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特許7478949注出ヘッド、飲料サーバーおよびシーリングダウンチューブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】注出ヘッド、飲料サーバーおよびシーリングダウンチューブ
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/04 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
B67D1/04 F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020187360
(22)【出願日】2020-11-10
(65)【公開番号】P2022076792
(43)【公開日】2022-05-20
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004743
【氏名又は名称】日本軽金属株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】398032289
【氏名又は名称】株式会社テックスイージー
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】倉部 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】工藤 嘉洋
(72)【発明者】
【氏名】細野 洋司
(72)【発明者】
【氏名】小林 隆秀
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-146299(JP,A)
【文献】特開2000-171142(JP,A)
【文献】特開2002-284291(JP,A)
【文献】米国特許第05199609(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/04
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器の口部に締結される締結部を有する注出ヘッドであって、
第1貫通孔および第2貫通孔を有するシール部品と、
前記シール部品を保持し前記口部に押し付ける保持部と、
前記第1貫通孔に接続されたダウンチューブと、を備え
前記シール部品は、前記口部に接触するシール領域を含む第1面および前記第1面の反対側の第2面を有する基部と、前記第1面から突出した第1筒状部と、前記第2面から突出した第2筒状部とを含み、前記第1貫通孔は、前記第1筒状部および前記第2筒状部を貫通するように配置されている、
ことを特徴とする注出ヘッド。
【請求項2】
前記基部は、円盤形状を有する、
ことを特徴とする請求項に記載の注出ヘッド。
【請求項3】
前記基部および前記第1筒状部は、一体成形されている、
ことを特徴とする請求項に記載の注出ヘッド。
【請求項4】
前記基部および前記第1筒状部は、同一材料で構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の注出ヘッド。
【請求項5】
前記ダウンチューブは、前記第1筒状部に圧入されることによって前記第1貫通孔に接続されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の注出ヘッド。
【請求項6】
前記第1筒状部は、前記第1面から垂直に突出した第1部分と、前記第1部分から延びる傾斜した第2部分とを含む、
ことを特徴とする請求項に記載の注出ヘッド。
【請求項7】
前記第1筒状部から延びる前記ダウンチューブの方向は、前記第2部分によって規定される、
ことを特徴とする請求項に記載の注出ヘッド。
【請求項8】
前記シール部品は、前記第2面に凹部を有し、前記凹部に前記第1貫通孔および前記第2貫通孔が配置され、
前記保持部は、前記凹部に嵌合する凸部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の注出ヘッド。
【請求項9】
飲料容器の口部に締結される締結部を有する注出ヘッドであって、
第1貫通孔および第2貫通孔を有するシール部品と、
前記シール部品を保持し前記口部に押し付ける保持部と、
前記第1貫通孔に接続されたダウンチューブと、を備え
前記シール部品は、前記口部に接触するシール領域を含む第1面および前記第1面の反対側の第2面を有する基部と、前記第1面から突出した筒状部とを含み、前記第1貫通孔は、前記筒状部を貫通するように配置され、
前記シール部品は、前記第2面に凹部を有し、前記凹部に前記第1貫通孔および前記第2貫通孔が配置され、
前記保持部は、前記凹部に嵌合する凸部を有する、
ことを特徴とする注出ヘッド。
【請求項10】
前記保持部は、前記飲料容器にガスを供給するガス供給部を含み、前記ガス供給部は、前記第2貫通孔に挿入されている、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の注出ヘッド。
【請求項11】
ガスチューブを介してガスボンベに接続されたガス継手が接続される接続部と、
前記接続部と前記ガス供給部とを連通させるガス流路と、
前記口部に前記締結部が締結されていない状態で前記ガス継手が前記接続部に接続される操作を禁止する操作禁止機構と、
を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の注出ヘッド。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の注出ヘッドと、
前記注出ヘッドが装着される飲料容器を収容する収容部と、
を備えることを特徴とする飲料サーバー。
【請求項13】
飲料容器の口部に締結される締結部を有する注出ヘッドの部品としてのシーリングダウンチューブであって、
第1貫通孔および第2貫通孔を有するシール部と、
前記第1貫通孔に接続されたダウンチューブと、を備え
前記シール部品は、前記口部に接触するシール領域を含む第1面および前記第1面の反対側の第2面を有する基部と、前記第1面から突出した第1筒状部と、前記第2面から突出した第2筒状部とを含み、前記第1貫通孔は、前記第1筒状部および前記第2筒状部を貫通するように配置されている、
ことを特徴とするシーリングダウンチューブ。
【請求項14】
飲料容器の口部に締結される締結部を有する注出ヘッドの部品としてのシーリングダウンチューブであって、
第1貫通孔および第2貫通孔を有するシール部と、
前記第1貫通孔に接続されたダウンチューブと、を備え
前記シール部品は、前記口部に接触するシール領域を含む第1面および前記第1面の反対側の第2面を有する基部と、前記第1面から突出した筒状部とを含み、前記第1貫通孔は、前記筒状部を貫通するように配置され、
前記シール部品は、前記第2面に凹部を有する、
ことを特徴とするシーリングダウンチューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注出ヘッド、飲料サーバーおよびシーリングダウンチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ビール容器の開口部に装着される装着体を有するビールサーバが記載されている。装着体は、ビール容器の開口部を閉塞する栓部材と、ビール容器の開口部に螺合するねじ部を有するキャップ部材とを具備する。栓部材の下部周辺にはパッキン装着部が設けられ、このパッキン装着部には、ドーナツ状の閉塞用のパッキンが装着される。また、栓部材の下部におけるパッキン装着部の内側には、ビール導出路の開口が設けさられ、この開口には、ビール容器内の下部側に延在するサイフォンチューブが装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-146299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビール容器等の飲料容器に装着される注出ヘッド(特許文献1では、装着体)あるいはそれを含む飲料サーバーの運用においては、それを清浄な状態に維持することが重要である。そのため、飲料サーバーは、その使用後に洗浄される。この際に、パッキン等のシール部品は、それを保持する保持体から取り外されることがあり、作業者が誤って紛失してしまうことがある。その理由は、シール部品は、飲料容器の口部の同等程度の寸法しか有せず、かなり小さいことになる。
【0005】
本発明は、シール部品の紛失の可能性を低減するために有利な構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面は、飲料容器の口部に締結される締結部を有する注出ヘッドに係り、前記注出ヘッドは、第1貫通孔および第2貫通孔を有するシール部品と、前記シール部品を保持し前記口部に押し付ける保持部と、前記第1貫通孔に接続されたダウンチューブと、を備え、前記シール部品は、前記口部に接触するシール領域を含む第1面および前記第1面の反対側の第2面を有する基部と、前記第1面から突出した第1筒状部と、前記第2面から突出した第2筒状部とを含み、前記第1貫通孔は、前記第1筒状部および前記第2筒状部を貫通するように配置されている
本発明の第2の側面は、飲料容器の口部に締結される締結部を有する注出ヘッドに係り、前記注出ヘッドは、第1貫通孔および第2貫通孔を有するシール部品と、前記シール部品を保持し前記口部に押し付ける保持部と、前記第1貫通孔に接続されたダウンチューブと、を備え、前記シール部品は、前記口部に接触するシール領域を含む第1面および前記第1面の反対側の第2面を有する基部と、前記第1面から突出した筒状部とを含み、前記第1貫通孔は、前記筒状部を貫通するように配置され、前記シール部品は、前記第2面に凹部を有し、前記凹部に前記第1貫通孔および前記第2貫通孔が配置され、前記保持部は、前記凹部に嵌合する凸部を有する。
【0007】
本発明の第の側面は、飲料サーバーに係り、前記飲料サーバーは、前記第1の側面に係る注出ヘッドと、前記注出ヘッドが装着される飲料容器を収容する収容部と、を備える。
【0008】
本発明の第の側面は、シーリングダウンチューブに係り、前記シーリングダウンチューブは、第1貫通孔および第2貫通孔を有するシール部と、前記第1貫通孔に接続されたダウンチューブとを備え、前記シール部品は、前記口部に接触するシール領域を含む第1面および前記第1面の反対側の第2面を有する基部と、前記第1面から突出した第1筒状部と、前記第2面から突出した第2筒状部とを含み、前記第1貫通孔は、前記第1筒状部および前記第2筒状部を貫通するように配置されている。
本発明の第5の側面は、シーリングダウンチューブに係り、前記シーリングダウンチューブは、第1貫通孔および第2貫通孔を有するシール部品と、前記第1貫通孔に接続されたダウンチューブと、を備え、前記シール部品は、前記口部に接触するシール領域を含む第1面および前記第1面の反対側の第2面を有する基部と、前記第1面から突出した筒状部とを含み、前記第1貫通孔は、前記筒状部を貫通するように配置され、前記シール部品は、前記第2面に凹部を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シール部品の紛失の可能性を低減するために有利な構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の飲料サーバーを示す斜視図。
図2】本発明の一実施形態の飲料サーバーから蓋部が取り外された状態を示す斜視図。
図3】本発明の一実施形態の飲料サーバーの本体を示す斜視図。
図4】本発明の一実施形態の飲料サーバーを示す透視図。
図5】本発明の一実施形態の飲料サーバーの注出ヘッド(飲料容器に装着されていない状態)を示す側面図。
図6】本発明の一実施形態の飲料サーバーの注出ヘッド(飲料容器に装着されていない状態)を示す断面図。
図7】本発明の一実施形態の飲料サーバーの注出ヘッド(飲料容器に装着された状態)を示す側面図。
図8】本発明の一実施形態の飲料サーバーの注出ヘッド(飲料容器に装着された状態)を示す断面図。
図9】接続部にガス継手が接続される操作を邪魔部材が邪魔した状態を維持する状態維持部を例示する図。
図10】ダウンチューブが取り付けられたシール部品の構成例を示す断面図。
図11】シール部品の構成例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
図1図2図3および図4には、本発明の一実施形態の飲料サーバー200の構成が示されている。飲料サーバー200は、飲料容器10内の飲料(例えば、ビール)を炭酸ガス等のガスの圧力を利用して注出口138からジョッキ又はグラス等の容器に注出するように構成される。飲料サーバー200は、本体260と、注出ヘッド100とを備えうる。本体260は、飲料容器10を収容する収容部230と、ガスボンベ20を収容する収容部240とを備えうる。収容部230は、飲料容器10の軸方向が鉛直方向に対して傾斜した状態で飲料容器10を保持しうる。飲料サーバー200あるいは本体260は、蓋部250を備えてもよい。飲料容器10、ガスボンベ20および注出ヘッド100は、蓋部250が開けられた状態で本体260に装着され、その後に蓋部250が閉じられうる。図示されていないが、飲料サーバー200は、飲料容器10内の飲料、及び/又は、飲料容器10から押し出され注出口138に供給される飲料を冷却する冷却部(不図示)を備えうる。該冷却部は、例えば、ペルチェ素子を含みうる。
【0013】
図5図6図7図8および図9には、注出ヘッド100が示されている。注出ヘッド100は、ガスボンベ20から供給される炭酸ガス等のガスを利用して、飲料容器10内の飲料を注出口138からジョッキ又はグラス等の容器に注出するように構成される。注出ヘッド100は、飲料容器10にガスを供給するガス供給部180、および、飲料を飲料容器10の外部に押し出すためのダウンチューブ175を備えうる。注出ヘッド100は、ガスボンベ20から供給されるガスをガス供給部180によって飲料容器10内の空寸部(飲料の液面の上の空間)に供給しうる。飲料の液面がそのガスによって押し下げられることによって、飲料は、ダウンチューブ175を通して飲料容器10から排出され、移送チューブ125を通して注出口138に送られうる。注出ヘッド100は、操作レバー等の操作部136を備え、操作部136が操作されることに応じて不図示のバルブを開いて飲料容器10内の飲料を注出口138から注出するように構成されうる。注出ヘッド100は、操作部136が操作されることに応じて泡を発生させる機能を備えてもよい。
【0014】
注出ヘッド100は、飲料容器10の口部12に締結される締結部110を有しうる。注出ヘッド100は、接続部120、ガス流路122、注出部130および操作禁止機構140を含みうる。接続部120には、ガス継手210が接続される。ガス継手210には、ガスチューブ212を介してガスボンベ20に接続される。ガス流路122は、接続部120と飲料容器10とを連通させる。注出部130は、ガス流路122を通して飲料容器10に供給されるガスの圧力によって飲料容器10から押し出される飲料を、注出バルブアセンブリ132を通して注出する。操作禁止機構140は、飲料容器10の口部12に締結部110が締結されていない状態でガス継手210が接続部120に接続される操作を禁止する。
【0015】
操作禁止機構140は、飲料容器10の口部12に締結部110が締結される際に飲料容器10と接触する接触部142を有し、飲料容器10への接触部142の接触に応じて、ガス継手210が接続部120に接続される操作の禁止を解除しうる。操作禁止機構140は、ガス継手210が接続部120に接続される操作を邪魔する邪魔部材144を有しうる。邪魔部材144は、接触部142に連動して動作し、飲料容器10への接触部142の接触に応じて、ガス継手210が接続部120に接続される操作の禁止を解除しうる。邪魔部材144は、接続部120の全部または一部を覆うことによって、ガス継手210が接続部120に接続される操作を邪魔するカバーを含みうる。
【0016】
一例において、接触部142および邪魔部材144は、一体化された回動部材を構成し、軸134の周りでの所定の回動角の範囲内での該回動部材の回動を許すように支持されうる。操作禁止機構140は、飲料容器10の口部12に締結部110が締結されていない状態で、接続部120にガス継手210が接続される操作を邪魔部材144が邪魔した状態を維持する状態維持部150を含みうる。図9には、状態維持部150の構成が例示されている。状態維持部150は、邪魔部材144に力を加えるための力印加部を含むことができる。該力印加部は、例えば、トーションバネ、板バネ、コイルバネ等のバネを含みうる。該力印加部は、例えば、飲料容器10の口部12に締結部110が締結された状態では復元力を蓄積しうる。また、該力印加部は、飲料容器10の口部12から締結部110が取り外されることに応じて、該復元力によって、接続部120にガス継手210が接続される操作を邪魔部材144が邪魔するように動作しうる。図9に示された例では、トーションバネが軸134に設けられることによって状態一部(力印加部)が構成されている。
【0017】
図5図6には、注出ヘッド100が飲料容器10の口部12に接続されていないために、接続部120にガス継手210を接続する操作を邪魔部材144が邪魔した状態が例示されている。この状態では、ユーザーは、ガス継手210を注出ヘッド100の接続部120に接続する操作を行うことができない。したがって、注出ヘッド100が飲料容器10の口部12に接続されていない状態において接続部120にガス継手210が接続されること、そして、これによってガスボンベ20内のガスが無駄に大気中に放出されることが防止される。
【0018】
図7図8には、注出ヘッド100が飲料容器10の口部12に接続されていることによって、接続部120にガス継手210を接続する操作が可能な状態が例示されている。ガス継手210は、例えば、不図示の弁を含み、該弁は、接続部120へのガス継手210の接続によって開状態になり、接続部120からのガス継手210の切断によって閉状態となるように構成されうる。
【0019】
図4に示されるように、ガスボンベ20にはガスヘッド214が装着されうる。ガスボンベ20内のガスは、ガスヘッド214を介してガスチューブ212に供給されうる。ガスヘッド214は、例えば、レギュレータを含んでもよい。図2図3に例示されるように、飲料サーバー200あるいは本体260は、ガス継手210の可動範囲を規制する規制部220を備えうる。規制部220は、接続部120からガス継手210が取り外された状態でなければ収容部230から飲料容器10を取り出せないようにガス継手210の可動範囲を規制しうる。規制部220を設けることによって、接続部120にガス継手210が接続された状態(ガスボンベ20から注出ヘッド100にガスを供給可能な状態)で飲料容器10から注出ヘッド100(締結部110)が取り外されることを防止することができる。これにより、ガスボンベ20から注出ヘッド100を介して大気中に無駄にガスが放出されることを防止することができる。規制部220は、図2図3に例示されるように、ガスチューブ212の一部分を固定することによってガス継手210の可動範囲を規制しうる。
【0020】
図6図8に例示されるように、注出ヘッド100は、シール部品(シール部)170と、シール部品170を保持し飲料容器10の口部12に押し付ける保持部160とを有しうる。保持部160は、締結部110の一部であってもよいし、締結部110に結合された部品であってもよい。飲料容器10の口部12には雄ネジが設けられうる。その場合、注出ヘッド100は、口部12の雄ネジに螺合する雌ネジが設けられ、口部12の雄ネジと注出ヘッド100の雌ネジとの螺合によって口部12に注出ヘッド100が装着(固定)されうる。シール部品170には、ダウンチューブ175が取付けられている。
【0021】
図10は、ダウンチューブ175が取り付けられたシール部品170の構成例を示す断面図である。図11は、シール部品170の構成例を示す斜視図である。以下、図6図8図10図11を参照しながらシール部品170およびダウンチューブ175の構成を例示的に説明する。シール部品170は、第1貫通孔301および第2貫通孔302を有しうる。ダウンチューブ175は、第1貫通孔301に接続されうる。ダウンチューブ175は、飲料容器10の底部に届く長さを有しうる。
【0022】
シール部品170は、基部300および筒状部(第1筒状部)305を含みうる。基部300は、飲料容器10の口部12(の端面)に接触するシール領域SRを含む第1面S1と、第1面S1の反対側の第2面S2とを含みうる。筒状部305は、第1面S1から突出するように構成されうる。第1貫通孔301は、筒状部305を貫通するように配置されうる。筒状部305は、基部300の第1面S1から垂直に突出した第1部分305aと、第1部分305aから延びる傾斜した第2部分305bとを含みうる。第2部分305bは、第1面S1の法線に対して傾斜した方向に、第1部分305aから延びるように構成されうる。筒状部305が傾斜した第2部分305bを含む場合、筒状部305から延びるダウンチューブ175の方向は、第2部分305bによって規定されうる。第2部分305bの傾斜は、図4に例示されるように飲料容器10が傾斜した状態で収容部230によって保持される構成に適合しうる。より具体的には、傾斜した飲料容器10の最も低い部分またはその近傍にダウンチューブ175の下端が配置されるように、第2部分305bの傾斜が規定されうる。第2部分305bを傾斜させた構成は、直線状のダウンチューブ175の採用を可能にする。これは、例えば、ダウンチューブ素材に対して曲げ加工を施す作業を不要にする点で有利である。
【0023】
シール領域SRは、環状形状あるいはリング形状を有しうる。第2貫通孔302は、基部300に設けられうる。基部300は、例えば、円盤形状を有しうる。基部300および筒状部305は、一体成形されうる。また、基部300および筒状部305は、同一材料で構成されうる。このように、ダウンチューブ175が締結部110あるいは保持部160ではなくシール部品170に取り付けられた構造は、シール部品170単体に比べて大きな寸法を有するので、シール部品170の紛失を防止するために有利である。
【0024】
ダウンチューブ175は、筒状部305に圧入されることによって第1貫通孔301に接続されうる。操作部136が操作されることによって飲料容器10内の飲料を注出口138から注出する動作が開始され、その後にその動作が停止されると、ウオーターハンマー現象によって衝撃が発生しうる。筒状部305がダウンチューブ175を保持する力がこの衝撃に耐えられないと、筒状部305からダウンチューブ175が脱落しうる。したがって、ダウンチューブ175は、筒状部305から脱落しないように、十分な強度あるいは力で筒状部305によって保持されうる。
【0025】
なお、本実施形態のように、ダウンチューブ175がシール部品170に取り付けられた構造では、シール部品170は、その基部300が飲料容器10の口部12(の端面)と注出ヘッド100の保持部160とによって挟まれることによって確実に保持されるため、ウオーターハンマー現象により衝撃が発生しても、シール部品170が脱落することはない。
【0026】
本実施形態とは異なり、ダウンチューブ175が直接又は基部300を有さない部品を介して保持部160に取り付けられたような構造では、ウオーターハンマー現象の衝撃によって、保持部300からダウンチューブ等が脱落しないように、十分な強度あるいは力で取り付けてもよいが、その場合、ダウンチューブを取り外すことが難しくなり、洗浄作業が困難となる。
【0027】
一方で、本実施形態では、保持部160がシール部品170を保持する強度あるいは力自体は、ウオーターハンマー現象の衝撃によって脱落しないほど強固である必要はない。したがって、洗浄時においては、飲料容器10の口部12(の端面)と注出ヘッド100の保持部160とによるシール部品170の保持を解除すれば、ダウンチューブ175を保持したシール部品170を容易に保持部160から取り外すことができる。
【0028】
シール部品170は、第1面S1の反対側の第2面S2に、リング部306と、リング部306の内側に設けられた凹部307とを有しうる。凹部307の表面(底面)は、リング部306の表面よりも、第1面S1側に向かって窪んでいる。第1貫通孔301および第2貫通孔302は、凹部307に配置されうる。保持部160は、シール部品170の凹部307に嵌合する凸部162を含みうる。凸部162は、第1貫通孔301およびダウンチューブ175を移送チューブ125に連通させるための貫通孔を有しうる。
【0029】
ダウンチューブ175に連通する第1貫通孔301には、移送チューブ125が接続あるいは挿入されうる。シール部品170は、第2面S2から突出した筒状部(第2筒状部)309を更に含んでもよい。第1貫通孔301は、筒状部(第1筒状部)305および筒状部(第2筒状部)309を貫通するように配置されうる。筒状部309は、保持部160の凸部162に設けられた挿入孔163に挿入されうる。また、筒状部309、あるいは、筒状部309および筒状部305には、移送チューブ125が挿入されてもよい。飲料容器10にガスを供給するガス供給部180は、保持部160に設けられうる。ガス供給部180は、シール部品170(あるいは基部300)の第2貫通孔302に挿入されうる。あるいは、ガス供給部180は、シール部品170(あるいは基部300)の第2貫通孔302に接続されうる。
【0030】
シール部品(シール部)170とダウンチューブ175とが一体化された部品は、シーリングダウンチューブと呼ばれうる。
【0031】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0032】
10:飲料容器、12:口部、20:ガスボンベ、100:注出ヘッド、110:締結部、120:接続部、122:ガス流路、125:移送チューブ125、130:注出部、132:注出バルブアセンブリ、136:操作部、140:操作禁止機構、142:接触部、144:邪魔部材、150:状態維持部、160:保持部、162:凸部、170:シール部品、175:ダウンチューブ、180:ガス供給部、200:飲料サーバー、210:ガス継手、212:ガスチューブ、214:ガスヘッド、220:規制部、230:収容部、240:収容部、250:蓋部、260:本体、300:基部、301:第1貫通孔、302:第2貫通孔、305:筒状部(第1筒状部)、305a:第1部分、305b:第2部分、306:リング部、307:凹部、309:筒状部(第2筒状部)、SR:シール領域、S1:第1面、S2:第2面
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