(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】空気調和装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/41 20180101AFI20240425BHJP
F24F 3/044 20060101ALI20240425BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20240425BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20240425BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20240425BHJP
F24F 110/12 20180101ALN20240425BHJP
F24F 140/12 20180101ALN20240425BHJP
【FI】
F24F11/41 210
F24F3/044
F24F11/41 112
F24F11/64
F24F11/65
F24F11/74
F24F110:12
F24F140:12
(21)【出願番号】P 2019162111
(22)【出願日】2019-09-05
【審査請求日】2022-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亘
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-127578(JP,A)
【文献】特開平06-241529(JP,A)
【文献】特開2013-130341(JP,A)
【文献】特開平07-294070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F24F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、四方弁と、第1の熱交換器と、室外膨張弁と、を備える室外機と、
前記室外機と冷媒配管によって接続される外気処理ユニットであって、外気を取り込み、取り込んだ外気と熱交換する第2の熱交換器と、熱交換後の空気を室内に送り出す送風機と、を備える外気処理ユニットと、
前記第1の熱交換器に付着した霜を取り除くための除霜運転中において、
前記外気の温度が第1の閾値よりも高い場合は前記外気処理ユニットの送風機を運転させず、前記外気の温度が
前記第1の閾値以下であり、かつ、前記圧縮機が冷媒を吸い込む圧力が
第2の閾値以下である場合に前記外気処理ユニットの送風機を運転させる運転制御部と、
を備える空気調和装置。
【請求項2】
圧縮機と、四方弁と、第1の熱交換器と、室外膨張弁と、を備える室外機と、
前記室外機と冷媒配管によって接続される外気処理ユニットであって、外気を取り込み、取り込んだ外気と熱交換する第2の熱交換器と、熱交換後の空気を室内に送り出す送風機と、を備える外気処理ユニットと、
を備える空気調和装置の制御方法であって、
前記第1の熱交換器に付着した霜を取り除くための除霜運転中において、
前記外気の温度が第1の閾値よりも高い場合は前記外気処理ユニットの送風機を運転させず、前記外気の温度が
前記第1の閾値以下であり、かつ、前記圧縮機が冷媒を吸い込む圧力が
第2の閾値以下である場合に前記外気処理ユニットの送風機を運転させる、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外気処理ユニットを室外機に接続した空気調和機で暖房運転を行う際、蒸発器として機能する室外機側の熱交換器(以下「室外熱交換器」という。)に外気中の水分が凝固して霜が付着する。室外熱交換器に付着した霜は、暖房運転中に冷媒の循環を逆転させる除霜運転を行うことで除去することができる。除霜運転では、圧縮機から吐出される高温のガス冷媒が室外熱交換器に流れるため、この熱によって室外熱交換器に付着した霜を除去することができる。一方、除霜運転の間、室外機と接続されている外気処理ユニットには冷たい液冷媒が流れることになるため、この間、外気処理ユニット側の熱交換器(以下「外気処理熱交換器」という。)は蒸発器として機能する。
【0003】
通常、室内機を室外機に接続した空気調和機で除霜運転を行う場合には、蒸発器として機能する室内熱交換器は、室外熱交換器の除霜に必要な熱量を温まった室内空気から得るため、室内機側の送風機(以下「室内送風機」という。)を運転させる必要がない。これに対して外気処理ユニットの場合、除霜に必要な熱量を外気から得ることになるため、外気温が低い場合には、室内送風機を運転させずに除霜に必要な熱量を得ることが難しい。十分な除霜を行わないまま室外熱交換器の運転を続けると残霜が成長して、室外熱交換器を損傷する恐れがある。これに対して、除霜運転時に外気処理ユニットの送風機を運転させることで除霜に必要な熱量を得ることが可能になる反面、室内に冷風が吹き出してしまい利用者の快適性を損ねてしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、室内への冷風の吹き出しを抑制しつつ除霜運転を行うことができる空気調和装置及び制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の空気調和装置は、室外機と、外気処理ユニットと、運転制御部と、を持つ。室外機は、圧縮機と、四方弁と、第1の熱交換器と、室外膨張弁と、を備える。外気処理ユニットは、前記室外機と冷媒配管によって接続される外気処理ユニットであって、外気を取り込み、取り込んだ外気と熱交換する第2の熱交換器と、熱交換後の空気を室内に送り出す送風機と、を備える。運転制御部は、前記第1の熱交換器に付着した霜を取り除くための除霜運転中において、前記圧縮機が冷媒を吸い込む圧力が所定の条件を満たしている場合に前記外気処理ユニットの送風機を運転させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】実施形態における制御部の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図3】実施形態の空気調和装置が暖房運転中において外気処理熱交換器の除霜運転を制御する処理の流れの具体例を示すフローチャート。
【
図4】実施形態の空気調和装置が暖房運転中において外気処理熱交換器の除霜運転を制御する処理の流れの具体例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の空気調和装置及び制御方法を、図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、実施形態の空気調和装置1の構成例を示す図である。空気調和装置1は、外気処理ユニット2及び室外機3を備える。外気処理ユニット2及び室外機3は、渡り配管101を介して接続される。
【0010】
外気処理ユニット2は、外気処理熱交換器21、外気処理膨張弁22、ユニット内配管23及び外気処理送風機24を備える。例えば、外気処理熱交換器21はフィンチューブ式の熱交換器である。
【0011】
ユニット内配管23は、外気処理熱交換器21と渡り配管101とを接続する。外気処理送風機24は、例えば遠心式のファンを有する。外気処理送風機24のファンは、外気処理熱交換器21に対向するように配置される。外気処理送風機24が運転することで、外気導入ダクト(図示しない)を介して外気(室外空気)が外気処理ユニット2に導入され、外気処理熱交換器21で冷媒と熱交換した外気が吹出ダクト(図示しない)を介して室内に供給される。
【0012】
室外機3は、室外熱交換器31、四方弁32、圧縮機33、室外膨張弁34、室外配管35、室外送風機36、アキュムレータ37、吸い込み圧力センサ38、外気温センサ39(温度センサ)、送風機運転選択スイッチ41及び制御部42を備える。制御部42は、外気処理ユニット2及び室外機3が備える各機能部の動作を制御する。
【0013】
室外熱交換器31は、例えばフィンチューブ式の熱交換器である。四方弁32は、空気調和装置1内を流れる冷媒の向きを、暖房運転用の流れの向きと、冷房運転及び除霜運転用の流れの向きと、に切替える弁である。
【0014】
圧縮機33は、吸入口SPから冷媒を吸入し、圧縮機33内でこの冷媒を圧縮する。圧縮機33は、圧縮した冷媒を吐出口DPから外部に吐出する。圧縮機33の吸入口SPには、冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離するためのアキュムレータ37が取付けられている。
【0015】
室外膨張弁34は、例えば、電子膨張弁(PMV:Pulse Motor Valve)である。室外膨張弁34は、開度を変更可能である。室外配管35は、室外熱交換器31、四方弁32、圧縮機33、室外膨張弁34及びアキュムレータ37を接続する。室外送風機36は、外気処理送風機24と同様に構成される。
【0016】
吸い込み圧力センサ38は、圧縮機33に吸い込まれる冷媒の圧力を検出する。この例では、吸い込み圧力センサ38は、アキュムレータ37の吸入口SP側における冷媒の圧力を検出する。以下では、吸い込み圧力センサ38が検出した冷媒の圧力を、吸い込み圧力と言う。
【0017】
外気温センサ39は、例えば室外機3内において室外熱交換器31の輻射熱等の影響を受けにくい場所に配置される。外気温センサ39は、室外機3の外気の温度を検出する。以下、外気温センサ39が検出する室外機3の外気の温度を、単に外気温とも言う。
【0018】
送風機運転選択スイッチ41は、除霜運転時において外気処理ユニット2の外気処理送風機24の運転を許可するか否かの選択を可能にするスイッチである。
【0019】
四方弁32、圧縮機33、室外膨張弁34、室外送風機36、吸い込み圧力センサ38、外気温センサ39及び送風機運転選択スイッチ41は、制御部42に接続されている。四方弁32、圧縮機33、室外膨張弁34、及び室外送風機36は、制御部42に制御される。
【0020】
吸い込み圧力センサ38は、検出した圧力を表す信号を制御部42に送信する。外気温センサ39は、検出した温度を表す信号を制御部42に送信する。また、送風機運転選択スイッチ41は、スイッチがオンの場合に外気処理送風機24の運転を許可する信号(以下「運転許可信号」という。)を制御部42に出力し、スイッチがオフの場合には運転許可信号を出力しないものとする。
【0021】
図2は、実施形態における制御部42の機能構成の具体例を示すブロック図である。制御部42は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。制御部42は、プログラムの実行によってセンサデータ記憶部421、信号入出力部422及び運転制御部423を備える装置として機能する。
【0022】
センサデータ記憶部421は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。例えば、センサデータ記憶部421は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性のメモリを用いて構成される。センサデータ記憶部421は、吸い込み圧力センサ38及び外気温センサ39が出力する信号を時系列データとして記憶する。以下、各センサの出力信号の時系列データを「センサデータ」という。
【0023】
信号入出力部422は、空気調和装置1の各機能部との間で信号を入出力する機能を有する。具体的には、吸い込み圧力センサ38、外気温センサ39、送風機運転選択スイッチ41の各出力信号を入力するとともに、空気調和装置1の各機能部の動作を制御するための制御信号を出力する。例えば、信号入出力部422は、RS-232C(Recommended Standard - 232C)やUSB(Universal Serial Bus)等の通信インタフェースを介して吸い込み圧力センサ38、外気温センサ39及び送風機運転選択スイッチ41と通信可能に接続され、この通信インタフェースを介して各出力信号を入力する。また、例えば、信号入出力部422は内部バスに接続され、この内部バスを介して空気調和装置1の各機能部に制御信号を出力する。
【0024】
信号入出力部422は、吸い込み圧力センサ38及び外気温センサ39から入力する各信号の時系列データをセンサデータとしてセンサデータ記憶部421に記録する。また、信号入出力部422は、送風機運転選択スイッチ41から入力する運転許可信号を運転制御部423に出力する。一方で、信号入出力部422は、運転制御部423から制御信号を入力し、入力した制御信号を空気調和装置1の各機能部に出力する。
【0025】
運転制御部423は、空気調和装置1の運転を制御する機能を有する。具体的には、運転制御部423は、センサデータが示す吸い込み圧力や外気温、送風機運転選択スイッチ41から入力する運転許可信号に基づいて四方弁32や圧縮機33の状態を制御することにより、空気調和装置1の暖房運転、及び暖房運転中における除霜運転を制御する。また、運転制御部423は、空気調和装置1の冷房運転を制御する機能を有してもよい。
【0026】
なお、制御部42の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0027】
図3及び
図4は、実施形態の空気調和装置1が暖房運転中において室外熱交換器31の除霜運転を制御する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。まず、運転制御部423は、空気調和装置1に暖房運転を開始させる(ステップS101)。ここでの暖房運転の開始は、どのような基準によるものであってもよい。例えば、ここでの暖房運転は、タイマによって開始されてもよいし、ユーザの操作に応じて開始されてもよいし、空気調和装置1の起動やスリープ動作からの復帰に応じて開始されてもよい。
【0028】
続いて、運転制御部423は、外気処理送風機24の運転が許可されているか否かを判定する(ステップS102)。例えば、運転制御部423は、自身が信号入出力部422から運転許可信号を入力している場合には外気処理送風機24の運転が許可されていると判定し、自身が信号入出力部422から運転許可信号を入力していない場合には外気処理送風機24の運転が許可されていないと判定する。
【0029】
外気処理送風機24の運転が許可されていない場合(ステップS102-NO)、運転制御部423は除霜運転を開始する(ステップS103)。そして、運転制御部423は、外気処理送風機24を稼働させることなくステップS111に処理を移す。
【0030】
一方、外気処理送風機24の運転が許可されている場合(ステップ102-YES)、運転制御部423は除霜運転の開始条件が満たされているか否かを判定する(ステップS104)。例えば、運転制御部423は、室外熱交換器31に付着している霜の量を測定するセンサ(図示せず。以下「霜量センサ」という。)の測定値が所定の閾値以上であれば除霜運転の開始条件が満たされていると判定し、霜量センサの測定値が上記所定の閾値未満であれば除霜運転の開始条件が満たされていないと判定する。
【0031】
除霜運転の開始条件が満たされていない場合(ステップS104-NO)、運転制御部423は、除霜運転の開始条件が満たされるまでステップS104の判定処理を繰り返し実行する。一方、除霜運転の開始条件が満たされている場合(ステップS104-YES)、運転制御部423は、その時点における外気温を検出する(ステップS105)とともに、空気調和装置1に除霜運転を開始させる(ステップS106)。例えば、この時点における外気温は、センサデータ記憶部421に記憶されている最新のセンサデータにより示される。
【0032】
続いて、運転制御部423は、その時点における外気温が第1の閾値A以下であるか否かを判定する(ステップS107)。ここで第1の閾値Aは、外気温が低く、除霜のための熱量の一部又は全部を外気から得ることができないと判断する際の外気温の最高温度である。そのため、運転制御部423は、外気温が第1の閾値Aよりも高い場合(ステップS107-NO)、除霜に必要な熱量が外気から得られると判断し、外気処理送風機24を稼働させることなくステップS111に処理を移す。なお、第1の閾値Aは例えば-5℃の値であり、予め制御部42にROM等に記憶されているものとする。
【0033】
一方、外気温が第1の閾値A以下である場合(ステップS107-YES)、除霜に必要な熱量が外気から得られないと判断し、この時点における圧縮機33の吸い込み圧力を検出する(ステップS108)。例えば、この時点における圧縮機33の吸い込み圧力は、センサデータ記憶部421に記憶されている最新のセンサデータにより示される。
【0034】
続いて、運転制御部423は、その時点における圧縮機33の吸い込み圧力が第2の閾値B以下であるか否かを判定する(ステップS109)。ここで第2の閾値Bは、吸い込み圧力が低く、除霜のための熱量の一部又は全部を圧縮機33による冷媒の圧縮によって得ることができないと判断する際の吸い込み圧力の最大圧力である。そのため、運転制御部423は、圧縮機33の吸い込み圧力が第2の閾値Bよりも高い場合(ステップS109-NO)、除霜に必要な熱量が圧縮機33による冷媒の圧縮によって得られると判断し、外気処理送風機24を稼働させることなくステップS111に処理を移す。なお、第2の閾値Bは例えば1.0kgf/cm2の値であり、予め制御部42にROM等に記憶されているものとする。
【0035】
一方、圧縮機33の吸い込み圧力が第2の閾値B以下である場合(ステップS109-YES)、運転制御部423は、除霜に必要な熱量が圧縮機33による冷媒の圧縮によって得られないと判断し、外気処理送風機24の運転を開始させる(ステップS110)。
【0036】
続いて、運転制御部423は、除霜運転の終了条件が満たされているか否かを判定する(ステップS111)。例えば、運転制御部423は、霜量センサの測定値が所定の閾値未満であれば除霜運転の終了条件が満たされていると判定し、霜量センサの測定値が上記所定の閾値以上であれば除霜運転の終了条件が満たされていないと判定する。ここで、除霜運転の終了条件が満たされていない場合(ステップS111-NO)、運転制御部423は、処理をステップS107に戻し、除霜運転を継続する。
【0037】
一方、除霜運転の終了条件が満たされている場合(ステップS111-YES)、続いて運転制御部423は、暖房運転の終了条件が満たされているか否かを判定する(ステップS112)。ここでの暖房運転の終了は、どのような条件で行われるものであってもよい。例えば、暖房運転の終了条件は、タイマによる終了時刻の到来であってもよいし、ユーザによる終了操作の入力であってもよいし、空気調和装置1の停止やスリープ動作への遷移などであってもよい。
【0038】
ここで暖房運転の終了条件が満たされていない場合(ステップS112-NO)、運転制御部423は、処理をステップS103に戻し、暖房運転を継続する。一方、暖房運転の終了条件が満たされている場合(ステップS112-YES)、運転制御部423は、暖房運転を終了(ステップS113)して一連の処理を終了する。なお、空気調和装置1において暖房運転が再開された場合、運転制御部423は、再度ステップS101から処理を実行する。
【0039】
このように構成された実施形態の空気調和装置1は、室外熱交換器31に付着した霜を取り除くための除霜運転中において、圧縮機33が冷媒を吸い込む圧力、又は外気の温度が所定の条件を満たしている場合に外気処理送風機24を運転させる。これにより、実施形態の空気調和装置1によれば、室内への冷風の吹き出しを抑制しつつ除霜運転を行うことが可能となる。
【0040】
なお、上記の実施形態では、制御部42が室外機3に備えられると説明したが、制御部42は、外気処理ユニット2側に備えられてもよい。また、制御部42は、通常の暖房運転(又は冷房運転)を制御する第1の制御部と、暖房運転中における外気処理送風機24の運転を制御する第2の制御部とに分けて構成されてもよい。この場合、第1の制御部は外気処理ユニット2及び室外機3のどちらに備えられてもよい。また、第2の制御部も外気処理ユニット2及び室外機3のどちらに備えられてもよい。
【0041】
また、上記の実施形態では、圧縮機33の吸い込み圧力と、外気温との両方に基づいて除霜運転中における外気処理送風機24の運転を制御すると説明したが、除霜運転中における外気処理送風機24の運転の制御には必ずしも圧縮機33の吸い込み圧力と、外気温との両方が用いられる必要はない。運転制御部423は、圧縮機33の吸い込み圧力と、外気温とのいずれか一方に基づいて除霜運転中における外気処理送風機24の運転を制御してもよい。
【0042】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、室外熱交換器31(第1の熱交換器)と、四方弁32と、圧縮機33と、室外膨張弁34と、を備える室外機3と、室外機3と冷媒配管(具体的には、ユニット内配管23、室外配管35及び渡り配管101)によって接続される外気処理ユニット2であって、外気を取り込み、取り込んだ外気と熱交換する外気処理熱交換器21(第2の熱交換器)と、熱交換後の空気を室内に送り出す外気処理送風機24(送風機)と、を備える外気処理ユニット2と、を備える空気調和装置1が、室外熱交換器31に付着した霜を取り除くための除霜運転中において、圧縮機33が冷媒を吸い込む圧力又は外気の温度が所定の条件を満たしている場合に外気処理送風機24を運転させる運転制御部423を持つことにより、室内への冷風の吹き出しを抑制しつつ除霜運転を行うことができる。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0044】
1…空気調和装置、101…渡り配管、2…外気処理ユニット、21…外気処理熱交換器、22…外気処理膨張弁、23…ユニット内配管、24…外気処理送風機、3…室外機、31…室外熱交換器、32…四方弁、33…圧縮機、34…室外膨張弁、35…室外配管、36…室外送風機、37…アキュムレータ、38…吸い込み圧力センサ、39…外気温センサ、41…送風機運転選択スイッチ、42…制御部、421…センサデータ記憶部、422…信号入出力部、423…運転制御部、DP…吐出口、SP…吸入口