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特許7478981状態検出装置、状態検出システム、および状態検出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】状態検出装置、状態検出システム、および状態検出プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/32 20060101AFI20240426BHJP
   A46B 13/04 20060101ALI20240426BHJP
   A46B 15/00 20060101ALI20240426BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20240426BHJP
   G10L 25/18 20130101ALI20240426BHJP
   G10L 25/21 20130101ALI20240426BHJP
   A61C 17/00 20060101ALN20240426BHJP
【FI】
A61C17/32
A46B13/04
A46B15/00 K
G01H17/00 Z
G10L25/18
G10L25/21
A61C17/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019186504
(22)【出願日】2019-10-10
(65)【公開番号】P2021061876
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】桑山 剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 篤史
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-526379(JP,A)
【文献】特表2014-520658(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0241278(US,A1)
【文献】特開2019-095551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B13/04,15/00
A61C17/00-17/32
G01H17/00
G10L25/18-25/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
往復駆動手段を備え周期的な打音を発生させる歯車を備えていない被検出装置の動作状態を検出する状態検出装置であって、
周囲の環境音を音声データとして取得する音取得手段と、
取得した音声データから前記往復駆動手段に関連する周波数を含む第一周波数帯のデータである第一判定データを抽出する加工部と、
抽出された前記第一判定データに基づき前記往復駆動手段の動作の有無を判定する判定部と、
判定結果を報知する報知手段と、を備え、
前記判定部は、
前記第一判定データを周波数に基づき前記往復駆動手段の駆動周波数を中心とする前記第一周波数帯を抽出し、前記第一周波数帯を前記駆動周波数を含む区画である第二区画と、前記第二区画よりも周波数が低い区画である第一区画と、前記第二区画よりも周波数が高い区画である第三区画に分割し、前記第一区画、および前記第三区画に重み付けを行い、前記第二区画が重み付けされた第一区画、および第三区画以下の場合、前記往復駆動手段が停止中、それ以外は前記往復駆動手段が動作中と判定する
状態検出装置。
【請求項2】
前記状態検出装置は、
前記被検出装置の動作状態を使用者から取得する状態取得部を備え、
前記判定部は、
前記状態取得部から取得した動作状態と、前記音取得手段が取得した音声データに基づき前記被検出装置の動作の有無を判定する際に利用する判定情報を更新する
請求項1に記載の状態検出装置。
【請求項3】
前記被検出装置は、前記往復駆動手段が異なる周波数で動作する複数の駆動モードを備えるものであって、
前記加工部は、
取得した音声データから前記第一周波数帯とは異なる第二周波数帯のデータである第二判定データを抽出し、
前記判定部は、
抽出された前記第一判定データ、および前記第二判定データに基づき前記被検出装置の状態を判定する
請求項1または2に記載の状態検出装置。
【請求項4】
前記報知手段は、
前記被検出装置を利用するユーザーにとって有益な有益情報を報知する
請求項1からのいずれか一項に記載の状態検出装置。
【請求項5】
前記報知手段は、
検出した前記被検出装置の動作状態に応じて前記有益情報の報知状態を変化させる
請求項に記載の状態検出装置。
【請求項6】
前記、ユーザーにとって有益な情報とは、
前記被検出装置の位置、前記被検出装置の向き、前記被検出装置の移動方向、前記被検出装置にかける押付力、前記被検出装置の使用時間、および前記被検出装置の設定のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする
請求項またはに記載の状態検出装置。
【請求項7】
往復駆動手段を備えた被検出装置と、請求項1に記載の状態検出装置とを備える状態検出システムであって、
前記被検出装置は、
前記往復駆動手段を複数の駆動モードで動作させる駆動制御部を備える
状態検出システム。
【請求項8】
前記被検出装置は、
前記被検出装置の状態を特定する状態特定手段を備え、
前記駆動制御部は、
前記状態特定手段の特定結果に基づき駆動モード変更し、
前記状態検出装置の前記判定部は、
変更された駆動モードに基づき前記往復駆動手段の動作状態を判定する
請求項に記載の状態検出システム。
【請求項9】
往復駆動手段を備え周期的な打音を発生させる歯車を備えていない被検出装置の動作状態を検出する状態検出プログラムであって、
周囲の環境音を音声データとして音取得手段から取得し、音声データから前記往復駆動手段に関連する周波数を含む第一周波数帯のデータである第一判定データを抽出する加工部と、
抽出された前記第一判定データに基づき前記往復駆動手段の動作の有無を判定する判定部と、を機能させるための状態検出プログラムであって、
前記判定部は、
前記第一判定データを周波数に基づき前記往復駆動手段の駆動周波数を中心とする前記第一周波数帯を抽出し、前記第一周波数帯を前記駆動周波数を含む区画である第二区画と、前記第二区画よりも周波数が低い区画である第一区画と、前記第二区画よりも周波数が高い区画である第三区画に分割し、前記第一区画、および前記第三区画に重み付けを行い、前記第二区画が重み付けされた第一区画、および第三区画以下の場合、前記往復駆動手段が停止中、それ以外は前記往復駆動手段が動作中と判定する
状態検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、往復駆動手段を搭載した被検出装置の動作状態を音響的に検出する状態検出装置、状態検出システム、および状態検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電動口腔ケア器具の特性を音響的に検出するための装置を開示する。この装置は、音の平均振幅の取得部、取得音のアナログデジタル変換部及び、マイクロプロセッサを備える。これにより、電動口腔ケア器具が作動しているか否か、電動口腔ケア器具の特性を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5646739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電動口腔ケア器具から発生する音は、環境音に埋没してしまい、電動口腔ケア器具の動作状態を検出するために環境音から電動口腔ケア器具に起因する音を分離抽出することは困難な場合があった。
【0005】
本開示は、周辺環境音の影響を受けにくい往復駆動手段を搭載した被検出装置の動作状態を音響的に検出する状態検出装置、状態検出システム、および状態検出プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における状態検出装置は、往復駆動手段を備えた被検出装置の動作状態を検出する状態検出装置であって、周囲の環境音を音声データとして取得する音取得手段と、取得した音声データから前記往復駆動手段に関連する周波数を含む第一周波数帯のデータである第一判定データを抽出する加工部と、抽出された前記第一判定データに基づき前記往復駆動手段の動作の有無を判定する判定部と、判定結果を報知する報知手段と、を備える。
【0007】
また、状態検出システムは、往復駆動手段を備えた被検出装置と、前記被検出装置の動作状態を検出する状態検出装置とを備える状態検出システムであって、前記被検出装置は、前記往復駆動手段を複数の駆動モードで動作させる駆動制御部を備え、前記状態検出装置は、周囲の環境音を音声データとして取得する音取得手段と、取得した音声データから複数の駆動モードに対応する周波数をそれぞれ含む複数の周波数帯のデータである複数の判定データを抽出する加工部と、抽出された複数の前記判定データに基づき前記往復駆動手段の動作状態を判定する判定部と、判定結果を報知する報知手段と、を備える。
【0008】
また、状態検出プログラムは、往復駆動手段を備えた被検出装置の動作状態を検出する状態検出プログラムであって、周囲の環境音を音声データとして音取得手段から取得し、音声データから前記往復駆動手段に関連する周波数を含む第一周波数帯のデータである第一判定データを抽出する加工部と、抽出された前記第一判定データに基づき前記往復駆動手段の動作の有無を判定する判定部と、をコンピュータに機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示における状態検出装置、状態検出システム、および状態検出プログラムは、環境音の平均振幅などによらず、被検出装置の動作の有無など被検出装置の状態を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1における被検出装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1における状態検出装置の構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1における状態検出装置の動作を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1における状態検出装置の報知手段の例を示す図である。
図5】実施の形態1における状態検出装置の報知手段の例を示す図である。
図6】変形例1における判定部が分割した第一周波数帯を示す図である。
図7】変形例2における状態検出装置の動作を示すフローチャートである。
図8】変形例2における最新の検出結果を含む検出結果群の一例を示す図である。
図9】変形例2における最新の検出結果を含む検出結果群の他の例を示す図である。
図10】実施の形態2における状態検出装置の構成を示すブロック図である。
図11】実施の形態2における状態検出装置の動作を示すフローチャートである。
図12】実施の形態2における状態検出装置の報知手段の例を示す図である。
図13】実施の形態3における被検出装置の構成を示すブロック図である。
図14】実施の形態3における被検出装置が駆動モードを変更する際の動作の流れを示す図である。
図15】実施の形態4における状態検出装置の報知の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示に係る状態検出装置、および状態検出システムの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の位置関係、および接続状態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下では複数の開示を一つの実施の形態として説明する場合があるが、請求項に記載されていない構成要素については、その請求項に係る開示に関しては任意の構成要素であるとして説明している。また、図面は、本開示を説明するために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0012】
(実施の形態1)
以下、図1~6を用いて、実施の形態1を説明する。
【0013】
図1は、実施の形態1における被検出装置の構成を示すブロック図である。被検出装置199は、往復駆動手段102、駆動制御部103、表示部104、表示制御部105、操作部106、操作処理部107、演算部109、電源部111、電源監視部112、検出部108、アタッチメント100、アタッチメント100が取り付けられる取付部101、を備える。
【0014】
往復駆動手段102は、リニアモータや、圧電素子などを用いて所定の部材を往復駆動することができる装置である。
【0015】
駆動制御部103は、往復駆動手段102を所定の周波数で駆動するように制御する処理部である。
【0016】
アタッチメント100は、被検出装置199に着脱可能な部材である。本実施の形態の場合、被検出装置199は、電動歯ブラシであり、アタッチメント100は、取り替え可能な歯ブラシである。アタッチメント100は、往復駆動手段102に接続される取付部101に着脱可能に取り付けられ、往復駆動手段102により往復振動する。なお、取付部101にアタッチメント100を取り付けた状態では往復駆動手段102、取付部101、およびアタッチメント100が一体となり、これらの間に歯車などは介在していない。
【0017】
演算部109では、往復駆動手段102を動作させるための駆動モードを複数有しており、駆動モードは、往復駆動手段102の往復周波数、および往復振幅の少なくとも一方のパラメータが時系列で定義されている。
【0018】
操作部106は、例えばスイッチであり、使用者が操作部106を操作すると操作処理部107がその旨を示す信号を演算部109に伝える。操作処理部107が出力する信号が、往復駆動手段102を駆動させる信号の場合、演算部109は、駆動制御部103を制御することで往復駆動手段102を特定の駆動モードで駆動させる。
【0019】
検出部108は往復駆動手段102の電気的特性を監視することにより、往復駆動手段102の往復運動の振幅量、および周期の少なくとも一方を取得できる。検出部108が検出した結果を演算部109へ伝えることで、演算部109は、往復駆動手段102の運動状態を知ることができ、駆動制御部103への制御内容をフィードバックすることが可能である。これにより、各駆動モードに適した周波数で安定して往復駆動手段102を動作させることができる。
【0020】
表示部104は、視覚により使用者に情報を示す。表示部104は、例えばLEDであり、往復駆動手段102が駆動していることを使用者に通知するために、演算部109は表示制御部105に対して、表示部104の状態を変更するよう指示することが可能である。
【0021】
電源部111は、例えば、二次電池であり、電源監視部112は、往復駆動手段102駆動中の電源部111の残容量を監視することで、例えば、残容量が少なくなった場合に、演算部109へ残容量が少なくなった旨を通知することが可能である。残容量が少なくなった旨の通知により演算部109は自動的に往復駆動手段102の駆動を停止することなどが可能である。
【0022】
図2は、実施の形態1における状態検出装置の構成を示すブロック図である。状態検出装置299は、往復駆動手段102を備えた被検出装置199の動作状態を検出する装置であって、音取得手段201、AD変換部202、報知制御部207、報知手段208、記憶部209、加工部204、および判定部206を備える。
【0023】
状態検出装置299は、被検出装置199の動作状態を検出するための専用の装置であっても良く、汎用の装置に状態検出プログラムをインストールして実行することにより実現されてもかまわない。本実施の形態1の場合、汎用の装置としてスマートフォンが採用された場合について説明するが、スマートフォン以外のパソコンやウェアラブル端末などといった、機器で同様の構成をとってもよい。
【0024】
音取得手段201は、状態検出装置299の周囲の環境音200を取得する装置である。本実施の形態1の場合、音取得手段201は、スマートフォンに備わっているマイクロフォンであり、環境音200をアナログの音声データに変換する。
【0025】
AD変換部202は、音取得手段201で取得された環境音200のアナログ音声データをデジタル音声データに変換し、加工部204に送信する。
【0026】
加工部204は、受信したデジタル音声データから往復駆動手段102に関連する周波数を含む第一周波数帯のデータである第一判定データを抽出し、判定部206に送信する。加工部が特定の周波数帯を抽出する方法は、特に限定されるものではないが、本実施の形態1の場合、音声データをフーリエ変換により周波数成分に分解し、第一周波数帯に含まれる成分のみを第一判定データとして抽出している。フーリエ変換、および特定の周波数成分の抽出は、スマートフォンにインストールされた状態検出プログラムに含まれるモジュールにより実現されている。なお、加工部204は、フーリエ変換、および特定の周波数成分の抽出の少なくとも一方をハードウエアで実現しても良い。また、加工部204は、1または複数のバンドパスフィルタを用いることにより第一周波数帯に含まれる第一判定データを抽出してもかまわない。
【0027】
判定部206は、加工部204によって抽出された第一判定データに基づき往復駆動手段102の動作の有無を判定する処理部である。判定部206の動作の有無の判定方法は特に限定されるものではないが、例えば第一判定データの音圧と記憶部209に記憶されている第一閾値とを比較し、第一判定データの音圧が第一閾値以上の場合、被検出装置199の往復駆動手段102が動作していると判定し、第一閾値未満の場合、往復駆動手段102は動作していないと判定しても良い。判定部206の判定結果は、判定結果データとして報知制御部207に送信する。本実施の形態1の場合、これらの処理は、スマートフォンにインストールされた状態検出プログラムに含まれるモジュールにより実現されている。
【0028】
報知手段208は、判定部206から受信した判定結果データに基づき判定結果を報知する。報知手段208の報知方法は特に限定されるものではなく、例えば、視覚的、および聴覚的の少なくとも一方で使用者に判定結果を報知してもよい。本実施の形態1の場合、状態検出装置299は、スマートフォンにより実現されているため、報知手段208は、スマートフォンが備える液晶ディスプレイ等の表示装置、LED、およびスピーカの少なくとも1つである。報知制御部207は、受信した判定結果を使用者へ報知するために、報知手段208の状態を更新できる。
【0029】
記憶部209は、第一閾値の保持、過去の判定結果データなどを保持する。本実施の形態1の場合、記憶部209は、スマートフォンが備える、外部、または内部メモリである。
【0030】
以上のように構成された被検出装置199、および状態検出装置299について、各動作を以下に説明する。図3は、状態検出装置を用いて被検出装置の動作の有無を判定する処理を含む動作を示すフローチャートである。
【0031】
状態検出プログラムがスマートフォンにより実行され動作状態の検出が開始されると、被検出装置199の判定部206は、第一閾値を記憶部209から取得し設定する(S01)。
【0032】
次に、音取得手段201を用いて状態検出装置299周辺の環境音200を取得しながら、AD変換部202でサンプリングされ、デジタル音声データを生成する(S02)。
【0033】
生成したデジタル音声データを取得した加工部204は、高速フーリエ変換により周波数成分ごとのスペクトルデータに加工し、往復駆動手段102に関連する周波数を含む第一周波数帯のデータである第一判定データを加工部204が抽出する(S03)。本実施の形態1の場合、被検出装置199の往復駆動手段102は、270Hz近傍の音を発生させている。また、往復駆動手段102の駆動力により回転し周期的な打音を発生させる歯車などを備えていないため、往復駆動手段102以外に特定の周波数の音を発生させる原因となる部分が存在しない。状態検出装置299は、このような被検出装置199の特性を利用し、第一周波数帯を例えば270Hz±10Hzとしている。
【0034】
被検出装置199の判定部206は、加工部204により加工された第一判定データの音圧がステップS01で取得した第一閾値を越えるか否かを判定する(S04)。
【0035】
第一判定データの音圧が第一閾値以上である場合、判定部206が、往復駆動手段102が動作中であると判定し(S04:Yes)、被検出装置199の往復駆動手段102が動作していることを報知する(S05)。
【0036】
具体的な報知方法としては、図4に示すように、報知手段208は、判定結果表示エリア601、動作時間表示エリア602、動作回数表示エリア603を備えている。状態検出装置299は、往復駆動手段102が動作中であると判定している間は判定結果表示エリア601に「動作中」など往復駆動手段102が動作している旨を報知する表示を行い、同時に動作時間表示エリア602で表示する時間をカウントアップする。また、ある一定時間経過後に初めて往復駆動手段102が動作中であると判定した場合は動作回数表示エリア603をカウントアップする。
【0037】
一方、第一判定データの音圧が第一閾値未満である場合、判定部206が、往復駆動手段102が停止中であると判定し(S04:No)、被検出装置199の往復駆動手段102が停止していることを報知する(S06)。状態検出装置299は、往復駆動手段102が停止中であると判定している間は、図5に示すように、判定結果表示エリア601に「停止中」など往復駆動手段102が停止している旨を報知する表示を行う。動作時間表示エリア602、動作回数表示エリア603については何も表示されない。
【0038】
最後に状態検出を終了するかどうかの判定がなされ(S07)、終了しない場合はS02に戻り処理が繰り返される。
【0039】
次に判定精度の向上を図った判定部206の変形例1について説明する。判定部206は、加工部204によって抽出された第一判定データを周波数に基づき複数の区画に分割し、各区画における音圧の相対評価に基づき往復駆動手段102の動作の有無を判定することにより判定精度の向上を図っている。図6は、変形例1における加工部が抽出した第一周波数帯のスペクトルを示す図である。加工部204は、被検出装置199の往復駆動手段102の駆動周波数Aを中心として±40の範囲の第一周波数帯を抽出する。判定部206は、図6に示すように、加工部204によって抽出された第一判定データを、駆動周波数Aを含む区画である第二区画402と、第二区画402よりも周波数が低い区画である第一区画401、第二区画402よりも周波数が高い区画である第三区画403に分割する。判定部206は、それぞれの区画内の10Hzおきの複数(本実施の形態1の場合、3)の音圧の平均値を算出する。第一区画401の平均音圧をya、第二区画402の平均音圧をyb、第三区画403の平均音圧をycと記載する。
【0040】
ここで、環境音に往復駆動手段102の音が含まれていない状態、つまりyaとybとycの強度に優劣がない状態では、ya<yb>ycの状態が成立する確率は、25%となる。よって、往復駆動手段102が動作していない場合でも、スペクトル内に駆動周波数成分にピークがあると判定してしまう場合が25%存在する。
【0041】
そこで判定精度を向上させるため、往復駆動手段102が動作していない場合に、判定部206が安定して往復駆動手段102が動作していないとの判定が実施できる、つまりya≧ybまたはyb≦ycが安定して得られるように判定部206は、ya、yb、yc値に重みづけをもたせて判定に利用している。例えば、判定部206は、あらかじめ設定された重みである係数α(>1)を利用し、ya’=ya×α、yc’=yc×αとして判定前に平均音圧に重み付けを行い、ya’≧ybかつyb≦yc’の場合は、往復駆動手段102が停止中、それ以外は往復駆動手段102が動作中と判定する。
【0042】
なお、平均音圧ya、yb、yc値を決定する際に、記憶部209に保存した過去の平均音圧を利用し平均化して決定してもよい。これにより、瞬時的に発生した音ノイズの影響が緩和され、検出の精度を高くすることができる。
【0043】
また、重みづけに利用した係数に関しては、Ya、Ycにそれぞれ異なる係数α、係数βを用いてもよく、乗除算以外に加減算やそれらの組み合わせで重みづけを行ってもよい。
【0044】
次に判定精度の向上を図った判定部206の変形例2について説明する。判定部206は、取得時刻が異なる複数の第一判定データのそれぞれに基づき往復駆動手段102の動作の有無を判定し、複数の判定結果を総合して往復駆動手段102の動作の有無の判定結果が確からしいかを再判定することにより判定精度の向上を図っている。図7は、変形例2における、状態検出装置を用いて被検出装置の動作の有無を判定する処理を含む動作を示すフローチャートである。変形例2は、判定部206の変形例であるので、ステップS11~S14はステップS01~S04と同じ動作である。
【0045】
変形例2において、判定部206は、往復駆動手段102が動作しているか否かを判定(S14)した後、判定結果がいずれの場合も、過去に判定したn個の判定結果を記憶部209から取得する(S15)。本変形例2の場合、取得する過去の判定結果の数nは4である。
【0046】
次に、判定部206は、取得した過去直近の4つの判定結果、および最新の判定結果から被検出装置199の動作の有無の最新の判定結果が確からしいかを再判定する(S16)。図8図9は、複数の判定結果の群から、最新の判定結果の確からしさの再判定を行う際の処理例である。
【0047】
図8に示すように、最新の判定結果を含む5回分の判定結果のうち、動作有りの判定結果が4回以上存在する場合、判定部206は、往復駆動手段102は動作していることが確からしいとして動作有りの判定を行い、被検出装置199の往復駆動手段102が動作していることを報知する(S17)。
【0048】
一方、図9に示すように、最新の判定結果を含む5回分の判定結果のうち、動作有りの判定結果が1回以下存在する場合に、判定部206は、往復駆動手段102は動作していないことが確からしいとして、動作無しの判定を行い、被検出装置199の往復駆動手段102が停止していることを報知する(S18)。
【0049】
また、最新の判定結果を含む5回分の判定結果のうち、動作有りの判定結果が2回以上、3回以下の範囲で存在する場合、確からしさの判定を保留する。最新の判定結果を記憶部209に保持し、新しく音声データの生成(S12)に戻る。
【0050】
最後に状態検出を終了するかどうかの判定がなされ(S19)、終了しない場合はS12に戻り処理が繰り返される。
【0051】
以上のように、本実施の形態1において、状態検出装置299は、第一閾値を利用した判定により、被検出装置199の往復駆動手段102が動作しているか否かを判定することができる。
【0052】
また、変形例1の場合の様に、判定部206が第一周波数帯を、ピークを含む部分とその両側に分割し、それぞれの区画の音圧を所定の重みにより比較することにより往復駆動手段102が動作しているか否かの判定精度を向上させることができる。
【0053】
また、変形例2の場合の様に、実施の形態1、または変形例1によって得られた最新の判定結果を過去の判定結果を用いて確からしさを判定し、往復駆動手段102が動作しているか否かを再判定することによりさらに判定精度の向上を図ることが可能となる。また、変形例1で説明した、ya、yb、ycの重みづけ程度を軽くすることができ、検出感度を向上させることができる。
【0054】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を説明する。なお、前記実施の形態1と同様の作用や機能、同様の形状や機構や構造を有するもの(部分)には同じ符号を付して説明を省略する場合がある。また、以下では実施の形態1と異なる点を中心に説明し、同じ内容については説明を省略する場合がある。
【0055】
被検出装置199は、種類が異なったり、経時的な変化などにより、発生する音の周波数が変化する。例えば、往復駆動手段102の種類、外装ハウジングの形状、交換ブラシの種類、ブラッシングモード等が異なると、発生する音の周波数も異なる。従って、予め設定されている第一周波数帯、第一閾値、または重み係数では、往復駆動手段102が動作しているか否かを判定できない場合がある。
【0056】
そこで、実施の形態2に係る状態検出装置299は、図10に示すように、実施の形態1に係る状態検出装置299の構成に加えて、状態取得部205を備えている。
【0057】
状態取得部205は、被検出装置199の動作状態を使用者から取得する処理部である。実施の形態2の場合においても、被検出装置199は、スマートフォンが採用されており、状態取得部205は、スマートフォンが備えているタッチパネルへの使用者からの入力に基づき被検出装置199の動作状態を取得する。
【0058】
判定部206は、状態取得部205から取得した動作状態と、音取得手段201が取得した音声データに基づき被検出装置199の動作の有無を判定する際に利用する判定情報を更新する。判定情報とは例えば、第一周波数帯、第一閾値、または重み係数などである。
【0059】
具体的に例えば、判定部206は、往復駆動手段102が動作していない状態の音声データと動作している状態の音声データを比較して、判定に最適な第一周波数帯にデータを更新してもよい。
【0060】
また、被検出装置199の往復駆動手段102が動作していない場合に安定して平均音圧がya<yb>ycとなる確率がある一定以下となるようにya、yb、ycに対して重みづけを行うための係数を更新してもよい。
【0061】
また、往復駆動手段102が動作している、していないの確からしさを判定するために用いる過去の判定結果の数nを固定とした場合に、n回の中で往復駆動手段102が動作している判定が確からしいとするために必要な動作有りの判定結果の回数「M1」とn回の中で動作していない判定が確からしいとするために必要な動作有りの判定結果の回数「M2」を更新してもよい。
【0062】
具体的には、重み係数αを更新する際の動作を一例として説明する。図11は、重み係数αを更新するための動作を示すフローチャートである。
【0063】
まず、閾値条件を更新する処理が開始すると、状態検出装置299の報知手段208には図12に示すように、使用者に検出したい被検出装置199の動作を停止させることを促す内容が表示される(S21)。次に状態検出装置299は状態取得部205の状態を監視し、使用者が往復駆動手段102の動作を止めたどうかを判定する(S22)。具体的には、使用者は、被検出装置199の往復駆動手段102を停止させた後に、GUIにより形成される「停止しています」ボタンに触れることで、被検出装置199は、音取得手段201を用いてデジタル音声データを生成する。
【0064】
使用者が被検出装置199の動作を止めたことが確認できる入力が得られた場合(S22:Yes)、状態検出装置299は、実施の形態1で説明した判定の処置を行い、判定部206は、判定結果を生成する(S23)。判定結果の生成は複数回実施する。
【0065】
次に判定回数がある一定以上となったかを判定し(S24)、回数が到達していれば(S24:Yes)往復駆動手段102が動作していると判定した確率を算出し目標の範囲内かを判断する(S25)。
【0066】
往復駆動手段102が動作している判定結果の判定確率が目標の範囲内であれば調整完了として先の係数と同じ値を更新して(S26)終了する。一方、目標範囲外であれば、重み係数αを変更し、再度判定結果生成(S23)に戻る。
【0067】
以上のように、本実施の形態2において、状態検出装置299は、判定情報を環境や被検出装置199の機種などに適した値に更新することができる。これにより、例えば洗面所にて、被検出装置199と同一の周波数成分を有する他機器が動作しているような環境でも、被検出装置199が動作していいない場合の環境音から最適な判定情報を再構成できるため、被検出装置199が動作していることを高い精度で検出可能になる。
【0068】
(実施の形態3)
状態検出システムの実施の形態3について説明する。なお、前記実施の形態1、2と同様の作用や機能、同様の形状や機構や構造を有するもの(部分)には同じ符号を付して説明を省略する場合がある。また、以下では実施の形態1、2と異なる点を中心に説明し、同じ内容については説明を省略する場合がある。
【0069】
実施の形態3では、被検出装置199は、往復駆動手段102の駆動周波数を被検出装置199の状態に応じて変更することができる。状態検出装置299は、複数の駆動周波数を検出して、被検出装置199が動作中かどうか以外の状態も取得するができる。
【0070】
図13は、実施の形態3における被検出装置199の構成を示すブロック図である。実施の形態3に係る被検出装置199は、実施の形態1に加えて、被検出装置199の状態を特定する状態特定手段113を備えている。
【0071】
状態特定手段113は、被検出装置199の状態、例えば、取り付けられているアタッチメントの種類、使用者の被検出装置199の使用状態、被検出装置199の電源部111であるバッテリの残量など状態を特定する。本実施の形態3の場合、状態特定手段113は、取付部101にかかる外部応力を検出することにより使用者の被検出装置199の使用状態を特定する。具体的には、状態特定手段113は、圧力センサーや、ひずみセンサーや、ホールICなどであり、アタッチメント100への外部応力を取付部101の構造的な変化を介して電気信号へ変換するものである。これにより、使用者がアタッチメント100を強く押し当てている状態などを特定することができる。状態特定手段113からの信号は演算部109に伝え、演算部109にて、使用状態が把握される。
【0072】
被検出装置199は、往復駆動手段102が異なる周波数で動作する複数の駆動モードを備えている。具体的には、被検出装置199は、通常は第一駆動モードで動作し、状態特定手段113からの情報に基づき、被検出装置199の状態が所定の状態の場合、演算部109は、通常の第一周波数とは異なる第二周波数で往復駆動手段102が動作する第二駆動モードとなるように駆動制御部103に指示を与える。
【0073】
実施の形態3に係る状態検出装置299は、実施の形態1、または2に係る状態検出装置299の構成と同じである。状態検出装置299の加工部204は、取得した音声データから第一周波数帯とは異なる第二周波数帯のデータである第二判定データも抽出することができる。第二周波数帯とは、被検出装置199の第二駆動モードによって往復駆動手段102から発生する第二周波数の音が含まれている。
【0074】
判定部206は、加工部204により抽出された第一判定データ、および第二判定データに基づき被検出装置199の状態を判定する。
【0075】
図14は、本実施の形態3において、被検出装置内の状態特定手段の出力信号と本信号が入力される演算部で管理されている駆動モードの時間的変化の例を示している。本例では、状態特定手段113の出力信号は0/1であり、0はアタッチメント100からの応力が正常範囲内であることを示し、1はアタッチメント100からの応力が異常であるとして説明を行う。
【0076】
状態特定手段113からの信号が0の場合、アタッチメント100への応力が正常であるから、駆動モードは第一駆動モードである。状態特定手段113からの信号が1の場合、使用者の押圧が異常であることを使用者に通知する目的で演算部109は駆動制御部103へ第二駆動モードで動作するように指示する。第二駆動モードは例えば、通常振幅と通常周波数で駆動される期間T1と第二振幅と第二周波数で駆動される期間T2の繰り返しで構成される。
【0077】
状態検出装置299の加工部204は、音取得手段201から得られた音声データから第一周波数を含む第一周波数帯の第一判定データ、および第二周波数を含む第二周波数帯の第二判定データを抽出する。
【0078】
判定部206は、第一判定データ、および第二判定データを用いて、実施の形態1、または2の判定手法により、往復駆動手段102から発生している音が含まれているか否かを判定する。この判定結果を経時的に保存することにより、第一周波数の音が期間T1継続している状態と、第二周波数の音が期間T2継続している状態とが交互に発生していることが検出できる。
【0079】
以上のように、本実施の形態において、被検出装置199は、アタッチメント100へ印加されている応力を検出する状態特定手段113の出力信号によって駆動モードを変更することができる。また、状態検出装置299は、駆動モードの変化によって特徴づけられた駆動周波数の変化を検出することで使用者へ押圧力の状態を、報知手段208を用いて報知することができる。
【0080】
これにより、例えば被検出装置199が電動歯ブラシの場合などでは、使用者がアタッチメント100である交換可能な歯ブラシを強く押し当てたことを状態検出装置299で通知し、使用者へ報知することができる。
【0081】
また、被検出装置199は、第一振幅値、第二振幅値、期間T1、期間T2等の組み合わせのパターンを複数個保持しておき、状態特定手段113からの出力値に応じて、組み合わせのパターンを変化させてもよい。これにより、被検出装置199の複数の状態を状態検出装置299に通知することが可能となる。
【0082】
また、本実施の形態3において、被検出装置199の演算部109は状態特定手段113からの信号以外に、電源監視部112からの信号、検出部108からの情報を利用して、駆動モードを変更してもよい。これにより、被検出装置199の電池容量が低下しているかどうかなどを使用者に通知できる。
【0083】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。なお、前記実施の形態1、2、3と同様の作用や機能、同様の形状や機構や構造を有するもの(部分)には同じ符号を付して説明を省略する場合がある。また、以下では実施の形態1、2、3と異なる点を中心に説明し、同じ内容については説明を省略する場合がある。
【0084】
実施の形態4では、状態検出装置299の報知手段208は、判定結果表示エリア601にて、「動作中」または「停止中」といった、被検出装置199の状態表示以外に、被検出装置199を使用しているユーザーにとって有益な有益情報を複数の画像で表示することが可能である。ここで、前記有益情報とは、例えば、歯ブラシ利用に際するユーザーのスキルを高めるための適切な使用方法に関する情報であり、ユーザーの歯に対する被検出装置199の位置、ユーザーの歯に対する被検出装置199の向き、ユーザーの歯に対する被検出装置199の相対的な移動方向、ユーザーが歯に対して被検出装置199を押しつける際の押付力、被検出装置199の使用時間、および被検出装置199の設定状態のいずれか1つ以上を含んでいる。具体的には有益情報として、歯へのブラシの当て方の画像、または、押圧力を示す数値や棒グラフ、または、部位ごとの磨き時間を示す数字、または、ブラシの種類、または、駆動モードなどがある。
【0085】
図15の(a)で示す部分、(b)で示す部分、(c)で示す部分は、実施の形態4において、判定結果表示エリア601に表示される前記有益情報の例であり、図15の(a)で示す部分は、右奥歯の適切な磨き方、図15の(b)で示す部分は、前歯の適切な磨き方、図15の(c)で示す部分は、左奥歯の適切な磨き方を示す画像である。ここで、前記の画像により歯の正しい磨き方という動画が構成され、ユーザーに啓蒙されるとして以下説明する。
【0086】
状態検出装置299が、往復駆動手段102が動作していると判定している間は、ユーザーは歯磨きをしていることが予想されるから、状態検出装置299は、判定結果表示エリア601に表示する画像を図15に示すように(a)、(b)、(c)の順に変更することで、歯の正しい磨き方をユーザーに啓蒙する。
【0087】
一方、状態検出装置299が、往復駆動手段102が停止中であると判定している間は、ユーザーは歯磨きをしていないことが予想されるから、判定結果表示エリア601に表示される画像の変更を停止させる。
【0088】
以上のように、本実施の形態において、被検出装置199は、判定結果表示エリア601を介して、被検出装置199の状態表示以外の有益情報を被検出装置199の動作状態と連動させて表示させることができる。これにより、被検出装置199を使用中のユーザーに対し、より啓蒙効果が高い有益情報の報知を行うことができる。
【0089】
また、本実施の形態4において、状態検出装置299の報知手段208は、検出装置199を使用しているユーザーにとって有益な有益情報を、画像以外に、五感を刺激する情報、例えば、音声、振動、皮膚への刺激、匂い、味覚、それら情報を組み合わせた方法で報知してもよく、それらを被検出装置199の動作状態と連動させて変化させてもよい。
【0090】
なお、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本開示の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本開示の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本開示に含まれる。
【0091】
なお、加工部204が抽出する第一周波数帯は、1つの周波数帯に限定されるものではなく、高次の倍音などを含む周波数帯を含めて第一周波数帯としても良い。
【0092】
また、被検出装置199は、電動歯ブラシに限定されるものではなく、電動シェーバー、電動バリカンなどでもかまわない。
【0093】
また、加工部204は、第一周波数帯の抽出にフーリエ変換を用いたが、単数、または複数のバンドパスフィルタを用いて第一周波数帯などを抽出してもかまわない。
【0094】
また、加工部204、判定部206等をコンピュータで機能させるプログラムとして説明したが、アナログ回路、またはデジタル回路により実現してもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本開示は、往復駆動手段を搭載した装置の動作状態の検出に適用可能である。具体的には、電動歯ブラシ、電動シェーバー、電動バリカン、理容機器、美容機器など往復駆動手段を備えた製品の動作状態の検出に本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
100 アタッチメント
101 取付部
102 往復駆動手段
103 駆動制御部
104 表示部
105 表示制御部
106 操作部
107 操作処理部
108 検出部
109 演算部
111 電源部
112 電源監視部
113 状態特定手段
199 被検出装置
200 環境音
201 音取得手段
202 変換部
204 加工部
205 状態取得部
206 判定部
207 報知制御部
208 報知手段
209 記憶部
299 状態検出装置
401 第一区画
402 第二区画
403 第三区画
601 判定結果表示エリア
602 動作時間表示エリア
603 動作回数表示エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15