(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】撮像装置及び撮像装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G03B 17/18 20210101AFI20240426BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20240426BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20240426BHJP
G03B 17/14 20210101ALI20240426BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20240426BHJP
H04N 23/55 20230101ALI20240426BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20240426BHJP
H04N 23/69 20230101ALI20240426BHJP
【FI】
G03B17/18
G02B7/04 E
G02B7/08 C
G03B17/14
G03B17/56 Z
H04N23/55
H04N23/63 310
H04N23/69
(21)【出願番号】P 2023143983
(22)【出願日】2023-09-05
【審査請求日】2023-09-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】岸田 直高
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-176401(JP,A)
【文献】特開2020-144240(JP,A)
【文献】特開2004-301926(JP,A)
【文献】特開2000-231149(JP,A)
【文献】特開2000-122147(JP,A)
【文献】特開2006-184814(JP,A)
【文献】特開2005-258202(JP,A)
【文献】特開2018-156115(JP,A)
【文献】特開2004-295004(JP,A)
【文献】特開2002-014405(JP,A)
【文献】特開2000-314834(JP,A)
【文献】特開平03-011312(JP,A)
【文献】特開平01-118120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/18
G02B 7/04
G02B 7/08
G03B 17/14
G03B 17/56
H04N 23/55
H04N 23/63
H04N 23/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行される命令を記憶したメモリと、
撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、
レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、
を備え、
前記交換レンズは、前記テレコンバータとの干渉を避けるために前記レンズを退避させる退避機構を有し、
前記命令は、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定することと、
前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出することと、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、前記レンズを退避させることによって焦点距離の調整が阻害される制限範囲にあるか否かを判定することと、
前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記表示パネルに表示される情報を変更することと、
を含む、
撮像装置。
【請求項2】
前記表示パネルに表示される情報を変更することは、前記表示パネルにメッセージを表示することを含む、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示パネルに表示される情報を変更することは、前記表示パネルに表示される前記撮像素子で撮像されている画像情報を他の表示情報に変更することを含む、
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記命令は、
前記ズーム位置が前記制限範囲から前記焦点距離の調整が阻害されない非制限範囲に移動したことを検出することと、
前記ズーム位置が前記非制限範囲に移動した場合、前記表示パネルに前記撮像素子で撮像された情報を表示することと、
をさらに含む、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記命令は、前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合において、
前記撮像素子によって動画を録画しているか否かを検出することと、
前記動画を録画している場合、前記動画の記録を停止することと、
をさらに含む、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記命令は、
前記ズーム位置が前記制限範囲から前記焦点距離の調整が阻害されない非制限範囲に移動したことを検出することと、
前記ズーム位置が前記非制限範囲に移動した場合、前記ズーム位置が前記制限範囲にあることにより停止した前記動画の記録を再開することと、
をさらに含む、
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記命令は、前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合において、
前記撮像素子によって動画を録画しているか否かを検出することと、
前記動画を録画している場合、前記撮像素子によって撮像されている画像情報を変更して前記動画を記録することと、をさらに含む、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記動画を記録することは、前記撮像素子によって撮像されている前記画像情報を他の画像情報に変更して動画を記録すること、を含む、
請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記動画を記録することは、メッセージを挿入して動画を記録すること、を含む、
請求項7に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記命令は、
前記テレコンバータの情報を取得することと
前記テレコンバータの情報に基づいて前記制限範囲を決定することと、
をさらに含む、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記交換レンズは、前記交換レンズを駆動する1つ又は複数のアクチュエータをさらに含み、
前記命令は、前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記1つ又は複数のアクチュエータへ印加する駆動電圧を停止すること、をさらに含む、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記交換レンズは、前記交換レンズを駆動する1つ又は複数のアクチュエータをさらに含み、
前記命令は、前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記1つ又は複数のアクチュエータの駆動状態を維持すること、をさらに含む、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記制限範囲は、Wide端から第1制限位置までの範囲であり、
前記第1制限位置は、前記交換レンズのレンズ焦点距離と前記テレコンバータの倍率に基づいて決定される、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記交換レンズは、前記ズーム位置をTele端から第2制限位置までの範囲に制限可能なズームリミットスイッチをさらに含み、
前記第1制限位置は、前記第2制限位置よりもWide端側に位置する、
請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行される命令を記憶したメモリと、
撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、
レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、
を備え、
前記交換レンズは、前記テレコンバータとの干渉を避けるために前記レンズを退避させる退避機構を有し、
前記命令は、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定することと、
前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出することと、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、前記レンズを退避させることによって焦点距離の調整が阻害される制限範囲にあるか否かを判定することと、
前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合において、
前記表示パネルに表示される情報を変更することと、
前記撮像素子によって動画を録画しているか否かを検出することと、
前記動画を録画している場合、前記動画の記録を停止することと、
前記動画を録画している途中で、前記ズーム位置が前記制限範囲にあることにより前記動画の記録を停止した場合において、
前記ズーム位置が前記制限範囲から前記焦点距離の調整が阻害されない非制限範囲に移動したことを検出することと、
前記ズーム位置が前記非制限範囲に移動した場合、前記ズーム位置が前記制限範囲にあることにより停止した前記動画の記録を再開することと、
を含む、
撮像装置。
【請求項16】
テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行される命令を記憶したメモリと、
撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、
レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、
を備え、
前記命令は、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定することと、
前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出することと、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、光学性能が悪化する制限範囲にあるか否かを判定することと、
前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合において、
前記表示パネルに表示される情報を変更することと、
前記撮像素子によって動画を録画しているか否かを検出することと、
前記動画を録画している場合、前記撮像素子によって撮像されている画像情報を変更して前記動画を記録することと、
を含む、
撮像装置。
【請求項17】
テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行される命令を記憶したメモリと、
撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、
レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、
を備え、
前記命令は、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定することと、
前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出することと、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、光学性能が悪化する制限範囲にあるか否かを判定することと、
前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記表示パネルに表示される情報を変更することと、
を含み、
前記制限範囲は、Wide端から第1制限位置までの範囲であり、
前記第1制限位置は、前記交換レンズのレンズ焦点距離と前記テレコンバータの倍率に基づいて決定され、
前記交換レンズは、前記ズーム位置をTele端から第2制限位置までの範囲に制限可能なズームリミットスイッチを含み、
前記第1制限位置は、前記第2制限位置よりもWide端側に位置する、
撮像装置。
【請求項18】
プロセッサにより実行される撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、
撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、
レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、
を備え、
前記交換レンズは、前記テレコンバータとの干渉を避けるために前記レンズを退避させる退避機構を有し、
前記制御方法は、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定するステップと、
前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出するステップと、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、前記レンズを退避させることによって焦点距離の調整が阻害される制限範囲にあるか否かを判定するステップと、
前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記表示パネルに表示される情報を変更するステップと、
を含む、
撮像装置の制御方法。
【請求項19】
プロセッサにより実行される撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、
撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、
レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、
を備え、
前記交換レンズは、前記テレコンバータとの干渉を避けるために前記レンズを退避させる退避機構を有し、
前記制御方法は、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定するステップと、
前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出するステップと、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、前記レンズを退避させることによって焦点距離の調整が阻害される制限範囲にあるか否かを判定するステップと、
前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合において、
前記表示パネルに表示される情報を変更するステップと、
前記撮像素子によって動画を録画しているか否かを検出するステップと、
前記動画を録画している場合、前記動画の記録を停止するステップと、
前記動画を録画している途中で、前記ズーム位置が前記制限範囲にあることにより前記動画の記録を停止した場合において、
前記ズーム位置が前記制限範囲から前記焦点距離の調整が阻害されない非制限範囲に移動したことを検出するステップと、
前記ズーム位置が前記非制限範囲に移動した場合、前記ズーム位置が前記制限範囲にあることにより停止した前記動画の記録を再開するステップと、
を含む、
撮像装置の制御方法。
【請求項20】
プロセッサにより実行される撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、
撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、
レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、
を備え、
前記制御方法は、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定するステップと、
前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出するステップと、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、光学性能が悪化する制限範囲にあるか否かを判定するステップと、
前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合において、
前記表示パネルに表示される情報を変更するステップと、
前記撮像素子によって動画を録画しているか否かを検出することと、
前記動画を録画している場合、前記撮像素子によって撮像されている画像情報を変更して前記動画を記録することと、
を含む、
撮像装置の制御方法。
【請求項21】
プロセッサにより実行される撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、
撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、
レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、
を備え、
前記制御方法は、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定するステップと、
前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出するステップと、
前記ズーム位置において光学性能が悪化する制限範囲であって、Wide端から第1制限位置までの制限範囲を決定するステップと、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、前記制限範囲にあるか否かを判定するステップと、
前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記表示パネルに表示される情報を変更するステップと、
を含み、
前記制限範囲を決定するステップは、前記交換レンズのレンズ焦点距離と前記テレコンバータの倍率に基づいて前記第1制限位置を決定すること、を有し、
前記交換レンズは、前記ズーム位置をTele端から第2制限位置までの範囲に制限可能なズームリミットスイッチを含み、
前記第1制限位置は、前記第2制限位置よりもWide端側に位置する、
撮像装置の制御方法。
【請求項22】
請求項18~21のいずれか一項に記載の制御方法をプロセッサにより実行させるプログラム。
【請求項23】
請求項18~21のいずれか一項に記載の制御方法をプロセッサにより実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置及び撮像装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、テレコンバータを装着して焦点距離を変更可能なカメラが開示されている。特許文献1に記載のカメラは、テレコンバータモードを設定する設定手段と、設定手段によりテレコンバータモードが設定された時に、テレコンバータ装着による合成焦点距離が所定値未満の場合は警告する警告手段とを備える。これにより、特許文献1に記載のカメラは、カメラのレンズにテレコンバータを装着したときのけられを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置においては、テレコンバータを交換レンズに装着した場合において光学性能が悪化することがある。
【0005】
そこで、本開示は、テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置において、光学性能が悪化している場合に表示を変更する撮像装置及び撮像装置の制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様の撮像装置は、
テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行される命令を記憶したメモリと、
撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、
レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングにより調整されるズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、
を備え、
前記命令は、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定することと、
前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出することと、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、光学性能が悪化する制限範囲にあるか否かを判定することと、
前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記表示パネルに表示される情報を変更することと、
を含む。
【0007】
本開示の一態様の撮像装置の制御方法は、
プロセッサにより実行される撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、
撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、
レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、
を備え、
前記制御方法は、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定するステップと、
前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出するステップと、
前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、光学性能が悪化する制限範囲にあるか否かを判定するステップと、
前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記表示パネルに表示される情報を変更するステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置において、光学性能が悪化している場合に表示を変更する撮像装置及び撮像装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る撮像装置の概略的な斜視図
【
図2】本開示の実施の形態1に係る撮像装置の主要な構成を示すブロック図
【
図4】本開示の実施の形態1に係る撮像装置の制御の概念を説明するための模式図
【
図5A】本開示の実施の形態1に係る撮像装置の動作の一例を示すフローチャート
【
図5B】本開示の実施の形態1に係る撮像装置の動作の一例を示すフローチャート
【
図6A】表示パネルに表示される情報の一例を示す模式図
【
図6B】表示パネルに表示される情報の一例を示す模式図
【
図6C】表示パネルに表示される情報の一例を示す模式図
【
図7】ズーム位置の制限範囲を決定する処理の一例を示すフローチャート
【
図8A】本開示の実施の形態2に係る撮像装置の制御方法の概略的なフローチャート
【
図8B】本開示の実施の形態2に係る撮像装置の制御方法の概略的なフローチャート
【
図9】本開示の実施の形態3に係る撮像装置の制御方法の概略的なフローチャート
【
図10】本開示の実施の形態4に係る撮像装置の制御方法の概略的なフローチャート
【
図11】本開示の実施の形態5に係る撮像装置の制御方法の概略的なフローチャート
【
図12】本開示の実施の形態6に係る撮像装置における制御範囲の一例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至った経緯)
テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置が知られている。交換レンズは、テレコンバータを装着することによって焦点距離を変えている。
【0011】
テレコンバータを交換レンズに装着した場合、所定のズーム位置において交換レンズの複数のレンズのうちテレコンバータが装着される側のレンズがテレコンバータと干渉することがある。交換レンズのレンズとテレコンバータとの干渉を避けるために、例えば、レンズをテレコンバータから離れる方向に退避させる構成が検討されている。
【0012】
しかしながら、レンズを退避させると、レンズ位置が理想の光学設計値からずれる為、光学性能が悪化する。光学性能とは、例えば、解像、収差を含む。さらに焦点距離の調整が正常に行われなくなる場合がある。
【0013】
このように、テレコンバータを交換レンズに装着する場合、光学性能が悪化することがある。この場合、ユーザはテレコンバータに起因して光学性能が悪化しているかどうかを知ることが難しい。
【0014】
そこで、本発明者(ら)は、テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置において、光学性能が悪化している場合に表示を変更してユーザに通知する構成を見出し、本開示に至った。
【0015】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0016】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0017】
以下、本開示の実施の形態1に係る撮像装置および撮像装置の制御方法について図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本開示の実施の形態1に係る撮像装置1の概略的な斜視図である。
図2は、本開示の実施の形態1に係る撮像装置1の主要な構成を示すブロック図である。
図3A及び
図3Bは、交換レンズ30の退避機構50の一例を示す概略図である。
【0019】
図1及び
図2に示すように、本開示の実施の形態1に係る撮像装置1は、例えば、交換レンズ式カメラである。撮像装置1は、カメラ本体10、テレコンバータ20及び交換レンズ30を備える。
【0020】
カメラ本体10は、撮像装置1を制御する本体である。カメラ本体10は、テレコンバータ20又は交換レンズ30が取り付け可能なボディマウントを有する。
【0021】
テレコンバータ20は、交換レンズ30の焦点距離を延ばすために用いられる略円筒状の補助部材である。テレコンバータ20は、複数のレンズを備える。例えば、テレコンバータ20は、交換レンズ30のレンズ焦点距離を1.4倍又は2.0倍に延ばす。テレコンバータ20は、カメラ本体10のボディマウントに着脱自在に取り付けられる。
【0022】
交換レンズ30は、カメラ本体10へ被写体像を導く光学系を有している。交換レンズ30は、内蔵する光学系が広角側(WIDE端)と望遠側(TELE端)との間において移動することで、変倍撮影を行うことができる。交換レンズ30は、テレコンバータ20を介してカメラ本体10に取り付け可能である。交換レンズ30は、テレコンバータ20に着脱自在に取り付けられている。また、交換レンズ30は、テレコンバータ20を介さずにカメラ本体10に取り付けてもよい。
【0023】
テレコンバータ20を介して交換レンズ30をカメラ本体10に取り付ける場合、交換レンズの複数のレンズ31のうちテレコンバータ20側に位置するレンズがテレコンバータ20と干渉する場合がある。このため、
図3A及び
図3Bに示すように、交換レンズ30は、テレコンバータ20との干渉を回避するための退避機構50を有している。
【0024】
退避機構50は、本体部51と、カムピンホルダ52と、カムピン53と、カムピンホルダガイド軸54と、付勢バネ55と、主軸56と、副軸57と、緩衝部材58と、を備える。
【0025】
退避機構50は、
図3Aに示す交換レンズ30の光軸方向における被写体側とは反対側(像面側)の端部30aにテレコンバータ20が装着されると、
図3B中の矢印方向に退避して、テレコンバータ20の突出部24との干渉を回避する。例えば、突出部24は、テレコンバータ20のレンズを保持するホルダである。
【0026】
図3Aおよび
図3Bに示すように、テレコンバータ20を交換レンズ30に装着する場合、レンズ31を保持する本体部51を退避させつつ、カムピン53を保持するカムピンホルダ52の位置は不変とすることができる。例えば、カムピン53は、他のレンズ31を保持する部材に設けられたカム枠に係合している。
【0027】
本体部51は、レンズ31を保持する略円環状のレンズ保持部51aと、主軸56を保持し光軸方向に沿って略円環状の部分から延伸するように形成された延伸部51bと、を有している。カムピンホルダ52は、本体部51の延伸部51bに形成された溝内に設けられている。カムピンホルダ52は、延伸部51b内を光軸方向に沿って移動することで、本体部51のレンズ保持部51aに対して相対的に移動する。
【0028】
カムピンホルダガイド軸54は、本体部51の延伸部51b内に光軸方向に沿って配置されている。カムピンホルダガイド軸54は、カムピンホルダ52を光軸X方向において前後に移動可能な状態で支持する。また、カムピンホルダガイド軸54は、その外周面側に、カムピンホルダ52を光軸方向において付勢する付勢バネ55が配置されている。
【0029】
カムピンホルダガイド軸54に沿って移動するカムピンホルダ52は、付勢バネ55によって光軸方向に付勢された状態で、本体部51の延伸部51b内で保持される。
【0030】
付勢バネ55は、カムピンホルダガイド軸54の外周に巻回された状態で保持されており、カムピンホルダガイド軸54に沿って光軸方向において移動するカムピンホルダ52の側面を光軸方向において付勢する。付勢バネ55は、テレコンバータ20が交換レンズ30に装着されると収縮して、本体部51を、カムピンホルダ52の位置を変化させることなく光軸方向において移動させて、テレコンバータ20側の突出部24と干渉しないように退避させる。
【0031】
主軸56は、光軸方向に沿って配置されており、本体部51を光軸方向において案内する。主軸56は、光軸X方向において前後に移動可能にカムピンホルダ52を支持する。
【0032】
副軸57は、主軸56と略平行に配置されており、本体部51のレンズ保持部51aの外周部分を支持している。これにより、退避機構50は、主軸56および副軸57によって支持された状態で、光軸方向において前後に移動する。
【0033】
緩衝部材58は、退避機構50の光軸方向における被写体とは反対側の交換レンズ30の端部30aに取り付けられた弾性を有する部材である。緩衝部材58は、本体部51のレンズ保持部51aとの間に、レンズ31を挟み込むように保持する。これにより、交換レンズ30のマウントにテレコンバータ20を装着する際に、テレコンバータ20突出部24が退避機構50の部材に接触した場合でも、緩衝部材58の緩衝効果によって接触時の衝撃を軽減することができる。
【0034】
図2に示すように、カメラ本体10は、撮像素子11、表示パネル12、第1プロセッサ13、第1メモリ14及び接点ピン15を備える。
【0035】
撮像素子11は、交換レンズ30及びテレコンバータ20を介して入射される被写体像を撮像して画像情報を生成する。撮像素子11は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサ、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサである。
【0036】
表示パネル12は、撮像素子11で生成された画像情報、撮像の設定情報、メニュー画面などの情報を表示する。例えば、表示パネル12は、撮像素子11で撮像されているライブビュー画像を表示する。ライブビュー画像とは、撮像素子11で生成された画像情報をリアルタイムで表示している画像情報である。表示パネル12は、例えば、液晶モニタである。
【0037】
第1プロセッサ13は、カメラ本体10を統括的に制御する。第1プロセッサ13は、第1メモリ14に記憶された命令を実行する。例えば、第1プロセッサ13は、CPU、MPU、GPU、DSU、FPGA、ASIC等の種々のプロセッサで実現されてもよい。第1プロセッサ13は、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路で構成されてもよい。
【0038】
第1メモリ14は、第1プロセッサ13により実行される命令を記憶する。例えば、第1メモリ14は、第1プロセッサ13の制御の際に使用するプログラム、パラメータ又はデータ等を記憶する。また、第1メモリ14は、撮像素子11によって生成された画像情報を記憶する。また、第1メモリ14は、録画された動画を記憶する。例えば、第1メモリ14は、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0039】
接点ピン15は、カメラ本体10をテレコンバータ20又は交換レンズ30に電気的に接続し、テレコンバータ20又は交換レンズ30とカメラ本体10との間で各種信号を送受信するためのピンである。接点ピン15は、後述するテレコンバータ20のテレコン接点22又は交換レンズ30のレンズ接点38に物理的に接触することによってテレコンバータ20又は交換レンズ30に電気的に接続される。例えば、接点ピン15は、カメラ本体10のボディマウントに配置されている。
【0040】
図2に示すように、テレコンバータ20は、テレコン接点ピン21、テレコン接点22及びテレコン検知ピン23を備える。なお、図示していないが、テレコンバータ20は、レンズ、交換レンズ30が取り付けられるマウント、及びカメラ本体10に取り付けられるマウントを備える。
【0041】
テレコン接点ピン21は、テレコンバータ20を交換レンズ30に電気的に接続し、テレコンバータ20と交換レンズ30との間で各種信号を送受信するためのピンである。例えば、テレコン接点ピン21は、交換レンズ30が取り付けられるマウントに配置されている。
【0042】
テレコン接点22は、テレコンバータ20をカメラ本体10に電気的に接続するための接点である。例えば、テレコン接点22は、カメラ本体10に取り付けられるマウントに配置されている。テレコンバータ20がカメラ本体10に取り付けられると、テレコン接点22はカメラ本体10の接点ピン15に物理的に接触する。これにより、テレコン接点22は、カメラ本体10の接点ピン15と電気的に接続される。カメラ本体10は、接点ピン15及びテレコン接点22を介してテレコンバータ20との間において各種信号を送受信する。
【0043】
また、テレコン接点22は、テレコン接点ピン21と電気的に接続されている。例えば、テレコン接点22は、配線を介してテレコン接点ピン21に接続されている。
【0044】
テレコン検知ピン23は、テレコンバータ20を交換レンズ30に電気的に接続し、交換レンズ30がテレコンバータ20に取り付けられているか否かを検知するためのピンである。例えば、テレコン検知ピン23は、交換レンズ30が取り付けられるマウントに配置されている。テレコン検知ピン23は後述する交換レンズ30のテレコン検知接点39に物理的に接触することによって交換レンズ30に電気的に接続される。
【0045】
図1及び
図2に示すように、交換レンズ30は、複数のレンズ31、ズームリング32、フォーカスリング33、ズームリミットスイッチ34、ズームエンコーダ35、第2プロセッサ36、第2メモリ37、レンズ接点38、テレコン検知接点39、絞り40、手振れ補正機構41、フォーカス機構42及びアクチュエータ43を備える。また、
図3A及び
図3Bに示すように、交換レンズ30はレンズ31の退避機構50を備える。
【0046】
複数のレンズ31は、光軸方向に沿って配置されている。例えば、複数のレンズ31は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む。ズームレンズは、被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズは、1枚又は複数枚のレンズで構成されている。ズームレンズは、光軸方向に沿って前進又は後退する。これにより、交換レンズ30の焦点距離が変化する。複数のレンズ31間の距離が変化することで広角撮影及び望遠撮影が可能となる。フォーカスレンズは、被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズは、1枚又は複数枚のレンズで構成されている。フォーカスレンズは、光軸方向に沿って前進又は後退する。なお、複数のレンズ31は、ズームレンズ及びフォーカスレンズ以外のレンズを含んでもよい。本実施形態では、複数のレンズ31は、交換レンズ30においてテレコンバータ20が装着される側に固定レンズを含む。
【0047】
ズームリング32は交換レンズ30の焦点距離を可変する。ズームリング32は、交換レンズ30の円筒状の外装に取り付けられた円環状の部材であって、交換レンズ30の外周面を回転可能である。ズームリング32は、複数のレンズ31の位置を可変する。具体的には、ズームリング32は、複数のレンズ31のうちズームレンズの位置を可変する。例えば、ズームリング32は、複数のレンズ31と連動しており、ズームリング32を回転させると、複数のレンズ31が光軸方向へ移動する。このため、ズームリング32で調整したズーム位置が、交換レンズ30の焦点距離に対応する。
【0048】
フォーカスリング33は、フォーカスを調整する。ズームリング32と同様に、フォーカスリング33は、交換レンズ30の円筒状の外装に取り付けられた円環状の部材であって、交換レンズ30の外周面を回転可能である。フォーカスリング33は、複数のレンズ31の位置を可変する。具体的には、フォーカスリング33は、複数のレンズ31のうちフォーカスレンズの位置を可変する。
【0049】
ズームリミットスイッチ34は、交換レンズ30の焦点距離の調整範囲を制限する。例えば、ズームリミットスイッチ34は、ズームリング32の回転を物理的に規制する機械式スイッチである。ズームリミットスイッチ34は、ズームリング32の回転により調整されるズーム位置をTELE端から制限位置までの範囲に制限可能である。ズームリミットスイッチ34は、ユーザの操作によってON/OFFを切り替える。
【0050】
テレコンバータ20を介して交換レンズ30がカメラ本体10に取り付けられている状態では、退避機構50により複数のレンズ31のうちテレコンバータ20側に位置するレンズが退避している。テレコンバータ20側に位置するレンズが退避している状態においては、ズームリング32の回転により調整されるズーム位置と、複数のレンズ31により実現される焦点距離とが、対応しない。その結果、光学性能の保証範囲外となる。
【0051】
ズームリミットスイッチ34がONになると、ズームリング32の回転により調整されるズーム位置を、光学性能を保証できる焦点距離の範囲に制限する。具体的には、ズームリミットスイッチ34がONのとき、ズーム位置をTELE端から制限位置までの範囲に制限する。ズームリミットスイッチ34は、ズームリング32の回転を物理的に規制することによって、ズーム位置が制限位置からWIDE端へ移動することを制限する。例えば、制限位置は、光学性能を保証可能な最もWIDE端側の位置である。本実施形態では、制限位置は、レンズ31が退避を開始する位置に相当するズーム位置である。
【0052】
ズームエンコーダ35は、ズームリング32のズーム位置に関する情報を検出する。ズームエンコーダ35は、ズームリング32の内周側に配置されており、ズームリング32の回転位置又は回転量を検出している。
【0053】
第2プロセッサ36は、交換レンズ30を統括的に制御する。第2プロセッサ36は、第2メモリ37に記憶された命令を実行する。例えば、第2プロセッサ36は、CPU、MPU、GPU、DSU、FPGA、ASIC等の種々のプロセッサで実現されてもよい。第2プロセッサ36は、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路で構成されてもよい。
【0054】
第2メモリ37は、第2プロセッサ36により実行される命令を記憶する。例えば、第2メモリ37は、第2プロセッサ36の制御の際に使用するプログラム、パラメータ又はデータ等を記憶する。例えば、第2メモリ37は、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ又はこれらの組み合わせによって実現できる。
【0055】
レンズ接点38は、交換レンズ30をテレコンバータ20に電気的に接続するための接点である。例えば、レンズ接点38は、テレコンバータ20に取り付けられるマウントに配置されている。交換レンズ30がテレコンバータ20に取り付けられると、レンズ接点38はテレコンバータ20のテレコン接点ピン21に物理的に接触する。これにより、レンズ接点38は、テレコンバータ20のテレコン接点ピン21と電気的に接続される。交換レンズ30は、テレコン接点ピン21及びレンズ接点38を介してテレコンバータ20との間において各種信号を送受信する。
【0056】
テレコン検知接点39は、交換レンズ30をテレコンバータ20に電気的に接続し、交換レンズ30がテレコンバータ20に取り付けられているか否かを検知するための接点である。例えば、テレコン検知接点39は、テレコンバータ20に取り付けられるマウントに配置されている。テレコン検知接点39は、テレコンバータ20のテレコン検知ピン23に物理的に接触することによってテレコンバータ20に電気的に接続される。
【0057】
絞り40は、被写体から撮像素子11の撮像面へ入射する光の量を調節する。絞り40は、光が通過する貫通孔の大きさを変更することによって、撮像面へ入射する光の量を調節する。絞り40は、アクチュエータ43によって駆動される。
【0058】
手振れ補正機構41は、交換レンズ30の振れを補正する。例えば、手振れ補正機構41は、OIS(Optical Image Stabilizer)レンズ、ジャイロセンサ及び位置センサを含む。OISレンズは、被写体像の振れを補正するためのレンズである。OISレンズは、1枚又は複数枚のレンズで構成されている。OISレンズは、交換レンズ30の振れを相殺する方向に移動することにより、撮像素子11上の被写体像の振れを小さくする。ジャイロセンサは、交換レンズ30の振れを検出する。位置センサは、光軸方向に対して垂直な面におけるOISレンズの位置を検出する。第2プロセッサ36は、ジャイロセンサ及び位置センサの検出結果に基づき、アクチュエータ43を制御して、交換レンズ30の振れを相殺するようにOISレンズを光軸方向に対して垂直な面で移動させる振れ補正処理を行う。
【0059】
フォーカス機構42は、フォーカスを調整する。例えば、フォーカス機構42は、フォーカスレンズを光軸方向に移動させる機構を有し、アクチュエータ43によって駆動される。
【0060】
アクチュエータ43は、交換レンズ30の各種部品を駆動する1つ又は複数のアクチュエータを含む。例えば、アクチュエータ43は、絞り40、手振れ補正機構41及びフォーカス機構42を駆動する複数のアクチュエータを含む。アクチュエータ43は、第2プロセッサ36により制御される。
【0061】
[撮像装置の制御の概念について]
図4は、本開示の実施の形態1に係る撮像装置1の制御の概念を説明するための模式図である。
図4は、テレコンバータ20を介して交換レンズ30を取り付けた撮像装置1において、光学性能の保証範囲と保証範囲外を含む合算焦点距離を示す。合算焦点距離とは、テレコンバータ20と交換レンズ30との組み合わせに基づいて算出される焦点距離である。例えば、合算焦点距離は、テレコンバータ20の倍率と交換レンズ30の焦点距離とに基づいて算出される。
【0062】
図4に示すように、撮像装置1の合算焦点距離において、光学性能を保証する範囲と、光学性能を保証しない範囲と、が存在する。光学性能を保証する範囲と光学性能を保証しない範囲とは、制限位置T1で分けられている。光学性能を保証する範囲は、TELE端から制限位置T1までの範囲であり、光学性能を保証しない範囲は、WIDE端から制限位置T1までの範囲である。例えば、制限位置T1は、退避機構50によりレンズ31が退避を開始する位置である。
【0063】
交換レンズ30は、ユーザが光学性能を保証しない範囲で撮像しないように、ズームリミットスイッチ34を備えている。ズームリミットスイッチ34がONになっているとき、ズームリング32の回転が規制されるため、ズーム位置がTELE端から制限位置T1の間に制限され、光学性能を保証しない範囲に移動することを防止できる。
【0064】
しかしながら、ズームリミットスイッチ34は機械式のスイッチであるため、ユーザの操作によりONにされないと作動しない。例えば、ユーザがズームリミットスイッチ34をONにすることを忘れて撮像している場合、ズームリミットスイッチ34が作動せず、ズームリング32が制限位置T1を超えてWIDE端側に回ってしまう。
【0065】
このように、ズームリミットスイッチ34がOFFのとき、ズーム位置は光学性能を保証しない範囲に移動できてしまう。このため、撮像装置1は、ズーム位置が光学性能を保証する範囲にあるときに通常制御を行い、ズーム位置が光学性能を保証しない範囲にあるときにズームリミット制御を行う。ズームリミット制御とは、ユーザに対して光学性能を保証しない範囲であることを通知する制御である。
【0066】
[撮像装置の制御方法について]
図5A及び
図5Bは、本開示の実施の形態1に係る撮像装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0067】
図5Aに示すように、ステップS1は、テレコンバータ20が交換レンズ30に装着されているか否かを判定する。
【0068】
例えば、交換レンズ30の第2プロセッサ36が、交換レンズ30のテレコン検知接点39とテレコンバータ20のテレコン検知ピン23とが電気的に接続されているか否かを判定する。第2プロセッサ36は、テレコン検知接点39とテレコン検知ピン23とが電気的に接続されている場合、テレコンバータ20が交換レンズ30に装着されていると判定する。第2プロセッサ36は、テレコン検知接点39とテレコン検知ピン23とが電気的に接続されていない場合、テレコンバータ20が交換レンズ30に装着されていないと判定する。
【0069】
テレコンバータ20が交換レンズ30に装着されている場合、処理はステップS2へ進む。テレコンバータ20が交換レンズ30に装着されていない場合、処理はステップS5へ進む。
【0070】
ステップS2は、ズームリング32のズーム位置を算出する。
【0071】
例えば、ステップS2は、ズームエンコーダ35がズームリング32のズーム位置に関する情報を検出すること、ズームエンコーダ35により検出された情報に基づいてズーム位置を算出すること、を含む。
【0072】
例えば、ズームエンコーダ35はズームリング32の回転位置を検出する。第2プロセッサ36は、ズームリング32の回転位置に基づいてズーム位置を算出する。
【0073】
ステップS3は、ズーム位置がテレコンバータ20によって焦点距離の調整が阻害される制限範囲にあるか否かを判定する。
【0074】
制限範囲とは、
図4に示す光学性能を保証しない範囲であり、光学性能が悪化する範囲である。例えば、制限範囲は、テレコンバータ20によってズームリング32を回しても交換レンズ30の焦点距離を正常に調整できない範囲である。即ち、制限範囲は、テレコンバータ20によってズームリング32による焦点距離の調整が阻害される範囲である。
【0075】
例えば、第2プロセッサ36は、ステップS2で算出したズーム位置が
図4に示す制限位置T1よりもWIDE端側にあるか否かを判定する。ズーム位置が制限位置T1よりもWIDE端側にある場合、第2プロセッサ36は、ズーム位置が制限範囲にあると判定する。ズーム位置が制限位置T1よりもTELE端側にある場合、第2プロセッサ36は、ズーム位置が制限範囲にないと判定する。
【0076】
ズーム位置が制限範囲にある場合、処理はステップS4へ進む。ズーム位置が制限範囲にない場合、処理はステップS5へ進む。
【0077】
ステップS4は、表示パネル12に表示される情報を変更するズームリミット制御を実行する。
【0078】
例えば、第2プロセッサ36は、カメラ本体10に表示情報を変更するための信号を送信する。カメラ本体10の第1プロセッサ13は、信号を受信すると、表示パネル12に表示される情報を変更する。
【0079】
図6A~
図6Cは、表示パネル12に表示される情報の一例を示す模式図である。
【0080】
図6Aに示すように、表示パネル12にメッセージM1を表示してもよい。メッセージM1は、ユーザに対して使用できない焦点距離であることを通知し、ズームリミットスイッチ34のスイッチをONにすることを促してもよい。なお、メッセージM1の内容は、これに限定されない。
【0081】
あるいは、表示パネル12は、撮像素子11で撮像されている画像情報を他の表示情報に変更して表示してもよい。撮像素子11で撮像されている画像情報とは、ライブビュー画像である。他の表示情報は、例えば、静止画像情報を含む。静止画像情報は、時間とともに変化しない画像であり、例えば、イラスト、写真又は文字等を含む。例えば、イラストはアイコンを含んでいてもよい。例えば、他の表示情報は、ズームリミット制御中であることを示す情報を含んでもよい。また、他の表示情報に変更するとは、ライブビュー画像の少なくとも一部を他の表示情報に変更してもよい。
【0082】
図6Bに示すように、表示パネル12に表示される画像を黒くして、メッセージM1を表示してもよい。例えば、表示パネル12に表示される全領域を黒くしてもよい。
【0083】
図6Cに示すように、表示パネル12に表示される画像を黒くして、メッセージM1を表示しなくてもよい。
【0084】
なお、表示パネル12は、
図6B及び
図6Cに示すように表示パネル12に表示される画像を黒くして表示することに限定されない。例えば、表示パネル12は、表示パネル12に表示される画像を白くして表示してもよいし、他の色に変えて表示してもよい。あるいは、表示パネル12は、警告を示すイラスト、写真又は文字等を表示してもよい。
【0085】
図5に戻って、ステップS5は、表示パネル12にスルー画像を表示する通常制御を実行する。
【0086】
スルー画像とは、撮像素子11で撮像された画像である。
【0087】
このようにして、ズーム位置が制限範囲にあるとき、ズームリミット制御をすることによりユーザに対して通知することができる。
【0088】
次に、ズームリミット制御から通常制御に復帰する場合の制御について
図5Bを用いて説明する。
【0089】
図5Bに示すように、ステップS11は、ズーム位置を算出する。ズーム位置の算出は、ステップS2と同様である。
【0090】
ステップS12は、ズーム位置が制限範囲からテレコンバータ20によって焦点距離の調整が阻害されない非制限範囲に移動したか否かを判定する。
【0091】
例えば、第2プロセッサ36は、ステップS11で算出したズーム位置が
図4に示す制限位置T1よりもTELE端側にあるか否かを判定する。ズーム位置が制限位置T1よりもTELE端側にある場合、第2プロセッサ36は、ズーム位置が非制限範囲にあると判定する。ズーム位置が制限位置T1よりもWIDE端側にある場合、第2プロセッサ36は、ズーム位置が非制限範囲にないと判定する。
【0092】
ズーム位置が非制限範囲にある場合、処理はステップS13へ進む。ズーム位置が非制限範囲にない場合、処理はステップS11へ戻る。
【0093】
ステップS13は、通常制御を実行する。
【0094】
このようにして、ズームリミット制御から通常制御へ復帰することができる。
【0095】
図7は、ズーム位置の制限範囲を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【0096】
図7に示すように、ステップS21は、テレコンバータ20の情報を取得する。
【0097】
第2プロセッサ36は、テレコンバータ20の倍率に関する情報を取得する。例えば、第2プロセッサ36は、テレコンバータ20の倍率又は識別番号の情報を取得する。
【0098】
ステップS22は、テレコンバータ20の情報に基づいて制限範囲を決定する。
【0099】
例えば、第2プロセッサ36は、テレコンバータ20の倍率と交換レンズ30のレンズ焦点距離とに基づいて制限範囲を決定する。レンズ焦点距離は、例えば、第2メモリ37に格納されている。
【0100】
このようにして、テレコンバータ20の種類に応じて制限範囲を変更することができる。
【0101】
[効果]
本開示の実施の形態1にかかる撮像装置1においては以下の効果を奏することができる。
【0102】
本開示の撮像装置1は、テレコンバータ20を介して交換レンズ30を取り付け可能な撮像装置であって、プロセッサ13,36と、メモリ14,37と、カメラ本体10と、交換レンズ30と、を備える。メモリ14,37は、プロセッサ13,36により実行される命令を記憶する。カメラ本体10は、撮像素子11及び表示パネル12を含む。交換レンズ30は、レンズ31、レンズ31の位置を可変するズームリング32、ズームリング32のズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダ35、を含む。メモリ14,37に記憶される命令は、テレコンバータ20が交換レンズ30に装着されているか否かを判定することS1、交換レンズ30のズーム位置を算出することS2を含む。また、命令は、テレコンバータ20が交換レンズ30に装着されている場合、ズーム位置が、光学性能が悪化する制限範囲にあるか否かを判定することS3を含む。また、命令は、ズーム位置が制限範囲にある場合、表示パネル12に表示される情報を変更することS4、を含む。
【0103】
このような構成により、テレコンバータ20が交換レンズ30に装着しているとき、光学性能が悪化している場合に表示パネル12に表示される情報を変更することができる。これにより、ズームリング32で調整されたズーム位置が、光学性能を保証しない範囲にあることをユーザに対して通知することができる。
【0104】
表示パネル12に表示される情報を変更することS4は、表示パネル12にメッセージM1を表示することを含む。このような構成により、交換レンズ30のズーム位置が光学性能を保証しない範囲にあることをユーザに対してメッセージM1で通知することができる。例えば、撮像装置1は、ズーム位置が光学性能を保証しない範囲にあるとき、メッセージM1によってズームリミットスイッチ34をONにすることを促すことができる。
【0105】
表示パネル12に表示される情報を変更することS4は、表示パネル12に表示される撮像素子11で撮像されている画像情報を他の表示情報に変更することを含む。このような構成により、ユーザに対して通知するとともに、光学性能を保証していない範囲を知らせることができる。また、例えば、表示パネル12の全体を黒い画面などに変更する場合、撮像している画像情報を隠すことができる。
【0106】
命令は、ズーム位置が制限範囲からテレコンバータ20によって焦点距離の調整が阻害されない非制限範囲に移動したことを検出することS12を含む。また、命令は、ズーム位置が非制限範囲に移動した場合、表示パネル12に撮像素子11で撮像された情報を表示することS13を含む。このような構成により、表示パネル12に撮像素子11で撮像された情報を表示する通常制御に戻すことができる。
【0107】
命令は、テレコンバータ20の情報を取得することS21と、テレコンバータ20の情報に基づいて制限範囲を決定することS22と、を含む。このような構成により、テレコンバータ20の種類に応じて制限範囲を決定することができる。
【0108】
制限範囲は、Wide端から制限位置T1までの範囲であり、制限位置T1は、交換レンズ30のレンズ焦点距離とテレコンバータ20の倍率に基づいて決定される。このような構成により、例えば、異なる倍率の様々な種類のテレコンバータ20又は異なるレンズ焦点距離の様々な交換レンズ30を使用することができる。
【0109】
なお、本実施形態では、
図5A-
図5B及び
図7に示すステップの処理が第1プロセッサ13又は第2プロセッサ36によって実行される例について説明したが、これに限定されない。例えば、ステップS1~S3、S11~S12又はS21~S22が第1プロセッサ13によって実行されてもよい。
【0110】
本実施形態では、交換レンズ30がズームリミットスイッチ34を備える例について説明したが、これに限定されない。例えば、交換レンズ30は、ズームリミットスイッチ34を備えていなくてもよい。
【0111】
本実施形態では、交換レンズ30が、絞り40、手振れ補正機構41及びフォーカス機構42を備える例について説明したが、これに限定されない。例えば、交換レンズ30は、絞り40、手振れ補正機構41及びフォーカス機構42を備えていなくてもよい。
【0112】
本実施形態では、交換レンズ30が退避機構50を備える例について説明したが、交換レンズ30は退避機構50を備えていなくてもよい。
【0113】
本実施形態では、光学性能が悪化する原因として、交換レンズ30のレンズ31がテレコンバータ20に接触することを回避するために、退避機構50によりレンズ31を退避させることを説明した。しかしながら、光学性能が悪化する原因は、退避機構50によるレンズ31の退避に限定されない。
【0114】
本開示の実施の形態1に係る撮像装置1の制御方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上述した撮像装置1の効果と同様の効果を奏する。
【0115】
(実施の形態2)
本開示に係る実施の形態2の撮像装置について説明する。
【0116】
実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0117】
図8Aは、本開示の実施の形態2に係る撮像装置1の制御方法の概略的なフローチャートである。
【0118】
実施の形態2では、動画を録画しているか否かを検出し、動画を録画している場合に動画の記録を停止する点で、実施の形態1と異なる。
【0119】
図8Aにおいて、ステップS1~S5は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0120】
図8Aに示すように、ステップS3において、ズーム位置が制限範囲にある場合に処理はステップS6へ進む。
【0121】
ステップS6は、撮像素子11によって動画を録画しているか否かを検出する。
【0122】
例えば、カメラ本体10の第1プロセッサ13は、撮影モードが動画の録画になっているか否かを検出する。
【0123】
動画を録画している場合、処理はステップS7へ進む。動画を録画していない場合、処理はステップS4へ進む。
【0124】
ステップS7は、動画の記録を停止する。
【0125】
例えば、第1プロセッサ13が撮像素子11による動画の記録を停止する。
【0126】
このようにして、ズーム位置が光学性能を保証しない制限範囲にある場合、即ち、ズームリミット制御中に動画の記録を停止する。
【0127】
次に、ズームリミット制御から通常制御に復帰する場合の制御について
図8Bを用いて説明する。
【0128】
図8Bにおいて、ステップS11~S13は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0129】
図8Bに示すように、ステップS13で通常制御に復帰すると、ステップS14は動画の記録を再開する。
【0130】
例えば、第1プロセッサ13は、撮像素子11による動画の記録を再開する。
【0131】
このようにして、ズームリミット制御から通常制御に復帰した場合に、動画の記録を再開する。
【0132】
[効果]
本開示の実施の形態2にかかる撮像装置1においては以下の効果を奏することができる。
【0133】
本開示の撮像装置1のメモリ14,37に記憶される命令は、撮像素子11によって動画を録画しているか否かを検出することS6、動画を録画している場合、動画の録画を停止することS7、を含む。このような構成により、ズーム位置が光学性能を保証しない制限範囲にある場合に動画の記録を停止し、光学性能を保証しない画質の動画を保存しないようになる。これにより、動画の容量が増えるのを抑制することができる。
【0134】
命令は、ズーム位置が制限範囲からテレコンバータ20によって焦点距離の調整が阻害されない非制限範囲に移動したことを検出することS12、ズーム位置が非制限範囲に移動した場合、動画の記録を再開することS14、を含む。このような構成により、ズーム位置が制限範囲から非制限範囲に移動したとき、動画の記録を再開できる。これにより、動画の記録を自動で開始できるため、使い勝手が向上する。
【0135】
なお、本実施形態では、ステップS14において動画の記録を再開する例について説明したが、これに限定されない。例えば、ステップS13の後、ステップS14を実行しなくてもよい。即ち、動画の記録を再開しなくてもよい。
【0136】
(実施の形態3)
本開示に係る実施の形態3の撮像装置について説明する。
【0137】
実施の形態3では、主に実施の形態2と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態2と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態2と重複する記載は省略する。
【0138】
図9は、本開示の実施の形態3に係る撮像装置1の制御方法の概略的なフローチャートである。
【0139】
実施の形態3では、動画を録画しているか否かを検出し、動画を録画している場合に撮像素子11によって撮像されている画像情報を変更して動画を記録する点で、実施の形態2と異なる。
【0140】
図9において、ステップS1~S6は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0141】
図9に示すように、ステップS6で動画を録画していると判定する場合、処理はステップS8へ進む。
【0142】
ステップS8は、撮像素子11によって撮像されている画像情報を変更して動画を記録する。
【0143】
例えば、第1プロセッサ13が撮像素子11によって撮像されている画像情報を変更して動画を記録する。例えば、第1プロセッサ13は、撮像素子11によって撮像されている画像情報を他の画像情報に変更して動画を記録してもよい。例えば、他の画像情報は、静止画像情報を含む。静止画像情報は、例えば、イラスト、写真又は文字等を含む。例えば、他の画像情報は、ズームリミット制御中であることを示す情報を含んでもよい。また、他の画像情報に変更するとは、撮像されている画像情報の少なくとも一部を他の画像情報に変更することを含んでもよい。
【0144】
例えば、第1プロセッサ13は、撮像素子11によって撮像されている画像情報を黒い画像情報に変更して動画を記録してもよい。第1プロセッサ13は、撮像素子11によって撮像されている画像情報を白い画像情報又は他の色の画像情報に変更して動画を記録してもよい。第1プロセッサ13は、撮像素子11によって撮像されている画像情報を制限範囲にあることを警告するイラスト、写真又は文字等の画像情報に変更して動画を記録してもよい。
【0145】
あるいは、第1プロセッサ13は、撮像素子11によって撮像されている画像情報にメッセージM1を挿入して動画を記録してもよい。また、第1プロセッサ13は、撮像素子11によって撮像されている画像情報を他の画像情報に変更して、メッセージM1を挿入して動画を記録してもよい。
【0146】
このようにして、ズーム位置が光学性能を保証しない制限範囲にある場合、即ち、ズームリミット制御中であっても動画の記録を継続する。また、撮像素子11によって撮像されている画像情報を変更して動画を記録する。
【0147】
[効果]
本開示の実施の形態3にかかる撮像装置1においては以下の効果を奏することができる。
【0148】
本開示の撮像装置1のメモリ14,37に記憶される命令は、撮像素子11によって動画を録画しているか否かを検出することS6、動画を録画している場合、撮像素子11によって撮像されている画像情報を変更して動画を記録することS8と、を含む。このような構成により、ズーム位置が光学性能を保証しない制限範囲にある場合に動画の記録を継続することができる。これにより、ユーザの動画の記録忘れを防止できる。また、光学性能を保証しない制限範囲にズーム位置で動画を録画している場合に、記録される動画において光学性能が保証されていないズーム位置であることを容易に知らせることができる。
【0149】
(実施の形態4)
本開示に係る実施の形態4の撮像装置について説明する。
【0150】
実施の形態4では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態4においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態4では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0151】
図10は、本開示の実施の形態4に係る撮像装置1の制御方法の概略的なフローチャートである。
【0152】
実施の形態4では、ズーム位置が制限範囲にある場合にアクチュエータ43へ印加する駆動電圧を停止する点で、実施の形態1と異なる。
【0153】
図10において、ステップS1~S5は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0154】
図10に示すように、ステップS3でズーム位置が制限範囲にあると判定された場合、ステップS9は、アクチュエータ43へ印加する駆動電圧を停止する。
【0155】
例えば、第2プロセッサ36は、アクチュエータ43へ印加する駆動電圧を停止する。
【0156】
このようにして、ズーム位置が制限範囲にある場合、絞り40、手振れ補正機構41及びフォーカス機構42を駆動するアクチュエータ43へ印加する駆動電圧を停止する。
【0157】
[効果]
本開示の実施の形態4にかかる撮像装置1においては以下の効果を奏することができる。
【0158】
本開示の撮像装置1のメモリ14,37に記憶される命令は、ズーム位置が制限範囲にある場合、アクチュエータ43へ印加する駆動電圧を停止することS9を含む。このような構成により、光学性能を保証しない制限範囲にズーム位置がある場合にアクチュエータ43への駆動電圧の印加を停止し、アクチュエータ43で消費される電力を抑制することができる。
【0159】
(実施の形態5)
本開示に係る実施の形態5の撮像装置について説明する。
【0160】
実施の形態5では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態5においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態5では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0161】
図11は、本開示の実施の形態5に係る撮像装置1の制御方法の概略的なフローチャートである。
【0162】
実施の形態5では、ズーム位置が制限範囲にある場合にアクチュエータ43の駆動状態を維持する点で、実施の形態1と異なる。
【0163】
図11において、ステップS1~S5は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0164】
図11に示すように、ステップS3でズーム位置が制限範囲にあると判定された場合、ステップS10は、アクチュエータ43の駆動状態を維持する。
【0165】
例えば、第2プロセッサ36は、アクチュエータ43の駆動状態を維持する程度の駆動電圧を印加し続ける。
【0166】
このようにして、ズーム位置が制限範囲にある場合、絞り40、手振れ補正機構41及びフォーカス機構42を駆動するアクチュエータ43の駆動状態を維持する。
【0167】
[効果]
本開示の実施の形態5にかかる撮像装置1においては以下の効果を奏することができる。
【0168】
本開示の撮像装置1のメモリ14,37に記憶される命令は、ズーム位置が制限範囲にある場合、アクチュエータ43の駆動状態を維持することS10を含む。このような構成により、ズーム位置が光学性能を保証しない制限範囲にある場合にアクチュエータ43の駆動状態を維持し、撮像しているときの設定、例えば、絞り40、手振れ補正機構41及びフォーカス機構42の設定等を維持することができる。
【0169】
(変形例)
図12は、変形例の撮像装置1における制御範囲の一例を示す模式図である。
【0170】
図12に示すように、ズームリミット制御を開始する第1制限位置T1が、ズームリミットスイッチ34によってズームリング32の回転を規制する第2制限位置T2よりもWIDE端側に位置してもよい。
【0171】
ズームリミットスイッチ34は機械式のスイッチであるため、ズームリミットスイッチ34によるズームリング32の回転を規制する位置にばらつきがある。ズームリミット制御を開始する第1制限位置T1を第2制限位置T2よりもWIDE端側にすることによって、ズームリング32がズームリミットスイッチ34により回転を規制される前に、表示パネル12に表示される情報が切り替わることを抑制できる。
【0172】
以上のように、本開示における技術の例示として、上述の実施の形態を説明してきた。そのために、図面および詳細な説明を提供している。したがって、図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上述の技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0173】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【0174】
また、上述の実施形態は、装置、システム、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、並びに、それらの組み合わせにより、実現されてもよい。
【0175】
(実施形態の概要)
(1)本開示の撮像装置は、テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、プロセッサと、前記プロセッサにより実行される命令を記憶したメモリと、撮像素子及び表示パネル、を含むカメラ本体と、レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダ、を含む交換レンズ交換レンズと、を備え、前記命令は、前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定することと、前記ズームリングのズーム位置を算出することと、前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、光学性能が悪化する制限範囲にあるか否かを判定することと、前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記表示パネルに表示される情報を変更することと、を含む。
【0176】
(2)(1)の撮像装置において、前記表示パネルに表示される情報を変更することは、前記表示パネルにメッセージを表示することを含んでもよい。
【0177】
(3)(1)又は(2)の撮像装置において、前記表示パネルに表示される情報を変更することは、前記表示パネルに表示される前記撮像素子で撮像されている画像情報を他の表示情報に変更することを含んでもよい。
【0178】
(4)(1)~(3)のいずれかの撮像装置において、前記命令は、前記ズーム位置が前記制限範囲から前記テレコンバータによって焦点距離の調整が制限されない非制限範囲に移動したことを検出することと、前記ズーム位置が前記非制限範囲に移動した場合、前記表示パネルに前記撮像素子で撮像された情報を表示することと、をさらに含んでもよい。
【0179】
(5)(1)~(4)のいずれかの撮像装置において、前記命令は、前記撮像素子によって動画を録画しているか否かを検出することと、前記動画を録画している場合、前記動画の記録を停止することと、をさらに含んでもよい。
【0180】
(6)(5)の撮像装置において、前記命令は、前記ズーム位置が前記制限範囲から前記テレコンバータによって焦点距離の調整が阻害されない非制限範囲に移動したことを検出することと、前記ズーム位置が前記非制限範囲に移動した場合、前記動画の記録を再開することと、をさらに含んでもよい。
【0181】
(7)(1)のいずれかの撮像装置において、前記命令は、前記撮像素子によって動画を撮像しているか否かを検出することと、前記動画を録画している場合、前記撮像素子によって撮像されている画像情報を変更して前記動画を記録することと、をさらに含んでもよい。
【0182】
(8)(7)の撮像装置において、前記動画を記録することは、前記撮像素子によって撮像されている前記画像情報を他の画像情報に変更して動画を記録すること、を含んでもよい。
【0183】
(9)(7)又は(8)の撮像装置において、前記動画を記録することは、メッセージを挿入して動画を記録すること、を含んでもよい。
【0184】
(10)(1)~(9)のいずれかの撮像装置において、前記命令は、前記テレコンバータの情報を取得することと、前記テレコンバータの情報に基づいて前記制限範囲を決定することと、をさらに含んでもよい。
【0185】
(11)(1)~(10)のいずれかの撮像装置において、前記交換レンズは、前記交換レンズを駆動する1つ又は複数のアクチュエータをさらに含んでもよく、前記命令は、前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記1つ又は複数のアクチュエータへ印加する駆動電圧を停止すること、をさらに含んでもよい。
【0186】
(12)(1)~(10)のいずれかの撮像装置において、前記交換レンズは、前記交換レンズを駆動する1つ又は複数のアクチュエータをさらに含んでもよく、前記命令は、前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記1つ又は複数のアクチュエータの駆動状態を維持すること、をさらに含んでもよい。
【0187】
(13)(1)~(12)のいずれかの撮像装置において、前記制限範囲は、Wide端から第1制限位置までの範囲であってもよく、前記第1制限位置は、前記交換レンズのレンズ焦点距離と前記テレコンバータの倍率に基づいて決定されてもよい。
【0188】
(14)(13)の撮像装置において、前記交換レンズは、前記ズーム位置をTele端から第2制限位置までの範囲に制限可能なズームリミットスイッチをさらに含んでもよく、前記第1制限位置は、前記第2制限位置よりもWide端側に位置してもよい。
【0189】
(15)本開示の撮像装置の制御方法は、プロセッサにより実行される撮像装置の制御方法であって、前記撮像装置は、テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置であって、撮像素子及び表示パネルを含むカメラ本体と、レンズ、前記レンズの位置を可変するズームリング、及び前記ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダを含む交換レンズと、を備え、前記制御方法は、前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されているか否かを判定するステップと、前記ズームエンコーダで検出した情報に基づいて前記ズーム位置を算出するステップと、前記テレコンバータが前記交換レンズに装着されている場合、前記ズーム位置が、光学性能が悪化する制限範囲にあるか否かを判定するステップと、前記ズーム位置が前記制限範囲にある場合、前記表示パネルに表示される情報を変更するステップと、を含む。
【0190】
(16)本開示のプログラムは、(15)の制御方法をプロセッサにより実行させる。
【0191】
(17)本開示のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、(15)の制御方法をプロセッサにより実行させるプログラムを記憶する。
【産業上の利用可能性】
【0192】
本開示の撮像装置は、テレコンバータを介して交換レンズが取り付け可能な撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0193】
1 撮像装置
10 カメラ本体
11 撮像素子
12 表示パネル
13 第1プロセッサ
14 第1メモリ
15 接点ピン
20 テレコンバータ
21 テレコン接点ピン
22 テレコン接点
23 テレコン検知ピン
24 突出部
30 交換レンズ
31 レンズ
32 ズームリング
33 フォーカスリング
34 ズームリミットスイッチ
35 ズームエンコーダ
36 第2プロセッサ
37 第2メモリ
38 レンズ接点
39 テレコン検知接点
40 絞り
41 手振れ補正機構
42 フォーカス機構
43 アクチュエータ
50 退避機構
51 本体部
52 カムピンホルダ
53 カムピン
54 カムピンホルダガイド軸
55 付勢バネ
56 主軸
57 副軸
58 緩衝部材
【要約】
【課題】テレコンバータを介して交換レンズを取り付け可能な撮像装置において、光学性能が悪化している場合に表示を変更する。
【解決手段】本開示の撮像装置は、プロセッサと、プロセッサにより実行される命令を記憶したメモリと、撮像素子及び表示パネル、を含むカメラ本体と、レンズ、レンズの位置を可変するズームリング、ズームリングのズーム位置に関する情報を検出するズームエンコーダ、を含む交換レンズ交換レンズと、を備え、命令は、テレコンバータが交換レンズに装着されているか否かを判定することと、ズームリングのズーム位置を算出することと、テレコンバータが交換レンズに装着されている場合、ズーム位置が、光学性能が悪化する制限範囲にあるか否かを判定することと、ズーム位置が制限範囲にある場合、表示パネルに表示される情報を変更することと、を含む。
【選択図】
図5A