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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】カートリッジのための生分解性包装
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20240425BHJP
   A61M 15/06 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A24D1/20
A61M15/06 C
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020524715
(86)(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 US2018041797
(87)【国際公開番号】W WO2019018196
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-07-12
(31)【優先権主張番号】62/497,296
(32)【優先日】2017-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520019964
【氏名又は名称】フリーランダー イノヴェイションズ ユーエスエイ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】フリーランダー マイケル
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/171997(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0112188(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0181468(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A61M 15/06
A24F 40/20
A24F 40/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
封入体と、
前記封入体によって封入された吸引可能な物質と、を含むカートリッジにおいて、
前記封入体は、蒸発器熱源からの熱が前記封入体を焼くことなく前記吸引可能な物質および前記封入体を蒸発させることができるように、前記吸引可能な物質と同じ燃焼特性を備え、
前記燃焼特性は、燃焼温度および蒸発温度を含み、前記封入体の前記燃焼温度と前記吸引可能な物質の前記燃焼温度は同じであり、前記封入体の前記蒸発温度と前記吸引可能な物質の前記蒸発温度は同じであり、
前記蒸発器熱源からの熱は、前記熱源からの熱が、前記封入体を焼かない温度で前記封入体を通して伝達されるように前記封入体の前記燃焼温度よりも低い温度で加えられる、カートリッジ。
【請求項2】
前記吸引可能な物質は、タバコ、マリファナ、または、霧化医薬を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記封入体は、生分解性物質を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記生分解物質は、麻紙、麻布、大麻紙、大麻布、葉紙、或いは、葉布を含む、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記封入体は、包装器である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記封入体は、
第1の開口部および第2の開口部を有するバッグと、
第1の開口部を封止する第1のタブと、
第2の開口部を封止する第2のタブと、を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記封入体は、
開口部を有する充填可能な容器と、
前記開口部を開放し、閉鎖するように構成されている閉鎖機構と、
前記閉鎖機構を開放し、または、閉鎖するように構成されているファスナと、を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記閉鎖機構は、前記開口部を閉鎖するように前記ファスナによって締め付けられるように構成されている引き紐である、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記吸引可能な物質は、ユーザによって前記充填可能な容器内に挿入される、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項10】
チャンバおよび加熱要素を含む蒸発器と、
封入体および吸引可能な物質を含むカートリッジと、を含む装置において、
前記封入体は、前記吸可能な物質と同じ燃焼特性を備え、
前記燃焼特性は、燃焼温度および蒸発温度を含み、前記封入体の前記燃焼温度と前記吸引可能な物質の前記燃焼温度は同じであり、前記封入体の前記蒸発温度と前記吸引可能な物質の前記蒸発温度は同じであり、
前記チャンバは、前記カートリッジを受け入れ、
前記加熱要素は、前記封入体を焼くことなく前記吸引可能な物質および前記封入体を蒸発させるように前記封入体を通して前記吸引可能な物質に熱を加え、
前記加熱要素からの熱は、前記加熱要素からの熱が、前記封入体を焼かない温度で前記封入体を通して伝達されるように、前記封入体の前記燃焼温度よりも低い温度で加えられる、装置。
【請求項11】
前記吸引可能な物質は、タバコ、マリファナ、または、霧化医薬を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記封入体は、生分解性物質を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記吸引可能な物質は、麻紙、麻布、大麻紙、大麻布、葉紙、或いは、葉布を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記封入体は、包装器である、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記封入体は、
第1の開口部および第2の開口部を有するバッグと、
第1の開口部を封止する第1のタブと、
第2の開口部を封止する第2のタブと、を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記封入体は、
開口部を有する充填可能な容器と、
前記開口部を開放し、閉鎖するように構成されている閉鎖機構と、
前記閉鎖機構を開放し、または、閉鎖するように構成されているファスナと、を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記閉鎖機構は、前記開口部を閉鎖するように前記ファスナによって締め付けられるように構成されている引き紐である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記吸引可能な物質は、ユーザによって前記充填可能な容器内に挿入される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
吸引可能な物質であって、該吸引可能な物質をガスバージョンに蒸発させるときに、十分な空気流が達成されるように吸引可能な物質を詰めることと、
カートリッジを創り出すために封入体を吸引可能な物質のまわりに包装することと、を含み、前記封入体は、前記吸引可能な物質と同じ燃焼特性を備え、前記燃焼特性は、燃焼温度および蒸発温度を含み、前記封入体の前記燃焼温度と前記吸引可能な物質の前記燃焼温度は同じであり、前記封入体の前記蒸発温度と前記吸引可能な物質の前記蒸発温度は同じであり、
前記カートリッジを蒸発器内に挿入することと、
前記封入体を焼くことなく前記吸引可能な物質および前記封入体を蒸発させるために前記封入体の前記燃焼温度よりも低い温度で前記カートリッジの前記封入体および前記吸引可能な物質に熱を加えることと、をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本願は、2017年7月24日に出願され、「カートリッジのための生分解性包装」という名称の米国仮出願第62/497,296号に対する優先権を主張する。米国仮出願第62/497,296号は、出典を明示することにより本願の一部とされる。
【0002】
本発明は、一般的には、蒸発器および吸入器のための材料の包装に関する。
【背景技術】
【0003】
吸入器および蒸発器は、ガス形態の吸入可能な物質をユーザに送達するために医療およびレクリエーション目的で在来的に使用されている。蒸発器は、タバコ、水ぎせる、および、大麻のようなレクリエーション物質の使用でレクリエーション的に使用されてきた。一方、救助吸引器が、喘息或いは他の医療用途を有する人々によって使用されてきた。さらに、幾つかの医薬は、幾つかの呼吸疾患のための吸入器によって送達されることができる。
【0004】
一般的に、蒸発器、水ぎせる、電子水ぎせる、および、いわゆる「電子タバコ」のユーザは、緩い形態の吸入可能な物質を対応する装置のチャンバ内に挿入する。しかしながら、吸入可能な物質の緩い包装は、吸入可能な物質を分割し、ときには、対応する装置内に挿入する前に吸引可能な物質を挽き、或いは包装する必要がある。これらの動作は、吸入可能な物質を楽しみ、或いは吸入可能な物質から利益を得ようとするユーザにとって欲求不満を募らせることがある。代替的には、幾つかの既存の解決法は、在来の包装器で吸入可能な物質を包装する。しかしながら、在来の包装器は、吸入可能な物質を消費する経験を改質する毒または不快な化学物質を発生させることがある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】例示的な実施形態による吸引可能な物質の予め包装されたカートリッジを示している。
図2】例示的な実施形態による吸引可能な物質の予め包装されたカートリッジ内部図を示している。
図3】例示的な実施形態による吸引可能の物質のための予め包装されたカートリッジの包装器を示している。
図4】例示的な実施形態による予め包装されたカートリッジのための、圧縮され、且つ、包装されていない量の吸引可能な物質を示している。
図5】例示的な実施形態による蒸発器チャンバ内に挿入されている吸引可能な物質の予め包装されたカートリッジを示している。
図6】例示的な実施形態による蒸発器チャンバ内に挿入されている吸引可能な物質の予め包装されたカートリッジを示している。
図7】例示的な実施形態による吸引可能な物質のための予め包装されたカートリッジを示している。
図8】例示的な実施形態による吸引可能な物質のためのユーザが充填可能なカートリッジを示している。
図9】例示的な実施形態による蒸発器チャンバ内に挿入されている吸引可能な物質の予め包装されたカートリッジを示している。
図10】例示的な実施形態による蒸発器チャンバ内に挿入されている吸引可能な物質の予め包装されたカートリッジを示している。
図11】例示的な実施形態による吸引可能な物質を蒸発させるための例示的な蒸発器装置を示している。
図12】例示的な実施形態による吸引可能な物質を蒸発させるための例示的な蒸発器装置のブロックダイアグラムを示している。
図13A】例示的な実施形態によるストリップ内の吸引可能な物質の予め包装されたカートリッジを示している。
図13B】例示的な実施形態によるストリップ内の吸引可能な物質の予め包装されたカートリッジを示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、多くの異なる形態で実施可能であるけれども、本開示は、本発明の原理の例示化として考えられるべきとの理解により、本発明の特定の実施形態が、図面に示されており、本願で詳細に説明される。特定の示されている実施形態に本発明を制限することは意図されていない。
【0007】
本願に開示されている実施形態は、蒸発器或いは類似の装置で使用される吸引可能な物質を包装するための改良された包装器を含む。この包装器は、吸引可能な物質と同じ或いは類似の燃焼特性を有するのがよく、吸引可能な物質および包装が、包装器の焼けおよび包装器による汚染なく、蒸発されて、タバコ蒸気、マリファナ蒸気、霧化医薬、或いは、蒸発されることができる他の物質のような、吸引可能な物質のガスバージョンを発生させる蒸発器のチャンバ内に、包装されたカートリッジの全体が配置されることを可能にする。幾つかの実施形態では、吸引可能な物質は、薬草材料の混合物(例えば、タバコ材料の混合物、マリファナ材料の混合物、または、タバコ材料とマリファナ材料の混合物)を含むのがよい。
【0008】
今、図1図4を参照すると、吸引可能な物質の予め包装されたカートリッジ20の好ましい実施形態が、示されている。図2に示されているように、予め包装されたカートリッジ20は、包装器22、および、吸引可能な物質の圧縮された形態24を含むのがよい。包装器22は、コンパクトな形状を維持し、且つ、カートリッジ20を蒸発器または類似の装置のチャンバ内に容易に配置することを可能にするように、圧縮された形態24を封入するのがよい。1つの実施形態では、包装器22は、吸入可能な物質24と同じ或いは類似の燃焼特性(例えば、温度)を有する生分解性物質(例えば、麻紙、麻布、大麻紙、大麻布、葉紙、葉布、蝋紙、或いは他の物質)を含むのがよい。幾つかの実施形態では、蝋紙が、パイプ、または、熱伝達を必要としない他の装置を充填するために適用可能である。包装器22は、吸入可能な物質と同じ或いは類似の燃焼特性を有することができるので、カートリッジ20全体が、もし焼かれると、毒性を有することがあり、或いは、吸入可能な物質の味をゆがめることがある包装器22を焼く危険なく、吸入可能な物質を蒸発させるための蒸発器内に配置されることができる。幾つかの実施形態では、予め包装されたカートリッジ20は、小さい、或いは奇妙に形状決めされたチャンバ内に容易に嵌まるように寸法決めされていないのがよい。包装器22は、ユーザが、小さい、或いは奇妙に形状決めされたチャンバ内に予め包装されたカートリッジ20を嵌めるように予め包装されたカートリッジ20を圧縮し、或いは操作する間に、コンパクトな形態24の封入を維持するように構成されているのがよい。
【0009】
例示的な実施形態によれば、予め包装されたカートリッジ20は、0.05グラムから、0.10グラム、0.2グラム、0.25グラム、0.3グラム、0.4グラム、0.5グラム、0.6グラム、1/4オンス、1/2オンス、1ポンド、および、1キログラムまで寸法が変化する薬用測定値を含むのがよい。
【0010】
1つの実施形態では、圧縮された形態24は、図4に示されているように、3次元形態(例えば、好ましくは直方体)に詰められているのがよい。吸入可能な物質は、吸入可能な物質をガスバージョンに蒸発させるときに、十分な空気流が達成されるように詰められているのがよい。
【0011】
図5および図6を参照すると、予め包装されたカートリッジ20を受け入れるための蒸発器装置26Aおよび26Bの例示的な実施形態が、示されている。蒸発器装置26Aおよび26Bは、予め包装されたカートリッジ20を受け入れるためのそれぞれのチャンバ28Aおよび28Bを含むのがよい。1つの実施形態では、コンパクトな形態24(図4参照)は、キャビティ28Aまたは28B内に嵌まるように特別に寸法決めされているのがよい。一旦予め包装されたカートリッジ20がチャンバ28Aまたは28B内に挿入された後、チャンバ28Aまたは28Bは、封止されるのがよい。吸入可能な物質が消耗された後、チャンバ28Aまたは28Bは、封止が解かれ、予め包装されたカートリッジ20の廃物または残留物は、除去されるのがよい。1つの実施形態では、廃物は、蒸発されていない予め包装されたカートリッジ20よりも質量が約50%低いのがよい。
【0012】
蒸発器装置26Aおよび26Bはまた、予め包装されたカートリッジ20内の吸入可能な物質を蒸発させる加熱要素(図示せず)を含むのがよい。加熱要素は、コイル、対流加熱器、伝導加熱器、レーザ、或いは、炎を含む任意の型式の加熱要素であってよい。加熱要素によって発生された熱は、包装器22を通して吸入可能な物質を蒸発させることができる。
【0013】
幾つかの実施形態では、予め包装されたカートリッジ20は、水ぎせる、電子水ぎせる、および、電子タバコのような装置内に配置されるのがよい。他の実施形態では、予め包装されたカートリッジ20は、吸引可能な物質を喫煙する経験を模するように包装器22と共に吸入可能な物質を燃焼させる燃焼装置内に配置されるのがよい。この実施形態では、包装器22は、紙材料、或いは紙と類似の代替材料を含むのがよい。
【0014】
今、図7を参照すると、吸引可能な物質の予め包装されたカートリッジ30の例示的な実施形態が、示されている。予め包装されたカートリッジ30は、バッグ32、第1のタブ34、および、第2のタブ36を含むのがよい。バッグ32は、吸入可能な物質を収容し、第1のタブ34および第2のタブ36によって封鎖されるのがよい。例示的な実施形態では、吸入可能な物質は、吸入可能な物質をガスバージョンに蒸発させるときに、十分な空気流が達成されるように詰められているのがよい。第1のタブ34および第2のタブ36は、吸引可能な物質をバッグ32内に封止する縫い目62によってバッグ32に接合されているのがよい。幾つかの実施形態では、タブまたは構造(例えば、1つのタブ、2つ以上のタブ、縫い閉じされたバッグ等)の異なる組み合わせが、バッグ32を封止するために使用されることができる。
【0015】
1つの実施形態では、バッグ32は、バッグ32内の吸引可能な物質と同じ或いは類似の燃焼特性(例えば、温度)を有する生分解性物質(例えば、麻紙、麻布、大麻紙、大麻布、葉紙、葉布等)で作られているのがよい。バッグ32は、吸入可能な物質と同じ或いは類似の燃焼特性を有することができるので、カートリッジ30全体が、もし焼かれると、毒性を有することがあり、或いは、吸入可能な物質の味をゆがめることがあるバッグ32を焼く危険なく、吸入可能な物質を蒸発させるための蒸発器内に配置されることができる。幾つかの実施形態では、バッグ32は、小さい、或いは奇妙に形状決めされたチャンバ内に容易に嵌まるように寸法決めされていないのがよい。バッグ32は、ユーザが、小さい、或いは奇妙に形状決めされたチャンバ内に予め包装されたカートリッジ30を嵌めるように予め包装されたカートリッジ30を圧縮し、或いは操作する間に、吸引可能な物質を収容するように構成されているのがよい。
【0016】
今、図8を参照すると、吸引可能な物質のユーザが充填可能なカートリッジ40の例示的な実施形態が、示されている。ユーザが充填可能なカートリッジ40は、開口部42、閉鎖機構44、および、ファスナ46を含むのがよい。ユーザが充填可能なカートリッジ40は、開口部42を通して吸引可能な物質が充填されるのがよく、閉鎖機構44およびファスナ46によって封止されるのがよい。閉鎖機構44は、開口部42を締め付けて閉鎖するように構成されているのがよく、ファスナ46によって閉鎖状態に保持されるように構成されているのがよい。1つの実施形態では、締め付け開口部42は、閉鎖機構44上への紐または糸であるのがよい。ユーザが充填可能なカートリッジ40は、ユーザが、バルク量の吸入可能な製品を、蒸発器または類似の装置内に配置するための1回使用量に予め分割することを可能にするように構成されているのがよい。
【0017】
1つの実施形態では、ユーザが充填可能なカートリッジ40は、ユーザが充填可能なカートリッジ40が収容している吸引可能な物質と同じ或いは類似の燃焼特性(例えば、温度)を有する生分解性物質(例えば、麻紙、麻布、大麻紙、大麻布、葉紙、葉布等)で作られているのがよい。吸入可能な物質と同じ或いは類似の燃焼特性を有するユーザが充填可能なカートリッジ40は、もし焼かれると、毒性を有することがあり、或いは、吸入可能な物質の味をゆがめることがあるユーザが充填可能なカートリッジ40を焼く危険なく、ユーザが充填可能なカートリッジ40全体を、吸入可能な物質を蒸発させるための蒸発器内に配置することを可能にし、内部に配置されたいかなる吸入可能な物質の蒸発をも可能にする。幾つかの実施形態では、ユーザが充填可能なカートリッジ40は、小さい、或いは奇妙に形状決めされたチャンバ内に容易に嵌まるように寸法決めされていないのがよい。ユーザが充填可能なカートリッジ40は、ユーザが、小さい、或いは奇妙に形状決めされたチャンバ内にユーザが充填可能なカートリッジを嵌めるようにユーザが充填可能なカートリッジ4を圧縮し、或いは操作する間に、吸引可能な物質を収容するように構成されているのがよい。
【0018】
今、図9および図10を参照すると、予め包装されたカートリッジ30を受け入れる蒸発器装置26Aおよび26Bの例示的な実施形態が、示されている。1つの実施形態では、予め包装されたカートリッジ30は、チャンバ28Aまたは28B内に嵌まるように特別に寸法決めされているのがよい。一旦予め包装されたカートリッジ30がチャンバ28Aまたは28B内に挿入された後、チャンバ28Aまたは28Bは、封止されるのがよい。吸入可能な物質が消耗された後、チャンバ28Aまたは28Bは、封止が解かれ、予め包装されたカートリッジ30の廃物または残留物は、除去されるのがよい。1つの実施形態では、廃物は、蒸発されていない予め包装されたカートリッジ30よりも質量が約50%低いのがよい。
【0019】
幾つかの実施形態では、予め包装されたカートリッジ30は、水ぎせる、電子水ぎせる、および、電子タバコのような装置内に配置されるのがよい。他の実施形態では、予め包装されたカートリッジ30は、吸引可能な物質を喫煙する経験を模するように予め包装されたカートリッジ30と共に吸入可能な物質を燃焼させる燃焼装置内に配置されるのがよい。この燃焼実施形態では、予め包装されたカートリッジ30は、紙材料を含むのがよい。
【0020】
幾つかの実施形態は、蒸発器、或いは他の装置で使用するための1回分カートリッジに吸引可能な物質を詰めるための方法に向けられているのがよい。幾つかの実施形態では、かかる方法は、選択された量の吸引可能な物質を3次元形状(例えば、直方体)に圧縮することを含むのがよい。3次元形状は、吸引可能な物質と同じ或いは類似の燃焼特性を有する包装材料上に配置されるのがよい。1つの実施形態では、包装材料は、単一の3次元形状を包装するための寸法に予め切断されるのがよい。もう1つの実施形態では、多数の3次元形状が、包装材料の大きなシート上に配置される、次いで、包装材料は、各単一の3次元形状を包装するための寸法に切断される。包装材料は、吸引可能な物質を封入し、封止するように、3次元形状のまわりで折り畳まれるのがよい。包装材料および3次元形状を含むカートリッジは、吸引可能な物質を消費するための蒸発器または類似の装置内に配置されるのがよい。
【0021】
26Aおよび26Bのような蒸発器(図5図6図9図10、および、図11参照)は、予め包装されたカートリッジ20、予め包装されたカートリッジ30、または、ユーザが充填可能なカートリッジ64の任意のものに加えられる熱を指令するプログラムを設定し、変更するための外部制御装置を含むのがよい。
【0022】
図13Aを参照すると、交換可能なストリップ320が、複数のカートリッジ322を含むのがよく、各カートリッジは、吸引可能な物質を含む。交換可能なストリップ320は、カートリッジ322または連続的なバンド324(図13B)のいずれかが配置される支持体を含むのがよい。
【0023】
例示的な実施形態によれば、交換可能なストリップ320は、図13Aは8個のカートリッジを示しているけれども、任意の数のカートリッジ322を含むことができる。各カートリッジ322は、タバコまたは大麻のような、吸引可能な物質の真空パック使用量を保持するのがよい。例示的な実施形態によれば、交換可能なストリップ320は、包装器22によって覆われているのがよく、包装器22は、各カートリッジ322内の吸引可能な物質と同じ或いは類似の燃焼特性を有するのがよい。吸引可能な物質は、中心決めされ、その包装材料(例えば、麻包装紙)によって所定位置に保持されるか、或いは、1つまたはそれ以上の突起(prong)若しくはタブによって交換可能なストリップ320内の所定位置に保持されるのがよい。カートリッジ322は、挽かれ形態、葉形態、または、ゲル形態の吸引可能な物質を保持するのがよいが、カートリッジ322は、これらの形態のみに限定されない。幾つかの実施形態では、カートリッジ322は、上記のカートリッジ20と構造が類似であってもよい。図13Bは、複数の交換可能なストリップ320が、容器950内に収容されることができ、パックで売られることができることを示している。
【0024】
今、図11および図12を参照すると、蒸発器装置48の例示的な実施形態が、示されている。例示的な実施形態によれば、蒸発器装置48は、本体50、コンピュータ読み取り可能な記憶装置である、本体50内に収容されたプロセッサ52、本体50上に形成されたマウスピース54(例えば、穴)、バッテリ56、本体50内に収容された封止可能なチャンバ60、視覚表示器62、加熱ユニット、本体50内に収容された触覚表示器64、および、スイッチまたはスライド66を含む。チャンバ60は、緩い形態の、或いは、カートリッジ(例えば、予め包装されたカートリッジ20、予め包装されたカートリッジ30、ユーザが充填可能なカートリッジ64等)のいずれかの吸引可能な物質を開放し、受け入れるように構成されているのがよい。1つの実施形態では、チャンバ60は、チャンバ60が開放されるときに作動されるマイクロスイッチ68を含むのがよい。マイクロスイッチ68は、幾つかの実施形態では、リセット信号として作用することができる。
【0025】
例示的な実施形態では、蒸発器装置48のプロセッサ52は、蒸発器装置48の特定の設定を変更し、マウスピース54を通して受け取られるユーザ入力に応答して、視覚表示器62および聴覚表示機64を通じて情報を伝えるように構成されている。プロセッサ52はまた、視覚表示器62、および/または、聴覚表示機64を通じて、種々の構成要素の現状を伝える。1つの実施形態では、ユーザ入力は、本体50を通る空気流の関数として測定されるマウスピース54を通る吸気であるのがよい。幾つかの実施形態では、吸気の形態のユーザ入力が、加熱ユニットを作動させることができる。
【0026】
1つの実施形態では、プロセッサ52は、吸気、または、マウスピースを通る引きの速度である、空気流「引き」の数を決定し、空気流センサまたは空気流スイッチからの信号に応答し、基づいて蒸発器80の設定を変更するように構成されているのがよい。
【0027】
プロセッサ52は、マウスピース54を通る予めプログラムされた(例えば、矢継ぎ早の)時間に亘る所定の呼吸数(例えば、3)のような所定の信号の受け取りに応答して蒸発器装置48のためのバッテリの状態を表示するように構成されているのがよい。応答として、プロセッサ52は、バッテリ56の現在の充電状態を表わす視覚表示器62上の特定の色を表示することができる。例えば、多数の個々の充電状態は、十分、中間、および、低状態であることができ、各状態を表わす視覚表示器62上の異なる色を表示することができる。例示的な実施形態では、十分状態は、十分と60%の間のバッテリ充電を表示することができ、中間状態は、60%と20%の間のバッテリ充電を表示することができ、低状態は、20%以下のバッテリ充電を表示することができる。例示的な実施形態では、十分状態、中間状態、および、低状態のためのそれぞれの色は、それぞれ、白、緑、および、赤であることができる。
【0028】
例示的な実施形態では、プロセッサ52は、単一の鋭い吸気、或いは任意の型式の吸気のような、マウスピース54を通る所定の作動信号の識別に応答して、コールド/オフ状態またはスタンバイ状態から、蒸発器装置48を作動させることができる。プロセッサ52は、空気流センサから高空気流速度測定値を受け取ることによって、鋭い吸気を決定することができる。応答として、プロセッサ52は、周期的時間間隔で(例えば、1秒に1度)視覚表示器62上に第1の色(例えば、青)を明滅させることができ、蒸発器80の加熱部分または加熱ユニットに係合して、チャンバ60を第1の温度しきい値まで加熱させることができる。例示的な実施形態では、第1の温度しきい値は、180℃であるのがよい。例示的な実施形態では、チャンバ60は、コールド状態から出発して、22秒で第1の温度しきい値に達することができる。チャンバ60が、第1の温度しきい値に達すると、プロセッサ52は、視覚表示器62を変更して、安定した第2の色(例えば、シアン)を表示し、聴覚表示器64を使用して第1の警告信号(例えば、2回の振動)を送ることができる。第1の警告信号は、蒸発器が、吸引可能な物質を蒸発させる準備ができたことを表示することができる。
【0029】
蒸発器80の初期作動後、プロセッサ52は、作動信号が(例えば、ユーザが空気流を検出することによって)検出されるたびごとに、増加量(例えば、3℃以下)だけチャンバ60の温度を上昇させ、視覚表示器62を、第3の色(紫)のより明るい色合いに変更することができる。例えば、第2の「引き(pull)」は、181.5℃で起こることができ、第3の「引き」は、183℃で起こることができ、第4の「引き」は、184.5℃で起こることができる。チャンバ60が、新しい温度に達すると、プロセッサ52は、聴覚表示器64を使用して第2の警告信号(例えば、X回の振動)を送ることができる。1つの実施形態では、第2の警告信号は、第1の警告信号と同じであることができる。例示的な実施形態では、プロセッサ52は、最大温度(例えば、215℃)に達するまで、作動信号が検出されるたびごとに、増加量だけ温度を継続して上昇させることができる。チャンバ60が、最大温度に達すると、プロセッサ52は、視覚表示器62を第4の色(例えば、赤)に変更し、聴覚表示器64を使用して第3の警告信号を送ることができる。第2の色から第4の色までの移行は、色スペクトルに沿って漸進的であることができる。1つの実施形態では、第3の警告信号は、5回の素早い振動の後、15秒間の休止に続いて、さらに5回の振動を含むのがよい。
【0030】
1つの実施形態では、プロセッサ52は、第1の所定時間(例えば、30秒)内に作動信号が受け取られなければ、蒸発器80をスタンバイモードに移行させることができる。蒸発器80をスタンバイモードに移行させると、プロセッサ52は、チャンバ60の温度を、より低いスタンバイ温度(例えば、130℃)に低下させることができ、加熱ユニットは、単純にチャンバ60を温かく維持することができる。蒸発器80がスタンバイモードにありながら、第2の所定時間(例えば、30秒)内に作動信号が受け取られない場合には、プロセッサ52は、蒸発器80をオフ状態に移行させることになる。1つの実施形態では、蒸発器80がスタンバイモードまたはオフ状態に移行した後に、作動信号が受け取られると、プロセッサ52は、チャンバ60がスタンバイモードに移行する前にあった同じ温度レベルに、チャンバ60の温度を上昇させることができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、チャンバ60の温度を記憶することができ、プロセッサ52は、再作動されるときに、吸入可能な物質を記憶された温度で蒸発させるようになる。例えば、ユーザが、最後に183℃で吸引可能な物質を吸引した場合には、プロセッサ52は、温度184.5℃を記憶するようになる。プロセッサ52は、引きの間の時間量にかかわらず、ユーザが、第3の引きのために再び蒸発器を通して吸引することによって蒸発器を作動させるときにはいつでも、チャンバ60を記憶された温度(184.5℃)に上昇させるようになる。
【0031】
プロセッサ52は、チャンバ60に関連したマイクロスイッチ68が作動され、(ドアが開放され)たときには、温度設定をリセットして初期温度に戻すことができ、マイクロスイッチ68は、吸引可能な物質を交換するためのチャンバ60の開放を表示する。
【0032】
少ない実施形態をこれまで詳細に説明してきたけれども、他の実施形態が可能である。例えば、上記のロジックフローは、所望の結果を達成するために、記載されている特定の順番を必要としないし、逐次の順番も必要としない。他のステップを設けることができ、或いは、上記のフローからステップを省略することができ、他の構成要素を、上記のシステムに追加することができ、上記のシステムから除去することができる。他の実施形態は、本発明の範囲内にあることができる。
【0033】
上記から、多くの変形および変更が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われることができることが認められるであろう。本願に記載されている特定のシステムまたは方法に関する制限は意図されておらず、暗示もされるべきではないことを理解すべきである。もちろん、すべてのかかる変更は、本発明の精神および範囲内にあるようにカバーされることが意図されている。
【符号の説明】
【0034】
20 予め包装されたカートリッジ
22 包装器
24 吸入可能な物質
26A 蒸発器装置
26B 蒸発器装置
28A チャンバ
28B チャンバ
30 予め包装されたカートリッジ
32 バッグ
34 第1のタブ
34 第2のタブ
40 ユーザが充填可能なカートリッジ
42 開口部
44 閉鎖機構
46 ファスナ
48 蒸発器装置
50 本体
52 プロセッサ
54 マウスピース
56 バッテリ
60 チャンバ
62 視覚表示器
64 聴覚表示器
68 マイクロスイッチ
80 蒸発器
320 交換可能なストリップ
322 カートリッジ
324 連続的なバンド
950 容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図13A
図13B