(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】製品誘発性の脳状態測定に基づく製品構成評価用の非侵襲的システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20240425BHJP
G01J 11/00 20060101ALI20240425BHJP
A61B 5/246 20210101ALI20240425BHJP
A61B 5/16 20060101ALN20240425BHJP
【FI】
A61B10/00 H
G01J11/00
A61B10/00 E
A61B5/246
A61B5/16 100
(21)【出願番号】P 2021563405
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(86)【国際出願番号】 US2020029031
(87)【国際公開番号】W WO2020219402
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-04-19
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520449150
【氏名又は名称】エイチアイ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】HI LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】フザム カトナニ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ソベク
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/163361(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0042439(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00- 5/0538
5/06- 5/398
9/00-10/06
A61M 21/00-21/02
G06Q 50/22
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感覚入力装置と、
非侵襲的脳インタフェース・アセンブリと、
少なくとも1つのプロセッサとを具えた非侵襲的製品カスタマイズ及び精神状態修正システムであって、
前記非侵襲的脳インタフェース・アセンブリは、ユーザの脳活動を検出するように構成され、
前記プロセッサは、
製品構成を、前記ユーザの感覚神経系を通したユーザの脳内への入力用に前記ユーザに与えることを前記感覚入力装置に指示し、
前記製品構成を前記ユーザに与えたことに応答して、前記非侵襲的脳インタフェース・アセンブリによって検出した前記脳活動に基づいて前記ユーザの精神状態を測定し、
前記測定した前記ユーザの精神状態に基づいて、仮想的な混合容器内の製品構成を修正し、
前記仮想的な混合容器は、記憶装置に記憶された当該混合容器内の製品構成の情報から成る実体のない混合容器であり、
前記非侵襲的脳インタフェース・アセンブリによって検出した前記脳活動に基づいて前記ユーザの他の精神状態を測定し、
前記ユーザの前記他の精神状態を調整する方法で、前記修正した製品構成を前記ユーザに与えることを、前記感覚入力装置に自動的に指示する
ように構成されている非侵襲的製品カスタマイズ及び精神状態修正システム。
【請求項2】
前記非侵襲的脳インタフェース・アセンブリが光学測定アセンブリである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記非侵襲的脳インタフェース・アセンブリが磁気測定アセンブリである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記非侵襲的脳インタフェース・アセンブリが、少なくとも1つの検出器及び処理回路を具え、前記検出器は前記ユーザの脳からのエネルギーを検出するように構成され、前記処理回路は、前記ユーザの脳からのエネルギーを検出したことに応答して、前記脳活動を識別するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記非侵襲的脳インタフェース・アセンブリが頭部装着部を具え、該頭部装着部は前記少なくとも1つの検出器を担持するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記非侵襲的脳インタフェース・アセンブリが、前記処理回路を担持する補助的な頭部非装着部を具えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記製品構成を、嗅覚系及び/または味覚系を通して前記ユーザの脳内に入力する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記製品構成が、香料、外科治療用途向けのホメオパシー油、ローション、食品、飲料、及び向精神剤のうちの1つ以上の構成を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記精神状態が、情動状態、認知状態、及び知覚状態のうちの1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記検出した脳活動に基づいて前記ユーザの精神状態のレベルを測定し、前記測定した前記ユーザの精神状態のレベルに基づいて前記製品構成を修正するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記精神状態を手動でプログラムされるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
感覚入力装置をさらに具え、該感覚入力装置は、前記製品構成を、前記ユーザの感覚神経系を通した前記ユーザの脳内への入力用に前記ユーザに与えるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサが、選択した成分を前記仮想的な混合容器内の前記製品構成に添加することによって、前記製品構成を修正するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサが、選択した成分を前記仮想的な混合容器内の前記製品構成から廃棄することによって、前記製品構成を修正するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記仮想的な混合容器内の前記製品構成中の選択した既存の成分の用量を変更することによって、前記製品構成を修正するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記修正した製品構成の成分を組み合わせて最終的な製品構成にするようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサの一部分が、前記脳インタフェース・アセンブリ内に包含されて、前記検出した脳活動に基づいて前記ユーザの精神状態を測定し、前記少なくとも1つのプロセッサの他の部分が、周辺機器内に包含されて、前記測定した前記ユーザの精神状態に基づいて、前記仮想的な混合容器内の前記製品構成を修正する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記非侵襲的脳インタフェース・アセンブリが、携帯型でウェアラブルな非侵襲的脳インタフェース・アセンブリであり、前記ユーザが普通の生活及び作業の環境におかれている間に前記ユーザの脳活動を検出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記測定した前記ユーザの前記他の精神状態が否定的な精神状態であり、前記ユーザの前記他の精神状態を調整して前記ユーザの肯定的な精神状態を促進する、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記測定した前記ユーザの前記他の精神状態が不安及び恐怖の一方であり、前記ユーザの前記肯定的な精神状態が、喜び、くつろぎ、及び認知状態のうちの1つである、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記測定した前記ユーザの前記他の精神状態が情動状態であり、前記ユーザの前記他の精神状態を調整して前記ユーザの認知状態を促進する、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ユーザが特定の期間にわたって連続して前記他の精神状態を有したか否かを判定し、
前記ユーザが前記特定の期間にわたって連続して前記他の精神状態を有した場合のみに、前記修正した製品構成を前記ユーザに与えることを、前記感覚入力装置に自動的に指示する
ように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
製品構成をカスタマイズしユーザの精神状態を調整する方法であって、
ユーザの感覚神経系を通した前記ユーザの脳内への前記製品構成の入力に応答した前記ユーザの脳活動を検出するステップと、
前記検出した脳活動に基づいて前記ユーザの精神状態を測定するステップと、
前記測定した前記ユーザの精神状態に基づいて前記製品構成を修正するステップと、
その後にユーザの脳活動を検出するステップと、
前記その後に検出した脳活動に基づいて、前記ユーザの他の精神状態を測定するステップと、
前記ユーザの前記他の精神状態を調整する方法で、前記修正した製品構成を前記ユーザに自動的に与えるステップと
を含む方法。
【請求項24】
前記ユーザの脳活動を光学的に検出する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ユーザの脳活動を磁気的に検出する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ユーザの脳活動を検出するステップが、前記ユーザの脳からのエネルギーを検出するステップと、前記ユーザの脳からのエネルギーを検出したことに応答して、前記脳活動を識別するステップとを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記製品構成を、嗅覚系及び/または味覚系を通して前記ユーザの脳内に入力する、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記製品構成が、香料、外科治療用途向けのホメオパシー油、ローション、食品、飲料、及び向精神剤のうちの1つ以上の構成を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記精神状態が、情動状態、認知状態、及び知覚状態のうちの1つを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記検出した脳活動に基づいて前記ユーザの精神状態を測定するステップが、前記検出した脳活動に基づいて前記ユーザの精神状態のレベルを測定するステップを含み、
前記測定した前記ユーザの精神状態のレベルに基づいて前記製品構成を修正する、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記製品構成を修正するステップが、選択した成分を前記製品構成に添加するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記製品構成を修正するステップが、選択した成分を前記製品構成から廃棄するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記製品構成を修正するステップが、前記製品構成中の選択した既存の成分の用量を変更するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記修正した製品構成の成分を組み合わせて、最終的な製品構成にするステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項35】
前記ユーザが普通の生活及び作業の環境におかれている間に前記ユーザの脳活動を検出する、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
前記測定した前記ユーザの前記他の精神状態が否定的な精神状態であり、前記ユーザの前記他の精神状態を調整して前記ユーザの肯定的な精神状態を促進する、請求項23に記載の方法。
【請求項37】
前記測定した前記ユーザの前記他の精神状態が不安及び恐怖の一方であり、前記ユーザの前記肯定的な精神状態が、喜び、くつろぎ、及び認知状態のうちの1つである、請求項3
6に記載の方法。
【請求項38】
前記測定した前記ユーザの前記他の精神状態が情動状態であり、前記ユーザの前記他の精神状態を調整して前記ユーザの認知状態を促進する、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記ユーザが特定の期間にわたって連続して前記他の精神状態を有したか否かを判定するステップと、
前記ユーザが前記特定の期間にわたって連続して前記他の精神状態を有した場合のみに、前記修正した製品構成を前記ユーザに自動的に与えるステップと
をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願データ
第35篇米国法典119条(e)項(35 U.S.C. §119(e))に準拠し、本願は、米国特許仮出願第62/839405号、2019年4月26日出願、及び米国特許仮出願第62/894578号、2019年8月30日出願による優先権を主張し、これらの米国特許仮出願は参照することによって明示的に本明細書に含める。
【0002】
発明の分野
本発明は、人体における非侵襲的測定用の方法及びシステムに関するものであり、特に、人間の精神状態を検出することに関係する方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
例えば、香料、ホメオパシー油、ローション、食品、飲料、向精神剤、等のような個人向け製品を作り出す事業が存在する。一般に、このような個人向け製品用の製法は、感覚入力を異なる製品構成の形態で個人に提供し、この個人からの製品の異なる構成に対する自発的な感覚のフィードバックを受けることによって作り出される。しかし、いずれの特定の個人によって提供される自発的な感覚のフィードバックも、その個人の感覚の限界と同じくらい正確であるに過ぎない。例えば、時として、人は、製品の構成に対する自分の自発的な感覚のフィードバックにおいて一貫性がないか意図的に不正直であることがあり、あるいは、感覚入力に対する自分の反応を十分に自覚して意識しないことがある。従って、あらゆる特定の個人によって提供される自発的な感覚のフィードバックが、特定の製品構成がその個人にとって適切に個人向けにされていることの信頼性のある指標ではないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願第15/844370号明細書
【文献】米国特許出願第15/844398号明細書
【文献】米国特許出願第15/844411号明細書
【文献】米国特許出願第15/853209号明細書
【文献】米国特許出願第15/853538号明細書
【文献】米国特許出願第16/266818号明細書
【文献】米国特許出願第16/299067号明細書
【文献】米国特許出願第16/379090号明細書
【文献】米国特許出願第16/382461号明細書
【文献】米国特許出願第16/392963号明細書
【文献】米国特許出願第16/392973号明細書
【文献】米国特許出願第16/393002号明細書
【文献】米国特許出願第16/385265号明細書
【文献】米国特許出願第16/533133号明細書
【文献】米国特許出願第16/565326号明細書
【文献】米国特許出願第16/226625号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/772584号明細書
【文献】米国特許出願第16/432793号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/855360号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/855380号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/855405号明細書
【文献】米国特許出願第16/051462号明細書
【文献】米国特許出願第16/202771号明細書
【文献】米国特許出願第16/283730号明細書
【文献】米国特許出願第16/544850号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/880025号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/889999号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/906620号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/979866号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992486号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992491号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992493号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992497号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992499号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992502号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992506号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992510号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992512号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992526号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992529号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992536号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992543号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992550号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992552号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992555号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992559号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/992567号明細書
【文献】米国特許出願第16/428871号明細書
【文献】米国特許出願第16/418478号明細書
【文献】米国特許出願第16/418500号明細書
【文献】米国特許出願第16/457655号明細書
【文献】米国特許出願第16/213980号明細書
【文献】米国特許出願第16/456975号明細書
【文献】米国特許出願第16/752393号明細書
【文献】米国特許出願第16/741593号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/858636号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/836421号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/842818号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/926032号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/896929号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/960548号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/967787号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/967797号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/967803号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/967804号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/967813号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/967818号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/967823号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/975709号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/975693号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/975719号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/975723号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/975727号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/983406号明細書
【非特許文献】
【0005】
【文献】Lee, B.T., Seok, J.H., Lee, B.C., Cho, S.W., Chai, J.H., Choi, I.G., Ham, B.J., “Neural correlates of affective processing in response to sad and angry facial stimuli in patients with major depressive disorder”, Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry, 32(3), 778-85 (2008)
【文献】A.C. Felix-Ortiz, A.C., Burgos-Robles, A., Bhagat, N.D., Leppia, C.A., Tye, K.M., “Bidirectional modulation of anxiety-related and social behaviors by amygdaia projections to the medial prefrontal cortex”, Neuroscience 321, 197-209 (2016)
【文献】Beauregard, M., Levesque, J. & Bourgouin, P., “Neural correlates of conscious self-regulation of emotion”, J. Neurosci. (2001): 21, RC165
【文献】Phan, K. L., Wager, T., Taylor, S. F. & Liberzon, I., “Functional neuroimaging of emotion: a meta-analysis of emotion activation studies in PET and fMRI”, Neuroimage, 16, 331-348 (2002)
【文献】Canli, T. & Amin, Z., “Neuroimaging of emotion and personality: scientific evidence and ethical considerations”, Brain Cogn., 50, 414-431 (2002)
【文献】McCloskey, M. S., Phan, K. L. & Coccaro, E. F., “Neuroimaging and personality disorders”, Curr. Psychiatry Rep., 7, 65-72 (2005)
【文献】Heekeren, H. R., Marrett, S., Bandettini, P. A. & Ungerleider, L. G., “A general mechanism for perceptual decision-making in the human brain”, Nature, 431, 859-862 (2004)
【文献】Shin LM, Rauch SL, Pitman RK. Amygdaia, “Medial Prefrontal Cortex, and Hippocampal Function in PTSD”, Ann N Y Acad Sci., 1071(1) (2006)
【文献】Lis E, Greenfield B, Henry M, Guile JM, Doughtery G., “Neuroimaging and genetics of borderline personality disorder: a review”, J Psychatry Neurosci., 32(3), 162-173 (2007)
【文献】Etkin A, Wager TD, “Functional neuroimaging of anxiety: a meta-analysis of emotional processing in PTSD, social anxiety disorder, and specific phobia”, Am J Psychatry, 164(10), 1476-1488 (2007)
【文献】Etkin A., “Functional Neuroimaging of Major Depressive Disorder: A Meta-Analysis and New Integration of Baseline Activation and Neural Response Data”, Am J Psychatry, 169(7), 693-703 (2012)
【文献】Sheline YI, Price JL, Yan Z, Mintun MA, “Resting-state functional MRI in depression unmasks increased connectivity between networks via the dorsal nexus”, Proc. Natl Acad Sci., 107(24), 11020-11025 (2010)
【文献】Bari A, Robbins TW, “Inhibition and impulsivity: Behavioral and neural basis of response control”, Prog Neurobiol., 108:44-79 (2013)
【文献】Kagias, Konstantinous et al., “Neuronal responses to physiological stress”, Frontiers in genetics, 3:222 (2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、特定の個人からの自発的な感覚のフィードバックに頼らずに、製品構成を特定の個人向けに合わせる必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、非侵襲的製品カスタマイズ(特注生産)システムが非侵襲的脳インタフェース・アセンブリを具え、この非侵襲的脳インタフェース・アセンブリは、ユーザの感覚神経系(例えば、嗅覚系及び/または味覚系)を通したユーザの脳内への製品構成(例えば、香料、外科治療用途向けのホメオパシー油、ローション、食品、飲料、及び向精神剤のうちの1つ以上)の入力に応答した(例えば、ユーザが普通の生活及び作業の環境におかれている間の)ユーザの脳活動を検出するように構成されている。1つの好適例では、この非侵襲的脳インタフェース・アセンブリが光学測定アセンブリである。他の好適例では、この非侵襲的脳インタフェース・アセンブリが磁気測定アセンブリである。この非侵襲的脳インタフェース・アセンブリは、例えば、少なくとも1つの検出器及び処理回路を具えることができ、検出器はユーザの脳からのエネルギーを検出するように構成され、処理回路は、ユーザの脳からのエネルギーを検出したことに応答して脳活動を識別するように構成されている。この非侵襲的脳インタフェース・アセンブリは、頭部装着部及び補助的な頭部非装着部を具えることができ、頭部装着部は上記少なくとも1つの検出器を担持し、補助的な頭部非装着部は上記処理回路を担持する。
【0008】
この非侵襲的製品カスタマイズシステムは、少なくとも1つのプロセッサをさらに具え、このプロセッサは、検出した脳活動に基づいて、ユーザの精神状態(例えば、情動状態、認知状態、及び知覚状態のうちの1つ)を測定し、測定したユーザの精神状態に基づいて、仮想的な混合容器内の製品構成を(例えば、選択した成分を仮想的な混合容器内の製品構成に添加することによって、選択した成分を仮想的な混合容器内の製品構成から廃棄することによって、及び/または仮想的な混合容器内の製品構成中の選択した既存の成分の用量を変更することによって)修正するように構成されている。
【0009】
1つの好適例では、プロセッサが、検出した脳活動に基づいて、ユーザの精神状態(例えば、情動状態、認知状態、及び知覚状態のうちの1つ)のレベルを測定し、測定したユーザの精神状態のレベルに基づいて製品構成を修正するように構成されている。プロセッサは、測定した精神状態を手動でプログラムされるように構成することができる。上記非侵襲的製品カスタマイズシステムは、任意で感覚入力装置を具えることができ、この感覚入力装置は、製品構成を、ユーザの感覚神経系を通したユーザの脳内への入力用にユーザに与えるように構成されている。プロセッサは、修正した製品構成の成分を組み合わせて最終的な製品構成にするようにさらに構成することができる。1つの好適例では、プロセッサの一部分が脳インタフェース・アセンブリ内に包含されて、検出した脳活動に基づいてユーザの精神状態を測定し、プロセッサの他の部分は周辺機器内に包含されて、検出したユーザの精神状態に基づいて仮想的な混合容器内の製品構成を修正する。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、製品構成をカスタマイズする方法が、ユーザの感覚神経系(例えば、嗅覚系及び/または味覚系)通したユーザの脳内へ製品構成(例えば、香料、外科治療用途向けのホメオパシー油、ローション、食品、飲料、及び向精神剤のうちの1つ以上)のの入力に応答した(例えば、ユーザが普通の生活及び作業の環境におかれている間の)ユーザの脳活動を検出するステップを含む。1つの方法では、脳活動を光学的に検出する。他の方法では、脳活動を磁気的に検出する。ユーザの脳活動は、例えば、ユーザの脳からのエネルギーを検出し、ユーザの脳からのエネルギーを検出したことに応答して脳活動を識別することによって検出することができる。
【0011】
この方法は、検出した脳活動に基づいて、ユーザの精神状態(例えば、情動状態、認知状態、及び知覚状態のうちの1つ)を測定するステップと、測定したユーザの精神状態に基づいて、(例えば、選択した成分を製品構成に添加することによって、選択した成分を製品構成から廃棄することによって、及び/または製品構成中の選択した既存の成分の用量を変更することによって)製品構成を修正するステップをさらに含むことができる。1つの方法では、検出した脳活動に基づいてユーザの精神状態を測定するステップが、検出した脳活動に基づいてユーザの精神状態のレベルを測定するステップを含み、この場合、製品構成は、測定したユーザの精神状態のレベルに基づいて修正することができる。他の方法は、修正した製品構成の成分を組み合わせて最終的な製品構成にするステップをさらに含む。
【0012】
本発明の第3の態様によれば、非侵襲的精神状態調整システムが感覚入力装置を具え、この感覚入力装置は、ユーザの感覚神経系(例えば、嗅覚系及び/または味覚系)を通して製品構成(例えば、香料、外科治療用途向けのホメオパシー油、ローション、食品、飲料、及び向精神剤のうちの1つ以上)をユーザの脳内へ与えるように構成されている。
【0013】
上記非侵襲的精神状態調整システムは、非侵襲的脳インタフェース・アセンブリをさらに具え、この非侵襲的脳インタフェース・アセンブリは、(例えば、ユーザが普通の生活及び作業の環境におかれている間の)ユーザの脳活動を検出するように構成されている。1つの好適例では、非侵襲的脳インタフェース・アセンブリが光学測定アセンブリである。他の好適例では、この非侵襲的脳インタフェース・アセンブリが磁気測定アセンブリである。この非侵襲的脳インタフェース・アセンブリは、例えば、少なくとも1つの検出器、及び処理回路を具えることができ、検出器はユーザの脳からのエネルギーを検出するように構成され、処理回路は、ユーザの脳からのエネルギーを検出したことに応答して脳活動を識別するように構成されている。この非侵襲的脳インタフェース・アセンブリは、頭部装着部及び補助的な頭部非装着部を具えることができ、頭部装着部は上記少なくとも1つの検出器を担持し、補助的な頭部非装着部は上記処理回路を担持する。
【0014】
上記非侵襲的精神状態調整システムは、少なくとも1つのプロセッサをさらに具えることができ、このプロセッサは、検出した脳活動に基づいてユーザの精神状態を測定し、検出したユーザの精神状態に応答して、ユーザの精神状態を調整する方法で製品構成をユーザに与えることを、上記感覚入力装置に自動的に指示するように構成されている。製品構成は、ユーザの肯定的な精神状態(例えば、喜び、くつろぎ、及び認知状態のうちの1つ)を促進する方法でユーザに与えられることが好ましい。
【0015】
1つの好適例では、測定したユーザ精神状態が否定的な精神状態(例えば、不安及び恐怖の一方)であり、ユーザの精神状態を調整して、肯定的な精神状態(例えば、喜び、くつろぎ、及び認知状態のうちの1つ)を促進する。他の好適例では、上記プロセッサが、肯定的な精神状態に手動でプログラムされるようにさらに構成されている。さらに他の好適例では、プロセッサの一部分が脳インタフェース・アセンブリ内に包含されて、検出した脳活動に基づいてユーザの精神状態を測定し、プロセッサの他の部分は周辺機器内に包含されて、検出したユーザの精神状態に基づいて仮想的な混合容器内の製品構成を修正する。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、ユーザの精神状態(例えば、情動状態、認知状態、及び知覚状態のうちの1つ)を調整する方法が、(例えば、ユーザが普通の生活及び作業の環境におかれている間の)ユーザの脳活動を検出するステップを具えている。1つの方法では、脳活動を光学的に検出する。他の方法では、脳活動を磁気的に検出する。ユーザの脳活動は、例えば、ユーザの脳からのエネルギーを検出し、ユーザの脳からのエネルギーを検出したことに応答して脳活動を識別することによって検出することができる。
【0017】
上記方法は、検出した脳活動に基づいてユーザの精神状態(例えば、情動状態、認知状態、及び知覚状態のうちの1つ)を測定するステップと、ユーザの精神状態を調整する方法で、ユーザの感覚神経系(例えば、嗅覚系及び/または味覚系)を通して、製品構成(例えば、香料、外科治療用途向けのホメオパシー油、ローション、食品、飲料、及び向精神剤のうちの1つ以上)をユーザの脳内へ自動的に与えるステップとをさらに含む。1つの方法では、測定したユーザの精神状態が否定的な精神状態(例えば、不安及び恐怖の一方)であり、ユーザの精神状態を調整して、ユーザの肯定的な精神状態(例えば、喜び、くつろぎ、及び認知状態のうちの1つ)を促進する。
【0018】
本発明の他の追加的な特徴は、以下の好適な実施形態の詳細な説明を読むことにより明らかになり、これらの好適な実施形態は、本発明を限定することではなく例示することを意図している。
【0019】
図面は、本発明の実施形態の設計及び実用性を図示し、これらの図面では、同様な要素を共通の参照番号によって参照する。本発明の上述した利点及び目的及び他の利点及び目的が得られる方法をより良く理解するために、簡潔に上述した本発明のより具体的な説明を、その具体的な実施形態を参照することによって提供し、これらの実施形態は添付した図面中に図示する。これらの図面は、本発明の代表的な実施形態を示すに過ぎず、従って、本発明の範囲を限定するものと考えるべきでないことを理解して、添付した図面の使用により、追加的な特異性及び細部を伴って本発明を記述し説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態により構成した非侵襲的製品構成システムのブロック図である。
【
図2】
図2A~2Eは、
図1の非侵襲的製品構成システムによる、混合容器内の成分の変更を示す図である。
【
図3】
図1の非侵襲的製品構成システムを動作させる一方法を示す流れ図である。
【
図4】
図1の非侵襲的製品構成システムを非侵襲的精神状態修正システムとして動作させる一方法を示す流れ図である。
【
図5】
図1の非侵襲的製品構成システムの1つの具体的な物理的実施形態の図である。
【
図6】
図1の非侵襲的製品構成システムの他の具体的な物理的実施形態の図である。
【
図7】
図7A~7Dは、
図6のシステムと共に使用される好適な非侵襲的ウェアラブルデバイスを示す図である。
【
図8】
図1の非侵襲的製品構成システムのさらに他の具体的な物理的実施形態の図である。
【
図9】
図8のシステムと共に使用される好適な非侵襲的ウェアラブルデバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施形態の詳細な説明
ここで
図1を参照しながら、本発明により構成した非侵襲的製品カスタマイズシステム10の一般化した実施形態を説明する。以下でさらに詳細に説明するように、非侵襲的製品カスタマイズシステム10は、製品;例えば、香料、外科治療用途向けのホメオパシー油、ローション、食品、飲料(例えば、選択したコーヒー豆、カフェイン成分、及びバニラのような香味料のブレンドをカスタマイズしたコーヒー飲料)、及び向精神剤、等の、ユーザ12(あるいは、その代わりにユーザ12と同じクラス内の人々のグループ)向けのカスタマイズを、ユーザ12からの自発的な感覚のフィードバックを必要とせずに促進する。これも以下でさらに詳細に説明するように、この非侵襲的製品構成システムは、任意で、製品構成をユーザ12に与えて、ユーザ12の精神状態、例えば否定的な精神状態を肯定的な精神状態に調整する非侵襲的精神状態調整システムとして機能することができる。
【0022】
この目的で、非侵襲的製品カスタマイズシステム10は非侵襲的脳インタフェース・アセンブリ14を具え、非侵襲的脳インタフェース・アセンブリ14は、ユーザ12の脳活動を検出するように構成されている。以下でさらに詳細に説明するように、脳インタフェース・アセンブリ14は、高感度の電子装置の使用により、光学ベース、磁気ベース、あるいはユーザ12の脳活動を非侵襲的に(即ち、ユーザ12の皮膚を傷つけずに頭蓋骨を通して)検出することを可能にする他のあらゆるモダリティ(医療用撮像手段)に基づくものとすることができ、これらの電子装置はユーザ12が身に着けるように設計されている。以下でさらに詳細に説明するように、非侵襲的脳アセンブリ14は、ユーザが身に着けることができる点で携帯用である。このようにして、非侵襲的製品カスタマイズシステム10は、普通の生活及び作業の環境内で好都合に用いることができる。本明細書の目的では、「普通の生活及び作業の環境」は、通常の普段の環境であり、従って、ユーザ12が、システム10、あるいはシステム10が結合されるか、さもなければ付属物である他のシステムによる物理的妨害なしに、ユーザ12が自由に歩き回ることを可能にすることを必要とする。従って、普通の生活及び作業の環境は、臨床背景(例えば、従来型の磁気共鳴画像診断(MRI:magnetic resonance imaging)装置またはコンピュータ断層撮影(CT:computer tomography)を、ユーザからの神経作用を検出するために用いることができる可能性があるあらゆる状況)を除く。代案の実施形態では、非侵襲的脳インタフェース・アセンブリ14を、普通の生活及び作業の環境の外部で、例えば、食品研究の設備または実験室で動作させる方が適切である場合に、非侵襲的脳インタフェース・アセンブリ16を非携帯型及び/または非ウェアラブル型にすることができる。
【0023】
脳インタフェース・アセンブリ14は、検出したユーザ12の脳活動に基づいて精神状態を測定するように構成されているが、この機能は、非侵襲的製品カスタマイズシステム10内の他の処理構成要素によって実行することができ、これについては以下でさらに詳細に説明する。ユーザ12の精神状態は、例えば、情動状態(例えば、喜び、興奮、くつろぎ、驚き、不安、悲しみ、怒り、嫌悪感、軽蔑、恐怖、等)、知的機能及びプロセスを包含する認知状態(例えば、金銭回収、集中、注意、創造性、推論、問題解決、意思決定、言語の理解及び生成、等)、または知覚状態(顔面知覚、色知覚、音知覚、視覚、等)を含むことができる。
【0024】
ユーザ12の精神状態は、様々な方法のいずれか1つで検出した脳活動に基づいて測定することができる。一実施形態では、ユーザ12の精神状態を測定するに当たり単変量の方法を実行することができ、即ち、脳活動をユーザ12の複数(例えば何千も)の分離可能な皮質モジュールにおいて検出することができ、そして各皮質モジュールから得られた脳活動を別個に独立して分析することができる。他の実施形態では、ユーザ12の精神状態を測定するに当たり多変量の方法を実行することができ、即ち、脳活動をユーザ12の複数(例えば何千も)の分離可能な皮質モジュールにおいて検出することができ、そしてこれらの皮質モジュールから得られた脳活動の全体的な空間的パターンをまとめて評価することができる。
【0025】
様々なモデルのいずれか1つを用いて、ユーザ12の精神状態を分類することができ、これらのモデルは、これらのモデル上に入力される脳活動の特性に大きく依存する。こうした脳活動の特性は、一般に、捕捉される時空的な脳活動から抽出することができ、例えば、信号の位置、これらの位置内、あるいは位置全体にわたるきめの細かいパターン、信号の振幅、挙動に対する応答のタイミング、(時系列のフーリエ変換をとった)信号の周波数帯域の大きさ、周波数帯域の大きさの比率、同時に捕捉した2つ以上の位置間の信号の時系列間の相互相関、同時に捕捉した2つ以上の位置間のスペクトル・コヒーレンス、分散を最大にする成分、非ガウス的類似性を最大にする成分、等を含むことができる。上記モデルに入力するために選択した脳活動の特性は、単変量及び多変量の方法を参照して考慮しなければならない、というのは、例えば、単変量の方法は単一の位置に焦点を当て、従って、複数の位置の相関をとった特徴を利用しないからである。脳活動の特性は、日常生活における思考及び知覚のパターンの状態中に記録した前処理済みの生データから抽出することができ、これらの生データは連続的に変化する意識の流れによって特性化される。生データの前処理は、一般に、これらのデータを(時間領域または周波数領域のいずれかで)フィルタ処理して、平滑化すること、ノイズを除去すること、及び信号の異なる成分を分離することを含む。
【0026】
モデルを選択することは、データがラベル(標識)付きであるかラベルなし(非標識)であるか(脳活動を検出した時点でユーザが何をしているかが既知であるかを意味する)、並びに他の多数の要因(例えば、データが正規分布しているものと仮定されるか、データが直線(線形の)関係であるものと仮定されるか、データが非直線(非線形の)関係であるものと仮定されるか、等)に重度に依存する。モデルは、例えば、サポートベクターマシン、期待値最大化技術、ナイーブ(単純)ベイズ技術、ニューラル・ネットワーク(神経回路網)、ディープラーニング(深層学習)モデル、パターン分類、等を含むことができる。
【0027】
これらのモデルは一般にある程度の学習データで初期化される(較正ルーチンをユーザに対して実行してユーザが何をしているかを特定することができることを意味する)。学習情報を取得することができない場合、こうしたモデルは予備知識に基づいて発見的に初期化することができ、これらのモデルは、最適化がある最大値または最小値の解に落ち着くであろうという見込みで反復的に最適化することができる。一旦、ユーザが何をしているかを知ると、神経作用の適切な特性及び適切なモデルを問い合わせることができる。これらのモデルを層状化または段階化し、これにより、例えば、第1モデルは前処理(例えば、フィルタ処理)されたデータに焦点を当て、次のモデルは、前処理したデータを分類(クラスタリング)して、ユーザが実行する既知の行動と相関があるものと認識することができる特定の特徴を分離することに焦点を当て、その次のモデルは、別個のモデルに問い合わせて、このユーザの行動に基づいて精神状態を測定することができる。
【0028】
以下でさらに詳細に説明するように、ユーザの学習データまたは予備知識は、既知の生活/作業の状況をユーザに提供することによって得ることができる。要するに、モデルを用いて、自然または準自然の下での(即ち、既知の生活/作業の状況をユーザに提供したことに応答した)精神状態及び知覚、及び経時的に平均化した行動を考慮した動的な条件を追跡して、データから抽出した脳活動における一定の、あるいは自発的な変動に基づくユーザの精神状態を測定することができる。
【0029】
例えば実験室の環境において既に証明されているデータモデルの集合を、非侵襲的製品カスタマイズシステム10に最初にアップロードすることができ、次に、このシステムはアップロードされたモデルを用いてユーザの精神状態を測定する。任意で、非侵襲的製品カスタマイズシステム10は、ユーザによる実際の使用中にデータを収集することができ、次に、これらのデータを、例えば実験室環境内の別個のサーバーにダウンロードして、このサーバー内で分析して、新たな、あるいは更新したモデルを作成することができる。この新たな、あるいは更新したモデルを含むことができるソフトウェア・アップグレード(機能向上版)を、非侵襲的製品カスタマイズシステム10にアップロードして、新たな、あるいは更新したデータモデル化及びデータ収集を提供することができる。
【0030】
検出した脳活動に基づいて人の精神状態を測定することに関するさらなる詳細は、論文審査のある様々な刊行物中に見出すことができる。Lee, B.T., Seok, J.H., Lee, B.C., Cho, S.W., Chai, J.H., Choi, I.G., Ham, B.J., “Neural correlates of affective processing in response to sad and angry facial stimuli in patients with major depressive disorder”, Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry, 32(3), 778-85 (2008)(非特許文献1);A.C. Felix-Ortiz, A.C., Burgos-Robles, A., Bhagat, N.D., Leppia, C.A., Tye, K.M., “Bidirectional modulation of anxiety-related and social behaviors by amygdala projections to the medial prefrontal cortex”, Neuroscience 321, 197-209 (2016)(非特許文献2);Beauregard, M., Levesque, J. & Bourgouin, P., “Neural correlates of conscious self-regulation of emotion”, J. Neurosci. (2001): 21, RC165(非特許文献3);Phan, K. L., Wager, T., Taylor, S. F. & Liberzon, I., “Functional neuroimaging of emotion: a meta-analysis of emotion activation studies in PET and fMRI”, Neuroimage, 16, 331-348 (2002)(非特許文献4);Canli, T. & Amin, Z., “Neuroimaging of emotion and personality: scientific evidence and ethical considerations”, Brain Cogn., 50, 414-431 (2002)(非特許文献5);McCloskey, M. S., Phan, K. L. & Coccaro, E. F., “Neuroimaging and personality disorders”, Curr. Psychiatry Rep., 7, 65-72 (2005)(非特許文献6);Heekeren, H. R., Marrett, S., Bandettini, P. A. & Ungerleider, L. G., “A general mechanism for perceptual decision-making in the human brain”, Nature, 431, 859-862 (2004)(非特許文献7);Shin LM, Rauch SL, Pitman RK. Amygdala, “Medial Prefrontal Cortex, and Hippocampal Function in PTSD”, Ann N Y Acad Sci., 1071(1) (2006)(非特許文献8);Lis E, Greenfield B, Henry M, Guile JM, Doughtery G., “Neuroimaging and genetics of borderline personality disorder: a review”, J Psychatry Neurosci., 32(3), 162-173 (2007)(非特許文献9);Etkin A, Wager TD, “Functional neuroimaging of anxiety: a meta-analysis of emotional processing in PTSD, social anxiety disorder, and specific phobia”, Am J Psychatry, 164(10), 1476-1488 (2007)(非特許文献10);Etkin A., “Functional Neuroimaging of Major Depressive Disorder: A Meta-Analysis and New Integration of Baseline Activation and Neural Response Data”, Am J Psychatry, 169(7), 693-703 (2012)(非特許文献11);Sheline YI, Price JL, Yan Z, Mintun MA, “Resting-state functional MRI in depression unmasks increased connectivity between networks via the dorsal nexus”, Proc. Natl Acad Sci., 107(24), 11020-11025 (2010)(非特許文献12);Bari A, Robbins TW, “Inhibition and impulsivity: Behavioral and neural basis of response control”, Prog Neurobiol., 108:44-79 (2013)(非特許文献13);Kagias, Konstantinous et al., “Neuronal responses to physiological stress”, Frontiers in genetics, 3:222 (2012)(非特許文献14)参照。
【0031】
非侵襲的製品カスタマイズシステム10は、感覚入力装置16aまたは製品16b(集合的に感覚入力/製品16と称する)をさらに具え、感覚入力/製品16は、異なる製品構成入力を、ユーザ12の感覚神経系を通してユーザの脳内に与えるように構成されている。例えば、これらの異なる製品構成は、ユーザ12が吸入及び/または摂取することができ、この場合、これらの異なる製品構成をユーザ12の脳内に入力する感覚系は、嗅覚系または味覚系とすることができる。感覚入力装置16aは、例えば、異なる製品構成をユーザ12の鼻の付近へ搬送するマスクまたは管を具えることができる。その代わりに、これらの異なる製品構成は、実際の製品16b自体の形態でユーザ12に与えることができる。即ち、ユーザ12は単に製品を嗅ぐか味見するだけでよい。これらの異なる製品構成は、異なる成分または同じ成分の異なる用量を含むことができる。例えば、第1製品構成は成分A、成分B、及び成分Cを含むことができ;第2製品構成は成分A、成分C、成分D、及び成分Eを含むことができる。あるいは、第1製品構成は第1用量の成分A及び第1用量の成分Bを含むことができ、第2製品構成は第2の異なる用量の成分A及び第2の異なる用量の成分Bを含むことができる。製品構成200の例を
図2A~2Eに示して以下に説明する。
【0032】
非侵襲的製品カスタマイズシステム10は、周辺機器18(例えば、スマートホン、タブレット・コンピュータ、等)をさらに具え、周辺機器18は、試験される製品構成に関して、ユーザ12の所望の単数または複数の精神状態を、脳インタフェース・アセンブリ14によって監視されるようにプログラムすべく構成されている。こうしたユーザ12の精神状態は、ユーザ12による周辺機器18上での手動選択または手動入力を用いて個別にプログラムすることができ、個別体験の選択肢の集合のうちの1つを表すボタン、タブ、またはアイコンによる、例えばラジオボタンまたは同様に選択可能な選択肢の使用による、周辺機器18のグラフィカル・ユーザインタフェースにより利用可能にすることができる。
【0033】
周辺機器18は、測定したユーザ12の精神状態に基づいて、仮想的な混合容器19を用いて製品構成を修正するようにも構成されている。例として、周辺機器18は、選択した成分を仮想的な混合容器19内の製品構成に添加することによって、選択した成分を仮想的な混合容器19内の製品構成から廃棄することによって、及び/または仮想的な混合容器19内の製品構成中の選択した既存の成分の用量を変更することによって製品構成を修正するように構成することができる。仮想的な混合容器19は周辺機器18に内蔵されているように示しているが、仮想的な混合容器19は別個の装置に内蔵させることができる。
【0034】
周辺機器18は、最終的に、周辺機器18内にプログラムされた所望の精神状態を最良に促進する最適化された製品構成を決定するように構成されることが好ましい。このことは、例えば、異なるように修正した製品構成の、ユーザ12の感覚神経系を通したユーザの脳内への入力に応答して、脳インタフェース・アセンブリ14によりユーザ12の追加的な脳活動を反復的に検出して、周辺機器18により、追加的に検出したユーザ12の脳活動に基づいて、ユーザ12の修正した精神状態を反復的に測定することによって実現することができる。一旦、製品構成が最適化されると、周辺機器18は、最適化された製品構成の成分を組み合わせて最終的な製品構成にするように構成することができる。周辺機器18は、最適化された製品構成を反復的に検証して、混合容器19内の製品構成がユーザ12の所望の精神状態を促進し続けることを保証するようにさらに構成することもできる。
【0035】
周辺機器18は、最終的な製品構成の各々を特定のプログラムされた精神状態に関連付けるように構成することもでき、これにより、周辺機器18は、特定の製品構成を、ユーザ12の精神状態をプログラムされた精神状態に調整する方法でユーザ12に与えることを、感覚入力装置16aに指示することができる。例えば、ユーザ12が否定的な精神状態(例えば、不安または恐怖)を有するものと周辺機器18が判定した場合、周辺機器18は、肯定的な精神状態(例えば、喜び、くつろぎ、または認知状態)に対応する製品構成を自動的に選択して、選択した製品構成を、ユーザ12の精神状態を肯定的な精神状態に調整する方法でユーザ12に与えることを、感覚入力装置16aに指示するように構成することができる。
【0036】
非侵襲的製品カスタマイズシステム10は、ユーザ12の脳活動を追跡するように構成されたデータベース、サーバー、またはクラウド構造20を任意で具えることができる。例えば、データベース、サーバー、またはクラウド構造20は(脳インタフェース・アセンブリ14の精神状態測定機能と独立して、あるいは連動して)生データの分析を実行して、ユーザ12の精神状態を測定するように構成することができる。
【0037】
例えば、ユーザ12によって得られた生データが匿名化されてデータベース、サーバー、またはクラウド構造20内に記憶されている場合、上記データモデルを種々のユーザ間でプール(共同保存)することができ、このことは深層学習アルゴリズムにとって有効である。データベース、サーバー、またはクラウド構造20は、信号データ分析における相互相関分析を実行して、データベースのプールサイズを低減して、主たる平均化したデータを、ユーザと同様なプールに集中させることができる。大抵は、各ユーザが自分達向けに最適化された自分達のモデルの一部分を有するが、他の部分はより大きなユーザのプールから抽出したパターンを利用する。各ユーザは、無限個数の行動のうちの任意の様々なものを実行することができることも明らかである。従って、ユーザが適切に較正されている場合でも、こうした較正は無限の可能性のうちの小集合向けであるに過ぎない。モデルを一般化することは、種々の変動性を含み得るし、最適化は困難であり得る。しかし、大きなユーザ・データベースをデータベース、サーバー、またはクラウド構造20上に構築することによって、こうしたデータベース、サーバー、またはクラウド構造20に接続されたデータ分析パイプラインが、データを前処理(データを整理)し、すべての異なる種類の特徴を抽出し、そして適切なデータモデルを適用して、この問題を克服することができる。ユーザ12の脳活動を、追加的な生活/作業の状況で追跡して、ユーザ12の自覚及び行動調整パターンの深度評価におけるメタデータを取得することができる。追跡されるデータ分析の全部を、データベース、サーバー、またはクラウド構造20によって実行されるものとして説明しているが、追跡されるデータ分析機能の少なくとも一部分は、周辺機器18に内蔵させることができることは明らかであり、プールのユーザ間の脳活動の追跡は、データベース、サーバー、またはクラウド構造20によって実行されることが好ましいという警告を伴う。
【0038】
非侵襲的製品カスタマイズシステム10のデータモデルの構造、機能、及び用途を説明してきたが、非侵襲的製品カスタマイズシステム10を動作させる1つの方法100を以下に
図3を参照しながら説明する。
【0039】
最初に、脳インタフェース・アセンブリ14がユーザ12の脳活動を検出する(ステップ102)。例えば、脳インタフェース・アセンブリ14は、脳からのエネルギー(例えば、光エネルギーまたは磁気エネルギー)を、ユーザ12の頭蓋骨を通して検出し、ユーザ12の脳からのエネルギーを検出したことに応答して脳活動を測定することができる。次に、脳インタフェース・アセンブリ14(あるいはその代わりに、周辺機器18またはデータベース、サーバー、またはクラウド構造20)が、検出した脳活動に基づいてユーザ12の基本的精神状態を測定する(ステップ104)。次に、ユーザ12は、周辺機器18を、所望の単数または複数の精神状態(例えば、喜び)にプログラムする(ステップ106)。次に、周辺機器18は、ユーザ12の基本的精神状態及びユーザ12の所望の精神状態の分析を実行する(ステップ108)。このようにして、脳インタフェース・アセンブリ14をユーザ12の所望の精神状態に合わせて較正することができ、これにより、所望の精神状態に対応するユーザ12の脳活動の閾値レベルまたは品質を決定することができる。従って、検出したユーザ12の脳活動が閾値レベルまたは品質を超えて初めて、ユーザ12がこ(れら)の精神状態に達したものと判定される。
【0040】
次に、周辺機器18は、異なる製品構成を感覚入力装置/製品16によりユーザ12に与えることによって製品構成を最適化する。具体的には、周辺機器18は、仮想的な混合容器19から製品構成を生成し(製品構成の例は
図2A~2Dに示す)(ステップ110)、この製品構成を感覚入力装置/製品16によりユーザ12に与える(ステップ112)。ユーザ12は、例えば嗅覚及び/または味覚により製品構成を感知し、製品構成は感覚神経系を通してユーザ12の脳に入力される。このため、感覚入力装置/製品16は、感覚神経系を通したユーザ12への脳入力として機能する。
【0041】
次に、脳インタフェース・アセンブリ14は、感覚入力装置/製品16が製品構成をユーザ12に与える間にユーザ12の脳活動を検出し、次に、脳インタフェース・アセンブリ14(あるいはその代わりに、周辺機器18、またはデータベース、サーバー、またはクラウド構造20)は、検出した脳活動に基づいて、ユーザ12の精神状態のレベルを測定し、この精神状態のレベルは、与えられた製品構成に対するユーザ12の感覚応答を示す(ステップ118)。
【0042】
ユーザ12の所望の精神状態のレベルに達していない場合(ステップ120)、周辺機器18は混合容器19内の製品構成を新たな製品構成に達するように修正し(ステップ122)、次にステップ112に戻り、ステップ112では、周辺機器18がこの製品構成を感覚入力装置/製品16によりユーザ12に与え、新たな製品構成に応答してユーザ12の所望の精神状態のレベルに達するまで、必要に応じてステップ114~120を反復する。例えば、
図2Aに示すように、混合容器19は、現在、種々の成分を含み得る。本例では7つの成分を示している。周辺機器18は、例えば混合容器19内の選択した成分を保持し、但しこの選択した成分の用量を変化させることによって、一度に1つの選択した成分を変化させることができる。例えば、
図2Bに示すように、選択した成分3の用量を増加させ、
図2Cに示すように、選択した成分3の用量を減少させる。他の例では、
図2Dに示すように、選択した成分3を混合容器19から廃棄し、
図2Eに示すように、新たな成分8を混合容器19に添加する。
【0043】
ユーザ12の所望の精神状態のレベルに達した場合、周辺機器18は混合容器19からの成分の全部を組み合わせて、所望の精神状態に関連する最終的な製品構成にする(ステップ124)。この最終的な製品構成は、ユーザ12、あるいはユーザ12と同じクラス内の人々のグループが使用することができる。周辺機器18は、ステップ112に戻ることによって、最終的な製品構成を周期的に検証し、製品構成を修正して、製品構成が、ユーザ12における所望の精神状態のレベルを生じさせ、選択的に、ユーザ12の製品状態を改善することを保証する。
【0044】
以上に簡潔に説明したように、非侵襲的製品カスタマイズシステム10は、任意で、製品構成をユーザ12に与えてユーザ12の精神状態を調整する非侵襲的精神状態調整システムとして機能することができる。この非侵襲的精神状態調整システムを、以下に
図4を参照しながら説明する。
【0045】
最初に、ユーザ12は初期の精神状態を有することができ、この精神状態は意識的または潜在意識的であり得る。図示する方法では、初期の精神状態が否定的な情動状態(例えば、不安または恐怖)であるが、上述したような他の否定的な精神状態も考えられる。脳インタフェース・アセンブリ14がユーザ12の脳活動を検出する(ステップ154)。例えば、脳インタフェース・アセンブリ14は、脳からのエネルギー(例えば、光エネルギーまたは磁気エネルギー)を、ユーザ12の頭蓋骨を通して検出し、ユーザ12の脳からのエネルギーを検出したことに応答して脳活動を測定する。次に、脳インタフェース・アセンブリ14(あるいはその代わりに、データベース、サーバー、またはクラウド構造20)は、検出した脳活動に基づいて、ユーザ12が否定的な情動状態を有するものと判定する(ステップ156)。
【0046】
次に、周辺機器18が、ユーザが特定の期間、例えば1分間、2分間、5分間、10分間、等にわたって連続して否定的な情動状態を有したか否かを判定し、この期間はプログラムすることができる(ステップ158)。ユーザ12が特定期間にわたって連続して否定的な情動状態にあったものと判定された場合、周辺機器18は、プログラムされた精神状態(肯定的な精神状態、例えば、喜び、くつろぎ、または認知状態が好ましい)に関連する最終的な製品構成を与えることを、感覚入力装置16に自動的に指示し、これにより、プログラムされた精神状態を促進し(ステップ162)、但し上述したような他の肯定的な精神状態も考えられる。ユーザ12が特定期間にわたって連続して上記判定された否定的な情動状態にあったわけではないものと判定した場合、周辺機器18は、プログラムされた精神状態に関連する最終的な製品構成を与えることを感覚入力装置16に自動的に指示せず、但しステップ154に戻る。
【0047】
図5を参照しながら、非侵襲的製品カスタマイズシステム10aの一実施形態の物理的実現を以下に説明する。非侵襲的製品カスタマイズシステム10aは、光学ベースの非侵襲的脳インタフェース・アセンブリ14aを具え、非侵襲的脳インタフェース・アセンブリ14aは、例えば、米国特許出願第15/844370号明細書(特許文献1)、発明の名称”Pulsed Ultrasound Modulated Optical Technology Using Lock-In Camera”(現在米国特許第10335036号)、米国特許出願第15/844398号明細書(特許文献2)、発明の名称”Pulsed Ultrasound Modulated Optical Tomography With Increased Optical/Ultrasound Pulse Radio”(現在米国特許第10299682号)、米国特許出願第15/844411号明細書(特許文献3)、発明の名称”Optical Detection System For Determining Neural Activity in Brain Based on Water Concentration”(現在、米国特許第10420469号)、米国特許出願第15/853209号明細書(特許文献4)、発明の名称”System and Method For Simultaneously Detecting Phase Modulated Optical Signals”(現在、米国特許第10016137号)、米国特許出願第15/853538号明細書(特許文献5)、発明の名称”Systems and Methods For Quasi-Ballistic Photon Optical Coherence Tomography in Diffusive Scattering Media Using a Lock-in Camera”(現在、米国特許第10219700号)、米国特許出願第16/266818号明細書(特許文献6)、発明の名称”Ultrasound Modulating Optical Tomography Using Reduced Laser Pulse Duration”、 米国特許出願第16/299067号明細書(特許文献7)、発明の名称”Non-Invasive Optical Detection Systems and Methods in Highly Scattering Medium”、 米国特許出願第16/379090号明細書(特許文献8)、発明の名称”Non-Invasive Frequency Domain Optical Spectroscopy For Neural Decoding”、 米国特許出願第16/382461号明細書(特許文献9)、発明の名称”Non-Invasive Optical Detection System and Method”、 米国特許出願第16/392963号明細書(特許文献10)、発明の名称”Interferometric Frequency-Swept Source And Detector In A Photonic Integrated Circuit”、 米国特許出願第16/392973号明細書(特許文献11)、発明の名称”Non-Invasive Measurement System and Method Using Single-Shot Spectral-Domain Interferometric Near-Infrared Spectroscopy Based On Orthogonal Dispersion”、 米国特許出願第16/393002号明細書(特許文献12)、発明の名称”Non-Invasive Optical Detection System and Method Of Multiple-Scattered Light With Swept Source Illumination”、 米国特許出願第16/385265号明細書(特許文献13)、発明の名称”Non-Invasive Optical Measurement System and Method for Neural Decoding”、 米国特許出願第16/533133号明細書(特許文献14)、発明の名称”Time-Of-Flight Optical Measurement And Decoding Of Fast-Optical Signals”、 米国特許出願第16/565326号明細書(特許文献15)、発明の名称”Detection Of Fast-Neural Signal Using Depth-Resolved Spectroscopy”、 米国特許出願第16/226625号明細書(特許文献16)、発明の名称”Spatial and Temporal-Based Diffusive Correlation Spectroscopy Systems and Methods”、 米国特許仮出願第62/772584号明細書(特許文献17)、発明の名称”Diffusive Correlation Spectroscopy Measurement Systems and Methods”、 米国特許出願第16/432793号明細書(特許文献18)、発明の名称”Non-Invasive Measurement Systems with Single-Photon Counting Camera”、 米国特許仮出願第62/855360号明細書(特許文献19)、発明の名称”Interferometric Parallel Detection Using Digital Rectification and Integration”、 米国特許仮出願第62/855380号明細書(特許文献20)、発明の名称”Interferometric Parallel Detection Using Analog Data Compression”、 米国特許仮出願第62/855405号明細書(特許文献21)、発明の名称”Partially Balanced Interferometric Parallel Detection”に記載された神経活動検出技術のうちのいずれか1つ以上を含むことができ、これらの特許文献はその全部を参照することによって本明細書中に明示的に含める。
【0048】
脳インタフェース・アセンブリ14aは、ウェアラブル(装着可能)部22a;及び(例えば、首、肩、胸、または腕に装着される)補助的な頭部装着部または頭部非装着部24aを含み、ウェアラブル部22aは、ユーザ12が身に着けるように構成され、この場合、ユーザ12の頭部上に装着される。その代わりに、装着部または非装着部24aの機能を頭部装着部22aに内蔵させることができる。補助的な頭部非装着部24aは、有線接続26(例えば、電気配線)を介して頭部装着部22aに結合することができる。その代わりに、脳インタフェース・アセンブリ14aは、無線接続(例えば、無線周波数(RF:radio frequency)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ、等))または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR:infrared)))を用いて、頭部装着部22a及び補助的な頭部装着部または頭部非装着部24aに電力を供給することができ、あるいはこれらの間で通信することができる。
【0049】
頭部装着部22aは、例えば1つ以上の光源、干渉計、1つ以上の光検出器(図示せず)、等のような電子的または光学的構成要素、脳インタフェース・アセンブリ14aが発生するサンプル光30をユーザ12の頭部内へ発出する出力ポート28a、神経符号化された信号光32をユーザ12の頭部から受光するように構成された入力ポート28b、及びこれらの電子的または光学的構成要素及びポート28a、28bを包含する支持筐体構造34を具え、この信号光を検出し、変調及び/または処理して、ユーザ12の脳活動を測定する。
【0050】
支持筐体構造34を、例えばバンダナ、ヘッドバンド(鉢巻)、縁なし帽、ヘルメット、ビーニー(つばなし)帽、他の帽子形の形状にし、あるいはユーザの頭部に適合する調整可能な他の形状にして、ポート28a、28bが、頭部の外皮に、この場合ユーザ12の頭皮に密接して接触するようにすることができる。支持筐体構造34は、あらゆる適切な布、ソフト(軟質)ポリマー、プラスチック、ハードシェル、及び/または特定の実現を提供することができる他のあらゆる適切な材料製とすることができる。代案の実施形態では、光ファイバ(図示せず)をポート28a、28bのそれぞれから延ばし、これにより、ポート28a、28bを頭部の表面に近接して配置すべき要求から解放することができる。いずれにせよ、屈折率整合流体を用いて、頭部装着部22aが発生する光の頭皮の外皮からの反射を低減することができる。接着剤、ストラップ、またはベルト(図示せず)を用いて、支持筐体構造34をユーザ12の頭部に固定することができる。
【0051】
補助的な頭部装着部または頭部非装着部24aは筐体36を具え、筐体36はコントローラ38及びプロセッサ40を包含する。コントローラ38は、頭部装着部22aの動作機能を制御するように構成されているのに対し、プロセッサ40は、頭部装着部22aが捕捉した神経符号化された信号光32を処理して、ユーザ12の脳活動を検出して位置を特定すると共に、システム10a内の他の処理部によって実行されない場合に、ユーザ12の脳活動に基づいてユーザ12の精神状態を測定するように構成されている。補助的な頭部装着部または頭部非装着部24aは、電源(頭部装着型の場合、充電式または非充電式バッテリの形態をとることができる)、入力/出力機能を有する制御パネル、ディスプレイ、及びメモリを追加的に含むことができる。その代わりに、補助的な頭部装着部または頭部非装着部24aに電力を無線で(例えば、誘導によって)供給することができる。
【0052】
感覚入力装置/製品16、((
図1に示す)混合容器19を伴う)周辺機器18、及びデータベース、サーバー、またはクラウド構造20の機能は、
図1の非侵襲的製品カスタマイズシステム10に関して上述したものと同じにすることができる。
【0053】
周辺機器18は、無線接続42(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ))または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を介して、脳インタフェース・アセンブリ14aの補助的な頭部装着部または頭部非装着部24aに結合されて、周辺機器18と脳インタフェース・アセンブリ14aとの間で通信することができる。周辺機器18は、無線接続44(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ)または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を介して、感覚入力装置16aにも結合されて、周辺機器18と感覚入力装置16aとの間で通信することができる。その代わりに、周辺機器18と脳インタフェース・アセンブリ14a及び/または感覚入力装置16aとの間の有線接続を用いることができる。その代わりに、あるいは任意で、製品16bが単にユーザ12の付近に存在して、周囲環境内で神経経路48を提供することができ、神経経路48を通してユーザ12が製品16bを感知することができる。
【0054】
データベース、サーバー、またはクラウド構造20は、無線接続46(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ)または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を介して、脳インタフェース・アセンブリ14aの補助的な頭部装着部または頭部非装着部24a(及び/または周辺機器18)に結合されて、データベース、サーバー、またはクラウド構造20と脳インタフェース・アセンブリ14a及び周辺機器18との間で通信することができる。その代わりに、データベース、サーバー、またはクラウド構造20と脳インタフェース・アセンブリ14aの補助的な頭部装着部または頭部非装着部24a及び/または周辺機器18との間の有線接続を用いることができる。
【0055】
図6を参照しながら、非侵襲的製品カスタマイズシステム10bの一実施形態の物理的実現を以下に説明する。システム10bは、光学ベースの、時間領域の非侵襲的脳インタフェース・アセンブリ14bを具え、非侵襲的脳インタフェース・アセンブリ14bは、例えば、米国特許出願第16/051462号明細書(特許文献22)、発明の名称”Fast-Gated Photodetector Architecture Comprising Dual Voltage Sources with a Switch Configuration”(現在、米国特許第10158038号)、米国特許出願第16/202771号明細書(特許文献23)、発明の名称”Non-Invasive Wearable Brain Interface Systems Including a Headgear and a Plurality of Self-Contained Photodetector Assemblies”(現在、米国特許第10340408号)、米国特許出願第16/283730号明細書(特許文献24)、発明の名称”Stacked Photodetector Assemblies”(現在、米国特許第10515993号)、米国特許出願第16/544850号明細書(特許文献25)、発明の名称”Wearable Systems with Stacked Photodetector Assemblies”、 米国特許仮出願第62/880025号明細書(特許文献26)、発明の名称”Photodetector Architectures for Time-Correlated Single Photon Counting”、 米国特許仮出願第62/889999号明細書(特許文献27)、発明の名称”Photodetector Architectures for Efficient Fast-Gating”、 米国特許仮出願第62/906620号明細書(特許文献28)、発明の名称”Photodetector Systems with Low-Power Time-To-Digital Converter Architectures”、 米国特許仮出願第62/979866号明細書(特許文献29)、発明の名称”Optical Module Assemblies”、 米国特許仮出願第62/992486号明細書(特許文献30)、発明の名称”Laser Diode Driver Circuit with Adjustable Turn-Off and Turn-On Current Slew Rates”、 米国特許仮出願第62/992491号明細書(特許文献31)、発明の名称”Multiplexing Techniques for Interference Reduction in Time-Correlated Signal Photon Counting”、 米国特許仮出願第62/992493号明細書(特許文献32)、発明の名称”SPAD Bias Compensation”、 米国特許仮出願第62/992497号明細書(特許文献33)、発明の名称”Measurement Window Calibration for Detection of Temporal Point Spread Function”、 米国特許仮出願第62/992499号明細書(特許文献34)、発明の名称”Techniques for Determining Impulse Response of SPAD and TDC Systems”、 米国特許仮出願第62/992502号明細書(特許文献35)、発明の名称”Histogram Based Code Density Characterization and Correction in Time-Correlated Single Photon Counting”、 米国特許仮出願第62/992506号明細書(特許文献36)、発明の名称”Selectable Resolution Modes in an Optical Measurement System”、 米国特許仮出願第62/992510号明細書(特許文献37)、発明の名称”Hierarchical Bias Generation for Groups of SPAD Detectors”、 米国特許仮出願第62/992512号明細書(特許文献38)、発明の名称”Detection and Removal of Motion Artifacts in Wearable Optical Measurement System”、 米国特許仮出願第62/992526号明細書(特許文献39)、発明の名称”Dynamic Range Improvement from Highly Parallel Arrays and SPADs”、 米国特許仮出願第62/992529号明細書(特許文献40)、発明の名称”Single-Photon Avalanche Diode (SPAD) Bias Constant Change”、 米国特許仮出願第62/992536号明細書(特許文献41)、発明の名称”Calibration of SPAD ToF Systems Based on Per Pixel Dark Count Rate”、 米国特許仮出願第62/992543号明細書(特許文献42)、発明の名称”Estimation of Source-Detector Separation in an Optical Measurement System”、 米国特許仮出願第62/992550号明細書(特許文献43)、発明の名称”Wearable Module for an Optical Measurement or Hybrid Technology Neural Recording System Where the Module Assemblies are Configured for Tiling Multiple Modules Together for Targeted and/or Complete Head Coverage”、 米国特許仮出願第62/992552号明細書(特許文献44)、発明の名称”Wearable Devices for a Brain Computer Interface (BCI) System Where the Wearable Device Includes Conforming Headset Fixation”、 米国特許仮出願第62/992555号明細書(特許文献45)、発明の名称”Integrated Detector Assemblies for a Wearable Module of an Optical Measurement System”、 米国特許仮出願第62/992559号明細書(特許文献46)、発明の名称”Integrated Detector Assemblies for a Wearable Module of an Optical Measurement Where the Detector Assemblies Include Spring Loaded Light Pipes”、及び米国特許仮出願第62/992567号明細書(特許文献47)、発明の名称”Integrated Light Source Assembly with Laser Coupling for a Wearable Optical Measurement System”に記載された神経活動検出技術のうちのいずれか1つ以上を含むことができ、これらの特許文献はその全部を参照することによって本明細書中に明示的に含める。
【0056】
脳インタフェース・アセンブリ14bは、頭部装着部22b;及び(例えば、首、肩、胸、または腕に装着される)補助的な頭部非装着部24bを含み、頭部装着部22bはユーザ12が身に着けるように構成され、この場合、ユーザ12の頭部上に装着される。その代わりに、以下に説明するように、補助的な頭部非装着部24bの機能を頭部装着部22bに内蔵させることができる。補助的な頭部非装着部24bは、有線接続26(例えば電気配線)を介して頭部装着部22bに結合することができる。その代わりに、脳インタフェース・アセンブリ14bは、無線接続(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ、等)または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を用いて、頭部装着部22b及び補助的な頭部非装着部24bに電力を供給すること、あるいは頭部装着部22bと補助的な頭部非装着部24bとの間で通信することができる。
【0057】
頭部装着部22bは、光パルスを発生するように構成された1つ以上の光源48を含む。光源48は、1つ以上の光パルスを1つ以上の波長で発生するように構成することができ、これらのパルスは所望のターゲット(例えば、脳内のターゲット)に供給することができる。光源48は、あらゆる適切な構成要素の組合せによって実現することができる。例えば、本明細書中に記載する光源48はあらゆる適切な装置によって実現することができる。例えば、本発明において用いる光源は、例えば、分布帰還型(DFB:distributed feedback)レーザー、高輝度(スーパールミネセント)ダイオード(SLD:super luminescent diode)、発光ダイオード(LED:light emitting diode)、ダイオード励起固体(DPSS:diode-pumped solid-state)レーザー、レーザーダイオード(LD:laser diode)、高輝度発光ダイオード(sLED:super luminescent LED)、垂直キャビティ面発光レーザー(VCSEL:vertical cavity surface-emitting laser)、チタンサファイア・レーザー、マイクロ発光ダイオード(mLED:micro LED)、及び/または他のあらゆる適切なレーザーまたは光源によって実現することができる。
【0058】
頭部装着部22bは複数の光検出部50を含み、光検出部50は、例えば、各光パルス中の単一光子(即ち、光エネルギーの単一粒子)を検出するように構成された単一光子(シングルフォトン)アバランシェ・ダイオード(SPAD:single photon avalanche diode)を具えている。例えば、これらの感光性の光検出部は、光源48が発生する光パルスのうちの1つ以上の供給に応答して、脳内の組織に反射した光子を記録することができる。これらの光子が光検出部によって検出されるのに要する時間に基づいて、脳の神経活動及び他の特性を測定または推測することができる。
【0059】
SPADの特性を用いる光検出部は、個別の光子を非常に高い到達時間分解能(数十ピコ秒)で捕捉することができる。光子がSPADによって吸収されると、これらの光子のエネルギーが拘束(束縛)電荷キャリア(電子及びホール)を解放し、これらの拘束電荷キャリアが自由キャリア対になる。上記ダイオードに印加される逆バイアス電圧によって生成される電界の存在下で、これらの自由キャリアはSPADの領域を通って加速され、この領域を増倍領域と称する。自由キャリアが増倍領域を通って進む間に、これらの自由キャリアは半導体の原子格子内に拘束された他のキャリアと衝突し、これにより、衝突イオン化と称するプロセスによってより多数の自由キャリアを発生する。これらの新たな自由キャリアも、印加された電界によって加速されてさらに多数の自由キャリアを発生する。このアバランシェ事象を検出して、光子の到達時間を測定するために用いることができる。単一光子の検出を可能にするために、SPADの降伏電圧の大きさよりも高い大きさを有する逆バイアス電圧でSPADにバイアスをかけ、この降伏電圧はバイアスレベルであり、このバイアスレベルを上回ると、自由キャリアの発生が自続的になり暴走アバランシェを生じさせ得る。このようにSPADにバイアスをかけることを、デバイスをアームド(作動可能)状態にすると称する。SPADがアームド状態になると、単一光子の吸収によって生成される単一の自由キャリア対が暴走アバランシェを生成して、容易に検出可能な巨視的電流を生じさせる。
【0060】
一部の代案実施形態では、頭部装着部22bが、単一の光源48及び/または単一の光検出部50を含むことができる。例えば、脳インタフェースシステム14bを用いて、単一光路を制御し、光検出器の画素測定値を輝度値に変換することができ、この輝度値は脳組織領域の光学特性を表す。一部の代案実施形態では、頭部装着部22bが個別の光源を含まない。その代わりに、光検出器によって検出される光を発生するように構成された光源を脳インタフェースシステム14b内の他所に含めることができる。例えば、光源を補助的な頭部非装着部24b内に含めることができる。
【0061】
頭部装着部22bは支持筐体構造52をさらに具え、支持筐体構造52は、光源48、光検出部50、及び他の電子または光学構成要素を包含する。以下でさらに詳細に説明するように、支持筐体構造52を、例えばバンダナ、ヘッドバンド、縁なし帽、ヘルメット、ビーニー帽、他の帽子形の形状にし、あるいはユーザの頭部に適合する調整可能な他の形状にして、光検出部50が頭部の外皮に、この場合ユーザ12の頭皮に密接して接触するようにすることができる。支持筐体構造52は、あらゆる適切な布、ソフトポリマー、プラスチック、ハードシェル、及び/または特定の実現を提供することができる他のあらゆる適切な材料製とすることができる。
【0062】
脳インタフェースシステム14bは1つの頭部装着部22bを示しているが、あらゆる適切な個数の頭部装着部22bを、例えば頭部上の異なる位置に用いることができる。
【0063】
補助的な頭部非装着部24bは筐体36を具え、筐体36はコントローラ38及びプロセッサ40を包含する。コントローラ38は、頭部装着部22bの動作機能を制御するように構成されているのに対し、プロセッサ40は、頭部装着部22bが捕捉した光子を処理して、ユーザ12の脳活動を検出して位置を特定すると共に、システム10b内の他の処理部によって実行されない場合に、ユーザ12の脳活動に基づいてユーザ12の精神状態を測定するように構成されている。補助的な頭部非装着部24bは、電源(頭部装着型の場合、充電式または非充電式バッテリの形態をとることができる)、入力/出力機能を有する制御パネル、ディスプレイ、及びメモリを追加的に含むことができる。その代わりに、補助的な頭部非装着部24bに電力を無線で(例えば、誘導によって)供給することができる。
【0064】
感覚入力装置/製品16、((
図1に示す)混合容器19を伴う)周辺機器18、及びデータベース、サーバー、またはクラウド構造20の機能は、
図1の非侵襲的製品カスタマイズシステム10に関して上述したものと同じにすることができる。
【0065】
周辺機器18は、無線接続42(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ))または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を介して、脳インタフェース・アセンブリ14bの補助的な頭部非装着部24bに結合されて、周辺機器18と脳インタフェース・アセンブリ14bとの間で通信することができる。周辺機器18は、無線接続44(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ)または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を介して、感覚入力装置16aにも結合されて、周辺機器18と感覚入力装置16aとの間で通信することができる。その代わりに、周辺機器18と脳インタフェース・アセンブリ14b及び/または感覚入力装置16aとの間の有線接続を用いることができる。その代わりに、あるいは任意で、製品16bが単にユーザ12の付近に存在して、周囲環境内で神経経路48を提供することができ、神経経路48を通してユーザ12が製品16bを感知することができる。
【0066】
データベース、サーバー、またはクラウド構造20は、無線接続46(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ)または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を介して、脳インタフェース・アセンブリ14bの補助的な頭部非装着部24b(及び/または周辺機器18)に結合されて、データベース、サーバー、またはクラウド構造20と脳インタフェース・アセンブリ14b及び周辺機器18との間で通信することができる。その代わりに、データベース、サーバー、またはクラウド構造20と脳インタフェース・アセンブリ14aの補助的な頭部非装着部24b及び/または周辺機器18との間の有線接続を用いることができる。
【0067】
以下、
図7A~7Dを参照しながら、脳インタフェース・アセンブリ14bの異なる実施形態を説明する。こうした脳インタフェース・アセンブリ14bは、上述したように、無線で、あるいは有線経由で、周辺機器18、感覚入力装置/製品16、及びデータベース、サーバー、クラウド構造20と通信することができる。以下に説明する脳インタフェース・アセンブリ14bの各々は頭部装着部22bを具え、頭部装着部22bは、複数の光検出部50及び支持筐体構造52を有し、支持筐体構造52内に光検出部50が組み込まれる。光検出部50の各々は、SPAD、電圧源、コンデンサ、スイッチ、及び光子を検出するために必要な他のあらゆる回路部品(図示せず)を具えることができる。脳インタフェース・アセンブリ14bは、光パルスを発生するための1つ以上の光源(図示せず)を具えることもできるが、一部の場合には、こうした光の発生源を周辺光から導き出すことができる。脳インタフェース・アセンブリ14bの各々は、例えば制御回路、時間デジタル変換器(TDC:time-to-digital converter)、及び信号処理回路のような制御/処理部54も具えることができ、制御/処理部54は、光検出部50及びあらゆる光源の動作機能を制御し、光検出部50が捕捉した光子を処理して、ユーザ12の脳活動を検出して位置を特定する。以下でさらに詳細に説明するように、制御/処理部54は、頭部装着部22b内に包含することができ、あるいは自立型の補助部に内蔵させることができる。以下に説明するように、支持筐体構造52を、例えばバンダナ、ヘッドバンド、縁なし帽、ヘルメット、ビーニー帽、他の帽子形の形状にし、あるいはユーザの頭部に適合する調整可能な他の形状にして、光検出部50が、頭部の外皮に、この場合ユーザ12の頭皮に密接して接触するようにすることができる。
【0068】
図7Aに示すように、脳インタフェース・アセンブリ14b(1)は、頭部装着部22b(1)、及び電源コードを介して頭部装着部22b(1)に結合された電源56を具えている。頭部装着部22b(1)は、光検出部50(50-1~50-12として示す)及び制御/処理部54aを含む。頭部装着部22b(1)は支持筐体構造52aをさらに含み、支持筐体構造52aは、光検出部50及び制御/処理部54aを包含する縁なし帽の形態をとる。縁なし帽52a用の材料は、あらゆる適切な布、ソフトポリマー、プラスチック、ハードシェル、及び/または特定の実現を提供することができる他のあらゆる適切な材料から選択することができる。電源56は、脳インタフェース・アセンブリ22b(1)内に含まれる光検出部50、制御/処理部54a、及び他のあらゆる構成要素に、電源コード58を通して動作電力を供給するように構成されたバッテリ及び/または他のあらゆる種類の電源によって実現することができる。頭部装着部22b(1)は、任意で、縁なし帽52a内に形成されて制御/処理部54aを担持/収容する手段を提供するためのクレスト(頭頂冠)部または他の突起部60を含む。
【0069】
図7Bに示すように、脳インタフェース・アセンブリ14b(2)は、頭部装着部22b(2)、及び有線接続を介して頭部装着部22b(2)に結合された制御/処理部54bを具えている。頭部装着部22b(2)は、光検出部50(50-1~50-4として示す)及び支持基板52bを具え、支持基板52bは光検出部50を包含するヘルメットの形態をとる。ヘルメット52b用の材料は、あらゆる適切なポリマー、プラスチック、ハードシェル、及びまたは特定の実現を提供することができる他のあらゆる適切な材料から選択することができる。頭部装着部22b(1)内に包含される
図7Aに示す脳インタフェース・アセンブリ14b(1)の制御/処理部54aとは異なり、制御/処理部54bは自立型であり、ユーザ12の肩上に着用される衣服(例えば、ベスト、部分ベスト、またはハーネス)の形態をとることができる。自立型制御/処理部54bは、電源(頭部装着型の場合、充電式または非充電式バッテリの形態をとることができる)、入力/出力機能を有する制御パネル、ディスプレイ、及びメモリを追加的に含むことができる。その代わりに、自立型制御/処理部54bに電力を無線で(例えば、誘導によって)供給することができる。
【0070】
図7Cに示すように、脳インタフェース・アセンブリ14b(3)は、頭部装着部22b(3)、及び電源コード74を介して頭部装着部22b(3)に結合された電源56を具えている。頭部装着部22b(3)は、光検出部50(50-1~50-12として示す)及び制御/処理部54cを含む。頭部装着部22b(3)は支持筐体構造52cをさらに含み、支持筐体構造52cは、光検出部50及び制御/処理部54cを包含するビーニー帽の形態をとる。ビーニー帽52c用の材料は、あらゆる適切な布、ソフトポリマー、プラスチック、及び/または特定の実現を提供することができる他の適切な材料から選択することができる。電源56は、脳インタフェース・アセンブリ22b(3)に含まれる光検出部50、制御/処理部54c、及び他のあらゆる構成要素に、有線接続58を通して動作電力を供給するように構成されたバッテリ及び/または他のあらゆる種類の電源によって実現することができる。
【0071】
図7Dに示すように、脳インタフェース・アセンブリ14b(4)は、頭部装着部22b(4)、及び有線接続62を介して頭部装着部22b(4)に結合された制御/処理部54dを具えている。頭部装着部22b(4)は、光検出部50(50-1~50-4として示す)及び支持筐体構造52dを含み、支持筐体構造52dは光検出部50を包含するヘッドバンドの形をとる。ヘッドバンド52d用の材料は、あらゆる適切な布、ソフトポリマー、プラスチック、ハードシェル、及び/または特定の実現を提供することができる他のあらゆる適切な材料から選択することができる。制御/処理部54dは自立型であり、ユーザ12の肩に着用される衣服(例えば、ベスト、部分ベスト、またはハーネス)の形態をとることができる。自立型制御/処理部54dは、電源(頭部装着型の場合、充電式または非充電式バッテリの形態をとることができる)、入力/出力機能を有する制御パネル、ディスプレイ、及びメモリを追加的に含むことができる。その代わりに、内蔵式制御/処理部54dに電力を無線で(例えば、誘導によって)供給することができる。
【0072】
図8を参照しながら、非侵襲的製品カスタマイズシステム10cの一実施形態の物理的実現を以下に説明する。システム10cは、磁気ベースの非侵襲的脳インタフェース・アセンブリ14cを具え、脳インタフェース・アセンブリ14cは、例えば、米国特許出願第16/428871号明細書(特許文献48)、発明の名称”Magnetic Field Measurement System and Methods of Making and Using”、 米国特許出願第16/418478号明細書(特許文献49)、発明の名称”Magnetic Field Measurement System and Method of Using Variable Dynamic Range optical Magnetometers”、 米国特許出願第16/418500号明細書(特許文献50)、発明の名称”Integrated Gas Cell and Optical Components for Atomic Magnetometry and Methods for Making and Using”、 米国特許出願第16/457655号明細書(特許文献51)、発明の名称”Magnetic Field Shaping Components for Magnetic Field Measurement Systems and Methods for Making and Using”、 米国特許出願第16/213980号明細書(特許文献52)、発明の名称”Systems and Methods Including Multi-Mode Operation of Optically Pumped Magnetometer(s)”(現在、米国特許第10627460号)、米国特許出願第16/456975号明細書(特許文献53)、発明の名称”Dynamic Magnetic Shielding and Beamforming Using Ferrofluid for Compact Magnetoencephalography (MEG)”、 米国特許出願第16/752393号明細書(特許文献54)、発明の名称”Neural Feedback Loop Filters for Enhanced Dynamic Range Magnetoencephalography (MEG) Systems and Methods”、 米国特許出願第16/741593号明細書(特許文献55)、発明の名称”Magnetic Field Measurement System with Amplitude-Selective Magnetic Shield”、 米国特許仮出願第62/858636号明細書(特許文献56)、発明の名称”Integrated Magnetometer Arrays for Magnetoencephalography (MEG) Detection Systems and Methods”、米国特許仮出願第62/836421号明細書(特許文献57)、発明の名称”Systems and Methods for Suppression of Non-Neural Interferences in Magnetoencephalography (MEG) Measurements”、 米国特許仮出願第62/842818号明細書(特許文献58)、発明の名称”Active Shield Arrays for Magnetoencephalography (MEG)”、 米国特許仮出願第62/926032号明細書(特許文献59)、発明の名称”Systems and Methods for Multiplexed or Interleaved Operation of Magnetometers”、 米国特許仮出願第62/896929号明細書(特許文献60)、発明の名称”Systems and Methods having an Optical Magnetometer Array with Beam Splitters”、 米国特許仮出願第62/960548号明細書(特許文献61)、発明の名称”Methods and Systems for Fast Field Zeroing for Magnetoencephalography (MEG)”、 米国特許仮出願第62/967787号明細書(特許文献62)、発明の名称”Single Controller for Wearable Sensor Unit that includes an Array Of Magnetometers”、 米国特許仮出願第62/967797号明細書(特許文献63)、発明の名称”Systems and Methods for Measuring Current Output By a Photodetector of Wearable Sensor Unit that Includes One or More Magnetometers”、 米国特許仮出願第62/967803号明細書(特許文献64)、発明の名称”Interface Configurations for a Wearable Sensor Unit that Includes One or More Magnetometers”、 米国特許仮出願第62/967804号明細書(特許文献65)、発明の名称”Systems and Methods for Concentrating Alkali Metal Within a Vapor Cell of Magnetometer Array from a Transit Path of Light”、 米国特許仮出願第62/967813号明細書(特許文献66)、発明の名称”Magnetic Field Generator for a Magnetic Field Measurement System”、 米国特許仮出願第62/967818号明細書(特許文献67)、発明の名称”Magnetic Field Generator for a Magnetic Field Measurement System”、 米国特許仮出願第62/967823号明細書(特許文献68)、発明の名称”Magnetic Field Measurement Systems Including a Plurality of Wearable Sensor Units Having a Magnetic Field Generator”、 米国特許仮出願第62/975709号明細書(特許文献69)、発明の名称”Self-Calibration of Flux Gate Offset and Gain Drift To Improve Measurement Accuracy of Magnetic Fields from the Brain Using a Wearable System”、 米国特許仮出願第62/975693号明細書(特許文献70)、発明の名称”Nested and Parallel Feedback Control Loops for Ultra-Fine Measurements of Magnetic Fields from the Brain Using a Wearable MEG System”、 米国特許仮出願第62/975719号明細書(特許文献71)、発明の名称”Estimating the Magnetic Field at Distances from Direct Measurements to Enable Fine Sensors to Measure the Magnetic Field from Direct Measurements to Enable Fine Sensors to Measure the Magnetic Field from the Brain Using a Wearable System”、 米国特許仮出願第62/975723号明細書(特許文献72)、発明の名称”Algorithms that Exploit Maxwell’s Equations and Geometry to Reduce Noise for Ultra-Fine Measurements of Magnetic Fields from the Brain Using a Wearable MEG System”、 米国特許仮出願第62/975727号明細書(特許文献73)、発明の名称”Optimal Methods to Feedback Control and Estimate Magnetic Fields to Enable a Wearable System to Measure Magnetic Fields from the Brain”、 米国特許仮出願第62/983406号明細書(特許文献74)、発明の名称”Two Level Magnetic Shielding of Magnetometers”に記載された神経作用検出技術のうちのいずれか1つ以上を含むことができ、これらの特許文献はその全部を参照することによって本明細書中に明示的に含める。
【0073】
脳インタフェース・アセンブリ14cは脳磁図(MEG:magnetoencephalography)頭部装着部22c及び(例えば、首、肩、胸、または腕に装着される)補助的な頭部非装着部24cを含み、MEG頭部装着部22cは、ユーザ12が身に着けるように構成され、この場合、ユーザ12の頭部上に装着される。その代わりに、以下に説明するように、頭部非装着部24cの機能を頭部装着部22cに内蔵させることができる。補助的な頭部非装着部24cは、有線接続26(例えば、電気配線)を介して頭部装着部22cに結合することができる。その代わりに、脳インタフェース・アセンブリ14cは、無線接続(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ、等)または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を用いて、頭部装着部22c及び補助的な頭部非装着部24cに電力を供給すること、あるいは頭部装着部22cと補助的な頭部非装着部24cとの間で通信することができる。
【0074】
頭部装着部22cは、ユーザ12の脳から生物学的に発生する磁界を測定するための複数の光ポンピング(光励起)磁力計(OPM:optically pumped magnetometer)64または他の適切な磁力計、及び受動シールド66(及び/またはフラックス・コンセントレータ(磁束収束板))を含む。受動シールド66をユーザ12の頭部全体上に配置することによって、受動シールド66の外部の領域から生じる周囲背景磁界が大幅に減少して、磁力計64は、周囲背景磁界の低減により、ユーザ12の脳内に能動的に発生する磁界を測定または検出することができる。
【0075】
OPMは、人間の頭部を通って伝搬する磁界を検出するために使用される光学的磁気測定システムである。光学的磁気測定は、1×10-15テスラのオーダーの非常に高い精度で磁界を測定する光学的方法の使用を含むことができる。これらの方法の高感度について特に興味深いこととして、OPMを光学的磁気測定において用いて、弱い磁界を測定することができる(地球の磁界は一般におよそ50マイクロテスラである)。少なくとも一部のシステムでは、OPMがアルカリ蒸気気体電池を有し、このアルカリ蒸気気体電池は、アルカリ金属原子を(温度に応じて)気体状態、液体状態、または固体状態の組合せで含有する。この気体電池は、クエンチ(消滅)ガス、バッファ(緩衝)ガス、または特殊な緩和防止コーティング、あるいはこれらの任意の組合せを含有することができる。この気体電池のサイズは、何分の一ミリメートルから数センチメートルまで変化することができ、OPMをウェアラブルな非侵襲的脳インタフェース装置と共に用いることを可能にする。
【0076】
頭部装着部22cは支持筐体構造68をさらに具え、支持筐体構造68はOPM64、受動シールド66、及び他の電子部品または磁気部品を包含する。以下でさらに詳細に説明するように、支持筐体構造68を、例えばバンダナ、ヘッドバンド、縁なし帽、ヘルメット、ビーニー帽、他の帽子形の形状にし、あるいはユーザの頭部に適合する調整可能な他の形状にして、OPM64が、頭部の外皮に、この場合ユーザ12の頭皮に密接して接触するようにすることができる。支持筐体構造68は、あらゆる適切な布、ソフトポリマー、プラスチック、ハードシェル、及び/または特定の実現を提供することができる他のあらゆる適切な材料製とすることができる。
【0077】
補助的な頭部非装着部24cは筐体36を具え、筐体36はコントローラ38及びプロセッサ40を包含する。コントローラ38は頭部装着部22cの動作機能を制御するように構成されているのに対し、プロセッサ40は、頭部装着部22cが検出した磁界を処理して、ユーザ12の脳活動を検出して位置を特定すると共に、システム10c内の他の処理部によって実行されない場合に、ユーザ12の脳活動に基づいてユーザ12の精神状態を測定するように構成されている。補助的な頭部非装着部24cは、電源(頭部装着型の場合、充電式または非充電式バッテリの形態をとることができる)、入力/出力機能を有する制御パネル、ディスプレイ、及びメモリを追加的に含むことができる。その代わりに、補助的な頭部非装着部24cに電力を無線で(例えば、誘導によって)供給することができる。
【0078】
感覚入力装置/製品16、((
図1に示す)混合容器19を伴う)周辺機器18、及びデータベース、サーバー、またはクラウド構造20の機能は、
図1の非侵襲的製品カスタマイズシステム10に関して上述したものと同じにすることができる。
【0079】
周辺機器18は、無線接続42(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ))または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を介して、脳インタフェース・アセンブリ14cの補助的な頭部非装着部24cに結合されて、周辺機器18と脳インタフェース・アセンブリ14cとの間で通信することができる。周辺機器18は、無線接続44(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ)または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を介して、感覚入力装置16aにも結合されて、周辺機器18と感覚入力装置16aとの間で通信することができる。その代わりに、周辺機器18と脳インタフェース・アセンブリ14c及び/または感覚入力装置16aとの間の有線接続を用いることができる。その代わりに、あるいは任意で、製品16bが単にユーザ12の付近に存在して、周囲環境内で神経経路48を提供することができ、神経経路48を通してユーザ12が製品16bを感知することができる。
【0080】
データベース、サーバー、またはクラウド構造20は、無線接続46(例えば、無線周波数(RF)信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、セルラ)または光リンク(例えば、光ファイバまたは赤外線(IR)))を介して、脳インタフェース・アセンブリ14cの補助的な頭部非装着部24c(及び/または周辺機器18)に結合されて、データベース、サーバー、またはクラウド構造20と脳インタフェース・アセンブリ14c及び周辺機器18との間で通信することができる。その代わりに、データベース、サーバー、またはクラウド構造20と脳インタフェース・アセンブリ14cの補助的な頭部非装着部24c及び/または周辺機器18との間の有線接続を用いることができる。
【0081】
以下、
図9A~9Cを参照しながら、脳インタフェース・アセンブリ14cの異なる実施形態を説明する。こうした脳インタフェース・アセンブリ14cは、上述したように、無線で、あるいは有線経由で、周辺機器18、感覚入力装置/製品16、及びデータベース、サーバー、クラウド構造20と通信することができる。以下に説明する脳インタフェース・アセンブリ14bの各々は頭部装着部22cを具え、頭部装着部22cは、複数のOPM64、受動シールド66、及び支持筐体構造68を有し、支持筐体構造68内にOPM64及び受動シールド66が組み込まれる。脳インタフェース・アセンブリ14cの各々は制御/処理部70も具えることができ、制御/処理部70は、OPM64の動作機能を制御し、OPM64が検出した磁界を処理して、ユーザ12の脳活動を検出して位置を特定する。以下でさらに詳細に説明するように、制御/処理部70は、頭部装着部22c内に包含することができ、あるいは、自立型の補助部に内蔵させることができる。以下に説明するように、支持筐体構造68を、例えばバンダナ、ヘッドバンド、縁なし帽、ヘルメット、ビーニー帽、他の帽子形の形状にし、あるいはユーザの頭部に適合する調整可能な他の形状にして、磁力計64が、頭部の外皮に、この場合ユーザ12の頭皮に密接して接触するようにすることができる。
【0082】
図9Aに示すように、脳インタフェース・アセンブリ14c(1)は、頭部装着部22c(1)、及び有線接続74を介して頭部装着部22c(1)に結合された電源72を具えている。頭部装着部22c(1)は、OPM64(64-1~64-12として示す)及び制御/処理部70aを含む。頭部装着部22c(1)は支持筐体構造68aをさらに含み、支持筐体構造68aはヘルメットの形態をとり、このヘルメットはOPM64、受動シールド66、及び制御/処理部70aを包含する。ヘルメット68a用の材料は、あらゆる適切な布、ソフトポリマー、プラスチック、ハードシェル、及び/または特定の実現を提供することができる他のあらゆる適切な材料から選択することができる。電源72は、脳インタフェース・アセンブリ22c(1)内に含まれる磁力計64、制御/処理部70a、及び他のあらゆる構成要素に、有線接続74を通して動作電力を供給するように構成されたバッテリ及び/または他のあらゆる種類の電源によって実現することができる。頭部装着部22c(1)は、任意で、ヘルメット68aに取り付けられたハンドル76を含み、ハンドル76は頭部装着部22c(1)を担持する好都合な手段を提供する。
【0083】
図9Bに示すように、脳インタフェース・アセンブリ14c(2)は、頭部装着部22c(2)、及び有線接続78を介して頭部装着部22c(2)に結合された制御/処理部70bを具えている。頭部装着部22c(2)は、OPM64(64-1~64-12として示す)及び支持筐体構造68bを含み、支持筐体構造68bはヘルメットの形態をとり、このヘルメットはOPM64及び受動シールド66を包含する。ヘルメット68b用の材料は、あらゆる適切な布、ソフトポリマー、プラスチック、ハードシェル、及び/または特定の実現を提供することができる他のあらゆる適切な材料から選択することができる。頭部装着部22c(1)内に包含される
図9Aに示す脳インタフェース・アセンブリ14c(1)の制御/処理部70aとは異なり、制御/処理部70bは自立型であり、ユーザ12の肩上に着用される衣服(例えば、ベスト、部分ベスト、またはハーネス)の形態をとることができる。この自立型制御/処理部70bは、電源(頭部装着型の場合、充電式または非充電式バッテリの形態をとることができる)、入力/出力機能を有する制御パネル、ディスプレイ、及びメモリを追加的に含むことができる。その代わりに、自立型制御/処理部70bに無線で(例えば、誘導によって)電力を供給することができる。頭部装着部22c(1)は、任意で、ヘルメット68b内に形成されて制御/処理部70bを担持/収容する手段を提供するためのクレスト(頭頂冠)部または他の突起部80を含む。
【0084】
図9cに示すように、脳インタフェース・アセンブリ14c(3)は、頭部装着部22c(3)及び制御/処理部70cを具えている。頭部装着部22c(3)は、OPM64(64-1~64-12として示す)及び支持筐体構造68cを含み、支持筐体構造68cは、野球帽の形態をとり、受動シールド66を含む。野球帽68c用の材料は、あらゆる適切な布、ソフトポリマー、プラスチック、ハードシェル、及び/または特定の実現を提供することができる他のあらゆる適切な材料から選択することができる。制御/処理部70cは自立型であり、ユーザ12の首の周りに着用される衣類(例えば、スカーフ)の形態をとることができる。自立型制御/処理部70cは、電源(頭部装着型の場合、充電式または非充電式バッテリの形態をとることができる)、入力/出力機能を有する制御パネル、ディスプレイ、及びメモリを追加的に含むことができる。その代わりに、自立型制御/処理部70cに電力を無線で(例えば、誘導によって)供給することができる。
【0085】
本発明の特定の実施形態を示して説明してきたが、本発明をこれらの好適な実施形態に限定することを意図していないことは明らかであり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに種々の変更及び修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。従って、本発明は、特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲内に含むことができる代案、変更、及び等価物をカバーすることを意図している。