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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/30 20060101AFI20240425BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20240425BHJP
   A47L 9/02 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A47L9/30
A47L9/28 K
A47L9/02 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020162649
(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公開番号】P2022055196
(43)【公開日】2022-04-07
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 将
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 叶登
(72)【発明者】
【氏名】鷲塚 拓仁
(72)【発明者】
【氏名】富崎 一秀
(72)【発明者】
【氏名】中居 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】駒▲崎▼ 博紀
(72)【発明者】
【氏名】山谷 遼
(72)【発明者】
【氏名】板垣 慶太
(72)【発明者】
【氏名】倉田 敦史
(72)【発明者】
【氏名】阿子嶋 一浩
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0301899(US,A1)
【文献】特開2016-049373(JP,A)
【文献】特開2010-158541(JP,A)
【文献】意匠登録第1657161(JP,S)
【文献】意匠登録第1568414(JP,S)
【文献】特開2013-101818(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0240275(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/30
A47L 9/28
A47L 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを有する掃除機本体と、前記モータに電力を供給する蓄電池と、吸い上げられたごみを捕集する集塵装置と、ごみを吸い込む吸込口を有する吸込口体と、を備える電気掃除機であって、
前記吸込口体は、正面側に緑色の光を照射可能な光源と、背面側に前記光源の操作を受け付けるスイッチと、を備え、
前記スイッチは、
前記吸込口体の最上面よりも鉛直方向下方の位置に設けられ
前記電気掃除機の運転中に操作されることで、前記光源の消灯と発光とを切り替え可能なことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記スイッチは、
左右にスライド可能なスイッチであって、
左右にスライドさせることで、前記光源の消灯と緑色の光の発光とを切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記吸込口体は、更に、前記光源に接続される2つの接続端子を備え、
前記掃除機本体は、前記2つの接続端子に接続される2本の通電系統を通じて前記光源への電力供給を行う制御装置を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記スイッチは、前記光源の発光色毎に切替可能なスイッチである
ことを特徴とする請求項請求項1乃至3の何れか1項に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記光源は、正面側にLEDを実装した、正面-背面方向から視て垂直な方向である上下方向に立設する基板を備える
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記LEDの正面側には、曲率を有する柱状のレンズが配置される
ことを特徴とする請求項5に記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記LEDは床面に対して傾斜するように配置されている
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のハウスダスト、花粉等の異物に対する清潔意識の高まりに加え、COVID-19の世界的流行の拡大を背景として、微細なごみまでしっかりと除去したいという室内の清潔性への需要が高まると推測される。そこで、床面等の掃除対象面に存在する微細なごみを目視で確認しながら掃除可能な電気掃除機の需要がある。
【0003】
特許文献1には、塵埃を含む気体を吸入する吸込口を有する吸込口体と、前記吸込口体に配置される発光ダイオードとを備え、前記吸込み体に接触するように又は床面とほぼ平行に配置したとき、前記発光ダイオードから発して前記吸込口体の外部に照射される光の照射範囲が床面とほぼ平行に延びる方向から下方の方向に広がるように、前記発光ダイオードは前記吸込口体に配置されている電気掃除機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開2008/035478号(例えば請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電気掃除機では、異なる色を発色可能な光源が備えられる(段落0094)。しかし、特許文献1に記載の技術では、どのような装置構成によって光源から照射される光の色を変更するのかについて記載されておらず、電気掃除機の装置構成が複雑化し得る。
本開示が解決しようとする課題は、簡便な装置構成によって光源から照射される光の色を変更可能な電気掃除機の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る電気掃除機は、モータを有する掃除機本体と、前記モータに電力を供給する蓄電池と、吸い上げられたごみを捕集する集塵装置と、ごみを吸い込む吸込口を有する吸込口体と、を備える電気掃除機であって、前記吸込口体は、正面側に緑色の光を照射可能な光源と、背面側に前記光源の操作を受け付けるスイッチと、を備え、前記スイッチは、前記吸込口体の最上面よりも鉛直方向下方の位置に設けられ、前記電気掃除機の運転中に操作されることで、前記光源の消灯と発光とを切り替え可能なことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、簡便な装置構成によって光源から照射される光の色を変更可能な電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の電気掃除機の外観斜視図である。
図2】第1実施形態の電気掃除機に備えられる操作部の上面図である
図3】第1実施形態の電気掃除機に備えられる吸込口体の正面側からの斜視図である。
図4】第1実施形態の電気掃除機を示すブロック図である。
図5図3のA-A線断面図である。
図6図5のB部拡大図である。
図7図6のC部拡大図である。
図8】第2実施形態の電気掃除機に備えられる吸込口体の背面側からの斜視図である。
図9】第2実施形態の電気掃除機を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための形態(実施形態と称する)を説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限られず、例えば異なる実施形態同士を組み合わせたり、本開示の効果を著しく損なわない範囲で任意に変形したりできる。また、同じ部材については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。更に、同じ機能を有するものは同じ名称を付すものとする。図示の内容は、あくまで模式的なものであり、図示の都合上、本開示の効果を著しく損なわない範囲で実際の構成から変更することがある。
【0010】
図1は、第1実施形態の電気掃除機100の外観斜視図である。電気掃除機100は、ハンディ状態、スティック状態など各種の使用形態に変更し、床面、棚の上面等の掃除対象面(不図示)を掃除できるものである。以下の例では、掃除対象面は例えば床面であるものとする。電気掃除機100は、図示の例に限られず、ロボット掃除機でもよい。また、電気掃除機100は、キャニスター式、紙パック式、サイクロン式でもよい。
【0011】
電気掃除機100が収納される支持台70は、電気掃除機100に延長管300(付属品)及び標準の吸込口体200(付属品)を接続したスティック状態で収納するものであり、ベース71及びスタンド72を備えて構成される。延長管300の周壁内部には、制御装置500(図4。例えば金属配線)と光源202(図3)とを接続する2本の通電系統261,261(図4)が配置される。電気掃除機100は、何れも不図示の小型吸口(付属品)、ほうき型吸口(付属品)、延長ホース(付属品)等を接続して用いることができる。吸込口体200は、モータ(不図示)によって回転ブラシ201(図5)が回転するパワーブラシ式である。
【0012】
電気掃除機100は、掃除機本体1、吸込口体200、ダストケース2(集塵装置)、及び、直流電力を蓄える蓄電池3を備える。掃除機本体1は、本体部10、モータケース11、及びハンドル12を備える。本体部10は、延長管300を通じて吸込口体200に接続され、モータケース11に収容されたモータ(不図示)の駆動により生じた気流により、床面のごみが吸い上げられる。吸い上げられたごみは、ダストケース2に捕集される。モータが使用する電力は、蓄電池3により供給される。なお、後記する制御装置500(図4)は、掃除機本体1(具体的には本体部10)に備えられる。使用者はハンドル12を把持しながら吸込口体200を所望の方向に移動させることで、床面を掃除できる。掃除機本体1は、ハンドル12(図1)の正面側に、ボタン124,125(第1操作部。図2)を含む操作部121が設置される。
【0013】
図2は、第1実施形態の電気掃除機100に備えられる操作部121の上面図である。操作部121は、モータケース11(図1)に収容されたモータの回転速度制御により、吸込口203(図3)を通じた吸引力を異なるようにすることで、運転モードを変更するボタン124,125を備える。ボタン124は、所定の吸引力となるようにモータを駆動させる。ボタン125は、ボタン124の押下時の吸引力より強い吸引力となるようにモータを駆動させる。
【0014】
モータケース11(図1)に収容されたモータ、及び、回転ブラシ201(図5)の双方の駆動停止中、ボタン124,125の押下により、対応する吸引力となるようにモータが駆動する。回転ブラシ201は、何れの場合も同じ回転速度で回転する。また、電気掃除機100の運転中、ボタン124,125を所定時間内(例えば5秒以内)に所定時間以上押下(例えば1秒以上長押し)することで、これらの駆動力をそれぞれ所定時間上昇させるように構成される。
【0015】
操作部121は、蓄電池3(図1)の電池残量低下を点滅により報知するランプ122と、吸引力低下の検知によってダストケース2に収容されたフィルタ(不図示)の目詰まりを点滅により報知するランプ123とを備える。更に、操作部121は、モータケース11(図1)に収容されたモータ、及び、回転ブラシ201(図5)の双方の駆動停止により電気掃除機100の運転を停止するボタン126を備える。
【0016】
詳細は後記するが、吸込口体200(図3)は、少なくとも2色の光を切り替えて照射可能な光源202(図3)を備え、現在の運転モードに対応するボタン124,125の押下により、光源202の発光色が変化する。従って、ボタン124,125は、光源202の発光色を変更する使用者による操作を受け付けるように構成される。ボタン124,125を備えることで、吸込口体200よりも手元側に配置されたボタン124,125を通じて発光色を変更できるため、電気掃除機100の操作性を向上できる。
さらに詳細は後記するが、本実施例の電気掃除機100の光源202は、床面に対する光の照射角度が15°以下になるように配置される。これによって、照射角度が大きくなることに起因するごみの視認性低下を抑制できる。
【0017】
図3は、第1実施形態の電気掃除機100に備えられる吸込口体200の正面側からの斜視図である。吸込口体200は、少なくとも2色の光を切り替えて正面側に照射可能に構成された光源202を備える。光源202は、少なくとも1つのLED221(図7)を含み、例えば白及び緑を含む少なくとも2色に発光可能である。このように構成された光源202を備えることで、使用者が床面を見やすいように適宜光源202を発光させたり、使用者の色の好みに応じて発光させたりできる。
【0018】
光源202の発光色は、ボタン124,125(図2)の所定時間内の押下回数又は押下時間の少なくとも一方に基づき、変更される。押下回数又は押下時間の少なくとも一方に基づき発光色を変更することで、使用者に操作させるボタンの数を増やすことなく、光源202の発光色を容易に変更できる。
【0019】
第1実施形態では、発光色は、ボタン124,125の所定時間内の押下回数に基づき、変更される。特に、光源202が白及び緑に発光可能な図示の例では、所定の吸引力での運転モードでの運転中、所定時間内にボタン124を1度押下(例えば、上記長押しよりも短い時間の押下)することで光源202が白色に発光し、2度押下(白色発光時の押下操作を2回)することで緑色に発光し、3度押下(白色発光時の押下操作を3回)することで消光する。
【0020】
なお、例えば、ボタン124,125を短く1回押下の場合には緑色に発光し、長く1回押下の場合には白色に発光する等、押下時間に基づいて変更してもよい。また、ボタン124,125を連続的に押すことで発光色が連続的に変化するなどでもよい。ただし、ボタン124,125の押下により行われる制御は、上記図2を参照して説明した、モータケース11(図1)に収容されたモータ、及び、回転ブラシ201(図5)の双方の制御と重複しないように設定される。
【0021】
吸込口体200は、光源202に接続される2つの接続端子251,251を備える。接続端子251,251は例えば金属製である。延長管300を接続口205に嵌めると、接続端子251,251は、延長管300の周壁内部に配置された通電系統261,261(図4)に接続される。これにより、接続端子251,251と制御装置500(図4)とが、通電系統261,261を介して接続される。
【0022】
図4は、第1実施形態の電気掃除機100を示すブロック図である。掃除機本体1の制御装置500は、2本の通電系統261,261を通じて光源202への電力供給を行うことで、光源202の発光色を制御するものである。
【0023】
制御装置500は、2本の通電系統261,261を通じた光源202への電圧値を変更する電圧変更部501を備え、光源202は、供給された電圧値に基づいて、発光色を変更可能に構成される。このようにすることで、発光色変更のための電気信号線を増設することなく、電力供給及び発光色変更の双方を行うことができる。これにより、電気掃除機100の装置構成を簡便にできる。
【0024】
光源202が白及び緑の2色に発光可能な図示の例では、例えば、光源202は低電圧印加時に白色に発光し、高電圧印加時に緑色に発光する。印加する電圧は、光源202に含まれるLED221(図7)の色、種類等に応じて決定すればよい。
【0025】
電圧変更部501は、PWM制御回路502及び変更部503を備える。PWM制御回路502は、光源202への電力供給を断続的に実行する。変更部503は、PWM制御回路502における光源202への電力供給を実行する周期、又は、電力供給の1周期ごとの時間割合を示すデューティ比の少なくとも一方を変更することで、光源202への電圧値を変更する。変更は、使用者によるボタン124、25への操作に基づき行われる。PWM制御回路502及び変更部503を備えることで、PWM制御回路502における周期又はデューティ比を制御して、光源202への電圧値を変更できる。
【0026】
PWM制御回路502は、蓄電池3に蓄えられた電力を入力とし、パルス波の直流電圧を出力する。パルス波の最大値をVm、周期をT、オン時間をT1とすると、見かけ上の電圧値である実効値は(T1/T)1/2×Vmで示される。従って、最大値Vm及びオン時間T1を固定し周期Tを変更することで、実効値を制御できる。また、デューティ比Dは、オン時間T1を周期Tで割ることで算出できる。従って、最大値Vm及び周期Tを固定しオン時間T1を変更することで、実効値を制御できる。
【0027】
変更部503は、ボタン124,125を通じた操作の内容と、光源202への電圧値(図示の例では実効値)との関係に関するデータベース504を備える。データベース504を備えることで、ボタン124,125を通じた操作に対応する光源202への電圧値を決定でき、当該操作に対応して光源202を所望の色に発光できる。
【0028】
データベース504には、例えば、ボタン124を所定時間内に1度押下した場合には、光源202に電圧値V1を印加し、ボタン124を所定時間内に2度押下した場合には、光源202に電圧値V2を印加し、ボタン124を所定時間内に3度押下した場合には、光源202に電圧値0を印加する(即ち印加しない)、等の関係が記憶される。このため、変更部503は、データベース504に基づき、ボタン124,125の操作に応じた電圧値を決定し、決定された電圧値をPWM制御回路502に入力する。これにより、決定した電圧値が光源202に出力され、光源202が所望の色に発光する。
【0029】
一例として、ボタン124の押下により所定の吸引力でモータを駆動している状態で、再度ボタン124の押下により光源202を発光させるときの作用効果について説明する。ボタン124を例えば所定時間内に短く1度押下すると、1度の押下に対応する信号が変更部503に入力される。変更部503はデータベース504に基づき、短い1度の押下に対応する電圧値を決定する。図示の例では、変更部503は、例えば、光源202を白色に光らせる電圧値V1に決定する。
【0030】
変更部503は、決定された電圧値がPWM制御回路502から出力されるように、出力の周期又はデューティ比の少なくとも一方を変更する。これらの変更により、出力電圧の実効値を変化させて、光源202に印加される電圧を実効値の変化により制御できる。PWM制御回路502から出力された電圧は、2本の通電系統261,261及び2つの接続端子251,251を通じて光源202に印加され、これにより、光源202(具体的には図7に示す第2LED2212)が白色に発光する。
【0031】
この例では、ボタン124を1度押下した場合を説明したが、ボタン124を2度以上押下した場合、及び、ボタン125を押下した場合についても、同様の作用効果が奏される。
【0032】
また、吸込口体200は、回転ブラシ201(図3)を駆動させる不図示のモータを備え、当該モータの駆動電力は、2本の通電系統261,261及び2つの接続端子251,251を通じて掃除機本体1から供給される。当該モータを一定の回転速度で回転させる場合、当該モータの駆動電力は一定であるから、PWM制御回路502は、可変の実効値に加え、モータ駆動用の電圧を上乗せして吸込口体200に供給するようにしてもよい。
【0033】
制御装置500は、いずれも図示はしないが、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えて構成される。そして、制御装置500は、ROMに格納されている所定の制御プログラムがRAMに展開され、CPUによって実行されることにより具現化される。
【0034】
図5は、図3のA-A線断面図である。吸込口体200は、回転により床面上のごみを掻き上げる例えば円柱状の回転ブラシ201を備え、回転ブラシ201の駆動は、吸込口体200に備えられるモータ(不図示)により行われる。モータは、接続端子251,251を通じて供給された電力の少なくとも一部を用いて駆動する。吸込口体200は、床面上のごみを吸い込む吸込口203を備え、吸込口203は、回転ブラシ201により掻き上げられたごみを吸い込む。吸込口203は、吸込口体200の内部に形成された風路204を通じ、接続口205に繋がる。
【0035】
吸込口体200は、正面背面方向で中央付近下部に車輪206を、背面側の下部に車輪207を備える。回転ブラシ201及び車輪206,207が回転可能に床面に載置されることで、使用者が吸込口体200を床面上で正面背面方向に移動できる。
【0036】
図6は、図5のB部拡大図である。回転ブラシ201は、左右方向(図5を併せて参照)に延在する吸込口203の正面側に、同じく左右方向に延在して備えられる。吸込口203は、床面(不図示)の側に開口する。回転ブラシ201の上側には、吸込口体200の正面側に光源202が配置される。
【0037】
図7は、図6のC部拡大図である。光源202は、少なくとも2色の光を正面側に照射する少なくとも1つのLED221と、正面側にLED221を実装する少なくとも1つの基板222と、LED221の正面側に配置された、曲率を有する柱状のレンズ223とを備える。なお理由については後述するが、図7のLED221を実装する基板222はわずかに床側に傾いている。
【0038】
LED221は、例えば緑色(第1色)に発光する第1LED2211と、例えば白色(第2色)に発光する第2LED2212とを少なくとも含む。ただし、LED221は、複数色に発光可能な単一のLEDでもよい。第1LED2211と第2LED2212とは、左右方向に等間隔で交互に配置される。これにより、光源202での発光ムラを抑制できる。
【0039】
基板222は、基板222に供給された電力の電圧値に応じて、供給された電力を該当するLED221に振り分ける制御回路(不図示)を含む。また、基板222は、正面-背面方向から視て垂直な方向である上下方向に立設するように、支持部231によって支持される。基板222を上下方向に立設することで、LED221を基板222の面で固定でき、LED221の耐衝撃性を向上できる。また、面で固定できるためLED221を大型化でき、光量を増大できる。
【0040】
基板222は、正面側に傾斜して配置してもよい。これにより、光源202から放出された光を、特に、床面に照射し易くできる。
【0041】
レンズ223の形状は、例えば円柱、楕円柱等である。レンズ223を備えることで、LED221から放出された指向性を有する光をレンズ223で屈折させて、光源202の正面側下方に位置する床面に照射し易くできる。
【0042】
LED221の上側には、遮光性を有する上側シェード225が配置される。上側シェード225により、LED221からの光を遮蔽できる。これにより、ごみを見やすくするためにより光の強度を上げたとしても、使用者がLED221の光を直接視認することを抑制できるとともに、掃除箇所以外での反射光を抑制できるため、ごみの視認性を向上できる。さらに、ごみの視認性を向上させるために、LED221は床面に対して傾斜するように配置されている。図7の例では、LED221を実装する基板222は床面に対して10度前後傾けて配置している。これによって光源であるLED221からの光軸を床方向に向け、床面に確実に光を照射することができる。好ましくは、光源であるLED221の光軸が、LED221の中心を通る水平直線と、LED221の中心を通り下側シェード224と接する直線との間に入るように、LED221を実装した基板222又はLED221自体が配置される。ここでいうLED221の中心とは、例えば基板222の延在方向(僅かに傾いた高さ方向)等の、光軸に垂直な方向におけるLED221の中心位置をいう。
【0043】
以上の電気掃除機100によれば、供給された電圧値に応じて発光色を切り替え可能に構成された光源202に対し、2本の通電系統261,261及び2つの接続端子251,251により電力を供給できる。そして、供給された電力の電圧値に基づいて、光源202の発光色を変更できる。これにより、発光色を切り替える電気信号線を別途設けることなく、電気掃除機100の装置構成を簡便にできる。
【0044】
図8は、第2実施形態の電気掃除機101に備えられる吸込口体210の背面側からの斜視図である。電気掃除機101は、吸込口体200(図3)に代えて吸込口体210を備えること以外は、電気掃除機100(図1)と同じである。
【0045】
吸込口体210は、光源202の発光色を変更する操作を受け付けるスイッチ211(第2操作部)を備える。吸込口体210に配置されたスイッチ211を通じて光源202の発光色を変更できるため、使用者が直感的にスイッチ211を操作できる。スイッチ211は、吸込口体210の背面側のうち、接続口205の側方(図示の例では左側)に配置される。
【0046】
スイッチ211は例えば左右にスライド可能なものであり、光源202の発光色毎に切替可能なものである。従って、スイッチ211の切り替えにより光源202の発光色を変更できる。図示の例では、スイッチ211は3つの位置に切替可能であり、右側に移動させると光源202は白色に発光し、左側に移動させると光源202は緑色に発光し、中央に移動させると光源202は消灯する。
【0047】
光源202は、基板222(図7)に、スイッチ211の操作に応じての発光色を切り替える切替回路212(図9)を備える。切替回路212にはスイッチ211が接続され、スイッチ211の切替信号は、切替回路212に入力される。切替回路212を備えることで、電圧を変更せずに、光源202の発光色を切り替えることができる。具体的には例えば、切替回路212は、スイッチ211の操作に応じて、電力を供給するLED221(図7)を切り替える。より具体的には、例えば、スイッチ211が左側に移動された場合には、切替回路212は、2つの接続端子251,251と、緑色に発光する第1LED2211(図7)と、を接続する。
【0048】
図9は、第2実施形態の電気掃除機101を示すブロック図である。蓄電池3が蓄える電力は、2つの接続端子251,251に接続される2本の通電系統261,261を通じて、光源202の切替回路212に供給される。一方で、切替回路212には、使用者によるスイッチ211への操作内容が入力される。切替回路212は、スイッチ211への操作に応じて、発光させる光源202のLED221(図7)に電力を供給する。掃除機本体1から供給される電力は、第1実施形態と異なり、光源202の発光色によらず固定である。
【0049】
以上の電気掃除機101によれば、電力の供給先を切り替える切替回路212を備えた光源202に対し、2本の通電系統261,261及び2つの接続端子251,251により電力を供給できる。そして、スイッチ211の操作に応じて電力の供給先を切り替えることで、光源202の発光色を変更できる。これにより、発光色を切り替える電気信号線を別途設けることなく、電気掃除機101の装置構成を簡便にできる。
【符号の説明】
【0050】
1 掃除機本体
10 本体部
100,101 電気掃除機
11 モータケース
12 ハンドル
121 操作部
122,123 ランプ
124,125 ボタン(第1操作部)
2 ダストケース
20 車輪
200,210 吸込口体
201 回転ブラシ
202 光源
203 吸込口
204 風路
205 接続口
206,207 車輪
211 スイッチ(第2操作部)
212 切替回路
221 LED
2211 第1LED
2212 第2LED
222 基板
223 レンズ
224 下側シェード
225 上側シェード
25 ボタン
251 接続端子
261 通電系統
3 蓄電池
300 延長管
500 制御装置
501 電圧変更部
502 PWM制御回路
503 変更部
504 データベース
70 支持台
72 スタンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9