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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ライトユニット
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/096 20060101AFI20240426BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240426BHJP
【FI】
F21V21/096
F21S2/00 230
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020189464
(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2022078641
(43)【公開日】2022-05-25
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】520445439
【氏名又は名称】株式会社MCS
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100132506
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 哲文
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 拓史
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-10838(JP,A)
【文献】特開平7-6616(JP,A)
【文献】特開2020-24895(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0368668(US,A1)
【文献】国際公開第2011/102381(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/00-21/40
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁石と、
前記磁石に固定され、前記磁石から延びる固定軸と、
前記固定軸に対して、軸方向に可動に取り付けられるブラケットと、
前記ブラケットを前記磁石へ近づける方向へ付勢する弾性部材と、
前記ブラケットが長手方向にスライド可能に取り付けられるフレームと、
前記フレームに対して取り付けられる発光部と、
前記発光部を覆うカバーと、を備える、ライトユニット。
【請求項2】
前記ブラケットは、
前記固定軸を通す穴又は切欠きを有する天板部と、
前記天板部の両端から前記磁石から離れる方向へ延びる2つの側壁部と、
前記2つの側壁部の端に設けられた2つのフランジであって、前記フレームの前記長手方向に延びるフランジと、を有し、
前記フレームは、前記長手方向に延び、前記ブラケットの前記2つのフランジに係合する係合部を有する、請求項1に記載のライトユニット。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記固定軸の前記磁石と反対側の端部と、前記ブラケットとの間に設けられたバネである、請求項1又は2に記載のライトユニット。
【請求項4】
前記フレームに対して幅方向に動かないよう固定される固定部分と、前記固定部分から幅方向の両側に延び、幅方向に伸縮可能な一対の弾性部分とを有する幅位置規制部材をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のライトユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井又は壁等に取り付けられる照明装置のライトユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
天井又は壁等の平面に取り付けられる照明装置として、ベース本体(器具本体)とライトユニットを有する照明装置がある。ベース本体は、天井又は壁等に取り付けられる。ベース本体の凹部に、ライトユニットが取り付けられる。このような照明装置は、一体型ベースライトと称される。
【0003】
例えば、特開2016-157667号公報には、光源ユニットが着脱可能に取り付けられる照明器具(ベース本体)が開示されている。この照明器具は、長手方向に延びた凹部を有する。光源ユニットが照明器具に取り付けられた際に、光源ユニットに搭載された電源装置が、照明器具の凹部に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-157667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一体型ベースライトでは、ライトユニットがベース本体に対して着脱可能である。例えば、ライトユニットが不良である場合は、ライトユニットを交換することができる。一方、既設の一体型ベースライトには、様々な構造のものが存在する。すなわち、複数のメーカにより、構造の異なる一体型ベースライトが製造され、取り付けられている。構造の異なる一体型ベースライトでは、ベース本体の形状及びライトユニットのベース本体への取り付け構造が異なる。そのため、ある1つの一体型ベースライトのライトユニットを、構造が異なる他の一体型ベースライトのベース本体に取り付けることはできない。
【0006】
そこで、本発明は、構造の異なる様々なベース本体に取り付けることができるライトユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態におけるライトユニットは、磁石と、前記磁石に固定され、前記磁石から延びる固定軸と、前記固定軸に対して、軸方向に可動に取り付けられるブラケットと、前記ブラケットを前記磁石へ近づける方向へ付勢する弾性部材と、前記ブラケットが長手方向にスライド可能に取り付けられるフレームと、前記フレームに対して取り付けられる発光部と、前記発光部を覆うカバーと、を備える。
【0008】
上記構成のライトユニットは、磁石を有する。ベース本体が、鉄等の強磁性体を含む場合、ベース本体の強磁性体で構成される部分に磁石をつけることで、ライトユニットをベース本体に取り付けることができる。また、磁石の固定軸に対して可動なブラケットが磁石に近づく方向に弾性部材によって付勢される。ブラケットは、フレームに長手方向にスライド可能に取り付けられる。フレームには発光部が取り付けられる。これにより、ベース本体の凹部の形状に合わせて、フレームと磁石の距離を調整できる。また、ベース本体につける磁石の位置も、フレームの長手方向において調整できる。そのため、ベース本体の構造に合わせて、磁石の取り付け位置を調整できる。これらの構成により、ライトユニットは、構造の異なる様々なベース本体に取り付けることができる。
【0009】
上記のライトユニットにおいて、前記ブラケットは、前記固定軸を通す穴又は切欠きを有する天板部と、前記天板部の両端から前記磁石から離れる方向へ延びる2つの側壁部と、前記2つの側壁部の端に設けられた2つのフランジであって、前記フレームの前記長手方向に延びるフランジと、を有してもよい。前記フレームは、前記長手方向に延び、前記ブラケットの前記2つのフランジに係合する係合部を有してもよい。このような構成により、ブラケットを磁石に対して可動に、且つ、磁石に付勢して取り付けることができる。また、ブラケットを、フレームに対して、フレームの長手方向にスライド可能に取り付けることができる。
【0010】
上記のライトユニットにおいて、前記弾性部材は、前記固定軸の前記磁石と反対側の端部と、前記ブラケットとの間に設けられたバネであってもよい。これにより、簡単な構成で、ブラケットを磁石に対して可動に、且つ、磁石に付勢して取り付けることができる。
【0011】
上記ライトユニットは、前記フレームに対して長手方向に垂直な幅方向に動かないよう固定される固定部分と、前記固定部分から幅方向の両側に延び、幅方向に伸縮可能な一対の弾性部分とを有する幅位置規制部材をさらに備えてもよい。ライトユニットをベース本体に取り付ける際に、ベース本体の凹部の側面に幅位置規制部材の弾性部分の端が接すると、弾性部分の弾性力により、フレームが凹部の側面に近づき過ぎないように幅方向中央に押し戻される。そのため、幅位置規制部材により、ライトユニットが、ベース本体に対して、幅方向の両側のうちいずれかに偏らないように、ベース本体に対するライトユニットの幅方向の位置を規制することができる。
【0012】
幅位置規制部材は、フレームに対して長手方向にスライド可能に取り付けられたブラケットに取り付けられてもよい。これにより、ライトユニットをベース本体に取り付ける際に、幅位置規制部材の長手方向の位置を調整することができる。
【0013】
幅位置規制部材が取り付けられるブラケットは、磁石から延びる固定軸に可動に取り付けられるブラケットであってもよい。これにより、磁石の取り付け位置が幅方向両側のいずれかに偏るのを避けやすくなる。なお、固定軸に取り付けられるブラケットとは異なる別のブラケットに、幅位置規制部材が取り付けられてもよい。
【0014】
上記のライトユニットは、ベース本体に取り付けるライトユニットである。ライトユニットは、例えば、長手方向に延びる凹部を有するベース本体に取り付けるライトユニットであってもよい。この場合、ライトユニットのフレームの長手方向が、ベース本体の凹部の長手方向に対応するように、ライトユニットがベース本体に取り付けられる。
【0015】
例えば、ライトユニットは、発光部に電力を供給する電源装置を有してもよい。ベース本体は、電力を伝送する電線の端子を有してもよい。この場合、ライトユニットの電源装置は、ベース本体の電線の端子に接続される。一例として、発光部がLED光源を含む場合、電源装置は、交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換器を含んでもよい。この場合、ベース本体の電線の端子は、交流電力を出力する端子となる。
【0016】
上記のライトユニットのフレームの長手方向及び厚み方向に垂直な幅方向における寸法は、ブラケットの幅方向の寸法より長い。例えば、ライトユニットの幅方向の寸法を、ブラケットの幅方向の寸法の1.2倍以上、好ましくは1.6倍以上とすることができる。また、ブラケットの幅方向の端から、ライトユニットの幅方向の端までの距離を、例えば、7.5mm以上、好ましくは、15mm以上とすることができる。これにより、様々な幅の凹部を持つベース本体に対して、ライトユニットを取り付けることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、構造の異なる様々なベース本体に取り付けることができるライトユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態におけるライトユニットの構成例を示す斜視図
図2図1のライトユニットの側面図
図3図2のライトユニットのA-A線断面図
図4】ライトユニットをベース本体に取り付ける様子を説明するための図
図5】ベース本体に取り付けたライトユニットの断面図
図6】ライトユニットの変形例を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。
【0020】
[実施形態]
(ライトユニット構成例)
図1は、本実施形態におけるライトユニットの構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示すライトユニットの側面図である。図3は、図2に示すA-A線の断面図である。ライトユニット1は、長手方向と短手方向を有する長尺部材である。短手方向は幅方向である。すなわち、長手方向と厚み方向に垂直な方向が幅方向である。厚み方向は、磁石の取り付け面に垂直な方向である。以下の説明及び図面においては、ライトユニット1の長手方向をx方向、幅方向をy方向、厚み方向をz方向とする。
【0021】
図1に示すように、ライトユニット1は、磁石2、磁石2から延びる固定軸3、固定軸3に対して可動に取り付けられるブラケット4、ブラケット4を磁石2の方へ付勢する弾性部材5、ブラケット4がスライド可能に取り付けられるフレーム6、フレーム6に取り付けられる発光部7、及び、発光部7を覆うカバー8を備える。また、ライトユニット1は、幅位置規制部材21を備える。
【0022】
磁石2は、ライトユニット1の最も上方に位置する取り付け面(図1の例では、磁石2の上面)を有する。一例として、磁石2は、板状(例えば、円板状)に形成される。磁石2の材料は、特に限定されないが、例えば、ネオジム(ネオジウム)磁石、サマリウムコバルト磁石、又はフェライト磁石等とすることができる。
【0023】
図3に示すように、固定軸3は、磁石2の取り付け面と反対側の面に取り付けられる。固定軸3は、磁石2に固定される。固定軸3は、例えば、磁石2を貫通するボルト等の締結具によって磁石2に取り付けられてもよい。或いは、固定軸3と磁石2は一体的に形成されてもよい。
【0024】
固定軸3の磁石2と反対側の端には、軸方向に垂直な方向に張り出した張出部3aが設けられる。張出部3aは、軸に垂直な方向における断面積が、他の部分よりも大きくなっている。張出部3aは、例えば、ボルト等の締結具で固定軸3に固定されてもよいし、固定軸3に取り付けられた締結具の一部が張出部3aであってもよい。或いは、固定軸3と張出部3aが一体的に形成されてもよい。
【0025】
固定軸3には、ブラケット4が軸方向に可動に取り付けられる。図3に示す例では、固定軸3が、ブラケット4の穴又は切欠きを通る。張出部3aは、軸方向から見て、ブラケット4の穴又は切欠きの外縁より外側に張り出すように設けられる。張出部3aは、ブラケット4が固定軸3から抜けるのを止めるストッパとなる。
【0026】
ブラケット4は、天板部4aと、2つの側壁部4bと、2つのフランジ4cを有する。天板部4aは、固定軸3を通す穴又は切欠きを有する。2つの側壁部4bは、天板部4aの両端から磁石2から離れる方向へ延びる。2つの側壁部4bの内側の面の互いに向き合っている。なお、図3に示す例では、側壁部4bは、天板部4aの面に対して垂直な方向に延びているが、天板部4aの面に垂直な方向に対して傾いていてもよい。
【0027】
2つのフランジ4cは、2つの側壁部4bの端に設けられる。フランジ4cは、側壁部4bの端から屈曲して延びる部分である。2つのフランジ4cは、2つの側壁部の端から、互いに離れる方向に向かって延びる。また、フランジ4cは、長手方向(x方向)にも延びて形成される。フランジ4cは、フレーム6と係合するよう構成される。フランジ4cの端部4c1は屈曲して溝を形成する。このフランジ4cの溝は、長手方向に延びる溝である。
【0028】
フレーム6は、板状部材であり、長手方向(x方向)と短手方向(y方向)を有する。図3に示すように、フレーム6は、長手方向に垂直な面の断面において、上面(外面)における一対の突起状端部6aと、下面(内面)における一対の突起状端部6bを有する。突起状端部6a、6bは、長手方向に延びている。
【0029】
フレーム6の上面における一対の突起状端部6aは、ブラケット4のフランジ4cの溝に挿入される。これにより、ブラケット4は、フレーム6に対して長手方向にスライド可能に取り付けられる。一対の突起状端部6aは、ブラケット4のフランジ4cに係合する係合部の一例である。
【0030】
フレーム6の下面における一対の突起状端部6bは、基板7aと係合する。図3に示すように、長手方向に垂直な断面において、基板7aは、一対の突起状端部7a1を有する。基板7aの突起状端部7a1とフレーム6の突起状端部6bが係合する。基板7aには、光源7bが実装される。光源7bは、例えば、LED光源である。本例では、基板7aは、発光部7の一部である。基板7aは、例えば、樹脂又は金属で形成することができる。
【0031】
フレーム6は、例えば、ヒートシンクとしてもよい。この場合、フレーム6は、アルミニウム等の熱伝導率が高い材料で形成される。例えば、フレーム6をヒートシンクとしない場合、フレーム6を樹脂で形成することもできる。
【0032】
カバー8は、発光部7を覆うように、フレーム6に取り付けられる。フレーム6の端部に、カバー8の端部8aが掛けられる。カバー8の端部8aは、屈曲してフックを形成する。なお、カバー8の取り付け構造は、図3に示す例に限られない。例えば、カバー8は、基板7aに取り付けられてもよい。カバー8は、例えば、樹脂、又はガラス等の光を透過する材料で形成される。
【0033】
図3に示す例では、固定軸3の張出部3aと、ブラケット4の天板部4aとの間に、弾性部材5が配置される。弾性部材5は、コイルバネである。このコイルバネは、固定軸3を芯部とし、固定軸3を取り巻くように設けられる。張出部3aは、弾性部材5の一端を支持し、弾性部材5が固定軸3から抜けるのを止めるストッパとなっている。弾性部材5は、張出部3aと天板部4aの間で伸縮する。弾性部材5は、固定軸3の軸方向に伸縮し、軸方向の弾性力をブラケット4に作用させる。弾性部材5は、ブラケット4を磁石2に近づける方向へ付勢している。
【0034】
図2に示すように、ライトユニット1には、磁石2及びブラケット4の組が複数組(2組)設けられる。磁石2及びブラケット4の組を複数組設けることで、ライトユニット1のベース本体への取り付け強度を増すことができる。また、ブラケット4は、ライトユニット1において、長手方向に移動可能である。そのため、ライトユニット1をベース本体への取り付ける際に、磁石2の長手方向の位置を調整できる。
【0035】
ライトユニット1は、電源装置9を備える。電源装置9は、ベース本体の電線の端子に接続される。電源装置9は、ベース本体の電線を介して供給された電力を変換して発光部7に供給する。例えば、発光部7の光源7bがLED光源である場合、電源装置9は、交流を直流に変換するAC/DC変換器を含む。
【0036】
電源装置9は、フレーム6に対して長手方向にスライド可能に取り付けられてもよい。例えば、電源装置9の筐体に磁石を固定し、磁石をフレーム6の強磁性体で構成された部分に吸着させることができる。電源装置9を、ライトユニット1に対して、長手方向にスライド可能に取り付けることで、ライトユニット1をベース本体に取り付ける際に、電源装置9の位置を調整することができる。
【0037】
図3に示す例では、幅位置規制部材21は、フレーム6の上面側すなわち外面側に設けられる。幅位置規制部材21は、ブラケット4に固定して取り付けられる。ブラケット4は、磁石2から延びる固定軸3に可動に取り付けられるブラケットである。幅位置規制部材21の固定部分21aは、ブラケット4の天板部4aの上面に固定される。例えば、ボルト等の締結具によって幅位置規制部材21をブラケット4に固定することができる。
【0038】
固定部分21aの幅方向両端から一対の弾性部分21bが伸びて形成される。弾性部分21bは板バネである。弾性部分21bは幅方向に伸縮可能である。弾性部分21bの両端部は、湾曲している。これにより、幅位置規制部材21の幅方向の両端は曲面となる。
【0039】
図3に示す例では、ライトユニット1の幅方向(y方向)の寸法W2は、ブラケット4の幅方向の寸法W1より長い。幅方向は、長手方向(x方向)及び厚み方向(z方向)に垂直な方向である。厚み方向は、磁石2の取り付け面に垂直な方向である。W2/W1は、これに限られないが、例えば、1.2以上とすることが好ましく、1.6以上とすることがより好ましい。これにより、ライトユニット1を取り付けることができるベース本体の幅の範囲が広くなる。また、ベース本体の幅とのバランスの観点から、W2/W1は、例えば、6.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましい。
【0040】
ブラケット4の幅方向の寸法W1は、これらに限られないが、W1<55mmが好ましく、W1<45mmがより好ましい。ライトユニット1の幅方向の寸法W2は、これらに限られないが、W2>70mmが好ましく、W2>75mmが好ましい。このように、寸法W1及びW2を設定することで、実用されているベース本体の大部分に、ライトユニットを取り付けることができることが発明者らによって見出されている。同様の観点から、ブラケット4の幅方向の端からライトユニット1の幅方向の端までの距離W3は、例えば、7.5mm以上とすることが好ましく、15mm以上とすることがより好ましい。また、バランスの観点から、距離W3は、62.5mm以下が好ましく、40mm以下がより好ましい。W1の下限は特に限定されないが、例えば、W1>25mmとしてもよい。W2の上限は特に限定されたないたが、例えば、W2<150mmとしてもよい。
【0041】
幅位置規制部材21は、固定部分21aが、ライトユニット1の幅方向中央(C1)に位置する。自然長の一対の弾性部分21bの幅方向の一方の端部とライトユニット1の幅方向中央C1との距離W5と、自然長の一対の弾性部分の幅方向の他方の端部とライトユニット1の幅方向中央C1との距離W6は、等しい(W5=W6)ことが好ましい。これにより、ライトユニット1の磁石2が、ベース本体の凹部の幅方向中央に近い位置に配置されるよう、幅位置規制部材21によって付勢される(図5参照)。なお、W5とW6が等しい態様は、厳密にW5=W6である場合の他、磁石2を凹部の略中央に配置できる程度にW5とW6に微差がある場合も含まれる。幅位置規制部材21の幅方向の自然長(伸縮していない状態すなわち弾性力が生じていない状態の長さ)W4は、ブラケット4の幅W1より大きい(W4>W1)。
【0042】
(取り付け構成例)
図4は、ライトユニット1をベース本体に取り付ける様子を説明するための図である。図5は、ライトユニット1を図4に示すベース本体10の取り付けた状態を示す断面図である。図4に示す例では、ベース本体10は、天井に設置されている。ベース本体10は、長手方向(x方向)及び短手方向(y方向)を有する長尺部材である。ベース本体10は、長手方向に延びる凹部10uを有する。ベース本体10の凹部10uには、電線の端子12が配置される。端子12は、端子台である。なお、図示を省略しているが、凹部10uには、端子台の他の部品が配置されることがある。
【0043】
ライトユニット1において、磁石2及びブラケット4は長手方向に移動可能である。そのため、ライトユニット1をベース本体10に取り付ける際に、凹部10uの端子12その他の部品と、干渉しない位置に磁石2を移動させることができる。また、ライトユニット1の電源装置9も長手方向に移動させて、凹部10uの部品と干渉せず、且つ、端子12に接続可能な位置に配置することができる。
【0044】
図5に示すように、ライトユニット1がベース本体10に取り付けられた状態では、磁石2がベース本体10の凹部10uの底面10u1に吸着する。ブラケット4は、弾性部材5により磁石2の方へ付勢される。そのため、ブラケット4が取り付けられたフレーム6及びカバー8が、磁石2に近づくよう付勢される。これにより、ライトユニット1が、ベース本体10に押し付けられる。そのため、ライトユニット1とベース本体10との間に隙間が生じない。この構成により、ベース本体10の凹部10uの深さ(側面10u2の高さ)D1が変わった場合でも、ライトユニット1をベース本体10に押し付け隙間を生じない状態で取り付けることが可能である。すなわち、様々な形状のベース本体10に対して、ライトユニット1を隙間なく取り付けることが可能になる。
【0045】
また、図5に示す例では、幅位置規制部材21は、凹部10u内に配置される。幅位置規制部材21の両端は、凹部10uの両側の側面10u2に接し、一対の弾性部分21bは幅方向に縮んでいる。これにより、幅方向の両側の側面10u2からブラケット4を押す弾性力が発生する。ブラケット4は、これらの弾性力が釣り合う位置、すなわち幅方向中央付近に配置される。これにより、ブラケット4に繋がる磁石2及びフレーム6が、幅方向中央付近に配置される。
【0046】
(変形例)
本発明は、上記の実施形態に限られない。弾性部材5は、上記例のコイルバネに限られない。弾性部材5は、例えば、板バネ等の他のバネでもよい。或いは、弾性部材5は、固定軸3の張出部3aとブラケット4の天板部4aとの間に充填されたゴム等の弾性体で構成されてもよい。また、幅位置規制部材21の弾性部分21bは、板バネに限られず、例えば、コイルバネ、又はゴム等の弾性体であってもよい。上記例では、幅位置規制部材21は、長手方向に移動可能に取り付けられるが、長手方向に移動しないように取り付けられてもよい。例えば、幅位置規制部材21は、ブラケットを介さずに、フレーム6に対して、直接的に取り付けられてもよい。
【0047】
図6は、弾性部材5を板バネで構成した場合の例を示す側面図である。図6に示す例では、板バネの一端が張出部3aに接続され、他端が天板部4aに接続される。板バネは、ブラケット4を磁石2に近づける方向へ付勢する。
【0048】
また、ブラケット4のフレーム6に対するスライド機構も、上記例に限られない。フレーム6に長手方向に延びる溝を設け、フレーム6の溝に、ブラケット4の端部が係合する構成であってもよい。
【0049】
図3に示す例では、発光部7は、フレーム6に対して接する。すなわち、発光部7は、フレーム6に対して直接的に取り付けられている。これに対して、発光部7は、フレーム6に対して、他の部材を介して、間接的に取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 ライトユニット
2 磁石
3 固定軸
4 ブラケット
5 弾性部材
6 フレーム
7 発行部
8 カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6