(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】端末装置及び端末装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20240425BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240425BHJP
【FI】
H04W48/16 132
H04W88/06
(21)【出願番号】P 2022527626
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 JP2021017416
(87)【国際公開番号】W WO2021241156
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2020091351
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】石塚 広樹
(72)【発明者】
【氏名】安沢 昌志
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/051594(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/002290(WO,A1)
【文献】特開2013-258547(JP,A)
【文献】特開2019-057955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信サービスの品質が制御される複数のネットワークのうちの一のネットワークに接続される端末装置であって、
前記一のネットワークの通信サービスの品質の制御である品質制御に関する要求を受け付ける第1ノードと、前記第1ノードを示す情報を含む第1情報を取得するための要求を受け付ける第2ノードとの一方又は両方を、前記一のネットワークを識別するためのネットワーク情報に基づいて特定する特定部と、
前記品質制御の開始を前記第1ノードに要求する要求部と、
を備
え、
前記要求部は、
前記第1ノード及び前記第2ノードのうちの前記第2ノードのみを前記特定部が特定した場合、前記第1情報の取得を前記第2ノードに要求し、前記第2ノードから取得した前記第1情報に基づいて、前記品質制御の開始を前記第1ノードに要求する、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
通信サービスの品質が制御される複数のネットワークのうちの一のネットワークに接続される端末装置であって、
前記一のネットワークの通信サービスの品質の制御である品質制御に関する要求を受け付ける第1ノードと、前記第1ノードを示す情報を含む第1情報を取得するための要求を受け付ける第2ノードとの一方又は両方を、前記一のネットワークを識別するためのネットワーク情報に基づいて特定する特定部と、
前記品質制御の開始を前記第1ノードに要求する要求部と、
を備え、
前記特定部は、
前記一のネットワークの通信サービスに加入しているユーザを識別する加入者識別情報が記憶されたモジュールが前記端末装置に装着されている場合、前記第1ノード及び前記第2ノードの一方又は両方を特定するために、前記モジュールに格納されている情報の一部又は全部を前記ネットワーク情報として参照する、
ことを特徴とす
る端末装置。
【請求項3】
通信サービスの品質が制御される複数のネットワークのうちの一のネットワークに接続される端末装置であって、
前記一のネットワークの通信サービスの品質の制御である品質制御に関する要求を受け付ける第1ノードと、前記第1ノードを示す情報を含む第1情報を取得するための要求を受け付ける第2ノードとの一方又は両方を、前記一のネットワークを識別するためのネットワーク情報に基づいて特定する特定部と、
前記品質制御の開始を前記第1ノードに要求する要求部と、
を備え、
前記ネットワーク情報は、
前記一のネットワークの通信サービスに加入しているユーザを識別する加入者識別情報と、前記加入者識別情報が記憶されたモジュールを識別するモジュール識別情報と、前記一のネットワークに接続するためのアクセスポイントを識別するアクセスポイント名とのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とす
る端末装置。
【請求項4】
通信サービスの品質が制御される複数のネットワークのうちの一のネットワークに接続される端末装置であって、
前記一のネットワークの通信サービスの品質の制御である品質制御に関する要求を受け付ける第1ノードと、前記第1ノードを示す情報を含む第1情報を取得するための要求を受け付ける第2ノードとの一方又は両方を、前記一のネットワークを識別するためのネットワーク情報に基づいて特定する特定部と、
前記品質制御の開始を前記第1ノードに要求する要求部と、
を備え、
前記特定部は、
前記第1ノード及び前記第2ノードの一方又は両方を、アプリケーションプログラムから得られる情報と前記ネットワーク情報とに基づいて特定する、
ことを特徴とす
る端末装置。
【請求項5】
通信サービスの品質が制御される複数のネットワークのうちの一のネットワークに接続される端末装置であって、
前記一のネットワークの通信サービスの品質の制御である品質制御に関する要求を受け付ける第1ノードと、前記第1ノードを示す情報を含む第1情報を取得するための要求を受け付ける第2ノードとの一方又は両方を、前記一のネットワークを識別するためのネットワーク情報に基づいて特定する特定部と、
前記品質制御の開始を前記第1ノードに要求する要求部と、
前記第2ノードを示す第2情報及び前記第1情報の一方又は両方と、前記ネットワーク情報により特定される第3情報とが互いに対応付けられた対応情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記特定部は、
前記対応情報及び前記ネットワーク情報に基づいて、前記第1ノード及び前記第2ノードの一方又は両方を、特定し、
前記記憶部は、
他の第1情報及び他の第2情報の一方又は両方と、他の第3情報とが互いに対応付けられた他の対応情報を、さらに記憶し、
前記他の第1情報は、
前記複数のネットワークのうちの他のネットワークにおいて実行される前記品質制御に関する要求を受け付ける他の第1ノードを示す情報を含み、
前記他の第2情報は、
前記他の第1情報を取得するための要求を受け付ける他の第2ノードを示し、
前記他の第3情報は、
前記他のネットワークを識別するための他のネットワーク情報により特定される、
ことを特徴とす
る端末装置。
【請求項6】
前記特定部は、
前記対応情報及び前記他の対応情報が外部システムにより管理されている場合、前記外部システムから前記対応情報及び前記他の対応情報を取得し、前記外部システムから取得した前記対応情報及び前記他の対応情報を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記要求部は、
前記第1ノード及び前記第2ノードのうちの前記第2ノードのみを前記特定部が特定した場合、前記第1情報の取得を前記第2ノードに要求し、前記第2ノードから取得した前記第1情報に基づいて、前記品質制御の開始を前記第1ノードに要求する、
ことを特徴とする請求項
2から6のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記第2ノードを示す第2情報及び前記第1情報の一方又は両方と、前記ネットワーク情報により特定される第3情報とが互いに対応付けられた対応情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記特定部は、
前記対応情報及び前記ネットワーク情報に基づいて、前記第1ノード及び前記第2ノードの一方又は両方を、特定する、
ことを特徴とする請求項1から
4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項9】
前記第1情報は、
前記品質制御により実現される品質を享受するために必要な、前記端末装置の機能を示す情報、及び、前記品質制御の開始を要求する際に前記第1ノードに通知すべきパラメータを示す情報の一方又は両方をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項10】
通信サービスの品質が制御される複数のネットワークのうちの一のネットワークに接続される端末装置の制御方法であって、
前記一のネットワークの通信サービスの品質の制御である品質制御に関する要求を受け付ける第1ノードと、前記第1ノードを示す情報を含む第1情報を取得するための要求を受け付ける第2ノードとの一方又は両方を、前記一のネットワークを識別するためのネットワーク情報に基づいて特定し、
前記品質制御の開始を前記第1ノードに要求
し、
前記ネットワーク情報に基づいて、前記第1ノード及び前記第2ノードのうちの前記第2ノードのみを特定した場合には、
前記第1情報の取得を前記第2ノードに要求し、前記第2ノードから取得した前記第1情報に基づいて、前記品質制御の開始を前記第1ノードに要求する、
ことを特徴とする端末装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置及び端末装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の端末装置とネットワークとの間で通信するにあたり、端末装置から要求されたQoS(Quality of Service)のレベルに応じたQoS制御を実行するシステムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
QoS制御の実行を要求する際の仕様(例えば、QoS制御の実行を要求する際に通信事業者に通知する情報、及び、要求のアクセス先等)は、例えば、ネットワーク等の通信網を管理する通信事業者によって規定される。従って、複数の通信事業者によりそれぞれ管理される複数のネットワークでは、QoS制御の実行を要求する際の仕様がネットワークによって異なる場合がある。このため、例えば、端末装置にインストールされるアプリケーションプログラムを提供するアプリケーション事業者が、複数のネットワークのいずれに対しても、QoS制御の実行を要求できるようにアプリケーションプログラムを作成する場合、アプリケーションプログラムが煩雑になる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る端末装置は、通信サービスの品質が制御される複数のネットワークのうちの一のネットワークに接続される端末装置であって、前記一のネットワークの通信サービスの品質の制御である品質制御に関する要求を受け付ける第1ノードと、前記第1ノードを示す情報を含む第1情報を取得するための要求を受け付ける第2ノードとの一方又は両方を、前記一のネットワークを識別するためのネットワーク情報に基づいて特定する特定部と、前記品質制御の開始を前記第1ノードに要求する要求部とを備えている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数のネットワークのいずれに対しても、QoS制御の実行を要求できるようにアプリケーションプログラムを作成する場合に、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る端末装置を含むネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示した対応テーブルの一例を示す説明図である。
【
図3】インタフェース情報の一例を示す説明図である。
【
図4】ネットワーク情報の一例を示す説明図である。
【
図5】
図1に示したネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図6】第1変形例に係る端末装置を含むネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。
【
図7】
図6に示した対応テーブルの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.実施形態]
図1は、実施形態に係る端末装置100を含むネットワークシステム10の全体構成を示すブロック図である。
図1に例示するように、ネットワークシステム10は、インターネットINETを介して互いに接続される複数のネットワークNWと、複数のネットワークNWにそれぞれ接続される複数の端末装置100とを有する。なお、本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。
【0009】
複数のネットワークNWの各々は、例えば、通信サービスを提供する複数の通信事業者の各々により管理される移動体通信網等の電気通信回線であり、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方又は両方を含む。ネットワークNWの管理には、例えば、ネットワークNWの運用が含まれる。但し、通信事業者が仮想移動体通信事業者である場合、ネットワークNWの管理には、例えば、ネットワークNWに含まれる基地局等の無線局の運用が含まれない場合、及び、有線の運用が含まれない場合がある。
【0010】
また、
図1には特に図示していないが、複数のネットワークNWの各々は、複数のノードを含む。ネットワークNWに含まれる複数のノードとしては、例えば、基地局(eNodeB及びgNodeB等)、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving Gateway)及びP-GW(Packet Data Network Gateway)等が該当する。eNodeBは、LTE(Long Term Evolution)用の基地局であり、gNodeBは、5G(5th generation mobile communication system)用の基地局である。なお、ネットワークNWに含まれる複数のノードは、基地局、MME、S-GW及びP-GWに限定されない。
【0011】
図1に示す例では、ネットワークNWに含まれる複数のノードのうちの1つが品質制御装置200であり、複数のノードのうちの他の1つが通知装置300である場合を想定する。すなわち、複数のネットワークNWの各々は、品質制御装置200及び通知装置300を有する。品質制御装置200は、「第1ノード」の一例であり、通知装置300は、「第2ノード」の一例である。
【0012】
ここで、複数のネットワークNW間の接続、及び、ネットワークNWと端末装置100との接続等は、例えば、複数の要素間を互いに通信可能にする接続であればよく、有線及び無線の一方を用いた接続であってもよいし、有線及び無線の両方を用いた接続であってもよい。
【0013】
なお、
図1では、複数のネットワークNWを互いに区別するために、ネットワークNWの符号の末尾には、小文字のアルファベット(a又はb)が付されている。また、ネットワークNWに含まれる品質制御装置200及び通知装置300の符号の末尾と、ネットワークNWに接続される端末装置100の符号の末尾とにも、対応するネットワークNWと同じ小文字のアルファベット(a又はb)が付されている。
【0014】
例えば、ネットワークNWaは、ネットワークNWbを管理する通信事業者と異なる通信事業者により管理される。また、例えば、端末装置100aは、ネットワークNWaに接続された端末装置100であり、端末装置100bは、ネットワークNWbに接続された端末装置100である。なお、端末装置100としては、例えば、任意の情報処理装置を採用することができ、パーソナルコンピュータ等の据置型の情報機器であってもよいし、スマートフォン、ノートパソコン、ウェアラブル端末及びタブレット端末等の可搬型の情報端末であってもよい。以下の説明では、端末装置100としてスマートフォンを想定する。
【0015】
また、例えば、品質制御装置200aは、ネットワークNWaに含まれる複数のノードのうちの一のノードであり、ネットワークNWaの通信サービスの品質の制御である品質制御に関する要求を受け付ける。例えば、品質制御装置200aは、品質制御の開始を要求する開始要求REQstを受け付けた場合、ネットワークNWaの通信サービスの品質の制御である品質制御を開始する(
図5のS200及びS220参照)。また、例えば、通知装置300aは、ネットワークNWaに含まれる複数のノードのうちの他のノードであり、品質制御装置200aを示す情報を含むインタフェース情報IFINF(IFINFa)を取得するための取得要求REQaqを受け付ける(
図5のS300参照)。なお、インタフェース情報IFINFは、「第1情報」の一例である。インタフェース情報IFINFの一例は、後述する
図3において説明する。
【0016】
同様に、例えば、品質制御装置200bは、ネットワークNWbに含まれる複数のノードのうちの一のノードであり、ネットワークNWbの通信サービスの品質の制御である品質制御に関する要求を受け付ける。また、例えば、通知装置300bは、ネットワークNWbに含まれる複数のノードのうちの他のノードであり、品質制御装置200bを示す情報を含むインタフェース情報IFINF(IFINFb)を取得するための取得要求REQaqを受け付ける。
【0017】
ここで、品質制御等の処理に関する要求は、処理に関するAPI(Application Programming Interface)を呼び出すことであってもよい。例えば、品質制御の開始の要求は、要求部130が品質制御の開始APIの呼び出しを品質制御装置200に対して実行することであってもよい。すなわち、本実施形態では、開始要求REQstを送信することには、品質制御の開始APIを呼び出すことも含まれ、取得要求REQaqを送信することには、インタフェース情報IFINFの取得APIを呼び出すことも含まれる。
【0018】
また、本実施形態では、複数の端末装置100が接続されるネットワークNWに係る通信サービスの品質の制御が端末装置100毎に実行可能である場合を想定する。以下では、通信サービスの品質の制御である品質制御は、QoS(Quality of Service)制御とも称される。QoS制御は、例えば、帯域制御、低遅延制御及び優先制御等を含む。帯域制御では、例えば、ネットワークNWにおける通信の帯域が制御される。帯域の制御は、帯域の下限値が設定される帯域保証であってもよいし、帯域の上限値が設定される帯域制限であってもよい。同様に、低遅延制御は、例えば、遅延の上限値が設定されている遅延保証であってもよいし、遅延の下限値が設定される遅延制限であってもよい。優先制御では、例えば、特定の通信に係るパケット(通信を行う際の転送単位のデータ)が優先して転送される。例えば、ネットワークNW上を流れるパケットに優先度が付けられ、優先度が他のパケットより高いパケットは、他のパケットよりも先に処理される。
【0019】
端末装置100は、例えば、処理装置110、記憶装置160、通信装置170、入力装置180及び出力装置190を具備するコンピュータシステムにより実現される。端末装置100の複数の要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続される。また、端末装置100の複数の要素の各々を、単数又は複数の機器が構成してもよい。あるいは、端末装置100の一部の要素は省略されてもよい。
【0020】
処理装置110は、端末装置100の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップにより構成される。処理装置110は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により構成される。なお、処理装置110の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置110は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0021】
処理装置110は、例えば、記憶装置160から制御プログラムPR1を読み出し、読み出した制御プログラムPR1を実行することによって、特定部120及び要求部130として機能する。なお、制御プログラムPR1は、ネットワークNWを介して他の装置から送信されてもよい。
【0022】
特定部120は、端末装置100が接続されているネットワークNWに含まれる品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を、端末装置100が接続されているネットワークNWを識別するためのネットワーク情報に基づいて特定する。ネットワーク情報としては、例えば、SIM(Subscriber Identity Module)に格納されているSIM情報、及び、ネットワークNWに接続するためのアクセスポイントを識別するアクセスポイント名(APN:Access Point Name)等が該当する。SIMは、「加入者識別情報が記憶されたモジュール」の一例である。なお、ネットワーク情報の一例は、後述する
図4において説明する。
【0023】
また、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を特定することは、例えば、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方のアドレスを特定することであってもよいし、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方のホスト名を特定することであってもよい。品質制御装置200のアドレスは、品質制御装置200のIP(Internet Protocol)アドレスであってもよいし、品質制御装置200のAPIのURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。同様に、通知装置300のアドレスは、通知装置300のIPアドレスであってもよいし、通知装置300のAPIのURLであってもよい。
【0024】
例えば、特定部120は、ネットワーク情報に含まれるSIM情報又はAPN等に基づいて、端末装置100が接続されているネットワークNWを管理している通信事業者を特定する。そして、特定部120は、記憶装置160に記憶された対応テーブルTBL1に基づいて、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方のアドレスを特定する。対応テーブルTBL1には、例えば、品質制御装置200のインタフェース情報IFINF及び通知装置300のアドレスを示すアドレス情報ADINFの一方又は両方がネットワークNW毎(例えば、ネットワークNWを管理する通信事業者毎)に記憶されている(
図2参照)。
【0025】
なお、通知装置300のアドレスを示すアドレス情報ADINFは、「第2情報」の一例である。また、「第2情報」の別の例としては、通知装置300のホスト名を示す情報が挙げられる。同様に、品質制御装置200のアドレスを示すアドレス情報は、「第1ノードを示す情報」の一例であり、品質制御装置200のホスト名を示す情報は、「第1ノードを示す情報」の別の例である。本実施形態では、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を特定することが、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方のアドレスを特定することである場合を想定する。
【0026】
また、例えば、特定部120は、対応テーブルTBL1が外部システムにより管理されている場合、外部システムから対応テーブルTBL1を取得し、外部システムから取得した対応テーブルTBL1を記憶装置160に記憶してもよい。外部システムは、例えば、複数の通信事業者の各々により管理されている通知装置300及び品質制御装置200の一方でもよい。あるいは、複数の通信事業者の各々において、通知装置300及び品質制御装置200以外の管理装置が外部システムとして設けられてもよい。また、複数の通信事業者において共通な管理装置が外部システムとして設けられてもよい。また、対応テーブルTBL1は、インターネットINET等により一般に公開されていてもよい。
【0027】
要求部130は、例えば、QoS制御の開始を要求する開始要求REQstを品質制御装置200に送信する。例えば、要求部130は、特定部120により品質制御装置200のアドレスが特定された場合、特定部120により特定された品質制御装置200のアドレスに、開始要求REQstを送信する。
【0028】
なお、要求部130は、品質制御装置200のアドレス及び通知装置300のアドレスのうちの通知装置300のアドレスのみが特定部120により特定された場合、品質制御装置200のインタフェース情報IFINFの取得を通知装置300に要求する。例えば、要求部130は、品質制御装置200のインタフェース情報IFINFの取得を要求する取得要求REQaqを、特定部120により特定された通知装置300のアドレスに送信する。そして、要求部130は、通知装置300から取得したインタフェース情報IFINFに基づいて、QoS制御の開始を品質制御装置200に要求する。例えば、要求部130は、通知装置300から取得したインタフェース情報IFINFに基づいて特定される品質制御装置200のアドレスに、開始要求REQstを送信する。
【0029】
また、要求部130は、例えば、QoS制御の終了を要求する場合に、QoS制御の終了を要求する終了要求REQedを品質制御装置200に送信する(
図5のS160参照)。なお、終了要求REQedを送信することには、QoS制御の終了APIを呼び出すことも含まれる。
【0030】
記憶装置160は、処理装置110が読取可能な記録媒体であり、処理装置110が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラム及び対応テーブルTBL1等の各種のデータを記憶する。また、記憶装置160は、APNを記憶してもよい。記憶装置160は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及び、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置160は、レジスタ、キャッシュ、又は、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。なお、記憶装置160は、「記憶部」の一例である。
【0031】
通信装置170は、品質制御装置200及び通知装置300等の他の装置とネットワークNWを介して通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置170は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、又は、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置170は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の一方又は両方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、及び、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。
【0032】
入力装置180は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、及び、センサ等)である。例えば、入力装置180は、数字及び文字等の符号を処理装置110に入力するための操作と、端末装置100の表示面に表示されるアイコンを選択するための操作とを受付ける。例えば、端末装置100の表示面に対する接触を検出するタッチパネルが入力装置180として好適である。なお、入力装置180は、ユーザが操作可能な複数の操作子を含んでもよい。
【0033】
出力装置190は、外部への出力を実施するディスプレイ等の出力デバイスである。出力装置190は、例えば、処理装置110による制御のもとで、画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルが出力装置190として好適に利用される。なお、入力装置180及び出力装置190は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。また、出力装置190は、スピーカー及びLED(Light Emitting Diode)ランプ等を有する出力デバイスでもよい。
【0034】
品質制御装置200は、例えば、ネットワークNWに接続された複数の端末装置100と通信可能なサーバ等の情報処理装置であり、QoS制御を実行する。例えば、品質制御装置200は、端末装置100に対するQoS制御の開始を要求する開始要求REQstを受け付けた場合、開始要求REQstにより指定されるQoSレベルのQoS制御を、端末装置100による通信に対して実行する。QoSレベルとしては、例えば、他の品質モードに比べて大容量のデータが転送可能な大容量モード、他の品質モードに比べてデータの遅延が小さい低遅延モード、及び、ベストエフォートによる制御が行われるベストエフォートモード等がある。また、品質制御装置200は、通知装置300と通信可能であってもよい。なお、QoSレベルは、端末装置100の他に、例えば、ネットワークNWに含まれる通知装置300等のノードにより指定されてもよい。
【0035】
例えば、品質制御装置200は、開始要求REQstにより指定されるQoSレベルのQoS制御を実行する場合、開始要求REQstに対する肯定応答ACKstを端末装置100に送信する(
図5のS210参照)。なお、品質制御装置200は、開始要求REQstにより指定されるQoSレベルのQoS制御を実行できない場合、開始要求REQstに対する否定応答を端末装置100に送信してもよい。
【0036】
図1では、品質制御装置200の構成を特に図示していないが、品質制御装置200は、例えば、品質制御装置200の全体を制御する処理装置と、各種のデータを記憶する記憶装置と、他の装置と通信を行うための通信装置とを具備するコンピュータシステムにより実現される。なお、品質制御装置200は、例えば、端末装置100と同様に、入力装置及び出力装置を有してもよい。また、品質制御装置200は、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された複数の装置の集合として実現されてもよい。例えば、品質制御装置200において、開始要求REQst等を受け付ける機能とQoS制御を実行する機能とが、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された2つの装置の集合として実現されてもよい。あるいは、品質制御装置200は、QoS制御を実行する複数の装置を有してもよい。
【0037】
通知装置300は、例えば、ネットワークNWに接続された複数の端末装置100と通信可能なサーバ等の情報処理装置であり、品質制御装置200のインタフェース情報IFINFを取得するための要求を受け付ける。例えば、通知装置300は、品質制御装置200のインタフェース情報IFINFの取得を要求する取得要求REQaqを端末装置100から受け付けた場合、取得要求REQaqの送信元の端末装置100に、品質制御装置200のインタフェース情報IFINFを送信する。
【0038】
図1では、通知装置300の構成を特に図示していないが、通知装置300は、例えば、通知装置300の全体を制御する処理装置と、各種のデータを記憶する記憶装置と、他の装置と通信を行うための通信装置とを具備するコンピュータシステムにより実現される。なお、通知装置300は、例えば、端末装置100と同様に、入力装置及び出力装置を有してもよい。また、通知装置300は、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された複数の装置の集合として実現されてもよい。
【0039】
なお、端末装置100、品質制御装置200及び通知装置300の構成は、
図1に示す例に限定されない。例えば、通知装置300の機能は、品質制御装置200により実現されてもよい。この場合、「第1ノード」と「第2ノード」とは、互いに同じノードになる。また、例えば、端末装置100は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、端末装置100が読取可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、及び、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、及び、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、及び、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。同様に、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、ストレージと呼ばれてもよい。
【0040】
また、例えば、ネットワークNWの各々は、QoS制御が複数のサービスに対応している場合等では、サービスによって異なる複数の通知装置300を有してもよい。また、ネットワークNWは、端末装置100を含まずに定義されるか否かは特に限定されない。
【0041】
図2は、
図1に示した対応テーブルTBL1の一例を示す説明図である。対応テーブルTBL1には、例えば、インタフェース情報IFINF、及び、通知装置300のアドレスを示すアドレス情報ADINFの一方又は両方と、ネットワークNWを識別するネットワーク識別情報IDNWとが互いに対応付けられた対応情報が、ネットワークNW毎に記憶されている。ネットワーク識別情報IDNWは、例えば、ネットワーク情報により特定される情報である。具体的には、ネットワーク識別情報IDNWは、ネットワークNWを管理する通信事業者を示す情報であってもよい。なお、ネットワーク情報をネットワーク識別情報IDNWとしてもよい。ネットワーク識別情報IDNWは、「第3情報」の一例である。
【0042】
対応テーブルTBL1は、例えば、複数のネットワークNWと1対1に対応する複数のレコードを有する。そして、対応テーブルTBL1の各レコードには、例えば、ネットワーク識別情報IDNWと、ネットワーク識別情報IDNWにより示されるネットワークNWに含まれる品質制御装置200のインタフェース情報IFINF及び通知装置300のアドレス情報ADINFの一方又は両方とが、記憶されている。
【0043】
例えば、
図2に示す対応テーブルTBL1では、ネットワークNWaに対応するレコードには、ネットワークNWaを示すネットワーク識別情報IDNWaと、通知装置300aのアドレス情報ADINFaとが記憶されている。すなわち、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFaは対応テーブルTBL1に記憶されていない。また、ネットワークNWbに対応するレコードには、ネットワークNWbを示すネットワーク識別情報IDNWbと、品質制御装置200bのインタフェース情報IFINFbとが記憶され、通知装置300bのアドレス情報ADINFbは記憶されていない。また、ネットワークNWc(
図1には図示せず)に対応するレコードには、ネットワークNWcを示すネットワーク識別情報IDNWcと、品質制御装置200cのインタフェース情報IFINFcと、通知装置300cのアドレス情報ADINFcとが、記憶されている。
【0044】
本実施形態では、記憶装置160は、対応テーブルTBL1を記憶することにより、品質制御装置200のインタフェース情報IFINF及び通知装置300のアドレス情報ADINFの一方又は両方と、ネットワーク識別情報IDNWとが互いに対応付けられた対応情報を、記憶する。
【0045】
ネットワークNWaに接続された端末装置100aの記憶装置160に、対応テーブルTBL1が記憶されている場合、ネットワークNWb及びNWcは、「他のネットワーク」の一例である。この場合、品質制御装置200b及び200cは、「他の第1ノード」の一例であり、通知装置300b及び300cは、「他の第2ノード」の一例である。また、インタフェース情報IFINFb及びIFINFcは、「他の第1情報」の一例であり、アドレス情報ADINFb及びADINFcは、「他の第2情報」の一例である。また、ネットワーク識別情報IDNWb及びIDNWcは、「他の第3情報」の一例である。また、ネットワークNWb及びNWcに対応するレコードに記憶される情報は、「他の対応情報」の一例である。すなわち、本実施形態では、記憶装置160は、対応テーブルTBL1を記憶することにより、「対応情報」及び「他の対応情報」を記憶する。
【0046】
なお、対応テーブルTBL1のデータ構成は、
図2に示す例に限定されない。例えば、QoS制御が複数のサービスに対応し、サービスによって異なる複数の通知装置300をネットワークNWが有する場合、当該ネットワークNWに対応するレコードは、複数の通知装置300と1対1に対応する複数のサブレコードを有してもよい。同様に、サービスによって異なる複数の品質制御装置200をネットワークNWが有する場合、当該ネットワークNWに対応するレコードは、複数の品質制御装置200と1対1に対応する複数のサブレコードを有してもよい。また、対応情報の格納方法は、インタフェース情報IFINF及びアドレス情報ADINFの一方又は両方をネットワーク識別情報IDNWから特定可能であれば、対応テーブルTBL1に限定されない。
【0047】
図3は、インタフェース情報IFINFの一例を示す説明図である。
【0048】
インタフェース情報IFINFは、
図1において説明したように、品質制御装置200のアドレス情報を含む。また、インタフェース情報IFINFは、例えば、品質制御装置200のアドレス情報の他に、QoS制御の開始の要求、QoS制御の終了の要求、QoS制御の状態の確認、QoS制御の利用可否の確認及びSIM情報の取得等に関する情報を含む。さらに、インタフェース情報IFINFは、例えば、端末機能情報、QoSパラメータ情報(QoSレベル等)、及び、要求ネットワーク品質を示す情報を含む。
【0049】
端末機能情報は、QoS制御により実現される品質を享受するために必要な、端末装置100の機能を示す情報である。例えば、品質制御装置200がQCI(QoS Class Identifier)によるQoS制御をサポートしている場合、端末機能情報は、QCIによるQoS制御をサポートするための端末装置100の機能を示す情報であってもよい。また、例えば、品質制御装置200がMEC(Multi-access Edge Computing)に対する通信のQoS制御をサポートしている場合、MECに対する通信のQoS制御をサポートするための端末装置100の機能を示す情報であってもよい。なお、端末機能情報は、上述の例に限定されない。
【0050】
QoSパラメータ情報は、QoS制御の開始を要求する際に品質制御装置200に通知すべきパラメータを示す情報である。例えば、QoSパラメータ情報は、品質制御装置200に要求するQoS制御の品質モード(QoSレベル等)を示す情報であってもよい。また、例えば、QCIによるQoS制御では、品質モードを示す情報は、QCIであってもよい。
【0051】
要求ネットワーク品質は、例えば、品質制御装置200に要求するQoS制御により実現されるネットワーク品質、又は、目標となるネットワーク品質である。ネットワーク品質としては、例えば、スループット、遅延時間、ジッタ、フレームレート及びパケット損失率等が該当する。
【0052】
なお、インタフェース情報IFINFに含まれる項目は、
図3に示す例に限定されない。例えば、インタフェース情報IFINFは、品質制御装置200のアドレス情報が含まれていれば、
図3に示した項目の一部を含まなくてもよい。あるいは、インタフェース情報IFINFは、
図3に示した項目の一部又は全部と、
図3に示した項目以外の項目とを含んでもよい。
図3に示した項目以外の項目としては、例えば、QoS制御のサポート情報等が挙げられる。QoS制御のサポート情報は、例えば、品質制御装置200がQCIによるQoS制御をサポートしているか否かを示すQCIサポート情報、及び、品質制御装置200がMECに対する通信のQoS制御をサポートしているか否かを示すMECサポート情報の一方又は両方であってもよい。
【0053】
図4は、ネットワーク情報の一例を示す説明図である。ネットワーク情報は、例えば、SIM情報及びAPNを含む。
【0054】
SIM情報は、例えば、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、MSISDN(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)、ICCID(Integrated Circuit Card ID)、契約情報、及び、契約状態を示す情報の一部又は全部を含む。
【0055】
IMSIは、例えば、ネットワークNWの通信サービスに加入しているユーザを識別する加入者識別情報である。MSISDNは、例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project)規格により規定される加入者に割り当てられる電話番号(SIMに対応した電話番号)である。ICCIDは、例えば、SIMを識別するモジュール識別情報である。
【0056】
例えば、端末装置100がSIMを装着している場合、端末装置100の特定部120は、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を特定するために、SIMに格納されているSIM情報の一部又は全部をネットワーク情報として参照する。なお、SIM情報に含まれる項目は、
図4に示す例に限定されない。例えば、SIM情報は、
図4に示した項目の一部又は全部と、
図4に示した項目以外の項目とを含んでもよい。
【0057】
また、ネットワーク情報に含まれる項目は、
図4に示す例に限定されない。例えば、ネットワーク情報は、SIM情報及びAPNの一方でもよい。あるいは、ネットワーク情報は、SIM情報及びAPNの一方又は両方の代わりに、端末装置100のIPアドレスを示すIPアドレス情報を含んでもよい。端末装置100のIPアドレスは、例えば、通信事業者により提供される通信サービスを利用するために端末装置100に付与されるため、通信事業者を識別するために利用可能である。また、ネットワーク情報は、SIM情報、APN及び端末装置100のIPアドレス情報の一部又は全部と、SIM情報、APN及び端末装置100のIPアドレス情報以外の情報と、を含んでもよい。SIM情報、APN及び端末装置100のIPアドレス情報以外の情報は、例えば、3G、4G、5G、WiFi(登録商標)、テザリング及び有線通信等の通信方式を示す通信方式情報であってもよい。
【0058】
図5は、
図1に示したネットワークシステム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図5に示す例では、複数のネットワークNWにそれぞれ接続された複数の端末装置100のうち、ネットワークNWaに接続された複数の端末装置100aのいずれかがQoS制御を要求する場合を想定する。従って、
図5の説明では、特に断りがない場合、端末装置100aは、ネットワークNWaに接続された複数の端末装置100aのうち、QoS制御を要求する一の端末装置100aを意味するものとする。また、
図5に示す動作では、
図2に示した対応テーブルTBL1が利用される場合を想定する。
【0059】
先ず、端末装置100aの特定部120は、ネットワークNWaに含まれる品質制御装置200a及び通知装置300aの一方又は両方のアドレスを特定するために、ネットワーク情報を参照する(S100)。例えば、特定部120は、SIMに格納されているSIM情報の一部又は全部を、ネットワーク情報として参照する。あるいは、特定部120は、端末装置100の記憶装置160等に記憶されているAPNを、ネットワーク情報として参照してもよい。
【0060】
そして、特定部120は、SIM情報等のネットワーク情報に基づいて、アクセス先を特定する(S110)。具体的には、特定部120は、例えば、端末装置100aが接続されているネットワークNWaを管理している通信事業者をネットワーク情報に基づいて特定することにより、ネットワークNWaのネットワーク識別情報IDNWaを特定する。そして、特定部120は、ネットワーク情報に基づいて特定したネットワーク識別情報IDNWaに対応するインタフェース情報IFINFa及びアドレス情報ADINFaの一方又は両方を、記憶装置160に記憶された対応テーブルTBL1に基づいて特定する。
【0061】
図2に示した対応テーブルTBL1では、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFa及び通知装置300aのアドレス情報ADINFaのうち、通知装置300aのアドレス情報ADINFaのみがネットワーク識別情報IDNWaに対応付けて記憶されている。このため、特定部120は、通知装置300aのアドレス情報ADINFaを特定する。これにより、端末装置100aのアクセス先として、通知装置300aのアドレスが特定される。
【0062】
次に、端末装置100aの要求部130は、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFaの取得を要求する取得要求REQaqを、特定部120により特定された通知装置300aのアドレス情報ADINFaに基づいて、通知装置300aに送信する(S120)。これにより、通知装置300aは、インタフェース情報IFINFaの取得要求REQaqを端末装置100aから受信する(S300)。そして、通知装置300aは、端末装置100aから受信した取得要求REQaqに対する応答として、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFaを端末装置100aに送信する(S310)。
【0063】
これにより、端末装置100aの要求部130は、取得要求REQaqに対する応答として、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFaを通知装置300aから受信する(S130)。このように、要求部130は、ネットワーク情報に基づいて特定された通知装置300aのアドレス情報ADINFaに基づいて、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFaを通知装置300aから取得する。
【0064】
そして、要求部130は、通知装置300aから取得したインタフェース情報IFINFaに基づいて、QoS制御の開始を要求する開始要求REQstを品質制御装置200aに送信する(S140)。開始要求REQstには、例えば、通知装置300aから取得したインタフェース情報IFINFaに含まれる項目(
図3に示したインタフェース情報IFINFに含まれる項目)の一部又は全部が含まれてもよい。
【0065】
品質制御装置200aは、端末装置100aから送信された開始要求REQstを受信する(S200)。そして、品質制御装置200aは、開始要求REQstに対する肯定応答ACKstを、開始要求REQstの送信元の端末装置100aに送信する(S210)。また、品質制御装置200aは、例えば、開始要求REQstにより指定されるQoS制御を開始する(S220)。これにより、端末装置100aに対するQoS制御が開始される。
【0066】
また、端末装置100aは、開始要求REQstに対する応答として、肯定応答ACKstを品質制御装置200aから受信する(S150)。これにより、端末装置100aは、開始要求REQstに応じたQoS制御が開始されたことを認識できる。
【0067】
また、端末装置100aの要求部130は、端末装置100aに対するQoS制御を終了させる場合、終了要求REQedを品質制御装置200aに送信する(S160)。
【0068】
品質制御装置200aは、終了要求REQedを端末装置100aから受信する(S230)。そして、品質制御装置200aは、終了要求REQedに対する肯定応答ACKedを、端末装置100aに送信する(S240)。これにより、端末装置100aは、終了要求REQedに対する肯定応答ACKedを、品質制御装置200aから受信する(S170)。また、品質制御装置200aは、終了要求REQedにより示される端末装置100aに対するQoS制御を終了する(S250)。
【0069】
このように、端末装置100aの要求部130は、品質制御装置200a及び通知装置300aのうちの通知装置300aのみを特定部120が特定した場合、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFaの取得を通知装置300aに要求する。そして、要求部130は、通知装置300aから取得したインタフェース情報IFINFaに基づいて、QoS制御の開始を品質制御装置200aに要求する。
【0070】
なお、
図5に示す例では、ネットワークNWaに接続された端末装置100aが開始要求REQstを送信する場合を想定しているため、ネットワークNWbを管理する通信事業者の品質制御装置200bでは、端末装置100aに対するQoS制御に関する処理は、特に実行されない。
【0071】
また、ネットワークシステム10の動作は、
図5に示す例に限定されない。例えば、端末装置100aの要求部130は、品質制御装置200aがネットワーク情報に基づいて特定された場合、取得要求REQaqを通知装置300aに送信することなく、QoS制御の開始要求REQstを品質制御装置200aに送信してもよい。すなわち、要求部130は、ネットワーク情報に基づいて特定部120により特定された品質制御装置200aに、QoS制御の開始を要求してもよい。
【0072】
また、例えば、品質制御装置200aは、開始要求REQstにより指定されるQoS制御を実行できない場合、開始要求REQstに対する否定応答を、端末装置100aに送信してもよい。この場合、端末装置100aは、開始要求REQstに対する応答として、否定応答を品質制御装置200aから受信する。これにより、端末装置100aは、開始要求REQstに応じたQoS制御が開始されないことを認識できる。また、例えば、品質制御装置200aは、否定応答を端末装置100aに送信する場合、QoS制御を実行できない理由を示す否定理由情報を、端末装置100aに送信してもよい。
【0073】
ここで、例えば、アプリケーションプログラムを提供するアプリケーション事業者は、QoS制御を利用するために、QoS制御を利用するためのQoS制御SDK(Software Development Kit)をアプリケーションプログラムに内包してもよい。開始要求REQstを送信するために必要な情報(品質制御装置200のインタフェース情報IFINF又は通知装置300のアドレス情報ADINF)は、アプリケーションプログラムがインストールされる端末装置100が接続されるネットワークNWを管理する通信事業者に拘わらず、特定部120により特定される。この結果、本実施形態では、複数の通信事業者が管理する複数のネットワークNWのいずれに対しても、QoS制御の実行を要求できるアプリケーションプログラムを作成する場合に、通信事業者に合わせて開始要求REQstの送信先をアプリケーションプログラムに設定する必要がない。このため、本実施形態では、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
【0074】
また、例えば、端末装置100aのユーザがネットワークNWaの通信サービスを契約する際に、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFaが、ネットワークNWaを管理する通信事業者により端末装置100aに設定される態様(以下、比較態様とも称する)が考えられる。すなわち、比較態様では、ネットワークNWaの通信サービスの契約に対応付けされた端末装置100に、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFaが設定される。換言すれば、比較態様では、ネットワークNWaの通信サービスの契約に対応付けされていない端末装置100(以下、未契約の端末装置100とも称する)には、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFaが設定されない。このため、比較態様では、例えば、ネットワークNWaの通信サービスの契約の有無に拘わらず、特定のエリアに存在する端末装置100に対してQoS制御を適用する場合等において、未契約の端末装置100にQoS制御が適用されない問題がある。
【0075】
これに対し、本実施形態では、品質制御装置200aのインタフェース情報IFINFa又は通知装置300aのアドレス情報ADINFaは、ネットワークNWaの通信サービスの契約の有無に拘わらず、特定部120により特定される。このため、本実施形態では、例えば、ネットワークNWaの通信サービスの契約の有無に拘わらず、特定のエリアに存在する端末装置100に対してQoS制御を適用する場合等においても、未契約の端末装置100に対してQoS制御を適用させることができる。
【0076】
以上、本実施形態では、端末装置100は、特定部120及び要求部130等を有する。特定部120は、端末装置100が接続されたネットワークNWに含まれる品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を、端末装置100が接続されたネットワークNWを識別するためのネットワーク情報に基づいて特定する。品質制御装置200は、例えば、端末装置100が接続されたネットワークNWの通信サービスの品質の制御であるQoS制御に関する要求を受け付ける。通知装置300は、例えば、品質制御装置200を示す情報を含むインタフェース情報IFINFを取得するための取得要求REQaqを受け付ける。
【0077】
要求部130は、QoS制御の開始を品質制御装置200に要求する。例えば、要求部130は、特定部120が品質制御装置200をネットワーク情報に基づいて特定した場合、特定部120により特定された品質制御装置200に、QoS制御の開始を要求する。また、例えば、要求部130は、品質制御装置200及び通知装置300のうちの通知装置300のみを特定部120がネットワーク情報に基づいて特定した場合、品質制御装置200のインタフェース情報IFINFの取得を通知装置300に要求する。そして、要求部130は、通知装置300から取得したインタフェース情報IFINFに基づいて、QoS制御の開始を品質制御装置200に要求する。
【0078】
このように、本実施形態では、品質制御装置200のインタフェース情報IFINF等が端末装置100に予め設定されていない場合でも、品質制御装置200のインタフェース情報IFINF及び通知装置300のアドレス情報ADINFの一方又は両方が特定部120により特定される。このため、本実施形態では、品質制御装置200のインタフェース情報IFINF等が端末装置100に予め設定されていない場合でも、端末装置100に対するQoS制御を品質制御装置200に実行させることができる。この結果、本実施形態では、複数の通信事業者が管理する複数のネットワークNWのいずれに対しても、QoS制御の実行を要求できるアプリケーションプログラムを作成する場合に、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、例えば、インタフェース情報IFINFは、端末機能情報及びQoSパラメータ情報の一方又は両方をさらに含んでもよい。端末機能情報は、例えば、QoS制御により実現される品質を享受するために必要な、端末装置100の機能を示す情報である。また、QoSパラメータ情報は、例えば、QoS制御の開始を要求する際に品質制御装置200に通知すべきパラメータを示す情報である。
【0080】
例えば、端末機能情報がインタフェース情報IFINFに含まれる場合、要求部130は、QoS制御の開始を品質制御装置200に要求する前に、端末装置100がQoS制御により実現される品質を享受できるか否かを判定できる。すなわち、要求部130は、インタフェース情報IFINFに含まれる端末機能情報に基づいて、QoS制御の開始を品質制御装置200に要求するか否かを判定できる。
【0081】
また、例えば、QoSパラメータ情報がインタフェース情報IFINFに含まれる場合、要求部130は、QoS制御の開始を品質制御装置200に要求する際に、QoS制御に必要なパラメータの値等を品質制御装置200に通知できる。例えば、要求部130は、QoS制御の開始を要求する開始要求REQstに、QoS制御に必要なパラメータの値等を含めてもよい。すなわち、要求部130は、インタフェース情報IFINFに含まれるQoSパラメータ情報に基づいて、QoS制御の開始を品質制御装置200に適切に要求できる。
【0082】
また、本実施形態では、例えば、端末装置100は、通知装置300を示すアドレス情報ADINF及びインタフェース情報IFINFの一方又は両方と、ネットワーク情報により特定されるネットワーク識別情報IDNWとが互いに対応付けられた対応情報を記憶する記憶装置160を有する。この場合、特定部120は、対応情報及びネットワーク情報に基づいて、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を特定する。このように、対応情報が記憶装置160に記憶されている態様では、対応情報を参照することにより、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を容易に特定することができる。
【0083】
また、記憶装置160は、他のインタフェース情報IFINF、及び、他のアドレス情報ADINFの一方又は両方と、他のネットワーク識別情報IDNWとが互いに対応付けられた他の対応情報を、さらに記憶してもよい。他のインタフェース情報IFINFは、他の品質制御装置200を示す情報を含み、他のアドレス情報ADINFは、他の通知装置300を示す。また、他の品質制御装置200は、複数のネットワークNWのうち、端末装置100が接続されたネットワークNWとは異なる他のネットワークNWに含まれ、他のネットワークNWにおいて実行されるQoS制御に関する要求を受け付ける品質制御装置200である。また、他の通知装置300は、他のネットワークNWに含まれ、他のインタフェース情報IFINFを取得するための要求を受け付ける通知装置300である。また、他のネットワーク識別情報IDNWは、他のネットワークNWを識別するための他のネットワーク情報により特定されるネットワーク識別情報IDNWである。
【0084】
対応情報及び他の対応情報が記憶装置160に記憶されている態様では、端末装置100が他のネットワークNWに接続される場合においても、他の対応情報を参照することにより、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を容易に特定することができる。例えば、端末装置100の特定部120は、対応情報及び他の対応情報が記憶されている対応テーブルTBL1を参照することにより、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を容易に特定することができる。
【0085】
また、特定部120は、対応情報及び他の対応情報が外部システムにより管理されている場合、外部システムから対応情報及び他の対応情報を取得し、外部システムから取得した対応情報及び他の対応情報を記憶装置160に記憶する。これにより、例えば、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方が変更された場合においても、特定部120は、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方の変更に容易に対応することができる。また、対応情報及び他の対応情報が外部システムにより管理される場合、端末装置100が実行する対応情報及び他の対応情報の管理に関する処理を、低減することができる。
【0086】
また、本実施形態では、例えば、特定部120は、加入者識別情報が記憶されたモジュールを端末装置100が装着している場合、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を特定するために、モジュールに格納されている情報の一部又は全部をネットワーク情報として参照してもよい。加入者識別情報は、ネットワークNWの通信サービスに加入しているユーザを識別する情報(例えば、IMSI)である。また、モジュールは、例えば、SIMである。特定部120は、例えば、モジュールに格納されている情報の一部又は全部をネットワーク情報として参照することにより、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を容易に特定することができる。
【0087】
また、本実施形態では、例えば、ネットワーク情報は、加入者識別情報と、加入者識別情報が記憶されたモジュールを識別するモジュール識別情報と、ネットワークNWに接続するためのアクセスポイントを識別するアクセスポイント名とのうちの少なくとも1つを含んでもよい。この場合においても、特定部120は、ネットワーク情報に基づいて、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を容易に特定することができる。
【0088】
[2.変形例]
本発明は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0089】
[第1変形例]
上述した実施形態では、QoS制御を要求するための問い合わせ先(例えば、通知装置300等)とアプリケーションプログラムから得られる情報との関係については、特に説明していないが、QoS制御を要求するための問い合わせ先は、アプリケーションプログラムから得られる情報によって異なっていてもよい。例えば、端末装置100は、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を、アプリケーションプログラムから得られる情報とネットワーク情報とに基づいて特定する特定部122を有してもよい(
図6参照)。アプリケーションプログラムから得られる情報は、例えば、アプリケーションプログラムの種類を示す情報であってもよいし、アプリケーションプログラムから指示される情報であってもよい。あるいは、アプリケーションプログラムから得られる情報は、アプリケーションプログラムの種類を示す情報と、アプリケーションプログラムから指示される情報とを含む情報であってもよい。
【0090】
アプリケーションプログラムの種類としては、例えば、ゲーム、ストリーミングサービス、及び、通話サービス等が該当する。また、アプリケーションプログラムから指示される情報は、例えば、品質制御装置200によりサポートされている複数のQoS制御の中から1つのQoS制御をアプリケーションプログラムが選択した場合に、QoS制御の選択に関する指示又は設定の内容を示す情報であってもよい。後述する
図6及び
図7では、アプリケーションプログラムから得られる情報が、アプリケーションプログラムの種類を示す情報である場合を想定する。
【0091】
図6は、第1変形例に係る端末装置100を含むネットワークシステム10の全体構成を示すブロック図である。
図1から
図5において説明した要素と同様の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図6に示すネットワークシステム10は、
図1に示したネットワークシステム10と同様に、インターネットINETを介して互いに接続される複数のネットワークNWと、複数のネットワークNWにそれぞれ接続される複数の端末装置100とを有する。但し、
図6では、ネットワークNWa及びNWbの各々が複数の品質制御装置200及び複数の通知装置300を含む場合を想定する。例えば、ネットワークNWaは、品質制御装置200a1及び200a2と通知装置300a1及び300a2とを含み、ネットワークNWbは、品質制御装置200b1及び200b2と通知装置300b1及び300b2とを含む。
【0092】
端末装置100は、
図1に示した端末装置100と同様である。例えば、端末装置100は、処理装置110、記憶装置160、通信装置170、入力装置180及び出力装置190を具備するコンピュータシステムにより実現される。但し、
図6に示す端末装置100では、制御プログラムPR2とアプリケーションプログラムPRap1と対応テーブルTBL2とを記憶装置160が記憶する点、及び、制御プログラムPR2等を処理装置110が実行する点が、
図1に示した端末装置100と相違する。なお、制御プログラムPR2、アプリケーションプログラムPRap1及び対応テーブルTBL2等は、ネットワークNWを介して他の装置から送信されてもよい。また、以下では、アプリケーションプログラムは、アプリケーションプログラムPRap1であるか否かに拘わらず、アプリケーションプログラムPRapと総称される場合がある。
【0093】
処理装置110は、例えば、記憶装置160から制御プログラムPR2を読み出し、読み出した制御プログラムPR2を実行することによって、特定部122及び要求部130として機能する。さらに、処理装置110は、記憶装置160からアプリケーションプログラムPRap1を読み出し、読み出したアプリケーションプログラムPRap1を実行することによって、アプリケーション処理部140として機能する。
【0094】
なお、以下の説明では、アプリケーションプログラムPRap1が制御プログラムPR2と並列に実行される場合を想定する。さらに、以下の説明では、アプリケーションプログラムPRapの種類によって、QoS制御を要求するための問い合わせ先が異なる場合を想定する。例えば、品質制御装置200a1及び通知装置300a1に対応するアプリケーションプログラムPRapの種類は、品質制御装置200a2及び通知装置300a2に対応するアプリケーションプログラムPRapの種類と異なる。また、例えば、品質制御装置200b1及び通知装置300b1に対応するアプリケーションプログラムPRapの種類は、品質制御装置200b2及び通知装置300b2に対応するアプリケーションプログラムPRapの種類と異なる。
【0095】
特定部122は、例えば、アプリケーションプログラムPRapの種類を示す種別情報TYPINFとネットワーク情報とに基づいて、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を特定する(
図7参照)。特定部122のその他の動作は、
図1に示した特定部120と同様である。なお、種別情報TYPINFは、「アプリケーションプログラムから得られる情報」の一例である。
【0096】
要求部130は、
図1に示した要求部130と同様である。アプリケーション処理部140は、アプリケーションプログラムPRap1に基づく処理を実行する。
【0097】
なお、端末装置100、品質制御装置200及び通知装置300の構成は、
図6に示す例に限定されない。例えば、複数のネットワークNWに含まれる通知装置300の数は、1つでもよい。この場合、端末装置100の要求部130は、通知装置300に送信する取得要求REQaqに種別情報TYPINFを含めてもよい。種別情報TYPINFを含む取得要求REQaqを受信した通知装置300は、アプリケーションプログラムPRapの種類に応じた品質制御装置200のインタフェース情報IFINFを、取得要求REQaqの応答として、端末装置100に送信してもよい。
【0098】
図7は、
図6に示した対応テーブルTBL2の一例を示す説明図である。対応テーブルTBL2には、例えば、
図2に示した対応テーブルTBL1と同様の対応情報が、アプリケーションプログラムPRapの種類毎に記憶されている。
図7に示す種別情報の欄の「その他」は、対応テーブルTBL2に登録されたアプリケーションプログラムPRapの種類に分類されないアプリケーションプログラムPRapが実行された場合に参照される。
【0099】
なお、対応テーブルTBL2のデータ構成は、
図7に示す例に限定されない。例えば、各ネットワークNWに対応するレコードが、アプリケーションプログラムPRapの複数の種類と1対1に対応する複数のサブレコードを有してもよい。また、対応テーブルTBL2は、インターネットINET等により一般に公開されていてもよい。あるいは、対応テーブルTBL2は、標準化等により規定されていてもよいし、アプリケーション事業者等により配布されてもよい。
【0100】
以上、第1変形例では、例えば、特定部122は、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を、アプリケーションプログラムPRapの種類を示す種別情報TYPINFとネットワーク情報とに基づいて特定する。なお、例えば、アプリケーションプログラムPRapから得られる情報が、アプリケーションプログラムPRapから指示される情報である場合、種別情報TYPINFは、アプリケーションプログラムPRapから指示される情報に読み替えられてもよい。第1変形例においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第1変形例では、例えば、QoS制御を実行する品質制御装置200がアプリケーションプログラムPRapの種類毎に設けられている場合でも、品質制御装置200及び通知装置300の一方又は両方を容易に特定することができる。
【0101】
[第2変形例]
上述した実施形態及び第1変形例では、SIMに格納されている情報又は端末装置100に設定されている情報がネットワーク情報として参照される場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、端末装置100(例えば、特定部120又は122)は、ネットワークNWに接続するためにネットワークNWとの間で行われる接続手続きの処理内容を示す手続情報の一部又は全部を、ネットワーク情報として取得してもよい。第2変形例においても、上述した実施形態及び第1変形例と同様の効果を得ることができる。
【0102】
[第3変形例]
上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例では、通知装置300から取得したインタフェース情報IFINFを破棄するか否かについては、特に説明していないが、通知装置300から取得したインタフェース情報IFINFは、対応テーブルTBL1又はTBL2に記憶されてもよい。すなわち、端末装置100(例えば、要求部130)は、通知装置300から取得したインタフェース情報IFINFを対応テーブルTBL1又はTBL2に記憶してもよい。この場合、例えば、端末装置100がネットワークNWに再接続した際に、特定部120(又は122)は、対応テーブルTBL1(又はTBL2)に基づいて、品質制御装置200のインタフェース情報IFINFを特定することができる。これにより、第3変形例では、通知装置300に取得要求REQaqを送信する回数が増加することを抑制することができる。この結果、第3変形例では、QoS制御の開始を要求する際の端末装置100の動作が煩雑になることを抑制することができる。
【0103】
[3.その他]
(1)上述した実施形態では、記憶装置160は、処理装置110が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されてもよい。
【0104】
(2)上述した実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0105】
(3)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0106】
(4)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0107】
(5)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0108】
(6)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0109】
(7)
図1等の図面に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0110】
また、通信装置170は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置170は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0111】
(8)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0112】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0113】
(9)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0114】
(10)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0115】
(11)上述した実施形態において、端末装置100は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0116】
(12)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0117】
(13)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0118】
(14)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0119】
(15)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0120】
(16)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0121】
(17)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0122】
(18)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0123】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0124】
10…ネットワークシステム、100…端末装置、110…処理装置、120、122…特定部、130…要求部、140…アプリケーション処理部、160…記憶装置、170…通信装置、180…入力装置、190…出力装置、200…品質制御装置、300…通知装置。