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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】瞬間乳化化粧品製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/41 20220101AFI20240425BHJP
   B01F 23/47 20220101ALI20240425BHJP
   B01F 25/00 20220101ALI20240425BHJP
   B01F 25/40 20220101ALI20240425BHJP
   A61K 8/06 20060101ALN20240425BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALN20240425BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALN20240425BHJP
【FI】
B01F23/41
B01F23/47
B01F25/00
B01F25/40
A61K8/06
A61Q1/00
A61Q19/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019552474
(86)(22)【出願日】2018-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 KR2018003563
(87)【国際公開番号】W WO2018174693
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-01-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】10-2017-0037725
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】アモーレパシフィック コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】100, Hangang-daero, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ハン ギョンソプ
(72)【発明者】
【氏名】ナム ジン
【合議体】
【審判長】井上 典之
【審判官】冨永 保
【審判官】齊藤 真由美
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-538947(JP,A)
【文献】特表2002-538909(JP,A)
【文献】特表2006-527084(JP,A)
【文献】特開2004-351417(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2962751(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0252584(US,A1)
【文献】特表2001-520112(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0039938(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
A45D33/00-40/30
A61J1/00-19/06
B01F1/00-5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形を形成するハウジングと、
前記ハウジングに提供され、瞬間乳化されたエマルションを前記ハウジングの外部に吐出するポンプと、
前記ハウジングに提供され、内相流体を保存する第1容器と、
前記ハウジングに提供され、機能性原料を含む機能性流体を保存する第2容器と、
前記ハウジングに提供され、外相流体を保存する第3容器と、
前記ハウジングに提供され、外相流体と内相流体と機能性流体との提供を受けエマルションを生成するチャンネル部と、
前記チャンネル部で生成されたエマルションを前記ポンプに提供するチューブとを含み、
前記チャンネル部は、
内相流体と機能性流体とを混合して混合流体を生成する第1チャンネルと、
前記第1チャンネルから提供される混合流体と外相流体とを混合してエマルションを生成する第2チャンネルとを含み、
前記第1チャンネルは、
前記内相流体と前記機能性流体を一緒に流しながら混合流体を生成する、連続的に配置されている複数の混合部を含み、
前記混合部は、
進入する流体が一方向に回転するように案内する第1回転経路と、
前記一方向に回転する流体が他方向に回転するように案内する第2回転経路と、
前記第1回転経路と前記第2回転経路との間で流体の回転方向を変更する方向転換経路とを含み、
前記第2チャンネルは、
前記外相流体が前記混合流体の流れを切って、前記混合流体を粒子状態で前記外相流体内に分散させる乳化作用部を含み、
前記第1チャンネルと前記第2チャンネルとは、互いに積層されるように前記ハウジング内に配置され、
前記第1チャンネルが、前記第2チャンネルよりも、前記第1容器と前記第2容器と前記第3容器とに、より近く配置される、瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項2】
前記第1チャンネルが形成されている第1プレートと、
前記第2チャンネルが形成されている第2プレートと、
前記第1プレートと前記第2プレートとを連結して、前記第1チャンネルで生成された混合流体を前記第2チャンネルに提供する連結流路とをさらに含む、請求項1に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項3】
前記第1容器から前記第1チャンネルに内相流体を提供する第1流路と、
前記第2容器から前記第1チャンネルに機能性流体を提供する第2流路と、
前記第3容器から前記第2チャンネルに外相流体を提供する第3流路とを含む、請求項1に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項4】
前記第1チャンネルは、
前記第1流路に連結される内相流体注入口と、
前記第2流路に連結される機能性流体注入口と、
前記内相流体注入口に提供された内相流体と、前記機能性流体注入口に提供された機能性流体とが合流する第1合流部と、
前記混合部で生成された混合流体を前記第2チャンネルに提供する第1吐出口とを含む、請求項に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項5】
前記混合部は、流体の進行方向を転換させることによって流動に渦流を形成できるように設けられる、請求項に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項6】
前記第2チャンネルは、
前記第3流路に連結される外相流体注入口と、
前記第1チャンネルから供給される混合流体が注入される混合流体注入口と、
前記外相流体注入口に提供された外相流体と、前記混合流体注入口に提供された混合流体とが合流する第2合流部と、
前記第2合流部で合流した外相流体と混合流体とを乳化させエマルションを生成する乳化作用部と、
前記乳化作用部で生成されたエマルションを前記チューブに提供する第2吐出口に案内する排出経路とを含む、請求項に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項7】
前記乳化作用部は、前記第2合流部の後流に配置されたオリフィスである、請求項に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項8】
前記機能性流体はビタミン誘導体を含み、前記ビタミン誘導体が安定した状態を有し得る酸度を有し、
前記内相流体は、前記機能性流体を中和させられる酸度を有する水溶液であり、
前記機能性流体は、前記第1チャンネルで前記内相流体と混合され中和される、請求項1に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項9】
前記機能性流体は、ビタミンCが溶解されたポリオールであり、
前記内相流体は水であり、
前記機能性流体は、前記第1チャンネルで前記内相流体と混合され水和される、請求項1に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項10】
増粘剤を保存する第4容器と、
前記第2チャンネルで生成されたエマルションと、前記第4容器から提供される増粘剤とを混合する第3チャンネルとをさらに含み、
前記チューブは、前記第3チャンネルに連結され、増粘剤が混合されたエマルションを前記ポンプに提供する、請求項1に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項11】
前記第3チャンネルは、
前記第2チャンネルから提供されるエマルションが注入されるエマルション注入口と、
増粘剤が注入される増粘剤注入口と、
前記エマルション注入口に提供されたエマルションと、前記増粘剤注入口に提供された増粘剤が合流する第3合流部と、
前記第3合流部で合流したエマルションと増粘剤とを一緒に流しながら互いに混ざり合うようにする増粘剤混合部と、
前記チューブに連結され、増粘剤が混じったエマルションを吐出する第3吐出口とを含む、請求項10に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【請求項12】
前記ポンプの操作により発生する圧力により、内相流体と機能性流体と外相流体とが前記チャンネル部に供給されてエマルションが生成され、生成されたエマルションが前記チューブを介して前記ポンプに供給される、請求項1に記載の瞬間乳化化粧品製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、瞬間乳化化粧品製造装置および製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体の乳化技術とは、水とオイルのように互いに混ざらない2つの流体の一方の液体を小さな粒子として分散させて、他方の液体内に安定した状態で配置させる技術のことを意味する。このような乳化技術は、ローション、クリーム、エッセンス、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、メイクアップベース、ファンデーション、アイライナー、マスカラなどの化粧品の製造分野で広範囲に使用されている。
【0003】
具体的に、化粧品は、水のような親水性流体内にオイルのような疎水性流体を小さな粒子状で均一に分散させることにより調製されるO/W(Oil in Water)エマルション(emulsion、乳剤)、または疎水性流体内に親水性流体を小さな粒子状で均一に分散させることにより調製されるW/O(Water in Oil)エマルションを含み得る。このようなエマルションの調製過程では、生産性向上、製品品質向上などの目的から、界面活性剤や増粘剤が用いられる。また、化粧品としての効能を向上させるために、ビタミンなどの機能性原料がエマルションにさらに加え得る。
【0004】
エマルションを生産するためには、微細粒子となって分散している内相流体と、微細粒子を包んでいる連続相である外相流体とを互いに適宜混合するべきであるが、化粧品製造社は特許文献1に開示のように、エマルションを予め大量に調製しておいて、製品化して販売している。
しかしながら、前記のような従来技術には次のような問題がある。
【0005】
エマルションを含む化粧品は、製造された後、包装、輸送過程を経て、オンライン・オフライン売り場で販売されることによって、初めて消費者に用いられることとなる。つまり、エマルションの製造時期から実際の使用時期までに長い時間がかかる。市場においては、消費者の新鮮な化粧品に対する欲求が増加しているが、このような従来の製造、販売方法では消費者の欲求を満たすことができない。
【0006】
また、消費者は、化粧品の本来の機能とは大きく関わりのない化学物質である界面活性剤や増粘剤などの付加的な物質が最小化された製品を好むが、製造から使用まで予想される長い間に製品の安定性を維持するためには、付加的な物質を一定レベル以上使用せざるを得ないという問題がある。
【0007】
特に、化粧品の効能を向上させるための機能性原料の中には、ビタミン誘導体(AA2G、COS-VCE-K)、ERP(Essential Returning Pool)、EGCG(Epigallocatechingallate)等と酸度(pH)に敏感だったり、ビタミンCのように水に分解されると時間の経過につれ製品の効能が劣ったり、変色、変臭される物質が多い。このような物質を、化粧品内に安定的に収容させるためには、化粧品を特定の条件下で生成するか、化粧品が特定の状態を有するようにしなければならないが、それに伴う副作用も発生し得るので、高機能性製品を作るのに限界がある。
【0008】
例えば、ビタミン誘導体であるAA2Gの場合、pH4以下において安定した状態を有するが、このような条件の化粧品は、粘度が低くなり長期的な剤形の安定性が低下するという問題があり、一部の敏感な肌を持つユーザーは刺激を感じる問題もある。また、ビタミンCの場合、水との反応を遮断するためにポリオール(Polyol)に加温溶解してシリコン(Silicon)とP/S乳化粒子を形成する方法が用いられているが、P/S乳化粒子を有する化粧品はべたつく使用感のためユーザー満足度が高くないという問題がある。
【0009】
すなわち、従来技術は、機能性原料が有するメリットがあるにもかかわらず、機能性原料を限定して用いらざるを得ないという限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】韓国登録特許第10-0222000号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の実施例は、前記のような問題を解決するために提案されたものであり、新鮮な化粧品使用に対する消費者の欲求を満たせる瞬間乳化化粧品製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、製品の長期安定性を維持するために用いられる添加物の含有量を減らした化粧品を製造することができる瞬間乳化化粧品製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、機能性原料の効能を十分に発揮できる化粧品を製造することができる瞬間乳化化粧品製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一側面によると、外形を形成するハウジングと、前記ハウジングに提供され、瞬間乳化されたエマルションを前記ハウジングの外部に吐出するポンプと、前記ハウジングに提供され、内相流体を保存する第1容器と、前記ハウジングに提供され、機能性原料を含む機能性流体を保存する第2容器と、前記ハウジングに提供され、外相流体を保存する第3容器と、前記ハウジングに提供され、外相流体と内相流体と機能性流体との提供を受けエマルションを生成するチャンネル部と、前記チャンネル部で生成されたエマルションを前記ポンプに提供するチューブとを含み、前記チャンネル部は、内相流体と機能性流体とを混合して混合流体を生成する第1チャンネルと、前記第1チャンネルから提供される混合流体と外相流体とを混合してエマルションを生成する第2チャンネルとを含む、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0015】
また、前記第1チャンネルと前記第2チャンネルとは、互いに積層されるように前記ハウジング内に配置される、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0016】
また、前記第1チャンネルが前記第2チャンネルよりも、前記第1容器と前記第2容器および前記第3容器へより近く配置される、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0017】
また、前記第1チャンネルが形成されている第1プレートと、前記第2チャンネルが形成されている第2プレートと、前記第1プレートと前記第2プレートとを連結して、前記第1チャンネルで生成された混合流体を前記第2チャンネルに提供する連結流路とをさらに含む、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0018】
また、前記第1チャンネルと前記第2チャンネルとは、同一平面上に配置される、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0019】
また、前記第1容器から前記第1チャンネルに内相流体を提供する第1流路と、前記第2容器から前記第1チャンネルに機能性流体を提供する第2流路と、前記第3容器から前記第2チャンネルに外相流体を提供する第3流路とをさらに含む、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0020】
また、前記第1チャンネルは、前記第1流路に連結される内相流体注入口と、前記第2流路に連結される機能性流体注入口と、前記内相流体注入口に提供された内相流体と前記機能性流体注入口に提供された機能性流体とが合流する第1合流部と、前記第1合流部で合流した内相流体と機能性流体とを一緒に流しながら混合流体を生成する混合部と、前記混合部で生成された混合流体を前記第2チャンネルに提供する第1吐出口とを含む、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0021】
また、前記混合部は、流体の進行方向を転換させることによって、流動に渦流を形成できるように設けられる、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0022】
また、前記混合部は、流入される流体が一方向に回転されるように案内する第1回転経路と、前記一方向に回転される流体が他の方向に回転されるように案内する第2回転経路と、前記第1回転経路と前記第2回転経路との間で流体の回転方向を変更する方向転換経路とを含む、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0023】
また、前記第2チャンネルは、前記第3流路に連結される外相流体注入口と、前記第1チャンネルから供給される混合流体が注入される混合流体注入口と、前記外相流体注入口に提供された外相流体と前記混合流体注入口に提供された混合流体とが合流する第2合流部と、前記第2合流部で合流した外相流体と混合流体とを乳化させエマルションを生成する乳化作用部と、前記乳化作用部で生成されたエマルションを前記チューブに提供する第2吐出口へ案内する排出経路とを含む、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0024】
また、前記乳化作用部は、外相流体が混合流体の流れを切って混合流体が粒子の状態で外相流体内に分散されるように構成される、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0025】
また、前記乳化作用部は、前記第2合流部の後流に配置されているオリフィスである、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0026】
また、前記機能性流体はビタミン誘導体を含み、前記ビタミン誘導体が安定した状態を有し得る酸度を有し、前記内相流体は前記機能性流体を中和させられる酸度を有する水溶液であり、前記機能性流体は前記第1チャンネルで前記内相流体と混合され中和される、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0027】
また、前記機能性流体はビタミンCが溶解されているポリオールであり、前記内相流体は水であり、前記機能性流体は前記第1チャンネルで前記内相流体と混合され水和される、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0028】
また、増粘剤を保存する第4容器と、前記第2チャンネルで生成されたエマルションと前記第4容器から提供される増粘剤とを混合する第3チャンネルとをさらに含み、前記チューブは前記第3チャンネルに連結され、増粘剤が混合されたエマルションを前記ポンプに提供する、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0029】
また、前記第3チャンネルは、前記第2チャンネルから提供されるエマルションが注入されるエマルション注入口と、増粘剤が注入される増粘剤注入口と、前記エマルション注入口に提供されたエマルションと前記増粘剤注入口に提供された増粘剤とが合流する第3合流部と、前記第3合流部で合流したエマルションと増粘剤とを一緒に流しながら混ざり合うようにする増粘剤混合部と、前記チューブに連結され増粘剤が混じったエマルションを吐出する第3吐出口とを含む、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0030】
また、前記ポンプの操作により発生する圧力によって、内相流体と機能性流体と外相流体とが前記チャンネル部に供給されてエマルションが生成され、生成されたエマルションが前記チューブを介して前記ポンプに供給される、瞬間乳化化粧品製造装置が提供され得る。
【0031】
本発明の一側面によると、ユーザーにより、ハウジングに提供されているポンプが操作される段階と、前記ポンプの操作により、前記ハウジングに提供された第1容器から排出される内相流体と前記ハウジングに提供された第2容器から排出される機能性流体とが、第1チャンネルで互いに混合され混合流体が生成される段階と、前記第1チャンネルで生成された混合流体と第3容器から排出される外相流体とが、第2チャンネルで互いに混合され瞬間乳化されることによりエマルションが生成される段階と、前記第2チャンネルで生成されたエマルションが、前記ポンプに連結されているチューブを介して前記ポンプに提供される段階とを含む、瞬間乳化化粧品製造方法が提供され得る。
【発明の効果】
【0032】
本発明の実施例による瞬間乳化化粧品製造装置および製造方法は、新鮮な化粧品使用に対する消費者の欲求を満たせるというメリットがある。
【0033】
また、製品の長期安定性を維持するために用いられる添加物の含有量を減らした化粧品を提供できるという効果がある。
【0034】
また、機能性原料の効能を十分に発揮できる化粧品を提供することができるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明の一実施例による瞬間乳化化粧品製造装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図2図2は、図1におけるチャンネル部を示す図である。
図3図3は、図2における第1チャンネルおよび第2チャンネルの平断面図である。
図4図4は、本発明の他の実施例による瞬間乳化化粧品製造装置のチャンネル部を示す図である。
図5図5は、本発明のまた他の実施例による瞬間乳化化粧品製造装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下では、本発明の具体的な実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明を説明するに当たって、関連する公知の構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例による瞬間乳化化粧品製造装置の構成を概略的に示す斜視図であり、図2図1におけるチャンネル部を示す図であり、図3図2における第1チャンネルおよび第2チャンネルの平断面図である。
【0038】
図1図3を参照すると、本発明の一実施例による瞬間乳化化粧品製造装置1は、ユーザーが求める瞬間に化粧料を生成してユーザーに提供することができる。
【0039】
本実施例において「瞬間乳化」とは、数秒以内に外相流体に内相流体を乳化させ、一定時間の間乳化された状態を維持できるようにすることと理解され得る。つまり、瞬間乳化化粧品製造装置1とは、数秒以内に複数の原料を瞬間乳化させて、ユーザーに即座に供給する装置のことを意味する。
【0040】
具体的に、本発明の一実施例による瞬間乳化化粧品製造装置1は、外形を形成するハウジング10と、ハウジング10に提供されユーザーの操作によって瞬間乳化されたエマルションをハウジング10の外部に吐出するポンプPと、ハウジング10に提供され内相流体を保存する第1容器20と、ハウジング10に提供され機能性原料を含む機能性流体を保存する第2容器30と、ハウジング10に提供され外相流体を保存する第3容器40と、ハウジング10に提供され外相流体と内相流体と機能性流体との提供を受けてエマルションを生成するチャンネル部100と、チャンネル部100で生成されたエマルションをポンプPに提供するチューブ60とを含み得る。以下の説明において、機能性原料は、化粧品成分のうち機能の向上を目的に含まれる原料として、特に法的に機能性許可を受けた原料として理解され得る。また、機能性流体は、機能性原料が溶解されているか、含まれている流体のことを意味するものと理解され得る。
【0041】
ハウジング10は、第1容器20、第2容器30、第3容器40、チャンネル部100を内側に収容できる所定の形状に形成され得、本実施例では円筒状に形成されることを例に挙げて図示したが、本発明の思想はこれに限定されない。
【0042】
ポンプPは、流体を容器20、30、40から排出させ瞬間乳化した後、ハウジング10の外側に形成されている吐出口を介して吐出させるエネルギーを提供する手段として、ハウジング10の一側に配置されるが、ユーザーが操作できる操作部はハウジング10の外側に露出され、混合液を外部に吐出するための連結部はハウジング10内部に提供され得る。ポンプPによって形成される圧力によって、第1容器20、第2容器30、および第3容器40に収容されていた原料がチャンネル部100で提供され、チャンネル部100に供給された原料が所定の経路に沿って移動して瞬間乳化された後、チューブ60を介してポンプPに吐出され得る。そのために、ポンプPからそれぞれの容器20、30、40までには、互いに連通する一連の流路を形成し得る。
【0043】
本実施例においてポンプPは、ハウジング10の外部に露出されて化粧料を排出する吐出部を含む構成であるものを例に挙げて説明するが、これは一例に過ぎず、本発明の思想はこれに限定されない。例えば、吐出部はポンプPとは別に提供され、ポンプPは容器20、30、40から吐出部まで連結される一連の流路のいずれか任意のポイントに連結され圧力を提供することもできる。
【0044】
本実施例では、ポンプPとして、ユーザーが操作部を押して離す動作によりハウジング10内部の流体の移動経路上に陰圧がかかるようにする押圧式のポンプを例として示した。この場合、ポンプPにより形成される単一方向への圧力によって、容器20、30、40からの原料吐出と、チャンネル部100内における移動と化粧料の吐出とがいずれも実現できるので、装置の構成を簡単にできるというメリットがある。
【0045】
しかし、本発明の思想はこれに限定されず、ポンプPとして様々な方式のポンプが使用され得る。例えば、無動力ポンプとしては、ボタンスプリング(button-spring)ポンプ、シリンジ(syringe)ポンプ、チューブ(flexible tube)ポンプ、ギア(gear)ポンプ、多孔質(porous)ポンプ、ねじ(thread inserting)ポンプなどが用いられるか、吐出口に、オリフィス(orifice)、ローラーボール(rollerball)、ペンシル(pencil)等を適用して、毛細管現象(capillary action)によって流体を吸収したり吐出したりするポンプが適用され得る。また、動力ポンプとしては、電気、振動、音波、圧電物質(piezoelectric material)を制御して流体を吸収したり吐出したりするポンプが適用され得る。
【0046】
第1容器20と第2容器30および第3容器40は、ハウジング10の内側に収容されたり、ハウジング10の外側に付着されたり、交換可能な形状で提供され得、本実施例では、第1容器20と第2容器30および第3容器40が一つの円筒形容器内にバリアBによって区画され提供されることを例に挙げて示している。この際、乳化粒子が形成されるためには、通常、内相流体に対する外相流体の注入比が同じかより高ければならないが、例えば、外相流体の注入量は内相流体の注入量の1倍~30倍であり得、それに対応するように外相流体を保存する第3容器40が他の容器に比べて、より大きい体積を有するように形成され得る。
【0047】
第1容器20には、内相流体をチャンネル部100に提供する第1流路22が連結され、第2容器30には、機能性流体をチャンネル部100に提供する第2流路32が連結され、第3容器40には、外相流体をチャンネル部100に提供する第3流路42が連結される。この際、第1流路22と第2流路32とは、ポンプPによって加えられる圧力によって内相流体と機能性流体とが同時にチャンネル部100、具体的に、第1チャンネル110に伝達できる長さと直径とを有し得る。また、第3流路42は、内相流体と機能性流体とが第1チャンネル110で混合された後、第2チャンネル120に提供され移動する際、外相流体が第2チャンネル120に伝達できる長さと直径とを有し得る。一例として、第3流路42は、同一圧力が加えられた時、外相流体がより遅くチャンネル部100に到達できるように、第1流路22および第2流路32よりも長い長さを有し得る。なお、第1流路22と第2流路32と第3流路42とは、それぞれエマルションの原料をチャンネル部100に供給するものとして、供給流路と称し得る。
【0048】
さらに、各々の容器20、30、40と流路22、32、42の連結部位には、ポンプPの圧力が作用するときにのみ流路22、32、42に内容物が吐出できるように、弁のような開閉制御手段が提供され得る。
【0049】
チャンネル部100は、第1流路22と第2流路32を介して提供される内相流体と機能性流体とを混合して混合流体を生成する第1チャンネル110と、第1チャンネル110から提供される混合流体と第3流路42を介して提供される外相流体とを混合してエマルションを生成する第2チャンネル120とを含み得る。なお、第1チャンネル110と第2チャンネル120は、マイクロ流体チャンネルとして理解され得る。
【0050】
第1チャンネル110と第2チャンネル120は、チャンネル内部に流入した流体が移動できる所定の流路として理解され得、本実施例のようにハウジング10の内部に収容されるプレート12、14内部に形成され得る。しかし、第1チャンネル110と第2チャンネル120の提供方法はこれに限定されず、実施例によって第1チャンネル110と第2チャンネル120は、流路を形成する一体型に形成された管体でもあり得、流路を含む複数の部品が互いに組み立てられ形成されたものでもあり得る。
【0051】
本実施例においては、図に示すように、ハウジング10内に提供される第1プレート12に第1チャンネル110が形成され、第2プレート14に第2チャンネル120が形成されることを例に挙げて説明する。具体的に、第1プレート12と第2プレート14とは、ハウジング10の内側に、互いに積層される形状で配置され得、第1プレート12が上側に配置され、第2プレート14が第1プレート12から下側に配置され得る。すなわち、第1チャンネル110が第2チャンネル120よりも容器20、30、40へより近く配置され得る。これによって、さらに簡単な構造で第3流路42が、第1流路22および第2流路32よりさらに長い長さを有するようにすることができる。また、第1プレート12と第2プレート14とを積層構造で形成することにより、ハウジング10内の空間活用度を高められるので、全体として製品のサイズを小型化することができる。
【0052】
一方、第1チャンネル110と第2チャンネル120は、流体がスムーズに流れるように流体の流入ポイントが吐出ポイントよりも高く位置するように形成され得る。そのために、第1プレート12と第2プレート14とは、流体の進行方向に向かって傾斜するように提供されても良い。
【0053】
また、本実施例では、第1プレート12と第2プレート14が上下方向に所定距離をもって離隔され、第1プレート12で生成された混合流体を第2プレート14に伝達するために、連結流路13が第1プレート12と第2プレート14との間に提供されることを例に挙げて説明するが、本発明の思想はこれに限定されない。例えば、第1プレート12と第2プレート14とは、互いに接触するように配置されることもあり、一つのプレート内部に第1チャンネル110と第2チャンネル120とが上下に配置されることもあり得る。この場合、連結流路13は、プレートの内部に提供され、実質的に第1チャンネル110と第2チャンネル120とを連通させる流路であり得る。
【0054】
第1チャンネル110が提供される第1プレート12には第1流路22と第2流路32とが連結され、第2チャンネル120が提供される第2プレート14には第3流路42とチューブ60とが連結され、第3流路42とチューブ60とは、第1プレート12を通過して第2プレート14側に延長され得る。そのために、第1プレート12には、第3流路通過ホールH1とチューブ通過ホールH2とが形成され得る。
【0055】
一方、第1プレート12と第2プレート14は、それぞれ上部構造物と下部構造物とに分けて成形された後、互いに結合されることによって、第1チャンネル110と第2チャンネル120とが形成されるようにすることができ、ハウジング10の内側に所定の固定手段によって固定され得る。
【0056】
第1チャンネル110は、第1容器20から第1流路22に沿って供給される内相流体と、第2容器30から第2流路32に沿って供給される機能性流体とを撹拌して混合流体を生成する。具体的に、第1チャンネル110は、第1流路22に連結される内相流体注入口111と、第2流路32に連結される機能性流体注入口113と、内相流体注入口111に提供された内相流体と機能性流体注入口113に提供された機能性流体とが合流する第1合流部115と、第1合流部115で合流した内相流体と機能性流体とを一緒に流しながら混合流体を生成する混合部117と、連結流路13に連結され混合流体を第2チャンネル120に提供する第1吐出口119とを含み得る。前述のように、内相流体と機能性流体とは、ポンプPで形成された圧力によって容器20、30から排出され、第1チャンネル110を通過した後、第2チャンネル120に移動され得る。
【0057】
内相流体注入口111と機能性流体注入口113とは、第1合流部115を中心に互いに対向するように配置され得、これにより第1合流部115を中心に「T」字型の流路が形成され得る。第1合流部115で接触された内相流体と機能性流体とは、互いに十分混合していない状態で直線流路に沿って混合部117に流入され得る。
【0058】
混合部117は、流体の進行方向を転換させることにより、流動に渦流(vortex)を形成し得る流路である。そのために、混合部117は、流体の進行方向が転換されるように切曲部、屈曲部、回転部などを備えることができる。特に、混合部117が流体を一方向または両方向に回転させられるように形成されると、流体の流れに渦流が形成されるとともに、流体に遠心力が加わるので、混合部117を通過する流体は十分に混ざり合えるようになる。
【0059】
本実施例では、混合部117が流入される流体を一方向(図面基準反時計回り)に回転させた後、さらに他方向(図面基準時計回り)に回転させるように構成されることを例に挙げて説明する。具体的に、混合部117は、流体が一方向に回転するように案内する第1回転経路1171と、一方向に回転される流体が他方向に回転されるように案内する第2回転経路1172と、第1回転経路1171と第2回転経路1172との間で流体の回転方向を変更する方向転換経路1173とを含み得る。第1合流部115で互いに接触され十分に混合されていない状態の内相流体と機能性流体とは、第1回転経路1171に沿って移動し一方向に回転して混合され、方向転換経路1173で回転方向が転換された後、さらに他方向に回転され混合されるので、内相流体と機能性流体とは活発に混合され得る。
【0060】
このような混合部117は、複数が連続的に配置され、内相流体と機能性流体とが十分に混ざり合えるようにし得る。本実施例では、混合部117が第1チャンネル110上に4個が連続して配置されることを例に挙げて示しているが、混合部117の数および配置は本発明の思想を制限しない。
【0061】
一方、本実施例では、混合部117が流体の進行方向を転換させ渦流を形成することにより混合を促進させることを例に挙げて説明したが、流体を混合させる方法はこれに限定されず、2つの流体を積層されるようにして接触面積を増やす方法、電界を適用する方法、音波を利用する方法、その外にもマイクロ流体チャンネル内で撹拌させられる等、さまざまな方法が使用され得る。
【0062】
混合部117を通過する際、内相流体と機能性流体とは十分に混ざり合うようになり、このように混合された流体を本実施例では混合流体と言う。混合流体は、第1吐出口119に移動され、連結流路13を介して第2チャンネル120に提供される。
【0063】
第2チャンネル120は、第1チャンネル110から連結流路13に沿って供給される混合流体と、第3容器40から第3流路42に沿って供給される外相流体とを撹拌して、乳化物質であるエマルションを生成する。なお、内相流体を含んでいる混合流体と外相流体とは、第2チャンネル120を通過する非常に短い間に乳化されエマルションとなり得る。つまり、混合流体と外相流体が瞬間乳化される。この際、混合流体は、第2チャンネル120における瞬間乳化によって内相流体と機能性流体とが混合された状態のまま外相流体内に粒子状態で分散され得る。前述のように、混合流体と外相流体とは、ポンプPで形成された圧力によって第1チャンネル110から第2チャンネル120に流入され、第2チャンネル120を通過してチューブ60に移動され得る。
【0064】
第2チャンネル120は、第3流路42に連結される外相流体注入口121と、連結流路13に連結され第1チャンネル110から供給される混合流体が注入される混合流体注入口122と、外相流体と混合流体とが合流する第2合流部123と、第2合流部123で合流した外相流体と混合流体とを乳化させてエマルションを生成する乳化作用部126と、エマルションをチューブ60に連結された第2吐出口128に案内する排出経路127とを含み得る。
【0065】
外相流体注入口121を介して第2チャンネル120に流入された外相流体は、両側に分枝された外相流体移動経路124に沿って第2合流部123に案内され、混合流体注入口122を介して第2チャンネル120に流入した混合流体は、単一の混合流体移動経路125に沿って第2合流部123に案内され得る。この際、第2合流部123に流入される混合流体の流動方向および乳化作用部126への移動方向と、第2合流部123に流入される外相流体の流動方向とは、互いに垂直であり得、一方向(図3基準左方向)に移動される混合流体の両側(図3基準上側と下側)から外相流体が流入して混合流体に合流され得る。つまり、第2合流部123を中心に、混合流体移動経路125と乳化作用部126と外相流体移動経路124とは、「+」字型であり得る。これにより、混合流体の流動は進行方向の両方向から力を受けることになり、その結果流動が細くなって、乳化作用部126における乳化作用がより容易に行われる。
【0066】
乳化作用部126は、外相流体が混合流体の流れを切って、混合流体が粒子の状態で外相流体内に分散されるようにするものであり、本実施例では第2合流部123の後流に配置され、流体の進行方向に幅が狭くなるオリフィスが乳化作用部126として提供されることを例に挙げて説明する。例えば、乳化作用部126はオリフィスであって、混合流体移動経路125および排出経路127よりも小さい幅を有するように形成され得る。
【0067】
外相流体は、相対的に狭い幅を有するオリフィスを通る間、オリフィスの内側に狭くなる方向(垂直方向)と流体の流れ方向(水平方向)との合力方向(オリフィスの中心側に集まる対角方向)に、混合流体にせん断力を作用させる。この力とオリフィス入口のコーナー部の幾何学的形状により混合流体の移動流れは切られるようになり、粒子形状になる。互いに混ざらない2つの流体が界面の不安定な状態でオリフィスを通過する際に毛細管不安定(capillary instability)が増加し、オリフィスがあるチャンネルは、それがないチャンネルに比べて小さいエネルギーでも混合流体の流れを切ることができる。切られた混合流体は、安定した状態を維持しようと、球状になって外相流体内に分散される。
【0068】
本実施例におけるようなオリフィスを用いた乳化方法は、Flow-focusing方式の乳化と言え、これは互いに異なる相の流体が同じ方向に流れるようにし、合流部にオリフィスを位置させることにより、外相流体が内相流体の流れを切られるようにしたことである(Flow-Focusing)。このように、オリフィスを利用すれば、外相流体の流れがオリフィス内側の対角方向に変わり、混合流体にさらに強いせん断力を伝えることができ、それによって乳化粒子がより容易に形成されると同時に、一定の大きさの乳化粒子が形成され得る。
【0069】
その外にも乳化作用部126として様々な実施例が適用され得る。例えば、互いに異なる相の流体を同じ方向に移動させながら乳化させる方法(Co-Flow方式)、互いに異なる相の流体が交差できるように移動させながら乳化させる方法(Cross-Flow方式)、合流部への外相流体の流入口と内相流体の流入口のアスペクト比を大きくしたり、低く調節したりすることにより、合流部において乳化粒子を形成する方法(Step Emulsification方式)、内相流体または二相の混合流体を膜(Membrane)の穴に通過させ乳化粒子を形成する方法(Membrane Emulsification方式)が利用され得る。
【0070】
また、乳化作用部126は、動力源を利用することもできる。例えば、電界(Electrical control)、磁場(Magnetic control)、遠心力(Centrifugal control)、レーザー(Optical control)、振動機(Vibration control)、圧電体(Piezoelectric control)のいずれか、またはそれ以上を用いて乳化粒子を形成する方法のチャンネルが利用され得る。
【0071】
また、乳化作用部126は、流体の粘度、界面張力、濡れ性を変化させて乳化粒子を形成することもでき、例えば、電気粘性流体(Electrorheological Fluids:ER流体)または磁気粘性流体(MagnetorheologicalFluids:MR流体)、感光性流体(Photo-sensitive Fluids)が適用され得る。
【0072】
乳化作用部126で形成されたエマルションは、排出経路127を通過して安定することができ、エマルション吐出口126を介してチューブ60に伝達され得る。なお、排出経路127の内壁は、外相流体の親水度に対応する性質を有するように提供され得る。この場合、エマルションの外相をなす外相流体は排出経路127の内壁側に引き寄せられるようになり、相対的に混合流体は排出経路127の内壁側から離れるようになるので、エマルションの状態が安定して保持されて移動され得る。例えば、外相流体がオイルである場合は、排出経路127の内壁は疎水性物質や疎水性フィルムでコーティングされ得、外相流体が水である場合は、親水性物質や親水性フィルムでコーティングされ得る。なお、親水性物質や親水性フィルムとしては、水との接触角が0~50度の素材が用いられ、疎水性物質や疎水性フィルムとしては、水との接触角が70度~120度の素材が用いられる。
【0073】
実施例によっては、排出経路127のみならず、乳化作用部126および第2チャンネル120の他の構成も、外相流体の親水度に対応する性質を有するように形成されることもあり得る。
【0074】
従来は、外箱流体と内相流体の界面張力が高くて容易に混ざり合わないため、過量の界面活性剤(1%~5%)などを使用せずには、乳化粒子を形成して維持することが非常に難しかった。しかし、本実施例によれば、極小の特性長さ(ミリメートル以下)を有する第2チャンネル120で表面力(surface force)が流体に与える影響が体積力(body force)に比べてはるかに大きいので、界面活性剤等を使用しないか、または最小量の添加で速やかに乳化作用が行われるというメリットがある。また、容易に混ざり合わない2つの流体のいずれかの流体が他の流体の流れを切って乳化粒子を形成するようになる原理も、界面活性剤を減らす助けとなる。
【0075】
一方、本実施例では、乳化作用部126が第2合流部123の後流側に提供されることを例に挙げて説明したが、実施例によって、乳化作用部126は第2合流部123を形成する周辺構成であるか、第2合流部123と実質的に同一であっても良い。例えば、混合流体は直線で流れる外相流体に所定の角度で供給され、混合流体移動経路と外相流体移動経路とが会うところの幾何学的な形状によって切られ、外相流体内に分散されることもあり得るが、この場合は、混合流体移動経路と外相流体移動経路とが会うところ(例えば、両経路が会うコーナー部)が乳化作用部として機能する。
【0076】
また、本実施例では、乳化作用部126の後流に排出経路127が別途提供されることを例に挙げて説明したが、実施例によっては、排出経路127が省略されるか、乳化作用部126と連続的に形成されその境界が特定できないこともあり得る。
【0077】
チューブ60は、エマルションをポンプPに提供してエマルションが最終的にポンプPの吐出口を介してユーザーに吐出できるようにし、チューブ60を介して移動される乳化物質をユーザーが外部から確認できるように透明な材質で形成され得る。無論、そのためにチューブ60に対応する領域のハウジング10の一部も透明材質で形成され得る。
【0078】
前述のように、ポンプPからそれぞれの容器20、30、40までは、互いに連通する一連の流路を形成するが、このような一連の流路は、チューブ60、第2チャンネル120、連結流路13、第1チャンネル110、および供給流路22、32、42を含み得る。
【0079】
ここで、ポンプPの圧力、供給流路22、32、42および連結流路13の直径、長さ、第1チャンネル110と第2チャンネル120とを構成する各々の注入口、経路、吐出口等の幅、深さ、大きさ等は、ポンプPの1回の操作によりユーザーが1回使用できる量の化粧料が生成されるように調節され得る。具体的に、1回使用できる化粧料の量を決めるためには、内相流体、外相流体、機能性流体の構成比が決定されるべきであり、それに合うように各々の構成要素の構造的特性が所定の計算式により設定され得る。また、第3流路42は、第1チャンネル110で混合流体が生成された後、第2チャンネル120に供給され、第2合流部123に到達する時点で、外相流体が第2チャンネル120に供給され、第2合流部123に到達できるように構成され得る。
【0080】
化粧品の1回の使用量は数ml程度なので、それぞれの容器20、30、40から吐出される流体の量はそれよりも小さく設定され得、それに応じてチャンネル部100を通過する時間も非常に短く設定され得るので、瞬間乳化がより容易に実現され得る。
【0081】
一方、乳化粒子の大きさと含有量は、化粧品の品質を決定する重要な要素である。従来は、乳化物質の大きさと含有量を調節するために、乳化物質に添加される界面活性剤の量を調節する方法を用いていた。しかし、本実施例の場合は、チャンネル部100、特に第2チャンネル120の構造的な要素と流体の流動条件とを調節することにより、乳化物の大きさと含有量を調節することができる。例えば、チャンネルの構造的な要素は、チャンネルの高さ、オリフィスの幅、各流体の注入口の幅等であり、流体の流動条件は、陰圧の強さ、流体の流量比、流体の粘度比等であり得る。なお、乳化粒子は、チャンネルの高さが低くなるほど、オリフィスの幅が狭くなるほど、陰圧の強さが強いほど、内相流体に対する外相流体の流量比が大きいほど、内相流体の粘度が外相流体に比べて高いほど、そのサイズが小さくなり、この逆の条件では乳化粒子の大きさが大きくなる。
【0082】
また、生成しようとするエマルションの種類によって、乳化粒子の形成を助けるために少量の界面活性剤が内相流体または外相流体に添加され得る。例えば、O/Wエマルションを生成しようとする場合は、HLB(hydrophile-lipophile balance)値が7超、好ましくは8~16である界面活性剤を少量添加することができ、W/Oエマルションを生成する場合は、HLB値が7未満、好ましくは3~6である界面活性剤を少量添加することができる。
【0083】
以下では、前記のような構成を有する本発明の一実施例による瞬間乳化化粧品製造装置1の作用および効果について説明する。
【0084】
ビタミン誘導体(AA2G、COS-VCE-K)やERP(Essential Returning Pool)、EGCG(Epigallocatechingallate)等と、酸度(pH)に敏感な機能性原料は、特定のpH以下にて安定した状態で存在する。したがって、このような機能性原料が溶解されている機能性流体は、pHが調節された状態で第2容器30に保存され得る。例えば、第2容器30に保存されている機能性流体は、pHが4以下であり得る。この場合、第1容器20には、第2容器30に保存されている機能性流体を中和させられる酸度を有する水溶液が内相流体として提供され得る。そして、第3容器40には、外相液体としてオイルが提供され得る。
【0085】
ユーザーがポンプPを操作して、チューブ60、チャンネル部100、および供給流路22、32、42に陰圧を発生させると、それぞれの容器に保存されている原料がチャンネル部100に供給される。
【0086】
まず、第1容器20に保存されている内相流体と、第2容器30に保存されている機能性流体とが、それぞれ第1流路22と第2流路32とに沿って第1チャンネル110に供給される。
【0087】
第1チャンネル110の注入口111、113に供給された内相流体と機能性流体とは、第1合流部115で合流してともに混合部117を通過し、互いに撹拌され得る。混合部117を通過する際に発生する渦流によって、内相流体と機能性流体とはよりスムーズに混合され得る。この際、機能性流体は、内相流体と混ざり合って中和され得る。
【0088】
混合部117を通過して内相流体と機能性流体とは混合流体となり、混合流体は第1吐出口119を介して連結流路13に提供される。
【0089】
連結流路13に提供された混合流体は、第2チャンネル120に移動され、外相流体と混合されて乳化される。具体的に、第2チャンネル120の混合流体注入口122に伝達された混合流体は、第3流路42を介して外相流体注入口121に伝達された外相流体と第2合流部123で合流され、乳化作用部126として提供されるオリフィスを通過する際に粒子状で切られ外相流体内に分散される。
【0090】
このように、乳化作用部126で形成されたエマルションは、排出経路127に沿って第2吐出口128に移動され、チューブ60を介してポンプPに排出され得る。
【0091】
このような過程の中で機能性流体が中和されることによって、機能性原料は不安定な状態にはなるが、このような不安定な状態は、機能性流体が内相流体と混合された後、第2チャンネル120を経て、チューブ60を通りポンプPを介して吐出するまで、非常に短い間だけ持続されるので、機能性原料の効能は安定的な状態のときと実質的に同じレベルで発揮され得る。
【0092】
また、機能性流体が中和されることにより、生成されたエマルションを皮膚が敏感なユーザーが使用しても、特に刺激もなく使用することができる。
【0093】
一方、ビタミンC等のように、水に分解されると時間の経過につれ製品の効能が低下したり、変色、変臭されたりする機能性原料は、水に溶解させることができないので、ポリオールに加温溶解され第2容器30に保存され得る。この場合、第1容器20には、第2容器30に保存されている機能性流体を水和させ得る水が内相流体として提供され得、第3容器40には外相流体としてのオイルが提供され得る。
【0094】
ユーザーがポンプPを操作すると、第1容器20に保存されている水と、第2容器30に保存されている機能性流体とは、第1チャンネル110に供給され、機能性流体は混合部117を通過しながら水和され得る。このように形成された混合流体は第2チャンネル120に伝達され、外相流体と混合され乳化された後、チューブ60を介してポンプPに提供され得る。
【0095】
このような過程の中で、機能性流体が水和されることによって、機能性原料は不安定な状態にはなるが、このような不安定な状態は、機能性流体が内相流体と混合された後、第2チャンネル120を経て、チューブ60を通りポンプPを介して吐出するまで、非常に短い間だけ持続されるので、機能性原料の効能は安定的な状態のときと実質的に同じレベルで発揮することができる。
【0096】
また、機能性流体が水和されることで、従来のビタミンCが含まれている化粧品のようにべたつく使用感を与えないため、ユーザー満足度は向上し得る。
【0097】
一方、前述の実施例は、内相流体として水が使用され、外相流体としてオイルが使用されて、W/Oエマルションを生成することを例に挙げて説明したが、内相流体としてオイルが使用され、外相流体として水が使用されてO/Wエマルションを生成することも可能である。
【0098】
また、本実施例では、水、油を内相流体、外相流体の例として説明したが、これは親水性流体と疎水性流体の代表的な例として説明したものであり、内相流体と外相流体としては、エマルションを生成することができる任意の親水性流体または疎水性流体が使用され得る。
【0099】
前記のような本発明の一実施例による瞬間乳化化粧品製造装置1および製造方法によると、機能性原料が使用されることにより、従来の化粧品が有していた限界が排除された状態で、機能性原料をエマルションに含ませ得る。したがって、機能性原料の効果が十分に発揮できるように化粧品内に含ませることができ、ユーザーは機能性原料の効能を十分に得られるというメリットがある。
【0100】
また、ユーザーがポンプPを操作したとき、即座に製造され提供される化粧品を使用することであるので、化粧品メーカーが大量に生産して販売する化粧品であっても新鮮な化粧品を使用することができる。
【0101】
また、化粧品の長期安定性を考慮した界面活性剤や増粘剤等の使用を最小限に抑えられるので、ユーザーは添加物の含有量が最小化された化粧品を使用することができる。
【0102】
以下では、本発明の他の実施例による瞬間乳化化粧品製造装置のチャンネル部について図4を参照して説明する。ただし、図4の実施例は、前記実施例に比べ、第1チャンネルと第2チャンネルとが同一平面上に実現される点において差があるので、相違点を中心に説明し、同一部分については、前記実施例における説明と図面の符号を援用する。
【0103】
図4は、本発明の他の実施例による瞬間乳化化粧品製造装置のチャンネル部を示す図である。
【0104】
図4を参照すると、第1チャンネル110aと第2チャンネル120aは、同一平面上に実現され得る。すなわち、第1チャンネル110aと第2チャンネル120aとが互いに積層されたり高低差を有して形成されたりするものではなく、並んで形成され得る。例えば、ハウジング10には1つのプレート12aが提供され得、第1チャンネル110aと第2チャンネル120aとは、一つのプレート12a上に形成され得る。
【0105】
第1チャンネル110aの内相流体注入口111aと、機能性流体注入口113aと、第1合流部115aと、混合部117aとは、前述の実施例における第1チャンネル110の構成に対応し、第2チャンネル120aの外相流体注入口121aと、混合流体注入部122aと、第2合流部123aと、乳化作用部126aと、エマルション吐出口128aとは、前述の実施例における第2チャンネル120の構成と実質的に対応するので、具体的な説明は省略する。ただし、本実施例では、混合部117aが2つ提供されるものとして図示した。
【0106】
本実施例において、第1チャンネル110aの混合流体吐出口119aは、第2チャンネル120aの混合流体注入口122aとして機能することになる。すなわち、第2チャンネル120aの混合流体移動経路125aは、混合流体吐出口119aに直接連結され、混合流体吐出口119aを介して排出される混合流体は、混合流体移動経路125aに沿ってそのまま第2合流部123aに提供され得る。
【0107】
本実施例によると、一つのプレート12aを使用して2つのチャンネル110a、120aの両方を実現するので、製造装置の全体の高さを低く設けられるというメリットがある。また、連結流路13を省けるので、内相流体と機能性流体との移動距離を減らすことができるので、より簡単かつ容易に製品の設計ができ、ポンプPを加圧した後、エマルション吐出までの時間を短縮することができる。
【0108】
以下では、本発明のまた他の実施例による瞬間乳化化粧品製造装置のチャンネル部について図5を参照して説明する。ただし、図5の実施例は、図1の実施例に比べ、増粘剤を保存する第4容器と、増粘剤とエマルションとを混合する第3チャンネルがさらに提供される点において差があるので、相違点を中心に説明し、同一部分については第1実施例の説明と図面の符号を援用する。
【0109】
図5は、本発明の、また他の実施例による瞬間乳化化粧品製造装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図5を参照すると、本発明のまた他の実施例による瞬間乳化化粧品製造装置1bには、増粘剤を保存する第4容器50と、第4容器50に保存されている増粘剤をチャンネル部100bに案内する第4流路52とが提供され得る。
【0110】
なお、増粘剤は、エマルションに追加されエマルションの使用感と安定性を向上させられるものとして、第2チャンネル120でエマルションが生成された後、エマルションに混合されるように提供され得る。
【0111】
第4容器50は、図面に示すように、一つの円筒形容器が区画されることによって、第1容器20~第4容器50が設けられる形態で提供され得る。しかし、本発明の思想はこれに限定されず、他の容器20、30、40とは独立して提供され、別途ハウジング10に固定されるか、または、一部の容器とともに提供されることもあり得る。
【0112】
一方、チャンネル部100bには、第2チャンネル120で形成されたエマルションと第4容器50から供給される増粘剤とを混合するための第3チャンネル130が提供される。第3チャンネル130は、第1チャンネル110および第2チャンネル120と積層される形態で提供され得、そのために第3チャンネル130が形成される第3プレート16が、第2プレート14の下側、すなわち、容器20、30、40、50から最も遠い位置に配置され得る。この際、チューブ60および第4流路52は、第1プレート12と第2プレート14とを貫通して第3プレート16側に延長され得る。
【0113】
なお、第3チャンネル130は、ポンプPによって形成される圧力によって容器20、30、40、50から流体が排出され、チャンネル部110bを通過した後、チューブ60を介して排出できるように、他の構成と互いに連通するように提供され得る。
【0114】
具体的に、第2チャンネル120と第3チャンネル130とはエマルション流路16によって連結され、第2チャンネル120で生成されたエマルションは、エマルション流路16を介して第3チャンネル130のエマルション注入口131に連結され得る。そのために、第2チャンネル120の第2吐出口128は、チューブ60ではなく、エマルション流路16に連結される。
【0115】
一方、実施例によっては、第3チャンネル130は第1チャンネル110および第2チャンネル120と同一平面上に形成されることもあり得、この場合、第2チャンネル120の第2吐出口128は、実質的に第3チャンネル130のエマルション注入口131に対応され得る。
【0116】
第3チャンネル130は、第2チャンネル120で生成されたエマルションが供給されるエマルション注入口131と、第4流路52に連結され増粘剤が供給される増粘剤注入口133と、エマルション注入口131に提供されたエマルションと増粘剤注入口133に提供された増粘剤とが合流する第3合流部135と、第3合流部135で合流したエマルションと増粘剤とを一緒に流しながら互いに混ざり合うようにする増粘剤混合部137と、チューブ60に連結され増粘剤が混合されているエマルションを吐出する第3吐出口139とを含み得る。
【0117】
第3チャンネル130は、第1チャンネル110と実質的に同じ構造で形成され得、この際、エマルション注入口131、増粘剤注入口133、第3合流部135、増粘剤混合部137、第3吐出口139の形状および構造は、それぞれ内相流体注入口111、機能性流体注入口113、第1合流部115、混合部117、第1吐出口119に対応され得るので、具体的な説明は省略する。本実施例では、第3チャンネル130が第1チャンネル110と同一構造を有することを例に挙げて説明するが、本発明の思想はこれに限定されず、第3チャンネル130は、エマルションと増粘剤とを混ぜ合わせられる異なる構造のマイクロ流体チャンネルであり得る。
【0118】
第3チャンネル130に供給されたエマルションと増粘剤は、増粘剤混合部137を通過する際に発生する渦流、遠心力等により、互いに十分混ざることになり得る。
【0119】
増粘剤混合部137において増粘剤と混合されたエマルションは、第3吐出口139に案内され、チューブ60を介してポンプPに排出され得る。
【0120】
一方、増粘剤の酸度によって中和剤が用いられることもあり得る。この場合、中和剤は、外相流体に混じって第3容器40に提供され得る。それによりエマルションは中和剤に応じる酸度を有することができ、第3チャンネル130で増粘剤と混ざり合うことにより増粘剤を中和させられる。実施例によっては、中和剤は内相流体に混じって提供されることもあり得る。
【0121】
前記のような本発明の他の実施例による瞬間乳化化粧品製造装置によると、エマルションが形成されてからエマルションに増粘剤を添加することにより、エマルションの使用感と安定性を調節できるというメリットがある。
以下に、本発明の実施例を記載する。
【0122】
項目1は、外形を形成するハウジングと、ハウジングに提供され、瞬間乳化されたエマルションをハウジングの外部に吐出するポンプと、ハウジングに提供され、内相流体を保存する第1容器と、ハウジングに提供され、機能性原料を含む機能性流体を保存する第2容器と、ハウジングに提供され、外相流体を保存する第3容器と、ハウジングに提供され、外相流体と内相流体と機能性流体との提供を受けエマルションを生成するチャンネル部と、チャンネル部で生成されたエマルションをポンプに提供するチューブとを含み、チャンネル部は、内相流体と機能性流体とを混合して混合流体を生成する第1チャンネルと、第1チャンネルから提供される混合流体と外相流体とを混合してエマルションを生成する第2チャンネルとを含む、瞬間乳化化粧品製造装置である。
【0123】
項目2は、第1チャンネルと第2チャンネルとは、互いに積層されるようハウジング内に配置される、項目1の製造装置である。
【0124】
項目3は、第1チャンネルが第2チャンネルよりも、第1容器と第2容器および第3容器にさらに近く配置される、項目1~項目2の製造装置である。
【0125】
項目4は、第1チャンネルが形成されている第1プレートと、第2チャンネルが形成されている第2プレートと、第1プレートと第2プレートとを連結して、第1チャンネルで生成された混合流体を第2チャンネルに提供する連結流路とをさらに含む、項目1~項目3の製造装置である。
【0126】
項目5は、第1チャンネルと第2チャンネルとは同一平面上に配置される、項目1~項目4の製造装置である。
【0127】
項目6は、第1容器から第1チャンネルに内相流体を提供する第1流路と、第2容器から第1チャンネルに機能性流体を提供する第2流路と、第3容器から第2チャンネルに外相流体を提供する第3流路とをさらに含む、項目1~項目5の製造装置である。
【0128】
項目7は、第1チャンネルは、第1流路に連結される内相流体注入口と、第2流路に連結される機能性流体注入口と、内相流体注入口に提供された内相流体と機能性流体の注入口に提供された機能性流体とが合流する第1合流部と、第1合流部で合流した内相流体と機能性流体とを一緒に流しながら混合流体を生成する混合部と、混合部で生成された混合流体を第2チャンネルに提供する第1吐出口とを含む、項目1~項目6の製造装置である。
【0129】
項目8は、混合部は、流体の進行方向を転換させることによって、流動に渦流を形成できるように設けられる、項目1~項目7の製造装置である。
【0130】
項目9は、混合部は、流入される流体が一方向に回転されるように案内する第1回転経路と、一方向に回転される流体が他の方向に回転されるように案内する第2回転経路と、第1回転経路と第2回転経路との間で流体の回転方向を変更する方向転換経路とを含む、項目1~項目8の製造装置である。
【0131】
項目10は、第2チャンネルは、第3流路に連結される外相流体注入口と、第1チャンネルから供給される混合流体が注入される混合流体注入口と、外相流体注入口に提供された外相流体と混合流体注入口に提供された混合流体が合流する第2合流部と、第2合流部で合流した外相流体と混合流体とを乳化させてエマルションを生成する乳化作用部と、乳化作用部で生成されたエマルションをチューブに提供する第2吐出口へ案内する排出経路とを含む、項目1~項目9の製造装置である。
【0132】
項目11は、乳化作用部は、外相流体が混合流体の流れを切って混合流体が粒子の状態で外相流体内に分散されるように構成される、項目1~項目10の製造装置である。
【0133】
項目12は、乳化作用部は第2合流部の後流に配置されたオリフィスである、項目1~項目11の製造装置である。
【0134】
項目13は、機能性流体はビタミン誘導体を含み、ビタミン誘導体が安定した状態を有し得る酸度を有し、内相流体は機能性流体を中和させられる酸度を有する水溶液であり、機能性流体は第1チャンネルで内相流体と混合され中和される、項目1~項目12の製造装置である。
【0135】
項目14は、機能性流体はビタミンCが溶解されたポリオールであり、内相流体は水であり、機能性流体は、第1チャンネルで内相流体と混合され水和される、項目1~項目13の製造装置である。
【0136】
項目15は、増粘剤を保存する第4容器と、第2チャンネルで生成されたエマルションと第4容器から提供される増粘剤とを混合する第3チャンネルをさらに含み、チューブは第3チャンネルに連結され増粘剤が混合されたエマルションをポンプに提供する、項目1~項目14の製造装置である。
【0137】
項目16は、第3チャンネルは、第2チャンネルから提供されるエマルションが注入されるエマルション注入口と、増粘剤が注入される増粘剤注入口と、エマルション注入口に提供されたエマルションと増粘剤注入口に提供された増粘剤とが合流する第3合流部と、第3合流部で合流したエマルションと増粘剤とを一緒に流しながら混ざり合うようにする増粘剤混合部と、チューブに連結され増粘剤が混じったエマルションを吐出する第3吐出口を含む、項目1~項目15の製造装置である。
【0138】
項目17は、ポンプの操作により発生する圧力によって、内相流体と機能性流体と外相流体とがチャンネル部に供給されてエマルションが生成され、生成されたエマルションがチューブを介してポンプに供給される、項目1~項目16の製造装置である。
【0139】
項目18は、ユーザーによってハウジングに提供されたポンプが操作される段階と、ポンプの操作によりハウジングに提供された第1容器から排出される内相流体とハウジングに提供された第2容器から排出される機能性流体とが第1チャンネルで互いに混合され混合流体が生成される段階と、第1チャンネルで生成された混合流体と第3容器から排出される外相流体とが第2チャンネルで互いに混合されて瞬間乳化されることによりエマルションが生成される段階と、第2チャンネルで生成されたエマルションがポンプに連結されたチューブを介してポンプに提供される段階とを含む、瞬間乳化化粧品製造方法である。
【0140】
以上、本発明の実施例による瞬間乳化化粧品製造装置および製造方法を具体的な実施例として説明したが、これは例示に過ぎないものであり、本発明はこれに限定されるものではなく、本明細書に開示された基礎思想による最も広い範囲を有するものと解釈されるべきである。当業者は、開示された実施例を組み合わせ、置換して、適示されていない形状のパターンを実施することができるが、これもまた本発明の範囲を逸脱しないものである。さらに、当業者は、本明細書に基づいて開示された実施形態を容易に変更または変形することができ、このような変更または変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、化粧品産業分野に利用可能である。

図1
図2
図3
図4
図5