(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】スチームサウナ
(51)【国際特許分類】
A61H 33/06 20060101AFI20240425BHJP
A61H 33/10 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A61H33/06 J
A61H33/06 X
A61H33/10 A
(21)【出願番号】P 2021061165
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2023-04-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1. 展示:令和2年11月21日~令和3年3月21日下山芸術の森発電所美術館 2. 朝日新聞:令和2年11月24日朝刊 3. 北陸中日新聞:令和3年2月13日朝刊 4. 北日本新聞:令和3年3月6日朝刊 5. coyote:令和3年3月15日発行 6. 美術手帖:令和3年3月1日発行 7. ウェブサイトの掲載日:令和3年2月13日(中日新聞) ウェブサイトのアドレス:https://www.chunichi.co.jp/article/201528 8. ウェブサイトの掲載日:令和2年11月24日(朝日新聞DIGITAL) ウェブサイトのアドレス:https://www.asahi.com/articles/ASNCR7FLDNCQPISC013.html ウェブサイトの掲載日:令和3年3月6日(webun北日本新聞社) ウェブサイトのアドレス:https://webun.jp/item/7737639 9. ウェブサイトの掲載日:令和2年12月3日(TOKYO ART BEAT NEWS) ウェブサイトのアドレス:https://www.tokyoartbeat.com/tablog/entries.ja/2020/12/hatsubi_kuribayashi.html 11.ウェブサイトの掲載日:令和3年3月1日(artscape) ウェブサイトのアドレス:https://artscape.jp/report/curator/10167414_1634.html 12.ウェブサイトの掲載日:令和3年2月24日(HOUYHNHNM) ウェブサイトのアドレス:https://b.houyhnhnm.jp/kaise_akira/2021/02/24/40423/ 13.ウェブサイトの掲載日:令和3年3月1日(美術手帖) ウェブサイトのアドレス:https://bijutsutecho.com/exhibitions/6953
(73)【特許権者】
【識別番号】521105352
【氏名又は名称】栗林 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】栗林 隆
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-005538(JP,U)
【文献】米国特許第06745412(US,B1)
【文献】特開2012-180732(JP,A)
【文献】中国実用新案第2887295(CN,Y)
【文献】韓国登録実用新案第20-0451514(KR,Y1)
【文献】実開平4-27931(JP,U)
【文献】米国特許第5416931(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/06,10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を沸騰させてスチームを発生させるための鍋と、
この鍋の上面を着脱可能に覆い、前記鍋で発生されたスチームを閉じ込める蓋と、
を備え、
前記蓋は、
前記鍋に水を供給する供給部と、
前記閉じ込めたスチームを外部へ導出する導出部と、
を有する構成としたスチーム発生装置と、
前記導出部から導出されたスチームを充満させて入浴するための
ドーム状のサウナルームと、
前記導出部から前記サウナルームにスチームを導く導管と、
前記サウナルームの周りに設けられ、脱衣所から前記サウナルームに向かう回廊と、
前記サウナルームの天井に該サウナルームと同心状に連接される煙突状の空洞部と、
を備えたことを特徴とするスチームサウナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナ用のスチームを発生するスチーム発生装置を備えたスチームサウナに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスチームサウナとして、特許文献1には、スチーム発生器で発生したスチームを導管を介してサウナルームに導くものや、サウナルーム内にスチーム発生装置を装備したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているスチーム発生装置は、構造が複雑で、分解が簡単に行えず、内部の清掃が困難である。
【0005】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、構造が簡単かつ分解が簡単に行え、以て内部の清掃が容易に行え、特に、たとえば薬草などを煎じ、そのアロマを含むスチームを発生させた後の清掃が簡単に行えるスチーム発生装置を備えたスチームサウナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係るスチームサウナは、水を沸騰させてスチームを発生させるための鍋と、この鍋の上面を着脱可能に覆い、鍋で発生されたスチームを閉じ込める蓋とを備え、蓋は、鍋に水を供給する供給部と、閉じ込めたスチームを外部へ導出する導出部とを有する構成としたスチーム発生装置と、このスチーム発生装置の導出部から導出されたスチームを充満させて入浴するためのドーム状のサウナルームと、導出部からサウナルームにスチームを導く導管と、サウナルームの周りに設けられ、脱衣所からサウナルームに向かう回廊と、サウナルームの天井にサウナルームと同心状に連接される煙突状の空洞部とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、構造が簡単かつ分解が簡単に行え、以て内部の清掃が容易に行え、特に、たとえば薬草などを煎じ、そのアロマを含むスチームを発生させた後の清掃が簡単に行えるスチーム発生装置を備えたスチームサウナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本発明の一実施形態に係るスチームサウナに用いるスチーム発生装置を示す斜視図。
【
図4】同スチーム発生装置の蓋の供給部を示す斜視図。
【
図5】同スチーム発生装置の蓋の導出部を示す斜視図。
【
図7】同スチームサウナのサウナルームを示す斜視図。
【
図9】同スチーム発生装置の第1変形例を示す斜視図。
【
図10】同スチーム発生装置の第2変形例を示す斜視図。
【
図11】同スチーム発生装置の第3変形例を示す斜視図。
【
図12】同スチーム発生装置の第3変形例を用いたサウナルームを示す斜視図。
【
図13】同スチーム発生装置の第4変形例を示す斜視図。
【
図14】同スチーム発生装置の第5変形例を示す斜視図。
【
図15】同サウナルームの第1変形例を示す斜視図。
【
図16】同サウナルームの第1変形例を示す断面図。
【
図17】同サウナルームの第2変形例を示す斜視図。
【
図18】同サウナルームの第2変形例を示す断面図。
【
図19】同サウナルームの第3変形例を示す斜視図。
【
図20】同サウナルームの第4変形例を示す斜視図。
【
図21】同サウナルームの第5変形例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
【0017】
図1および
図2は、第1実施形態に係るスチーム発生器1を示している。
【0018】
このスチーム発生器1は、水を沸騰させてスチームを発生するたとえばステンレス製の鍋2と、この鍋2を加熱するためのかまど(加熱部)3と、鍋2で発生されたスチームを閉じ込める蓋4とを備えている。
【0019】
かまど3は、たとえば廃材などで作った薪をくべて燃焼させ、鍋2を加熱する構造で、上部に鍋2を載置する載置穴5が設けられ、前面に薪をくべる投入口6が設けられている。
【0020】
なお、かまど3の載置穴5の周囲には、鍋2の大きさに応じた鍋受けリング(図示せず。)を設置してもよい。
【0021】
鍋2は、たとえば丸底の凹部7と、この凹部7の周囲に設けられた縁8と、この縁の凹部7側にたとえば等間隔に4か所に設けられた係止部9…とを有している。
【0022】
各係止部9には、孔10が開けられていて、
図3に示すように、この孔10につり手51を引っ掛けて持ち運びできるようになっている。
【0023】
図1および
図2に戻り、蓋4は、鍋2の上部に着脱可能に載置され、これにより鍋2の上面を覆うようになっている。
【0024】
すなわち、蓋4は、円筒状部11と、この円筒状部11の上部に連接された円錐台状部12とを有し、円筒状部11の下端が鍋2の縁8に載置されるようになっている。
【0025】
この載置状態で、円筒状部11の内周側に係止部9…が係合し、円筒状部11の位置決めがなされるようになっている。
【0026】
なお、鍋2と蓋4との間からのスチームの漏れを防止するため、鍋2の縁8には、たとえば布や重石などの漏れ防止物(図示せず。)が置けるようになっている。
【0027】
また、蓋4の円筒状部11の側面には、鍋2に水を供給する供給部13が設けられている。
【0028】
この供給部13は、円筒状部11の側面に取り付けられた円筒状の供給ガイド14を有していて、この供給ガイド14から水やたとえば薬草などが鍋2に供給できるようになっている。
【0029】
この供給ガイド14は、円筒状部11の側面に傾斜して取り付けられていて、水や薬草の供給が容易にできるようになっている。
【0030】
また、この供給部13は、鍋2に供給される水を予め蓋4内のスチームで加熱する予熱容器(予熱部)15を有している。
【0031】
この予熱容器15は、有底筒状に形成され、供給ガイド14に着脱可能に内嵌するように構成されている。
【0032】
また、予熱容器15は、供給ガイド14から蓋4の内部を望む内部側底面16には、中心から偏心した位置に開口部17が形成されている。
【0033】
さらに、予熱容器15の内部側底面16と反対側の外部側底面18には、径方向外方へ延出するフランジ19が設けられ、予熱容器15が供給ガイド14から蓋4の内部に必要以上挿入されるのを阻止するようになっている。
【0034】
さらに、予熱容器15の外部側底面18には把手20が設けられ、この把手20を持って予熱容器15を供給ガイド14に出し入れすることができるとともに、予熱容器15を回転して開口部17の位置を変えることができるようになっている。
【0035】
そして、水を予熱して鍋2に供給する場合は、開口部17から予熱容器15に水を供給し、開口部17が上になる状態で供給ガイド14に嵌入し、予熱が完了したら把手20を持って予熱容器15を開口部17が下になるように回転させて予熱済みの水を鍋2に供給する。
【0036】
また、蓋4の円錐台状部12の頂部には、蓋4内に閉じ込めたスチームを外部へ導出する導出管(導出部)21が設けられている。
【0037】
この導出管21内には、
図5に示すようにスチームの導出量を調節する調節弁(調節機構)22が設けられている。
【0038】
この調節弁22は、導出管21内に回動可能に取付けられ、導出管21の外部に設けられた摘み23を操作することにより回動位置が変化し、これによりスチームの導出量を変えることができるようになっている。
【0039】
この導出管21には、
図6にも示すように、スチームをサウナルーム24に導く導管25が接続されている。
【0040】
サウナルーム24は、外観がドーム状に形成され、サウナルーム24の周りには、脱衣所からサウナルーム24に向かう回廊26が設けられている。
【0041】
また、
図7に示すように、サウナルーム24の内部は六角形の部屋になっていて、周囲に椅子27…が配置されている。
【0042】
サウナルーム24の中心部の床下には水瓶28が設けられ、床板29を外すと水瓶28に貯められた水風呂が現れるように構成されている。
【0043】
サウナルーム24の天井30には煙突状の空洞部31がサウナルーム24と同心状に連接されている。
【0044】
また、
図8に示すように、この空洞部31の天井には画像展示部(画像発生部)32が設けられ、この画像展示部32にたとえば青空などの写真が展示されるようになっている。
【0045】
また、この空洞部31の内側は、たとえば六角形などの多角形に形成され、たとえば矩形のたくさんの鏡(反射部材)33…が万華鏡のように貼り巡らされていて、画像展示部32に展示された青空の写真が鏡33…に反射して見えるようになっている。
【0046】
以上の構成によれば、スチーム発生装置1は、鍋2と蓋4が簡単に分離できる簡単な構造のため、分解が簡単で、内部の清掃が容易に行える。特に、たとえば薬草などを煎じ、そのアロマを含むスチームを発生させ後の清掃が簡単に行える。
【0047】
なお、上記実施形態では、画像発生部は、画像展示部32としたが、これに限定されることはなく、たとえば窓で構成してもよく、これにより窓から見える景色たとえば青空や夜空を鏡33…に反射して見ることができる。
【0048】
次に、スチーム発生装置1の第1変形例について説明する。
【0049】
上記実施形態では、係止部9…は、鍋2の縁8に等間隔に4か所設けたが、本変形例では、
図9に示すように、全周に亘って設けられている。
【0050】
この構成によれば、スチームの漏れを可及的に防止することができる。
【0051】
次に、スチーム発生装置1の第2変形例について説明する。
【0052】
上記実施形態では、加熱部は、かまど3で構成したが、本変形例では、
図10に示すように、五徳35で構成されている。
【0053】
この五徳35は、鍋2を受ける載置リング36と、この載置リング36から下方へ延びる複数の脚37…を備えている。
【0054】
このような構成によれば、スチーム発生装置1の移動が簡単に行える。
【0055】
次に、スチーム発生装置1の第3変形例について説明する。
【0056】
本変形例では、加熱部は、
図11に示すように、電気ヒータ装置45で構成されている。
【0057】
この電気ヒータ装置45は、鍋2を加熱する電気ヒータ42、温度や時間などを表示する表示部43、およびこれらを制御する制御部44などを備えている。
【0058】
このような構成によれば、装置の小型化が図れるばかりか、
図12に示すように、サウナルーム24内に設置することができる。
【0059】
次に、スチーム発生装置1の第4変形例について説明する。
本変形例では、加熱部は、
図13に示すように、薪ストーブ61で構成されている。
【0060】
このような構成によれば、薪ストーブ61をスチーム発生装置1に利用するので、燃料費を削減することができる。
【0061】
次に、スチーム発生装置1の第5変形例について説明する。
本変形例では、
図14に示すように、回転鍋(鍋)62が用いられている。
【0062】
この回転鍋62の底には、たとえばガス式の加熱装置(加熱部)63が取り付けられていて、ハンドル64の操作により、回転鍋62が加熱装置63とともに傾倒することができるようになっている。
【0063】
このような構成によれば、回転鍋62の清掃などを容易に行うことができる。
【0064】
次に、サウナルーム24の変形例について説明する。
【0065】
図15および
図16に示す第1変形例では、サウナルーム24の天井部が円錐状に形成され、サウナルーム24の内部に大小複数の円錐状ガイド71…が同軸に設けられている。
【0066】
また、
図17および
図18に示す第2変形例では、サウナルーム24の天井部が円錐状に形成され、サウナルーム24の内部にらせん状ガイド72が設けられている。
【0067】
さらに、サウナルーム24は、
図19に示す第3変形例ではテントで双曲面状に、
図20に示す第4変形例ではテントでドーム状に、
図21に示す第5変形例ではテントでアルコールランプ状に、それぞれ形成されている。
このように、サウナルーム24をテントで構成することにより、組立て・分解や移設が容易に行える。
【符号の説明】
【0068】
1 スチーム発生装置
2 鍋
3 加熱部(かまど)
4 蓋
13 供給部
15 予熱部(予熱容器)
21 導出部
22 調節機構(調節弁)
24 サウナルーム
25 導管
31 空洞部
32 画像発生部(画像展示部)
33 反射部材(鏡)
35 加熱部(五徳)
41 加熱部(電気ヒータ装置)
61 加熱部(薪ストーブ)