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特許7478742構成要素の埋め込みアレイを有するパッケージデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】構成要素の埋め込みアレイを有するパッケージデバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240425BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20240425BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20240425BHJP
   H01L 25/065 20230101ALI20240425BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20240425BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
H01L25/00 B
H01L25/08 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021539117
(86)(22)【出願日】2020-01-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 US2020012414
(87)【国際公開番号】W WO2020146282
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-09-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】62/789,021
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/793,046
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】クリシヴァサン,ヴィジャイクマー
(72)【発明者】
【氏名】パン,メンジー
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,スティーヴン ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカタラマナン,ガネシュ
(72)【発明者】
【氏名】サン,ヤン
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】丸山 高政
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/093343(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/147936(WO,A1)
【文献】特開2017-135290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K
H01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に含まれる複数の埋め込み受動素子有する埋め込み構成要素アレイ層と、
内部に形成された複数のトレースおよび複数のビアを有する、前記埋め込み構成要素アレイ層の第1の表面に隣接して存在する集積ファンアウト(InFO)層であって、前記InFO層は、前記複数の埋め込み受動素子を電気的に接続する複数の導体を備える、集積ファンアウト(InFO)層と、
前記埋め込み構成要素アレイ層の第2の表面に隣接して存在し、少なくとも前記InFO層に電気的に結合された絶縁体層であって、前記絶縁体層は、前記絶縁体層内に形成されたはんだボールを有する、絶縁体層と、
複数のビアであって、前記複数のビアは、前記埋め込み構成要素アレイ層を通過し、前記InFO層の前記複数のビアのうちのいくつか、および、前記複数のはんだボールに電気的に結合され、それにより、前記絶縁体層を前記埋め込み構成要素アレイ層に電気的に結合する、複数のビアと、を備える、構造。
【請求項2】
前記InFO層への電気接続を提供する異なる複数のはんだボールをさらに備え、前記複数のはんだボールは、前記埋め込み構成要素アレイ層を通過する前記複数のビアへの電気接続を提供する請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記構成要素のアレイは、
集中コンデンサ、
集中インダクタ、
集中抵抗器、または
集積回路(IC)
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の構造。
【請求項4】
内部に含まれる埋め込み受動素子の第1のアレイを有する第1の埋め込み構成要素アレイ層と、
内部に含まれる埋め込み受動素子の第2のアレイを有する第2の埋め込み構成要素アレイ層と、
内部に形成された第1の複数のトレースおよび第の複数のビアを有する、前記第1の埋め込み構成要素アレイ層の第1の表面に隣接して存在する第1の集積ファンアウト(InFO)層であって、前記第1のInFO層は、前記埋め込み受動素子の第1のアレイを電気的に接続する複数の第1の導体を備え、前記複数の第1の導体は、前記第1のInFO層の第1の表面上の複数のトレース、および、複数のビアを含む、第1の集積ファンアウト(InFO)層と、
内部に形成された第2の複数のトレースおよび第2の複数のビアを有する、前記第2の埋め込み構成要素アレイ層の第1の表面に隣接して存在する第2のInFO層であって、前記第2のInFO層は、前記埋め込み受動素子の第2のアレイを電気的に接続する複数の第2の導体を備え、前記複数の第2の導体は、前記第2のInFO層の第1の表面上の複数のトレース、および、複数のビアを含む、第2の集積ファンアウト(InFO)層と、
前記第1の埋め込み構成要素アレイ層の第2の表面に隣接し、前記第2の埋め込み構成要素アレイ層の第2の表面に隣接して存在することで、前記第1の埋め込み構成要素アレイ層と前記第2の埋め込み構成要素アレイ層との間に挟まれた接続層であって、前記接続層は、前記接続層の内部に形成されている第3の複数のトレースおよび第3の複数のビアを有する接続層と、
前記第1の埋め込み構成要素アレイ層を通過する第1の複数のビアと、
前記第2の埋め込み構成要素アレイ層を通過する第2の複数のビアと、を備える、構造。
【請求項5】
前記第1のInFO層への電気接続を提供する第1のはんだボールと、
第2のInFO層への電気接続を提供する第2のはんだボールと、をさらに備える、請求項4に記載の構造。
【請求項6】
前記構成要素のアレイは、
集中コンデンサ、
集中インダクタ、
集中抵抗器、または
集積回路(IC)
のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権出願の参照による組み込み]
本出願は、「構成要素の埋め込みアレイを有するPCT(PCT HAVING EMBEDDED ARRAY OF COMPONENTS)」と題する、2019年1月7日に出願された米国特許出願第62/789021号の優先権を主張し、また、「構成要素の埋め込みアレイを有するパッケージデバイス(PACKAGED DEVICE HAVING IMBEDDED ARRAY OF COMPONENTS)」と題する、2019年1月16日に出願された米国特許出願第62/793046号の優先権を主張し、それらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して電子機器に関し、より具体的には、パッケージ集積回路の構造に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器は、現在、コンピュータ、自動車、電化製品、家庭などの多くのデバイスに搭載されている。スイッチング電源は、電圧変換、例えば、入力DC電圧をより低いDCに変換すること、または入力AC電圧をDC電圧に変換することによって、これらの電子機器内にDC電力を供給するために一般的に使用される。一例として、電圧レギュレータモジュール(VRM)を使用して、電池または他のDC源から受け取った電圧を、集積回路(IC)によって使用するためのより低い電圧に変換することができる。
【0004】
比較的低い電圧、例えば、1ボルト未満における、例えば、500ワットを超えるICのための高電力の要件は、VRMにとって問題を引き起こす。VRMは、何百ものアンペアにおいて比較的低いDC電圧を供給しなければならない。通常、VRMはスペースに制約があるが、低電圧においてかつ高電流を用いてクリーンな電力を生成するために必要な構成要素を依然として含まなければならない。VRMは、それらの出力DC電圧を調整するために相当のキャパシタンス、インダクタンス、および抵抗を必要とし、これは典型的には、多数の集中素子、例えばコンデンサ、インダクタ、および抵抗器を必要とする。小さいフォームファクタのデバイス、例えば小さいフットプリントに多数の集中素子を含めることは困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態は、構造を含む。構造は、内部に含まれる埋め込み受動素子のアレイを有する埋め込み構成要素アレイ層と、内部に形成された複数のトレースおよび複数のビアを有する、埋め込み構成要素アレイ層の第1の表面に隣接して存在する集積ファンアウト(InFO)層と、埋め込み構成要素アレイ層の第2の表面に隣接して存在し、少なくともInFO層に電気的に結合された絶縁体層と、埋め込み構成要素アレイ層を通過し、InFO層の複数のビアのうちのいくつかに電気的に結合された複数のビアとを備える。
【0006】
別の実施形態は、構造を含む。構造は、内部に含まれる埋め込み受動素子の第1のアレイを有する第1の埋め込み構成要素アレイ層と、内部に含まれる埋め込み受動素子の第2のアレイを有する第2の埋め込み構成要素アレイ層と、内部に形成された第1の複数のトレースおよび第2の複数のビアを有する、第1の埋め込み構成要素アレイ層の第1の表面に隣接して存在する第1の集積ファンアウト(InFO)層と、内部に形成された第2の複数のトレースおよび第2の複数のビアを有する、第2の埋め込み構成要素アレイ層の第1の表面に隣接して存在する第2のInFO層と、第1の埋め込み構成要素アレイ層の第2の表面に隣接し、第2の埋め込み構成要素アレイ層の第2の表面に隣接して存在する接続層であって、結果、接続層が第1の埋め込み構成要素アレイ層と第2の埋め込み構成要素アレイ層との間に挟まれ、内部に形成されている第3の複数のトレースおよび第3の複数のビアを有する接続層と、第1の埋め込み構成要素アレイ層を通過する第1の複数のビアと、第2の埋め込み構成要素アレイ層を通過する第2の複数のビアとを備える。
【0007】
さらに別の実施形態は、プリント回路基板(PCB)を含む。PCTは、コアと、コア内に形成された構成要素のアレイと、構成要素のアレイに結合された複数の導体と、PCBの外部の信号ルーティングを提供する複数の導体とを備える。
【0008】
1つの実施形態は、PCBコンデンサを構築するための方法を含む。方法は、内部に分散された構成要素のアレイを有するコアを形成することと、構成要素のアレイに結合された複数の導体を形成することと、PCBの外部の信号ルーティングを提供する複数の導体を形成することとを含む。
【0009】
別の実施形態はPCBを含む。PCBは、第1のコアと、第1のコア内に形成された構成要素の第1のアレイと、第2のコアと、第2のコア内に形成された構成要素の第2のアレイと、構成要素の第1のアレイに結合された複数の導体と、構成要素の第2のアレイに結合された複数の導体と、PCBの外部の信号ルーティングを提供する複数の導体とを備える。
【0010】
さらに別の実施形態は、プリント回路基板(PCB)コンデンサを構築するための方法を含む。方法は、内部に分散された構成要素の第1のアレイを有する第1のコアを形成することと、内部に分散された構成要素の第2のアレイを有する第2のコアを形成することと、構成要素の第1のアレイに結合された複数の導体を形成することと、構成要素の第2のアレイに結合された複数の導体を形成することと、PCBの外部の信号ルーティングを提供する複数の導体を形成することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示に従って構築された複数の多回路基板高出力電圧レギュレータモジュール(VRM)を含む処理システムを示すブロック図である。
【0012】
図2】本開示による多回路基板高出力VRMを示すブロック概略図である。
【0013】
図3A図2の多回路基板高出力VRMの第1のコンデンサ回路基板を示すブロック概略図である。
【0014】
図3B図2の多回路基板高出力VRMの第2のコンデンサ回路基板を示すブロック概略図である。
【0015】
図4】本開示による多回路基板高出力VRMの冷却システム構成要素を示すブロック概略図である。
【0016】
図5】構成要素のアレイが実装されたプリント回路基板(PCB)の部分側断面図である。
【0017】
図6】本開示の一実施形態による、内部に形成された構成要素の埋め込みアレイを有するPCBの一部の部分側断面図である。
【0018】
図7】本開示の一実施形態による、PCBのコア内に埋め込まれた構成要素のアレイの透明斜視図である。
【0019】
図8】本開示の一実施形態による、構成要素の埋め込みアレイを有するPCBの部分側断面図である。
【0020】
図9】本開示の一実施形態による、構成要素の埋め込みアレイを各々有する2つの相互結合されたPCBの部分側断面図である。
【0021】
図10】本開示によるPCBを構築するための一実施形態を示す流れ図である。
【0022】
図11】本開示の一実施形態による、構成要素の埋め込みアレイを有するパッケージの部分側断面図である。
【0023】
図12】本開示の一実施形態による、構成要素の埋め込みアレイの複数の層を有するパッケージの部分側断面図である。
【0024】
図13】本開示の一実施形態による、構成要素の少なくとも1つの埋め込みアレイを各々有する複数のパッケージを有するアセンブリの部分側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本開示に従って構築された複数の多回路基板高出力電圧レギュレータモジュール(VRM)を含む処理システムを示すブロック図である。図1の処理システム100は、基板パネル104に実装された、本開示に従って構築された複数の多回路基板高出力VRM102A、102B、102C、および102Dを含む。複数の多回路基板高出力VRM102A、102B、102C、および102Dは、例えば48ボルトなどのDC電源電圧108または別の比較的高い電圧によって供給され、それぞれの集積回路(IC)106A、106B、106C、および106Dにそれぞれサービスする。いくつかの実施形態では、複数の多回路基板高出力VRM102A、102B、102C、および102Dの各々は、約0.8ボルトの出力を生成し、それぞれの複数のIC106A、106B、106C、および106Dに600ワット以上の電力を供給する。したがって、複数の多回路基板高出力VRM102A、102B、102C、および102Dの各々は、一例として、複数のIC106A、106B、106C、および106Dへの100アンペアを超える電流を生成することができる。いくつかの実施形態では、上記の特定の値は調整することができ、本明細書の開示の範囲内に入ることができる。
【0026】
複数の多回路基板高出力VRM102A、102B、102C、および102Dの各々は、上記の例に関して、それぞれの複数のIC106A、106B、106C、および106Dへの約0.8ボルトの出力を生成し、VRM102A~102Dのフットプリントが複数のIC106A~106Dのフットプリントとほぼ同じであることが望ましいため、複数のVRM102A~102Dのフットプリントは制限され得る。いくつかの実施形態では、フットプリントは、約3センチメートル×3センチメートル、4センチメートル×4センチメートル、または複数のIC106A、106B、106C、および106Dの断面積に近似する他の比較的小さい寸法である。しかしながら、低電圧かつ高電力において電力を生成するために、複数のVRM102A~102Dは、比較的多数の個別構成要素を含むことができる。
【0027】
したがって、本開示によれば、複数の多回路基板高出力VRM102A、102B、102C、および102Dは、基板パネル104に平行な平面および基板パネル104に垂直な平面の両方の中に配置された回路基板を含む。図2図3A、および図3Bを参照して説明される1つの実施形態は、基板パネル104に対して垂直に向けられた2つの回路基板と、基板パネル104に対して平行に向けられた2つの回路基板とを含む。この構造により、VRM102A,102B,102C,および102Dは、基板パネル104の上方を基板パネルに対して垂直な方向に延在する。
【0028】
図2は、本開示による多回路基板高出力VRMを示すブロック概略図である。多回路基板高出力VRM200は、第1の電圧レール回路基板202Aと、第2の電圧レール回路基板202Bと、第1のコンデンサ回路基板216と、第2のコンデンサ回路基板218とを含む。これらの構成要素は、レール212Aおよび212B上ならびにトップブレース213上に実装され、レール212Aおよび212Bは、例えばねじを使用して基板パネル210に結合する。第2のコンデンサ基板218は、1mmのピッチを有してもよいはんだボールを介して基板パネル210に結合することができる。基板パネル210によって形成される電気接続は、第1のレール電圧および第2のレール電圧を、基板パネル210の反対側に実装されたダイ214に結合する。
【0029】
第1の電圧レール回路基板202Aは、第1の平面内に配向され、(複数の層の)第1の複数の導体が内部に形成され、第1の複数のVRM要素206A、第1の複数のVRM要素206Aに結合された第1の複数のインダクタ208A、および第1の複数のコンデンサ204Aが上に実装されている。第1の電圧レール回路基板202Aは、第1の電圧を受け取り、第1のレール電圧を生成するように構成される。第2の電圧レール回路基板202Bは、第1の平面に実質的に平行である第2の平面内に配向され、内部に形成された(複数の層の)第2の複数の導体をヴ組み、第2の複数のVRM要素206B、第2の複数のVRM要素206Bに結合された第2の複数のインダクタ208B、および第2の複数のコンデンサ204Bが上に実装されている。第2の電圧レール回路基板202Bは、第2の電圧を受け取り、第2のレール電圧を生成するように構成される。第1の電圧および第2の電圧は、電動車両内の電池パックから受け取ることができる。
【0030】
第1のコンデンサ回路基板216は、第1の平面に実質的に垂直な第3の平面内に配向され、第3の複数の導体が内部に形成されている。第1のコンデンサ回路基板には、第3の複数のコンデンサが上に実装されている。第2のコンデンサ回路基板218は、第3の平面に実質的に平行な第4の平面内に配向され、第4の複数の導体が内部に形成され、第4の複数のコンデンサが上に実装されている。
【0031】
多回路基板高出力VRM200は、第1の電圧レール回路基板202Aを第1のコンデンサ回路基板216および第2のコンデンサ回路基板218に結合する第5の複数の導体216Aおよび217Aをさらに含む。多回路基板高出力VRM200は、第2の電圧レール回路基板202Bを第1のコンデンサ回路基板216および第2のコンデンサ回路基板216に結合する第6の複数の導体216Bおよび217Bをさらに含む。第1のコンデンサ回路基板216を第2のコンデンサ回路基板218に結合する第7の複数の導体220および222をさらに備える、請求項1に記載の高出力VRM。
【0032】
図3Aは、図2の多回路基板高出力VRMの第1のコンデンサ回路基板を示すブロック概略図である。第1のコンデンサ回路基板216は、第3の複数のコンデンサ302A,304A,302B,および304Bを含む。なお、コンデンサ302Aおよび304Aは第1のコンデンサ回路基板216の第1の側に位置し、コンデンサ302Bおよび304Bは第1のコンデンサ回路基板216の第2の側に位置する。第5の複数の導体216Aおよび217Aは、第1のコンデンサ回路基板216のコネクタ308に結合する。また、第6の複数の導体216B,217Bは、第1のコンデンサ回路基板216のコネクタ306に結合する。第7の複数の導体220および222は、第1のコンデンサ回路基板216のコネクタ310に結合する。
【0033】
図3Bは、図2の多回路基板高出力VRMの第2のコンデンサ回路基板を示すブロック概略図である。第2のコンデンサ回路基板218は、第4の複数のコンデンサ352A,354A,352B,および354Bを有する。なお、コンデンサ352Aおよび354Aは第2のコンデンサ回路基板218の第1の側に位置し、コンデンサ352Bおよび354Bは第2のコンデンサ回路基板218の第2の側に位置する。第5の複数の導体216Aおよび217Aは、第2のコンデンサ回路基板218のコネクタ356に結合する。さらに、第6の複数の導体216B、217Bは、第2のコンデンサ回路基板218のコネクタ354に結合する。第7の複数の導体220および222は、第2のコンデンサ回路基板218のコネクタ358に結合する。
【0034】
図3Aおよび図3Bの両方を参照すると、第5の複数の導体216Aおよび217Aは、第1のコンデンサ回路基板216の第1の外側部分312および第2のコンデンサ回路基板218の第1の外側部分362に結合する。さらに、第6の複数の導体216Bおよび217Bは、第1のコンデンサ回路基板216の第2の外側部分314および第2のコンデンサ回路基板218の第2の外側部分364に結合する。その上、第7の複数の導体220,222は、第1のコンデンサ回路基板216の中央部分316と第2のコンデンサ回路基板318の中央部分366との間を結合する。
【0035】
さらに図3Aおよび図3Bの両方を参照すると、第3の複数のコンデンサ302A、304A、302B、および304Bは、第1のレール電圧および第2のレール電圧の中~低周波数成分をフィルタリングするように構成され、第4の複数のコンデンサ352Aおよび352Bは、第1のレール電圧および第2のレール電圧の高周波数成分をフィルタリングするように構成される。
【0036】
図2図3Aおよび/または図3Bの実施形態によれば、第1の電圧レール回路基板202Aおよび第2の電圧レール回路基板202Bによって受け取られる入力電圧は48ボルトであってもよく、0.8ボルトがそれとの通信に使用される。
【0037】
図4は、本開示による多回路基板高出力VRMの冷却システム構成要素を示すブロック概略図である。図2の実施形態200と図4の実施形態400との違いは、冷却システム構成要素を含むことである。第1の複数のVRM要素206A、第1の複数のインダクタ208A、第2の複数のVRM要素206B、第2の複数のインダクタ208Bは、それらの動作において相当の熱を生成する。したがって、多回路基板高出力VRMは、これらの構成要素を冷却するための冷却システムを含む。冷却システムソース/シンク402は、VRM要素206A/206Bおよびインダクタ208A/208Bを冷却するための冷却剤の流れを供給するために配管404に結合する。配管404は、多数のセグメントを含んでもよい。配管404は、VRM要素206A/206Bおよびインダクタ208A/208Bに直接結合されてもよく、または中間構造によってそれらに熱的に結合されてもよい。冷却システムソース/シンク402は、図1に示したような多回路基板高出力VRMにサービスすることができる。
【0038】
図5は、構成要素のアレイが実装されたプリント回路基板(PCB)の部分側断面図である。図5のPCB500は、コア506と、信号ルーティング、電力ルーティング、および遮蔽機能を提供する複数の導体502,508,510,512、および514とを含む。構成要素516は、ボールグリッドアレイ518を介してPCB500上に実装される。構成要素516は、IC、集中構成要素構造、または別の電子素子であってもよい。図5のPCB500は、既知のプロセスに従って形成された従来のPCBであってもよい。
【0039】
図6は、本開示の一実施形態による、内部に形成された構成要素の埋め込みアレイを有するPCBの一部の部分側断面図である。図6のPCB600は、コア606と、内部に含まれる構成要素608のアレイとを含む。構成要素608は、コンデンサ、インダクタ、抵抗器、または他の構成要素タイプであってもよい。図7に示すように、構成要素608は、コア606内にアレイ状に形成されてもよい。PCB600は、PCB500のための信号ルーティング、電力ルーティング、および遮蔽を提供する複数の導体602,610,612,614,616、および618を含む。特に、導体610は、PCBの外部の構成要素608の間の相互接続を提供する。
【0040】
表面実装構成要素を有するPCBと比較して、図6のPCB600は重要な利点を提供する。構成要素608はPCB600内に一体的に形成されているため、それらをその上に実装する必要がなく、製造工程、相互接続障害のリスクが減じられ、コストが削減される。さらに、PCBコア606は、放熱上の利点を提供することができる。
【0041】
図7は、本開示の一実施形態による、PCBのコア内に埋め込まれた構成要素のアレイの透明斜視図である。図示のように、構成要素は、それらの間に幾分等しい間隔を置いてアレイ状に配置される。この均一な配置は、製造コストおよび複雑さを低減する。これらの構成要素は、コンデンサ、インダクタ、抵抗器、他の集中素子、またはいくつかの構成要素/回路を含むICであってもよい。様々な実施形態において、構成要素のアレイは、異なる形成タイプを有してもよい。さらに、他の実施形態では、構成要素のアレイは異なる部分を有してもよく、その一部は均一に形成されてもよく、その一部は不均一に形成されてもよい。
【0042】
図8は、本開示の一実施形態による、構成要素の埋め込みアレイを有するPCBの部分側断面図である。PCB800は、内部に構成要素808のアレイが形成されたコア806を含む。PCB800はまた、PCB800の様々な構成要素のための信号ルーティング、電力ルーティング、および遮蔽を実行する導体810,812,814,816,818および820を含む。図7のPCB700の構造とは対照的に、図8のPCB800は、構成要素808のアレイに対してPCB800の両側に外部接続810および812を含む。
【0043】
図9は、本開示の一実施形態による、構成要素の埋め込みアレイを各々有する2つの相互結合されたPCBの部分側断面図である。2つの相互結合されたPCB900は、第1のコア906と、第1のコア内に形成された構成要素の第1のアレイ910と、第2のコア908と、第2のコア908内に形成された構成要素の第2のアレイ912とを含む。2つの相互結合されたPCB900は、別個に形成され、形成後に接合されてもよい。あるいは、2つの相互結合されたPCB900は、単一のプロセスにおいて形成されてもよい。2つの相互結合されたPCB900は、信号ルーティング、電力ルーティング、および遮蔽機能を提供する導体904,911,914,916,918,920,922、および924を含む。図9の実施形態、導体914は、構成要素の第1のアレイ910への外部接続を提供し、導体918は、構成要素の第2のアレイ912への外部接続を提供し、導体911は、構成要素の第1のアレイ910と構成要素の第2のアレイ912との間の相互接続を提供する。
【0044】
図10は、本開示によるPCBを構築するための一実施形態を示す流れ図である。図10の動作1000は、構成要素の埋め込みアレイを含むPCBコアを形成することから始まる(ステップ1002)。コアを形成するために様々な技術が使用されてもよい。例えば、構成要素のアレイは、それらの所望の配置構成に編成されてもよく、コアは、1つまたは複数の形成工程においてアレイの周りに形成されてもよい。あるいは、コアをエッチングして、構成要素のアレイが実装される開口部を形成してもよい。次に、構成要素のアレイを相互結合する導体が形成される(ステップ1004)。次に、PCBのための信号ルーティング、電力ルーティング、および遮蔽を提供する導体が形成される(ステップ1006)。次に、複数の構成要素、例えばICがPCB上に実装される(ステップ1010)。最後に、複数のPCB構造が製造されている場合、複数のPCBが互いに相互結合される(例えば、図9に示す構造を形成するための任意選択のステップ1012)。しかしながら、他の実施形態では、多PCB構造は、PCBが外部構成要素の相互接続の前に単一の製造プロセスで形成される2つのコアを有する異なる方法で形成されてもよい。
【0045】
本明細書の説明および図は、PCB内に形成された構成要素のアレイがコンデンサ、インダクタ、抵抗器、IC、またはそれらの任意の様々な組み合わせを含み得ることを考慮している。さらに、これらの構成要素は、パッケージ化された構成要素、例えば、複数のコンデンサ、複数のインダクタ、コンデンサとインダクタとの組み合わせ、コンデンサと、インダクタと、抵抗器との組み合わせなどを含むパッケージとすることができる。さらに、本明細書に開示されるPCBはVRMによって使用されるように示されているが、本明細書に開示されるPCBは、VRM以外の任意の様々なタイプのシステムにおいて使用されてもよい。これらのシステムは、インフラストラクチャ、車両、または任意の様々なタイプの設備内で使用することができる。
【0046】
図11は、本開示の一実施形態による、構成要素の埋め込みアレイを有するパッケージ(例えば、構造)の部分側断面図である。パッケージ1100は、集積回路を形成するために使用されるプロセスと同様であり得るパッケージングプロセスにおいて形成される集積ファンアウト(InFO)層1102を含む。InFO層1102は、内部に形成される、絶縁部分1107および複数の導体1106を含み、これらは、IPDアレイ層1116内に形成された複数の埋め込み受動素子(IPD)1108、例えば、コンデンサ、インダクタ、抵抗器、集積回路などと、複数のはんだボール接続部1104との間の信号接続を提供する。複数の導体1106は、それらの間に結合されたトレースおよびビアを含む。IPDアレイ層1116を通過するビア1112は、InFO層1102の導体1106と絶縁体層1110内に形成されたはんだボール1114との間の接続を提供する。
【0047】
InFO層1102は、IPDアレイ層1116およびIPDアレイ層1116内に含まれるIPD1108と同様の膨張特性を有し、これは、歩留まりを増加させ、同様の熱膨張係数に起因してより良好な一体化を提供する。さらに、本明細書ではIPDモジュールとも呼ばれるパッケージ1100は、同じIPDアレイを含むPCBに対してより薄く、その結果、スペース消費が低減される。
【0048】
図12は、本開示の一実施形態による、構成要素の埋め込みアレイの複数の層を有するパッケージの部分側断面図である。パッケージ1200は、第1のInFO層1202と、第2のInFO層1222と、接続層1212とを有する。パッケージ1200は、第1のInFO層1202と接続層1212との間に挟まれた第1のIPDアレイ層1209と、第2のInFO層1224と接続層1212との間に挟まれた第2のIPDアレイ層1219との両方をさらに含む。接続層1212はまた、InFO層であってもよく、絶縁体部分と、トレースおよびビアを有する導体1216とを含む。第1のInFO層1202、第2のInFO層1224、および接続層1212のすべては、集積回路を形成するために使用されるプロセスと同様であってもよいパッケージングプロセスにおいて形成されてもよい。
【0049】
第1のInFO層1202は、内部に形成される、絶縁部分1207および複数の導体1206(トレースおよびビアを有する)を含み、これらは、第1のIPDアレイ層1209内に形成された複数のIPD1208、例えば、コンデンサ、インダクタ、抵抗器、集積回路などと、複数のはんだボール接続部1204との間の信号接続を提供する。複数の導体1206は、それらの間に結合されたトレースおよびビアを含む。第1のIPDアレイ層1209を通過するビア1210は、InFO層1202の導体1206と接続層1212の導体1216との間の接続を提供する。
【0050】
第2のInFO層1222は、内部に形成される、絶縁部分1224および複数の導体1226(トレースおよびビアを有する)を含み、これらは、第2のIPDアレイ層1219内に形成された複数のIPD1220、例えば、コンデンサ、インダクタ、抵抗器、集積回路などと、複数のはんだボール接続部1228との間の信号接続を提供する。第2の複数の導体1226は、それらの間に結合されたトレースおよびビアを含む。第2のIPDアレイ層1209を通過するビア1218は、InFO層1222の導体1226と接続層1212の導体1216との間の接続を提供する。
【0051】
第1のInFO層1202、第2のInFO層1222、および接続層1212は、第1のIPDアレイ層1209、第2のIPD層1218、ならびに第1のIPDアレイ層1209内に含まれるIPD1208および第2のIPD層1219内に含まれるIPD1220と同様の膨張特性を有し、これは、歩留まりを増加させ、同様の熱膨張係数に起因してより良好な一体化を提供する。さらに、本明細書ではIPDモジュールとも呼ばれるパッケージ1200は、同じIPDアレイを含むPCBに対してより薄く、その結果、スペース消費が低減される。
【0052】
図11および図12のIPDアレイ層は、図3A図3B、および図7に示すようなデバイスのアレイを有することができる。
【0053】
図13は、本開示の一実施形態による、構成要素の少なくとも1つの埋め込みアレイを各々有する複数のパッケージを有するアセンブリの部分側断面図である。図示のように、IPDモジュール1308はアセンブリ1300内に含まれている。アセンブリ1300は、冷却板1302、熱伝導層1304、複数のデバイス1306、複数のI/O構成要素1308、信号ルーティング層1310、IPDモジュール1312、およびソケット1314を含む。図13のアセンブリ1300は、VRMモジュールまたは別のタイプのアセンブリであってもよい。マウント1318およびマウント部材1316は、アセンブリ1300をともに保持し、アセンブリ1300を別の構造に実装するために使用することができる。IPDモジュール1312は、図11に示すIPDモジュール1100または図12に示すIPDモジュール1200のいずれかまたは両方であってもよい。
【0054】
上記のシステムおよび方法は、本発明の好ましい実施形態の詳細を理解する助けとして、一般的な用語で説明されている。本発明の他の好ましい実施形態は、電動車両のための記載された応用形態を含む。本明細書の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、構成要素および/または方法の例など、多数の特定の詳細が提供される。しかしながら、当業者には、本発明の一実施形態は、特定の詳細の1つもしくは複数なしに、または他の装置、システム、アセンブリ、方法、構成要素、材料、部品などを有して実施することができることが認識されよう。他の例では、本発明の実施形態の態様を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造、材料、または動作は具体的に示されず、または詳細に説明されない。
【0055】
本明細書全体を通して、「1つの実施形態」、「一実施形態」、または「特定の実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ずしもすべての実施形態に含まれるとは限らないことを意味する。したがって、本明細書全体を通した様々な箇所における「1つの実施形態では」、「一実施形態では」、または「特定の実施形態では」という語句のそれぞれの出現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。さらに、本発明の任意の特定の実施形態の特定の特徴、構造、または特性は、任意の適切な方法で1つまたは複数の他の実施形態と組み合わせることができる。本明細書に記載および例示された本発明の実施形態の他の変形および修正が、本明細書の教示に照らして可能であり、本発明の思想および範囲の一部と見なされるべきであることを理解されたい。
【0056】
特定の用途に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つまたは複数はまた、より分離または統合された方法で実装されてもよく、または特定の場合にはさらには除去または動作不能にされてもよいことも理解されよう。
【0057】
さらに、図面/図中の任意の信号矢印は、特に明記しない限り、例示としてのみ考慮されるべきであり、限定するものではない。さらに、本明細書で使用される「または」という用語は、特に明記しない限り、一般に「および/または」を意味することを意図している。用語が分離または組み合わせる能力を与えることが不明確であると予測される場合、構成要素またはステップの組み合わせも留意されていると考えられる。
【0058】
本明細書の説明において、および添付の特許請求の範囲全体を通して使用されているものとしての「a」、「a」、および「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の参照を含む。また、本明細書の説明において、および添付の特許請求の範囲全体を通して使用されているものとしての「中(in)」の意味は、文脈上他に明確に指示されない限り、「中(in)」および「上(on)」を含む。
【0059】
要約に記載されているものを含む、本発明の例示されている実施形態の前述の説明は、網羅的であること、または本発明を本明細書に開示されている正確な形態に限定することを意図するものではない。本発明の特定の実施形態および実施例は、例示のみを目的として本明細書に記載されているが、当業者が認識および諒解するように、本発明の思想および範囲内で様々な同等の修正が可能である。示されるように、これらの修正は、本発明の例示された実施形態の前述の説明に照らして本発明に対して行われてもよく、本発明の思想および範囲内に含まれるべきである。
【0060】
したがって、本発明をその特定の実施形態を参照して本明細書で説明してきたが、変更の自由度、様々な変更および置換が前述の開示において意図されており、場合によっては、本発明の実施形態のいくつかの特徴は、記載された本発明の範囲および思想から逸脱することなく、他の特徴を対応して使用することなく採用されることが理解されよう。したがって、特定の状況または材料を本発明の本質的な範囲および思想に適合させるために、多くの修正を行うことができる。本発明は、添付の特許請求の範囲で使用される特定の用語および/または本発明を実施するために企図される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれるありとあらゆる実施形態および均等物を含むことが意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ決定されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13