(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】情報管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20240426BHJP
【FI】
G06Q10/0639
(21)【出願番号】P 2023132105
(22)【出願日】2023-08-14
【審査請求日】2023-10-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521404956
【氏名又は名称】株式会社北原孝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】北原 孝彦
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-030409(JP,A)
【文献】特開2018-060407(JP,A)
【文献】特開2004-078504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
来店者の来店に係る情報であって、当該来店者が再来店を予約したか否かを識別できる予約情報及び当該来店者を担当した担当者を識別できる担当者情報を含む来店情報が格納される来店データベースと、
担当した来店者のうち再来店を予約した来店者の比率である次回予約率が低い担当者(低評価担当者)を前記予約情報及び前記担当者情報に基づいて前記来店データベースから抽出するよう構成された抽出部と、
前記低評価担当者に報告の提出を要求するよう構成された報告要求部と、
を備え
、
次回予約率を改善するための指針を示す改善情報を前記低評価担当者に提供するよう構成された情報提供部をさらに備え、
前記改善情報を更新する情報更新部をさらに備え、
前記抽出部は、担当した来店者が再来店を予約した比率である次回予約率が高い担当者である高評価担当者を抽出するよう構成され、
前記報告要求部は、前記高評価担当者に報告の提出を要求するよう構成され、
前記情報更新部は、前記高評価担当者から提出された報告を学習データとして店舗改善ニューラルネットワークのファインチューニングを行う機械学習によって前記改善情報を更新するよう構成される、
情報管理装置。
【請求項2】
来店者の来店に係る情報であって、当該来店者が再来店を予約したか否かを識別できる予約情報及び当該来店者を担当した担当者を識別できる担当者情報を含む来店情報が格納される来店データベースと、
担当した来店者のうち再来店を予約した来店者の比率である次回予約率が低い担当者(低評価担当者)を前記予約情報及び前記担当者情報に基づいて前記来店データベースから抽出するよう構成された抽出部と、
前記低評価担当者に報告の提出を要求するよう構成された報告要求部と、
を備え、
前記来店情報は、前記来店者が来店した店舗を識別する店舗情報をさらに含み、
前記抽出部は、前記来店者において再来店が予約された比率である店舗次回予約率が高い店舗である高評価店舗を前記予約情報及び前記店舗情報に基づいて抽出するよう構成され、
前記報告要求部は、前記高評価店舗に報告の提出を要求するよう構成され
、
前記高評価店舗から提出された報告を学習データとして店舗改善ニューラルネットワークのファインチューニングを行う機械学習を用いて、店舗次回予約率を改善するための指針を示す店舗改善情報を生成するよう構成された生成部をさらに備える、情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
来店した顧客に対し、当該顧客を担当する担当者が役務を提供する業態のサービス業がある。このような業態として、例えば、美容室、整体院等の業態が挙げられる。このような業態においては、継続的に来店を繰り返すいわゆるリピーターの比率を高めることが経営において重要である。そこで、顧客が来店したときに次回来店を予約した比率である次回来店率を高める経営努力が行われている。
【0003】
しかしながら、来店者及び予約の数が増えるにつれ、次回来店率を把握し、次回来店率を高めることに係る労力が増す。そのため、次回来店率を高める経営努力を支援する手段が求められている。
【0004】
次回来店率を高める経営努力を支援する手段に関し、特許文献1は、ヘアサロンの従業員数および売上を記憶するデータベースを参照して、該従業員数および売上に基づいて該ヘアサロンの従業員一人当たりの生産性を算出する算出部と、前記生産性を含む分析データを前記ヘアサロンの端末に送信することで該端末に該分析データを表示させる送信部とを備え、前記データベースが、次回の利用を予約した客の数と、前記ヘアサロンの従業員を指名した客の数とのうちの少なくとも一つをさらに記憶し、前記算出部が、前記データベースを参照して、客が次回の利用を予約した割合である次回予約率と、客が前記ヘアサロンの従業員を指名した割合である指名率とのうちの少なくとも一つをさらに算出し、前記送信部が、前記次回予約率および前記指名率のうちの少なくとも一つをさらに含む前記分析データを送信する情報処理装置を開示している。特許文献1の技術は、ヘアサロンの運営の重要な指針の一つであるといえる次回予約率等を分析データに含めてヘアサロンに提供することで、ヘアサロンの運営をより的確に支援し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、次回予約率を高めるためには、個々の従業員における役務の改善が重要である。特許文献1の技術は、ヘアサロンごとの次回予約率等を算出し、算出された次回予約率等が含まれた分析データを当該ヘアサロンに提供し得る。しかしながら、特許文献1の技術は、個々の従業員における次回予約率を把握し、個々の従業員における次回予約率を高めるよう支援する点において、さらなる改良の余地がある。
【0007】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、美容室等のサービス業において、個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善することの支援である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、次回予約率が低い担当者である低評価担当者を抽出し、抽出された低評価担当者に報告の提出を要求することによって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0009】
本発明は、来店者の来店に係る情報であって、当該来店者が再来店を予約したか否かを識別できる予約情報及び当該来店者を担当した担当者を識別できる担当者情報を含む来店情報が格納される来店データベースと、担当した来店者のうち再来店を予約した来店者の比率である次回予約率が低い担当者(低評価担当者)を前記予約情報及び前記担当者情報に基づいて前記来店データベースから抽出するよう構成された抽出部と、前記低評価担当者に報告の提出を要求するよう構成された報告要求部と、を備える、情報管理装置を提供する。
【0010】
本発明は、抽出部において低評価担当者を抽出し、抽出された低評価担当者に報告の提出を要求する。これにより、本発明は、低評価担当者が報告を作成する過程において自らの役務の提供手順等を見直し、それらを改善するよう支援できる。よって、本発明は、低評価担当者が自らの次回予約率を高めることを支援できる。また、これにより、本発明は、店舗の管理者等が当該報告に基づいて当該低評価担当者における役務の提供手順等及び当該店舗において勤務する従業員等における役務の提供手順等を把握し、見直すよう支援できる。よって、本発明は、店舗の管理者等が当該見直しによって店舗の次回予約率を高め、経営を改善することを支援できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、美容室等のサービス業において、個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善することの支援を行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態のシステムSにおけるハードウェア構成及びソフトウェア構成の好ましい態様の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、来店データベース121に格納された来店情報の一例である。
【
図3】
図3は、報告データベース122に格納された報告の一例である。
【
図4】
図4は、本実施形態の情報管理装置1で実行される情報管理処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0014】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムSにおけるハードウェア構成及びソフトウェア構成の好ましい態様の一例を示すブロック図である。以下、
図1を用いて本実施形態のシステムSにおけるハードウェア構成及びソフトウェア構成の好ましい態様の一例が説明される。システムSは、情報管理装置1と、情報管理装置1とネットワークNを介して通信可能な端末Tとを含んで構成される。
【0015】
〔次回予約率〕
本実施形態のシステムSは、美容室等によって例示される、来店者に対して役務を提供する態様のサービス業において、個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善することを支援する。本実施形態における「次回予約率」は、来店者のうち再来店を予約した者の比率を指す。すなわち、ある担当者が担当した来店者の数をC、当該来店者のうち再来店を予約した者の数をRとした場合、次回予約率rは、r=R/Cで求められる。上述の式が示すように、本実施形態における次回予約率rの算出において、次回予約を行ったもののキャンセルした来店者は、原則として、次回予約を行ってキャンセルしなかった来店者と同様に扱われる。これにより、情報管理装置1は、来店者の都合によってキャンセルした来店者が担当者の営業努力不足によりリピーターとならなかった来店者として扱われることを防ぐ。よって、情報管理装置1は、担当者の営業努力を適切に評価できる。
【0016】
本実施形態のシステムSは、次回予約率を高めることにより、リピーター、常連等と呼ばれる継続的に来店する顧客の割合を増やし、売上高を安定させる。また、本実施形態のシステムSは、次回予約率を高めることにより、経営者等が将来の売上を予測できるようにする。よって、本実施形態のシステムSは、次回予約率を高めることにより、店舗の経営を改善する。
【0017】
〔情報管理装置1〕
情報管理装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信部13等を備える。情報管理装置1の種類は、特に限定されない。該種類として、例えば、サーバ、クラウドサーバ等が挙げられる。本実施形態の情報管理装置1は、次回予約率を算出し、算出結果に基づく各種の処理によって店舗の経営改善を支援する。
【0018】
[制御部11]
制御部11は、必要に応じて記憶部12及び/又は通信部13と協働する。そして、制御部11は、情報管理装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、受信部111、抽出部112、報告要求部113、情報提供部114、情報更新部115、生成部116等を実現する。本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素それぞれが提供する機能は、後述する情報管理処理の好ましい流れの説明において示される。
【0019】
[記憶部12]
記憶部12は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。
【0020】
記憶部12は、ネットワークNを介してNAS、SAN、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0021】
記憶部12には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、来店データベース121、報告データベース122、担当者改善ニューラルネットワーク123、店舗改善ニューラルネットワーク124等が記憶されている。
【0022】
(来店データベース121)
来店データベース121には、来店者の来店に係る来店情報が格納される。来店情報は、少なくとも、予約情報及び担当者情報を含む。予約情報は、来店者が再来店を予約したか否かを識別可能とする情報である。担当者情報は、当該来店者を担当した担当者を識別可能とする情報である。
【0023】
来店情報は、予約情報及び担当者情報に加え、来店した店舗を識別可能な店舗情報、来店の経緯に関する情報(来店者ののべ来店回数、予約の有無、前回来店からの経過日数等)、来店のタイミングに係る情報(来店日、来店日時等)、来店者に提供された役務に関する情報(役務名、待ち時間、役務の提供を受けた時間、請求額等)、来店者に提供された商品に関する情報(商品名、売上額、販売数等)によって例示される来店に係る各種情報をさらに含んでもよい。
【0024】
来店情報が来店の経緯に関する情報を含むことにより、情報管理装置1は、来店の経緯を踏まえて次回予約率を分析し、当該分析に基づく処理を行える。これにより、情報管理装置1は、例えば、初めて来店した来店者における次回予約率、2回目、5回目以上等の特定の来店回数である来店者における次回予約率、予約あり/予約なしで来店した来店者における次回予約率、又は、前回来店からの経過日数が所定の範囲の来店者における次回予約率等の来店の経緯を踏まえた各種の次回予約率に基づいて、次回予約率が低い低評価担当者等を抽出できる。
【0025】
来店情報が来店のタイミングに係る情報を含むことにより、情報管理装置1は、当該タイミングを踏まえて次回予約率を分析し、当該分析に基づく処理を行える。これにより、情報管理装置1は、例えば、季節、時間帯等に応じた各種の基準で、低評価担当者等を抽出できる。
【0026】
来店情報が来店者に提供された役務に関する情報を含むことにより、情報管理装置1は、当該情報を踏まえて次回予約率を分析し、当該分析に基づく処理を行える。これにより、情報管理装置1は、例えば、特定の役務(ヘッドスパ、白髪染め等)を提供された来店者における次回予約率、待ち時間が一定範囲の来店者における次回予約率、役務の提供を受けた時間が一定範囲の来店者における次回予約率、請求額が一定範囲の来店者における次回予約率等の提供された役務に関する情報を踏まえた各種の次回予約率に基づいて、低評価担当者等を抽出できる。
【0027】
来店情報が来店者に提供された商品に関する情報を含むことにより、情報管理装置1は、当該情報を踏まえて次回予約率を分析し、当該分析に基づく処理を行える。これにより、情報管理装置1は、例えば、特定の商品(特定属性を有する顧客向けのシャンプー・コンディショナー等)を購入した来店者における次回予約率、売上額/販売数が一定範囲の来店者における次回予約率等の提供された役務に関する情報を踏まえた各種の次回予約率に基づいて、低評価担当者等を抽出できる。
【0028】
予約情報は、来店のときに行われた予約に関する情報のほか、来店後に行われた予約に関する情報を含んでもよい。これにより、情報管理装置1は、例えば、来店後、所与の期間(例えば、3日間、1週間、1ヶ月等)が経過する前に予約を行った来店者を来店のときに予約を行ったものとみなして、次回予約率を算出できる。本実施形態の情報管理装置1を用いた予約管理を実現可能とすべく、予約情報は、予約された日時、予約された役務等によって例示される、予約に関する各種情報を含むことが好ましい。
【0029】
担当者情報は、当該来店者を担当した担当者を識別可能とする情報の他、当該担当者が来店者に指名されたか否かを識別できる情報、当該担当者の役職・勤続年数等によって例示される担当者に係る各種情報をさらに含んでもよい。これにより、情報管理装置1は、例えば、指名された担当者/指名されていない担当者における次回予約率、所定の役職の担当者における次回予約率、勤続年数が所定範囲の担当者における次回予約率等の担当者に関する情報を踏まえた各種の次回予約率に基づいて、低評価担当者等を抽出できる。
【0030】
図2は、来店データベース121に格納された来店情報の一例である。
図2に示された来店情報のうち日時「2023年4月1日 10:00」において店舗「△△」店に来店した来店者「山田 小梢」に係る来店情報は、次回来店が予約されていないとの予約情報と、役職名「シニアスタイリスト」の担当者「宮本 将司」が「指名なし」で担当したとの担当者情報とに加え、のべ来店回数「1回」の初見の顧客であり、「予約なし」であり、役務名「スタンダードコース」が提供され、待ち時間「0.5時間」の後に「1時間」に渡って役務が提供され、請求額「8,000円」であったとの各種情報等を含んでいる。
【0031】
また、
図2に示された来店情報のうち日時「2023年4月1日 12:00」において店舗「△△」店に来店した来店者「笹木 虎次郎」に係る来店情報は、「来店の3日後」に日時「2023年7月1日 10:00」での次回来店が予約されたとの予約情報と、役職名「シニアスタイリスト」の担当者「宮本 将司」が「指名あり」で担当したとの担当者情報とに加え、のべ来店回数「5回以上」の常連の顧客であり、「予約あり」であり、役務名「フルコース」が提供され、待ち時間「なし」の後に「1.5時間」に渡って役務が提供され、請求額「10,000円」であり、来店の折に商品名「ダメージケアシャンプー」が「1」点販売され、その売上額が「5,000円」であったとの各種情報等を含んでいる。
【0032】
図2に示された来店情報が来店データベース121に格納されることにより、情報管理装置1は、担当者「宮本 将司」に関する次回予約率を算出し、算出された次回予約率に基づく各種処理を実行できる。また、情報管理装置1は、来店に係る日時、のべ来店回数、指名の有無、提供された役務名、待ち時間、役務提供時間、請求額、提供された商品名・売上額等の各種情報によって絞り込まれた来店情報について次回予約率を算出し、算出された次回予約率に基づく各種処理を実行できる。これにより、情報管理装置1は、店舗の経営を改善することを支援できる。
【0033】
(報告データベース122)
報告データベース122には、端末Tの利用者から提出された報告が格納される。端末Tの利用者は、例えば、低評価担当者、高評価担当者、低評価店舗の管理者、高評価店舗の管理者、その他の担当者・管理者等である。
【0034】
図3は、報告データベース122に格納された報告の一例である。
図3に示された例には、低評価担当者「宮本 将司」に係る報告「次回予約の不足についてご報告いたします。施術終了時の顧客への声掛けにおいて、時折忘れがあり、十分な数の次回予約を確保できませんでした。誠に申し訳ありません。」、高評価担当者「鈴木 一郎」に係る報告「お客様とのコミュニケーションを重視し、丁寧にお客様の要望を伺いながら、次回の予約を促す取り組みを行いました。また、顧客との世間話を通じてリラックスした雰囲気を作り出し、信頼関係を構築する努力を重ねました。これらの取り組みにより、お客様の満足度を高め、次回予約の確保につながりました。」、及び、高評価店舗「△△店」に係る報告「定例ミーティングにおいて手順確認を徹底し、さらに手順をレジに掲示することで、スタッフ全員が一貫した対応を行える環境を整えました。これにより、お客様に対して漏れの無い次回予約の案内が可能となりました。また、スタッフへの意識啓発と研修にも力を入れ、お客様とのコミュニケーション能力を向上させました。」等が格納されている。
【0035】
これにより、情報管理装置1は、低評価担当者からの報告を店舗の管理者等に提供できる。また、情報管理装置1は、高評価担当者からの報告に基づく機械学習によって改善情報を更新することができる。加えて、情報管理装置1は、高評価店舗から提出された報告に基づく機械学習を用いて、店舗次回予約率を改善するための指針を示す店舗改善情報を生成できる。
【0036】
(担当者改善ニューラルネットワーク123)
担当者改善ニューラルネットワーク123は、担当者において次回予約率を改善するための指針を示す改善情報を生成するニューラルネットワークである。担当者改善ニューラルネットワーク123は、上述の改善情報を生成するものであれば、特に限定されない。担当者改善ニューラルネットワーク123は、例えば、上述の改善情報に係るテキストを生成する自然言語処理に特化するように学習及び調整が行われた大規模言語モデルに係るニューラル言語モデルである。
【0037】
「自然言語処理」は、コンピュータが自然言語で書かれた文章・音声データを理解して目的に応じた処理を実行できるようにするものである。具体的には、自然言語を構成する最小の単位である「形態素」に分解することにより品詞等の情報を付与する形態素解析、自然言語の文法的構造を解析することにより文の構造・意味を明らかにする構文解析、自然言語の意味を解析することにより単語・文の意味を理解し、論理的な判断・推論を行う意味解析、文の前後の文脈を考慮しながら自然言語を理解する文脈解析、自然言語を用いた会話・文章の中から話者・書き手の意図を抽出する意図解析等が例示される。これにより、「自然言語処理」は、形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析、意図解析等の処理を組み合わせて自然言語を処理し、本実施形態の電子計算機修理に係る助言の生成等を可能にしている。
【0038】
「言語モデル」は、自然言語処理において用いられる確率モデルの一種であり、与えられた単語・文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測するためのモデルである。具体的には、言語モデルは、与えられた文章等の出現確率の計算、複数の文章の出現確率を比較すること等によって、次の文章を予測する。これにより、言語モデルは、与えられた文章等に係る文脈に基づいて最もありそうな文章を自動的に生成できる。なかでも、本実施形態の言語モデルは、OpenAIのChatGPT-3.5、ChatGPT-4、Meta AIのLLaMa等によって例示される、少なくとも500GB以上の大量のテキストで学習が行われ、少なくとも100億以上の多数のパラメータを有する大規模言語モデルであるため、自然な応答文を生成できる。
【0039】
担当者改善ニューラルネットワーク123は、業務マニュアル等によって例示される担当者の業務手順に係る資料を学習データとして用いた機械学習が予め行われていることが好ましい。これにより、情報管理装置1は、担当者において次回予約率を改善するための指針を当該資料に示された単語・文章等に基づいて生成できる。
【0040】
担当者改善ニューラルネットワーク123は、端末Tを介して行われたテキスト通信の内容によって例示される担当者のコミュニケーションに係る資料を学習データとして用いた機械学習が予め行われていることが好ましい。当該テキスト通信は、例えば、携帯電話ネットワークを介して送受信されるショートメッセージ、LINE(登録商標)等のチャットツールを介して送受信されるテキストチャット、Facebook(登録商標)等のソーシャルネットワーキングサービス(Social networking service、SNS)に投稿された記事及び当該記事へのコメント等を含む。これにより、情報管理装置1は、コミュニケーションに係る資料から次回予約率の改善に係る担当者の行動を機械学習し、担当者において次回予約率を改善するための指針を当該資料に示された単語・文章等に基づいて生成できる。
【0041】
また、担当者改善ニューラルネットワーク123は、担当者の次回予約率と当該次回予約率に対応する当該担当者の経営への貢献とを関連付けた学習データを用いた、次回予約率に基づく担当者の経営への貢献の生成に係る機械学習が予め行われていることが好ましい。これにより、情報管理装置1は、次回予約率に基づく担当者の経営への貢献(例えば、売上への寄与、顧客生涯価値(Life Time Value、LTV)への寄与等)を生成できる。将来の売上高、LTV等の経営に係る他の指標と密接に関連する指標である次回予約率に係る機械学習を行うため、情報管理装置1は、経営状況改善に寄与する改善情報を生成できる。
【0042】
(店舗改善ニューラルネットワーク124)
店舗改善ニューラルネットワーク124は、店舗において次回予約率を改善するための指針を示す改善情報を生成するニューラルネットワークである。店舗改善ニューラルネットワーク124は、上述の改善情報を生成するものであれば、特に限定されない。店舗改善ニューラルネットワーク124は、例えば、上述の改善情報に係るテキストを生成する自然言語処理に特化するように学習及び調整が行われた大規模言語モデルに係るニューラル言語モデルである。
【0043】
店舗改善ニューラルネットワーク124に係る自然言語処理、言語モデルについては、担当者改善ニューラルネットワーク123に係るものと同様でよい。
【0044】
店舗改善ニューラルネットワーク124は、マネージャー向けマニュアル等によって例示される店舗の経営改善手順に係る資料を学習データとして用いた機械学習が予め行われていることが好ましい。これにより、情報管理装置1は、店舗において次回予約率を改善するための指針を当該資料に示された単語・文章等に基づいて生成できる。
【0045】
また、店舗改善ニューラルネットワーク124は、店舗全体での次回予約率と当該次回予約率に対応する経営状況の分析結果とを関連付けた学習データを用いた、次回予約率に基づく経営状況の分析結果の生成に係る機械学習が予め行われていることが好ましい。これにより、情報管理装置1は、次回予約率に基づく経営状況の分析結果(例えば、売上予測、LTV等)を生成できる。
【0046】
加えて、店舗改善ニューラルネットワーク124は、店舗全体での次回予約率と当該次回予約率に対応する経営への助言とを関連付けた学習データを用いた、次回予約率に基づく経営への助言の生成に係る機械学習が予め行われていることが好ましい。これにより、情報管理装置1は、次回予約率に基づく経営への助言(例えば、新店舗の展開時期等)を生成できる。将来の売上高、LTV等の経営に係る他の指標と密接に関連する指標である次回予約率に係る機械学習を行うため、情報管理装置1は、経営に寄与する改善情報を生成できる。
【0047】
[通信部13]
通信部13は、情報管理装置1をネットワークNに接続して端末T等と通信可能にするものであれば特に限定されない。通信部13として、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、無線LANに接続可能なデバイス、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0048】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、情報管理装置1と端末T等とを互いに通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0049】
〔端末T〕
端末Tは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。端末Tは、来店に係る情報、予約に係る情報、報告、及び来店者とのコミュニケーションに係る情報等を情報管理装置1に提供する処理、情報管理装置1から提供された情報を表示する処理等を実行可能である。
【0050】
〔情報管理処理のメインフローチャート〕
図4は、本実施形態の情報管理装置1で実行される情報管理処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図5は、
図4から続く図である。
図6は、
図5から続く図である。以下は、
図4から
図6を用いた、本実施形態の情報管理装置1で実行される情報管理処理の好ましい流れの一例である。
【0051】
[ステップS1:来店情報を受信したか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、受信部111を実行する。そして、制御部11は、受信部111により、来店者の来店に係る来店情報を端末Tから受信したか判別する処理を実行する(ステップS1、来店情報受信ステップ)。受信したと判別したならば、制御部11は、処理をステップS2に移す。受信したと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0052】
来店情報を受信する手段は、特に限定されない。当該手段は、例えば、LINE(登録商標)等によって例示されるメッセンジャーアプリケーションからのメッセージを受信する手段、インスタグラム(登録商標)によって例示されるSNSからのメッセージを受信する手段、Webページ上に設けられたフォームを介した入力を受信する手段、メールを受信する手段等で良い。ステップS1において判別対象となる来店情報は、当該来店者が再来店を予約したか否かを識別できる予約情報及び当該来店者を担当した担当者を識別できる担当者情報を含むものであれば特に限定されず、来店データベース121の項において上述された来店情報と同様である。
【0053】
[ステップS2:来店データベースに格納]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、受信部111を実行する。そして、制御部11は、受信部111により、ステップS1において受信したと判別された来店情報を来店データベース121に格納する処理を実行する(ステップS2、来店情報格納ステップ)。制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0054】
[ステップS3:抽出するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、来店データベース121から低評価担当者、高評価担当者、高評価店舗その他の処理対象の少なくとも1種を抽出するか判別する処理を実行する(ステップS3、抽出要否判別ステップ)。抽出すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS4に移す。抽出すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。
【0055】
抽出要否判別ステップにおいて抽出するか判別する処理の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、店舗の管理者、経営者等が月次報告の日として定めた日であれば抽出すると判別する手順、いずれかの担当者について、当該担当者が担当した来店者の数が所与の条件(前回報告からの累計が一定数以上、一定期間において一定数以上、一定期間において一定数未満等)を満たした場合に抽出すると判別する手順等で良い。
【0056】
[低評価担当者]
ステップS3において低評価担当者が抽出対象であると判別された場合、制御部11は、低評価担当者に係るステップS4からステップS6の処理を実行する。本実施形態における「低評価担当者」は、複数の担当者のうちにおいて次回予約率が低い担当者を指す。
【0057】
本実施形態における「次回予約率が低い」は、例えば、次回予約率が所与の閾値を下回ること、次回予約率に基づいて担当者を並べ替えた場合に次回予約率の低い方から所与の割合又は人数で定められるグループに属すること等を指す。次回予約率が所与の閾値を下回る者を低評価担当者とすることにより、情報管理装置1は、次回予約率が所与の閾値を下回るとの絶対的な基準を用いて低評価担当者を定めることができる。これにより、抽出に係る計算処理量が低減される。次回予約率に基づいて担当者を並べ替えた場合に次回予約率の低い方から所与の割合又は人数で定められるグループに属する者を低評価担当者とすることにより、情報管理装置1は、相対的な基準を用いて低評価担当者を定めることができる。ここで言う相対的な基準は、例えば、情報管理装置1において算出される当該担当者が所属する店舗における次回予約率の平均値より当該担当者の次回予約率が低いとの基準、情報管理装置1において算出される当該担当者が所属する店舗における次回予約率の中央値より当該担当者の次回予約率が低いとの基準等を含む。これにより、情報管理装置1は、複数の担当者のうちで他の担当者より改善の必要性が高い一部に報告を提供させる等の対策を行うことができる。
【0058】
[ステップS4:低評価担当者を抽出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、抽出部112を実行する。そして、制御部11は、抽出部112により、来店データベース121から低評価担当者を抽出する処理を実行する(ステップS4、低評価担当者抽出ステップ)。制御部11は、処理をステップS5に移す。
【0059】
抽出部112における抽出は、来店に係る日時、のべ来店回数、指名の有無、提供された役務名、待ち時間、役務提供時間、請求額、提供された商品名・売上額等の各種情報に係る各種の条件によって絞り込まれた来店情報について算出された次回予約率に基づく抽出でもよい。これにより、情報管理装置1は、各種の条件における次回予約率に基づいて低評価担当者等を抽出し、抽出された低評価担当者に係る業務改善を支援できる。特に、のべ来店回数が1回の新規来店者に係る次回予約率と、のべ来店回数が2回以上のリピーターに係る次回予約率とで低評価担当者等に係る基準を変えることにより、情報管理装置1は、より経営実態に即した低評価担当者等の抽出を行える。
【0060】
抽出部112における次回予約率は、来店から所与の期間内(例えば、3ヶ月、半年、1年等)に再来店の予約を行った来店者を、再来店を予約した予約者とみなして算出されてもよい。また、抽出部112における次回予約率は、再来店の予約を行うと約束した来店者を、再来店を予約した予約者とみなして算出されてもよい。これにより、情報管理装置1は、リピーターであるか否かを柔軟に判定し、経営実態に即した低評価担当者等の抽出を行える。来店のときと異なるタイミングで再来店を予約した来店者を来店時に再来店を予約した来店者と同様に扱うことにより、情報管理装置1は、リピーターであるか否かを柔軟に判定し、経営実態に即した低評価担当者等の抽出を行える。加えて、抽出部112における次回予約率は、次回予約を行ったもののキャンセルした来店者を、次回予約を行ってキャンセルしなかった来店者と同様に扱うことが好ましい。
【0061】
[ステップS5:低評価担当者に報告の提出を要求]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、報告要求部113を実行する。そして、制御部11は、報告要求部113により、ステップS4で抽出された低評価担当者に報告の提出を要求する処理を実行する(ステップS5、低評価担当者報告要求ステップ)。制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0062】
情報管理処理は、低評価担当者に役務の提供手順の改善に係る情報(改善情報)を提供する処理(ステップS6)を含むことが好ましい。これにより、情報管理装置1は、低評価担当者が報告を作成する過程において当該低評価担当者における役務の提供手順等を見直して改善するよう支援するのみならず、低評価担当者が提供された情報に基づいて役務の提供手順を改善するよう支援できる。
【0063】
[ステップS6:低評価担当者に情報を提供]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、情報提供部114を実行する。そして、制御部11は、情報提供部114により、ステップS4で抽出された低評価担当者に改善情報を提供する処理を実行する(ステップS6、低評価担当者情報提供ステップ)。制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0064】
低評価担当者情報提供ステップにおいて改善情報を提供する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、所与のプロンプトを入力とする担当者改善ニューラルネットワーク123を用いた処理によって改善情報を生成し、生成された当該改善情報を提供する手順、ステップS5の要求に基づいて提出された報告を入力とする担当者改善ニューラルネットワーク123を用いた処理によって改善情報を生成し、生成された当該改善情報を提供する手順、算出された次回予約率を入力とする担当者改善ニューラルネットワーク123を用いた処理によって改善情報を生成し、生成された当該改善情報を提供する手順等でよい。担当者改善ニューラルネットワーク123を用いて改善情報を提供することにより、情報管理装置1は、低評価担当者に合わせた自然な言語表現の改善情報を提供できる。
【0065】
特に、提出された報告を入力とする担当者改善ニューラルネットワーク123を用いた処理によって改善情報を提供することにより、情報管理装置1は、当該報告において用いられている言語表現によらず報告された本質的な課題を捉え、当該課題に対応する改善情報を提供できる。なぜならば、改善情報に係るテキストを生成する自然言語処理に特化するように学習及び調整が行われた大規模言語モデルは、入力として与えられたテキストの言語表現によらず、当該テキストが示す意味に応じた適切な改善情報を生成できるためである。
【0066】
低評価担当者情報提供ステップは、当該次回予約率又は当該次回予約率の推移に応じた給与査定の結果及び/又は人事の結果を提供することが好ましい。これにより、情報管理装置1は、次回予約率に応じた降給、降格等を支援できる。
【0067】
[高評価担当者]
ステップS3において高評価担当者が抽出対象であると判別された場合、制御部11は、高評価担当者に係るステップS7からステップS8の処理を実行する。本実施形態における「高評価担当者」は、複数の担当者のうちにおいて次回予約率が高い担当者を指す。当該処理の実行により、情報管理装置1は、高評価担当者からの報告に基づいて改善情報をより優れた内容に更新できる。
【0068】
本実施形態における「次回予約率が高い」は、例えば、次回予約率が所与の閾値を上回ること、次回予約率に基づいて担当者を並べ替えた場合に次回予約率の高い方から所与の割合又は人数で定められるグループに属すること等を指す。次回予約率が所与の閾値を上回る者を高評価担当者とすることにより、情報管理装置1は、次回予約率が所与の閾値を上回るとの絶対的な基準を用いて高評価担当者を定めることができる。ここで言う相対的な基準は、例えば、情報管理装置1において算出される当該担当者が所属する店舗における次回予約率の平均値より当該担当者の次回予約率が高いとの基準、情報管理装置1において算出される当該担当者が所属する店舗における次回予約率の中央値より当該担当者の次回予約率が高いとの基準等を含む。これにより、抽出に係る計算処理量が低減される。次回予約率に基づいて担当者を並べ替えた場合に次回予約率の高い方から所与の割合又は人数で定められるグループに属する者を高評価担当者とすることにより、情報管理装置1は、相対的な基準を用いて高評価担当者を定めることができる。これにより、情報管理装置1は、複数の担当者のうちで他の担当者より有益な報告を得られる可能性が高い一部に報告を提供させる等の対策を行うことができる。
【0069】
[ステップS7:高評価担当者を抽出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、抽出部112を実行する。そして、制御部11は、抽出部112により、来店データベース121から高評価担当者を抽出する処理を実行する(ステップS7、高評価担当者抽出ステップ)。制御部11は、処理をステップS8に移す。
【0070】
[ステップS8:高評価担当者に報告の提出を要求]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、報告要求部113を実行する。そして、制御部11は、報告要求部113により、ステップS7で抽出された高評価担当者に報告の提出を要求する処理を実行する(ステップS8、高評価担当者報告要求ステップ)。制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0071】
高評価担当者報告要求ステップは、当該次回予約率又は当該次回予約率の推移に応じた給与査定の結果及び/又は人事の結果を提供することが好ましい。これにより、情報管理装置1は、次回予約率に応じた昇給、昇格等を支援できる。
【0072】
[低評価店舗]
ステップS3において低評価店舗が抽出対象であると判別された場合、制御部11は、低評価店舗に係るステップS9からステップS11の処理を実行する。本実施形態における「低評価店舗」は、複数の店舗のうちにおいて次回予約率が低い店舗を指す。「次回予約率が低い」は、担当者の代わりに店舗に係るものであることを除き、低評価担当者と同様である。また、低評価店舗に係る相対的な基準は、例えば、情報管理装置1において算出される全ての店舗における次回予約率の平均値より当該店舗の次回予約率が低いとの基準、情報管理装置1において算出される全ての店舗における次回予約率の中央値より当該店舗の次回予約率が低いとの基準、等を含む。
【0073】
[ステップS9:低評価店舗を抽出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、抽出部112を実行する。そして、制御部11は、抽出部112により、来店データベース121から低評価店舗を抽出する処理を実行する(ステップS9、低評価店舗抽出ステップ)。制御部11は、処理をステップS10に移す。
【0074】
[ステップS10:低評価店舗に報告の提出を要求]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、報告要求部113を実行する。そして、制御部11は、報告要求部113により、ステップS9で抽出された低評価店舗に報告の提出を要求する処理を実行する(ステップS10、低評価店舗報告要求ステップ)。制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0075】
情報管理処理は、低評価店舗に役務の提供手順の改善に係る改善情報を提供する処理(ステップS11)を含むことが好ましい。これにより、情報管理装置1は、低評価店舗の管理者等が報告を作成する過程において当該低評価店舗における役務の提供手順等を見直して改善するよう支援するのみならず、低評価店舗の管理者等が提供された情報に基づいて役務の提供手順を改善するよう支援できる。
【0076】
[ステップS11:店舗に情報を提供]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、生成部116を実行する。そして、制御部11は、生成部116により、ステップS9で抽出された低評価店舗に提供する改善情報を生成し、提供する処理を実行する(ステップS11、低評価店舗情報提供ステップ)。制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0077】
低評価店舗情報提供ステップにおいて改善情報を提供する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、所与のプロンプトを入力とする店舗改善ニューラルネットワーク124を用いた処理によって改善情報を生成し、生成された当該改善情報を提供する手順、ステップS10の要求に基づいて提出された報告を入力とする店舗改善ニューラルネットワーク124を用いた処理によって改善情報を生成し、生成された当該改善情報を提供する手順等でよい。店舗改善ニューラルネットワーク124を用いて改善情報を提供することにより、情報管理装置1は、低評価店舗に合わせた自然な言語表現の改善情報を提供できる。
【0078】
特に、提出された報告を入力とする店舗改善ニューラルネットワーク124を用いた処理によって改善情報を提供することにより、情報管理装置1は、当該報告において用いられている言語表現によらず報告された本質的な課題を捉え、当該課題に対応する改善情報を提供できる。なぜならば、改善情報に係るテキストを生成する自然言語処理に特化するように学習及び調整が行われた大規模言語モデルは、入力として与えられたテキストの言語表現によらず、当該テキストが示す意味に応じた適切な改善情報を生成できるためである。
【0079】
[高評価店舗]
ステップS3において高評価店舗が抽出対象であると判別された場合、制御部11は、高評価店舗に係るステップS12からステップS13の処理を実行する。本実施形態における「高評価店舗」は、複数の店舗のうちにおいて次回予約率が高い店舗を指す。「次回予約率が高い」は、担当者の代わりに店舗に係るものであることを除き、高評価担当者と同様である。また、高評価店舗に係る相対的な基準は、例えば、情報管理装置1において算出される全ての店舗における次回予約率の平均値より当該店舗の次回予約率が高いとの基準、情報管理装置1において算出される全ての店舗における次回予約率の中央値より当該店舗の次回予約率が高いとの基準、等を含む。
【0080】
[ステップS12:高評価店舗を抽出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、抽出部112を実行する。そして、制御部11は、抽出部112により、来店データベース121から高評価店舗を抽出する処理を実行する(ステップS12、高評価店舗抽出ステップ)。制御部11は、処理をステップS13に移す。
【0081】
[ステップS13:高評価店舗に報告の提出を要求]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、報告要求部113を実行する。そして、制御部11は、報告要求部113により、ステップS12で抽出された高評価店舗に報告の提出を要求する処理を実行する(ステップS13、高評価店舗報告要求ステップ)。制御部11は、処理をステップS14に移す。
【0082】
[ステップS14:報告を受信したか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、受信部111を実行する。そして、制御部11は、受信部111により、ステップS5、ステップS8、ステップS10、ステップS13等で要求された報告を端末Tから受信したか判別する処理を実行する(ステップS14、報告受信ステップ)。受信したと判別したならば、制御部11は、処理をステップS15に移す。受信したと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS16に移す。報告を受信する手段は、特に限定されず、来店情報を受信する手段と同様でよい。
【0083】
[ステップS15:報告データベースに格納]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、受信部111を実行する。そして、制御部11は、受信部111により、ステップS14において受信したと判別された来店情報を報告データベース122に格納する処理を実行する(ステップS15、報告格納ステップ)。制御部11は、処理をステップS16に移す。
【0084】
[ステップS16:担当者改善ニューラルネットワークを更新するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、担当者改善ニューラルネットワーク123を更新するか判別する処理を実行する(ステップS16、担当者改善ニューラルネットワーク更新要否判別ステップ)。更新すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS17に移す。更新すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS18に移す。
【0085】
担当者改善ニューラルネットワーク更新要否判別ステップにおいて更新するか判別する処理の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、店舗の管理者、経営者等が更新の日として定めた日であれば更新すると判別する手順、報告数が所与の条件(前回更新からののべ報告数が一定数以上、一定期間における報告数が一定数以上等)を満たした場合に更新すると判別する手順等で良い。
【0086】
[ステップS17:担当者改善に係る機械学習を実行]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、情報更新部115を実行する。そして、制御部11は、情報更新部115により、担当者改善に係る機械学習を実行する処理を実行する(ステップS17、情報更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS18に移す。
【0087】
情報更新ステップにおける「機械学習」は、例えば、ステップS8の要求に基づいてステップS14で受信された高評価担当者からの報告を学習データとして担当者改善ニューラルネットワーク123のファインチューニングを行う手順、ステップS5の要求に基づいてステップS14で受信された低評価担当者からの報告を学習データとして担当者改善ニューラルネットワーク123のファインチューニングを行う手順等を含む。
【0088】
情報更新ステップにおける機械学習が高評価担当者からの報告を学習データとして担当者改善ニューラルネットワーク123のファインチューニングを行う手順を含むことにより、情報管理装置1は、次回予約率に係る実績がある高評価担当者からの有益な報告に基づいて改善情報を更新できる。情報更新ステップにおける機械学習が低評価担当者からの報告を学習データとして担当者改善ニューラルネットワーク123のファインチューニングを行う手順を含むことにより、情報管理装置1は、次回予約率に係る負の実績がある低評価担当者からの報告を反面教師として改善情報を更新できる。
【0089】
[ステップS18:店舗改善ニューラルネットワークを更新するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、店舗改善ニューラルネットワーク124を更新するか判別する処理を実行する(ステップS18、店舗改善ニューラルネットワーク更新要否判別ステップ)。更新すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS19に移す。更新すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS19の処理を繰り返す。
【0090】
店舗改善ニューラルネットワーク更新要否判別ステップにおいて更新するか判別する処理の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、店舗の管理者、経営者等が更新の日として定めた日であれば更新すると判別する手順、報告数が所与の条件(前回更新からののべ報告数が一定数以上、一定期間における報告数が一定数以上等)を満たした場合に更新すると判別する手順等で良い。
【0091】
[ステップS19:店舗改善に係る機械学習を実行]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、生成部116を実行する。そして、制御部11は、生成部116により、店舗改善に係る機械学習を実行する処理を実行する(ステップS19、生成部機械学習ステップ)。制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS19の処理を繰り返す。
【0092】
生成部機械学習ステップにおける「機械学習」は、例えば、ステップS13の要求に基づいてステップS14で受信された高評価店舗からの報告を学習データとして店舗改善ニューラルネットワーク124のファインチューニングを行う手順、ステップS10の要求に基づいてステップS14で受信された低評価店舗からの報告を学習データとして店舗改善ニューラルネットワーク124のファインチューニングを行う手順等を含む。
【0093】
情報更新ステップにおける機械学習が高評価店舗からの報告を学習データとして店舗改善ニューラルネットワーク124のファインチューニングを行う手順を含むことにより、情報管理装置1は、次回予約率に係る実績がある高評価店舗からの有益な報告に基づいて改善情報を更新できる。情報更新ステップにおける機械学習が低評価店舗からの報告を学習データとして店舗改善ニューラルネットワーク124のファインチューニングを行う手順を含むことにより、情報管理装置1は、次回予約率に係る負の実績がある低評価店舗からの報告を反面教師として改善情報を更新できる。
【0094】
[マーケティングステップ]
情報管理処理は、LINE(登録商標)等によって例示されるメッセンジャーアプリケーション、インスタグラム(登録商標)によって例示されるSNS等の各種サービスから情報を収集し、又は、各種サービスに情報を公開させるマーケティングステップを含むことが好ましい。これにより、情報管理装置1は、収集された情報に基づいて報告の提出を要求する手順、収集された情報に基づいて改善情報を更新する手順、抽出された高評価担当者・高評価店舗等の情報を公開させる手順等のマーケティングに係る各種手順を実行できる。
【0095】
[広告管理ステップ]
情報管理処理は、ネットワークNを介して配信等される広告を管理する広告管理ステップを含むことが好ましい。これにより、情報管理装置1は、次回予約率に基づく広告管理を行える。
【0096】
[次回予約率の提供]
情報管理処理は、所与の期間(例えば、給与査定対象の月、賞与査定対象の期間、会計年度等)について算出された次回予約率を端末Tに提供することが好ましい。これにより、情報管理装置1は、担当者に担当者自らの業務の状況を伝え得る。担当者自らの業務の状況をより詳しく伝えるべく、当該次回予約率の提供は、当該担当者が属する店舗における次回予約率の平均値、当該担当者が属する店舗における当該担当者の次回予約率の順位等を含むことが好ましい。
【0097】
[褒賞ステップ]
情報管理処理は、次回予約率が高い従業員(高評価担当者)に与える褒賞を提案する褒賞ステップを含むことが好ましい。褒賞ステップにおける高評価担当者の判別基準は、「高評価担当者」の項と同様でよく、例えば、各店舗において次回予約率が上位である担当者、全店舗において次回予約率が上位である担当者等で良い。褒賞ステップにおける褒賞は、次回予約率が高かったことに対して報酬(インセンティブ)を与えるものであれば、特に限定されない。当該褒賞は、例えば、給与を増やす方向での給与査定への反映、昇給、昇格等を含む。褒賞ステップは、次回予約率を説明変数とし、褒賞を目的変数とする学習データを用いた機械学習又は所与の基準に基づいて、次回予約率に応じた褒賞を自動的に提案する手順を含む。情報管理処理が褒賞ステップを含むことにより、情報管理装置1は、次回予約率をより高める動機を担当者たちに与える。これにより、情報管理装置1は、美容室等のサービス業において個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善できる。
【0098】
[ペナルティステップ]
情報管理処理は、次回予約率が低い従業員(低評価担当者)に与えるペナルティを提案するペナルティステップを含むことが好ましい。ペナルティステップにおける低評価担当者の判別基準は、「低評価担当者」の項と同様でよく、例えば、各店舗において次回予約率が下位である担当者、全店舗において次回予約率が下位である担当者等で良い。ペナルティステップにおけるペナルティは、次回予約率が低かったことに対して改善の動機を与えるものであれば、特に限定されない。当該ペナルティは、例えば、給与を減らす方向での給与査定への反映、減給、降格、業務から離れての研修指示等を含む。ペナルティステップは、次回予約率を説明変数とし、ペナルティを目的変数とする学習データを用いた機械学習又は所与の基準に基づいて、次回予約率に応じたペナルティを自動的に提案する手順を含む。情報管理処理がペナルティステップを含むことにより、情報管理装置1は、次回予約率を改善する動機を担当者たちに与える。これにより、情報管理装置1は、美容室等のサービス業において個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善できる。
【0099】
[対応学習ステップ]
情報管理処理は、担当者の次回予約率を説明変数とし、2回目の来店、3回目の来店、4回目の来店等によって例示される次回来店における来店者への当該担当者の対応を目的変数とする学習データを用いた機械学習によって、次回予約率を高める対応を示す改善情報の生成を担当者改善ニューラルネットワーク123に機械学習させる対応学習ステップを含むことが好ましい。担当者改善ニューラルネットワーク123は、例えば、上述したChatGPT等の大規模言語モデル等により実現される。対応学習ステップの学習データにおける「対応」は、来店者が特定の行動をとったタイミング(フラグが立つとも称する)に当該特定の行動に対して担当者がとった対応(フォローアップ)を含む。これにより、情報管理装置1は、来店者の特定の行動に対して次回予約率をより高める対応を示す改善情報(マニュアル)を担当者たちに与えることができる。これにより、情報管理装置1は、美容室等のサービス業において個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善できる。
【0100】
[コミュニケーション学習ステップ]
情報管理処理は、担当者の次回予約率を説明変数とし、当該担当者が端末Tを介して行ったコミュニケーション(例えば、LINE(登録商標)を用いて来店者に送ったメッセージ等)を目的変数とする学習データを用いた機械学習によって、次回予約率を高めるコミュニケーションを示す改善情報の生成を担当者改善ニューラルネットワーク123に機械学習させるコミュニケーション学習ステップを含むことが好ましい。担当者改善ニューラルネットワーク123は、例えば、上述したChatGPT等の大規模言語モデル等により実現される。コミュニケーション機械学習ステップの学習データにおける「コミュニケーション」は、LINE(登録商標)等によって例示されるチャットアプリを介したメッセージのやり取り、Instagram(登録商標)等によって例示されるSNSを介した情報の提供、メールを介したメッセージのやり取り等を含む。これにより、情報管理装置1は、次回予約率をより高めるコミュニケーションを示す改善情報(マニュアル)を担当者たちに与えることができる。これにより、情報管理装置1は、美容室等のサービス業において個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善できる。
【0101】
[マニュアル自動生成ステップ]
情報管理処理は、上述の対応学習ステップ及び/又はコミュニケーション学習ステップにおいて機械学習が行われた担当者改善ニューラルネットワーク123に次回予約率を高める手順が示されたマニュアルを自動生成させるマニュアル自動生成ステップを含むことが好ましい。これにより、情報管理装置1は、次回予約率をより高める手順を示すマニュアルを担当者たちに与えることができる。これにより、情報管理装置1は、美容室等のサービス業において個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善できる。
【0102】
[平均算出ステップ]
情報管理処理は、次回予約率について、上述の平均を算出する平均算出ステップを含む。平均算出ステップは、例えば、各店舗における次回予約率の平均である店舗平均、全店舗における次回予約率の平均である全店舗平均等を算出する手順を含む。これにより、情報管理装置1は、担当者に次回予約率を提供するときに、算出された平均を添えて提供できる。これにより、情報管理装置1は、当人の次回予約率が平均より高いか低いかを判断する材料を担当者に与えることができる。これにより、情報管理装置1は、美容室等のサービス業において個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善できる。
【0103】
[貢献算出ステップ]
情報管理処理は、担当者の次回予約率に基づいて、当該担当者の経営に対する貢献を算出する貢献算出ステップを含む。貢献算出ステップにおいて算出される貢献は、例えば、売上高への貢献、LTV(顧客生涯価値)への貢献等を含む。貢献算出ステップにおいて貢献を算出する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、次回予約率を説明変数とし、貢献を目的変数とする学習データを用いた機械学習が行われたニューラルネットワークを用いて貢献を算出する手順等を含む。これにより、情報管理装置1は、次回予約率が経営に貢献した度合いを判断する材料を経営者に与えることができる。また、これにより、情報管理装置1は、次回予約率が経営に貢献した度合いを判断する材料を担当者に与え、自らの貢献を自覚して次回予約率を高める動機とさせ得る。よって、情報管理装置1は、美容室等のサービス業において個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善できる。
【0104】
[投資判断基準生成ステップ]
情報管理処理は、次回予約率に係る指標に基づいて投資判断基準を生成する投機判断基準生成ステップを含む。投機判断基準生成ステップにおいて入力として用いられる指標は、次回予約率に係る指標であれば特に限定されず、例えば、1年間等の所与の期間において集計された各種平均(例えば、特定の担当者における次回予約率の平均、上述の店舗平均、上述の全店舗平均)等を含む。投機判断基準生成ステップにおいて生成される投資判断基準は、例えば、新店舗を展開すべきか否か等を示す判断基準、手順等の売上高の予測を含む判断基準、手順等の収支の予測を含む判断基準等を含む。これにより、情報管理装置1は、経営における投機的行為を行うか否かを判断する材料を経営者に与えることができる。よって、情報管理装置1は、美容室等のサービス業において個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善できる。
【0105】
[次回予約率通知ステップ]
情報管理処理は、上述の低評価担当者及び/又は高評価担当者に次回予約率を自動的に通知する次回予約率通知ステップを含むことが好ましい。これにより、情報管理装置1は、当人の営業努力の結果を判断する材料である次回予約率を担当者に与えることができる。これにより、情報管理装置1は、美容室等のサービス業において個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善できる。
【0106】
[次回予約率の算出について]
本実施形態における「次回予約率」は、来店者のうち再来店を予約した者の比率を指す。ここで言う「予約した者」は、来店時に予約を行った来店者(来店中予約者)及び来店時に約束した日付までに予約を行った来店者(予告期間内予約者)を含む。また、来店中予約者及び予告期間内予約者は、予約後にキャンセルして実際に来店しなかったとしても、引き続き来店中予約者及び予告期間内予約者として扱われる。すなわち、次回予約率は、来店者のうち次回来店した者の比率であり、キャンセルしたものを来店した者に含まないリピート率と異なる。これにより、情報管理装置1は、予約を行ったものの来店者の都合によってキャンセルした来店者が担当者の営業努力不足によりリピーターとならなかった来店者として扱われることを防ぐ。よって、情報管理装置1は、担当者の営業努力を適切に評価できる。情報管理装置1は、次回予約率を高めることにより、来店者が担当者及び/又は店舗の支持者となるファン化を促進し、来店者のLTVを高め、店舗の経営を改善できる。
【0107】
[情報管理処理の効果]
本実施形態の情報管理処理を実行する情報管理装置1は、抽出部112により低評価担当者を抽出し、抽出された低評価担当者に報告の提出を要求することを支援できる。これにより、情報管理装置1は、低評価担当者が報告を作成する過程において自らの役務の提供手順等を見直し、それらを改善するよう支援できる。よって、本発明は、低評価担当者が自らの次回予約率を高めることを支援できる。また、これにより、情報管理装置1は、店舗の管理者等が当該報告に基づいて当該低評価担当者における役務の提供手順等及び当該店舗において勤務する従業員等における役務の提供手順等を把握し、見直すことを支援できる。よって、本発明は、店舗の管理者等が当該見直しによって店舗の次回予約率を高め、経営を改善することを支援できる。
【0108】
したがって、本実施形態の情報管理処理を実行する情報管理装置1は、美容室等のサービス業において、個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善することの支援を行える。
【0109】
また、本実施形態の情報管理処理を実行する情報管理装置1は、情報提供部114により、次回予約率を改善するための指針を示す改善情報を低評価担当者に提供できる。これにより、情報管理装置1は、低評価店舗の管理者等が改善情報に基づいて役務の提供手順を改善するよう支援できる。本実施形態の情報管理処理を実行する情報管理装置1は、情報更新部115により、高評価担当者からの報告等に基づいて上述の改善情報を更新できる。すなわち、情報管理装置1は、次回予約率に係る実績がある高評価担当者からの有益な報告に基づく機械学習によって改善情報を更新し、より有益な情報にできる。
【0110】
加えて、本実施形態の情報管理処理を実行する情報管理装置1は、担当者のみならず店舗についても、低評価店舗、高評価店舗を抽出できる。そして、情報管理装置1は、高評価店舗に報告の提出を要求できる。これにより、情報管理装置1は、他の店舗の経営改善に役立つ高評価店舗からの報告を取得し、提供できる。また、情報管理装置1は、高評価店舗からの報告等に基づく機械学習を行い、他の店舗の経営改善によりいっそう役立つ情報を提供できる。
【0111】
<使用例>
以下は、情報管理装置1の使用例である。
【0112】
〔来店情報の登録〕
美容室の従業員「宮本 将司」は、予約なしで来店した来店者「山田 小梢」に対して、「スタンダードコース」の施術を行い、「8,000円」の売上を得たものの次回予約をとれなかった。「宮本 将司」は、端末Tを介して当該来店者に係る来店情報を情報管理装置1に登録した。情報管理装置1は、端末Tから送信された来店情報を受信し、来店データベース121に格納した。
【0113】
「宮本 将司」は、予約通りに来店した来店者「笹木 虎次郎」に対して、「フルコース」の施術を行い、「10,000円」の売上を得て、後で予約するとの言質を「笹木 虎次郎」から取った。「宮本 将司」は、端末Tを介して当該来店者に係る来店情報を情報管理装置1に登録した。情報管理装置1は、端末Tから送信された来店情報を受信し、来店データベース121に格納した。「笹木 虎次郎」は、3日後に次回予約を行った。「宮本 将司」は、端末Tを介して、先に登録した来店情報に係る次回予約として、当該次回予約を情報管理装置1に登録した。情報管理装置1は、端末Tから送信された次回予約情報を受信し、先に格納された来店情報と関連付けて来店データベース121に格納した。
【0114】
〔高評価担当者からの報告〕
情報管理装置1は、来店データベース121から高評価担当者「鈴木 一郎」を抽出した。そして、情報管理装置1は、「鈴木 一郎」の次回予約率が高かったことを店舗の管理者に伝えるとともに、「鈴木 一郎」に次回予約率を提供し、報告の提出を要求した。「鈴木 一郎」は、端末Tを介して、コミュニケーションを重視しつつ次回予約を促し、世間話を通じた信頼関係を構築する努力をしたとの趣旨の報告を情報管理装置1に送信した。情報管理装置1は、端末Tから送信された報告を受信し、報告データベース122に格納した。そして、情報管理装置1は、当該報告等に基づく機械学習を実行し、改善情報を更新した。
【0115】
〔高評価店舗からの報告〕
情報管理装置1は、来店データベース121から高評価店舗「△△店」を抽出した。そして、情報管理装置1は、「△△店」に報告の提出を要求した。「△△店」は、端末Tを介して、定例ミーティング、手順掲示、意識啓発、研修を行ったとの趣旨の報告を情報管理装置1に送信した。情報管理装置1は、端末Tから送信された報告を受信し、報告データベース122に格納した。そして、情報管理装置1は、当該報告等に基づく機械学習を実行し、改善情報を更新した。
【0116】
〔低評価担当者の業務改善〕
情報管理装置1は、来店データベース121から低評価担当者「宮本 将司」を抽出した。そして、情報管理装置1は、「宮本 将司」に対し、次回予約率を提供し、次回予約率が低かったことを伝えるとともに、報告の提出を要求した。「宮本 将司」は、自らの業務態度を振り返り、施術終了時の声掛けが徹底していなかったことに気づいた。そして、「宮本 将司」は、端末Tを介して、施術終了時の声掛けが徹底していなかったとの趣旨の報告を情報管理装置1に送信した。情報管理装置1は、端末Tから送信された報告を受信し、報告データベース122に格納した。また、情報管理装置1は、「鈴木 一郎」からの報告等に基づいて更新された改善情報を「宮本 将司」の端末Tに提供した。「宮本 将司」は、当該改善情報から、コミュニケーションを重視しつつ次回予約を促し、世間話を通じた信頼関係を構築する業務改善を行った。
【0117】
〔低評価店舗の業務改善〕
情報管理装置1は、来店データベース121から低評価店舗を抽出した。そして、情報管理装置1は、当該低評価店舗に対し、次回予約率が低かったことを伝えるとともに、報告の提出を要求した。情報管理装置1は、低評価店舗の端末Tから送信された報告を受信し、報告データベース122に格納した。また、情報管理装置1は、「△△店」からの報告等に基づいて更新された改善情報を当該低評価店舗の端末Tに提供した。当該低評価店舗の管理者は、当該改善情報から、定例ミーティング、手順掲示、意識啓発、研修を行う業務改善を行った。
【0118】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
S システム
1 情報管理装置
11 制御部
111 受信部
112 抽出部
113 報告要求部
114 情報提供部
115 情報更新部
116 生成部
12 記憶部
121 来店データベース
122 報告データベース
123 担当者改善ニューラルネットワーク
124 店舗改善ニューラルネットワーク
13 通信部
N ネットワーク
T 端末
【要約】
【課題】美容室等のサービス業において、個々の従業員における次回予約率を高め、店舗の経営を改善すること。
【解決手段】本発明の情報管理装置1は、来店者の来店に係る情報であって、当該来店者が再来店を予約したか否かを識別できる予約情報及び当該来店者を担当した担当者を識別できる担当者情報を含む来店情報が格納される来店データベース121と、担当した来店者のうち再来店を予約した来店者の比率である次回予約率が低い担当者(低評価担当者)を予約情報及び担当者情報に基づいて来店データベース121から抽出するよう構成された抽出部112と、低評価担当者に報告の提出を要求するよう構成された報告要求部113と、を備える。
【選択図】
図1