(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】コードを手動で読み取るための方法及び関連する装置
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
G06K7/10 416
G06K7/10 436
G06K7/10 376
(21)【出願番号】P 2021544306
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2020052396
(87)【国際公開番号】W WO2020157260
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-12-26
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル コンスタンティーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-バティスト ロードロー
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-066118(JP,A)
【文献】特表2017-510883(JP,A)
【文献】特開平08-241370(JP,A)
【文献】特開2000-123106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品(10
)上にマークされたコード(12)を手動で読み取る方法であって、前記物品(10)は、第1の側に第1の主面(10a)を、かつ第2の側に前記第1の主面(10a)に対向する第2の主面(10b)を有しており、前記物品(10)が固定された状態で、少なくとも1つの光学センサ(22)を含む撮像システム(21)を備える携帯型装置(20、40)が、前記物品(10)の前記第1の面上に配置され、それによって前記コード(12)に面する前記光学センサ(22)を、前記撮像システム(21)の観察方向(A)に対応する読み取り方向に配置するようにし、前記コード(12)が、前記物品(10)の前記第2の側に配置された光源(30)によって照らされた状態で、前記光学撮像システムによって、前記コード(12)の少なくとも一つの画像が得られる、方法。
【請求項2】
前記読み取りの間、前記光源(30)は、前記光学撮像システム(21)の観察方向(A)と位置合わせされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記読み取り中に、前記光学センサ(22)は、前記光源(30)の照明領域(32、32a、32b)を観察する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記光源と前記コードとの間の距離(D1)は、6~16c
mである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記光源(30)は、1又は複数の照明領域(32a、32b)によって囲まれた少なくとも1つの暗領域(36)を含み、前記読み取り中に、前記光学センサ(22)は、前記光源(30)の暗領域(36)を観察する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記読み取り中に、前記光源(30)は、前記撮像システム(21)の光軸(A)に対してオフセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記物品(10)は、1~70%の光透過率を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記光源(30)は、少なくとも1つの照明領域を有し、前記照明領域にわたる前記光源の輝度は、1-E/Lmeanとして計算されるその均一性が0.5よりも大きく、ここで、Eは、その少なくとも1つの前記照明領域にわたる前記輝度の標準偏差であり、Lmeanは、前記照明領域にわたる平均輝度である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記光源(30)は、少なくとも1つの照明領域有し、その少なくとも1つの照明領域(32、32a、32b)にわたる平均輝度は、630~140000cd/m
2
である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記コード(12)は、前記物品(10)の前記第2の面(10b)に、又は前記物品(10)の厚さ内にマーキングされる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記物品(10)を前記光源(30)の前に配置する予備工程を含み、前記光源(30)は、固定されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記携帯用装置(40)は、前記光学撮像システム(21)及び前記光源(30)を一体化しており、前記装置(40)は、前記光学センサ(22)が前記光学撮像システム(21)の観察方向(A)に対応する読み取り方向において前記コード(12)に面する前記物品の第1の側に配置され、かつ前記光源(30)が前記物品(10)の第2の側に配置される位置において、前記物品(10)の縁の周りに配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を実施するための携帯型装置(40)であって、少なくとも1つの光学センサ(22)を含む光学撮像システム(21)及び光源(30)を統合しており、前記携帯装置(40)は、前記光学センサ(22)が前記光学撮像システム(21)の前記観察方向(A)に対応する読み取り方向において前記コードに面する前記物品の前記第1の側に位置し、かつ前記光源(30)が前記物品(10)の前記第2の側に配置される位置において、前記物品(10)の縁の周りに配置されるように構成される、携帯型装置。
【請求項14】
請求項13に記載の携帯型装置(40)であって、前記光撮像システム(21)を支える第1の分岐部(41)、及び前記光源(30)を支える第2の分岐部(42)を含んでおり、第1及び第2の分岐部(41、42)は、これらの間に受容空間(44)を画定するように、互いに離間している、携帯型装置。
【請求項15】
把持手段(45
)をさらに含む、請求項13又は14に記載の携帯型装置(40)。
【請求項16】
前記光源(30)は、少なくとも1つの有機発光ダイオードOLED装置、又はディフューザに関連付けられた少なくとも1つのLED装置を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の携帯型デバイス(40)。
【請求項17】
前記光源(30)は、630~140000cd/m
2
の照明領域(32、32a、32b)にわたる平均輝度を有する、請求項13~16のいずれか一項に記載の携帯機器(40)。
【請求項18】
前記光源(30)と前記光学センサ(22)との間の距離(D3)は、10~25cmである、請求項13~17のいずれか一項に記載の携帯型装置(40)。
【請求項19】
前記光源(30)は、前記光学撮像システム(21)の光軸(A)に位置合わせされる、請求項13~18のいずれか一項に記載の携帯型装置(40)。
【請求項20】
前記光センサ(22)は、前記光源(30)の照明領域(32)を観察する、請求項19に記載の携帯型装置(40)。
【請求項21】
前記光源は、1又は複数の照明領域(32、32a、32b)によって囲まれた暗領域(36)を含み、前記光学センサは、前記暗領域(36)を観察する、請求項19に記載のポータブルデバイス(40)。
【請求項22】
前記光源(30)は、前記撮像システム(21)の光軸(A)に対してオフセットされている、請求項13~18のいずれか一項に記載の携帯型装置(40)。
【請求項23】
前記光センサは、マトリクスセンサを含む、請求項13~22のいずれか一項に記載の携帯型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品、特にガラス物品上のコードの手動読取に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスは、概して、連続リボン、例えばフロートガラスの連続リボンの形成で製造される。
【0003】
次いで、このリボンは「マザーガラス」と呼ばれるガラスの板に切断される。このシートは、例えば、典型的には寸法3.21m×約6mの「PLF」(大判ガラストレイ)、又は約2.55m×3.21mの寸法の「DLF」(製造幅の寸法)である。
【0004】
次いで、これらの大きなガラス板をより小さなガラス板に切断し、例えば、多かれ少なかれ複雑な形状を有するガラス片を切断するためのブランクを形成することができる。
【0005】
その追跡可能性を提供するために、これらのガラス板は、識別子又はコード、特に一次元のもの(すなわち、「バーコード」など)又は二次元のもの(すなわち、「データマトリックス」など)を使用してマーキングされてもよい。
【0006】
これらのコードは、例えば、好ましくはガラス板に、すなわちガラス板の大きな面に垂直に配向された、任意の好適な種類の電磁波放射の手段によってマークされる。
【0007】
それらは、例えば、ガラス板の識別子としての役割を果たす数字、場所、製造の時間又は日付など、任意のタイプの情報を含むことができる。
【0008】
このようにマークされたコードは、例えば国際公開第2014/128424号パンフレットに記載されているように、スキャナタイプの自動検出装置によってインラインで読み取られる。
【0009】
それにもかかわらず、操作者がガラスシート上にマーキングされたコードを手動で読み取ることを望む状況がある:
【0010】
製造ラインでは、ガラスシートは、概して、1又は複数の変形工程、例えば、コーターでの1又は複数の層の堆積、又は切断などを受ける。
【0011】
各変換工程の後、潜在的な欠陥を検出し、品質が所定の仕様に一致することを保証するために、又は板の欠陥と自動光学検出装置によって事前に識別された欠陥との間の一致を検証するために、1又は複数のランダムに選択された板を分離し、視覚的に検証することが望ましい場合がある。この視覚的確認の間、操作者は、ガラス板のコードを読み取り、それを識別し、及び/又はその特性を知る。
【0012】
プロセスのさらに下流では、顧客に送る前に、前記Aフレーム上に保管されたガラス板が実際に顧客の注文に対応することを保証するために、Aフレーム上に保管されたガラス板のうちの1つ(一般に積層体の最も外側の板)を識別することが望ましい場合がある。この場合、コードは、コードを読み取ることを望む操作者に向き合っている面上、又は反対側のいずれかに配置することができる。
【0013】
したがって、ガラス上のコードの配置にかかわらず、物品、特にガラス物品上のコードを簡単かつ信頼性のある方法で、手動で読み取ることができる必要がある。
【発明の概要】
【0014】
本発明の目的は、この必要性に応えることである。
【0015】
この目的は、物品、特にガラス物品上にマーキングされたコードを手動で読み取るための方法であって、物品は、第1の側に第1の主面を有し、第1の主面と反対側の第2の主面を、第2の側に有しており、物品が固定され、少なくとも1つの光学センサを備える光学撮像システムを備える携帯型装置が、光学撮像システムの観察方向に対応する読み取り方向にコードに面する光学センサを配置するように、物品の第1の面上に位置付けられ、コードが、物品の第2の側に配置された少なくとも1つの光源によって照明され、コードの少なくとも1つの画像が光学撮像システムによって取得される方法、により達成される。
【0016】
手動読み取りは、ここでは操作者の介入を伴い、携帯型装置(すなわち、操作者が持ち運び、移動させることができる装置)を使用する読み取りを意味することを意図している。
【0017】
さらに、物品は物品の移動中に、例えばコンベヤ上で実行される、特に「移動」と呼ばれる読み取りとは対照的に、読み取り中に移動されないときに、固定されていると言われる。
【0018】
最後に、光学撮像システムの観察方向は、例えば、光学撮像システムの素子が回転対称を有する場合に、撮像システムの光軸であってもよい。
【0019】
光学撮像システムは、統合された光源を含み得る(又は含み得ない)ことに留意されたい。この光源は、本発明によれば、読み取り中に物品の第2の側に配置される有用な光源(以下、光源と呼ぶ)とは区別されるべきである。
【0020】
本発明による方法は、物品の第2の主面を照明することによって、光学撮像システムによって取得された画像のコントラストを変化させることによって、クラック又はバブルのようなコード内の欠陥の可視性を減少させることを可能にする。
【0021】
実際、コードが亀裂や気泡などの欠陥を有する場合、それらは光を散乱させ、光は、光学撮像システムによって捕捉され、例えばコードの一部をマスクしたり、コードを構成する記号の正しい解像度を妨げたりする。これらの欠陥は、しばしば、復号化が失敗するか、又はコードの存在を検出することさえ失敗することにつながる可能性がある。
【0022】
出願人は、欠陥と比較したコードを強調するために、物品の第2の側に配置された光源に携帯型コード読取装置を関連付けることの有用性に注目した。
【0023】
これらの提供では、非限定的な例として、コードの記号は、物品の第2の側に配置された光源によって放出された光を、光学撮像システムの方向に向ける、集束する、又は焦点を外す、小さいレンズとして振る舞うことができる。次いで、記号は、光を単に散乱させる亀裂よりも見やすくなり、携帯型コード読取装置は、コードをより容易に復号することができる。
【0024】
さらなる非限定的な例として、記号は、光が通過することを可能にする欠陥とは異なり、物品の第2の側に位置する光源からの光が光学撮像システムに到達するのを妨げるマスクとして挙動し得る。そして、これらの記号は、欠陥とは異なるコントラストを有し、携帯型コード読取装置も、コードをより容易に復号化することができる。特に有利には、本発明の方法で使用される光源は、したがって、欠陥に対して記号を強調することによって、劣化した品質のコードの読み取りを容易にする。
【0025】
したがって、コードの読み取りは、特にコードマーキングの品質が悪い場合に、第2の側に光源なしで行われる読み取りに比べて改善される。
【0026】
さらに、低い光透過率を有する物品の場合、物品の第2の側に位置する光源は、操作者の反対側の面、換言すれば第2の主面にマークされた、又は物品の厚さでマークされたコードを視覚化し、画像化することを可能にする。
【0027】
本明細書では、物品は、基板単独、例えばガラス基板、又はその主面の1つ又はそれぞれが1又は複数の層で覆われた、そのような基板を意味することを意図している。
【0028】
基板は、例えば、フロートガラスの板、特に上記で定義したようなPLF又はDLFであってもよい。
【0029】
物品(すなわち、基材及び必要に応じて任意にそれを被覆している層)は、少なくとも1%の光透過率を有する。
【0030】
基材及び/又はそれを任意に被覆している層は、吸収性であってもよく、この場合、物品の光透過率は、典型的には1~70%である。しかしながら、代替として、光透過率は、厳密に70%よりも大きくてもよい。
【0031】
コードは、一次元のもの、特にバーコード、又は二次元のもの、特にデータマトリックス、又はQRコードなどであってもよい。
【0032】
一例によれば、コードは、物品の第1又は第2の主面上にマーキングすることができる。別の例によれば、コードは、物品の厚さでマークされる。
【0033】
コードは、レーザーによってマークされてもよい。非限定的な例として、そのようなレーザーは、9.4~10.6μmの間の波長で数十マイクロ秒~数ミリ秒の持続時間のパルスを送出するCO2レーザーであってもよい。この例では、レーザパルスは、そこでコードの記号を描くために、基板の一部を除去する。これらの記号が光源、例えば物品の第2の側に配置された先の光源によって照明されるとき、それらは、例えば、光を散乱させ、反射させ、焦点を合わせ、又は焦点をぼかし、コード読取システムに見えるようになることができる。さらなる非限定的な例として、顔料印刷方法によってコードをマーキングすることが可能である。これらの顔料は、例えば、着色顔料、吸収顔料又は蛍光顔料であってよい。顔料は、有機又は水性溶媒中に分散させることができ、溶液は、コードの記号を印刷するために局所的に適用される。次いで、溶媒を蒸発させて、物品上に顔料の密着性を生じさせる。これらの記号が光源、例えば物品の第2の側に配置された先の光源によって照らされるとき、それらは、例えば、光を発するか、又は反射することができ、又は反対に、それをマスクするか、又は反射せず、したがって、コード読取装置によって視覚化されることができる。
【0034】
非限定的に、物品の第2の側に位置する光源は、典型的には白色光源である。物品がほとんど吸収しない波長で優先的に発光する光源を使用することも有益であり得る。
【0035】
非限定的な実施例によれば、それは、少なくとも1つの有機発光ダイオードOLED装置、又は代替として、ディフューザに関連付けられた少なくとも1つのLED装置を含む。
【0036】
光源は、少なくとも1つの照明領域を含み、任意選択で、暗領域、特にマスクされた領域によって互いに分離された複数の照明領域を含むことができる。
【0037】
光源の照明領域は、本明細書では、実際に照明し、特にマスクされていない前記光源の領域を意味することを意図している。したがって、照明領域は、典型的には光源の発光面に対応する。
【0038】
OLED装置の場合、照明領域は、例えば、装置の外層である。ディフューザに関連付けられたLED装置の場合、照明領域は、観測者に向けられたディフューザの表面である。
【0039】
本発明の提供によれば、少なくとも1つの照明領域は、コードよりも大きい範囲、好ましくは10倍大きい範囲を有する。コードの表面は、コードを取り囲む曲線又は閉じた直線セグメントの設定によって画定される表面を意味することを意図していることに留意されたい。
【0040】
一例によれば、少なくとも1つの照明領域は、平面である。
【0041】
一実施形態によれば、光源は、630~140000cd/m2、好ましくは2800~6000cd/m2(明視野タイプの照明の場合)、又は25000~140000cd/m2(暗視野タイプの照明の場合)の少なくとも1つの照明領域にわたる平均輝度(又は単位表面積当たりの光度)を有する。例えば、市販の輝度計でこのような値を検証することが可能である。
【0042】
一例によれば、輝度は、少なくとも1つの照明領域の全体にわたって肉眼に対して実質的に均一であり、換言すれば、前記照明領域にわたる光源の輝度は、1E/Lmeanとして計算されるその均一性が0.5よりも大きく、ここで、Eは、その少なくとも1つの照明ゾーンにわたる輝度の標準偏差であり、Lmeanは、前記照明ゾーンにわたる平均輝度である。
【0043】
例示的な実施によれば、読み取り中、光源は、例えば、回転対称性を有する光学画像システムの場合には、光学撮像システムの光軸に対応する観察方向に位置合わせされる。
【0044】
本発明の有利な構成では、読み取り中、光センサは、光源の照明領域を観察する。このようにして得られた照明は、明視野照明であるといわれる:これは直接照明、すなわち、光センサーに直接向いている。
【0045】
この場合、物品の主面に対して直角に測定した、光源と物品の第2の主面との間の距離は、6~16cm、好ましくは10~14cmである。
【0046】
別の構成では、光源は、読み取り中に照明が暗視野照明であると言われるように構成及び/又は配置され、この場合、これは間接照明であり、すなわち、光学センサに直接向けられておらず、したがって、前記センサは、暗領域を観察し、読み取られるべきコードによって散乱された光のみを捕捉する。
【0047】
暗視野タイプの照明の一例によれば、読み取り中、光源は、光学撮像システムの光軸と整合されるが、1又は複数の照明領域によって囲まれた暗領域を含み、光学センサは、暗領域を観察する。
【0048】
例えば、このような暗領域は、光源の照明領域をマスクすることによって得ることができる。
【0049】
この場合、光源と物品の第2の主面との間の、物品の主面に直交して測定される距離は、好ましくは1~5cmである。
【0050】
暗視野タイプの照明の別の例によれば、読み取り中、光源は、撮像システムの光軸に対して単にオフセットされる。この場合、より具体的には、光源(特に、その照明領域)は光センサの観察範囲にはない。
【0051】
有利な提供によれば、光学センサは、マトリクスセンサを含む。公知の方法では、マトリクスセンサは、サイズn×mのマトリクスを形成する画素で構成され、n及びmは厳密に1より大きい。
【0052】
一例によれば、携帯型装置は、画像処理ユニットをさらに備える。
【0053】
例示的な実施によれば、本方法は、光源の前に物品を位置決めする予備ステップを含み、前記光源は、固定されている。
【0054】
別の例示的な実施形態によれば、本方法は、物品が固定された状態で、携帯型装置を位置決めする前に、それと同時に、又はその後に、物品の第2の側に光源を位置決めする工程を含む。
【0055】
特に有利な構成によれば、携帯型装置は、光学撮像システムと光源とを一体化し、前記装置は、光学センサが光学画像システムの観察方向に対応する読み取り方向においてコードに面する物品の第1の側に配置され、光源が物品の第2の側に配置される位置において、物品の縁の周りに配置される。
【0056】
また、本発明は、少なくとも1つの光センサを備える光学画像システムと光源とをを一体化し、光学センサが光学結像システムの観察方向に対応する読み取り方向でコードに対向する物品の第1の側に位置し、光源が物品の第2の側に配置される位置で、物品の縁の周囲に配置されるように構成される、先に記載した方法を実施するのに特に適した、携帯型装置に関する。
【0057】
携帯型装置は、例えば、光学撮像システムを支える第1の分岐部、及び光源を支える第2の分岐部を備え、第1及び第2の分岐部は、それらの間に受容空間を画定するように、互いに離間される。
【0058】
一例によれば、装置は、把持手段、特にハンドルをさらに備える。
【0059】
先に定義した以下の特徴は、前記携帯型装置にも適用可能である:
- 光源は,少なくとも1つの有機発光ダイオードOLED装置を含んでもよい。代替として、それは、ディフューザに関連付けられた少なくとも1つのLED装置を備えることができる。
- 光源は、少なくとも1つの照明領域を有することができ、少なくとも1つの照明領域の範囲は、5~900cm2である。
- 少なくとも1つの照明領域は,平面であってもよい。
- 光源は、630~140000cd/m2、好ましくは2800~6000cd/m2、又は25000~140000cd/m2の少なくとも1つの照明領域にわたる平均輝度(又は単位表面積当たりの光強度)を有することができる。
- 輝度は、発光面の全体にわたって実質的に均一であってもよい。
- 光源の発光面と光センサとの間の距離は、10~25cmであってもよい。
- 光源は,光学的画像システムの光軸と位置合わせされてもよい。
- 光源は,光学撮像システムの光軸と位置合わせされてもよく,光学センサは,光源の照明領域を観察する。
- 光源は、光学撮像システムの光軸と整合されてもよく、光源は、1又は複数の照明領域によって囲まれた暗領域を含み、光学センサは、暗領域を観察する。
- 光源は,撮像システムの光軸に対してオフセットされてもよい。
- 光学センサは,マトリクスセンサを含んでもよい。
- 携帯型装置は,画像処理ユニットをさらに備えてもよい。
【0060】
本開示では、いくつかの例示的な実現が説明される。しかしながら、特に断らない限り、任意の1つの例示的な実現形態に関連して説明された特徴は、別の実施形態又は例示的な実現形態に適用することができる。
【0061】
本発明は以下に示すいくつかの非限定的な実施例の詳細な説明を読めば、よく理解され、その利点はより明らかになるのであろう。説明は、添付の図面に関する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】
図1は、本発明の方法の第1の実施形態を示す。
【
図2】
図2は、本発明の方法の第2の実施形態を示す。
【
図4】
図4は、本発明の第3の実施形態による方法を示す。
【
図5】
図5は、第4の実施形態による方法を実施するのに特に適した携帯型装置を示す。
【
図6】
図6は、本発明の方法を用いて、輝度2800cd/m
2の光源と、光透過性の異なるガラス物品上でのコード読み取り結果を分類した比較表である。
【
図7】
図7は、本発明の方法を用いて、輝度1300cd/m
2の光源と、光透過性の異なるガラス物品上でのコード読み取り結果を分類した比較表である。
【
図8】
図8は、本発明の方法を用いて、輝度630cd/m
2の光源と、光透過性の異なるガラス物品上でのコード読み取り結果を分類した比較表である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、本発明による手動読取方法の第1の実施形態を示す。
【0064】
操作者は、物品10、この場合はガラス基板、例えば着色PLF(以下、簡単にするために「ガラスシート」と呼ぶ)から形成されたシートの外周近くにマークされたコード12を読むことを望む。
【0065】
規格NF EN 410に従って測定されたガラスシートの光透過率は、例えば約10%である。
【0066】
このようなガラス板10は、通常、縁面10cによって連結された、平行かつ対向する第1主面10a及び第2主面10bを有する。主面に対して直交して測定される、前記面間のガラス板の厚さeは、通常、1.7~5mmである。
【0067】
ガラス板10は、変形例として、その面の1つに1又は複数の層でコーティングされたガラス基板から構成することができ、又は逆に、その面のそれぞれに異なる数の層を備えることができることに留意されたい。
【0068】
この例において、ガラスシート10は、この場合にはテーブル14の形態である予め固定された読取り支持体に配置され、コード12を担持する前記シートの部分は、テーブル14の頂部16に張り出して配置される。
【0069】
もちろん、物品のための支持体は、任意の適切な形態、特にAフレーム、吸引カップなどのものであってもよい。
【0070】
ガラス板10の第2の面10bは、ここでは「裏面」と称され、頂部16の上面16aに接している。
【0071】
図示の例では、コード12は、縁面10cから2~5mmの距離にある、ガラス板10の第2の面10b上のレーザによってマークされたコードである。これは、例えば、3-DIコード、Aztexコード、Codablock、Code1、Code16K、Dotコード、QR コード、ezCode、BeeTagg Big、BeeTagg、Landscape、データマトリックス、Maxicode、Snpwflake、Verocode、BeeTagg Hexagon、BeeTagg None、ShotCode、MiniCode、Code49、Datastripコード、CPコード、ISS SuperCodeのいずれかの適切なタイプの二次元コードである。
【0072】
代替として、コード12はまた、ガラス板10の厚さ内において、又は板10の第1の面10a上にマーキングされ得る。
【0073】
本発明によれば、ガラスシート10の第2の面10bは、コード12の右側に位置する領域において、有用な光源30(以下、本文全体を通して光源と呼ぶ)によって照明される。
【0074】
この第1の実施形態によれば、光源30は、物品支持体14に対して固定されている。
図1に示すように、ここでは、ガラスシートの主面10a,10bに直交する方向にコード12を合わせている。
【0075】
これは、典型的には白色光源、例えば、有機発光ダイオードOLED装置又はディフューザに関連付けられたLED装置であり、ガラス板10の主面10a、10bに実質的に平行な単一の平面照明領域を形成する。
【0076】
有利には、板10a、10bの主面に対して直交して測定される、ガラス板10の第2の主面10bと光源30(その照明領域32、換言すればその発光面)との間の距離D1は、6~16cm、好ましくは10~14cmである。
【0077】
光源30の輝度は、好ましくはコードがその全表面にわたって均一に照射されることを確実にするために、照射領域32の全体にわたって実質的に均一である。
【0078】
平均輝度は、典型的には630~140000cd/m2である。
【0079】
コード12を読むことを望む操作者は、ガラス板10の第1の面10a(ここでは前面と呼ぶ)に面するガラス板10の第1の面に位置する。
【0080】
ガラス板10の第1の側からコードを読み取るために、それらは、本発明によれば、少なくとも1つの光学センサ22、例えばマトリックスセンサを備える光学撮像システム21を備える携帯型装置20、並びに、一般に、レンズシステム及びレンズシステムの周囲に位置する一体化された光源(ここでは示されていない)を使用する。
【0081】
図1に示すように、光学センサ22は、ここではその光軸Aに対応するその一般的な観察方向によって、また、センサのサイズ及びレンズシステムに依存するその観察Cの分野によって画定することができる。
【0082】
携帯型装置20は、手で保持され、操作者によって空間的に動かされるように構成される。
【0083】
図1に示すように、携帯型装置20は、光センサ22が光軸Aに対応する読取方向でコード12に対向するように、ガラスシート10の第1の側に配置されている。
【0084】
この位置で、かつ、前述の配置に従って、光センサ22は、光源30の照明領域32を観察する。このようにして得られた照明は、明視野照明であると言われている:これは直接照明、すなわち、光学センサー22に向かって直接的に配向されている。
【0085】
携帯型装置20の位置の不正確さを考慮しながらこのような照明を確実にするために、光源30の照明領域32の表面は、コード12自身の表面よりも有利には少なくとも10倍大きく、典型的には5~900cm2であることが好都合である。
【0086】
この位置において、操作者は、センサ22による画像の捕捉を開始するために、スイッチ又はトリガを作動させる。次いで、光センサ22は、コードの画像を捕捉する。
【0087】
次いで、画像は、例えば、コードの存在を検出し、コードを見つけ出し、コードを復号することができるようにするために形状及びコントラストを修正することを可能にする、適切な画像24処理ユニットに送信され、この処理ユニットは、携帯型装置20の一部、又は例えば、携帯型装置20に無線接続されたコンピュータ又はタブレットのような外部構造の一部を形成することができる。
【0088】
先に定義した明視野型の照明では、ガラス板10の第2の主面10bと光源との間の距離6~16cm、好ましくは10~14cmに関連する2800~6000cd/m2の光源30の平均輝度の組合せにより、物品の光透過率にかかわらずコードを読み取ることができることが観察された。
【0089】
図6~
図8は、
図6の試験では2800cd/m
2、
図7では1300cd/m
2、
図8では630cd/m
2の3種類の平均輝度の試験結果を示している。
【0090】
各輝度レベルについて、それぞれ10,70及び92%の異なる光透過率(LT)を有する3つの異なるタイプのガラスについて読み取りを行い、各ガラスについて、距離D1を逐次修正して、6~80cmの値を仮定した。
【0091】
平均輝度が2800cd/m2に等しく、距離D1が10又は14cmである場合、ガラス上にマークされたコードの読取は、その光透過率にかかわらず、どのガラスにとっても容易であることが観察される。
【0092】
図2及び
図3は、コード12の照明が先に説明したようにもはや明視野型ではなく、暗視野型である第2の実施態様を示す。
【0093】
この第2実施形態によれば、光源30は、読み出し時においてもなお光学撮像システム21の光軸Aと位置合わせされている。特に、光源30は、ここでは物品の主面10a、10bと直交する方向にコード12と位置合わせされ、携帯型装置20は、光センサ22が画像システム21の光軸Aに対応する読み出し方向にコード12と対向するように、操作者によって方向付けられる。
【0094】
暗視野型の照明を得るために、マスク34(
図2及び
図3参照)は、光源30の一部をマスクし、2つの照明領域32a、32bで囲まれた暗領域36を形成するように配置される。光センサ22の観察視野Cは、この暗領域36に向かって配向されている。
図3に示すように、照明領域32a、32bは、次いで、光センサ22の観察Cの範囲に遭遇しない。これらの提供により、コードは、完全に黒い背景上で発光するように有利に見えることができ、したがって、より良好なコントラストを可能にする。好ましくは、画像装置21の光軸Aは、暗領域36の中央に中心がある。
【0095】
概して、マスク34は、単一の初期照明領域から少なくとも1つの暗領域36及び少なくとも1つの照明領域を生成するのに適した任意のタイプのものである。例えば、マスク34は、それ自体が2つの照明ストリップを形成する2つの照明領域32a、32bに平行なストリップの形態を有することができる。より具体的には、マスク34は、リング形状の照明領域の中心にディスクの形態を有することもできる。
【0096】
暗領域36は、光学センサ22の観察範囲Cよりも広く、センサ22によって捕捉された画像の縁が暗領域内に良好に入るようにすることが好ましい。
【0097】
しかも、有利には、物品の主面に対して直交して測定される、光源30とガラスシート10の第2の主面10bとの距離D2は、1~5cmである。
【0098】
なお、
図2では、コード12は、ガラスシート10の第1の主面10aにマークされているが、変形例として、第2の面10b又はシート10の厚さ内にマークされていてもよい。
【0099】
さらに、第2又は第3の実施形態に関連して説明した暗視野型の照明では、光源30が630~140000cd/m2、好ましくは25000~140000cd/m2の照明領域にわたる平均輝度を有することに留意されたい。
【0100】
図4は、照明が暗視野型である第3の実施形態を示す。しかし、この実施形態では、光源30は、画像システムの光軸Aに対してオフセットされており、その結果、センサ22の観察視野Cの外側に位置する。
【0101】
この例において、より詳細には、光源30は、コード12と交差し、ガラスシート10の主面10a、10bに直交する軸を有する角度αを形成する方向に延び、照射する。角度αは、典型的には5~80°である。
【0102】
なお、
図3において、コード12は、今度はガラスシート10の厚さでマークされていることを留意する。変形例として、それにもかかわらず、第1の主面10a又は第2の主面10b上にマーキングすることができる。
【0103】
本発明は、有利な変形例として、携帯型装置が光学撮像システム21と光源30とを一体化することを提供する。
【0104】
この場合、携帯型システムは、特に、欠陥に対してコードを強調することによって、又は物品が低い光透過率を有するときに物品の第2の面又は体積内に配置されたコードの画像化を可能にすることによって、劣化した品質のコードの読み取りを容易にすることによって、前の実施形態に関連して説明したのと同じように動作するように、物品の第2の側に、それが一体化する光源を配置することができるように構成される。
【0105】
図5は、以下を含むこのような携帯型装置40を示す:
- 光学撮像システム21を支える、第1の分岐部41、
- 光源30を支える第2の分岐部42、
- 第1及び第2の分岐部41、42を互いに接続する中間枝部43。
【0106】
したがって、携帯型装置40は、全体的にU字形を有し、中間分岐部43は、U字の基部を形成し、第1及び第2の分岐部は、それらの間に受容空間44を画定するように互いに離間される。
【0107】
有利には、分岐部の少なくとも1つ、特に図示の例のような中間分岐部43は、装置40を操作者の手で保持することを可能にする、例えば取っ手の形態の把持手段45をさらに備える。
【0108】
実施例では、光源30は、例えば有機発光ダイオードOLED装置によって形成された単一の照明領域32、又はディフューザに関連付けられた少なくとも1つのLED装置を含む。
【0109】
光源30は、光学撮像システム21の光軸に整列され、光学センサ22は、その表面積が好ましくは5~40cm2である照明領域32を直接的に観察する。
【0110】
有利には、光源30は、630~140000cd/m2、好ましくは2800~6000cd/m2の照明領域にわたる平均輝度を有する。
【0111】
さらに、光源と光センサとの間で測定される距離D3は、10~25cmであることが好ましい。
【0112】
したがって、照明は、
図1に関連して前述した第1の実施形態の照明と同様である。変形例として、それは暗視野型であってもよく、前述した第2及び第3の実施形態で説明したように配置されてもよい。この場合、有利には光源30は、630~140000cd/m
2、好ましくは25000~140000cd/m
2の照明領域にわたる平均輝度を有する。
【0113】
コード12を読み取るために、携帯型装置40は、操作者の手に取られ、光センサ22が物品の第1の側に配置され、撮像システムの観察方向(ここでは光軸A)に対応する読み取り方向にコード12に面し、物品10の第2の側に光源30が配置される、
図5に図示される位置で物品10の縁の周りに配置される。
【0114】
本出願人は、いくつかのタイプのガラス及び異なる読み取り条件を用いて、異なる比較コード読み取り試験を実施した。実施された全ての試験において、コードは、物品の第2の主面上に(言い換えると、操作者の反対側の面に)マークされた。
【0115】
結果は以下の通りである:
【0116】
比較試験no.1は、VG10 Comfortsky(その伝達は10%である)の名称で本出願人によって販売されている、厚さ4.85mmのガラス物品上のコードの読み取りに関する。
【0117】
物品の第2の側に光源がなければ、読取装置の2つの異なる位置について、コードが見えないことが観察された。
【0118】
コードが物品の第2の側の光源によって照射されると、明視野型の照射(光源は光学撮像システムの光軸に整列され、光センサは、光源の照明領域を観察する)において、コードは明瞭に視認され、瞬時に読み取られる。
【0119】
比較試験no.2は、VG10 Comfortskyの名称で出願人により販売されている、厚さ2.1mmのガラス物品上のコードの読み取りに関する。この試験では、コードを担持する物品の領域が、ガラスの表面上の指紋によって汚される。
【0120】
物品の第2の面に配置された光源によってコードが照明されると、明視野型の照明では、コードは可視であり、指紋は視覚化されず、コードは即座に読み取られる。
【0121】
光源がない場合、コードは指紋によってマスクされ、コードは読み取りが困難である。
【0122】
比較試験no.3は、TSA 1.8(光透過率70%)の名称で本出願人により販売されている、厚さ1.8mmのガラス物品上のコードの読み取りに関する。
【0123】
物品の第2の側に配置された光源によってコードが照明される場合、明視野型の照明ではコントラストは良好であり、コードは明るく見える背景上で黒色で視覚化され(影を作り)、したがって、即座に読み取られる。光源がオフにされると、コードが白色の背景上に視覚化されるか黒色の背景上に視覚化されるかにかかわらず、コードは、白色で視覚化され(それは散乱する)、コントラストが不十分であるために視覚化されない。
【0124】
比較試験no.4は、XN(80%に等しい光透過率)の名称で出願人により販売されているガラス物品上のコードの読み取りに関する。ここで、表面は、ほこりが多く、コードの品質は、悪い。物品の第2の側に光源がない場合、コードは、(コードが白色背景上で観察されるか黒い背景上で観察されるかにかかわらず)平凡な品質のものであるため、読取可能ではない。
【0125】
本発明によれば、物品の第2の側の光源によってコードが照明されると、コードは黒色になり、即座に読み取られる。
本開示は更に以下の態様を含んでいる:
《態様1》
物品(10)、特にガラス物品上にマークされたコード(12)を手動で読み取る方法であって、前記物品(10)は、第1の側に第1の主面(10a)を、かつ第2の側に前記第1の主面(10a)に対向する第2の主面(10b)を有しており、前記物品(10)が固定された状態で、少なくとも1つの光学センサ(22)を含む撮像システム(21)を備える携帯型装置(20、40)が、前記物品(10)の前記第1の面上に配置され、それによって前記コード(12)に面する前記光学センサ(22)を、前記撮像システム(21)の観察方向(A)に対応する読み取り方向に配置するようにし、前記コード(12)が、前記物品(10)の前記第2の側に配置された光源(30)によって照らされた状態で、前記光学撮像システムによって、前記コード(12)の少なくとも一つの画像が得られる、方法。
《態様2》
前記読み取りの間、前記光源(30)は、前記光学撮像システム(21)の観察方向(A)と位置合わせされることを特徴とする、態様1に記載の方法。
《態様3》
前記読み取り中に、前記光学センサ(22)は、前記光源(30)の照明領域(32、32a、32b)を観察する、態様1又は2に記載の方法。
《態様4》
前記光源と前記コードとの間の距離(D1)は、6~16cm、好ましくは10~14cmである、態様1~3のいずれか一つに記載の方法。
《態様5》
前記光源(30)は、1又は複数の照明領域(32a、32b)によって囲まれた少なくとも1つの暗領域(36)を含み、前記読み取り中に、前記光学センサ(22)は、前記光源(30)の暗領域(36)を観察する、態様2に記載の方法。
《態様6》
前記読み取り中に、前記光源(30)は、前記撮像システム(21)の光軸(A)に対してオフセットされる、態様1に記載の方法。
《態様7》
前記物品(10)は、1~70%の光透過率を有する、態様1~6のいずれか一つに記載の方法。
《態様8》
前記光源(30)は、少なくとも1つの照明領域を有し、前記照明領域にわたる前記光源の輝度は、1-E/Lmeanとして計算されるその均一性が0.5よりも大きく、ここで、Eは、その少なくとも1つの前記照明領域にわたる前記輝度の標準偏差であり、Lmeanは、前記照明領域にわたる平均輝度である、態様1~7のいずれか一つに記載の方法。
《態様9》
前記光源(30)は、少なくとも1つの照明領域有し、その少なくとも1つの照明領域(32、32a、32b)にわたる平均輝度は、630~140000cd/m
2
、好ましくは2800~6000cd/m
2
、又は25000~140000cd/m
2
である、態様1~8のいずれか一つに記載の方法。
《態様10》
前記コード(12)は、前記物品(10)の前記第2の面(10b)に、又は前記物品(10)の厚さ内にマーキングされる、態様1~9のいずれか一つに記載の方法。
《態様11》
前記物品(10)を前記光源(30)の前に配置する予備工程を含み、前記光源(30)は、固定されている、態様1~10のいずれか一つに記載の方法。
《態様12》
前記携帯用装置(40)は、前記光学撮像システム(21)及び前記光源(30)を一体化しており、前記装置(40)は、前記光学センサ(22)が前記光学撮像システム(21)の観察方向(A)に対応する読み取り方向において前記コード(12)に面する前記物品の第1の側に配置され、かつ前記光源(30)が前記物品(10)の第2の側に配置される位置において、前記物品(10)の縁の周りに配置される、態様1から10のいずれか一つに記載の方法。
《態様13》
態様1~12のいずれか一つに記載の方法を実施するための携帯型装置(40)であって、少なくとも1つの光学センサ(22)を含む光学撮像システム(21)及び光源(30)を統合しており、前記携帯装置(40)は、前記光学センサ(22)が前記光学撮像システム(21)の前記観察方向(A)に対応する読み取り方向において前記コードに面する前記物品の前記第1の側に位置し、かつ前記光源(30)が前記物品(10)の前記第2の側に配置される位置において、前記物品(10)の縁の周りに配置されるように構成される、携帯型装置。
《態様14》
態様13に記載の携帯型装置(40)であって、前記光撮像システム(21)を支える第1の分岐部(41)、及び前記光源(30)を支える第2の分岐部(42)を含んでおり、第1及び第2の分岐部(41、42)は、これらの間に受容空間(44)を画定するように、互いに離間している、携帯型装置。
《態様15》
把持手段(45)、特に取っ手をさらに含む、態様13又は14に記載の携帯型装置(40)。
《態様16》
前記光源(30)は、少なくとも1つの有機発光ダイオードOLED装置、又はディフューザに関連付けられた少なくとも1つのLED装置を含む、態様13~15のいずれか一つに記載の携帯型デバイス(40)。
《態様17》
前記光源(30)は、630~140000cd/m
2
、好ましくは2800~6000cd/m
2
又は25000~140000cd/m
2
の少なくとも1つの照明領域(32、32a、32b)にわたる平均輝度を有する、態様13~16のいずれか一つに記載の携帯機器(40)。
《態様18》
前記光源(30)と前記光学センサ(22)との間の距離(D3)は、10~25cmである、態様13~17のいずれか一つに記載の携帯型装置(40)。
《態様19》
前記光源(30)は、前記光学撮像システム(21)の光軸(A)に位置合わせされる、態様13~18のいずれか一つに記載の携帯型装置(40)。
《態様20》
前記光センサ(22)は、前記光源(30)の照明領域(32)を観察する、態様19に記載の携帯型装置(40)。
《態様21》
前記光源は、1又は複数の照明領域(32、32a、32b)によって囲まれた暗領域(36)を含み、前記光学センサは、前記暗領域(36)を観察する、態様19に記載のポータブルデバイス(40)。
《態様22》
前記光源(30)は、前記撮像システム(21)の光軸(A)に対してオフセットされている、態様13~18のいずれか一つに記載の携帯型装置(40)。
《態様23》
前記光センサは、マトリクスセンサを含む、態様13~22のいずれか一つに記載の携帯型装置。