(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-24
(45)【発行日】2024-05-07
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/12 20060101AFI20240425BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20240425BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
G06K7/12
G06K7/14 017
G06K7/14 034
G06K7/14 039
G06K19/06 037
G06K19/06 056
G06K19/06 140
(21)【出願番号】P 2023038619
(22)【出願日】2023-03-13
(62)【分割の表示】P 2023515485の分割
【原出願日】2022-04-19
【審査請求日】2023-03-13
(31)【優先権主張番号】P 2021071296
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田見 憲一朗
(72)【発明者】
【氏名】飯田 奈穂実
(72)【発明者】
【氏名】茄子田 真也
(72)【発明者】
【氏名】木下 剛
(72)【発明者】
【氏名】須賀 悠仁
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-338669(JP,A)
【文献】特開2015-153228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/12
G06K 7/14
G06K 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色を有する第1のセル、第2の色を有する第2のセル、および第3の色を有する第3のセルを含む複合二次元コードに対して第1のフィルタリング処理を行い、第1の二次元コードを取得する第1の取得部と、
前記複合二次元コードに対して第2のフィルタリング処理を行い、第2の二次元コードを取得する第2の取得部と、を含み、
前記第1のフィルタリング処理は、前記複合二次元コードの画像データにおいて、前記第2の色を有する第2のセルを変換する処理であり、
前記第2のフィルタリング処理は、前記画像データにおいて、前記第1の色を有する第1のセルを変換する処理であり、
前記第1の二次元コードは、前記第1の色を有する第1のセルおよび前記第3の色を有する第3のセルを含み、
前記第2の二次元コードは、前記第2の色を有する第2のセルおよび前記第3の色を有する第3のセルを含み、
前記第2の取得部は、さらに、変換された前記第1の色を有する第1のセルの個数に関する第1の個数情報を取得し、前記第1の個数情報が所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記第1の個数情報が前記所定の条件を満たすとき、前記第2の取得部が前記第2の二次元コードを取得する、情報処理システム。
【請求項2】
前記第1の取得部は、さらに、取得された前記第1の二次元コードに基づき、前記複合二次元コードに含まれる前記第1の色を有する第1のセルの個数に関する第2の個数情報を取得し、
前記所定の条件は、前記第2の個数情報に基づく条件である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記第1の個数情報が、前記第2の個数情報の(1-a)倍以上前記第2の個数情報の(1+a)倍以下の範囲内であり、
aは、予め設定された設定値である、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
第1の色を有する第1のセル、第2の色を有する第2のセル、および第3の色を有する第3のセルを含む複合二次元コードに対して第1のフィルタリング処理を行い、第1の二次元コードを取得する第1の取得部と、
前記複合二次元コードに対して第2のフィルタリング処理を行い、第2の二次元コードを取得する第2の取得部と、を含み、
前記第1のフィルタリング処理は、前記複合二次元コードの画像データにおいて、前記第2の色を有する第2のセルを変換する処理であり、
前記第2のフィルタリング処理は、前記画像データにおいて、前記第1の色を有する第1のセルを変換する処理であり、
前記第1の二次元コードは、前記第1の色を有する第1のセルおよび前記第3の色を有する第3のセルを含み、
前記第2の二次元コードは、前記第2の色を有する第2のセルおよび前記第3の色を有する第3のセルを含み、
前記第2の取得部は、さらに、前記複合二次元コードに対して変換された前記第1の色を有する第1のセルが占める割合に関する第1の割合情報を取得し、前記第1の割合情報が所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記第1の割合情報が前記所定の条件を満たすとき、前記第2の取得部が前記第2の二次元コードを取得する、情報処理システム。
【請求項5】
前記第1の取得部は、さらに、取得された前記第1の二次元コードに基づき、前記複合二次元コードに対して前記第1の色を有する第1のセルが占める割合に関する第2の割合情報を取得し、
前記所定の条件は、前記第2の割合情報に基づく条件である、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記所定の条件は、前記第1の割合情報が、前記第2の割合情報の(1-a)倍以上前記第2の割合情報の(1+a)倍以下の範囲内であり、
aは、予め設定された設定値である、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第1のフィルタリング処理は、前記第2の色の減色処理または加色処理であり、
前記第2のフィルタリング処理は、前記第1の色の減色処理または加色処理である、請求項1または請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第1の取得部は、さらに、前記画像データから前記第2のセルのRGB値を取得し、
前記第2のセルのRGB値が前記第2の色のRGB値を基準とする第1の範囲内に含まれるとき、前記第2のセルの色を前記第3の色に変換する前記第1のフィルタリング処理を行われ、
前記第2の取得部は、さらに、前記画像データから前記第1のセルのRGB値を取得し、前記第1のセルのRGB値が前記第1の色のRGB値を基準とする第2の範囲内に含まれるとき、前記第1のセルの色を前記第3の色に変換する前記第2のフィルタリング処理が行われる、請求項1または請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第1のフィルタリング処理では、さらに、前記第1の範囲内に含まれない前記第2のセルの色および前記第1のセルの色が前記複合二次元コードの背景色に変換され、
前記第2のフィルタリング処理では、さらに、前記第2の範囲内に含まれない前記第1のセルの色および前記第2のセルの色が前記複合二次元コードの背景色に変換される、請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記複合二次元コードは、さらに、第4の色を有する第1のカラーコード、第5の色を有する第2のカラーコード、第6の色を有する第3のカラーコードを含み、
さらに、前記画像データにおいて、前記第1のカラーコードのRGB値と第4の色のRGB値との第1の差分値、前記第2のカラーコードのRGB値と第5の色のRGB値との第2の差分値、および前記第3のカラーコードのRGB値と第6の色のRGB値との第3の差分値を算出し、前記第1の差分値、前記第2の差分値、および前記第3の差分値の少なくとも1つに基づき、前記第1のセル、前記第2のセル、および前記第3のセルの色を補正する算出部を含む、請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第1のフィルタリング処理では、さらに、前記第1の範囲内に含まれない前記第2のセルの色および前記第1のセルの色が前記複合二次元コードの背景色に変換され、
前記第2のフィルタリング処理では、さらに、前記第2の範囲内に含まれない前記第1のセルの色および前記第2のセルの色が前記複合二次元コードの背景色に変換される、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記第1の色、前記第2の色、および前記第3の色は、それぞれ、前記第4の色、前記第5の色、および前記第6の色と同一である、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記第4の色、前記第5の色、および前記第6の色は、それぞれ、赤色、緑色、および青色である、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記第4の色、前記第5の色、および前記第6の色は、それぞれ、シアン、マゼンタ、黄色である、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記第1の色と前記第2の色とは、補色の関係にある、請求項1乃至請求項
6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記第3の色は、黒色である、請求項1乃至請求項
6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項17】
コンピュータに、
第1の色を有する第1のセル、第2の色を有する第2のセル、および第3の色を有する第3のセルを含む複合二次元コードに対して第1のフィルタリング処理を行い、第1の二次元コードを取得し、
前記複合二次元コードに対して第2のフィルタリング処理を行い、第2の二次元コードを取得する、ことを実行させるためのプログラムであって、
前記第1のフィルタリング処理は、前記複合二次元コードの画像データにおいて、前記第2の色を有する第2のセルを変換する処理であり、
前記第2のフィルタリング処理は、前記画像データにおいて、前記第1の色を有する第1のセルを変換する処理であり、
前記第1の二次元コードは、前記第1の色を有する第1のセルおよび前記第3の色を有する第3のセルを含み、
前記第2の二次元コードは、前記第2の色を有する第2のセルおよび前記第3の色を有する第3のセルを含み、
前記第2のフィルタリング処理の後、変換された前記第1の色を有する第1のセルの個数に関する第1の個数情報を取得し、前記第1の個数情報が所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記第1の個数情報が前記所定の条件を満たすとき、前記第2の二次元コードを取得する、プログラム。
【請求項18】
前記第1の二次元コードの取得後、取得された前記第1の二次元コードに基づき、前記複合二次元コードに含まれる前記第1の色を有する第1のセルの個数に関する第2の個数情報を取得し、
前記所定の条件は、前記第2の個数情報に基づく条件である、請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記所定の条件は、前記第1の個数情報が、前記第2の個数情報の(1-a)倍以上前記第1の個数情報の(1+a)倍以下の範囲内であり、
aは、予め設定された設定値である、請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
コンピュータに、
第1の色を有する第1のセル、第2の色を有する第2のセル、および第3の色を有する第3のセルを含む複合二次元コードに対して第1のフィルタリング処理を行い、第1の二次元コードを取得し、
前記複合二次元コードに対して第2のフィルタリング処理を行い、第2の二次元コードを取得する、ことを実行させるためのプログラムであって、
前記第1のフィルタリング処理は、前記複合二次元コードの画像データにおいて、前記第2の色を有する第2のセルを変換する処理であり、
前記第2のフィルタリング処理は、前記画像データにおいて、前記第1の色を有する第1のセルを変換する処理であり、
前記第1の二次元コードは、前記第1の色を有する第1のセルおよび前記第3の色を有する第3のセルを含み、
前記第2の二次元コードは、前記第2の色を有する第2のセルおよび前記第3の色を有する第3のセルを含み、
前記第2のフィルタリング処理の後、前記複合二次元コードに対して変換された前記第1の色を有する第1のセルが占める割合に関する第1の割合情報を取得し、前記第1の割合情報が所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記第1の割合情報が前記所定の条件を満たすとき、前記第2の二次元コードを取得する、プログラム。
【請求項21】
前記第1の二次元コードの取得後、取得された前記第1の二次元コードに基づき、前記複合二次元コードに対して前記第1の色を有する第1のセルが占める割合に関する第2の割合情報を取得し、
前記所定の条件は、前記第2の割合情報に基づく条件である、請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
前記所定の条件は、前記第1の割合情報が、前記第2の割合情報の(1-a)倍以上前記第2の割合情報の(1+a)倍以下の範囲内であり、
aは、予め設定された設定値である、請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記第1のフィルタリング処理は、前記第2の色の減色処理または加色処理であり
前記第2のフィルタリング処理は、前記第1の色の減色処理または加色処理である、請求項17または請求項20に記載のプログラム。
【請求項24】
前記第1のフィルタリング処理では、
前記画像データから前記第2のセルのRGB値を取得し、
前記第2のセルのRGB値が前記第2の色のRGB値を基準とする第1の範囲内に含まれるとき、前記第2のセルの色が前記第3の色に変換され、
前記第2のフィルタリング処理では、
前記画像データから前記第1のセルのRGB値を取得し、
前記第1のセルのRGB値が前記第1の色のRGB値を基準とする第2の範囲内に含まれるとき、前記第1のセルの色が前記第3の色に変換される、請求項17または請求項20に記載のプログラム。
【請求項25】
前記第1のフィルタリング処理では、さらに、前記第1の範囲内に含まれない前記第2のセルの色および前記第1のセルの色が前記複合二次元コードの背景色に変換され、
前記第2のフィルタリング処理では、さらに、前記第2の範囲内に含まれない前記第1のセルの色および前記第2のセルの色が前記複合二次元コードの背景色に変換される、請求項24に記載のプログラム。
【請求項26】
前記複合二次元コードは、さらに、第4の色を有する第1のカラーコード、第5の色を有する第2のカラーコード、第6の色を有する第3のカラーコードを含み、
前記コンピュータに、さらに、前記画像データにおいて、前記第1のカラーコードのRGB値と第4の色のRGB値との第1の差分値、前記第2のカラーコードのRGB値と第5の色のRGB値との第2の差分値、および前記第3のカラーコードのRGB値と第6の色のRGB値との第3の差分値を算出し、前記第1の差分値、前記第2の差分値、および前記第3の差分値の少なくとも1つに基づき、前記第1のセル、前記第2のセル、および前記第3のセルの色を補正する、ことを実行させる、請求項24に記載のプログラム。
【請求項27】
前記第1のフィルタリング処理では、さらに、前記第1の範囲内に含まれない前記第2のセルの色および前記第1のセルの色が前記複合二次元コードの背景色に変換され、
前記第2のフィルタリング処理では、さらに、前記第2の範囲内に含まれない前記第1のセルの色および前記第2のセルの色が前記複合二次元コードの背景色に変換される、請求項26に記載のプログラム。
【請求項28】
前記第1の色、前記第2の色、および前記第3の色は、それぞれ、前記第4の色、前記第5の色、および前記第6の色と同一である、請求項26に記載のプログラム。
【請求項29】
前記第4の色、前記第5の色、および前記第6の色は、それぞれ、赤色、緑色、および青色である、請求項26に記載のプログラム。
【請求項30】
前記第4の色、前記第5の色、および前記第6の色は、それぞれ、シアン、マゼンタ、黄色である、請求項26に記載のプログラム。
【請求項31】
前記第1の色と前記第2の色とは、補色の関係にある、請求項17乃至請求項
22のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項32】
前記第3の色は、黒色である、請求項17乃至請求項
22のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、二次元コードが合成された複合二次元コードに関する。また、本発明の一実施形態は、複合二次元コードが印刷された印刷物に関する。また、本発明の一実施形態は、複合二次元コードの情報処理システムに関する。また、本発明の一実施形態は、複合二次元コードの読み取り処理を実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
QRコード(登録商標)のような二次元コードは、一次元のバーコードと比較して多くの情報を含み、ユーザは、二次元コードを読み取るだけで多くの情報を容易に取得することができる。そのため、近年、工程管理、在庫管理、または決済など、様々な分野において、二次元コードの利用が増加している。例えば、特許文献1では、二次元コードを付したチケットが開示されている。また、特許文献2では、二次元コードを付した保険証書が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-165342号公報
【文献】特開平11-221990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、二次元コードは複写機によって複製され、不正使用される場合も少なくなかった(すなわち、二次元コードの偽造)。そのため、二次元コードの偽造を防止するため、特許文献1では、反射特性の異なるインクを用いる二次元コードが開示されている。また、特許文献2では、複製された場合にダミーイメージが付される二次元コードが開示されている。
【0005】
特許文献1および特許文献2では、主に、複写機によって複製された印刷物の二次元コードの偽造防止を目的としている。すなわち、機械的な複製の防止を目的としている。しかしながら、近年では、二次元コードをスマートフォンなどの情報端末で読み取り、読み取られた電子データがそのまま利用される機会も増加している。そのため、二次元コードの利用において、機械的な複製だけでなく、電子的な複製を防止することが求められていた。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、機械的および電子的な複製を防止することができる複合二次元コードを提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、機械的および電子的な複製を防止することができる複合二次元コードの生成方法を提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、機械的および電子的な複製を防止することができる複合二次元コードが印刷された印刷物を提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、機械的および電子的な複製を防止することができる複合二次元コードの読み取り処理を実行する情報処理システムを提供することを目的とする。また、本発明の一実施形態は、機械的および電子的な複製を防止することができる複合二次元コードの読み取り処理を実行するプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る複合二次元コードは、第1の二次元コードと第2の二次元コードとが合成され、第1の色を有する第1のセル、第2の色を有する第2のセル、および第3の色を有する第3のセルを含む、複合二次元コードであって、第1の色、第2の色、および第3の色は、互いに異なり、第1の二次元コードは、第1のフィルタリング処理によって取得され、第2の二次元コードは、第2のフィルタリング処理によって取得される。
【0008】
第1のフィルタリング処理は、第2の色の減色処理または加色処理であり、第2のフィルタリング処理は、第1の色の減色処理または加色処理であってもよい。
【0009】
複合二次元コードは、さらに、第4の色を有する第1のカラーコード、第5の色を有する第2のカラーコード、および第6の色を有する第3のカラーコードを含み、記第4の色、第5の色、および第6の色は、互いに異なり、第1の二次元コードは、さらに、第1のカラーコード、第2のカラーコード、および第3のカラーコードの少なくとも1つに基づく色補正を含む第1のフィルタリング処理によって取得され、第2の二次元コードは、さらに、第1のカラーコード、第2のカラーコード、および第3のカラーコードの少なくとも1つに基づく色補正を含む第2のフィルタリング処理によって取得されてもよい。
【0010】
第1の色、第2の色、および第3の色は、それぞれ、第4の色、第5の色、および第6の色と同一であってもよい。第4の色、第5の色、および第6の色は、それぞれ、赤色、緑色、および青色であってもよい。第4の色、第5の色、および第6の色は、それぞれ、シアン、マゼンタ、黄色であってもよい。
【0011】
第1の色と第2の色とは、補色の関係にあってもよい。第3の色は、黒色であってもよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係る印刷物は、上記複合二次元コードが印刷される。
【0013】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、第1の色を有する第1のセル、第2の色を有する第2のセル、および第3の色を有する第3のセルを含む複合二次元コードに対して第1のフィルタリング処理を行い、第1の二次元コードを取得する第1の取得部と、複合二次元コードに対して第2のフィルタリング処理を行い、第2の二次元コードを取得する第2の取得部と、を含む。
【0014】
第1の取得部は、複合二次元コードの画像データから第2のセルのRGB値を取得し、第2のセルのRGB値が第2の色のRGB値を基準とした第1の範囲内に含まれるとき、第2のセルの色を第3の色に変換する第1のフィルタリング処理を行い、第3の色を有する第2のセルおよび第3のセルを含む第1の二次元コードを取得し、第2の取得部は、画像データから第1のセルのRGB値を取得し、第1のセルのRGB値が第1の色のRGB値を基準とした第2の範囲内に含まれるとき、第1のセルの色を第3の色に変換する第2のフィルタリング処理を行い、第3の色を有する第1のセルおよび第3のセルを含む第2の二次元コードを取得してもよい。
【0015】
第1のフィルタリング処理では、さらに、第1の範囲内に含まれない第2のセルの色および第1のセルの色を複合二次元コードの背景色に変換し、第2のフィルタリング処理では、さらに、第2の範囲内に含まれない第1のセルの色および第2のセルの色を複合二次元コードの背景色に変換してもよい。
【0016】
複合二次元コードは、さらに、第4の色を有する第1のカラーコード、第5の色を有する第2のカラーコード、第6の色を有する第3のカラーコードを含み、さらに、画像データにおいて、第1のカラーコードのRGB値と第4の色のRGB値との第1の差分値、第2のカラーコードのRGB値と第5の色のRGB値との第2の差分値、および第3のカラーコードのRGB値と第6の色のRGB値との第3の差分値を算出し、第1の差分値、第2の差分値、および第3の差分値の少なくとも1つに基づき、第1のセル、第2のセル、および第3のセルの色を補正する算出部を含んでいてもよい。
【0017】
第1の取得部は、複合二次元コードの画像データにおいて、第2の色を有する第2のセルを変換する第1のフィルタリング処理を行い、第1の色を有する第1のセルおよび第3の色を有する第3のセルを含む第1の二次元コードを取得した後、取得された第1の二次元コードに基づき、複合二次元コードに含まれる第1の色を有する第1のセルの個数に関する第1の個数情報を取得し、第2の取得部は、画像データにおいて、第1の色を有する第1のセルを変換する第2のフィルタリング処理を行い、変換された第1の色を有する第1のセルの個数に関する第2の個数情報を取得し、第2の個数情報が第1の個数情報に基づく所定の条件を満たすとき、第2の色を有する第2のセルおよび第3の色を有する第3のセルを含む第2の二次元コードを取得してもよい。
【0018】
所定の条件は、第2の個数情報が、第1の個数情報の(1-a)倍以上第1の個数情報の(1+a)倍以下の範囲内であり、aは、予め設定された設定値であってもよい。
【0019】
第1の取得部は、複合二次元コードの画像データにおいて、第2の色を有する第2のセルを変換する第1のフィルタリング処理を行い、第1の色を有する第1のセルおよび第3の色を有する第3のセルを含む第1の二次元コードを取得した後、取得された第1の二次元コードに基づき、複合二次元コードに対して第1の色を有する第1のセルが占める割合に関する第1の割合情報を取得し、第2の取得部は、画像データにおいて、第1の色を有する第1のセルを変換する第2のフィルタリング処理を行い、複合二次元コードに対して変換された第1の色を有する第1のセルが占める割合に関する第2の割合情報を取得し、第2の割合情報が第1の割合情報に基づく所定の条件を満たすときに第2の色を有する第2のセルおよび第3の色を有する第3のセルを含む第2の二次元コードを取得してもよい。
【0020】
所定の条件は、第2の割合情報が、第1の割合情報の(1-a)倍以上第1の割合情報の(1+a)倍以下の範囲内であり、aは、予め設定された設定値であってもよい。
【0021】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、第1の色を有する第1のセル、第2の色を有する第2のセル、および第3の色を有する第3のセルを含む複合二次元コードに対して第1のフィルタリング処理を行い、第1の二次元コードを取得し、複合二次元コードに対して第2のフィルタリング処理を行い、第2の二次元コードを取得する、ことを実行させる。
【0022】
第1のフィルタリング処理では、複合二次元コードの画像データから第2のセルのRGB値を取得し、第2のセルのRGB値が第2の色のRGB値を基準とした第1の範囲内に含まれるとき、第2のセルの色を第3の色に変換し、第2のフィルタリング処理では、画像データから第1のセルのRGB値を取得し、第1のセルのRGB値が第1の色のRGB値を基準とした第2の範囲内に含まれるとき、第1のセルの色を第3の色に変換し、第1の二次元コードは、第3の色を有する第2のセルおよび第3のセルを含み、第2の二次元コードは、第3の色を有する第1のセルおよび第3のセルを含んでいてもよい。
【0023】
複合二次元コードは、さらに、第4の色を有する第1のカラーコード、第5の色を有する第2のカラーコード、第6の色を有する第3のカラーコードを含み、コンピュータに、さらに、画像データにおいて、第1のカラーコードのRGB値と第4の色のRGB値との第1の差分値、第2のカラーコードのRGB値と第5の色のRGB値との第2の差分値、および第3のカラーコードのRGB値と第6の色のRGB値との第3の差分値を算出し、第1の差分値、第2の差分値、および第3の差分値の少なくとも1つに基づき、第1のセル、第2のセル、および第3のセルの色を補正する、ことを実行させてもよい。
【0024】
複合二次元コードの画像データにおいて、第2の色を有する第2のセルを変換する第1のフィルタリング処理を行い、第1の色を有する第1のセルおよび第3の色を有する第3のセルを含む第1の二次元コードを取得した後、取得された第1の二次元コードに基づき、複合二次元コードに含まれる第1の色を有する第1のセルの個数に関する第1の個数情報を取得し、画像データにおいて、第1の色を有する第1のセルを変換する第2のフィルタリング処理を行い、変換された第1の色を有する第1のセルの個数に関する第2の個数情報を取得し、第2の個数情報が第1の個数情報に基づく所定の条件を満たすとき、第2の色を有する第2のセルおよび第3の色を有する第3のセルを含む第2の二次元コードを取得してもよい。
【0025】
複合二次元コードの画像データにおいて、第2の色を有する第2のセルを変換する第1のフィルタリング処理を行い、第1の色を有する第1のセルおよび第3の色を有する第3のセルを含む第1の二次元コードを取得した後、取得された第1の二次元コードに基づき、複合二次元コードに対して第1の色を有する第1のセルが占める割合に関する第1の割合情報を取得し、画像データにおいて、第1の色を有する第1のセルを変換する第2のフィルタリング処理を行い、複合二次元コードに対して変換された第1の色を有する第1のセルが占める割合に関する第2の割合情報を取得し、第2の割合情報が第1の割合情報に基づく所定の条件を満たすときに第2の色を有する第2のセルおよび第3の色を有する第3のセルを含む第2の二次元コードを取得してもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態に係る複合二次元コードは、複数個の二次元コードを含むため、1個の二次元コードよりも多くの情報を含むことができる。また、複合二次元コードは、複数色のセルを含むため、色または形を正確に機械的に複製することは簡単ではない。しかも、複合二次元コードでは、合成された二次元コードを個々のコードに分けるフィルタリング処理を行うことで初めて情報を取得することができる。したがって、複合二次元コードによれば、機械的な複製だけでなく、電子的な複製も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの利用態様の例を示す模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの読み取り処理を実行する情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの読み取り処理のフローチャート図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードから第1の二次元コードを取得する第1の取得処理を説明する模式図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードから第2の二次元コードを取得する第2の取得処理を説明する模式図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの生成処理を説明する模式図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの読み取り処理を実行する情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る二次元コードの読み取り処理のフローチャート図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの読み取り処理を実行する情報処理システムの構成を説明する模式図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの読み取り処理のフローチャート図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの読み取り処理のフローチャート図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの構成を示す模式図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの読み取り処理を実行する情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの読み取り処理のフローチャート図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードに含まれる別のカラーコード部の構成を示す模式図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る複合二次元コードの読み取り処理のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0029】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0030】
本明細書および図面において、同一または類似する複数の構成を総じて表記する際には、同一の符号または同一の符号に大文字のアルファベットを添えて表記する場合がある。一つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにハイフンと自然数を用いる場合がある。
【0031】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0032】
本明細書において、「二次元コード」とは、水平方向および垂直方向に情報を有する二次元の表示形式のコードをいう。二次元コードは、例えば、QRコード(登録商標)であるが、これに限られない。
【0033】
<第1実施形態>
図1~
図7を参照して、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300について説明する。
【0034】
[1.複合二次元コードの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の構成を示す模式図である。
【0035】
図1に示すように、複合二次元コード300は、第1の色を有する複数の第1のセル301、第2の色を有する複数の第2のセル302、および第3の色を有する複数の第3のセル303を含む。また、
図1に示す複合二次元コード300は、第3の色を有する3個の切り出しシンボル304を含む。
【0036】
3個の切り出しシンボル304は、正方形の頂点に対応する位置に配置されている。切り出しシンボル304は、二次元コードの読み取りの基準となるものである。すなわち、二次元コードの読み取りにおいては、3個の切り出しシンボル304の位置、傾き、または大きさが検出されることによって、所定の二次元コードであることを識別することができる。そのため、切り出しシンボル304は、位置検出パターンということもできる。なお、切り出しシンボル304の数は、3個に限られない。切り出しシンボル304の数は、例えば、1個であってもよい。
【0037】
複数の第1のセル301、複数の第2のセル302、および複数の第3のセル303は、3個の切り出しシンボル304で囲まれた矩形領域内の水平方向および垂直方向に配置されている。二次元コードに含まれる情報は、第1のセル301、第2のセル302、または第3のセル303の配置によって決定される。
【0038】
図1に示す複合二次元コード300は、いわゆるQRコード(登録商標)である。以下では、便宜上、複合二次元コード300がQRコード(登録商標)であるとして説明するが、複合二次元コード300はQRコード(登録商標)に限られない。
【0039】
第1の色、第2の色、および第3の色は、互いに異なる任意の色である。但し、第1の色と第2の色とは補色の関係にあることが好ましい。例えば、第1の色が赤色であるとき、第2の色は青緑色である。また、第1の色が赤紫色であるとき、第2の色の緑色である。また、第3の色は、第1の色と第2の色の双方から色相、彩度、または明度に差があることが好ましい。例えば、第1の色と第2の色とが補色の関係にあるとき、第3の色は黒色である。なお、複合二次元コード300は、第1の色、第2の色、および第3の色と異なる背景色を含む。背景色は、好ましくは白色であるが、これに限られない。背景色は透明であってもよい。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の利用態様の例を示す模式図である。
【0041】
図2(A)は、複合二次元コード300が印刷物410に印刷され、印刷物410が物品510に付される場合の一例である。この場合、複合二次元コード300は、物品510の情報を含むことができる。複合二次元コード300が物品510の情報を含むことにより、物品510に付された印刷物410から複合二次元コード300の情報を読み取り、物品510の情報を取得することができる。
【0042】
印刷物410は、例えば、紙、またはフィルムなどであるが、これに限られない。また、印刷物410への複合二次元コード300の印字手段としては、例えば、凸版方式、平版方式、凹版方式、孔版方式、電子写真方式、インクジェット方式、またはレーザ方式などを用いることができるが、これらに限られない。また、複合二次元コード300の印刷に当たっては、活版インク、平版インク、スクリーンインク、熱硬化インク、紫外線硬化インク、磁性インク、またはUV蛍光インクなどを用いることができるが、これに限られない。
【0043】
なお、複合二次元コード300は、印刷物410を介することなく、直接物品510に印刷されていてもよい。また、複合二次元コード300には、物品510以外の情報が含まれていてもよい。
【0044】
図2(B)は、複合二次元コード300が画像420として表示装置520に表示される場合の一例である。この場合、複合二次元コード300は、画像420が利用される態様に合わせて任意の情報を含むことができる。例えば、画像420が決済に利用される場合、複合二次元コード300は、決済情報を含むことができる。ユーザは、画像420から複合二次元コード300の決済情報を読み取り、決済処理を実行することができる。
【0045】
表示装置520は、データまたは情報を表示することができる表示インターフェースである。表示装置520として、例えば、液晶表示装置またはOLED(Organic Light-Emitting Diode)表示装置などを用いることができる。
【0046】
以上、説明したように、複合二次元コード300は、印刷物410もしくは物品510に印刷され、または画像420に表示されて利用されるが、いずれの場合においても複合二次元コード300を読み取ることにより、複合二次元コード300に含まれる情報を取得することができる。
【0047】
複合二次元コード300は、2個の二次元コードが合成されている。そのため、複合二次元コード300は、1個の二次元コードの約2倍の情報を含むことができる。複合二次元コード300では、1つの情報を分割し、分割された2つの情報が2個の二次元コードに含まれるようにしてもよく、2つの情報を2個の二次元コードのそれぞれに含まれるようにしてもよい。複合二次元コード300が2つの情報を含む場合、2つの情報は互いに関連のある情報であってもよく、互いに関連のない独立した情報であってもよい。以下では、複合二次元コード300の読み取り処理について説明する。
【0048】
[2.複合二次元コード300の読み取り処理]
図3は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理を実行する情報処理システム10の構成を示すブロック図である。
【0049】
情報処理システム10は、複合二次元コード300を読み取ることができる情報端末11を含む。情報端末11は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータであるが、これらに限られない。具体的には、情報処理システム10では、情報端末11を用いて、複合二次元コード300を含む印刷物410、物品510、または画像420を撮影し、撮影された複合二次元コード300から正規の二次元コードを取得することができる。
【0050】
情報処理システム10では、プログラムを情報端末11にインストールすることにより、二次元コード生成処理を行うことができる。また、情報処理システム10では、記録媒体(例えば、CD-ROMまたはDVD-ROMなど)にプログラムを格納し、情報端末11で記録媒体を読み出すことにより、情報端末11で二次元コード生成処理を行うこともできる。
【0051】
図3に示すように、情報処理システム10は、制御部100、撮像部110、および表示部120を含む。また、制御部100は、第1の取得部101および第2の取得部102を含む。
【0052】
制御部100は、データまたは情報を用いて演算処理を行うことができるコンピュータである。制御部100は、例えば、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit:MPU)、画像処理装置(Graphics Processing Unit:GPU)、またはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)などを含む。具体的には、制御部100は、プログラムを実行し、第1の取得部101および第2の取得部102を機能させることができる。なお、第1の取得部101および第2の取得部102の詳細については、後述する。
【0053】
撮像部110は、印刷物410、物品510、または画像420を撮影することができる撮像装置である。具体的には、撮像部110は、複合二次元コード300を含む印刷物410、物品510、または画像420を撮影し、複合二次元コード300を含む画像データ310を生成することができる。撮像部110として、例えば、カメラまたはスキャナなどを用いることができる。
【0054】
表示部120は、撮影された、複合二次元コード300を含む印刷物410、物品510、または画像420を表示することができる表示インターフェースである。表示部120として、例えば、液晶表示装置またはOLED表示装置などを用いることができる。
【0055】
第1の取得部101は、第1のフィルタリング処理を行い、画像データ310から第1の二次元コードを取得する。第1のフィルタリング処理は、第2の色の減色処理である。具体的には、第2の色の減色処理は、第2の色を背景色に変換する処理である。画像データ310に対して第1のフィルタリング処理を行うと、第2の色が背景色に変換され、第2の色を有する第2のセル302を消去することができる。そのため、第1のフィルタリング処理により、画像データ310は、第1の色を有する複数の第1のセル301、第3の色を有する複数の第3のセル303、第3の色を有する3個の切り出しシンボル304を含む第1の二次元コードに変換される。
【0056】
なお、第1のフィルタリング処理は、画像データ310に対する第2の色の加色処理であってもよい。具体的には、第2の色の加色処理は、背景色を第2の色に変換する処理である。この場合、画像データ310の背景と第2のセル302とが同じ第2の色を有することになるため、結果として、第2のセル302を消去することができる。
【0057】
また、第1のフィルタリング処理では、第1のセル301の第1の色を変換する処理が行われてもよい。例えば、第1のフィルタリング処理により、第1の色が第3の色に変換されてもよい。
【0058】
第2の取得部102は、第2のフィルタリング処理を行い、画像データ310から第2の二次元コードを取得する。第2のフィルタリング処理は、第1の色の減色処理である。具体的には、第1の色の減色処理は、第1の色を背景色に変換する処理である。画像データ310に対して第1のフィルタリング処理を行うと、第1の色が背景色に変換され、第1の色を有する第1のセル301を消去することができる。そのため、第1のフィルタリング処理により、画像データ310は、第2の色を有する複数の第2のセル302、第3の色を有する複数の第3のセル303、第3の色を有する3個の切り出しシンボル304を含む第2の二次元コードに変換される。
【0059】
なお、第2のフィルタリング処理は、画像データ310に対する第1の色の加色処理であってもよい。具体的には、第1の色の加色処理は、背景色を第1の色に変換する処理である。この場合、画像データ310の背景と第1のセル301とが同じ第1の色を有することになるため、結果として、第1のセル301を消去することができる。
【0060】
また、第2のフィルタリング処理では、第2のセル302の第2の色を変換する処理が行われてもよい。例えば、第1のフィルタリング処理により、第2の色が第3の色に変換されてもよい。
【0061】
図4は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理のフローチャート図である。また、
図5は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300から第1の二次元コード320-1を取得する第1の取得処理を説明する模式図である。また、
図6は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300から第2の二次元コード320-2を取得する第2の取得処理を説明する模式図である。
【0062】
複合二次元コード300の読み取り処理は、情報処理システム10において、複合二次元コード300の読み取り処理のプログラムが実行されることによって開始する。
【0063】
ステップS100では、撮像部110が、複合二次元コード300を含む印刷物410、物品510、または画像420から画像データ310を生成する。例えば、ユーザが、情報処理システム10の撮像部110を用いて印刷物410、物品510、または画像420を撮影することによって、撮像部110が画像データ310を生成することができる。
【0064】
ステップS110では、第1の取得部101が、画像データ310に対して第1のフィルタリング処理を行い、画像データ310から第1の二次元コード320-1を取得する。
図5に示すように、画像データ310に対して、第1のフィルタリング処理として第2の色の減色処理を行うと、第2の色を有する第2のセル302が消去された第1の二次元コード320-1が生成される。すなわち、第1の二次元コード320-1は、第1の色を有する複数の第1のセル301、第3の色を有する複数の第3のセル303、第3の色を有する3個の切り出しシンボル304を含む。
【0065】
ステップS120では、第2の取得部102が、画像データ310に対して第2のフィルタリング処理を行い、画像データ310から第2の二次元コード320-2を取得する。
図6に示すように、画像データ310に対して、第2のフィルタリング処理として第1の色の減色処理を行うと、第1の色を有する第1のセル301が消去された第2の二次元コード320-2が生成される。すなわち、第2の二次元コード320-2は、第2の色を有する複数の第2のセル302、第3の色を有する複数の第3のセル303、第3の色を有する3個の切り出しシンボル304を含む。
【0066】
ステップS130では、表示部120が、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2を表示する。ユーザは、表示された第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2を基に、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2に含まれる情報を取得することができる。
【0067】
複合二次元コード300の読み取り処理は、ステップS130が実行されることによって終了する。
【0068】
<第1実施形態の変形例1>
上述の第1実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理では、第1の取得部101および第2の取得部102は、それぞれ、第1の二次元コード320-1および第2の二次元コード320-2を取得する。本変形例では、ステップS110において、第1の取得部101が、さらに、第1の二次元コード320-1に含まれる情報を取得し、ステップS120において、第2の取得部102が、さらに、第2の二次元コード320-2に含まれる情報を取得する。この場合、ステップS130において、表示部120は、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2に代えて、第1の二次元コード320-1に含まれる情報または第2の二次元コード320-2に含まれる情報を表示することができる。ユーザは、複合二次元コード300から、直接複合二次元コード300に含まれる情報を取得することができる。
【0069】
なお、ユーザに提示される情報は、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2に含まれる情報に限られない。ユーザには、第1の二次元コード320-1もしくは第2の二次元コード320-2に含まれる情報に紐づく情報、または第1の二次元コード320-1もしくは第2の二次元コード320-2に含まれる情報から導き出される情報(例えば、物品510の真贋判定の結果の情報など)などを提示することもできる。以下、便宜上、これらの情報を二次元コードに付随する情報として説明する場合がある。
【0070】
上述したように、情報処理システム10を利用することにより、複合二次元コード300から2個の二次元コード320(第1の二次元コード320-1および第2の二次元コード320-2)を取得することができる。2個の二次元コード320には、互いに関連する情報が含まれていてもよく、別個独立した情報が含まれていてもよい。以下では、複合二次元コード300の生成処理について説明する。
【0071】
[3.複合二次元コードの生成処理]
図7は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の生成処理を説明する模式図である。
【0072】
図7(A)に示すように、第1の情報を含む第1の二次元コード330-1および第2の情報を含む第2の二次元コード330-2を生成する。
【0073】
次に、
図7(B)に示すように、第1の二次元コード330-1を第1の色に変換する。これにより、第1の色を有する複数の第1のセルおよび3個の切り出しシンボルを含む第1の二次元コード340-1が生成される。同様に、第2の二次元コード330-2を第2の色に変換する。これにより、第2の色を有する複数の第2のセルおよび3個の切り出しシンボルを含む第2の二次元コード340-2が生成される。
【0074】
次に、
図7(C)に示すように、第1の二次元コード340-1と第2の二次元コード340-2とを合成する。具体的には、第1の二次元コード340-1および第2の二次元コード340-2のそれぞれの3個の切り出しシンボルが重なるように、第1の二次元コード340-1と第2の二次元コード340-2とを合成する。このとき、第1の二次元コード340-1の第1のセルと第2の二次元コード340-2第2のセルとが重なる第3のセルは、第3の色に変換される。第1の二次元コード340-1および第2の二次元コード340-2のそれぞれの3個の切り出しシンボルも重なるため、これらも第3の色に変換される。これにより、第1の色を有する複数の第1のセル、第2の色を有する複数の第2のセル、第3の色を有する複数の第3のセル、および3個の切り出しシンボルを含む複合二次元コード300が生成される。
【0075】
上述したように、生成された複合二次元コード300は、印刷物410もしくは物品510に印刷され、または画像420として表示されて利用される。
【0076】
<第1実施形態の変形例2>
上述した複合二次元コード300は、第1の二次元コード320-1と第2の二次元コード320-2とが合成されたもの(複合二次元コード300の生成においては、第1の二次元コード340-1と第2の二次元コード340-2とが合成されたもの)であるが、複合二次元コード300は、3個以上の二次元コードが合成されたものであってもよい。n個(nは2以上の自然数)の二次元コード320が合成される場合、複合二次元コード300は、n+1種類以上の色からなるセルを含む。
【0077】
以上、説明したように、本実施形態に係る複合二次元コード300は、複数個の二次元コードを含むため、1個の二次元コードよりも多くの情報を含むことができる。また、複合二次元コード300は、複数色のセルを含むため、色または形を正確に機械的に複製することは簡単ではない。しかも、複合二次元コード300では、合成された二次元コードを個々のコードに分けるフィルタリング処理を行うことで初めて情報を取得することができる。したがって、複合二次元コード300は、機械的な複製だけでなく、電子的な複製も防止することができる二次元コードである。
【0078】
<第2実施形態>
図8および
図9を参照して、第1実施形態とは異なる複合二次元コード300の読み取り処理について説明する。具体的には、本実施形態においては、情報処理システム10の代わりに情報処理システム10Aを用いて、複合二次元コード300の読み取り処理が実行される。なお、情報処理システム10Aの構成が、情報処理システム10の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0079】
図8は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理を実行する情報処理システム10Aの構成を示すブロック図である。
【0080】
情報処理システム10Aは、情報端末11Aおよびサーバ12Aを含む。情報端末11Aは、ネットワークNWを介してサーバ12Aと通信接続することができる。ネットワークNWは、有線であっても、無線であってもよい。例えば、ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)またはインターネットなどであるが、これに限られない。
【0081】
情報端末11Aは、複合二次元コード300を含む印刷物410、物品510、または画像420を撮影し、画像データ310を生成することができる端末である。情報端末11Aは、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータであるが、これらに限られない。
【0082】
サーバ12Aは、情報端末11Aから画像データ310が提供され、第1の二次元コード320-1および第2の二次元コード320-2を取得することができるソフトウェアまたはコンピュータである。なお、サーバ12Aがコンピュータである場合、サーバ12Aは、1台のコンピュータであってもよく、複数のコンピュータであってもよい。
【0083】
上述したように、情報処理システム10Aは、情報端末11Aおよびサーバ12Aを備え、情報端末11Aが生成した画像データ310がサーバ12Aに送信される。サーバ12Aにおいては、送信された画像データ310から第1の二次元コード320-1および第2の二次元コード320-2を取得する。なお、情報処理システム10Aは、クラウドコンピューティング方式またはASP(Application Service Provider)方式によっても、第1の二次元コード320-1および第2の二次元コード320-2を取得することができる。
【0084】
図8に示すように、情報処理システム10Aの情報端末11Aは、撮像部110、表示部120、および第1の通信部130Aを含む。情報処理システム10Aのサーバ12Aは、制御部100および第2の通信部140Aを含む。また、制御部100は、第1の取得部101および第2の取得部102を含む。
【0085】
第1の通信部130Aおよび第2の通信部140Aは、データまたは情報を有線または無線によって送信し、または受信することができる通信インターフェースである。第1の通信部130Aおよび第2の通信部140Aとして、例えば、LANモジュールまたはWi-Fi(登録商標)モジュールなどを用いることができる。
【0086】
図9は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理のフローチャート図である。
【0087】
複合二次元コード300の読み取り処理は、情報端末11Aにおいて、複合二次元コード300の読み取り処理のプログラムが実行されることによって開始する。
【0088】
ステップS100では、撮像部110が、複合二次元コード300を含む印刷物410、物品510、または画像420から画像データ310を生成する。
【0089】
ステップS105Aでは、第1の通信部130Aが、画像データ310を送信する。送信された画像データ310は、第2の通信部140Aによって受信される。
【0090】
ステップS110では、第1の取得部101が、画像データ310に対して第1のフィルタリング処理を行い、画像データ310から第1の二次元コード320-1を取得する。
【0091】
ステップS120では、第2の取得部102が、画像データ310に対して第2のフィルタリング処理を行い、画像データ310から第2の二次元コード320-2を取得する。
【0092】
ステップS125Aでは、第2の通信部140Aが、第1の二次元コード320-1および第2の二次元コード320-2を送信する。送信された第1の二次元コード320-1および第2の二次元コード320-2は、第1の通信部130Aによって受信される。
【0093】
ステップS130では、表示部120が、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2を表示する。
【0094】
複合二次元コード300の読み取り処理は、ステップS130が実行されることによって終了する。
【0095】
<第2実施形態の変形例>
上述の第2実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理では、サーバ12Aが、第1の二次元コード320-1および第2の二次元コード320-2を取得し、取得した第1の二次元コード320-1および第2の二次元コード320-2を情報端末11Aに送信する。本変形例では、サーバ12Aが、第1の二次元コード320-1に含まれる情報および第2の二次元コード320-2に含まれる情報を取得し、取得した第1の二次元コード320-1に含まれる情報および第2の二次元コード320-2に含まれる情報を情報端末11Aに送信することができる。この場合、ステップS130において、表示部120は、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2に代えて、第1の二次元コード320-1に含まれる情報または第2の二次元コード320-2に含まれる情報を表示することができる。ユーザは、複合二次元コード300から、直接複合二次元コード300に含まれる情報を取得することができる。なお、サーバ12から情報端末11Aに送信する情報および表示部120に表示する情報は、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コードに付随する情報でもよい。
【0096】
以上、説明したように、本実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理においても、合成された二次元コードを個々のコードに分けるフィルタリング処理を行うことで初めて情報を取得することができる。したがって、二次元コードの機械的な複製だけでなく、電子的な複製も防止することができる。
【0097】
<第3実施形態>
図10および
図11を参照して、さらに、第1実施形態とは異なる複合二次元コード300の読み取り処理について説明する。具体的には、本実施形態においては、情報処理システム10の代わりに情報処理システム10Bを用いて、複合二次元コード300の読み取りが実行される。なお、情報処理システム10Bの構成が、情報処理システム10の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0098】
図10は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理を実行する情報処理システム10Bの構成を説明する模式図である。
【0099】
情報処理システム10Bは、情報端末11Bおよびカラーフィルタ13Bを含む。情報端末11Bは、カラーフィルタ13Bを介して、複合二次元コード300を含む印刷物410、物品510、または画像420を撮影し、複合二次元コード300に含まれる情報を取得することができる。
【0100】
カラーフィルタ13Bは、所定の色の光を透過することができる。第1の色の光を透過するカラーフィルタ13Bを複合二次元コード300に重畳すると、全反射する余白および第1の色を有する第1のセル301では、第1の色の光のみが透過する。そのため、余白と第1のセル301とが同色に見える(すなわち、第1のセル301が消えたように見える)ようになり、第1の色を有する背景となる。また、第2の色を有する第2のセル302および第3の色を有する第3のセル303では、第1の色の光以外をカラーフィルタ13Bが吸収し透過する光が減少するため、暗くなり、第2のセル302と第3のセル303とがほぼ同色(ここでは、便宜上、第4の色として説明する。)に見えるようになる。したがって、第1の色の光を透過するカラーフィルタ13Bを重畳した複合二次元コード300は、第1の色を有する背景と、第4の色を有するセルを含む二次元コードに変換される。これは、第1実施形態の第2のフィルタリング処理に対応するものである。
【0101】
同様に、第2の色の光を透過するカラーフィルタ13Bを複合二次元コード300に重畳すると、全反射する余白および第2の色を有する第2のセル302では、第2の色の光のみが透過する。そのため、余白と第2のセル302とが同色に見える(すなわち、第2のセル302が消えたように見える)ようになり、第2の色を有する背景となる。また、第1の色を有する第1のセル301および第3の色を有する第3のセル303では、第2の色の光以外をカラーフィルタ13Bが吸収し透過する光が減少するため、暗くなり、第1のセル301と第3のセル303とが第4の色に見えるようになる。したがって、第2の色の光を透過するカラーフィルタ13Bを重畳した複合二次元コード300は、第2の色を有する背景と、第4の色を有するセルを含む二次元コードに変換される。これは、第1実施形態の第1のフィルタリング処理に対応するものである。したがって、以下では、第2の色を透過するカラーフィルタ13Bを重畳させる処理を第1のフィルタリング処理、第1の色を透過するカラーフィルタ13Bを重畳させる処理を第2のフィルタリング処理として、説明する。
【0102】
図10に示すように、情報処理システム10Bの情報端末11Bは撮像部110および表示部120を含む。
【0103】
図11は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理のフローチャート図である。
【0104】
複合二次元コード300の読み取り処理は、情報処理システム10Bにおいて、複合二次元コード300の読み取り処理のプログラムが実行されることによって開始する。
【0105】
ステップS110Bでは、撮像部110が、カラーフィルタ13Bによって第1のフィルタリング処理が行われた、複合二次元コード300を含む印刷物410、物品510、または画像420から画像データ310B-1を生成する。画像データ310B-1には、第1の二次元コード320-1が含まれている。すなわち、ステップS110Bでは、第1の二次元コード320-1が取得される。
【0106】
ステップS120Bでは、撮像部110が、カラーフィルタ13Bによって第2のフィルタリング処理が行われた、複合二次元コード300を含む印刷物410、物品510、または画像420から画像データ310B-2を生成する。画像データ310B-2には、第2の二次元コード320-2が含まれている。すなわち、ステップS120Bでは、第2の二次元コード320-2が取得される。
【0107】
ステップS130では、表示部120が、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2を表示する。ユーザは、表示された第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2を基に、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2に含まれる情報を取得することができる。
【0108】
複合二次元コード300の読み取り処理は、ステップS130が実行されることによって終了する。
【0109】
<第3実施形態の変形例>
上述の第3実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理では、情報端末11Bが、第1の二次元コード320-1および第2の二次元コード320-2を取得する。本変形例では、情報端末11Bが、さらに、第1の二次元コード320-1に含まれる情報および第2の二次元コード320-2に含まれる情報を取得する。この場合、ステップS130において、表示部120は、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コード320-2に代えて、第1の二次元コード320-1に含まれる情報または第2の二次元コード320-2に含まれる情報を表示することができる。ユーザは、複合二次元コード300から、直接複合二次元コード300に含まれる情報を取得することができる。なお、ユーザには、第1の二次元コード320-1または第2の二次元コードに付随する情報を提示することもできる。
【0110】
以上、説明したように、本実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理においても、合成された二次元コードを個々のコードに分けるフィルタリング処理を行うことで初めて情報を取得することができる。したがって、二次元コードの機械的な複製だけでなく、電子的な複製も防止することができる。
【0111】
<第4実施形態>
図12を参照して、第1実施形態~第3実施形態とは異なる複合二次元コード300の読み取り処理について説明する。具体的には、以下では、第1のフィルタリング処理および第2のフィルタリング処理の詳細について説明する。本実施形態における複合二次元コード300の読み取り処理は、情報処理システム10を利用して実行することができるが、制御部100に含まれる第1の取得部101および第2の取得部102は、さらなる機能を実現することができる。以下では、上述した構成と同様の構成については、その説明を省略する場合がある。
【0112】
第1の取得部101は、画像データ310から第2のセル302および第3のセル303の各々のRGB値を取得し、取得したRGB値が所定の範囲内にあるとき、第2のセル302および第3のセル303の各々の色を第3の色に変換することができる。
【0113】
第2の取得部102は、画像データ310から第1のセル301および第3のセル303の各々のRGB値を取得し、取得したRGB値が所定の範囲内にあるとき、第1のセル301および第3のセル303の各々の色を第3の色に変換することができる。
【0114】
図12は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理のフローチャート図である。
【0115】
複合二次元コード300の読み取り処理は、情報処理システム10において、複合二次元コード300の読み取り処理のプログラムが実行されることによって開始する。
【0116】
ステップS112Cでは、第1の取得部101が、画像データ310に対して第1のフィルタリング処理を行う。情報端末11の違いまたは撮影方法もしくは撮影条件の違いなどにより、画像データ310の第1のセル301、第2のセル302、および第3のセル303の各々の色は、色相、彩度、または明度などのばらつきを含んでいる。そのため、本実施形態における第1フィルタリング処理では、各色のばらつきを踏まえた上でフィルタリング処理を行う。具体的には、画像データ310から取得された第2のセル302のRGB値(R2,G2,B2)が予め設定された第2の色のRGB値の近傍にあるとき、第2のセル302のRGB値(R2,G2,B2)を予め設定された第3の色のRGB値に変換する。例えば、第2の色および第3の色がそれぞれ緑色(RGB値(0,128,0))および黒色(RGB値(0,0,0))と設定されている場合では、第2のセル302のRGB値(R2,G2,B2)のG2が128-c2≦G2≦128+c2’の範囲内であるとき、第2のセル302のRGB値(R2,G2,B2)を黒色のRGB値(0,0,0)に変換する。すなわち、第2のセル302の色は、ばらつきに依らず、予め設定された第3の色である黒色に変換される。ここで、c2およびc2’は、予め設定される設定値であり、例えば、5、10、または20など、任意の値を設定することができる。なお、c2とc2’とは、同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。
【0117】
同様に、画像データ310から取得された第3のセル303のRGB値(R3,G3,B3)が予め設定された第3の色のRGB値の近傍にあるとき、第3のセル303のRGB値(R3,G3,B3)を予め設定された第3の色のRGB値に変換する。例えば、第3の色が黒色(RGB値(0,0,0))と設定されている場合において、第3のセル303のRGB値(R3,G3,B3)のR3、G3、およびB3が0≦R3,G3,B3≦c3の範囲内であるとき、第3のセル303のRGB値(R3,G3,B3)を黒色のRGB値(0,0,0)に変換する。すなわち、第3のセル303の色は、ばらつきに依らず、予め設定された第3の色である黒色に変換される。ここで、c3は、予め設定される設定値であり、例えば、5、10、または20など、任意の値を設定することができる。なお、c3は、R3、G3、およびB3のそれぞれで同じ値が設定されてもよく、異なる値が設定されてもよい。
【0118】
その後、第3の色に変換されたセル以外のセルのRGB値は、背景色、例えば、白色のRGB値(255,255,255)に変換される。
【0119】
また、3個の切り出しシンボル304の色は、予め設定された第3の色に変換されてもよい。
【0120】
したがって、ステップS112Cにおける第1のフィルタリング処理では、全てのセルの各々が、第3の色(例えば、黒色)または背景色(例えば、白色)のいずれか一方に変換される。
【0121】
ステップS114Cでは、第1の取得部101が、第1のフィルタリング処理によって生成された第1の二次元コード320-1を取得する。第1の二次元コード320-1は、第3の色を有する複数の第2のセル302および複数の第3のセル303、ならびに第3の色を有する3個の切り出しシンボル304を含む。
【0122】
ステップS122Cでは、第2の取得部102が、画像データ310に対して第2のフィルタリング処理を行う。具体的には、画像データ310から取得された第1のセル301のRGB値(R1,G1,B1)が予め設定された第1の色のRGB値の近傍にあるとき、第1のセル301のRGB値(R1,G1,B1)を予め設定された第3の色のRGB値に変換する。例えば、第1の色および第3の色がそれぞれ赤色(RGB値(255,0,0))および黒色(RGB値(0,0,0))と設定されている場合では、第1のセル301のRGB値(R1,G1,B1)のR1が255-c1≦R1≦255の範囲内であるとき、第1のセル301のRGB値(R1,G1,B1)を黒色のRGB値(0,0,0)に変換する。すなわち、第1のセル301の色は、ばらつきに依らず、予め設定された第3の色である黒色に変換される。ここで、c1は、予め設定される設定値であり、例えば、5、10、または20など、任意の値を設定することができる。
【0123】
また、ステップS112Cと同様に、画像データ310に含まれる第3のセル303のRGB値(R3,G3,B3)が予め設定された第3の色のRGB値の近傍にあるとき、第3のセル303のRGB値(R3,G3,B3)を予め設定された第3の色のRGB値に変換する。その後、第3の色に変換されたセル以外のセルのRGB値は、背景色、例えば、白色のRGB値(255,255,255)に変換される。また、3個の切り出しシンボル304の色は、予め設定された第3の色に変換されてもよい。
【0124】
したがって、ステップS122Cにおける第2のフィルタリング処理では、全てのセルの各々が、第3の色(例えば、黒色)または背景色(例えば、白色)のいずれか一方に変換される。
【0125】
ステップS124Cでは、第2の取得部102が、第2のフィルタリング処理によって生成された第2の二次元コード320-2を取得する。第2の二次元コード320-2は、第3の色を有する複数の第1のセル301および複数の第3のセル303、ならびに第3の色を有する3個の切り出しシンボル304を含む。
【0126】
ステップS124Cの後は、ステップS130が実行される。複合二次元コード300の読み取り処理は、ステップS130が実行されることによって終了する。
【0127】
以上、説明したように、本実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理によれば、第1の二次元コード310-1および第2の二次元コード310-2は、画像データ310の色のばらつきに依らず、第3の色および背景色の2色化された二次元コードを取得することができる。したがって、二次元コードの機械的な複製だけでなく、電子的な複製も防止することができる。
【0128】
また、ステップS130において表示される第1の二次元コード310-1および第2の二次元コード310-2は、2色化された二次元コードであるため、第1の二次元コード310-1および第2の二次元コード310-2の読み取りにおいては特別な読取装置を必要としない。
【0129】
<第5実施形態>
図13~
図15を参照して、第1実施形態~第4実施形態とは異なる複合二次元コード300Dの読み取り処理について説明する。本実施形態においては、
図13に示す複合二次元コード300Dが使用される。
【0130】
図13は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300Dの構成を示す模式図である。
【0131】
図13に示すように、複合二次元コード300Dは、第1の色を有する複数の第1のセル301、第2の色を有する複数の第2のセル302、第3の色を有する複数の第3のセル303、第3の色を有する3個の切り出しシンボル304、およびカラーコードパターン部305Dを含む。なお、本実施形態では、第1の色を有する複数の第1のセル301、第2の色を有する複数の第2のセル302、第3の色を有する複数の第3のセル303、および第3の色を有する3個の切り出しシンボル304を含む部分をセルパターン部という場合がある。
【0132】
カラーコードパターン部305Dは、第1のセル301、第2のセル302、第3のセル303、および切り出しシンボル304の外側に配置されている。カラーコードパターン部305Dは、第1のカラーコード305D-1、第2のカラーコード305D-2、第3のカラーコード305D-3、および第4のカラーコード305D-4を含む。第1のカラーコード305D-1、第2のカラーコード305D-2、および第3のカラーコード305D-3は、それぞれ、第1のセル301の第1の色、第2のセル302の第2の色、および第3のセル303の第3の色と対応している。すなわち、第1のカラーコード305D-1、第2のカラーコード305D-2、および第3のカラーコード305D-3は、それぞれ、第1の色、第2の色、および第3の色を有する。また、第4のカラーコード305D-4は、背景色を有する。
【0133】
本実施形態における複合二次元コード300Dの読み取り処理は、情報処理システム10Dを利用して実行することができる。なお、以下では、情報処理システム10Dの構成が情報処理システム10の構成と同様であるとき、情報処理システム10Dの構成の説明を省略する場合がある。
【0134】
図14は、本発明の一実施形態における複合二次元コード300Dの読み取り処理を実行する情報処理システム10Dの構成を示すブロック図である。
【0135】
図14に示すように、情報処理システム10Dの制御部100は、第1の取得部101、第2の取得部102、および算出部103Dを含む。
【0136】
算出部103Dは、画像データ310から、カラーコードパターン部305Dの第1のカラーコード305D-1、第2のカラーコード305D-2、第3のカラーコード305D-3、および第4のカラーコード305D-4のそれぞれのRGB値を取得することができる。また、算出部103Dは、取得されたRGB値と予め設定された色のRGB値との差分値を算出することができる。さらに、算出部103Dは、画像データ310から取得されたRGB値に算出された差分値を加算することができる。
【0137】
次に、
図15を参照して、画像データ310の色の補正の詳細について説明する。なお、以下では、上述した構成と同様の構成については、その説明を省略する場合がある。また、以下では、便宜上、画像データ310の色の補正処理は、第1のフィルタリング処理および第2のフィルタリング処理と別の処理として説明するが、第1のフィルタリング処理および第2のフィルタリング処理の少なくとも一方に画像データ310の色の補正処理が含まれていてもよい。
【0138】
図15は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300Dの読み取り処理のフローチャート図である。
【0139】
複合二次元コード300Dの読み取り処理は、情報処理システム10において、複合二次元コード300Dの読み取り処理プログラムが実行されることによって開始する。
【0140】
ステップS102Dでは、算出部が、画像データ310から、カラーコードパターン部305Dの第1のカラーコード305D-1、第2のカラーコード305D-2、第3のカラーコード305D-3、および第4のカラーコード305D-4のそれぞれのRGB値を取得する。また、算出部は、予め設定された第1の色のRGB値と取得した第1のカラーコード305D-1のRGB値との差分値(以下、「第1の差分値」とする。)を算出する。同様に、算出部は、予め設定された第2の色のRGB値と取得した第2のカラーコード305D-2のRGB値との差分値(以下、「第2の差分値」とする。)、予め設定された第3の色のRGB値と取得した第3のカラーコード305D-3のRGB値との差分値(以下、「第3の差分値」とする。)、および予め設定された背景色のRGB値と第4のカラーコード305D-4のRGB値との差分値(以下、「第4の差分値」とする。)を算出する。これにより、情報端末11の違いまたは撮影方法もしくは撮影条件の違いなどに起因した複合二次元コード300Dの色と画像データ310の色との違いを検出することができる。
【0141】
ステップS104Dでは、算出部が、第1の差分値、第2の差分値、第3の差分値、および第4の差分値に基づき、画像データ310の第1のセル301、第2のセル302、第3のセル303、および切り出しシンボル304の各々の色、ならびに背景色が補正される。具体的には、画像データ310から取得された第1のセル301のRGB値に第1の差分値が加算される。同様に、第2のセル302のRGB値に第2の差分値が加算され、第3のセル303および切り出しシンボル304の各々のRGB値に第3の差分値が加算され、ならびに背景色のRGB値に第4の差分値が加算される。これにより、画像データ310の色が補正され、複合二次元コード300Dの色に近づけることができる。
【0142】
ステップ104Dの後は、ステップS112Cが実行されるが、以降のステップは第4実施形態で説明したため、ここでの説明は省略する。なお、ステップS112C以降のステップの代わりに、第1実施形態で説明したS110以降のステップを実施することもできる。この場合、ステップS130において、複合二次元コード300に近い色を有する第1の二次元コード310-1および第2の二次元コード310-2を表示することができる。
【0143】
なお、本実施形態では、画像データ310の色の補正を行うことなく、取得された第1のカラーコード305D-1、第2のカラーコード305D-2、第3のカラーコード305D-3、および第4のカラーコード305D-4の各々のRGB値を基準として、第1のフィルタリング処理および第2のフィルタリング処理を行ってもよい。
【0144】
<第5実施形態の変形例>
複合二次元コード300Dに含まれるカラーコード部の構成は、
図13に示すカラーコード305部Dに限られない。
図16を参照して、カラーコード部の別の構成について説明する。
【0145】
図16は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300Dに含まれる別のカラーコード部の構成を示す模式図である。
【0146】
図16(A)に示すカラーコード部305Eは、第1のカラーコード305E-1、第2のカラーコード305E-2、および第3のカラーコード305E-3を含む。第1のカラーコード305E-1、第2のカラーコード305E-2、および第3のカラーコード305E-3は、それぞれ、赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)である。第1のカラーコード305E-1、第2のカラーコード305E-2、および第3のカラーコード305E-3のいずれの色も、第1のセル301の第1の色、第2のセル302の第2の色、および第3のセル303の第3の色と異なる。ここで、赤色(R)のRGB値は(255,0,0)であり、緑色(G)のRGB値は(0,255,0)であり、および青色(B)のRGB値は(0,0,255)である。そのため、画像データ310から、第1のカラーコード305E-1、第2のカラーコード305E-2、および第3のカラーコード305E-3の各々のRGB値を取得し、取得した第1のカラーコード305E-1、第2のカラーコード305E-2、および第3のカラーコード305E-3が、それぞれ、赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)に対応しているとすると、取得した第1のカラーコード305E-1のRGB値からは赤色(R)のRGB値からのシフト量(差分値ΔR)、取得した第2のカラーコード305E-2のRGB値からは緑色(G)のRGB値からのシフト量(差分値ΔG)、および取得した第3のカラーコード305E-3のRGB値からは青色(B)のRGB値からのシフト量(差分値ΔB)を算出することができる。したがって、第1のセル301、第2のセル302、および第3のセル303のいずれにおいても、それぞれのRGB値に差分値(ΔR,ΔG,ΔB)を加算することにより、画像データ310の色が補正され、複合二次元コード300Dの色に近づけることができる。
【0147】
図16(B)に示すカラーコード部305Fは、第1のカラーコード305F-1、第2のカラーコード305F-2、第3のカラーコード305F-3、および第4のカラーコード305F-4を含む。第1のカラーコード305F-1、第2のカラーコード305F-2、第3のカラーコード305F-3、および第4のカラーコード305F-4は、それぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、および黒色(K)である。第1のカラーコード305F-1、第2のカラーコード305F-2、第3のカラーコード305F-3、および第4のカラーコード305F-4のいずれの色も、第1のセル301の第1の色、第2のセル302の第2の色、および第3のセル303の第3の色と異なる。ここで、例えば、シアン(C)のCMYK値は(100,0,0,0)であり、マゼンタ(M)のCMYK値は(0,100,0,0)であり、黄色(Y)のCMYK値は(0,0,100,0)であり、および黒色(K)のCMYK値は(0,0,0,100)である。また、例えば、シアン(C)のRGB値は(0,174,239)であり、マゼンタ(M)のRGB値は(255,0,255)であり、黄色(Y)のRGB値は(255,255,0)であり、および黒色(K)のRGB値は(0,0,0)である。この場合、画像データ310から、第1のカラーコード305F-1、第2のカラーコード305F-2、第3のカラーコード305F-3、および第4のカラーコード305F-4の各々のRGB値を取得し、それぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、および黒色(K)のRGB値と対応させて差分値を算出する。具体的には、第1のカラーコード305F-1の差分値ΔC、第2のカラーコード305F-2の差分値ΔM、第3のカラーコード305F-3の差分値ΔY、および第4のカラーコード305F-5の各々の差分値ΔKは、式(1)に示すとおりである。
【0148】
【0149】
複合二次元コード300Dの第1のセル301に予め設定されている色のCMYK値が(C1,M1,Y1,K1)であるとすると、画像データ310から取得される第1のセル301のRGB値の差分値(ΔR1,ΔG1,ΔB1)は、式(2)で算出することができる。ここで、αは重み係数であり、上述した予め設定されたシアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、および黒色(K)のCMYK値またはRGB値によって変わり得る。
【0150】
【0151】
式(2)は、第1のセル301のRGB値の差分値であるが、第2のセル302のRGB値、第3のセル303のRGB値、および背景色のRGB値の各々の差分値も同様に算出することができる。したがって、第1のセル301、第2のセル302、第3のセル303、および背景のいずれにおいても、それぞれのRGB値に差分値(ΔR,ΔG,ΔB)を加算することにより、画像データ310の色が補正され、複合二次元コード300Dの色に近づけることができる。
【0152】
以上、説明したように、本実施形態に係る複合二次元コード300Dの読み取り処理によれば、画像データ310の色が複合二次元コード300の色と異なっていたとしても、第1の二次元コード310-1および第2の二次元コード310-2を、複合二次元コード300に近い色に補正することができる。したがって、二次元コードの機械的な複製だけでなく、電子的な複製も防止することができる。
【0153】
<第6実施形態>
図17を参照して、第1実施形態~第5実施形態とは異なる複合二次元コード300の読み取り処理について説明する。本実施形態における複合二次元コード300の読み取り処理は、情報処理システム10を利用して実行することができるが、制御部100に含まれる第1の取得部101および第2の取得部102は、さらなる機能を実現することができる。以下では、上述した構成と同様の構成については、その説明を省略する場合がある。
【0154】
第1の取得部101は、第1のフィルタリング処理によって生成された第1の二次元コード320-1を読み取り、第1の二次元コード320-1に含まれている情報を取得することができる。
【0155】
第2の取得部102は、第2のフィルタリング処理によって変換されるセルの個数をカウントすることができる。また、第2の取得部102は、第1の取得部101が取得した情報および第2の取得部102がカウントすることによって取得した情報に基づき、所定の条件を満たすか否かを判定することができる。
【0156】
図17は、本発明の一実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理のフローチャート図である。
【0157】
複合二次元コード300の読み取り処理は、情報処理システム10において、複合二次元コード300の読み取り処理のプログラムが実行されることによって開始する。
【0158】
ステップS112Gでは、第1の取得部101が、画像データ310に対して第1のフィルタリング処理を行う。本実施形態では、便宜上、第1のフィルタリング処理が減色処理として説明するが、本実施形態における第1のフィルタリング処理は、これに限られない。
【0159】
第1のフィルタリング処理では、画像データ310から、第2の色を有する第2のセル302が消去される。具体的には、第2のセル302の色が第2の色から背景色に変換される。第1のフィルタリング処理では、第1のセル301の第1の色、第2のセル302の第2の色、第3のセル303の第3の色、および背景色の各色が調整されてもよい。例えば、第1の色および第2の色の各々は彩度が調整され、第3の色および背景色の各々は明度が調整されてもよい。このように各色が調整されることにより、第2の色を有する第2のセル302の輪郭を際立たせ、第1のセル301、第2のセル302、および第3のセル303のそれぞれの境界を明確にすることができる。このように、第1のフィルタリング処理では、画像データ310が調整された後、調整された画像データ310から、第2の色を有する第2のセル302が消去されてもよい。なお、背景色が白色でない場合、画像データ310の調整の際に背景色が白色に調整されてもよい。
【0160】
ステップS114Gでは、第1の取得部101が、第1のフィルタリング処理によって生成された第1の二次元コード320-1を取得する。第1の二次元コード320-1は、第1の色を有する複数の第1のセル301、第3の色を有する複数の第3のセル303、および第3の色を有する3個の切り出しシンボル304を含む。なお、取得される第1の二次元コード320-1は、第1の色が第3の色に変換されていてもよい。すなわち、取得される第1の二次元コード320-1は、複数の第3のセル303および3個の切り出しシンボル304の第3の色と、背景色との2色に変換された二次元コードであってもよい。
【0161】
ステップS116Gでは、第1の取得部101が、第1の二次元コード320-1を読み取り、第1の二次元コード320-1に含まれている情報を取得する。ここで、第1の二次元コード320-1には、複合二次元コード300中の第1のセルの個数に関する情報(以下、「第1のセルの含有個数情報」とする。)が含まれている。すなわち、ステップS116Gでは、第1のセルの含有個数情報が取得される。
【0162】
ステップS122Gでは、第2の取得部102が、画像データ310に対して第2のフィルタリング処理を行う。本実施形態では、便宜上、第2のフィルタリング処理が減色処理として説明するが、本実施形態における第2のフィルタリング処理は、これに限られない。
【0163】
第2のフィルタリング処理では、画像データ310から、第1の色を有する第1のセル301が消去される。具体的には、第1のセル301の色が第1の色から背景色に変換される。第2のフィルタリング処理では、第1のフィルタリング処理によって調整された画像データ310から、第1の色を有する第1のセル301が消去されてもよい。また、第2のフィルタリング処理では、消去された第1のセル301の個数がカウントされる。すなわち、第2のフィルタリング処理では、消去された第1のセル301の個数に関する情報(以下、「第1のセルの消去個数情報」とする。)が取得される。
【0164】
ステップS123Gでは、第2の取得部102が、第1のセルの含有個数情報および第1のセルの消去個数情報に基づき、所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、所定の条件は、第1のセルの消去個数情報が、第1のセルの含有個数情報の(1-a)倍以上第1のセルの含有個数情報の(1+a)倍以下の範囲に含まれるか否かである。ここで、aは、予め設定される設定値であり、例えば、0.05、0.1、または0.15など、任意の値を設定することができる。所定の条件を満たす場合(ステップS123G:YES)、ステップS124Gが実行される。一方、所定の条件を満たさない場合(ステップS123G:NO)、複合二次元コード300の読み取り処理は終了する。この場合、複合二次元コード300は偽造されたものである可能性があるため、複合二次元コード300の読み取りができなかったことを表すアラートが生成され、ユーザにアラートを提示してもよい。
【0165】
ステップS124Gでは、第1の取得部101が、第2のフィルタリング処理によって生成された第2の二次元コード320-2を取得する。第2の二次元コード320-2は、第2の色を有する複数の第2のセル302、第3の色を有する複数の第3のセル303、および第3の色を有する3個の切り出しシンボル304を含む。なお、取得される第2の二次元コード320-2は、第2の色が第3の色に変換されていてもよい。すなわち、取得される第2の二次元コード320-2は、複数の第3のセル303および3個の切り出しシンボル304の第3の色と、背景色との2色に変換された二次元コードであってもよい。
【0166】
ステップS124Gの後は、ステップS130が実行される。複合二次元コード300の読み取り処理は、ステップS130が実行されることによって終了する。
【0167】
<第6実施形態の変形例1>
第1の二次元コード320-1に含まれる第1のセルの含有個数情報は、1つではなく、複数であってもよい。例えば、複合二次元コード300を、各々が1個の切り出しシンボル304を含む3つの領域および切り出しシンボル304を含まない1つの領域の4つの領域に分割し、第1のセルの含有個数情報は、4つの領域のそれぞれに含まれる第1のセルの個数に関する情報であってもよい。この場合、ステップS122Gでは、複合二次元コード300の4つの領域と対応した画像データ310の4つの領域のそれぞれにおいて、消去された第1のセル301の個数がカウントされる。すなわち、第1のセルの消去個数情報は、4つの領域のそれぞれにおける4つの第1のセル301の消去個数を含む。
【0168】
なお、分割される複数の領域の数は、4つに限られない。また、複数の領域は、連続していてもよく、不連続であってもよい。さらに、複数の領域の面積は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0169】
また、ステップS123Gでは、4つの領域のそれぞれにおいて、上述した所定の条件を満たすか否かが判定される。さらに、ステップS123Gでは、4つの領域における判定結果に基づく判定が行われてもよい。具体的には、所定の条件を満たすと判定された領域の数が、予め設定された設定値以上である場合、ステップS123Gが実行され、第2の二次元コード320-2が取得される。一方、所定の条件を満たすと判定された領域の数が、予め設定された設定値未満である場合、複合二次元コード300の読み取り処理は終了する。
【0170】
<第6実施形態の変形例2>
ステップS123Gにおける所定の条件は、第1のセルの含有個数情報および第1のセルの消去個数情報に基づく条件に限られない。例えば、第1の二次元コード320-1には、複合二次元コード300の3個の切り出しシンボルによって囲まれる矩形に対する第1のセルの割合に関する情報(以下、「第1のセルの含有割合情報」とする。)が含まれ、ステップS116Gにおいて、第1のセルの割合情報が取得されてもよい。この場合、ステップS122Gでは、画像データ310の3個の切り出しシンボル304によって囲まれる矩形に対する消去された第1のセル301の割合に関する情報(以下、「第1のセルの消去割合情報」とする。)が取得される。したがって、ステップS123Gでは、第1のセルの消去割合情報が、第1のセルの含有割合情報の(1-a)倍以上第1のセルの含有割合情報の(1+a)倍以下の範囲に含まれるか否かが判定される。
【0171】
<第6実施形態の変形例3>
ステップS116Gにおいて、第1の二次元コード320-1が直接読み取られるのではなく、第1の二次元コード320-1にセルを追加し、または第1の二次元コード320-1からセルを削除する処理が行われた二次元コードを読み取ることによって、第1のセルの含有個数情報が取得されてもよい。この場合、第1の二次元コード320-1の予め設定された領域にセルが追加された二次元コードまたは第1の二次元コード320-1の予め設定された領域からセルが削除された二次元コードが、第1のセルの含有個数情報を含んでおり、第1の二次元コード320-1は別の情報を含むことができる。
【0172】
また、ステップS116Gにおいて、第1の二次元コード320-1の所定の領域が抽出され、抽出された領域の領域パターンに基づいて、第1のセルの含有個数情報が取得されてもよい。例えば、領域パターンが第1の含有個数情報と紐付けられたデータベースが予め登録され、抽出された領域の領域パターンをデータベースと照合することにより、第1のセルの含有個数情報が取得されてもよい。
【0173】
以上、説明したように、本実施形態に係る複合二次元コード300の読み取り処理においては、第2の二次元コード320-2を取得する際に、生成された第1の二次元コード320-1に含まれる情報、または生成された第1の二次元コード320-1を利用して取得されて情報に基づき、所定の判定条件におけるパラメータが取得され、所定の判定条件を満たすか否かの判定が行われる。そのため、所定の条件を満たす場合に第2の二次元コード320-2を取得することができる。したがって、二次元コードの機械的な複製だけでなく、電子的な複製も防止することができる。
【0174】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、または設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0175】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【符号の説明】
【0176】
10、10A、10B、10D:情報処理システム
11、11A、11B:情報端末
12A:サーバ
13B:カラーフィルタ
100:制御部
101:第1の取得部
102:第2の取得部
103D:算出部
110:撮像部
120:表示部
130A:第1の通信部
140A:第2の通信部
300:複合二次元コード
301:第1のセル
302:第2のセル
303:第3のセル
304:切り出しシンボル
305D:カラーコードパターン部
305D-1:第1のカラーコード
305D-2:第2のカラーコード
305D-3:第3のカラーコード
305D-4:第4のカラーコード
310、310B-1、310B-2:画像データ
320:二次元コード
320-1:第1の二次元コード
320-2:第2の二次元コード
330-1:第1の二次元コード
330-2:第2の二次元コード
340-1:第1の二次元コード
340-2:第2の二次元コード
410:印刷物
420:画像
510:物品
520:表示装置