(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 37/14 20060101AFI20240426BHJP
H02K 5/167 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
H02K37/14 535K
H02K5/167 B
(21)【出願番号】P 2020158743
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】古林 一美
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-083619(JP,A)
【文献】特開2019-068524(JP,A)
【文献】特開2008-232289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 37/14
H02K 5/167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸および駆動用磁石を有するロータと、前記駆動用磁石の外周側に配置されるステータとを備えるとともに、前記回転軸の軸方向の一方側を出力側とし、前記回転軸の軸方向の他方側を反出力側とすると、前記回転軸の反出力側部分を前記回転軸の径方向で支持する反出力側軸受と、前記ステータの反出力側に固定され前記反出力側軸受を保持する軸受保持部材と、前記回転軸を出力側に付勢するバネ部材とを備え、
前記ロータは、前記回転軸の外周面に固定される円環状かつ平板状のボスを備え、
前記駆動用磁石は、円筒状に形成されるとともに前記ボスの外周面に固定され、
前記駆動用磁石の反出力側の端面は、前記回転軸の軸方向において隙間を介して前記軸受保持部材に対向し、
前記回転軸の反出力側部分には、前記回転軸の軸方向に直交する環状かつ平面状の段差面が形成され、
前記段差面は、反出力側を向くとともに前記ボスよりも反出力側に配置され、
前記反出力側軸受または前記軸受保持部材には、前記回転軸の軸方向において隙間を介して前記段差面に対向する対向部が形成され、
前記回転軸の軸方向における前記段差面と前記対向部との距離は、前記回転軸の軸方向における前記駆動用磁石の反出力側の端面と前記軸受保持部材との距離よりも短くなっていることを特徴とするモータ。
【請求項2】
回転軸および駆動用磁石を有するロータと、前記駆動用磁石の外周側に配置されるステータとを備えるとともに、前記回転軸の軸方向の一方側を出力側とし、前記回転軸の軸方向の他方側を反出力側とすると、前記回転軸の反出力側部分を前記回転軸の径方向で支持する反出力側軸受と、前記ステータの反出力側に固定され前記反出力側軸受を保持する軸受保持部材と、前記回転軸を出力側に付勢するバネ部材と、環状かつ平板状に形成される座金とを備え、
前記ロータは、前記回転軸の外周面に固定される円環状かつ平板状のボスを備え、
前記駆動用磁石は、円筒状に形成されるとともに前記ボスの外周面に固定され、
前記駆動用磁石の反出力側の端面は、前記回転軸の軸方向において隙間を介して前記軸受保持部材に対向し、
前記回転軸の反出力側部分には、前記回転軸の軸方向に直交する環状かつ平面状の段差面が形成され、
前記段差面は、反出力側を向くとともに前記ボスよりも反出力側に配置され、
前記座金の内周側には、前記回転軸の反出力側部分が挿通され、
前記座金の出力側の面は、前記段差面に対向し、
前記反出力側軸受または前記軸受保持部材には、前記回転軸の軸方向において前記座金の反出力側の面に対向する対向部が形成され、
前記回転軸の軸方向における前記段差面と前記対向部との距離から前記座金の厚さを引いた値は、前記回転軸の軸方向における前記駆動用磁石の反出力側の端面と前記軸受保持部材との距離よりも小さくなっていることを特徴とするモータ。
【請求項3】
前記対向部は、前記回転軸の軸方向に直交する環状かつ平面状の対向面であり、
前記反出力側軸受の出力側の端面の少なくとも一部が前記対向面となっていることを特徴とする請求項1または2記載のモータ。
【請求項4】
前記反出力側軸受の出力側の端部の外周側部分には、前記軸受保持部材にカシメ固定されるカシメ固定部が形成され、
前記反出力側軸受の出力側の端面の、前記カシメ固定部よりも前記回転軸の径方向における内側の部分が前記対向面の少なくとも一部となっていることを特徴とする請求項3記載のモータ。
【請求項5】
前記段差面は、前記駆動用磁石の反出力側の端面よりも反出力側に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のモータ。
【請求項6】
前記ロータは、前記回転軸の軸方向において間隔をあけた状態で配置される2枚の前記ボスを備え、
前記ボスは、前記回転軸に圧入されて固定され、
前記駆動用磁石は、前記ボスに接着されて固定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸および駆動用磁石を有するロータと、駆動用磁石の外周側に配置されるステータとを備えるモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転軸を有するロータと、ロータの外周側に配置される筒状のステータとを備えるモータ(ステッピングモータ)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のモータは、ステータの反出力側の端面に固定される反出力側端板と、反出力側端板に保持される反出力側軸受(反出力側ラジアル軸受)とを備えている。反出力側軸受は、回転軸の反出力側部分を支持している。ロータは、回転軸に対して同軸状に配置される円筒状の駆動用磁石(ロータマグネット)と、回転軸と駆動用磁石とを連結するための2個のボス(ブッシュ)とを備えている。
【0003】
特許文献1に記載のモータでは、ボスは、円環状の板状部材であり、回転軸に圧入されて固定されている。駆動用磁石は、ボスの外周縁に接着されて固定されている。回転軸の軸方向において、2個のボスのうちの反出力側に配置されるボスと反出力側軸受との間には、環状に形成される2枚の座金(ワッシャ)と、2枚の座金の間に挟まれる皿バネ等の付勢部材とが配置されている。2枚の座金のうちの一方の座金は、反出力側に配置されるボスに所定の接触圧で接触し、他方の座金は、反出力側軸受に所定の接触圧で接触している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のモータでは、円環状の板状部材であるボスが回転軸に圧入されて固定されているため、回転軸の軸方向において、回転軸に対してボスが強固に固定されているとは言い難い。したがって、たとえば、比較的大きな衝撃が加わる可能性のある環境下で特許文献1に記載のモータが使用される場合に、比較的大きな衝撃がこのモータに加わって、反出力側への過剰な負荷がロータに作用すると(すなわち、ロータが反出力側へ移動する過剰な負荷がロータに作用すると)、反出力側に配置されるボスが座金によって出力側に相対的に押されて、このボスが回転軸に対して出力側へずれるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、円環状かつ平板状のボスを介して駆動用磁石が回転軸に取り付けられていても、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときの回転軸に対するボスのずれを防止することが可能なモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のモータは、回転軸および駆動用磁石を有するロータと、駆動用磁石の外周側に配置されるステータとを備えるとともに、回転軸の軸方向の一方側を出力側とし、回転軸の軸方向の他方側を反出力側とすると、回転軸の反出力側部分を回転軸の径方向で支持する反出力側軸受と、ステータの反出力側に固定され反出力側軸受を保持する軸受保持部材と、回転軸を出力側に付勢するバネ部材とを備え、ロータは、回転軸の外周面に固定される円環状かつ平板状のボスを備え、駆動用磁石は、円筒状に形成されるとともにボスの外周面に固定され、駆動用磁石の反出力側の端面は、回転軸の軸方向において隙間を介して軸受保持部材に対向し、回転軸の反出力側部分には、回転軸の軸方向に直交する環状かつ平面状の段差面が形成され、段差面は、反出力側を向くとともにボスよりも反出力側に配置され、反出力側軸受または軸受保持部材には、回転軸の軸方向において隙間を介して段差面に対向する対向部が形成され、回転軸の軸方向における段差面と対向部との距離は、回転軸の軸方向における駆動用磁石の反出力側の端面と軸受保持部材との距離よりも短くなっていることを特徴とする。
【0008】
本発明のモータでは、回転軸に形成される段差面と反出力側軸受または軸受保持部材に形成される対向部との回転軸の軸方向における距離は、回転軸の軸方向における駆動用磁石の反出力側の端面と軸受保持部材との距離よりも短くなっている。そのため、本発明では、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときに、駆動用磁石が軸受保持部材に接触する前に、回転軸の段差面が対向部に接触する。したがって、本発明では、反出力側への過剰な負荷がロータに作用しても、駆動用磁石が軸受保持部材に接触しない。また、本発明では、回転軸の段差面がボスよりも反出力側に配置されているため、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときに、反出力側軸受および軸受保持部材にボスが接触するのを防止することが可能になる。
【0009】
したがって、本発明では、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときに、駆動用磁石、および、駆動用磁石が固定されるボスに、回転軸に対して相対的に出力側へ移動する方向の負荷が作用するのを防止することが可能になる。その結果、本発明では、円環状かつ平板状のボスを介して駆動用磁石が回転軸に取り付けられていても、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときの回転軸に対するボスのずれを防止することが可能になる。また、本発明では、反出力側への過剰な負荷がロータに作用しても、駆動用磁石が軸受保持部材に接触しないため、反出力側への過剰な負荷がロータに作用しても、駆動用磁石が軸受保持部材に接触することに起因する駆動用磁石の損傷を防止することが可能になる。
【0010】
また、上記の課題を解決するため、本発明のモータは、回転軸および駆動用磁石を有するロータと、駆動用磁石の外周側に配置されるステータとを備えるとともに、回転軸の軸方向の一方側を出力側とし、回転軸の軸方向の他方側を反出力側とすると、回転軸の反出力側部分を回転軸の径方向で支持する反出力側軸受と、ステータの反出力側に固定され反出力側軸受を保持する軸受保持部材と、回転軸を出力側に付勢するバネ部材と、環状かつ平板状に形成される座金とを備え、ロータは、回転軸の外周面に固定される円環状かつ平板状のボスを備え、駆動用磁石は、円筒状に形成されるとともにボスの外周面に固定され、駆動用磁石の反出力側の端面は、回転軸の軸方向において隙間を介して軸受保持部材に対向し、回転軸の反出力側部分には、回転軸の軸方向に直交する環状かつ平面状の段差面が形成され、段差面は、反出力側を向くとともにボスよりも反出力側に配置され、座金の内周側には、回転軸の反出力側部分が挿通され、座金の出力側の面は、段差面に対向し、反出力側軸受または軸受保持部材には、回転軸の軸方向において座金の反出力側の面に対向する対向部が形成され、回転軸の軸方向における段差面と対向部との距離から座金の厚さを引いた値は、回転軸の軸方向における駆動用磁石の反出力側の端面と軸受保持部材との距離よりも小さくなっていることを特徴とする。
【0011】
本発明のモータでは、回転軸に形成される段差面と反出力側軸受または軸受保持部材に形成される対向部との回転軸の軸方向における距離から座金の厚さを引いた値は、回転軸の軸方向における駆動用磁石の反出力側の端面と軸受保持部材との距離よりも小さくなっている。そのため、本発明では、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときに、駆動用磁石が軸受保持部材に接触する前に、回転軸の段差面と座金とが接触するとともに対向部と座金とが接触する。したがって、本発明では、反出力側への過剰な負荷がロータに作用しても、駆動用磁石が軸受保持部材に接触しない。また、本発明では、回転軸の段差面がボスよりも反出力側に配置されているため、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときに、反出力側軸受および軸受保持部材にボスが接触するのを防止することが可能になる。
【0012】
したがって、本発明では、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときに、駆動用磁石、および、駆動用磁石が固定されるボスに、回転軸に対して相対的に出力側へ移動する方向の負荷が作用するのを防止することが可能になる。その結果、本発明では、円環状かつ平板状のボスを介して駆動用磁石が回転軸に取り付けられていても、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときの回転軸に対するボスのずれを防止することが可能になる。また、本発明では、反出力側への過剰な負荷がロータに作用しても、駆動用磁石が軸受保持部材に接触しないため、反出力側への過剰な負荷がロータに作用しても、駆動用磁石が軸受保持部材に接触することに起因する駆動用磁石の損傷を防止することが可能になる。
【0013】
本発明において、対向部は、回転軸の軸方向に直交する環状かつ平面状の対向面であり、反出力側軸受の出力側の端面の少なくとも一部が対向面となっていることが好ましい。このように構成すると、対向部が環状かつ平面状の対向面であるため、回転軸の段差面が対向部に接触したときの状態を安定させることが可能になる。また、このように構成すると、反出力側軸受の出力側の端面の少なくとも一部が対向面となっているため、反出力側軸受に対向部が別途形成されている場合と比較して反出力側軸受の構成を簡素化することが可能になるとともに、軸受保持部材に対向部が形成されている場合と比較して軸受保持部材の構成を簡素化することが可能になる。
【0014】
本発明において、たとえば、反出力側軸受の出力側の端部の外周側部分には、軸受保持部材にカシメ固定されるカシメ固定部が形成され、反出力側軸受の出力側の端面の、カシメ固定部よりも回転軸の径方向における内側の部分が対向面の少なくとも一部となっている。
【0015】
本発明において、段差面は、駆動用磁石の反出力側の端面よりも反出力側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときに駆動用磁石が軸受保持部材に接触するのを確実に防止することが可能になる。
【0016】
本発明において、たとえば、ロータは、回転軸の軸方向において間隔をあけた状態で配置される2枚のボスを備え、ボスは、回転軸に圧入されて固定され、駆動用磁石は、ボスに接着されて固定されている。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明のモータでは、円環状かつ平板状のボスを介して駆動用磁石が回転軸に取り付けられていても、反出力側への過剰な負荷がロータに作用したときの回転軸に対するボスのずれを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態にかかるモータの断面図である。
【
図2】(A)は、
図1のE部の拡大図であり、(B)は、
図2(A)のF部の拡大図である。
【
図3】
図2(A)のG-G方向から反出力側軸受およびバネ部材を示す図である。
【
図5】本発明の他の実施の形態にかかるモータの構成を説明するための拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(モータの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるモータ1の断面図である。
【0021】
本形態のモータ1は、ステッピングモータである。モータ1は、回転軸2および駆動用磁石3を有するロータ4と、駆動用磁石3の外周側に配置されるステータ5とを備えている。以下の説明では、回転軸2の軸方向の一方側である
図1等のX1方向側を「出力側」とし、回転軸2の軸方向の他方側である
図1等のX2方向側を「反出力側」とする。また、以下の説明では、回転軸2の軸方向を「軸方向」とし、回転軸2の径方向を「径方向」とする。
【0022】
回転軸2は、金属で形成されている。回転軸2の出力側の大半部分は、ステータ5よりも出力側へ突出している。回転軸2の、ステータ5から出力側に突出している部分は、外周面に送りねじが形成された送りねじ軸(リードスクリュー)2aとなっている。すなわち、回転軸2には、送りねじが形成されている。ロータ4は、回転軸2および駆動用磁石3に加えて、回転軸2の外周面に固定される円環状かつ平板状のボス6を備えている。ロータ4の具体的な構成については後述する。
【0023】
ステータ5は、全体として略円筒状に形成されている。ステータ5の出力側の端面および反出力側の端面は、軸方向に直交する円環状の平面となっている。ステータ5は、駆動用磁石3の外周面に対向配置される極歯が形成されるステータコア7と、ボビン8を介してステータコア7に巻回される駆動用コイル9とを備えている。
【0024】
モータ1は、ロータ4およびステータ5に加えて、ステータ5の出力側の端面に固定されるフレーム11と、ステータ5の反出力側に固定される端板12と、回転軸2の出力側部分を支持する出力側軸受13と、回転軸2の反出力側部分を支持する反出力側軸受14と、回転軸2を出力側に付勢するバネ部材15とを備えている。送りねじ軸2aには、送りねじ軸2aに沿って直線的に移動する可動体16が取り付けられている。
【0025】
フレーム11は、角溝状に形成されており、底面部11aと、底面部11aの出力側端から直角に立ち上がる側面部11bと、底面部11aの反出力側端から直角に立ち上がる側面部11cとから構成されている。ステータ5の前端面には、側面部11cが固定されている。側面部11cには、回転軸2が挿通される貫通穴が形成されている。
【0026】
出力側軸受13は、回転軸2の出力側の端部を径方向および軸方向で支持している。出力側軸受13は、鍔付きの有底円筒状に形成される軸受部材20と、軸受部材20の内部に配置される球状のボール21とから構成されている。軸受部材20は、フレーム11の側面部11bに保持されている。回転軸2の出力側の端面には、ボール21の一部が配置される凹部が形成されている。出力側軸受13は、回転軸2の出力側への移動を規制している。
【0027】
反出力側軸受14は、回転軸2の反出力側部分を径方向で支持している。反出力側軸受14は、鍔付きの円筒状に形成される軸受部材によって構成されている。バネ部材15は、板バネである。したがって、以下では、バネ部材15を「板バネ15」とする。反出力側軸受14および板バネ15の具体的な構成については後述する。
【0028】
端板12は、環状かつ平板状に形成されている。端板12は、ステータ5の反出力側の端面に固定されている。端板12は、端板12の厚さ方向と軸方向とが一致するように配置されている。端板12の出力側の面および反出力側の面は、軸方向に直交する平面となっている。端板12は、反出力側軸受14を保持している。本形態の端板12は、反出力側軸受14を保持する軸受保持部材である。
【0029】
可動体16は、送りねじ軸2aに係合する2個のナット部材22と、2個のナット部材22の間に配置される圧縮コイルバネ23と、2個のナット部材22と一緒に移動するスライダ24とを備えている。ナット部材22は、スライダ24の内部に配置されている。圧縮コイルバネ23は、2個のナット部材22が互いに離れる方向に2個のナット部材22を付勢する。
【0030】
(ロータ、反出力側軸受および板バネの構成)
図2(A)は、
図1のE部の拡大図であり、
図2(B)は、
図2(A)のF部の拡大図である。
図3は、
図2(A)のG-G方向から反出力側軸受14および板バネ15を示す図である。
図4は、
図1に示す板バネ15の斜視図である。
【0031】
上述のように、ロータ4は、回転軸2および駆動用磁石3を備えている。また、ロータ4は、ボス6を備えている。本形態のロータ4は、軸方向において間隔をあけた状態で配置される2枚のボス6を備えている。ボス6は、送りねじ軸2aよりも反出力側に配置されている。ボス6は、回転軸2に圧入されて固定されている。
【0032】
駆動用磁石3は、円筒状に形成されている。駆動用磁石3は、2枚のボス6の外周面に固定されている。また、駆動用磁石3は、ボス6に接着されて固定されている。すなわち、駆動用磁石3の内周面は、接着剤によって、2枚のボス6の外周面に固定されている。駆動用磁石3は、送りねじ軸2aよりも反出力側に配置されている。駆動用磁石3の反出力側の端面は、軸方向において隙間を介して端板12に対向している。すなわち、駆動用磁石3の反出力側の端面は、軸方向において隙間を介して端板12の出力側の面に対向している。
【0033】
回転軸2の反出力側端は、端板12および反出力側軸受14よりも反出力側に配置されている。回転軸2は、2枚のボス6が固定されるボス固定部2bと、反出力側軸受14に支持される支持部2cとを備えている。ボス固定部2bおよび支持部2cは円柱状に形成されている。支持部2cは、回転軸2の反出力側の端部を構成している。支持部2cの外径は、ボス固定部2bの外径よりも小さくなっている。ボス固定部2bと支持部2cとの境界には、軸方向に直交する環状かつ平面状の段差面2dが形成されている。すなわち、回転軸2の反出力側部分には、段差面2dが形成されている。段差面2dは、円環状に形成されている。
【0034】
段差面2dは、反出力側を向いている。ボス固定部2bの外周面の反出力側端は、段差面2dの外周端に繋がり、支持部2cの外周面の出力側端は、段差面2dの内周端に繋がっている。段差面2dは、ボス6よりも反出力側に配置されている。また、
図2(B)に示すように、段差面2dは、駆動用磁石3の反出力側の端面よりも反出力側に配置されている。具体的には、段差面2dは、駆動用磁石3の反出力側の端面よりもわずかに反出力側に配置されている。
【0035】
反出力側軸受14は、金属で形成されている。また、反出力側軸受14は、上述のように、鍔付きの円筒状に形成されている。反出力側軸受14の円筒部は、端板12の内周側に挿通されている。反出力側軸受14の鍔部は、端板12の反出力側に配置されており、反出力側軸受14の鍔部の出力側の面は、端板12の反出力側の面に接触している。反出力側軸受14の出力側の端面(すなわち、反出力側軸受14の円筒部の出力側の端面)は、端板12の出力側の面よりも出力側に配置されている。反出力側軸受14の円筒部の外径は、ボス固定部2bの外径よりも大きくなっている。
【0036】
反出力側軸受14は、端板12に固定されている。具体的には、反出力側軸受14は、端板12にカシメ固定されている。本形態では、反出力側軸受14の出力側の端部の外周側部分にカシメ加工を行うことで、反出力側軸受14が端板12にカシメ固定されている。反出力側軸受14の出力側の端部の外周側部分では、回転軸2の周方向において一定間隔で複数箇所(たとえば、3箇所)にカシメ加工が行われている。すなわち、反出力側軸受14の出力側の端部の外周側部分には、端板12にカシメ固定されるカシメ固定部14a(
図2(B)参照)が形成されている。なお、
図3では、カシメ固定部14aの図示を省略している。
【0037】
反出力側軸受14の鍔部には、軸方向における板バネ15の移動を規制するための凹部14bが形成されている(
図2(B)参照)。凹部14bは、反出力側軸受14の鍔部の出力側の面から後ろ側に向かって窪むとともに、反出力側軸受14の鍔部の外周面から径方向の内側に向かって窪んでいる。また、凹部14bは、反出力側軸受14の軸心を中心とする円環状に形成されている。
【0038】
反出力側軸受14の出力側の端面には、反出力側に向かって窪むV溝14cが形成されている。V溝14cは、反出力側軸受14の軸心を中心とする円環状に形成されている。カシメ加工は、径方向におけるV溝14cの外側で行われており、カシメ固定部14aは、V溝14cよりも径方向の外側に形成されている。反出力側軸受14の出力側の端面の、カシメ固定部14aを除いた部分は、軸方向において隙間を介して回転軸2の段差面2dに対向する対向面14dとなっている。
【0039】
すなわち、反出力側軸受14の出力側の端面の一部は、対向面14dとなっている。また、反出力側軸受14の出力側の端面の、カシメ固定部14aよりも径方向における内側の部分は、対向面14dの一部となっている。対向面14dは、軸方向に直交する環状の平面である。すなわち、対向面14dは、軸方向に直交する環状かつ平面状に形成されている。対向面14dは、円環状に形成されている。本形態の対向面14dは、軸方向において隙間を介して段差面2dに対向する対向部であり、反出力側軸受14には、軸方向において隙間を介して段差面2dに対向する対向部が形成されている。
【0040】
図2に示すように、軸方向における段差面2dと対向面14dとの距離D1は、軸方向における駆動用磁石3の反出力側の端面と端板12との距離D2よりも短くなっている。すなわち、軸方向における段差面2dと対向部14cとの間の隙間は、軸方向における駆動用磁石3の反出力側の端面と端板12の出力側の面との間の隙間よりも狭くなっている。
【0041】
板バネ15は、ステンレス鋼板等の薄い1枚の金属板を所定形状に折り曲げることで形成されている。板バネ15は、回転軸2の反出力側端に反出力側から接触して回転軸2を押す軸接触部15aと、反出力側軸受14に取り付けられる被取付部15bと、軸接触部15aと被取付部15bとを繋ぐ連結部15cとから構成されている。軸接触部15aおよび連結部15cは、曲板状に形成されている。被取付部15bは、平板状に形成されている。被取付部15bは、被取付部15bの厚さ方向と軸方向とが一致するように配置されている。以下では、説明の便宜上、軸方向に直交する所定の方向(
図3等のY方向)を左右方向とし、軸方向と左右方向とに直交する方向の一方側(
図3等のZ1方向側)を上側とし、上側の反対側(
図3等のZ2方向側)を下側とする。
【0042】
左右方向から見たときの連結部15cの形状は円弧状となっている。連結部15cは、被取付部15bの下端に繋がっている。連結部15cは、被取付部15bの下端から下側に伸びた後、反出力側かつ下側に伸びてから反出力側かつ上側に伸びている。左右方向から見たときの軸接触部15aの形状は円弧状となっている。軸接触部15aは、連結部15cの上端に繋がっている。軸接触部15aは、連結部15cの上端から出力側かつ上側に伸びた後、反出力側かつ上側に伸びてから反出力側に伸びている。
【0043】
被取付部15bは、左右方向の両側において上側に向かって立ち上がる2個の突起部15dを有するU形状に形成されており、被取付部15bには、U形状の切欠き15eが形成されている。切欠き15eの底面および底面に繋がる側面の下端部は、軸方向から見たときの形状が半円弧となる曲面15fとなっている(
図4参照)。曲面15fの曲率半径は、反出力側軸受14の、凹部14bが形成された部分の外周面の曲率半径(径方向における凹部14bの内側面の曲率半径)とほぼ等しくなっており、反出力側軸受14の鍔部の外周面の曲率半径よりも小さくなっている。
【0044】
突起部15dの上端側部分には、左右方向の内側に向かって膨らむ凸部15gが形成されている。左右方向における2個の凸部15gの距離(具体的には、右側に配置される凸部15gの左端と左側に配置される凸部15gの右端との左右方向の距離)は、反出力側軸受14の、凹部14bが形成された部分の外周面の直径(径方向における凹部14bの内側面の直径)よりも短くなっている。被取付部15bの、曲面15fの縁は、軸方向において、端板12の反出力側の面と凹部14bの反出力側の面との間に挟まれている。曲面15fは、径方向における凹部14bの内側の面に接触している。凸部15gは、反出力側軸受14の、凹部14bが形成された部分の上下方向の中心よりも上側に配置されている。
【0045】
板バネ15は、反出力側軸受14を端板12に固定した後、反出力側軸受14の下側から上側に向かって板バネ15を移動させて、端板12の反出力側の面と凹部14bの反出力側の面との間に、曲面15fの縁を配置することで、反出力側軸受14に取り付けられる。板バネ15を反出力側軸受14に取り付けるときには、2個の突起部15dが弾性変形する。具体的には、反出力側軸受14の下側から上側に向かって移動する板バネ15の凸部15gが、反出力側軸受14の、凹部14bが形成された部分の上下方向の中心を通過するときに、2個の突起部15dが左右方向の外側に弾性変形し、その後、2個の突起部15dが左右方向の内側に弾性変形する。
【0046】
板バネ15の出力側への移動は、端板12の反出力側の面によって規制され、板バネ15の反出力側への移動は、凹部14bの反出力側の面によって規制されている。また、板バネ15の左右方向および上側への移動は、曲面15fが接触する凹部14bの、径方向の内側の面によって規制されている。また、上述のように、左右方向における2個の凸部15gの距離が、反出力側軸受14の、凹部14bが形成された部分の外周面の直径よりも小さくなっているため、板バネ15の下側への移動も規制されている。
【0047】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、回転軸2の段差面2dと反出力側軸受14の対向面14dとの軸方向における距離D1は、軸方向における駆動用磁石3の反出力側の端面と端板12との距離D2よりも短くなっている。そのため、本形態では、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用したときに、駆動用磁石3が端板12に接触する前に段差面2dが対向面14dに接触する。したがって、本形態では、反出力側への過剰な負荷がロータに作用しても、駆動用磁石3が端板12に接触しない。また、本形態では、段差面2dがボス6よりも反出力側に配置されているため、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用したときに、反出力側軸受14および端板12にボス6が接触しない。
【0048】
したがって、本形態では、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用したときに、駆動用磁石3、および、駆動用磁石3が固定されるボス6に、回転軸2に対して相対的に出力側へ移動する方向の負荷は作用しない。その結果、本形態では、ボス6を介して駆動用磁石3が回転軸2に取り付けられていても、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用したときの回転軸2に対するボス6のずれを防止することが可能になる。
【0049】
また、本形態では、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用しても、駆動用磁石3が端板12に接触しないため、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用しても、駆動用磁石3が端板12に接触することに起因する駆動用磁石3の損傷を防止することが可能になる。なお、本形態では、回転軸2の強度は十分に高いため、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用して、段差面2dが対向面14dに接触しても、回転軸2に損傷が生じる可能性は非常に低い。
【0050】
本形態では、段差面2dは、駆動用磁石3の反出力側の端面よりも反出力側に配置されている。そのため、本形態では、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用したときに駆動用磁石3が端板12に接触するのを確実に防止することが可能になる。
【0051】
本形態では、反出力側軸受14の出力側の端面の一部が、回転軸2の段差面2dに対向する対向面14dとなっている。そのため、本形態では、段差面2dに対向する対向面が反出力側軸受14に別途形成されている場合と比較して、反出力側軸受14の構成を簡素化することが可能になる。また、本形態では、対向面14dは、軸方向に直交する環状の平面であるため、段差面2dが対向面14dに接触したときの状態を安定させることが可能になる。
【0052】
(モータの変形例1)
図5(A)は、本発明の他の実施の形態にかかるモータ1の構成を説明するための拡大図である。
図5(A)では、上述した形態と同様の構成に同一の符号を付している。
【0053】
上述した形態において、回転軸2の段差面2dは、駆動用磁石3の反出力側の端面より出力側に配置されていても良い(
図5(A)参照)。また、上述した形態において、モータ1は、
図5(A)に示すように、回転軸2の段差面2dと反出力側軸受14の対向面14dとの間に配置される座金27を備えていても良い。座金27は、樹脂で形成されている。また、座金27は、環状かつ平板状に形成されている。具体的には、座金27は、円環状かつ平板状に形成されている。座金27の内周側には、回転軸2の反出力側部分が挿通されている。具体的には、支持部2cが座金27の内周側に挿通されている。座金27の厚さ方向は、軸方向と一致している。座金27は、支持部2cに圧入されて固定されている。ただし、座金27は、支持部2cに固定されていなくても良い。
【0054】
座金27の出力側の面は、段差面2dに対向している。この変形例では、たとえば、座金27の出力側の面は、段差面2dに接触している。座金27の反出力側の面は、隙間を介して対向面14dに対向している。すなわち、反出力側軸受14には、軸方向において座金27の反出力側の面に対向する対向部としての対向面14dが形成されている。この変形例では、軸方向における段差面2dと対向面14dとの距離D1から座金27の厚さtを引いた値は、軸方向における駆動用磁石3の反出力側の端面と端板12との距離D2よりも小さくなっている。
【0055】
そのため、この変形例では、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用したときに、駆動用磁石3が端板12に接触する前に、段差面2dと座金27とが接触するとともに対向面14dと座金27とが接触する。したがって、上述した形態と同様に、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用しても、駆動用磁石3が端板12に接触せず、その結果、駆動用磁石3、および、駆動用磁石3が固定されるボス6に、回転軸2に対して相対的に出力側へ移動する方向の負荷は作用しない。
【0056】
そのため、この変形例においても、上述した形態と同様に、ボス6を介して駆動用磁石3が回転軸2に取り付けられていても、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用したときの回転軸2に対するボス6のずれを防止することが可能になる。また、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用しても、駆動用磁石3が端板12に接触することに起因する駆動用磁石3の損傷を防止することが可能になる。
【0057】
また、上述した形態では、ロータ4が回転している状態で反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用して、金属製の回転軸2の段差面2dと金属製の反出力側軸受14の対向面14dとが接触している状態で回転軸2が所定時間回転すると、段差面2dと対向面14dとの焼き付きが生じてロータ4がロックするおそれがある。これに対して、この変形例では、段差面2dと対向面14dとの間に樹脂製の座金27が配置されているため、段差面2dと対向面14dとの焼き付きが生じるのを防止することが可能になる。なお、段差面2dと対向面14dとの焼き付きが生じる可能性がないのであれば、あるいは、可能性が低いのであれば、座金27は、金属で形成されていても良い。
【0058】
(モータの変形例2)
図5(B)は、本発明の他の実施の形態にかかるモータ1の構成を説明するための拡大図である。
図5(B)では、上述した形態と同様の構成に同一の符号を付している。
【0059】
上述した形態において、
図5(B)に示すように、端板12に、軸方向において隙間を介して回転軸2の段差面2dに対向する対向部としての対向面12dが形成されていても良い。この場合には、ボス固定部2bの外径は、反出力側軸受14の円筒部の外径よりも大きくなっている。また、この場合には、たとえば、端板12の出力側の面に出力側に突出する円環状の凸部12aが形成されており、凸部12aの出力側の面が対向面12dとなっている。
【0060】
対向面12dは、軸方向に直交する円環状の平面である。この変形例では、軸方向における段差面2dと対向面12dとの距離D3は、軸方向における段差面2dと対向面14dとの距離D1よりも短くなっている。また、軸方向における段差面2dと対向面12dとの距離D3は、軸方向における駆動用磁石3の反出力側の端面と端板12との距離D2よりも短くなっている。
【0061】
そのため、この変形例では、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用したときに、駆動用磁石3が端板12に接触する前に段差面2dが対向面12dに接触する。したがって、上述した形態と同様に、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用しても、駆動用磁石3が端板12に接触せず、その結果、駆動用磁石3、および、駆動用磁石3が固定されるボス6に、回転軸2に対して相対的に出力側へ移動する方向の負荷は作用しない。
【0062】
そのため、この変形例においても、上述した形態と同様に、ボス6を介して駆動用磁石3が回転軸2に取り付けられていても、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用したときの回転軸2に対するボス6のずれを防止することが可能になる。また、反出力側への過剰な負荷がロータ4に作用しても、駆動用磁石3が端板12に接触することに起因する駆動用磁石3の損傷を防止することが可能になる。なお、上述した形態のように、反出力側軸受14の出力側の端面の一部が段差面2dに対向する対向面14dとなっている場合には、この変形例と比較して、端板12の構成を簡素化することが可能になる。
【0063】
また、上述した変形例1において、端板12に対向面12dが形成されていても良い。この場合には、軸方向における段差面2dと対向面12dとの距離D3から座金27の厚さtを引いた値は、軸方向における駆動用磁石3の反出力側の端面と端板12との距離D2よりも小さくなっている。そのため、この場合であっても、変形例1と同様の効果を得ることができる。
【0064】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0065】
上述した形態において、回転軸2の周方向の全域において、反出力側軸受14の出力側の端部の外周側部分にカシメ加工を行っても良い。この場合には、反出力側軸受14の出力側の端面の、カシメ固定部14aよりも径方向における内側の部分によって対向面14aが構成されている。また、上述した形態において、反出力側軸受14にV溝14cが形成されていなくても良い。また、上述した形態において、反出力側軸受14は、カシメ固定以外の方法で端板12に固定されていても良い。この場合には、たとえば、反出力側軸受14の出力側の端面の全体が対向面14dとなっている。
【0066】
上述した形態において、段差面2dは、円環状以外の環状に形成されていても良い。また、上述した形態において、対向面14dは、円環状以外の環状に形成されていても良いし、環状に形成されていなくても良い。たとえば、対向面14dは円弧状の平面であっても良い。また、上述した変形例2において、対向面12dは、円環状以外の環状に形成されていても良いし、環状に形成されていなくても良い。
【0067】
上述した形態において、軸方向において隙間を介して段差面2dに対向する反出力側軸受14の対向部は、平面状に形成されていなくても良いし、上述した変形例2において、軸方向において隙間を介して段差面2dに対向する端板12の対向部は、平面状に形成されていなくても良い。また、上述した形態において、モータ1は、ステッピングモータ以外のモータであっても良い。
【符号の説明】
【0068】
1 モータ
2 回転軸
2d 段差面
3 駆動用磁石
4 ロータ
5 ステータ
6 ボス
12 端板(軸受保持部材)
12d 対向面(対向部)
14 反出力側軸受
14a カシメ固定部
14d 対向面(対向部)
15 板バネ(バネ部材)
27 座金
D1、D3 回転軸の軸方向における段差面と対向部との距離
D2 回転軸の軸方向における駆動用磁石の反出力側の端面と軸受保持部材との距離
t 座金の厚さ
X1 出力側
X2 反出力側