(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】自動計算装置、及び自動計算方法
(51)【国際特許分類】
B21D 43/00 20060101AFI20240425BHJP
B21D 5/02 20060101ALI20240425BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
B21D43/00 W
B21D5/02 X
B25J13/08 Z
(21)【出願番号】P 2023004327
(22)【出願日】2023-01-16
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】本間 俊貴
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-130508(JP,A)
【文献】特開2021-58906(JP,A)
【文献】特開2003-326317(JP,A)
【文献】特開2021-41436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 43/00
B21D 5/02
B25J 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットがワークを移動させて曲げ加工機の曲げ加工位置に前記ワークを位置決めするための位置決め機構の動作モードを決定するコンピュータを備える自動計算装置において、
前記位置決め機構は、
前記曲げ加工機の左右方向に延在するワーク縁部が突き当てられることにより、前後方向における前記ワークの位置決めを行う一対のバックゲージと、
前後方向に延在するワーク縁部が突き当てられることにより、左右方向における前記ワークの位置決めを行うサイドゲージと、を含み、
前記サイドゲージの動作及び前記一対のバックゲージの動作の組み合わせに応じて、前記ワークの位置決めを行うための複数の動作モードを備え、
前記コンピュータが、
金型と前記位置決め機構との位置関係、及び前記ワークの情報に基づいて、前記ワークに対して行われる曲げ工程毎に、前記複数の動作モードの中から前記位置決め機構の動作モードを決定する
自動計算装置。
【請求項2】
前記複数の動作モードは、
前記一対のバックゲージ及び前記サイドゲージを同時に用いて前記ワークの位置決めを行う第1動作モードと、
前記一対のバックゲージを用いた前記ワークの位置決めを行った後に、前記サイドゲージを用いた前記ワークの位置決めを行い、その後に前記一対のバックゲージを用いた前記ワークの位置決めを再び行う動作モードであって、前記サイドゲージを用いた前記ワークの位置決めを、前記サイドゲージ及び前記ワークを下金型よりも上方に持ち上げた状態で行う第2動作モードと、
前記一対のバックゲージを用いた前記ワークの位置決めを行った後に、前記サイドゲージを用いた前記ワークの位置決めを行い、その後に前記一対のバックゲージを用いた前記ワークの位置決めを行う動作モードであって、前記サイドゲージを用いた前記ワークの位置決めを、前記サイドゲージ及び前記ワークを上下方向及び左右方向、前後方向に移動させた位置で行う第3動作モードと、
前記一対のバックゲージのみを用いた前記ワークの位置決めを行い、事前に教示された動作に従って前記ロボットが左右方向の位置決めを行う第4動作モードと、を備える
請求項1記載の自動計算装置。
【請求項3】
前記コンピュータは、
高い位置決め精度が要求される曲げ工程であると判断した場合には、前記第1から第3動作モードの中からいずれか一つの動作モードを選択する
請求項2記載の自動計算装置。
【請求項4】
前記コンピュータは、
前記下金型に前記ワークを載置した状態で、前記サイドゲージを前記ワーク縁部に突き当てることができると判断した場合には、前記第1動作モードを選択する
請求項3記載の自動計算装置。
【請求項5】
前記コンピュータは、
前記サイドゲージ及び前記ワークを前記下金型よりも上方に持ち上げれば、前記下金型と干渉することなく前記サイドゲージを前記ワーク縁部に突き当てることができると判断した場合には、前記第2動作モードを選択する
請求項4記載の自動計算装置。
【請求項6】
前記コンピュータは、
前記サイドゲージ及び前記ワークを上下方向及び左右方向、前後方向に移動させれば、前記下金型と干渉することなく前記サイドゲージを前記ワーク縁部に突き当てることができると判断した場合には、前記第3動作モードを選択する
請求項5記載の自動計算装置。
【請求項7】
前記コンピュータは、
前記第1から第3動作モードのうちいずれの動作モードでも前記サイドゲージを前記ワーク縁部に突き当てることができないと判断した場合には、前記第1から第3動作モードを選択せずに、前記第4動作モードを選択する
請求項6記載の自動計算装置。
【請求項8】
前記コンピュータは、
高い位置決め精度が要求される曲げ工程ではないと判断した場合には、前記第4動作モードを選択する
請求項2記載の自動計算装置。
【請求項9】
ロボットがワークを移動させて曲げ加工機の曲げ加工位置に前記ワークを位置決めするための位置決め機構の動作モードを、コンピュータが決定する自動計算方法において、
前記位置決め機構は、
前記曲げ加工機の左右方向に延在するワーク縁部が突き当てられることにより、前後方向における前記ワークの位置決めを行う一対のバックゲージと、
前後方向に延在するワーク縁部が突き当てられることにより、左右方向における前記ワークの位置決めを行うサイドゲージと、を含み、
前記サイドゲージの動作及び前記一対のバックゲージの動作の組み合わせに応じて、前記ワークの位置決めを行うための複数の動作モードを備え、
前記コンピュータが、
金型と前記位置決め機構との位置関係、及び前記ワークの情報に基づいて、前記ワークに対する曲げ工程毎に、前記複数の動作モードの中から前記位置決め機構の動作モードを決定する
自動計算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動計算装置、及び自動計算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、ワークを把持したロボットを制御して、曲げ加工機の曲げ加工位置に対してワークの位置決めを行う方法が開示されている。この曲げ加工機は、前後方向におけるワークの位置決めを行う一対のバックゲージと、左右方向におけるワークの位置決めを行うサイドゲージとを含む位置決め機構を備えている。
【0003】
また、特許文献1と同様、特許文献2にもワークの位置決めを行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-18236号公報
【文献】特開2018-192542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
曲げ加工機の位置決め機構及びロボットは、加工プログラムに基づいて制御される。そして、この加工プログラムを作成にするにあたっては、曲げ工程毎に、位置決め機構の動作モードを定義する必要がある。
【0006】
従来、オペレータは、加工プログラムを作成するコンピュータ上で、曲げ工程毎に位置決め機構の動作モードを手動で決定していた。しかしながら、動作モードを決定するためには、位置決め機構の動作モードを熟知している必要があり、初心者のオペレータにとっては難しい作業が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の自動計算装置は、ロボットがワークを移動させて曲げ加工機の曲げ加工位置にワークを位置決めするための位置決め機構の動作モードを決定するコンピュータを備える自動計算装置において、位置決め機構は、曲げ加工機の左右方向に延在するワーク縁部が突き当てられることにより、前後方向におけるワークの位置決めを行う一対のバックゲージと、前後方向に延在するワーク縁部が突き当てられることにより、左右方向におけるワークの位置決めを行うサイドゲージと、を含み、サイドゲージの動作及び一対のバックゲージの動作の組み合わせに応じて、ワークの位置決めを行うための複数の動作モードを備え、コンピュータが、金型と位置決め機構との位置関係、及びワークの情報に基づいて、ワークに対して行われる曲げ工程毎に、複数の動作モードの中から位置決め機構の動作モードを決定する。
【0008】
本発明の一態様の自動計算装置によれば、金型と位置決め機構との位置関係、及びワークの情報に応じた適切なゲージモードをパターン化しておくことで、自動計算装置により、各曲げ工程に適したゲージモードを自動的に選択することができる。これにより、オペレータが位置決め機構の動作モードを手動で決定する必要がない。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、オペレータの熟練度に関わらず、位置決め機構の動作モードを適切に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る自動計算装置を含む曲げ加工システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、第1ゲージモードを説明する図である。
【
図5】
図5は、第4ゲージモードを説明する図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る自動計算方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、切り起こし曲げを示す説明図である。
【
図8】
図8は、フランジに対する距離を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本実施形態に係る自動計算装置、及び自動計算方法について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る自動計算装置を含む曲げ加工システムの全体構成を示す図である。本明細書では、曲げ加工システムにおける方向の定義として、左右方向、前後方向、及び上下方向を用いる。左右方向及び前後方向は水平面において直交する2つの方向に対応し、上下方向は鉛直方向に対応する。ただし、これらの方向は、曲げ加工システムを説明するために、便宜的に用いられるに過ぎない。
【0013】
本実施形態に係る自動計算装置40は、曲げロボット20がワークWを移動させて曲げ加工機の曲げ加工位置にワークWを位置決めするための位置決め機構14の動作モードを決定するコンピュータを備える自動計算装置である。位置決め機構14は、曲げ加工機の左右方向に延在するワーク縁部We1が突き当てられることにより、前後方向におけるワークWの位置決めを行う一対のバックゲージ15a、15bと、前後方向に延在するワーク縁部We2が突き当てられることにより、左右方向におけるワークWの位置決めを行うサイドゲージ16と、を含み、一対のバックゲージ15a、15bの動作及びサイドゲージ16の動作の組み合わせに応じて、ワークWの位置決めを行うための複数の動作モードを備えている。コンピュータは、金型と位置決め機構14との位置関係、及びワークWの情報に基づいて、ワークWに対して行われる曲げ工程毎に、複数の動作モードの中から位置決め機構の動作モードを決定する。
【0014】
以下、曲げ加工システムの詳細な構成を説明する。曲げ加工システムは、曲げ加工機の一例であるプレスブレーキ10と、曲げロボット20と、プレスブレーキ制御装置30と、ロボット制御装置35と、自動計算装置40とによって構成されている。
【0015】
プレスブレーキ10は、ワークWを曲げ線LBに沿って所要の角度で折り曲げる曲げ加工機である。下部テーブル11と、下部テーブル11と対向するように設けられた上部テーブル(図示せず)とを備えている。上部テーブルは、上下方向に移動可能に構成されている。下部テーブル11の上部には、一つ以上のダイ(下金型の一例)12が左右方向に沿って装着され、上部テーブルの下部には、一つ以上のパンチ(上金型の一例)が左右方向に沿って装着されている。ダイ12及びパンチは、プレスブレーキ10の曲げ加工位置に対応して配置されている。曲げ加工位置とは、ダイ12及びパンチによってワークWに曲げ加工を実行するための位置をいい、具体的には、ダイ12の刃先上においてワークWの曲げ線LBに相当する位置をいう。
【0016】
プレスブレーキ10は、曲げロボット20がワークWを曲げ加工位置に位置決めするための位置決め機構14を備えている。位置決め機構14は、一対のバックゲージ15a、15bと、サイドゲージ16と、を備えている。
【0017】
一対のバックゲージ15a、15bは、上面視において下部テーブル11及び上部テーブルの後方に配置されている。一対のバックゲージ15a、15bは、左右方向に延在するワーク縁部We1が突き当てられることにより、前後方向におけるワークWの位置決めを行う。ワーク縁部We1は、左右方向に沿って延在していればよく、必ずしもダイ12(左右方向)と平行である必要はない。ワーク縁部We1が曲げ線LBに対して斜めに傾斜している場合、一対のバックゲージ15a、15bは、斜めのワーク縁部We1に対して突き当てられる。一対のバックゲージ15a、15bは、前後方向、左右方向、及び上下方向に移動可能に構成されており、プレスブレーキ制御装置30から出力される動作指令に応じて、任意の位置に移動することができる。
【0018】
一対のバックゲージ15a、15bの先端には、図示しないポテンショメータなどのセンサが設けられており、一対のバックゲージ15a、15bは、ワークWの前後方向の位置を検出することできる。一対のバックゲージ15a、15bに対してワーク縁部We1が突き当てられると、個々のバックゲージ15a、15bから、ワークWの前後方向の位置を示す信号がポテンショメータ信号としてプレスブレーキ制御装置30に出力される。
【0019】
サイドゲージ16は、一対のバックゲージ15a、15bの側方に配置されている。サイドゲージ16は、前後方向に延在するワーク縁部We2が突き当てられることにより、左右方向におけるワークWの位置決めを行う。サイドゲージ16は、前後方向、左右方向、及び上下方向に移動可能に構成されており、プレスブレーキ制御装置30から出力される動作指令に応じて、任意の位置に移動することができる。
【0020】
サイドゲージ16の先端には、図示しないポテンショメータなどのセンサが設けられており、サイドゲージ16は、ワークWの左右方向の位置を検出することできる。サイドゲージ16に対してワーク縁部We2が突き当てられると、サイドゲージ16から、ワークWの左右方向の位置を示す信号がポテンショメータ信号としてプレスブレーキ制御装置30に出力される。
後述するように、位置決め機構14は、一対のバックゲージ15a、15bの動作及びサイドゲージ16の動作の組み合わせに応じて、ワークWの位置決めを行うための複数の動作モード(以下「ゲージモード」という)を備えている。
【0021】
このような位置決め機構14においては、プレスブレーキ制御装置30に制御されて一対のバックゲージ15a、15b及びサイドゲージ16が所定の位置に配置される。この状態で、一対のバックゲージ15a、15b及びサイドゲージ16に対してワーク縁部We1、We2が突き当たるように曲げロボット20がワークWを移動させることで、ワークWの曲げ線LBとプレスブレーキ10の曲げ加工位置とが一致するように、ワークWの位置決めを行うことができる。
【0022】
曲げロボット20は、プレスブレーキ10にワークWを供給する。曲げロボット20は、多関節のロボットアーム21と、ロボットアーム21の先端に設けられ、ワークWを把持するロボットハンド22とを備えている。曲げロボット20は、把持したワークWを左右方向及び前後方向に移動させることができる。また、曲げロボット20は、把持したワークWを上下方向に移動させることもできる。曲げロボット20は、ロボット制御装置35から出力される動作指令に応じて、ワークWを任意の位置に移動することができる。
【0023】
プレスブレーキ制御装置30は、自動計算装置40によって作成された加工プログラムに基づいて、プレスブレーキ10の動作を制御する。本実施形態との関係において、プレスブレーキ制御装置30は、加工プログラムに規定される動作パターンに基づいて、一対のバックゲージ15a、15bの動作、及びサイドゲージ16の動作を制御する。プレスブレーキ制御装置30は、ロボット制御装置35と通信可能に接続されている。プレスブレーキ制御装置30は、ロボット制御装置35と連携しながら、一対のバックゲージ15a、15bの動作、及びサイドゲージ16の動作を制御する。
【0024】
ロボット制御装置35は、加工プログラムに基づいて曲げロボット20を動作させ、プレスブレーキ制御装置30から転送されるポテンショメータ信号に基づいて曲げロボット20のフィードバック制御を行う。これにより、曲げロボット20は、把持するワークWを左右方向及び前後方向に移動させ、ワークWを曲げ加工位置へ位置決めする。
【0025】
このような構成のプレスブレーキ10を用いて曲げ加工を行う場合、曲げロボット20は、下部テーブル11に装着したダイ12上にワークWを載置する。このとき、曲げロボット20は、位置決め機構14と協働することにより、ワークWの曲げ線LBとプレスブレーキ10の曲げ加工位置とが一致するように、ワークWの位置決めを行う。そして、プレスブレーキ制御装置30は、上部テーブルを下部テーブル11に向かって下降させる。これにより、ダイ12とパンチとの間でワークWが加圧され、曲げ線LBにおいてワークWが所望の曲げ角度で曲げられる。
【0026】
自動計算装置40は、コンピュータによって実現されている。コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサと、メモリと、各種のインターフェースとを有するコンピュータによって構成されている。メモリ、各種のインターフェースは、バスを介してハードウェアプロセッサに接続されている。ハードウェアプロセッサによってメモリに格納されたプログラムを実行させることにより、自動計算装置40が備える種々の機能が実現される。
【0027】
自動計算装置40は、CAM(Computer Aided Design)の機能を搭載している。自動計算装置40は、プレスブレーキ制御装置30がプレスブレーキ10の動作を制御する、及びロボット制御装置35が曲げロボット20の動作を制御するための加工プログラムを作成する。
【0028】
自動計算装置40によって作成された加工プログラムは、プレスブレーキ制御装置30に転送される。プレスブレーキ制御装置30に転送された加工プログラムは、プレスブレーキ制御装置30を通じてロボット制御装置35に転送される。なお、自動計算装置40は、作成した加工プログラムを、図示しないデータ管理サーバ内のデータベースに格納してもよい。この場合、プレスブレーキ制御装置30は、データ管理サーバのデータベースに格納された加工プログラムを読み出してもよい。
【0029】
本実施形態との関係において、自動計算装置40は、位置決め機構14のゲージモードを決定する。具体的には、自動計算装置40は、ワークWに対して行われる曲げ工程毎に、ダイ12と位置決め機構14との位置関係、及びワークWの情報に基づいて、複数のゲージモードの中から位置決め機構14のゲージモードを決定する。曲げ工程毎に決定されたゲージモードは、当該曲げ工程における位置決め機構14及び曲げロボット20の動作を規定する加工プログラムに反映される。
【0030】
自動計算装置40は、各曲げ工程に用いるダイ12及びパンチの情報、すなわち、ダイ12及びパンチの位置、個数などの情報を保有している。また、自動計算装置40は、ワークの情報、すなわちワークWの材質、板厚、形状及び大きさ、並びに各曲げ工程で折り曲げる曲げ線LBの位置及び順番などの情報を保有している。
【0031】
以下、位置決め機構14が備える複数のゲージモードについて説明する。本実施形態において、位置決め機構14は、第1ゲージモードから第4ゲージモードまでの4つの動作モードを備えている。なお、各ゲージモードの説明において、ワークWの移動は、ロボット制御装置35によって制御される曲げロボット20によって行われる。
【0032】
図2は、第1ゲージモードを説明する図である。第1ゲージモードは、一対のバックゲージ15a、15b、及びサイドゲージ16を同時に用いてワークWの位置決めを行うゲージモードである。この第1ゲージモードは、ダイ12上にワークWを載置した状態で行われる。
【0033】
第1ゲージモードでは、左右方向に延在するワーク縁部We1が一対のバックゲージ15a、15bに突き当てられ、前後方向に延在するワーク縁部We2がサイドゲージ16に突き当てられる。これにより、曲げ線LBが左右方向と平行となるようにワークWの傾きが調整されるとともに、前後方向及び左右方向におけるワークWの位置が適正に位置決めされる。
【0034】
図3Aから
図3Cは、第2ゲージモードを説明する図である。第2ゲージモードでは、一対のバックゲージ15a、15bを用いたワークWの位置決めを行った後に、サイドゲージ16を用いたワークWの位置決めを行い、その後に一対のバックゲージ15a、15bを用いたワークWの位置決めを再び行う動作モードである。第2ゲージモードにおいて、サイドゲージ16を用いたワークWの位置決めは、サイドゲージ16及びワークWをダイ12よりも上方に持ち上げた状態で行われる。一方、一対のバックゲージ15a、15bを用いたワークWの位置決めは、ダイ12上に板状のワークWを載置した状態で行われる。
【0035】
第2ゲージモードでは、
図3Aに示すように、最初に、左右方向に延在するワーク縁部We1が一対のバックゲージ15a、15bに突き当てられる。これにより、曲げ線LBが左右方向と平行となるようにワークWの傾きが調整される。
【0036】
つぎに、第1ゲージモードにおいてサイドゲージ16がワークW
に突き当てられた位置と比較して、サイドゲージ16及びワークWが上方に持ち上げられる。サイドゲージ16及びワークWの上方向の移動量はそれぞれ同じに設定されている。そして、
図3Bに示すように、サイドゲージ16に対して、前後方向に延在するワーク縁部We2が突き当てられる。これにより、左右方向におけるワークWの位置が適正に位置決めされる。その後、サイドゲージ16及びワークWは、ワークWがダイ12によって支持されるまで下方に移動させられる。
【0037】
図3Cに示すように、最後に、左右方向に延在するワーク縁部We1が一対のバックゲージ15a、15bに突き当てられる。これにより、前後方向におけるワークWの位置が適正に位置決めされる。
【0038】
図4Aから
図4Cは、第3ゲージモードを説明する図である。第3ゲージモードでは、一対のバックゲージ15a、15bを用いたワークWの位置決めを行った後に、サイドゲージ16を用いたワークWの位置決めを行い、その後に一対のバックゲージ15a、15bを用いたワークWの位置決めを再び行う動作モードである。第3ゲージモードにおいて、サイドゲージ16を用いたワークWの位置決めは、サイドゲージ16及びワークWを上下方向及び左右方向、前後方向に移動させた位置で行われる。一方、一対のバックゲージ15a、15bを用いたワークWの位置決めは、ダイ12上に板状のワークWを載置した状態で行われる。
【0039】
第3ゲージモードでは、
図4Aに示すように、最初に、左右方向に延在するワーク縁部We1が一対のバックゲージ15a、15bに突き当てられる。これにより、曲げ線LBが左右方向と平行となるようにワークWの傾きが調整される。
【0040】
つぎに、
図4Bに示すように、第3ゲージモードにおいてサイドゲージ16がワークW
に突き当てられた位置と比較して、サイドゲージ16及びワークWが上下方向及び左右方向、前後方向にそれぞれ所定量だけ移動させられる。このとき、サイドゲージ16及びワークWは、ダイ12とパンチとの間からワークWが外れるように移動させられる。そして、所定量だけ移動した位置で、サイドゲージ16に対して、前後方向に延在するワーク縁部We2が突き当てられる。これにより、左右方向におけるワークWの位置が適正に位置決めされる。その後、ワークWが、上下方向及び左右方向、前後方向にそれぞれ前述の所定量だけ移動させられる。このときの移動方向は、サイドゲージ16及びワークWを最初に移動させたとき
と比べて逆向きとなる。
【0041】
図4Cに示すように、最後に、左右方向に延在するワーク縁部We2が一対のバックゲージ15a、15bに突き当てられる。これにより、前後方向におけるワークWの位置が適正に位置決めされる。
【0042】
図5は、第4ゲージモードを説明する図である。第4ゲージモードは、一対のバックゲージ15a、15bのみを用いたワークWの位置決めを行い、事前に教示された動作に従ってロボット20が左右方向の位置決めを行う。この第4ゲージモードは、ダイ12上に板状のワークWを載置した状態で行われる。
【0043】
第4ゲージモードでは、左右方向に延在するワーク縁部We1が一対のバックゲージ15a、15bに突き当てられる。これにより、曲げ線LBが左右方向と平行となるようにワークWの傾きが調整されるとともに、前後方向におけるワークWの位置が適正に位置決めされる。また、事前に教示された動作に従って曲げロボット20がワークWを移動させることで、左右方向におけるワークWの位置が適正に位置決めされる。
【0044】
以下、
図6を参照し、位置決め機構14のゲージモードを決定する自動計算方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る自動計算方法の処理の流れを示すフローチャートである。この自動計算方法は、自動計算装置40によって実行される。1つのワークWに対して複数の曲げ工程(複数の曲げ線LB)が設定されている場合、自動計算装置40は、曲げ工程毎に
図6に示す処理を行い、曲げ工程のそれぞれについて位置決め機構14のゲージモードを決定する。各曲げ工程のゲージモードを決定するに際し、自動計算装置40は、曲げ工程に用いるダイ12及びパンチの情報、並びにワークWの情報を参照する。
【0045】
ステップS10において、自動計算装置40は、計算対象となる曲げ工程がプレスブレーキ10にワークWが供給された直後の1曲げ目であるか否かを判断する。曲げ工程が1曲げ目である場合には、後述するステップS14に進み、曲げ工程が1曲げ目ではない場合には、ステップS11に進む。
【0046】
ステップS11において、自動計算装置40は、計算対象となる曲げ工程が、曲げロボット20によるワークWの掴み換え直後の工程であるか否かを判断する。曲げ工程が掴み換え直後の工程である場合には、後述するステップS14に進み、曲げ工程が掴み換え直後の工程ではない場合には、ステップS12に進む。
【0047】
図7は、切り起こし曲げを示す説明図である。ステップS12において、自動計算装置40は、計算対象となる曲げ工程が切り起こし曲げか否かを判断する。
図7に示すように、切り起こし曲げは、ワークWの内側に形成したスリットWaによって区画された切り起こし片Wbを曲げ線LBに沿って折り曲げる加工をいう。曲げ工程が切り起こし曲げである場合には、後述するステップS14に進み、曲げ工程が切り起こし曲げではない場合には、ステップS13に進む。
【0048】
図8は、フランジに対する距離を示す説明図である。ステップS13において、自動計算装置40は、ワークWに形成されたフランジ部Wcとダイ12又はパンチ13との距離CLが、予め設定された判定値以下であるか否かを判断する。距離CLが判定値以下である場合には、ステップS14に進み、距離CLが判定値よりも大きい場合、後述するステップS22に進む。
【0049】
上述のステップS10からステップS13までの各処理は、計算対象となる曲げ工程が高い位置決め精度が要求される曲げ工程であるかどうかを判断するために設けられている。すなわち、ステップS10からステップS13までの各判断で肯定判定される場合には、高い位置決め精度が要求される曲げ工程であることを意味している。
【0050】
高い位置決め精度が要求される曲げ工程であると判断した場合、自動計算装置40は、ステップS14からステップS21までの処理を行うことで、第1から第3ゲージモードの中からいずれか一つのゲージモードを選択する。
【0051】
ステップS14において、自動計算装置40は、サイドゲージ16をワークWに突き当てることができるか否かを判断する。この処理では、まず、自動計算装置40は、ワークWがダイ12上に載置され、曲げ線LBが曲げ加工位置に一致している状態をワークWの基準状態として仮定する。自動計算装置40は、この基準状態のワークWを前提に、上記の判断を行う。
【0052】
ワークWの形状、ダイ12のレイアウトなどに起因して、サイドゲージ16をワークWに突き当てることができないことがある。この場合には、第1ゲージモードを選択することができない。そこで、自動計算装置40は、ステップS14の判断を行うことで、第1ゲージモードの適用の可否を判断している。サイドゲージ16をワークWに突き当てることができる場合には、ステップS15に進む。一方、サイドゲージ16をワークWに突き当てることができない場合には、ステップS16に進む。
【0053】
ステップS15において、自動計算装置40は、位置決め機構14のゲージモードとして、第1ゲージモードを選択する。
【0054】
ステップS16において、自動計算装置40は、ダイ12との干渉を無視すれば、サイドゲージ16をワークWに突き当てることができるか否かを判断する。ダイ12との干渉を無視することで、サイドゲージ16をワークWに突き当てることができるのであれば、第2ゲージモードを選択する余地がある。
【0055】
そこで、自動計算装置40は、ステップS16の判断を行うことで、第2ゲージモードの適用の可否を判断している。ダイ12との干渉を無視すれば、サイドゲージ16をワークWに突き当てることができる場合には、ステップS17に進む。一方、ダイ12との干渉を無視しても、サイドゲージ16をワークWに突き当てることができない場合には、ステップS19に進む。
【0056】
ステップS17において、自動計算装置40は、第2ゲージモードを適用したときに、サイドゲージ16がダイ12と干渉するか否かを判断する。第2ゲージモードにおいてサイドゲージ16がダイ12と干渉しない場合には、ステップS18に進む。一方、第2ゲージモードにおいてサイドゲージ16がダイ12と干渉する場合には、ステップS20に進む。
【0057】
ステップS18において、自動計算装置40は、位置決め機構14のゲージモードとして、第2ゲージモードを選択する。
【0058】
ステップS19において、自動計算装置40は、サイドゲージ16の動作制限によりサイドゲージ16をワークWに突き当てることができないのか否かを判断する。サイドゲージ16は各方向へ移動することができるが、その動作範囲には機械的な制約がある。また、サイドゲージ16は、機械的な制約から、一対のバックゲージ15a、15bに対して一定の間隔以上は近くづくことができないように制限されている。サイドゲージ16をワークWに突き当てることができない理由が、サイドゲージ16の動作制限に起因するものであるならば、第3ゲージモードを選択する余地がある。
【0059】
そこで、自動計算装置40は、ステップS19の判断を行うことで、第3ゲージモードの適用の可否を判断している。サイドゲージ16の動作制限によりサイドゲージ16をワークWに突き当てることができない場合には、ステップS20に進む。一方、サイドゲージ16の動作制限を受けないにもかかわらず、サイドゲージ16をワークWに突き当てることができない場合には、ステップS22に進む。
【0060】
ステップS20において、自動計算装置40は、第3ゲージモードを適用したときに、すなわち、サイドゲージ16及びワークWをそれぞれ上下方向及び左右方向、前後方向に移動させたときに、サイドゲージ16がダイ12と干渉するか否かを判断する。第3ゲージモードにおいてサイドゲージ16がダイ12と干渉しない場合には、ステップS21に進む。一方、第3ゲージモードにおいてサイドゲージ16がダイ12と干渉する場合には、ステップS22に進む。
【0061】
ステップS21において、自動計算装置40は、位置決め機構14のゲージモードとして、第3ゲージモードを選択する。
【0062】
ステップS22において、自動計算装置40は、位置決め機構14のゲージモードとして、第4ゲージモードを選択する。
【0063】
なお、第4ゲージモードが選択される状況としては、ステップS10からステップS13までの判断において全て否定判定された場合、すなわち、高い位置決め精度が要求される曲げ工程ではないと判断される場合である。あるいは、高い位置決め精度が要求される曲げ工程ではあるものの、第1から第3ゲージモードのうちいずれの動作モードでもサイドゲージ16をワーク縁部We2に突き当てることができないと判断した場合である。
【0064】
このような一連のプロセスを経て、ある曲げ工程に対する位置決め機構14のゲージモードが決定される。自動計算装置40は、ワークWにおける全ての曲げ工程について、
図6に示す処理を行うことで、各曲げ工程における位置決め機構14のゲージモードを決定することができる。
【0065】
このように本実施形態に係る自動計算装置40によれば、金型と位置決め機構14との位置関係、及びワークWの情報に応じた適切なゲージモードをパターン化しておくことで、自動計算装置40が、各曲げ工程に適したゲージモードを自動的に選択することができる。これにより、オペレータが位置決め機構の動作モードを手動で決定する必要がないので、オペレータの熟練度に関わらず、位置決め機構の動作モードを適切に決定することができる。
【0066】
本実施形態において、複数のゲージモードは、第1から第4ゲージモードを備えている。第1から第4ゲージモードの中から適切なゲージモードを選択するには、これらのゲージモードを熟知している必要があり、オペレータが手動でゲージモードを決定するのであれば、初心者のオペレータには難しい作業となる。しかしながら、本実施形態によれば、4つのゲージモードの中から各曲げ工程に適したゲージモードを自動的に決定することができる。これにより、オペレータが位置決め機構の動作モードを手動で決定する必要がないので、オペレータの熟練度に関わらず、位置決め機構の動作モードを適切に決定することができる。
【0067】
本実施形態において、自動計算装置40は、高い位置決め精度が要求される曲げ工程であると判断した場合には、第1から第3ゲージモードの中からいずれか一つのゲージモードを選択している。
【0068】
第1から第3ゲージモードでは、ワークWの前後方向及び左右方向の位置決めを、一対のバックゲージ15a、15b及びサイドゲージ16を利用して行うことができる。これにより、自動計算装置40は、前後方向及び左右方向の位置決めを精度良く行うことができるゲージモードを選択することができる。
【0069】
本実施形態において、自動計算装置40は、ダイ12にワークWを載置した状態で、サイドゲージ16をワーク縁部We2に突き当てることができると判断した場合には、第1ゲージモードを選択する。
【0070】
この構成によれば、一対のバックゲージ15a、15b及びサイドゲージ16を同時に用いてワークWの位置決めを行うことできる。これにより、自動計算装置40は、精度の高い位置決めを効率よく行うことができるゲージモードを自動的に決定することができる。
【0071】
本実施形態において、自動計算装置40は、サイドゲージ16及びワークWをダイ12よりも上方に持ち上げれば、ダイ12と干渉することなくサイドゲージ16をワーク縁部We2に突き当てることができると判断した場合には、第2ゲージモードを選択する。
【0072】
この構成によれば、ダイ12との干渉を避けつつも、サイドゲージ16を用いてワークWの位置決めを行うことできる。これにより、自動計算装置40は、精度の高い位置決めを行うことができるゲージモードを自動的に決定することができる。
【0073】
本実施形態において、自動計算装置40は、サイドゲージ16及びワークWを上下方向及び左右方向、前後方向に移動させれば、ダイ12と干渉することなくサイドゲージ16をワーク縁部We2に突き当てることができると判断した場合には、第3ゲージモードを選択する。
【0074】
この構成によれば、ダイ12との干渉を避けつつも、サイドゲージ16を用いてワークWの位置決めを行うことできる。これにより、自動計算装置40は、精度の高い位置決めを行うことができるゲージモードを自動的に決定することができる。
【0075】
本実施形態において、自動計算装置40は、第1から第3ゲージモードのうちいずれのゲージモードでもサイドゲージ16をワーク縁部We2に突き当てることができないと判断した場合には、第1から第3ゲージモードに代えて、第4ゲージモードを選択する。
【0076】
この構成によれば、自動計算装置40が、第1から第3ゲージモードが使用できない状況を自立的に判断し、第4ゲージモードを自動的に選択することができる。これにより、オペレータが位置決め機構の動作モードを手動で決定する必要がないので、オペレータの熟練度に関わらず、位置決め機構の動作モードを適切に決定することができる。
【0077】
本実施形態において、自動計算装置40は、高い位置決め精度が要求される曲げ工程ではないと判断した場合には、第4ゲージモードを選択する。
【0078】
自動計算装置40が、第1から第3ゲージモードを使用する必要がない状況を自立的に判断し、第4ゲージモードを自動的に選択することができる。これにより、オペレータが位置決め機構の動作モードを手動で決定する必要がないので、オペレータの熟練度に関わらず、位置決め機構の動作モードを適切に決定することができる。
【0079】
また、本実施形態に係る自動計算方法は、ワークWを把持した曲げロボット20がワークWを移動させてプレスブレーキの曲げ加工位置に対してワークWの位置決めを行うための位置決め機構14の動作モードを、コンピュータが決定する自動計算方法である。位置決め機構14は、プレスブレーキ10の左右方向に延在するワーク縁部We1が突き当てられることにより、前後方向におけるワークWの位置決めを行う一対のバックゲージ15a、15bと、前後方向に延在するワーク縁部We2が突き当てられることにより、左右方向におけるワークWの位置決めを行うサイドゲージ16と、を含み、サイドゲージ16の動作及び一対のバックゲージ15a、15bの動作の組み合わせに応じて、ワークWの位置決めを行うための複数の動作モードを備える。そして、コンピュータが、ワークWに対する曲げ工程毎に、金型と位置決め機構14との位置関係、及びワークWの情報に基づいて、複数の動作モードの中から位置決め機構14の動作モードを決定する。
【0080】
この自動計算方法によれば、上記の自動計算装置と対応する特徴を備えており、各曲げ工程に適したゲージモードを、複数のゲージモードの中から選択することができる。これにより、オペレータが位置決め機構の動作モードを手動で決定する必要がないので、オペレータの熟練度に関わらず、位置決め機構の動作モードを適切に決定することができる。
【0081】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0082】
10 プレスブレーキ(曲げ加工機)
11 下部テーブル
12 ダイ(下金型)
13 パンチ(上金型)
14 位置決め機構
15a、15b バックゲージ
16 サイドゲージ
20 曲げロボット(ロボット)
30 プレスブレーキ制御装置
35 ロボット制御装置
40 自動計算装置(コンピュータ)
【要約】
【課題】オペレータの熟練度に関わらず、位置決め機構の動作モードを適切に決定する。
【解決手段】自動計算装置40は、曲げロボット20がワークWを移動させて曲げ加工機の曲げ加工位置にワークWを位置決めするための位置決め機構14の動作モードを決定するコンピュータを備える。位置決め機構14は、一対のバックゲージ15a、15bの動作及びサイドゲージ16の動作の組み合わせに応じて、ワークWの位置決めを行うための複数の動作モードを備えている。コンピュータは、金型と位置決め機構14との位置関係、及びワークWの情報に基づいて、ワークWに対して行われる曲げ工程毎に、複数の動作モードの中から位置決め機構14の動作モードを決定する。
【選択図】
図1