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特許7478612サーバ、商品検索システム、検索方法および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】サーバ、商品検索システム、検索方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240425BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20240425BHJP
   G06Q 30/0203 20230101ALI20240425BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
G06Q30/015
G06Q30/0203
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020117239
(22)【出願日】2020-07-07
(65)【公開番号】P2022014724
(43)【公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】樋口 章憲
(72)【発明者】
【氏名】原田 正大
(72)【発明者】
【氏名】城後 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐介
(72)【発明者】
【氏名】高見 細香
(72)【発明者】
【氏名】福本 浩志
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-027615(JP,A)
【文献】特開2020-064471(JP,A)
【文献】特開2005-165947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入予定者に不買事由が生じて売れなかった遊休商品の情報を蓄積したデータベースであって、該データベースにおいて、前記遊休商品ごとに、前記不買事由に基づいて作成された、該遊休商品の否定的な側面を示すネガティブタグが関連付けて記憶されている、データベースと、
前記データベースに記憶されている各ネガティブタグに対応する項目の一覧を、顧客の端末装置に表示させて、前記顧客にとって不買事由とならない項目を該顧客に選択させる項目取得部と、
前記項目取得部が前記端末装置から取得した前記顧客によって選択された項目に対応するネガティブタグが関連付けられている遊休商品を、前記顧客に提案する商品として前記データベースから検索する検索部と
前記検索部が検出した遊休商品の購入を前記顧客が断念した場合に、当該顧客から不買事由の入力を受け付け、該不買事由を示す新しいネガティブタグを該遊休商品に追加するタグ生成部とを備えている、サーバ。
【請求項2】
前記データベースにおいて、前記遊休商品ごとに、該遊休商品の特性を示す特性タグが関連付けて記憶されており、
文章を入力することが可能なUI(User Interface)部品を前記顧客の端末装置に表示させて、前記顧客の需要を該顧客に入力させる需要取得部と、
前記需要取得部が前記端末装置から取得した、前記顧客によって入力された文章を解析して、該文章に含まれている文言に関連した特性タグを特定する解析部とをさらに備え、
前記検索部は、特定された前記特性タグが関連付けられている遊休商品を、前記顧客に提案する商品として前記データベースから検索する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記遊休商品は化学製品であって、
前記データベースにおいて、前記遊休商品が有する化学特性について、該化学特性を表す1つ以上の用語が、前記特性タグとして、該遊休商品に関連付けて記憶されており、
前記解析部は、前記文章に含まれる文言に関連する、化学製品の化学特性を表す用語を、検索に用いる特性タグとして特定する、請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記解析部は、前記化学製品の化学特性を表す用語と同義である、前記文章に含まれる文言を、前記化学製品の化学特性を示す特性タグとして、該化学製品に関連付けて前記データベースに追加する、請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記データベースにおいて、前記遊休商品の特長、用途および機能の少なくとも1つが、前記特性タグとして、該遊休商品に関連付けて記憶されており、
前記解析部は、前記文章に含まれている前記顧客が解決したい課題と関連性がある、特長、用途または機能を、検索に用いる特性タグとして特定する、請求項2または3に記載のサーバ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のサーバと、
前記サーバと通信する端末装置とを含み、
前記端末装置は、
前記サーバから送信された前記各ネガティブタグに対応する項目の一覧を表示する表示部と、
前記項目の一覧から、前記顧客にとって不買事由とならない項目の選択を受け付ける操作受付部と、
前記顧客によって選択された、前記不買事由とならない項目を前記サーバに送信して、前記遊休商品の検索を前記サーバに要求する検索要求部とを備えている、商品検索システム。
【請求項7】
サーバが実行するデータベースの検索方法であって、
前記データベースは、
購入予定者に不買事由が生じて売れなかった遊休商品の情報を蓄積したデータベースであって、該データベースにおいて、前記遊休商品ごとに、前記不買事由に基づいて作成された、該遊休商品の否定的な側面を示すネガティブタグが関連付けて記憶されており、
前記検索方法は、
前記データベースに記憶されている各ネガティブタグに対応する項目の一覧を、顧客の端末装置に表示させて、前記顧客にとって不買事由とならない項目を該顧客に選択させる項目取得ステップと、
前記項目取得ステップにて前記端末装置から取得された、前記顧客によって選択された項目に対応するネガティブタグが関連付けられている遊休商品を、前記顧客に提案する商品として前記データベースから検索する検索ステップと
前記検索ステップで検出した遊休商品の購入を前記顧客が断念した場合に、当該顧客から不買事由の入力を受け付け、該不買事由を示す新しいネガティブタグを該遊休商品に追加するタグ生成ステップとを含む、検索方法。
【請求項8】
請求項1に記載のサーバとしてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記項目取得部、前記検索部、および前記タグ生成部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、商品検索システム、検索方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを利用した電子商取引のためのさまざまなシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、顧客の商品嗜好傾向に合わせて適切な商品説明を行う販売員にリアルタイムで接続し、適切な商品説明を受けながら買物を行う買物相談システムが開示されている。
【0003】
この買物相談システムでは、サーバ装置が備えるユーザ-販売員マッチング手段が、ユーザ商品嗜好傾向情報と、販売員閲覧履歴情報に基づいて、ユーザへのリアルタイム接客を行う販売員を選択し、販売員側端末とユーザ側端末とをリアルタイムに通信可能に接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-066141号公報(2016年4月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子商取引システムでは、諸般の事情で売れ残っている商品の利活用に目が向けられていない。ある顧客には売れなかった商品であっても、新たな需要を掘り起こせば、購入の可能性がある別の顧客と引き合わせられる可能性がある。
【0006】
本発明の一態様は、売れていなかった商品から利益を生み出すことが可能なシステムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係るサーバは、購入予定者に不買事由が生じて売れなかった遊休商品の情報を蓄積したデータベースであって、該データベースにおいて、前記遊休商品ごとに、前記不買事由に基づいて作成された、該遊休商品の否定的な側面を示すネガティブタグが関連付けて記憶されている、データベースと、前記データベースに記憶されている各ネガティブタグに対応する項目の一覧を、顧客の端末装置に表示させて、前記顧客にとって不買事由とならない項目を該顧客に選択させる項目取得部と、前記項目取得部が前記端末装置から取得した前記顧客によって選択された項目に対応するネガティブタグが関連付けられている遊休商品を、前記顧客に提案する商品として前記データベースから検索する検索部とを備えている。
【0008】
サーバが実行するデータベースの検索方法であって、前記データベースは、購入予定者に不買事由が生じて売れなかった遊休商品の情報を蓄積したデータベースであって、該データベースにおいて、前記遊休商品ごとに、前記不買事由に基づいて作成された、該遊休商品の否定的な側面を示すネガティブタグが関連付けて記憶されており、前記検索方法は、前記データベースに記憶されている各ネガティブタグに対応する項目の一覧を、顧客の端末装置に表示させて、前記顧客にとって不買事由とならない項目を該顧客に選択させる項目取得ステップと、前記項目取得ステップにて前記端末装置から取得された、前記顧客によって選択された項目に対応するネガティブタグが関連付けられている遊休商品を、前記顧客に提案する商品として前記データベースから検索する検索ステップとを含む。
【0009】
本発明の各態様に係るサーバは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記サーバが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記サーバをコンピュータにて実現させるサーバの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、売れていなかった商品から利益を生み出すことが可能なシステムを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示に基づくサーバの要部構成を示すブロック図である。
図2】商品データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図3】実施形態1に係る電子商取引システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図4】実施形態1に係る電子商取引システムにおいて、顧客の端末装置に表示される検索画面の一例を示す図である。
図5】実施形態1に係る電子商取引システムにおいて、顧客の端末装置に表示される検索結果画面の一例を示す図である。
図6】顧客の端末装置に表示される商品詳細画面の一例を示す図である。
図7】実施形態2に係る電子商取引システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図8】実施形態2に係る電子商取引システムにおいて、顧客の端末装置に表示される検索画面の一例を示す図である。
図9】実施形態2に係る電子商取引システムにおいて、顧客の端末装置に表示される検索結果画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、電子商取引システムの一例を示す概要図である。また、図1は、本開示に係るサーバの要部構成を示すブロック図を含む。
【0013】
<電子商取引システムの概要>
図1に示すとおり、本開示に係る電子商取引システム100は、サーバ1と端末装置2とを含む。端末装置2は、商品の購入を検討および実施する顧客によって操作される装置である。サーバ1は、顧客の要望に応じて商品を提案する装置である。サーバ1は、例えば、顧客が指定した条件に応じて商品を検索し、該商品を提案し、顧客の購入意思を受け付けて該商品を販売するサービスを提供するサービスプロバイダに帰属する。サーバ1および端末装置2は、通信ネットワーク3を介して、通信可能に接続されている。
【0014】
サービスプロバイダは、サーバ1を通じてショッピングサイトを運営し、商品を顧客に対して販売する。本実施形態において、サービスプロバイダが販売する商品は、遊休商品である。遊休商品とは、ある需要に対応して製造され製品として成立した後、購入予定者に不買事由が生じて売れなかった商品を指す。遊休商品は、従来のいわゆる「ワケあり商品」とは本質的に異なる。具体的には、ワケあり商品は、販売する側が想定可能な事情で、商品価値が損なわれ、正規の値段で販売することが難しく売れていない商品である。一方、遊休商品は、購入する側の事情(不買事由)により売れ残り、活用されていない商品である。遊休商品は、例えば、製品の原材料やレシピなど、製品化される前の状態でいつでも利用できる状態にありながら活用されていない有形または無形の資源などを含んでいてもよい。
【0015】
サーバ1は、上述の遊休商品の情報を集めた商品データベース41(以下、商品DB41)にアクセスすることができる。商品DB41(データベース)は、図示のとおり、サーバ1に内蔵されていてもよいし、サーバ1がアクセス可能なように、サーバ1の外に設けられていてもよい。
【0016】
本実施形態では、商品DB41において、遊休商品ごとに、上述の不買事由に基づいて作成された、該遊休商品の否定的な側面を示すネガティブタグが関連付けて記憶されている。
【0017】
サーバ1は、顧客の端末装置2から送信された条件に合致するネガティブタグが関連付けられた遊休商品を商品DB41から検索し、検索した遊休商品の情報を端末装置2に返信する。これにより、サービスプロバイダは、ネガティブタグが示す不買事由を気にしない顧客に、そのネガティブタグが関連付けられた遊休商品を提案することができる。結果として、同じ不買事由で遊休商品が売れないリスクを負うことなく、売れる可能性がある顧客に効率的に遊休商品を提案することができる。
【0018】
<サーバの構成>
図1に示すとおり、サーバ1は、制御部10および記憶部11を備えている。図1に示すブロック図は、サーバ1の構成の一例を部分的に示しているにすぎない。サーバ1は、一般的なサーバが備えている、図示されていないその他の部材、例えば、通信部などを備えていてもよい。
【0019】
制御部10は、記憶部11に記憶されたプログラムおよびデータ、外部の装置から受信したプログラムおよびデータなどに基づき、サーバ1における各ブロックを統括して制御する。
【0020】
記憶部11は、制御部10にて用いられる各種データを記憶するものであり、ROM(read only memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。本実施形態では、記憶部11は、一例として、商品DB41を不揮発的に記憶している。その他、記憶部11は、制御部10が実行する不図示の各種プログラムを記憶していてもよい。
【0021】
サーバ1の制御部10は、一例として、項目取得部21および検索部24を備えている。本実施形態では、需要取得部22および解析部23は省略されてもよい。
【0022】
制御部10は、例えば、CPU(central processing unit)または専用プロセッサなどの制御装置により構成されてもよい。上述した制御部10の各部は、CPUなどの制御装置が、ROM(read only memory)などで実現された記憶装置(記憶部11)に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)などに読み出して実行することで実現できる。
【0023】
項目取得部21は、商品DB41に記憶されているネガティブタグのそれぞれに対応する項目の一覧表を生成する。項目取得部21は、一覧表を顧客の端末装置2に表示させて、顧客にとって不買事由とならない項目を顧客に選択させる。以下では、ネガティブタグのそれぞれに対応する項目の一覧表を、不買事由になり得る項目のリストであることから、「不買事由リスト」と称する。また、顧客が選択した不買事由とならない項目を、顧客が購入を検討するにあたって気にしない事項であることから「気にしない項目」と称する。
【0024】
項目取得部21は、端末装置2から、顧客によって選択された気にしない項目(不買事由とならない項目)を取得する。取得された気にしない項目は、検索部24によって遊休商品が検索されるときに参照される。
【0025】
検索部24は、顧客の需要に適合した商品を商品DB41から検索する。具体的には、まず、検索部24は、端末装置2を介して顧客により入力された、該顧客が求めている商品についての情報に基づいて、商品DB41から顧客が求めている商品を検索する。次に、検索部24は、項目取得部21が端末装置2から取得した気にしない項目に対応するネガティブタグが関連付けられている遊休商品を、顧客に提案する商品として商品DB41から検索する。検索部24は、条件に合致した遊休商品の情報を、端末装置2に送信する。検索部24から送信された遊休商品の情報の一覧は、端末装置2を介して、顧客に提示される。
【0026】
<端末装置の構成>
端末装置2は、サーバ1から送信された各ネガティブタグに対応する項目の一覧を表示する表示部と、前記項目の一覧から、顧客にとって不買事由とならない項目の選択を受け付ける操作受付部と、顧客によって選択された、前記不買事由とならない項目をサーバ1に送信して、遊休商品の検索をサーバ1に要求する検索要求部とを備えている。
【0027】
<商品データベース>
図2は、商品DB41のデータ構造の一例を示す図である。商品DB41は、一例として、商品ID、商品名、および、タグという3つの項目によって構成されている。
【0028】
商品IDは、電子商取引システム100(商品検索システム)において、遊休商品を一意に識別するための識別情報である。商品名は、遊休商品に付された名称である。
【0029】
本開示において、タグとは、検索部24が目当ての遊休商品を効率的に検索するために、遊休商品に付与された情報である。タグは、遊休商品の特徴を端的に表す1以上の用語を含む。本開示において、タグは、遊休商品のどのような特徴を表すのかに応じて、複数の種類用意されている。
【0030】
本実施形態では、遊休商品には、該遊休商品の否定的な側面を示すネガティブタグが関連付けられている。ネガティブタグは、該遊休商品を購入する予定であったが実際には購入しなかった購入予定者によって提示された不買事由に基づいて生成される。
【0031】
ネガティブタグの生成方法は、特に限定されない。例えば、サービスプロバイダの販売担当者が購入予定者から聞き取った不買事由に基づいて、商品DB41のオペレータがネガティブタグを作成し、遊休商品に関連付けて登録してもよい。あるいは、例えば、通信ネットワーク3を介して、購入予定者の端末装置2から送信された不買事由の文章に基づいて、サーバ1の不図示のタグ生成部がネガティブタグを自動で生成してもよい。例えば、タグ生成部は、文章を解析し、売れなかった遊休商品に対する否定的な単語を抽出して、これをネガティブタグとして該遊休商品に関連付けてもよい。
【0032】
ネガティブタグの他に、図示のとおり、遊休商品には、該遊休商品の特性を示す特性タグが関連付けられていてもよい。なお、本実施形態では、特性タグは、省略されてもよい。特性タグについては、実施形態2にて詳述する。
【0033】
その他、不図示であるが、遊休商品には、該遊休商品の分類を示す分類タグが関連付けられていてもよい。分類タグに含まれる用語は、遊休商品につけられた固有名詞である商品名とは異なり、該遊休商品の機能または用途などを想起することが可能な一般的かつ包括的な名称であることが好ましい。例えば、「洗剤A」および「洗剤B」には、「洗剤」、「光沢剤A」および「光沢剤B」には、「光沢剤」などの分類タグが関連付けられていてもよい。
【0034】
さらに、図示されていないが、本開示に係る商品DB41において、遊休商品には、該遊休商品のメーカー、メーカーから提供可能な試供品量、価格、および、商品を説明する文章、などの各種の項目が関連付けられて記憶されていてもよい。
【0035】
<処理フロー>
図3は、本実施形態に係る電子商取引システム100を構成する各装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0036】
S101では、まず、端末装置2は、遊休商品の購入を検討している顧客の操作に応じて、サービスプロバイダが運営するショッピングサイトにアクセスする。すなわち、端末装置2は、ショッピングサイトを処理するサーバ1に対して、遊休商品を検索するための検索画面を要求する。
【0037】
S102(項目取得ステップ)では、サーバ1の項目取得部21は、端末装置2からの要求に応答して、不買事由リストを生成する。項目取得部21は、一例として、商品DB41を参照し、遊休商品に関連付けられているネガティブタグの用語の全種類を抽出して、これらの用語を、不買事由となり得る項目として含む不買事由リストを生成してもよい。具体例を挙げると、項目取得部21は、図2に示す商品DB41から、臭いあり、急性毒性あり、慢性毒性あり、および、コスト高の4種類の用語を抽出し、これらの4種類の用語を、不買事由となり得る項目として含む不買事由リストを生成する。
【0038】
なお、項目取得部21は、商品DB41のネガティブタグのカラムに基づいて不買事由リストをあらかじめ生成しておき記憶部11に記憶しておいてもよい。そして、商品DB41のネガティブタグのカラムが更新される度に、不買事由リストも更新する。この場合、項目取得部21は、端末装置2から検索画面の要求を受け付けたときには、記憶しておいた不買事由リストを記憶部11から読み出すだけでよい。
【0039】
S103(項目取得ステップ)では、項目取得部21は検索画面を生成し、端末装置2に対して提供する。本実施形態では、検索画面は、検索ワードを入力するための一般的なUI(User Interface)部品に加えて、S102で生成した不買事由リストを含む。本実施形態では、一例として、項目取得部21は、不買事由となり得る各項目を顧客が選択するためのUI部品を含むように不買事由リストを構成して、検索画面に配置する。
【0040】
他の例では、項目取得部21は、一般的なUI部品を含む検索画面とは別にして、不買事由となり得る項目の中から気にしない項目を顧客に選択させるための選択画面を生成してもよい。この場合、項目取得部21は、先に入力された検索ワードに基づいて抽出された遊休商品の集合についてネガティブタグを抽出し、該集合に対応した不買事由リストを生成することができる。
【0041】
S104では、端末装置2は、サーバ1から提供された検索画面を自装置の表示部に表示させる。
【0042】
S105では、端末装置2は、検索画面を介して、顧客による検索ワードの入力操作、および、気にしない項目の選択操作を受け付ける。
【0043】
S106では、端末装置2は、検索画面内の検索ボタンに対する顧客の操作を受け付ける。検索ボタンが操作されないうちは、端末装置2は、S106のNOからS104に戻り、検索画面の表示を維持して、顧客による各種の操作を待機する。検索ボタンが押下されると、端末装置2は、S106のYESからS107の処理に進む。
【0044】
S107では、端末装置2は、顧客によって入力された検索ワードと、顧客によって選択された気にしない項目とをサーバ1に送信し、サーバ1に対して、遊休商品の検索を実行するように要求する。送信された気にしない項目は、項目取得部21によって取得される。
【0045】
S108では、検索部24は、送信された検索ワードと条件が合致する遊休商品の集合を商品DB41から抽出する。
【0046】
S109(検索ステップ)では、検索部24は、項目取得部21によって取得された気にしない項目に対応するネガティブタグが関連付けられている遊休商品を、抽出した集合の中から検索する。例えば、検索部24は、検索ワード「洗剤」に基づいて、洗剤に関連する遊休商品を抽出する。そして、顧客によって、気にしない項目として「臭いあり」が選択された場合には、検索部24は、洗剤に関連する遊休商品の中から、ネガティブタグとして「臭いあり」が関連付けられている遊休商品を検索する。
【0047】
S110では、検索部24は、検索した遊休商品の情報を一覧するための検索結果画面を生成し、端末装置2に提供する。
【0048】
S111では、端末装置2は、サーバ1から提供された検索結果画面を表示部に表示させる。検索結果画面においては、顧客が入力した検索ワードに関連する遊休商品であって、顧客が選択した気にしない項目と合致するネガティブタグが関連付けられている遊休商品が一覧表示される。
【0049】
S112では、端末装置2は、検索結果画面内の詳細ボタンに対する顧客の操作を受け付ける。詳細ボタンが操作されないうちは、端末装置2は、S112のNOからS111に戻り、検索結果画面の表示を維持して、顧客による各種の操作を待機する。あるいは、端末装置2は、検索結果画面内の他のボタンに対する操作を受け付けて、該他のボタンに対応した情報処理を実行してもよい。詳細ボタンが押下されると、端末装置2は、S112のYESからS113に進む。
【0050】
S113では、端末装置2は、押下された詳細ボタンに対応する遊休商品についてのより詳細な情報をサーバ1に要求する。
【0051】
S114では、サーバ1は、要求された遊休商品についてのより詳細な情報を載せた商品詳細画面を生成し、あるいは、記憶部11から読み出し、端末装置2に提供する。
【0052】
S115では、端末装置2は、サーバ1から提供された商品詳細画面を表示部に表示させる。商品詳細画面には、遊休商品に関するさまざまな情報が詳細に含まれている。
【0053】
<画面例>
図4は、端末装置2の表示部に表示される、本実施形態に係る検索画面の一例を示す図である。
【0054】
検索画面300は、検索ワードを入力するためのUI部品であるテキストボックス301と、不買事由リスト302と、検索の実行を指示するためのUI部品である検索ボタン303とを含む。
【0055】
本実施形態では、不買事由リスト302は、商品DB41に記憶されているネガティブタグに対応した、不買事由となり得る項目304を、1つ以上含む。さらに、不買事由リスト302は、不買事由となり得る項目304の中から、顧客が気にしない項目を選択するためのUI部品として、チェックボックス305を含む。チェックボックス305は、不買事由となり得る項目304ごとに設けられる。
【0056】
顧客は、自身が購入を検討するにあたって不買事由とならない項目について、チェックボックス305のチェックを入れる操作を行う。これにより、顧客は、不買事由となり得る項目304の中から、自身が気にしない項目を選択することができる。
【0057】
端末装置2は、検索ボタン303の操作を受け付けると、テキストボックス301に入力された検索ワードと、不買事由リスト302内の不買事由となり得る項目304のうち、チェックが入った気にしない項目とを、サーバ1に送信する。
【0058】
これにより、サーバ1の検索部24は、検索ワードと気にしない項目とに基づいて、商品DB41の中から、条件に合致した遊休商品を検索することができる。
【0059】
図5は、端末装置2の表示部に表示される、本実施形態に係る検索結果画面の一例を示す図である。
【0060】
検索結果画面320は、検索部24によって検索された遊休商品を一覧表示するための商品リスト321を含む。検索結果画面320は、必要に応じて、検索画面300に戻ることを指示するUI部品である戻るボタン322と、条件をさらに絞り込んで検索することを指示するUI部品である絞り込み検索ボタン323とを含んでいてもよい。
【0061】
商品リスト321は、検索された遊休商品の情報を提示するものである。遊休商品の情報には、一例として、商品名、特長(遊休商品のすぐれた点)、用途、および、マイナスポイントなど、遊休商品の特徴が含まれる。
【0062】
商品リスト321のマイナスポイントのカラムは、商品DB41におけるネガティブタグのカラムに対応していてもよい。あるいは、マイナスポイントのカラムには、ネガティブタグの用語に基づいて編集された単語または文章が配置されてもよい。
【0063】
マイナスポイントのカラムを設けることにより、サービスプロバイダは、顧客に対して、遊休商品のデメリット、弱点を提示することができる。これにより、サービスプロバイダは、顧客に対して、サービスプロバイダの誠実な対応を示すことでき、顧客の信頼を得て、顧客の購買活動を促進することができる。
【0064】
1つの遊休商品のネガティブタグは、複数の不買事由を含んでいてもよい。この場合、マイナスポイントのカラムには、1つの遊休商品に関連付けられている複数の不買事由が表示されていてもよい。
【0065】
なお、商品リスト321に挙がっている遊休商品は、顧客が入力した検索ワードに関連する遊休商品であって、顧客が選択した気にしない項目と合致するネガティブタグが関連付けられている遊休商品である。したがって、商品リスト321で提案された遊休商品について、顧客は、マイナスポイントのカラムに示された、該遊休商品の否定的な側面を理由に購入を取り止める可能性は低い。むしろ、上述したとおり、購入に至る可能性は十分にある。
【0066】
例えば、顧客が、洗剤の購入を検討にあたり、気にしない項目として「臭いあり」を選択したとする。この場合には、商品リスト321において、洗剤に関連する遊休商品の中から、ネガティブタグとして「臭いあり」が関連付けられている遊休商品(例えば、図2に示す洗剤Aなど)が提案される。別の例として、顧客が、気にしない項目として「急性毒性あり」を選択した場合には、「急性毒性あり」のネガティブタグが関連付けられている遊休商品(例えば、洗剤Aに代えて、洗剤Bなど)が提案される。
【0067】
さらに商品リスト321は、1つの遊休商品についてより詳細な情報を呼び出すためのUI部品である詳細ボタン324を含んでいてもよい。顧客は、詳細ボタン324を操作することによって、興味を持った遊休商品について、さらなる情報を得ることができる。
【0068】
図6は、端末装置2の表示部に表示される商品詳細画面の一例を示す図である。
【0069】
商品詳細画面340は、商品リスト321において押下された詳細ボタン324の1つに対応する遊休商品について、より詳細な情報を提示するための詳細表示領域341を含む。詳細表示領域341には、遊休商品に関するさまざまな情報が詳細に含まれており、顧客は、これらの情報を参考にして、購入の是非を検討することができる。
【0070】
詳細表示領域341には、マイナスポイントに関して、さらに詳細な情報が含まれていてもよい。例えば、購入を断念した購入予定者が回答してくれた購入しなかった理由の文章を、そのまま、あるいは、一部加工して掲載してもよい。
【0071】
また、詳細表示領域341には、文字による詳細な情報に加えて、商品の外観を写した静止画像が配置されてもよい。さらに、詳細表示領域341には、遊休商品の商品説明動画が再生されるように動画再生のためのUI部品が配置されてもよい。顧客は、商品説明動画を再生することにより、遊休商品の特長、用途、機能などをより具体的にイメージすることができる。
【0072】
商品詳細画面340は、必要に応じて、戻るボタン322と、試供品を申し込む手続に進むためのUI部品である申し込みボタン342と、購入の手続に進むためのUI部品である購入ボタン343とを含んでいてもよい。商品詳細画面340に申し込みボタン342および購入ボタン343を設けることにより、遊休商品に興味を持った顧客の購入行動を促進することができる。
【0073】
<効果>
従来、販売者側が想定可能な事情で商品価値が当初より損なわれ、正規の値段で販売することが難しくなり売れ残った、いわゆる「ワケあり商品」というものがある。これに対し、本実施形態に係る電子商取引システム100において取り扱われる「遊休商品」は、販売者側の想定の範囲内で商品価値が損なわれる事情が生じたわけではなく、購入者側に不買事由が生じて売れなかった商品である。
【0074】
従来の「ワケあり商品」では、売れない事情を販売者側が想定できる。そのため、販売者は、安く提供できる理由を提示した上で「ワケあり商品」を顧客に安く販売する、などのように、売り方を変えて「ワケあり商品」を捌くことが容易にできた。一方、「遊休商品」は、売れない事情および需要を販売者側だけで把握することが難しく、誰にどう提案すれば売れるのかを販売者側が思いつくことは容易ではない。
【0075】
このような課題を解決するために、本実施形態に係るサーバ1は、遊休商品ごとに、不買事由に基づいて作成された、該遊休商品の否定的な側面を示すネガティブタグが関連付けて記憶されている商品DB41と、商品DB41に記憶されている各ネガティブタグに対応する、不買事由となり得る項目304を一覧表示するための不買事由リスト302を、顧客の端末装置2に表示させて、顧客にとって気にならない項目(不買事由とならない項目)を顧客に選択させる項目取得部21と、顧客によって選択された気にならない項目に対応するネガティブタグが関連付けられている遊休商品を、顧客に提案する商品として商品DB41から検索する検索部24とを備えている。
【0076】
本実施形態に係るサーバ1の上述の構成によれば、遊休商品と、別の需要を持った別の顧客とを引きあわせることが可能な電子商取引システム100を実現できる。遊休商品とは、購入予定者に不買事由が生じて売れなかった商品である。例えば、ある需要に対応して製造され製品として成立したが、その製品の購入を予定していた購入予定者に何らかの不買事由が生じ実際に購入されるには至らず死蔵されている物品または活用されていない資源などである。
【0077】
具体的には、サーバ1の項目取得部21は、不買事由リスト302を顧客に提示し、顧客から、購入を検討するにあたって気にしない項目(不買事由とならない項目)を取得する。検索部24は、顧客が選択した気にしない項目に対応するネガティブタグが関連付けられている遊休商品を商品DB41から検索し、これを該顧客に提案する。
【0078】
このように、サーバ1は、遊休商品が否定的な側面を有していたとしても、それを不買事由としない別の顧客に対して、該遊休商品を提案できる。そのため、同じ不買事由で売れないという事態を回避し、別の顧客によって購入される可能性を高めることができる。結果として、売れていなかった遊休商品から利益が生み出される電子商取引システム100を構築することができる。
【0079】
<変形例>
サーバ1は、商品詳細画面340において、不買事由を入力するためのUI画面を呼び出すための不買事由ボタンを配置してもよい。遊休商品の購入を検討して該遊休商品の商品詳細画面340を見ていた顧客が、該遊休商品に関連付けられているネガティブタグとは別の何らかの不買事由を抱えており、購入を断念するケースが想定される。このような場合、商品詳細画面340に不買事由ボタンを配置して、その顧客独自の不買事由について入力してもらうように該顧客を促す。こうして、1つの遊休商品について、新たな不買事由が生じた場合には、サーバ1の不図示のタグ生成部は、新たな不買事由を取得して、これに基づいて新しいネガティブタグを該遊休商品に追加する。このようにすれば、販売者側が想定しづらい不買事由による顧客と遊休商品とのミスマッチを減らすことができ、結果として、サーバ1は、購入の可能性が高い遊休商品の提案を精度よく行っていくことが可能となる。
【0080】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0081】
<サーバの構成>
本実施形態に係るサーバ1の制御部10は、一例として、需要取得部22、解析部23および検索部24を備えている。本実施形態では、項目取得部21は省略されてもよい。
【0082】
需要取得部22は、文章を入力することが可能なUI部品を顧客の端末装置2に表示させて、顧客が持っている需要を文章にて該顧客に入力させる。需要取得部22は、端末装置2から、顧客によって入力された需要を表現した文章を取得する。顧客の需要を表現した文章には、例えば、顧客が解決したいと思っている困り事が表現されていてもよいし、顧客が商品に求めている機能が表現されていてもよいし、欲しいと思っている商品について顧客が漠然と抱いているイメージが表現 されていてもよい。需要取得部22によって取得された文章は、解析部23によって解析される。
【0083】
解析部23は、需要取得部22によって端末装置2から取得された文章を解析して、顧客が求めている商品の特性を特定する。具体的には、解析部23は、解析された文章と対応する特性タグであって、検索に用いる特性タグを特定する。
【0084】
特性タグは、商品の特性を示す情報であり、商品DB41において、商品ごとに関連付けて記憶されている。本実施形態では、商品DB41において、商品には、ネガティブタグに代えて、図2に示す特性タグが関連付けられている。特性タグは、商品の特性を示す1以上の用語で構成される。本実施形態に係る電子商取引システム100において取り扱われる商品は、一例として、化学製品である。よって、本実施形態では、特性タグは、商品としての化学製品が有する化学特性を表した用語で構成される。
【0085】
解析部23は、文章に含まれる文言に関連する化学特性を表す用語を、該文章に対応する特性タグ、すなわち、検索に用いる特性タグとして特定する。特定された特性タグは、検索部24によって検索のために用いられる。
【0086】
例えば、顧客が入力した文章が「泡立ちが良い洗顔がほしい」である場合、解析部23は、「泡立ちがよい」という文言に関連して、同じことを意味する「起泡性高」という用語を、検索に用いる特性タグとして特定する。さらに、「洗顔」という文言に関連して、人体に用いることが可能であることを意味する「毒性なし」という特性タグを特定する。解析部23によって特定された「起泡性高」および「毒性なし」という特性タグは、検索部24によって検索で用いられる。さらに、解析部23は、「洗顔」という文言に関連して、「洗顔料」、「洗顔フォーム」、「洗顔パウダー」などのように、「洗顔」という用語が含まれている分類タグを検索に用いるタグとして特定してもよい。
【0087】
検索部24は、解析部23によって特定された特性タグと同一の特性タグが関連付けられている商品を、顧客に提案する商品として商品DB41から検索する。
【0088】
なお、解析部23は、商品としての化学製品の化学特性を表す用語と同義の文言が、文章に含まれている場合には、その文言を、該化学製品の化学特性を示す特性タグとして、該化学製品に関連付けて商品DB41に追加してもよい。例えば、解析部23は、類義語または同義語を収録した辞書データベースを参照して、文章内の文言が化学特性を表す用語と同義であるか否かを判断してもよい。
【0089】
化学製品が持つ1つの化学特性について、様々な表現の仕方があると考えられる。これに対応して、本実施形態では、さまざまな表現に対応する複数の用語の1つ1つを、上述の1つの化学特性を表す特性タグとして採用する。これにより、1つの化学特性を表す特性タグは、表現が異なる複数の用語を含むことができる。結果として、さまざまな顧客によって多様な表現が用いられても、それらの表現のばらつきを吸収し、多様に表現された1つの化学特性に関連して目的の商品を検索することが可能となる。
【0090】
<商品データベース>
図2に示すとおり、本実施形態では、商品DB41において、商品には、該商品の特性を示す特性タグが関連付けられている。本実施形態では、ネガティブタグの関連付けは省略される。一例として、商品としての化学製品には、該化学製品の化学特性を示す特性タグが関連付けられている。
【0091】
化学特性を示す特性タグは、例えば、特長(すぐれた点)、用途、物性などを表す用語を含んでいる。図示されている以外にも、特性タグは、化学製品の組成を表す用語を含んでいてもよい。あるいは、特性タグは、可塑性、可撓性、水溶性などのように化学製品の性質を表す用語を含んでいてもよい。あるいは、特性タグは、浸潤機能、分散機能、酸化防止剤、耐熱安定剤などのように化学製品の機能を表す用語を含んでいてもよい。
【0092】
<処理フロー>
図7は、本実施形態に係る電子商取引システム100を構成する各装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0093】
S201では、まず、端末装置2は、化学製品の購入を検討している顧客の操作に応じて、サービスプロバイダが運営するショッピングサイトにアクセスする。すなわち、端末装置2は、ショッピングサイトを処理するサーバ1に対して、化学製品を検索するための検索画面を要求する。
【0094】
S202(需要取得ステップ)では、需要取得部22は、端末装置2からの要求に応答して、文章を入力することが可能なUI部品であるテキストボックスを含む検索画面を端末装置2に対して提供する。
【0095】
S203では、端末装置2は、サーバ1から提供された検索画面を自装置の表示部に表示させる。
【0096】
S204では、端末装置2は、検索画面を介して、顧客による、欲しい商品に関する文章の入力を受け付ける。
【0097】
S205では、端末装置2は、検索画面内の検索ボタンに対する顧客の操作を受け付ける。検索ボタンが操作されないうちは、端末装置2は、S205のNOからS203に戻り、検索画面の表示を維持して、顧客による各種の操作を待機する。検索ボタンが押下されると、端末装置2は、S205のYESからS206の処理に進む。
【0098】
S206では、端末装置2は、顧客によって入力された文章をサーバ1に送信し、サーバ1に対して、商品、具体的には、化学製品の検索を実行するように要求する。送信された文章は、需要取得部22によって取得される。
【0099】
S207(解析ステップ)では、解析部23は、取得された文章を解析する。そして、解析部23は、文章に含まれている文言に対応する用語を、検索に用いる特性タグとして特定する。「文言が用語に対応している」ということがどのような態様を示すのかについて、例えば、以下のようなことが想定される。一例として、文章から抽出された文言が特性タグの用語と完全に一致する場合には、解析部23は、抽出した文言をそのまま検索に用いる特性タグとして特定してもよい。あるいは、解析部23は、文章から抽出された文言の同義語または類義語を、検索に用いる特性タグとして特定してもよい。
【0100】
S208(検索ステップ)では、検索部24は、特定された特性タグが関連付けられている化学製品を商品DB41から検索する。検索部24は、特定された特性タグが複数ある場合には、その複数の特性タグのいずれか1つが関連付けられている化学製品を抽出してもよいし(OR検索)、複数の特性タグのすべてが関連付けられている化学製品を抽出してもよい(AND検索)。OR検索を実施するのか、AND検索を実施するのかについて、顧客が予め指定できる構成であってもよい。あるいは、解析部23が、文章の文脈から判断して、OR検索を実施するのか、AND検索を実施するのかを決定してもよい。
【0101】
S209では、検索部24は、検索した商品の情報を一覧するための検索結果画面を生成し、端末装置2に提供する。
【0102】
S210では、端末装置2は、サーバ1から提供された検索結果画面を表示部に表示させる。検索結果画面においては、顧客が入力した文章に含まれている文言に関連する用語が特性タグとして関連付けられている化学製品が一覧表示される。
【0103】
なお、これ以降の処理は、取り扱われる商品が遊休商品ではなく化学製品であるという点を除いて実施形態1と同様である。すなわち、図3に示すS112~S115の各処理が実行される。
【0104】
<画面例>
図8は、端末装置2の表示部に表示される、本実施形態に係る検索画面の一例を示す図である。
【0105】
検索画面360は、求める商品についての文章を入力するためのUI部品であるテキストボックス361と、検索ボタン303とを含む。
【0106】
顧客は、テキストボックス361内に、商品で解決したい困り事、商品の使い道、商品に求める機能、または、欲しい商品の漠然としたイメージなどを自由に書き込むことができる。なお、テキストボックス361に入力される文章は、文法的に文として成立している必要はなく、テキストボックス361は、単語の羅列、句、節などを受け付けるように構成されてもよい。
【0107】
端末装置2は、検索ボタン303の操作を受け付けると、テキストボックス361に入力された文章をサーバ1に送信する。
【0108】
これにより、サーバ1の解析部23は、文章に含まれている文言に対応する用語を、検索に用いる特性タグとして特定することができる。そして、検索部24は、商品DB41の中から、特定された特性タグが関連付けられている化学製品を検索することができる。
【0109】
図9は、端末装置2の表示部に表示される、本実施形態に係る検索結果画面の一例を示す図である。
【0110】
検索結果画面380は、検索部24によって検索された化学製品を一覧表示するための商品リスト381を含む。検索結果画面380は、必要に応じて、戻るボタン322と、絞り込み検索ボタン323とを含んでいてもよい。
【0111】
商品リスト381は、検索された化学製品の情報を提示するものである。化学製品の情報には、一例として、商品名に加えて、特長および用途など、化学製品の化学特性が含まれる。商品リスト381には、図示されている以外にも、組成、性質および機能など、化学薬品のその他の化学特性が配置されていてもよい。
【0112】
図示の例では、解析部23は、「泡立ちがよい洗顔がほしい。」という文章のうち、「泡立ちがよい」という文言に対応して、「起泡性高」という特性タグを特定する。また、解析部23は、「洗顔がほしい」という文言に対応して、「急性毒性低」および「刺激性小」を特定する。解析部23は、文章の文脈にしたがい、「起泡性高」かつ(「急性毒性低」または「刺激性小」)の特性タグが関連付けられている化学製品を検索するように検索部24に指示する。検索部24は、この指示にしたがって、「起泡性高」かつ「急性毒性低」および「刺激性小」の少なくともいずれか1つを化学特性として有する化学製品を商品DB41から検索する。こうして検索された化学製品の一覧が商品リスト381を介して顧客に提案される。
【0113】
図示の例では、解析部23は、例えば、「泡立ちがよい洗顔がほしい。」という文章を形態素解析し、「洗顔がほしい」という文言から、顧客が購入したい商品が「洗顔」であると特定してもよい。そして、解析部23は、「洗顔」に関する各種特性タグを特定する。具体的には、解析部23は、「洗顔」に関する各種特性タグとして、「化粧品」、「急性毒性低」、および「刺激性小」等を特定する。なお、「洗顔」等のキーワードに関連する各種特性タグは予め登録しておけばよい。
【0114】
次に、解析部23は、上記文章において「洗顔」を修飾する、「泡立ちがよい」という文言を解析して、この文言が「泡立ち」と「よい」の組み合わせであると特定する。続いて、解析部23は、「泡立ち」というキーワードに予め関連付けられた「起泡性」の特性タグのうち、「よい」に適合する「起泡性高」という特性タグを特定する。
【0115】
そして、解析部23は、上記のようにして特定した各特性タグが関連付けられている化学製品を検索するように検索部24に指示する。検索部24は、この指示にしたがって、「化粧品」、「急性毒性低」、および「刺激性小」の特性タグの少なくともいずれか1つが関連付けられており、かつ、「起泡性高」の特性タグが関連付けられた化学製品を商品DB41から検索する。こうして検索された化学製品の一覧が商品リスト381を介して顧客に提案される。
【0116】
さらに商品リスト381は、1つの化学製品についてより詳細な情報を呼び出すためのUI部品である詳細ボタン324を含んでいてもよい。詳細ボタン324が操作されたことに応答して、サーバ1は、例えば、図6に示す商品詳細画面340を端末装置2の表示部に表示させる。
【0117】
<効果>
従来、通信ネットワークを利用した電子商取引のためのさまざまなシステムが提案されている。例えば、顧客は、ショッピングサイトの検索画面において、欲しい商品の一般的な名称などを入力して、目当ての商品をヒットさせ、ショッピングサイトから購入可能な商品の一覧を呼び出すことができる。
【0118】
しかし、ショッピングサイトにおいて販売されている商品は、広く名の知れた商品ばかりとは限らない。例えば、顧客に一般的になじみのない特殊な商品、および、特定の業界で需要がある専門的な商品などが取り扱われる場合もある。
【0119】
このような特殊性または専門性の高い特定商品が、たとえ顧客の需要とマッチしていたとしても、顧客が、該特定商品に関連する知識を有していなければ、該特定商品に当てはまる適切な用語を思いつくことができない。そのため、顧客は、目当ての特定商品をヒットさせることができない。結果として、従来のシステムでは、特定商品の新たな需要を掘り起こし、該特定商品と購入の可能性がある顧客とを引き合わせることが困難である。
【0120】
このような課題を解決するために、本実施形態に係るサーバ1は、上述の特定商品の情報を蓄積した商品DB41であって、該商品DB41において、特定商品ごとに、該特定商品の特性を示す特性タグが関連付けて記憶されている商品DB41と、文章を入力することが可能なUI(User Interface)部品を顧客の端末装置2に表示させて、顧客の需要を該顧客に入力させる需要取得部22と、需要取得部22が端末装置2から取得した、顧客によって入力された文章を解析して、該文章に含まれている文言に関連した特性タグを特定する解析部23と、特定された特性タグが関連付けられている特定商品を、顧客に提案する商品として商品DB41から検索する検索部24とを備えている。
【0121】
本実施形態に係るサーバ1の上述の構成によれば、解析部23は、顧客が欲しい商品に関して入力した任意の文章を解析し、文章に含まれている文言に関連した特性タグを特定する。一例として、解析部23は、文章から「泡立ちが良い」という文言を抽出し、この文言と関連した「起泡性高」という特性タグを特定する。検索部24は、特定された「起泡性高」の特性タグが関連付けられている特定商品を商品DB41から検索する。
【0122】
このように、顧客は、欲しい商品の正確な品名や、商品が製造されている業界特有の専門用語を知らなくても、おおまかなイメージを伝える言葉または日常的に使う言葉を使って需要内容を入力することにより、欲しい商品をヒットさせることができる。したがって、専門知識を持たない顧客を呼び込むことができ、異なる業種、分野または業界の意外な需要が掘り起こされ、結果として、商品の販売が促進される。
【0123】
本実施形態に係るサーバ1が適用された電子商取引システム100は、遊休商品に限らず、特殊なあるいは専門的な特定商品について、業種、分野または業界の垣根を越えたアグレッシブな販売活動を実現したいといった場合に好適である。特定商品は、例えば、利用の可能性が想定しづらい化学製品などである。本実施形態に係る電子商取引システム100は、化学製品を、化学業界の顧客だけでなく、化学の専門知識を持たない顧客にも販売したい場合などに適用され得る。
【0124】
<変形例1>
解析部23は、化学製品の化学特性を表す用語と同義である、入力された文章に含まれる文言を、該化学製品の化学特性を示す特性タグとして、該化学製品に関連付けて商品DB41に追加してもよい。
【0125】
例えば、「起泡性高」の特性タグだけが関連付けられている化学製品があるとする。ある顧客が入力した文章に「泡立ちが良い」という文言が含まれており、「起泡性高」の特性タグが関連付けられている上述の化学製品がヒットしたとする。
【0126】
この場合、解析部23は、不図示のタグ生成部に、「泡立ちが良い」という特性タグを生成させる。そして、解析部23は、この新しい「泡立ちが良い」という特性タグを、ヒットした上述の化学製品に関連付けて商品DB41に追加する。
【0127】
上述の構成によれば、化学製品が有する1つの化学特性につき、特性タグのバリエーションを増やして検索にヒットしやすくすることができる。
【0128】
<変形例2>
商品DB41には、商品の特長(すぐれた点)、用途および機能の少なくとも1つが、特性タグとして、該商品に関連付けて記憶されている。解析部23は、文章に含まれている、顧客が解決したい課題と関連性がある、特長、用途または機能を、検索に用いる特性タグとして特定してもよい。例えば、「泡切れを良くしたい」という文章から、「泡切れ」+「良く」という課題の文言を抽出した場合、解析部23は、「消泡性高」という特性タグを特定してもよい。
【0129】
また、解析部23は、「金属の表面をつるつるにしたい」という文章から、「金属」+「つるつる」という課題に関連する文言を抽出する。そして、解析部23は、用途を表す特性タグとして、「金属」を特定する。次に、解析部23は、用途が「金属」である場合の「つるつる」という文言について、該文言に対応する、「表面研磨」、「光沢」および「つや出し」を、「金属」と組み合わせて検索に用いる特性タグとして特定してもよい。
【0130】
一方、解析部23は、「食品の表面をつるつるにしたい」という文章から、「食品」+「つるつる」という課題に関連する文言を抽出する。そして、解析部23は、特長または用途を表す特性タグのグループとして、「食品添加物」「急性毒性低」および「安全性高」を特定する。次に、解析部23は、用途が「食品」である場合の「つるつる」という文言について、該文言に対応する、「光沢」および「コーティング」を、上述の特性タグのグループと組み合わせて検索に用いる特定タグとして特定してもよい。同じ「つるつる」という表現が入力された場合でも、解析部23は、つるつるにしたい対象が何であるのかという課題を文脈から推測して、適切な特性タグを特定することができる。これにより、検索部24は、顧客の需要に即した精度のよい検索を実行することが可能となる。
【0131】
〔実施形態3〕
顧客が文章を入力することにより、目当ての遊休商品をヒットさせることが可能な電子商取引システム100を構築してもよい。
【0132】
この場合、図1に示すとおり、サーバ1の制御部10は、項目取得部21と、需要取得部22と、解析部23と、検索部24とを備えている。
【0133】
本実施形態では、顧客の端末装置2に提供される検索画面には、文章を入力するためのテキストボックス361(図7)と、気にしない項目を選択するための不買事由リスト302(図4)とが含まれる。
【0134】
顧客は、求めている遊休商品に関連する文言を含む文章を、テキストボックス361に入力し、不買事由リスト302において、不買事由とならない項目のチェックボックス305にチェックを入れて、検索を指示することができる。
【0135】
本実施形態では、図2に示すとおり、商品DB41において、遊休商品ごとに、ネガティブタグと、特性タグとが関連付けられている。検索部24は、項目取得部21によって取得された気にしない項目に対応するネガティブタグが関連付けられており、かつ、解析部23によって特定された特性タグが関連付けられている遊休商品を検索する。こうして検索された遊休商品の一覧が、端末装置2を介して顧客に提示される。
【0136】
本実施形態に係るサーバ1の構成によれば、遊休商品が製造された業種、業界または分野外の顧客も呼び込むことができ、専門知識がない故の意外な需要が掘り起こされ得る。結果として、遊休商品に新たな活用の道が拓かれ、該遊休商品から利益が生み出される電子商取引システム100を構築することができる。
【0137】
〔実施形態4〕
本実施形態では、機械学習により構築した学習済みモデルを用いて顧客の需要に応じた商品を選択する例を説明する。このため、本実施形態のサーバ1には、学習済みモデルが記憶されている。この学習済みモデルは、購入前商品情報と、購入後商品情報との関係を機械学習することにより構築されたものである。購入前商品情報とは、求めている商品を検索するために購入者がショッピングサイトに対して入力した、該求めている商品についての情報である。購入後商品情報とは、上述の購入者が上述の検索を通じて実際に購入した商品についての情報である。
【0138】
また、本実施形態のサーバ1の制御部10には、前記学習済みモデルへの入力データを生成する入力データ生成部と、該入力データを前記学習済みモデルに入力して演算する演算部とが含まれている。さらに、本実施形態のサーバ1の制御部10には、前記演算部の演算結果に基づいて顧客に提示する商品を決定する決定部が含まれている。なお、演算部の処理は、サーバ1とは別のサーバに実行させてもよい。
【0139】
本実施形態においても、上述の各実施形態と同様に、顧客は、ショッピングサイトにアクセスし、購入したい商品に関する各種情報を入力する。前記入力データ生成部は、顧客が入力した情報を用いて入力データを生成し、前記演算部はこの入力データを前記学習済みモデルに入力して演算結果を出力する。また、前記決定部は、前記演算部の演算結果に基づいて顧客に提示する商品を決定する。そして、決定された商品は、前記各実施形態と同様にして、顧客の端末装置2に表示される。
【0140】
本実施形態の構成によれば、過去の販売実績に基づいて顧客に提示する商品を決定するので、顧客が購入する可能性が高い商品を提示することが可能になる。なお、学習済みモデルを用いて決定した商品のみを提示してもよいし、前記各実施形態と同様に、検索部24がタグを用いて検索した商品も併せて提示してもよい。
【0141】
前記入力データは、ショッピングサイトに入力された各種情報の特徴を示すものであればよい。例えば、実施形態2または3と同様にして、入力された文章から特性タグが特定され、実施形態1と同様にして、選択された気にしない項目からネガティブタグが特定される。こうして、特定されたタグの組み合わせを入力データとしてもよい。例えば、A~Eの5種類あるタグのうち、AとEのタグが特定された場合、特定されたタグを1、特定されなかったタグを0として、「(ABCDE=)10001」という数値を入力データとしてもよい。
【0142】
また、前記学習済みモデルは、顧客が購入する可能性が高い商品を推論するものであってもよいし、顧客が購入する可能性が高い商品の特徴を推論するものであってもよい。前者の場合、決定部は、前記演算部の演算結果に基づいて、顧客が購入する可能性が高い1または複数の商品を顧客に提示するものとして決定すればよい。一方、後者の場合、決定部は、前記演算部の演算結果が示す特徴を有する商品を検索して、検出した1または複数の商品を顧客に提示するものとして決定すればよい。
【0143】
機械学習に用いる教師データは、上述の購入前商品情報に基づいて生成された入力データに、購入後商品情報を正解データとして対応付けたものとすればよい。購入後商品情報は、例えば、図2に示すような、商品の各種情報(商品ID、商品名、タグ)または商品の特徴を説明するその他の情報)であってもよい。また、他のショッピングサイトで過去に入力された各種情報に基づいて生成した入力データに、その情報が入力されたときに購入された商品(遊休商品でなくてもよい)またはその特性を正解データとして対応付けたものを教師データとしてもよい。また、これら2種の教師データを併用してもよい。
【0144】
前記学習済みモデルの構築に用いるアルゴリズムは、推論の対象と推論に用いる入力データや求められる推論の精度等に応じて適宜選択すればよい。例えば、ニューラルネットワーク等を用いて前記学習済みモデルを構築してもよい。
【0145】
〔ソフトウェアによる実現例〕
サーバ1の制御ブロック(特に、項目取得部21、需要取得部22、解析部23および検索部24、ならびに、不図示のタグ生成部、入力データ生成部、演算部および決定部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0146】
後者の場合、サーバ1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、前記コンピュータにおいて、前記プロセッサが前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0147】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0148】
〔付記事項〕
サーバ1は、購入予定者に不買事由が生じて売れなかった遊休商品の情報を蓄積したデータベースであって、該データベースにおいて、前記遊休商品ごとに、前記不買事由に基づいて作成された、該遊休商品の否定的な側面を示すネガティブタグが関連付けて記憶されている、データベース(商品DB41)と、前記データベースに記憶されている各ネガティブタグに対応する項目の一覧(不買事由リスト302)を、顧客の端末装置2に表示させて、前記顧客にとって不買事由とならない項目(気にしない項目)を該顧客に選択させる項目取得部21と、前記項目取得部が前記端末装置から取得した前記顧客によって選択された項目に対応するネガティブタグが関連付けられている遊休商品を、前記顧客に提案する商品として前記データベースから検索する検索部24とを備えている。
【0149】
サーバ1において、前記データベースには、前記遊休商品ごとに、該遊休商品の特性を示す特性タグが関連付けて記憶されており、文章を入力することが可能なUI(User Interface)部品(テキストボックス361)を前記顧客の端末装置に表示させて、前記顧客の需要を該顧客に入力させる需要取得部22と、前記需要取得部が前記端末装置から取得した、前記顧客によって入力された文章を解析して、該文章に含まれている文言に関連した特性タグを特定する解析部23とをさらに備え、前記検索部は、特定された前記特性タグが関連付けられている遊休商品を、前記顧客に提案する商品として前記データベースから検索してもよい。
【0150】
サーバ1において、前記遊休商品は化学製品であって、前記データベースには、前記遊休商品が有する化学特性について、該化学特性を表す1つ以上の用語が、前記特性タグとして、該遊休商品に関連付けて記憶されており、前記解析部は、前記文章に含まれる文言に関連する、化学製品の化学特性を表す用語を、検索に用いる特性タグとして特定してもよい。
【0151】
サーバ1において、前記解析部は、前記化学製品の化学特性を表す用語と同義である、前記文章に含まれる文言を、前記化学製品の化学特性を示す特性タグとして、該化学製品に関連付けて前記データベースに追加してもよい。
【0152】
サーバ1において、前記データベースには、前記遊休商品の特長、用途および機能の少なくとも1つが、前記特性タグとして、該遊休商品に関連付けて記憶されており、前記解析部は、前記文章に含まれている前記顧客が解決したい課題と関連性がある、特長、用途または機能を、検索に用いる特性タグとして特定してもよい。
【0153】
商品検索システム(電子商取引システム100)は、上述のいずれかのサーバ1と、前記サーバと通信する端末装置2とを含み、前記端末装置は、前記サーバから送信された前記各ネガティブタグに対応する項目の一覧を表示する表示部と、前記項目の一覧から、前記顧客にとって不買事由とならない項目の選択を受け付ける操作受付部と、前記顧客によって選択された、前記不買事由とならない項目を前記サーバに送信して、前記遊休商品の検索を前記サーバに要求する検索要求部とを備えている。
【0154】
検索方法は、サーバが実行するデータベースの検索方法であって、前記データベースは、購入予定者に不買事由が生じて売れなかった遊休商品の情報を蓄積したデータベースであって、該データベースにおいて、前記遊休商品ごとに、前記不買事由に基づいて作成された、該遊休商品の否定的な側面を示すネガティブタグが関連付けて記憶されており、前記検索方法は、前記データベースに記憶されている各ネガティブタグに対応する項目の一覧を、顧客の端末装置に表示させて、前記顧客にとって不買事由とならない項目を該顧客に選択させる項目取得ステップ(S102、S103)と、前記項目取得ステップにて前記端末装置から取得された、前記顧客によって選択された項目に対応するネガティブタグが関連付けられている遊休商品を、前記顧客に提案する商品として前記データベースから検索する検索ステップ(S109)とを含む。
【符号の説明】
【0155】
1 サーバ
2 端末装置
3 通信ネットワーク
10 制御部
11 記憶部
21 項目取得部
22 需要取得部
23 解析部
24 検索部
41 商品データベース(データベース)
100 電子商取引システム(商品検索システム)
302 不買事由リスト(ネガティブタグに対応する項目の一覧)
361 テキストボックス(文章を入力することが可能なUI部品)
図1
図2
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