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特許7479072ウェハ出入アセンブリ及びそれに用いられるウェハ出入装置とウェハキャリア
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  • 特許-ウェハ出入アセンブリ及びそれに用いられるウェハ出入装置とウェハキャリア 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ウェハ出入アセンブリ及びそれに用いられるウェハ出入装置とウェハキャリア
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
H01L21/68 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022166720
(22)【出願日】2022-10-18
(65)【公開番号】P2023064071
(43)【公開日】2023-05-10
【審査請求日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】202111240012.8
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522270550
【氏名又は名称】大立▲ギョク▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】DLY TECHNOLOGIES INC.
【住所又は居所原語表記】15F.‐2, NO. 63, FUXING 1ST RD., XINXING DIST., KAOHSIUNG CITY 80053, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】潘 世峰
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-030552(JP,A)
【文献】特開2001-210696(JP,A)
【文献】特開平08-008326(JP,A)
【文献】特開2000-174099(JP,A)
【文献】実開昭64-035746(JP,U)
【文献】国際公開第2013/021645(WO,A1)
【文献】特開2020-061400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手溝を有する台座と、
摺動可能に前記長手溝内に挿入されている軸棒と、
前記軸棒に被嵌された複数の連動板であって、各々が、板体と、前記板体に設けられて前記軸棒が挿通されている穿孔とを有する複数の連動板と、
各々が各前記連動板の前記板体の端部から延出している複数のアームと、
複数の連結側壁を含む伸縮ユニットであって、各前記連結側壁は、各前記連動板にそれぞれ設けられて隣接する前記連動板を互いに連結させ、且つ、各前記連結側壁は、伸縮することによって隣接する前記連動板の間の距離を変更可能である伸縮ユニットと、を備えるウェハ出入装置。
【請求項2】
前記伸縮ユニットは、
上下移動可能に前記軸棒に設けられ、最上部の前記連動板を連行して上下移動させることができるように最上部の前記連動板に連結されている連行ブロックを更に含んでいる、請求項1に記載のウェハ出入装置。
【請求項3】
前記伸縮ユニットは、
前記軸棒内に設けられて前記連行ブロックに当接している弾性部材を更に含んでいる、請求項2に記載のウェハ出入装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記連行ブロックを上方へ移動させるための回復力を前記連行ブロックに与える圧縮ばねである、請求項3に記載のウェハ出入装置。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記連行ブロックを下方へ移動させるための回復力を前記連行ブロックに与える引っ張りばねである、請求項3に記載のウェハ出入装置。
【請求項6】
前記伸縮ユニットは、前記軸棒内に収容されたねじ切りボルトを更に含み、
前記連行ブロックは、前記軸棒と前記ねじ切りボルトとの間に位置するように前記軸棒内に挿設されたスリーブを含み、
前記ねじ切りボルトが回転すると前記連行ブロックは上下移動させられる、請求項2に記載のウェハ出入装置。
【請求項7】
前記伸縮ユニットは、前記軸棒内に設けられて前記連行ブロックに当接している弾性部材を更に含んでいる、請求項6に記載のウェハ出入装置。
【請求項8】
前記伸縮ユニットは、前記スリーブと前記ねじ切りボルトとの間に設けられた複数のボールを更に含んでいる、請求項6に記載のウェハ出入装置。
【請求項9】
ウェハを搬送するためのウェハ出入アセンブリであって、
請求項1から8のいずれか一項に記載のウェハ出入装置と、
前記ウェハ出入装置によってウェハが取り出されたり載置されたりするウェハキャリアと、を備え
前記ウェハキャリアは複数のスロットを有している、ウェハ出入アセンブリ
【請求項10】
隣接する二つの前記スロットの間の距離は3mm~10mmの範囲にある、請求項9に記載のウェハ出入アセンブリ
【請求項11】
隣接する二つの前記スロットの間の距離は5mmである、請求項10に記載のウェハ出入アセンブリ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はウェハを出し入れする技術及びウェハを搬送する技術に関し、特に作業時間を短縮させることができ且つ搬送時の体積を小さくすることができるウェハ出入アセンブリ及びそれに用いられるウェハ出入装置とウェハキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハは、半導体製造における主要な材料である。しかしながら、ウェハは壊れやすい。露光、現像、エッチングなどの製造工程を経たカッティング前のウェハが汚染されると、大きな損失を引き起こすことになる。したがって、特別に設計された密閉容器が、搬送中のウェハを保護するために使用されている。現在、ウェハボックスとウェハ搬送システムとの間でウェハを出し入れするためにロボット(wafer robot)が使用されている。従来のウェハボックスの固定スロットの間隔は、生産ラインの製造設備に合わせて約10mmとなっている。そのため、25枚のウェハを収納するウェハボックスは体積がある程度大きくなってしまう。更に、従来のロボットはウェハボックスとウェハ搬送システムとの間でウェハを一回につき一枚のみ搬送するので、効率が低い。製造施設(ファブ)間で大量のウェハを輸送する場合、占有体積、搬送時間及び搬送コストは相当なものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記課題に鑑みてなされた本願発明の目的の一つは、ウェハを効率よく出し入れすることができ、且つ、ウェハを搬送する際のウェハキャリアの占有体積を小さくすることができるウェハ出入アセンブリ及びそれに用いられるウェハ出入装置とウェハキャリアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本願発明に係るウェハ出入装置は、長手溝を有する台座と、摺動可能に前記長手溝内に挿入されている軸棒と、前記軸棒に被嵌された複数の連動板であって、各々が、板体と、前記板体に設けられて前記軸棒が挿通されている穿孔とを有する複数の連動板と、各々が前記連動板の前記板体の端部から延出している複数のアームと、複数の連結側壁を含む伸縮ユニットであって、各前記連結側壁は、各前記連動板にそれぞれ設けられて隣接する前記連動板を互いに連結させ、前記伸縮ユニットは、伸縮することによって隣接する前記連動板の間の距離を変更可能である伸縮ユニットと、を備えることを特徴としている。
【0005】
上記目的を達成するために、本願発明に係るウェハキャリアは、前述したいずれかの実施形態のウェハ出入装置によってウェハが取り出されたり載置されたりするものであって、複数のスロットを有していることを特徴としている。
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明に係るウェハ出入アセンブリは、上述したいずれかの実施形態のウェハ出入装置と、上述したいずれかの実施形態のウェハキャリアとを備え、前記ウェハ出入装置は、ウェハを、前記ウェハキャリアから取り出したり前記ウェハキャリアに載置させたりすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、ウェハを載置した本願発明のウェハキャリアの占有体積は、従来のものの半分に大幅に縮小するので、特に大量のウェハを製造施設間で搬送するような場合では、必要とする貯蔵空間は従来技術の半分で済む。更に、ウェハ出入装置が複数のアームを有するため、複数枚のウェハを同時に真空吸着して搬送することが可能となる。ウェハを一枚ずつ吸着する従来のロボットと比べると、本願発明のウェハ出入装置はウェハの真空吸着及び搬送に要する時間を大幅に短縮し、ウェハの出し入れをより効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入装置を示す斜視図である。
図2】本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入装置を示す断面図である。
図3】本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入装置を示す部分斜視図である。
図4】本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入アセンブリを示す斜視図である。
図5】従来のウェハキャリア及び本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入装置を示す斜視図である。
図6】本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入装置の動作を示す図である。
図7】本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入装置の動作を示す図である。
図8】本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入装置の動作を示す図である。
図9】本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入装置の動作を示す図である。
図10】本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入装置の動作を示す図である。
図11】本願発明の好ましい実施形態に係るウェハ出入装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1、2に本願発明の好ましい実施形態によるウェハ出入装置10が示されている。ウェハ出入装置10は、台座30、軸棒40、複数の連動板50、複数のアーム60、及び伸縮ユニット70を備えている。
【0010】
台座30は、第一端部321及び第二端部323を有する長手溝32を有している。台座30は、平行移動及び回転が可能なものである。長手溝32には、軸棒40が摺動可能に挿入されている。
【0011】
複数の連動板50は軸棒40に被嵌されている。各連動板50は、板体52と、板体52に設けられた穿孔54とを有し、各穿孔54に軸棒40が挿通されていることにより、各連動板50が軸棒40に被嵌されている。本実施形態において、連動板50の数は25枚である。しかし、他の可能な実施形態において、連動板50の数を必要に応じて変えてもよい。
【0012】
各アーム60は、連動板50のうちの一つの板体52の一端から延出しており、このことから、アーム60の数は連動板50の数と同一であると理解することができる。本実施形態において、アーム60の数は25本である。各アーム60は一枚のウェハWを真空吸着するのに使用される。
【0013】
伸縮ユニット70は、複数の連動板50に設けられて隣接する連動板50を互いに連結させる複数の連結側壁71と、上下移動可能に軸棒40に設けられた連行ブロック72と、軸棒40内に設けられて連行ブロック72に当接している弾性部材73と、軸棒40内に収容されたねじ切りボルト74と、を含んでいる。複数の連結側壁71は、伸縮することによって隣接する二つの連動板50の間の距離を変更可能である。複数の連結側壁71が展開状態にある時、隣接する二つの連動板50の間の距離は最大となり、複数の連結側壁71が収縮状態にある時、隣接する二つの連動板50の間の距離は最小となる。本実施形態において、図3に示すように、連結側壁71は、互いに枢結された第一の側壁711と第二の側壁712とを含んでいる。第一の側壁711及び第二の側壁712は、同一の連動板50の板体52に枢設されており、各板体52に枢設されている第二の側壁712はまた、隣接する板体52に枢設されている第一の側壁711に枢結されている。複数の第一の側壁711と複数の第二の側壁712とが展開状態から収縮状態に移行させられると、これに伴って隣接する二つの連動板50の隣接する板体52の間の距離は短くなる。
【0014】
連行ブロック72は、最上部の連動板50を連行して上下移動させることができるように当該最上部の連動板50に連結されている。連行ブロック72は、軸棒40とねじ切りボルト74との間に位置するように軸棒40内に挿設されたスリーブ721を含んでいる。ねじ切りボルト74が回転すると、連行ブロック72は上下移動させられる。伸縮ユニット70は、スリーブ721とねじ切りボルト74との間に設けられた複数のボール75を更に含んでいる。すなわち、スリーブ721の内周面と、ねじ切りボルト74の外周面には、複数のボール75が収容されてその中で転動するためのねじ溝が凹設されている。複数の連結側壁71の伸縮により、隣接する二つの板体52の間の距離が広がると、載置物品(例えばウェハ)の出し入れが容易になり、一方、隣接する二つの板体52の間の距離が縮まると、ウェハ出入装置10全体の体積が確実に小さくなり、省スペース化を図ることが可能になる。伸縮ユニット70は、伸縮により各板体52間の距離を変更できるものであればよく、その構造は任意なものとすることができる。
【0015】
連行ブロック72は、複数の連結側壁71を伸縮させることができる。本実施形態において、ねじ切りボルト74は回転するように駆動されてもよく、且つ、ねじ切りボルト74はボールねじ装置であってもよい。ねじ切りボルト74が回転すると、スリーブ721は上下移動することになり、それに伴って連行ブロック72が上下移動することになる。そして、連行ブロック72は最上部の連動板50と連結しているので、ねじ切りボルト74が(時計回り及び反時計回りのうちの一方に)回転して連行ブロック72を上方へ移動させると、連行ブロック72は最上部の連動板50を引上げ、これにより複数の連結側壁71が展開するので、各連動板50間の距離が広がることになる。一方、ねじ切りボルト74が(時計回り及び反時計回りのうちの他方に)回転して連行ブロック72を下方へに移動させると、連行ブロック72は最上部の連動板50を押し下げ、これにより複数の連結側壁71が収縮するので、各連動板50の間の距離が縮まることになる。ねじ切りボルト74の回転に伴って連行ブロック72が移動するこの場合では、弾力を有する弾性部材73によって連行ブロック72に対して当該連行ブロック72を上方又は下方へ付勢する弾性復元力を与える必要がないので、弾性部材73を省略してもよい。なお、ねじ切りボルト74をボールねじ装置で構成した場合、その具体的な構造や原理は従来技術と変わらないので詳細な説明を省略する。
【0016】
他の可能な実施形態において、連行ブロック72は自身の動力により、又は、外部からの動力を受けて上方へ移動するように構成されてもよい。この場合、弾性部材73は、外部動力が低下するか又は無くなった時に連行ブロック72を下方へ移動させるための復元力を提供できる引っ張りばねであってもよい。換言すれば、連行ブロック72は、自身の動力により、又は外部の動力を受けて上方へ移動し、これにより各連動板50の間の距離を広げることができ、且つ、引っ張りばねの弾性復元力を受けて下方へ移動し、これにより各連動板50の間の距離を縮めることができる。或いは、連行ブロック72は自身の動力により、又は外部の動力を受けて下方へ移動するように構成されてもよい。この場合、弾性部材73は、外部動力が低下するか又は無くなった時に連行ブロック72を上方へ移動させるための復元力を提供できる圧縮ばねであってもよい。換言すれば、連行ブロック72は、自身の動力により、又は外部の動力を受けて下方へ移動し、これにより各連動板50の間の距離を縮めることができ、且つ、圧縮ばねの弾性復元力を受けて上方へ移動し、これにより各連動板50の間の距離を広げることができる。この実施形態において、連行ブロック72の移動はボールねじ装置の駆動によるものではないので、ねじ切りボルト74、複数のボール75を省略してもよい。
【0017】
更なる他の可能な実施形態において、連行ブロック72は自身の動力により、又は外部の動力を受けて上下両方に移動するように構成されてもよい。すなわち、連行ブロック72は、自身の動力により、又は外部の動力を受けて上方に移動し、これにより各連動板50の間の距離を広げることができ、且つ、自身の動力により、又は外部の動力を受けて下方へ移動し、これにより各連動板50の間の距離を縮めることができる。この実施形態において、連行ブロック72に上下移動機能が備えられているため、弾性部材73を省略してもよく、また、連行ブロック72の移動はボールねじ装置の駆動によるものではないので、ねじ切りボルト74及び複数のボール75も省略してもよい。
【0018】
図4に、本願発明の好ましい実施形態によるウェハ出入アセンブリ80が示されている。ウェハ出入アセンブリ80は、前述したウェハ出入装置10と、ウェハ出入装置によってウェハが取り出されたり載置されたりするウェハキャリア90と、を備えている。ウェハキャリア90は、従来のものと概ね同一の構造を有しており、一枚のウェハWを載置して保管するためのスロット97を複数有している。本実施形態のウェハキャリア90と、従来のウェハキャリアとの構造上の最も大きな違いは、本実施形態のウェハキャリア90における隣接する二つのスロット97間の距離は5mmである点にある。他の可能な実施形態において、隣接する二つのスロット97間の距離は3mm(境界値である3mmを含む)から10mm(境界値である10mmを含む)の範囲内とすることができる。
【0019】
図5において、図中左側には従来のウェハキャリア100が示されている。ウェハキャリア100としては、例えばウェハボックスや生産ラインの製造設備を挙げることができ、その構造についての説明は省略する。従来のウェハキャリア100は25枚のウェハを10mmの間隔で載置することができるが、便宜上、図面では三枚のウェハのみを示している。以下、ウェハ出入装置10によりウェハWを従来のウェハキャリア100から取り出してウェハキャリア90内に載置させる作業の流れを説明する。
【0020】
前述した図面及び図6~11を併せて参照すると、先ず、ウェハ出入装置10は、台座30の長手溝32の第一端部321が従来のウェハキャリア100側にあり、台座30の長手溝32の第二端部323がウェハキャリア90側にあるように、従来のウェハキャリア100と、ウェハキャリア90との間に配置される。各連動板50の間の距離は5mmである。次に、連行ブロック72は上方へ移動して最上部の連動板50を引上げ、これにより複数の連結側壁71を展開させて各連動板50の間の距離を従来のウェハキャリア100の規格に合致した10mmに変更させる。この時、軸棒40は長手溝32に沿って第一端部321へ平行移動し、複数の連動板50を複数のアーム60と共にウェハキャリア100の方向へ移動させる。各アーム60はウェハキャリア100内に挿入されて一枚のウェハWを真空吸着する。その後、軸棒40は長手溝32に沿って第二端部323へ平行移動し、複数のアーム60及びそれに吸着されたウェハWをウェハキャリア100から離間させる。そして、台座30はその場で回転し、複数のアーム60に吸着されたウェハWをウェハキャリア90に向かって平行移動させる。ここで、連行ブロック72は下方へ移動して最上部の連動板50を押し下げ、これにより、複数の連結側壁71を収縮させて各連動板50の間の距離を5mmに縮小させ、すなわち、各ウェハWの間の距離を5mmにする。複数のアーム60をウェハキャリア90内に挿入させ、真空吸着されたウェハWを対応の複数のスロット97内に載置させた後、台座30はウェハキャリア90から離間する方向に平行移動し、複数のアーム60をウェハキャリア90から離間させる。このようにして、ウェハ出入装置10によってウェハWを従来のウェハキャリア100から取り出してウェハキャリア90内に載置させる作業が完了する。
【0021】
ウェハキャリア90の隣接する二つのスロット97の間の距離が5mmであるため、ウェハキャリア90内に載置された各ウェハWの間の距離はわずか5mmとなっている。従来のものと比較すると、25枚のウェハを載置した本願発明のウェハキャリア90の占有体積は50%に大幅に縮小するので、特に大量のウェハを製造施設間で搬送するような場合では、必要とする貯蔵空間は従来技術の半分で済む。また、本願発明のウェハ出入装置10によれば、各ウェハWの間の距離を速やかに10mmから5mmに縮小させることができ、その作業は煩雑でなく容易に実行できるため、上述した占有体積の縮小は容易に達成できる。更に、ウェハ出入装置10が複数のアーム60を有し、具体的に言うと、ウェハ出入装置10が25本のアーム60を有し得るため、25枚のウェハを同時に真空吸着して搬送することが可能となる。ウェハを一枚ずつ吸着する従来のロボットと比べると、本願発明のウェハ出入装置10はウェハの真空吸着及び搬送に要する時間を大幅に短縮し、ウェハの出し入れをより効率よく行うことができる。なお、ウェハ出入装置10は、半導体ウェハに限らず、それ以外の物品の出し入れや他の用途に利用することもできる。例えば、ウェハ出入装置10は、複数のグリップリング(Expander Ring)、フォトマスク又はパネル製造分野で使用されるガラス基板等を同時に出し入れするために使用することができる。容易に想到可能な変化を加えた態様はいずれも本願発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0022】
10 :ウェハ出入装置
30 :台座
32 :長手溝
321:第一端部
323:第二端部
40 :軸棒
50 :連動板
52 :板体
54 :穿孔
60 :アーム
70 :伸縮ユニット
71 :連結側壁
72 :連行ブロック
721:スリーブ
73 :弾性部材
74 :ねじ切りボルト
75 :ボール
80 :ウェハ出入アセンブリ
90 :ウェハキャリア97:スロット
100:ウェハキャリア
W :ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11