(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】タイヤの保管、取り出しおよび在庫管理のシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/68 20060101AFI20240426BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240426BHJP
B65G 47/88 20060101ALI20240426BHJP
B65G 1/06 20060101ALI20240426BHJP
B65G 13/06 20060101ALI20240426BHJP
B60C 19/00 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
B65G47/68 B
B65G1/00 501B
B65G47/88 D
B65G1/06 Z
B65G13/06
B60C19/00 J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021179947
(22)【出願日】2021-11-04
(62)【分割の表示】P 2019543058の分割
【原出願日】2018-02-08
【審査請求日】2021-11-04
(32)【優先日】2017-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518347174
【氏名又は名称】アレン,トーマス,ジェイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレン,トーマス,ジェイ.
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/005438(WO,A1)
【文献】米国特許第09466047(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/68
B65G 1/00
B65G 47/88
B65G 1/06
B65G 13/06
B60C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ分配システムであって、
分配点からの複数の経路を画定する複数のチャネルであって、前記複数のチャネルの各チャネルは、回転するタイヤを支持するための底面と、前記各チャネル内でのタイヤの転倒を防止するために前記底面から上方に延びる第1および第2の横方向の側壁とを含む、複数のチャネルと、
前記複数のチャネルのチャネルを互いに連結する複数の制御構造であって、前記複数の制御構造は曲線および接合部のうちの少なくとも1つを含む、複数の制御構造と、
を備え、
前記システムは、前記複数のチャネルの少なくとも一部に配置された1つまたは複数の加速器をさらに備え、前記1つまたは複数の加速器の各加速器は、前記各加速器を介して前記タイヤの走行方向に対して垂直に前記各加速器を通過するタイヤの回転軸の周りの回転速度を増加させるように構成され、
前記1つまたは複数の加速器はそれぞれ、前記回転軸の周りで回転可能な1つまたは複数のロッドを含み、前記1つまたは複数のロッドは、1つまたは複数のモータに連結され、
前記システムは、前記複数のチャネルのうち第1の高さを有するチャネルと、前記複数のチャネルのうち前記第1の高さより低い第2の高さを有するチャネルとの間に延びる傾斜したチャネルをさらに備え、
前記システムは、ブレーキと、前記ブレーキに連結されたアクチュエータとをさらに含み、
前記ブレーキは、前記傾斜したチャネルを転がり落ちる前記タイヤの経路内に突出する湾曲した材料のストリップを含むことができ、前記アクチュエータは、前記湾曲した材料のストリップの湾曲を減少させ、且つ前記傾斜したチャネルを転がり落ちる前記タイヤにおける摩擦を減少させるのに有効である、前記湾曲した材料のストリップを選択的に引っ張るように構成される、タイヤ分配システム。
【請求項2】
前記分配点に保管アレイをさらに含み、前記保管アレイは水平方向と、前記水平方向に対して垂直な長手方向とを画定し、
前記保管アレイは、
前記水平方向に対して平行な回転軸を画定する複数のロッドであって、前記複数のロッドの前記回転軸は、前記複数のロッドのうちの隣接するロッドの対で複数のタイヤが支持されるように、前記長手方向に沿って互いにオフセットされている、複数のロッドと、
前記ロッドの前記回転軸周囲でそれぞれの複数のロッドを選択的に回転させるのに有効な前記複数のロッドに連結された少なくとも1つのモータと、
前記複数のロッドのうちのロッドに隣接して配置された少なくとも1つのアクチュエータであって、前記複数のタイヤのうち1つのタイヤを、(a)前記アクチュエータの起動に応答して、前記複数のロッドの隣接するロッド対の前記回転軸に平行に移動させること、および(b)前記複数のロッドのうちの第1および第2のロッドに置かれた状態から、前記複数のロッドのうちの第3および第4のロッド上に置かれた状態へと移行させること、の少なくとも一方を実行させるように配置された少なくとも1つの係合部材を画定する、アクチュエータと、
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数のロッドの各ロッドは、
第1の幅広端部から前記第1の幅広端部より小さな断面を有する第1の幅狭端部へと先細になる第1の円錐部と、
第2の幅広端部から前記第2の幅広端部より小さな断面を有する第2の幅狭端部へと先細になる第2の円錐部であって、前記第1の幅狭端部は前記第2の幅狭端部に当接する、第2の円錐部と
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つまたは複数のロッドは少なくとも2つのロッドを含み、
前記1つまたは複数の加速器の各加速器は、
前記少なくとも2つのロッドの間に配置されたリフトプレートと、
リフトプレートアクチュエータであって、前記リフトプレートに連結され、前記リフトプレートを前記各加速器に配置されたタイヤと係合しない下降位置と、前記リフトプレートが前記各加速器に配置されたタイヤと係合する上昇位置との間で移動させるように構成された、リフトプレートアクチュエータと、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
各チャネルの前記底面が凹状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1および第2の側壁のそれぞれから内側に突き出し、前記底面の上にオフセットしたレールをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の制御構造は、底面を有する湾曲部分と、前記底面に対して垂直な回転軸を有する複数のローラとを含み、前記複数のローラは前記底面の少なくとも1つの端部に沿って分配される、請求項1のシステム。
【請求項8】
前記複数のローラに連結され、前記複数のローラを回転させるように構成された1つまたは複数のアクチュエータをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数のチャネルは第1のチャネル、第2のチャネルおよび第3のチャネルを含み、
前記システムは、
前記第1のチャネルに連結された第1の端部と、前記接合部が前記第1のチャネルを前記第2のチャネルに連結する第1の位置と前記接合部が前記第1のチャネルを前記第3のチャネルに連結する第2の位置との間で移動可能な第2の端部とを有する接合部をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記接合部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に分配される第1列のローラと、前記第1の端部と前記第2の端部との間に分配される第2列のローラとを画定し、前記第1列のローラおよび前記第2列のローラは、それらの間の接合部チャネルを画定し、前記第1列のローラおよび垂直に配向された前記第2列のローラの前記ローラの回転軸を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数のチャネルは、第1の高さの第1のチャネルと、前記第1の高さより低い第2の高さの第2のチャネルとを含み、
前記システムは、
前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとの間を移動するように構成された昇降機、および、
前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとの間に延びる傾斜したチャネルのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ブレーキは、前記第2の高さに配置され、前記傾斜したチャネルを転がり落ちるタイヤと摩擦係合するように配置された、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記アクチュエータは、前記傾斜したチャネルを転がり落ちるタイヤと摩擦係合するような位置に、前記ブレーキを選択的に配置するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のチャネルの少なくとも一部の各チャネルは、チャネル底面の下に配置された末端部底面と、弾性材料を含むバンパとを含む末端部部分とを含み、前記末端部底面の少なくとも一部は前記バンパと前記チャネル底面との間に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
タイヤ分配方法であって、
分配点からの複数の経路を画定する複数のチャネルを提供する工程と、
前記複数のチャネルの少なくとも一部に配置された1つまたは複数の加速器を提供する工程と、
前記加速器を介して前記タイヤの進行方向に対して垂直に前記タイヤの回転軸の周りの回転速度を増加させるように、前記複数のチャネルのうちの少なくとも一部のチャネルを通じて、且つ、前記1つまたは複数の加速器のうちの1つの加速器を通じてタイヤを転動させる工程と、
を含み、
前記1つまたは複数の加速器のそれぞれが、
2つのロッドと、
前記2つのロッド間に配置されたリフトプレートと、
前記リフトプレートに連結され、前記リフトプレートを下降位置と上昇位置との間で移動させるように構成されたリフトプレートアクチュエータと、
を備え、
前記方法が、
前記下降位置にある前記リフトプレートを有する前記1つまたは複数の加速器のうちの1つの加速器の前記2つのロッド上に前記タイヤを受ける工程と、
前記タイヤの回転を誘発させるのに有効な前記2つのロッドを回転させる工程と、
前記タイヤと係合して前記タイヤを前記加速器から転がすのに有効な前記上昇位置まで、前記加速器
の前記リフトプレートを上昇させる工程と、をさらに含み、
前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、(a)前記少なくとも1つのチャネル内に突出する湾曲した材料のストリップと、(b)前記湾曲した材料のストリップの湾曲を減少させるのに有効な前記湾曲した材料のストリップを選択的に引っ張るように構成されたアクチュエータとを含むブレーキとを含み、
前記方法は、ブレーキを介した前記タイヤの横断中に前記湾曲した材料のストリップを引っ張るのに有効な前記アクチュエータを作動させる工程をさらに含む、方法。
【請求項16】
前記複数のチャネルの1つまたは複数のチャネルは、底面を有する湾曲部分と、前記底面に対して垂直な回転軸を有する複数のローラとを含み、前記複数のローラは前記底面の少なくとも1つの端部に沿って分配され、
前記方法は、前記湾曲部分を通じて前記タイヤを付勢するのに有効な前記湾曲部分を、前記タイヤが横切る間、前記複数のローラを回転させる工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
接合部を提供する工程をさらに含み、
前記複数のチャネルの第1のチャネルに連結された第1端部と、前記接合部が前記第1のチャネルを前記複数のチャネルの第2のチャネルに連結する第1の位置と前記接合部が前記第1のチャネルを前記複数のチャネルの第3のチャネルに連結する第2の位置との間で移動可能な第2の端部と、
それらの間に接合チャネルを画定し、垂直に向けられた第1列のローラおよび第2列のローラの前記ローラのローラの回転軸を有する前記第1列のローラおよび前記第2列のローラと、
を備え、
前記方法は、
前記接合部を前記第2のチャネルに連結するのに効果的に前記接合部の前記第2の端部を移動させる工程と、
前記タイヤを前記接合チャネルを通って前記第1のチャネルから前記第2のチャネルへと転動させる工程と、
前記接合部を前記第3のチャネルに連結するのに効果的に前記接合部の前記第2の端部を移動させる工程と、
第2のタイヤを前記接合チャネルを通って前記第1のチャネルから前記第3のチャネルへと転動させる工程と、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年2月9日に出願された米国特許出願第15/429,079号明細書に基づく優先権を主張し、これは、2016年9月12日に出願された米国特許出願第15/263,188号明細書の一部継続であり、これは、2016年3月31日に出願された米国特許出願第15/087,849号明細書の継続であり、これらの出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、車両用タイヤの保管に関する。
【背景技術】
【0003】
大量の自動車用タイヤを有する小売タイヤ販売店、大型自動車販売店、自動車置場および他の施設において、タイヤの保管および取扱いは、タイヤのサイズ、形状および重量のため、常に困難な問題であった。
【0004】
通常、タイヤは床から天井までのラックに保管され、ラック間には狭い通路が備わっている。より小規模で古い店舗では、店舗要員がはしごに上って手動でラック上にタイヤを置き、販売時にそれらを「引っ張り出し」て、タイヤの保管および取り出しを行う。タイヤを取り扱いながら要員がはしご上の高い位置でバランスを取らざるを得ない状況は、怪我を伴う事故と労働者生命保険請求を誘因する。より大型の店舗では、タイヤの取扱いにはフォークリフト車およびパレットが使用されるが、頭上のラックにタイヤを配置し、ラックからタイヤを取り出すことにはやはり時間がかかり、時に危険な作業となる。
【0005】
さらに、タイヤラックの間にアクセス用通路を設けなければならないという事実により、保管密度が主要な問題となっている。通路を挟んでラックに保管できる床面積100平方フィートあたりのタイヤの数は、タイヤをわずか数インチ間隔ですべての方向に互いに近くに保管できる場合よりもはるかに少なくなる。この事実は、たとえその場所が多くの潜在的顧客に近いとしても(例えば主要な大都市のオフィス街)、高額な不動産価格の土地でのタイヤ保管を不可能なものにする。
【0006】
従来のシステムに関するさらなる問題は、記録されたものと物理的なものの両方のタイヤの在庫管理である。一般に、流通業者/製造業者からのタイヤ積荷(トラック輸送)が店舗に到着すると、タイヤは船荷証券または請求書と物理的に照会され、モデル番号または部品番号、数量、説明などがコンピュータデータベースに入力され、次いでタイヤが、タイヤそのもの、または該当するサイズ/種類のタイヤが通常保管されるラックの前部のいずれかに、個々のタイヤを識別するラベルが付されて、保管ラックに配置される。在庫におけるタイヤのサイズ、種類、製造業者の組合せは定期的に変更するため、特定の期間に保管された特定のタイヤの正確な場所は常に不明であり、取付けのために在庫からタイヤを「引っ張り出す」際に時間の浪費と取り違えを生じることになる。さらに、一旦選択されたタイヤが在庫から引っ張り出されると、それは取付け場所に輸送されなければならず、それは同じ建物内、隣接または別の建物内、および/または異なる高さで保管場所から遠く離れている。
【0007】
多くの会計事務所、銀行、および他の金融業者が、少なくとも年に1度、物理的なタイヤの在庫数が記録されている在庫と一致していることを要求する。上記はタイヤラックを検査するためにはしごで作業するより多くの要員を必要とし、結果としてより多くの時間を要するとともに、事故および取り違えの可能性を高める。
【0008】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、タイヤの保管および取り出し、ならびにタイヤの在庫管理の改善された取り組み方を提供する。
【発明の概要】
【0009】
本発明の一態様では、タイヤ分配システムは、分配点からの複数の経路を画定する複数のチャネルを含む。1つまたは複数の加速器が複数のチャネルの少なくとも一部に配置され、1つまたは複数の加速器の各加速器は、各加速器を介してタイヤの走行方向に対して垂直に各加速器を通過するタイヤの回転軸の周りの回転速度を増加させるように構成される。
【0010】
ある実施形態では、保管アレイは分配点に配置され、水平方向および水平方向に垂直な長手方向を画定する。保管アレイは、それぞれ水平方向に平行な回転軸を画定する複数のロッドを含み、複数のロッドの回転軸は、複数のタイヤが複数のロッドのうちの隣接するロッド対によって支持され得るように、長手方向に沿って互いにずれている。保管アレイは、複数のロッドに連結された少なくとも1つのモータをさらに含み、複数のロッドのそれぞれをその回転軸の周りに選択的に回転させるのに有効である。少なくとも1つのアクチュエータは、複数のロッドのロッドに隣接して配置され、且つ複数のタイヤの1つのタイヤに、(a)アクチュエータの作動に応答して、複数のロッドの一対の隣接するロッドの回転軸と平行に移動させ、(b)複数のロッドのうちの第1および第2のロッドの上に載っている状態から複数のロッドのうちの第3および第4のロッドの上に載っている状態に移動させる、うちの少なくとも1つを生じさせるように配置された、少なくとも1つの係合部材を画定する。
【0011】
ある実施形態では、1つまたは複数の加速器はそれぞれ、回転軸の周りで回転可能な1つまたは複数のロッドを含み、1つまたは複数のロッドは1つまたは複数のモータに連結される。1つまたは複数のロッドの各ロッドは、第1の幅広端部から第1の幅広端部より小さな断面を有する第1の幅狭端部へと先細になる第1の円錐部と、第2幅広端部から第2幅広端部より小さな断面を有する第2幅狭端部へと先細になる第2円錐部とを含むことができ、第1の幅狭端部は第2幅狭端部に当接する。
【0012】
ある実施形態では、1つまたは複数のロッドは少なくとも2つのロッドを含み、1つまたは複数の加速器の各加速器は、少なくとも2つのロッドの間に配置されたリフトプレートと、リフトプレートアクチュエータであって、リフトプレートに連結され、リフトプレートを各加速器に配置されたタイヤと係合しない下降位置と、リフトプレートが各加速器に配置されたタイヤと係合する上昇位置との間で移動させるように構成された、リフトプレートアクチュエータとをさらに含む。
【0013】
ある実施形態では、複数のチャネルの各チャネルは、底面と、底面の対向端部から上方に延びる第1および第2の側壁とを含み、底面は凹状である。ある実施形態では、複数のチャネルは、第1および第2の側壁のそれぞれから内側に突き出し、底面の上にオフセットしたレールをさらに含む。
【0014】
ある実施形態では、複数のチャネルの1つまたは複数のチャネルは、底面を有する湾曲部分と、底面に対して垂直な回転軸を有する複数のローラとを含み、複数のローラは底面の少なくとも1つの端部に沿って分配される。1つまたは複数のアクチュエータを複数のローラに連結し、複数のローラを回転させるように構成してもよい。
【0015】
ある実施形態では、複数のチャネルは、第1のチャネル、第2のチャネル、および第3のチャネルを含む。システムは、第1のチャネルに連結された第1の端部と、接合部が第
1のチャネルを第2のチャネルに連結する第1の位置と接合部が第1のチャネルを第3のチャネルに連結する第2位置との間で移動可能な第2の端部とを有する接合部をさらに含み得る。ある実施形態では、接合部は、第1の端部と第2端部との間に分配される第1列のローラと、第1の端部と第2端部との間に分配される第2列のローラとを画定し、第1列のローラと第2列のローラは、それらの間の接合部チャネルを画定し、第1列のローラおよび垂直に配向された第2列のローラのローラの回転軸を有する。
【0016】
ある実施形態では、複数のチャネルは、第1の高さの第1のチャネルと、第1の高さより低い第2の高さの第2のチャネルとを含む。システムは、第1のチャネルと第2のチャネルとの間を移動するように構成された昇降機と、第1のチャネルと第2のチャネルとの間に延びる傾斜したチャネルのうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0017】
傾斜したチャネルを含むシステムは、第2の高さに配置され、傾斜したチャネルを転がり落ちるタイヤと摩擦係合するように配置されたブレーキをさらに含むことができる。ブレーキは、ブレーキに連結されたアクチュエータをさらに含み、アクチュエータは、傾斜したチャネルを転がり落ちるタイヤと摩擦係合する位置にブレーキを選択的に配置するように構成される。例えば、ブレーキは、傾斜したチャネルを転がり落ちるタイヤの経路内に突出する湾曲した材料のストリップを含むことができ、アクチュエータは、湾曲した材料のストリップの湾曲を減少させ、且つ傾斜したチャネルを転がり落ちるタイヤにおける摩擦を減少させるのに有効である、湾曲した材料のストリップを選択的に引っ張るように構成できる。
【0018】
ある実施形態では、複数のチャネルの少なくとも一部の各チャネルは、チャネル底面の下に配置された末端部底面と弾性材料を含むバンパとを含む末端部部分を含み、末端部底面の少なくとも一部はバンパとチャネル底面との間に配置される。
【0019】
このシステムの対応する使用方法もまた開示され特許請求されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態および代替実施形態を以下に詳細に説明する。
【0021】
【
図1A】本発明の一実施形態による保管アレイに使用するためのローラ上でスピンするタイヤの側面図である。
【0022】
【
図1B】本発明の一実施形態による、ローラに沿ったスピンするタイヤの水平方向の動きを示す図である。
【
図1C】本発明の一実施形態による、ローラに沿ったスピンするタイヤの水平方向の動きを示す図である。
【0023】
【
図2A】本発明の実施形態による、保管アレイのローラ上に載っている様々なサイズのタイヤを示す側面図である。
【0024】
【
図2B】本発明の実施形態による、個々のタイヤ用のテーパ部分を有するローラを示す。
【
図2C】本発明の実施形態による、個々のタイヤ用のテーパ部分を有するローラを示す。
【0025】
【
図3A】本発明の実施形態による、スピンするタイヤを長手方向に沿って前進させるための摩擦板を示す。
【
図3B】本発明の実施形態による、スピンするタイヤを長手方向に沿って前進させるための摩擦板を示す。
【0026】
【
図4A】本発明の実施形態による、複数対のスピンするロッドを有する保管アレイの層を示す。
【0027】
【
図4B】本発明の実施形態による、複数の層および昇降機を備えた保管アレイを示す。
【0028】
【
図4C】本発明の一実施形態によるタイヤをストックした保管アレイの層を示す。
【0029】
【
図5A】本発明の一実施形態によるリフトプレート用のアクチュエータの実施形態を示す。
【
図5B】本発明の一実施形態によるリフトプレート用のアクチュエータの実施形態を示す。
【
図5C】本発明の一実施形態によるリフトプレート用のアクチュエータの実施形態を示す。
【0030】
【
図6A】本発明の一実施形態によるナジャーの動作を示す。
【
図6B】本発明の一実施形態によるナジャーの動作を示す。
【
図6C】本発明の一実施形態によるナジャーの動作を示す。
【
図6D】本発明の一実施形態によるナジャーの動作を示す。
【
図6E】本発明の一実施形態によるナジャーの動作を示す。
【
図6F】本発明の一実施形態によるナジャーの動作を示す。
【0031】
【
図7A】本発明の実施形態による、タイヤに電子チップを取り付けるための装置の使用法を示す。
【
図7B】本発明の実施形態による、タイヤに電子チップを取り付けるための装置の使用法を示す。
【
図7C】本発明の実施形態による、タイヤに電子チップを取り付けるための装置の使用法を示す。
【
図7D】本発明の実施形態による、タイヤに電子チップを取り付けるための装置の使用法を示す。
【
図7E】本発明の実施形態による、タイヤに電子チップを取り付けるための装置の使用法を示す。
【
図7F】本発明の実施形態による、タイヤに電子チップを取り付けるための装置の使用法を示す。
【0032】
【
図8】本発明の一実施形態による、保管アレイを使用して保管、取り出し、および在庫管理を実施するための構成要素の概略ブロック図である。
【0033】
【
図9A】本発明の一実施形態による、保管アレイを使用してタイヤの積み降ろしを示す概略ブロック図である。
【
図9B】本発明の一実施形態による、保管アレイを使用してタイヤの積み降ろしを示す概略ブロック図である。
【
図9C】本発明の一実施形態による、保管アレイを使用してタイヤの積み降ろしを示す概略ブロック図である。
【
図9D】本発明の一実施形態による、保管アレイを使用してタイヤの積み降ろしを示す概略ブロック図である。
【
図9E】本発明の一実施形態による、保管アレイを使用してタイヤの積み降ろしを示す概略ブロック図である。
【
図9F】本発明の一実施形態による、保管アレイを使用してタイヤの積み降ろしを示す概略ブロック図である。
【0034】
【
図10A】本発明の一実施形態による出荷品の積み込みを示す概略ブロック図である。
【
図10B】本発明の一実施形態による出荷品の積み込みを示す概略ブロック図である。
【0035】
【
図11】本発明の一実施形態によるタイヤ分配システムを示す。
【0036】
【
図12】本発明の一実施形態によるタイヤ分配システムの代替実施形態を示す。
【0037】
【
図13A】本発明の一実施形態によるタイヤ分配システムで使用するためのチャネルを示す。
【
図13B】本発明の一実施形態によるタイヤ分配システムで使用するためのチャネルを示す。
【
図13C】本発明の一実施形態によるタイヤ分配システムで使用するためのチャネルを示す。
【
図13D】本発明の一実施形態によるタイヤ分配システムで使用するためのチャネルを示す。
【0038】
【
図14A】本発明の一実施形態による湾曲したチャネル部分を示す。
【
図14B】本発明の一実施形態による湾曲したチャネル部分を示す。
【0039】
【
図15A】本発明の一実施形態による湾曲したチャネル部分の代替実施形態を示す。
【
図15B】本発明の一実施形態による湾曲したチャネル部分の代替実施形態を示す。
【
図15C】本発明の一実施形態による湾曲したチャネル部分の代替実施形態を示す。
【0040】
【
図16A】本発明の一実施形態による接合部を示す。
【
図16B】本発明の一実施形態による接合部を示す。
【
図16C】本発明の一実施形態による接合部を示す。
【
図16D】本発明の一実施形態による接合部を示す。
【
図16E】本発明の一実施形態による接合部を示す。
【0041】
【
図17A】本発明の一実施形態による加速器を示す。
【
図17B】本発明の一実施形態による加速器を示す。
【
図17C】本発明の一実施形態による加速器を示す。
【
図17D】本発明の一実施形態による加速器を示す。
【
図17E】本発明の一実施形態による加速器を示す。
【0042】
【
図18A】本発明の一実施形態による昇降機を示す。
【
図18B】本発明の一実施形態による昇降機を示す。
【
図18C】本発明の一実施形態による昇降機を示す。
【0043】
【
図19A】本発明の一実施形態によるブレーキを示す。
【
図19B】本発明の一実施形態によるブレーキを示す。
【
図19C】本発明の一実施形態によるブレーキを示す。
【
図19D】本発明の一実施形態によるブレーキを示す。
【
図19E】本発明の一実施形態によるブレーキを示す。
【0044】
【
図20A】本発明の一実施形態によるウェルを示す。
【
図20B】本発明の一実施形態によるウェルを示す。
【
図20C】本発明の一実施形態によるウェルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書に開示されたシステムおよび方法は、背景技術の部分に挙げられた問題のすべてを解決する。それらによって、はしごの上の人員なしで、配送トラックからタイヤを降ろすことができるのとほぼ同じ速さでタイヤを在庫に入れることができる。タイヤは3次元で互いに近接して保管アレイに保管されるので、従来のラックによって占められるスペースのごく一部にタイヤを保管する自動保管アレイが開示される。自動保管アレイは、在庫からタイヤを検索し、数秒で要求に応じて配送する。保管アレイに連結された制御器は、保管アレイが使用されるたびに店舗コンピュータデータベース内のタイヤ在庫データを更新し、それによって、いつでも要求に応じて物理的在庫カウントを生成することができる。
【0046】
さらに、自動保管アレイは、個々のタイヤ在庫の「変化」を分析し、効率的な取り出しのために個々のタイヤを保管アレイのどこに保管すべきかを決定することができる精巧なコンピュータプログラムの使用を可能にする。
【0047】
図1A、
図1Bおよび
図1Cは、保管アレイの動作原理の概略図を示す。保管アレイのより詳細な実施形態を以下に説明する。
【0048】
垂直に配置されたタイヤ101は、2つの小径のスピンするローラ102(例えば、タイヤ101の直径の10%未満、または15%未満など、タイヤの直径よりはるかに小さい直径を有する)上に支持され、その回転軸(および対称性)は、タイヤ101の回転軸と平行である。ローラ102がスピンしてタイヤ101をスピンさせると、タイヤ101は非常に小さい力103で左右に(例えば水平方向に)移動することができ、加えられた水平方向の力すなわち「ナッジ(nudge)」103が大きすぎない限り、タイヤ101の回転の慣性によって左右の移動中に実質的に垂直にとどまる。
【0049】
図1Aから
図1Cで明らかなように、ローラ102は回転方向104を画定し、タイヤ101は回転方向106と反対の回転方向106を画定する。この動作は、重力方向に対応する垂直方向108、垂直方向108に垂直で、且つタイヤ101およびローラ102の回転軸に垂直な長手方向110、ならびにタイヤ101およびローラ102の回転軸に平行な横方向112に関してさらに理解してもよい。
図1Aおよび
図1Cから明らかなように、ローラ102はタイヤの直径より小さい距離だけ長手方向に互いにオフセットされている。
【0050】
図2Aを参照すると、様々なタイヤ202~206を、同じ長手方向の間隔で同じローラ102と共に使用してもよい。したがって、長手方向110におけるローラ102の間隔は、保管される最小のタイヤの直径よりも実質的に小さい、例えばローラ102上に保管される最小のタイヤの直径の80~50パーセントであるように選択され得る。
【0051】
図2Bおよび
図2Cを参照すると、さらに、ある実施形態では、ローラ102は、その中に形成された窪み201を備えることができる。図示されている実施形態では、窪み201はローラ102に機械加工された幅広く非常に浅い「V字部」201である。例えば
、「V字部」201の幅は、その深さの20倍から40倍の間であり得る。各「V字部」201は、2つの円錐形部分として具現化されてもよく、円錐形部分の幅狭端部が中間点で一緒に接合されるように、左側のものは中間点まで小さい直径に先細りになり、右側のものは中間点から大きい直径に広がる。ローラ102上の各「V字部」201は、隣接するローラ102において対向する(例えば、水平方向112に沿って同じ場所に配置されている)同様の形状およびサイズの「V字部」201を有する。
【0052】
使用時には、「V字部」対201に押し込まれた任意のスピンするタイヤ101は、隣接する「V字部」対201に横方向に押し込まれない限り/横に動かされない限り、その「V字部」対201に収まる。「V字部」201の角度は非常に浅くてもよいため、スピンするタイヤは、浅い「V字部」201の側部を登り、次の「V字部」201対に移動し、スピンするローラに実質的に垂直で、直角に留まりながら、押されているのでそれに落ち着く。
【0053】
タイヤのトレッド幅が「V字部」201の幅よりも狭く、タイヤ直径が十分に大きく、その結果、タイヤはローラ102によって押しつぶされるのではなく、スピンするローラ102によって支持される限り、ローラ102の浅い「V字部」201は任意のタイヤ形状およびサイズ202~206を収容することができる。幅がより広く平坦なトレッドを有するタイヤは「V字部」201においてより高く載るが、幅がより狭く丸みを帯びたトレッド設計を有するタイヤは「V」201においてより低く載る。「V字部」201は、同じタイヤの範囲を各対のローラ102の上に保管してもよいように、保管アレイ内のすべてのローラ102について寸法が均一であってもよい。
【0054】
モータ208を各ローラ102に連結してもよい。あるいは、単一のモータが複数のローラ102に連結されてもよい。モータ208は、ローラをどちらの方向にも回転させることができるように、好ましくは双方向モータである。モータ208は、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータ、または回転運動を誘発してもよい他の任意の種類の装置としてもよい。
【0055】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、ある実施形態では、固定水平面301は、長手方向110に沿ってタイヤのトレッドの中心線と一直線上に、ローラ102およびタイヤ101の外側に配置される。水平面301は、スピンするローラ102の頂部、例えば窪み201を含むスピンするローラ102の最大直径部分と垂直方向108に整列してもよい。
【0056】
2つのローラ102の間に垂れ下がっているスピンするタイヤ101の部分の中心下の第1の位置(
図3A)から垂直方向の可動表面302が持ち上がっている。可動表面302は、第1の位置ではスピンするタイヤ101と接触しないことが好ましい。可動表面302は、その上面が固定水平面301と少なくとも同一平面、例えば、同じ高さになるように、第2の位置(
図3B)に持ち上げられる。第2の位置では、可動表面302の上面は、長手方向108、水平方向112、および固定水平面301と平行であり得る。
【0057】
タイヤのトレッドと可動表面302との間の摩擦は、タイヤ101を転がし、固定水平面301上で比較的直線に継続させる。タイヤ101が最初に十分に速くスピンし、その回転エネルギーのすべてが、表面302との摩擦によって消散されるのではなく、または並進運動エネルギーに変換されるのではない場合、タイヤ101の回転の慣性は、それを垂直にとどまらせる。
【0058】
図示されている実施形態では、反時計回りに回転するローラ102は、タイヤ101を時計回りに回転させる。したがって、可動表面302が第2の位置まで上昇すると、タイヤ101は右に転がる。左への移動は、可動表面302を上昇させる前にローラ102を
時計回りにスピンさせることによって達成してもよい。
【0059】
図4Aおよび
図4Bを参照すると、保管層401は、保管アレイの他の部分を支持し、他の部分が取り付けられる基本構造フレームワークおよびプラットフォームである。保管の典型的な実施形態は、上下に積み重ねられ、それぞれ同じ機能を実行する2つ、3つ、または4つ以上の保管層401a~401cを有する。保管層401は、それぞれ一対のローラ102を含む複数のローラ対402a~402fを含むことができる。各ローラ対402a~402fは長手方向保管場所を画定する。以下では、「ローラ対402a~402f」は「長手方向保管場所402a~402f」と交換可能に使用されるものとする。図示のように、垂直方向の可動表面302を受け入れるために、開口部404a~404fが各ローラ対402a~402fのローラ102間の層401の上面403に画定されている。また明らかなように、層401の上面403は、ローラ102の対402a~402fの間で、最初と最後のローラ対402a、402fを越えて延びる。このようにして、上面403は、垂直方向の可動表面302を持ち上げることによって、タイヤが転がるときにタイヤが転がることができる表面を提供する。
【0060】
各ローラ対402a~402fの各ローラ102は、複数の保管場所406a~406jを画定する。各保管場所は、上述のように窪み201を含むことができる。各保管場所406a~406jは、特定の場所406a~406jのタイヤが持ち上げられて、同じローラ対402a~402fに載っている他のタイヤとは独立して転がることができるように、各ローラ対402a~402fのローラ102間の保管場所406a~406jに配置された対応する可動表面302を含むことができる。
【0061】
したがって、
図4Aおよび
図4Bから明らかなように、保管層401a~401c、ローラ対402a~402f、および保管場所406a~406jの配置は、保管場所の三次元アレイまたはグリッドを提供する。図示されている実施形態では、各層401a~401cの垂直方向の場所は垂直方向の座標k,k=1~3として定義してもよい。各ローラ対402a~402fの長手方向位置は、図示されている実施形態では長手方向座標j,j=1~6に対応する。各保管場所406a~406jの水平方向場所は、図示されている実施形態では水平方向の座標i,i=1~10に対応する。したがって、保管場所P(i,j,k)の三次元アレイが座標i,jおよびkの各組み合わせで画定される。
【0062】
各ローラ対402a~402fのローラ102は、ローラデッキの幅とほぼ同じ大きさ(例えば80パーセント以内、好ましくは90パーセント以内)の水平方向112の幅を有してもよい。ローラ対402a~402fの回転軸は、上面403の下方且つ上面に平行であり、長手方向110に一様に離間している。ローラ対402a~402fのローラ102は、ローラ対内のローラの最も広い直径の頂部が上面403と同じ高さになるように、垂直方向108に沿って配置されてもよい。しかしながら、ある実施形態では、ローラ対402a~402fのローラ102の最高点は、上面403よりもわずかに高くてもわずかに低くてもよく、依然として十分に機能する。
【0063】
保管層401内の各ローラ対402a~402fの個々のローラ102間の距離は、保管されるタイヤの組み合わせにおけるタイヤの最小および最大直径に依存する。多数の異なる直径のタイヤを同時に保管することができ、任意のサイズのタイヤを任意の保管位置に保管することができる。各ローラ対402a~402fにおける個々のローラ102間の距離は、最大直径のタイヤがスピンしていないときに転倒する傾向がなく良好に支持されるように十分に長く、最小直径のタイヤが落下しないか、またはローラによって押しつぶされないように十分に短いのが好ましい。保管層401上のローラ対402a~402f間の距離は、長手方向に隣接するローラ対402a~402fに保管された最大直径のタイヤが接触しないように十分に大きいことが好ましい。各ローラ対402a~402f
内の個々のローラ102間、およびローラ対402a~402f自体間の間隔は、例えばすべての層401a~401cについて、保管アレイ全体にわたって均一であることが好ましく、それによって任意のタイヤが保管アレイ内の任意のタイヤ位置に移動できる。しかしながら、他の実施形態では、特定のローラ対402a~402fがより大きいまたはより小さいタイヤにのみ適しているように、不均一なローラ102の間隔およびローラ対402a~402fの間隔が使用されてもよい。
【0064】
ローラ対402a~402fに電力が加えられると、両方のローラが同じ方向にスピンする。ローラ対402a~402f上に載っているタイヤもまた(ローラとは反対方向に回転して)スピンし、推進力および回転の慣性を発生させ、タイヤを垂直方向に配向させ、ぐらつきに抵抗する。ある実施形態では、単一のモータが所与の層401a~401cのすべてのローラ対402a~402fを駆動する。他の実施形態では、個々のモータまたは一対のモータが各ローラ対402a~402fを駆動する。
【0065】
層401は、在庫管理を容易にするために1つまたは複数の電子構成要素をさらに含み得る。各水平方向保管場所406a~406jにおいて、センサ408a~408jが第1のローラ対402aのローラ102に隣接する上面403の上、上面403において、または上面403のすぐ下に取り付けられてもよく、センサ408a~408jは、第1のローラ対402a上に載っているスピンするタイヤに接触していないが、近接している。具体的には、センサ408a~408jは、スピンするタイヤ内の電子チップを検知するのに十分近いが、保管アレイに保管され得る最大または最小の可能性のあるタイヤによって影響を受けない位置に配置される。センサ408a~408jは、RFID(無線周波数識別子)リーダ、電子チップリーダ、または他の検知装置であり得る。センサ408a~408jはまた、視覚的記号を読み取るためのカメラ、バーコードスキャナ、任意の他の光学コードスキャナ(例えば、QR(クイックレスポンス)コードスキャナ)などの任意の他の種類の検知装置であり得る。したがって、タイヤは、使用されるセンサ408a~408jの種類によって、RFIDタグ、光学コード、またはそれに固定された他の検知可能な構造を有してもよい。このようにして、各タイヤが層401上に転がると、センサ408a~408jはタイヤを検出し、タイヤの識別子を抽出することができ、それによって、以下でより詳細に説明するように、在庫管理目的でタイヤの自動識別を可能にする。層401は、各保管場所406a~406jの前面に表示ライト410a~401jをさらに含むことができる。表示ライト410a~410jの機能は、以下により詳細に説明される。
【0066】
具体的に
図4Bを参照すると、タイヤを垂直方向108に沿って様々な層401a~401cへ、および様々な層401a~401cから輸送するために、昇降デッキ412が設けられてもよい。昇降デッキ412は、昇降機表面414と、2つのローラ102を含むローラ対416とを含む。開口部418がローラ102の間に画定され、層401a~401cと同様に各水平方向保管場所406a~406jに垂直持ち上げ面を含む。表面414に対するローラ対416およびローラ102の構成は、上面403に対するローラ対402a~402fの構成と同一であり得る。
図4Bから明らかなように、昇降機表面414は、ローラ対416の周りに延び、上面403と同一平面上またはほぼ同一平面(例えば0.5~1cm以内)に配置されることができ、層401a~401cと昇降機表面414との間でタイヤが前後に転がることを可能にする。明らかなように、昇降デッキ412は、1つのローラ対402a~42fに保管してもよいのと同じ数のタイヤ、すなわち、水平方向保管場所406a~406jの数を保持してもよい。
【0067】
昇降デッキ412は、制御された方法で昇降デッキ412を昇降させるために当技術分野で知られている任意の機構に連結してもよい。図示されている実施形態では、昇降デッキ412は、昇降デッキ412を昇降させるのに有効なケーブル420またはチェーン4
20を巻き且つ巻き解くように動作可能な1つまたは複数のアクチュエータ422に連結されたケーブル420またはチェーン420に連結される。他の実施形態では、空気圧式または機械式リフトシステムを使用してもよい。
【0068】
昇降デッキ412は、各層401a~401c内の第1の長手方向位置402aに隣接して位置決め可能であり、昇降デッキは、タイヤ401(または複数のタイヤ)を任意の層401a~401cに輸送し、且つ1つのタイヤ(または複数のタイヤ)を任意の層401a~401cから受け取ることができるように、層401a~401cの間を垂直に移動する。ある実施形態では、昇降デッキ412は、水平方向場所406a~406jの間で制御器800によって指示されるように移動され得るように、水平方向のアクチュエータ424をさらに含む。例えば、ある実施形態では、昇降デッキ412のローラ対416は、2つの水平方向保管場所(例えば、V字部201)を画定するだけである。ある実施形態では、アクチュエータ422は水平方向のアクチュエータ424に取り付けられている。図示されている実施形態では、水平方向のアクチュエータ424はアクチュエータ422によって昇降される。水平方向のアクチュエータ424は、並進運動を実行するための当技術分野で知られている任意の電気式、機械式、油圧式、または空気圧式アクチュエータとして具体化してもよい。
【0069】
図4Cを参照すると、使用において、タイヤ101は、保管場所P(i,j,k)の一部または全部に保管されている。ある実施形態では、最後のローラ対402fを除く全部が少なくとも1つの空の水平方向保管場所406a~406jを有する。このようにして、前方からより遠くに位置するタイヤが層401の前端部まで前方に転がることができるように、タイヤを水平方向112に移動させるか、またはタイヤと層401の前端部との間に配置された別のタイヤを避けるように、タイヤが水平方向112に移動されてもよい。
【0070】
図5Aおよび
図5Bを参照すると、垂直方向の可動表面302はプレート501の上面であり得る。
図5Aおよび
図5Bから明らかなように、長手方向110のプレート501の長さは、プレート501が干渉されることなく、ローラ102間を上方に移動してもよいように、一対のローラ402a~402fの間の開口部404a~404fの長手方向の長さよりも小さい。しかしながら、長手方向の長さは、スピンするタイヤ101と係合するための表面を提供するのに十分である。(例えば、
図5Aおよび
図5Bのページ内への)水平方向の長さは、各プレート501が隣接するプレート501からの干渉なく上下に移動できるように、保管場所406a~406jの幅よりわずかに小さい(例えば、90~95パーセント)。
【0071】
図3Aおよび
図3Bに関して説明した機能を達成するために、様々な作動手段を使用して各プレート501およびその対応する垂直方向の可動表面302を選択的に上下動させることができる。例えば、図示されている実施形態では、プレート501は枢動ロッド502またはプレート502に取り付けられている。空気圧式または油圧式アクチュエータ504が、層401およびロッド502に連結されている。したがって、アクチュエータ504を選択的に作動させてプレート501を上下動させることができる。機械的アクチュエータ、電気的アクチュエータなどの他のアクチュエータも使用してもよい。さらに、枢動動作ではなく、アクチュエータ504はプレート501の厳密な垂直運動を引き起こすことができる。
【0072】
図5Aに示されるように、プレート501が下がっているとき、タイヤ101はローラ102の回転104により方向106に自由にスピンする。プレート501を上昇させると、プレート501とタイヤ101との間の摩擦により、タイヤは長手方向110に前方(右)に転がる。プレート501の垂直方向の可動表面203は、それ自体とタイヤ10
1との間の摩擦を高めるようにテクスチャ加工または処理されてもよい。当然、ローラ102を反対方向(時計回り)に回転させる場合、タイヤ101はプレート501の上昇に応答して後方(左)に転がるであろう。
【0073】
特に
図5Bを参照すると、特定の水平方向場所406a~406jに対するセンサ408a~408jは、第1の長手方向位置のローラ102の間(すなわち、層401の前端部に最も近い)に配置されてもよい。センサ408a~408jは、スピンするタイヤの影響を受けずに、ローラ102の間に位置するタイヤにできるだけ近接して取り付けられることが好ましい。例えば、センサ408a~408jは、ローラ102上に保管され得る最小または最大のタイヤによって影響されない位置に取り付けられ得る。
図5Bから明らかなように、センサ408a~408jは、ローラ対の他方よりも一方のローラ102の近くに配置されている。このようにして、センサ408a~408jは、ロッド102間のスパンの中央がローラ102上に載っているタイヤの最低点となり、タイヤのサイズと共に大きく変化するので、広範囲のタイヤを検知するように配置されている。センサ408a~408jは、ローラ対のうちの前方ローラ102または後方ローラ102に近接して配置されてもよい。
【0074】
図5Cを参照すると、プレート501は、プレート501が配置されている水平方向保管場所406a~406jに対応するセンサ408a~408jのための隙間を提供するようなサイズおよび位置のノッチ409を含み得る。図示されている実施形態では、ノッチ409はプレート501の後端部に配置されている。他の実施形態では、ノッチ409は前端部に配置されている。さらに他の実施形態では、センサ408a~408jは、プレート501によって画定された凹部内などでプレート501に直接取り付けられている。
【0075】
図6A~
図6Fを参照すると、タイヤ101の水平方向112への移動は、ナジャー600によって促進されてもよい。ナジャー600は、枢動ロッド602から下方に延びるアーム601を含み得る。アーム601は、スピンするタイヤ101との接触に応答して回転するローラ604を含む。ローラ604は、単にアーム601に回転可能に固定されたスリーブであり得るか、または回転を促進するための軸受を含み得る。ロッド602は、水平方向112においてロッドを左右に選択的にスライドさせる水平方向のアクチュエータ606に取り付けられてもよい。水平方向のアクチュエータは、当技術分野で知られている任意の空気圧式、油圧式、電気式または機械式アクチュエータとしてもよい。水平方向のアクチュエータ606の水平方向の動きの範囲は、個々の保管場所406a~406の左右への幅であり得る(または左端または右端に位置するナジャー600に対して、それぞれちょうど右側または左側であってもよい)。
【0076】
ロッド602は、枢動アクチュエータ608に取り付けることができる。枢動アクチュエータ608は、長手方向と平行な回転軸を中心にロッド602を枢動させる。枢動アクチュエータ608は、当技術分野で知られている任意の空気圧式、油圧式、電気式または機械式アクチュエータとしてもよい。
【0077】
図示されたナジャー600の一例は、各保管場所P(i、j、k)の上の各層401a~401cに取り付けることができる。例えば、アーム601およびローラ604が下げられそれらの水平方向の動作範囲の中央位置にある場合、ローラ対402a~402fの対となるローラ間で長手方向の中心に位置し、(例えば、ローラ間の中間点からローラ102の分離距離の15%以内)且つ保管場所406a~406jの水平方向の範囲内に水平に配置されていてもよい。アーム601とローラ604との間の間隔、例えば、ローラ604の内側の大部分の対向する部分は、保管場所406a~406jの幅以下であり得る。特に、ローラ604の間隔および幅は、ナジャー600のローラ604間に配置され
たタイヤ101と干渉しないように、且つ、ナジャー600に隣接して配置された他のタイヤ101と干渉しないようであってもよい。ロッド602、アクチュエータ606、608、およびスピンするタイヤ101と干渉する可能性があるアーム601以外のナジャー600の任意の他の構造は、層の上面403の上方に、機械に保管される最大のタイヤの直径よりも高く配置されている。
【0078】
タイヤを長手方向場所j=j
1から隣接する場所j=j
2へと水平方向12に移動させるために、場所P(i、j
2、k)用の枢動アクチュエータ608はアーム601を上方へ、邪魔にならないように枢動させる。(
図6A参照)。あるいは、場所P(i、j
2、k)の水平方向のアクチュエータ608はアーム601を邪魔にならないように水平方向に移動させてもよい。場所P(i、j
1、k)の水平方向のアクチュエータ606は次にアーム601を水平に場所j
2に動かす(左方向の動きについては
図6Cおよび6D、右方向の動きについては
図6Eおよび6Fを参照)。場所P(i、j
1、k)用の枢動アクチュエータ608は次にアーム601を上方に、邪魔にならないように移動させ、アーム601をスライドさせて長手方向の場所j
1に戻す。場所P(i、j
1、k)およびP(i、j
2、k)用の枢動アクチュエータ608は、アーム601を下方に枢動させ、そこに配置された任意のタイヤがアーム601間に位置するようにする(
図6B参照)。
【0079】
各ナジャー600は、(a)上述のように、ナジャーの真下の保管位置から隣接する保管位置へと横方向にスピンするタイヤを移動させること、および(2)タイヤ101が動いているときおよび停止しているとき、姿勢を安定させる機能の一方または両方を実行してもよい。いくつかのタイヤは、それらのトレッドの輪郭のために、タイヤが保管位置の間を移動しているときに振動し、タイヤがスピンを停止するときに片側に傾く傾向がある。
【0080】
上記のように、各層401は、各水平方向保管場所406a~406jに1組のセンサ408a~408jを含み得る。
図7A~
図7Fは、タイヤ101のトレッドに電子チップを注入するための機械700および使用方法を示す。
【0081】
機械700は、鋭い先端に達する1つまたは複数の傾斜面704を含むプローブ702を含み得る。プローブ702は好ましくは十分に強く、面704は典型的な自動車のタイヤのトレッドを貫通するのに十分鋭い点を画定するのが好ましい。電子チップを受けるためにレセプタクル706がプローブ702内に画定される。図示されている実施形態では、レセプタクル706は、面704のうちの1つに対して垂直に内方に延びるポケットである。チャネル708がプローブ702を通じて延び、レセプタクル706と流体連通する。
【0082】
プローブ702は、シリンダ712内に配置されたピストン710に取り付けることができる。入口714は、加圧ガスまたは液体をシリンダ712に供給するためにシリンダ712と流体連通している。ポスト716は、ピストン710からシリンダ712の端部キャップ718を通って延びることができる。チャネル708はポスト716を通って入口720まで延びる。
【0083】
使用時には、電子チップ722がレセプタクル706内に配置される(
図7B)。次いで、機械700がタイヤ101上に降下する(
図7C)。圧縮ガスまたは液体724が入口714を通ってシリンダ712に注入され、それによりピストン710がプローブ702をタイヤ101のトレッドに押し込む(
図7D)。圧縮気体または液体726が入口720に注入され、電子チップ722をレセプタクル706から押し出す(
図7E)。電子チップ722をタイヤ101のトレッド内に残して、プローブ702が引き抜かれる(
図7F)。好適には、電子チップは、外に飛び出してこない程度に、ただし、タイヤ101
の完全性または強度を阻害しない程度に、タイヤ101のトレッド内部に十分に深く配置される。
【0084】
図8を参照すると、汎用コンピュータ、プログラマブル論理制御装置(PLC)、それら2つの組合せ、または任意の他のプログラマブル論理回路として具現化される制御器800は、保管アレイのタイヤの保管および取り出しを制御し、且つ、他の在庫管理機能を実行するために、上述のいくつかのアクチュエータ、またはすべてのアクチュエータに接続されてもよい。全体的な、または部分的な制御器として、汎用コンピュータ800を含む実施形態では、汎用コンピュータ800は、1つまたは複数の処理装置、および、1つまたは複数の処理装置に接続された1つまたは複数のメモリ装置を含んでもよく、1つまたは複数のメモリ装置は、この場合、制御器800に帰する保管、取り出し、および在庫管理機能のすべてまたは一部を実施するのに有効な実行可能なコードを記憶している。
【0085】
例えば、制御器800は、モータ208、昇降機アクチュエータ422、424、リフトアクチュエータ504、水平方向のアクチュエータ606、および、枢動アクチュエータ608に動作可能に接続されてもよい。制御器800は、アクチュエータのタイプ(電気式、機械式、油圧式、空気式)に従った任意の既知の方法によって、これらのアクチュエータを始動、停止するように動作可能であってもよい。本明細書に記載されるように、制御器800は、保管アレイへのタイヤの投入が検知および処理されるように、センサ408a~408jにさらに接続されてもよい。制御器800に接続されて表示されている例示の構成要素は、PLCを通じて、図示されている構成要素を汎用コンピュータに接続することによって実行されてもよい。
【0086】
制御器800は、さらに、タイヤ101が保管されている各保管場所P(i、j、k)にタイヤ記述子をマッピングする保管マップ802を保存し、または、保管マップ802にアクセスしてもよい。制御器800は、どのタイヤが年間を通じた所定の時期にもっとも取り出されたか、すなわち、1週間、1か月または他の期間毎のアクセスにおいて測定されたアクセス頻度の季節的変動を判断するために、タイヤが保管アレイから取り出され、および/または保管アレイに投入された時を記録するアクセス履歴804を保存し、または、アクセス履歴804にアクセスしてもよい。保管アレイに関して、制御器800によって実施され得る様々な保管および取り出し方法および在庫管理技術が以下に説明される。
【0087】
一般的なタイヤ在庫アプリケーションが、上記の保管アレイに固有の1つまたは複数のプログラムとともに、制御器800によって実施されてもよい。具体的には、これらのプログラムは、各タイヤの正確な保管場所P(i、j、k)が分かるように、保管マップ802を維持してもよい。具体的には、制御器80が、第1の場所P(i1、j1、k1)から第2の場所P(i2、j2、k2)へのタイヤの移動を発生させるときはいつでも、保管マップは、タイヤの識別子または他の記述子を第2の場所にマッピングするために更新されてもよい。このように、保管マップ802は、機械の作動中にタイヤが何度移動されても、または機械にタイヤがどれだけ長期にわたり保管されていても、保管アレイ内の個々のタイヤの正確な場所を常に記録する。
【0088】
保管アレイは、機械の望ましい総タイヤ保管容量、機械が保管される建物の天井高さ(および、層401a~401cの可能な層数)、層401a~401cにおけるローラ対402a~402fの数および長さ、および、その専有面積の長さと幅の変動、センサ408a~408jの配置および個数などによって、数多くの実施形態または構成を有することが可能であるが、基本的な動作は変更される必要がない。
【0089】
図9Aを参照すると、保管アレイの動作は、行軍隊列で用いられるランクアンドファイ
ル(rank and file)の概念を使用すると理解されてもよい。人が、密集した陣形の正面に対面して立っている場合、肩を並べて立っている兵士の第1の行(row)が第1のランクであり、第2の行が第2のランクであり、以下、最後の行(ランク)まで同様に続く。前から後ろに向かって、第1のランクの各兵士の後ろに並んでいる兵士の個々の列(line)がファイルである。ファイルは左から右に番号が振られる。各兵士がどのランクおよびファイルにいるかを知ることによって、個々の兵士の正確な場所を指摘することができる。
【0090】
図9Aに示されるように、図示されている例では、保管アレイは水平方向場所i=1~L、L=4としてファイルを画定してもよい。各水平方向場所Iは、水平方向場所406a~406jと一致し、各水平方向場所Iは、本明細書に説明される水平方向保管場所のすべての属性を有し、属性は、
図5および6に関して記載されているように、プレート501および対応するアクチュエータ504、ならびに、対応するアクチュエータ606および608を備えたナジャー600を含んでいる。
【0091】
図示されている例では、
図9Aで位置j=1~M、M=4として示されているように、保管アレイは、ランクを長手方向位置402a~402fとして画定してもよい。
図2Aから
図2Cに関して上記で説明されているように、各長手方向位置は、一対のローラ102、および、制御器800によって方向づけられたいずれかの方向にローラ102を回転するための1つまたは複数のモータ208を含んでいる。図示されている実施形態では、各層401a~401cは、垂直位置k=1~N、N=3である。L、MおよびNの値は、場所の専有面積および高さ制限、ならびに場所の保管ニーズに応じた任意の整数であってもよい。
【0092】
第1の長手方向位置j=1の正面で、表示ライト410a~410jおよびセンサ408a~408jが各水平方向保管場所406a~406jに配置されている。簡略化のために、
図9Aで、各表示ライトは「G」とラベルされた行に記載されており、各センサは「S」とラベルされた行に記載されている。ある実施形態では、各表示ライトG=1~Lは緑色または赤色ライトを発光するように作動されてもよい。保管マップを使用して、制御器80が保管アレイのそれぞれの空の場所P(i、j、k)を特定してもよい。これに応じて、制御器800は、その水平方向場所iの長手方向位置のどこかで、少なくとも1つの空き位置が存在する場合には、表示ライトG=iを緑色発光させる。制御器800は、特定の水平方向場所iに空き位置が存在しない場合には、特定の水平方向位置iの表示ライトG=iを赤色発光させる。
【0093】
空の位置P(i、j、k)に対応する、層kの前端部の長手方向位置j=1の水平方向場所にタイヤが積み込まれる。機械への積み込み時、長手方向位置j=1のローラ102は制御器800によって回転させられ(保管アレイの中央部から離れた最上位部分)、これにより、ローラ上に置かれたタイヤ101を保管アレイの後方に向かって後方方向にスピンさせる(j=M)。この地点で、センサS=iはそのタイヤ101の識別情報を読み取り、その情報を、第1の長手方向位置jのタイヤの正確な水平方向場所iと共に、制御器800に送信する。制御器800は在庫および保管マップの更新にこの情報を使用する。
【0094】
特に
図9Aを参照すると、保管マップ802は、層k=1の水平方向場所i=2の、長手方向位置jの1つが利用可能であることを示すと仮定する。したがって、表示ライトG=2が緑色発光する。タイヤAが垂直場所k=1の水平方向位置i=2に積み込まれる。垂直場所k=1のセンサS=2によって読み出されたデータに対応するタイヤAの記述が、保管マップ802の場所P(2、1、1)にマッピングされる。タイヤ101と一致するタイヤモデルのもう1つのユニットが保管アレイ内で利用可能であることを表示するた
めに、在庫記録が更新されてもよい。
【0095】
図9Bを参照すると、タイヤAは、ナジャー600を使用して、タイヤAの現在の場所P(i、j、k)(図示されている例ではP(2、1、1))で、その現在の長手方向位置の任意の位置へ横方向に押すことによって、積み込まれた初期位置から、保管の任意の位置に移動することができる。タイヤAは、現在の場所のローラ102が前方にスピンしている(保管アレイの前端部に向かって上面が移動している)場合、その現在の場所P(2、1、1)でプレート501を持ち上げることにより、第2の、すなわち他の長手方向位置402b~402fに向かって後方に移動されてもよい。
【0096】
例えば、場所P(2、1、1)のタイヤA下部のプレート501のみを持ち上げることにより、スピンするタイヤAを第2の長手方向位置j=2(位置P(2、2、1))に送り、ここでタイヤAは長手方向位置j=2のローラ102の間に収まる(
図9BのA1を参照のこと)。最後の長手方向位置j=Mを除く、すべての長手方向保管場所jの特定の水平方向場所iですべてのプレート501を持ち上げることにより、
図9Bに示されるように、最後の長手方向位置P(2、4、1)にタイヤAが転がって送られる(A2参照)。当然のことながら、2つ、3つ、または他の数の隣接するプレート501を持ち上げることにより、タイヤAは長手方向位置jの対応する2つ、3つ、または他の数の長手方向位置jによって後方または前方に移動され得る。場所P(2、1、1)で左右にナジャー600を動かすことにより、タイヤAはP(3、1、1)またはP(1、1、1)に移動されてもよい(A3およびA4参照)。
【0097】
隣接する水平方向または長手方向の場所が、現在のところ、別のタイヤで占有されていない場合、適切なプレート501を持ち上げ、ナジャー600を作動することにより、任意の位置P(i1、j1、k1)の個々のタイヤが、任意の別の位置(i2、j2、k2)に送られることが可能である。
【0098】
例えば、長手方向保管場所j=1~Mのローラ102が機械の後部に向かって後方に回転している場合、ローラに置かれたタイヤは第1の長手方向位置j=1に向かって前方に回転する。1つまたは複数の場所P(i、j、k)でプレート501を持ち上げることにより、タイヤは保管アレイの前端部に向かって、対応する1つまたは複数の場所の前方に転がる。よって、保管アレイ内の任意のタイヤは、積み下ろしのために、第1の長手方向位置j=1のどの位置にも移動可能である。
【0099】
図9Cを参照すると、保管アレイの任意の方向にタイヤを移動させることは、タイヤを移動することが可能な空の位置があることを明確に想定している。理論上、層k内の少なくとも1つの位置がタイヤによって占有されていない場合、特定の層k内の任意の位置の任意のタイヤは、ローラ102、ナジャー600およびプレート501の適切な動作によって、層k内の任意の別の位置に移動されることが可能である。実際には、各層kは、各長手方向位置jの少なくとも1つの空の水平方向場所iが存在するように、荷積みされてもよい。このように、ナジャー600に、タイヤ101の現在位置と所望位置との間のすべてのタイヤを、そのタイヤの水平方向場所406a~406jの外部に移動させることで、層kの任意の場所の任意のタイヤは、層k内の任意の長手方向位置j>1と、第1の長手方向位置j=1における任意の位置の間を行き来できる「クリアショット(障害物なく進行できる経路)」を備えていてもよい。このように、長手方向位置402a~402fの間のタイヤ101の動作は、タイヤ101が荷積みまたは荷下ろしされるときにのみ必要とされる。
【0100】
例えば、
図9Cの例では、タイヤAを位置P(2、4、1)から位置P(2、1、1)に移動するために、制御器はナジャー600に、タイヤBを位置P(2、3、1)から位
置P(3、3、1)に移動させる(B1参照)とともに、タイヤCを位置P(2、2、1)から位置P(3、2、1)に移動させる(C1参照)。場所P(2、4、1)、P(2、3、1)およびP(2、2、1)でのプレート501は、長手方向位置j=2から4のローラ102が後方に向かってスピンしている間、持ち上げられてもよい。その後、タイヤAは場所(2、1、1)に向かって前方に転がされ、ここでタイヤAは昇降機412に荷下ろしまたは荷積みされてもよい。
【0101】
上記のとおり、保管マップ802は、各タイヤA、B、Cの現在場所P(i、j、k)に格納するための各タイヤA、B、Cの各動作に応答して、保管アレイ内の各タイヤA、B、Cの場所が常時把握可能であるように、制御器800によって更新される。それによって保管アレイは、数秒でいつでも任意のタイヤの取り出しを可能にする。
【0102】
制御器800は、第1の長手方向位置j=1のセンサS=1~Lによって取得された情報に応答して、保管アレイからタイヤを出し入れする毎に在庫データベースを更新してもよい。タイヤが機械から取り出されるタイミングでのタイヤデータの読み取りは、二重の安全機能であり、これは、制御器800が保管アレイからのタイヤの取り出し動作を発生させるため、センサS=1~Lの1つによる出力を伴うことなく、その取り出しを検出するためである。
【0103】
保管マップ802のデータが喪失した場合、制御器800は、
図9CのタイヤAに関する上記方法を使用して、各タイヤを少なくとも一時的に、水平方向保管場所i=1~L、第1の長手方向位置j=1に移動してもよい。このように、センサS=1~Lは、タイヤに備えられた電子チップを検知し、それに従って保管マップ802を更新してもよい。これは時間のかかる方法ではあるが、完全に自動化されており、実施形態によってはこの手順の実行開始を行う以外は、人間の行為を必要としない。喪失した保管マップ802を回復するために使用される同一手順が、定期的に物理的な棚卸を行う賃貸人および経理担当者の要件を満たすために、保管アレイの内容を検証するのに使用されてもよい。
【0104】
例えば、長期にわたる、各タイヤサイズの売上および「在庫回転」(例えば、販売されて取り出され、同じタイプのタイヤの新しい実例と置き換えられたケース)の数を分析し、最も早く売れた(一定期間に最も多くの「在庫回転」が実現された)タイヤを機械の前方ラックに配置し、結果として、それらのタイヤを在庫回転の頻度が少ないサイズのタイヤよりも素早く取り出しできるように、制御器800が実行するプログラムの変更およびプログラムへの追加が行われてもよい。
【0105】
さらに、保管アレイの機械部品と制御器800との組合せは、動作を改善するために様々な修正を可能にする。例えば、上記のように、一定のタイヤサイズおよびトレッドの外形は、各長手方向位置jのローラ102の浅い「V字部」201内でぐらついたり、および/または左右に動きやすい。しかしこのぐらつきは、ある回転速度では発生しない。制御器800は、特定の保管場所P(i、j、k)のナジャー600のアーム601に付加される力を検知するなどして、タイヤのぐらつきを検知してもよい。よって、制御器800は、(例えば、速度を調節したり、付随するぐらつきを測定することにより)各位置の各タイヤに許容可能な回転速度の範囲を画定してもよい。このように、特定のタイヤが長手方向位置j=j1から長手方向位置j2へ、または水平方向場所i=i1から別の水平方向場所i=i2へと移動されたとき、制御器800はローラ102に特定のタイヤを係合させ、そのタイヤに許容可能な回転速度の範囲で回転させてもよい。同様に、スピンするタイヤが前方または後方に向かって長手方向位置jの1つのみ移動される場合、タイヤは、例えば7つのランクを移動した場合ほどの初期回転速度を必要としない。したがって、制御器800は、タイヤに係合するローラ102に、長手方向位置402a~402fの所望の数を移動させるのに十分な運動エネルギーを与えるのに十分な速度で、タイヤを
スピンさせ、運動エネルギーの大きさは、タイヤが移動される長手方向位置の数に応じて増加する。
【0106】
図9Dを参照すると、制御器800は、機械の積み込みのために、表示装置のインタフェースの表示「新しいタイヤの在庫の積み込み」を呼び出してもよい。制御器800は、層k=1(最下層)の第1の長手方向位置j=1のローラ102の回転を起動して、前方方向の回転を開始する(その結果、第1のランクのローラ対上のタイヤは後方にスピンする)。層k=1のすべてのプレート501は、その下方位置に移動されるか、そのままの位置に残される(
図5B参照)。
【0107】
図9の例では、操作者はその後、緑色表示ライトG=Iを有する第1の長手方向位置j=1の任意の水平方向場所i、位置P(3、1、1)に新たなタイヤAを転がす。次いで、制御器800は、人間によるさらなる入力を必要とせず、新たな1つのタイヤ(または複数のタイヤ)の後続の動作を自動的に実行する。新たに積み込まれたタイヤAは、第1の長手方向位置j=1のローラ102の回転により、即座に後方にスピンし始め、新たに積み込まれたタイヤの水平方向場所iのセンサS=iはタイヤ内の電子チップからタイヤ識別データを読み出し、その情報を制御器800に送信する(図示されている例では、センサS=3)。
【0108】
次いで、制御器800は新たに積み込まれたタイヤAを現在位置P(3、1、1)に置いたままにするか、もしくは、新たに積み込まれたタイヤに新たな保管場所を定めてもよい。例えば、制御器800は、積み込まれたタイヤを長手方向に移動させ、ただし先に積み込まれた水平方向場所iと同じ場所に保管させてもよい。例えば、
図9Dの例では、タイヤAは位置P(3、4、1)に移動されてもよい(A1参照)。ある事例では、制御器800は、1つまたは複数の位置P(i、j、k)の適切なナジャー600およびプレート501、ならびに適切な長手方向位置jのローラ102に、新たに保管されたタイヤを新たな場所に移動させるように命令してもよく、さらに、新たに積み込まれたタイヤ用に、第1の長手方向場所402aから新しい長手方向および/または水平方向場所に、障害物のない経路を開くために、介在するタイヤを長手方向または横方向に移動させるように命令してもよい。
【0109】
例えば、
図9Dに示されているように、タイヤAを位置P(2、4、1)に移動させるために、位置j=1のローラが、制御器800によって前方にスピンされてもよい。制御器800は、位置P(3、1、1)のナジャー600に、タイヤAを位置P(2、1、1)に移動させる(A2参照)。制御器800は長手方向位置j=3および2のロッド102を前方方向にスピンさせる。制御器800は、位置P(2、2、1)およびP(2、3、1)のナジャー600に、タイヤBおよびCを、位置P(3、2、1)およびP(3、3、1)にそれぞれ強く押し出させる(C1およびB1参照)。位置P(2、1、1)、P(2、2、1)およびP(2、3、1)のプレート501は持ち上げられ、それによって、タイヤAを位置P(2、4、1)に転がし、そこに収める(A3参照)。
【0110】
上記のように、各タイヤの各動作は制御器によって記録され、積み込みの際にタイヤAを検知したセンサS=3の出力に対応して、新たに積み込まれたタイヤに対応する情報を含む保管マップ802を更新するために使用される。例えば、新たに積み込まれたタイヤAの識別子または他の記述子が、センサS=3によって検知されたデータを使用して読み出され、新たに積み込まれたタイヤの保管場所に対応するように、保管マップに保存されてもよい。
【0111】
在庫からタイヤを取り出すために、操作者はタイヤの識別子を入力するか、または制御器800によって表示装置に表示されるインタフェースの「在庫からタイヤを取り出し」
内のタイヤ識別子を選択してもよい。例えば、操作者は、取り出すタイヤの数量および種類を入力してもよい。制御器800は、保管マップ802を使用して、各記述子を保管場所にマッピングし、その保管場所にあるタイヤを第1の長手方向位置402aに移動させる動作を起動する。
【0112】
例えば、位置P(i1、j1、k1)から取り出されるタイヤ(「所望のタイヤ」)に関して、制御器800は、第1の長手方向位置j=1、または、同じ水平方向場所i1にある、介在する長手方向位置1<j<j1に配置された任意のタイヤの水平方向の動きを起動してもよく、それによって、所望のタイヤが第1の長手方向位置j=1に到着するための障害物のない経路が開かれ、場合によっては、第1の長手方向位置402aから、昇降デッキ412上に移動する。したがって、制御器800は、垂直方向位置k1および水平方向位置i1に配置されるべき昇降デッキ412の水平方向および/または垂直動作を起動してもよい。所望のタイヤ、および、介在するタイヤのこれらの動作のそれぞれに応答して、制御器800は、所望のタイヤの取り出し、および、移動された任意の介在するタイヤの新たな場所を反映するように、保管マップ802を更新する。制御器800は、所望のタイヤの取り出しを反映するように、在庫データベースをさらに更新してもよく、また、在庫情報から取り出された1つまたは複数の所望のタイヤの請求書、在庫補充の注文、および、在庫管理タスクの記録または指示に関する他の書式などの文書の作成を起動してもよい。
【0113】
一般的な設定では、床面積を節約するために、3つまたは4つの層k=1~3、またはk=1~4が互いに最上部に配置されているが、高さ制限に応じて他の数量の層が使用されてもよい。したがって、複数層の実施形態では、保管マップ802は、層k内の個々のタイヤの位置、および、タイヤがその上に配置される層kの両方を記録する。よって、タイヤを取り出すという指示に応答して、タイヤが配置される層kが保管マップ802から決定され、その層kのナジャー600、プレート501、およびロッド102が上記方法で始動され、そのタイヤをその層kの第1の長手方向位置j=1に持って行き、場合によっては第1の長手方向j=1から昇降デッキ412上に持って行く。同様に、その層kと長手方向および垂直方向に整列する昇降デッキ412の動作は、制御器によって起動され、昇降デッキ412を下降してタイヤの取り出しを可能にする。
【0114】
在庫取り出しの例が
図9Eに示されており、所望のタイヤは位置P(2、4、3)のタイヤAである。よって、制御器は、昇降デッキ412の保管場所の1つが、層k=3の水平方向場所i=2に水平方向および垂直方向に整列するように、昇降デッキ412の動作を起動する。次いで、制御器800は、層k=3の長手方向位置1~4で、ローラ102の後方方向のスピンを起動する。その後、制御器800は位置P(2、3、3)およびP(2、2、3)のナジャー600に、タイヤBおよびCを位置P(3、3、3)およびP(3、2、3)にそれぞれ移動させる(C1およびB1参照)。次いで、制御器800は位置P(2、4、3)、P(2、3、3)、P(2、2、3)およびP(2、1、3)のプレート501を持ち上げさせ、それによって、タイヤAを昇降デッキ412上に転がす(A2参照)。最下層のタイヤに関しては、制御器800は所望のタイヤを昇降機412ではなく、単に第1の長手方向位置j=1に転がす。タイヤAが層k=1以外の層にある場合、昇降機412は、昇降デッキ412にタイヤAを転がした後の取り出しのために、タイヤAを層k=1の垂直高さ、またはその高さ付近にまで降下してもよい。
【0115】
ある例示的実施形態では、保管アレイは12フィートの天井高さの建物内に収容され、この状況は、例えば、機械の層数を3層k=1~3に制限する。各層kは上記の層401の特性のいくつか、またはすべてを有している。ある例では、各層kは8つの長手方向位置j=1~8を画定し、それぞれが上記の長手方向保管場所402a~402fと同じ属性を有している。各層kは10個の水平方向保管場所i=1~10をさらに画定してもよ
い。したがって、各層k=1~3は80のタイヤ保管場所を有する。したがって、3つの層k=1~3と併せて、合計240個のタイヤ保管スペースを提供する。動作の効率性のために、タイヤの保管アレイの事実上の合計収容可能数を約210に減少して、各長手方向場所jには1つの空のスペースが残されるべきである。
【0116】
保管アレイが、最大直径31インチ、最大幅10インチのタイヤ用に設計され、各層kの端部周囲に、追加的な機械部品や枠体が取り付け可能であると仮定すると、各層kおよび、結果として、210個のタイヤを保管するための保管アレイの専有面積は、約12フィート×22フィート、すなわち、244平方フィートである。これは、タイヤの保管、迅速な備蓄、取り出し、在庫管理を行う保管アレイのためのタイヤ毎の床面積が、非常に小さい1.25平方フィートである。
【0117】
この例示的実施形態では、保管アレイは、タイヤの第1の長手方向場所j=0に隣接した前端部から積み込みおよび積み下ろしされる。この側面からのみアクセスが必要である。他の三方は壁や他の機械、他の保管用部品と対面していてもよい。ある実施形態では、制御器800は、可撓ケーブルで保管アレイの様々なアクチュエータに接続されたディスプレイやキーボードを含む独立型コンソールによるコンピュータ画面を含んでもよい。ある実施形態では、識別用電子チップ722をタイヤに挿入するための装置700(
図7A参照)も独立型機械である。ただし、これらの部品(画面、キーボード、および/または電子チップ挿入機)の1つまたは両方が、それらの部品または保管アレイの機能を変更することなく、保管アレイ本体に組み込まれるか、もしくは分離したデスクか作業台の上に置かれてもよい。
【0118】
図9Fを参照すると、昇降デッキ412は、タイヤ積荷を受領すると、前方を向いた状態の(上面が保管アレイの後方に向いている)昇降デッキ412上のローラ対416の、水平方向保管場所(例えば一対の「V字部」201)の上に1つまたは複数のタイヤA、Bを転がすことで積載される。次に、1つまたは複数のタイヤA、Bは保管アレイの後端部に向かってスピンし始める。次いで、制御器800によって制御された昇降デッキ412は、1つまたは複数のタイヤA、Bを受ける層kまで上昇する。図示されている例では、タイヤA、Bは、層k=1の高さで昇降デッキ412に積み込まれ、その後、昇降デッキ412はタイヤA、Bを層k=3に移動させる(A1、B1参照)。制御器800は、昇降デッキ412に、所望の層(この例ではk=3)と同じ高さで昇降デッキを停止させ、タイヤを受ける予定の第1の長手方向位置の目標の水平場所に昇降デッキを移動するのに必要な水平方向の動きを起動する。例えば、
図9Fでは、昇降機は、層k=1の水平方向場所i=1および2に整列した状態から、層k=3の水平方向場所i=3および4に整列した状態に移動する。制御器800は、昇降デッキ412のプレート501の片方または両方を持ち上げる動作を起動し、プレート501は、第1の長手方向位置j=1の選択された水平方向場所(この例ではi=3および4、A2およびB2参照)に対して、スピンするタイヤA、Bの片方または両方を蹴り出す。昇降デッキ412上に複数のタイヤが存在する可能性がある限り、このプロセスが各タイヤに対して繰り返されてもよく、すなわち、昇降機が各タイヤのために水平方向および垂直方向位置に移動されてもよい。例えば、タイヤAはタイヤBの水平方向場所i=4のすぐ隣に接するように配置されるのではなく、水平方向場所i=1または2で蹴り出されてもよい。
【0119】
制御器800は、新たに積み込まれたタイヤ位置と、その最終位置との間の長手方向位置jのロッド102をスピンさせる。さらに制御器800は、前部長手方向位置から最終保管位置に向かって「クリアショット(clear shot)」を提供するために、ナジャー600の一部に、タイヤの最終保管位置に配置されているタイヤ、および、介在しているタイヤを移動させる。または、新たに積み込まれたタイヤは、別の長手方向位置j>1に「クリアショット」を設けるために、異なる水平方向位置iに移されてもよい。例
えば、タイヤCおよびDは、タイヤAが位置P(3、1、3)から位置P(3、4、3)に移動できるように、位置P(3、2、3)およびP(3、3、3)から移動されてもよい(A3参照)。前部長手方向位置と最終保管位置(図示されている例ではP(3、2、3)とP(3、3、3))に位置する、最終保管場所の水平方向場所i(図示されている例ではi=3)に配置されているすべてのプレート501は、最終保管位置のプレート501(図示されている例ではP(3、4、3))を除いて、制御器800によって上昇される。最終保管位置(図示されている例ではj=4)の長手方向位置のローラ102は、スピンするタイヤが最終保管位置に収容されるように、最終保管位置のタイヤの到着よりも前に制御器800によってスピンされる。
【0120】
長手方向位置jに対して1つの空の水平方向場所iが存在する可能性がある限り、このプロセスは、同時に1つの「クリアショット」が創出されるように、昇降機412によって同時に移動される各タイヤA、Bに対して連続して繰り返されてもよい。よって、図示されている例では、タイヤAの位置P(3、4、3)への移動に続き、位置P(4、4、3)に到着するためにタイヤBにクリアショットを提供するように、1つまたは複数のタイヤが、邪魔にならないように移動されてもよい(B3参照)。
【0121】
在庫からのタイヤの取り出しは、
図9Fのプロセスを逆にしたものである。例えば、操作者は、制御器800によってディスプレイ装置上に表示されるインタフェースの「在庫からのタイヤを取り出し」を選択してもよい。次いで、インタフェースは「取り出すタイヤを選択」と表示する。次いで、操作者は保管されたタイヤのリストをスクロールダウンし、1つまたは複数の所望のタイヤを選択することができる。また、操作者は、個々のタイヤの識別子を選択するのではなく、タイヤのサイズ、型番および数量を入力してもよい。いずれのケースでも、保管アレイは、ローラ102、ナジャー600、プレート501および昇降機の操作を通じて、注文されたタイヤを、最下層k=1の第1の長手方向位置j=1に、もしくは、注文されたタイヤが層k>1に保管されている場合には、所望のタイヤと共に床面高さに降下した昇降デッキ412に供給する。
【0122】
その後、所望のタイヤがその上に配置された最下層k=1上の各水平方向位置i=1からLの表示ライトG=1~Lは、制御器800によって、第1の長手方向位置に配置されたタイヤが取り出し可能となったことを示す緑色点滅の状態となる。次に、操作者は、最下層k=1の第1の長手方向位置j=1から手動でタイヤを取り出すか、もしくは、昇降機または選択されたタイヤの下部のプレート501が上昇し、保管アレイの前部エリアに当該タイヤを蹴り出す。最下層k=1および昇降デッキ412のセンサS=1~Lはタイヤが取り出されたこと、すなわち、タイヤを検知していないことを検証し、制御器800は保管マップ802およびその在庫記録をそのように整備する。
【0123】
タイヤAの在庫からの取り出しは、
図9Fの例の逆の手順を使用することで理解されるであろう。昇降機412は、制御器800がそのローラ対416に保管アレイの後部に向かってスピンさせること、および、そのプレート501に移動させるか、もしくは下方に維持させることによって積み込まれる。制御器800は、取り出されるタイヤを含む層kの水平方向場所iの前部に昇降機412が配置されるように、昇降機412を水平方向および/または垂直方向に移動させる(図示されている例では、層k=3および水平方向場所i=2)。制御器800は、層kの長手方向位置jにあり、取り出されるタイヤを含んでおり(タイヤAおよびBに関してj=4(A3、B3参照))、また、そこから第1の長手方向位置j=1までの、および第1の長手方向位置j=1を含む、すべての長手方向位置の(
図9Fの例では長手方向位置j=1~4)ローラ102に、保管アレイの後部に向かって回転を開始させ、したがって、これらのローラ対上のタイヤは、保管アレイの前部に向かってスピンを開始する。
【0124】
上記のとおり、ナジャー600は、取り出されるタイヤから昇降デッキ412までの「クリアショット」を創出する。さらに、もしくは代替的に、取り出されるタイヤは、昇降デッキ412へのクリアショットを有する別の水平方向位置Iに向かって水平方向に移動されてもよい。例えば、タイヤCおよびDが、図示されているように位置P(3、2、3)およびP(3、3、3)に配置された場合、それらはタイヤAを長手方向位置j=1に向かって前方に転がすように、位置P(2、2、3)およびP(2、3、3)へと移動されてもよい(D1およびC1参照)。制御器800は、取り出されるタイヤの下部で、および、タイヤと昇降デッキ412との間の各長手方向位置の同一の水平方向場所で、プレート501を動作させる。
タイヤAを位置P(3、4、3)(A3)、からP(3、1、3)(A2)に移動する実施形態において、プレート501はP(3、4、3)、P(3、3、3)、P(3、2、3)およびP(3、1、3)で上昇されてもよい。これにより、タイヤは、昇降機のスピンするローラ対416の一対の「V字部」にタイヤを収容する昇降デッキ412上に蹴り出される。昇降デッキ412は、タイヤAを層k=1の高さに運搬するために、垂直方向に移動してもよく、場合によっては水平方向に移動してもよい。上記のとおり、保管マップ802は、取り出しを含む各タイヤの動作に応答して更新される。
【0125】
制御器800は、過去の貯蔵および取り出し作業に基づく「貯蔵/取り出し優先順位リスト」を維持する在庫管理アプリケーションを保存またはアクセスしてもよい。このリストは、通年で、最大頻度または最小頻度で機械に出し入れおよび貯蔵された、ランクが付けられた各タイヤサイズおよび型番を有する。したがって、年間の決まった時期に、それぞれの具体的なタイヤの型版および種類へのアクセス頻度が計算され、各タイヤは、そのアクセス頻度に応じて優先順位が付けられ、その中でもより高いアクセス頻度を有するタイヤには、より高い優先順位が付けられてもよい。例えば、スノータイヤおよびスタッドタイヤは、冬期にはより高いアクセス頻度を有するであろう。娯楽用の自動車およびトレーラ向けタイヤは、夏期により高いアクセス頻度を有するであろう。したがって、年間の特定の時期により高いアクセス頻度を伴うタイヤは、該当する時期になると、制御器800により、その時期にそれほどのアクセス頻度を有さないタイヤよりも保管アレイの前方に移動される。
【0126】
別の例では、タイヤ積荷が受領され、各タイヤはタイヤを識別する埋め込み式電子チップを有する。同様に、電子記録は、各タイヤの記述子を含むとともに、タイヤに埋め込まれた電子チップの識別子に対する記述子をマッピングして存在している。電子記録は、積み込まれたタイヤ積荷の数量および仕様をさらに含んでいてもよい。電子記録は、当該積荷に添付されたコンピュータ可読メディアに記録されるか、もしくは別の方法で受領されてもよい。
【0127】
次いで、制御器800は、例えば電子記録を制御器800のメモリに読み込むなどして、電子記録にアクセスしてもよい。制御器は、「貯蔵/取り出し優先順位リスト」に基づいてタイヤに優先順位を付けてもよい。このように、制御器800は、その優先順位に基づいて、積荷内の各タイヤ用に、保管アレイの空の保管場所の中から目的の場所を選択してもよく、その際、優先順位の低いタイヤは、優先順位の高いタイヤよりも、保管アレイの後方付近の場所に配置される。より高い優先順位のタイヤを、より優先順位の低いタイヤよりも前部付近に配置するという所望の配置を行うために、積荷到着前に保管アレイに存在するタイヤが積荷に応じて移動されてもよい。次に制御器800は、人間の操作者に対して、積荷のタイヤを積み込むための命令を表示する荷積み命令(loading directions)を出力する。
【0128】
端的に言うと、制御器800によって計算される荷積み命令の原則は、最下位のローラデッキの前部ランクでタイヤを荷積み、荷下ろしすることが、最も少ない電力および時間
で済み、機械の損耗や破損を最小限に抑えるという事実に基づいている。反対に、最上層401cの後部長手方向位置でタイヤを荷積み、荷下ろしする場合に、最も電力と時間を費やし、損耗や破損を発生させる。したがって、最大頻度の「在庫回転」を有すると予測されるタイヤはより低いローラデッキに積み込まれ、最小頻度の「在庫回転」を有するであろうタイヤは最上位のローラデッキ上の最後部ランクに持って行かれる。
【0129】
図10Aを参照すると、積み込みプロセスを開始するために、操作者はインタフェース要素「新しいタイヤ在庫を積み込む」を、制御器800に接続されたディスプレイ上で選択する。この時点で、空の水平方向場所を有するすべての層k=1~3のすべての長手方向位置で、制御器800によってすべてのローラ102が前方方向にスピンされ、上記によりそれらの上に乗せられたタイヤが保管アレイの後部に向かってスピンする。プレート501の操作を介して、すべての層401a~401cに現状で保管されているすべてのタイヤが、制御器800によって、最後部の空の保管位置へと移動され、一方で、各長手方向位置j<Mのために、少なくとも1つの空の水平方向場所iが残され、また、前部保管位置は開放されたままとなっている。例えば、
図10Aでは、タイヤA、B、CおよびDは長手方向位置j=1および2から長手方向位置j=2および3へと戻される(A1、B1、C1およびD1参照)。
【0130】
図10Bを参照すると、その後、ディスプレイ上のインタフェースは「タイヤの積み込みを開始」と指示する。次いで、緑色表示ライトG=1~Lが、各水平方向位置i=1~Lで点灯し、水平方向位置i=1~Lは、床面高さの層401aの第1の長手方向位置の後方の任意の長手方向位置に、1つまたは複数の空の保管位置を有する。例えば、層k=1に関して、すべてのライトG=1~4が緑色点灯する。次に操作者は、対応する緑色表示ライトGが点いた任意の第1の長手方向位置の保管位置に積荷のタイヤを転がす。
図10Bの例では、操作者はタイヤEを位置P(2、1、1)に配置している。次いで、その水平方向位置のセンサSはタイヤ内の電子チップからタイヤ識別情報を読み出し、その情報を制御器800に送信する。当該制御器800は、プレート501の操作を通じて、当該タイヤは層k=1に保管されることになっていると制御器が判断した場合に配置される水平方向場所の最後部の空の保管位置に、タイヤを送る。次に、制御器はタイヤの最終位置を保管マップ802に記録する。図示されている例では、センサS=2がタイヤEの電子チップを検知し、制御器800が、タイヤの長手方向位置の最後部j、水平方向位置i、つまり位置P(2、2、1)へのタイヤEの移動を起動する(E1参照)。上記のとおり、タイヤが配置されるべき層kは、より頻繁に取り出されるタイヤが、取り出される頻度のより低いタイヤよりも下層に配置されるようなタイヤの特性(例えば、タイヤの種類、型番およびブランドのうち、いくつかまたはすべての特性)を有するタイヤの取り出し頻度に従って決定されてもよい。
【0131】
制御器800によって、タイヤの目的位置が2層目、3層目、またはそれよりも高い層k>1と決定された場合、積み込まれたばかりのタイヤの水平方向場所の表示ライトGは緑色から赤色点灯へと変化する。図示されている例では、例えば制御器800が層k=2にタイヤEを配置する予定だと判断した場合、ライトG=2が赤色点灯する。その後、操作者は最下層k=1の第1の長手方向位置j=1からタイヤを取り出し、昇降デッキ412のスピンするローラ対416上に当該タイヤを設置する(図示されている例のE2参照)。
【0132】
(例えばセンサ410a~410jの配置および特性と同様の)昇降機のセンサはタイヤの電子チップを読み取り、識別情報を制御器800に送信し、制御器800は、その特定のタイヤが昇降デッキ412の特定の一対の「V字部」にあることを記録する。第2のタイヤが第1のローラ層から「拒否」された場合、操作者はそのタイヤを昇降デッキ412上に配置し、この場合、第2のタイヤのチップが昇降デッキ412上の別のセンサによ
って読み取られる。
図10Bの例では、タイヤFは最初に層k=1に配置され、次いでタイヤEと同様に昇降デッキ12上に配置されてもよい。
【0133】
次いで、制御器800は、予測される「在庫回転」の頻度、例えば「貯蔵/取り出し優先順位リスト」における順位に基づいて、昇降機アクチュエータ422、424に、制御器が選択した任意の層kの任意の水平方向場所iにタイヤを持って行くように命令する。図示されている実施形態では、昇降デッキ412はタイヤEおよびFを層k=2、水平方向場所k=2および1にそれぞれ持って行く。タイヤEおよびFは、
図9Fに関して説明された方法で、昇降デッキ412から荷下ろしされてもよい。このように、比較的短時間で、トラック1台の新しいタイヤの積載可能量すべてが貯蔵され、保管アレイの保管マップに追加される。
【0134】
保管アレイの様々な修正が実施され得る。例えば、モジュール変更がなされ、その後に様々な構成に組み立てられてもよい。容量および専有面積は、大型または小型、幅広または幅狭であってもよく、前方および後方の両方からの積荷および荷下ろしが可能であってもよく、2つの層または8つの層を有していてもよく、ローラ対402a~402fは終端間に配置されてもよく、昇降デッキ412は1度に2つのタイヤまたは10のタイヤを保持してもよく、コンピュータ運転プログラムは単純または複雑であってもよく、機械的機能は空気圧式、油圧式、電子機器またはロボット制御式で作動されてもよい。ある事例では、タイヤ工場または物流倉庫は、流通されるタイヤ積荷の積み込みの直前に、ネットワーク接続を介して制御器800と通信することが可能であり、積荷内の個々のタイヤは「最下層」や「昇降機」を目的地とするように物理的にラベルが張られていてもよく、これにより流通時にタイヤの二重の取扱いを省くことができる。
【0135】
図11を参照すると、ある実施形態では、保管アレイは自動分配システム1100と接続してもよい。このようにして、タイヤ101は、上記のように在庫から自動的に取り出されてもよく、所望の場所に分配されてもよい。
【0136】
図示されている実施形態では、分配システム1100は、単一の入口チャネル1102aが複数の他のチャネル1102b、1102cに分岐する分配ツリーを画定してもよい複数のチャネルセグメント1102a~1102gを含む。次いで、これらのチャネル1102b、1102cはさらなるチャネル1102d~1102gに分岐してもよい。分岐は、分配システム1100を通じてタイヤの経路を制御するために電子的に制御されてもよい接合部1104a~1104cで互いに接続してもよい。接合部の例は、16Aおよび16Bに関して以下に記載される。
【0137】
チャネル1102c、1102d、1102f、1102gのいくつかは末端部1106a~1106dで終わる。タイヤ101が末端部1106a~1106dに到着すると、人間の操作者がタイヤを取り外してもよいか、またはタイヤ101をさらなる処理のために自動システムによって取り出してもよい。末端部1106a~1106dの例示的実施形態は、
図20A~
図20Cに関して以下に説明される。
【0138】
図11に示されるように、分配システム1100は、保管アレイのタイヤ110が入口チャネル1102a内に分配され、その後分配システム1100を通じて所望の末端部1106a~1106dに案内されるように、保管アレイの層401または昇降デッキ412に隣接して配置される入口チャネル1102aを有してもよい。
【0139】
ある実施形態では、分配システム1100は、入口チャネル1102aが末端部1106a~1106dよりもわずかに高くあるようにわずかに傾斜している。このように、保管アレイによってタイヤ101に与えられた回転推進力は、重力と組み合わせてタイヤ1
01を末端部1106a~1106dに前進させるのに十分である。あるいは、分配システム1100を通る経路は、保管アレイによって提供される初期の推進力が保管アレイと末端部1106a~1106dとの間の摩擦損失を克服するのに十分であるように、十分に短くてもよい。
【0140】
受動的分配方式を達成するために、分配システムの任意の曲線1108a~1108cは、曲線の側壁とのタイヤの摩擦による摩擦損失を減少させるのに十分大きい曲率半径を有してもよい。
【0141】
図12を参照すると、他の実施形態では、分配システム1100は能動素子を含み得る。図示されている実施形態では、分配1100は、異なる高さ、例えば様々なレベルの建物であってもよい複数の部分1100a~1100cを含む。各部分1100a~1100cは、
図11に関して上述したように、チャネル、接合部、湾曲部分、および末端部のうちのいくつか、またはすべてを含み得る。
【0142】
図示されている実施形態では、加速器1200を通過するタイヤに回転推進力を与えることによって摩擦損失を補償するために、1つまたは複数の加速器1200を1つまたは複数のチャネル内に配置してもよい。加速器の実施例は、
図17A~
図17Eに関して以下に説明される。
【0143】
ある実施形態では、高さの変更は、異なる高さで分配部分1100b、110cの間でタイヤの一方または両方を上げ下げする昇降機1204を使用して達成してもよい。昇降機の実施例は、
図18A~
図18Cに関して以下に説明される。タイヤの下降のみが必要とされる場合、タイヤの速度を低下させるために、傾斜領域1206の下端にブレーキ1208が続く下方傾斜領域1206が使用されてもよい。ブレーキの実施例は、
図19A~
図19Eに関して以下に説明される。
【0144】
図13A~
図13Dを参照すると、分配システム1100のチャネル1102a~1102gは図示される構成を有してもよい。各チャネル1102a~1102gは、縦方向110および横方向112に延びる底面1300を含み得る。側壁1302は底面1302の端部から垂直方向108に上方に延び、タイヤ101をチャネル内に保持するために底面に沿って長手方向110にも延びる。
図13A~
図20Cの目的のために、方向110、112は、要素の相対位置および向きを説明する目的で論じられている構成要素に局所的な座標系を指し、必ずしも全分配システムに共通の絶対座標系を指すわけではない。
【0145】
底面1300より上の側壁1302の高さは、タイヤがチャネルから転倒できないようにするのが好ましい。例えば、側壁1302は、分配システム1100を使用して輸送される最大のタイヤの直径の55~60%の間で底面1300から垂直上方に延びてもよい。横方向112における側壁1302の分離は、タイヤ101の自由回転が許容されるようなものであり得る。例えば、横方向の間隔は、チャネルを使用して輸送される最も幅広のタイヤの幅の110~120%であり得る。しかし、湾曲部および接合部1108a~1108cならびに接合部1104a、1104bにおいて、幅は、タイヤが動けなくなるのを防ぐためにより大きくてもよく、例えば最も幅広のタイヤの幅の120~150%であり得る。
【0146】
図13B~
図13Dに示されるように、側壁1302は、側壁1302の上端部などの、長手方向110に沿って延びるリブ1304を含み得る。リブ1304は、リブ1304に対するタイヤ102の滑りを容易にするナイロンまたは超高分子量(UHMW)ポリマーなどの弾力性があり低摩擦の材料を含み得る。
【0147】
図13Cに示されるように、底面1300は平坦であり得る。他の実施形態では、底面1300は、
図13Dに示されるように、垂直面および横方向面において傾斜した表面によるなどして凹状である。このようにして、底面1300上を転がるタイヤ101はチャネルの中心に留まる傾向があり、それによって側壁1302またはレール1304との摩擦が減少する。より小さいタイヤはチャネルの中心に留まるように付勢されるので、これは、異なる幅を有するタイヤの使用をさらに容易にし得る。
【0148】
図14Aおよび
図14Bを参照すると、湾曲部分1108a~1108cは、湾曲した底面1300を有する湾曲したチャネルと、側壁1302上にリブ1304を有する湾曲した側壁1302とであり得る。底面1300は、長手方向108および横方向112において平坦または凹状であり得る。側壁1302は垂直に配向されてもよいが、長手方向108および横方向112に湾曲してもよい。湾曲部分1108~1108cを横切るとき、タイヤ101は直線状のチャネルに対してリブ1304との接触が増大する可能性があり、したがって摩擦損失が湾曲部分1108a~1108cにおいて増大する可能性がある。しかし、大きな曲率半径を提供することによって、例えばタイヤ101の半径の少なくとも3倍であれば、これらの摩擦損失を減らすことができる。チャネルに関しては、湾曲部分1108~1108cは垂直面内に凹状の底面を有してもよい。
【0149】
図15A~
図15Cを参照すると、ある実施形態では、湾曲部分1108a~1108cは、湾曲部分1108a~1108cの側壁1302のいくつかまたはすべてを、垂直に配向されたローラの回転軸を有するローラ1500で置き換えてもよい。図示されている実施形態では、湾曲部分1108a~1108cの1302の外側壁の頂部は、ローラ1500で、例えば湾曲の頂部に中心を置いてもよい湾曲の45~90度の間で、置き換えられている。
【0150】
図示のように、ローラ1500の軸は、長手方向108および横方向112の平面内の曲線上に配置されている。ある実施形態では、1つまたは複数のアクチュエータ1502がローラ1500に連結され、チャネルに面する表面が湾曲部分1108a~1108cを通るタイヤの進行方向に移動するように、ローラ1500を回転させる。このようにして、ローラ1500は、
図14Aおよび
図14Bの実施形態による湾曲部分1108a~1108cの湾曲側壁1302との接触時に、摩擦による減速を引き起こすのではなく、ローラ1500と接触するとき、湾曲部分1108a~1108cを通してタイヤ101を付勢する。他の実施形態では、ローラ1500は動力を供給されないが、湾曲部分1108a~1108cを横切るタイヤ101との接触による摩擦を依然として低減する。
【0151】
図16A~
図16Eを参照すると、接合部1104a~1104cは図示のように実施してもよい。接合部は、入口ポート1600aおよび出口ポート1600bを画定してもよい。ある実施形態において、ポート1600a、1600bの機能は逆にされてもよい。入口ポート1600aはチャネル1602aに接続されており、チャネルは
図13A~
図13Dに関して上述したようなチャネルであってもよい。出口ポート1600bは、第1の出口チャネル1602bまたは第2の出口チャネル1602cのいずれかと整列している。チャネル1602a~1602cは、
図13A~
図13Dに関して上述したようなチャネルであり得る。
【0152】
図示されている実施形態では、接合部は、
図13A~
図13Dのチャネルと同じ構成、例えば底面1300、側壁1302、およびリブ1304を有してもよい可動チャネル部1604を含む。可動チャネル部は、手動で、または油圧モータまたは電気モータ、油圧シリンダおよびピストンなどの当技術分野で知られている任意の機械的作動手段(図示せず)を使用して、作動させることができる。
【0153】
ある実施形態において、チャネル1602bの側壁1304の一部は、可動部分1604用の隙間を提供するために引込むことができる。例えば、
図16Bに示すように、アクチュエータ1606は、
図16Aの位置から
図16Cの位置への可動部分1604の移動の前に、チャネル1602cに最も近い側壁1304の部分1608を引き込むことができる。
図16Cに示される位置に可動部分1604が到着すると、アクチュエータ1606は可動チャネル部分1604の側壁に近づくように部分1608を延ばすことができる。
【0154】
ある実施形態において、接合部は底部プレート1610a、1610b、1610cを含む。底部プレート1610aは、入口チャネル1602aの底面とほぼ同一平面であり、入口チャネル1602aから接合部へのタイヤの円滑な転動を提供するために、入口チャネル1602aの底面とほぼ当接してもよい。プレート1610bは、可動チャネル部分1604の底面と連続しているか、または同一平面であり得る。第3のプレート1610cは、プレート1610a、1610bのうちの一方にヒンジで固定されてもよい。
【0155】
各プレート1610a、1610b、1610cは、各プレートの両側にローラの列を含み得る。示されるように、プレート1610aは、回転軸が垂直に向けられたローラの列1612aを含み、各列1612aは、入口チャネル1602aの側壁の1つに接続する線に沿って分配されている。プレート1610bは、回転軸が垂直に向けられたローラの列1612bを含み、各列1612bは、可動チャネル部分1604の側壁の1つに接続する線に沿って分配されている。
【0156】
示されるように、単列のローラ1612cが、垂直に向けられた回転軸を有するプレート1610cの一方の側に固定されてもよい。ローラの列1612cは、列1612aのうちの1つと列1612cのうちの1つとを結ぶ線に沿って分配されてもよい。また明らかなように、ローラの列1612a、1612bは、それぞれ入口チャネル1602aおよび可動部分1604から離れるにつれて外側に広がっていてもよい。
【0157】
図16Aの状態では、プレート1610cが、プレート1610a、1610b、およびローラの列1612a、1612bに接続されたローラの列1612cとほぼ同一平面になるように、プレート1610cは
図16Dに示すように配向されてもよい。このように、プレート1610a、1610b、1610cは、タイヤが接合部を通って転がることができる表面を提供する。
【0158】
図16Cの状態に移行するとき、プレート1610bは、
図16Eに示されるように、アクチュエータ1616を作動させることなどによって、ヒンジ1614を中心にして下方に枢動してもよい。次いで、プレート1610bは、
図16Cおよび
図16Fに示されるように、プレート1610bがプレート1610aにほぼ接触するなど(例えば、接触から0~1cm以内)、プレート1610aに近づくように、接合ピボット1618を中心にして枢動され得る。
図16Aの状態に移行するために、その後プロセスを逆にしてもよい。
【0159】
図16D~
図16Fに示すように、各列1612a~1612cのローラは、ローラをスピンさせるアクチュエータ1620a~1620cに連結してもよい。
図15A~
図15Cの湾曲に関して、ローラのスピンは、ローラとの接触に応答して、接合部を通してタイヤ101を付勢する。
【0160】
加速器1202の一例を
図17A~
図17Eに示す。明らかなように、加速器1202は、チャネルの底面1300の一部を置き換えることができるが、
図13A~
図13Dに関して上述したように側壁1302およびリブ1304を保持してもよい。加速器120
2は、モータ1702に連結されたローラ1700と、ローラ1700の間に配置されたリフトプレート1704とを含み得る。
図17Cに示されるように、ローラ1700は、小さい端部で互いに接合された2つの円錐台形部分を有するなどして、凹状であり得る。
図17Dに示されるように、ローラ1700は、加速器1202の両側のチャネルの底面1300とほぼ同一平面(例えば、ほぼ同一平面は同一平面から3~10mm以内であると理解され得る)である上面を有し得る。
【0161】
リフトプレート1704はアクチュエータ1706に連結されている。リフトプレート1704はタイヤ101と接触する
図17Dに示すように、リフトプレートアクチュエータ1706は、リフトプレート1704がローラ1700上に載っているタイヤ101と係合していない下降位置と、
図17Eに示す上昇位置との間でリフトプレート1704の枢動運動を引き起こすことができる。上昇位置では、リフトプレート1704の上面は、加速器1202の両側のチャネルの底面1300とほぼ同一平面である。ある実施形態では、アクチュエータ1706は、枢動運動ではなく、リフトプレート1704の垂直方向への運動を引き起こして、タイヤ101との係合および脱係合を引き起こす。
【0162】
使用中、方向1708に転がるタイヤ101は、リフトプレート1704が下降位置にある状態でローラ1700の間に着地する。したがって、方向1708と対向する方向1710にスピンするローラ1700は、方向1708へのタイヤ101の回転を増加させる。次に、アクチュエータ1706はリフトプレート1704を上昇させてタイヤ101と係合させ、それによりタイヤ101を、加速器1202からその元の並進運動の方向1712に転動させる。
【0163】
加速器1202は、1つまたは複数のセンサと共に使用してもよい。例えば、センサは、加速器1202に入るとタイヤ101の並進速度を検出してもよい。速度がある閾値を超えると、リフトプレート1704は上昇位置に維持され、タイヤ101が加速器を通過することを可能にする。あるいは、リフトプレート1704は、タイヤ101が加速器1202内に入る前に下降位置に置かれ、それによってタイヤがローラ1700の間に着座し、それによって加速されることを可能にする。ある実施形態では、タイヤ101の回転速度は、光学的に、またはモータ1702によって引き出される電流量を検知することなどによって検知され得る。次に、タイヤ101が最小回転速度まで加速されたとの判定に応答してリフトプレート1704を上昇させることができる。
【0164】
図18A~
図18Cは、昇降機1204の一実施形態を示す。昇降機1204は、タイヤ101を輸送するために昇降される昇降デッキ1800を含み得る。デッキ1800は、互いに平行な一対のロッド1802を含み得る。ロッド1802は、1つのタイヤ保持位置1804aまたは複数の保持位置1804a~1804dを画定してもよい。ロッド1802は、ロッド1802のスピンを引き起こす1つまたは複数のモータ1806に連結されている。各保持位置1804a~1804dは、その小さな端部が互いに接続された一対の円錐台形部分によって画定されてもよい。上述のように、これは、スピンするタイヤが各保持位置1804a~1804dの「V字部」に落ち着き、外力によって横方向に付勢されない限りそこに留まるように付勢する。
【0165】
昇降デッキ1800は、持ち上げられたとき、保持位置1804cにあるタイヤのみがリフトプレート1810と接触するように、保持位置1804a~1804d(図示されている実施形態では1804c)のうちの1つで、ロッド1802の間に配置され得るリフトプレート1808を含み得る。あるいは、リフトプレート1808は、各保持位置1804a~1804dでロッド1802間に配置されてもよい。
【0166】
リフトプレート1808は、
図18Aに示すように、ロッド1802の間に位置するタ
イヤ101と係合する上昇位置と、リフトプレート1808がタイヤ101と係合しない下降位置との間でリフトプレート1808を移動させるリフトプレートアクチュエータ1810に連結されてもよい。
図18Aに示されるように、アクチュエータ1810はリフトプレート1808の枢動運動を引き起こすことができる。他の実施形態では、アクチュエータ1810は、上昇位置と下降位置との間でリフトプレート1808を垂直方向に移動させる。
【0167】
図18Cに示すように、昇降デッキ1800は、一対のロッド1802の両側にプラットフォーム1812を含み得る。プラットフォーム1812は、ロッド1802の上面とほぼ同一平面であってもよい。昇降デッキ1800は、横方向112に互いにオフセットし、且つ、垂直方向108および長手方向110と平行な平面に延びる側壁1814をさらに含み得る。側壁1814は、タイヤ101が昇降デッキ1800から落下するのを防止するために、垂直方向108および長手方向110における広がりを有してもよい。
【0168】
ある実施形態では、昇降デッキは、垂直方向108においてロッド1802の上方に配置されたナジャー1816を含み得る。ナジャー1816は、
図6A~
図6Fに関して上述したナジャー600と同じ機能および/または構造を有してもよい。特に、ナジャー1816は、様々な保持位置1804a~1804dの間でタイヤを動かすように制御可能である。
【0169】
特に、
図18Cに示すように、昇降デッキ1800は、保持位置1804a~1804dのいずれかと整列している入口チャネル1818aからタイヤ101を受け取ることができる。図示されている実施形態では、入口チャネル1818aは、リフトプレート1808が配置されている保持位置1804cと整列している。出口チャネル1818bは、昇降デッキ1800の入口チャネル1818aと対向する側に配置されており、リフトプレート1806が配置されている保持位置1804cと整列している。出口チャネル1818bは、異なる高さの建物など、入口チャネル1818aとは異なる高さにある。
【0170】
使用中、プラットフォーム1812は、入口チャネル1818aの底面1300とほぼ同一平面上(例えば、同一平面から3~10mm以内)に配置される。タイヤが入口チャネル1818aから保持位置1804cに受け入れられる。追加のタイヤ101を積み込む場合、タイヤ101は、保持位置1804a~1804dのうちのいくつかまたはすべてが充填されるまでタイヤが受け取られると、ナジャー1816によって他の保持位置1804a、1804b、1804dに移動されてもよい。次に、昇降デッキ1800は、プラットフォーム1812が出口チャネル1818bの底面1300とほぼ同一平面になるように上昇または下降する。昇降デッキ1800を昇降させるために様々な作動手段を使用してもよい。例えば、昇降機1204は、プラットフォーム1812、側壁1814へ、またはプラットフォーム1812および側壁1814が取り付けられる構造へなど、デッキ1800に取り付けられるケーブル1820を含み得る。ケーブル1820は、昇降デッキ1800を昇降させるために作動させることができるケーブルアクチュエータ1822と係合してもよい。
【0171】
出口チャネル1818bの高さに到達すると、リフトプレート1808が上昇し、それによって保持位置1804cにあるスピンするタイヤを出口チャネル1818b内に転動させる。実際には、タイヤ101がスピンして、リフトプレート1808を上昇させることによって荷下ろしする準備ができるように、ロッド1802は、積荷、上昇/下降、および荷下ろしの間ずっとスピンを維持してもよい。複数のタイヤ101を荷下ろしする場合は、リフトプレート1808が下降位置にある間に、各タイヤ101をナジャー1816によってリフトプレート1808上に移動させてもよい。次にリフトプレート1808を上昇させてタイヤを出口チャネル1818b内に転がしてもよい。このプロセスは、昇
降デッキ1800上の各タイヤについて繰り返されてもよい。
【0172】
図19A~
図19Eを参照すると、ブレーキ1208は図示の通りである。ブレーキ1208は、
図13A~
図13Dに関して上述したように、底面1300および側壁1302を含むチャネルの一部に配置してもよい。ブレーキ1208を含むチャネルの部分はまた、リブ1304を含んでもよく、またはリブは省略してもよい。
【0173】
図示されている実施形態では、ブレーキ1208は材料の湾曲したストリップ1900を含む。ストリップ1900の長い寸法は、長手方向110に対して平行に向けられている。材料のストリップ1900は、その中央部分が横方向112においてチャネルの内側に突き出るように湾曲している。材料のストリップ1900は、鋼、ゴム、または他の何らかのポリマーなどの弾性材料から作られてもよい。タイヤがブレーキ1208を通過すると、ストリップ1900はタイヤ101を擦り、タイヤを減速させる。
【0174】
ある実施形態では、ストリップ1900がチャネル内に突出する距離1902は、1つまたは複数のアクチュエータ1904を使用して調整してもよい。図示されている実施形態では、アクチュエータはストリップ1900に連結され、作動されると、ストリップ1900に長手方向110の張力を誘発し、それによってストリップ1900がまっすぐになり、ストリップ1900が突出する距離1902を減少させる。例えば、張力がないと、
図19Bおよび
図19Cに示すように、ストリップはチャネル内に外向きに突出する。引っ張ると、ストリップ1900は、
図19Dおよび
図19Eに示される位置に後退し得る。図示されている実施形態では、アクチュエータ1904はストリップ1900の両端を引っ張るが、1つのアクチュエータ1904のみが距離1902を調整するために必要とされるように、一方の端部は固定されてもよい。
【0175】
図20A~
図20Cを参照すると、末端部1106a~1106cは図示の構成を有してもよい。図示されている実施形態では、末端部は、末端部に接続されたチャネルの底面1300の下に配置された凹部底面2000を含む。末端部は、末端部が接続するチャネルの側壁1302と連続しているか、またはそれとほぼ同一平面である側壁1302を含むことができる。末端部1106a~1106cは同様に、末端部1106a~1106cが接続するチャネルのリブ1304と連続しているか、またはそれとほぼ同一平面であるリブ1304を含むことができる。
【0176】
ある実施形態において、傾斜面2002は、底面1300から凹部面2000まで傾斜(例えば、水平から20~60度)で移行する。バンパ2004は、タイヤがバンパ2004と係合するときに、タイヤ101が凹部面2000上に着座することを可能にする長手方向110の長さを凹部面2000が有するように、凹部面2000に対して取り付けられる。図示されている実施形態では、バンパ2004は、末端部の側壁1302間に広がる壁2006に取り付けられている。凹部面2000は、凹部面2000上に静止しているタイヤ101が、タイヤ101の重心と垂直に整列する位置か、またはタイヤ101の重心の垂直上方に位置する位置で、バンパ2004と係合するのに十分な距離だけバンパ2004の下に配置されてもよい。バンパ2004は、独立気泡フォーム、ゴム、またはタイヤとの衝突に応答して変形および跳ね返りしてもよい他のポリマーなどの弾性材料で作製されてもよい。
【0177】
使用時には、タイヤ101は、バンパ2004と係合するまで、チャネルの底面1300上および凹部表面2000上を転がる。次いで、タイヤ101は後方に跳ね返って傾斜面2002に接触する可能性があり、これによりタイヤ101がチャネルを転がり戻るのを妨げる。タイヤ101は、凹部面2000上で停止し、機械または人間の操作者による取り出しを可能にする。長手方向110に沿ったバンパ2004から傾斜面2002まで
の距離は、リバウンドするタイヤが傾斜面2002に接触せずにそれを過ぎて跳ね返るのではなく、確実に接触するのに十分なほど大きくてもよい。したがって、この距離は、所与のシステムに到着したときのタイヤ101の速度に左右される。
【0178】
本発明の好適な実施形態が図示および説明されてきたが、本発明の趣旨および特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてもよい。したがって、本発明の特許請求の範囲は好適な実施形態による開示によって限定されない。その代りに、本発明は以下に続く請求項の参照により完全に特定される。