(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240426BHJP
G06Q 40/12 20230101ALI20240426BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240426BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q40/12
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2019234891
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】519462067
【氏名又は名称】信金キャピタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】魚谷 逸人
【審査官】星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-045363(JP,A)
【文献】特開2002-140560(JP,A)
【文献】特開2001-338097(JP,A)
【文献】特開2015-125483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 ~ 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
資産の譲渡を希望する第1依頼者と前記資産の譲受を希望する第2依頼者のうち少なくとも一方の依頼者
により、当事者間での前記資産の授受に関する条件の交渉状況を確認するためのチェック項目のうち、前記資産の授受に関する仲介サービスの提供条件を満たすか否かの判定に利用される一部の項目に対してチェックすべき内容に相当する情報が入力された際に、所定データベースに事前に格納された前記提供条件を抽出して、入力された当該情報に基づいて当該提供条件を満たすか否かをチェックするチェック手段と、
前記提供条件を満たす
とチェックされた場合、前記チェック項目を含むチェックシートを
前記依頼者に提示
して、当該依頼者が当該チェックシートの前記チェック項目に対してチェックする操作を受け付ける提示手段と、
提示
してチェックされた前記チェックシートの前記チェック項目に基づいて、前記資産の授受に関する専門家をマッチング
し、そのマッチング結果を当該チェックシート共に当該専門家に通知するマッチング手段と、
を備える
情報処理システム。
【請求項2】
前記提供条件が、
交渉相手が決定済、授受対象が特定資産、前記資産の授受の条件が確定済である、
という3つの条件を満たすことである、
請求項1に記載の
情報処理システム。
【請求項3】
前記特定資産が、有価証券である、
請求項2に記載の
情報処理システム。
【請求項4】
前記マッチング手段によりマッチングされた前記専門家を前記依頼者に斡旋する斡旋手段、
をさらに備える請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の
情報処理システム。
【請求項5】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
資産の譲渡を希望する第1依頼者と前記資産の譲受を希望する第2依頼者のうち少なくとも一方の依頼者
により、当事者間での前記資産の授受に関する条件の交渉状況を確認するためのチェック項目のうち、前記資産の授受に関する仲介サービスの提供条件を満たすか否かの判定に利用される一部の項目に対してチェックすべき内容に相当する情報が入力された際に、所定データベースに事前に格納された前記提供条件を抽出して、入力された当該情報に基づいて当該提供条件を満たすか否かをチェックする
チェックステップと、
前記提供条件を満たす
とチェックされた場合、前記チェック項目を含むチェックシートを
前記依頼者に提示
して、当該依頼者が当該チェックシートの前記チェック項目に対してチェックする操作を受け付ける提示ステップと、
提示
してチェックされた前記チェックシートの前記チェック項目に基づいて、前記資産の授受に関する専門家をマッチング
し、そのマッチング結果を当該チェックシート共に当該専門家に通知する
マッチングステップと、
を含む
情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに処理を実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
資産の譲渡を希望する第1依頼者と前記資産の譲受を希望する第2依頼者のうち少なくとも一方の依頼者
により、当事者間での前記資産の授受に関する条件の交渉状況を確認するためのチェック項目のうち、前記資産の授受に関する仲介サービスの提供条件を満たすか否かの判定に利用される一部の項目に対してチェックすべき内容に相当する情報が入力された際に、所定データベースに事前に格納された前記提供条件を抽出して、入力された当該情報に基づいて当該提供条件を満たすか否かをチェックする
チェックステップと、
前記提供条件を満たす
とチェックされた場合、前記チェック項目を含むチェックシートを
前記依頼者に提示
して、当該依頼者が当該チェックシートの前記チェック項目に対してチェックする操作を受け付ける提示ステップと、
提示
してチェックされた前記チェックシートの前記チェック項目に基づいて、前記資産の授受に関する専門家をマッチング
し、そのマッチング結果を当該チェックシート共に当該専門家に通知する
マッチングステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関では、金融に関する様々なソリューションに対する提案業務を行っており、近年では、中小企業等の依頼者からのM&A(Mergers and Acquisitions)の相談が増えていることから、対応が急務になっている。
【0003】
金融機関が中小企業のM&Aを仲介する場合、資産の譲渡を希望する企業と買収を希望する企業に対して、企業精査、条件交渉の仲介、合意書及び契約書の締結等の他、弁護士、弁理士、税理士、会計士、社労士等の専門家の斡旋等の手厚いサービス(これを「フルサービス」と呼ぶ)を提供する仲介M&Aの提案を行うのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、資産の譲渡を希望の企業と買収を希望の企業が取り引き関係にあり、利害調整も当事者同士で完結できているM&Aのケースでは、従来のようなフルサービスは過剰となり、費用面で割高になるケースがある。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、依頼者が利用しやすい安価なM&Aの仲介サービスを実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
資産の譲渡を希望する第1依頼者と前記資産の譲受を希望する第2依頼者のうち少なくとも一方の依頼者が、事前に用意した前記資産の授受に関する仲介サービスの提供条件を満たすか否かをチェックするチェック手段と、
前記提供条件を満たす前記依頼者に、当事者間での前記資産の授受に関する条件の交渉状況を確認するためのチェック項目を含むチェックシートを提示する提示手段と、
提示した前記チェックシートのチェックされた前記チェック項目に基づいて、前記資産の授受に関する専門家をマッチングするマッチング手段と、
を備える。
本発明の一態様の上記情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、依頼者が利用しやすい安価なM&Aの仲介サービスを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る第1実施形態に係るシステムを示す図である。
【
図2】
図1のシステムが含むサーバのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】
図1のシステムのうち
図2のサーバの機能的構成を示す図である。
【
図4】
図1乃至
図3のサーバの動作を示すフローチャートである。
【
図5】簡易M&Aサービスのサービス提供条件の提示例を示す図である。
【
図11】簡易M&Aサービスの流れを示す図である。
【
図12】簡易M&Aサービスにおける書類のやり取りを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の情報処理装置に係るサーバを含む第1実施形態のシステムの構成を示す図である。
【0011】
このシステムは、資産の譲渡を希望する第1依頼者である譲渡側の企業と、資産の譲受を希望する第2依頼者である譲受側の企業とを仲介するM&Aに必要なサービスを提供するものである。以下では、譲受を「買収」と表現する。
M&Aとは、企業の合併と買収の総称であり、例えば株式の取得、移管の他、ビジネスの売買や複数のビジネスを1つに統合すること等も含まれる。また、本実施形態におけるM&A仲介サービスを「簡易M&Aサービス」と呼ぶ。
【0012】
図1に示すシステムは、資産の譲渡を希望する企業の担当者U1が操作する企業端末1と、資産の買収を希望する企業の担当者U2が操作する企業端末2と、これら企業の間の取り引きを仲介する金融機関の担当者Tが操作する金融機関端末3と、1つ以上の専門家端末4-1乃至4-nと、サーバ5とがネットワークNを介して相互に接続して構成される。
【0013】
譲渡側の企業の担当者U1は、企業端末1を操作して、サーバ5の簡易M&AサービスのWebサイトにアクセスして、Webサイトから仲介を申し込む。
また、買収側の企業の担当者U2は、企業端末2を操作して、サーバ5の簡易M&AサービスのWebサイトにアクセスして、Webサイトから仲介を申し込む。
なお、申し込みは、譲渡側の企業又は買収側の企業のうちいずれか一方の企業からでよい。
なお、金融機関の担当者Tは、簡易M&AサービスのWebサイトにおいていずれかの企業から申し込みが行われ、簡易M&Aサービスを提供中において、金融機関端末3を操作して、サーバ5に仲介者の権限でアクセスすることで、企業間や企業と専門家との間でやり取りしている文書ファイル等を閲覧することができ、M&Aの進行状況把握することができる。
専門家端末4-1乃至4-nは、夫々の専門家により操作される端末である。専門家は、金融機関と取り引きのある、分野毎の専門家であり、例えば弁護士、弁理士、税理士、会計士、社労士等である。なお、この他の士業についても専門家に含まれる。
【0014】
サーバ5は、例えば買収側の企業端末2から行われた簡易M&Aサービスの申し込みを受け付け、事前に用意した資産の授受に関する簡易M&Aサービスの提供条件を提示し、簡易M&Aサービスの提供条件を満たすか否かをチェックする。
チェックの一例として、簡易M&Aサービス提供用の画面を表示し、その画面の中にサービス提供条件を記載し、サービス提供条件にチェックボックスを設けて、依頼者にチェックさせるようにすることが考えられる。
この他、例えばサービス提供条件を記載した文書ファイルを電子メール等で依頼者へ送り、3つの条件を満たす旨を記入した上で返信されてきた文書ファイルを確認してもよい。
【0015】
また、サーバ5は、簡易M&Aサービスの提供条件を満たす依頼者に、当事者間で資産の授受に関する条件の交渉を行うためのチェック項目を含む相談シート71a(
図7乃至
図11参照)を提示し、提示した相談シート71aのチェックされたチェック項目に基づいて、資産の授受に関する専門家をマッチングする。なお、以下では、未チェックの相談シートを相談シート71aと呼び、チェック済みの相談シートを相談シート71bと呼ぶ。
【0016】
図2は、
図1のシステムのうち、サーバ5のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、サーバ5は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0017】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上で必要なデータ等が適宜記憶される。
【0018】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。
出力部16は、ディスプレイやスピーカ、プリンタ等で構成され、音声データ及びテキストデータ等の出力情報を出力する。出力部16が例えばプリンタ等であれば、出力情報を印刷することもできる。
入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスク装置等で構成され、各種情報のデータを記憶する。
【0019】
通信部19は、ネットワークNを介して他の対象(例えば
図1の企業端末1、2、金融機関端末3、専門家端末4等)との間で相互に通信を行う。
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0020】
なお、図示はしないが、
図1のシステムの企業端末1、2、金融機関端末3、専門家端末4等は、
図2に示すサーバ5のハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。従って、企業端末1、2や金融機関端末3、専門家端末4等のハードウェア構成の説明は省略する。
また、説明の便宜上、サーバ5は、金融機関端末3とは別途設けるものとしたが、特にこれに限定されず、金融機関端末3の機能とサーバ5の機能を1台の情報処理装置に集約してもよい。
【0021】
次に、
図3を参照してシステムの機能的構成を説明する。
図3は、
図1のシステムのうち
図2のサーバ5の機能的構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ5の記憶部18は、サービス提供条件記憶部31、相談情報記憶部32、専門家情報記憶部33、及び企業情報記憶部34等として機能する。
【0022】
サービス提供条件記憶部31には、簡易M&Aサービス提供用の画面に表示するサービス提供条件が記憶されている。つまりサービス提供条件記憶部31には、簡易M&Aサービスを提供するためのサービス提供条件が記憶されている。
簡易M&Aサービスのサービス提供条件は、例えば、
第1条件…「交渉相手が既に存在する」、
第2条件…「資産は、株式であり、交渉が株式の譲渡である」、
第3条件…「株式の売買条件が確定している」、
等の3つのすべての条件を満たすことである。
第1条件は、当事者同士で既に交渉中であり、交渉相手の企業のマッチングが不要な状態である。
第2条件は、株式の譲渡のみのサービスでよく、事業譲渡等は対象外である。
第3条件は、売買価格等の条件交渉の仲介は不要である。
というものである。
なお、ここに示した第1条件乃至第3条件は、一例であり、例えば
図7乃至
図10に示す相談シート71aの項目の中から他の条件を抽出し変更してもよく、条件の数も上記のみに限定されるものではない。
【0023】
相談情報記憶部32には、相談シート71aのファイルが記憶されている。この他、相談情報記憶部32には、相談シート71aのチェックされたチェック項目の情報とそのチェック項目の内容と企業の情報とが対応した相談情報として記憶されている。つまり、相談情報は、どの企業がどういった条件でサービスを希望しているかを示すものである。
専門家情報記憶部33には、M&Aに関する専門家の情報が記憶されている。専門家の情報としては、例えば士業が弁護士であれば、その種別「弁護士」、仕事の経験、取り扱い分野、現在の受け持ち案件の状況、スケジュール等である。
企業情報記憶部34には、企業の情報が記憶されている。企業の情報は、例えば資産の譲渡を希望する譲渡側の企業の情報と、資産の譲受を希望する譲受側の企業の情報夫々が記憶されている。
企業の情報は、例えば会社名、業績、担当者の部署、名前、企業の住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、電話連絡可能な曜日・時間等が含まれる。この他、企業の情報には、M&A対象の資産の情報や譲渡か譲受かを示す情報等が含まれる。
【0024】
サーバ5のCPU11は、Webサーバ部41、マッチング部42、斡旋部43等として機能する。
Webサーバ部41は、簡易M&AサービスのWebサイトを公開する。Webサイトには、本サービスを申し込むために必要なサービス提供条件を記載した画面を表示するための表示ボタン(リンク)や申し込み後に依頼者がチェックするための相談シートを表示するボタン(リンク)等が用意されている。
Webサーバ部41は、受付部51、チェック部52、提示部53を有する。
受付部51は、資産の譲渡を希望する企業と資産の譲受を希望する企業のうち少なくとも一方の企業からの簡易M&Aサービスの申し込みをWebサイトから受け付ける。
チェック部52は、資産の譲渡を希望する企業と資産の譲受を希望する企業のうち少なくとも一方の企業が、事前に用意した簡易M&Aサービスの提供条件を満たすか否かをチェックする。
提示部53は、簡易M&Aサービスのサービス提供条件を満たす企業に、当事者間での資産の授受に関する条件の交渉状況を確認するためのチェック項目を含む相談シート71aを提示する。
具体的には、簡易M&AサービスのWebサイトのボタン操作により表示されたサービス提供条件の画面において、担当者U2がサービス提供条件にチェックし、サービス提供条件を満たした場合、次の画面で相談シート71aを表示する。
マッチング部42は、提示した相談シート71aのチェックされたチェック項目に基づいて、資産の授受に関する専門家をマッチングする。
斡旋部43は、マッチング部42によりマッチングされた専門家を依頼元の企業に斡旋する。具体的には、斡旋部43は、専門家に対して、斡旋先の企業の担当者(例えば買収側の企業であれば担当者U2等)の電子メールアドレスや電話番号等を電子メールで通知して、依頼元の企業に斡旋を受けた旨を連絡するように促す。
【0025】
続いて、
図4乃至
図11を参照して第1実施形態のシステムの動作を説明する。
図4は、この実施形態のシステムの動作を示すフローチャートである。
図5は、簡易M&Aサービスのサービス提供条件のチェック手順を示す図である。
【0026】
サーバ5では、
図4のステップS101において、Webサーバ部41により簡易M&AサービスのWebサイトがネットワークN上(インターネット等)に公開される。
【0027】
例えば買収側の企業の担当者U2は、企業端末2を操作して、例えばブラウザの画面から簡易M&AサービスのWebサイトにアクセスし、表示された簡易M&Aサービスのポータルページを閲覧し、ステップS102において、そのページ内にあるサービス提供条件の表示ボタンを操作すると、Webサーバ部41は、その表示ボタンの操作をトリガーにして、ステップS103において、
図5に示すサービス提供条件を記載した画面を表示する。
サービス提供条件は、1.交渉相手が有る、2.株式譲渡である、3.売買条件が確定している、といった3つの条件である。なお、これら3つの条件をすべて満たさない場合は通常の手厚い仲介サービスである「フルサービス」を提供するものとする。
【0028】
画面に表示されたサービス提供条件を読んだ企業の担当者U2が、サービス提供条件に適合すると判断し、相談開始の申込ボタン61を操作すると、受付部51は、申込ボタン61の操作を相談開始の申し込みがあったものと判定し(ステップS104のYes)、チェック部52にサービス提供条件の提示を指示する。
チェック部52は、受付部51からの指示により、相談情報記憶部32より相談シート71aを読み出し、ステップS105において、画面に相談シート71a(
図6乃至
図10参照)を表示する。
【0029】
なお、申込ボタン61に相談シート71aへのリンクを貼っておき、申込ボタン61の操作により、相談シート71aを表示するようにしてもよい。
また、申込ボタン61だけでなく、3つの条件夫々にチェックボックスを設けておき、担当者U2にチェックボックスをチェックさせた上で、申込ボタン61を押させて、チェック部52がそれをチェックして初めてサービス提供条件を表示するようしてもよい。
【0030】
ここで、
図6乃至
図10を参照して相談シート71aについて説明する。
相談シート71aは、
図6に示す同意書のページと、同意書のページの右上に記載されたQRコードで指定される、
図7以降の相談内容のページとから構成される。相談内容のページは、記載するかチェックするか、又はその両方を行うページとされている。なお、QRコードは、登録商標である。
図6のページでは、担当者U2は、免責事項及び情報共有に関して同意したことの署名を行う。
図7以降のページには、「1買収企業」、「2譲渡企業」、「3株式」、「4株主」、「5確認情報」、「6交渉状況」、「7特記事項」、「8依頼項目」、「9必要書類」の各欄に夫々記載する。
「1買収企業」の欄には、買収側の企業の情報を記入する。「2譲渡企業」の欄には、対象会社(譲渡側の企業)の情報を記入する。この他、この欄では、買収企業との関係、交渉相手、譲渡理由のチェックボックスをチェックする。
「3株式」の欄には、発行済株式総数、代表者保有数等を記入する他、株式譲渡制限の「有」、「無」、「不明」、株券発行の「有」、「無」、「不明」のチェック項目のチェックボックスにチェックする。
「4株主」の欄には、主要株主が「代表者」か「それ以外」かのチェック項目のチェックボックスをチェックし、主要株主が代表者以外の場合は、その株主の氏名、住所、保有株数を記入する。
【0031】
図8に示す「5確認情報」の欄には、対象会社の確認事項として、1乃至8の質問項目(チェック項目)が記載されており、夫々の質問項目のチェックボックス「Yes」、「No」、「不明」の何れかをチェックする。
「6交渉状況」の欄には、対象会社との交渉状況として、1乃至9の質問項目(チェック項目)が記載されており、夫々の質問項目に該当する場合はチェックボックス「有」にチェックする。また、必要に応じて対象資産の情報を記入する。
「7特記事項」には、質問欄以外に仲介者に伝えておく事項を追記する。
【0032】
図9に示す「8依頼項目」の欄には、具体的な「A」乃至「F」の依頼項目(チェック項目)とその作業内容及び料金が記載されており、依頼項目に設けられたチェックボックスをチェックする。
依頼項目「A」は、株式譲渡契約書作成であり、作業内容と料金が明示されている。依頼項目「A」には、M&Aに精通した弁護士法人が株式譲渡契約書の作成を支援する旨が記載されている。依頼項目「B」は、財務監査であり、作業内容と料金が明示されている。
依頼項目「B」には、税理士法人、コンサルティング会社が対象会社の財務状況を調査し、純資産や正常収益力を把握する旨が記載されている。また、この依頼項目「B」には、M&A実行時の障害、リスクや企業価値評価に有用な情報を報告する旨も記載されている。
依頼項目「C」は、労務監査であり、作業内容と料金が明示されている。依頼項目「C」には、社会保険労務士等が買収価格に直接影響のある労務に起因する潜在債務を確認する旨が記載されている。
依頼項目「D」は、仲介業務であり、作業内容についての説明と料金は、別途見積もりを行う旨が記載されている。
依頼項目「E」は、登記関係支援であり、作業内容と料金が明示されている。依頼項目「E」には、M&Aに精通した司法書士が、M&A成約に関して必要となる各種登記手続きを支援する旨が記載されている。
依頼項目「F」は、訪問オプションであり、作業内容と料金が明示されている。依頼項目「F」には、対象会社への現地訪問による調査を希望する場合に選択する旨が記載されている。
図10に示す「9必要書類」の欄には、申し込みに必要な書類の名称が記載されており、本サービスの提供を受ける上で必要な書類を確認することができる。「9必要書類」の欄の下には、買収監査の実施時に必要となる書類の例が記載されている。また、このページの下部には、チェック終了ボタン62が設けられている。チェック終了ボタン62は、すべてのチェック項目のチェックを終了した後、担当者かU2が操作するボタンである。
【0033】
担当者U2は、画面に表示された同意書のページ(
図6参照)に同意の署名をした後、同意書のページに記載されたQRコードのアイコンを操作するか、QRコードをスマートホン等のQRコード読取機能で読み取り、リンクページを表示させると、
図7以降の相談内容の相談シート71aのページが表示される。なお、QRコードをスマートホン等のQRコード読取機能で読み取ることで、スマートホンのディスプレイに相談シート71aのページを表示させ、スマートホンで申し込むこともできる。
【0034】
担当者U2が、QRコードのアイコンを操作して画面に表示された
図7以降の相談内容の相談ページにおいて、チェック項目を順にチェックし、すべてのチェック項目をチェックした後、最後の相談内容のページに設けられたチェック終了ボタン62を操作する。
マッチング部42は、チェック終了ボタン62の操作をトリガーにして、ステップS106において、相談シート71aがチェック済みと判定する。
そして、マッチング部42は、相談シート71aにチェックされたチェック項目とサービス提供条件記憶部31のサービス提供条件とに基づいて、M&A実施により生じる可能性のあるリスクの一覧表と、要確認の相手方に関する情報(又は確認不十分と考えられる相手方に関する情報)とを画面に表示する。
画面に表示されたリスクの一覧表と、要確認の相手方に関する情報には、リンクが張られており、夫々をクリック操作することで、適したメニュー(例えば
図9の「8依頼項目」の「A」乃至「F」の依頼項目(チェック項目))が提示され、夫々の依頼項目(チェック項目)をクリック操作することで解決方法等が提案される。
【0035】
上記相談シート71aを企業側で記入及びチェックしてもらうことで、
(1)依頼する企業自身に対する定量的な情報(社名、所在地、代表者名等)、
(2)相手方に関する定量的な情報(社名、所在地、代表者名等)、
(3)譲渡対象となる資産に関する情報(株式等の有価証券の情報)、
(4)譲渡対象となる資産の所有者に関する情報、
(5)企業自身による調査や交渉によって得られた相手方に関する定性的な情報、
(6)交渉によって決まった条件(譲渡対象資産の売買条件、債権債務の引継ぎ条件等)、
が得られる。
得られたこれらの情報と相談シート71aの依頼項目(チェック項目)との相関データが相談情報記憶部32に記憶される。
【0036】
また、マッチング部42は、相談シート71aの「9必要書類」の欄に記載されている必要書類を企業から金融機関へ送付するよう促すメッセージを表示する。このメッセージを確認した企業の担当者Tが必要書類を金融機関へ送付すると、金融機関において受け取った必要書類の確認が行われる。
そして、マッチング部42は、ステップS107において、相談シート71aにチェックされたチェック項目に基づいて、専門家をマッチングする。
このマッチングでは、マッチング部42は、特に、相談シート71aの「8依頼項目」の依頼項目「A」乃至「F」のチェックの状況を基に、専門家情報記憶部33を参照して、依頼内容に対して必要な弁護士、社会保険労務士、司法書士等の専門家を選定する。
【0037】
専門家のマッチングが終了すると、ステップS108において、斡旋部43は、マッチング部42によりマッチングされた専門家を企業に斡旋する。
具体的には、斡旋部43は、マッチングされた専門家の情報を専門家情報記憶部33から読み出し、企業情報記憶部34から担当者U2の企業の情報を読み出し、専門家の連絡先の電子メールアドレス宛に、企業の担当者U2の連絡先(電子メールアドレスや電話番号等)と仕事の内容をメール本文に記載した電子メールを送信する。
【0038】
このように第1実施形態のシステムによれば、株式の譲渡を希望する企業と株式の譲受を希望する企業のうち少なくとも一方の企業(買収側の企業の担当者U2)が、サーバ5が公開する簡易M&Aサービスのポータルページにアクセスし、サービス提供条件を表示するための操作を行うと、事前に用意した簡易M&Aサービスのサービス提供条件を表示し、サービス提供条件を満たす場合にその企業に対して、当事者間での株式譲渡のM&Aに関する条件の交渉状況を確認するためのチェック項目を含む相談シート71aを提示し、相談シート71aにチェックされたチェック項目に基づいて、株式の授受に関する専門家をマッチングするので、M&Aの仲介を希望する企業のニーズに適したメニューと価格でM&A支援を行うことができる。
【0039】
なお、本システムによれば、以下のような効果が得られる。
上記第1実施形態では、企業のM&Aを支援するケースでサービスを提供したが、金融機関の担当者自身にこのシステムを利用させることで、金融機関の職員に対する新人教育やヒアリング能力の質的向上を図ることができる。
詳細に説明すると、通常、金融機関は、企業へ融資する際に、決算書等、定量的な財務データや事業内容だけではなく、「定性的」な情報もヒアリングし企業を評価する「事業性評価」を行っている。
しかし、定性的な情報のヒアリングは、聞き手のスキルにより、入手できる情報の質にバラつきが生じるため、定性的な情報を元にした事業性評価を金融機関が一定水準を維持しながら行うのは難しい。
そこで、金融機関の担当者に本システムを利用させ、本システムの「定型化した質問項目」及び「選択式の解答方法」を学習させ、相談内容やM&Aのケースに応じたヒアリングの仕方を習得させることで、新人や若手担当者等の経験値の少ない金融機関職員でも一定水準で事業性評価を行うことが可能になる。
本サービスを活用することの他の効果を列記する。
1.経験の少ない金融機関の職員がM&Aを希望する事業者に会ってヒアリングする際に、ニーズの聞き取り・仕分けに膨大な時間と労力を要するが、相談シート71aを用いることで、事業者のニーズを的確にくみ取ることができるようになり、業務効率が向上する。
2.地方におけるM&Aの場合、専門家は地方に少なく、マッチングが困難なケースが多いが、事業者がこのサービスを申し込むことで、経験豊富なM&A専門家を容易かつ適切に探すことができる。本システムを利用する金融機関ならば、経験豊富なM&A専門家を容易かつ適切に事業者にマッチングすることができる。
3.地方におけるM&Aの場合、金融機関が地方で専門家を探すとなると、その時間・労力が膨大に必要になるが、上記3.の内容とのセットで業務効率を向上することができる。
4.買収監査等を受けていないM&Aの場合、金融機関が融資できないケースがあるが、本サービスにより事業者が経験豊富なM&A専門家を活用してM&A手続きを完了できることで、金融機関や取り引き先から高い信頼が得られるようになる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、
図11、
図12を参照して第2実施形態を説明する。第2実施形態は、簡易M&Aサービスの提供方法の具体例である。
図11は、簡易M&Aサービスの提供を受ける譲渡希望企業と買収希望企業との作業の流れを示す図である。
【0041】
図11に示すように、この簡易M&Aサービスを企業が利用する際に、ステップS201において、譲渡希望企業81(以下「譲渡側の企業81」と呼ぶ)と買収希望企業82(以下「買収側の企業82」と呼ぶ)との当事者間で、株式の売買価格等の条件交渉を事前に実施する。
条件交渉の結果、株式の売買価格が確定すると、譲渡側の企業81及び買収側の企業82のうちいずれかの企業(例えば買収側の企業82等)から金融機関83に対して、簡易M&Aサービスのサービス提供条件を満たした旨を連絡する。
【0042】
すると、ステップS202において、金融機関から買収側の企業82の担当者に相談シート71aが送付される。
買収側の企業82では、担当者が相談シート71aを読んで、チェック項目にチェックした上で金融機関へ返送する。
【0043】
金融機関では、ステップS203において、返送されていた相談シート71aの受領をもって、簡易M&Aサービスの申し込みと判断し、相談シート71aのチェックされたチェック項目に基づいて、弁護士や税理士等の専門家をマッチングし、マッチングした弁護士や税理士を企業に斡旋する。
【0044】
専門家の斡旋を受けた企業は、専門家に対して簡易M&Aサービスの提供を依頼し、専門家は、ステップS204において、依頼企業に対して企業精査(買収監査)の実施や契約書の作成を行うサービスを提供する。
【0045】
そして、ステップS205において、当事者間で最終条件の交渉を行い、最終の売買条件が決定すると、ステップS206において、最終契約書の締結を行う。
最終契約書を締結し、ステップS207において、株式・譲渡代金が授受されてM&Aが成約すると、簡易M&Aサービスは完了となるが、その後について支援が可能である。例えばM&Aが成約した後に必要となる、ステップS208の役員変更登記等の手続きについても対応可能である。
【0046】
続いて、
図12を参照して企業の他に、金融機関や専門家を含めた中での簡易M&Aサービスの流れを説明する。
図12は、企業、金融機関、及び専門家を含めた中での簡易M&Aサービスの流れを示す図である。
【0047】
図12に示すように、この簡易M&Aサービスを企業が利用する際に、ステップS301において、譲渡希望企業81と買収希望企業82との当事者間で、株式の売買価格等の条件交渉を実施する。
条件交渉の結果、株式の売買価格が確定すると、譲渡側の企業81及び買収側の企業82のうちいずれかの企業(例えば買収側の企業82等)から、金融機関83に対して、簡易M&Aサービスのサービス提供条件を満たした旨を連絡する。
【0048】
連絡を受けた金融機関83では、ステップS302において、予め用意した相談シート71aを買収側の企業82の担当者に送付する。
買収側の企業82では、金融機関83から受け取った相談シート71aを担当者が読んで、ステップS303において、相談シート71aに必要事項を記入すると共に、チェック項目にチェックした上で、ステップS304において、金融機関83に相談する。
【0049】
金融機関83では、ステップS305において、買収側の企業82の担当者から渡された記入済の相談シート71bの受領をもって簡易M&Aサービスの申し込みを受け付け、相談シート71bのチェックされたチェック項目に基づいて、弁護士や税理士等の専門家A、Bをマッチングし、ステップS306において、マッチングした専門家A、Bと相談シート71bを送付し、共有する。
【0050】
金融機関83では、ステップS307において、金融機関83の担当者が申込書及び契約書72aを作成し、買収側の企業82へ送付する。
買収側の企業82では、ステップS308において、担当者が金融機関83から受け取った申込書及び契約書72aに署名及び捺印した後、ステップS310において、署名及び捺印済みの申込書及び契約書72bを用いて買収監査、株式譲渡契約等の準備を進める。
また、買収側の企業82は、ステップS311において、署名及び捺印済みの申込書及び契約書72bを金融機関83へ返送する。なお、金融機関83への返信をもって申し込みとする。
金融機関83では、ステップS312において、返送されてきた署名及び捺印済みの申込書及び契約書72bを受け付け、ステップS313において、受け付けた署名及び捺印済みの申込書及び契約書72bを当該専門家A、Bに送付する。
【0051】
申込書及び契約書72bを受け取った専門家Aは、ステップS314において、M&A対象の企業81、82に対して買収監査を実施し、また、申込書及び契約書72bを受け取った専門家Bは、ステップS315において、株式譲渡契約書を作成して、ステップS316において、夫々の専門家A、Bに対してサービスを提供する。
サービスの提供を受けた企業81、82は、最終契約書を締結した後、ステップS317において、M&Aを完了する。
【0052】
このように第2実施形態のシステムによれば、株式の譲渡を希望する譲渡側の企業81と株式の譲受を希望する買収側の企業82のうち少なくとも一方の企業(買収側の企業82)に対して、金融機関83が事前に用意した簡易M&Aサービスのサービス提供条件を提示し、サービス提供条件を満たした企業に相談シート71aを送付し、記入済みの相談シート71bを受け取り、相談シート71bの記入内容に基づいて、依頼企業のM&Aに必要な専門家A、Bをマッチングし依頼企業に斡旋することができる。
即ち、相談シート71bの記載の範囲に絞った中で、依頼企業のM&Aに適した専門家を選定し、依頼企業に斡旋できるので、M&Aの仲介を希望する企業のニーズに適した価格と対応力で、金融機関83が企業に対するM&Aの支援を行うことができる。
【0053】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0054】
また、例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。さらに、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0055】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートホンやPC等であってもよい。
【0056】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0057】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0058】
換言すると、本発明が適用されるシステムは、上述の
図1の実施形態としてのシステムを含め、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
【0059】
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図3のサーバ5等)は、
資産の譲渡を希望する第1依頼者と前記資産の譲受を希望する第2依頼者のうち少なくとも一方の依頼者が、事前に用意した前記資産の授受に関する仲介サービスの提供条件を満たすか否かをチェックするチェック手段(例えば
図3のチェック部52等)と、
前記提供条件を満たす前記依頼者に、当事者間での前記資産の授受に関する条件の交渉状況を確認するためのチェック項目を含むチェックシート(
図7乃至
図11の相談シート71a)を提示する提示手段(例えば
図3の提示部53等)と、
提示した前記チェックシートのチェックされた前記チェック項目に基づいて、前記資産の授受に関する専門家をマッチングするマッチング手段(例えば
図3のマッチング部42等)と、
を備える。
この構成を備えることにより、中小企業等の依頼者が必要とするM&Aの機能だけを提供することで、依頼者が利用し易い安価なM&A仲介に必要なサービスを実現することができる。
上記情報処理装置(例えば
図3のサーバ5等)において、
前記提供条件(例えば
図5等)が、
交渉相手が決定済、授受対象が特定資産、前記資産の授受の条件が確定済である、3つの条件を満たすことである、
ことで、金融機関が行う仲介の内容を限定し、低コストな仲介のサービスを提供することができる。
上記情報処理装置(例えば
図3のサーバ5等)において、
前記特定資産が、有価証券(株式)である、
ことで、資産を譲渡する手続きを株式の譲渡のみに簡素化できるので、低コストな仲介のサービスを提供することができる。
上記情報処理装置(例えば
図3のサーバ5等)において、
前記マッチング手段(例えば
図3のマッチング部42等)によりマッチングされた前記専門家を前記依頼者に斡旋する斡旋手段(例えば
図3の斡旋部43等)、
をさらに備える、
ことで、専門家と依頼者とを直接やり取りさせることで、仲介の手間を省き、低コストな仲介のサービスを提供することができる。
上記実施形態では、相談シート71aの依頼項目(チェック項目)のチェックにより得られた相関データを相談情報記憶部32に記憶したが、この相関データをデータマイニングすることにより、相談者が相談シート71aに入力した内容によって示されるリスクと要確認情報と、その対策として提案するメニューの精度を上げてゆくことができる。
なお、上記実施形態では、株式譲渡に限定したM&Aについて説明したが、相談シート71aの項目を変更することで、株式譲渡以外のM&A、例えば「事業譲渡」)等にも適用できる。
【符号の説明】
【0060】
1・・・企業端末(譲渡側)、2・・・企業端末(買収側)、3・・・金融機関端末、4-A乃至4‐n・・・専門家端末、5・・・サーバ、11・・・CPU、18・・・記憶部、31・・・サービス提供条件記憶部、32・・・相談情報記憶部、33・・・専門家情報記憶部、34・・・企業情報記憶部、41・・・Webサーバ部、42・・・マッチング部、43・・・斡旋部、51・・・受付部、52・・・チェック部、53・・・提示部、N・・・ネットワーク