(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】熱伝導層をもつ電子撮像検出器
(51)【国際特許分類】
H01L 27/144 20060101AFI20240425BHJP
H01J 37/244 20060101ALI20240425BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H01L27/144 K
H01J37/244
H01L27/146 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020211887
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2021-02-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-10
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512256627
【氏名又は名称】ガタン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Gatan Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール ムーニー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー レント
(72)【発明者】
【氏名】ジュリオ コバクス
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジョイス
【合議体】
【審判長】瀧内 健夫
【審判官】棚田 一也
【審判官】中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-350068号公報(JP,A)
【文献】特開平02-153849(JP,A)
【文献】特開2003-204057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/144
H01J 37/244
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ビームへの直接裏面照射曝露のための固体アクティブ・ピクセル画像センサーであって、
5ミクロン以下の厚みを有するシリコンを含む基板上に形成されている
、エピタキシャル層と、
前記エピタキシャル層上に形成されたバック・エンド・オブ・ライン層と、
前記バック・エンド・オブ・ライン層に圧着により直接付着した又は前記バック・エンド・オブ・ライン層上に形成された熱伝導層と
を備え
、
前記熱伝導層が、金属、窒化ホウ素、ダイヤモンド又は黒鉛を含む、固体アクティブ・ピクセル画像センサー。
【請求項2】
前記熱伝導層が、溶剤で希釈された結合剤中の粉末としてスラリー・コーティングにより、又は沈殿又はスピン/コーティングにより、或いは、スパッタリング又は圧着又は静電取付け方法により、前記バック・エンド・オブ・ライン層に付加されている、請求項1に記載の固体アクティブ・ピクセル画像センサー。
【請求項3】
前記バック・エンド・オブ・ライン層に付加された前記熱伝導層が、研磨、化学機械研磨、イオン・ミリング又はレーザー・アブレーションによって薄化されている、請求項1
又は2に記載の固体アクティブ・ピクセル画像センサー。
【請求項4】
熱伝導層を含む固体アクティブ・ピクセル画像センサーの製造のための方法であって、
シリコン基板上にエピタキシャル画像感知層を形成することと、
前記エピタキシャル画像感知層の上に相互接続を備えるバック・エンド・オブ・ライン層を形成することと、
前記バック・エンド・オブ・ライン層に熱伝導層を圧着により直接付加又は前記バック・エンド・オブ・ライン層上に前記熱伝導層を形成することと
を含
み、
前記熱伝導層が、金属、窒化ホウ素、ダイヤモンド又は黒鉛を含む、方法。
【請求項5】
前記熱伝導層を研磨、化学機械研磨、イオン・ミリング、又はレーザー・アブレーションによって薄化することをさらに含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記熱伝導層を前記バック・エンド・オブ・ライン層に圧着し、次いで、前記シリコン基板の一部又は全部と前記熱伝導層の所定の量とを除去することをさらに含む、請求項
4又は
5に記載の方法。
【請求項7】
前記シリコン基板の一部又は全部を除去し、第1の材料の前記熱伝導層を形成し、ドープ部分及び非ドープ部分を生成するために前記熱伝導層を所定の深さまでドープし、前記付加の後に前記非ドープ部分を除去することをさらに含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項8】
研磨、化学機械研磨、イオン・ミリング、又はレーザー・アブレーションによって、前記シリコン基板の一部を5ミクロン以下の厚さが残存するまで除去すること、又は、前記シリコン基板の全部を除去すること、をさらに含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項9】
前記熱伝導層を、溶剤で希釈された結合剤中の粉末としてスラリー・コーティングにより、又は沈殿又はスピン/コーティングにより、或いは、スパッタリング又は圧着又は静電取付け方法により、前記バック・エンド・オブ・ライン層に付加することをさらに含む、請求項
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
薄化された送信シリコン・アクティブ・ピクセル・センサーに基づく電子撮像検出器は低温電子顕微鏡法(cryo-electron microscopy)に大変革をもたらした。
【背景技術】
【0002】
これらのデバイスにより、科学者は、これまでに達成されたことがないレベルで、大きい生体高分子の構造を調査することが可能になった。これらは送信デバイスであるので、検出層と相互作用した電子は、理想的には、散乱させられて検出層中に戻ることなしにセンサーから出る。センサー基板としてシリコンを使用することにより、検出層中に戻るセンサー内の電子の散乱が最小になる。アクティブ・センサーにより、電子信号の増幅を通した個々の入来電子の位置を検出するための信号対雑音比が最大になる。
【0003】
図1に示されているように、基板(SUB:substrate)層12、エピタキシャル成長検出(epitaxially grown detection)(EPI)層14、及びバックエンドオブライン(back-end-of-line)(BEOL)層16の3つの層中にアクティブ・ピクセル・センサー10が構築される。SUB層12は、電子を検出するという観点から不活性であり、上に検出層を形成するためのベースとして使用される。EPI層14は、入来する電子顕微鏡電子に応答してセンサー電子を生成する材料を含む。これらのセンサー電子は収集される。BEOL層16は、EPI層14の上方に設けられ、センサーを読み出すための金属相互接続と酸化物絶縁体とを含んでいる。
【0004】
いくつかの知られている電子撮像検出器では、SUB層12は、電子がそれをまったく通過しないほど厚い。2つの例示的な電子経路が
図1に示されている。電子経路A及びBが、基板によって散乱させられてEPI検出層14中に戻り、EPI層14中への後方散乱させられた電子の実際の入口点との相関が少ないロケーション20、22において2回検出される。この余分な検出は撮像品質を低下させる。裏面からSUB層12を薄化することは、
図2に示されているように、後方散乱と2次検出とを低減することができ、電子Aは検出層14中に後方散乱しない。
【0005】
図2における、同じ電子経路を使用した例示的な画像では、基板層により大きい深さまで浸透する電子Aは、もはや、散乱させられて検出層に戻ることはない。より浅い深さにおいて散乱させられた電子Bは、依然として検出層に戻る。この表面照射型(front-illuminated)構成における基板の量を最小にすることにより、後方散乱が最小にされ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第5,852,622号
【文献】米国特許第5,441,803号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
基板を薄化することは、デバイスからの熱の除去のための利用可能な材料を低減する。プロセス技術における進歩によって、所与の面積当たりのピクセル数が増加するにつれて、熱除去はより一層大きな問題になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】従来技術のシリコン撮像検出器の断面図である。
【
図2】別の従来技術のシリコン撮像検出器の断面図である。
【
図3】本明細書で説明する実装例による、例示的なシリコン撮像検出器の断面図である。
【
図4A】理想的な表面照射型及び裏面照射型(back illuminated)撮像センサーについての検出量子効率(detective quantum efficiency)(DQE)を示すグラフである。
【
図4B】表面照射型撮像センサー対裏面照射型撮像センサーについてのDQEを
図4Aにおける理想的なセンサーのDQE曲線と比較したグラフである。
【
図5A】本明細書で説明する実施例による、例示的なシリコン撮像検出器の処理段の断面図である。
【
図5B】本明細書で説明する実施例による、例示的なシリコン撮像検出器の処理段の断面図である。
【
図5C】本明細書で説明する実施例による、例示的なシリコン撮像検出器の処理段の断面図である。
【
図6A】本明細書で説明する実施例による、例示的なシリコン撮像検出器の処理段の断面図である。
【
図6B】本明細書で説明する実施例による、例示的なシリコン撮像検出器の処理段の断面図である。
【
図6C】本明細書で説明する実施例による、例示的なシリコン撮像検出器の処理段の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者は、本発明の教示を採用して開発され得る他の詳細な設計及び方法を認識しよう。ここで与えられる実例は、例示的であり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定しない。以下の詳細な説明は添付の図面に関する。異なる図面における同じ参照番号は同じ又は同様の要素を識別し得る。
【0010】
図3に示されているように、本明細書で説明する実施例によれば、アクティブ・ピクセル・シリコン撮像検出器300は、SUB層310と、EPI層312と、BEOL層314と、熱伝導層(thermal conduction layer)(「TCL」)316とを備える。TCL316は、BEOL層の製造後にBEOL層314に付加される。本明細書で説明する実施例によれば、検出器300は、最初に基板側面310から入来電子に曝露される、すなわち、センサーは「裏面照射」される。表面照射構成では、検出EPI層の前にあるBEOL中でもある程度の散乱が起こるので、センサーは裏面照射される。BEOLによる検出前散乱は、入来電子当たりの検出の回数にほとんど又はまったく影響を及ぼさないが、散乱は、入口点と検出点との間の空間的相関を低減し得、したがって、検出器の極限解像度を制限し得る。BEOLは検出器の必要な読出し機能を実行するので、BOELは除去され得ない。しかしながら、裏面照射は、BEOLをEPI検出層の後に配置し、BEOLによって引き起こされる検出前散乱をなくす。
【0011】
図3に示されているように、電子A及びBは、EPI層312中で検出され、次いでBEOL層314を通る。熱伝導層316は、厚さと材料組成の両方において、熱伝導率は高いが、電子を反射してEPI検出層312中に戻す傾向が低くなるように設計される。従来技術の基板厚さは、10μmから40μmの範囲内であり、200kV及び300kVの電子に対して2%未満から10%超の後方散乱部分を生じた。熱伝導基板の還元Z(原子番号)を通して、又はより高い熱伝導率を用いて可能であろう厚さを低減することによって、その後方散乱部分を低減することが有利であろう。実際には、材料は両方のこれらのパラメータによって同時に変動する。
図3に示されているように、電子Aは、反射されてセンサー中に戻ることなしに、TCL層316から出て行く。電子Bは、TCL層によって反射され、検出層312中で2回検出される。TCL層の厚さ及びそれの組成は、電子がTCL層を通るか又は反射されてセンサー300中に戻る可能性を決定する。
【0012】
図4Aは、3つの構成についてのシミュレートされた線形検出量子効率(DQE)を示す。太い曲線は、理想化されたエピタキシャル層のみ(「EPI単独」)についてのDQEであり、中間の曲線(大きいダッシュ)は、エピタキシャル層が電子に直接に曝される、BEOLとエピタキシャル層と有する裏面照射型デバイスについてのDQEを示し、下側の曲線(短いダッシュ)は、BEOLとエピタキシャル層とを有する(すなわち、BEOLを通して照射される)表面照射型デバイスについてのDQEを示す。
図4Bは、
図4Aの理想化されたエピタキシャル層のみのセンサー曲線と比較した、BEOLを有する
図4Aの2つのセンサーについてのDQEのシミュレートされた比を示す。
【0013】
両方のグラフ(
図4A、
図4B)は、線形DQE対空間周波数によって定量化された性能を示す。各グラフの左側の原点におけるゼロ空間周波数は、全体として機能する検出器の性能に対応する。各グラフの右側の1×ナイキスト周波数の空間周波数は、1ピクセルおきに高低する画像信号の変調についての性能を示す。これは、エイリアシング誤差なしにピクセル化検出器によって取得され得る最も高い空間変調周波数である。
【0014】
図4A及び
図4Bは、検出器の入射面と出射面の両方上の材料は、空間周波数の増加するレベルにおいて散乱を増加させるが、出射面上に取り付けられた材料からの事後検出を引き起こす散乱(両方のグラフにおける大きいダッシュ曲線)は、高解像度信号品質をあまり損なわないことを示す。シミュレーション結果はまた、EPI検出層の前のいかなる材料も最小にされるべきであることを暗示している。
図3のように、センサーを裏面から露光すると、エピタキシャル層の前に基板が残る。
図4A及び
図4Bからの結論は、EPI検出層の前に何かがあるとDQEが低減されることであるが、これは、今入射面にある基板の全部又は大部分(5ミクロン以下を残す)が除去されるべきであることを意味する。これまでは、センサーのための機械的支持と熱伝導とを行う際に基板によって果たされる役割により、これは実行不可能であった。本明細書の実施例によれば、熱伝導層がBEOL層側(すなわち、裏面照射型構成における出射側)からEPI層とBEOL層とを支持することができる。BEOL層の隣の層でデバイスを支持することにより、元の基板層の完全な除去が可能になる。これにより、これまで可能でなかった、EPI層の直接曝露が可能になる。
【0015】
熱伝導層は元のセンサー作製の一部でない(すなわち、エピタキシャル層の成長又はBEOL層の堆積の一部でない)ので、その目的のためにシリコンよりも優れた(元の基板と、従来技術のデバイスにおける熱除去の大部分とを備える)熱層材料を見つける機会がある。熱伝導層材料は、2つの点において元のシリコン基板よりも優れ得る。熱伝導層材料はより良い熱伝導率を有することができ、熱伝導層材料は、電子を散乱させるより低い傾向を有することができる。複合効果の恩恵は、熱伝導率κに比例し、原子番号Zの2乗に反比例する。電子透過性の熱伝導層を目的としたヒューリスティック品質係数(heuristic quality factor)はQ=κ/Z2として定義され得る。以下の表は、いくつかの代表的な材料についてのκ、Z及びQの推定値を要約している。κの推定値、したがってまたQの推定値は、製造方法、結合剤フラクションなどの影響を受ける。表は、網羅的なものではないが、シリコンのように/よりも電子透過性の熱伝導層に多かれ少なかれ好適な材料を識別するために使用される原理を示している。
【0016】
【0017】
薄いEPI検出器層の脆弱性により、特にすべての基板材料の除去後に、薄いデバイスに熱伝導層を取り付けるための方法は、極めて低い力/圧力でなければならないか、又は薄い層のための丈夫な一時的支持体がより高い圧力のプロセス・ステップの一部として設けられなければならない。裏面照射型センサーのBEOLに熱伝導層を固定するための方法は伝導材料に応じて異なる。
【0018】
限定はしないが、窒化ホウ素、酸化ベリリウム及びダイヤモンドを含む固体耐火誘電体を、温度上昇あり又はなしで、圧力を加えて又は加えずに、センサーのBEOL上に圧着し(contact bond)、その後、余分の熱伝導層材料を除去し、また、シリコン基板層を除去することができる。圧着は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,852,622号及び第5,441,803号に記載されている。温度層をBEOLに圧着するために圧力が加えられるように、最初、基板には手が加えられない。
【0019】
図5Aから
図5Cは、本発明の一態様による、撮像センサーのための製造プロセスの断面図を示す。
図5Aは、シリコン基板512と、エピタキシャル層514と、BEOL516とを備えるセンサー510を示す。
図5Aはまた、熱伝導層基板522によって支持される熱伝導層520を示す。TCL基板522は、TCL自体と同じ又は異なる材料であり得る。
図5Bは、熱伝導層520へのセンサー510のBEOL516の結合を示す。この段階において、撮像センサー510と熱伝導層の両方は、圧着プロセスにおいて圧力が加えられることを可能にするために基板512、522によって支持される。圧着は、いくつかの実施例では、圧力を用いて又は用いずに、温度上昇あり又はなしで実行され得ることに留意されたい。
図5Cは、元のセンサー基板512が除去され、熱伝導層基板522が除去された、完成した撮像センサー510を示す。基板材料又は余分の熱伝導材料の除去は、限定はしないが、研磨、化学機械研磨(chemo-mechanical polishing)、イオン・ミリング、及びレーザー・アブレーションを含む、様々な手段によって達成され得る。
図5Cに示された得られたセンサーは、初期散乱なしに電子に直接曝露され得る、妨害されていないエピタキシャル検知層514と、デバイスから熱を除去するため、並びにデバイスを物理的に支持するための熱伝導層520とを有する。
【0020】
センサーに圧着されるべき熱伝導層は、様々な初期開始形態から導出され、様々な方法で処理され得る。本明細書で説明する実施例によれば、BEOLに結合されるTCL/SUB層502/522は、最後のTCL520よりも厚い単一の材料から製造され得る。余分の厚さは、接着プロセスにおける強度のために必要である。層はセンサーのBEOL層上に圧着され、余分の材料は研磨されて除かれる。この場合、熱伝導層の最終的な厚さは研磨中の厚さの厳密な監視によって決定される。
【0021】
さらなる実施例では、最後の熱伝導層よりも厚い単一の材料が開始材料として使用されるが、開始材料は、接着されるべき側に所定の深さまでイオン注入される。このイオン注入は、熱伝導層材料の熱特性又は散乱特性を変化させることなしに化学又は化学機械薄化プロセスのためのエッチング速度を変化させる。BEOL層に接着されると、熱伝導材料は薄化される。イオン注入によって生成されたエッチ・ストップは、所与の厚さの熱伝導層を達成する信頼性を高める。
【0022】
さらなる実施例では、熱伝導層は、成長させられた又は堆積された層とは異なる材料の基板上にエピタキシャル成長又は化学気相堆積させられる。基板は転写層として使用される。結合された層は上記のようにBEOL層に圧着される。BEOL層に結合されると、基板材料は、上記で説明したプロセスのうちの1つ又は複数によって除去される。
【0023】
さらなる実施例では、熱伝導性粉末層が、この粉末と同様の溶融点及び熱膨張係数の基板上に焼結される。基板は転写層として働く。結合された層はBEOL層に圧着され、その後、圧着の後に基板材料が完全に除去される。
【0024】
金属層はBEOL上にスパッタリングされ得る。
図6A~
図6Cは、BEOL614上への熱伝導層616の例示的なスパッタリング堆積の断面図を示す。
図6Aは、エピタキシャル層612とBEOL614とを備えるセンサーを示す。センサーが上に展開された元の基板は、この実施例ではすでに除去されている。
図6Bは、熱伝導層616を生成するためのBEOL上への材料のスパッタリングを示す。
図6Cは、十分に堆積された熱伝導層616をもつ完成したセンサーを示す。
【0025】
粉末ベース材料は、粉末蛍光体シンチレータのために行われるような、溶剤で希釈された結合剤における沈殿又はスラリー・コーティング・プロセスを加えられ得る。粉末結合剤混合物は、シルク・スクリーニング又は重力沈殿を含む手段がBEOL層に加えられる。また、液体粉末懸濁液がBEOL層上にスピン・コーティングされ得る。例示的な結合剤は、限定はしないが、ケイ酸ナトリウム、エチルセルロース、及びポリメタクリル酸アンモニウム、並びに硝酸セルロースを含む。結合剤は熱伝導率の一部を犠牲にするが、黒鉛又は窒化ホウ素粉末の極めて高い伝導率を仮定し、十分に低い結合剤フラクションを仮定すれば、正味伝導率は依然としてシリコンに勝る改善になる。
【0026】
また、粉末ベース熱導体が液体粉末懸濁液のスピン・コーティングによってBEOL層上に直接堆積され得る。
【0027】
さらなる実施例では、熱導体層のための開始材料は、粉末熱伝導材料のためのフレキシブルなポリマー埋込み媒体を備えるフレキシブル・シートである。フレキシブル・シート材料は、温度上昇あり又はなしで、ガス閉じ込めを防ぐために真空中で圧着され得る。材料は、すべての高温プロセスがセンサー自体上で完了した後に、BEOL層に固定されるべきである。この場合、取付けは、BEOLとエピタキシャル層のみが残っている脆弱な薄い最後のセンサー上で実行される。したがって、取付けは低い力/圧力のみを使用する必要がある。可能な低力取付け方法は、限定はしないが、フレキシブル層のフレキシビリティ及び付着を最大にするための低温加熱とともに、層を押下し、平滑化するためにガス・ジェットをフレキシブル層の外表面に導くことを含む。暖かいガス・ジェットは平滑化と加熱との2つの効果を組み合わせる。さらなる実施例では、センサーのBEOL層への付着中にフレキシブル・シートを平坦化するために、遠心力が使用される。さらなる実施例では、センサーへの静電損傷を防ぐために、静電誘電引力が十分な注意を払って使用される。あるタイプのフレキシブル・シートは導電性(たとえば黒鉛含有)であり、他のタイプのフレキシブル・シートは、電気絶縁性(たとえば窒化ホウ素)であり、静電取付け方法において異なる取り扱いを必要とし得る。
【0028】
粉末ベース熱導体は、粉末蛍光体シンチレータのために行われるような、溶剤で希釈された結合剤における沈殿又はスラリー・コーティングによってBEOL層上に直接堆積され得る。例示的な結合剤は、限定はしないが、ケイ酸ナトリウム、エチルセルロース、及びポリメタクリル酸アンモニウム、並びに硝酸セルロースを含む。結合剤は熱伝導率の一部を犠牲にするが、黒鉛又は窒化ホウ素粉末の極めて高い伝導度を仮定し、十分に低い結合剤フラクションを仮定すれば、正味伝導度は依然としてシリコンに勝る改善になる。
【0029】
また、粉末ベース熱導体が液体粉末懸濁液のスピン・コーティングによってBEOL層上に直接堆積され得る。
【0030】
本発明について上記で詳細に説明したが、本発明は、本発明の趣旨から逸脱することなく改変され得ることが当業者に明らかになろうことは明確に理解される。形態、設計、又は構成の様々な変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明に対して行われ得る。したがって、上述の説明は限定的ではなく例示的と考えられるべきであり、本発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲において定義されるものである。
【0031】
本出願の説明において使用されるいかなる要素、行為、又は命令も、そのように明示的に説明されていない限り、本発明にとって重要又は本質的として解釈されるべきではない。また、本明細書で使用する際、冠詞「a」は1つ又は複数の項目を含むものである。さらに、「に基づいて」という句は、別段に明記されていない限り、「に少なくとも部分的に基づいて」を意味するものである。