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特許7479024登記情報出力システム、登記情報出力方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】登記情報出力システム、登記情報出力方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/29 20190101AFI20240426BHJP
   G06F 16/387 20190101ALI20240426BHJP
   G06Q 50/16 20240101ALI20240426BHJP
【FI】
G06F16/29
G06F16/387
G06Q50/16
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023121938
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2021086231の分割
【原出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2023134825
(43)【公開日】2023-09-27
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】598040488
【氏名又は名称】株式会社JON
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 元
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-167897(JP,A)
【文献】特開平10-302051(JP,A)
【文献】特開2010-015322(JP,A)
【文献】特開2015-179553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住所表記を示す検索条件文字列を受け付ける受付手段と、
前記検索条件文字列が示す住所表記の親番に基づいて、前記検索条件文字列が示す住所表記の種類を推定する推定手段と、
推定される前記種類と、前記検索条件文字列が示す住所表記と、に基づいて特定される不動産の登記情報を出力する登記情報出力手段と、
を含むことを特徴とする登記情報出力システム。
【請求項2】
登記情報出力システムが、住所表記を示す検索条件文字列を受け付けるステップと、
前記登記情報出力システムが、前記検索条件文字列が示す住所表記の親番に基づいて、前記検索条件文字列が示す住所表記の種類を推定するステップと、
前記登記情報出力システムが、推定される前記種類と、前記検索条件文字列が示す住所表記と、に基づいて特定される不動産の登記情報を出力するステップと、
を含むことを特徴とする登記情報出力方法。
【請求項3】
住所表記を示す検索条件文字列を受け付ける手順、
前記検索条件文字列が示す住所表記の親番に基づいて、前記検索条件文字列が示す住所表記の種類を推定する手順、
推定される前記種類と、前記検索条件文字列が示す住所表記と、に基づいて特定される不動産の登記情報を出力する手順、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置特定システム、位置特定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示された地図を介して指定される不動産に関する申請データを生成することで、不動産に関係する申請等の諸手続きの効率化に寄与する電子申請データ処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-219564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術において、入力される検索条件文字列が示す住所表記に基づく検索結果である位置を含む領域の地図が表示されるようにすることが考えられる。このようにすると、ユーザは、申請を行いたい不動産の住所表記を示す検索条件文字列を入力することにより表示される地図を用いて、より円滑に不動産に関する申請を行うことができる。
【0005】
ここで上述の検索において、ユーザによって住所表記の種類(例えば、地番、家屋番号、住居表示番号など)が指定できるようにすると、当該種類の住所表記と地図上の位置とが対応付けられたデータを参照することで、検索結果である位置を的確に特定できる。
【0006】
しかし、例えば検索条件文字列が示す住所表記の種類をユーザが知らない場合のように、住所表記の種類が指定されない場合は、位置の検索において参照すべきデータを特定することができず、その結果、検索結果である位置を的確に特定できない。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、検索条件文字列が示す住所表記の種類が指定されなくても、検索条件文字列の検索結果である位置を的確に特定できる位置特定システム、位置特定方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る位置特定システムは、住所表記を示す検索条件文字列を受け付ける受付手段と、前記検索条件文字列が示す住所表記の親番に基づいて、前記検索条件文字列が示す住所表記の種類を推定する推定手段と、推定される種類の住所表記と地図上の位置とが対応付けられている参照データを参照することにより、前記検索条件文字列が示す住所表記に対応する地図上の位置を特定する位置特定手段と、を含む。
【0009】
本発明の一態様では、前記推定手段は、前記検索条件文字列が示す住所表記の親番が100以上であること、又は、前記検索条件文字列が示す住所表記の親番に漢字若しくは仮名が含まれること、のいずれかの条件を満足するか否かに基づいて、前記検索条件文字列が示す住所表記が地番であるか住居表示番号であるかを推定する。
【0010】
この態様では、前記位置特定手段は、前記検索条件文字列が住居表示番号を示すものであると推定される場合は、住居表示番号と地図上の位置とが対応付けられている前記参照データである住居表示参照データを参照することにより特定される当該検索条件文字列が示す住所表記に対応する位置に加え、地番と地図上の位置とが対応付けられている前記参照データである地番参照データを参照することにより当該検索条件文字列が示す住所表記に対応する位置をさらに特定してもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記受付手段が家屋番号を示す前記検索条件文字列を受け付ける場合に、家屋番号と地番とが対応付けられている敷地地番管理データを参照することにより、当該家屋番号に対応する地番を特定する地番特定手段、をさらに含み、前記地番特定手段により地番が特定される場合は、前記位置特定手段は、地番と地図上の位置とが対応付けられている前記参照データである地番参照データにおいて当該地番に対応付けられている位置を特定し、前記地番特定手段により地番が特定されない場合に、前記位置特定手段は、前記地番参照データにおいて前記検索条件文字列が示す家屋番号に一致する地番に対応付けられている地図上の位置、及び、前記地番参照データにおいて前記検索条件文字列が示す家屋番号の都道府県から枝番までの部分が一致する地番に対応付けられている地図上の位置を特定する。
【0012】
また、本発明に係る位置特定方法は、受付手段が、住所表記を示す検索条件文字列を受け付けるステップと、推定手段が、前記検索条件文字列が示す住所表記の親番に基づいて、前記検索条件文字列が示す住所表記の種類を推定するステップと、位置特定手段が、推定される種類の住所表記と地図上の位置とが対応付けられている参照データを参照することにより、前記検索条件文字列が示す住所表記に対応する地図上の位置を特定するステップと、を含む。
【0013】
また、本発明に係るプログラムは、住所表記を示す検索条件文字列を受け付ける手順、前記検索条件文字列が示す住所表記の親番に基づいて、前記検索条件文字列が示す住所表記の種類を推定する手順、推定される種類の住所表記と地図上の位置とが対応付けられている参照データを参照することにより、前記検索条件文字列が示す住所表記に対応する地図上の位置を特定する手順、をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】検索画面の一例を示す図である。
図3】地図画像の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るサーバで実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図5】処理データの一例を示す図である。
図6】順序データの一例を示す図である。
図7A】本発明の一実施形態に係るサーバにおいて行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
図7B】本発明の一実施形態に係るサーバにおいて行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
図8】本発明の一実施形態に係るサーバにおいて行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1には、いずれもコンピュータを中心に構成されたサーバ10と端末12とが含まれている。サーバ10と端末12とは、インターネットなどのコンピュータネットワーク14に接続されており、サーバ10と端末12とは互いに通信可能になっている。
【0017】
本実施形態に係るサーバ10は、例えば、不動産の登記情報の提供や不動産に関する電子申請サービスの提供を行うサーバコンピュータである。
【0018】
図1に示すように、サーバ10には、例えば、プロセッサ10a、記憶部10b、通信部10cが含まれている。
【0019】
プロセッサ10aは、例えばCPU等のプログラム制御デバイスであって、記憶部10bに記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。
【0020】
記憶部10bは、例えばROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである。記憶部10bには、プロセッサ10aによって実行されるプログラムなどが記憶される。
【0021】
通信部10cは、例えばコンピュータネットワーク14を介して、端末12などといったコンピュータとの間でデータを授受するための通信インタフェースである。
【0022】
本実施形態に係る端末12は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどのコンピュータである。
【0023】
図1に示すように、端末12には、例えば、プロセッサ12a、記憶部12b、通信部12c、出力部12d、入力部12e、が含まれている。
【0024】
プロセッサ12aは、例えばCPU等のプログラム制御デバイスであって、記憶部12bに記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。
【0025】
記憶部12bは、例えばROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである。記憶部12bには、プロセッサ12aによって実行されるプログラムなどが記憶される。
【0026】
通信部12cは、例えばコンピュータネットワーク14を介して、サーバ10などといったコンピュータとの間でデータを授受するための通信インタフェースである。
【0027】
出力部12dは、例えばプロセッサ12aから入力される指示に従って情報を表示出力するディスプレイ等の表示部や音声出力するスピーカ等の音声出力部等である。
【0028】
入力部12eは、例えばユーザが行った操作の内容をプロセッサ12aに出力するマウス、キーボード、タッチパッド、マイク等である。
【0029】
なお、端末12に、出力部12dと入力部12eの役割を兼ねるタッチパネルが含まれていてもよい。
【0030】
図2は、本実施形態に係る検索画面20の一例を示す図である。本実施形態では例えば、端末12の出力部12dに表示される検索画面20に対して、ユーザが入力部12eを介して入力を行うことで、住所表記を示す検索条件文字列、及び、当該住所表記の種類を示す住所表記種類属性を指定できるようになっている。そして、指定された検索条件文字列、及び、指定された住所表記種類属性を示す属性情報が、端末12からサーバ10に送信される。
【0031】
例えば、入力フォーム22に検索条件文字列が入力され、それぞれ住所表記種類属性に対応付けられている複数のラジオボタン24のうちのいずれかが選択された状態で、ユーザが検索ボタン26をクリックしたとする。すると、入力された検索条件文字列、及び、選択されたラジオボタン24に対応する住所表記種類属性を示す属性情報が、端末12からサーバ10に送信される。
【0032】
検索条件文字列が示す住所表記の種類としては、例えば、地番、家屋番号、住居表示番号、などが挙げられる。また、検索条件文字列が示す住所表記の種類をユーザが知らない場合などのために、住所表記種類属性として「不明」が指定できるようになっている。
【0033】
そして、サーバ10において、当該検索条件文字列に対応する地図上の位置が特定される。ここでは例えば、検索条件文字列に対応する地図上の緯度及び経度の組合せが特定される。そして、図3に示されている、特定された地図上の位置が示された地図画像30が生成され、サーバ10から端末12に送信される。そして、端末12の出力部12dに地図画像30が表示される。ここで図3に示すように、特定された位置が中心に配置された地図画像30が表示されてもよい。図3の例では、検索条件文字列に対応する位置を表すマーカ32が地図画像30に配置されている。なお、図3の例では、マーカ32は、二重丸形状であるが、マーカ32の形状は二重丸形状に限定されない。
【0034】
このようにして本実施形態によれば、検索条件文字列に対応する地図上の位置が特定される。そして、特定された地図上の位置が示された地図画像30が端末12に表示される。
【0035】
ここで本実施形態に係る情報処理システム1において、ユーザが端末12に対して所定の操作を行うことで、地図画像30において位置が示されている不動産の登記情報が端末12の出力部12dに表示されるようにしてもよい。また、本実施形態に係る情報処理システム1において、ユーザが端末12に対して所定の操作を行うことで、地図画像30において位置が示されている不動産に関する、変更、滅失、移転、住所変更、抵当権抹消等の電子申請が行えてもよい。
【0036】
以下、検索条件文字列に対応する地図上の位置の特定を中心に、本実施形態に係るサーバ10の機能及びサーバ10で行われる処理についてさらに説明する。
【0037】
図4は、本実施形態に係るサーバ10で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係るサーバ10で、図4に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図4に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
【0038】
図4に示すように、本実施形態に係るサーバ10には、機能的には例えば、地図データ記憶部40、V1コード管理データ記憶部42、筆ポリゴンデータ記憶部44、家形ポリゴンデータ記憶部46、住居表示ポイントデータ記憶部48、町丁目ポリゴンデータ記憶部50、庁舎ポイントデータ記憶部52、処理管理データ記憶部54、敷地地番管理データ記憶部56、受付部58、V1コード特定部60、住所表記種類特定部62、住所表記種類推定部64、位置特定部66、表示制御部68、が含まれる。
【0039】
地図データ記憶部40、V1コード管理データ記憶部42、筆ポリゴンデータ記憶部44、家形ポリゴンデータ記憶部46、住居表示ポイントデータ記憶部48、町丁目ポリゴンデータ記憶部50、庁舎ポイントデータ記憶部52、処理管理データ記憶部54、敷地地番管理データ記憶部56は、記憶部10bを主として実装される。受付部58は、通信部10cを主として実装される。V1コード特定部60、住所表記種類特定部62、住所表記種類推定部64、位置特定部66は、プロセッサ10aを主として実装される。表示制御部68は、プロセッサ10a及び通信部10cを主として実装される。サーバ10は、本実施形態において、検索条件文字列に対応する地図上の位置を特定する位置特定システムとしての役割を担うこととなる。
【0040】
以上の機能は、コンピュータであるサーバ10にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ10aで実行することにより実装されてもよい。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介してサーバ10に供給されてもよい。
【0041】
地図データ記憶部40は、本実施形態では例えば、地図画像30の生成に用いられる地図データを記憶する。
【0042】
V1コード管理データ記憶部42は、所在と、当該所在に対応するV1コードやV1コード住居表示フラグなどを対応付けたV1コード管理データを記憶する。
【0043】
本実施形態に係る所在とは、住所表記のうち、都道府県から丁目あるいは字までが示されている部分を指す。そして、本実施形態では、それぞれの所在には、当該所在の識別情報であるV1コードが一意に割り当てられている。
【0044】
また、本実施形態では、V1コード管理データに、当該V1コード管理データに対応付けられる所在が住居表示実施地域であるか住居表示実施地域でない(すなわち地番地域である)かを示す、V1コード住居表示フラグが含まれている。当該V1コード管理データに対応付けられる所在が属する地域が住居表示実施地域である場合は、当該V1コード管理データに含まれるV1コード住居表示フラグの値は「1」である。また、当該V1コード管理データに対応付けられる所在が属する地域が住居表示実施地域でない場合は、当該V1コード管理データに含まれるV1コード住居表示フラグの値は「0」である。
【0045】
筆ポリゴンデータ記憶部44は、本実施形態では例えば、地番と、当該地番に対応付けられる不動産(土地)を表す地図上のポリゴンとを対応付けた筆ポリゴンデータを記憶する。
【0046】
家形ポリゴンデータ記憶部46は、本実施形態では例えば、地番若しくは住居表示番号と、当該地番若しくは当該住居表示番号に対応付けられる不動産(建物)を表す地図上のポリゴンとを対応付けた家形ポリゴンデータを記憶する。
【0047】
住居表示ポイントデータ記憶部48は、本実施形態では例えば、住居表示番号と、当該住居表示番号に対応付けられる地図上の位置とを対応付けた住居表示ポイントデータを記憶する。
【0048】
町丁目ポリゴンデータ記憶部50は、本実施形態では例えば、所在と、当該所在に対応付けられる地域を表す地図上のポリゴンとを対応付けた町丁目ポリゴンデータを記憶する。
【0049】
庁舎ポイントデータ記憶部52は、本実施形態では例えば、庁舎の住所表記と、当該住所表記に対応付けられる庁舎の地図上における位置とを対応付けた庁舎ポイントデータを記憶する。
【0050】
以下、上述の筆ポリゴンデータ、家形ポリゴンデータ、住居表示ポイントデータ、町丁目ポリゴンデータ、及び、庁舎ポイントデータのような、住所表記と地図上の位置とが対応付けられたデータを、参照データと呼ぶこととする。
【0051】
処理管理データ記憶部54は、本実施形態では例えば、図5に示されている処理データ、及び、図6に示されている順序データを記憶する。
【0052】
処理データは、例えば、地図上の位置の特定処理をどのように行うのかを示すデータである。処理データには、例えば、処理番号、原典資料データ、ヒット条件データ、位置座標タイプデータ、地番検索フラグ、住居表示検索フラグ、及び、次善点ランクデータが含まれる。
【0053】
処理番号は、例えば、処理データの識別情報である。
【0054】
原典資料データは、例えば、位置の特定処理に用いられる参照データを示すデータである。ここで原典資料データが、位置の特定処理に用いられる参照データの名称を示していてもよい。
【0055】
ヒット条件データは、例えば、位置の特定に用いられる条件を示すデータである。
【0056】
位置座標タイプデータは、例えば、参照データに示されているポリゴンの内包点(例えば重心等の代表点)の位置を特定するのか、参照データに示されているポイントの位置を特定するのかを示すデータである。
【0057】
地番検索フラグは、例えば、地番をキーとした位置の特定において、当該地番検索フラグを含む処理データに対応する処理を実行するか否かを示すフラグである。地番をキーとした位置の特定において、地番検索フラグの値が「1」である処理データに対応する処理は実行される可能性がある。また、地番をキーとした位置の特定において、地番検索フラグの値が「0」である処理データに対応する処理は実行されない。
【0058】
住居表示検索フラグは、例えば、住居表示番号をキーとした位置の特定において、当該住居表示検索フラグを含む処理データに対応する処理を実行するか否かを示すフラグである。住居表示番号をキーとした位置の特定において、住居表示検索フラグの値が「1」である処理データに対応する処理は実行される可能性がある。また、住居表示番号をキーとした位置の特定において、住居表示検索フラグの値が「0」である処理データに対応する処理は実行されない。
【0059】
以下、地番をキーとした位置の特定処理を、地番対応位置特定処理と呼び、住居表示番号をキーとした位置の特定処理を、住居表示対応位置特定処理と呼ぶこととする。また、地番対応位置特定処理により特定される地図上の位置を地番対応位置と呼び、住居表示対応位置特定処理により特定される地図上の位置を住居表示対応位置と呼ぶこととする。
【0060】
また、地番対応位置特定処理において参照される、地番と地図上の位置とが対応付けられている参照データを地番参照データと呼ぶこととする。また、住居表示対応位置特定処理において参照される、住居表示番号と地図上の位置とが対応付けられている参照データを住居表示参照データと呼ぶこととする。
【0061】
本実施形態では、図5に示すように、筆ポリゴンデータ、家形ポリゴンデータ、町丁目ポリゴンデータ、及び、庁舎ポリゴンデータが地番参照データにあたる。また本実施形態では、家形ポリゴンデータ、住居表示ポイントデータ、町丁目ポリゴンデータ、及び、庁舎ポリゴンデータが住居表示参照データにあたる。このように、地番対応位置特定処理では、筆ポリゴンデータは参照されるが住居表示ポイントデータは参照されない。また、住居表示対応位置特定処理では、住居表示ポイントデータは参照されるが筆ポリゴンデータは参照されない。
【0062】
次善点ランクデータは、例えば、特定される位置が最善であるか否かについての程度を表すデータである。図5の例では、処理データに対応する処理により位置が特定されることが最善である程度が高いほど当該処理データに含まれる次善点ランクデータの値は小さい。
【0063】
順序データは、例えば、処理データが示す処理の実行順序を示すデータである。図6に示すように、順序データには、処理番号と順序番号とが含まれている。本実施形態では例えば、検索条件文字列に対応する地図上の位置の特定において、順序番号が小さいものに対応付けられる処理番号に対応する処理から順に実行される。ここで上述のように、地番対応位置特定処理では、地番検索フラグの値が「0」である処理データに対応する処理はスキップされる。また、住居表示対応位置特定処理では、住居表示検索フラグの値が「0」である処理データに対応する処理はスキップされる。
【0064】
敷地地番管理データ記憶部56は、本実施形態では例えば、V1コードと、家屋番号と、地番と、を対応付けた敷地地番管理データを記憶する。敷地地番管理データでは、家屋番号と、当該家屋番号に対応する家屋が配置されている土地の地番と、が対応付けられている。
【0065】
受付部58は、本実施形態では例えば、住所表記を示す検索条件文字列を受け付ける。ここで受付部58が、検索条件文字列が示す住所表記の種類を示す属性情報を併せて受け付けてもよい。
【0066】
V1コード特定部60は、本実施形態では例えば、受付部58が受け付ける検索条件文字列に基づいて、当該検索条件文字列の一部が示す所在に対応付けられるV1コードを特定する。ここでは例えば、V1コード管理データ記憶部42に記憶されているV1コード管理データを参照することによって、検索条件文字列と部分一致する所在が示されているV1コード管理データに含まれるV1コードが特定される。
【0067】
V1コード特定部60は、検索条件文字列と部分一致する所在が示されているV1コード管理データが特定されない場合に、V1コードの値としてNULLを特定してもよい。なお、V1コードの特定において、漢数字とアラビア数字の違い、「ケ」、「ヶ」、「が」の表記ゆれ、「ツ」、「ッ」の表記ゆれ、などについては無視されるようにしてもよい。
【0068】
ここでV1コード特定部60が、さらに、特定されたV1コード管理データに示されている所在を特定してもよい。そして、V1コード特定部60は、検索条件文字列から所在が示されている部分を除いた文字列を特定してもよい。
【0069】
以下、検索条件文字列のうち所在が示されている部分を、所在文字列と呼び、検索条件文字列から所在が示されている部分を除いた部分を、区画文字列と呼ぶこととする。
【0070】
ここでV1コード特定部60は、区画文字列についての、全角英数字の半角英数字への置換や、「番」、「号」、「番地」等の文字のハイフンへの置換、などといった、検索条件文字列の正規化処理を実行してもよい。ここで「甲乙丙」などの漢字や「イロハ」などの仮名などといった、地番を構成する文字については、正規化処理が実行されても区画文字列に残るようにしてもよい。
【0071】
住所表記種類特定部62は、本実施形態では例えば、検索条件文字列が示す住所表記の種類を特定する。ここで例えば、住所表記種類特定部62は、受付部58が受け付けた属性情報に基づいて、検索条件文字列が示す住所表記の種類を特定してもよい。
【0072】
住所表記種類推定部64は、本実施形態では例えば、検索条件文字列に基づいて、当該検索条件文字列が示す住所表記の種類を推定する。ここで例えば、住所表記種類特定部62により検索条件文字列が示す住所表記の種類が特定されない場合に、検索条件文字列が示す住所表記の親番に基づいて、当該検索条件文字列が示す住所表記の種類が推定されてもよい。例えば、住所表記種類属性として「不明」が指定された場合や、住所表記種類属性の指定が行われなかった場合に、検索条件文字列が示す住所表記の種類の推定が行われてもよい。
【0073】
また、住所表記種類推定部64は、本実施形態では例えば、検索条件文字列が示す住所表記の親番に基づいて、当該検索条件文字列が示す住所表記の種類を推定してもよい。ここで本実施形態における住所表記の親番とは、区画文字列のなかで最も左に配置されているハイフンよりも左の部分を指すこととする。
【0074】
また、区画文字列にハイフンが1つ含まれる場合に当該ハイフンよりも右の部分を、枝番と呼ぶこととする。また、区画文字列にハイフンが2つ含まれる場合については、2つのハイフンに挟まれている部分を、枝番と呼ぶこととする。そして、区画文字列にハイフンが2つ含まれる場合に、区画文字列のなかで最も右に配置されているハイフンよりも右の部分を、孫番と呼ぶこととする。
【0075】
例えば、検索条件文字列の一部である区画文字列が「1234-5」である場合は、当該検索条件文字列が示す住所表記の親番は、「1234」となる。そして当該検索条件文字列が示す住所表記の枝番は、「5」となる。
【0076】
また例えば、検索条件文字列の一部である区画文字列が「105-1-1」である場合は、当該検索条件文字列が示す住所表記の親番は、「105」となる。そして当該検索条件文字列が示す住所表記の枝番は、「1」となる。そして当該検索条件文字列が示す住所表記の孫番は、「1」となる。
【0077】
また例えば、検索条件文字列の一部である区画文字列が「3-7-1」である場合は、当該検索条件文字列が示す住所表記の親番は、「3」となる。そして当該検索条件文字列が示す住所表記の枝番は、「7」となる。そして当該検索条件文字列が示す住所表記の孫番は、「1」となる。
【0078】
また例えば、検索条件文字列の一部である区画文字列が「甲71-3」である場合は、当該検索条件文字列が示す住所表記の親番は、「甲71」となる。そして当該検索条件文字列が示す住所表記の枝番は、「3」となる。
【0079】
また例えば、検索条件文字列の一部である区画文字列が「イ12-5」である場合は、当該検索条件文字列が示す住所表記の親番は、「イ12」となる。そして当該検索条件文字列が示す住所表記の枝番は、「5」となる。
【0080】
検索条件文字列が示す住所表記の種類の推定の具体例については後述する。
【0081】
位置特定部66は、本実施形態では例えば、住所表記種類特定部62により特定される住所表記の種類、又は、住所表記種類推定部64により推定される住所表記の種類に基づいて、検索条件文字列に示されている住居表示に対応する地図上の位置を特定する。ここで、特定される種類、あるいは、推定される種類の住所表記と地図上の位置とが対応付けられている参照データを参照することにより、検索条件文字列が示す住所表記に対応する地図上の位置が特定されてもよい。ここで地図上の位置として、例えば、緯度及び経度が特定されてもよい。
【0082】
位置特定部66による位置の特定処理では、図6に示されている順序データに含まれる順序番号が小さなものから順に、当該順序番号に対応付けられる処理番号を含む処理データが表す処理が実行される。ここで、上述のように、地番対応位置特定処理では、地番検索フラグの値に0が設定されている処理データが表す処理はスキップされる。また、住居表示対応位置特定処理では、住所表示検索フラグの値に0が設定されている処理データが表す処理はスキップされる。
【0083】
位置特定部66による位置の特定処理では、処理データに含まれる原典資料データが示す名称の参照データのうちから、処理データに含まれるヒット条件データが示す条件を満足するものが特定される。
【0084】
ヒット条件データが「住所完全一致」である場合は、含まれる地番又は住居表示番号が検索条件文字列と完全一致する参照データが特定される。ヒット条件データが「親番完全一致」である場合は、含まれる地番又は住居表示番号が、都道府県から親番までの記載において一致する参照データが特定される。ヒット条件データが「所在完全一致」の場合は、含まれる地番又は住居表示番号が、所在の記載において一致する参照データが特定される。ヒット条件データが「小字を除く所在完全一致」の場合は、含まれる地番又は住居表示番号が、小字を除く所在の記載において一致する参照データが特定される。ヒット条件データが「都道府県市区町村完全一致」の場合は、含まれる地番又は住居表示番号が、都道府県から市区町村までの記載において一致する参照データが特定される。ヒット条件データが「親番が最も近い値」の場合は、含まれる地番又は住居表示番号が、所在の記載が一致するものであって、親番が最も近い参照データが特定される。ここでヒット条件データが示す条件を満たす参照データが存在しない場合は、次の順序番号に対応する処理データについて位置の特定処理が実行される。
【0085】
そして、参照データが特定された場合は、特定された参照データに基づいて、地図上の位置が特定される。ここで実行中の処理に対応する処理データに含まれる位置座標タイプデータの値が「内包点」である場合は、特定された参照データにおいて、地番又は住所表示番号に対応付けられているポリゴンの代表点(例えば重心)の地図上の位置が特定される。また、実行中の処理に対応する処理データに含まれる位置座標タイプデータの値が「ポイント」である場合は、特定された参照データにおいて、地番又は住所表示番号に対応付けられているポイントの地図上の位置が特定される。
【0086】
ここで複数の参照データが特定された場合に、いずれかの参照データにおいて、地番又は住所表示番号に対応付けられている地図上の位置が特定されてもよい。あるいは、特定された複数の参照データのそれぞれについての地番又は住所表示番号に対応付けられている位置の代表点(例えば重心)の地図上の位置が特定されてもよい。あるいは、特定された複数の参照データのそれぞれについての地番又は住所表示番号に対応付けられているポリゴンを包含するポリゴン(例えば凸包)の代表点(例えば重心)の地図上の位置が特定されてもよい。また、参照データとして、複数のデータのそれぞれについての地番又は住所表示番号に対応付けられているポリゴンを包含するポリゴンを示すデータが記憶されている場合は、当該ポリゴンの代表点の地図上の位置が特定されてもよい。
【0087】
また、本実施形態では、位置特定部66による位置の特定処理において、地図上の位置とともに、地図上の位置が特定された際に実行された処理に対応する処理データに含まれる次善点ランクデータの値が特定される。
【0088】
例えば、地番対応位置特定処理では、まず、処理番号が1である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、筆ポリゴンデータが参照される。そして、筆ポリゴンデータにおいて、検索条件文字列が示す地番に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として1が特定される。
【0089】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が2である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、筆ポリゴンデータが参照される。そして、筆ポリゴンデータにおいて、検索条件文字列のうち都道府県から親番までの記載が一致する地番に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として2が特定される。
【0090】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が3である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、家形ポリゴンデータが参照される。そして、家形ポリゴンデータにおいて、検索条件文字列が示す地番に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として1が特定される。
【0091】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が4である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、家形ポリゴンデータが参照される。そして、家形ポリゴンデータにおいて、検索条件文字列のうち都道府県から親番までの記載が一致する地番に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として2が特定される。
【0092】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が10である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、筆ポリゴンデータが参照される。そして、筆ポリゴンデータにおいて、検索条件文字列が示す地番と所在の記載が一致し、かつ、親番が最も近い地番に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として2が特定される。
【0093】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が7である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、町丁目ポリゴンデータが参照される。そして、町丁目ポリゴンデータにおいて、所在文字列が示す所在に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として3が特定される。
【0094】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が8である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、町丁目ポリゴンデータが参照される。そして、町丁目ポリゴンデータにおいて、所在文字列が示す所在と小字を除く部分において完全一致する所在に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として4が特定される。
【0095】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が9である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、庁舎ポイントデータが参照される。そして、庁舎ポイントデータにおいて、検索条件文字列が示す地番と都道府県市区町村において完全一致する住所表記に対応付けられている庁舎(ポイント)の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として5が特定される。
【0096】
また例えば、住居表示対応位置特定処理では、まず、処理番号が3である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、家形ポリゴンデータが参照される。そして、家形ポリゴンデータにおいて、検索条件文字列が示す住居表示番号に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として1が特定される。
【0097】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が4である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、家形ポリゴンデータが参照される。そして、家形ポリゴンデータにおいて、検索条件文字列のうち都道府県から親番までの記載が一致する住居表示番号に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として2が特定される。
【0098】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が5である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、住居表示ポイントデータが参照される。そして、住居表示ポイントデータにおいて、検索条件文字列が示す住居表示番号に対応付けられているポイントの位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として1が特定される。
【0099】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が6である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、住居表示ポイントデータが参照される。そして、住居表示ポイントデータにおいて、検索条件文字列のうち都道府県から親番までの記載が一致する住居表示番号に対応付けられているポイントの位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として2が特定される。
【0100】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が7である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、町丁目ポリゴンデータが参照される。そして、町丁目ポリゴンデータにおいて、所在文字列が示す所在に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として3が特定される。
【0101】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が8である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、町丁目ポリゴンデータが参照される。そして、町丁目ポリゴンデータにおいて、所在文字列が示す所在と小字を除く部分において完全一致する所在に対応付けられているポリゴンの代表点の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として4が特定される。
【0102】
当該処理で位置が特定されない場合は、処理番号が9である処理データに対応する処理が実行される。当該処理では、庁舎ポイントデータが参照される。そして、庁舎ポイントデータにおいて、検索条件文字列が示す住居表示番号と都道府県市区町村において完全一致する住所表記に対応付けられている庁舎(ポイント)の位置が特定される。当該処理で位置が特定された場合は、次善点ランクデータの値として5が特定される。
【0103】
表示制御部68は、本実施形態では例えば、位置特定部66により特定される地図上の位置が示された情報を端末12に表示させる。ここで例えば、表示制御部68は、位置特定部66により特定される地図上の位置が示された地図画像30を生成してもよい。そして、表示制御部68が、生成される地図画像30を、端末12に送信してもよい。そして端末12は、受信した地図画像30を出力部12dに表示させてもよい。
【0104】
以下、本実施形態に係るサーバ10において行われる、検索条件文字列に示されている住居表示に対応する地図上の位置の特定処理の流れの一例を、図7A及び図7Bに例示するフロー図を参照しながら説明する。
【0105】
まず、受付部58が、端末12から検索条件文字列及び属性情報を受け付ける(S101)。
【0106】
そして、V1コード特定部60が、S101に示す処理で受け付けた検索条件文字列と部分一致する所在が示されているV1コード管理データに含まれるV1コードを特定する(S102)。ここではV1コード管理データ記憶部42に記憶されているV1コード管理データを参照することによりV1コードが特定される。S102に示す処理では、所在文字列の特定、区画文字列の特定が併せて実行される。また、上述の検索条件文字列の正規化処理も併せて実行される。
【0107】
そして、住所表記種類特定部62が、S101に示す処理で受け付けた属性情報に基づいて、住所表記の種類を特定する(S103)。
【0108】
そして、住所表記種類特定部62が、ユーザによって指定された住所表記の種類が不明であるか否かを判定する(S104)。ここで例えば、住所表記種類属性として「不明」が指定された場合、あるいは、住所表記種類属性が指定されなかった場合に、ユーザによって指定された住所表記の種類が不明であると判定されるようにしてもよい。
【0109】
S104に示す処理でユーザによって指定された住所表記の種類が不明であると判定されたとする(S104:Y)。この場合は、住所表記種類推定部64が、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の種類を推定する(S105)。住所表記の種類の推定については後述する。
【0110】
そして、位置特定部66が、S105に示す処理で推定された住所表記の種類が住所表示番号であるか否かを確認する(S106)。
【0111】
S106に示す処理で、S105に示す処理で推定された住所表記の種類が住所表示番号であることが確認されたとする(S106:Y)。この場合は、位置特定部66は、正規化処理が実行された検索条件文字列に基づいて、地番対応位置、及び、住居表示対応位置の両方を特定して(S107)、本処理例に示す処理は終了される。ここでは、上述の地番対応位置特定処理、及び、上述の住居表示対応位置特定処理の両方が実行される。
【0112】
S104に示す処理でユーザによって指定された住所表記の種類が不明でないと判定されたとする(S104:N)。この場合は、位置特定部66は、S103に示す処理で特定された住所表記の種類が地番であるか否かを確認する(S108)。
【0113】
S108に示す処理でS103に示す処理で特定された住所表記の種類が地番でないことが確認されたとする(S108:N)。この場合は、位置特定部66は、S103に示す処理で特定された住所表記の種類が家屋番号であるか否かを確認する(S109)。
【0114】
S109に示す処理でS103に示す処理で特定された住所表記の種類が家屋番号であることが確認されたとする(S109:Y)。この場合は、位置特定部66は、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す家屋番号に対応する敷地地番を特定する(S110)。ここでは敷地地番管理データが参照され、敷地地番管理データにおいて、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す家屋番号に対応付けられている地番が特定される。
【0115】
そして、位置特定部66が、上述の地番対応位置特定処理を実行し、S110に示す処理で特定された地番に対応する地番対応位置を特定して(S111)、本処理例に示す処理は終了される。
【0116】
S106に示す処理で、S105に示す処理で推定された住所表記の種類が住所表示番号でないことが確認されたとする(S106:N)。この場合も、位置特定部66が、上述の地番対応位置特定処理を実行し、正規化処理が実行された検索条件文字列に基づいて、地番対応位置を特定して(S111)、本処理例に示す処理は終了される。
【0117】
S109に示す処理でS103に示す処理で特定された住所表記の種類が家屋番号でないことが確認されたとする(S109:N)。この場合は、S103に示す処理で特定された住所表記の種類は、住居表示番号であることとなる。この場合は、位置特定部66は、上述の住居表示対応位置特定処理を実行し、正規化処理が実行された検索条件文字列に基づいて、住居表示対応位置を特定して(S112)、本処理例に示す処理は終了される。
【0118】
上述の処理例における、S111及びS112に示す処理では、位置特定部66は、地図上の位置が特定された際に実行された処理に対応する処理データに含まれる次善点ランクデータの値を併せて特定する。
【0119】
上述の処理例のS110に示す処理において、検索条件文字列が示す家屋番号に対応付けられている地番が存在しない場合などのように、検索条件文字列が示す家屋番号に対応付けられている地番が特定されないことがある。この場合、位置特定部66は、S111に示す処理において、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す家屋番号が地番であることとして、第1の地番対応位置特定処理を実行してもよい。またこの場合、位置特定部66は、S111に示す処理において、併せて、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す家屋番号の都道府県から枝番までの記載が地番であることとして、第2の地番対応位置特定処理を実行してもよい。
【0120】
そして、第1の地番対応位置特定処理及び第2の地番対応位置特定処理のそれぞれで特定された位置のうち、地図上の位置とともに特定された次善点ランクデータの値が小さな方が、S111に示す処理において特定される地図上の位置として採用されてもよい。
【0121】
次に、S105に示す住所表記の種類の推定処理の流れの一例を、図8に例示するフロー図を参照しながら説明する。
【0122】
まず、住所表記種類推定部64が、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の親番が100以上であるか否かを確認する(S201)。
【0123】
S201に示す処理で正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の親番が100以上でないことが確認されたとする(S201:N)。この場合、住所表記種類推定部64が、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の親番に漢字若しくは仮名が含まれるか否かを確認する(S202)。正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の親番に漢字若しくは仮名が含まれる場合とは、例えば、検索条件文字列が示す住所表記の親番が「甲71」や「イ12」である場合などが該当する。
【0124】
S202に示す処理で、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の親番に漢字も仮名も含まれていないことが確認されたとする(S202:N)。この場合、住所表記種類推定部64が、正規化処理が実行された検索条件文字列に対応するV1コード住居表示フラグの値が「0」であるか否かを確認する(S203)。ここでは例えば、S101に示す処理で受け付けた検索条件文字列と部分一致する所在が示されているV1コード管理データに含まれるV1コード住居表示フラグの値が確認される。
【0125】
正規化処理が実行された検索条件文字列に対応するV1コード住居表示フラグの値が「0」でない(すなわち「1」である)ことが確認されたとする(S203:N)。この場合は、検索条件文字列に対応する所在が属する地域は住居表示実施地域である。そのためこの場合、住所表記種類推定部64が、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の種類を住居表示番号と推定して(S204)、S105に示す処理が終了される。
【0126】
なお、S102に示す処理で特定されたV1コードの値がNULLである場合は、S203に示す処理でV1コード住居表示フラグの値は確認できない。この場合も、住所表記種類推定部64が、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の種類を住居表示番号と推定して(S204)、S105に示す処理が終了される。
【0127】
S201に示す処理で、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の親番が100以上であることが確認されたとする(S201:Y)。この場合は、住所表記種類推定部64が、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の種類を地番と推定して(S205)、S105に示す処理は終了される。
【0128】
S202に示す処理で、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の親番に漢字若しくは仮名が含まれていることが確認されたとする(S202:Y)。この場合も、住所表記種類推定部64が、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の種類を地番と推定して(S205)、S105に示す処理は終了される。
【0129】
S203に示す処理で、正規化処理が実行された検索条件文字列に対応するV1コード住居表示フラグの値が「0」であることが確認されたとする(S203:Y)。この場合は、検索条件文字列に対応する所在が属する地域は住居表示実施地域ではなく、地番地域である。そのためこの場合も、住所表記種類推定部64が、正規化処理が実行された検索条件文字列が示す住所表記の種類を地番と推定して(S205)、S105に示す処理が終了される。
【0130】
例えば、正規化処理が実行された検索条件文字列が「愛媛県松山市南江戸5丁目1234-5」であり、住所表記種類属性として「地番」が指定されたとする。この場合、地番対応位置特定処理において、処理番号が1である処理データに対応する処理が実行され、地番対応位置が特定される。また、次善点ランクデータの値として1が特定される。
【0131】
また例えば、正規化処理が実行された検索条件文字列が「愛媛県松山市南江戸5丁目1234-5」であり、住所表記種類属性が不明であることとする。この場合、検索条件文字列の親番が1234であることから、住所表記の種類は地番と推定される。そして、地番対応位置特定処理において、処理番号が1である処理データに対応する処理が実行され、地番対応位置が特定される。また、次善点ランクデータの値として1が特定される。
【0132】
また例えば、正規化処理が実行された検索条件文字列が「愛媛県松山市山越4丁目3-7」であり、住所表記種類属性として「住居表示番号」が指定されたとする。この場合、住居表示対応位置特定処理において、処理番号が3である処理データに対応する処理が実行される。ここで、当該処理において住居表示対応位置が特定できなかったとする。すると、処理番号が4である処理データに対応する処理が実行される。そして処理番号が4である処理データに対応する処理によって、住居表示対応位置が特定される。また、次善点ランクデータの値として2が特定される。
【0133】
また例えば、正規化処理が実行された検索条件文字列が「愛媛県松山市山越4丁目105-1-1」であり、住所表記種類属性が「家屋番号」であることとする。そしてS110に示す処理で家屋番号に対応する敷地地番が特定できなかったとする。この場合は、「愛媛県松山市山越4丁目105-1-1」、「愛媛県松山市山越4丁目105-1」のそれぞれをキーとした地番対応位置特定処理が実行される。
【0134】
ここで、「愛媛県松山市山越4丁目105-1-1」に対する地番対応位置特定処理では、処理番号が1である処理データに対応する処理で地番対応位置が特定できなかったとする。そして、処理番号が2である処理データに対応する処理で地番対応位置が特定できたとする。この場合は、また、次善点ランクデータの値として2が特定される。
【0135】
一方、「愛媛県松山市山越4丁目105-1」に対する地番対応位置特定処理では、処理番号が1である処理データに対応する処理で地番対応位置が特定できたとする。この場合は、また、次善点ランクデータの値として1が特定される。
【0136】
以上より、地図上の位置とともに特定された次善点ランクデータの値が小さい、「愛媛県松山市山越4丁目105-1」に対する地番対応位置特定処理で特定された地番対応位置が、S111における処理で特定される位置として採用されることとなる。
【0137】
検索条件文字列が示す住所表記の種類をユーザが知らない場合のように、住所表記の種類が指定されない場合は、位置の検索において参照すべき参照データを特定することができず、その結果、検索結果である位置を的確に特定できない。
【0138】
このことを踏まえ、本実施形態では、以上のようにして、住所表記種類推定部64が、検索条件文字列が示す住所表記の親番に基づいて、当該検索条件文字列が示す住所表記の種類を推定する。そして、位置特定部66が、推定される種類の住所表記と地図上の位置とが対応付けられている参照データを参照することにより、検索条件文字列が示す住所表記に対応する地図上の位置を特定する。
【0139】
このようにして本実施形態によれば、検索条件文字列が示す住所表記の種類が指定されなくても、検索条件文字列の検索結果である位置を的確に特定できることとなる。
【0140】
また、住所表記の親番が100以上である場合、又は、住所表記の親番に漢字若しくは仮名が含まれる場合は、当該住所表記が表す地域は地番地域である可能性が高い。このことを踏まえ、本実施形態では上述のように、住所表記種類推定部64が、検索条件文字列が示す住所表記の親番が100以上であること、又は、検索条件文字列が示す住所表記の親番に漢字若しくは仮名が含まれること、のいずれかの条件を満足するか否かに基づいて、検索条件文字列が示す住所表記が地番であるか住居表示番号であるかを推定する。例えば、検索条件文字列が示す住所表記の親番が100以上であること、又は、検索条件文字列が示す住所表記の親番に漢字若しくは仮名が含まれること、のいずれかの条件を満足する場合は、検索条件文字列が示す住所表記が地番であると推定される(S201、S202、S206参照)。こうすれば、検索条件文字列が示す住所表記の種類が地番であるか住居表示番号であるかを的確に推定できる。
【0141】
また本実施形態において、住所表示実施地域であっても地番が指定されることが考えられる。このことを踏まえ、本実施形態では、位置特定部66は、検索条件文字列が住居表示番号を示すものであると推定される場合は、住居表示対応位置特定処理に加え地番対応位置特定処理がさらに実行される(S106、S107参照)。ここで住居表示対応位置特定処理では、住居表示参照データを参照することにより特定される当該検索条件文字列が示す住所表記に対応する位置が特定される。そして、地番位置対応処理では、地番参照データを参照することにより当該検索条件文字列が示す住所表記に対応する位置が特定される。
【0142】
この場合、それぞれ地番対応位置及び住居表示対応位置を表す2つのマーカ32が配置された地図画像30が端末12に表示されるようにしてもよい。
【0143】
また本実施形態では、家屋番号を示す検索条件文字列を受け付ける場合は、位置特定部66は、敷地地番管理データを参照することにより、当該家屋番号に対応する地番を特定する(S110参照)。
【0144】
ここで、上述のように、家屋番号に対応する地番が特定される場合は、位置特定部66は、地番参照データにおいて当該地番に対応付けられている位置を特定する処理を含む地番対応位置特定処理を実行してもよい。
【0145】
また、家屋番号に対応する地番が特定されない場合に、位置特定部66は、地番参照データにおいて検索条件文字列が示す家屋番号に一致する地番に対応付けられている地図上の位置を特定する処理を含む地番対応位置特定処理を実行してもよい。またこの場合、位置特定部66は、さらに、地番参照データにおいて検索条件文字列が示す家屋番号の都道府県から枝番までの部分に一致する地番に対応付けられている地図上の位置を特定する処理を含む第2の地番対応位置特定処理を実行してもよい。そしてこの場合に、それぞれ特定される位置を表す2つのマーカ32が配置された地図画像30が端末12に表示されるようにしてもよい。また上述のように、特定される2つの位置のうち、併せて特定される次善点ランクデータの値が小さな方を表す2つのマーカ32が配置された地図画像30が端末12に表示されるようにしてもよい。
【0146】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0147】
例えば、家屋番号とポリゴンが対応付けられた参照データが存在する場合に、当該参照データにおいて検索条件文字列が示す家屋番号に対応するポリゴンが特定されてもよい。そして当該ポリゴンの代表点の地図上の位置が特定されるようにしてもよい。
【0148】
また例えばサーバ10と端末12の役割分担は上述のものに限定されない。例えば、端末12に地図データが記憶されていてもよい。そして、地図上の位置の情報と次善点ランクデータの値がサーバ10から端末12に送信されてもよい。そして端末12が、送信された地図上の位置の情報と地図データとに基づいて地図画像30を生成してもよい。そして端末12が、当該地図画像30を出力部12dに表示させてもよい。
【0149】
また上述の具体的な文字列や数値、並びに、図面中の具体的な文字列は例示であり、これらの文字列や数値には限定されない。
【符号の説明】
【0150】
1 情報処理システム、10 サーバ、10a プロセッサ、10b 記憶部、10c
通信部、12 端末、12a プロセッサ、12b 記憶部、12c 通信部、12d
出力部、12e 入力部、14 コンピュータネットワーク、20 検索画面、22 入力フォーム、24 ラジオボタン、26 検索ボタン、30 地図画像、32 マーカ、40 地図データ記憶部、42 V1コード管理データ記憶部、44 筆ポリゴンデータ記憶部、46 家形ポリゴンデータ記憶部、48 住居表示ポイントデータ記憶部、50 町丁目ポリゴンデータ記憶部、52 庁舎ポイントデータ記憶部、54 処理管理データ記憶部、56 敷地地番管理データ記憶部、58 受付部、60 V1コード特定部、62 住所表記種類特定部、64 住所表記種類推定部、66 位置特定部、68 表示制御部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8