(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】地球観測イメージング中の焦点面アレイのスキャンのための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20240425BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20240425BHJP
G03B 11/00 20210101ALI20240425BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240425BHJP
H04N 23/55 20230101ALI20240425BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240425BHJP
【FI】
H04N23/60
G03B5/00 J
G03B11/00
G03B15/00 U
H04N23/55
H04N23/60 300
H04N23/50
(21)【出願番号】P 2020552725
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(86)【国際出願番号】 US2019024844
(87)【国際公開番号】W WO2019191591
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-29
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510005317
【氏名又は名称】ディーアールエス ネットワーク アンド イメージング システムズ、リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(72)【発明者】
【氏名】イーリー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ムジラ,マーク
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-520204(JP,A)
【文献】特開2014-143681(JP,A)
【文献】特開平08-018843(JP,A)
【文献】特開2008-211894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G03B 5/00
G03B 11/00
G03B 15/00
H04N 23/55
H04N 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に結合されているステージと、
前記本体および前記ステージに結合されているアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記本体に対して1つまたは複数の方向に前記ステージを動かすように構成されている、アクチュエータと、
1つまたは複数の検出器を備え、前記ステージに結合されている焦点面アレイと、
前記アクチュエータに結合されているコントローラであって、前記コントローラは、前記本体の速度を決定するように構成されており、前記コントローラは、前記アクチュエータに、前記本体の前記速度に対応する駆動速度において前記1つまたは複数の方向に前記ステージをバックスキャンさせるように構成されており、前記ステージをバックスキャンすることは、
前記アクチュエータおよび前記焦点面アレイの特徴に基づいて1つまたは複数の利得係数を決定することと、前記1つまたは複数の利得係数に応答して前記駆動速度を更新することとを含み、前記コントローラは、前記1つまたは複数の検出器に通信可能に結合され、前記1つまたは複数の検出器に、前記バックスキャン中に画像データをキャプチャさせる、コントローラと
を備える、イメージングシステム。
【請求項2】
前記アクチュエータが圧電アクチュエータであ
り、
前記1つまたは複数の利得係数が前記圧電アクチュエータにおけるヒステリシス効果を補償して、バックスキャン傾斜線形性を改善する、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項3】
前記本体に結合されているレンズをさらに備える、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項4】
前記駆動速度が鋸歯状プロファイルによって特徴付けられる、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項5】
前記本体の前記速度は、航空機または衛星のうちの少なくとも1つの前進速度に対応する、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項6】
前記焦点面アレイが1つまたは複数のスペクトルフィルタをさらに含む、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項7】
前記本体の前記速度、または前記駆動速度のうちの少なくとも1つまたは複数を送信および受信するように構成されたI/Oモジュールをさらに備える、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項8】
本体を提供することと、
前記本体に結合されているアクチュエータを提供することと、
前記アクチュエータに結合されているステージを提供することと、
前記ステージに結合されている画像センサを提供することと、
前記本体の運動に対応する本体速度を決定することと、
前記本体速度に関連する駆動速度を決定することと、
前記アクチュエータを使用して、前記本体速度に対する前記駆動速度において前記ステージをバックスキャンすることであって、前記バックスキャンすることは、
前記画像センサおよび前記アクチュエータの特徴に基づいて1つまたは複数の利得係数を決定することと、
前記1つまたは複数の利得係数に応答して前記駆動速度を更新することと
を含む、前記ステージをバックスキャンすることと、
前記ステージのバックスキャン中に、前記画像センサによって1つまたは複数のフレームをキャプチャすることと
を含む、方法。
【請求項9】
前記ステージをバックスキャンすることが、制御信号を前記アクチュエータに送信することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記駆動速度およびタイマを使用して前記ステージの位置を決定することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記本体速度を決定することは、メモリから前記本体速度を読み取ることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数のステージ位置センサを提供することと、
前記1つまたは複数のステージ位置センサから位置センサデータを受信することと、
前記位置センサデータを使用してステージ位置を決定することと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
駆動速度におけるステージのバックスキャンを開始するための制御信号をアクチュエータに送信することと、
本体速度を読み取ることと、
前記本体速度に応答して前記駆動速度を更新することであって、前記駆動速度を更新することは、
前記アクチュエータの特徴に基づいて1つまたは複数の利得係数を決定することと、
前記1つまたは複数の利得係数に応答して前記駆動速度を更新することと
を含む、前記駆動速度を更新することと、
前記ステージの位置を決定することと、
前記ステージがカットオフ振幅に達することを判定することと、
後に、前記ステージを初期位置にリセットするための第2の制御信号を送信することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記制御信号を送信することは、タイマをリセットすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記本体速度および前記タイマを使用して前記ステージの前記位置を決定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記本体速度を決定することは、メモリから前記本体速度を読み取ることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記本体速度を決定することは、I/Oサブシステムから前記本体速度を受信することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ステージが前記カットオフ振幅に到達することを判定することは、
位置センサデータを受信することと、
前記位置センサデータが前記カットオフ振幅に関連する値を超えることを判定することと
を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願の相互参照
本出願は、2018年3月30日に出願された「地球観測イメージング中の焦点面アレイのスキャンのための方法およびシステム」と題する米国仮特許出願第62/650,978号に対する優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]衛星イメージングが開発されている。凝視型センサ(staring sensor)を使用する低地球軌道イメージングアプリケーションでは、衛星の対地速度が原因で画像が不鮮明になる。したがって、衛星イメージングに関連する改善された方法およびシステムが当該技術分野において必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本発明の実施形態は、一般に、画像安定化のためのシステムおよび方法に関し、特に、焦点面アレイ位置決めシステムを使用した画像のぼけまたはスミアの低減に関する。焦点面アレイ位置決めシステムは、焦点面アレイをバックスキャンして、画像スミアを低減または除去し、相対エッジ応答を改善し、画像に関連する積分時間の増加を可能にすることができる。積分時間を長くすることによって、センサの信号対雑音比を向上させ、観測されているシーンの特徴を検出する能力を向上させることができる。焦点面アレイをバックスキャンすることによって、追加のスキャンミラーおよび複雑な機械システムを組み込んでレンズを動かしまたはレンズの前の視野を操作して画像を安定させる必要性が減少するかまたはなくなる。
【0004】
[0004]本発明の一実施形態によれば、イメージングシステムは、本体、ステージ、およびアクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、本体およびステージに結合し、ステージを本体に対して1つまたは複数の方向に動かすように構成することができる。画像センサが、ステージに結合され得る。1つまたは複数の検出器を含む焦点面アレイがステージに結合され得る。コントローラが、アクチュエータに結合され得、本体の速度を決定し、アクチュエータが、本体の速度に対応する駆動速度においてステージを1つまたは複数の方向にバックスキャンするためにステージを1つまたは複数の方向に動かすようにすることができる。コントローラは、1つまたは複数の検出器に通信可能に結合することができ、1つまたは複数の検出器に、バックスキャン中に画像データをキャプチャさせることができる。
【0005】
[0005]いくつかの実施形態では、アクチュエータは、圧電アクチュエータとすることができる。いくつかの実施形態では、イメージングシステムは、本体に結合されているレンズを含む。いくつかの実施形態では、駆動速度は、鋸歯状プロファイルによって特徴付けることができる。他の実施形態では、本体の速度は、航空機または衛星のうちの少なくとも1つの前進速度に対応することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の検出器は、1つまたは複数の焦点面アレイを含む。1つまたは複数の焦点面アレイは、1つまたは複数のスペクトルフィルタを含むことができる。いくつかの実施形態では、イメージングシステムは、本体の速度、駆動速度、または画像データのうちの少なくとも1つまたは複数を送信および受信するように構成されたI/Oモジュールを含むことができる。
【0006】
[0006]本発明の一実施形態によれば、方法が提供される。本方法は本体を提供する。本方法は、本体に結合されているアクチュエータを提供する。本方法はさらに、アクチュエータに結合されているステージを提供する。本方法は、ステージに結合されている像面を提供する。本方法は、本体の運動に対応する本体速度を決定する。場合によっては、本体速度を決定することは、メモリから本体速度を読み取ることを含む。場合によっては、本体速度を決定することは、I/Oサブシステムから本体速度を受信することを含む。本方法は、本体速度に関連する駆動速度を決定する。本方法は、アクチュエータを使用して、本体速度に関連する駆動速度においてステージをバックスキャンする。場合によっては、バックスキャンは制御信号をアクチュエータに送信することを含む。場合によっては、バックスキャンは、1つまたは複数の利得係数を決定し、1つまたは複数の利得係数に応答して駆動速度を更新することを含む。本方法は、画像センサによるステージのバックスキャン中に1つまたは複数のフレームをキャプチャする。
【0007】
[0007]いくつかの実施形態では、本方法は、駆動速度およびタイマを使用してステージの位置を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたは複数のステージ位置センサを提供し、1つまたは複数のステージ位置センサから位置センサデータを受信し、位置センサデータを使用してステージ位置を決定する。実施形態によっては、本体速度を決定することは、I/Oサブシステムから本体速度を受信することをさらに含む。
【0008】
[0008]本発明の別の実施形態によれば、方法が提供される。本方法は、駆動速度においてステージのバックスキャンを開始するための制御信号をアクチュエータに送信することを含む。本方法は、本体速度を決定することをさらに含む。本方法は、ステージの位置を決定することをさらに含む。本方法は、本体速度およびステージの位置に応答して駆動速度を更新することをさらに含む。さらに、本方法は、ステージがカットオフ振幅に到達していることを判定することを含む。本方法は、ステージを初期位置にリセットするための第2の制御信号を送信することをさらに含む。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態では、本方法は、制御信号を送信することと、タイマをリセットすることとを含む。本方法は、本体速度およびタイマを使用してステージの位置を決定することができる。いくつかの実施形態では、本体速度を決定することは、メモリから本体速度を読み取ること、I/Oサブシステムから本体速度を受信すること、およびセンサから本体速度を受信することのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つまたは複数の利得係数を決定し、1つまたは複数の利得係数に応答して駆動速度を更新することにより、駆動速度を更新することができる。いくつかの実施形態では、ステージがカットオフ振幅に到達していることを判定することは、位置センサデータを受信することと、位置センサデータがカットオフ振幅に関連する値を超えることを判定することとを含む。従来技術にまさる多くの利点が本発明によって達成される。
【0010】
[0010]本開示の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による、カメラ本体の運動に対して調整されていない焦点面アレイを有するイメージングシステムを使用してキャプチャされた3つの連続するフレームを示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、本発明の実施形態に従ってイメージングシステムの運動中に焦点面アレイをバックスキャンするように構成されたイメージングシステムを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、シーンに対するカメラ本体の速度に一致し、それを相殺する速度においてバックスキャンされる焦点面アレイを有するイメージングシステムを使用して「スナップ」を作成するためにキャプチャされた3つの連続するフレームを示す図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による、焦点面アレイ上の画像の速度に等しい速度において動く焦点面アレイによる連続する画像フレームのキャプチャの2つの完全なサイクルを示す図である。
【
図4B】本発明の一実施形態によるスナップ間の重なりを示す図である。
【
図5A】本発明の一実施形態による、ステージ上の5つの互い違いに突き合わせされた焦点面アレイからなる焦点面アレイを示す図である。
【
図5B】本発明の一実施形態による、5つの互い違いに突き合わせされた焦点面アレイに関連するスキャンの地面観測幅を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、センサの焦点面アレイを並進させる方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態による、焦点面アレイをバックスキャンするための方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態による様々な焦点面アレイ構成の相対エッジ応答の比較を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、焦点面アレイをバックスキャンするための追加の方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0022]衛星イメージング技術には数多くの干渉源が存在する。焦点面アレイの積分時間中に画像を安定させる従来の手法では、光学チェーン内で高速ステアリングミラーを使用するか、光学系を物理的にステアリングして、焦点面アレイ上の画像のポインティングを制御する。高速ステアリングミラーは大きく、特に光学系の入口開口に配置されている場合、相当量のスペースを占める可能性がある。サイズのために、大きい可動ミラーは、積分時間を開始し得る前に動かすための時間および落ち着くまでの時間がより多く必要である。これにより、信号の積分および/またはフレームスタックにかかる時間が少なくなる。本発明は、画像をステアリングする代わりに、焦点面アレイを動かして画像の運動に一致させることにより、焦点面アレイをバックスキャンすることができる。本明細書で説明する実施形態は、より小型であり、衛星搭載および航空機搭載用途に使用される従来の技法よりも信頼性を向上させる。
【0013】
[0023]地上のシーンの画像の信号対雑音比を改善するために、画像センサによってキャプチャされた地上のシーンの個々のフレームをともに加算することができる。画像がセンサに対して動いておらず、画像の見当合わせが不要な場合、共加算は簡略化される。現代の衛星および航空カメラに使用されている大きい凝視型焦点面アレイは、露光時間中のステージの運動により、画像のぼけまたはスミアの影響を受ける。画像のぼけまたはスミアは、大きい凝視型焦点面アレイの有用な積分時間を低減し、結果として画像品質を低減する。衛星などの可動プラットフォームの焦点面アレイの運動によって引き起こされる画像のぼけに対処する既存の技術は、レンズ鏡筒を動かし、または追加のスキャンミラーを組み込む複雑な機械システムが含まれる。したがって、当該技術分野において、可動プラットフォームに位置決めされたカメラの画像ぼけを低減することに関連する改善された方法およびシステムが必要とされている。
【0014】
[0024]本発明の実施形態は、例えば衛星ベースのイメージングシステムなどの高高度イメージングシステムを使用して行われたスキャンに存在する画像のぼけまたはスミアを低減する方法を提供する。より具体的には、本発明の実施形態は、圧電駆動ステージを利用して、センサの焦点面アレイを並進させる。いくつかの実施形態では、センサの焦点面アレイは、凝視型焦点面アレイである。いくつかの実施形態では、センサは、地球に対して動いている衛星宇宙プラットフォームの一部であり得る。センサの焦点面アレイは、地球に対するセンサの運動と同じ軸内で並進することができる。圧電駆動ステージ速度を衛星の速度に一致させることができ、結果、焦点面アレイのバックスキャンが可能になり、結果、焦点面アレイの積分期間中、画像が静止しているように見える。いくつかの実施形態では、積分期間は、焦点面アレイのバックスキャンの持続時間中、連続的であり得る。他の実施形態では、複数の連続するフレームをともに積み重ねて単一のスナップを形成することができる。焦点面アレイのバックスキャンにより、バックスキャン中に標的画像が焦点面アレイに対して動かなくなる。圧電駆動ステージは開始位置に戻ることができ、一方、視野の後縁は、すでにキャプチャされている地上のシーンを横切って動く。いくつかの実施形態では、焦点面アレイは、複数のスペクトル帯域から画像をキャプチャする焦点面アレイを含むことができる。本発明の実施形態は、安定した凝視型イメージング装置を提供する。個々の2次元の凝視画像をつなぎ合わせて、より大きい2次元の画像を作成することができる。この技術を使用すると、これまで線形スキャンセンサを使用していたスキャン運動を有する用途において、凝視型焦点面アレイを使用することが可能になる。
【0015】
[0025]
図1は、本発明の一実施形態による、カメラ本体の運動に対して調整されていない焦点面アレイを有するイメージングシステムを使用してキャプチャされた3つの連続するフレームを示す。イメージングシステム100は、検出器モジュール102、静止ステージ104、焦点面アレイ106、およびレンズ108のうちの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、イメージングシステム100は、衛星、航空機、自動車などのような移動車両に搭載することができる。
図1はまた、地面112上の物体に関連する光線110を示している。
【0016】
[0026]
図1では、イメージングシステム100は、地面112上の物体の上を速度114で動いている。第1のフレーム116において、地面112上の物体に関連する光線110は、焦点面アレイ106の中心にあり、焦点面アレイ106上の第1の画像117は、地面112上の物体を示す。システムの運動は、レンズ108によって形成される像面を動かす。第2のフレーム120では、イメージングシステム100は、イメージングシステム100の速度114に起因して、地面112上の物体に対して動いている。第2のフレーム120では、地面112上の物体に関連する光線110は、もはや焦点面アレイ106の中心になく、第1の距離122だけ動いている。したがって、焦点面アレイ106上の第2の画像121は、第1の画像117とは異なる。
【0017】
[0027]第3のフレーム124では、イメージングシステム100は、イメージングシステム100の速度114に起因して、地面112上の物体に対してさらに動いている。第3のフレーム124において、地面112上の物体に関連する光線110は、この時点において第1の距離122および第2の距離126だけ動いている。したがって、焦点面アレイ106上の第3の画像125は、第1の画像117および第2の画像121とは異なる。地面112上の物体の画像が、第1の画像117、第2の画像121、および第3の画像125の積分から画像を見当合わせすることなく生成された場合、地面112上の物体の積分画像は、相当のぼけを含む。第1の画像117、第2の画像121または第3の画像125内からの画像ぼけを防ぐために、センサの積分時間は、センサ上の単一のピクセルが1ピクセル長だけ動くのにかかる時間より大幅に短くなければならない。そうでなければ、第1の画像117、第2の画像121、または第3の画像125の各々の中で著しい画像ぼけが発生する。
【0018】
[0028]
図2は、本発明の実施形態に従ってイメージングシステムの運動中に焦点面アレイをバックスキャンするように構成されたイメージングシステムを示す。焦点面アレイをバックスキャンすることによって、画像のキャプチャ中に十分長く留まって、適切な信号対雑音比(SNR)を得ることが可能になる。また、バックスキャンにより、連続してキャプチャされたフレームのフレームスタッキングが可能になり、画像のぼけが軽減される。ノイズが本質的に「白色」である場合、フレームスタッキングは、積み重ねられたフレーム数の平方根によってSNRを向上させる。積み重ねられた4つのフレームから構成される画像は、1つのフレームによって撮影された画像の2倍のSNRを有する。イメージングシステム200は、カメラ本体202、レンズ204、検出器モジュール206、コントローラ208、およびI/Oモジュール210を含むことができる。いくつかの実施形態では、イメージングシステム200のカメラ本体202は、衛星または航空機などの車両内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、カメラ本体202は、検出器モジュール206およびレンズ204に構造的支持および位置整合を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、カメラ本体は、コントローラ208およびI/Oモジュール210のアンカーポイントを含むことができ、熱伝達および等温性能を管理するように構成することができる。他の実施形態では、カメラ本体202は、2つの別個の隔壁によって置き換えることができる。レンズ204は、第1の隔壁に取り付けることができ、検出器モジュール206、コントローラ208、およびI/Oモジュール210は、第2の隔壁に取り付けることができる。
【0019】
[0029]いくつかの実施形態では、レンズ204は、可視光、近赤外線、短波長赤外線、中波長赤外線、長波長赤外線、および遠赤外線などの特定の波長の透過のために最適化することができる。いくつかの実施形態では、レンズ204は、レンズ、フィルタ、ビームスプリッタ、コリメータ、回折格子などのような1つまたは複数の光学素子を備えた光学系とすることができる。
【0020】
[0030]検出器モジュール206は、本体212、アクチュエータ214、ステージ216、および焦点面アレイ218を含むことができる。検出器モジュール206の本体212は、カメラ本体202および/またはコントローラ208に結合することができる。いくつかの実施形態では、検出器モジュール206は、コントローラ208および/またはI/Oモジュール210に通信可能に結合される。一部の実施形態では、コントローラ208は、カメラ本体202の外側に位置決めされてもよい。
【0021】
[0031]アクチュエータ214は、本体212およびステージ216に結合し、ステージ216を本体212に対して1つまたは複数の方向に動かすように構成することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ214は、衛星プラットフォームまたは航空機の運動に対抗するために、焦点面アレイなどの焦点面アレイ218と共にステージ216を動かすように構成された圧電アクチュエータを含むことができる。圧電アクチュエータは、単一の軸または複数の軸に沿って動くように構成することができる。いくつかの実施形態では、単一の軸に沿った圧電アクチュエータの振幅は、1200μmであり得る。アクチュエータの動きの振幅は、50μm~1800μmに及ぶことができる。一部の実施形態では、アクチュエータ214は、0.1nm程度のバックスキャン解像度を提供することができる。他の実施形態では、アクチュエータは、2nm程度のバックスキャン解像度を提供することができる。いくつかの実施形態では、圧電アクチュエータは、フレクシャガイドを使用してステージ216の運動を制御することができる。フレクシャガイドは、回転部品またはスライド部品を用いることなく摩擦のない運動を可能にすることができる。
【0022】
[0032]いくつかの実施形態は圧電アクチュエータに関して説明されているが、アクチュエータは、機械的アクチュエータ、電気機械的アクチュエータ、液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータなどを使用して実装することができることを理解されたい。したがって、アクチュエータ214は、圧電アクチュエータを示すことを意図しておらず、焦点面アレイ218をバックスキャンするようにステージ216を動かしまたは制御する機械を包含することを意図している。当業者であれば、多くの変形、修正、および代替形態を認識するであろう。
【0023】
[0033]いくつかの実施形態では、アクチュエータ214は、ステージ216の運動および位置を監視するための1つまたは複数のセンサを含むことができる。1つまたは複数のセンサは、画像の不鮮明さに影響を与える位置、速度、加速度などの面内性能を測定することができる。1つまたは複数のセンサはまた、画像の焦点に影響を与えるz軸に沿った運動などの面外性能を測定することもできる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサは容量センサである。他の実施形態では、1つまたは複数のセンサは、レーザ変位センサを含むことができる。ステージの位置は、画像処理および制御ループ計算に使用するために、コントローラ208および/またはI/Oモジュール210に送信することができる。
【0024】
[0034]アクチュエータに結合されているステージ216は、焦点面アレイ218を含むことができる。焦点面アレイ218は、画像データを収集するように動作可能な1つまたは複数の焦点面アレイによって構成することができる。いくつかの実施形態では、焦点面アレイ218は、マイクロボロメータを含むことができる。マイクロボロメータは、ピクセルのアレイから構成することができ、各ピクセルは複数の層から構成される。いくつかの実施形態では、焦点面アレイ218は、補助照明または光を必要としない受動的赤外線(IR)検出器とすることができる。いくつかの実施形態では、焦点面アレイ218は、検出器材料を冷却することなく動作することができる。他の実施形態では、検出器モジュール206は、焦点面アレイ218と本体212との間の熱ストラップを含むことができる。非冷却マイクロボロメータアレイは、冷却サーマルカメラと比較して、サイズ、重量、および電力要件の低減を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、焦点面アレイ218は、1つまたは複数のスペクトルフィルタを含むことができる。いくつかの実施形態では、焦点面アレイ218は、マルチスペクトルバンドイメージャとすることができる。他の実施形態では、焦点面アレイは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、電荷結合素子(CCD)センサなどを含むことができる。
【0025】
[0035]いくつかの実施形態では、単位セル(ピクセル素子)は、20μm未満の寸法を含むことができる。いくつかの実施形態では、焦点面アレイ218は、検出器フォーマットおよび画像解像度を規定する焦点面アレイなどのアレイに構成された個々のピクセル素子を含むことができる。一般的な4:3アスペクト比のビデオフォーマットは、160x120、320x240、640x480、1024x768および1280x960を含む。いくつかの実施形態では、焦点面アレイ106は、
図5Aおよび
図5Bにおいてさらに説明されるように、複数の焦点面アレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、検出器モジュールは、焦点面アレイおよび信号調整に電力を供給するためのバイアスボードを含むことができる。いくつかの実施形態では、検出器モジュール206は、シャッタを含むことができる。
【0026】
[0036]コントローラ208は、焦点面アレイ218およびアクチュエータ214を制御するために、1つまたは複数のプロセッサ220およびメモリ222を含むことができる。コントローラ208は、焦点面アレイ218に通信可能に結合されて、焦点面アレイ218によって収集されたセンサデータのセンサクロッキングおよび画像処理を可能にすることができる。コントローラ208はまた、アクチュエータ214に通信可能に結合することもできる。コントローラ208は、ステージ216およびそれに結合されている焦点面アレイ218をバックスキャンするために、位置決め信号をアクチュエータ214に提供することができる。位置決め信号は、バックスキャンに関連する駆動速度に比例することができる。
【0027】
[0037]いくつかの実施形態では、コントローラ208は、航空機または衛星の対地速度に比例する駆動速度を決定し、画像収集中にバックスキャンが画像の運動に一致するようにすることができる。コントローラ208は、カメラ本体202の速度を決定するために1つまたは複数のセンサを含むことができる。カメラ本体202の速度は、航空機または衛星の対地速度と関連付けることができる。1つまたは複数のセンサは、例えば、位置決めセンサ、加速度計、磁力計などを含むことができる。一部の実施形態では、コントローラ208は、I/Oモジュール210に通信可能に結合することができ、I/Oモジュール210から受信されるデータに基づいてカメラ本体202の速度を決定することができる。他の実施形態では、駆動速度は、低地球軌道速度などの所定の軌道速度に基づいて事前にプログラムすることができる。
【0028】
[0038]カメラ本体202の速度を決定した後、駆動速度は、長い時定数を有する画像センサによって引き起こされる画像スミアを低減または排除することができるような方法を使用して決定することができる。本方法は、カメラ本体202の速度を使用して、航空機または衛星の運動に関連するプラットフォームの前進速度を決定することができる。本方法は、ステージ216および焦点面アレイ218に適用されたときに、プラットフォームの前進速度を補償するためにバックスキャンする駆動速度を決定することができる。
【0029】
[0039]本明細書において使用される場合、コントローラ208は、アクチュエータ214および/または焦点面アレイ218の動作を制御するために、1つまたは複数の集積回路(例えば、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ)として実装することができる、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。1つまたは複数のプロセッサは、特定の用途向けにカスタマイズすることができ、一般用途には使用することができない特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用プロセッサとして実装することができる。いくつかの実施態様では、ASICを使用して、画像処理の速度を上げることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ208は、1つまたは複数のグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含むことができる。GPUは、焦点面アレイ218によって収集されたセンサデータを処理するように構成することができる。シングルコアおよび/またはマルチコアプロセッサを含む1つまたは複数のプロセッサを、コントローラ208に含めることができる。一部の実施形態では、コントローラ208は、カメラ本体202の外側にあることができる。これらの実施形態では、焦点面アレイ218およびアクチュエータは、I/Oモジュール210に通信可能に結合することができる。
【0030】
[0040]I/Oモジュール210は、イメージングシステム200に通信可能に結合されている外部システムとデータを送受信するように構成することができる。イメージングシステム200は、航空機、衛星などの車両内に位置決めすることができる。外部システムとの間で送受信されるデータは、速度、位置、温度などを含むことができる。いくつかの実施形態では、I/Oモジュールは、焦点面アレイ218および/またはコントローラ208によって収集されたセンサデータを、車両上の1つまたは複数のシステムに送信することができる。I/Oモジュール210は、データを送受信するためのデバイスコントローラ、1つまたは複数のモデム、ユニバーサルシリアルバス(USB)(登録商標)インターフェース、無線周波数トランシーバ構成要素、シリアルバスなどを含むことができる。
【0031】
[0041]
図3は、本発明の一実施形態による、シーンに対するカメラ本体の速度に一致し、それを相殺する速度においてバックスキャンされる焦点面アレイを有するイメージングシステムを使用して「スナップ」を作成するためにキャプチャされた3つの連続するフレームを示す。イメージングシステム300は、検出器モジュール302、アクチュエータ304、ステージ305、焦点面アレイ306、およびレンズ308を含む。一部の実施形態では、イメージングシステム300は、衛星、航空機、自動車などのような移動車両に搭載することができる。
図3はまた、地面312上の物体に関連する光線310を示している。
【0032】
[0042]
図3では、イメージングシステム300は、地面312上の物体の上を速度314で動いている。第1のフレーム316において、地面312上の物体に関連する光線310は、焦点面アレイ306の中心にあり、焦点面アレイ106上の第1の画像317は、地面312上の物体を示す。第2のフレーム320では、イメージングシステム300は、イメージングシステム300の速度314に起因して、地面312上の物体に対して動いている。第2のフレーム320では、地面312上の物体に関連する光線310は、もはや検出器モジュール302上の第1の位置になく第1の距離322だけ動いている。
図3に示す実施形態では、
図2で説明したコントローラ208などのコントローラは、アクチュエータ304に、速度314に対応する駆動速度においてステージ305をバックスキャンさせる。駆動速度は、ステージ305および焦点面アレイ306に第1の距離322だけ並進させる。したがって、焦点面アレイ306上の第2の画像321は、焦点面アレイ306上の第1の画像317と同じ位置にある。
【0033】
[0043]第3のフレーム324では、イメージングシステム300は、イメージングシステム300の速度314に起因して、地面312上の物体に対してさらに動いている。第3のフレーム324において、地面312上の物体に関連する光線310は、この時点において第1の距離322および第2の距離326だけ動いている。コントローラは、アクチュエータ304にステージ305および焦点面アレイ306を第2の距離326だけバックスキャンさせる。したがって、焦点面アレイ306上の第3の画像325は、焦点面アレイ306上の第1の画像317および第2の画像321と同じ位置にある。第1の画像317、第2の画像321、および第3の画像325に示すように、駆動速度は、ステージおよび焦点面アレイ306をバックスキャンして、焦点面アレイ306上の画像を安定させるように構成することができる。その結果、画像スミアは発生しない。地面312上の物体の積分画像が、バックスキャンによる第1の画像317、第2の画像321、および第3の画像325の積分から生成された場合、地面312の物体の積分画像は、単一画像またはバックスキャンなしで複数の画像から生成された積分画像と比較して改善された信号対雑音比および他の品質測定基準を有する。
【0034】
[0044]
図4Aは、本発明の一実施形態による、カメラ本体の速度に対して一定の速度において動く焦点面アレイによる連続する画像フレームのキャプチャの2つの完全なサイクルを示す。プロット400は、本方法によって生成されたステージの鋸歯状運動プロファイルを示す。いくつかの実施形態では、本方法は、地表面に対する画像センサの速度に一致するようにスキャン速度を自動的に調整する。プロット400は、y軸に沿ったステージ位置402およびx軸に沿った時間404を示す。開始位置406はゼロであり、最終位置408は、ステージの物理的範囲およびスナップ期間の長さに基づく位置にある。一部の実施形態では、最終ステージ位置は、物理的範囲およびスナップ期間の長さのうちの短い方によって決定される。
【0035】
[0045]
図4Aは、3つのスナップ期間、すなわち、第1のスナップ期間410、第2のスナップ期間440、および第3のスナップ期間460を含む。第1のスナップ期間410は、焦点面アレイが位置412から位置414に動くときの第1のフレーム413、焦点面アレイが位置414から位置416に動くときの第2のフレーム415、および、焦点面アレイが位置416から位置418に動くときの第3のフレーム417のキャプチャを含む。フレームは、総露光時間中にキャプチャされる。例えば、420の総運動サイクル期間を有する第1のスナップ期間410に関連する第2の時間セグメント424。各フレームの露光持続時間は、画像センサの飽和時間に依存する。例示的な実施形態では、フレームは、毎秒30フレームのレートでキャプチャすることができる。結果としての最大露出時間は、フレームあたり33.3ミリ秒、または3フレームの合計露光時間の場合は100ミリ秒である。第1のスナップ期間410中の焦点面アレイの速度は、3つの時間セグメントに分割することができる。第1の時間セグメント422は、アクチュエータが加速し、焦点面アレイを一定の速度に到達させる期間に関連付けられる。第2の時間セグメント424は、アクチュエータが焦点面アレイをカメラ本体の速度に対応する一定の速度において動かしており、一定の速度がカメラ本体の速度によって引き起こされる像面の運動に対抗する期間に関連付けられる。カメラ本体の速度は、カメラ本体が配置されまたは取り付けられるプラットフォームの運動に対応することができる。プラットフォームは、例えば、衛星、航空機などを含むことができる。
【0036】
[0046]第2の時間セグメント424中、画像は焦点面アレイ上で安定化され、フレームは画像のスミアまたはぼけを伴わずに、ともに積み重ねることができる。いくつかの実施形態では、画像センサが飽和しない場合、単一の連続的なフレームを、第2の時間セグメント424の持続時間にわたってキャプチャすることができる。いくつかの実施形態では、センサは、より高いフレームレートで動作することができ、同じ424時間セグメント中に4つ以上のフレームを積み重ねることができる。第3の時間セグメント426は、アクチュエータが焦点面アレイを最終位置408から開始位置406へと動かすのに必要な期間に関連付けられる。一部の実施形態では、第3の時間セグメントは、リセット時間と考えることができる。
【0037】
[0047]第2のスナップ期間440は、焦点面アレイが442から444に動くときの第1のフレーム443、焦点面アレイが444から446に動くときの第2のフレーム445、および焦点面アレイが446から448に動くときの第3のフレーム447のキャプチャを含む。フレームは、450の総運動サイクル期間を有する、第2のスナップ期間440に関連する総露光時間450中にキャプチャされる。第2のスナップ期間440中の焦点面アレイの速度は、3つの時間セグメントに分割することができる。第1の時間セグメント452は、アクチュエータが加速し、焦点面アレイを一定の速度に到達させる期間に関連付けられる。第2の時間セグメント454は、アクチュエータが焦点面アレイを一定の速度において動かしている一定時間の期間に関連付けられる。第2の時間セグメント454中、画像は焦点面アレイ上で安定化され、フレームは画像のスミアまたはぼけを低減してまたは伴わずに、ともに積み重ねることができる。第3の時間セグメント456は、アクチュエータが焦点面アレイを最終位置408から開始位置406へと動かすのに必要な期間に関連付けられる。簡潔にするために、第3のスナップ期間は短縮されているが、第1のスナップ期間410および第2のスナップ期間440と同様の3つの積み重ねフレームを含む。第2の時間セグメント424および454中のステージの速度は、
図2に記載されたコントローラ208に関連する駆動速度に対応することができる。いくつかの実施形態では、第1のスナップ期間410の第3の時間セグメント426と第2のスナップ期間440の第1の時間セグメント452との間に安定化期間を挿入することができる。
【0038】
[0048]
図4Bは、本発明の一実施形態によるスナップ間の重なりを示す。スナップ1、スナップ2、およびスナップ3は、地面470に沿った進行方向に沿って示されている。第1のスナップ重なり472および第2のスナップ重なり474は、焦点面アレイ上の1つまたは複数の焦点面アレイに関連する連続ストリップ画像を提供する。イメージングシステムの視野は、地面470に沿った進行方向に平行な距離に対応する寸法476、dを有する画像をキャプチャする。スナップ1の後縁478がスナップ1によってキャプチャされたシーンにわたって進行し、第1のスナップ重なり472の第1のエッジ480に到達する時間は、アクチュエータがステージおよび焦点面アレイを開始位置406にリセットするために利用可能な時間に対応する。各スナップは3つのフレームを含み、フレームスタッキングを使用して、結果もたらされるスナップの信号対雑音比を改善することができる。検出器アレイからの白色雑音は、複数のフレームがともに加算されることによって改善され、このSNRの利益は、積み重ねられるフレーム数の平方根に対応する。画像センサをより長時間バックスキャンし、またはより高いフレームレートでセンサを動作させる結果として、スナップあたりのフレーム数が多くなり、結果としてのスナップ画像のSNRが向上する。
【0039】
[0049]
図5Aは、本発明の一実施形態による、圧電ステージ上の5つの互い違いに突き合わせされた焦点面アレイからなる焦点面アレイを示す。イメージングシステム500は、焦点面アレイ502、第1の凝視型焦点面アレイ504、第2の凝視型焦点面アレイ506、第3の凝視型焦点面アレイ508、第4の凝視型焦点面アレイ510、および第5の凝視型焦点面アレイ512、ならびに熱ストラップ514を含む。各焦点面アレイは、1つまたは複数のスペクトルフィルタを含むことができる。いくつかの実施形態では、焦点面アレイ502は、
図2に記載されているようにステージに結合することができる。いくつかの実施形態では、各焦点面アレイは、
図4Aおよび
図4Bに示されるサイクルに従って画像をキャプチャすることができる。
【0040】
[0050]
図5Bは、本発明の一実施形態による、5つの互い違いに突き合わせされた焦点面アレイに関連するスキャンの地面観測幅550を示す。いくつかの実施形態では、
図5Aおよび
図5Bを参照すると、焦点面アレイは、焦点面アレイ502によって生成されるスキャンにおけるデッドエリアを排除するために、互い違いに配置し、突き合わせることができる。例えば、第1の凝視型焦点面アレイ504および第2の凝視型焦点面アレイ506はともに位置整合され、第3の凝視型焦点面アレイ508、第4の凝視型焦点面アレイ510、および第5の凝視型焦点面アレイ512から違いに配置される。衛星の運動方向516は、各焦点面アレイに対応する一連の画像をキャプチャする。例えば、第1の凝視型焦点面アレイ504は第1のストリップ524に対応することができ、第2の凝視型焦点面アレイ506は第2のストリップ526に対応することができ、第3の凝視型焦点面アレイ508は第3のストリップ528に対応することができ、第4の凝視型焦点面アレイ510は第4のストリップ530に対応することができ、第5の凝視型焦点面アレイ512は第5のストリップ532に対応することができる。各ストリップは、複数のスナップから構成することができ、各スナップは、
図4Aおよび
図4Bに示すように、複数のフレームに対応することができる。運動方向に垂直なスナップ寸法は、地面観測幅550を形成する。
【0041】
[0051]
図5Aおよび
図5Bは、5つの焦点面アレイを有するイメージングシステム500を示すが、本発明のいくつかの実施形態によれば、イメージングシステムは、12個までのスペクトルフィルタを有する、1~10個の焦点面アレイを含むことができる。他の実施形態は、多くのスペクトルフィルタを備えた多くの焦点面アレイを含むことができる。焦点面アレイの数を増やすことの利点は、マルチスペクトルイメージングのサポートである。当業者であれば、多くの変形、修正、および代替形態を認識するであろう。
【0042】
[0052]
図5Aおよび
図5Bに示されるように、イメージングシステム500は、互い違いのレイアウトに構成される。ただし、互い違いであることは必須ではない。例えば、焦点面アレイ504、506、508、510、および512は並べて配置されてもよい。いずれにせよ、レイアウトの幅または高さが図とは異なるようにレイアウトを調整することができる。例えば、焦点面アレイ504、506、508、510、および512は、均等に分配されるか、または他の様態で広げることができ、それにより、地面観測幅550を増加させることができる。別の例では、焦点面アレイ504および506は、焦点面アレイ508、510、および512から垂直方向にさらに広がることができる。
【0043】
[0053]付加的または代替的に、隣接するアレイ間の重なりの量も調整することができる。例えば、図示のように、例として焦点面アレイ504と焦点面アレイ508とはわずかに重なっている。しかし、例えば、504、506、508、510、および512などの焦点面アレイは、任意の程度の重なりを伴って、互いにさらに離間しまたは近接することができる。
【0044】
[0054]
図6は、本発明の一実施形態による、センサの焦点面アレイを並進させる方法600を示す簡略化されたフローチャートである。610において、本方法は本体を提供する。いくつかの実施形態では、本体は運動している。612において、本方法は、本体に結合されているアクチュエータを提供する。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、圧電アクチュエータとすることができる。614において、本方法は、アクチュエータに結合されているステージを提供する。いくつかの実施形態では、アクチュエータおよびステージは、圧電ステージを含むことができる。616において、本方法は、ステージに結合されている焦点面アレイを提供する。焦点面アレイは、1つまたは複数の焦点面アレイを含むことができる。618において、本方法は、本体の運動に対応する本体速度を決定する。620において、本方法は、本体速度に比例する駆動速度を決定する。622において、本方法は、本体の運動に対する駆動速度においてステージをバックスキャンする。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、ステージを並進させて、ステージおよび焦点面アレイを駆動速度においてバックスキャンする。624において、本方法は、ステージのバックスキャン中に1つまたは複数のフレームをキャプチャする。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の焦点面アレイは、1つまたは複数のフレームをキャプチャすることができる。
【0045】
[0055]
図6に示す方法は、本発明の実施形態による地球観測イメージング中に焦点面アレイをスキャンする特定の方法を提供することを理解されたい。代替の実施形態によれば、他の動作を実行することもできる。さらに、
図6に示す個々の動作は、個々の動作にとって適切であるような様々なシーケンスで実行され得る複数の部分動作を含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加の動作を追加することができ、かつ/または、既存の動作を削除することができる。当業者であれば、多くの変形、修正、および代替形態を認識するであろう。
【0046】
[0056]
図7は、本発明の一実施形態による、焦点面アレイをバックスキャンするための方法700を示す簡略化されたフローチャートである。710において、本方法は、カメラ本体の運動を開始する。いくつかの実施形態では、カメラ本体の運動は、地球の表面に沿った経路に関連付けることができる。カメラ本体は、レンズ、アクチュエータ、焦点面アレイ(または像面)を備えたステージ、およびコントローラのうちの1つまたは複数を含むことができる。一部の実施形態では、カメラ本体は、I/Oモジュールを含むことができる。712において、本方法は、駆動速度における焦点面アレイのバックスキャンを開始するための制御信号をアクチュエータに送信する。いくつかの実施形態では、制御信号は、画像のキャプチャを開始するコマンドを含むことができる。いくつかの実施形態では、制御信号は、ステージのバックスキャンに関連するタイマを始動/再開することができる。714において、本方法は本体速度を読み取る。本体速度は、コントローラ内のプロセッサによって決定および/または受信することができる。本体速度は、コントローラのプロセッサによって読み取ることができる。一部の実施形態では、本体速度は、一定の駆動速度に到達したことを示すことができ、コントローラは、1つまたは複数の画像のキャプチャを開始するコマンドを焦点面アレイに送信する。
【0047】
[0057]716において、本方法は、本体速度および利得係数に従って駆動速度を更新する。一部の実施形態では、利得係数は、複数の項を有するベクトルまたは行列であってもよい。利得係数は、画像センサ寸法、アクチュエータ特性、焦点面アレイ特性などの画像センサの特性に基づいて駆動速度を調整することができる。いくつかの実施形態では、利得係数は、バックスキャン中に特定のステージ位置に適用することができる。いくつかの実施形態では、利得係数は、圧電アクチュエータにおけるヒステリシス効果を補償して、バックスキャン傾斜線形性を改善することができる。いくつかの実施形態では、特定の実施態様に特有の変数に対処するために、追加の速度スケール係数を追加することができる。
【0048】
[0058]718において、本方法はステージ位置を決定する。いくつかの実施形態では、コントローラのプロセッサは、1つまたは複数のステージ位置センサからデータを読み取って、ステージ位置を決定することができる。他の実施形態では、ステージ位置は、駆動速度を使用して推定することができる。他の実施形態では、ステージ位置は、所定の期間に基づいて外挿することができる。720において、本方法は、ステージがカットオフ振幅に到達することを決定する。カットオフ振幅は、本体に対するステージおよびアクチュエータの最大位置に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、外挿されたステージ位置を使用して、ステージが所定の期間内にカットオフ振幅に到達することを決定することができる。722において、本方法は、カットオフ振幅に達した後、ステージおよびアクチュエータを初期位置または状態に戻す。
【0049】
[0059]
図7に示す特定の動作は、本発明の実施形態による地球観測イメージング中に焦点面アレイをバックスキャンする特定の方法を提供することを理解されたい。代替の実施形態によれば、他の一連の動作を実行することもできる。さらに、
図7に示す個々の動作は、個々の動作にとって適切であるような様々なシーケンスで実行され得る複数の部分動作を含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加の動作を追加することができ、かつ/または、既存の動作を削除することができる。当業者であれば、多くの変形、修正、および代替形態を認識するであろう。
【0050】
[0060]
図8は、本発明の実施形態による様々な焦点面アレイ構成の相対エッジ応答(RER)の比較を示す。プロット800は、エッジからの距離の関数として画像のRERを示している。x軸810は、x軸810上のゼロのエッジからのピクセル単位の距離を示す。y軸812は、RER振幅を示す。第1の焦点面アレイ構成は、単一のフレームをキャプチャするトレース816によって示される静的焦点面アレイである。ゼロピクセルにおける静的焦点面アレイのRERは0.52759である。
【0051】
[0061]第2の焦点面アレイ構成は、トレース814によって示される非バックスキャン焦点面アレイである。第2の焦点面アレイ構成は、280ノットの対地速度において非バックスキャン焦点面アレイの運動をシミュレートする試験車両に取り付けられる。ゼロピクセルにおいて280ノットの対地速度で進行する非バックスキャン焦点面アレイのRERは0.34141である。第3の焦点面アレイ構成は、対地速度280ノットにおける焦点面アレイの運動をシミュレートする試験車両に取り付けられたトレース818によって示されるバックスキャン焦点面アレイである。ゼロピクセルにおけるバックスキャン焦点面アレイのRERは0.52953である。プロット800は、非バックスキャン焦点面アレイのRERが、静的焦点面アレイから約35%だけ劣化する820ことを示している。劣化したRERは、焦点面アレイの積分時間中の焦点面アレイの運動によって引き起こされる不鮮明さが原因である。プロット800は、バックスキャン焦点面アレイのRERが静的焦点面アレイのRERにほぼ等しいことを示している。
【0052】
[0062]説明したように、特定の実施形態は、ステージ速度がプラットフォーム速度と一致するように比較的安定し得る衛星システムにおいて実施することができる。代替として、実施形態は、ステージ速度にわずかな偏差を有する場合がある航空機において実施することができる。したがって、ステージ速度がリアルタイムで定期的に更新されるように、フィードバックループを実施することができる。画像間のピクセルの相関、または
図7および9に関して説明したプロセスの実行など、種々の技法が可能である。
【0053】
[0063]
図9は、本発明の一実施形態による、焦点面アレイをバックスキャンするための追加の方法900を示す簡略化されたフローチャートである。912において、本方法は、駆動速度におけるステージのバックスキャンを開始するための制御信号をアクチュエータに送信する。焦点面アレイは、ステージに取り付けることができる。914において、本方法は本体速度を読み取る。本体速度は、コントローラ内のプロセッサによって決定および/または受信することができる。本体速度は、I/Oサブシステムから受信することができる。一部の実施形態では、本体速度は、一定の駆動速度に到達したことを示すことができ、コントローラは、1つまたは複数の画像のキャプチャを開始するコマンドを焦点面アレイに送信する。
【0054】
[0064]916において、本方法は、本体速度に従って駆動速度を更新する。場合によっては、1つまたは複数の利得係数を使用することができる。例えば、単一の利得係数を使用することができる。別の例では、複数の項を有するベクトルまたは行列などの複数の利得係数を使用することができる。利得係数(複数可)は、画像センサ寸法、アクチュエータ特性、焦点面アレイ特性などの画像センサの特性に基づいて駆動速度を調整することができる。いくつかの実施形態では、利得係数(複数可)は、バックスキャン中に特定のステージ位置に適用することができる。いくつかの実施形態では、利得係数(複数可)は、圧電アクチュエータにおけるヒステリシス効果を補償して、バックスキャン傾斜線形性を改善することができる。いくつかの実施形態では、特定の実施態様に特有の変数に対処するために、追加の速度スケール係数を追加することができる。
【0055】
[0065]918において、本方法はステージ位置を決定する。いくつかの実施形態では、コントローラのプロセッサは、1つまたは複数のステージ位置センサからデータを読み取って、ステージ位置を決定することができる。他の実施形態では、ステージ位置は、駆動速度を使用して推定することができる。他の実施形態では、ステージ位置は、所定の期間に基づいて外挿することができる。
【0056】
[0066]920において、本方法は、ステージがカットオフ振幅に到達することを決定する。カットオフ振幅は、本体に対するステージおよび/またはアクチュエータの最大位置に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、外挿されたステージ位置を使用して、ステージが所定の期間内にカットオフ振幅に到達することを決定することができる。
【0057】
[0067]922において、ステージがカットオフ振幅に到達したことを決定した後、本方法はステージを初期位置にリセットする。これにより、焦点面アレイも初期位置にリセットされる。
【0058】
[0068]
図9に示す特定の動作は、本発明の実施形態による地球観測イメージング中に焦点面アレイをバックスキャンする特定の方法を提供することを理解されたい。代替の実施形態によれば、他の一連の動作を実行することもできる。さらに、
図9に示す個々の動作は、個々の動作にとって適切であるような様々なシーケンスで実行され得る複数の部分動作を含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加の動作を追加することができ、かつ/または、既存の動作を削除することができる。当業者であれば、多くの変形、修正、および代替形態を認識するであろう。
【0059】
[0069]また、本明細書に記載された実施例および実施形態は、説明の目的のみのものであり、それに照らして様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求項の範囲内に含まれるべきであることも理解される。