特許 7478580 体腔内用超音波プローブ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-04-24

(45)【発行日】2024-05-07

(54)【発明の名称】体腔内用超音波プローブ

(51)【国際特許分類】

   A61B 8/12 20060101AFI20240425BHJP

【ＦＩ】

A61B8/12

【請求項の数】 4

(21)【出願番号】P 2020074497

(22)【出願日】2020-04-20

(65)【公開番号】P2021171075

(43)【公開日】2021-11-01

【審査請求日】2023-04-10

(73)【特許権者】

【識別番号】320011683

【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001210

【氏名又は名称】弁理士法人ＹＫＩ国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】宮本 延孝

【審査官】冨永 昌彦

(56)【参考文献】

【文献】特開２００１－１２０５５０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００３－２９９６５４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開昭６３－１５００５９（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２００３／０１９５４２５（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許出願公開第２０１６／０３７４６５２（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許出願公開第２０１５／００６５８８６（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許出願公開第２０１５／０２６５３５４（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ６１Ｂ ８／００ － ８／１５

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

被検体の体腔内に挿入されて、被検部位に対して超音波を送信する超音波振動子と、
前記体腔内に挿入される細長形状のシャフトと、
前記被検部位に穿刺される穿刺針と、
前記穿刺針が挿通される直線筒状の挿通部材を含み、細長形状であって、前記シャフトに取り付けられる穿刺針ガイド部材と、
を備え、
前記穿刺針ガイド部材が、前記シャフトの短手方向に延伸するガイド軸を中心として回動することで、前記穿刺針の穿刺方向が変更され、
前記穿刺針及び前記穿刺針ガイド部材を含む穿刺アタッチメントが前記シャフトに取り付けられ、
前記シャフトに前記穿刺アタッチメントが取り付けられた取付状態において、前記シャフト及び前記穿刺アタッチメントが全体として円筒形状を呈する、
ことを特徴とする体腔内用超音波プローブ。

【請求項2】

前記穿刺針ガイド部材の回動を制限して前記穿刺針の穿刺方向を固定する固定機構と、
をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載の体腔内用超音波プローブ。

【請求項3】

前記固定機構は、予め定められた複数の固定位置のいずれかにおいて前記穿刺針ガイド部材を固定可能である、
ことを特徴とする請求項２に記載の体腔内用超音波プローブ。

【請求項4】

前記穿刺アタッチメントが前記シャフトに脱着可能に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項１に記載の体腔内用超音波プローブ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、体腔内用超音波プローブに関し、特に、被検部位に穿刺される穿刺針を備えた体腔内用超音波プローブに関する。

【背景技術】

【0002】

超音波プローブは、被検体に対して超音波の送受信を行うものである。超音波プローブは、超音波診断装置本体（以下「装置本体」と記載する）に接続され、装置本体からの信号に従って被検体に超音波を送信し、被検体からの反射波に応じた電気信号を装置本体に送信する。装置本体は、超音波プローブからの電気信号に基づいて超音波画像を形成して表示する。

【0003】

超音波プローブには様々な種類のプローブがある。例えば、超音波プローブの一部が被検体の体腔内に挿入されて、体腔内から被検部位に対して超音波を照射する体腔内用超音波プローブがある。体腔内用超音波プローブとしては、例えば、経直腸プローブ、経膣プローブ、あるいは、経食道プローブなどがある。

【0004】

また、体腔内用超音波プローブの中には、被検部位の組織の採取、被検部位への薬剤の注入、あるいは、被検部位の治療などの目的のために被検部位に穿刺される穿刺針を備えるものがある。

【0005】

従来、穿刺針を備えた体腔内用超音波プローブにおいて、穿刺針の穿刺方向を調整可能とする技術が提案されている。例えば、特許文献１には、穿刺針を有する体腔内用超音波プローブであって、穿刺針の突出口の下部に起上台が設けられ、当該起上台が起き上がって、穿刺針が起上台により押し上げられて屈曲させられることで、穿刺針の穿刺方向が調整される体腔内用超音波プローブが開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【文献】特開２０００－１３９９１４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

上述のように、従来から穿刺針の穿刺方向を調整可能な体腔内用超音波プローブが提案されているが、従来の体腔内用超音波プローブにおいては、穿刺針を屈曲させることでその穿刺方向を調整していた。

【0008】

本発明の目的は、穿刺針を備えた体腔内用超音波プローブにおいて、穿刺針を屈曲させることなく、穿刺針の穿刺方向を調整可能とすることにある。

【課題を解決するための手段】

【0009】

本開示に係る体腔内用超音波プローブは、被検体の体腔内に挿入されて、被検部位に対して超音波を送信する超音波振動子と、前記体腔内に挿入される細長形状のシャフトと、前記被検部位に穿刺される穿刺針と、前記穿刺針が挿通される直線筒状の挿通部材を含み、細長形状であって、前記シャフトに取り付けられる穿刺針ガイド部材と、を備え、前記穿刺針ガイド部材が、前記シャフトの短手方向に延伸するガイド軸を中心として回動することで、前記穿刺針の穿刺方向が変更され、前記穿刺針及び前記穿刺針ガイド部材を含む穿刺アタッチメントが前記シャフトに取り付けられ、前記シャフトに前記穿刺アタッチメントが取り付けられた取付状態において、前記シャフト及び前記穿刺アタッチメントが全体として円筒形状を呈する、ことを特徴とする。

【発明の効果】

【0010】

本発明によれば、穿刺針を備えた体腔内用超音波プローブにおいて、穿刺針を屈曲させることなく、穿刺針の穿刺方向を調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】本実施形態に係るプローブの外観斜視図である。

【図2】本実施形態に係るプローブの側面図である。

【図3】本実施形態に係るプローブの底面図である。

【図4】穿刺針の穿刺方向が変更される様子を示す図である。

【図5】固定機構の変形例を示すプローブの側面図である。

【図6】固定機構の変形例を示すプローブの底面図である。

【図7】２つの音響ヘッドからの超音波放射面と、穿刺針の穿刺方向との関係を示す図である。

【図8】超音波画像Ａに重畳して表示された穿刺ガイドを示す図である。

【図9】超音波画像Ｂに重畳して表示された穿刺ガイドを示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

図１は本実施形態に係るプローブ１０の外観斜視図であり、図２はプローブ１０の側面図であり、図３はプローブ１０の底面図である。プローブ１０は、その一部が被検体の体腔内に挿入されて、体腔内から被検部位に対して超音波の送受信を行う体腔内用超音波プローブである。本発明に係る体腔内用超音波プローブとしてはこれに限られるものではないが、本実施形態におけるプローブ１０は、被検体の直腸に挿入される経直腸プローブである。特に、プローブ１０は、被検体の前立腺を被検部位とするものである。プローブ１０は、全体として細長形状を有しているところ、図１、図２、及び図３において、Ｘ軸がプローブ１０の長手方向（延伸方向）、Ｙ軸がプローブ１０の短手方向、Ｚ軸が高さ方向を表している。なお、本明細書において、「上」とはＺ軸方向の正側を意味し、「下」とはＺ軸方向の負側を意味する。

【0013】

プローブ１０は、プローブケーブル（不図示）にて装置本体（不図示）と接続される。なお、プローブ１０は無線にて装置本体と通信可能に接続されてもよい。プローブ１０は、装置本体からの信号に従って被検体に超音波を送信し、被検体からの反射波に応じた電気信号を装置本体に送信する。装置本体は、超音波プローブからの電気信号に基づいて超音波画像を形成し、形成した超音波画像を装置本体に設けられるディスプレイに表示する。

【0014】

プローブ１０は、被検体の体腔内に挿入される挿入部１２と、医師などのオペレータが把持する把持部１４とを含んで構成される。本明細書においては、プローブ１０の挿入部１２側を「遠位」側と、把持部１４側を「近位」側と記載する。挿入部１２及び把持部１４のいずれも細長形状を有しているが、体腔内への挿入のし易さの観点から挿入部１２は細くなっており、オペレータによる把持のし易さの観点から、把持部１４は挿入部１２に比して太くなっている。把持部１４の近位端から装置本体に向かってプローブケーブルが伸長している。

【0015】

挿入部１２の遠位端には、音響ヘッド２０が設けられている。音響ヘッド２０は、被検部位に対して超音波を送信する超音波振動子を有している。本実施形態では、音響ヘッド２０は、整列された複数の超音波振動子からなる振動子アレイを有している。振動子アレイは、装置本体からの信号に従って、当該信号を超音波に変換して音響ヘッド２０の外側、すなわち被検部位に対して送信し、被検部位からの反射波を受けて反射波を電気信号に変換する。

【0016】

本実施形態では、プローブ１０は２つの音響ヘッド２０Ａ，２０Ｂを有している。具体的には、２つの音響ヘッド２０Ａ，２０ＢはＸ軸方向に並べて設けられ、音響ヘッド２０Ａが遠位側、音響ヘッド２０Ｂが近位側に設けられている。詳しくは後述するが、音響ヘッド２０Ａからの超音波放射面と、音響ヘッド２０Ｂからの超音波照射面は互いに直交する関係となっている。具体的には、音響ヘッド２０Ａからの超音波照射面はＸＺ平面に平行となっており、音響ヘッド２０Ｂからの超音波照射面はＸＺ平面に直交している。プローブ１０が２つの音響ヘッド２０Ａ，２０Ｂを有することで、被検部位（本実施形態では前立腺）に関する２つの面における超音波画像を得ることできる。これにより、オペレータは、容易に被検部位を立体的に把握することが可能となる。

【0017】

挿入部１２の近位端から音響ヘッド２０Ｂの近位端までの間は、細長形状であって略円筒形状のシャフト２２で構成されている。

【0018】

シャフト２２には、Ｘ軸に沿って大きく切り欠かれた切り欠き部を有している。当該切り欠き部に穿刺アタッチメント２４が取り付けられる（嵌合される）。穿刺アタッチメント２４は、ディスポーザブル部材（使い捨て部材）であり、すなわち、シャフト２２に対して脱着可能に取り付けられる。

【0019】

穿刺アタッチメント２４は、カバー３０を含んで構成される。穿刺アタッチメント２４がシャフト２２に取り付けられた状態（以下「取付状態」と記載する）において、シャフト２２及び穿刺アタッチメント２４は合わせて略円筒形状を呈する。具体的には、カバー３０は湾曲形状を有しており、取付状態において、シャフト２２の外表面とカバー３０の外表面とが略面一となって、全体として略円筒形状を呈する。つまり、取付状態において、シャフト２２から側方に突出部が無い状態となる。これにより、シャフト２２が被検体の体腔内に挿入され易くなり、また、被検体の侵襲も抑制される。

【0020】

以下に説明する通り、穿刺アタッチメント２４は複数の部材を含んで構成されるが、それらの部材は、取付状態において概ねカバー３０の内側に配置される。取付状態において、シャフト２２よりも近位側に設けられたアタッチメントロック３２により、取付状態が維持される。

【0021】

また、穿刺アタッチメント２４は、穿刺針３４及び穿刺針ガイド部材３６を含んで構成される。穿刺針３４は、被検部位の組織の採取、被検部位への薬剤の注入、あるいは、被検部位の治療などの目的のために、オペレータの手技によって被検部位に穿刺されるものである。穿刺針３４は、ステンレスなどの金属で形成される。

【0022】

穿刺針ガイド部材３６は、全体として細長形状を有しており、その遠位端よりもその近位端が下側となるようにやや傾きながらＸ軸方向に延伸するように設けられる。穿刺針ガイド部材３６の遠位端は、シャフト２２におけるカバー３０の内側において固定され、穿刺針ガイド部材３６の遠位側部分はカバー３０の内側に配設される。カバー３０の下側には穿刺針ガイド部材３６を通すための切り欠きが設けられており、穿刺針ガイド部材３６の近位側部分は、シャフト２２の近位端付近において下側にはみ出して遠位側に延伸する。穿刺針ガイド部材３６の近位側端末は把持部１４の下部にまで達している。穿刺針ガイド部材３６の近位側部分は被検体の体腔内には挿入されない。

【0023】

穿刺針ガイド部材３６は、直線筒状であり穿刺針３４が挿通される挿通部材３８、及び、挿通部材３８を支持する樹脂部材４０とを含んで構成される。挿通部材３８と樹脂部材４０は接着されている。挿通部材３８は、穿刺針３４の穿刺経路を画定する部材であり、剛性の高い部材、例えばステンレスなどの金属で形成される。穿刺針３４は、挿通部材３８の近位端３８ａから挿通部材３８に挿入され、挿通部材３８の遠位端３８ｂから遠位側に突出する。挿通部材３８が直線筒状であり、且つ、剛性の高い部材で形成されることで、その中を挿通する穿刺針３４の屈曲が抑制される。樹脂部材４０は、挿通部材３８よりも剛性の低い部材、例えばプラスチックなどの樹脂で形成される。後述するように穿刺針ガイド部材３６はオペレータにより操作されるところ、樹脂部材４０は操作時にオペレータによって把持される部分となる。

【0024】

穿刺針ガイド部材３６の遠位端は、シャフト２２の短手方向（すなわちＹ軸方向）に延伸するガイド軸４２によって固定される。これにより、穿刺針ガイド部材３６は、ガイド軸４２を中心として、ＸＺ平面において回動可能にシャフト２２に取付られる。上述のように、穿刺針ガイド部材３６においては、挿通部材３８と樹脂部材４０が接着されていることから、穿刺針ガイド部材３６が回動することによって、挿通部材３８と樹脂部材４０が一体となって、ガイド軸４２を中心に回動することになる。挿通部材３８が回動すると、挿通部材３８のＸＺ平面における傾きが変化する。これにより、穿刺針３４の穿刺方向が変更される。

【0025】

図４に、穿刺針ガイド部材３６が回動することで、穿刺針３４の穿刺方向が変更される様子が示されている。例えば、穿刺針ガイド部材３６の傾きが比較的小さく、穿刺針ガイド部材３６の傾きが図４の符号３６ａで示される傾きの場合、穿刺針３４の穿刺方向は、Ｘ軸との成す角が比較的小さい符号Ｎａで示す方向となる。穿刺針ガイド部材３６の傾きが比較的大きく、穿刺針ガイド部材３６の傾きが図４の符号３６ｂで示される傾きの場合、穿刺針３４の穿刺方向は、Ｘ軸との成す角が比較的大きい符号Ｎｂで示す方向となる。また、穿刺針ガイド部材３６の傾きが、符号３６ａと符号３６ｂとの間である符号３６ｃが示す傾きの場合、穿刺針３４の穿刺方向は、符号Ｎａと符号Ｎｂで示される方向の間の符号Ｎｃで示す方向となる。

【0026】

穿刺針ガイド部材３６は、オペレータにより回動させられる。換言すれば、オペレータは、穿刺針ガイド部材３６を回動させることで、穿刺針３４の穿刺方向を変更することができる。特に、本実施形態によれば、穿刺針ガイド部材３６の回動と共に、直線筒状の挿通部材３８も回動する。すなわち、穿刺針３４の穿刺経路全体が回動することとなるから、オペレータは、穿刺針３４を屈曲させることなく被検部位に穿刺することができる。

【0027】

また、穿刺アタッチメント２４には、穿刺針ガイド部材３６の回動を制限して穿刺針３４の穿刺方向を肯定する固定機構が設けられるのが好ましい。本実施形態においては、固定機構は、予め定められた複数の固定位置（複数の穿刺針ガイド部材３６の傾き）のいずれかにおいて穿刺針ガイド部材３６を固定可能となっている。換言すれば、固定機構は、穿刺針３４の穿刺方向が、予め定められた複数の所定穿刺方向のいずれかとなるように、穿刺針ガイド部材３６の回動を制限することができる。

【0028】

図１～図３の例では、固定機構として、穿刺針ガイド部材３６の回動を制限するガイド保持部材４４が設けられている。ガイド保持部材４４による穿刺針ガイド部材３６の回動の制限方法は種々の方法が採用され得るが、本実施形態では、ガイド保持部材４４が穿刺針ガイド部材３６の樹脂部材４０を側面から保持することで、穿刺針ガイド部材３６の回動が制限される。ガイド保持部材４４は、シャフト２２の延伸方向に沿って移動可能であり、所定の複数の位置に固定可能となっており、ガイド保持部材４４が各位置において穿刺針ガイド部材３６を保持することで、穿刺針ガイド部材３６を予め定められた複数の固定位置のいずれかにおいて固定可能となっている。

【0029】

また、図５は固定機構の変形例を示す側面図であり、図６は当該変形例を示す底面図である。変形例においては、穿刺針ガイド部材３６の樹脂部材４０は筒状部分４０ａを有しており、当該筒状部分４０ａにロックピン５０が設けられている。ロックピン５０は、筒状部分４０ａに沿って摺動可能となっている。また、カバー３０の底面（下側）には、シャフト２２の延伸方向に沿って設けられた複数のロック穴５２が設けられる。

【0030】

ロックピン５０の遠位端５０ａが複数のロック穴５２のいずれかのロック穴５２に挿入されることで、穿刺針ガイド部材３６の回動が制限される。穿刺針ガイド部材３６を予め定められた複数の固定位置のいずれかにおいて固定可能となっている。例えば、ロックピン５０の遠位端５０ａが複数のロック穴５２のうち近位側に設けられたロック穴５２Ａに挿入された場合、穿刺針３４の穿刺方向が、Ｘ軸との成す角が比較的小さい第１穿刺方向で固定される。ロックピン５０の遠位端５０ａが複数のロック穴５２のうち遠位側に設けられたロック穴５２Ｂに挿入された場合、穿刺針３４の穿刺方向が、Ｘ軸との成す角が比較的大きい第２穿刺方向で固定される。また、ロックピン５０の遠位端５０ａがロック穴５２Ａとロック穴５２Ｂの間に設けられたロック穴５２Ｃに挿入された場合、穿刺針３４の穿刺方向が、Ｘ軸との成す角が第１穿刺方向と第２穿刺方向との間の第３穿刺方向で固定される。このように、変形例においては、ロックピン５０及びロック穴５２が固定機構を構成する。ロック穴５２が複数設けられることで、なお、ロックピン５０がロック穴５２に挿入された状態において、オペレータの意図に反してロックピン５０がロック穴５２から外れないように、ロックピン５０は遠位側に付勢されているのが好ましい。

【0031】

上述の通り、固定機構は、穿刺針３４の穿刺方向が、予め定められた複数の所定穿刺方向のいずれかとなるように、穿刺針ガイド部材３６の回動を制限することができる。ここで、固定機構が穿刺針３４の穿刺方向が３つ以上の所定穿刺方向のいずれかに固定可能である場合、各所定穿刺方向間における複数の角度が同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。

【0032】

図７は、音響ヘッド２０Ａからの超音波放射面ＰＡ及び音響ヘッド２０Ｂからの超音波放射面ＰＢと、穿刺針３４の所定の穿刺方向Ｎとの関係を示す図である。上述のように、音響ヘッド２０Ａからの超音波放射面ＰＡはＸＺ平面に平行であり、音響ヘッド２０Ｂからの超音波放射面ＰＢはＸＺ平面と直交しており、穿刺針３４の穿刺方向Ｎは変更可能であるものの、穿刺方向ＮはいずれもＸＺ平面と平行になっている。したがって、音響ヘッド２０Ａにおいて送受信された超音波によって形成される超音波画像Ａにおいては、穿刺針３４が穿刺方向Ｎに沿って穿刺される様子が、あたかもＹ軸方向から見たように表される。一方、音響ヘッド２０Ｂにおいて送受信された超音波によって形成される超音波画像Ｂにおいては、あたかも穿刺方向Ｎから見たような画像となる。

【0033】

装置本体は、超音波画像Ａ及び超音波画像Ｂにそれぞれ重畳させて、固定機構により定められる複数の所定穿刺方向を表す穿刺ガイドを表示させるのが好ましい。図８には、超音波画像Ａに重畳して表示された穿刺ガイドが示されている。超音波画像Ａにおいては、複数の所定穿刺方向を表す穿刺ガイドは、それぞれ直線や点線などの線で表示される。図９には、超音波画像Ｂに重畳して表示された穿刺ガイドが示されている。超音波画像Ｂにおいては、複数の所定穿刺方向を表す穿刺ガイドは、それぞれ点などで表示される。

【0034】

以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。

【符号の説明】

【0035】

１０ プローブ、１２ 挿入部、１４ 把持部、２０Ａ，２０Ｂ 音響ヘッド、２２ シャフト、２４ 穿刺アタッチメント、３０ カバー、３２ アタッチメントロック、３４ 穿刺針、３６ 穿刺針ガイド部材、３８ 挿通部材、４０ 樹脂部材、４２ ガイド軸、４４ ガイド保持部材、５０ ロックピン、５２ ロック穴。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】