在の残存価値の真正性と非改ざん性とを担保することができる。この結果、誤った評価値を算出することを防止してトークンを発行することができる。また、トークンの発行で問題が発生した場合でも正しい原因を突き止めることができる。
【0017】
ここで、例えば、前記トークンは、マイクロペイメント技術を用いて発行される。
【0018】
これにより、小額決済が可能になるので、バッテリ残存価値の低減をより抑制するようにバッテリを利用したユーザに対して、実効的なトークンの発行を行うことができる。
【0019】
また、例えば、前記評価値は、前記現在の残存価値と前記第1残存価値との差分値であるとしてもよい。
【0020】
また、例えば、前記評価値は、前記ユーザが前記バッテリを利用開始した時から利用終了した時までの利用時間において、前記利用時間の経過により低減した前記現在の残存価値の、前記第1残存価値を基準とした割合による値に、前記利用時間を乗算することで算出されるとしてもよい。
【0021】
ここで、例えば、前記評価値は、前記現在算出ステップにおいて算出された残存価値であって前記ユーザが前記バッテリを利用開始する時における残存価値と、前記第1残存価値との差を100%とした場合において、前記現在算出ステップにおいて算出された前記ユーザが前記バッテリを利用終了した時における前記現在の残存価値と前記第1残存価値との差の割合を、対応するポイントに換算した値に、前記利用時間を乗算することで算出されるとしてもよい。
【0022】
また、例えば、さらに、学習済みの第2モデルを用いて、前記バッテリの劣化を最小にするよう前記バッテリを最適に利用した場合における前記バッテリの残存価値である第2残存価値を算出する第2残存価値算出ステップと、前記第2残存価値と前記現在の残存価値との差分を算出し、前記差分に基づいて前記バッテリのユーザに対して、前記バッテリの利用に関する行動を促すアシスト表示を行う表示ステップとを、含むとしてもよい。
【0023】
これにより、バッテリを長寿命化させるバッテリの利用を促すようにアシスト表示を行うことができるので、ユーザに、バッテリ残存価値の低減をより抑制するようにバッテリを利用させることができる。さらに、これによれば、バッテリを長寿命化させることができるので、バッテリがリサイクルなどで有効活用され、省エネを図ることができる。
【0024】
ここで、例えば、前記第2モデルは、残量及び温度を含むバッテリの状態と、当該バッテリの駆動時又は充電時におけるSOH(States Of Health)の劣化状態との関係を学習させることで得られ、前記第2残存価値を算出するのに用いられる。
【0025】
また、例えば、前記表示ステップでは、取得した前記情報から得た前記バッテリの劣化状態に基づき、前記劣化を最小にする前記バッテリの残量を導出し、取得した前記情報から得た前記バッテリの現在の残量と、前記ユーザの前記バッテリについての利用実態とから、前記行動として、導出した前記残量となる前記バッテリのタイミングであって充電すべきタイミングを示すアシスト表示を行うとしてもよい。
【0026】
また、例えば、前記表示ステップでは、取得した前記情報から得た前記バッテリの劣化状態に基づき、前記劣化を最小にする前記バッテリの電流量を導出し、取得した前記情報から得た前記バッテリの現在の電流量と、前記ユーザの前記バッテリについての利用実態とから、前記行動として、導出した前記電流量と、前記現在の電流量との差を示す表示を行うとしてもよい。
【0027】
また、例えば、前記表示ステップでは、取得した前記情報から得た前記バッテリの劣化状態に基づき、前記劣化を最小にする前記バッテリの温度環境を導出し、前記行動として、導出した前記温度環境で充電が可能な地点を地図に示す表示を行うとしてもよい。
【0028】
また、例えば、前記トークン発行ステップでは、さらに、算出した前記現在の残存価値が、前記第2残存価値を超えている場合、前記トークンとは別の、追加トークンを前記ユーザに対して発行するとしてもよい。
【0029】
また、本開示の一形態に係る制御方法は、バッテリの情報を取得する取得ステップと、取得した前記情報に基づいて、前記バッテリの現在の残存価値を算出する現在算出ステップと、学習済みのモデルを用いて、前記バッテリの劣化を最小にするように前記バッテリを最適に利用した場合における前記バッテリの残存価値を算出する残存価値算出ステップと、前記残存価値と前記現在の残存価値との差分を算出し、前記差分に基づいて前記バッテリのユーザに対して、前記バッテリの利用に関する行動を促すアシスト表示を行う表示ステップとを、含む。
【0030】
また、本開示の一形態に係るサーバは、バッテリの情報に基づいて算出された、前記バッテリの現在の残存価値と、学習済みの第1モデルを用いて算出された、ユーザが前記バッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合における前記バッテリの残存価値である第1残存価値とに基づいて評価値を算出する評価部と、前記評価部が算出した前記評価値に従って、トークンを前記ユーザに対して発行するトークン発行部を備える。
【0031】
また、本開示の一形態に係る車載装置は、バッテリの情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記情報に基づいて、前記バッテリの現在の残存価値を算出する現在残存価値算出部と、学習済みの第1モデルを用いて、ユーザが前記バッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合における前記バッテリの残存価値である第1残存価値を算出する第1残存価値算出部とを備え、算出した前記現在の残存価値と前記第1残存価値とに基づいて算出された評価値に従って、トークンが前記ユーザに対して発行される。
【0032】
また、本開示の一形態に係るプログラムは、バッテリの情報を取得する取得ステップと、取得した前記情報に基づいて、前記バッテリの現在の残存価値を算出する現在算出ステップと、学習済みの第1モデルを用いて、ユーザが前記バッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合における前記バッテリの残存価値である第1残存価値を算出する第1残存価値算出ステップと、算出した前記現在の残存価値と前記第1残存価値とに基づいて算出した評価値に従って、トークンを前記ユーザに対して発行するトークン発行ステップと、を、コンピュータに実行させる。
【0033】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
【0034】
(実施の形態)
以下では、図面を参照しながら、実施の形態におけるシステム1について説明する。
【0035】
[システム1の構成]
図1は、本実施の形態におけるシステム1の構成の一例を示す図である。
【0036】
システム1は、図1に示すように、BMS制御装置2と、記憶装置30と接続するサーバ3と、バッテリを備える移動体100に搭載された端末4とを備える。BMS制御装置2とサーバ3とはネットワーク5を介して接続されている。また、BMS制御装置2は、移動体100のバッテリ及び端末4とコネクタ等の有線または無線で接続されている。BMS制御装置2は、移動体100の内部に配されてもよい。
【0037】
システム1は、BMS制御装置2で算出される残存価値の記録をブロックチェーンを用いて残すとともに、バッテリを長寿命化させるバッテリの利用を行ったユーザに対して報酬としてのトークンを発行する。これにより、ユーザに、バッテリ残存価値の低減をより抑制するようにバッテリを利用させることができる。
【0038】
[移動体100]
移動体100は、バッテリが搭載され、搭載されたバッテリで駆動可能な車両またはドローンである。車両は、例えば電気自動車(EVカー)、EVバイク、EV電車などが挙げられる。バッテリは、例えばリチウムイオン電池またはニッケル水素電池であるが、高容量の二次電池であればよい。
【0039】
[BMS制御装置2]
図2は、図1に示すBMS制御装置2の詳細構成の一例を示すブロック図である。BMS制御装置2は、プロセッサとメモリとを有するコンピュータ等で実現される。BMS制御装置2は、図2に示すように、バッテリ情報取得部21と、バッテリ情報記憶部22と、バッテリ残存価値算出部23と、バッテリ長寿命化プラン算出部24と、バッテリ通常プラン算出部25とを備える。BMS制御装置2は、移動体100の内部に配されてもよいし、移動体100の外部に配されてもよい。例えば移動体100がドローンの場合、BMS制御装置2は、バッテリ及び端末4と無線で接続され、移動体100の外部に配されるとしてもよい。また、移動体100がドローンでない場合、移動体100の外部としてクラウド上に配されてもよい。
【0040】
<バッテリ情報取得部21>
バッテリ情報取得部21は、例えば取得部の一例であり、バッテリの情報を取得する。本実施の形態では、バッテリ情報取得部21は、移動体100に搭載されるバッテリから、当該バッテリの情報を取得し、バッテリ情報記憶部22に記憶する。ここで、バッテリの情報とは、例えばバッテリユニット内の温度、湿度、圧力、電流等である。また、バッテリの情報には、SOH(States Of Health)、SOC(States Of Charge)などバッテリの状態がさらに含まれていてもよい。SOHは劣化度合いすなわちバッテリの残存価値を示す指標であり、例えば劣化時の残容量(Ah)/初期の満充電容量(Ah)×100で算出することができる。SOCは充電状態すなわちバッテリの残量を示す指標であり、例えば残容量(Ah)/満充電容量(Ah)×100で算出することができる。
【0041】
なお、バッテリ情報取得部21は、取得したバッテリの情報を、バッテリ情報記憶部22に記憶するとともに、サーバ3に出力しブロックチェーン技術を用いてサーバ3に接続される記憶装置30の台帳301に記録するとしてもよい。
【0042】
<バッテリ情報記憶部22>
バッテリ情報記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブ等の書き換え可能な不揮発性のメモリで構成される記憶媒体であり、バッテリの情報が記憶されている。
【0043】
<バッテリ残存価値算出部23>
バッテリ残存価値算出部23は、例えば現在残存価値算出部の一例であり、バッテリ情報取得部21が取得した情報に基づいて、バッテリの現在の残存価値を算出する。
【0044】
本実施の形態では、バッテリ残存価値算出部23は、バッテリ情報取得部21が取得したバッテリ情報から、バッテリの実態残存価値すなわち現在の残存価値を算出する。なお、現在の残存価値は、例えば、現在のバッテリの劣化状態を指標化したものとして、SOHから算出できる。
【0045】
<バッテリ長寿命化プラン算出部24>
バッテリ長寿命化プラン算出部24は、学習済みの第2モデルを用いて、バッテリの劣化を最小にするようバッテリを最適に利用した場合におけるバッテリの残存価値である第2残存価値を算出する。ここで、第2モデルは、残量及び温度を含むバッテリの状態と、当該バッテリの駆動時又は充電時におけるSOHの劣化状態との関係を学習させることで得られ、第2残存価値を算出するのに用いられる。
【0046】
本実施の形態では、バッテリ長寿命化プラン算出部24は、別途、バッテリ情報取得部21が取得したバッテリ情報を用いて第2モデルを学習させる。より具体的には、バッテリ長寿命化プラン算出部24は、残量、温度、SOHなどのバッテリの状態と、バッテリ駆動時(バッテリユニット内の温度、湿度、圧力、電流等)のSOHの劣化状態との関係をAI(人工知能)技術を用いて第2モデルに学習させる。さらに、バッテリ長寿命化プラン算出部24は、残量、温度、SOHなどのバッテリの状態と充電時のSOHの劣化状態との関係を、AI技術を用いて第2モデルに学習させる。バッテリ長寿命化プラン算出部24は、学習させる際に、SOHの劣化が少ない場合のバッテリ駆動及び充電に高い評価値を与えて評価することで、第2モデルに、バッテリの状態に応じた最適な利用方法を学習させる。
【0047】
これにより、バッテリ長寿命化プラン算出部24は、バッテリ長寿命化すなわちバッテリの劣化を最小化するために、バッテリの状態に応じてバッテリの最適な利用方法を実行した場合のバッテリの劣化傾向を示すプラン(バッテリ長寿命化プランと称する)を、第2モデルを用いて算出することができる。また、バッテリ長寿命化プラン算出部24は、第2モデルを用いて、バッテリを最適に使用した場合のバッテリの残存価値を、第2残存価値として算出することができる。なお、バッテリ長寿命化プラン算出部24は、算出したバッテリ長寿命化プランを用いて、第2残存価値を算出してもよい。
【0048】
バッテリの劣化要因としては、バッテリの充放電のサイクル数、放電の深さ(満充電または過放電)、放電電流値の大きさ及び周囲温度などが知られている。例えば充放電のサイクル数が増えるに従ってバッテリが劣化することが知られている。また、満充電または過放電を行うとバッテリが劣化することも知られている。また、移動体100の加速等を行うことで放電電流値が大きくなるとバッテリが劣化することも知られている。また、高温環境化でバッテリを使用すると劣化する。
【0049】
<バッテリ通常プラン算出部25>
バッテリ通常プラン算出部25は、例えば第1残存価値算出部の一例であり、学習済みの第1モデルを用いて、ユーザがバッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合におけるバッテリの残存価値である第1残存価値を算出する。ここで、第1モデルは、複数の他のユーザにおけるバッテリ利用傾向に基づき、当該バッテリの劣化がどのように進むかを学習させることで得られ、第1残存価値を算出するのに用いられる。
【0050】
本実施の形態では、バッテリ通常プラン算出部25は、別途、バッテリ情報取得部21が取得したバッテリ情報を用いて、第1モデルを学習させる。より具体的には、バッテリ通常プラン算出部25は、ある残量、SOHなどある電池の状態からバッテリの劣化がどのように進むのかを、複数のユーザがバッテリを通常利用したときのバッテリ利用傾向をベースに、AI技術を用いて第1モデルに学習させる。
【0051】
なお、バッテリ利用傾向は、不特定の個人を指す複数のユーザが、バッテリの劣化について及びバッテリを長寿命化しようと考えずに、通常通り利用したときの利用傾向である。したがって、バッテリ通常プラン算出部25は、第1モデルに、万人がどのようにバッテリを劣化させる傾向を有するのかを、学習させる。
【0052】
これにより、バッテリ通常プラン算出部25は、バッテリの現在の状態に応じて、バッテリを通常に使用した場合のバッテリの劣化傾向を示すプラン(バッテリ通常プランと称する)を、第1モデルを用いて算出することができる。また、バッテリ通常プラン算出部25は、算出したバッテリ通常プランに従ってバッテリを通常使用した場合のバッテリの残存価値を、第1残存価値として算出することができる。なお、バッテリ通常プラン算出部25は、算出したバッテリ通常プランを用いて、第1残存価値を算出してもよい。
【0053】
[サーバ3]
図3は、図1に示すサーバ3の詳細構成の一例を示すブロック図である。図4は、図3に示すBC制御部31の詳細構成の一例を示すブロック図である。図5は、図3に示すBMSトークン制御部32の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【0054】
サーバ3は、プロセッサとメモリとを有するコンピュータ等で実現され、図3に示すように、BC制御部31と、BMSトークン制御部32と、通信部33とを備え、図1に示す記憶装置30と接続する。サーバ3は、記憶装置30とネットワーク5を介して接続されていてもよいし、内部に記憶装置30を備えてもよい。記憶装置30は、電子的に記録することができる台帳301を有する。
【0055】
<BC制御部31>
BC制御部31は、記憶装置30が有する台帳301を管理する。本実施の形態では、BC制御部31は、例えば図4に示すように、台帳管理部311と、認証部312とを備える。
【0056】
台帳管理部311は、台帳301を管理し、BMS制御装置2で算出される残存価値を台帳301に記録することで、BMS制御装置2で算出される残存価値を蓄積する。本実施の形態では、台帳管理部311は、BMS制御装置2で算出された現在の残存価値と第1残存価値とをブロックチェーンすなわち台帳301に記録する。また、台帳管理部311は、BMS制御装置2で算出された第2残存価値をブロックチェーンすなわち台帳301に記録してもよい。
【0057】
認証部312は、移動体100のバッテリの制御を要求するなど、移動体100を駆動させ、移動体100に搭載されるバッテリを利用しているユーザが正しい取引ユーザであるかの認証処理を少なくとも行う。なお、認証処理は、ユーザが使用する端末4または携帯端末を通じてサーバ3に対して、移動体100の駆動要求などが行われた際に実行される。端末4は、例えばタブレット、スマートホン等の携帯端末であってもよいし、移動体100に搭載されるカーナビ等であってもよい。
【0058】
<通信部33>
通信部33は、プロセッサおよび通信I/F等により実現され、BMS制御装置2と通信する機能を有する。本実施の形態では、通信部33は、例えば有線もしくは無線で、後述するBMS制御装置2と通信する。
【0059】
<BMSトークン制御部32>
BMSトークン制御部32は、ユーザがバッテリ残存価値の低減を抑制するようにバッテリを利用した場合、ユーザに対して、報酬としてトークンを発行する。また、BMSトークン制御部32は、ユーザがバッテリ残存価値の低減を抑制する行動をナビゲートする表示を移動体100のディスプレイまたは端末4のディスプレイに行わせるアシスト表示を行う。本実施の形態では、BMSトークン制御部32は、例えば図5に示すように、ユーザ行動アシスト表示部321と、ユーザ行動評価部322と、BMSトークン発行部323とを備える。
【0060】
≪ユーザ行動アシスト表示部321≫
ユーザ行動アシスト表示部321は、第2残存価値と現在の残存価値との差分を算出し、差分に基づいてバッテリのユーザに対して、バッテリの利用に関する行動を促すアシスト表示を行う。本実施の形態では、ユーザ行動アシスト表示部321は、バッテリ長寿命化プラン算出部が算出したバッテリ長寿命化プランに示される最適なバッテリの利用方法を促す行動をアシストする表示を移動体100または端末4のディスプレイに行わせるアシスト表示を行う。例えば、ユーザ行動アシスト表示部321は、ガソリン車の燃費表示のように、バッテリの現在の残存価値を表示することで、バッテリの利用に関してバッテリの高寿命化を図る行動を促すアシスト表示を行ってもよい。
【0061】
また、ユーザ行動アシスト表示部321は、第2残存価値と現在の残存価値との差分を埋める、すなわちバッテリの高寿命化を図るための行動を示唆するアシスト表示をしてもよい。これにより、第1残存価値よりも高い現在の残存価値となるように、すなわちバッテリの高寿命化を図ることができるバッテリの利用を促すことができる。
【0062】
例えば、バッテリの高寿命化を図るためのアシスト表示として、ユーザ行動アシスト表示部321は、最適充電タイミングのアシスト表示を行ってもよい。より具体的には、ユーザ行動アシスト表示部321は、取得したバッテリの情報から得たバッテリの劣化状態に基づき、劣化を最小にするバッテリの残量を導出してもよい。なお、取得したバッテリの情報から得た現在のバッテリの劣化状態において、どれぐらいの残量で充電すると劣化が少ないのかについては、AI技術により導出されてもよい。そして、ユーザ行動アシスト表示部321は、取得したバッテリの情報から得たバッテリの現在の残量と、ユーザのバッテリについての利用実態とから、当該行動として、導出した残量となるバッテリのタイミングであって充電すべきタイミングを示すアシスト表示を行ってもよい。つまり、例えば、ユーザ行動アシスト表示部321は、バッテリの現在の残量と、ユーザによるバッテリの利用実態とから、何分後辺りにバッテリを充電するのが良いのかをアシスト表示してもよい。
【0063】
また、例えば、バッテリの高寿命化を図るためのアシスト表示として、ユーザ行動アシスト表示部321は、加速等による過電流で発生するマイナス効果の表示を行ってもよい。より具体的には、ユーザ行動アシスト表示部321は、取得したバッテリの情報から得たバッテリの劣化状態に基づき、劣化を最小にするバッテリの電流量を導出してもよい。なお、取得したバッテリの情報から得た現在のバッテリの劣化状態において、どれぐらいの電流量で放電すると劣化が少ないのかについては、AI技術により導出されてもよい。そして、ユーザ行動アシスト表示部321は、取得したバッテリの情報から得たバッテリの現在の電流量と、ユーザのバッテリについての利用実態とから、当該行動として、導出した電流量と、現在の電流量との差を示す表示を行ってもよい。つまり、例えば、ユーザ行動アシスト表示部321は、ユーザによるバッテリの利用実態により発生している電流量と、劣化が少ない最適な電流量との差(GAP)をアシスト表示してもよい。なお、移動体が自動運転可能な場合には、移動体は、バッテリ長寿命化プランに従って、自動運転されることで、バッテリの高寿命化を図ってもよい。
【0064】
また、例えば、バッテリの高寿命化を図るためのアシスト表示として、ユーザ行動アシスト表示部321は、周囲温度に関する最適充電場所をガイドするアシスト表示を行ってもよい。より具体的には、ユーザ行動アシスト表示部321は、取得したバッテリの情報から得たバッテリの劣化状態に基づき、劣化を最小にするバッテリの温度環境を導出してもよい。なお、取得したバッテリの情報から得た現在のバッテリの劣化状態において、どれぐらいの温度環境で充電すると劣化が少ないのかについては、AI技術により導出されてもよい。そして、ユーザ行動アシスト表示部321は、当該行動として、導出した温度環境で充電が可能な地点を地図に示す表示を行ってもよい。つまり、例えば、ユーザ行動アシスト表示部321は、最適な温度環境で充電が可能な充電スタンドの所在地を地図に表示するなどのアシスト表示を行ってもよい。
【0065】
なお、ユーザ行動アシスト表示部321が行うアシスト表示は上記の例に限らない。AI技術により、バッテリの利用に関する行動を促す様々な段階のアシスト表示を行うことができる。例えば、第1段階のアシスト表示として、バッテリの残量に基づき移動体100のアクセルを踏む量を移動体100または端末4のディスプレイに表示させるだけでもよい。また、例えば、第2段階のアシスト表示として、バッテリのSOH及び移動体100が走行する道路の走行状態に基づき、バッテリに対する負荷を減らすように上り坂でもアクセルを一定以上踏まないよう移動体100または端末4のディスプレイに表示させてもよい。また、例えば、第3段階のアシスト表示として、バッテリのSOH及び移動体100が走行する道路の走行状態、走行するルートに基づき、バッテリに対する負荷を減らすように平坦なルートを通るように移動体100または端末4のディスプレイにガイド表示してもよい。
【0066】
≪ユーザ行動評価部322≫
ユーザ行動評価部322は、例えば評価部の一例であり、バッテリの情報に基づいて算出された、バッテリの現在の残存価値と、学習済みの第1モデルを用いて算出された第1残存価値とに基づいて評価値を算出する。ここで、第1残存価値は、上述したように、ユーザがバッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合におけるバッテリの残存価値である。
【0067】
図6は、本実施の形態におけるユーザ行動評価部322が算出する評価値の算出方法の一例について説明するための図である。
【0068】
図6に示す第1残存価値曲線は、サービス開始時からサービス終了時までの第1残存価値を示しており、バッテリ通常プラン算出部25により算出される第1残存価値を用いて作成することができる。ここで、サービス開始時とは、ユーザが移動体100を駆動させるなど移動体100に搭載されるバッテリの利用を開始した時刻を意味する。また、サービス終了時とは、ユーザが移動体100に搭載されるバッテリの利用を終了した時刻を意味する。
【0069】
本実施の形態では、ユーザ行動評価部322は、BMS制御装置2から、サービス終了時におけるバッテリの現在の残存価値と第1残存価値とを取得し、取得したバッテリの現在の残存価値と第1残存価値とに基づいて、評価値を算出する。図6に示す例では、ユーザ行動評価部322は、評価値として、現在の残存価値と第1残存価値との差分値を算出する。このように、ユーザ行動評価部322は、サービス終了時におけるバッテリの現在の残存価値と、サービス終了時における第1残存価値とを比較し、改善された数値(バッテリを長寿命化させたことを示す数値)である差分値を評価値とする。
【0070】
図7は、本実施の形態におけるユーザ行動評価部322が算出する評価値の算出方法の別の一例について説明するための図である。
【0071】
図7に示す第1残存価値曲線及び第2残存価値曲線は、サービス開始時からサービス終了時までの第1残存価値及び第2残存価値を示している。図7に示す第1残存価値曲線及び第2残存価値曲線は、バッテリ通常プラン算出部25により算出される第1残存価値及びバッテリ長寿命化プラン算出部24により算出される第2残存価値を用いて作成することができる。
【0072】
ユーザ行動評価部322は、BMS制御装置2から、サービス終了時におけるバッテリの現在の残存価値、第1残存価値及び第2残存価値を取得し、取得したバッテリの現在の残存価値、第1残存価値及び第2残存価値に基づいて、評価値を算出する。図7に示す例では、ユーザ行動評価部322は、評価値として、サービス終了時における第1残存価値及び第2残存価値の差分を100としたときの現在の残存価値と第1残存価値との差分が占める割合を算出する。このように、ユーザ行動評価部322は、バッテリ長寿命化プランを用いて算出した第2残存価値と、バッテリ通常プランを用いて算出した第1残存価値とをベースに、現在の残存価値の割合を評価値として算出してもよい。
【0073】
図8は、本実施の形態におけるユーザ行動評価部322が算出する評価値の算出方法の別の一例について説明するための図である。図9は、図8に示す評価値の算出方法において用いられる改善割合に対応付けられたポイントを示す図である。
【0074】
ユーザ行動評価部322は、BMS制御装置2から、サービス開始時及びサービス終了時におけるバッテリの現在の残存価値と、サービス終了時における第1残存価値とを取得する。そして、ユーザ行動評価部322は、取得した、サービス開始時及びサービス終了時におけるバッテリの現在の残存価値と第1残存価値とに基づいて、評価値を算出する。
【0075】
例えば、ユーザ行動評価部322は、評価値として、バッテリ利用時間における現在の残存価値の改善割合とバッテリ利用時間とを乗算することにより算出してもよい。また、ユーザ行動評価部322は、評価値として、バッテリ利用時間における現在の残存価値の改善割合を対応づけたポイントとバッテリ利用時間とを乗算することにより算出してもよい。図8には、バッテリ利用時間における現在の残存価値の改善割合が50%である場合の例が示されている。図9に示す例では、改善割合が50%である場合には、5のポイントに対応することが示されている。
【0076】
このように、ユーザ行動評価部322は、ユーザがバッテリを利用開始した時から利用終了した時までの利用時間において、利用時間の経過により低減した現在の残存価値の、第1残存価値を基準とした割合による値に、利用時間を乗算することで評価値を算出してもよい。より詳細には、ユーザ行動評価部322は、BMSトークン制御部32において算出された残存価値であってユーザがバッテリを利用開始する時における残存価値と、第1残存価値との差を100%とした場合において、BMSトークン制御部32において算出されたユーザがバッテリを利用終了した時における現在の残存価値と第1残存価値との差の割合を、対応するポイントに換算した値に、利用時間を乗算することで評価値を算出してもよい。
【0077】
≪BMSトークン発行部323≫
BMSトークン発行部323は、例えばトークン発行部の一例であり、ユーザ行動評価部322が算出した評価値に従って、トークンをユーザに対して発行する。換言すると、BMSトークン発行部323は、算出した現在の残存価値と第1残存価値とに基づいて算出した評価値に従って、トークンをユーザに対して発行する。このトークンは、マイクロペイメント技術を用いて発行される。
【0078】
本実施の形態では、BMSトークン発行部323は、ユーザ行動評価部322が算出する評価値に基づいて、報酬であるトークンを発行する。
【0079】
なお、BMSトークン発行部323は、ユーザ行動評価部322が算出する評価値を累積したものをベースに、報酬であるトークンを発行してもよい。また、BMSトークン発行部323は、サービス終了時にユーザ行動評価部322が算出する評価値がマイナスの場合は、追加徴収するとしてもよい。BMSトークン発行部323は、バッテリの利用料として、最初にマイナス分を見込んで徴収しておき、サービス終了時にトークンに反映させて、キックバックしてもよい。
【0080】
また、BMSトークン発行部323は、サービス終了時における現在の残存価値が、バッテリ長寿命化プランにより示される第2残存価値よりも高い場合、追加のトークンを発行してもよい。換言すると、算出された現在の残存価値が、第2残存価値を超えている場合、現在の残存価値と第1残存価値とに基づいて算出した評価値に従い発行したトークンとは別の、追加トークンをユーザに対して発行してもよい。バッテリ長寿命化プランの改善データとして価値があるものと評価できるからである。そして、第2残存価値よりもよい結果の現在の残存価値を用いて、第2モデルの学習を再度行った場合には、AI技術すなわち第2モデルの性能の引き上げに寄与できるからである。
【0081】
なお、報酬であるトークンの発行は、エスクローを介して発行されるのではなく、ブロックチェーンに登録されたスマートコントラクトの記述に従って、自動的に発行されればよい。
【0082】
[端末4]
図10は、図1に示す端末4の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【0083】
端末4は、プロセッサとメモリとを有するコンピュータ等で実現され、図1に示すように移動体100に搭載される。端末4は、上述したように、例えばカーナビでもよいし、ユーザが所有するタブレット、スマートホンでもよい。本実施の形態では、端末4は、図6に示すように、ユーザ処理部41と、ディスプレイ42と、通信部43とを備える。
【0084】
<ユーザ処理部41>
ユーザ処理部41は、移動体100を駆動させ、移動体100に搭載されるバッテリを利用しているユーザを特定するために用いられる。具体的には、ユーザ処理部41は、移動体100に搭載されるバッテリを利用しているユーザの操作を受け付け、サーバ3のユーザ認証を行う。ユーザ処理部41は、移動体100に搭載されるバッテリを利用しているユーザの操作を受け付けた場合、BMS制御装置2のユーザ認証をさらに行ってもよい。これにより、移動体100を駆動させ、移動体100に搭載されるバッテリを利用している者が特定できる。
【0085】
<ディスプレイ42>
ディスプレイ42は、ユーザ処理部41によりサーバ3のユーザ認証が行われた場合、ユーザ行動アシスト表示部321が行うアシスト表示を表示してもよい。また、ディスプレイ42は、ユーザ処理部41によりサーバ3のユーザ認証が行われた場合、BMSトークン発行部323により発行されたトークンに関する情報を表示してもよい。例えば、ディスプレイ42は、BMSトークン発行部323によりトークンが発行された旨を表示してもよいし、BMSトークン発行部323により発行されたトークンの値または額を表示してもよい。
【0086】
<通信部43>
通信部43は、プロセッサおよび通信I/F等により実現され、BMS制御装置2と通信する機能を有する。本実施の形態では、通信部43は、例えば無線または有線を介して、BMS制御装置2及びサーバ3と通信する。
【0087】
[システム1の動作等]
上述のように構成されたシステム1の動作について以下説明する。
【0088】
図11は、本実施の形態におけるシステム1の動作の一例を示すフローチャートである。以下、ユーザが移動体100を駆動させた後、すなわち移動体100に搭載されたバッテリを利用した後などバッテリの利用を終了したサービス終了後であるとして説明する。
【0089】
まず、BMS制御装置2は、バッテリの情報を取得する(S11)。
【0090】
次に、BMS制御装置2は、ステップS11で取得したバッテリの情報に基づいて、バッテリの現在の残存価値を算出する(S12)。
【0091】
次に、BMS制御装置2は、学習済みの第1モデルを用いて、バッテリを複数の他のユーザと同じ傾向で利用した場合におけるバッテリの残存価値である第1残存価値を算出する(S13)。本実施の形態では、BMS制御装置2は、学習済みの第1モデルを用いて、バッテリ通常プランに従ってバッテリを通常使用した場合のバッテリの残存価値である第1残存価値を算出する。バッテリ通常プランは、上述したように、バッテリを通常に使用した場合のバッテリの劣化傾向を示すものである。
【0092】
次に、サーバ3は、ステップS12で算出した現在の残存価値と、ステップS13で算出した第1残存価値とに基づいて算出した評価値に従って、トークンを発行する(S14)。本実施の形態では、サーバ3は、ステップS12で算出した現在の残存価値と、ステップS13で算出した第1残存価値とに基づいて、例えば現在の残存価値と第1残存価値との差分値を、評価値として算出する。そして、サーバ3は、算出した評価値に従って、トークンをユーザに対して発行する。
【0093】
図12は、本実施の形態におけるシステム1の動作の別の一例を示すフローチャートである。以下、ユーザが移動体100を駆動させているとき、すなわち移動体100に搭載されたバッテリを利用しているときなど、サービス開始後でかつサービス終了前であるとして説明する。
【0094】
まず、BMS制御装置2は、バッテリの情報を取得し(S21)、取得したバッテリの情報に基づいて、バッテリの現在の残存価値を算出する(S22)。なお、ステップS21、S22は、上述したステップS11、S12と同じ処理に該当する。
【0095】
次に、BMS制御装置2は、学習済みの第2モデルを用いて、バッテリの劣化を最小にするようバッテリを最適に利用した場合におけるバッテリの残存価値である第2残存価値を算出する(S23)。本実施の形態では、BMS制御装置2は、学習済みの第2モデルを用いて、バッテリ長寿命化プランに従ってバッテリを最適に利用した場合のバッテリの残存価値である第2残存価値を算出する。バッテリ長寿命化プランは、上述したように、バッテリ長寿命化するために、バッテリの状態に応じてバッテリの最適な利用方法を実行した場合のバッテリの劣化傾向を示すものである。
【0096】
次に、サーバ3は、ステップS23で算出した第2残存価値と、ステップS22で算出した現在の残存価値との差分を算出し、算出した差分に基づいて、バッテリのユーザに対して、バッテリの利用に関する行動を示すアシスト表示を行う(S24)。例えば、サーバ3は、バッテリの高寿命化を図る最適なバッテリの利用方法を促す行動をアシストする表示を行う。
【0097】
なお、図11及び図12は、システム1が行う別の動作として説明したが、限らない。図13に示すように、システム1は、図11及び図12に示す動作を組み合わせて行ってもよい。
【0098】
図13は、本実施の形態におけるシステム1の動作のさらに別の一例を示すフローチャートである。図14及び図15は、図13に示す処理の詳細処理例を示す図である。
【0099】
図13に示すステップS31、S32は、上述したステップS11、S12またはステップS21、S22と同じ処理である。より詳細には、ステップS31では、例えば図14に示すように、BMS制御装置2は、バッテリの情報を取得し(S311)、取得したバッテリの情報を記憶する(S312)。ステップS32では、例えば図14に示すように、BMS制御装置2は、バッテリの情報を読み出し(S321)、読み出すことで取得したバッテリの情報に基づいて、バッテリの現在の残存価値を算出する(S322)。
【0100】
図13に示すステップS33では、BMS制御装置2は、サービス終了しているか否かを判定する。サービス終了していない場合(S33でNo)、BMS制御装置2は、ステップS34の処理に進む。一方、サービス終了している場合(S33でYes)、BMS制御装置2は、ステップS36の処理に進む。
【0101】
また、図13に示すステップS34、S35は、上述したステップS23、S24と同じ処理である。より詳細には、ステップS34では、例えば図14に示すように、BMS制御装置2は、バッテリの情報を読み出し(S341)、読み出したバッテリの情報から、学習済みの第2モデルを用いて、バッテリ長寿命化プランを算出する(S342)。次いで、BMS制御装置2は、読み出したバッテリの情報から、学習済みの第2モデルを用いて、第2残存価値を算出する(S343)。なお、BMS制御装置2は、算出したバッテリ長寿命化プランを用いて、第2残存価値を算出するとしてもよい。
【0102】
ステップS35では、例えば図15に示すように、まず、移動体100に搭載されているバッテリを利用するユーザは、端末4のユーザ処理部41を介してサーバ3のBMSトークン制御部32にユーザ認証を行う(S351)。次いで、BMSトークン制御部32は、BMS制御装置2が算出した第2残存価値及び現在の残存価値を取得し(S352)、取得した第2残存価値と現在の残存価値との差分を算出する(S353)。次いで、BMSトークン制御部32は、ステップS353で算出した差分に基づいて、ユーザに対して、バッテリの利用に関する行動を示すアシスト表示を行う(S354)。
【0103】
また、図13に示すステップS36、S37は、上述したステップS13、S14と同じ処理である。より詳細には、ステップS36では、例えば図14に示すように、BMS制御装置2は、バッテリの情報を読み出し(S361)、読み出したバッテリの情報から、学習済みの第1モデルを用いて、バッテリ通常プランを算出する(S362)。次いで、BMS制御装置2は、読み出したバッテリの情報から、学習済みの第1モデルを用いて、第1残存価値を算出する(S363)。なお、BMS制御装置2は、算出したバッテリ通常プランを用いて、第1残存価値を算出するとしてもよい。
【0104】
ステップS37では、例えば図15に示すように、サーバ3のBMSトークン制御部32は、BMS制御装置2が算出した第1残存価値及び第2残存価値を取得する(S371)。次いで、BMSトークン制御部32は、例えば、ステップS371で取得した第1残存価値と第2残存価値とをベースに、現在の残存価値から評価値を算出する(S372)。次いで、BMSトークン制御部32は、ステップS372で算出した評価値に基づいて、ユーザに対して、報酬としてのトークンを発行する(S373)。
【0105】
[効果等]
以上のように、本実施の形態の制御方法等によれば、ユーザの利用による現在の残存価値がバッテリを通常に利用した場合の第1残存価値よりも高いなど、算出した評価値がプラスであれば、トークンが発行される。つまり、ユーザに、バッテリ残存価値の低減をより抑制するようにバッテリを利用させることができる。
【0106】
例えば、個人が所有する自動車に搭載されるバッテリなど個人が保有するバッテリに対しては、そのバッテリの残存価値を上げる行為を実施すると、その見返りを所有者本人が受ける。このため、個人が保有するバッテリに対してはバッテリ残存価値の低減をより抑制するような利用を促すことができる。一方、シェアリングバッテリの場合には、利用者への見返りがないため、バッテリ残存価値の低減をより抑制する利用を促せないケースが発生する。しかしながら、本実施の形態の制御方法等によれば、報酬としてのトークンを発行することができるので、バッテリ残存価値の低減をより抑制するように利用者にバッテリを利用させることができる。つまり、個人が保有するバッテリの場合に限らず、シェアリングバッテリの場合でも、バッテリを長寿命化させることができるので、バッテリがリサイクルなどで有効活用され、省エネを図ることができる。
【0107】
また、本実施の形態の制御方法等によれば、機械学習などにより学習された第1モデルを用いて、精度良く第1残存価値を算出することができる。
【0108】
また、本実施の形態の制御方法等によれば、現在の残存価値と第1残存価値とは、ブロックチェーンに記録されるので、第1残存価値及び現在の残存価値の真正性と非改ざん性とを担保することができる。この結果、誤った評価値を算出することを防止してトークンを発行することができる。また、トークンの発行で問題が発生した場合でも正しい原因を突き止めることができる。
【0109】
また、本実施の形態の制御方法等によれば、トークンは、マイクロペイメント技術を用いて発行され、小額決済が可能になるので、バッテリ残存価値の低減をより抑制するようにバッテリを利用したユーザに対して、実効的なトークンの発行を行うことができる。
【0110】
また、本実施の形態の制御方法等によれば、バッテリを長寿命化させるバッテリの利用を促すようにアシスト表示を行うことができるので、ユーザに、バッテリ残存価値の低減をより抑制するようにバッテリを利用させることができる。さらに、これによれば、バッテリを長寿命化させることができるので、バッテリがリサイクルなどで有効活用され、省エネを図ることができる。
【0111】
(他の実施態様の可能性)
以上、実施の形態において本開示のシステム1、制御方法等について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本開示の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本開示の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本開示に含まれる。
【0112】
また、本開示は、さらに、以下のような場合も含まれる。
【0113】
(1)上記の装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0114】
(2)上記の装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0115】
(3)上記の装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0116】
(4)また、本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0117】
(5)また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータで読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0118】
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0119】
また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0120】
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を、前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本開示は、シェアリングバッテリとして利用されるバッテリに対しても長寿命化させる利用を促すことができる制御方法、サーバ、車載装置及びプログラムに利用できる。
【符号の説明】
【0122】
1 システム
2 BMS制御装置
3 サーバ
4 端末
5 ネットワーク
21 バッテリ情報取得部
22 バッテリ情報記憶部
23 バッテリ残存価値算出部
24 バッテリ長寿命化プラン算出部
25 バッテリ通常プラン算出部
30 記憶装置
31 BC制御部
32 BMSトークン制御部
33、43 通信部
41 ユーザ処理部
42 ディスプレイ
100 移動体
311 台帳管理部
312 認証部
321 ユーザ行動アシスト表示部
322 ユーザ行動評価部
323 BMSトークン発行部
図1
図2
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