(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】面実装型抵抗器
(51)【国際特許分類】
H01C 1/144 20060101AFI20240425BHJP
H01C 7/00 20060101ALI20240425BHJP
H01C 17/28 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H01C1/144
H01C7/00 110
H01C17/28
(21)【出願番号】P 2020035637
(22)【出願日】2020-03-03
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000105350
【氏名又は名称】KOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【氏名又は名称】金沢 充博
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100092406
【氏名又は名称】堀田 信太郎
(72)【発明者】
【氏名】林 大悟
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】手塚 優子
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-220501(JP,A)
【文献】特開平05-275216(JP,A)
【文献】特開2002-043166(JP,A)
【文献】特開2008-218621(JP,A)
【文献】実開昭59-063425(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 1/014
H01C 1/144
H01C 7/00
H01C 17/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基板と、該基板の上面に形成された抵抗体と、該抵抗体と接続され、前記基板の上面から端面を経て下面まで引き出された電極と、からなるチップ抵抗器と、
チップ抵抗器接続部を備え、前記電極と接続された板状のリード端子と、
前記チップ抵抗器の全部および前記リード端子の一部を覆う外装部材と、からなり、
前記チップ抵抗器接続部は、前記チップ抵抗器の端面側の電極に沿って延びる端面側接続部および下面側の電極に沿って延びる下面側接続部で構成されるL字型の形状を有し、
前記端面側接続部は、前記チップ抵抗器の上面側から下面側に渡って延在し、
前記下面側接続部は、前記端面側接続部よりも長く延在し、
前記チップ抵抗器接続部は、前記基板の前記抵抗体が形成された上面側の電極には固定されず、前記抵抗体が形成された上面とは反対側である下面側の電極
および端面側の電極に固定さ
れ、
前記リード端子は、前記チップ抵抗器接続部の上端から前記外装部材の外側に延出した、面実装型抵抗器。
【請求項2】
前記電極と前記リード端子ははんだ付けされ、はんだは、前記電極と前記リード端子の間の対向面からはみ出ていない、請求項1に記載の面実装型抵抗器。
【請求項3】
板状の基板と、該基板の上面に形成された抵抗体と、該抵抗体と接続され、前記基板の上面から端面を経て下面まで引き出された電極と、からなるチップ抵抗器を準備し、
リードフレームを準備して、該リードフレームを櫛歯状に加工し、
該櫛歯状に加工した部分に曲げ加工を施して、
前記チップ抵抗器の端面側の電極に沿って延び、前記チップ抵抗器の上面側から下面側に渡って延在する端面側接続部と、前記チップ抵抗器の下面側の電極に沿って延び、前記端面側接続部よりも長く延在する下面側接続部と、で構成された前記チップ抵抗器を載置する
L字型のチップ抵抗器接続部を形成し、
前記チップ抵抗器接続部にはんだ材を塗布して、
前記チップ抵抗器接続部に前記チップ抵抗器の前記基板の前記抵抗体が形成された上面側の電極は固定されず、前記抵抗体が形成された上面とは反対側である下面側の電極
および端面側の電極が固定されるよう載置して、加熱することで、前記チップ抵抗器を
前記チップ抵抗器接続部にはんだ付けし、
前記チップ抵抗器の全部と前記リードフレームの一部を外装部材で被覆し、
前記リードフレームの櫛歯状に加工した部分を
前記チップ抵抗器接続部の上端から前記外装部材の外側に延出させて切断し、曲げ加工を施す、面実装型抵抗器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板等に実装される面実装型抵抗器に係り、特にチップ抵抗器を内蔵した面実装型抵抗器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アルミナ等の基板上に酸化ルテニウム等の抵抗体が配置され、基板の両端に抵抗体に接続した電極が配置され、抵抗体が保護膜により被覆されたチップ抵抗器が広く知られている。そのチップ抵抗器の典型的な構造例は、例えば特許文献1の
図7および
図8と段落0002に記載されている。
【0003】
ところで、特許文献2には、
図13に示す構造のチップ抵抗器を含む面実装型抵抗器が開示されている。この構造は、チップ抵抗器のセラミック基板21の両端に配置した上面電極23Aを、Z字型端子30の最上辺部分30Aの下面に、はんだ付け40等により固定したものである。(符号は、本件発明に合わせたもので、原文とは異なる)
【0004】
そうすると、プリント基板等に実装した端子30の上部からチップ抵抗器が吊り下げられた構造となる。係る面実装型抵抗器によれば、温度変化が繰り返されたときに、セラミック基板とプリント基板の線膨張率が異なることにより生じる熱膨張や熱収縮による応力を緩和することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平8-203701号公報
【文献】特開2012-004538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、端子30の上部30Aにはチップ抵抗器の上面電極23Aがはんだ付け40等で固定されているので、実装時にプリント基板上の接合箇所に端子30の下部30Bをはんだ付けする際に、セラミック基板とプリント基板の線膨張率が異なることによる応力により、端子30の上部30Aとチップ抵抗器の上面電極23Aの接合が外れる場合が懸念される。
【0007】
本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、実装時等の加熱に際して、チップ抵抗器の電極と端子の接合の外れという問題が生じないようにした、信頼性の高い面実装型抵抗器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の面実装型抵抗器は、板状の基板と、該基板の上面に形成された抵抗体と、該抵抗体と接続され、前記基板の上面から端面を経て下面まで引き出された電極と、からなるチップ抵抗器と、前記電極と接続された板状のリード端子と、前記チップ抵抗器の全部および前記リード端子の一部を覆う外装部材と、からなり、前記リード端子は、前記基板の下面側の電極に固定された、ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、チップ抵抗器の電極とリード端子の接合部分がモールド樹脂である外装部材により強固に固定されているので、実装時にプリント基板上の接合箇所にリード端子の下部をはんだ付けする際に、線膨張率が異なることにより生じる応力が印加されても、チップ抵抗器とリード端子の外れが生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施例の面実装型抵抗器の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1のAA線に沿った上記面実装型抵抗器の矢視断面図である。
【
図3】上記面実装型抵抗器に内蔵するチップ抵抗器の断面図である。
【
図4】上記面実装型抵抗器の実装状態を示す断面図である。
【
図5】本発明の第2実施例の面実装型抵抗器の断面図である。
【
図6】本発明の第3実施例の面実装型抵抗器の断面図である。
【
図7】本発明の一実施例の面実装型抵抗器の製造方法を示す(A)は平面図であり、(B)は(A)のAA線に沿った断面図である。
図7はリードフレームを櫛歯状に加工した段階を示す図である。
【
図8】同じく、チップ抵抗器を載置する部分に、曲げ加工を施した段階を示す図である。
【
図9】同じく、はんだを塗布する段階を示す図である。
【
図10】同じく、チップ抵抗器を搭載して、はんだ付けする段階を示す図である。
【
図11】同じく、樹脂モールドにより外装部材を被着する段階を示す図である。
【
図12】完成段階の面実装型抵抗器の(A)は平面図(上面図)であり、(B)は平面図(底面図)であり、(C)は(A)(B)のAA線に沿った断面図である。
【
図13】先行技術のチップ抵抗器を含む面実装型抵抗器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、
図1乃至
図12を参照して説明する。なお、各図中、同一または相当する部材または要素には、同一の符号を付して説明する。
【0012】
図1は本発明の第1実施例のチップ抵抗器を内蔵した面実装型抵抗器の外観形状を示し、
図2はその矢視断面を示し、
図3は搭載されたチップ抵抗器の断面を示し、
図4は実装状態のチップ抵抗器を内蔵した面実装型抵抗器の断面を示している。
【0013】
これらの図に示すように、この面実装型抵抗器10は、外装部材であるモールド樹脂体15に、チップ抵抗器20の全部とリード端子30の一部が覆われている。従って、外装部材15の外側に現れるのはリード端子30の一部のみである(
図1参照)。外装部材15の内部では、リード端子30のチップ抵抗器接続部30Aには、チップ抵抗器20の下面電極23Cと端面電極23Bとがはんだ40で、接続・固定されている(
図2参照)。
【0014】
そして、リード端子30は、リード端子接続部30Cを備え、チップ抵抗器接続部30Aの上端から外装部材(モールド樹脂体)15の外側に延出して下方に折れ曲がり、外装部材15の端面に沿って下方に外装部材15の下面以下に延出する(
図2参照)。さらに、リード端子30は、プリント基板接続部30Bを備え、リード端子接続部30Cの下端から、外装部材15の下面に沿って延出し、リード端子30をプリント基板50の配線層51にはんだ40で固定することができる(
図4参照)。
【0015】
チップ抵抗器20は、アルミナを主成分とするセラミック材料等からなる板状の基板21と、基板の上面に形成された酸化ルテニウム等からなる厚膜等の抵抗体22と、抵抗体22と接続され、基板21の上面から端面を経て基板21の下面まで引き出された電極23を備える。抵抗体22は上面電極23Aに一部が重なることで、上面電極23Aに接続され、抵抗体22上にはガラス膜22aおよび樹脂膜22bからなる保護膜が被覆されている(
図3参照)。
【0016】
チップ抵抗器の電極23は、Ag-Pdペースト等を焼成してなる厚膜等の上面電極23Aと、Ni-Crをスパッタリングで形成した薄膜等からなる端面電極23Bと、Agペースト等を焼成してなる厚膜等の下面電極23Cとからなる。これらの電極23A,23B,23Cの上に、ニッケルメッキ層23aとスズメッキ層23bとが被覆して配置されている(
図3参照)。
【0017】
ニッケルメッキ層23aは下地金属層からAg等の金属元素が拡散するのを防止し、スズメッキ層23bははんだ付けに際してはんだの濡れ性の確保を目的とする。
【0018】
板状のリード端子30は、銅等の高導電性材料からなる母材30aに、ニッケルメッキ層30bとスズメッキ層30cとがメッキにより被着されている。ここで、ニッケルメッキ層30bは母材30aから銅等が拡散するのを防止し、スズメッキ層30cははんだ付けに際してはんだの濡れ性の確保を目的とする。
【0019】
チップ抵抗器20の下面電極23Cおよび端面電極23Bは、リード端子30の平坦部分および垂直部分からなる抵抗器接続部30Aと、はんだ40等で接続されている(
図2参照)。上記接続によれば、チップ抵抗器20の端面電極23Bと下面電極23Cとの両方が、L字型のリード端子の抵抗器接続部30Aとはんだ40等で接続されるので、広い面積の接続により良好な導通性が得られ、チップ抵抗器の接続抵抗を低減できる。
【0020】
そして、はんだ40は、チップ抵抗器20の端面電極23Bと下面電極23Cと、リード端子30の抵抗器接続部30Aの間の対向面からはみ出ていない。
【0021】
リード端子30のチップ抵抗器接続部30Aは、L字状の接続部30Cを経て平坦部であるプリント基板接続部30Bに接続されている。接続部30Cの破線で示す内側は外装部材(モールド樹脂体)15の充填部分であり、この充填部分に、チップ抵抗器20の全部とリード端子30の一部が埋め込まれて固定されていることは前述したとおりである。
【0022】
チップ抵抗器20の端面電極23Bおよび下面電極23Cとリード端子30の抵抗器接続部30Aを接続したはんだ40とからなる接続部分は、外装部材(モールド樹脂体)15の内部にあるので、これらの接続はモールド樹脂体により固定されているので強固である(
図2参照)。
【0023】
よって、リード端子30のプリント基板接続部30Bをプリント基板50の配線層51にはんだ付けで接続する等に際して、熱が生じて、チップ抵抗器のセラミック基板とプリント基板のガラスエポキシ基板で線膨張率が異なることにより生じる応力が印加されても、チップ抵抗器20とリード端子30の外れは生じない。
【0024】
また、リード端子30のプリント基板接続部30Bをプリント基板50の配線層51にはんだ付けで接続するに際して、はんだ付けで発生する熱はリード端子接続部30Cを経てリード端子30のチップ抵抗器接続部30Aに到達する。そして、リード端子接続部30Cの一部とチップ抵抗器接続部30Aの全部はモールド樹脂体10の内部に位置する。
【0025】
リード端子30は図示するように伝熱経路が長く、はんだ付けで発生する熱は減衰し、さらにモールド樹脂体10の内部に熱が入ると、モールド樹脂体10の熱容量により、熱はさらに減衰するものと解される。よって、面実装型抵抗器10のプリント基板50への実装に際して、そのはんだ付け等により発生する熱は途中で減衰し、チップ抵抗器とリード端子のはんだ付け部分に影響を及ぼすことは少ないので、面実装型抵抗器の実装に際して、チップ抵抗器とリード端子の接合部の外れは生じない。
【0026】
なお、チップ抵抗器20をリード端子30介してプリント基板50等に実装後、当該プリント基板50が温度変化の激しい環境に置かれて、チップ抵抗器のセラミック基板とプリント基板のガラスエポキシ基板等で線膨張率が異なることにより生じる応力が印加されても、チップ抵抗器20とリード端子30のチップ抵抗器接続部分30Aはモールド樹脂体15により強固に固定されているので、当該応力は長いリード端子30で吸収される。よって、上記構成を備えた面実装型抵抗器10によれば、高い信頼性が得られると考えられる。
【0027】
また、
図13に示す先行技術においては、チップ抵抗器20の上面電極23Aとリード端子30の上辺であるチップ抵抗器接続部30Aとをはんだ40等で接続している。これに対し、本発明においては、板状のリード端子30は、抵抗体22に隣接した上面電極23Aには接続せず、セラミック基板21の下面電極23Cに接続している。
【0028】
先行技術のように、電極-抵抗体-電極の被膜の形成面にリード端子を接続すると、金属のリード端子とセラミックの基板との線膨張の差によって、電極-抵抗体-電極からなる被膜のどこかに応力が生じてクラックが発生する懸念がある。それを解決するため、本発明では、チップ抵抗器を上面-端面-下面に電極を有する構造とし、下面側の電極とリード端子を接続する構造にしている。
【0029】
そうすると、下面電極同士の間は被膜を有しないので、電極-抵抗体-電極の被膜全体への応力が生じず、下面電極とリード端子との接合部分のみに応力が限定される。応力は基板の中心側で大きくなるが、この場合でもセラミック基板の端部側においてリード端子と電極との導通性は確保できる。よって、リード端子30をチップ抵抗器の下面電極23Cで接合することで、信頼性が向上すると解される。
【0030】
図5は、本発明の第2実施例のチップ抵抗器を内蔵した面実装型抵抗器11を示す。この実施例において、チップ抵抗器20とモールド樹脂体15の構成は第1実施例と同じである。しかしながら、リード端子31の構成は実施例1のリード端子30と異なる。
【0031】
すなわち、この実施例においては、リード端子31は、チップ抵抗器20の電極23と接続する平坦な抵抗器接続部31Aと、実装対象のプリント基板50の配線層51と接続する平坦なプリント基板接続部31Bと、これらを接続するI字型のリード端子接続部31Cとからなる、全体としてコの字状を成している。
【0032】
そして、チップ抵抗器20の下面電極23Cは、リード端子31の平坦な抵抗器接続部31Aとはんだ40等ではんだ付け等により接続されていて、チップ抵抗器20の全部とリード端子31の大部分がモールド樹脂体15に封止されている。そして、リード端子31のプリント基板接続部31Bはプリント基板50の配線層51にはんだ付け等で接続される。
【0033】
よって、リード端子31のI字型のリード端子接続部31Cは、モールド樹脂体15の外部に位置するので、チップ抵抗器のセラミック基板とプリント基板のガラスエポキシ基板で線膨張率が異なることにより生じる応力の吸収が可能である。そして、チップ抵抗器20とリード端子31の接続部は、モールド樹脂体15の内部にあるので、応力が印加されても、チップ抵抗器20とリード端子30の外れは生じない。
【0034】
図6は、本発明の第3実施例のチップ抵抗器を内蔵した面実装型抵抗器12を示す。この実施例において、チップ抵抗器20は、
図5に示す第2実施例と反対に、抵抗体およびその保護膜22と上面電極23Aを下側に、下面電極23Cを上側にして、コの字型のリード端子32の上辺のチップ抵抗器接続部32Aの下面から吊り下げるように、チップ抵抗器接続部32Aの下面にはんだ40等により固定されている。
【0035】
リード端子32は、上辺にチップ抵抗器接続部32A、下辺にプリント基板接続部32B、これらを接続するI字型のリード端子接続部32Cとからなり、全体としてコの字状を成している点で、上記の第2実施例と共通する。しかしながら、上述のとおりコの字状の上辺のチップ抵抗器接続部32Aの下面からチップ抵抗器20が吊り下げられる構造であるため、リード端子32をモールド樹脂体15の上部から引き出せるので、I字型のリード端子接続部32Cの長さが長くなる。
【0036】
よって、この実施例によれば、第2実施例で述べた効果に加え、リード端子32をモールド樹脂体15の上部から引き出せるので、実装時にはんだフィレットを大きくとれるメリットがある。
【0037】
次ぎに、
図7-
図12を参照して、本発明の面実装型抵抗器の製造方法について説明する。まず、長尺のリードフレーム60を準備する。そして、
図7に示すように、リードフレームの一区画毎に、櫛歯状に加工する。すなわち、櫛歯状に加工した部分61を形成する。この櫛歯状に加工した部分61が、製品段階で、板状のリード端子となる。
【0038】
次ぎに、
図8に示すように、櫛歯状に加工した部分61に曲げ加工を施して、チップ抵抗器を載置する部分62を形成する。チップ抵抗器を載置する部分62,62の間隔は、チップ抵抗器の下面電極と端面電極が当該部分に嵌着する大きさであることが好ましい。
【0039】
次ぎに、
図9に示すように、チップ抵抗器を載置する部分62に、はんだ材63を塗布する。チップ抵抗器の下面電極と端面電極の角部分が入る部分に塗布することで、チップ抵抗器の端面電極と下面電極の対向面間にはんだ材が回り込むことが好ましい。また、チップ抵抗器の電極とリード端子の対向面からはみ出さないような適量とすることも必要である。
【0040】
次ぎに、
図10に示すように、はんだ材63を塗布した部分にチップ抵抗器20の電極を載置して、加熱することで、チップ抵抗器20の電極をはんだ40で固定する。加熱は加熱炉に入れてもよいし、レーザー等で加熱してもよい。
【0041】
次ぎに、
図11に示すように、チップ抵抗器の全部とリードフレームの櫛歯状に加工した部分の一部を外装部材15で被覆する。具体的には樹脂モールドし、モールド樹脂体を形成する。そうすると、チップ抵抗器の電極とリードフレームの櫛歯状に加工した部分とがはんだ付けされた状態で、モールド樹脂体に封止され、リードフレームの櫛歯状に加工した部分61が外装部材(モールド樹脂体)15から延出する。
【0042】
次ぎに、リードフレームの櫛歯状に加工した部分61を切断し、曲げ加工して実装するプリント基板等の配線層への接続部を形成する。
図12に示すように、リードフレームの櫛歯状に加工した部分は、外装部材15の端面および下面に沿って曲げ加工することができる。上記の工程によれば、第1実施例に記載した形状の面実装型抵抗器が得られる。
【0043】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、チップ抵抗器を内蔵した面実装型抵抗器に好適に利用可能である。