(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】自動車用建物装置
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20240426BHJP
B60P 3/34 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
E04H1/12 Z
B60P3/34 A
(21)【出願番号】P 2024034252
(22)【出願日】2024-03-06
【審査請求日】2024-03-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517222867
【氏名又は名称】有限会社スダックス
(74)【代理人】
【識別番号】100131428
【氏名又は名称】若山 剛
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 公一
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-331877(JP,A)
【文献】実公平05-006323(JP,Y2)
【文献】特開2000-142256(JP,A)
【文献】中国実用新案第213683383(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
B60P 3/00 - 9/00
E04H 15/06,15/08
B60R 9/00 -11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四輪自動車の屋根に積載される運搬状態と、前記四輪自動車の近傍に建物を形成する使用状態と、の間で状態を切り替え可能な自動車用建物装置であって、
前記四輪自動車の屋根に固定されるとともに、第1方向にて延在する1対の支持部を、前記第1方向に直交する第2方向における両端部にそれぞれ有する基台部と、
前記第1方向にて摺動可能に前記1対の支持部にそれぞれ支持される1対の被支持部を前記第2方向における両端部にそれぞれ有する本体部と、
を備え、
前記本体部は、
前記1対の被支持部を有するとともに、水平面に沿って延在する平板を有する天板部と、
前記天板部よりも鉛直下方に位置するとともに、前記水平面に沿って延在する平板を有する床板部と、
積層状態と展開状態との間で状態を切り替え可能であるとともに、前記天板部と前記床板部とを前記第2方向における両端部にてそれぞれ連結する1対の側板部と、
前記水平面に沿って延在する水平位置状態と、鉛直面に沿って延在する鉛直位置状態と、の間で状態を切り替え可能であるように回動可能に、前記天板部のうちの、前記第1方向における一方の端部の、前記第2方向における両端部にそれぞれ支持される1対の支持柱部と、
を備え、
前記1対の側板部のそれぞれは、前記積層状態において、前記水平面に沿って延在するように積層されるとともに、前記展開状態において、前記建物を構成する直方体状の筒を前記天板部及び前記床板部とともに形成するように前記鉛直面に沿って延在する複数の平板を有する、自動車用建物装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動車用建物装置であって、
前記1対の支持柱部は、前記回動の中心軸が前記第1方向にて延在するとともに、前記第1方向において互いに同じ位置を有し、且つ、前記水平位置状態において、鉛直方向における位置が互いに異なる、自動車用建物装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の自動車用建物装置であって、
前記1対の支持柱部のそれぞれは、伸縮可能である、自動車用建物装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の自動車用建物装置であって、
前記展開状態において、前記筒の開口の少なくとも一部を塞ぐように取り外し可能に前記本体部に支持される長方形状の複数の平板を有する筒底板部を備え、
前記1対の側板部のそれぞれは、
第1平板と、第2平板と、第3平板と、第4平板と、を有し、
前記積層状態において、前記第1平板のうちの、前記第2方向における一方の端部が、前記天板部に回動可能に連結され、前記第1平板のうちの、前記第2方向における他方の端部が、前記第2平板のうちの、前記第2方向における一方の端部に回動可能に連結され、前記第2平板のうちの、前記第2方向における他方の端部が、前記第3平板のうちの、前記第2方向における一方の端部に回動可能に連結され、前記第3平板のうちの、前記第2方向における他方の端部が、前記第4平板のうちの、前記第2方向における一方の端部に回動可能に連結され、且つ、前記第4平板のうちの、前記第2方向における他方の端部が、前記床板部に回動可能に連結され、
前記第1平板、及び、前記第2平板のそれぞれの、前記積層状態における前記第2方向における長さは、前記本体部の前記第2方向における長さから、前記筒底板部の前記複数の平板のうちの、最長の短辺の長さを減じた長さの半分以下である第1長さであり、
前記第3平板、及び、前記第4平板のそれぞれの、前記積層状態における前記第2方向における長さは、前記第1長さよりも長く、且つ、前記本体部の前記第2方向における長さの半分以下である第2長さであり、
前記筒底板部は、前記積層状態において、前記第3平板に載置されることにより、前記1対の側板部の前記第1平板及び前記第2平板の間に収容可能である、自動車用建物装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自動車用建物装置であって、
前記第3平板は、前記積層状態において、前記第2方向における一方の端部にて、前記第1方向に沿った直線状に鉛直上方へ突出する突出部を有するとともに、前記突出部が前記第2平板に連結される、自動車用建物装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用建物装置に関する。
【背景技術】
【0002】
四輪自動車の屋根に積載される運搬状態と、四輪自動車の近傍に建物を形成する使用状態と、の間で状態を切り替え可能な自動車用建物装置が知られている。この種の自動車用建物装置の一つとして、特許文献1に記載の自動車用建物装置は、ハウスと、吊金具支持レールと、吊金具支持延長レールと、吊金具と、レール支持柱と、を備える。
【0003】
自動車用建物装置は、吊金具支持レールに、吊金具支持延長レールが取り付けられるとともに、その先端を支持するように、レール支持柱が設置される。その後、吊金具を用いて、ハウスを吊金具支持延長レールに沿って移動させることにより、自動車用建物装置の状態を運搬状態から使用状態へ切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記自動車用建物装置において、吊金具支持レール、吊金具支持延長レール、レール支持柱、吊金具、及び、ハウスは、それぞれ別体として構成される。このため、運搬状態と使用状態との間で自動車用建物装置の状態を迅速に切り替えることができない虞があった。
また、少なくとも、吊金具支持延長レール及びレール支持柱を吊金具支持レールとは独立に運搬しなければならないため、自動車用建物装置を容易に運搬できない虞があった。
【0006】
本発明の目的の一つは、運搬状態と使用状態との間で状態を迅速に切り替えることができるとともに、容易に運搬することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの側面では、自動車用建物装置は、四輪自動車の屋根に積載される運搬状態と、四輪自動車の近傍に建物を形成する使用状態と、の間で状態を切り替え可能な装置である。
自動車用建物装置は、基台部と、本体部と、を備える。
基台部は、四輪自動車の屋根に固定されるとともに、第1方向にて延在する1対の支持部を、第1方向に直交する第2方向における両端部にそれぞれ有する。
本体部は、第1方向にて摺動可能に1対の支持部にそれぞれ支持される1対の被支持部を第2方向における両端部にそれぞれ有する。
【0008】
本体部は、天板部と、床板部と、1対の側板部と、1対の支持柱部と、を備える。
天板部は、1対の被支持部を有するとともに、水平面に沿って延在する平板を有する。
床板部は、天板部よりも鉛直下方に位置するとともに、水平面に沿って延在する平板を有する。
【0009】
1対の側板部は、積層状態と展開状態との間で状態を切り替え可能であるとともに、天板部と床板部とを第2方向における両端部にてそれぞれ連結する。
1対の支持柱部は、水平面に沿って延在する水平位置状態と、鉛直面に沿って延在する鉛直位置状態と、の間で状態を切り替え可能であるように回動可能に、天板部のうちの、第1方向における一方の端部の、第2方向における両端部にそれぞれ支持される。
【0010】
1対の側板部のそれぞれは、積層状態において、水平面に沿って延在するように積層されるとともに、展開状態において、建物を構成する直方体状の筒を天板部及び床板部とともに形成するように鉛直面に沿って延在する複数の平板を有する。
【発明の効果】
【0011】
運搬状態と使用状態との間で状態を迅速に切り替えることができるとともに、容易に運搬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が運搬状態である場合における斜視図である。
【
図2】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が運搬状態である場合における背面図である。
【
図3】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が運搬状態である場合における側面図である。
【
図4】
図3のIV-IV線により表される平面により切断された自動車用建物装置の断面図である。
【
図5】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における斜視図である。
【
図6】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における斜視図である。
【
図7】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における背面図である。
【
図8】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における斜視図である。
【
図9】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における背面図である。
【
図10】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における斜視図である。
【
図11】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における斜視図である。
【
図12】第1実施形態の自動車用建物装置の、状態が使用状態である場合における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の自動車用建物装置に関する各実施形態について
図1乃至
図12を参照しながら説明する。
【0014】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態の自動車用建物装置は、四輪自動車の屋根に積載される運搬状態と、四輪自動車の近傍に建物を形成する使用状態と、の間で状態を切り替え可能である。
自動車用建物装置は、基台部と、本体部と、を備える。
基台部は、四輪自動車の屋根に固定されるとともに、第1方向にて延在する1対の支持部を、第1方向に直交する第2方向における両端部にそれぞれ有する。
本体部は、第1方向にて摺動可能に1対の支持部にそれぞれ支持される1対の被支持部を第2方向における両端部にそれぞれ有する。
【0015】
本体部は、天板部と、床板部と、1対の側板部と、1対の支持柱部と、を備える。
天板部は、1対の被支持部を有するとともに、水平面に沿って延在する平板を有する。
床板部は、天板部よりも鉛直下方に位置するとともに、水平面に沿って延在する平板を有する。
1対の側板部は、積層状態と展開状態との間で状態を切り替え可能であるとともに、天板部と床板部とを第2方向における両端部にてそれぞれ連結する。
1対の支持柱部は、水平面に沿って延在する水平位置状態と、鉛直面に沿って延在する鉛直位置状態と、の間で状態を切り替え可能であるように回動可能に、天板部のうちの、第1方向における一方の端部の、第2方向における両端部にそれぞれ支持される。
【0016】
1対の側板部のそれぞれは、積層状態において、水平面に沿って延在するように積層されるとともに、展開状態において、建物を構成する直方体状の筒を天板部及び床板部とともに形成するように鉛直面に沿って延在する複数の平板を有する。
【0017】
これによれば、自動車用建物装置の状態が運搬状態である場合、四輪自動車が移動する。その後、四輪自動車が停止する。次いで、本体部が基台部に対して第1方向のうちの基台部から遠ざかる方向へ摺動させられる。その後、1対の支持柱部が回動されることにより、1対の支持柱部の状態が水平位置状態から鉛直位置状態へ切り替えられる。次いで、床板部が鉛直下方へ移動させられることにより、1対の側板部の状態が、積層状態から展開状態へ切り替えられる。これにより、天板部、床板部、及び、1対の側板部によって建物を構成する直方体状の筒が形成される。
このようにして、自動車用建物装置の状態は、運搬状態から使用状態へ切り替えられる。
【0018】
その後、床板部が鉛直上方へ移動させられることにより、1対の側板部の状態が、展開状態から積層状態へ切り替えられる。次いで、1対の支持柱部が回動されることにより、1対の支持柱部の状態が鉛直位置状態から水平位置状態へ切り替えられる。その後、本体部が基台部に対して第1方向のうちの基台部へ近づく方向へ摺動させられる。
このようにして、自動車用建物装置の状態は、使用状態から運搬状態へ切り替えられる。
【0019】
このように、本体部は、天板部、床板部、1対の側板部、及び、1対の支持柱部が一体となって基台部に対して摺動する。従って、自動車用建物装置の状態を、運搬状態と使用状態との間で迅速に切り替えることができる。
また、1対の支持柱部も本体部に含まれているため、自動車用建物装置を容易に運搬することができる。
換言すると、自動車用建物装置によれば、運搬状態と使用状態との間で状態を迅速に切り替えることができるとともに、容易に運搬することができる。
次に、第1実施形態の自動車用建物装置について、より詳細に説明する。
【0020】
(構成)
以下、
図1乃至
図12に表されるように、x軸、y軸及びz軸を有する右手系の直交座標系を用いて、第1実施形態の自動車用建物装置1を説明する。
【0021】
本例では、x軸方向、y軸方向、及び、z軸方向は、自動車用建物装置1の左右方向、自動車用建物装置1の前後方向、及び、自動車用建物装置1の上下方向とそれぞれ表されてもよい。また、本例では、x軸の正方向、x軸の負方向、y軸の正方向、y軸の負方向、z軸の正方向、及び、z軸の負方向は、自動車用建物装置1の右方向、自動車用建物装置1の左方向、自動車用建物装置1の前方向、自動車用建物装置1の後方向、自動車用建物装置1の上方向、及び、自動車用建物装置1の下方向とそれぞれ表されてもよい。
本例では、z軸の正方向、及び、z軸の負方向は、鉛直上方向、及び、鉛直下方向にそれぞれ一致する。
【0022】
自動車用建物装置1は、四輪自動車FCの屋根RFに積載される運搬状態と、四輪自動車FCの近傍に建物を形成する使用状態と、の間で状態を切り替え可能である。
本例では、自動車用建物装置1の右方向、自動車用建物装置1の左方向、自動車用建物装置1の前方向、自動車用建物装置1の後方向、自動車用建物装置1の上方向、及び、自動車用建物装置1の下方向は、四輪自動車FCの右方向、四輪自動車FCの左方向、四輪自動車FCの前方向、四輪自動車FCの後方向、四輪自動車FCの上方向、及び、四輪自動車FCの下方向とそれぞれ一致する。
【0023】
図1乃至
図4に表されるように、自動車用建物装置1は、基台部10と、本体部20と、を備える。本例では、自動車用建物装置1は、主として、繊維強化プラスチック(FRP;Fiber-Reinforced Plastics)からなる部材により構成される。なお、自動車用建物装置1は、FRPと異なる材料からなる部材により構成されていてもよい。
【0024】
図1は、自動車用建物装置1の状態が運搬状態である場合において、自動車用建物装置1の右方であり、自動車用建物装置1の後方であり、且つ、自動車用建物装置1の上方である位置から、自動車用建物装置1を見た図(換言すると、右後上方斜視図)である。
図2の(A)は、自動車用建物装置1の状態が運搬状態である場合において、自動車用建物装置1の後方から自動車用建物装置1を見た図(換言すると、背面図)である。
図2の(B)は、
図2の(A)の点線により囲まれた領域Bを拡大した部分拡大図である。
図2の(C)は、
図2の(A)の点線により囲まれた領域Cを拡大した部分拡大図である。
【0025】
図3は、自動車用建物装置1の状態が運搬状態である場合において、自動車用建物装置1の右方から自動車用建物装置1を見た図(換言すると、右側面図)である。
図4の(A)は、
図3のIV-IV線により表される平面により切断された自動車用建物装置1の断面をy軸の負方向にて見た図である。
図4の(B)は、
図4の(A)の点線により囲まれた領域Bを拡大した部分拡大図である。
図4の(C)は、
図4の(A)の点線により囲まれた領域Cを拡大した部分拡大図である。
【0026】
図5は、自動車用建物装置1の状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における右後上方斜視図である。
図6は、自動車用建物装置1の状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合において、自動車用建物装置1の右方であり、自動車用建物装置1の後方であり、且つ、自動車用建物装置1の下方である位置から、自動車用建物装置1を見た図(換言すると、右後下方斜視図)である。
図7は、自動車用建物装置1の状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における背面図である。
【0027】
図8は、自動車用建物装置1の状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における右後上方斜視図である。
図9は、自動車用建物装置1の状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における背面図である。
図10は、自動車用建物装置1の状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における右後上方斜視図である。
図11は、自動車用建物装置1の状態が運搬状態から使用状態への移行中である場合における右後下方斜視図である。
図12は、自動車用建物装置1の状態が使用状態である場合における右後上方斜視図である。
【0028】
図2及び
図4に表されるように、基台部10は、基台11と、1対の支持部12と、を備える。
基台11は、四輪自動車FCの屋根RFに取り外し可能に固定される。なお、基台11は、四輪自動車FCの屋根RFに取り外し不能に固定されていてもよい。
【0029】
1対の支持部12は、四輪自動車FCの屋根RFから所定の距離だけ隔てられた水平面にて、基台部10のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における両端部をそれぞれ構成するように基台11により支持される。本例では、1対の支持部12は、四輪自動車FCの屋根RFのうちの、自動車用建物装置1の左右方向における両端部の鉛直上方にそれぞれ位置する。
【0030】
各支持部12は、自動車用建物装置1の前後方向にて屋根RFの略全体に亘って延在する。従って、1対の支持部12は、互いに平行である。
本例では、自動車用建物装置1の前後方向は、第1方向に対応する。本例では、自動車用建物装置1の左右方向は、第1方向に直交する第2方向に対応する。
本例では、各支持部12は、断面形状がC字状であるリップ溝形鋼(換言すると、Cチャンネル)である。1対の支持部12の開口は、自動車用建物装置1の左右方向にて対向する。
【0031】
各支持部12は、摺動自在部12aを備える。摺動自在部12aは、水平面に沿って延在する支持部12の内壁面のうちの、z軸の負方向側の内壁面(換言すると、底面)に位置する。摺動自在部12aは、自動車用建物装置1の前後方向において、支持部12に対して、本体部20を摺動自在に本体部20を支持する。本例では、摺動自在部12aは、二段式のスライドレールである。なお、摺動自在部12aは、三段式のスライドレールであってもよい。
【0032】
本体部20は、天板部21と、床板部22と、1対の側板部23と、1対の支持柱部24と、筒底板部25と、を備える。
【0033】
天板部21は、平板211と、1対の被支持部212と、を備える。
平板211は、水平面に沿って延在する。平板211は、自動車用建物装置1の前後方向にて延在する長辺と、自動車用建物装置1の左右方向にて延在する短辺と、を有する長方形状である。平板211は、自動車用建物装置1の左右方向にて1対の支持部12の間に架け渡される。平板211は、自動車用建物装置1の前後方向にて、四輪自動車FCの屋根RFの略全体に亘って延在する。平板211は、所定の第1厚さを有する。
【0034】
平板211は、1対の第1側縁部211aと、1対の第2側縁部211bと、を有する。
1対の第1側縁部211aは、平板211のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における両端をそれぞれ構成する。1対の第1側縁部211aは、自動車用建物装置1の前後方向において、平板211の略全体に亘って直線状に延在する。
1対の第1側縁部211aは、第1厚さよりも厚い第2厚さを有する。1対の第1側縁部211aは、平板211のうちの、鉛直下方向における端面から鉛直下方向へ突出する。
【0035】
1対の第2側縁部211bは、平板211のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における両端部にて、1対の第1側縁部211aにそれぞれ隣接する。1対の第2側縁部211bは、自動車用建物装置1の前後方向において、平板211の略全体に亘って直線状に延在する。
1対の第2側縁部211bは、第1厚さよりも厚く、且つ、第2厚さよりも薄い第3厚さを有する。1対の第2側縁部211bは、平板211のうちの、鉛直下方向における端面から鉛直下方向へ突出する。
【0036】
1対の被支持部212は、平板211のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における両端部にそれぞれ固定される。各被支持部212は、自動車用建物装置1の前後方向において、第1側縁部211aの略全体に亘って直線状に延在する。本例では、各被支持部212は、断面形状がC字状であるリップ溝形鋼である。1対の被支持部212の開口は、自動車用建物装置1の左右方向にて対向する。各被支持部212は、第1側縁部211aを内部に収容する。
1対の被支持部212は、自動車用建物装置1の前後方向にて摺動可能に1対の支持部12の摺動自在部12aにそれぞれ支持される。
【0037】
床板部22は、天板部21よりも鉛直下方に位置する。床板部22は、平板221と、枠体222と、を備える。
【0038】
平板221は、水平面に沿って延在する。平板221は、自動車用建物装置1の前後方向にて延在する長辺と、自動車用建物装置1の左右方向にて延在する短辺と、を有する長方形状である。平板221は、自動車用建物装置1の前後方向、及び、自動車用建物装置1の左右方向のそれぞれにて平板211と略同じ長さを有する。
平板221は、所定の第4厚さを有する。本例では、第4厚さは、第1厚さよりも薄い。なお、第4厚さは、第1厚さと等しくてもよく、第1厚さよりも厚くてもよい。
【0039】
枠体222は、平板221のうちの、鉛直下方向における端面に固定される。枠体222は、平板221の外縁に沿って長方形状に延在する。本例では、枠体222は、4本の中空の四角柱状体により構成される。
【0040】
枠体222は、
図6及び
図11に表されるように、複数(本例では、4つ)の脚体222aを備える。各脚体222aは、中空の四角柱状体である。各脚体222aは、回動の中心軸が水平面に沿って(本例では、自動車用建物装置1の左右方向にて)延在するように回動可能に枠体222に固定される。本例では、各脚体222aは、長手方向における長さが調整可能である。なお、各脚体222aは、長手方向における長さが調整不能であってもよい。
【0041】
このような構成により、各脚体222aは、水平面に沿って延在する水平位置状態と、鉛直面に沿って延在する鉛直位置状態と、の間で状態を切り替え可能である。
図6は、各脚体222aの状態が水平位置状態である場合を表す。
図11は、各脚体222aの状態が鉛直位置状態である場合を表す。
【0042】
図4、
図9、及び、
図10に表されるように、1対の側板部23のそれぞれは、第1平板231と、第2平板232と、第3平板233と、第4平板234と、を備える。
第1平板231、第2平板232、第3平板233、及び、第4平板234のそれぞれは、所定の第5厚さを有する。本例では、第5厚さは、第1厚さよりも薄い。なお、第5厚さは、第1厚さと等しくてもよく、第1厚さよりも厚くてもよい。
【0043】
1対の側板部23は、積層状態と展開状態との間で状態を切り替え可能であるとともに、天板部21と床板部22とを自動車用建物装置1の左右方向における両端部にてそれぞれ連結する。
【0044】
第1平板231、第2平板232、第3平板233、及び、第4平板234は、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、水平面に沿って延在するように積層されるとともに、1対の側板部23の状態が展開状態である場合において、建物を構成する直方体状の筒を天板部21及び床板部22とともに形成するように鉛直面に沿って延在する。
図1乃至
図7は、1対の側板部23の状態が積層状態である場合を表す。
図8乃至
図12は、1対の側板部23の状態が展開状態である場合を表す。
【0045】
第1平板231、第2平板232、第3平板233、及び、第4平板234のそれぞれは、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、自動車用建物装置1の前後方向にて延在する長辺と、自動車用建物装置1の左右方向にて延在する短辺と、を有する長方形状である。
【0046】
第1平板231、第2平板232、第3平板233、及び、第4平板234のそれぞれの長辺は、自動車用建物装置1の前後方向にて平板211と略同じ長さを有する。
第1平板231、及び、第2平板232のそれぞれの短辺は、所定の第1長さを有する。第1長さは、自動車用建物装置1の左右方向における本体部20の長さから、筒底板部25の、後述の第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254のうちの、最長の短辺の長さ(本例では、第7平板253の短辺の長さ)を減じた長さの半分以下である。
第3平板233、及び、第4平板234のそれぞれの短辺は、所定の第2長さを有する。第2長さは、第1長さよりも長く、且つ、自動車用建物装置1の左右方向における本体部20の長さの半分以下である。
【0047】
第1平板231は、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、第1平板231のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における一方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端に近い方の端部)が、天板部21の第2側縁部211bのうちの、鉛直下方向における端面の中の、第1側縁部211aから遠い方の端部に回動可能に連結される。第1平板231の天板部21に対する回動の中心軸は、自動車用建物装置1の前後方向にて延在する。
【0048】
第1平板231は、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、第1平板231のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における他方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端から遠い方の端部)が、第2平板232のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における一方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端から遠い方の端部)に回動可能に連結される。第1平板231の第2平板232に対する回動の中心軸は、自動車用建物装置1の前後方向にて延在する。
【0049】
第2平板232は、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、第2平板232のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における他方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端に近い方の端部)が、第3平板233のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における一方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端に近い方の端部)に回動可能に連結される。第2平板232の第3平板233に対する回動の中心軸は、自動車用建物装置1の前後方向にて延在する。
【0050】
図4の(C)に表されるように、第3平板233は、突出部233aを有する。
突出部233aは、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、第3平板233のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における一方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端に近い方の端部)にて、第3平板233のうちの鉛直上方向における端面から、自動車用建物装置1の前後方向に沿った直線状に鉛直上方向へ突出する。
【0051】
本例では、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、自動車用建物装置1の左右方向における突出部233aの長さ(換言すると、突出部233aの厚さ)は、第5厚さと等しい。本例では、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、自動車用建物装置1の上下方向における突出部233aの長さ(換言すると、突出部233aの高さ)は、第5厚さよりも長い。
【0052】
本例では、第3平板233のうちの、第2平板232と連結される部分は、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、突出部233aのうちの、鉛直上方向における端面の中の、自動車用建物装置1の左右方向にて第1側縁部211aに近い方の端部である。
【0053】
第3平板233は、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、第3平板233のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における他方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端から遠い方の端部)が、第4平板234のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における一方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端から遠い方の端部)に回動可能に連結される。第3平板233の第4平板234に対する回動の中心軸は、自動車用建物装置1の前後方向にて延在する。
【0054】
第4平板234は、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、第4平板234のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における他方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端に近い方の端部)が、床板部22の平板221のうちの、鉛直上方向における端面の中の、自動車用建物装置1の左右方向における端部に回動可能に連結される。第4平板234の平板221に対する回動の中心軸は、自動車用建物装置1の前後方向にて延在する。
【0055】
1対の支持柱部24は、水平面に沿って延在する水平位置状態と、鉛直面に沿って延在する鉛直位置状態と、の間で状態を切り替え可能であるように回動可能に、天板部21の平板211のうちの、自動車用建物装置1の前後方向における一方の端部(本例では、自動車用建物装置1の後方向における端部)に支持される。
図1乃至
図4は、1対の支持柱部24が水平位置状態である場合を表す。
図5乃至
図12は、1対の支持柱部24が鉛直位置状態である場合を表す。
【0056】
1対の支持柱部24は、第1支持柱体241と、第2支持柱体242と、を備える。
本例では、第1支持柱体241、及び、第2支持柱体242のそれぞれは、中空の四角柱状体により構成される。なお、第1支持柱体241、及び、第2支持柱体242のそれぞれは、中空の円柱状体により構成されていてもよい。
【0057】
図2の(B)に表されるように、第1支持柱体241は、天板部21の平板211のうちの、自動車用建物装置1の左方向における端部の第2側縁部211bのうちの、鉛直下方向における端面の中の、第1側縁部211aから遠い方の端部に回動可能に連結される。
【0058】
図2の(C)に表されるように、第2支持柱体242は、固定部2421と、可動部2422と、を備える。
固定部2421は、天板部21の平板211のうちの、自動車用建物装置1の右方向における端部の第2側縁部211bのうちの、鉛直下方向における端面に固定される。固定部2421の鉛直方向における長さは、第1支持柱体241の状態が水平位置状態である場合における第1支持柱体241の鉛直方向における長さと略等しい。
【0059】
可動部2422は、固定部2421のうちの、鉛直下方向における端面の中の、第1側縁部211aから遠い方の端部に回動可能に連結される。
このようにして、第1支持柱体241、及び、第2支持柱体242は、天板部21の平板211のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における両端部にそれぞれ支持される。
【0060】
第1支持柱体241の回動の中心軸、及び、第2支持柱体242の可動部2422の回動の中心軸は、自動車用建物装置1の前後方向にて延在する。
第1支持柱体241、及び、第2支持柱体242の可動部2422は、自動車用建物装置1の前後方向において互いに同じ位置を有し、且つ、第1支持柱体241、及び、第2支持柱体242の可動部2422の状態が水平位置状態である場合において、鉛直方向における位置が互いに異なる。本例では、第1支持柱体241、及び、第2支持柱体242の可動部2422の状態が水平位置状態である場合において、第2支持柱体242の可動部2422は、鉛直方向にて第1支持柱体241と隣接するように、第1支持柱体241の鉛直下方向に位置する。
【0061】
第1支持柱体241、及び、第2支持柱体242の可動部2422のそれぞれは、伸縮可能である。換言すると、第1支持柱体241、及び、第2支持柱体242の可動部2422のそれぞれの状態は、長手方向における長さが最短である短縮状態と、長手方向における長さが短縮状態よりも長い(本例では、長手方向における長さが最長である)伸展状態と、の間で切り替わる。
【0062】
図1乃至
図4は、第1支持柱体241、及び、第2支持柱体242の可動部2422のそれぞれの状態が短縮状態である場合を表す。
図5乃至
図12は、第1支持柱体241、及び、第2支持柱体242の可動部2422のそれぞれの状態が伸展状態である場合を表す。
【0063】
筒底板部25は、第5平板251と、第6平板252と、第7平板253と、第8平板254と、を備える。
【0064】
第5平板251は、水平面に沿って延在する水平位置状態と、鉛直面に沿って延在する鉛直位置状態と、の間で状態を切り替え可能であるように回動可能に、天板部21の平板211のうちの、自動車用建物装置1の前後方向における一方の端部(本例では、自動車用建物装置1の後方向における端部)に支持される。
図1乃至
図11は、第5平板251の状態が水平位置状態である場合を表す。
図12は、第5平板251の状態が鉛直位置状態である場合を表す。
【0065】
第5平板251は、第5平板251の状態が水平位置状態である場合において、自動車用建物装置1の左右方向にて延在する長辺と、自動車用建物装置1の前後方向にて延在する短辺と、を有する長方形状である。第5平板251の長辺は、平板211のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における両端部にそれぞれ位置する1対の第2側縁部211bの間の距離に略等しい。
【0066】
第5平板251は、回動の中心軸が自動車用建物装置1の左右方向にて延在するように、平板211のうちの、鉛直下方向における端面の中の、自動車用建物装置1の左右方向における両端部にそれぞれ位置する1対の第2側縁部211bの間にて平板211に連結される。
【0067】
第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254のそれぞれは、長方形状である。第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254の長辺の長さは、互いに略等しい。第6平板252、及び、第8平板254の短辺の長さは、互いに略等しい。第7平板253の短辺の長さは、第6平板252、及び、第8平板254の短辺の長さよりも長い。
【0068】
第5平板251、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254のそれぞれは、第5厚さを有する。なお、第5平板251、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254のそれぞれは、第5厚さと異なる厚さを有していてもよい。
【0069】
図12に表されるように、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254は、1対の側板部23の状態が展開状態である場合において、1対の側板部23、天板部21、及び、床板部22によって形成されるとともに、建物を構成する直方体状の筒の開口の少なくとも一部を塞ぐように取り外し可能に本体部20に支持される。
本例では、
図12に表されるように、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254は、第5平板251とともに、上記開口の全体を塞ぐように取り外し可能に本体部20に支持される。
【0070】
本例では、第7平板253は、引き戸式の扉である。なお、第7平板253は、開き戸式の扉であってもよい。
また、筒底板部25は、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254からなる3枚の平板に代えて、2枚の平板、又は、4枚以上の平板を備えていてもよい。
【0071】
本例では、
図4の(B)に表されるように、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254は、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、第3平板233に載置されることにより、1対の側板部23の第1平板231及び第2平板232の間に収容可能である。
【0072】
(動作)
次に、自動車用建物装置1の動作について説明する。
先ず、
図1乃至
図4に表されるように、自動車用建物装置1の状態が運搬状態である場合を想定する。
この場合、四輪自動車FCが移動する。その後、四輪自動車FCが停止する。
【0073】
次いで、自動車用建物装置1の状態が、運搬状態から使用状態へ切り替えられる場合について説明する。
この場合、
図5乃至
図7に表されるように、自動車用建物装置1の前後方向のうちの基台部10から遠ざかる方向(本例では、自動車用建物装置1の後方向)へ、本体部20が基台部10に対して摺動させられる。その後、1対の支持柱部24が回動されることにより、1対の支持柱部24の状態が水平位置状態から鉛直位置状態へ切り替えられる。
次いで、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254が、本体部20の内部から取り出される。
【0074】
次いで、
図8乃至
図11に表されるように、床板部22が鉛直下方へ移動させられることにより、1対の側板部23の状態が、積層状態から展開状態へ切り替えられる。これにより、天板部21、床板部22、及び、1対の側板部23によって建物を構成する直方体状の筒が形成される。更に、各脚体222aが回動されることにより、各脚体222aの状態が水平位置状態から鉛直位置状態へ切り替えられる。
【0075】
図8及び
図9は、1対の側板部23の状態が、積層状態から展開状態へ切り替えられる途中の状態であるとともに、各脚体222aの状態が水平位置状態である場合を表す。
図10及び
図11は、1対の側板部23の状態が展開状態であるとともに、各脚体222aの状態が鉛直位置状態である場合を表す。
【0076】
次いで、
図12に表されるように、第5平板251が回動されることにより、第5平板251の状態が水平位置状態から鉛直位置状態へ切り替えられる。更に、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254は、1対の側板部23、天板部21、及び、床板部22によって形成されるとともに、建物を構成する直方体状の筒の開口の全体を、第5平板251とともに塞ぐように取り外し可能に本体部20に取り付けられる。
このようにして、自動車用建物装置1の状態は、運搬状態から使用状態へ切り替えられる。
【0077】
次に、自動車用建物装置1の状態が、使用状態から運搬状態へ切り替えられる場合について説明する。
この場合、
図10及び
図11に表されるように、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254が本体部20から取り外される。更に、第5平板251が回動されることにより、第5平板251の状態が鉛直位置状態から水平位置状態へ切り替えられる。
【0078】
次いで、
図8及び
図9に表されるように、各脚体222aが回動されることにより、各脚体222aの状態が鉛直位置状態から水平位置状態へ切り替えられる。更に、床板部22が鉛直上方へ移動させられることにより、1対の側板部23の状態が、展開状態から積層状態へ切り替えられる。
【0079】
次いで、
図5乃至
図7に表されるように、1対の側板部23の状態が積層状態である場合において、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254は、第3平板233に載置されることにより、1対の側板部23の第1平板231及び第2平板232の間に収容される。
【0080】
次いで、
図1乃至
図4に表されるように、1対の支持柱部24が回動されることにより、1対の支持柱部24の状態が鉛直位置状態から水平位置状態へ切り替えられる。更に、自動車用建物装置1の前後方向のうちの基台部10へ近づく方向(本例では、自動車用建物装置1の前方向)へ、本体部20が基台部10に対して摺動させられる。
このようにして、自動車用建物装置1の状態は、使用状態から運搬状態へ切り替えられる。
【0081】
以上、説明したように、第1実施形態の自動車用建物装置1は、四輪自動車FCの屋根RFに積載される運搬状態と、四輪自動車FCの近傍に建物を形成する使用状態と、の間で状態を切り替え可能である。
【0082】
自動車用建物装置1は、基台部10と、本体部20と、を備える。
基台部10は、四輪自動車FCの屋根RFに固定されるとともに、第1方向(本例では、自動車用建物装置1の前後方向)にて延在する1対の支持部12を、第1方向に直交する第2方向(本例では、自動車用建物装置1の左右方向)における両端部にそれぞれ有する。
【0083】
本体部20は、第1方向にて摺動可能に1対の支持部12にそれぞれ支持される1対の被支持部212を第2方向における両端部にそれぞれ有する。
【0084】
本体部20は、天板部21と、床板部22と、1対の側板部23と、1対の支持柱部24と、を備える。
天板部21は、1対の被支持部212を有するとともに、水平面に沿って延在する平板211を有する。
床板部22は、天板部21よりも鉛直下方に位置するとともに、水平面に沿って延在する平板221を有する。
【0085】
1対の側板部23は、積層状態と展開状態との間で状態を切り替え可能であるとともに、天板部21と床板部22とを第2方向における両端部にてそれぞれ連結する。
1対の支持柱部24は、水平面に沿って延在する水平位置状態と、鉛直面に沿って延在する鉛直位置状態と、の間で状態を切り替え可能であるように回動可能に、天板部21のうちの、第1方向における一方の端部の、第2方向における両端部にそれぞれ支持される。
【0086】
1対の側板部23のそれぞれは、積層状態において、水平面に沿って延在するように積層されるとともに、展開状態において、建物を構成する直方体状の筒を天板部21及び床板部22とともに形成するように鉛直面に沿って延在する複数の平板(本例では、第1平板231、第2平板232、第3平板233、及び、第4平板234)を有する。
【0087】
これによれば、自動車用建物装置1の状態が運搬状態である場合、四輪自動車FCが移動する。その後、四輪自動車FCが停止する。次いで、本体部20が基台部10に対して第1方向のうちの基台部10から遠ざかる方向へ摺動させられる。その後、1対の支持柱部24が回動されることにより、1対の支持柱部24の状態が水平位置状態から鉛直位置状態へ切り替えられる。次いで、床板部22が鉛直下方へ移動させられることにより、1対の側板部23の状態が、積層状態から展開状態へ切り替えられる。これにより、天板部21、床板部22、及び、1対の側板部23によって建物を構成する直方体状の筒が形成される。
このようにして、自動車用建物装置1の状態は、運搬状態から使用状態へ切り替えられる。
【0088】
その後、床板部22が鉛直上方へ移動させられることにより、1対の側板部23の状態が、展開状態から積層状態へ切り替えられる。次いで、1対の支持柱部24が回動されることにより、1対の支持柱部24の状態が鉛直位置状態から水平位置状態へ切り替えられる。その後、本体部20が基台部10に対して第1方向のうちの基台部10へ近づく方向へ摺動させられる。
このようにして、自動車用建物装置1の状態は、使用状態から運搬状態へ切り替えられる。
【0089】
このように、本体部20は、天板部21、床板部22、1対の側板部23、及び、1対の支持柱部24が一体となって基台部10に対して摺動する。従って、自動車用建物装置1の状態を、運搬状態と使用状態との間で迅速に切り替えることができる。
また、1対の支持柱部24も本体部20に含まれているため、自動車用建物装置1を容易に運搬することができる。
換言すると、自動車用建物装置1によれば、運搬状態と使用状態との間で状態を迅速に切り替えることができるとともに、容易に運搬することができる。
【0090】
更に、第1実施形態の自動車用建物装置1において、1対の支持柱部24は、回動の中心軸が第1方向にて延在するとともに、第1方向において互いに同じ位置を有し、且つ、水平位置状態において、鉛直方向における位置が互いに異なる。
【0091】
これによれば、1対の支持柱部24は、水平位置状態において、鉛直方向における位置が互いに異なる。これにより、1対の支持柱部24の長さが、本体部20の第2方向における長さの半分よりも長い場合であっても、1対の支持柱部24の第1方向における位置を一致させることができる。従って、1対の支持柱部24を十分に長くしながら、自動車用建物装置1の第1方向における長さを短くすることができる。
【0092】
更に、第1実施形態の自動車用建物装置1において、1対の支持柱部24のそれぞれは、伸縮可能である。
【0093】
これによれば、1対の支持柱部24の長さを調整することができる。これにより、建物の第2方向における長さと、建物の鉛直方向における長さと、に対する設計の自由度を高めることができる。
【0094】
更に、第1実施形態の自動車用建物装置1は、展開状態において、筒の開口の少なくとも一部を塞ぐように取り外し可能に本体部20に支持される長方形状の複数の平板(本例では、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254)を有する筒底板部25を備える。
1対の側板部23のそれぞれは、第1平板231と、第2平板232と、第3平板233と、第4平板234と、を有する。
【0095】
積層状態において、第1平板231のうちの、第2方向における一方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端に近い方の端部)が、天板部21に回動可能に連結され、第1平板231のうちの、第2方向における他方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端から遠い方の端部)が、第2平板232のうちの、第2方向における一方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端から遠い方の端部)に回動可能に連結され、第2平板232のうちの、第2方向における他方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端に近い方の端部)が、第3平板233のうちの、第2方向における一方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端に近い方の端部)に回動可能に連結され、第3平板233のうちの、第2方向における他方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端から遠い方の端部)が、第4平板234のうちの、第2方向における一方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端から遠い方の端部)に回動可能に連結され、且つ、第4平板234のうちの、第2方向における他方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端に近い方の端部)が、床板部22に回動可能に連結される。
【0096】
第1平板231、及び、第2平板232のそれぞれの、積層状態における第2方向における長さは、本体部20の第2方向における長さから、筒底板部25の複数の平板のうちの、最長の短辺の長さを減じた長さの半分以下である第1長さである。
【0097】
第3平板233、及び、第4平板234のそれぞれの、積層状態における第2方向における長さは、第1長さよりも長く、且つ、本体部20の第2方向における長さの半分以下である第2長さである。
【0098】
筒底板部25(本例では、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254)は、積層状態において、第3平板233に載置されることにより、1対の側板部23の第1平板231及び第2平板232の間に収容可能である。
【0099】
これによれば、筒底板部25は、積層状態において、第3平板233に載置されることにより、1対の側板部23の第1平板231及び第2平板232の間に収容可能である。従って、運搬状態において、筒底板部25を本体部20に収容できる。これにより、筒底板部25を設けた場合であっても、自動車用建物装置1を容易に運搬することができる。
【0100】
更に、第1実施形態の自動車用建物装置1において、第3平板233は、積層状態において、第2方向における一方の端部(本例では、本体部20のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端に近い方の端部)にて、第1方向に沿った直線状に鉛直上方へ突出する突出部233aを有するとともに、突出部233aが第2平板232に連結される。
【0101】
これによれば、積層状態において、筒底板部25を収容可能な空間の、鉛直方向における長さを十分に長くすることができる。
【0102】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。
【0103】
例えば、自動車用建物装置1は、自動車用建物装置1の左右方向にて本体部20が基台部10に対して摺動可能であるように構成されていてもよい。この場合、自動車用建物装置1の状態が使用状態である場合において、四輪自動車FCの左右方向にて四輪自動車FCに隣接するように建物が形成される。この場合、自動車用建物装置1の左右方向は、第1方向に対応するとともに、自動車用建物装置1の前後方向は、第1方向に直交する第2方向に対応する。
【0104】
例えば、自動車用建物装置1は、平板211、第1平板231、第2平板232、第3平板233、第4平板234、第5平板251、第6平板252、第7平板253、及び、第8平板254の少なくとも1つにに窓を有していてもよい。例えば、平板211の窓は、ドーム状であってよい。
【0105】
例えば、自動車用建物装置1は、基台部10の鉛直上方に、ソーラーパネルを備えていてもよい。例えば、ソーラーパネルは、切妻屋根状であってよい。
例えば、自動車用建物装置1は、基台部10のうちの、自動車用建物装置1の左右方向における端部、及び、自動車用建物装置1の前方向における端部の少なくとも1つを被覆する化粧パネルを備えていてもよい。
例えば、自動車用建物装置1は、天板部21のうちの、自動車用建物装置1の後方向における端部を被覆する化粧パネルを備えていてもよい。
【0106】
例えば、自動車用建物装置1は、自動車用建物装置1の状態が使用状態である場合において、四輪自動車FCのうちの、自動車用建物装置1の左右方向における両端面と、1対の側板部23と、の間に架け渡されるシートを備えていてもよい。例えば、シートは、防水性、防炎性、防煙性、及び、難燃性の少なくとも1つを有していてよい。
【符号の説明】
【0107】
1 自動車用建物装置
10 基台部
11 基台
12 支持部
12a 摺動自在部
20 本体部
21 天板部
211 平板
211a 第1側縁部
211b 第2側縁部
212 被支持部
22 床板部
221 平板
222 枠体
222a 脚体
23 側板部
231 第1平板
232 第2平板
233 第3平板
233a 突出部
234 第4平板
24 支持柱部
241 第1支持柱体
242 第2支持柱体
2421 固定部
2422 可動部
25 筒底板部
251 第5平板
252 第6平板
253 第7平板
254 第8平板
FC 四輪自動車
RF 屋根
【要約】
【課題】運搬状態と使用状態との間で状態を迅速に切り替えることができるとともに、容易に運搬することが可能な自動車用建物装置を提供すること。
【解決手段】自動車用建物装置1は、四輪自動車FCの屋根RFに積載される運搬状態と建物を形成する使用状態との間で状態を切り替え可能である。基台部10は、屋根RFに固定される。本体部20は、摺動可能に基台部10に支持される。1対の側板部は、積層状態と展開状態との間で状態を切り替え可能であるとともに天板部と床板部とを連結する。1対の支持柱部241,242は、水平面に沿って延在する状態と鉛直面に沿って延在する状態との間で状態を切り替え可能である。各側板部は、積層状態にて水平面に沿って積層されるとともに、展開状態にて建物を構成する直方体状の筒を天板部及び床板部とともに形成するように鉛直面に沿って延在する複数の平板231~234を有する。
【選択図】
図10