(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ポジションセンサ、及びポジションセンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01D 5/165 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
G01D5/165 Z
(21)【出願番号】P 2020036361
(22)【出願日】2020-03-04
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】平田 嗣章
(72)【発明者】
【氏名】椙崎 雄太
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-61133(JP,A)
【文献】特開2001-311746(JP,A)
【文献】特開2001-183385(JP,A)
【文献】特開昭58-70104(JP,A)
【文献】特開2001-21586(JP,A)
【文献】特開平10-32107(JP,A)
【文献】実開平4-6748(JP,U)
【文献】実開平3-11365(JP,U)
【文献】特開2001-124509(JP,A)
【文献】特開2001-124508(JP,A)
【文献】特開平10-201203(JP,A)
【文献】実開平6-43979(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/252
G01B 7/00-7/34
H01R 39/00-39/64
G01R 1/06-1/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースに収容される基板と、
前記基板に形成された印刷回路と、
前記ケースに支持される基端部、及び前記印刷回路に圧接される先端部を有する端子と、を備え、
前記先端部は、
前記端子の端面のうち前記基端部から最も遠くに位置する先端面と、
前記先端面よりも前記基端部寄りに位置し、前記印刷回路に接触する接触部と、
を含
み、
前記端子は、前記印刷回路が形成された前記基板の表面に対向する対向面を有し、
前記端子の前記先端部は、
前記対向面の一部を形成するように、前記基板の前記表面に対して交差する第1方向に沿って前記基端部側から前記接触部まで延在する第1面と、
前記端子の前記先端部の前記第1面の裏側の面であって、前記第1方向に沿って前記基端部側から前記第1方向における前記接触部の位置を越えて前記先端面まで延在する背面と、
を含む
ポジションセンサ。
【請求項2】
前記端子の前記対向面は、
前記第1面と、
前記接触部を挟んで前記第1面とは反対側に位置して前記端子の前記先端面に連なり、前記基板の前記表面に対して交差する第2方向に沿って延在する第2面と、を含む請求項1に記載のポジションセンサ。
【請求項3】
前記基板の前記表面に対して前記第2方向がなす角度θは、3度以上30度未満である請求項2に記載のポジションセンサ。
【請求項4】
前記第2面は、前記接触部と前記先端面との間に位置する平面である請求項2又は3に記載のポジションセンサ。
【請求項5】
ポジションセンサの基板に形成された印刷回路に対して、基端部がケースに支持された端子の先端部が圧接されるように、前記基板を前記ケースに組み付けるステップを備え、
前記ケースへの前記基板の組付け状態において、前記端子の前記先端部は、前記端子の端面のうち前記基端部から最も遠くに位置する先端面よりも前記基端部寄りに位置する接触部において、前記印刷回路に接触する
とともに、
前記端子は、前記印刷回路が形成された前記基板の表面に対向する対向面を有し、
前記端子の前記先端部は、
前記対向面の一部を形成するように、前記基板の前記表面に対して交差する第1方向に沿って前記基端部側から前記接触部まで延在する第1面と、
前記端子の前記先端部の前記第1面とは裏側の面であって、前記第1方向に沿って前記基端部側から前記第1方向における前記接触部の位置を越えて前記先端面まで延在する背面と、
を含む
ポジションセンサの製造方法。
【請求項6】
打ち抜き加工により、前記端子の外形を有する板材を形成するステップと、
前記印刷回路が形成された前記基板の表面に対向する前記端子の対向面の一部として、前記端子の前記先端面に連なる平面部が形成されるように、前記板材に対して面打ち加工を行うステップと、を備える請求項5に記載のポジションセンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポジションセンサ、及びポジションセンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、検知対象物の変位を検出する装置としてポジションセンサが知られている。ポジションセンサは、基板と、基板に形成された回路と、回路に圧接される端子と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、基板に形成された回路に端子を圧接する際に、端子の先端の摺動によって回路の一部が削られ、回路の導通抵抗が変化する場合がある。この結果、ポジションセンサの品質がばらついてしまう虞がある。
【0005】
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、品質のばらつきを抑制することができるポジションセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るポジションセンサは、ケースと、ケースに収容される基板と、基板に形成された印刷回路と、ケースに支持される基端部、及び印刷回路に圧接される先端部を有する端子と、を備え、先端部は、端子の端面のうち基端部から最も遠くに位置する先端面と、先端面よりも基端部寄りに位置し、印刷回路に接触する接触部と、を含む。
【0007】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の構成において、端子は、印刷回路が形成された前記基板の表面に対向する対向面を有し、端子の前記対向面は、基板の表面に対して交差する第1方向に沿って延在する第1面と、接触部を挟んで第1面とは反対側に位置して端子の先端面に連なり、基板の表面に対して交差する第2方向に沿って延在する第2面と、を含んでもよい。
【0008】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載の構成において、基板の表面に対して第2方向がなす角度θは、3度以上30度未満であってもよい。
【0009】
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)に記載の構成において、第2面は、接触部と先端面との間に位置する平面であってもよい。
【0010】
(5)本発明の少なくとも一実施形態に係るポジションセンサの製造方法は、ポジションセンサの基板に形成された印刷回路に対して、基端部がケースに支持された端子の先端部が圧接されるように、基板をケースに組み付けるステップを備え、ケースへの基板の組付け状態において、端子の先端部は、端子の端面のうち基端部から最も遠くに位置する先端面よりも基端部寄りに位置する接触部において、印刷回路に接触する。
【0011】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)に記載の製造方法において、打ち抜き加工により、端子の外形を有する板材を形成するステップと、印刷回路が形成された基板の表面に対向する端子の対向面の一部として、端子の先端面に連なる平面部が形成されるように、板材に対して面打ち加工を行うステップと、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示のポジションセンサによれば、品質のばらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るポジションセンサの構成を概略的に示す斜視図であって、説明のためポジションセンサの構成の一部を分解して示している。
【
図2】本発明の一実施形態に係るケースの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る基板及び印刷回路の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る端子の先端部の構成を概略的に示す概略構成図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る端子の先端部の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図6】端子の先端の形状を模式的に示す参照図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るポジションセンサの製造方法を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の別の実施形態に係るポジションセンサの構成を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0015】
(ポジションセンサ)
図1~
図5を参照して、本発明の一実施形態に係るポジションセンサの構成について説明する。本開示では、スロットルの開度を検出するスロットルポジションセンサを例にして説明するが、ポジションセンサはスロットルポジションセンサ以外のポジションセンサであってもよい。例えば、ポジションセンサは、クランクシャフトの回転位置を検出するクランクポジションセンサであってもよい。
【0016】
図1~
図3に示すように、ポジションセンサ1は、ケース2と、基板4(エレメントベース)と、印刷回路6と、ケース2に支持される基端部8a及び印刷回路6に圧接される先端部8bを有する端子8と、を備える。
【0017】
図2に示すように、ケース2は、筒状形状を有する本体部2aを含んでおり、この本体部2aの内部には収容空間3が形成されている。収容空間3は一方側に向かって開口しており、本開示では、収容空間3が開口している方向を上方向として説明する。
図1に参照されるように、収容空間3の開口は、板状の部材であるトップカバー部10によって閉塞される。収容空間3の開口がトップカバー部10によって閉塞されている際には、収容空間3内に設けられ、収容空間3内を開口に向かって突出する突出部11は、基板4に形成される貫通孔13を貫通している。
【0018】
また、ケース2は、端子支持部2bと、取付部2cと、をさらに含んでいる。端子支持部2bは、本体部2aの外周面に取り付けられている。この端子支持部2bは、端子8の基端部8aが埋設されており、端子8の基端部8aを支持している。取付部2cは、本体部2aの下面に取り付けられており、収容空間3と外部とを連通する連通孔12が形成されている。連通孔12内には、不図示ではあるが、収容空間3内に収容されるロータ14とスロットルシャフトとを連結するための連結シャフトが配置されている。尚、ケース2を構成する本体部2a、端子支持部2b、及び取付部2cは、全体で一部品として構成され、例えば樹脂で一体構成されてもよい。
【0019】
図1に参照されるように、収容空間3内には、スプリング18と、ブラシ20とが収容されている。スプリング18は、ロータ14の周囲を巻回しており、ロータ14が所定方向に回転するように付勢されている。ブラシ20は、ロータ14の上面に取り付けられ、印刷回路6に、特に後述する印刷回路6の低抵抗膜パターン6cに、接触可能に配置されている。このような構成を備えるポジションセンサ1は、検知対象物であるスロットルの開度が変化すると、スロットルと連動するブラシ20が印刷回路6を摺動し、端子8を介して印刷回路6に電圧を印加するとともにブラシ20の位置に対応する電圧を取得して、スロットルの開度を検出する。
【0020】
基板4は、板状形状を有するものであって、上述したロータ14、スプリング18、及びブラシ20とともに収容空間3に収容される。
図3に示すように、基板4の表面5には印刷回路6が形成されている。本実施形態では、基板4の下面に印刷回路6が形成されている。
【0021】
印刷回路6は、電極膜パターン6aと、抵抗膜パターン6bと、低抵抗膜パターン6cと、を含んでもよい。電極膜パターン6aは基板4の表面5に、例えば、銀を含む導電性の高い材料で成膜されたものである。別の実施形態では、電極膜パターン6aは、アルミニウム、金、ニッケルなど銀以外のものを含む導電性の高い材料で成膜されてもよい。抵抗膜パターン6bは、電極膜パターン6aの一部を覆うように成膜されたものである。低抵抗膜パターン6cは、抵抗膜パターン6bと比較して電導性の高い材料で成膜されたものであり、電極膜パターン6aの残部を覆う。この低抵抗膜パターン6cは、端子8の先端部8bが圧接される。つまり、低抵抗膜パターン6cは、電極膜パターン6aの残部を保護する保護膜としても機能する。
【0022】
端子8は、ポジションセンサ1の出力を外部に取り出すためのものであって、上述したように基端部8aと先端部8bを有している。端子8の基端部8aはケース2の端子支持部2bによって支持され、端子8の先端部8bはケース2の収容空間3内に位置している。つまり、端子8は、端子支持部2bから収容空間3に向かって水平方向に沿って延びている。
【0023】
端子8の先端部8bは、印刷回路6に圧接される前の自然状態において基板4(印刷回路6)側に向かって屈曲している。この端子8の先端部8bは、印刷回路6に圧接される圧接状態において自然状態と比較して屈曲量が小さくなるように、印刷回路6に圧接されている。つまり、端子8は板バネとして機能するようになっている。尚、端子8は、バネ性、且つ、高い導電率を有する材料で、例えば、リン青銅で構成される。
【0024】
図4を参照して、端子8の先端部8bの構成について説明する。
図4に示すように、端子8の先端部8bは、端子8の端面のうち基端部8aから最も遠くに位置する先端面22と、先端面22よりも基端部8a寄りに位置し、印刷回路6に接触する接触部24と、を含む。
【0025】
端子8は、印刷回路6が形成された基板4の表面5に対向する対向面26を有する。
図4に示すように、この対向面26は、基板4の表面5に対して交差する第1方向D1に沿って延在する第1面28と、接触部24を挟んで第1面28とは反対側に位置して端子8の先端面22に連なり、基板4の表面5に対して交差する第2方向D2に沿って延在する第2面30と、を含んでもよい。つまり、接触部24は、第1面28と第2面30とが交差する部分である。
【0026】
また、端子8は、端子8の先端面22及び端子8の第1面28が基板4の表面5の法線方向に対して交差するように、配置されてもよい。この際、基板4の表面5に対して第2方向D2がなす角度θは、3度以上30度未満であってもよく、例えば、角度θは21度である。また、
図5に示すように、第2面30は、接触部24と先端面22との間に位置する平面であってもよい。この第2面30は、接触部24側から先端面22側に向かうにつれて、第2面30の幅の大きさが小さくなっている。
【0027】
(作用・効果)
本発明の一実施形態に係るポジションセンサ1の作用・効果について説明する。本発明者らの知見によると、端子8の先端面22には意図せぬ干渉部が形成されている場合がある。例えば、
図6の参照図に示されるように、打ち抜き加工によって端子8の先端面22が形成される場合には、端子8の先端面22はダレ50(干渉部)、せん断面52、破断面54、及びバリ56を含む。このため、基板4をケース2に組み付けようと、基板4に形成された印刷回路6に端子8を圧接する際に、ダレ50によって印刷回路6の一部が削られ、印刷回路6の導通抵抗が変化し、ポジションセンサ1の品質をばらつかせてしまう虞がある。また、ダレ50の位置や形状、大きさなどを調整することは容易ではない。
【0028】
しかしながら、本実施形態によれば、印刷回路6に接触する接触部24は、先端面22よりも基端部8a寄りに位置している。このため、端子8の先端部8bを印刷回路6に圧接しようと、端子8を摺動させる際に、印刷回路6に端子8の先端面22が干渉することを抑止する、又は抑制することができる。つまり、ダレ50によって印刷回路6の一部が削られることを防ぐことができる。よって、ポジションセンサ1の品質のばらつきを抑制することができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、自然状態の端子8が印刷回路6側とは反対方向に撓むように基板4に対して押し付けられることで、端子8と印刷回路6との導通を確保することができる。よって、端子8を複数部品の接合体で構成する場合と比較して簡素な構成にすることができ、コストを抑制することができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、接触部24は、印刷回路6が形成された基板4の表面5に対向する対向面26のうち、第1面28と第2面30と境界部分に位置する。このため、先端面22にダレ50が形成されていたとしても、印刷回路6に端子8の先端部8bを圧接しようと、端子8を摺動させる際に、印刷回路6にダレ50が干渉することを抑止する、又は抑制することができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、角度θは3度以上であるので、端子8の先端部8bが印刷回路6に圧接される前の自然状態であっても、印刷回路6と接触部24との接地を確保することができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、第2面30は、接触部24と先端面22との間に位置する平面であるので、打ち抜き加工された端子8の先端面22を加工することで、先端面22に形成されているダレ50が印刷回路6に干渉することを抑止する、又は抑制することができる。また、先端面22の加工方法として、例えば、ダレ50に面打ち加工して第2面30を形成するという比較的容易な加工方法を実施するだけで、ポジションセンサ1の品質のばらつきを容易に抑制することができる。
【0033】
(ポジションセンサの製造方法)
図7を参照して、本発明の一実施形態に係るポジションセンサの製造方法について説明する。以下では、上述したポジションセンサ1を製造する場合を例にして説明しており、ポジションセンサ1の構成部材には同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略している。
【0034】
図7に示すように、ポジションセンサ1の製造方法は、基板組付けステップS3を備える。基板組付けステップS3では、ポジションセンサ1の基板4に形成された印刷回路6に対して端子8の先端部8bが圧接されるように、基板4をケース2に組み付ける。この際、ケース2への基板4の組付け状態において、端子8の先端部8bは、端子8の先端面22よりも基端部8a寄りに位置する接触部24において、印刷回路6に接触する。
【0035】
また、
図7に示すように、ポジションセンサ1の製造方法は、板材形成ステップS1と、面打ち加工ステップS2と、をさらに備えてもよい。板材形成ステップS1及び面打ち加工ステップS2は基板組付けステップS3より先に行われるステップである。
【0036】
板材形成ステップS1では、打ち抜き加工により、端子8の外形を有する板材を形成する。つまり、この板材は、
図6の参照図に示したような端子8の先端面22を有している。
【0037】
面打ち加工ステップS2では、印刷回路6が形成された基板4の表面5に対向する端子8の対向面26の一部として、端子8の先端面22に連なる平面部(第2面30)が形成されるように、板材形成ステップS1で形成された板材に対して面打ち加工を行う。具体的には、ダレ50が形成されている端子8の先端面22に対して面打ち加工を行い、先端面22のダレ50を押し広げて、第2面30を形成する。
【0038】
このような方法によれば、端子8の先端面22に形成されているダレ50を排除することができるので、ダレ50が印刷回路6に干渉することを抑止する、又は抑制することができる。よって、ポジションセンサ1の品質のばらつきを抑制することができる。また、このような方法によれば、面打ち加工ステップS2という比較的容易な工程を行うだけで、ポジションセンサ1の品質のばらつきを容易に抑制することができる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態に係るポジションセンサ、及びポジションセンサの製造方法について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。例えば、
図8に示すように、本発明を直動型センサ100(1)に適用することができる。この直動型センサ100の基板104(4)は、収容空間103(3)内に直立された状態で収容されている。直動型センサ100の端子108(8)の先端部108b(8b)は、基板104に形成された印刷回路106(6)に圧接される圧接状態において自然状態と比較して屈曲量が小さくなるように、印刷回路106に圧接されている。
【符号の説明】
【0040】
1 ポジションセンサ
2 ケース
4 基板
5 基板の表面
6 印刷回路
8 端子
8a 端子の基端部
8b 端子の先端部
22 先端面
24 接触部
26 対向面
28 第1面
30 第2面
D1 第1方向
D2 第2方向
S1 板材形成ステップ
S2 面打ち加工ステップ
S3 基板組付けステップ