(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】車両用変速レバー装置
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
B60K20/02 A
B60K20/02 B
B60K20/02 G
(21)【出願番号】P 2020004432
(22)【出願日】2020-01-15
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0096485
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】515307928
【氏名又は名称】エスエル、コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】SL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ウォン、ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジン、ヨン
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0053674(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速ノブが連結され、レバーボディに回転可能に設置され、回転中心点が上部に位置したシフトレバーと、
レバーボディでシフトレバーと連動して共に回転するように設置され、変速ケーブルが連結され、回転時にシフトレバーの反対方向に回転することにより、シフトレバーの操作方向と変速ケーブルの作動方向とが一致するようにするエンゲージングレバーとを含
み、
シフトレバーとエンゲージングレバーとは、回転運動とスライド運動が同時に行われるように構成された連結部を介して連結されており、
連結部は、直線状に延びるスリットホールが設けられたガイド部と、スリットホールに回転可能に挿入されたガイドピンとから構成され、ガイド部とガイドピンは、シフトレバーとエンゲージングレバーにそれぞれ設けられ、シフトレバーとエンゲージングレバーとがガイド部及びガイドピンを介して連結されていることを特徴とする、車両用変速レバー装置。
【請求項2】
ガイドピンは、シフトレバーまたはエンゲージングレバーに固定されるボディ部と、ボディ部から延びてスリットホールに挿入されるボール部とを備えることを特徴とする、請求項
1に記載の車両用変速レバー装置。
【請求項3】
ガイドピンは、ボール部を包むように設けられ、スリットホールに密着した状態でボール部と共にスリットホールをスライドするキャップ部をさらに備えることを特徴とする、請求項
2に記載の車両用変速レバー装置。
【請求項4】
シフトレバーには、回転中心点を基準に、回転中心点の上側に変速ノブが連結され、回転中心点の下側にエンゲージングレバーが連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用変速レバー装置。
【請求項5】
エンゲージングレバーは、中端部がレバーボディに回転可能に設置され、中端部の上側に延びた一端部がシフトレバーに連結され、中端部から下側に延びた他端部に変速ケーブルが連結されていることを特徴とする、請求項
4に記載の車両用変速レバー装置。
【請求項6】
シフトレバーには、シフトレバーと共に回転し、シフトレバーの回転半径に沿って屈曲するようにラウンドカバーが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用変速レバー装置。
【請求項7】
ラウンドカバーは、シフトレバーの上端を包むカバー形状をし、変速ノブが結合する締結部が設けられ、両サイドには、屈曲した部分に沿って突起が延設されていることを特徴とする、請求項
6に記載の車両用変速レバー装置。
【請求項8】
レバーボディの上部には、ラウンドカバーの上側に配置されるベゼルが備えられ、ベゼルには、ラウンドカバーの突起の内側に延びた折曲部が設けられ、折曲部は、ラウンドカバーの上面と突起から離隔していることを特徴とする、請求項
7に記載の車両用変速レバー装置。
【請求項9】
変速ノブは、シフトレバーの回転中心線を直角で垂直に横切るように連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用変速レバー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速ノブの高さ及びストロークが最小化されるようにして、コンソールのサイズが縮小され且つデザインの自由度が向上する車両用変速レバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動変速機の車両では、通常、直線的にP、R、N、D変速段が配置され、変速レバーを回動させて変速段の中からいずれかを選択することができるようにし、変速レバーの回転時にケーブルが引っ張られてその操作力が変速機に伝達される。
【0003】
すなわち、変速レバーにケーブルが連結される地点は、変速レバーの回動中心から上方に離隔したところなので、変速レバーを回動させると、その回動角度に応じてケーブルが引っ張られたり戻ったりすることにより、その操作力が変速機へ伝達され、これを認識して変速段の変速が行われる。
【0004】
一方、従来の変速レバーは、上下に長く延長され、下端にヒンジ連結されて回転する構造をなし、変速ケーブルが連結される構造をなす。ところが、従来の変速レバーは、回転中心点が下端に位置することにより、変速レバーの操作量が大きくなり、変速レバーの回転量を収容するためにコンソールカバーのオープン量が増大してデザインの制約要素として作用するという問題がある。
【0005】
前述した背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進させるためのものに過ぎず、この技術分野における通常の知識を有する者に既に知られた従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、変速ノブの回転中心点を上方に移動させて、コンソールに露出される変速ノブの高さと変速ノブの作動ストロークが縮小されるようにし、変速ノブの操作方向と変速ケーブルの作動方向とが一致するようにする車両用変速レバー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る車両用変速レバー装置は、変速ノブが連結され、レバーボディに回転可能に設置され、回転中心点が上部に位置したシフトレバーと、レバーボディでシフトレバーと連動して共に回転するように設置され、変速ケーブルが連結され、回転時にシフトレバーの反対方向に回転することにより、シフトレバーの操作方向と変速ケーブルの作動方向とが一致するようにするエンゲージングレバー(engaging lever)とを含む。
【0009】
シフトレバーとエンゲージングレバーは、回転運動とスライド運動が同時に行われるように構成された連結部を介して連結されていることを特徴とする。
【0010】
連結部は、直線状に延びるスリットホールが設けられたガイド部と、スリットホールに回転可能に挿入されたガイドピンとから構成され、ガイド部とガイドピンは、シフトレバーとエンゲージングレバーにそれぞれ設けられ、シフトレバーとエンゲージングレバーとがガイド部及びガイドピンを介して連結されていることを特徴とする。
【0011】
ガイドピンは、エンゲージングレバーに固定されるボディ部と、ボディ部から延びてスリットホールに挿入されるボール部とを備えることを特徴とする。
【0012】
ガイドピンは、ボール部を包むように設けられ、スリットホールに密着した状態でボール部と共にスリットホールをスライドするキャップ部をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
シフトレバーには、回転中心点を基準に、回転中心点の上側に変速ノブが連結され、回転中心点の下側にエンゲージングレバーが連結されていることを特徴とする。
【0014】
エンゲージングレバーは、中端部がレバーボディに回転可能に設置され、中端部の上側に延びた一端部がシフトレバーに連結され、中端部から下側に延びた他端部に変速ケーブルが連結されていることを特徴とする。
【0015】
変速ノブには、シフトレバーと共に回転し、シフトレバーの回転半径に沿って屈曲するようにラウンドカバーが設けられていることを特徴とする。
【0016】
ラウンドカバーは、シフトレバーの上端を包むカバー形状をし、変速ノブが結合する締結部が設けられ、両サイドには、屈曲した部分に沿って突起が延設されていることを特徴とする。
【0017】
レバーボディの上部には、ラウンドカバーの上側に配置されるベゼル(bezel)が備えられ、ベゼルには、ラウンドカバーの突起の内側に延びた折曲部が設けられ、折曲部は、ラウンドカバーの上面と突起から離隔していることを特徴とする。
【0018】
変速ノブは、シフトレバーの回転中心線を直角で垂直に横切るように連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上述した構造を有する車両用変速レバー装置は、変速ノブの回転中心点を上方に移動させて、コンソールに露出される変速ノブの高さと変速ノブの作動ストロークが減少することによりコンソールのサイズが縮小され、変速ノブの操作方向と変速ケーブルの作動方向とが一致することにより既存の変速機の連結構造が維持可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用変速レバー装置を示す図である。
【
図2】
図1に示された車両用変速レバー装置の組立図である。
【
図3】
図1に示された車両用変速レバー装置のシフトレバーとエンゲージングレバーとの連結を説明するための図である。
【
図4】
図1に示された車両用変速レバー装置のシフトレバーとエンゲージングレバーとの連結を説明するための図である。
【
図5】
図1に示された車両用変速レバー装置の作動状態を説明するための図である。
【
図6】
図1に示された車両用変速レバー装置の作動状態を説明するための図である。
【
図7】
図1に示された車両用変速レバー装置の作動状態を説明するための図である。
【
図8】
図1に示された車両用変速レバー装置の作動状態を説明するための図である。
【
図9】
図1に示された車両用変速レバー装置の作動状態を説明するための図である。
【
図10】
図1に示された車両用変速レバー装置の作動状態を説明するための図である。
【
図11】
図1に示された車両用変速レバー装置の作動状態を説明するための図である。
【
図12】
図1に示された車両用変速レバー装置の作動状態を説明するための図である。
【
図13】
図1に示された車両用変速レバー装置のラウンドカバーを説明するための図である。
【
図14】
図1に示された車両用変速レバー装置のシフトレバーの連結構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る車両用変速レバー装置について説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施形態に係る車両用変速レバー装置を示す図であり、
図2は
図1に示された車両用変速レバー装置の組立図であり、
図3及び
図4は
図1に示された車両用変速レバー装置のシフトレバーとエンゲージングレバーとの連結を説明するための図であり、
図5乃至
図12は
図1に示された車両用変速レバー装置の作動状態を説明するための図であり、
図13は
図1に示された車両用変速レバー装置のラウンドカバーを説明するための図であり、
図14は
図1に示された車両用変速レバー装置のシフトレバーの連結構造を説明するための図である。
【0023】
本発明に係る車両用変速レバー装置は、
図1乃至
図3に示すように、変速ノブ20が連結され、レバーボディ10に回転可能に設置され、回転中心点が上部に位置したシフトレバー30と、レバーボディ10でシフトレバー30と連動して共に回転するように設置され、変速ケーブルCが連結され、回転時にシフトレバー30の反対方向に回転することにより、シフトレバー30の操作方向と変速ケーブルの作動方向とが一致するようにするエンゲージングレバー40とを含む。
【0024】
本発明は、レバーボディ10にシフトレバー30とエンゲージングレバー40が回転可能に設置され、シフトレバー30には変速ノブ20が連結され、エンゲージングレバー40には変速ケーブルCが連結されることにより、変速ノブ20の操作によって、シフトレバー30の回転時に、シフトレバー30に連結されたエンゲージングレバー40が回転しながら変速ケーブルCに引張力が作用する。
【0025】
ここで、レバーボディ10は二つのパートに分離されて構成でき、シフトレバー30にはディテント構造が適用できる。
【0026】
特に、本発明において、シフトレバー30は、上部に回転中心点を持つようにレバーボディ10に回転可能に設置されることにより、シフトレバー30に連結された変速ノブ20は、レバーボディ10の上側に露出される高さが減少し、変速ノブ20の変速ストロークも減少する。これにより、レバーボディ10において変速ノブ20が通過する開口部のサイズが縮小され、それによりコンソールのサイズが縮小されてインテリアデザインの自由度が向上する。
【0027】
すなわち、従来では、シフトレバー30の回転中心点が変速レバーの直線方向における最下端に位置することにより変速レバーの変速ストロークが増大するという問題があるが、本発明では、シフトレバー30の回転中心点が上部に位置することにより変速ノブ20の長さ及び変速ストロークが縮小されて従来の問題点が解消される。
【0028】
また、本発明において、エンゲージングレバー40は、シフトレバー30の回転の際にシフトレバー30の反対方向に回転するように設置される。これは、シフトレバー30の操作方向とエンゲージングレバー40の作動方向とを一致させるためである。
【0029】
すなわち、シフトレバー30は、回転中心点が上部に位置することにより、変速ケーブルCが下部に連結されると、変速ノブ20の操作方向と変速ケーブルCの作動方向とが互いに反対となることにより、シフトレバー30の下部にエンゲージングレバー40が連結されるようにし、変速ケーブルCは、エンゲージングレバー40に連結されるようにする。これにより、変速ノブ20の操作により、シフトレバー30の回転の際に、エンゲージングレバー40がシフトレバー30の反対方向に回転し、それにより変速ケーブルCが変速ノブ20の操作方向と同じ方向に移動することにより、既存の変速機の連結構造を維持して、本発明に係る変速レバーの構造を適用することができる。
【0030】
上述した本発明について具体的に説明すると、
図3及び
図4に示すように、シフトレバー30とエンゲージングレバー40とは、回転運動とスライド運動とが同時に行われるように構成された連結部50を介して連結できる。
【0031】
すなわち、シフトレバー30とエンゲージングレバー40とは互いに回転可能に連結されるが、シフトレバー30とエンゲージングレバー40とは互いに反対方向に回転するので、シフトレバー30の回転とエンゲージングレバー40の回転との間に発生する回転遊隔が吸収できるように連結部50を介してシフトレバー30とエンゲージングレバー40とが連結されるようにする。これにより、シフトレバー30とエンゲージングレバー40の回転の際に、連結部50が回転運動と同時にスライド運動され、シフトレバー30とエンゲージングレバー40とが連動して回転することができる。
【0032】
次に、このような連結部50について詳細に説明する。連結部50は、直線状に延びるスリットホール52が設けられたガイド部51と、スリットホール52に回転可能に挿入されたガイドピン53とから構成される。ガイド部51とガイドピン53がシフトレバー30とエンゲージングレバー40にそれぞれ設けられ、シフトレバー30とエンゲージングレバー40とがガイド部51及びガイドピン53を介して連結できる。
【0033】
このように、連結部50はガイド部51とガイドピン53とから構成され、ガイド部51とガイドピン53はそれぞれシフトレバー30とエンゲージングレバー40に分けられて設置される。
【0034】
一例として、シフトレバー30にガイド部51が結合され、エンゲージングレバー40にガイドピン53が結合する場合、変速ノブ20の操作により、シフトレバー30の回転の際に、エンゲージングレバー40は、ガイド部51のスリットホール52に挿入されたガイドピン53を介して共に回転し、ガイドピン53は、ガイド部51のスリットホール52内でスライドされてシフトレバー30とエンゲージングレバー40が互いに反対方向に回転することによる遊隔が吸収されるようにする。
【0035】
また、ガイド部51とガイドピン53がシフトレバー30とエンゲージングレバー40のいずれに設けられるかに応じて変速ノブ20のレバー比が調節でき、付加的にスリットホール52の延長方向及び延長長さによっても変速ノブ20のレバー比が調節できる。ここで、レバー比は、変速ノブ20の変速ストロークに対するものであり、各変速段での変速の際に要求される変速ノブ20の回転角度になることができる。
【0036】
一方、ガイドピン53は、シフトレバー30またはエンゲージングレバー40に固定されるボディ部53aと、該ボディ部53aから延びてスリットホール52に挿入されるボール部53bとから構成できる。
【0037】
図4に示すように、ガイドピン53は、ボディ部53aとボール部53bとを備え、ボディ部53aは、シフトレバー30またはエンゲージングレバー40への結合の際に離脱しないように多数の結合部53a-1が突出でき、ボール部53bは、スリットホール52に挿入された状態で自由回転できるようにボール状に形成できる。これにより、ガイドピン53は、ガイド部51のスリットホール52に挿入された状態で回転運動と同時にスライド運動できる。
【0038】
一方、ガイドピン53は、ボール部53bを包むように設けられ、スリットホール52に密着した状態でボール部53bと共にスリットホール52をスライドするキャップ部54をさらに備えてもよい。
【0039】
このようなキャップ部54は、ゴム材質でできていてもよく、ボール部53bとスリットホール52との間に介在されてボール部53bとスリットホール52との間の遊隔が除去されるように構成される。このようなキャップ部54は、内側にボール部53bを包むものの、ボール部53bが自由回転し、外側がスリットホール52に密着するものの、滑りが発生するように潤滑できる。このように、ボール部53bとスリットホール52との間にはキャップ部54が設けられることにより、ボール部53bとスリットホール52との間の遊隔による衝突音の発生が防止され、潤滑された状態でボール部53bとスリットホール52に連結されることにより、ガイドピン53がガイド部51内でスムーズに回転運動及びスライド運動するようにすることができる。
【0040】
一方、シフトレバー30には、回転中心点を基準に、回転中心点の上側に変速ノブ20が連結され、回転中心点の下側にエンゲージングレバー40が連結され得る。
【0041】
また、エンゲージングレバー40は、中端部40aがレバーボディ10に回転可能に設置され、中端部40aの上側に延びた一端部40bがシフトレバー30に連結され、中端部40aから下側に延びた他端部40cに変速ケーブルCが連結され得る。
【0042】
これにより、
図5に示すように、変速ノブ20が操作されると、変速ノブ20と共にシフトレバー30が回転中心点を基準に反時計回り(図の右方向)に回転し、エンゲージングレバー40は、一端部40bが連結部50を介してシフトレバー30に連結されることにより、反対方向である時計回り(図の左方向)に回転する。ここで、エンゲージングレバー40の他端部40cに変速ケーブルCが連結されることにより、変速ケーブルCは変速ノブ20の操作方向と同一の時計回りに移動する。
【0043】
このように、シフトレバー30は、回転中心点を基準に、上側に変速ノブ20が連結され、下側にエンゲージングレバー40の一端部40bが連結され、エンゲージングレバー40の他端部40cに変速ケーブルCが連結される構造を介して、変速ノブ20の操作方向と変速ケーブルCの作動方向とが一致するようにすることができる。
【0044】
一方、
図2に示すように、変速ノブ20には、シフトレバー30と共に回転し、シフトレバー30の回転半径に沿って屈曲するようにラウンドカバー60が設けられ得る。このように、ラウンドカバー60は、屈曲するように設けられることにより、変速ノブ20の操作の際にレバーボディ10に干渉されずに円滑に回転することができる。
【0045】
このようなラウンドカバー60は、シフトレバー30の上部を包むカバー形状をし、変速ノブ20が結合する締結部61が設けられ、両サイドには、屈曲した部分に沿って突起62が延設され得る。
図13に示すように、ラウンドカバー60の締結部61を介して変速ノブ20が貫通してシフトレバー30に連結でき、ラウンドカバー60がシフトレバー30を覆うことにより、外部の汚染物質がシフトレバー30側に進入しないようにする。これに加えて、ラウンドカバー60の両サイドには、突起62が延設され、それにより、外部から流入する異物がラウンドカバー60の突起62によってガイドされることによりシフトレバー30を回避するようにする。これにより、シフトレバー30は、異物による汚染が防止されて耐久性が維持される。
【0046】
一方、
図13に示すように、レバーボディ10の上部には、ラウンドカバー60の上側に配置されるベゼル70が備えられ、ベゼル70には、ラウンドカバー60の突起62の内側に延びた折曲部71が設けられ、折曲部71は、ラウンドカバー60の上面と突起62から離隔することができる。
【0047】
このように、レバーボディ10の上部側にベゼル70が設けられることにより、ラウンドカバー60が過度に露出されないためデザインが阻害されず、ベゼル70が一次的に異物の流入を防止する。また、ベゼル70には、ラウンドカバー60の突起62の内側に延びた折曲部71が設けられることにより、ベゼル70に沿って流入する異物がラウンドカバー60の突起62の内側に流入した後、シフトレバー30を回避して排出されるように誘導することができる。ここで、折曲部71は、ラウンドカバー60の上面と突起62から離隔してラウンドカバー60の回転に干渉が発生しないようにする。
【0048】
一方、
図14に示すように、変速ノブ20は、シフトレバー30の回転中心点を直角で垂直に横切るように連結され、変速ノブ20の操作による回転軌跡がシフトレバー30の回転軌跡にそのまま反映されて同じ回転軌跡を持つようにすることができる。
【0049】
次に、上述した本発明の作動について説明する。
【0050】
図5は変速ノブ20がP段を選択する場合の、シフトレバー30とエンゲージングレバー40の回転位置を示し、
図6は変速ノブ20がP段を選択した状態でガイド部51のスリットホール52におけるガイドピン53の位置を示す。
【0051】
ここで、変速ノブ20をR段に切り替える場合、
図7に示すように、シフトレバー30とエンゲージングレバー40が回転することにより連結部50が上方に移動し、この時、
図8に示すように、連結部50をなすガイドピン53がガイド部51のスリットホール52内で回転しながらスライドされて移動する。これにより、シフトレバー30とエンゲージングレバー40とが互いに連動して回転し、遊隔が吸収されて円滑な動作関係が成り立つ。
【0052】
これにより、変速ノブ20をN段に切り替える場合には、
図9及び
図10に示すように、変速ノブ20の操作に連動してシフトレバー30及びエンゲージングレバー40の回転と同時に連結部50のスライド動作及び回転動作が行われ、変速ノブ20をD段に切り替える場合には、
図11及び
図12に示すように、シフトレバー30及びエンゲージングレバー40の回転と連結部50のスライド動作及び回転動作が行われ得る。
【0053】
上述した構造を有する車両用変速レバー装置は、変速ノブ20の回転中心点を上方に移動させて、コンソールに露出される変速ノブ20の高さ及び変速ノブ20の作動ストロークが減少することによりコンソールのサイズが縮小され、変速ノブ20の操作方向と変速ケーブルの作動方向とが一致することにより従来の変速機の連結構造が維持可能である。
【0054】
本発明は、特定の実施形態に関連して図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明に多様な改良及び変化を加え得るのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0055】
10 レバーボディ
20 変速ノブ
30 シフトレバー
40 エンゲージングレバー
50 連結部
51 ガイド部
52 スリットホール
53 ガイドピン
54 キャップ部
60 ラウンドカバー
61 締結部
62 突起
70 ベゼル
71 折曲部