(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】草刈り用チップソー
(51)【国際特許分類】
A01D 34/73 20060101AFI20240426BHJP
B26D 1/14 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
A01D34/73 102
B26D1/14 B
(21)【出願番号】P 2023202410
(22)【出願日】2023-11-30
【審査請求日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202223217266.0
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523453042
【氏名又は名称】浙江中村精密刀具機械有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Zhongcun Precision Cutter Machinery Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】No.117,Shinan Avenue,Lianshi Town,Huzhou City,Zhejiang Province 313009,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 富臣
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-044085(JP,A)
【文献】実開平07-030005(JP,U)
【文献】実開昭58-036102(JP,U)
【文献】実開昭57-126927(JP,U)
【文献】特開2019-216740(JP,A)
【文献】特開2009-183241(JP,A)
【文献】実開平07-033602(JP,U)
【文献】特開2005-022019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/73
B26D 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体的に円盤状に形成された草刈り用チップソーであって、
中央に形成された円形状の段差内側と、前記段差内側の外側で円環状に形成された段差外側と、を有し、
前記段差内側と前記段差外側とは段差によって区分けされ、
前記段差内側よりも前記段差外側の方が薄
く、
前記段差内側、および前記段差外側のそれぞれに複数の放熱孔が形成され、
前記放熱孔が周方向に交差する方向に複数個、並設される放熱孔群を有し、
前記放熱孔群は、周方向に沿って複数、形成され、
前記放熱孔群における前記段差内側に形成された前記放熱孔同士の中心間距離、および前記放熱孔群における前記段差外側に形成された前記放熱孔同士の中心間距離よりも、前記放熱孔群における前記段差内側に形成された前記放熱孔の中で径方向に最も外側に配置されたものと前記放熱孔群における前記段差外側に形成された前記放熱孔の中で径方向に最も内側に配置されたものとの中心間距離の方が長く、これらの前記放熱孔の間に前記段差が形成されていることを特徴とする草刈り用チップソー。
【請求項2】
請求項
1に記載の草刈り用チップソーであって、
前記段差内側に形成されている前記放熱孔の総面積よりも前記段差外側に形成されている前記放熱孔の総面積の方が大きいことを特徴とする草刈り用チップソー。
【請求項3】
請求項
1に記載の草刈り用チップソーであって、
前記放熱孔群における前記放熱孔の面積は、
径方向の外側へ向かって大きくなっていることを特徴とする草刈り用チップソー。
【請求項4】
請求項
1に記載の草刈り用チップソーであって、
前記段差外側に形成されている前記放熱孔の個数は、前記段差内側に形成されている前記放熱孔の個数以上であることを特徴とする草刈り用チップソー。
【請求項5】
請求項
1に記載の草刈り用チップソーであって、
前記段差内側の中心に、厚さ方向に貫通した円形状の取付孔が形成され、
前記段差内側に形成された前記放熱孔の中
で最も中心寄りのものの外周と前記取付孔の外周との最短距離よりも、前記段差内側に形成された前記放熱孔の中
で最も前記段差寄りのものの外周と前記段差との最短距離の方が短いことを特徴とする草刈り用チップソー。
【請求項6】
請求項1乃至
5の何れか1つに記載の草刈り用チップソーであって、
鋸歯を更に備え、
前記鋸歯は前記取付孔の円心を中心として前記段差外側の外周に環状アレイ状に配置され、隣接する前記鋸歯の間にチップポケットが設けられ、前記鋸歯に切刃が設けられていることを特徴とする草刈り用チップソー。
【請求項7】
請求項
6に記載の草刈り用チップソーであって、
前記鋸歯の歯形がU型構造であることを特徴とする草刈り用チップソー。
【請求項8】
請求項
6に記載の草刈り用チップソーであって、
前記鋸歯の外表面のすべてにサンドブラスト処理が施されていることを特徴とする草刈り用チップソー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は草刈り用チップソーの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
草刈り用チップソーは草刈り機に取り付けられており、中心に取付孔を有するディスク状のチップソーであり、回転により草や木を切断する。例えば、中国実用新案出願201921099357.4号に開示されている草刈り用チップソーは耐久性を有するものの、この草刈り用チップソーの厚さは全範囲にわたって同一であるので、草刈り用チップソーの重量が大きい。そのため、草刈り時に作業者の作業負荷が大きく、作業効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、軽量化された草刈り用チップソーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために、本発明の一態様による草刈り用チップソーは、以下のような特徴を有する。
【0005】
(1)全体的に円盤状に形成された草刈り用チップソーであって、中央に形成された円形状の段差内側と、前記段差内側の外側で円環状に形成された段差外側と、を有し、前記段差内側と前記段差外側とは段差によって区分けされ、前記段差内側よりも前記段差外側の方が薄いことを特徴とする。
上記(1)に記載の態様によれば、段差内側と段差外側との切り替えを段差で行うことによりチップソー全体の直径が大きくなることを抑えつつ、段差外側を段差内側よりも薄くすることによりチップソーを軽量化できる。
【0006】
(2)前記段差内側、および前記段差外側のそれぞれに複数の放熱孔が形成される。
上記(2)に記載の態様によれば、作業時に放熱作用を発揮させつつ、チップソーを軽量化できる。
【0007】
(3)前記段差内側に形成されている前記放熱孔の総面積よりも前記段差外側に形成されている前記放熱孔の総面積の方が大きい。
上記(3)に記載の態様によれば、チップソーの回転時にトルクがかかる段差内側の欠損が抑えられるので、チップソーの強度低下を抑えつつ、チップソーを軽量化することができる。
【0008】
(4)前記放熱孔は、周方向に交差する方向に並設され、前記放熱孔の面積は、中心から外側へ向かって大きくなっている。
上記(4)に記載の態様によれば、チップソーの回転時にトルクがかかる段差内側の欠損が抑えられるので、チップソーの強度低下を抑えつつ、チップソーを軽量化することができる。
【0009】
(5)前記段差外側に形成されている前記放熱孔の個数は、前記段差内側に形成されている前記放熱孔の個数以上である。
上記(5)に記載の態様によれば、チップソーの回転時にトルクがかかる段差内側の欠損が抑えられるので、チップソーの強度低下を抑えつつ、チップソーを軽量化することができる。
【0010】
(6)前記段差内側の中心に、厚さ方向に貫通した円形状の取付孔が形成され、前記段差内側に形成された前記放熱孔の中でも最も中心寄りのものの外周と前記取付孔の外周との最短距離よりも、前記段差内側に形成された前記放熱孔の中でも最も前記段差寄りのものの外周と前記段差との最短距離の方が短い。
上記(6)に記載の態様によれば、チップソーの回転時にトルクがかかる取付孔付近の欠損が抑えられるので、チップソーの強度低下を抑えつつ、チップソーを軽量化することができる。
【0011】
(7)鋸歯を更に備え、前記鋸歯は前記取付孔の円心を中心として前記段差外側の外周に環状アレイ状に配置され、隣接する前記鋸歯の間にチップポケットが設けられ、前記鋸歯に切刃が設けられる。
【0012】
(8)前記鋸歯の歯形がU型構造である。
【0013】
(9)前記鋸歯の外表面のすべてにサンドブラスト処理が施される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、草刈り用チップソーの軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4-1】全体直径φが160mmの場合の草刈り用チップソーの構造模式図である。
【
図4-2】全体直径φが185mmの場合の草刈り用チップソーの構造模式図である。
【
図4-3】全体直径φが200mmの場合の草刈り用チップソーの構造模式図である。
【
図4-4】全体直径φが230mmの場合の草刈り用チップソーの構造模式図である。
【
図4-5】全体直径φが255mmの場合の草刈り用チップソーの構造模式図である。
【
図5】
図4-1乃至
図4-5における全体直径φ、および全体半径R0と、段差半径R1、段差内側幅B1、段差外側幅B2、第1放熱孔個数n1、および第2放熱孔個数n2との関係を表す表である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る草刈り用チップソーについて説明する。
図1は、草刈り用チップソー1(以下、「チップソー1」と称する)の構造模式図である。
図2は、
図1のチップソー1の側面図である。
図3は、
図1におけるA部の拡大図である。
【0017】
図1~3に示すように、チップソー1に段差2が設けられ、段差2の両側に多数の放熱孔3がアレイ状に配置される。放熱孔3は放熱効果を有するだけでなく、緩衝・衝撃吸収の効果も有する。
【0018】
チップソー1は段差内側101及び段差外側102を含み、段差2が段差内側101と段差外側102との接続箇所に設けられ、多数の放熱孔3が段差内側101及び段差外側102にアレイ状に配置される。
【0019】
チップソー1の両面共に段差2が設けられ、段差外側102の厚さが段差内側101の厚さよりも小さい。チップソー1の縁部を中央よりも薄くすることにより、チップソー1の重量を軽減する。
【0020】
段差内側101の中心に取付孔1011が設けられている。多数の放熱孔3は4組に分けられ、4組の放熱孔3が取付孔1011回りにアレイ状に配列されている。各組において放熱孔3がチップソー1の径方向に沿って7列設置されている。各列の放熱孔3の直径はチップソー1の中心から離れていくにつれて大きくなる。
【0021】
放熱孔3には、第1放熱孔301と第2放熱孔302と、がある。第1放熱孔301は段差内側101の段差2に近接する箇所に設けられ、第2放熱孔302は段差外側102の段差2に近接する箇所に設けられている。
【0022】
第1実施形態では、チップソー1の径方向に沿った各列において、第1放熱孔301の数が3つであり、第2放熱孔302の数が4つである。第1放熱孔301と第2放熱孔302とはいずれも円形である。
【0023】
チップソー1は多数の鋸歯103を更に備えている。多数の鋸歯103が取付孔1011の円心を中心として段差外側102の外周に環状アレイ状に配置されている。各鋸歯103には切刃1032が設けられる。また、隣接する鋸歯103同士の間にはチップポケット1031が設けられている。
【0024】
鋸歯103の歯形がU型構造である。
【0025】
鋸歯103の外表面のすべてにサンドブラスト処理が施される。
【0026】
作業原理は以下の通りである。チップソー1は、充電式草刈り機に応用され、両面に段差2が付いており、即ちチップソー1の表面に段差2を設置してチップソー1の縁部(段差外側102)を中央(段差内側101)よりも薄くすることにより、チップソー1の重量を軽減している。したがって、草刈りを更に楽にし、作業者の作業負荷を軽減し、作業効率を向上させ、切断作業に利用され得る時間を更に長くし、電池の耐用年数を延ばすことができる。また、段差2には放熱孔3がないので、チップソー1のベースの強度に影響することもなく、ベースが段差2の箇所で破断してしまうことがない。
【0027】
次に、第1実施形態に係るチップソー1についてさらに詳細に説明する。チップソー1は全体的に円盤状に形成されている。チップソー1は、段差内側101、段差外側102、および多数の鋸歯103を有する。
【0028】
段差内側101はチップソー1の中央で円形状に形成されている。段差外側102は、段差内側101の径方向外側で段差内側101に隣接した態様で円環状に形成されている。段差内側101と、段差外側102とは、チップソー1の中心Cに対して同心円状に形成されている。なお、多数の鋸歯103のそれぞれは、段差外側102の外周縁部において周方向に相互に略同一間隔で且つ径方向外側に突出するように形成されている。
【0029】
段差内側101の厚さ、および段差外側102の厚さは、それぞれの全範囲において一定である。そして、段差外側102は、段差内側101よりも薄い。
【0030】
段差内側101と段差外側102とは段差2によって区画されている。段差2は、チップソー1の両表面において全周にわたって形成されている。すなわち、チップソー1の両表面における段差内側101と段差外側102との境界には、円形状の段差2が形成されている。
【0031】
チップソー1の両表面に形成されている段差2は、厚さ方向に対して対称である。また、チップソー1の両表面に形成されている段差2の厚さ方向長さは全周にわたって一定である。したがって、チップソー1の一方の表面における段差2に係る厚さ方向長さと、チップソー1の他方の表面における段差2に係る厚さ方向長さと、は同一である。言い換えると、チップソー1の一方の表面側に係る厚さ方向における段差内側101と段差外側102との表面間距離と、チップソー1の他方の表面側に係る厚さ方向における段差内側101と段差外側102との表面間距離と、は同一である。
【0032】
なお、段差内側101の厚さを「段差内側厚さt1」と称し、段差外側102の厚さを「段差外側厚さt2」と称する。そして、段差外側厚さt2と段差内側厚さt1との差は0.20mm~0.40mmが好ましい。さらには、段差外側厚さt2と段差内側厚さt1との差は0.25~0.35mmであることが好ましい。また、段差内側厚さt1、および段差外側厚さt2の範囲としては、段差内側厚さt1の下限値が0.75mmであり段差内側厚さt1の上限値が1.25mmであることが好ましく、段差外側厚さt2の下限値が0.45mmであり、段差外側厚さt2の上限値が0.95mmであることが好ましい。さらには、段差内側厚さt1、および段差外側厚さt2の範囲としては、段差内側厚さt1の下限値が0.9mmであり段差内側厚さt1の上限値が1.1mmであることが好ましく、段差外側厚さt2の下限値が0.6mmであり、段差外側厚さt2の上限値が0.8mmであることが好ましい。
【0033】
ただし、段差外側厚さt2と段差内側厚さt1との差、ならびに段差内側厚さt1、および段差外側厚さt2は、段差内側厚さt1よりも段差外側厚さt2の方が小さい(段差内側101よりも段差外側102の方が薄い)という関係を満たす範囲で、限定されない。したがって、例えば、段差外側厚さt2と段差内側厚さt1との差が、0.20mm未満、または0.40mmより大きくてもよい。また、段差外側厚さt2と段差内側厚さt1との差が0.25~0.35mmであるが、段差外側厚さt2が下限値より小さくてもよいし、上限値より大きくてもよい。あるいは、段差外側厚さt2と段差内側厚さt1との差が0.25~0.35mmであるが、段差内側厚さt1が下限値より小さくてもよいし、上限値より大きくてもよい。
【0034】
段差内側101には、円形状の取付孔1011が厚さ方向に貫通して形成されている。段差内側101と取付孔1011と、は同心円状に形成されている。
【0035】
チップソー1の段差内側101、および段差外側102の部分には多数の放熱孔3が厚さ方向に貫通して形成されている。多数の放熱孔3は段差2を避ける態様で形成されている。すなわち、放熱孔3は段差2上に形成されていない。
【0036】
多数の放熱孔3は、全体的に周方向に4つの組(群)に分かれている。当該4つの組は、周方向において等間隔で配置されている。言い換えると、多数の放熱孔3に係る組の周方向において隣接するもの同士の間には略同一形状の隙間が形成されている。
【0037】
第1実施形態においては、放熱孔3に係る各組において、所定間隔で渦巻き状(捻じれ放射状)、あるいはスパイラル状に並設された7つの放熱孔3が周方向に7列配置されている。
【0038】
また、放熱孔3は、その形成箇所によって、第1放熱孔301と、第2放熱孔302と、に分けられる。段差内側101に形成されている放熱孔3が第1放熱孔301であり、段差外側102に形成されている放熱孔3が第2放熱孔302である。第1実施形態では、各列において、第1放熱孔301が3つ形成され、第2放熱孔302が4つ形成されている。
【0039】
第1放熱孔301、および第2放熱孔302の形状は全て円形である。そして、各列においては、径方向に沿って外側に進むにつれて、放熱孔3の直径が大きくなっている。また、各組において、第1放熱孔301の個数よりも、第2放熱孔302の個数の方が多い。したがって、段差内側101に形成された放熱孔3の総面積よりも段差外側102に形成された放熱孔3の総面積の方が大きいということになる。
【0040】
また、各列において、第1放熱孔301の径方向に隣接するもの同士の中心間の距離の何れ、および第2放熱孔302の径方向に隣接するもの同士の中心間の距離の何れよりも、径方向で最も外側に配置された第1放熱孔301の中心と径方向で最も内側に配置された第2放熱孔302の中心との距離の方が長い。言い換えると、各列において、第1放熱孔301の径方向に隣接するもの同士の中心間の距離の何れ、および第2放熱孔302の径方向に隣接するもの同士の中心間の距離の何れよりも、径方向に沿って段差2を挟んで対向している第1放熱孔301の中心と第2放熱孔302の中心との距離の方が長い。
【0041】
また、第1放熱孔301の中でも最も中心C寄りのものの外周と取付孔1011の外周との最短距離よりも、第1放熱孔301の中でも最も段差2寄りのものの外周と段差2との最短距離の方が短い。
【0042】
ここで、チップソー1全体の直径を「全体直径φ0」と称し、チップソー1全体の半径を「全体半径R0」と称する。また、段差2の半径、言い換えると、相対的に幅が厚い段差内側101の部分の半径を「段差半径R1」と称する。さらには段差内側101の中で取付孔1011を除く円環状部分の径方向長さを「段差内側幅B1」と称し、段差外側102の径方向長さを「段差外側幅B2」と称する。
【0043】
次に、全体直径φ0や全体半径R0の大きさに応じた段差半径R1、段差内側幅B1、段差外側幅B2、放熱孔3の個数、および放熱孔3の半径の関係について説明する。
【0044】
図4-1は、全体直径φ0が160mmのときのチップソー1の平面図を表す図であり、
図4-2は、全体直径φ0が185mmのときのチップソー1の平面図を表す図であり、
図4-3は、全体直径φ0が200mmのときのチップソー1の平面図を表す図であり、
図4-4は、全体直径φ0が230mmのときのチップソー1の平面図を表す図であり、
図4-5は、全体直径φ0が255mmのときのチップソー1の平面図を表す図である。
【0045】
図4-1乃至
図4-5に示すように、全体直径φ0の大きさに応じて放熱孔3の個数が異なる。詳細には、全体直径φ0の大きさに関わらず、多数の放熱孔3が周方向に沿って4組でまとまって形成されており、各組における列の個数が7個であることは共通しているが、全体直径φ0の大きさに応じて、各列を構成する第1放熱孔301、および第2放熱孔302のそれぞれの個数が異なる。
【0046】
そこで、各列を構成する第1放熱孔301の個数のことを「第1放熱孔個数n1」、各列を構成する第2放熱孔302の個数のことを「第2放熱孔個数n2」と称する。
【0047】
また、
図4-1乃至
図4-5における各チップソー1においても、径方向に沿って外側に進むにつれて、放熱孔3の直径が大きくなっている。また、各組において、第2放熱孔302の個数は、第1放熱孔301の個数と同一か、第1放熱孔301の個数よりも多いかである。したがって、段差内側101に形成された放熱孔3の総面積よりも段差外側102に形成された放熱孔3の総面積の方が大きいということになる。
【0048】
図5は、
図4-1乃至
図4-5における全体直径φ0、および全体半径R0と、段差半径R1、段差内側幅B1、段差外側幅B2、第1放熱孔個数n1、および第2放熱孔個数n2との関係を表す表である。
【0049】
また、チップソー1の軽量化と強度保持とのバランスから、以下の数値範囲が好ましいと考えられる。段差半径R1/全体直径φ0は、0.55~0.65が好ましい。段差内側幅B1/全体半径R0は、0.42~0.52が好ましい。段差外側幅B2/全体半径R0は、0.27~0.42が好ましい。段差内側幅B1/段差外側幅B2は、1.0~2.0が好ましい。段差半径R1/段差外側幅B2は、2.5~4.5が好ましい。
【0050】
なお、第1実施形態では、段差2は、チップソー1の両表面に形成されているが、何れか一方の表面にのみ形成されていてもよい。
【0051】
多数の放熱孔3は全体的に周方向に4つの組(群)に分かれているが、3組以下、もしくは5組以上の組で分かれていてもよい。あるいは、多数の放熱孔3は全体的に周方向に組で分かれていない態様、言い換えると、周方向に放熱孔3同士の隙間よりも大きな隙間が形成されていない態様で形成されていてもよい。
【0052】
放熱孔3の形状は円形であるが、円形とは異なる形状であってもよい。この場合、放熱孔3の各列において、径方向外側に沿って進むにつれて、放熱孔3の面積が大きくなっていてもよい。
【0053】
多数の放熱孔3は、渦巻き状に並設されているが、中心Cを通る放射状(径方向に沿った直線状)に並設されるなど、広くは周方向に交差する直線状もしくは曲線状に並設されていてもよい。あるいは、多数の放熱孔3は、チップソー1の全体において、例えば格子状など所定の規則性をもって、もしくは不規則に形成されていてもよい。
【0054】
多数の放熱孔3は、段差内側101、および段差外側102の双方に形成されているが、何れか一方にのみ形成されているようにしてもよい。ひいては、チップソー1に放熱孔3が形成されていないようにしてもよい。
【0055】
また、
図1に示すように、チップソー1に段差2が設けられ、段差2の両側に放熱孔3がアレイ状に配置される。放熱孔3は放熱効果を有するだけでなく、緩衝・衝撃吸収の効果も有する。
【0056】
チップソー1は段差内側101及び段差外側102を含み、段差2が段差内側101と段差外側102との接続箇所に設けられ、放熱孔3が段差内側101及び段差外側102にアレイ状に配置される。
【0057】
また、
図1~2に示すように、チップソー1に段差2が設けられ、段差2の両側に放熱孔3がアレイ状に配置される。放熱孔3は放熱効果を有するだけでなく、緩衝・衝撃吸収の効果も有する。
【0058】
チップソー1は段差内側101及び段差外側102を含み、段差2が段差内側101と段差外側102との接続箇所に設けられ、放熱孔3が段差内側101及び段差外側102にアレイ状に配置される。
【0059】
チップソー1の両面共に段差2が設けられ、段差内側101の厚さが段差外側102の厚さよりも大きい。チップソー1の縁部を中央より薄くすることにより、チップソー1の重量を軽減する。
【0060】
段差内側101の中心に取付孔1011が設けられ、放熱孔3の数が4組であり、4組の放熱孔3が取付孔1011回りにアレイ状に配列され、各組の放熱孔3がチップソー1の径方向に沿って7列設置され、各列の放熱孔3の直径がチップソー1の中心から外に向かうに従って大きくなる。
【0061】
放熱孔3は第1放熱孔301及び第2放熱孔302を含み、第1放熱孔301が段差内側101の段差2に近接する箇所に設けられ、第2放熱孔302が段差外側102の段差2に近接する箇所に設けられる。
【0062】
各列の第1放熱孔301の数が3つであり、各列の第2放熱孔302の数が4つであり、第1放熱孔301と第2放熱孔302とがいずれも円形である。
【符号の説明】
【0063】
1 チップソー
101 段差内側
1011 取付孔
102 段差外側
103 鋸歯
1031 チップポケット
1032 切刃
2 段差
3 放熱孔
301 第1放熱孔
302 第2放熱孔
【要約】
【課題】軽量化された草刈り用チップソーを提供すること。
【解決手段】全体的に円盤状に形成され、中央に形成された円形状の段差内側101と、段差内側101の外側で円環状に形成された段差外側102と、を有し、段差内側101と段差外側102とは段差2によって区分けされ、段差内側101よりも段差外側102の方が薄く、段差内側101、および段差外側102のそれぞれに複数の放熱孔3が形成されている。
【選択図】
図1