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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】電磁弁マニホールド
(51)【国際特許分類】
   F16K 35/06 20060101AFI20240425BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20240425BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
F16K35/06
F16K31/06 305K
F16K27/00 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021158293
(22)【出願日】2021-09-28
(65)【公開番号】P2023048784
(43)【公開日】2023-04-07
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡本 信一
(72)【発明者】
【氏名】荻野 育朗
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
(72)【発明者】
【氏名】林 清信
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-309262(JP,A)
【文献】実開昭61-197364(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0004045(KR,A)
【文献】米国特許第4522373(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 35/00-35/16
F16K 31/06-31/11
F16K 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁弁と、
前記電磁弁を搭載するとともに供給流路、出力流路、及び排出流路が形成されたマニホールドベースと、
前記マニホールドベース及び前記電磁弁の間に介在されるスペーサと、を備え、
前記電磁弁は、
弁孔が形成されたバルブケーシングと、
前記弁孔に移動可能に収容される弁体と、
前記バルブケーシングに形成されるとともに前記弁孔にそれぞれ連通する供給ポート、出力ポート、及び排出ポートと、を有し、
前記スペーサは、
軸孔が形成されたスペーサブロックと、
前記軸孔に移動可能に収容される手動軸と、を有し、
前記スペーサブロックには、
前記供給流路と前記供給ポートとを連通する供給連通流路と、
前記排出流路と前記排出ポートとを連通する排出連通流路と、
前記軸孔に連通するとともに前記出力流路と前記出力ポートとを連通する出力連通流路と、が形成され、
前記出力流路を流れる流体によって前記出力流路に接続された流体圧機器の動作が行われ、
前記手動軸は、手動操作により、前記出力連通流路を介した前記出力流路と前記出力ポートとの連通を許容する第1切換位置と、前記出力連通流路を介した前記出力流路と前記出力ポートとの連通を遮断する第2切換位置と、に切換可能である電磁弁マニホールド。
【請求項2】
前記スペーサブロックには、前記手動軸が前記第2切換位置に位置した状態で、前記手動軸の手動操作を不能にするために施錠される施錠部材が取付可能になっている請求項1に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項3】
前記軸孔は、前記スペーサブロックの端面に開口する開口部を有し、
前記手動軸は、前記開口部を介して手動操作され、
前記スペーサブロックは、前記手動軸が前記第2切換位置に位置するときに、前記軸孔における前記手動軸よりも前記開口部寄りの部分に連通するように前記スペーサブロックを貫通する一対の貫通孔を有し、
前記一対の貫通孔は、前記軸孔の軸線を挟んだ両側にそれぞれ位置しており、
前記一対の貫通孔には、前記手動軸が前記第2切換位置に位置するときに、前記施錠部材である南京錠の腕部が前記開口部の一部を閉塞した状態で挿通可能である請求項2に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項4】
前記スペーサは、
前記軸孔の内側に突出する挿入部材と、
前記軸孔内に収容されるとともに前記手動軸を前記第1切換位置に向けて付勢する付勢力を前記手動軸に付与する付勢部材と、を有し、
前記手動軸は、
前記挿入部材が挿入された状態で前記手動軸における前記軸孔に対する移動を許容するとともに前記手動軸における前記軸孔内での前記手動軸の軸線を回転中心とした回転を規制するノンロック孔と、
前記ノンロック孔に前記挿入部材が挿入された状態で、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記手動軸が前記第1切換位置から前記第2切換位置まで移動した後に、前記挿入部材が挿入された状態で前記手動軸における前記軸孔内での前記手動軸の軸線を回転中心とした回転を許容し、前記手動軸の回転後に前記手動軸における前記付勢部材の付勢力による前記第1切換位置に向けた移動を規制するロック孔と、
前記開口部の一部を閉塞する前記腕部が係止される被係止部と、を有し、
前記手動軸は、前記手動軸が前記第2切換位置に位置し、且つ前記ロック孔によって前記手動軸における前記付勢部材の付勢力による前記第1切換位置に向けた移動が規制されているときに、前記腕部が前記被係止部に係止されることにより前記手動軸の回転が規制される請求項3に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項5】
前記一対の貫通孔の軸心は一致しており、
前記被係止部は、前記手動軸が前記第2切換位置に位置し、且つ前記ロック孔によって前記手動軸における前記付勢部材の付勢力による前記第1切換位置に向けた移動が規制されているとき、前記手動軸の端面を前記一対の貫通孔の軸心が延びる方向と同一方向へ横切る溝である請求項4に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項6】
前記出力連通流路は、
前記軸孔の内周面に開口するとともに前記出力ポートと前記軸孔とを連通する第1流路と、
前記軸孔の内周面に開口するとともに前記出力流路と前記軸孔とを連通する第2流路と、を含み、
前記軸孔は、
前記第1流路が開口する第1孔と、前記第1流路における前記第1孔の内周面に対する開口に連続するとともに前記第2流路が開口する第2孔と、を含み、
前記第2孔の内径は、前記第1孔の内径よりも小さく、
前記手動軸は、弁部を有し、
前記第2孔の内周面において、前記第1流路における前記第1孔の内周面に対する開口と前記第2流路における前記第2孔の内周面に対する開口との間の部位は、前記弁部が着座可能な弁座になっており、
前記手動軸が前記第1切換位置に位置すると、前記弁部は、前記第1孔の内側に位置して、前記軸孔を介した前記第1流路と前記第2流路との連通を許容するとともに、前記手動軸が前記第2切換位置に位置すると、前記弁部は、前記弁座に着座して、前記軸孔を介した前記第1流路と前記第2流路との連通を遮断する請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項7】
前記電磁弁は、複数並設されており、
前記スペーサは、前記各電磁弁及び前記マニホールドベースの間にそれぞれ介在された状態で前記電磁弁の並設方向と同一方向に複数並設されており、
前記一対の貫通孔は、前記スペーサブロックを前記スペーサの並設方向に貫通しており、
前記各スペーサの前記各一対の貫通孔は、前記スペーサの並設方向で重なっており、
前記溝は、前記手動軸が前記第2切換位置に位置するとき、前記スペーサの並設方向に延びている請求項5に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項8】
前記一対の貫通孔は、
一対の第1貫通孔と、
前記一対の第1貫通孔の軸心が延びる方向と直交する方向に軸心が延びる一対の第2貫通孔と、を含み、
前記溝は、
前記手動軸が前記第2切換位置に位置し、且つ前記ロック孔によって前記手動軸における前記付勢部材の付勢力による前記第1切換位置に向けた移動が規制されているとき、前記手動軸の端面を前記一対の第1貫通孔の軸心が延びる方向と同一方向へ横切る第1溝と、
前記手動軸が前記第2切換位置に位置し、且つ前記ロック孔によって前記手動軸における前記付勢部材の付勢力による前記第1切換位置に向けた移動が規制されているとき、前記手動軸の端面を前記一対の第2貫通孔の軸心が延びる方向と同一方向へ横切る第2溝と、を含む請求項7に記載の電磁弁マニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁マニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁弁マニホールドは、電磁弁と、電磁弁を搭載するマニホールドベースと、を備えている。マニホールドベースには、供給流路、出力流路、及び排出流路が形成されている。電磁弁は、バルブケーシングと、弁体と、を有している。バルブケーシングには、弁孔と、供給ポート、出力ポート、及び排出ポートと、が形成されている。供給ポート、出力ポート、及び排出ポートは、弁孔にそれぞれ連通している。供給ポートは、マニホールドベースの供給流路に連通している。出力ポートは、マニホールドベースの出力流路に連通している。排出ポートは、マニホールドベースの排出流路に連通している。弁体は、弁孔に移動可能に収容されている。そして、弁体が弁孔内を移動することにより、各ポート間の連通が切り換えられ、出力流路を流れる流体によって出力流路に接続された流体圧機器の動作が行われる。
【0003】
ここで、例えば特許文献1には、マニホールドベース及び電磁弁の間にストッパバルブが介在されている電磁弁マニホールドが開示されている。ストッパバルブは、第1切換位置と第2切換位置とに切換可能なスプールを備えている。そして、例えば、スプールが第1切換位置に切り換わると、供給ポートと供給流路との連通、出力ポートと出力流路との連通、及び排出ポートと排出流路との連通それぞれが許容される。一方で、例えば、スプールが第2切換位置に切り換わると、供給ポートと供給流路との連通、及び排出ポートと排出流路との連通それぞれが遮断される。また、スプールが第2切換位置に位置している場合、出力ポートと出力流路との連通は許容されている。したがって、スプールが第2切換位置に位置すると、出力ポートと出力流路との連通のみが許容されている。そして、スプールが第2切換位置に位置すると、排出ポートと排出流路との連通が遮断されているため、出力流路の流体が、出力ポート及び排出ポートを介して排出流路から外部へ排出されることが無い。その結果、出力流路と流体圧機器との間の流体の圧力が維持されることになり、流体圧機器の動作が停止されることになる。このような電磁弁マニホールドによれば、例えば、作業者がメンテナンス作業を行う際に、スプールを第2切換位置に切り換えることで、流体圧機器の動作を停止させておくことができるため、作業者が安全にメンテナンス作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭61-197364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、ストッパバルブのスプールが第2切換位置に位置しているとき、出力ポートと出力流路との連通が許容されている。よって、スプールが第2切換位置に位置していたとしても、出力ポートから流体圧機器までの経路が遮断されていない。したがって、スプールが第2切換位置に位置しているときに、例えば、電磁弁の弁体が誤動作すると、出力ポート側の流体の圧力が変化することに伴い、出力流路と流体圧機器との間の流体の圧力にも変化が生じる虞がある。出力流路と流体圧機器との間の流体の圧力の変化が生じると、出力流路と流体圧機器との間の流体の圧力が維持されなくなって、流体圧機器が誤動作する可能性がある。このように、スプールを第2切換位置に切り換えたとしても、流体圧機器が誤動作する虞があるため、信頼性の面で改善の余地が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための電磁弁マニホールドは、電磁弁と、前記電磁弁を搭載するとともに供給流路、出力流路、及び排出流路が形成されたマニホールドベースと、前記マニホールドベース及び前記電磁弁の間に介在されるスペーサと、を備え、前記電磁弁は、弁孔が形成されたバルブケーシングと、前記弁孔に移動可能に収容される弁体と、前記バルブケーシングに形成されるとともに前記弁孔にそれぞれ連通する供給ポート、出力ポート、及び排出ポートと、を有し、前記スペーサは、軸孔が形成されたスペーサブロックと、前記軸孔に移動可能に収容される手動軸と、を有し、前記スペーサブロックには、前記供給流路と前記供給ポートとを連通する供給連通流路と、前記排出流路と前記排出ポートとを連通する排出連通流路と、前記軸孔に連通するとともに前記出力流路と前記出力ポートとを連通する出力連通流路と、が形成され、前記出力流路を流れる流体によって前記出力流路に接続された流体圧機器の動作が行われ、前記手動軸は、手動操作により、前記出力連通流路を介した前記出力流路と前記出力ポートとの連通を許容する第1切換位置と、前記出力連通流路を介した前記出力流路と前記出力ポートとの連通を遮断する第2切換位置と、に切換可能である。
【0007】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記スペーサブロックには、前記手動軸が前記第2切換位置に位置した状態で、前記手動軸の手動操作を不能にするために施錠される施錠部材が取付可能になっているとよい。
【0008】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記軸孔は、前記スペーサブロックの端面に開口する開口部を有し、前記手動軸は、前記開口部を介して手動操作され、前記スペーサブロックは、前記手動軸が前記第2切換位置に位置するときに、前記軸孔における前記手動軸よりも前記開口部寄りの部分に連通するように前記スペーサブロックを貫通する一対の貫通孔を有し、前記一対の貫通孔は、前記軸孔の軸線を挟んだ両側にそれぞれ位置しており、前記一対の貫通孔には、前記手動軸が前記第2切換位置に位置するときに、前記施錠部材である南京錠の腕部が前記開口部の一部を閉塞した状態で挿通可能であるとよい。
【0009】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記スペーサは、前記軸孔の内側に突出する挿入部材と、前記軸孔内に収容されるとともに前記手動軸を前記第1切換位置に向けて付勢する付勢力を前記手動軸に付与する付勢部材と、を有し、前記手動軸は、前記挿入部材が挿入された状態で前記手動軸における前記軸孔に対する移動を許容するとともに前記手動軸における前記軸孔内での前記手動軸の軸線を回転中心とした回転を規制するノンロック孔と、前記ノンロック孔に前記挿入部材が挿入された状態で、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記手動軸が前記第1切換位置から前記第2切換位置まで移動した後に、前記挿入部材が挿入された状態で前記手動軸における前記軸孔内での前記手動軸の軸線を回転中心とした回転を許容し、前記手動軸の回転後に前記手動軸における前記付勢部材の付勢力による前記第1切換位置に向けた移動を規制するロック孔と、前記開口部の一部を閉塞する前記腕部が係止される被係止部と、を有し、前記手動軸は、前記手動軸が前記第2切換位置に位置し、且つ前記ロック孔によって前記手動軸における前記付勢部材の付勢力による前記第1切換位置に向けた移動が規制されているときに、前記腕部が前記被係止部に係止されることにより前記手動軸の回転が規制されるとよい。
【0010】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記一対の貫通孔の軸心は一致しており、前記被係止部は、前記手動軸が前記第2切換位置に位置し、且つ前記ロック孔によって前記手動軸における前記付勢部材の付勢力による前記第1切換位置に向けた移動が規制されているとき、前記手動軸の端面を前記一対の貫通孔の軸心が延びる方向と同一方向へ横切る溝であるとよい。
【0011】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記出力連通流路は、前記軸孔の内周面に開口するとともに前記出力ポートと前記軸孔とを連通する第1流路と、前記軸孔の内周面に開口するとともに前記出力流路と前記軸孔とを連通する第2流路と、を含み、前記軸孔は、前記第1流路が開口する第1孔と、前記第1流路における前記第1孔の内周面に対する開口に連続するとともに前記第2流路が開口する第2孔と、を含み、前記第2孔の内径は、前記第1孔の内径よりも小さく、前記手動軸は、弁部を有し、前記第2孔の内周面において、前記第1流路における前記第1孔の内周面に対する開口と前記第2流路における前記第2孔の内周面に対する開口との間の部位は、前記弁部が着座可能な弁座になっており、前記手動軸が前記第1切換位置に位置すると、前記弁部は、前記第1孔の内側に位置して、前記軸孔を介した前記第1流路と前記第2流路との連通を許容するとともに、前記手動軸が前記第2切換位置に位置すると、前記弁部は、前記弁座に着座して、前記軸孔を介した前記第1流路と前記第2流路との連通を遮断するとよい。
【0012】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記電磁弁は、複数並設されており、前記スペーサは、前記各電磁弁及び前記マニホールドベースの間にそれぞれ介在された状態で前記電磁弁の並設方向と同一方向に複数並設されており、前記一対の貫通孔は、前記スペーサブロックを前記スペーサの並設方向に貫通しており、前記各スペーサの前記各一対の貫通孔は、前記スペーサの並設方向で重なっており、前記溝は、前記手動軸が前記第2切換位置に位置するとき、前記スペーサの並設方向に延びているとよい。
【0013】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記一対の貫通孔は、一対の第1貫通孔と、前記一対の第1貫通孔の軸心が延びる方向と直交する方向に軸心が延びる一対の第2貫通孔と、を含み、前記溝は、前記手動軸が前記第2切換位置に位置し、且つ前記ロック孔によって前記手動軸における前記付勢部材の付勢力による前記第1切換位置に向けた移動が規制されているとき、前記手動軸の端面を前記一対の第1貫通孔の軸心が延びる方向と同一方向へ横切る第1溝と、前記手動軸が前記第2切換位置に位置し、且つ前記ロック孔によって前記手動軸における前記付勢部材の付勢力による前記第1切換位置に向けた移動が規制されているとき、前記手動軸の端面を前記一対の第2貫通孔の軸心が延びる方向と同一方向へ横切る第2溝と、を含むとよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態における電磁弁マニホールドを示す斜視図である。
図2】手動軸が第1切換位置に位置するときの流体の流れを示す断面図である。
図3】手動軸が第1切換位置に位置するときのスペーサを拡大して示す断面図である。
図4】手動軸が第2切換位置に位置するときの流体の流れを示す断面図である。
図5】手動軸が第2切換位置に位置するときのスペーサを拡大して示す断面図である。
図6】スペーサの一部を示す斜視図である。
図7】南京錠がスペーサに取り付けられている状態を模式的に示す斜視図である。
図8】別の実施形態における電磁弁マニホールドを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、電磁弁マニホールドを具体化した一実施例を図1図7にしたがって説明する。
<電磁弁マニホールド10の全体構成>
図1に示すように、電磁弁マニホールド10は、電磁弁11と、四角ブロック状のマニホールドベース20と、スペーサ30と、を備えている。電磁弁11は、複数並設されている。スペーサ30は、マニホールドベース20及び電磁弁11の間に介在されている。スペーサ30は、各電磁弁11及びマニホールドベース20の間にそれぞれ介在された状態で電磁弁11の並設方向と同一方向に複数並設されている。なお、スペーサ30の並設方向を、以下の説明において「並設方向Y1」と記載する。
【0017】
各電磁弁11は、各スペーサ30を介してマニホールドベース20の搭載面20aに搭載されている。したがって、マニホールドベース20は、各電磁弁11を搭載する。各電磁弁11は、マニホールドベース20及び各スペーサ30と共に電磁弁マニホールド10を構成している。
【0018】
<電磁弁11の構成>
図2に示すように、各電磁弁11は、細長四角ブロック状のバルブケーシング12を有している。バルブケーシング12は、細長四角ブロック状のケーシング本体13と、第1連結ブロック14と、第2連結ブロック15と、を有している。ケーシング本体13は、例えば、アルミ合金製である。第1連結ブロック14及び第2連結ブロック15は、例えば、合成樹脂材料製である。ケーシング本体13は、スペーサ30に対向する本体対向面13aを有している。第1連結ブロック14は、ケーシング本体13の長手方向の第1端に連結されている。第2連結ブロック15は、ケーシング本体13の長手方向の第2端に連結されている。
【0019】
<弁孔16について>
ケーシング本体13には、円孔状の弁孔16が形成されている。したがって、バルブケーシング12には、弁孔16が形成されている。弁孔16は、ケーシング本体13の長手方向に延びている。弁孔16の第1端部は、ケーシング本体13の長手方向の第1端面に開口している。弁孔16の第2端部は、ケーシング本体13の長手方向の第2端面に開口している。よって、弁孔16は、ケーシング本体13の長手方向に貫通している。弁孔16内には、弁体としてのスプール弁17が弁孔16内を往復動可能な状態で収容されている。したがって、スプール弁17は、弁孔16に移動可能に収容されている。
【0020】
ケーシング本体13には、弁孔16にそれぞれ連通する供給ポートP1、第1出力ポートA1、第2出力ポートA2、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2が形成されている。したがって、電磁弁11は、バルブケーシング12に形成されるとともに弁孔16にそれぞれ連通する供給ポートP1、第1出力ポートA1、第2出力ポートA2、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2を有している。第1出力ポートA1及び第2出力ポートA2は、バルブケーシング12に形成された出力ポートである。第1排出ポートR1及び第2排出ポートR2は、バルブケーシング12に形成された排出ポートである。本実施形態の電磁弁11は、5ポート電磁弁である。
【0021】
供給ポートP1、第1出力ポートA1、第2出力ポートA2、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2は、ケーシング本体13の長手方向の第1端から第2端に向かうにつれて、第1排出ポートR1、第1出力ポートA1、供給ポートP1、第2出力ポートA2、及び第2排出ポートR2の順に並んでケーシング本体13に形成されている。供給ポートP1、第1出力ポートA1、第2出力ポートA2、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2それぞれの第1端は弁孔16に連通している。供給ポートP1、第1出力ポートA1、第2出力ポートA2、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2それぞれの第2端は、ケーシング本体13の本体対向面13aに開口している。
【0022】
<第1ピストン18及び第2ピストン19について>
各電磁弁11は、第1ピストン18と、第2ピストン19と、を有している。第1ピストンは、円板状である。第1ピストン18は、スプール弁17の第1端に連結されている。第1ピストン18は、スプール弁17と一体的に移動する。第2ピストン19は、円板状である。第2ピストン19は、スプール弁17の第2端に連結されている。第2ピストン19は、スプール弁17と一体的に移動する。
【0023】
<第1パイロット室14c及び第2パイロット室15cについて>
第1連結ブロック14には、円孔状の第1ピストン収容凹部14bが形成されている。第1ピストン収容凹部14bには、第1ピストン18が往復動可能に収容されている。そして、第1ピストン収容凹部14bと、第1ピストン18と、によって第1パイロット圧作用室14cが区画されている。第1パイロット圧作用室14cには、パイロット流体が給排される。
【0024】
第2連結ブロック15には、円孔状の第2ピストン収容凹部15bが形成されている。第2ピストン収容凹部15bには、第2ピストン19が往復動可能に収容されている。そして、第2ピストン収容凹部15bと、第2ピストン19と、によって第2パイロット圧作用室15cが区画されている。第2パイロット圧作用室15cには、パイロット流体が給排される。
【0025】
電磁弁11は、第1パイロット弁V1と、第2パイロット弁V2と、を有している。したがって、電磁弁11は、ダブルソレノイドタイプのパイロット形電磁弁である。第1パイロット弁V1及び第2パイロット弁V2に対する電圧の印加は、例えば、図示しないプログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の外部制御機器によって行われる。
【0026】
<スプール弁17の第1位置及び第2位置について>
スプール弁17は、第1位置と、第2位置と、に切り換え可能である。例えば、第1パイロット弁V1への電圧の印加が行われており、第2パイロット弁V2への電圧の印加が停止されているとする。すると、第1パイロット弁V1によって、図示しない流体供給源からの圧縮された流体が第1パイロット圧作用室14cにパイロット流体として供給される。一方で、第2パイロット弁V2によって、第2パイロット圧作用室15c内のパイロット流体が大気へ排出される。これにより、スプール弁17が第2ピストン収容凹部15bに向けて移動する。その結果、スプール弁17は、供給ポートP1と第1出力ポートA1とを連通し、且つ第2出力ポートA2と第2排出ポートR2とを連通する第1位置に切り換わる。また、スプール弁17が第1位置に切り換わると、供給ポートP1と第2出力ポートA2との間が遮断されるとともに、第1出力ポートA1と第1排出ポートR1との間が遮断される。なお、図2では、流体の流れをドットハッチングで示している。
【0027】
また、例えば、第1パイロット弁V1への電圧の印加が停止されており、第2パイロット弁V2への電圧の印加が行われているとする。すると、第2パイロット弁V2によって、流体供給源からの圧縮された流体が第2パイロット圧作用室15cにパイロット流体として供給される。一方で、第1パイロット弁V1によって、第1パイロット圧作用室14c内のパイロット流体が大気へ排出される。これにより、スプール弁17が第1ピストン収容凹部14bに向けて移動する。その結果、スプール弁17は、供給ポートP1と第2出力ポートA2とを連通し、且つ第1出力ポートA1と第1排出ポートR1とを連通する第2位置に切り換わる。また、スプール弁17が第2位置に切り換わると、供給ポートP1と第1出力ポートA1との間が遮断されるとともに、第2出力ポートA2と第2排出ポートR2との間が遮断される。
【0028】
よって、第1パイロット弁V1における第1パイロット圧作用室14cに対するパイロット流体の給排、及び第2パイロット弁V2における第2パイロット圧作用室15cに対するパイロット流体の給排が行われることにより、スプール弁17が第1位置と第2位置との間で弁孔16を往復動する。そして、スプール弁17が第1位置と第2位置とに切り換わることにより、各ポート間の連通が切り換えられる。
【0029】
<マニホールドベース20の構成>
マニホールドベース20には、供給流路21、第1出力流路22、第2出力流路23、第1排出流路24、及び第2排出流路25、が形成されている。第1出力流路22及び第2出力流路23は、マニホールドベース20に形成された出力流路である。第1排出流路24及び第2排出流路25は、マニホールドベース20に形成された排出流路である。供給流路21、第1出力流路22、第2出力流路23、第1排出流路24、及び第2排出流路25は、搭載面20aに開口している。
【0030】
供給流路21における搭載面20aとは反対側の端部は、例えば、配管等を介して、図示しない流体供給源に接続されている。第1出力流路22における搭載面20aとは反対側の端部は、第1配管T1を介して、流体圧機器としてのアクチュエータX1に接続されている。なお、第1配管T1は、第1継手T10を介してマニホールドベース20に接続されている。第2出力流路23における搭載面20aとは反対側の端部は、第2配管T2を介して、アクチュエータX1に接続されている。なお、第2配管T2は、第2継手T20を介してマニホールドベース20に接続されている。第1出力流路22における搭載面20aとは反対側の端部、及び第2出力流路23における搭載面20aとは反対側の端部は、マニホールドベース20の一側面20bに開口している。第1排出流路24における搭載面20aとは反対側の端部、及び第2排出流路25における搭載面20aとは反対側の端部は、大気にそれぞれ連通している。
【0031】
なお、アクチュエータX1は、シリンダチューブX2を備えている。シリンダチューブX2内には、ピストンX3が往復動可能に収容されている。ピストンX3には、ピストンロッドX4が一体的に設けられている。ピストンロッドX4は、シリンダチューブX2に対して出没可能である。シリンダチューブX2内は、ピストンX3によって第1圧力作用室X5と、第2圧力作用室X6と、に区画されている。ピストンロッドX4は、ピストンX3に一体的に設けられている。第1出力流路22は、第1配管T1を介して第1圧力作用室X5に連通している。第2出力流路23は、第2配管T2を介して第2圧力作用室X6に連通している。
【0032】
<スペーサ30の構成>
図3に示すように、各スペーサ30は、スペーサブロック31を有している。スペーサブロック31は、長四角ブロック状である。スペーサブロック31は、バルブケーシング12に対向する第1対向面31aと、マニホールドベース20に対向する第2対向面31bと、を有している。スペーサブロック31の長手方向は、バルブケーシング12の長手方向と一致している。
【0033】
スペーサブロック31には、円孔状の軸孔37が形成されている。軸孔37は、スペーサブロック31の長手方向に延びている。軸孔37の第1端は、スペーサブロック31の長手方向の端面である第1端面31cに開口している。したがって、軸孔37は、スペーサブロック31の端面に開口する開口部37aを有している。なお、スペーサブロック31の第1端面31cは、マニホールドベース20の一側面20bとは反対側に位置している。
【0034】
スペーサブロック31には、供給連通流路32、第1出力連通流路33、第2出力連通流路34、第1排出連通流路35、及び第2排出連通流路36が形成されている。第1出力連通流路33及び第2出力連通流路34は、スペーサブロック31に形成された出力連通流路である。第1排出連通流路35及び第2排出連通流路36は、スペーサブロック31に形成された排出連通流路である。
【0035】
<供給連通流路32について>
供給連通流路32の第1端は、第1対向面31aに開口するとともに供給ポートP1に連通している。供給連通流路32の第2端は、第2対向面31bに開口するとともに供給流路21に連通している。したがって、供給連通流路32は、供給流路21と供給ポートP1とを連通する。よって、供給流路21と供給ポートP1とは、供給連通流路32を介して連通している。供給連通流路32は、軸孔37を避けるように第1対向面31aと第2対向面31bとの間で延びている。
【0036】
<第1出力連通流路33について>
第1出力連通流路33は、第1流路33aと、第2流路33bと、を含む。第1流路33aの第1端は、第1対向面31aに開口するとともに第1出力ポートA1に連通している。第1流路33aの第2端は、軸孔37に連通している。よって、第1流路33aは、軸孔37の内周面に開口するとともに第1出力ポートA1と軸孔37とを連通する。
【0037】
第2流路33bの第1端は、第2対向面31bに開口するとともに第1出力流路22に連通している。第2流路33bの第2端は、軸孔37に連通している。よって、第2流路33bは、軸孔37の内周面に開口するとともに第1出力流路22と軸孔37とを連通する。そして、第1出力連通流路33は、軸孔37に連通するとともに第1出力流路22と第1出力ポートA1とを連通する。したがって、第1出力流路22と第1出力ポートA1とは、第1出力連通流路33を介して連通している。
【0038】
<第2出力連通流路34について>
第2出力連通流路34は、第1流路34aと、第2流路34bと、を含む。第1流路34aの第1端は、第1対向面31aに開口するとともに第2出力ポートA2に連通している。第1流路34aの第2端は、軸孔37に連通している。よって、第1流路34aは、軸孔37の内周面に開口するとともに第2出力ポートA2と軸孔37とを連通する。
【0039】
第2流路34bの第1端は、第2対向面31bに開口するとともに第2出力流路23に連通している。第2流路34bの第2端は、軸孔37に連通している。よって、第2流路34bは、軸孔37の内周面に開口するとともに第2出力流路23と軸孔37とを連通する。そして、第2出力連通流路34は、軸孔37に連通するとともに第2出力流路23と第2出力ポートA2とを連通する。したがって、第2出力流路23と第2出力ポートA2とは、第2出力連通流路34を介して連通している。
【0040】
<第1排出連通流路35について>
第1排出連通流路35の第1端は、第1対向面31aに開口するとともに第1排出ポートR1に連通している。第1排出連通流路35の第2端は、第2対向面31bに開口するとともに第1排出流路24に連通している。したがって、第1排出連通流路35は、第1排出流路24と第1排出ポートR1とを連通している。よって、第1排出流路24と第1排出ポートR1とは、第1排出連通流路35を介して連通している。第1排出連通流路35は、軸孔37を避けるように第1対向面31aと第2対向面31bとの間で延びている。
【0041】
<第2排出連通流路36について>
第2排出連通流路36の第1端は、第1対向面31aに開口するとともに第2排出ポートR2に連通している。第2排出連通流路36の第2端は、第2対向面31bに開口するとともに第2排出流路25に連通している。したがって、第2排出連通流路36は、第2排出流路25と第2排出ポートR2とを連通している。よって、第2排出流路25と第2排出ポートR2とは、第2排出連通流路36を介して連通している。
【0042】
<軸孔37の構成>
軸孔37は、第1軸孔38、第2軸孔39、第3軸孔40、第4軸孔41、及び第5軸孔42を有している。第1軸孔38、第2軸孔39、第3軸孔40、第4軸孔41、及び第5軸孔42は、軸孔37の第1端から第2端に向かうにつれて第1軸孔38、第2軸孔39、第3軸孔40、第4軸孔41、及び第5軸孔42の順に並んでいる。第1軸孔38は、軸孔37の開口部37aに連続している。
【0043】
第2軸孔39は、第1軸孔38に連続している。第2軸孔39には、第1出力連通流路33の第1流路33aが開口している。したがって、第2軸孔39は、第1流路33aが開口する第1孔である。第2軸孔39の内径は、第1軸孔38の内径よりも小さい。
【0044】
第3軸孔40は、第2軸孔39に連続している。第3軸孔40は、第1出力連通流路33の第1流路33aにおける第2軸孔39の内周面に対する開口H1に連続している。第3軸孔40には、第1出力連通流路33の第2流路33bが開口している。したがって、第3軸孔40は、第1流路33aにおける第2軸孔39の内周面に対する開口H1に連続するとともに第2流路33bが開口する第2孔である。第3軸孔40の内径は、第2軸孔39の内径よりも小さい。第3軸孔40の内周面において、第1流路33aにおける第2軸孔39の内周面に対する開口H1と第2流路33bにおける第3軸孔40の内周面に対する開口H2との間の部位は、弁座としての第1弁座44になっている。
【0045】
第4軸孔41は、第3軸孔40に連続している。第4軸孔41には、第2出力連通流路34の第1流路34aが開口している。したがって、第4軸孔41は、第1流路34aが開口する第1孔である。第4軸孔41の内径は、第3軸孔40の内径よりも小さい。
【0046】
第5軸孔42は、第4軸孔41に連続している。第5軸孔42は、第2出力連通流路34の第1流路34aにおける第4軸孔41の内周面に対する開口H3に連続している。第5軸孔42には、第2出力連通流路34の第2流路34bが開口している。したがって、第5軸孔42は、第1流路34aにおける第4軸孔41の内周面に対する開口H3に連続するとともに第2流路34bが開口する第2孔である。第5軸孔42の内径は、第4軸孔41の内径よりも小さい。第5軸孔42の内周面において、第1流路34aにおける第4軸孔41の内周面に対する開口H3と第2流路34bにおける第5軸孔42の内周面に対する開口H4との間の部位は、弁座としての第2弁座46になっている。
【0047】
<手動軸50の構成>
スペーサ30は、軸孔37に移動可能に収容される手動軸50を有している。手動軸50は、円柱状である。手動軸50は、手動軸50の軸線方向で互いに離間する第1弁部51、第2弁部52、第3弁部53、及び第4弁部54を有している。第1弁部51、第2弁部52、第3弁部53、及び第4弁部54は、手動軸50の第1端から第2端に向かうにつれて、第4弁部54、第3弁部53、第2弁部52、及び第1弁部51の順に配列されている。第1弁部51の外径、第2弁部52の外径、第3弁部53の外径、及び第4弁部54の外径は、手動軸50の第1端から第2端に向かうにつれて大きくなっている。
【0048】
第1弁部51の外周面には、円環状の第1シール部材51aが装着されている。第1シール部材51aは、ゴム製である。第1シール部材51aにおける弾性変形する前の外径は、第1軸孔38の内径よりも小さく、且つ第2軸孔39の内径よりも大きい。第1シール部材51aは、第1弁部51が第2軸孔39内に位置すると、第1弁部51と第2軸孔39の内周面との間で弾性変形する。そして、第1シール部材51aは、第2軸孔39の内周面に密着する。これにより、第2軸孔39と手動軸50との間が第1シール部材51aによってシールされる。
【0049】
第2弁部52は、第1弁座44に着座可能である。したがって、第2弁部52は、第1弁座44に着座可能な弁部であり、第1弁座44は、第2弁部52が着座可能な弁座である。具体的には、第2弁部52の外周面には、円環状の第2シール部材52aが装着されている。第2シール部材52aは、ゴム製である。第2シール部材52aにおける弾性変形する前の外径は、第2軸孔39の内径よりも小さく、且つ第3軸孔40の内径よりも大きい。第2シール部材52aは、第2弁部52が第1弁座44に着座すると、第2弁部52と第1弁座44との間で弾性変形する。そして、第2シール部材52aは、第1弁座44に密着する。これにより、第1弁座44と手動軸50との間が第2シール部材52aによってシールされる。
【0050】
第3弁部53の外周面には、円環状の第3シール部材53aが装着されている。第3シール部材53aは、ゴム製である。第3シール部材53aにおける弾性変形する前の外径は、第3軸孔40の内径よりも小さく、且つ第4軸孔41の内径よりも大きい。第3シール部材53aは、第3弁部53が第4軸孔41内に位置すると、第3弁部53と第4軸孔41の内周面との間で弾性変形する。そして、第3シール部材53aは、第4軸孔41の内周面に密着する。これにより、第4軸孔41と手動軸50との間が第3シール部材53aによってシールされる。
【0051】
第4弁部54は、第2弁座46に着座可能である。したがって、第4弁部54は、第2弁座46に着座可能な弁部であり、第2弁座46は、第4弁部54が着座可能な弁座である。具体的には、第4弁部54の外周面には、円環状の第4シール部材54aが装着されている。第4シール部材54aは、ゴム製である。第4シール部材54aにおける弾性変形する前の外径は、第4軸孔41の内径よりも小さく、且つ第5軸孔42の内径よりも大きい。第4シール部材54aは、第4弁部54が第2弁座46に着座すると、第4弁部54と第2弁座46との間で弾性変形する。そして、第4シール部材54aは、第2弁座46に密着する。これにより、第2弁座46と手動軸50との間が第4シール部材54aによってシールされる。
【0052】
<第1切換位置及び第2切換位置について>
手動軸50は、開口部37aを介して手動操作される。手動軸50は、手動操作により、第1切換位置と、第2切換位置と、に切換可能である。手動軸50は、第1切換位置では、第1出力連通流路33を介して第1出力流路22と第1出力ポートA1との連通、及び第2出力連通流路34を介した第2出力流路23と第2出力ポートA2との連通を許容する。具体的には、手動軸50が第1切換位置に位置すると、第2弁部52は、第2軸孔39の内側に位置して、軸孔37を介した第1流路33aと第2流路33bとの連通を許容する。さらに、手動軸50が第1切換位置に位置すると、第4弁部54は、第4軸孔41の内側に位置して、軸孔37を介した第1流路34aと第2流路34bとの連通を許容する。
【0053】
図4及び図5に示すように、手動軸50は、第2切換位置では、第1出力連通流路33を介した第1出力流路22と第1出力ポートA1との連通、及び第2出力連通流路34を介した第2出力流路23と第2出力ポートA2との連通を遮断する。具体的には、手動軸50が第2切換位置に位置すると、第2弁部52は、第1弁座44に着座して、軸孔37を介した第1流路33aと第2流路33bとの連通を遮断する。さらに、手動軸50が第2切換位置に位置すると、第4弁部54は、第2弁座46に着座して、軸孔37を介した第1流路34aと第2流路34bとの連通を遮断する。
【0054】
<固定ピン55及び付勢ばね56の構成>
図3に示すように、スペーサ30は、挿入部材としての固定ピン55と、付勢部材としての付勢ばね56と、を有している。固定ピン55は、細長円柱状である。固定ピン55は、軸孔37の内側に突出している。
【0055】
付勢ばね56は、軸孔37内に収容されている。付勢ばね56は、スペーサブロック31と手動軸50との間に介在されている。付勢ばね56の第1端は、スペーサブロック31に支持されている。付勢ばね56の第2端は、手動軸50に支持されている。付勢ばね56は、手動軸50を第1切換位置に向けて付勢する付勢力を手動軸50に付与する。
【0056】
<ノンロック孔57及びロック孔58の構成>
手動軸50は、ノンロック孔57と、ロック孔58と、を有している。ノンロック孔57は、手動軸50の外周面に開口している。ノンロック孔57は、手動軸50の軸線方向に延びている。ノンロック孔57の周方向の幅は、固定ピン55の外径よりも僅かに大きい。
【0057】
ノンロック孔57は、ノンロック孔57に固定ピン55が挿入された状態で手動軸50における軸孔37に対する移動を許容するとともに手動軸50における軸孔37内での手動軸50の軸線L1を回転中心とした回転を規制する。
【0058】
ロック孔58は、手動軸50の外周面に開口している。ロック孔58は、手動軸50の周方向に延びている。ロック孔58は、ノンロック孔57における手動軸50の第1端寄りの端部に連続している。ロック孔58は、ノンロック孔57に固定ピン55が挿入された状態で、付勢ばね56の付勢力に抗して、手動軸50が第1切換位置から第2切換位置まで移動した後に、ロック孔58に固定ピン55が挿入された状態で手動軸50における軸孔37内での手動軸50の軸線L1を回転中心とした回転を許容する。また、ロック孔58は、手動軸50の回転後に手動軸50における付勢ばね56の付勢力による第1切換位置に向けた移動を規制する。本実施形態では、ロック孔58の周方向の長さは、手動軸50における軸孔37内での手動軸50の軸線L1を回転中心として、手動軸50を90°回転させることができるような長さである。
【0059】
<第1貫通孔47及び第2貫通孔48について>
図6に示すように、スペーサブロック31は、一対の貫通孔としての一対の第1貫通孔47及び一対の第2貫通孔48を有している。したがって、一対の貫通孔は、一対の第1貫通孔47と、一対の第2貫通孔48と、を含む。図5に示すように、一対の第1貫通孔47は、手動軸50が第2切換位置に位置するときに、軸孔37における手動軸50よりも開口部37a寄りの部分に連通するようにスペーサブロック31を貫通している。一対の第1貫通孔47は、軸孔37の軸線を挟んだ両側にそれぞれ位置している。一対の第1貫通孔47の軸心は一致している。一対の第1貫通孔47の軸心が延びる方向は、軸孔37の軸線に対して直交する方向である。
【0060】
一対の第2貫通孔48は、一対の第1貫通孔47は、手動軸50が第2切換位置に位置するときに、軸孔37における手動軸50よりも開口部37a寄りの部分に連通するようにスペーサブロック31を貫通している。一対の第2貫通孔48は、軸孔37の軸線を挟んだ両側にそれぞれ位置している。一対の第2貫通孔48の軸心は一致している。一対の第2貫通孔48の軸心が延びる方向は、軸孔37の軸線に対して直交する方向である。一対の第2貫通孔48は、スペーサブロック31を並設方向Y1に貫通している。各スペーサ30の各一対の第2貫通孔48は、並設方向Y1で重なっている。一対の第2貫通孔48は、一対の第1貫通孔47の軸心が延びる方向と直交する方向に軸心が延びている。
【0061】
<第1溝59及び第2溝60の構成>
図3及び図6に示すように、手動軸50の第2端に位置する端面50aには、溝としての第1溝59及び第2溝60が形成されている。したがって、溝は、第1溝59と、第2溝60と、を含む。第1溝59及び第2溝60は、手動軸50の端面50aを横切っている。第1溝59及び第2溝60は、手動軸50の径方向に延びている。第1溝59及び第2溝60は、互いに直交するように横切っている。
【0062】
第1溝59は、手動軸50が第1切換位置に位置するとき、手動軸50の端面50aを第2貫通孔48の軸心が延びる方向と同一方向へ横切っている。第1溝59は、手動軸50が第2切換位置に位置し、且つロック孔58によって手動軸50における付勢ばね56による第1切換位置に向けた移動が規制されているとき、手動軸50の端面50aを第1貫通孔47の軸心が延びる方向と同一方向へ横切っている。
【0063】
第2溝60は、手動軸50が第1切換位置に位置するとき、手動軸50の端面50aを第1貫通孔47の軸心が延びる方向と同一方向へ横切っている。第2溝60は、手動軸50が第2切換位置に位置し、且つロック孔58によって手動軸50における付勢ばね56による第1切換位置に向けた移動が規制されているとき、手動軸50の端面50aを第2貫通孔48の軸心が延びる方向と同一方向へ横切っている。したがって、第2溝60は、手動軸50が第2切換位置に位置し、且つロック孔58によって手動軸50における付勢ばね56による第1切換位置に向けた移動が規制されているとき、手動軸50の端面50aを並設方向Y1に延びている。
【0064】
<南京錠61について>
図4及び図7に示すように、スペーサブロック31には、手動軸50が第2切換位置に位置した状態で、施錠部材としての南京錠61が取付可能になっている。南京錠61は、本体部62と、腕部63と、を有している。腕部63は、U字状である。本実施形態では、南京錠61は、腕部63が一対の第1貫通孔47それぞれに挿通されることにより、スペーサブロック31に取り付けられる。南京錠61は、スペーサブロック31における第1継手T10及び第2継手T20とは反対側に取り付けられている。南京錠61は、手動軸50の手動操作を不能にするために施錠される。腕部63は、軸孔37の開口部37aの一部を閉塞している。したがって、一対の第1貫通孔47には、手動軸50が第2切換位置に位置するときに、南京錠61の腕部63が開口部37aの一部を閉塞した状態で挿通可能である。腕部63は、第1溝59に係止されている。したがって、第1溝59は、開口部37aの一部を閉塞する腕部63が係止される被係止部である。そして、手動軸50が第2切換位置に位置し、且つロック孔58によって手動軸50における付勢ばね56の付勢力による第1切換位置に向けた移動が規制されているときに、腕部63が第1溝59に係止されることにより手動軸50の回転が規制される。よって、第1溝59は、手動軸50が第2切換位置に位置し、且つロック孔58によって手動軸50における付勢ばね56の付勢力による第1切換位置に向けた移動が規制されているとき、手動軸50の端面50aを一対の第1貫通孔47の軸心が延びる方向と同一方向へ横切る溝である。
【0065】
<作用>
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2に示すように、例えば、第1パイロット弁V1への電圧の印加が行われており、第2パイロット弁V2への電圧の印加が停止されており、スプール弁17が第1位置に位置しているとする。このとき、例えば、図3に示すように、手動軸50が第1切換位置に切り換わっていると、流体供給源からの流体が、配管を介して供給流路21、供給連通流路32、供給ポートP1、第1出力ポートA1、第1出力連通流路33、第1出力流路22、及び第1配管T1を介してアクチュエータX1の第1圧力作用室X5に供給される。アクチュエータX1の第1圧力作用室X5に流体が供給されると、ピストンX3が第2圧力作用室X6側へ押し込こまれて、ピストンロッドX4がシリンダチューブX2に対して突出する方向へ移動する。さらに、第2圧力作用室X6内の流体が、第2配管T2、第2出力流路23、第2出力連通流路34、第2出力ポートA2、第2排出ポートR2、第2排出連通流路36、第2排出流路25、及び配管を介して大気に排出される。このように、第1出力連通流路33及び第2出力連通流路34を流れる流体によって第1出力連通流路33及び第2出力連通流路34に接続されたアクチュエータX1の動作が行われる。
【0066】
ところで、メンテナンス作業を行う際には、アクチュエータX1の動作を停止させる必要がある。このとき、手動軸50は、手動操作により、第1切換位置から第2切換位置へ切り換えられる。手動操作では、まず、作業者が軸孔37の開口部37aを介して手動軸50を第2切換位置に位置するまで押し込んでいく。このとき、ノンロック孔57に固定ピン55が挿入された状態で、付勢ばね56の付勢力に抗して手動軸50が押し込まれる。そして、手動軸50を第1切換位置から第2切換位置まで移動させた後に、固定ピン55がロック孔58に挿入されるように90°回転させる。これにより、付勢ばね56の付勢力による第1切換位置に向けた手動軸50の移動が規制される。つまり、ロック孔58によって手動軸50が第2切換位置に保持される。
【0067】
図4及び図5に示すように、第2切換位置では、第1出力連通流路33を介した第1出力流路22と第1出力ポートA1との連通、及び第2出力連通流路34を介した第2出力流路23と第2出力ポートA2との連通が遮断されている。そのため、第1出力ポートA1からアクチュエータX1までの経路、及び第2出力ポートA2からアクチュエータX1までの経路が遮断されている。
【0068】
よって、手動軸50が第1切換位置から第2切換位置に切り換えられると、第1出力連通流路33を介した第1出力流路22と第1出力ポートA1との連通が遮断される。これにより、手動軸50が第2切換位置に位置しているときに、例えば、電磁弁11のスプール弁17が誤動作して、第1出力ポートA1側の流体の圧力が変化したとしても、第1出力流路22とアクチュエータX1との間の流体の圧力に変化が生じない。そのため、第1出力流路22とアクチュエータX1との間の流体の圧力が維持される。したがって、アクチュエータX1の動作が確実に停止する。その結果、メンテナンス作業は、安全に行われる。
【0069】
<効果>
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)手動軸50は、第1切換位置と、第2切換位置と、に切り換え可能である。これによれば、手動軸50は、第2切換位置に切り換わると、第1出力連通流路33を介した第1出力流路22と第1出力ポートA1との連通、及び第2出力連通流路34を介した第2出力流路23と第2出力ポートA2との連通を遮断する。したがって、第1出力ポートA1からアクチュエータX1までの経路、及び第2出力ポートA2からアクチュエータX1までの経路を遮断することができる。よって、手動軸50が第2切換位置に位置しているときに、例えば、電磁弁11のスプール弁17が誤動作して、第1出力ポートA1側の流体の圧力、又は第2出力ポートA2側の流体の圧力が変化したとしても、第1出力流路22とアクチュエータX1との間の流体の圧力、及び第2出力流路23とアクチュエータX1との間の流体の圧力に変化が生じることが無い。その結果、第1出力流路22とアクチュエータX1との間の流体の圧力、及び第2出力流路23とアクチュエータX1との間の流体の圧力が維持される。そのため、手動軸50を第2切換位置に切り換えることで、アクチュエータX1の動作を確実に停止させることができる。したがって、信頼性を向上させることができる。
【0070】
(2)スペーサブロック31には、手動軸50が第2切換位置に位置した状態で、南京錠61が取り付け可能になっている。これによれば、手動軸50が第2切換位置に位置した状態で、スペーサブロック31に南京錠61を取り付けることで、第2切換位置に位置している手動軸50の手動操作を不能にすることができる。したがって、作業者の意図しない手動軸50における第2切換位置から第1切換位置への移動が行われてしまうことを回避することができる。また、作業者が、スペーサブロック31に取り付けられた南京錠61を施錠することにより、第三者によって、作業者の意図しない手動軸50の手動操作が行われてしまうことを回避することができる。したがって、信頼性をさらに向上させることができる。
【0071】
(3)一対の第1貫通孔47には、手動軸50が第2切換位置に位置するときに、南京錠61の腕部63が開口部37aの一部を閉塞した状態で挿通されている。これによれば、南京錠61をスペーサブロック31に取り付ける際に、南京錠61の腕部63が一対の第1貫通孔47にそれぞれ挿通されるため、南京錠61におけるスペーサブロック31に対する取り付けが安定する。さらに、南京錠61は、南京錠61の腕部63が軸孔37の開口部37aの一部を閉塞した状態でスペーサブロック31に取り付けられる。そのため、第2切換位置に位置している手動軸50を、軸孔37の開口部37aを介して手動操作することを、南京錠61によって不能なものとすることができる。
【0072】
(4)腕部63は、第1溝59に係止されている。これによれば、ノンロック孔57に固定ピン55が挿入された状態で、付勢ばね56の付勢力に抗して、手動軸50を第1切換位置から第2切換位置まで移動させた後に、固定ピン55がロック孔58に挿入されながら、手動軸50の回転が許容される。そして、ロック孔58に固定ピン55が挿入されていることにより、付勢ばね56の付勢力による第1切換位置に向けた移動がロック孔58によって規制され、手動軸50が第2切換位置に保持される。さらには、手動軸50が第2切換位置に位置するときに、南京錠61の腕部63が手動軸50の第1溝59に係止される。これにより、第2切換位置での手動軸50の回転が規制される。したがって、作業者の意図しない第2切換位置での手動軸50の回転が行われてしまうことを回避することができる。よって、作業者の意図しない付勢ばね56の付勢力による手動軸50における第2切換位置から第1切換位置への移動が回避される。その結果、手動軸50が第1切換位置に勝手に切り換わってしまうことを回避することができる。したがって、信頼性をさらに向上させることができる。
【0073】
(5)一対の第1貫通孔47の軸心は、一致しており、第1溝59は、手動軸50が第2切換位置に位置するとき、第1貫通孔47の軸心が延びる方向と同一方向へ横切っている。これによれば、手動軸50が第2切換位置に位置しているときに、第1溝59が、手動軸50の端面50aを一対の第1貫通孔47の軸心が延びる方向と同一方向へ横切っている。そのため、一対の第1貫通孔47に挿通されて軸孔37の開口部37aの一部を閉塞する南京錠61の腕部63を第1溝59に容易に係止することができる。
【0074】
(6)手動軸50が第1切換位置から第2切換位置に向けて移動する際に、第2弁部52を、第1流路33aにおける第2軸孔39の内周面に対する開口H1に引っ掛かることなく、第1弁座44に着座させることができる。したがって、手動軸50の移動がスムーズに行われるため、手動軸50の手動操作性を向上させることができる。また、手動軸50が第1切換位置から第2切換位置に向けて移動する際に、第4弁部54を、第1流路34aにおける第4軸孔41の内周面に対する開口H3に引っ掛かることなく、第2弁座46に着座させることができる。したがって、手動軸50の移動がスムーズに行われるため、手動軸50の手動操作性を向上させることができる。
【0075】
(7)手動軸50は、第1溝59及び第2溝60を有し、スペーサ30は、第1貫通孔47及び第2貫通孔48を有している。これによれば、南京錠の腕部を第1貫通孔47に挿通するか、それとも、第2貫通孔48に挿通するかを、作業者が選択することができる。
【0076】
(8)南京錠61は、スペーサブロック31における第1継手T10及び第2継手T20とは反対側に取り付けられている。これによれば、スペーサ30の一対の第1貫通孔47に南京錠61の腕部63を挿通させ、スペーサ30の手動軸50の第1溝59に腕部63を係止させる際に、第1継手T10、第2継手T20、第1配管T1、及び第2配管T2と干渉し難くなる。したがって、スペーサブロック31に南京錠61のスペーサブロック31への取り付け作業性を向上させることができる。
【0077】
<変更例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0078】
図8に示すように、1つの南京錠70の腕部71を使用してもよい。これによれば、1つの南京錠70の腕部71を各スペーサ30の各一対の第2貫通孔48それぞれに挿通させつつも、各スペーサ30の手動軸50の第2溝60に腕部71を係止させることができる。そのため、例えば、各スペーサ30毎に南京錠を1つずつ用意し、各スペーサ30の各一対の第1貫通孔47に各々南京錠の腕部を挿通させ、各スペーサ30の手動軸50の第2溝60に腕部63を係止させるといった作業を行う必要が無い。したがって、作業工程を簡素化することができる。
【0079】
・ 実施形態において、手動軸50が第2溝60を有していなくてもよく、スペーサ30が一対の第2貫通孔48を有していなくてもよい。
・ 実施形態において、スペーサ30は、付勢ばね56を有していなくてもよい。この場合、例えば、手動軸50が流体の圧力によって第1切換位置に向けて付勢されており、流体の圧力によって、手動軸50が第1切換位置に切り換わる構成であってもよい。
【0080】
・ 実施形態において、南京錠61は、腕部63が開口部37aの一部を閉塞した状態で一対の第1貫通孔47に挿通されていなくてもよい。要は、手動軸50が第2切換位置に位置した状態で、南京錠61によって、手動軸50の手動操作が不能になるように、南京錠61がスペーサブロック31に取り付けられていればよい。
【0081】
・ 実施形態において、例えば、一対の第1貫通孔47の軸心が一致していなくてもよい。この場合であっても、第1貫通孔47に挿通された南京錠61の腕部63が手動軸50の一部に係止される構成であればよい。
【0082】
・ 実施形態において、スペーサブロック31に南京錠61が取付可能になっていなくてもよい。
・ 実施形態において、電磁弁11は、例えば、第2排出ポートR2を省略した4ポート電磁弁であってもよい。要は、電磁弁11は、少なくとも1つの排出ポートを有していればよい。また、電磁弁11は、供給ポート、出力ポート、及び排出ポートを有する3ポート電磁弁であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…電磁弁マニホールド、11…電磁弁、12…バルブケーシング、16…弁孔、17…弁体としてのスプール弁、20…マニホールドベース、21…供給流路、22…出力流路としての第1出力流路、23…出力流路としての第2出力流路、24…排出流路としての第1排出流路、25…排出流路としての第2排出流路、30…スペーサ、31…スペーサブロック、32…供給連通流路、33…出力連通流路としての第1出力連通流路、33a…第1流路、33b…第2流路、34…出力連通流路としての第2出力連通流路、34a…第1流路、34b…第2流路、35…排出連通流路としての第1排出連通流路、36…排出連通流路としての第2排出連通流路、37…軸孔、37a…開口部、39…第1孔である第2軸孔、40…第2孔である第3軸孔、41…第1孔である第4軸孔、42…第2孔である第5軸孔、44…弁座としての第1弁座、46…弁座としての第2弁座、47…貫通孔としての第1貫通孔、48…貫通孔としての第2貫通孔、50…手動軸、50a…端面、52…弁部としての第2弁部、54…弁部としての第4弁部、55…挿入部材としての固定ピン、56…付勢部材としての付勢ばね、57…ノンロック孔、58…ロック孔、59…被係止部である第1溝、60…被係止部である第2溝、61…施錠部材としての南京錠、63…腕部、A1…出力ポートである第1出力ポート、A2…出力ポートである第2出力ポート、H1,H2,H3,H4…開口、L1…軸線、P1…供給ポート、R1…排出ポートである第1排出ポート、R2…排出ポートである第2排出ポート、X1…流体圧機器としてのアクチュエータ、Y1…並設方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8