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特許7478605土壌洗浄剤組成物、多剤型土壌洗浄剤、掘削土壌の洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】土壌洗浄剤組成物、多剤型土壌洗浄剤、掘削土壌の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/83 20060101AFI20240425BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20240425BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240425BHJP
   B09C 1/02 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
C11D1/83
C11D1/02
C11D1/72
B09C1/02 ZAB
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020110444
(22)【出願日】2020-06-26
(65)【公開番号】P2022007451
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】下田 政朗
(72)【発明者】
【氏名】福島 光博
(72)【発明者】
【氏名】日野 良太
(72)【発明者】
【氏名】山崎 啓三
(72)【発明者】
【氏名】大西 健司
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-132905(JP,A)
【文献】特開2011-144223(JP,A)
【文献】特開2010-227860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00- 19/00
B09C 1/00- 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上18以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数が3以上10以下のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル〔以下、(A)成分という〕と、(B)分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕と、水とを含有し、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が3質量%以上25質量%以下であり、全界面活性剤中、(A)成分及び(B)成分の合計の割合が90質量%以上であり、20℃のpHが6以上8以下である、石油系化合物により汚染された土壌を洗浄する、土壌用洗浄剤組成物。
【請求項2】
(A)成分のグリフィン法によるHLBが8.0以上14.0以下である、請求項1に記載の土壌用洗浄剤組成物。
【請求項3】
(B)成分のデイビス法によるHLBが10以上40以下である、請求項1又は2に記載の土壌用洗浄剤組成物。
【請求項4】
(B)成分がアルキル基又はアルケニル基を有し、(A)成分のアルキル基又はアルケニル基の炭素数と、(B)成分のアルキル基又はアルケニル基の炭素数の差が4以内である、請求項1~3の何れか1項に記載の土壌用洗浄剤組成物。
【請求項5】
細粒土に対しての油性汚れ洗浄用である、請求項1~4の何れか1項に記載の土壌用洗浄剤組成物。
【請求項6】
(A)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上18以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数が3以上10以下のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル〔以下、(A)成分という〕と、(B)分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕と、水とを配合してなり、(A)成分の配合量と(B)成分の配合量の合計に対する(B)成分の配合量の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が3質量%以上25質量%以下であり、全界面活性剤中、(A)成分及び(B)成分の合計の割合が90質量%以上であり、20℃のpHが6以上8以下である、石油系化合物により汚染された土壌を洗浄する、土壌用洗浄剤組成物。
【請求項7】
(A)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上18以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数が3以上10以下のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル〔以下、(A)成分という〕を含有する剤(A)と、(B)分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕を含有する剤(B)とを含む多剤型土壌用洗浄剤であって、
剤(A)及び剤(B)の少なくとも一方が水を含有し、
剤(A)と剤(B)とを混合して、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が3質量%以上25質量%以下であり、全界面活性剤中、(A)成分及び(B)成分の合計の割合が90質量%以上であり、20℃のpHが6以上8以下である、石油系化合物により汚染された土壌を洗浄する土壌用洗浄剤組成物を調製するために用いられる、
多剤型土壌用洗浄剤。
【請求項8】
請求項1~の何れか1項に記載の土壌用洗浄剤組成物を調製するためのものである、請求項に記載の多剤型土壌用洗浄剤。
【請求項9】
石油系化合物により汚染された掘削土壌を、(A)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上18以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数が3以上10以下のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル〔以下、(A)成分という〕と、(B)分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕と、水とを用いて洗浄する、掘削土壌の洗浄方法であって、
(A)成分と(B)成分とを、(A)成分と(B)成分との合計に対する(B)成分の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が3質量%以上25質量%以下、且つ全界面活性剤中、(A)成分及び(B)成分の合計の割合が90質量%以上となるように用い
(A)成分と(B)成分とをpH6以上8以下で掘削土壌と接触させる、
掘削土壌の洗浄方法。
【請求項10】
掘削土壌が、石油系化合物及び重金属により汚染された掘削土壌である、請求項に記載の掘削土壌の洗浄方法。
【請求項11】
掘削土壌と水とを混合し、これに(A)成分と(B)成分とを混合する、請求項又は10に記載の掘削土壌の洗浄方法。
【請求項12】
請求項1~の何れか1項に記載の土壌用洗浄剤組成物又は請求項もしくはに記載の多剤型土壌用洗浄剤を用いる、請求項11の何れか1項に記載の掘削土壌の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌用洗浄剤組成物、多剤型土壌用洗浄剤及び掘削土壌の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油コンビナート、ガソリンスタンド、貯蔵タンク、化学工場など、油を扱う施設や設備の敷地や跡地では、長期にわたる使用などに伴う油の漏出により、土壌が油で汚染されることがある。このような汚染土壌の浄化方法としては、例えば、土壌を洗浄する、土壌を加熱する、土壌を吸着剤で処理する、化学的に分解する、微生物により分解する(バイオレメディエーション)などの方法が知られている。これらの中で、土壌を洗浄する方法は、汚れの対象が広い、バイオレメディエーション等の前処理工程としても利用できる、汚染土壌の処理量が大きい、などの利点があるとされている。
【0003】
特許文献1には、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた1種又は2種以上を土壌に添加し、土壌を洗浄する土壌の洗浄方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-017955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
油などの汚染物質は、シルト、粘土のような細粒土に吸着されやすく、しかも一旦吸着した汚れは洗浄では落としにくいものとなる。また、土壌を洗浄する際の条件、例えば温度、時間、工程数などは、作業現場において様々であるため、条件によらず安定した洗浄力を発現することが望まれる。
【0006】
本発明は、石油系化合物により汚染された土壌、例えばそのような汚れを含む掘削土壌に対する洗浄力に優れ、且つその洗浄力が様々な処理条件で安定して発現する土壌用洗浄剤組成物、多剤型土壌用洗浄剤及び掘削土壌の洗浄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(A)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上18以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数が3以上10以下のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル〔以下、(A)成分という〕と、(B)分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕と、水とを含有し、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が3質量%以上25質量%以下である、石油系化合物により汚染された土壌を洗浄する、土壌用洗浄剤組成物に関する。
【0008】
また、本発明は、(A)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上18以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数が3以上10以下のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル〔以下、(A)成分という〕を含有する剤(A)と、(B)分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕を含有する剤(B)とを含む多剤型土壌用洗浄剤であって、
剤(A)及び剤(B)の少なくとも一方が水を含有し、
剤(A)と剤(B)とを混合して、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が3質量%以上25質量%以下である、石油系化合物により汚染された土壌を洗浄する土壌用洗浄剤組成物を調製するために用いられる、
多剤型土壌用洗浄剤に関する。
【0009】
また、本発明は、石油系化合物により汚染された掘削土壌を、(A)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上18以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数が3以上10以下のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル〔以下、(A)成分という〕と、(B)分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕と、水とを用いて洗浄する、掘削土壌の洗浄方法であって、
(A)成分と(B)成分とを、(A)成分と(B)成分との合計に対する(B)成分の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が3質量%以上25質量%以下となるように用いる、
掘削土壌の洗浄方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、石油系化合物により汚染された掘削土壌に対する洗浄力に優れ、且つその洗浄力が様々な処理条件で安定して発現する土壌用洗浄剤組成物、多剤型土壌用洗浄剤及び掘削土壌の洗浄方法が提供される。本発明は、細粒分が多い掘削土壌に対しても優れた油汚れ洗浄力を示す。以下、土壌という場合は、石油系化合物により汚染された掘削土壌を含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<土壌用洗浄剤組成物>
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、石油系化合物により汚染された土壌に対して優れた油汚れ洗浄力を示す。その理由は必ずしも明らかではないが、本発明では、(B)成分を所定の比率で(A)成分と併用することで、混合ミセルなどの様々なミセルが形成され、それらには石油系化合物に浸透しやすいもの、石油系化合物を乳化しやすいものが混在し、(A)成分と(B)成分の石油系化合物への浸透が促進され、石油系化合物が乳化しやすい状態に改質され、その結果、石油系化合物が土壌から分離しやすくなるためではないかと推察される。
【0012】
〔(A)成分〕
(A)成分は、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上18以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数が3以上10以下のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルである。
(A)成分のアルキル基又はアルケニル基は、直鎖でも分岐鎖でもよいが、(B)成分との混合ミセル形成の観点から、直鎖が好ましい。
(A)成分のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。(A)成分のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、モル濃度の観点から、10又は12が好ましい。
(A)成分のエチレンオキシドの平均付加モル数は、浸透された石油系化合物の乳化の観点から、好ましくは3以上、そして、石油系化合物への浸透の観点から、好ましくは8以下である。
(A)成分は、アルキル基を有するもの、すなわち、水溶性の観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
【0013】
(A)成分は、石油系化合物への浸透、及び浸透された石油系化合物の乳化の観点から、グリフィン法によるHLBが、8.0以上、更に9.0以上、そして、14.0以下、更に12.0以下であることが好ましい。
【0014】
〔(B)成分〕
(B)成分は、分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤である。
(B)成分の分子量は、(A)成分との混合ミセル形成の観点から、200以上、好ましくは250以上、そして、1000以下、より好ましくは600以下である。
【0015】
(B)成分としては、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、及び燐酸エステル塩から選ばれる、分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤が挙げられる。
【0016】
前記脂肪酸塩は、脂肪酸の炭素数が好ましくは10以上18以下である。前記脂肪酸塩の具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びこれらの混合物のアルカリ金属塩、有機アミン塩が挙げられる。
【0017】
前記硫酸エステル塩としては、炭素数10以上20以下のアルキル基又はアルケニル基を有する硫酸エステルの塩が挙げられる。前記硫酸エステル塩の具体例としては、炭素数10以上20以下のアルキル基又はアルケニル基を有する硫酸エステル塩(AS)、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル塩(AES)(例えば、炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドの平均付加モル数が0.5モル以上10モル以下であり、炭素数10以上20以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩)、炭素数10以上20以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ひまし油硫酸エステル塩が挙げられる。
【0018】
前記スルホン酸塩の具体例としては、炭素数10以上20以下のアルカンスルホン酸塩(SAS)、炭素数8以上18以下のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS或いはABS)、炭素数10以上20以下のα-オレフィンスルホン酸塩(AOS)、ジもしくは、モノアルキルスルホコハク酸塩(例えば、ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT))、炭素数8以上20以下の飽和又は不飽和α-スルホ脂肪酸又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル塩が挙げられる。
【0019】
前記燐酸エステル塩としては、炭素数10以上20以下のアルキル基又はアルケニル基を有する燐酸エステルの塩が挙げられる。前記燐酸エステル塩の具体例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、長鎖アルキル燐酸塩が挙げられる。前記燐酸塩としては、例えば、モノエステル体、ジエステル体、モノ体とジ体の任意の混合物(セスキエステル体)を用いることができる。
【0020】
(B)成分としては、(A)成分の浸透促進の観点から、硫酸エステル塩(AS)、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩(AES)、及びアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)から選ばれる陰イオン界面活性剤が好ましい。
(B)成分としては、硫酸エステル塩(AS)、及びポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩(AES)から選ばれる陰イオン界面活性剤が、(A)成分との混合ミセル形成の観点から、更に好ましい。
【0021】
(B)成分としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸塩から選ばれる、分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤が好ましく、アルキル硫酸エステル塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる、分子量200以上1000以下の陰イオン界面活性剤が、混合ミセル形成による石油系化合物への(A)成分の浸透促進の観点から、より好ましい。
【0022】
アルキル硫酸エステル塩は、(A)成分との混合ミセル形成の観点から、アルキル基の炭素数が10以上18以下であるアルキル硫酸エステル塩が好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、(A)成分との混合ミセル形成の観点から、アルキル基の炭素数が10以上18以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数が0.5以上5.0以下のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸は、混合ミセル形成による石油系化合物への(A)成分の浸透促進の観点から、アルキル基の炭素数が10以上14以下であるアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
【0023】
(B)成分の陰イオン界面活性剤の塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などが挙げられる。塩は、水和度による混合ミセル形成の観点から、アルカリ金属塩及びアルカノールアミン塩から選ばれる塩が好ましく、ナトリウム塩又はアルカノールアミン塩がより好ましい。アルカノールアミン塩は、炭素数1以上3以下のアルカノール基を1以上3以下有するアルカノールアミンの塩が好ましい。
【0024】
(B)成分は、(A)成分との混合ミセル形成による曇点向上の観点から、デイビス法によるHLBが、10以上、更に12以上であることが好ましく、そして、(A)成分の浸透により改質された石油系化合物の洗浄性(乳化性)の観点から、40以下、更に35以下であることが好ましい。なお、本発明では、(B)成分のHLBは、塩をナトリウム塩に置き換えた化合物に基づいて計算した値を採用する。その際、(B)成分が多量体型の塩、例えば脂肪酸のアルカリ土類金属塩などの化合物である場合は、当該化合物を構成する単量体のナトリウム塩をその化合物のHLBとする。
【0025】
本発明では、(A)成分と(B)成分の混合ミセル形成による洗浄性向上の観点から、(B)成分がアルキル基又はアルケニル基を有し、(A)成分のアルキル基又はアルケニル基の炭素数と、(B)成分のアルキル基又はアルケニル基の炭素数との差が4以内、更に2以内、更に1以内であることが好ましい。更に(A)成分のアルキル基又はアルケニル基の炭素数と(B)成分のアルキル基又はアルケニル基の炭素数との差が0、すなわち、両者の炭素数が同じであってもよい。
【0026】
〔組成、任意成分等〕
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、石油系化合物の乳化による洗浄性向上の観点から、(A)成分を、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下含有する。
【0027】
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、石油系化合物を落としやすい状態に改質する観点から、(B)成分を、0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下含有する。
【0028】
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が、石油系化合物を落としやすい状態に改質する観点から、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に改質された石油系化合物の乳化による洗浄性向上の観点から、そして、25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下である。
【0029】
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、(A)成分、(B)成分以外の界面活性剤を含有することもできる。本発明の土壌用洗浄剤組成物は、全界面活性剤中、(A)成分及び(B)成分の合計の割合は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってもよい。
【0030】
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、その他の任意成分を、目的に応じて適宜含有することができる。
【0031】
また、本発明の土壌洗浄剤組成物は、ゲル化防止剤、増粘剤、香料、染料、顔料、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤などの成分を含有することができる。
【0032】
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、水を含有することができる。水は、組成物の残部であってよく、例えば、組成物中の水の含有量は、10質量%以上90質量%以下である。
【0033】
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、複合汚染として想定される重金属等の土壌からの溶出の観点から、20℃のpHが、好ましくは6以上、より好ましくは6.5以上、そして、好ましくは8以下、より好ましくは7.5以下である。
【0034】
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、曇点が好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上である。本発明の土壌用洗浄剤組成物は、曇点よりも低い温度で洗浄する方が、洗浄力がより効果的に発現すると考えられる。そのため、曇点が高くなれば洗浄力が発現する温度領域は拡張される。すなわち、曇点が前記の範囲であると、低温から高温での洗浄で良好な洗浄力が得られるため、より有利である。なお、曇点は、(A)成分を、0.2質量%含有する組成物について測定されたものであってよい。本発明の土壌用洗浄剤組成物は、(A)成分を0.2質量%含有する組成での曇点が好ましくは40℃以上であってよい。
【0035】
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、石油系化合物により汚染された土壌を洗浄するものである。すなわち、本発明は、土壌中の、石油系化合物のような油性汚れを洗浄するものである。石油系化合物は、例えば、石油系炭化水素が挙げられる。石油系化合物は、例えば、ガソリン、灯油、軽油、重油、機械油などであってよい。
【0036】
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、細粒土に対しての油性汚れ洗浄用であってよい。ここで、細粒土とは、粒径0.075mm以下の土壌であってよい。掘削土壌などの土壌の粒径は、粒径0.075mm以下などの土壌を対象とした試験方法であるJIS A1204「土の粒度試験方法」等によって測定される。
【0037】
本発明の土壌用洗浄剤組成物は、(A)成分と、(B)成分と、水とを配合してなり、(A)成分の配合量と(B)成分の配合量の合計に対する(B)成分の配合量の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が3質量%以上25質量%以下である、石油系化合物により汚染された土壌を洗浄する、土壌用洗浄剤組成物であってよい。前記した好ましい態様はこの土壌用洗浄剤組成物に適宜適用できる。また、前記した各成分の含有量は、配合量に置き換えてこの土壌用洗浄剤組成物に適用できる。
【0038】
<多剤型土壌用洗浄剤>
本発明は、(A)成分を含有する剤(A)と、(B)成分を含有する剤(B)とを含む多剤型土壌用洗浄剤であって、
剤(A)及び剤(B)の少なくとも一方が水を含有し、
剤(A)と剤(B)とを混合して、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が3質量%以上25質量%以下である、石油系化合物により汚染された土壌を洗浄する土壌用洗浄剤組成物を調製するために用いられる、
多剤型土壌用洗浄剤を提供する。
本発明の多剤型土壌用洗浄剤には、本発明の土壌用洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。例えば、本発明の多剤型土壌用洗浄剤における(A)成分、(B)成分の具体例や好ましい態様などは、本発明の土壌用洗浄剤組成物と同じである。
【0039】
剤(A)と剤(B)は、土壌の洗浄の際に混合され、所定の土壌用洗浄剤組成物が調製される。
本発明の多剤型土壌用洗浄剤は、本発明の土壌用洗浄剤組成物の調製に好適に用いられる。
【0040】
剤(A)は、(A)成分を、50質量%以上、更に80質量%以上、更に90質量%以上、そして、100質量%以下含有することが好ましく、100質量%含有してもよい。
また、剤(B)は、(B)成分を、20質量%以上、更に30質量%以上、そして、100質量%以下含有することが好ましく、100質量%含有してもよい。
【0041】
本発明では、(A)成分と(B)成分が別の剤に配合されていることが好ましい。剤(A)は(B)成分を含まないものが好ましい。また、剤(B)は(A)成分を含まないものが好ましい。剤(A)、剤(B)は、それぞれ、前記した任意成分を含有することができる。また、本発明の多剤型土壌用洗浄剤は、(A)成分も(B)成分も含まない、(A)、剤(B)以外の剤を含むことができる。
【0042】
本発明の多剤型土壌用洗浄剤は、1つ1つの剤が独立した物品となっている形態(例えばキットなど)や、1つ1つの剤が相互に混合されない状態で1つの物品にまとめて収容されている形態(例えば2剤型洗浄剤物品など)など、種々の形態であってよい。
【0043】
<掘削土壌の洗浄方法>
本発明は、石油系化合物により汚染された掘削土壌を、(A)成分と、(B)成分と、水とを用いて洗浄する、掘削土壌の洗浄方法であって、
(A)成分と(B)成分とを、(A)成分と(B)成分との合計に対する(B)成分の比率である(B)/〔(A)+(B)〕が3質量%以上25質量%以下となるように用いる、掘削土壌の洗浄方法を提供する。
本発明の掘削土壌の洗浄方法には、本発明の土壌用洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。例えば、本発明の掘削土壌の洗浄方法における(A)成分、(B)成分の具体例や好ましい態様などは、本発明の土壌用洗浄剤組成物と同じである。本発明の掘削土壌の洗浄方法には、本発明の土壌用洗浄剤組成物又は本発明の多剤型土壌用洗浄剤を用いることができる。
【0044】
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、掘削土壌と水とを混合し、これに(A)成分と(B)成分とを混合することができる。
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、掘削土壌と水とを混合して、比重が好ましくは1.05以上、より好ましくは1.18以上、そして、好ましくは1.40以下、より好ましくは1.25以下の混合物を調製し、この混合物に、(A)成分と(B)成分とを混合することができる。
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、(A)成分を、掘削土壌と水との混合物に対して、洗浄性の観点から、好ましくは0.04質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上、そして、経済性の観点から好ましくは0.4質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、より更に好ましくは0.2質量%以下用いることができる。
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、(B)成分を、掘削土壌と水との混合物に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.015質量%以上、そして、好ましくは0.1質量%以下用いることができる。
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、(A)成分と(B)成分を合計で、掘削土壌と水との混合物に対して、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.06質量%以上、そして、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、より更に好ましくは0.2質量%以下用いることができる。
【0045】
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、洗浄を、洗浄性の効率化の観点から、好ましくは2回以上、より好ましくは3回以上、そして、回収水処理の観点から、好ましくは5回以下行うことができる。
【0046】
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、洗浄した掘削土壌のすすぎは行ってもよいし、行わなくてもよい。工程の簡略化などの観点では、本発明では、すすぎ工程を実施しなくてもよい。
【0047】
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、掘削土壌を、その土壌が存在する場所(現地)で洗浄してもよいし、原位置とは異なる場所(現地外)で洗浄してもよい。例えば、掘削土壌を、現地とは異なる場合に設けた洗浄設備で洗浄することができる。その際、例えば、現地から掘削により採取した土壌を、現地とは異なる場所に設けた洗浄設備に移送して洗浄することができる。洗浄設備は、現地の近くに設置することが好ましい。例えば、ある区域内の所定の場所(現地)で土壌を採取し、同じ区域内の採取場所とは別の場所に洗浄設備を設けることができる。このように、いわゆる現地プラントとして洗浄設備を設けて掘削土壌を洗浄することができる。
【0048】
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、(A)成分、(B)成分及び水を含有するpH6以上8以下の混合物を掘削土壌に混合することができる。該混合物は、本発明の土壌用洗浄剤組成物又はその水による希釈物であってよい。該混合物における(A)成分と(B)成分の含有量は特に限定は無いが、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が3質量%以上25質量%以下であることが好ましい。該混合物は、必要に応じて(A)成分、(B)成分以外の成分を含有していてもよい。
【0049】
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、(A)成分と(B)成分を、pH6以上8以下で掘削土壌と接触させることができる。前記した、(A)成分、(B)成分及び水を含有するpH6以上8以下の混合物を用いることは、このような方法を行うのに好ましい。
【0050】
本発明の掘削土壌の洗浄方法では、洗浄後、土壌を遠心分離することが好ましい。遠心分離の条件は、例えば、遠心加速度が100G以上1200G以下、処理時間が1分以上10分以下である。遠心分離により、土壌と液相との分離が促進され、土壌の回収、再利用(埋め戻し)が容易となる。
【0051】
洗浄後の土壌は、採取した場所や別の場所に埋め戻して再利用することができる。
【実施例
【0052】
表1~3に示す土壌用洗浄剤組成物を調製し、以下方法で洗浄試験と曇点の測定を行った。結果を表1~3に示す。
【0053】
(1)洗浄試験
(1-1)評価用の模擬油汚染細粒土の調製
土木用微粉末粘土(スミクレー、住友大阪セメント株式会社)400gと、軽油6.2gとを、ハンドミキサーで均一になるように撹拌し、模擬油汚染細粒土を調製した。なお、ここで用いた前記土木用微粉末粘土は、粒径0.075mm以下の細粒分が90質量%以上であった。
【0054】
(1-2)模擬油汚染細粒土の洗浄
100ml三角フラスコに、模擬油汚染細粒土16.7gと水83.3gとを投入して比重1.2の混合物を調製した。この三角フラスコに、更に表に示す土壌用洗浄剤組成物を、模擬油汚染細粒土と水の混合物に対する(A)成分と(B)成分の合計が表に示す量となるように、添加後、マグネティックスターラーで30分間撹拌した。ここで、土壌用洗浄剤組成物は、(A)成分と(B)成分とを合計で10質量%含有し、残部が水の組成物であった。表中の実施例の土壌用洗浄剤組成物は、いずれも、20℃のpHが6以上8以下の範囲にあった。また、表中、(A)成分のHLBはグリフィン法によるHLBであり、(B)成分のHLBはデイビス法によるHLBである。なお、(B)成分のHLBは、塩をナトリウム塩に置き換えた化合物に基づいて計算した。また、なお、表には、(A)成分、(B)成分に該当しない化合物も、便宜的にそれらの欄に示した。
30分後、撹拌を止め、混合物を50mlビオラモ遠沈管2本に分け、株式会社コクサン製多本架遠心機H-80Fで、1000Gで5分間、遠心分離をした。
遠心終了後、上澄液分を排出し、残っている沈殿物(粘土分)に上澄液分の質量分の水を加えて、100ml三角フラスコに移した。これを1回の洗浄とした。2回以上洗浄する場合は、1回目の洗浄後に三角フラスコに移した混合物を2回目の洗浄対象とし、以下同様の洗浄を繰り返し行った。
【0055】
(1-3)洗浄性の評価
1. (1-2)の洗浄試験で、最終の洗浄後に遠心分離して得られた沈殿物を100mlスクリュー管に10.0g計量し、蓋をしない状態で40℃恒温槽に15時間入れた。並行して、前記沈殿物を約3g精秤し、105℃恒温槽に15時間入れ、沈殿物中の粘土分を測定した。
2. 15時間後、前記スクリュー管に、無水硫酸ナトリウムを約50g添加し振とうした。
3. 更に、前記スクリュー管に、50mlのジクロロメタンを添加し、ペンシルミキサーで1分間撹拌し、60分静置した。
4. 静置後の上澄液を100mlメスフラスコに移し、更に30mlのジクロロメタンを添加し、ペンシルミキサーで1分間撹拌し、60分静置した。
5. 前記4.で静置後の上澄液を、別の100mlメスフラスコに移し、更に30mlのジクロロメタンを添加し、ペンシルミキサーで1分間撹拌し、60分静置した。
6. 前記5.で静置後の上澄液を、別の100mlメスフラスコに移し、ジクロロメタンで100mlまでメスアップしてジクロロメタン抽出液とした。
7. ジクロロメタン抽出液を0.45μmのフィルターでろ過後、アジレント・テクノロジー社製6850Aガスクロマトグラフィーで軽油分を定量した。
8. 定量結果を沈殿物中の粘土分(105℃乾燥)に含まれる量に換算して残存軽油量とした。表には、土壌1kgあたりの軽油分量mgを、TPH(mg/kg)として示した。
【0056】
(2)土壌用洗浄剤組成物の曇点
表に示す(A)成分と(B)成分を(B)/〔(A)+(B)〕で且つ合計で0.2質量%含有し、残部が水である土壌用洗浄剤組成物を調製した。
土壌用洗浄剤組成物20gを、30mlのスクリュー管に投入し、ふたをした状態で、20℃恒温槽に1時間入れた。
1時間後、外観を目視で観察し、白濁している場合は、曇点20℃以下として試験を終了し、透明である場合は、更に30℃恒温槽に1時間入れて試験を継続した。この評価を10℃毎に70℃まで行い、白濁してくる温度を確認した。70℃でも白濁しない場合は、表には「70℃以上」と記載した。
【0057】
【表1】
【0058】
表1中、(A)成分は、Cの次の数字はアルキル基又はアルケニル基の炭素数であり、Fは不飽和結合の数を示す。iC8はイソオクチル基である。EOはエチレンオキシ基であり、カッコに付した数字は平均付加モル数である。例えば、C10(EO)3は、アルキル基の炭素数が10でエチレンオキシドの平均付加モル数が3のポリオキシエチレンアルキルエーテルを意味する(以下同様)。
また、表1中、(B)成分は、以下のものである(以下同様)。
C12OSO3・Na:炭素数12のアルキル基を有するアルキル硫酸エステルのナトリウム塩
【0059】
表1の結果から、(A)成分と(B)成分とを、所定の比率で併用すると、土壌の洗浄性に優れた土壌用洗浄剤組成物が得られることがわかる。
【0060】
【表2】
【0061】
表2の結果から、実施例2-1では、洗浄温度が20℃でも50℃でも良好な洗浄性を示すことがわかる。一方、比較例2-1では、いずれの洗浄温度でも洗浄性が悪いことがわかる。
【0062】
【表3】
【0063】
表3中、(B)成分は、以下のものである(以下同様)。
C12OSO3・TEA:炭素数12のアルキル基を有するアルキル硫酸エステルのトリエタノールアミン塩
C12OSO3・NH4:炭素数12のアルキル基を有するアルキル硫酸エステルのアンモニウム塩
C12(EO)2OSO3・Na:炭素数12のアルキル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が2である、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルのナトリウム塩
LAS・Na:炭素数12のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩
C11COO・Na:炭素数12の脂肪酸のナトリウム塩
C7COO・Na:炭素数8の脂肪酸のナトリウム塩
PAA・Na:ポリアクリル酸のナトリウム塩、重量平均分子量3000
【0064】
表3の結果から、分子量が本発明の範囲にある陰イオン界面活性剤を(A)成分と所定の比率で併用すると、土壌の洗浄性に優れた土壌用洗浄剤組成物が得られることがわかる。